JP6889083B2 - センサ及びセンサの製造方法 - Google Patents

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Description

本開示はセンサ及びセンサの製造方法に関する。
従来、以下のようなセンサが知られている。センサは、被測定ガスが導入される測定室と、測定室から酸素を外部に汲み出すポンプセルと、酸素濃度が所定の濃度に維持される基準酸素室と、前記測定室内と前記基準酸素室内との酸素濃度差に応じて電圧Vsを発生する基準セルと、を備える。ポンプセルは、測定室に面する第1電極と、外部に面する第2電極と、第1電極及び第2電極に挟まれる第1固体電解質体とを備える。基準セルは、測定室に面する第3電極と、基準酸素室に面する第4電極と、第3電極及び第4電極に挟まれる第2固体電解質体とを備える(特許文献1参照)。
特開2012−18189号公報
上記のセンサでは、例えば、基準セルの電圧Vsが一定となるように、ポンプセルの通電量Ipがフィードバック制御される。センサを長時間使用すると、電圧Vsに対する通電量Ipの位相余裕が低下する。その結果、通電量Ipが不安定になり、発振現象が生じてしまう。
本開示の一局面は、センサを長時間使用しても、電圧Vsに対する通電量Ipの位相余裕が低下し難いセンサ及びセンサの製造方法を提供することを目的とする。
本開示の一局面は、被測定ガスが導入される測定室と、前記測定室から酸素を外部に汲み出すポンプセルと、酸素濃度が所定の濃度に維持される基準酸素室と、前記測定室内と前記基準酸素室内との酸素濃度差に応じて電圧Vsを発生する基準セルと、を備えるセンサであって、前記ポンプセルは、前記測定室に面する第1電極と、前記外部に面する第2電極と、前記第1電極及び前記第2電極に挟まれる第1固体電解質体と、を備え、前記基準セルは、前記測定室に面する第3電極と、前記基準酸素室に面する第4電極と、前記第3電極及び前記第4電極に挟まれる第2固体電解質体と、を備え、前記第1電極は、白金と、前記第1固体電解質体に含まれるセラミック成分と、前記セラミック成分に含まれる金属元素及び白金の合金と、を含み、前記第1電極における前記合金の体積比は15体積%以上であるセンサである。
本開示の一局面であるセンサは、長時間使用しても、電圧Vsに対する通電量Ipの位相余裕が低下し難い。
本開示の別の局面は、被測定ガスが導入される測定室と、前記測定室から酸素を外部に汲み出すポンプセルと、酸素濃度が所定の濃度に維持される基準酸素室と、前記測定室内と前記基準酸素室内との酸素濃度差に応じて電圧Vsを発生する基準セルと、を備えるセンサの製造方法であって、前記ポンプセルは、前記測定室に面する第1電極と、前記外部に面する第2電極と、前記第1電極及び前記第2電極に挟まれる第1固体電解質体と、を備え、前記基準セルは、前記測定室に面する第3電極と、前記基準酸素室に面する第4電極と、前記第3電極及び前記第4電極に挟まれる第2固体電解質体と、を備え、白金と、前記第1固体電解質体に含まれるセラミック成分と、を含む第1電極前駆体を前記第1電極の位置に形成し、前記第1電極前駆体をリッチ雰囲気且つ950〜1000℃の状態にするとともに、前記第1電極前駆体と前記第2電極との間に0.7〜0.8Vの電圧をかけて、前記第1電極を製造するセンサの製造方法である。
本開示の別の局面であるセンサの製造方法により製造したセンサは、長時間使用しても、電圧Vsに対する通電量Ipの位相余裕が低下し難い。
NOxセンサを軸線方向に沿って破断した断面図である。 ガスセンサ素子を軸方向の一部を省略して示す斜視図である。 ガスセンサ素子の先端側を厚み方向に破断しその内部構造を拡大して示す説明図である。 第1電極におけるPtZr合金の体積比の算出方法を表す説明図である。 ガスセンサ素子に接続される電気的構成を示す説明図である。 エージング処理の温度と、PtZr合金の体積比との関係を表すグラフである。 初期と、ライフサイクル1500時間耐久後とにおけるNOxセンサの位相余裕を表すグラフである。
