JP6891511B2 - 真空断熱材用外包材、真空断熱材、および真空断熱材付き物品 - Google Patents
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Description
1380cm−1付近に出現するプロピレンユニット由来の最大吸収ピークに対する、700cm−1から790cm−1までの波数領域に出現するプロピレンユニット以外のユニット(以下、他のユニットと称する場合がある。)由来の最大吸収ピークのピーク強度比が、所定値以下であるPPフィルムは、ホモポリマーの純度が高いと推量される。本発明の真空断熱材用外包材は、このようなPPフィルムを熱溶着層とすることで、上記熱溶着層からの揮発ガスの量を低減することができるからである。
なおユニットとは、各種ポリマーの構成単位(モノマーユニット)を意味する。
中でも、上記第3吸収ピークの上記ピーク強度に対する上記第1吸収ピークの上記ピーク強度の比、および上記第3吸収ピークの上記ピーク強度に対する上記第2吸収ピークの上記ピーク強度の比が、それぞれ0.05以下であることが好ましい。
このように、本発明によれば、物品に備わる上記真空断熱材が、上述の真空断熱材用外包材を用いた真空断熱材であり、高温環境下または常温にて長期間断熱性能を維持することができるため、良好な断熱性能を有する物品とすることができる。
本発明の真空断熱材用外包材は、熱溶着層の仕様により、2つの態様に分けることが出来る。以下、態様ごとに説明する。
本発明の真空断熱材用外包材は、熱溶着層、バリア層および保護層を、この順で有する真空断熱材用外包材であって、上記熱溶着層は、ホモポリマーを含有する無延伸ポリプロピレンフィルムであることを特徴とするものである。
本発明における熱溶着層は、上記外包材を用いて真空断熱材を形成する際に、芯材と接する部位であり、対向する外包材同士の端部を熱溶着する熱溶着面を形成する部位である。本発明においては、このような熱溶着層として、ホモポリマーを含有する無延伸ポリプロピレンフィルムが用いられる。
各CPPフィルムについて、1cm×5cmのサイズに切り出した試験片2枚を試料管に入れ、その試料管を下記条件にてパージ&トラップGC/MS法にかけて分析した。定量はC16標準により作成した検量線を用い、フィルムから揮発する有機ガス量の合計をC16換算値(mg/10cm2)として算出した。
・装置名:日本分析工業製JTD505
・加熱温度:90℃
・冷却温度:−60℃
・吸着材:グラスウール
・パージ時間:60min
・総スプリット比(導入量:排気量)=1:10
・カラム流量:1ml/min
・装置名:Agilent製 Agilent6890/5973
・キャピラリーカラム
・名称:DB−5MS相当
・固定相:5% diphenyl dimethyl polysiloxane(微極性)
・長さ×膜厚×内径:30m×0.25μm×0.25mm
・カラム流量:1ml/min
・オーブン条件:50℃(5min)→(10℃/min)→320℃(3min)
<加熱条件>
・装置名:電子科学製EMD−WA1000S
・加熱条件:30℃〜90℃
・昇温速度:10℃/min
・保持温度:90℃
・SiCステージにて試料を加熱
・MID法(定量)
・測定質量数(M/Z):2(H2)、18(H2O)、28(N2・CO)、32(O2)、44(CO2)
なお、上記CPPフィルムの90℃における揮発ガス量とは、上述した方法により定量された少なくとも有機成分の量とすることができ、有機成分および無機成分の総量が上記の範囲内であることが好ましい。
プロピレンユニット以外のユニット(すなわち、他のユニット)とは、例えば、PPのランダムコポリマーを構成するユニットのうちプロピレンユニット以外のユニット、PPのブロックコポリマーにおいて、ホモポリマーと共存する共重合を構成するユニットのうち、プロピレンユニット以外のユニット等が挙げられる。上記他のユニットは、PPのランダムコポリマーにおいてプロピレンモノマーと重合するモノマー骨格、PPのブロックコポリマーにおいて、ホモポリマーと共存する共重合を構成するモノマー骨格を有する。具体的には、ランダムコポリマーおよびブロックコポリマーにおけるエチレンユニット、ブテンユニット等のオレフィンユニットが挙げられる。なお、ポリマー成分の中に未反応のモノマーが単体で含まれる場合は、上記プロピレンユニット以外のユニットには、プロピレンモノマー以外の上記モノマーも含むものとする。
