JP2005122256A - 車両位置検出装置及びプログラム - Google Patents

車両位置検出装置及びプログラム Download PDF

Info

Publication number
JP2005122256A
JP2005122256A JP2003353519A JP2003353519A JP2005122256A JP 2005122256 A JP2005122256 A JP 2005122256A JP 2003353519 A JP2003353519 A JP 2003353519A JP 2003353519 A JP2003353519 A JP 2003353519A JP 2005122256 A JP2005122256 A JP 2005122256A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
center
magnetic
flux density
density distribution
gravity
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2003353519A
Other languages
English (en)
Inventor
Norimitsu Takahara
典満 高原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Industries Corp
Original Assignee
Toyota Industries Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Industries Corp filed Critical Toyota Industries Corp
Priority to JP2003353519A priority Critical patent/JP2005122256A/ja
Publication of JP2005122256A publication Critical patent/JP2005122256A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Measurement Of Length, Angles, Or The Like Using Electric Or Magnetic Means (AREA)
  • Traffic Control Systems (AREA)
  • Control Of Position, Course, Altitude, Or Attitude Of Moving Bodies (AREA)

Abstract

【課題】 高精度かつ高信頼性の車両位置検出装置を低コストで実現できるようにする。
【解決手段】 走行レーン20に敷設された磁石30に対する磁気センサアレイ10のn
個の磁気センサ12の出力信号について、隣接する磁気センサの出力信号間を補間してよ
り分解能の高い磁束密度分布40を作成する。この磁束密度分布40からスレッショルド
レベル50以上の区間を切り出し、その区間の信号領域の重心の横方向の位置を求める。
そして、その重心の横方向の位置と磁気センサアレイ10の中心との差を求め、その差を
車両の横方向の位置(車両の走行レーン20の中央部からのズレ)として検出する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、自動走行する車両の位置を検出する車両位置検出装置に係り、特に磁気セン
サアレイにより走行レーンの中央部に対する車両の位置を検出するのに好適な車両位置検
出装置に関する。
近年、自律走行システムに関する注目が高まっている。このような自律走行システムの
一つとして無人運転システムがある。無人運転システムにおける車両の走行レーン自動誘
導方式として、いろいろな方式が提案されており、代表的なものとして、光方式、磁気方
式、画像処理方式などがある。これらの方式の中で、磁気方式は、天候、塵等の環境の影
響を受けず、システム構成も簡素化できるため有望視されている。
このような磁気方式による車両位置検出装置として、走行レーン中央部に埋設された磁
気マーカの磁場を、車両下部に横方向(車幅方向)に配列された磁気センサアレイで検出
し、該磁気センサアレイの出力に基づいて前記走行レーンの中央部に対する前記車両の横
方向の位置を検出する形態のものが知られている。磁気センサアレイは、複数の磁気セン
サを等間隔にアレイ状に配設した磁気検出装置である。
従来、このような車両位置検出装置として、内蔵する発振器から送出される電流パルス
によって磁化ベクトルを変化させて高感度に外部磁場を検出するアモルファス磁性体を用
いた磁気センサを、等間隔に配設した磁気センサアレイを用いたものがある。この車両位
置検出装置においては、上記磁気センサアレイにより走行路(走行レーン)の中央部に埋
設された磁気マーカの磁気の強さ(磁力)を検出し、磁気分布算出装置がその検出結果を
基に山型の磁気分布(磁気センサアレイの各磁気センサにより検出された磁力全体の分布
)を算出する。そして、中央点算出装置がその磁気分布の中央点(磁気マーカの位置)を
算出する。中央点算出装置は、上記磁気分布(磁束密度分布)を所定強度で切断し、両端
の切断点の中央の座標を加算平均により算出する。そして、この算出値を磁気マーカの位
置として決定する。また、磁気マーカによる磁気分布は、中央周辺部で変化が大きく両端
部で緩慢であるという特性を有するので、磁気センサアレイの磁気センサを、等間隔では
なく、中央部及びその周辺部で密度が高くなり、両端部で密度が低くなるように設置する
ように工夫する。このように、磁気センサアレイの磁気センサ配列を磁気分布特性に対応
した構成にすることにより、磁気マーカの磁気分布をより効率よく、より高い精度で得る
ことができ、その結果、磁気マーカの位置も、より高い精度で得ることができる。尚、こ
の車両位置検出装置では、左端の磁気センサから順に1からの連続番号(センサ位置番号
)を割り当て、このセンサ位置番号を位置情報として取得する。例えば、磁気センサの設
置数を(2n−1)個とした場合、磁気センサアレイの中心位置X0はnとなる。したが
って、車両位置の横ズレ量、すなわち、走行レーンの中央部に対する車両の横方向の位置
は、上記中心位置X0と前記中央点算出装置の算出した位置番号XMとの差(=XM−X0)
となる(特許文献1参照)。
また、図6に示す方式により、走行レーンに敷設された磁石の位置を検出する車両位置
検出装置も知られている.