本開示の例示的な実施形態を図面に基づき説明する。
<第1実施形態>
1.NOxセンサ1の全体構成
NOxセンサ1の全体構成を、図1、図2に基づき説明する。なお、以下では、図1における下側をNOxセンサの先端側と呼び、図1における上側をNOxセンサ1の後端側と呼ぶ。
図1に示すように、NOxセンサ1は、主体金具5と、ガスセンサ素子7と、セラミックスリーブ9と、絶縁セパレータ13と、6個のリードフレーム15と、を備える。なお、図1では、6個のリードフレーム15の一部のみを図示する。
以下、各構成について説明する。図1、図2に示すように、ガスセンサ素子7は、軸線方向に延びる板状形状の積層部材である。ガスセンサ素子7は、主体金具5を貫通している。ガスセンサ素子7の先端側は、測定対象となる排気ガスに向けられている。排気ガスは被測定ガスに対応する。ガスセンサ素子7の先端側に、検出部17が形成されている。検出部17は、図示しない保護層に覆われている。
図2に示すように、ガスセンサ素子7の後端側に、電極パッド23、25、27、29、31、33が形成されている。電極パッド23、25、27は、ガスセンサ素子7の外表面のうち、一方の面である第1板面19に形成されている。電極パッド29、31、33は、ガスセンサ素子7の外表面のうち、第1板面19とは反対の面である第2板面21に形成されている。
セラミックスリーブ9は筒状の形態を有する。セラミックスリーブ9は、ガスセンサ素子7の径方向周囲を取り囲むように配置されている。
絶縁セパレータ13は、例えば、アルミナからなる絶縁性材料で形成されている。絶縁セパレータ13は、軸線方向に貫通する素子挿通孔11を有する。素子挿通孔11は、ガスセンサ素子7及びリードフレーム15の少なくとも一部を取り囲む。
絶縁セパレータ13が、素子挿通孔11の内部でリードフレーム15及びガスセンサ素子7を保持することで、リードフレーム15は、ガスセンサ素子7の電極パッド23〜33に、それぞれ電気的に接続される。また、リードフレーム15は、外部からセンサの内部に配設されるリード線35にも電気的に接続されており、リード線35が接続される外部機器と電極パッド23〜33との間に流れる電流の電流経路を形成する。
主体金具5は、例えばステンレス鋼からなる略筒状形状の金属部材である。主体金具5は、軸線方向に貫通する貫通孔37を有するとともに、貫通孔37の内部において径方向内側に突出する棚部39を有する。主体金具5の外表面には、排気管に固定するためのネジ部3が形成されている。
主体金具5は、貫通孔37に挿通されたガスセンサ素子7を保持するよう構成されている。保持されるガスセンサ素子7は、検出部17を貫通孔37の先端側外部に配置し、電極パッド23〜33を貫通孔37の後端側外部に配置する状態である。
貫通孔37の内部には、ガスセンサ素子7の径方向周囲を取り囲む状態で、環状形状のセラミックホルダ41、粉末充填層(滑石リング)43、45、上述のセラミックスリーブ9が、この順に先端側から後端側にかけて積層されている。
セラミックスリーブ9と主体金具5の後端部47との間には、加締リング49が配置されている。セラミックホルダ41と主体金具5の棚部39との間には、金属カップ51が配置されている。なお、後端部47は、加締リング49を介してセラミックスリーブ9を先端側に押し付けるように、加締められている。
主体金具5の先端側には、ガスセンサ素子7の先端側を覆うように、例えばステンレス鋼からなる筒状のプロテクタ52が配置されている。プロテクタ52は、排気ガスの通過が可能な通気孔53を有している。プロテクタ52は、内側プロテクタ、及び外側プロテクタから成る二重プロテクタの構造を有する。
