JP6885207B2 - マーカ検出方法及び車両用システム - Google Patents

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Description

本発明は、道路に敷設された磁気マーカを検出するためのマーカ検出方法及び車両用システムに関する。
従来より、道路に敷設された磁気マーカを車両制御に利用するための車両用のマーカ検出システムが知られている(例えば、特許文献1参照。)。このようなマーカ検出システムを用いて、例えば車線に沿って敷設された磁気マーカを検出すれば、自動操舵制御や車線逸脱警報や自動運転など各種の運転支援を実現できる。
特開2005−202478号公報
しかしながら、上記従来のマーカ検出システムでは、次のような問題がある。すなわち、磁気センサ等に作用する様々な外乱磁気に起因し、磁気マーカの検出確実性が損なわれるおそれがあるという問題がある。例えば鉄製のマンホールや他の車両なども外乱磁気の発生源となり得る。
本発明は、上記従来の問題点に鑑みてなされたものであり、誤検出を抑制するためのマーカ検出方法及び車両用システムを提供しようとするものである。
本発明の一態様は、車両に取り付けられた磁気センサを用いて道路に敷設された磁気マーカを検出するためのマーカ検出方法であって、
前記磁気センサによる磁気計測値の位置的な分布である磁気分布の対称性を表す特徴量として、前記磁気分布を構成する値の合計値の大きさである第1の総和と、前記磁気分布の中心の両側のうちの一方の側に属する値の正負を反転した値、及び他方の側に属する値の合計値の大きさである第2の総和と、の差分を求める手順と、
特徴量を処理することで前記磁気マーカ以外の外乱となる磁気発生源の存在可能性を判定する手順と、を含むマーカ検出方法にある(請求項1)。
本発明の一態様は、車両に取り付けられた磁気センサを用いて道路に敷設された磁気マーカを検出するためのマーカ検出方法であって、
前記磁気マーカの真上に当たる位置で正負が反転する磁気分布を取得する手順と、
前記磁気センサによる磁気計測値の位置的な分布である磁気分布の対称性を表す特徴量として、該磁気分布を構成する値の合計値の大きさを求める手順と、
該特徴量を処理することで前記磁気マーカ以外の外乱となる磁気発生源の存在可能性を判定する手順と、を含むマーカ検出方法にある(請求項3)。
本発明の一態様は、道路に敷設された磁気マーカを検出する車両用システムであって、
前記磁気マーカの磁気を検出する磁気センサと、
外乱となる磁気発生源の有無を判定する判定ユニットと、を有し、
前記一態様のマーカ検出方法の実行により前記磁気発生源の存在可能性を判定する車両用システムにある(請求項8)。
前記磁気マーカの付近に外乱となる磁気発生源が無い場合、磁気分布が対称に近づく一方、前記磁気マーカの付近に磁気発生源が有ると、該磁気マーカ周辺の磁界に乱れが生じ、磁気分布の対称性が損なわれる。本発明に係るマーカ検出方法は、このような磁気分布の対称性に着目して、外乱となる磁気発生源の存在可能性を判定する方法である。
本発明に係るマーカ検出方法では、前記磁気分布の対称性を表す特徴量を処理することにより外乱となる磁気発生源の存在可能性を判定する。そして、本発明に係る車両用システムは、上記のマーカ検出方法を実行することで前記磁気発生源の存在可能性を判定する。
本発明によれば、外乱となる前記磁気発生源の存在可能性を判定することで、前記磁気マーカの誤検出を低減できる。
車両用システムを示す説明図。 車両用システムの構成を示すブロック図。 磁気マーカを示す図。 磁気マーカを通過する際の進行方向の磁気計測値の時間的な変化を例示する説明図。 磁気マーカを通過する際の各磁気センサによる車幅方向の磁気計測値の分布を例示する説明図。 マーカ検出処理の流れを示すフロー図。 車間制御の流れを示すフロー図。 先行車両の選択例の説明図。 操舵制御の流れを示すフロー図。 磁気分布の対称性を表す特徴量の演算処理の説明図その1。 磁気分布の対称性を表す特徴量の演算処理の説明図その2。 判定処理の流れを示すフロー図。 磁気マーカを通過する際の各磁気センサによる車幅方向の磁気計測値の他の分布を例示する説明図。 磁気分布の対称性を表す特徴量の演算処理の説明図その3。
本発明における好適な態様について説明する。
本発明において、前記差分を求める手順は、前記第1の総和を求める手順と、前記第2の総和を求める手順と、を含むものであっても良い(請求項2)。
本発明に係るマーカ検出方法において、前記磁気分布は、車両の進行方向における分布であっても良い(請求項)。
この場合には、車両が前記磁気マーカを通過する際、前記磁気センサに作用する磁気の時間的変化の分布を、前記磁気分布として取得できる。
前記磁気分布は、車幅方向に配列された複数の前記磁気センサによる磁気計測値の分布であっても良い
この場合には、前記複数の磁気センサが同じタイミングで計測した磁気計測値の分布を、前記磁気分布として取得できる。