同図(a)において、磁気センサアレイ1110は、5mmピッチ(ピッチは、隣接する
磁気センサ1112の中心間距離)で配設されたn個の磁気スイッチ1112を備えてい
る。各磁気スイッチ1112は、所定のスレッショルドレベル(閾値)1150以上の磁
力でON(オン)となり、それ未満ではOFF(オフ)となる。走行レーン1120の中
央には磁石1130が埋設されている。磁石1130は、上下が磁極となるように埋設さ
れている。磁石1130は、同図(b)に示すような円盤状の磁石1130aまたは同図
(c)に示す棒状の磁石1130bなどであり、このような磁石1130が走行レーン1
120の中央に所定間隔で複数埋設されている。
磁気センサアレイ1110と磁石1130が同図(a)に示すような位置関係にある場
合の上下方向の磁束密度分布1140は、同図(a)に示すような曲線となる。この場合
、ONとなる磁気スイッチ1112(スレッショルドレベル1150以上の磁力を検出し
た磁気スイッチ1112)は、左から3〜8番目の6個となり、3番目と8番目の磁気スイ
ッチ1112の中央、すなわち5番目と6番目の磁気スイッチの中央に磁石1112が埋
設されていると判定する。
このとき、上記磁石1130の判定位置は、1番目の磁気スイッチ1112の中心を原
点とした場合、左から22.5mmの位置となる。このように、5mmピッチで磁気スイ
ッチ1112を配設した磁気センサアレイ1110の場合、磁気スイッチ1112のピッ
チの1/2の精度(2.5mm)で磁石1130の位置を検出できる。
特開2002−169614号公報
前者の車両位置検出装置の場合、スレッショルドレベル以上の磁力を検出した両端の
磁気センサを求め、該両端の磁気センサの位置番号の相加平均から磁気マーカの位置を算
出するため、これら両端の磁気センサが検出した磁力にノイズが重畳している場合、磁気
マーカの検出位置の誤差が大きくなる。本来、ノイズが無い場合には、出力がスレッショ
ルドレベル未満となる磁気センサが、前記両端の磁気センサとして検出されてしまうため
である。このため、走行レーン中央部に対する車両の横方向の位置(車両位置)を高い信
頼性で検出することができなかった。
また、後者の車両位置検出装置の場合、磁石1130の位置検出精度は磁気センサ11
12のピッチで決定される。このため、該検出精度は磁気センサ1112のサイズの制約
を受ける。現状では、磁気センサ1112のピッチは5mmが限界であり、磁石1130
の位置検出精度は2.5mmが限界である。したがって、この車両位置検出装置を車両に
搭載した場合、前記車両位置の検出精度は2.5mmが限界であった。
また、磁石1130の位置検出精度は磁気センサアレイ1110に配設する磁気センサ
1112のピッチに比例するため、将来的に磁気センサ1112のピッチをより狭くでき
るようになっても、磁石1130の位置検出精度を高めるためには、配設する磁気センサ
1112の素子数を増加させる必要があるため、磁気センサアレイ1110の製造コスト
が高くなる。このため、車両位置検出装置の高精度化を実現しようとすると、車両位置検
出装置の製造コストも高くせざるをえないという欠点があった。
本発明の目的は、車両位置を高精度かつ高い信頼性で検出でき、さらに製造コストも低
い車両位置検出装置を提供することである。
請求項1記載の発明(本発明の第1の態様の車両位置検出装置)は、走行レーン中央部
に走行方向に敷設された磁気マーカの磁場を検出することにより、該走行レーンの中央部
に対する車両の横方向の位置を検出する車両位置検出装置を前提とし、磁気センサアレイ
、算出手段及び検出手段を備える。、
磁気センサアレイは、前記横方向に配設された複数の磁気センサを有する。この磁気セ
ンサアレイは、例えば、前記車両の下部または側部等に設置される。
算出手段は、該磁気センサアレイの各磁気センサの出力信号から得られる第1の磁束密
度分布から所定のスレッショルドレベル以上の区間を抽出し、該区間における前記第1の