主体金具5の後端側には、例えばステンレス鋼からなる外筒55が固定されている。外筒55の後端側における開口部57は、例えばフッ素ゴムからなるグロメット59によって閉塞されている。
なお、絶縁セパレータ13は、後端側がグロメット59に当接した状態で、外筒55内に保持されている。絶縁セパレータ13の保持は、保持部材61によって行われている。保持部材61は、加締めによって、外筒55の内側に固定されている。
2.ガスセンサ素子7の構成
ガスセンサ素子7の構成を図2〜図4に基づき説明する。 図2に示す様に、ガスセンサ素子7は、長方形状の軸断面を有する板状の形態を有する。ガスセンサ素子7は、素子部63と、ヒータ65とが積層された構造を有する。素子部63及びヒータ65は、それぞれ、軸線方向に延びる板状に形成されている。
ガスセンサ素子7の先端側の構成を図3に示す。ガスセンサ素子7は、図3における上方より、絶縁層67、第1固体電解質体69、絶縁層71、第2固体電解質体73、絶縁層75、第3固体電解質体77、及び絶縁層79、81が積層された構造を有している。このうち、絶縁層67、第1固体電解質体69、絶縁層71、第2固体電解質体73、絶縁層75、及び第3固体電解質体77は素子部63に対応する。ガスセンサ素子7は、第1ポンプセル83、基準セル85、及び第2ポンプセル87を備える。
第1固体電解質体69と第2固体電解質体73との間には、第1測定室89が形成されている。図3において、第1測定室89の左端は入口である。この入口に、第1拡散抵抗部91が配置されている。第1拡散抵抗部91を介して、排気ガスGMが外部から第1測定室89に導入される。第1測定室89における入口とは反対側の端には、第2拡散抵抗部93が配置されている。
図3において、第2拡散抵抗部93の右側には、第2測定室95が形成されている。第2測定室95は、第2拡散抵抗部93を介して第1測定室89と連通する。第2測定室95は、第1固体電解質体69と第3固体電解質体77との間に形成されている。第2固体電解質体73のうち、第2測定室95に該当する部分は切り欠かれている。
第1〜第3固体電解質体69、73、77は、それぞれ、酸素イオン伝導性を有するジルコニアを主成分とする。各絶縁層67、71、75、79、81は、それぞれ、アルミナを主成分とする。第1、第2拡散抵抗部91、93は、それそれ、アルミナ等の多孔質物質から成る。なお、主成分とは、セラミック層中における含有量が50質量%以上である成分を意味する。
絶縁層79、81の間には、抵抗発熱体97が埋設されている。抵抗発熱体97は、図3における左右方向に沿って延びる。抵抗発熱体97は、例えば、白金から成る。絶縁層79、81と、抵抗発熱体97とは、ヒータ65を構成する。ヒータ65は、ガスセンサ素子7を所定の活性温度に昇温し、第1〜第3固体電解質体69、73、77の酸素イオンの伝導性を高めて動作を安定化させる作用を奏する。
第1ポンプセル83は、第1固体電解質体69と、第1電極101と、第2電極99と、を備える。第1電極101及び第2電極99は第1固体電解質体69を挟む。
第1電極101は、白金と、ジルコニアと、白金及びジルコニウムの合金(以下ではPtZr合金とする)と、を含む。第1電極101におけるPtZr合金の体積比は15体積%以上である。ジルコニアは第1固体電解質体69に含まれるセラミック成分に対応する。ジルコニウムは、セラミック成分に含まれる金属元素に対応する。
第1電極101におけるPtZr合金の体積比は、以下のようにして算出する。図4に示すように、第1電極101の断面を撮影したSEM写真201を用意する。このSEM写真201の視野の大きさは8.5μm×12μmである。SEM写真201には、ジルコニアの領域203、白金の領域205、PtZt合金の領域207、及び隙間の領域209が存在する。なお、各領域は、XRD分析により同定することができる。