前記磁気分布は、車両の幅方向における分布であっても良い(請求項5)。
前記特徴量に関する閾値処理により前記磁気発生源の有無を判定することも良い(請求項)。
例えば、前記磁気発生源が有ると判定された場合には、前記磁気マーカを利用した車両側の制御を中断する等の対応を採用すると良い。
前記磁気分布を構成する値の合計値の大きさである第1の総和と、
前記磁気分布の中心の両側のうちの一方の側に属する値の正負を反転した値、及び他方の側に属する値の合計値の大きさである第2の総和と、
の差分値の大きさを前記特徴量として取り扱うことも良い
前記磁気分布は、前記磁気マーカの真上に当たる位置で正負が反転する分布であり、該磁気分布を構成する値の合計値の大きさを前記特徴量として取り扱うことも良い
これらの場合には、比較的簡単なハードウェア構成で前記特徴量を生成できる。例えば、演算処理によりこの特徴量を生成する場合であれば、演算処理の負荷が小さいため、小規模なハードウェア構成を採用できる。
前記特徴量は、磁気分布のうちの最大値により正規化された値であると良い(請求項7)。
この場合には、前記磁気センサに作用する磁気の大きさの大小の影響を抑制できる。正規化を行えば、磁気の大きさに依らず、前記磁気発生源の存在可能性を確実性高く判定できる。
本発明に係る車両用システムにおいて、車両の運転を支援する制御を実行する制御ユニットを備え、該制御ユニットは、前記磁気発生源の存在可能性に応じて前記運転を支援する制御を実行するか否かを含めて制御の内容を切り替えると良い(請求項9)。
前記磁気発生源の存在可能性に応じて制御の内容を切り替えれば、前記磁気マーカ以外の前記磁気発生源に起因して制御が不安定に陥るおそれを未然に回避できる。
本発明の実施の形態につき、以下の実施例を用いて具体的に説明する。
(実施例1)
本例は、道路に敷設された磁気マーカ10を検出するためのマーカ検出方法及び車両用システム1に関する例である。この内容について、図1〜図14を用いて説明する。
本例のマーカ検出方法は、図1及び図2のごとく、車幅方向に複数の磁気センサCn(nは1〜15の整数)が配列された車両5側のセンサユニット11を用いて磁気マーカ10を検出する方法である。このマーカ検出方法では、磁気マーカ10が発生する磁気分布の対称性に基づいて外乱となる磁気発生源の存在可能性が判定される。
外乱となる磁気発生源の存在可能性の判定処理では、センサユニット11を用いて磁気マーカ10が発生する磁気分布が取得され、この磁気分布の対称性を表す特徴量が生成される。そして、この特徴量に基づいて前記磁気発生源の存在可能性が判定される。
車両用システム1は、磁気マーカ10を検出することにより、磁気マーカ10が敷設された車線100に追従して車両5を自動走行させる運転支援システムの例である。
車両用システム1は、磁気センサCnを備えるセンサユニット11のほか、検出ユニット12を含めて構成されている。検出ユニット12は、センサユニット11から磁気分布データを取り込み各種の演算処理を実行するユニットである。検出ユニット12は、磁気マーカ10を検出するためのマーカ検出処理において、磁気マーカ10以外の外乱となる磁気発生源の存在可能性を判定する判定処理を実行する。
車両用システム1は、上記のセンサユニット11及び検出ユニット12に加えて、先行車両との距離等を計測する前方検知ユニット42、外部制御が可能な操舵ユニット45やエンジンスロットルユニット46やブレーキコントロールユニット47、各ユニットを制御する制御ユニット41等を備えている。
操舵ユニット45は、車両5の操舵輪の操舵角(舵角)を制御するユニットである。操舵ユニット45は、操舵角センサを備えており、操舵角を計測して外部出力可能である。エンジンスロットルユニット46は、エンジンに燃料を送り込むスロットル開度の制御によりエンジン出力を調節するユニットである。ブレーキコントロールユニット47は、ブレーキシステムの作動流体の液圧等を制御することで制動力を調節するユニットである。
以下、磁気マーカ10を概説した後、前方検知ユニット42、センサユニット11、検出ユニット12、及び制御ユニット41について順番に説明する。
(磁気マーカ)
磁気マーカ10は、車両5が走行する道路の路面100S(図1参照。)に敷設される道路マーカである。磁気マーカ10は、左右のレーンマークで区分された車線100の中央に沿って例えば3m間隔で配列されている。
磁気マーカ10は、図3のごとく、直径20mm、高さ28mmの柱状をなし、路面100Sに設けた孔に収容された状態で敷設される。磁気マーカ10をなす磁石は、磁性材料である酸化鉄の磁粉を基材である高分子材料中に分散させたフェライトプラスチックマグネットであり、最大エネルギー積(BHmax)=6.4kJ/mという特性を備えている。
本例の磁気マーカ10の仕様の一部を表1に示す。
Figure 0006885207