磁束密度分布の重心の横方向の位置を求める。
検出手段は、該算出手段によって求められた前記重心の横方向の位置と前記磁気センサ
アレイの中心位置に基づいて、前記車両の横方向の位置を検出する。
上記構成の第1の態様の車両位置検出装置は、前記第1の磁束密度分布における所定の
スレッショルドレベル以上の全ての磁気センサの出力信号を基にして、前記第1の磁束密
度分布における前記スレッショルドレベル以上の区間の信号領域の重心の横方向の位置を
求める。この重心の横方向位置を求める際、該区間内の複数の出力信号(例えば、全ての
出力信号)を用いる。そして、その重心の横方向の位置と前記磁気センサアレイの中心位
置に基づいて、前記車両の横方向の位置を算出する。この横方向の位置は、例えば、前記
重心の横方向の位置と前記磁気センサアレイの中心との差(距離)である。前記重心の横
方向の位置は、走行レーンの中央部に敷設された磁気マーカの位置とみなせる。また、磁
気センサアレイをその横方向中心が車両の横方向中心と一致するように該車両に設置すれ
ば、磁気センサアレイの中心は車両の中心と等しくなる。したがって、この場合、前記差
は、車両中央と走行レーン中央部との間の横方向距離、すなわち、車両中央の走行レーン
中心からの横方向のズレ(横ズレ量)となる。よって、前記差を算出することにより、車
両の走行レーン中央部からの横方向のズレを検出するこができる。
このように、第1の態様の車両位置検出装置によれば、磁気センサアレイの全ての磁気
センサの出力信号の中から、所定のスレッショルドレベル以上の複数の出力信号(例えば
、全ての出力信号)を抽出し、該抽出した出力信号を基に、走行レーンに敷設された磁石
の位置を検出するので、上記抽出した一部の出力信号にノイズが重畳していても、そのノ
イズが前記磁石の位置検出に及ぼす影響を抑制でき、前記重心の横方向の位置、すなわち
、前記磁石の位置を高精度かつ高い信頼性で検出することができる。このため、走行レー
ンの中央部に対する車両の横方向の位置(車両位置)を、より高精度、かつ、より高い信
頼性で検出することが可能となる。
請求項2記載の発明(本発明の第2の態様の車両位置検出装置)は、前記第1の態様の
車両位置検出装置が備える各手段に加え、さらに、作成手段を備える。
作成手段は、前記第1の磁束密度分布を基に、前記磁気センサアレイの隣接する磁気セ
ンサの出力の間を補間して、前記第1の磁束密度分布よりも信号数の多い第2の磁束密度
分布を作成する。
そして、前記算出手段は、該作成手段によって作成された第2の磁束密度分布から所定
のスレッショルドレベル以上の区間を抽出し、その区間における前記第2の磁束密度分布
の重心の横方向の位置を求め、前記検出手段は、前記算出手段によって求められた前記第
2の磁束密度分布の重心の横方向の位置と前記磁気センサアレイの中心位置に基づいて、
前記車両の横方向の位置を算出する。
上記構成の本発明の第2の態様の車両位置検出装置は、磁気センサアレイによって得ら
れた離散的な第1の磁束密度分布の隣接する出力信号間を補間し、該第1の磁束密度分布
よりも信号数の多い第2の磁束密度分布を作成する。そして、この高分解能の第2の磁束
密度分布から所定のスレッショルドレベル以上の区間を抽出し、その抽出された区間の信
号領域における重心を、その区間内の複数の信号(例えば、全ての信号)を基に求め、そ
の重心の横方向の位置(走行レーンに敷設された磁石の位置)を検出する。そして、例え
ば、その重心の横方向の位置と前記磁気センサアレイの中心位置との差を求め、その差を
、走行レーン中央部に対する車両の横方向の位置として検出する。
このように、第2の態様の車両位置検出装置によれば、前記第1の磁束密度分布の前記
区間内の磁気センサの出力信号のみならず、該磁気センサ出力信号間の補間によって得ら
れる信号も基にして前記重心の横方向の位置を検出する。このため、磁気センサアレイの
磁気センサピッチを狭くして磁気センサの素子数を増加しなくても、磁石の位置を高精度