SEM写真201上に、ランダムな位置にあり、且つランダムな方向に延びる直線211を20本引く。まず、このうち1本の直線211に着目する。着目した1本の直線211のうち、SEM写真201の視野内にある部分全体の長さをLとする。また、着目した1本の直線211のうち、PtZt合金の領域207内にある部分(以下では合金部分211aとする)の長さをLaとする。着目した1本の直線211が、2箇所以上の合金部分211aを有する場合、Laは、2箇所以上の合金部分211aの長さの和である。また、着目した1本の直線211が合金部分211aを1つも有さない場合、その直線211のLaは0である。
以下の式(1)により、着目した1本の直線211におけるPtZt合金の比率r(%)を算出する。
式(1) r=(La/L)×100
20本の直線211のそれぞれについて、上記のように比率rを算出する。そして、20本の直線における比率rの平均値ave(r)を算出する。このave(r)の値を、第1電極101におけるPtZr合金の体積比(体積%)とする。
第1電極101におけるPtZr合金の体積比は20体積%以下であることが好ましい。電圧Vsに対する通電量Ipの位相余裕低下抑制の観点からは、PtZr合金の体積比は20体積%以上でも問題ない。しかし、第1電極101におけるPtZr合金割合が増えると、相対的に第1電極101におけるPt割合が減り、第1電極101の導電性や活性が低下するおそれがある。そのため、電圧Vsに対する通電量Ipの位相余裕低下抑制と、第1電極101の特性との両方の観点から、PtZr合金の体積比は20体積%以下が好ましい。第2電極99は、白金を主成分とする。
第1電極101は、第1測定室89に面している。第1電極101の表面は、ガスの通過が可能な多孔質層107で覆われている。第2電極99は、ガスセンサ素子7の外部に面している。第2電極99は、多孔質層105により覆われている。多孔質層105は、絶縁層67の開口部103に埋め込まれている。多孔質層105は、酸素等のガスが通過可能な多孔質体から成る。この多孔質体として、例えばアルミナ等が挙げられる。
基準セル85は、第2固体電解質体73と、第3電極109と、第4電極111と、を備える。第3電極109及び第4電極111は第2固体電解質体73を挟む。第3電極109は第1測定室89に面する。第4電極111は、後述する基準酸素室113に面する。第3電極109及び第4電極111は、それぞれ、白金を主成分とする。
基準酸素室113は、絶縁層75の一部が切り抜かれた部分である。基準酸素室113は、第2固体電解質体73、第3固体電解質体77、及び絶縁層75により周囲を囲まれた空間である。基準酸素室113では、酸素濃度が所定の濃度に維持される。
第2ポンプセル87は、第3固体電解質体77と、第5電極115と、第6電極117と、を備える。第5電極115及び第6電極117は、それぞれ、第3固体電解質体77の一方の表面に形成されている。第5電極115は、第2測定室95に面している。第6電極117は、基準酸素室113に面している。第5電極115と、第6電極117とは、絶縁層75により隔てられている。第5電極115及び第6電極117は、それぞれ、白金を主成分とする。第6電極117は、多孔質から成る絶縁保護層165により覆われている。基準酸素室113には、何も充填されていない空間である空隙167が存在する。
3.センサ制御装置169の構成
ガスセンサ素子7の動作を制御するセンサ制御装置169の構成を図5に基づき説明する。センサ制御装置169は、マイクロコンピュータ171、電気回路部173等を有している。マイクロコンピュータ171は、各種演算を実行するCPU175と、演算結果等が記憶されるRAM177と、CPU175が実行するプログラム等を記憶するROM179とを備えている。
また、マイクロコンピュータ171は、A/Dコンバータ181と、信号入出力部185と、図示しないタイマクロック等を備えている。信号入出力部185は、A/Dコンバータ181を介して電気回路部173に接続すると共に、ECU183と通信する。