この磁気マーカ10は、センサユニット11の取付け高さとして想定する範囲100〜250mmの上限の250mm高さにおいて、8μT(マイクロテスラ)の磁束密度の磁気を作用できる。なお、磁気マーカ10をなす磁石の表面磁束密度Gsは45mT(ミリテスラ)となっている。
(前方検知ユニット)
図2の前方検知ユニット42は、レーザ光を利用して対象物までの距離を計測するユニットである。図示は省略するがこの前方検知ユニット42は、レーザ光の発光部と、反射光の受光部と、発光から反射光を受光するまでの遅延時間を計測する計時部と、を含めて構成されている。発光部は、レーザ光の出射方向を変更するためのポリゴンミラー(回転多面鏡)を備えている。
ポリゴンミラーによる出射方向の変更範囲は、水平方向±15度の範囲となっている。前方検知ユニット42は、このようにレーザ光の方向を変更することで1次元的なラインスキャンが可能である。前方検知ユニット42は、水平方向±15度の1次元範囲の各位置について上記の遅延時間を計測し、この範囲に存在する物体までの距離を特定する。
前方検知ユニット42は、出射方向の中心軸が車両5の前後方向に一致するように取り付けられる。車載状態の前方検知ユニット42は、車両5の正面側の水平方向±15度の1次元範囲に属する各位置に対して距離データがひも付けられた距離情報を生成して出力する。
(センサユニット)
センサユニット11(図1及び図2)は、車両5の底面に取り付けられる磁気検出ユニットである。センサユニット11は、例えば、フロントバンパーの内側に取り付けられる。本例の車両5の場合、路面100Sを基準とした取付け高さが200mmとなっている。
センサユニット11は、車幅方向に沿って10cm間隔で配列された15個の磁気センサCnと、出力データを生成するデータ生成回路110と、を備えている(図2参照。)。センサユニット11は、15個の磁気センサCnのうちの中央の磁気センサC8が車両5の車幅方向の中心に位置するように車載されている。
データ生成回路110は、磁気センサCnの磁気計測値の車幅方向の磁気分布データを生成して外部出力する回路である。データ生成回路110は、各磁気センサCnを同期して動作させた後、各磁気センサCnの磁気計測値を順番に読み出して車幅方向の磁気分布データを生成するように構成されている。
磁気センサCnは、アモルファスワイヤなどの感磁体のインピーダンスが外部磁界に応じて敏感に変化するという公知のMI効果(Magnet Impedance Effect)を利用して磁気を計測するMIセンサである。磁気センサCnは、直交する2方向の磁気成分の大きさを検出可能に構成されている。センサユニット11では、車両5の進行方向及び車幅方向の磁気成分を感知するように磁気センサCnが組み込まれている。したがって、データ生成回路110が生成する車幅方向の磁気分布データとしては、以下の2種類の車幅方向の磁気分布データがある。
(第1の磁気分布データ)
センサユニット11を構成する各磁気センサCnの進行方向の磁気計測値の分布である磁気分布データ。
(第2の磁気分布データ)
センサユニット11を構成する各磁気センサCnの車幅方向の磁気計測値の分布である磁気分布データ。
磁気センサCnは、磁束密度の測定レンジが±0.6mTであって、測定レンジ内の磁束分解能が0.02μTという高い感度を実現している。上記のように磁気マーカ10は、センサユニット11の取付け高さとして想定される範囲の上限である250mmにおいて8μT程度の磁気を作用する。磁束分解能が0.02μTの磁気センサCnによれば、磁気マーカ10の磁気を確実性高く感知できる。
磁気センサCnの仕様の一部を表2に示す。
Figure 0006885207
(検出ユニット)
検出ユニット12は、センサユニット11から取得する上記の第1及び第2の磁気分布データを取得して各種の演算処理を実行する演算ユニットである。検出ユニット12は、演算処理を実行するCPU(central processing unit)のほか、ROM(read only memory)やRAM(random access memory)などのメモリ素子等を含んで構成されている。
検出ユニット12は、センサユニット11から取得する車幅方向の第1及び第2の磁気分布データについて各種の演算処理を実施する。演算処理としては、磁気マーカ10を検出するためのマーカ検出処理等がある。
マーカ検出処理では、進行方向の磁気計測値の分布である前記第1の磁気分布データを利用して磁気マーカ10が検出されると共に、車幅方向の磁気計測値の分布である前記第2の磁気分布データを利用して磁気マーカ10に対する車両5の横ずれ量が検出される。さらに、マーカ検出処理を構成する判定処理では、上記の第2の磁気分布データを利用して外乱となる磁気発生源の有無が判定される。
検出ユニット12は、これらの処理の結果を反映したマーカ検出情報を制御ユニット41に向けて出力する。
(制御ユニット)