で検出できる。また、その磁石位置の検出精度は、前記第1の態様の車両位置検出装置よ
りも高い。そして、前記第1の車両位置検出装置と同様に、前記重心の横方向の位置算出
に用いる一部の磁気センサの出力信号にノイズが重畳していても、そのノイズが前記重心
の横方向位置の検出精度に及ぼす影響を抑制できるので、高精度かつ高い信頼性で磁石の
位置を検出できる。このため、車両の横方向の位置を高精度かつ高い信頼性で検出できる
上記第1及び第2の態様の車両位置検出装置において、前記作成手段、前記算出手段及
び前記検出手段は、例えば、MPU(マイクロプロッセッサー)のプログラム実行による
ソフトウェア処理によって実現することができる。前記算出手段は、例えば、請求項3記
載のように、前記区間の中点位置を中心とする前記第1または第2の磁束密度分布の前記
区間内の全ての信号のモーメントの総和を求め、そのモーメントの総和が0となる位置を
探索することにより前記重心の横方向の位置を求める。また、前記算出手段は、例えば、
請求項4記載のように、前記第1または第2の磁束密度分布の前記区間内の信号面積を求
め、該信号面積から前記重心の横方向の位置を求める。
本発明の請求項5記載のプログラム(第1の態様のプログラム)は、走行レーン中央部
に走行方向に敷設された磁気マーカの磁場を検出することにより、該走行レーンの中央部
に対する車両の横方向の位置を検出する処理を、コンピュータに実行させるプログラムを
前提とする。そして、前記横方向に配設された複数の磁気センサを有する磁気センサアレ
イの各磁気センサの出力信号から得られる第1の磁束密度分布から所定のスレッショルド
レベル以上の区間を抽出し、該区間における前記第1の磁束密度分布の重心の横方向の位
置を求める算出ステップと、該算出ステップによって求められた前記重心の横方向の位置
に基づいて、前記車両の横方向の位置を検出する検出ステップと、を備える処理をコンピ
ュータに実行させる。
本発明の請求項6記載のプログラム(第2の態様のプログラム)は、第1の態様のプロ
グラムが備える算出ステップと検出ステップに加え、さらに、前記第1の磁束密度分布を
基に、前記磁気センサアレイの隣接する磁気センサの出力の間を補間して、前記第1の磁
束密度分布よりも信号数の多い第2の磁束密度分布を作成する作成ステップを備える。
そして、前記算出ステップは、該作成ステップによって作成された第2の磁束密度分布
から所定のスレッショルドレベル以上の区間を抽出し、その区間における前記第2の磁束
密度分布の重心の横方向の位置を求め、前記検出ステップは、前記算出ステップによって
求められた前記第2の磁束密度分布の重心の横方向の位置に基づいて、前記車両の横方向
の位置を算出する
上記第1及び第2の態様のプログラムの前記算出ステップは、例えば請求項7記載のよ
うに、前記区間の中点位置を中心とする前記第1または第2の磁束密度分布の前記区間内
の全ての信号のモーメントの総和を求め、そのモーメントの総和が0となる位置を探索す
ることにより前記重心の横方向の位置を求める。また、上記第1及び第2の態様のプログ
ラムの算出ステップは、例えば請求項8記載のように、前記第1または第2の磁束密度分
布の前記区間内の信号面積を求め、該信号面積から前記重心の横方向の位置を求める。
本発明の第1及び第2の態様のプログラムにおいても、本発明の第1及び第2の車両位
置検出装置と同様な効果が得られる。
本発明によれば、磁気センサアレイによって得られた第1の磁束密度分布から所定のス
レッショルドレベル以上の区間を抽出し、該第1の磁束密度分布における該区間内の前記
所定のスレッショルドレベル以上の全ての磁気センサ出力を基にして、前記第1の磁束密
度分布の前記区間領域の重心の横方向の位置を算出し、その算出位置を前記磁石の位置と
して検出する。このように、前記区間内の全ての出力を基に前記重心の横方向の位置を求
めるため、前記区間内の一部の磁気センサ出力にノイズが重畳していても、前記重心の横