電気回路部173は、基準電圧比較回路187、Ip1ドライブ回路189、Vs検出回路191、Icp供給回路193、抵抗検出回路194、Ip2検出回路195、Vp2印加回路197、及びヒータ駆動回路199から構成される。電気回路部173は、マイクロコンピュータ171による制御を受けて、ガスセンサ素子7を用いて排気ガスGM中のNOx濃度の検出を行う。
第1電極101、第3電極109、及び第5電極115は、基準電位に接続されている。また、抵抗発熱体97の一方の電極は接地されている。
4.NOx濃度検出処理
センサ制御装置169及びNOxセンサ1が実行する、排気ガスGM中のNOx濃度を検出する処理を説明する。ヒータ駆動回路199は抵抗発熱体97に駆動電流を流す。抵抗発熱体97は昇温し、第1〜第3固体電解質体69、73、77を加熱し、活性化する。これにより、第1ポンプセル83、基準セル85、及び第2ポンプセル87が動作するようになる。
排気ガスGMは、第1拡散抵抗部91による流通量の制限を受けつつ第1測定室89内に導入される。ここで、Icp供給回路193は、基準セル85において、第4電極111から第3電極109へ微弱な電流Icpを流す。このため、排気ガスGM中の酸素は、負極側となる第1測定室89内の第3電極109から電子を受け取ることができ、酸素イオンとなって第2固体電解質体73内を流れ、基準酸素室113内に移動する。つまり、第3電極109と第4電極111との間で電流Icpが流されることによって、第1測定室89内の酸素が基準酸素室113内に送り込まれる。
Vs検出回路191は、第3電極109と第4電極111との間の電圧Vsを検出する。電圧Vsは、第1測定室89内と基準酸素室113内との酸素濃度差に応じた電圧である。Vs検出回路191は、検出した電圧Vsを、基準電圧比較回路187を用いて基準電圧(425mV)と比較し、比較結果をIp1ドライブ回路189に対し出力する。ここで、電圧Vsが425mV付近で一定となるように、第1測定室89内の酸素濃度を調整すれば、第1測定室89内の排気ガスGM中の酸素濃度は所定値(例えば10-8〜10-9atm)に近づくこととなる。
Ip1ドライブ回路189は、第1測定室89内に導入された排気ガスGMの酸素濃度が所定値より薄い場合、第2電極99側が負極となるように第1ポンプセル83に電流Ip1を流し、ガスセンサ素子7の外部から第1測定室89内へ酸素の汲み入れを行う。一方、第1測定室89内に導入された排気ガスGMの酸素濃度が所定値より濃い場合、Ip1ドライブ回路189は、第1電極101側が負極となるように第1ポンプセル83に電流Ip1を流し、第1測定室89内からガスセンサ素子7の外部へ酸素の汲み出しを行う。
第1測定室89において酸素濃度が調整された排気ガスGMは、第2拡散抵抗部93を介し、第2測定室95内に導入される。第2測定室95内で第5電極115と接触した排気ガスGM中のNOxは、Vp2印加回路197により第6電極117と第5電極115との間に電圧Vp2を印加することで、第5電極115上でN2とO2とに分解される。分解された酸素は、酸素イオンとなって第3固体電解質体77内を流れ、基準酸素室113内に移動する。このため、第2ポンプセル87を流れる電流は、NOx濃度に応じた値を示す。
センサ制御装置169は、Ip2検出回路195により第2ポンプセル87を流れる電流Ip2を検出し、電流Ip2から、排気ガスGM中のNOx濃度の検出を行う。詳しくは、NOx濃度と電流Ip2との関係を予め求めて、予めマップ等を作製しておき、測定された電流Ip2をこのマップに参照して、NOx濃度を求める。
5.NOxセンサ1の製造方法
NOxセンサ1の製造方法を説明する。
(5−1)ガスセンサ素子7の製造方法
