JP6886276B2 - ***化粧料 - Google Patents

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本発明は、油性化粧料に関する。
口紅等の油性化粧料では、美しい仕上がりや、滑らかな感触を得るため、種々の検討がなされている。例えば、特許文献1には、特定のアシル化セルロース誘導体と、エステル油及び炭化水素油を特定の割合で組み合わせた油性化粧料が、滑らかな感触が持続することが記載されている。また、特許文献2には、特定のアシル化セルロース誘導体、シリコーン油剤、エステル油を含有する油性化粧料が、透明感と光沢に優れ、滑らかな感触が持続することが記載され、特許文献3には、特定のアシル化セルロース誘導体、非イオン性親水基を有するシリコーンを含有する油性化粧料が、美しい化粧仕上がりの持続性に優れ、滑らかな感触が持続することが記載されている。
特開2010−100612号公報 特開2011−79746号公報 特開2011−173818号公報
アシル化セルロース誘導体を含有する油性化粧料は、滑らかな感触に優れるものの、唇に塗布した場合、唇が水で濡れると、食器やカップに色移りしやすいという課題があった。
本発明者らは、特定のアシル化セルロース誘導体と、揮発性炭化水素油、エステル油及びカルボシロキサンデンドリマー構造を側鎖に有するビニル系重合体を、特定の割合で組み合わせて用いれば、滑らかな感触に優れるとともに、水に濡れたときの色移りが抑制された油性化粧料が得られることを見出した。
本発明は、次の成分(A)、(B)、(C)及び(D):
(A)主鎖にセルロース骨格を有し、全水酸基の45〜95mol%が基−O-M-R(MはCH2又はカルボニル基C=Oを示し、Rは炭素数3〜40の直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基を示す)で置換されているセルロース誘導体 1〜50質量%、
(B)揮発性の炭化水素油 5〜85質量%、
(C)25℃で液状のエステル油 5〜50質量%、
(D)カルボシロキサンデンドリマー構造を側鎖に有するビニル系重合体 0.01〜25質量%
を含有する油性化粧料に関する。
本発明の油性化粧料は、塗布時に塗りむらがなく、仕上げやすいものであり、塗布後にはごわつきがなく、滑らかであり、水に濡れたときでも、カップへの色移りが抑制され、唇全体によれにくく、長時間経過後においても、唇輪郭付近へ口紅がよりにくいものである。また、唇や皮膚などから化粧料を落とすときには、きれいに落とすことができる。
本発明で用いる成分(A)のセルロース誘導体は、主鎖にセルロース骨格を有するものであれば限定されないが、原料セルロース誘導体としては、セルロースを含むほか、アセチルセルロース、アセチルブチルセルロース等の短鎖アシル化セルロース、メチルセルロース、エチルセルロース等の短鎖アルキルエーテル化セルロース、ヒドロキシアルキル基、グリセリルエーテル基、(モノ)アルキルグリセリルエーテル基で変性されたセルロースが好ましい。より具体的には、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、グリセリルセルロース、メチルグリセリルセルロース等が挙げられる。
更には、成分(A)のセルロース誘導体の製造原料のセルロース誘導体としては、以下の構成単位を有するものが好ましい。
Figure 0006886276
(式中、R'は炭素数2〜8の直鎖又は分岐鎖のアルキレン基を示し、nはグルコース単位当たりのR'Oの平均付加モル数が0.1〜10となる数を示す)
当該構成単位において、R'としては、直鎖又は分岐鎖の炭素数2〜4のアルキレン基が好ましく、更には、エチレン基及びプロピレン基がより好ましい。またnとしては、グルコース単位当たりのR'Oの平均付加モル数が0.3〜5となる数が好ましく、0.5〜4.5となる数がより好ましく、1〜4となる数が更に好ましい。
原料セルロース誘導体の好ましいものとしては、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース等が挙げられ、ヒドロキシプロピルセルロースがより好ましい。
また、原料セルロース誘導体の質量平均分子量(Mw)は、油剤への溶解性、及び感触の点から、好ましくは1万〜400万、より好ましくは10万〜300万、更に好ましくは30万〜200万である。
成分(A)のセルロース誘導体は、原料セルロース誘導体の水酸基の置換基である基−O−M−R中、MはCH2又はカルボニル基C=Oを示し、Rは炭素数3〜40の直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基である。
(i)直鎖のアルキル基としては、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、イコシル基、ヘンイコシル基、ドコシル基、トリコシル基、テトラコシル基、ペンタコシル基、ヘキサコシル基、ヘプタコシル基、オクタコシル基、ノナコシル基、トリアコンチル基、ヘントリアコンチル基、ドトリアコンチル基、トリトリアコンチル基、テトラトリアコンチル基、ペンタトリアコンチル基、ヘキサトリアコンチル基、ヘプタトリアコンチル基、オクタトリアコンチル基、ノナトリアコンチル基及びテトラコンチル基が挙げられる。
(ii)分岐鎖のアルキル基としては、メチルペンチル基、メチルヘキシル基、メチルヘプチル基、メチルオクチル基、メチルノニル基、メチルウンデシル基、メチルヘプタデシル基、エチルヘキサデシル基、メチルオクタデシル基、プロピルペンタデシル基、2−ヘキシルデシル基、2−オクチルドデシル、2−ヘプチルウンデシル基、2−デシルテトラデシル基、2−ドデシルヘキサデシル基、2−テトラデシルオクタデシル基、2−ヘキサデシルイコシル基等が挙げられる。