また、コポリマーに含まれる他のユニット由来のピークとは、700cm−1から790cm−1までの波数領域に出現する少なくとも1以上の吸収ピークとすることができる。例えば、ポリマーがエチレンユニットを含む場合、図5で示すように、720cm−1および730cm−1の各波数付近に強度の大きい吸収ピークBおよび吸収ピークCがそれぞれ出現する。上記波数付近に出現する吸収ピークB、吸収ピークCは、エチレンユニットのC−C骨格振動に起因したエチレンユニット由来のピークと推量される。PPフィルムにおいて上記ピークが出現するとき、ランダムPPやブロックPP内のエチレンユニットの存在が示唆される。上記エチレンユニットのように、他のユニットの種類によっては、上記波数領域においてピークが複数出現する場合がある。
なお、ピーク強度は、吸収ピークの高さとすることができ、ピーク強度比は、ピーク高さ比とすることができる。また、1380cm−1付近とは、1380cm−1を基準とする許容範囲をいい、1380cm−1±10cm−1の波数領域とすることができる。中でも1380cm−1±5cm−1の波数領域とすることが好ましい。
ここで、725cm−1付近とは、725cm−1を基準とする許容範囲をいい、725cm−1±25cm−1の波数領域とすることができる。上記許容範囲は±20cm−1としてもよく、±15cm−1としてもよく、±10cm−1としてもよい。
上記第1ピーク強度比および上記第2ピーク強度比は、少なくとも一方が上述したピーク強度の比の範囲内にあればよいが、中でも上記第1ピーク強度比および上記第2ピーク強度比のそれぞれが、上述したピーク強度の比の範囲内にあることが好ましい。
(測定条件)
・分光器:フーリエ変換赤外分光光度計FTS−7000(Digilab社製)
・付属装置:1回反射ATR用アタッチメント:Silver Gate Evolution(SPECAC製)
・プリズム:Ge結晶
・入射角:45°入射
・測定波数領域:700cm−1〜4000cm−1
・分解能:4cm−1
・スキャンスピード:20kHz
・積算回数:64回
本発明におけるバリア層は、通常、熱溶着層と保護層との間に形成される部位である。このようなバリア層としては、例えば金属箔、樹脂基材および上記樹脂基材の少なくとも一方の面側に配置された無機物を含むバリア膜を有する積層体等の、一般にバリア層として使用されるものを用いることもできる。このようなバリア層を用いることにより、高温環境下または常温にて長期間断熱性能を維持することができる真空断熱材を形成可能な外包材とすることができるからである。
また、上記積層体の樹脂基材は、特に限定されず、例えば、PETフィルム等の、公知のバリアフィルムにおける樹脂基材を用いることが出来る。
保護層は、本発明の外包材において最外層(最表層)となる部位である。上記保護層は、本発明の外包材を用いて真空断熱材を形成した際に、真空断熱材の内部を保護するのに十分な強度を有し、耐熱性、防湿性、耐ピンホ−ル性、耐突き刺し性等に優れたものであることが好ましい。
本発明の外包材は、上記外包材を構成する各層が、直接接触して積層されていてもよく、層間接着剤を介して積層されていてもよい。層間接着剤については、一般に真空断熱材用の外包材に使用される接着剤を用いることができる。
本発明の真空断熱材用外包材の第2態様は、熱溶着層、バリア層および保護層を、この順で有する真空断熱材用外包材であって、上記熱溶着層は、ホモポリマーを主成分とするポリプロピレンフィルム(PPフィルム)であることを特徴とする。
すなわち、本態様によれば、熱溶着層として用いるPPフィルムのポリマー成分がホモポリマーを主成分とすることで、熱溶着層に含まれる揮発ガスの量を低減することができ、揮発ガスの量の少ない真空断熱材用外包材とすることができる。また、本態様の真空断熱材用外包材は、真空断熱材に用いたときに、熱溶着層から揮発したガスによる内部真空度の低下を抑制することが出来るため、高温環境下または常温にて長期間断熱性能を維持することができる真空断熱材を形成することができる。
本態様における熱溶着層は、ホモポリマーを主成分とするPPフィルムである。
上記「I.第1態様 1.熱溶着層」の項で説明したように、ポリプロピレンの揮発ガス量は、ポリプロピレンのポリマー種により異なり、ホモポリマーの量が多い程、揮発ガス量を少なくすることができる。つまり、ポリプロピレンフィルムの揮発ガス量は、フィルムのポリマー成分に含まれるポリプロピレンのポリマー種に因るものであり、フィルムの延伸の有無に因らないと推量される。