制御ユニット41は、磁気マーカ10が敷設された車線100に沿って車両5を走行させるための車線追従制御を実行するユニットである。制御ユニット41は、前方検知ユニット42の距離情報、操舵ユニット45が出力する操舵角、検出ユニット12のマーカ検出情報などの取得情報に基づいて車線追従制御を実行する。
制御ユニット41は、上記の取得情報に基づいて操舵ユニット45やエンジンスロットルユニット46やブレーキコントロールユニット47などを制御し、先行車両との車間距離を保持しつつ車線100に追従して車両5を自動走行させる。なお、制御ユニット41は、外乱となる磁気発生源が有る旨の判定情報がマーカ検出情報に含まれる場合、車線追従制御の内容を切り替え、これにより誤制御を回避する。
次に、磁気マーカ10を検出する(1)マーカ検出処理、及び車線100に追従して車両5を自動走行させるための(2)車線追従制御について説明する。さらに、磁気マーカ10以外の(3)外乱となる磁気発生源の有無の判定処理、及び磁気発生源が有ると判定されたときの(4)外乱作用下の車線追従制御の内容について説明する。
(1)マーカ検出処理
マーカ検出処理は、センサユニット11から前記第1及び第2の磁気分布データを取得して検出ユニット12が実行する処理である。
ここでマーカ検出処理による磁気マーカ10の検出方法について簡単に説明しておく。上記のごとく、磁気センサCnは、車両5の進行方向及び車幅方向の磁気成分を計測するように構成されている。例えばいずれかの磁気センサCnが、進行方向に移動して磁気マーカ10の真上を通過するとき、進行方向の磁気計測値は、図4のごとく磁気マーカ10の前後で正負が反転すると共に、磁気マーカ10の真上の位置でゼロを交差するように変化する。したがって、車両5の走行中では、いずれかの磁気センサCnが検出する進行方向の磁気について、その正負が反転するゼロクロスX1が生じたとき、センサユニット11が磁気マーカ10の真上に位置すると判断できる。
また例えば、磁気センサCnと同じ仕様の磁気センサについて、磁気マーカ10の真上を通過する車幅方向の仮想線に沿う移動を想定してみる。この磁気センサによる車幅方向の磁気計測値は、磁気マーカ10を挟んだ両側で正負が反転すると共に、磁気マーカ10の真上の位置でゼロを交差するように変化する。15個の磁気センサCnを車幅方向に配列したセンサユニット11の場合には、図5のごとく、磁気マーカ10を介してどちらの側にあるかによって磁気センサCnが検出する車幅方向の磁気の正負が異なってくる。
つまり、図5の磁気分布データ中のゼロクロスX2の位置が磁気マーカ10の真上の位置となる。例えば同図の場合、磁気センサC9とC10との中間辺りのC9.5のゼロクロスX2の位置が磁気マーカ10の真上の位置(以下、磁気マーカ10の位置という。)となる。ここで、上記のごとくセンサユニット11では、隣り合う磁気センサCnの間隔が10cmであると共に、磁気センサC8が車両5の車幅方向の中心となっている。したがって、図5の場合であれば、車両5の車幅方向の中心を基準として右側に(9.5−8)×10cm=15cmずれた位置が磁気マーカ10の位置となる。
なお、例えば車幅方向において車両5が左側に寄って走行すると、センサユニット11に相対して磁気マーカ10が右側にずれて、例えば図5のごとくゼロクロスX2の位置が磁気センサC8よりも右側の正値となる。車両5が右側に寄ったときの横ずれ量を正側とし左側に寄ったときの横ずれ量を負側とすると、例えば図5の場合には、磁気マーカ10の位置である上記の(9.5−8)×10cm=15cmの正負を反転した(−15)cmが車両5の横ずれ量となる。
次に、図6を参照してマーカ検出処理の流れを説明する。
検出ユニット12は、上記第1の磁気分布データを構成する磁気センサCnの進行方向の磁気計測値を取得する(S101)。そして、少なくともいずれかの磁気センサCnの進行方向の磁気計測値の経時変化につき、図4のX1に相当するゼロクロスの検出を試みる(S102)。検出ユニット12は、このゼロクロスを検出するまで(S102:NO)、磁気センサCnの進行方向の磁気計測値を繰り返し取得する(S101)。
検出ユニット12は、進行方向の磁気計測値の経時変化につき図4のX1に相当するゼロクロスを検出できたとき(S102:YES)、磁気マーカ10の真上にセンサユニット11が位置していると判断する。なお、磁気マーカ10の検出判断については、図4のX1に相当するゼロクロスの検出に加えて、進行方向の磁気計測値の経時変化の割合、すなわち磁気計測値の微分値(差分値)の大きさが所定の閾値以上であるという条件が設定されている。
検出ユニット12は、図4のX1に相当するゼロクロスの検出に応じて磁気マーカ10を検出できたとき、磁気センサCnが同じタイミングで計測した車幅方向の磁気計測値のの分布を表す上記の第2の磁気分布データを取得する(S103)。
検出ユニット12は、磁気マーカ10に対する車両5の横ずれ量を検出する処理を実行する一方(S104→S105)、外乱となる磁気発生源の存在可能性を判定する判定処理P1を実行する。なお、この判定処理P1の内容については、後で詳しく説明する。