方向位置の算出結果は該ノイズの影響が抑制された値となるので、磁石の位置を、従来よ
りも高精度で、かつ、高い信頼性で検出することができる。このため、車両位置を、従来
よりも高精度かつ高い信頼性で検出できる車両位置検出を実現することが可能となる。
また、磁気センサアレイによって得られた第1の離散的磁束密度分布を補間して、より
分解能の高い第2の磁束密度分布を作成し、その高分解能の第2の磁束密度分布から所定
のスレッショルドレベル以上の区間を抽出し、その抽出された区間の磁束密度分布の重心
の横方向の位置を算出し、その算出位置を磁石の位置として検出するので、磁気センサピ
ッチを狭くして磁気センサ数を増加させなくても、従来よりも高精度で磁石の位置を検出
することが可能となる。このため、車両位置を高精度かつ高い信頼性で検出できる車両位
置検出装置を低コストで実現できる。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施例形態について説明する。
図1は、本発明の車両位置検出装置の原理を説明する図である。
同図において、磁気センサアレイ10は、図6の磁気センサアレイ1110と同様な構成
であり、n個の磁気センサ12が横方向(X方向)に5mmピッチで配設されている。磁
気センサ12は、検出した磁気の強さ(磁力)に対応するアナログ信号を出力する。磁石
30は、走行レーン20の中央に、例えば、等間隔で配設され、その着磁方向は走行レー
ン20の路面に対して垂直な方向である。磁気センサアレイ10は、走行レーン20を走
行する車両(不図示)の下部に設置される。尚、本発明においては、磁気センサアレイ1
0の設置位置は車両下部に限定されるものではなく、例えば、車両の側部などのように、
走行レーンに配設された磁石の磁気を検出できる位置ならばどこでもかまわない。
図1の場合、磁石30は、磁気センサアレイ10の5番目の磁気センサ12(12−5
)と6番目の磁気センサ12(12−6)の中間位置の鉛直方向下方に位置している。こ
のような磁気センサアレイ10と磁石30の位置関係における磁気センサアレイ10の各
磁気センサ12の出力60は、同図において縦方向の棒グラフ(ヒストグラム)で表され
ている。該棒グラフにおいて、縦軸が磁気センサアレイ10の各磁気センサ12の出力値
であり、横軸が磁気センサアレイ10の左端(第1番目)の磁気センサ12の中心を原点
とする横方向(X方向)の距離である。
磁気センサアレイ10における磁気センサ12のピッチは5mmであるため、磁気セン
サアレイ10による磁石30の磁気検出出力は、5mmピッチの離散的な磁束密度分布(
磁気分布)となる。本実施例では、隣接する磁気センサ12の出力60間を補間し、図1
に示すような高密度の磁束密度分布40を得る(磁束密度分布40も離散分布曲線である
が、磁気センサアレイ10により得られる磁束密度分布よりも分解能は高い)。この補間
には、例えば関数近似の補間などを用いる。関数近似の補間としては、スプライン補間、
多項式による補間(ラグランジェ補間など)、反復補間(ニュートン補間など)、及び直
交多項式補間(チェビシチェコフ補間など)などを利用する。
そして、上記補間により得られた値と磁気センサアレイ10の全ての磁気センサ12の
出力60の中からスレッショルドレベル(閾値)50以上のデータを抽出し、これらの抽
出データを基に、磁束密度分布40内のスレッショルドレベル50以上の磁気センサ12
出力を有する区間領域の重心のX座標を求める。そして、その重心のX座標を、磁石30
の位置として検出する。尚、スレッショルドレベル50を設定するのは、外乱レベルの信
号(磁気センサアレイ10が設置される車両の磁化や地磁気などの外部磁界の検出信号)
をカットするためである。スレッショルドレベル50の値は、そのカットに適切な値に設
定される。
図1に示す例の場合、磁束密度分布40のスレッショルドレベル50以上の区間として
、X座標がXs〜Xtの区間Aが切り出される。そして、この区間Aにおける磁束密度分