本態様においては、熱溶着層として、ホモポリマーを主成分とするPPフィルムを用いることで、上記PPフィルムの延伸の有無に因らず、他のポリマーを主成分とする場合よりも揮発ガス量を少なくすることができる。
具体的には、上記ポリマー成分に含まれるプロピレンユニット以外のユニットの含有量が少なければよく、PPフィルムのポリマー成分全体を100質量%としたときの、プロピレンユニット以外のユニットの含有量が1.0質量%以下であることが好ましく、0.5質量%以下であることがより好ましく、0.3質量%以下であることがさらに好ましい。プロピレンユニット以外のユニットの含有量が0質量%、すなわちPPフィルムのポリマー成分がホモPPのみであることが特に好ましい。
なお、ポリマー成分中のプロピレンユニット以外のユニットの例、およびポリマー成分中のプロピレンユニット以外のユニットの含有量の算出方法等、「ホモポリマーを主成分とする」ことの規定の詳細については、上記「I.第1態様 1.熱溶着層」の項で説明した「ポリマー成分がホモポリマーを主成分とする」ことの規定の詳細と同様であるため、ここでの説明は省略する。
中でも725cm−1付近でピーク強度が最大である吸収ピークおよび上記ピーク強度が2番目に大きい吸収ピークを、低波数側から第1吸収ピークおよび第2吸収ピークとし、1380cm−1付近でピーク強度が最大である吸収ピークを第3吸収ピークとしたときに、上記第3吸収ピークの上記ピーク強度に対する、上記第1吸収ピークおよび上記第2吸収ピークの少なくとも一方の上記ピーク強度の比が、0.05以下であることが好ましく、中でも0.04以下、特に0.03以下であることが好ましい。
その理由については、上記「I.第1態様 1.熱溶着層」の項で説明した理由と同様である。
次に、本発明の真空断熱材について説明する。本発明の真空断熱材は、芯材と、上記芯材を封入する真空断熱材用外包材とを有する真空断熱材であって、上記真空断熱材用外包材は、熱溶着層、バリア層および保護層を、この順で有し、上記熱溶着層は、ホモポリマーを含有する無延伸ポリプロピレンフィルムであることを特徴とするものである。
以下、本発明の真空断熱材について、構成ごとに説明する。
本発明における真空断熱材用外包材は、上記芯材を封入するものである。また、上記真空断熱材用外包材は、上述の本発明の真空断熱材用外包材である。このような真空断熱材用外包材については、「A.真空断熱材用外包材」の項に記載した内容と同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
なお、封入するとは、上記外包材を用いて形成された袋体の内部に密封されることをいうものである。
本発明における芯材は、上記真空断熱材用外包材により封入されるものである。
上記芯材としては、熱伝導度の低いものであることが好ましい。上記芯材は、その空隙率が50%以上、特に90%以上の多孔質材であることが好ましい。
上記粉体としては、無機系、有機系のいずれでもよく、例えば、乾式シリカ、湿式シリカ、凝集シリカ粉末、導電性粉体、炭酸カルシウム粉末、パーライト、クレー、タルク等を用いることができる。なかでも乾式シリカと導電性粉体との混合物は、真空断熱材の内圧上昇に伴う断熱性能の劣化が小さいため、内圧上昇が生じる温度範囲で使用する際に有利である。さらに、上述の材料に酸化チタンや酸化アルミニウムやインジウムドープ酸化錫等の赤外線吸収率が小さい物質を輻射抑制材として添加すると、芯材の赤外線吸収率を小さくすることができる。
本発明の真空断熱材は、上記真空断熱材用外包材で封入された内部を減圧密封し、真空状態としたものである。上記真空断熱材内部の真空度としては、5Pa以下であることが好ましい。真空断熱材内部の真空度を上記範囲内とすることにより、内部に残存する空気の対流による熱伝導を小さいものとすることができ、優れた断熱性を発揮することが可能となる。
(熱伝導率の測定条件)
・測定試料:幅29cm±0.5cm、長さ30cm±0.5cm
・試験の定常に要する時間:15分以上
・標準板の種類:EPS
・高温面の温度:30℃
・低温面の温度:10℃
・測定試料の平均温度:20℃