(iii)直鎖のアルケニル基としては、ドデセニル基、トリデセニル基、テトラデセニル基、ペンタデセニル基、ヘキサデセニル基、ヘプタデセニル基、オクタデセニル基、ノナデセニル基、イコセニル基、ヘンイコセニル基、ドコセニル基、トリコセニル基、テトラコセニル基、ペンタコセニル基、ヘキサコセニル基、ヘプタコセニル基、オクタコセニル基等が挙げられる。
(iv)分岐鎖のアルケニル基としては、イソトリデセニル基、イソオクタデセニル基、イソトリアコンテニル基、2−ブチルオクテニル基、2−ヘキシルデセニル基、2−オクチルドデセニル基、2−デシルテトラデセニル基、2−ドデシルヘキサデセニル基等が挙げられる。
これらのうち、油性化粧料の塗布時の滑らかさを付与し、唇や皮膚などに均一な被膜を形成する観点から、直鎖アルキル基が好ましい。また、伸ばしやすさ、密着性の良さから、炭素数9〜21が好ましく、炭素数11〜17がより好ましく、炭素数15が更に好ましい。
水酸基の基−O−M−R置換率は、油剤への溶解性を高め、塗布時にごわつきやつっぱり感を感じない点や、カップ等への2次付着を抑制する点から、45mol%以上であり、48mol%以上が好ましく、51mol%以上がより好ましく、ヨレにくさや耐水性を高める点から、95mol%以下であり、94mol%以下が好ましく、92mol%以下がより好ましく、66mol%以下がさらに好ましい。また、水酸基の基−O−M−R置換率は、45〜95mol%であり、48〜94mol%が好ましく、51〜92mol%がより好ましく、51〜66mol%がさらに好ましい。
水酸基は、適度に残留していることが、使用感、顔料分散性の点から好ましく、5mol%以上が好ましく、6mol%以上がより好ましく、8mol%以上がさらに好ましく、34mol%以上がよりさらに好ましく、55mol%以下が好ましく、52mol%以下がより好ましく、49mol%以下がさらに好ましい。また、水酸基の残留率は、5〜55mol%が好ましく、6〜52mol%がより好ましく、8〜49mol%がさらに好ましく、34〜49mol%がよりさらに好ましい。
成分(A)のセルロース誘導体の質量平均分子量は、油成分への溶解性、滑らかな感触が持続する点から、10万以上が好ましく、20万以上がより好ましく、30万以上が更に好ましく、50万以上がより更に好ましく、500万以下が好ましく、400万以下がより好ましく、300万以下が更に好ましく、200万以下がより更に好ましい。
なお、質量平均分子量(Mw)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(クロロホルム溶媒、直鎖ポリスチレンを標準として定められた較正曲線、屈折率検出器を用いる)測定によって求められるものである。
成分(A)のセルロース誘導体は、原料セルロース誘導体と、炭素数3〜40の直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基を有する酸ハライドとを反応させ、原料セルロース誘導体の全水酸基の45〜95mol%を置換することにより製造される。
また、MがCH2であるものは、塩基存在下に、セルロース誘導体と対応するアルキルハライドあるいはアルキルメシラート等のスルホン酸エステルを反応させることによって製造することができる。主鎖がセルロース骨格からなるものは、アセチルセルロースのエステル交換反応(アシドーリシス)によっても得ることができる。この方法によれば、水酸基の残留量が極めて低いセルロースエステル誘導体が得られる。
具体的には、ヒドロキシエチルセルロースラウリン酸エステル、ヒドロキシエチルセルロースミリスチン酸エステル、ヒドロキシエチルセルロースパルミチン酸エステル、ヒドロキシエチルセルロースステアリン酸エステル、ヒドロキシエチルセルロースベヘン酸エステル;ヒドロキシプロピルセルロースラウリン酸エステル、ヒドロキシプロピルセルロースミリスチン酸エステル、ヒドロキシプロピルセルロースパルミチン酸エステル、ヒドロキシプロピルセルロースステアリン酸エステル、ヒドロキシプロピルセルロースベヘン酸エステル;ヒドロキシエチルメチルセルロースラウリン酸エステル、ヒドロキシエチルメチルセルロースミリスチン酸エステル、ヒドロキシエチルメチルセルロースパルミチン酸エステル、ヒドロキシエチルメチルセルロースステアリン酸エステル、ヒドロキシエチルメチルセルロースベヘン酸エステル;ヒドロキシプロピルメチルセルロースラウリン酸エステル、ヒドロキシプロピルメチルセルロースミリスチン酸エステル、ヒドロキシプロピルメチルセルロースパルミチン酸エステル、ヒドロキシプロピルメチルセルロースステアリン酸エステル、ヒドロキシプロピルメチルセルロースベヘン酸エステル等が挙げられる。中でも、ヒドロキシプロピルセルロースラウリン酸エステル、ヒドロキシプロピルセルロースミリスチン酸エステル、ヒドロキシプロピルセルロースパルミチン酸エステル、ヒドロキシプロピルセルロースステアリン酸エステル、ヒドロキシプロピルセルロースベヘン酸エステルが好ましく、ヒドロキシプロピルセルロースパルミチン酸エステルがより好ましい。
成分(A)のセルロース誘導体は、1種又は2種以上を用いることができ、含有量は、唇や皮膚などに均一な被膜を形成し、カップ等への2次付着を抑制する点から、全組成中に1質量%以上であり、2質量%以上が好ましく、3質量%以上がより好ましく、50質量%以下であり、30質量%以下が好ましく、20質量%以下がより好ましく、12質量%以下がさらに好ましい。また、成分(A)の含有量は、全組成中に1〜50質量%であり、2〜30質量%が好ましく、2〜20質量%がより好ましく、3〜12質量%がさらに好ましい。
成分(B)は、揮発性の炭化水素油である。揮発性とは、35〜87℃の引火点を有するものである。