絶縁層67、第1固体電解質体69、第2固体電解質体73、第3固体電解質体77、及び絶縁層79、81の原材料となるセラミックシートを用意する。セラミックシートには、適宜、スルーホール等を形成する。また、セラミックシート上へのスクリーン印刷により、絶縁層71、75を形成する。
次に、各電極99、101、109、111、115、117を形成するために、対応するセラミックシートの表面に、電極の原料を含むペーストを塗布する。第1電極101を形成するためのペーストは、白金と、ZrOとを含む。他の電極を形成するためのペーストは、白金を主成分とする。
次に、セラミックシートを積層して積層体を作製し、この積層体を焼成する。このとき、後に第1電極101となる部分には、第1電極前駆体が形成される。第1電極前駆体は、白金とZrOとを含む。第1電極前駆体に含まれる白金の質量を100質量部とした場合、第1電極前駆体に含まれるZrOの質量は22質量部である。また、第1電極前駆体において、白金が占める体積は56体積%であり、ZrOが占める体積は44体積%である。
次に、第1電極前駆体に対し、エージング処理を行う。エージング処理の条件は、例えば、以下のとおりである。
第1電極前駆体の雰囲気:リッチ雰囲気
第1電極前駆体の温度:950〜1000℃
第1電極前駆体と第2電極99との間の電圧:0.7〜0.8V
エージング処理の時間:40〜50sec
リッチ雰囲気とは、理論空燃料比率(λ=1)に対して酸素の割合が少ない雰囲気である。理論空燃料比率とは、理想的な完全燃焼ができる空気と燃料との混合比である。第1電極前駆体の温度は、チノ社製の赤外放射温度計を用いて測定した値である。
エージング処理において第1電極前駆体を加熱する手段は、ヒータ65であってもよいし、外部のヒータであってもよい。エージング処理により、第1電極前駆体においてPtZr合金が生じる。その結果、第1電極前駆体から第1電極101が形成され、ガスセンサ素子7が完成する。
(5−2)他の部材の製造方法
NOxセンサ1のうち、ガスセンサ素子7以外の部分は、公知の方法で製造できる。
6.NOxセンサ1の評価
基本的には上述した製造方法でNOxセンサ1A〜1Dを製造した。ただし、エージング処理における第1電極前駆体の温度(以下ではエージング処理の温度とする)は表1に示すとおりである。
Figure 0006889083
エージング処理の温度以外の点では、NOxセンサ1A〜1Dの製造方法は同じである。エージング処理の温度以外の条件は以下のとおりである。
エージング処理における第1電極前駆体の雰囲気:H=2.35体積%、HO=10体積%、N=残部
エージング処理における雰囲気ガスの流量:7L/min
エージング処理における第1電極前駆体と第2電極99との間の電圧:0.77V
エージング処理の時間:40sec
エージング処理後、NOxセンサ1A〜1Dのそれぞれについて、第1電極101におけるPtZr合金の体積比を測定した。エージング処理の温度と、測定したPtZr合金の体積比との関係を図6に示す。エージング処理の温度が高いほど、PtZr合金の体積比が大きかった。エージング処理の温度が950℃以上である場合、PtZr合金の体積比が15体積%以上であった。
NOxセンサ1A〜1Dのそれぞれについて、製造直後の位相余裕を測定した。位相余裕とは、電圧Vsに対する通電量Ip1の位相余裕である。また、NOxセンサ1A〜1Dのそれぞれについて、ライフサイクル1500時間耐久後の位相余裕を測定した。それらの測定結果を図7に示す。図7において、「初期」は、製造直後におけるNOxセンサ1A〜1Dの位相余裕を表す。また、「耐久後」は、ライフサイクル1500時間耐久後におけるNOxセンサ1A〜1Dの位相余裕を表す。NOxセンサ1C、1Dでは、NOxセンサ1A、1Bに比べて、「初期」の位相余裕に対する「耐久後」の位相余裕の変化量が小さかった。すなわち、NOxセンサ1C、1Dは、長時間使用しても、電圧Vsに対する通電量Ip1の位相余裕が低下し難くかった。