布40の領域70の重心を求める。この場合、重心のX座標は21mm(5番目の磁気セ
ンサ12の中心から1mm右方の位置)となり、この重心のX座標の値(=21mm)を
磁石30の位置として検出する。このようにして、磁石30の位置を、前述した図6の従
来の車両位置検出装置よりも高い精度(1.5mm正確な精度)で求めることができる。
尚、上記21mmという横方向の位置は、後述する図3及び図4のフロチャートに示すア
ルゴリズムによって求められる。磁気センサアレイ102を搭載した車両(不図示)の走
行レーン20の中央部に対する横方向の位置(車両位置)は、磁気センサアレイ10の中
心と上記磁石30の検出位置(走行レーン20の中央部に等しい)との差(距離)として
求められる。
尚、図1に示す方式では、磁気センサアレイ10によって得られた第1の磁束密度分布
を補間し、その補間によって得られる第2の磁束密度分布40を基に磁石30の位置を検
出するようにしているが、本発明においては、該補間処理は必ずしも必須ではなく、磁気
センサアレイ10によって得られる第1の磁束密度分布から磁石30の位置を検出するよ
うにしてもよい。この方式の場合、前記第1の磁束密度分布からスレッショルドレベル5
0以上の区間を切り出し、前記第1の磁束密度分布の該区間における重心の横方向の位置
を算出し、その算出位置を磁石30の位置として検出する。そして、その磁石30の検出
位置と磁気センサアレイ10の中心との差を、磁気センサアレイ10を搭載した車両の前
記横方の位置として検出する。
図2は、上記図1の原理に基づく本発明の実施例の車両位置検出装置のハードウェア構
成を示すブロック図である。
同図において、車両位置検出装置100は、n個の磁気センサ101を備えた磁気セン
サアレイ102、n個の磁気センサ用プリアンプ103、m個のマルチプレクサ105、
m個のサンプルホールド回路107、m個のA/D変換器(アナログ/デジタル変換器)
109及びMPU(マイクロプロッセッサー)111を備えている。
磁気センサアレイ102は、図1に示す磁気センサアレイ10と同様の構成である。磁
気センサ101は、図1の磁石30の磁界を検出し、その磁気の強さ(磁力)に応じたア
ナログ信号を磁気センサ用プリアンプ103に出力するセンサである。磁気センサ用プリ
アンプ103は、磁気センサ101から入力されるアナログ信号を増幅し、その増幅され
たアナログ信号をマルチプレクサ105に出力する。磁気センサ101と磁気センサ用プ
リアンプ103は、1対1に対応して設けられる。
マルチプレクサ105は、p個の磁気センサ用プリアンプ103から入力されるp個の
アナログ信号を、一つづつ順に時分割で切換えてサンプルホールド回路107に選択出力
する。サンプルホールド回路107は、アナログスイッチ107aと積分器107bとか
ら構成されている。そして、アナログスイッチ107aが閉成されたときにマルチプレク
サ105の出力(アナログ信号)を読み込み(サンプル)、そのアナログ信号を積分器1
07bで保持する(ホールド)。A/D変換器109は、サンプルホールド回路107で
保持されているアナログ信号をディジタル信号に変換する。尚、アナログスイッチ107
aは、MPU111から出力される制御信号(不図示)によって開閉される。
MPU111は、m個の各A/D変換器109から出力されるディジタル信号(磁気セ
ンサ101の出力するアナログ信号のディジタル値))を順に読み込み、それらをメモリ
(不図示)に一時的に格納する。そして、それらのm個のディジタル信号を基に前記磁石
の位置(X座標)を検出する。この検出処理の詳細は後述する。
上述したように、磁気センサ101及び磁気センサ用プリアンプ103は、それぞれ、
n個設けられる。また、マルチプレクサ105、サンプルホールド回路107及びA/D
変換器109は、それぞれm個設けられる。ここで、マルチプレクサ105は、p個の磁
気センサ用プリアンプ103毎に一つ設けられるので、m=n/pである。この実施例で