成分(B)の揮発性炭化水素油としては、成分(A)との相溶性に優れ、本揮発性炭化水素油が、揮散した後でも、べたついたり、ごわついたりする感触がない点から、例えば、n−デカン、n−ウンデカン、n−ドデカン等のパラフィン系炭化水素油;イソデカン、イソドデカン、水添ポリイソブテン等のイソパラフィン系炭化水素油;シクロデカン、シクロドデカン等の環状パラフィン炭化水素油が挙げられる。これらのうち、炭素数8〜16の炭化水素油が好ましく、炭素数10〜16の炭化水素油がより好ましく、炭素数12の炭化水素油がさらに好ましい。なかでも、イソパラフィン系炭化水素油が好ましく、イソドデカン、炭素数12の水添ポリイソブテンがより好ましい。
市販品としては、マルカゾールR(丸善石油化学社製:引火点48℃)、パールリーム3(日油社製:引火点61℃)等が挙げられる。
成分(B)は、1種又は2種以上を用いることができ、含有量は、成分(A)や(C)の相溶性に優れ、唇や皮膚などに塗布した後、成分(B)が揮発した後でも、ごわついたり、べたついたりせず、唇上などで均一な皮膜を形成し、カップなどへの2次付着が抑制される点から、全組成中に5質量%以上であり、40質量%以上が好ましく、45質量%以上がより好ましく、68質量%以上がさらに好ましく、85質量%以下であり、82質量%以下が好ましく、80質量%以下がより好ましく、78質量%以下がさらに好ましい。また、成分(B)の含有量は、全組成中5〜85質量%であり、40〜82質量%が好ましく、45〜80質量%がより好ましく、68〜78質量%がさらに好ましい。
本発明で用いる成分(C)のエステル油は、25℃で液状のものである。25℃で液状とは、流動性を有するもので、ペースト状のものも含まれる。
かかるエステル油としては、通常の化粧料に用いられるものであれば制限されず、例えば、イソノナン酸イソトリデシル、リンゴ酸ジイソステアリル、ミリスチン酸イソステアリル、リシノレイン酸オクチルドデシル、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、ジイソステアリン酸ジグリセリル、モノイソステアリン酸モノミリスチン酸グリセリル、パラメトキシケイ皮酸2−エチルヘキシル、酢酸トコフェロール、モノイソステアリン酸ジグリセリル等が挙げられる。
これらのうち、成分(A)の相溶性に優れ、唇や皮膚などに塗布した後、成分(B)が揮発した後でも、ごわついたり、べたついたりしない点から、分岐鎖を有するエステル油が好ましく、イソノナン酸イソトリデシル、リンゴ酸ジイソステアリル、ミリスチン酸イソステアリル、リシノレイン酸オクチルドデシル、ジイソステアリン酸ジグリセリル、モノイソステアリン酸モノミリスチン酸グリセリル、パラメトキシケイ皮酸2−エチルヘキシル、モノイソステアリン酸ジグリセリルがより好ましく、イソノナン酸イソトリデシル、リンゴ酸ジイソステアリルがさらに好ましい。
成分(C)のエステル油は、1種又は2種以上を用いることができ、含有量は、成分(A)の相溶性に優れ、唇や皮膚などに塗布した後、成分(B)が揮発した後でも、ごわついたり、べたついたりせず、唇上などで均一な皮膜を形成し、カップへの2次付着が抑制される点から、全組成中に5質量%以上であり、7質量%以上が好ましく、10質量%以上がより好ましく、13質量%以上がさらに好ましく、50質量%以下であり、40質量%以下が好ましく、32質量%以下がより好ましく、22質量%以下がさらに好ましい。また、成分(C)の含有量は、全組成中に5〜50質量%であり、7〜40質量%が好ましく、10〜32質量%がより好ましく、13〜22質量%がさらに好ましい。
本発明において、成分(C)に対する成分(A)の質量割合(A)/(C)は、塗布時にごわつきやつっぱり感などを感じず、唇や皮膚などが滑らかであり、塗布直後及び長時間経過後においても、カップなどへの2次付着が抑制され、水濡れにも強い点、さらに、唇や皮膚などから化粧料を落とすときにも、きれいに落とすことができる点から、0.03以上が好ましく、0.05以上がより好ましく、0.1以上がさらに好ましく、0.2以上がよりさらに好ましく、4以下が好ましく、3以下がより好ましく、2以下がさらに好ましく、0.8以下がよりさらに好ましい。また、成分(C)に対する成分(A)の質量割合(A)/(C)は、0.03〜4が好ましく、0.05〜3がより好ましく、0.1〜2がさらに好ましく、0.2〜0.8がよりさらに好ましい。
本発明において、成分(C)に対する成分(B)の質量割合(B)/(C)は、塗布時にごわつきやつっぱり感などを感じず、唇や皮膚などが滑らかであり、塗布直後及び長時間経過後においても、カップなどへの2次付着が抑制され、さらに、唇や皮膚などから化粧料を落とすときにも、きれいに落とすことができる点から、1以上が好ましく、2以上がより好ましく、3以上がさらに好ましく、3.5以上がよりさらに好ましく、11以下が好ましく、9以下がより好ましく、7以下がさらに好ましく、6以下がよりさらに好ましい。また、成分(C)に対する成分(B)の質量割合(B)/(C)は、1〜11が好ましく、2〜9がより好ましく、3〜7がさらに好ましく、3.5〜6がよりさらに好ましい。
本発明で用いる成分(D)のカルボシロキサンデンドリマー構造を側鎖に有するビニル系重合体において、カルボシロキサンデンドリマー構造としては、一般式(1)で表される基が好ましい。
Figure 0006886276
式中、Zは2価の有機基であり、pは0又は1であり、R1は炭素原子数1〜10のアルキル基又はアリール基である。X1はi=1とした場合の一般式(2)で示されるシリルアルキル基である。
Figure 0006886276
式中、R1は炭素原子数1〜10のアルキル基又はアリール基であり、R2は炭素原子数2〜10のアルキレン基であり、R3は炭素原子数1〜10のアルキル基であり、Xi+1は水素原子、炭素原子数1〜10のアルキル基、アリール基及び一般式(2)で示されるシリルアルキル基からなる群から選択される基である。iは該シリルアルキル基の階層を示している1〜10の整数であり、aiは0〜3の整数である。