なお、エージング処理温度を図6に示す985℃以上とすると、PtZr合金の体積比が大きくなるが、PtZr合金の体積比が無限に大きくなるものではない。エージング処理温度が高温過ぎると、第1固体電解質体69の内部抵抗が下がることで、エージング処理中に第1固体電解質体69に流れる電流が増加する。エージング処理は、通常、酸素欠乏雰囲気での処理であるため、エージング処理温度が高温過ぎると、電流を流そうとして第1固体電解質体69に含まれる酸素をポンピングしようするブラックニング現象が起きるという懸念がある。従って、エージング温度は1000℃以下が好ましい。
7.NOxセンサ1が奏する効果
(1a)NOxセンサ1は、長時間使用しても、電圧Vsに対する通電量Ip1の位相余裕が低下し難い。
(1b)NOxセンサ1において、第1固体電解質体69、及び第1電極101に含まれるセラミック成分はジルコニアである。そのため、NOxセンサ1を長時間使用しても、電圧Vsに対する通電量Ip1の位相余裕が一層低下し難い。
(1c)上述した製造方法によれば、長時間使用しても、電圧Vsに対する通電量Ip1の位相余裕が低下し難いNOxセンサ1を製造することができる。
(1d)NOxセンサ1は、エージング処理において、ヒータ65を用いて第1電極前駆体を加熱することができる。そのため、外部のヒータを用意する必要がなく、エージング処理を容易に行うことができる。
<他の実施形態>
以上、本開示の実施形態について説明したが、本開示は上述の実施形態に限定されることなく、種々変形して実施することができる。
(1)第1固体電解質体69のうち、第1電極101及び第2電極99に挟まれない部分の全部又は一部は、固体電解質以外の材料から成っていてもよい。固体電解質以外の材料として、例えば、アルミナ等が挙げられる。
また、第2固体電解質体73のうち、第3電極109及び第4電極111に挟まれない部分の全部又は一部は、固体電解質以外の材料からなっていてもよい。固体電解質以外の材料として、例えば、アルミナ等が挙げられる。
(2)本開示のセンサは、NOxセンサ以外のセンサであってもよい。例えば、上述したNOxセンサ1から、第2ポンプセル87を除いたセンサであってもよい。このセンサは、通電量Ip1に基づき、被測定ガス中の酸素濃度を測定するセンサとすることができる。
(3)第1固体電解質体69、及び第1電極101に含まれるセラミック成分はジルコニア以外のものであってもよい。ジルコニア以外のセラミック成分として、例えば、CeO(セリア)、 ThO(トリア)、HfO、 Bi等が挙げられる。
セラミック成分がCeOである場合、エージング処理により、第1電極101にPtとCeとの合金(以下ではPtCe合金とする)が生じる。第1電極101におけるPtCe合金の体積比は、15体積%以上、20体積%以下であることが好ましい。第1電極101がPtCe合金を含む場合も、PtZr合金を含む場合と略同様の効果を奏する。
セラミック成分がThOである場合、エージング処理により、第1電極101にPtとThとの合金(以下ではPtTh合金とする)が生じる。第1電極101におけるPtTh合金の体積比は、15体積%以上、20体積%以下であることが好ましい。第1電極101がPtTh合金を含む場合も、PtZr合金を含む場合と略同様の効果を奏する。
セラミック成分がHfOである場合、エージング処理により、第1電極101にPtとHfとの合金(以下ではPtHf合金とする)が生じる。第1電極101におけるPtHf合金の体積比は、15体積%以上、20体積%以下であることが好ましい。第1電極101がPtHf合金を含む場合も、PtZr合金を含む場合と略同様の効果を奏する。
セラミック成分がBiである場合、エージング処理により、第1電極101にPtとBとの合金(以下ではPtB合金とする)が生じる。第1電極101におけるPtB合金の体積比は、15体積%以上、20体積%以下であることが好ましい。第1電極101がPtB合金を含む場合も、PtZr合金を含む場合と略同様の効果を奏する。