はnはpで割り切れる値に設定する。
次に、図3〜図5を参照しながら、MPU111が、不図示のメモリに格納されたプロ
グラムを実行することにより行われる車両位置検出処理について説明する。図3及び図4
は、図2の構成の車両位置検出装置の動作を説明するフローチャートである。図5は、図
4のフローチャートに示された重心算出処理の具体例を示す図である。
まず、図3から説明する。図3は、図2の車両位置検出装置の全体動作を説明するフロ
ーチャートであり、このフローチャートに示す車両位置検出処理は、MPU111によっ
て実行される。MPU111は、不図示のメモリに格納されたプログラムを実行すること
により、該車両位置検出処理を実行する。
MPU111は、まず、A/D変換器109によりアナログ信号からディジタル信号に
変換された磁気センサアレイ102の1〜n番目の磁気センサ101の出力を、配列D[
n]に格納する。配列D[n]は、D[1]〜D[n]までのn個の配列要素を有する一次
元配列であり、前記メモリ内に実装される。1〜n番目の磁気センサ101の出力は、そ
れぞれ、D[1]〜D[n]に格納される(ステップS1)。
次に、MPU111は、配列D[n]の各要素D[i](i=1〜n)に対して、下記の
式(1)の演算を行い、
DA[i]=Ki・DA[i] (1)
Ki:i番目の磁気センサ101の感度補正係数
配列DA[n]を作成する(ステップS2)。
式(1)における感度補正係数Ki(i=1〜n)は、各磁気センサ101毎の感度の
バラツキを補正するための係数であり、各磁気センサ101の製造段階で求め、予め、前
記メモリに格納しておく。
続いて、DA[1]〜DA[2]、DA[2]〜DA[3]、・・・、DA[n−1]〜DA[n]
の各区間の中間点の値を補間により求め、配列DB[X]を作成する(ステップS3)。
配列DB[X]は、X個の要素DB[1]〜DB[X]からからなる一次元配列である。各区
間における補間点数をqとすると、X=q(n−1)+nとなる。
このようにして、磁気センサアレイ102のn個の磁気センサ101の出力データから
構成される離散的磁束密度分布(第1の磁束密度分布)から、該第1の磁束密度分布より
も分解能が高い、X個(X>n)の磁気データで構成される離散的磁束密度分布(第2の
磁束密度分布)が得られる。
次に、配列DB[X]のX個の要素DB[1]〜DB[X]の中からスレッショルドレベル(
Lth)以上の要素DB[Xs]〜DB[Xt]を抽出する。また、このとき、位置データXs
、Xtを前記メモリに格納する(ステップS4)。そして、DB[Xs]〜DB[Xt]を基
に、前記第2の磁束密度分布の区間Xs〜Xtの領域における重心位置Xc等を求める重
心算出処理を行い(ステップS5)、再び、ステップS1に戻る。
該重心算出処理では、後述するように、上記重心位置Xc以外に、磁石30の位置や横
ズレ量(磁石30と磁気センサアレイ102の中心との差)を算出・出力する。
このようにして、ステップS1〜S5の繰り返しながら、走行レーン20に敷設された
磁気30の位置や前記横ズレ量を検出・出力していく。
図4は、図3のステップS5の重心算出処理を詳細に説明するフローチャートである。
以後の説明では、便宜上、前記第2の磁束密度分布におけるスレッショルドレベルLth以
上の区間の領域の重心を、“重心”と表現する。
まず、図3のステップS4で取得した位置Xsと位置Xtの中間点Xcを求める(ステ
ップS11)。次に、Xcを中心としたDB[Xs]〜DB[Xt]の各モーメントを計算し
、それらのモーメントの総和を計算する(ステップS12)。このモーメント計算におい
て、右回りをモーメントの正の方向とする。また、前記モーメントの総和(Mo)の算出
式を下記式(2)のように定義する。以後、便宜上、モーメントの総和(Mo)を“モー
メント”と表現する。
Figure 2005122256
モーメントの値は、Xcが重心のX座標に等しいときに0となる。また、Xcが重心の