式(1)中、Zは2価の有機基であり、アルキレン基、アリーレン基、アラルキレン基、エステル含有2価有機基、エーテル含有2価有機基、ケトン含有2価有機基、アミド基含有2価有機基が例示される。これらの中でも、一般式(4)、(5)及び(6)で示される有機基が好ましい。
Figure 0006886276
式中、R9は炭素原子数1〜10のアルキレン基であり、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基が例示される。これらの中でもエチレン基、プロピレン基が好ましい。R10は炭素原子数1〜10のアルキル基であり、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基が例示される。これらの中でもメチル基が好ましい。R11は炭素原子数1〜10のアルキレン基であり、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基等のアルキレン基が例示される。これらの中でもエチレン基が好ましい。dは0〜4の整数であり、eは0又は1である。
また、式(1)中、R1は炭素原子数1〜10のアルキル基又はアリール基であり、アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、イソプロピル基、イソブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基が例示され、アリール基としては、フェニル基、ナフチル基が例示される。これらの中でもメチル基、フェニル基が好ましく、メチル基が特に好ましい。
1はi=1とした場合の一般式(2)で示されるシリルアルキル基である。
Figure 0006886276
式中、R1は炭素原子数1〜10のアルキル基又はアリール基である。R2は炭素原子数2〜10のアルキレン基であり、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ヘキシレン基などの直鎖状アルキレン基;メチルメチレン基、メチルエチレン基、1−メチルペンチレン基、1,4−ジメチルブチレン基等の分岐状アルキレン基が例示される。これらの中でも、エチレン基、メチルエチレン基、ヘキシレン基、1−メチルペンチレン基、1,4−ジメチルブチレン基が好ましい。R3は炭素原子数1〜10のアルキル基であり、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、イソプロピル基が例示される。Xi+1は水素原子、炭素原子数1〜10のアルキル基、アリール基及び一般式(2)で示されるシリルアルキル基からなる群から選択される基である。aiは0〜3の整数である。iは1〜10の整数であり、これは該シリルアルキル基の階層数、即ち、該シリルアルキル基の繰り返し数を示している。
成分(D)のビニル系重合体としては、(D1)(D2)以外のビニル系単量体 0〜99.9質量部と、(D2)一般式(3):
Figure 0006886276
(式中、Yはラジカル重合可能な有機基であり、R1は炭素原子数1〜10のアルキル基又はアリール基であり、X1はi=1とした場合の一般式(2)で示されるシリルアルキル基である。)
で表されるラジカル重合可能な有機基を有するカルボシロキサンデンドリマー 100〜0.1質量部とを、(共)重合させてなるカルボシロキサンデンドリマー構造を含有するビニル系重合体が好ましい。
上記式中、Yはラジカル重合可能な有機基であり、R1は炭素原子数1〜10のアルキル基もしくはアリール基である。アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、イソプロピル基、イソブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基が例示される。アリール基としては、フェニル基、ナフチル基が例示される。これらの中でもメチル基,フェニル基が好ましく、メチル基が特に好ましい。
このビニル系重合体において、(D1)成分のビニル系単量体は、ラジカル重合性のビニル基を有するものであれば良く、その種類等については特に限定されない。かかるビニル系単量体としては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸tert−ブチル、(メタ)アクリル酸n−ヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル等の低級アルキル(メタ)アクリレート;(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸ステアリル等の高級アルキル(メタ)アクリレート;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、カプロン酸ビニル、2−エチルヘキサン酸ビニル、ラウリン酸ビニル、ステアリン酸ビニル等の脂肪酸ビニルエステル;スチレン、ビニルトルエン、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート等の芳香族含有単量体;(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−メトキシメチル(メタ)アクリルアミド、イソブトキシメトキシ(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、ビニルピロリドン、N−ビニルアセトアミド等のアミド基含有ビニル型単量体;(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシプロピル、グリセリル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチルアクリルアミド等の水酸基含有ビニル型単量体;(メタ)アクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、フマル酸、マレイン酸等のカルボン酸含有ビニル型単量体及びそれらの塩;テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチルビニルエーテル、セチルビニルエーテル、2ーエチルヘキシルビニルエーテル等のエーテル結合含有ビニル型単量体;(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アリルグリシジルエーテル、メタクリロイルオキシエチルイソシアネート、(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン等の反応性基含有モノマー;片末端に(メタ)アクリル基を含有したポリジメチルシロキサン、片末端にスチリル基を含有するポリジメチルシロキサンなどのマクロモノマー類;ブタジエン;塩化ビニル;塩化ビニリデン;(メタ)アクリロニトリル;フマル酸ジブチル;無水マレイン酸;スチレンスルホン酸、アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸のようなスルホン酸基を有するラジカル重合性不飽和単量体、およびそれらのアルカリ金属塩、アンモニウム塩、有機アミン塩;2−ヒドロキシ−3−メタクリルオキシプロピルトリメチルアンモニウムクロライドのような(メタ)アクリル酸から誘導される4級アンモニウム塩;メタクリル酸ジエチルアミノエチルのような3級アミノ基を有するアルコールのメタクリル酸エステル、ビニルピリジンおよびそれらの4級アンモニウム塩などが例示される。
また、多官能ビニル系単量体も使用可能であり、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリオキシエチル(メタ)アクリレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートジ(メタ)アクリレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリ(メタ)アクリレート、スチリル基封鎖ポリジメチルシロキサンなどの不飽和基含有シリコ−ン化合物等が例示される。
成分(D2)のカルボシロキサンデンドリマーは、一般式(2)で表されるラジカル重合可能な有機基を有するものであれば良く、その種類等については特に限定されない。一般式(2)中、Yはラジカル重合可能な有機基であり、ラジカル反応可能な有機基であればよいが、具体的には、下記一般式(7)、(8)及び(9)で表される(メタ)アクリロキシ基含有有機基、(メタ)アクリルアミド基含有有機基、スチリル基含有有機基、炭素原子数2〜10のアルケニル基等が挙げられる。
Figure 0006886276
(式中、R4及びR6は水素原子又はメチル基であり、R5及びR8は炭素原子数1〜10のアルキレン基であり、R7は炭素原子数1〜10のアルキル基である。bは0〜4の整数であり、cは0または1である。)
このようなラジカル重合可能な有機基としては、例えば、2−アクリロイルオキシエチル基、3−アクリロイルオキシプロピル基、2−メタクリロイルオキシエチル基、3−メタクリロイルオキシプロピル基、4−ビニルフェニル基、3−ビニルフェニル基、4−(2−プロペニル)フェニル基、3−(2−プロペニル)フェニル基、2−(4−ビニルフェニル)エチル基、2−(3−ビニルフェニル)エチル基、ビニル基、アリル基、メタリル基、5−ヘキセニル基が挙げられる。
一般式(2)において、i=1、すなわちシリルアルキル基の階層数が1である場合、(D2)成分のカルボシロキサンデンドリマーは、一般式(10):
Figure 0006886276
(式中、Y,R1,R2およびR3は前記と同じであり、R12は水素原子または前記R1と同じである。a1は前記aiと同じであるが、1分子中のa1の平均合計数は0〜7である。)で表される。
このようなラジカル重合可能な有機基を含有するカルボキシデンドリマー(D2)としては、下記平均組成式で示されるカルボシロキサンデンドリマーが例示される。
Figure 0006886276
Figure 0006886276
このようなカルボシロキサンデンドリマーは、例えば、特開平11―1530号公報、特開2000−63225号公報等に記載された製造方法に従って製造することができる。
本発明で用いられるデンドリマー構造を含有するビニル系重合体において、上記(D1)成分と(D2)成分の質量割合は、(D1):(D2)=0:100〜99.9:0.1が好ましく、5:95〜90:10がより好ましく、更に10:90〜80:20となる範囲であるのが好ましい。
本発明で用いられる成分(D)のカルボシロキサンデンドリマー構造を有するビニル系重合体の数平均分子量は、化粧品原料としての配合のしやすさから、好ましくは、3,000〜2,000,000であり、さらに好ましくは、5,000〜800,000である。また、その性状は、25℃で液状、ガム状、ペースト状、固体状などのいずれでも良いが、得られる化粧皮膜の持続性の観点から、固体状のものが好ましい。また、配合性の観点からは、溶媒によって希釈された溶液や分散液であることが好ましい。
カルボシロキサンデンドリマー構造を側鎖に有するビニル系重合体としては、シリコーンデンドリマー・アクリル共重合体が好ましく、FA4001CM(デカメチルシクロペンタシロキサン溶液)、FA4002ID(イソドデカン溶液)(以上、東レ・ダウコーニング社製)等の市販品を用いることができる。