本発明の真空断熱材の製造方法としては、一般的な方法を用いることができる。例えば、予め上述の本発明の外包材を準備し、2枚の上記外包材をそれぞれの熱溶着層が内側に向き合う様に対向させ、その間に上記芯材を配置し、製袋機等によって上記芯材の外周の一方を開口部とし、残り三方の外包材同士の端部を熱溶着することで、2枚の上記外包材により形成され、内部に上記芯材が配置された袋体を準備し、次いで、上記袋体を真空封止機に装着し、上記袋体の内部圧力を減圧した状態で上記開口部を密封することにより、上記芯材が上記外包材により封入された真空断熱材が得られる。
本発明の真空断熱材は、熱伝導率が低く、高温下においても断熱性および耐久性に優れるものである。従って、上記真空断熱材は、熱源を有し発熱する部位や、外部から加熱されることにより高温となる部位等の熱絶縁が必要な部位に用いることができる。本発明の用途としては、例えば、「C.真空断熱材付き機器」で説明する機器、クーラーボックス、輸送用コンテナ、水素等の燃料タンク、システムバス、温水タンク、保温庫、住宅壁、自動車、飛行機、船舶、列車等が挙げられる。
次に、本発明の真空断熱材付き物品について説明する。本発明の真空断熱材付き物品は、熱絶縁領域を有する物品および真空断熱材を備える真空断熱材付き物品であって、上記真空断熱材は、芯材と、上記芯材を封入する真空断熱材用外包材とを有し、上記真空断熱材用外包材は、熱溶着層、バリア層および保護層を、この順で有し、上記熱溶着層は、ホモポリマーを含有する無延伸ポリプロピレンフィルムであることを特徴とするものである。
(層間接着剤の調製)
ポリエステルを主成分とする主剤と脂肪族系ポリイソシアネートを含む硬化剤、および酢酸エチルを、重量配合比が主剤:硬化剤:酢酸エチル=10:1:10となるように混合し、2液硬化型の層間接着剤を調製した。
熱溶着層/バリア層/第1保護層/第2保護層の層構成を有する外包材を作製した。なお、上記層構成における「/」は積層界面を示す。
熱溶着層として、ホモポリマーを含有するCPPフィルム(厚み:50μm、製品名:トレファン3301、東レフィルム加工社製)を用いた。バリア層として、アルミニウム箔(Al厚み6μm、製品名:8021、UACJ製箔社製)を用いた。また、第1保護層として、ナイロンフィルム(厚み:25μm、製品名:エンブレムONBC、ユニチカ社製)を用い、第2保護層として、PETフィルム(厚み:12μm、製品名:エンブレットPTMB、ユニチカ社製)を用いた。
上記各層は、下層となる層の面上に上述の配合比で調製した層間接着剤を、塗布量3.5g/m2となるようにダイコーターを用いて塗布して乾燥させ、上層となる層をラミネートすることにより積層した。
得られた外包材を2枚重ねて、矩形の3方向をヒートシールして1方向のみが開口した袋体を作成した。芯材として300mm×300mm×30mmのグラスウールを用い、乾燥処理を行った後、上記袋体に上記芯材を収納して、上記袋体内部を真空排気した。その後、上記袋体の開口部分をヒートシールにより密封して、真空断熱材を得た。到達圧力は0.05Paとした。
熱溶着層として、ランダムコポリマーを含有するCPPフィルム(厚み:50μm、製品名:トレファン3951、東レフィルム加工社製)を用いたこと以外は上記実施例と同様に外包材を作製し、得られた外包材を用いて上記実施例と同様に真空断熱材を作製した。
熱溶着層として、ブロックコポリマーを含有するCPPフィルム(厚み:50μm、製品名:トレファンZK99S、東レフィルム加工社製)を用いたこと以外は上記実施例と同様に外包材を作製し、得られた外包材を用いて上記実施例と同様に真空断熱材を作製した。
実施例および比較例1〜2で得られた真空断熱材の熱伝導率を測定した。各真空断熱材の熱伝導率は、JIS A1412−2に従い、熱伝導率測定装置を用いて熱流計法により測定された値とした。上記熱伝導率測定装置としては、熱伝導率測定装置オートラムダ(製品名 HC−074、英弘精機製)を用いた。具体的には、上記の熱伝導率測定装置を用い、定試料の両方の主面が上下方向を向くように配置した状態で、JIS A1412−2:1999(熱絶縁材の熱抵抗及び熱伝導率の測定方法−第2部:熱流計法(HFM法))に準拠する方法により下記の測定条件で測定した。1つの条件では3つのサンプルを測定し、それらの測定値の平均を熱伝導率の値とした。測定結果を図6に示す。
(熱伝導率の測定条件)
・測定試料:幅29±0.5cm、長さ30±0.5cm
・試験の定常に要する時間:15分以上
・標準板の種類:EPS
・高温面の温度:30℃