検出ユニット12は、磁気センサCnの車幅方向の磁気計測値の分布である上記の第2の磁気分布データについて、図5のX2に相当するゼロクロスの車幅方向の位置を特定する(S104)。そして、このゼロクロスの車幅方向の位置に基づいて、磁気マーカ10に対する車両5の車幅方向の横ずれ量を特定する(S105)。具体的には、検出ユニット12は、図5のX2に相当するゼロクロスの車幅方向の位置を示す値の正負を反転し、車幅方向の横ずれ量とする。
(2)通常の車線追従制御
車線追従制御では、図7の車間制御と図9の操舵制御とが並行して実行される。
車間制御を実行する制御ユニット41は、図7のごとく、操舵ユニット45の操舵角や車速等の車両情報を取得し、予測される車両5の進路R(図8)を推定する演算を実行する(S201)。
制御ユニット41は、前方検知ユニット42の距離情報を取得し、進路R上に物体が存在するか否かを判断する(S202)。図8のごとく進路Rに物体が存在していれば(S202:YES)、この物体を追従対象の先行車両として選択する。そして、この先行車両にひも付けされた距離データを上記の距離情報から読み取り、車間距離として特定する(S203)。なお、先行車両の選択に際しては、その物体の距離の経時変化から静止物であるか移動物であるかの判定を行い、移動物であることを前提として先行車両の選択を行うと良い。
制御ユニット41は、先行車両との車間距離を予め設定された目標車間距離と比較する(S204)。そして、制御ユニット41は、目標車間距離に対する実際の車間距離の偏差をゼロに近づけるようにエンジンスロットルユニット46やブレーキコントロールユニット47等を制御し、エンジン出力や制動力を調節する(S205)。
一方、自車線に先行する車両が存在せず先行車両がない場合には(S202:NO)、予めセットされた目標車速が設定される(S213)。制御ユニット41は、この目標車速を実現できるようにエンジンスロットルユニット46等を制御し、エンジン出力等を調節する(S205)。
次に、操舵制御を実行する制御ユニット41は、図9のごとく、検出ユニット12から取得したマーカ検出情報を参照して磁気マーカ10が検出されたか否かを判断する(S301)。磁気マーカ10が検出された場合には(S301:YES)、制御ユニット41は、マーカ検出情報に含まれる横ずれ量を取得する(S302)。
制御ユニット41は、操舵ユニット45が出力する操舵角、及びマーカ検出情報に含まれる横ずれ量に基づき、横ずれ量をゼロに近づけるための目標操舵角を演算する(S303)。そして、制御ユニット41は、操舵輪の操舵角を目標操舵角に一致させるように操舵ユニット45を制御し(S304)、これにより磁気マーカ10が敷設された車線に追従する車両5の自動走行を実現する。
(3)判定処理
図6中の判定処理P1は、磁気マーカ10以外の外乱となる磁気発生源の存在可能性を判定するために検出ユニット12(判定ユニットの一例。)が実行する処理である。この判定処理P1では、磁気センサCnの車幅方向の磁気計測値の分布である上記の第2の磁気分布データについて磁気分布の対称性を表す特徴量が生成され、外乱となる磁気発生源の存在可能性が判定される。
以下、図10及び図11を参照して特徴量の演算方法を説明し、図12のフロー図に沿って判定処理の流れを説明する。なお、本例の判定処理は、外乱となる磁気発生源の存在可能性として磁気発生源の有無を判定する処理の例である。
まず、図10を参照してこの特徴量の演算方法を説明する。同図中、(a)車幅方向の磁気分布(第1の分布)のゼロクロスX2の右側の各値の正負を反転すると、同図(b)のような第2の分布が得られる。特徴量の演算に当たっては、(a)車幅方向の磁気分布(第1の分布)の各値の合計値の大きさ(絶対値)である第1の総和、及び(b)第2の分布の各値の合計値の大きさ(絶対値)である第2の総和が演算される。
(a)車幅方向の磁気分布(第1の分布)についての前記第1の総和では、ゼロクロスX2に対して左側の正値が右側の負値により相殺されるため第1の総和がゼロに近くなる。第1の総和は、ゼロクロスX2の両側の山が点対称であるほどゼロに近くなり、ゼロクロスX2を基準とした理想的な点対称であれば第1の総和がゼロとなる。一方、(b)ゼロクロスX2の右側の各値の正負を反転した第2の分布では、左右両側の波形が正値となっているため、各値の合計の絶対値である第2の総和が大きくなる。
特徴量は、(a)車幅方向の磁気分布についての第1の総和と、(b)第2の分布についての第2の総和と、の差分値の大きさ(絶対値)である。上記のごとく磁気分布の対称性が高いほど(a)車幅方向の磁気分布についての第1の総和がゼロに近くなり上記の特徴量が大きくなる。したがって、この特徴量が大きいほど、磁気分布の対称性が高いと判断できる。