成分(D)のビニル系重合体は、1種又は2種以上を組み合わせて用いることができ、含有量は、化粧料を唇や皮膚などに対して均一に付着させ、密着性を向上させる点、また、耐水性に優れる点から、全組成中に0.01質量%以上であり、0.2質量%以上が好ましく、0.5質量%以上がより好ましく、25質量%以下であり、15質量%以下が好ましく、10質量%以下がより好ましく、5質量%以下がさらに好ましい。また、成分(D)の含有量は、全組成中に0.01〜25質量%であり、0.2〜15質量%が好ましく、0.5〜10質量%がより好ましく、0.5〜5質量%がさらに好ましい。
本発明において、成分(D)に対する成分(A)の質量割合(A)/(D)は、塗布時に塗りむらがなく、仕上げやすいものであり、水に濡れたときでも、カップへの色移りが抑制され、唇全体によれにくく、長時間経過後においても、唇輪郭付近へ口紅がよりにくい点から、0.1以上が好ましく、0.4以上がより好ましく、1以上がさらに好ましく、1.5以上がよりさらに好ましく、40以下が好ましく、30以下がより好ましく、20以下がさらに好ましく、12以下がよりさらに好ましい。また、成分(D)に対する成分(A)の質量割合(A)/(D)は、0.1〜40が好ましく、0.4〜30がより好ましく、1〜20がさらに好ましく、1.5〜12がよりさらに好ましい。
さらに、本発明の油性化粧料は、25℃で固形のワックスを含有することができる。25℃で固形とは、25℃において固体の性状を示し、融点が61℃以上のものを指す。
25℃で固形のワックスとしては、通常の化粧料に用いられるものであれば制限されず、例えば、オゾケライト、セレシン等の鉱物系ワックス;パラフィン、マイクロクリスタリンワックス等の石油系ワックス;フィッシャー・トロプシュワックス、ポリエチレンワックス等の合成炭化水素;カルナウバロウ、キャンデリラロウ、ライスワックス、木ロウ、サンフラワーワックス等の植物系ワックス;ミツロウ、鯨ロウ等の動物性ワックス;シリコーンワックス、合成ミツロウ等の合成ワックスなどが挙げられる。
25℃で固形のワックスは、油性化粧料に適度な硬さを付与し、油の染み出し抑制、潤いを付与する点から、融点65℃以上、140℃以下が好ましく、70℃以上、90℃以下がより好ましい。また、滑らかな使用感を付与する点から、融点が90℃を超えるワックスを含まないことが好ましい。
また、25℃で固形のワックスは、油性化粧料に適度な硬さを付与し、油の染み出し抑制、潤いを付与する点から、25℃での針入度が1以上、150以下であるのが好ましく、15以上、110以下がより好ましい。
ここで、針入度は、25±0.1℃に保ったワックスの試料に、規定の針(針の質量2.5±0.02g、針保持具の質量47.5±0.02g、おもりの質量50±0.05g)が、5秒間に針入する長さを測定し、その針入距離(mm)を10倍した値を針入度とするものであり、JIS K−2235−5.4(1991年)に準じて測定した値である。
25℃での針入度が1以上、150以下の固形のワックスとしては、鉱物系ワックス、石油系ワックス及び合成炭化水素が挙げられる。なかでも、外観色のくすみを抑制し、塗布膜の持続性、潤いの性能が高い点から、針入度が15以上、110以下のマイクロクリスタリンワックス、パラフィンワックスが好ましく、針入度が15以上、110以下のマイクロクリスタリンワックスがより好ましい。また、25℃での針入度が、25以上、80以下のマイクロクリスタリンワックスであることが好ましい。
これらのワックスは、市販品を使用することができ、例えば、マイクロクリスタリンワックスとして、Multiwax W−445、W−835(以上、SONNEBORN社製)、Paracera M(Paramelt社製)、Hi−Mic−1045、1070、2045(以上、日本精鑞社製)、精製マイクロクリスタリンワックス(日興リカ社製)、155°マイクロワックス(日本石油社製)等が挙げられる。
針入度が15以上のマイクロクリスタリンワックスは、滑らかな使用感、塗布時の艶を付与する点から、25℃で固形のワックス中に50質量%以上含まれるのが好ましく、70質量%以上含まれるのがより好ましい。
25℃で固形のワックスは、1種又は2種以上を組み合わせて用いることができ、含有量は、唇上などでの化粧料のよれを抑制する点から、全組成中に5質量%未満であるのが好ましく、3質量%以下がより好ましく、1質量%以下がさらに好ましく、0.5質量%以下がよりさらに好ましい。
さらに、本発明の油性化粧料は、粉体を含有することができる。かかる粉体としては、通常の化粧料に用いられるものであれば制限されず、体質顔料、着色顔料、光輝性顔料等を用いることができる。
体質顔料としては、例えば、ケイ酸、無水ケイ酸、ケイ酸マグネシウム、タルク、セリサイト、マイカ、合成マイカ、ガラスフレーク、合成金雲母、カオリン、クレー、ベントナイト、オキシ塩化ビスマス、酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、硫酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム等の無機顔料及びこれらの複合粉体が挙げられる。
着色顔料としては、例えば、酸化チタン、酸化亜鉛、黄酸化鉄、ベンガラ、黒酸化鉄、紺青、群青、酸化クロム、水酸化クロム等の金属酸化物;マンガンバイオレット、チタン酸コバルト等の金属錯体;更にカーボンブラック等の無機顔料;赤色3号、赤色104号、赤色106号、赤色201号、赤色202号、赤色204号、赤色205号、赤色220号、赤色226号、赤色227号、赤色228号、赤色230号、赤色401号、赤色405号、赤色505号、橙色203号、橙色204号、橙色205号、黄色4号、黄色5号、黄色401号、青色1号、青色404号等の合成有機顔料;β−カロチン、カラメル、パプリカ色素等の天然有機色素などが挙げられる。