(4)上記各実施形態における1つの構成要素が有する機能を複数の構成要素に分担させたり、複数の構成要素が有する機能を1つの構成要素に発揮させたりしてもよい。また、上記各実施形態の構成の一部を省略してもよい。また、上記各実施形態の構成の少なくとも一部を、他の上記実施形態の構成に対して付加、置換等してもよい。なお、特許請求の範囲に記載の文言から特定される技術思想に含まれるあらゆる態様が本開示の実施形態である。
(5)上述したNOxセンサの他、当該NOxセンサを構成要素とするシステム等、種々の形態で本開示を実現することもできる。
1…NOxセンサ、7…ガスセンサ素子、65…ヒータ、67、71、75、79、81…絶縁層、69…第1固体電解質体、73…第2固体電解質体、77…第3固体電解質体、83…第1ポンプセル、85…基準セル、87…第2ポンプセル、89…第1測定室、91…第1拡散抵抗部、93…第2拡散抵抗部、95…第2測定室、97…抵抗発熱体、99…第2電極、101…第1電極、103…開口部、105、107…多孔質層、109…第3電極、111…第4電極、113…基準酸素室、115…第5電極、117…第6電極、201…写真、203…ジルコニアの領域、205…白金の領域、207…PtZt合金の領域、209…隙間の領域、211…直線

Claims (4)

  1. 被測定ガスが導入される測定室と、
    前記測定室から酸素を外部に汲み出すポンプセルと、
    酸素濃度が所定の濃度に維持される基準酸素室と、
    前記測定室内と前記基準酸素室内との酸素濃度差に応じて電圧Vsを発生する基準セルと、
    を備えるセンサであって、
    前記ポンプセルは、
    前記測定室に面する第1電極と、
    前記外部に面する第2電極と、
    前記第1電極及び前記第2電極に挟まれる第1固体電解質体と、を備え、
    前記基準セルは、
    前記測定室に面する第3電極と、
    前記基準酸素室に面する第4電極と、
    前記第3電極及び前記第4電極に挟まれる第2固体電解質体と、を備え、
    前記第1電極は、白金と、前記第1固体電解質体に含まれるセラミック成分と、前記セラミック成分に含まれる金属元素及び白金の合金と、を含み、
    前記第1電極における前記合金の体積比は15体積%以上であるセンサ。
  2. 請求項1に記載のセンサであって、
    前記セラミック成分はジルコニアであるセンサ。
  3. 被測定ガスが導入される測定室と、
    前記測定室から酸素を外部に汲み出すポンプセルと、
    酸素濃度が所定の濃度に維持される基準酸素室と、
    前記測定室内と前記基準酸素室内との酸素濃度差に応じて電圧Vsを発生する基準セルと、
    を備えるセンサの製造方法であって、
    前記ポンプセルは、
    前記測定室に面する第1電極と、
    前記外部に面する第2電極と、
    前記第1電極及び前記第2電極に挟まれる第1固体電解質体と、を備え、
    前記基準セルは、
    前記測定室に面する第3電極と、
    前記基準酸素室に面する第4電極と、
    前記第3電極及び前記第4電極に挟まれる第2固体電解質体と、を備え、
    白金と、前記第1固体電解質体に含まれるセラミック成分と、を含む第1電極前駆体を前記第1電極の位置に形成し、前記第1電極前駆体をリッチ雰囲気且つ950〜1000℃の状態にするとともに、前記第1電極前駆体と前記第2電極との間に0.7〜0.8Vの電圧をかけて、前記第1電極を製造するセンサの製造方法。
  4. 請求項3に記載のセンサの製造方法であって、
    前記センサはヒータを備え、
    前記ヒータを用いて前記第1電極前駆体を加熱するセンサの製造方法。
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