一方、図11のように、ゼロクロスX2の両側の波形の大きさが相違する場合には、車幅方向の磁気分布(第1の分布)について、ゼロクロスX2の両側の正負が十分に相殺されない。そのため、上記第1の総和が十分に小さくならない。そうすると、この第1の総和と前記第2の総和との差分の絶対値である上記の特徴量が小さくなる。したがって、この特徴量が小さいほど、磁気分布の対称性が低いと判断できる。
図12の判定処理を実行するに当たって、検出ユニット12は、まず、車幅方向の磁気計測値の分布である前記第2の磁気分布データを取得し(S401)、磁気分布の対称性を表す上記の特徴量を演算する(S402)。そして、検出ユニット12は、この特徴量に関する閾値処理を実施する(S403)。
予め設定された閾値よりも特徴量が大きな値である場合(S403:YES)、検出ユニット12は、磁気マーカ10が形成する磁気分布の対称性が高く、磁気マーカ10以外の外乱となる磁気発生源が無いと判定する(S404)。一方、特徴量が予め設定された閾値以下である場合(S403:NO)、検出ユニット12は、外乱となる磁気発生源が有るために磁気分布の対称性が損なわれていると判定する(S414)。
(4)外乱作用下の車線追従制御
制御ユニット41は、外乱となる磁気発生源が有る旨の判定結果を含むマーカ検出情報を検出ユニット12から取り込んだとき、車線追従制御の内容を通常の制御から外乱作用下の制御に切り換える。
外乱作用下の制御と通常の制御との違いは、操舵角の計測値及び磁気マーカ10に対する横ずれ量に基づいて目標操舵角を演算する際の制御ゲインの設定にある。外乱作用下の制御では、通常の制御と比べて制御ゲインが1/2に変更される。これにより、外乱となる磁気発生源によって磁気マーカ10の周囲の磁界が乱れた場合であっても、車両5の制御に対する影響度合いが抑制される。
なお、外乱となる磁気発生源が有る旨の判定がなされたとき、操舵制御を中止することも良い。この場合には、車線追従制御を一旦中断する旨の表示を例えば運転席の表示パネル等に表示することで運転者にハンドル操作を委ねると良い。なお、車間制御については、操舵角の計測値と前方検知ユニット42による距離情報に基づいてそのまま継続しても良い。
以上のように本例のマーカ検出方法は、磁気分布の対称性に着目し、外乱となる磁気発生源の存在可能性を判定する方法である。磁気マーカ10以外の磁気発生源が無ければ、磁気分布の対称性が高く確保される。一方、磁気マーカ10以外の外乱となる磁気発生源が有ると、磁気分布に乱れが生じて磁気分布の対称性が損なわれる可能性が高い。このように車幅方向の磁気分布の対称性に着目すれば、外乱となる磁気発生源の有無を確実性高く判定できる。
また、上記のマーカ検出方法を実行する車両用システム1は、外乱となる磁気発生源の有無に応じて車線に追従して車両5を自動走行させる際の制御を切り替える。外乱となる磁気発生源が有ると判定されたときには、制御ゲインを小さくして車両5側の反応を緩慢にすることで外乱となる磁気発生源に起因する挙動の乱れを抑制している。
なお、本例では、車幅方向の磁気分布の対称性に着目して外乱となる磁気発生源の存在可能性を判定している。これに代えて、あるいは加えて、進行方向の対称性に着目して外乱となる磁気発生源の存在可能性を判定することも良い。この場合には、車幅方向に複数の磁気センサが配列されたセンサユニットが必須ではなくなる。1つの磁気センサのみで進行方向の磁気分布を取得できる。
本例では、外乱となる磁気発生源の存在可能性として、その有無を判定するが、これに代えて、例えば100%、60%、20%など、外乱となる磁気発生源の存在可能性を確率的に表すことも良い。あるいは、レベル10を上限として、レベル2、レベル5、レベル9など、存在可能性を度数などにより表すことも良い。このように、上記の特徴量の値を確率的な数値あるいは度数に置き換える処理により存在可能性を判定することも良い。
磁気発生源の存在可能性を確率的な数値あるいは度数によって表す場合の車線追従制御については、度数等によって制御ゲインを段階的に変更することも良い。あるいは、度数等に対する閾値処理により、度数が閾値以下であれば車線追従制御を実行する一方、度数が閾値を超えるときには車線追従制御を中断する等の制御であっても良い。
例えば鉄筋構造の橋などに由来する一様な磁場を車両5が通過する際、センサユニット11に作用する磁気が一様に近づいて磁気分布の対称性(線対称)が高くなり、図10のように演算する特徴量が比較的大きな値をとる可能性がある。これに対して、本例のマーカ検出処理では、図6中のS102のごとく、進行方向の磁気分布についてゼロクロスが発生して磁気マーカ10が検出されたときに判定処理P1を実行している。そのため、上記のような一様な磁場において特徴量が大きな値をとることが技術的な課題として顕在化するおそれはない。
例えば、磁気センサによる磁気計測値の時間的な差分(微分)あるいは位置的な差分(微分)などの磁気勾配よりなる磁気分布を対象として特徴量を演算することも良い。磁気勾配は、上記のような一様な磁場ではゼロに近くなる。したがって、磁気勾配よりなる磁気分布を対象とすれば、上記のような一様な磁場において小さな特徴量が求まる。