光輝性顔料としては、雲母、合成金雲母、ガラス、シリカ、アルミナ等の板状粉体等の表面を酸化チタン、酸化鉄、酸化ケイ素、紺青、酸化クロム、酸化スズ、水酸化クロム、金、銀、カルミン、有機顔料等の着色剤で被覆したものなど、及びポリエチレンテレフタレート・ポリメチルメタクリレート積層末、ポリエチレンテレフタレート・アルミ蒸着末、ポリエチレンテレフタレート・金蒸着積層末などの、フィルム原反を任意形状に断裁したものなどを用いることができる。
これらの粉体は、通常の方法により、撥水処理、撥水・撥油化処理等の各種表面処理を施したものを用いることもできる。
粉体は、1種又は2種以上を用いることができ、含有量は、全組成中に0.01質量%以上が好ましく、0.05質量%以上がより好ましく、20質量%以下が好ましく、10質量%以下がより好ましい。また、粉体の含有量は、全組成中に0.01〜20質量%が好ましく、0.05〜10質量%がより好ましい。
さらに、本発明の油性化粧料は、前記成分以外に、通常の化粧料に用いられる成分、例えば、成分(B)及び(C)以外の油性成分、界面活性剤、低級アルコール、多価アルコール、成分(A)及び(D)以外の高分子化合物、紫外線吸収剤、酸化防止剤、染料、香料、色材、防汚剤、保湿剤、水等を含有することができる。
本発明の油性化粧料は、通常の方法により製造することができ、その剤型としては、固形、半固形、ゲル、液状等のいずれでも良い。
本発明の油性化粧料は、油剤を連続相とする化粧料であり、皮膚、***、睫毛、爪、毛髪に使用され、好ましくは、***に使用される。口紅、リップグロス、リップライナー等の***化粧料;マスカラ、アイライナー、アイシャドウ、チークカラー、ファンデーション、コンシーラー等のメイクアップ化粧料;クリーム、乳液、美容液、マッサージ剤、デオドラント、サンスクリーン、育毛剤、ヘアカラー、ヘアワックス、ヘアフォームなどとすることができる。中でも、口紅、リップグロス、リップライナーから選ばれる***化粧料として好適である。
本発明の油性化粧料を***化粧料とする場合、化粧料塗布用具で、取り出す容器に収納された形態であることが好ましく、取り出す容器が、ボトル容器、ジャー容器、チューブ容器がより好ましく、中でも使用時の液だれを抑制する点から、ボトル容器、チューブ容器がさらに好ましい。
***化粧料を取り出す化粧料塗布用具は、化粧料を塗布するための塗布面を有し、先端に該塗布部を連結した支持軸を有している。具体的には、チップ、スポンジ、パフ、筆等が挙げられる。なかでも、化粧料を塗布するための塗布面を有し、かつ扁平体からなる塗布部と、先端に該塗布部を連結した支持軸とを有している化粧料塗布用具が、初期の使用時から塗布用具への取れ性、唇への塗りやすさの点から好ましい。
***化粧料は、取り出し用の化粧料塗布用具を備える化粧料容器に収納された形態であることで、初期の使用時から塗布用具への取れ性に優れる。特に、使用後に容器内に残る化粧料の残留が少ない点から、化粧料塗布用具が化粧料にどぶづけしているディッピング容器がより好ましい。
製造例1(セルロース誘導体1の製造)
窒素下トルエン、メチルエチルケトン混合溶媒中50℃で、57.8g(0.165mol)のヒドロキシプロピルセルロース(セルニーM;日本曹達社製)に、94g(1.01mol)の3−メチルピリジンを加えて溶解させる。85.1g(0.31mol)の塩化パルミトイルを0.5時間かけて滴下する。その後50℃で5時間反応させ、エタノール中で沈殿させて精製し、乾燥させると、ヒドロキシプロピルセルロースパルミチン酸エステルが得られた。(質量平均分子量150万、平均アシル置換度は全水酸基の60mol%)
(質量平均分子量の測定)
重合体の平均分子量(Mw)は、日立L−6000型高速液体クロマトグラフィーを使用し、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)によって測定した。溶離液流路ポンプは日立L−6000、検出器はショーデックスRI SE−61示差屈折率検出器、カラムはGMHHR−Hをダブルに接続したものを用いた。サンプルは、溶離液で0.5g/100mLの濃度に調整し、20μLを用いた。溶離液には、1mmol/LのN,N‐ジメチルドデシルアミン(ファーミンDM20、花王社製)のクロロホルム溶液を使用した。カラム温度は40℃で、流速は1.0mL/分で行った。
(平均アシル(エステル)置換度の測定)
H-NMRにおいて、エステル化されたセルロースのカルボニル基の隣のメチン基のプロトンは、5ppm付近に現れ、セルロースの6員環酸素の隣のプロトンとセルロースの水酸基の隣のメチレン基の合計が3.5ppm付近に現れる。その積分値から算出した。
製造例2(セルロース誘導体2の製造)
窒素下トルエン、メチルエチルケトン混合溶媒中50℃で、57.8g(0.165mol)のヒドロキシプロピルセルロース(セルニーM;日本曹達社製)に、232.8g(2.5mol)の3−メチルピリジンを加えて溶解させる。300.0g(1.09mol)の塩化パルミトイルを0.5時間かけて滴下する。その後50℃で5時間反応させ、エタノール中で沈殿させて精製し、乾燥させると、ヒドロキシプロピルセルロースパルミチン酸エステルが得られた。(質量平均分子量87万、平均アシル置換度は全水酸基の90mol%)
実施例1〜9、比較例1〜2
表1に示す組成の液状口紅を製造した。得られた液状口紅を唇に塗布し、仕上げやすさ(塗りむらのなさ)、塗布直後のごわつきのなさ、塗布10分後、唇をすり合わせたときの滑らかさ、塗布10分後の耐水性(カップへの色移りしにくさ、唇全体のよれにくさ)、塗布4時間後、唇輪郭付近への口紅のよりにくさ及び口紅の落としやすさを評価した。なお、これらの評価は、湿度の高い環境(相対湿度50〜100%)下において、液状口紅を唇に塗布して行った。
結果を表1に併せて示す。
(製造方法)
基材原料(色材以外)を90℃で30分間加熱溶解し、ディスパーにて均一混合した。次に、色材原料を加えて更に15分間均一混合し、脱泡した後、透明なディッピング容器に流し込み、冷却固化させ、液状口紅を得た。