・低温面の温度:10℃
・測定試料の平均温度:20℃
実施例および比較例1〜2において熱溶着層として用いた各種CPPフィルムについて、フーリエ変換赤外分光光度計(FT−IR)を用いた1回反射ATR測定法により赤外吸収スペクトル測定を行い、720±5cm−1の波数領域でピーク強度が最大である吸収ピークを第1吸収ピークBとし、730±5cm−1の波数領域でピーク強度が最大である吸収ピークを第2吸収ピークCとし、1380±10cm−1の波数領域でピーク強度が最大である吸収ピークを第3吸収ピークAとした。赤外吸収スペクトル(FT−IR)測定は、上記「A.真空断熱材用外包材 I.第1態様 1.熱溶着層」の項で説明した熱溶着層の赤外吸収スペクトルの測定方法および条件に従い行った。
上記第1吸収ピークのピーク強度をIB、上記第2吸収ピークのピーク強度をIC、上記第3吸収ピークのピーク強度をIAとして、各種CPPフィルムについて、第3吸収ピークのピーク強度IAに対する第1吸収ピークのピーク強度IBのピーク強度比IB/IA、および第3吸収ピークのピーク強度IAに対する第2吸収ピークのピーク強度ICのピーク強度比IC/IAをそれぞれ算出した(参考例1〜3)。また、ホモPPフィルム(厚み:40μm、製品名:SC40、三井化学東セロ社製)、ポリエチレンフィルム(厚み:50μm、製品名:HC-E、三井化学東セロ社製)についても同様に赤外吸収スペクトル測定を行い、ピーク強度比IB/IAおよびIC/IAを算出した(参考例4〜5)。結果を表1、図7に示す。図7(b)は図7(a)の波線部分の拡大図である。
なお、参考例1、2の第1吸収ピークB、参考例3〜5の第2吸収ピークCは、それぞれ、各参考例に用いたPPフィルムの赤外吸収スペクトルにおいて、700cm−1から790cm−1までの波数領域での最大吸収ピークに相当した。
2、2A、2B、 … バリア層
3、3A、3B … 保護層
10、10A、10B … 真空断熱材用外包材(外包材)
11 … 芯材
20 … 真空断熱材
Claims (6)
- 熱溶着層、バリア層および保護層を、この順で有する真空断熱材用外包材であって、
前記熱溶着層は、ホモポリマーを主成分とするポリプロピレンフィルムであり、
前記熱溶着層は、赤外吸収スペクトルにおいて、1380±10cm −1 の波数領域でピーク強度が最大である吸収ピークの前記ピーク強度に対する、700m −1 から790cm −1 までの波数領域でピーク強度が最大である吸収ピークの前記ピーク強度の比が、0.05以下である、真空断熱材用外包材。 - 熱溶着層、バリア層および保護層を、この順で有する真空断熱材用外包材であって、
前記熱溶着層は、ホモポリマーを主成分とするポリプロピレンフィルムであり、
前記熱溶着層は、赤外吸収スペクトルにおいて、720cm −1 ±5cm −1 の波数領域でピーク強度が最大である吸収ピークを第1吸収ピークとし、
730cm −1 ±5cm −1 の波数領域でピーク強度が最大である吸収ピークを第2吸収ピークとし、
1380±10cm −1 の波数領域でピーク強度が最大である吸収ピークを第3吸収ピークとしたときに、
前記第3吸収ピークの前記ピーク強度に対する、前記第1吸収ピークおよび前記第2吸収ピークの少なくとも一方の前記ピーク強度の比が0.05以下である、真空断熱材用外包材。 - 前記ポリプロピレンフィルムの90℃における揮発ガス量が、15mg/m2以下である、請求項1または請求項2に記載の真空断熱材用外包材。
- 前記第3吸収ピークの前記ピーク強度に対する前記第1吸収ピークの前記ピーク強度の比、および前記第3吸収ピークの前記ピーク強度に対する前記第2吸収ピークの前記ピーク強度の比が、それぞれ0.05以下である、請求項2に記載の真空断熱材用外包材。
- 芯材と、前記芯材を封入する真空断熱材用外包材とを有する真空断熱材であって、
前記真空断熱材用外包材が、請求項1から請求項4までのいずれかの請求項に記載の真空断熱材用外包材である、
真空断熱材。 - 熱絶縁領域を有する物品および真空断熱材を備える真空断熱材付き物品であって、
前記真空断熱材は、芯材と、前記芯材を封入する真空断熱材用外包材とを有し、
前記真空断熱材用外包材が、請求項1から請求項4までのいずれかの請求項に記載の真空断熱材用外包材である、真空断熱材付き物品。
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