なお、本例では、特徴量を算出するために前記第2の総和(図10及び図11)を算出するに当たって、ゼロクロスX2を磁気分布の中心として取扱い、一方の側の値の正負を反転して(b)第2の分布を得ている。磁気分布の中心が分らない場合には、中心と仮定する点の位置を車幅方向に変更しながら位置毎の特徴量を算出し、最も高い特徴量の値を採用しても良い。この場合には、磁気分布の対称性を表す特徴量を算出するに当たって、磁気分布の中心を特定する必要性が低くなる。
また、本例では、車幅方向の磁気分布(第1の分布)のゼロクロスX2の右側の各値の正負を反転することにより、図10に例示する第2の分布を生成している。これに代えて、第1の分布の左側の各値の正負を反転して第2の分布を生成しても良い。上記のごとく第2の総和は、第2の分布の各値の合計値の大きさ(絶対値)である。そのため、第1の分布の右側の各値の正負を反転するか、第1の分布の左側の各値の正負を反転するか、によって第2の総和が変動することがない。
例えば鉛直方向に感度を有する磁気センサCnが車幅方向に配列されたセンサユニットを採用する場合、図13に例示するように、磁気マーカの真上が磁気計測値の最大値となると共に、この真上から車幅方向に離れるにつれて磁気計測値が次第に小さくなる正規分布のような線対称の磁気分布が得られる。同図のように正規分布をなしゼロクロスが現れない線対称の磁気分布については、最大値の位置であるピーク点Pを磁気分布の中心として取り扱うと良い。あるいは上記と同様に、磁気分布の中心として仮定する点の位置を車幅方向に変更しながら位置毎に特徴量を算出し、最も高い特徴量の値を採用しても良い。
図13に例示の線対称の磁気分布と図5に例示の点対称の磁気分布とでは、第1の総和と第2の総和との大小関係が逆になる。点対称の磁気分布については、図10で例示した通り、第1の総和がゼロに近くなり、第2の総和が大きくなる。一方、図13の線対称の磁気分布については、以下に説明する通り、第1の総和が大きくなる一方、第2の総和がゼロに近くなる。
図14のごとく、(a)車幅方向の磁気分布(第1の分布)では、ピーク点Pの両側がいずれも正値となっている。そのため、(a)車幅方向の磁気分布(第1の分布)の各値の合計値の大きさ(絶対値)である第1の総和が大きくなる。一方、(b)ピーク点Pの右側の各値の正負を反転した第2の分布では、左右両側の波形の正負が逆になっている。左側の正値が右側の負値により相殺されるため、(b)第2の分布の各値の合計値の大きさ(絶対値)である第2の総和はゼロに近くなる。この第2の総和は、(a)車幅方向の磁気分布(第1の分布)がピーク点Pを挟んで線対称であるほどゼロに近くなり、ピーク位置Pの両側が理想的な線対称であれば第2の総和がゼロとなる。したがって、(a)車幅方向の磁気分布についての第1の総和と、(b)第2の分布についての第2の総和と、の差分値の大きさ(絶対値)である特徴量は、図13のような線対称の磁気分布についても、線対称の対称性が高くなるほど大きくなる。
なお、図10及び図11のように特徴量を算出するに当たって、磁気分布の大きさの最大値や、第1及び第2の総和のうちの大きい方の値などにより特徴量を正規化することも良い。正規化によれば、磁気分布の分布値の大小の影響を抑制でき、磁気分布の対称性を精度高く反映する特徴量を生成できる。
図10のようなゼロクロスX2を生じる点対称の磁気分布であれば、(a)第1の分布の各値の合計値の大きさ(絶対値)である第1の総和を対称性の特徴量として取り扱うこともできる。この場合には、対称性が高いほど、特徴量である第1の総和がゼロに近くなる。このように対称性を表す特徴量については、本例に限定されず、適宜変更可能である。
なお、車両が磁気マーカを通過する際、車幅方向における磁気マーカのオフセット量が大きいと、センサユニット11の検出エリアである磁気センサC1〜C15の範囲(図5参照。)の中で、ゼロクロスX2の位置が端に偏ってくる。ゼロクロスX2の位置が偏ると、ゼロクロスX2を基準として点対称をなす磁気分布(例えば図10(a)中の第1の分布)のうち、片側の裾野部分が磁気センサC1〜C15の範囲から外れるおそれが生じる。このような場合、ゼロクロスX2を基準とした両側の分布がアンバランスになり、図10のような特徴量の演算方法を実施する際に問題が生じ得る。点対称の磁気分布ではゼロ近くになるはずの上記の第1の総和が、上記の両側の分布のアンバランスのために大きくなり、特徴量の精度が損なわれるおそれがある。このようなおそれへの対処としては、例えば以下の対処が考えられる。
・車幅方向における磁気マーカのオフセット量が閾値を超える場合には、検出処理を実行しないという対処。

・磁気分布のうち、磁気センサC1〜C15の範囲から外れた裾野部分について、なめらかに磁気計測値が減衰すると仮定して分布を推定し、特徴量を演算する対処。