(評価方法)
(1)仕上げやすさ(塗りむらのなさ):
専門パネラー10名により、各液状口紅を唇へ塗布し、塗布直後の塗りむらのなさを官能評価した。結果を、良好である(塗りむらがない)と評価したパネラーの人数で示した。
(2)塗布直後のごわつきのなさ:
専門パネラー10名により、各液状口紅を唇へ塗布し、5分後のごわつきのなさを官能評価した。結果を、良好である(ごわつきがない)と評価したパネラーの人数で示した。
(3)塗布10分後、唇をすり合わせたときの滑らかさ:
専門パネラー10名により、各液状口紅を唇へ塗布し、10分後に唇をすり合わせたときの滑らかさを官能評価した。結果を、良好である(滑らかである)と評価したパネラーの人数で示した。
(4)塗布10分後の耐水性(カップへの色移りしにくさ):
専門パネラー10名により、各液状口紅を唇へ塗布し、10分後に20℃の水を入れたカップで水を飲み、カップへの色移りしにくさを官能評価した。結果を、良好である(色移りしにくい)と評価したパネラーの人数で示した。
(5)塗布10分後の耐水性(唇全体のよれにくさ):
専門パネラー10名により、各液状口紅を唇へ塗布し、10分後に20℃の水を入れたカップで水を飲んだとき、唇全体での口紅のよれにくさを官能評価した。結果を、良好である(よれにくい)と評価したパネラーの人数で示した。
(6)塗布4時間後、唇輪郭付近への口紅のよりにくさ:
専門パネラー10名により、各液状口紅を唇へ塗布し、4時間経過後、唇輪郭付近に口紅がよらないかを官能評価した。結果を、良好である(よらない)と評価したパネラーの人数で示した。
(7)口紅の落としやすさ:
専門パネラー10名により、各液状口紅を唇へ塗布し、4時間経過後、その口紅をメイク落とし(ビオレメイク落とし ふくだけコットン うるおいリッチ)で落としたときの落としやすさを官能評価した。結果を、良好である(綺麗に落とすことができる)と評価したパネラーの人数で示した。
Figure 0006886276
実施例10
実施例1〜9と同様にして、表2に示す組成の液状口紅を製造した。
得られた液状口紅は、湿度の高い環境(相対湿度50〜100%)下において、唇に塗布したとき、塗りむらがなく、仕上げやすく、塗布直後のごわつきがなく、塗布10分後、唇をすり合わせたときに滑らかで、塗布10分後の耐水性(カップへの色移りしにくさ、唇全体のよれにくさ)に優れ、塗布4時間後、唇輪郭付近へ口紅がよりにくく、しかも、口紅が落としやすいものであった。
Figure 0006886276

Claims (5)

  1. 次の成分(A)、(B)、(C)及び(D):
    (A)主鎖にセルロース骨格を有し、全水酸基の45〜95mol%が基−O-M-R(MはCH2又はカルボニル基C=Oを示し、Rは炭素数3〜40の直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基を示す)で置換されているセルロース誘導体 1〜50質量%、
    (B)揮発性の炭化水素油 5〜85質量%、
    (C)25℃で液状のエステル油 5〜50質量%、
    (D)カルボシロキサンデンドリマー構造を側鎖に有するビニル系重合体 0.01〜25質量%
    を含有し、成分(D)に対する成分(A)の質量割合(A)/(D)が、0.1〜40である***化粧料
  2. 成分(A)において、Rが炭素数9〜21の直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基である請求項1記載の***化粧料。
  3. 成分(D)において、カルボシロキサンデンドリマー構造が、一般式(1)
    Figure 0006886276
    {式中、Zは2価の有機基であり、pは0又は1であり、R1は炭素原子数1〜10のアルキル基又はアリール基である。X1はi=1とした場合の一般式(2)で示されるシリルアルキル基である。
    Figure 0006886276
    (式中、R1は炭素原子数1〜10のアルキル基又はアリール基であり、R2は炭素原子数2〜10のアルキレン基であり、R3は炭素原子数1〜10のアルキル基であり、Xi+1は水素原子、炭素原子数1〜10のアルキル基、アリール基及び一般式(2)で示されるシリルアルキル基からなる群から選択される基である。iは該シリルアルキル基の階層を示している1〜10の整数であり、aiは0〜3の整数である。)}
    で表される基である請求項1又は2記載の***化粧料。
  4. 成分(D)のビニル系重合体が、(D1)ビニル系単量体 0〜99.9質量部と、(D2)一般式(3):
    Figure 0006886276
    {式中、Yはラジカル重合可能な有機基であり、R1は炭素原子数1〜10のアルキル基又はアリール基であり、X1はi=1とした場合の一般式(2)で示されるシリルアルキル基である。
    Figure 0006886276
    (式中、R1は炭素原子数1〜10のアルキル基又はアリール基であり、R2は炭素原子数2〜10のアルキレン基であり、R3は炭素原子数1〜10のアルキル基であり、Xi+1は水素原子、炭素原子数1〜10のアルキル基、アリール基及び一般式(2)で示されるシリルアルキル基からなる群から選択される基である。iは該シリルアルキル基の階層を示している1〜10の整数であり、aiは0〜3の整数である。)}
    で表されるラジカル重合可能な有機基を有するカルボシロキサンデンドリマー 100〜0.1質量部とを重合させてなるものである請求項1〜3のいずれか1項記載の***化粧料。
  5. 成分(C)に対する成分(B)の質量割合(B)/(C)が、1〜11である請求項1〜のいずれか1項記載の***化粧料。
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