・センサユニット11の車幅方向の寸法を出来るだけ大きく確保することで、磁気分布が磁気センサC1〜C15の範囲から外れるおそれを低減する対処。

・ゼロクロスX2を基準として磁気分布の一方の側の裾野部分が磁気センサC1〜C15の範囲から外れる場合、磁気分布の他方の側の裾野部分についても演算対象から排除することで、特徴量の演算対象となる磁気分布の中心にゼロクロスX2を位置させるという対処。例えばゼロクロスX2が磁気センサC12とC13の間にある場合には、(C13〜C15)なる磁気センサ3つ分の範囲と、(C12〜C10)なる磁気センサ3つ分の範囲と、を合わせた(C10〜C15)の範囲の磁気分布を特徴量の演算対象とすると良い。
本例では、車両の進行方向及び車幅方向に感度を有する磁気センサCnを採用している。これに代えて、鉛直方向や進行方向や車幅方向の1軸方向に感度を持つ磁気センサであっても良く、車幅方向と鉛直方向の2軸方向や、進行方向と鉛直方向の2軸方向に感度を持つ磁気センサであっても良く、車幅方向と進行方向と鉛直方向の3軸方向に感度を持つ磁気センサであっても良い。
本例では、直径20mm、高さ28mmの柱状の磁気マーカ10を例示したが、例えば厚さ1〜5mmで直径80〜120mm程度のシート状の磁気マーカを採用することもできる。この磁気マーカの磁石としては、例えば、事務用あるいはキッチン等で利用されるマグネットシートに似通った磁石であるフェライトラバーマグネット等を採用すると良い。
以上、実施例のごとく本発明の具体例を詳細に説明したが、これらの具体例は、特許請求の範囲に包含される技術の一例を開示しているにすぎない。言うまでもなく、具体例の構成や数値等によって、特許請求の範囲が限定的に解釈されるべきではない。特許請求の範囲は、公知技術や当業者の知識等を利用して上記具体例を多様に変形、変更あるいは適宜組み合わせた技術を包含している。
1 車両用システム
10 磁気マーカ
100 車線
11 センサユニット
110 データ生成回路
12 検出ユニット(判定ユニット)
41 制御ユニット
42 前方検知ユニット
5 車両
Cn 磁気センサ(nは1〜15の整数)

Claims (9)

  1. 車両に取り付けられた磁気センサを用いて道路に敷設された磁気マーカを検出するためのマーカ検出方法であって、
    前記磁気センサによる磁気計測値の位置的な分布である磁気分布の対称性を表す特徴量として、前記磁気分布を構成する値の合計値の大きさである第1の総和と、前記磁気分布の中心の両側のうちの一方の側に属する値の正負を反転した値、及び他方の側に属する値の合計値の大きさである第2の総和と、の差分を求める手順と、
    特徴量を処理することで前記磁気マーカ以外の外乱となる磁気発生源の存在可能性を判定する手順と、を含むマーカ検出方法。
  2. 請求項1において、前記差分を求める手順は、前記第1の総和を求める手順と、前記第2の総和を求める手順と、を含むマーカ検出方法。
  3. 車両に取り付けられた磁気センサを用いて道路に敷設された磁気マーカを検出するためのマーカ検出方法であって、
    前記磁気マーカの真上に当たる位置で正負が反転する磁気分布を取得する手順と、
    前記磁気センサによる磁気計測値の位置的な分布である磁気分布の対称性を表す特徴量として、該磁気分布を構成する値の合計値の大きさを求める手順と、
    特徴量を処理することで前記磁気マーカ以外の外乱となる磁気発生源の存在可能性を判定する手順と、を含むマーカ検出方法。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項において、前記磁気分布は、車両の進行方向における分布であるマーカ検出方法。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項において、前記磁気分布は、車両の幅方向における分布であるマーカ検出方法。
  6. 請求項1〜のいずれか1項において、前記特徴量に関する閾値処理により前記磁気発生源の有無を判定するマーカ検出方法。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項において、前記特徴量は、磁気分布のうちの最大値により正規化された値であるマーカ検出方法。
  8. 道路に敷設された磁気マーカを検出する車両用システムであって、
    前記磁気マーカの磁気を検出する磁気センサと、
    外乱となる磁気発生源の有無を判定する判定ユニットと、を有し、
    請求項1〜7のいずれか1項のマーカ検出方法の実行により前記磁気発生源の存在可能性を判定する車両用システム。
  9. 請求項8において、車両の運転を支援する制御を実行する制御ユニットを備え、該制御ユニットは、前記磁気発生源の存在可能性に応じて前記運転を支援する制御を実行するか否かを含めて制御の内容を切り替える車両用システム。
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