X座標よりも左側であればモーメントの値は正となり、Xcが重心のX座標よりも右側で
あれば負となる。そして、この正負の値の絶対値が大きいほど、Xcは重心のX座標から
離れている(Xcと重心のX座標間の距離は大きい)。
次に、前のステップS12がモーメントの1回目の計算であるか判断し(ステップS1
3)、1回目の計算であればステップS14へ、そうでなければステップS13に進む。
ステップS13では、前回の処理のステップS14で計算されたモーメント(前回モー
メント)と今回の処理のステップS14で計算されたモーメント(今回モーメント)の極
性が変化したか判断し、極性が変化していなければステップS15へ、極性が変化してい
ればステップS18へ進む。
ステップS15では、今回モーメントの値を判断し、該値が負であればステップS16
へ、正であればステップS17へ、0であればステップS18へ進む。
ステップS16では、Xcの値を1減少させ、ステップS12に戻る。ステップS17
では、Xcの値を1増加させ、ステップS12に戻る。
上記ステップS12〜S17の処理において、ステップS13でモーメントの計算が1
回目であるか否かを判断してステップS14またはステップS15に分岐するようにして
いるのは、1回目のモーメント計算を行った直後では、まだ前回モーメントが存在しない
ので、ステップS14に移行してもモーメントの極性比較ができないからである。
また、ステップS11で求まる中間点Xcは、重心(モーメントが0)、重心より右(
モーメントが負)、または重心より左(モーメントが正)の3通りのいずれかとなる。重
心のX座標を求めるためには、Xcの値を重心のX座標に近づけていく探索が必要となる
。本実施例では、ステップS16、S17で、それぞれ、Xcの値を増加(重心より左の
場合)、減少(重心より右の場合)させながら、Xcの値を重心のX座標に少しづつ近づ
けていく。この場合、最良のケースではモーメントの値が0となるXc(重心のX座標)
が求まる。また、それ以外のケースでは、Xcは重心のX座標を飛び越え、重心より右(
最初のXcが重心の左のとき)または重心より左(最初のXcが重心の右のとき)に移動
してしまう。このように、Xcが重心を飛び越えるとき、その前後でモーメントの極性が
変化する。上記のようなXcが重心を飛び越えてしまう2種類のケースを判断しているの
が、ステップS14である。ステップS14で、モーメントの極性の変化を検出したとき
はステップS18に移行し、Xcの値を調整する処理に進む。一方、ステップS14で、
モーメントの極性の変化を検出しなかったときにはステップS15に進む。
ステップS15では、Xcが上記3通りのいずれであるか判断し、モーメントの値が0
(Xcが重心のX座標と一致)であれば、直ちにステップ22に移行する。また、モーメ
ントが負(Xcが重心より右)であればXcを左へ移動させるためにステップS16へ、
モーメントが正(Xcが重心より左)であればXcを右へ移動させるためにステップS1
7へ進む。
ステップS18では、前回モーメントと今回モーメントの絶対値を比較し、前回モーメ
ントの絶対値が今回モーメントの絶対値以上であれば、直ちにステップS22に進み、そ
の逆であれば、ステップS19に進む。
ステップS19では、今回モーメントの値(極性)を調べ、その値(極性)が負であれ
ばステップS20に進み、正であればステップS21に進む。ステップS20では、Xc
の値を1減少させてステップS22に進む。ステップS21では、Xcの値を1増加させ
てステップS22に進む。
ステップS18では、前回と今回のXcのいずれの方が重心のX座標に近いか判断して
いる。Xcが重心のX座標に近いほどモーメントの値は小さくなるので、ステップS18
で今回モーメントが前回モーメントより小さい、すなわち、今回求まったXcの方が前回
求めたXcよりも重心のX座標に近ければ、ステップS22に進む。逆に、今回求めたX
cが前回求めたXcよりも重心のX座標から遠ければ、ステップS19に進む。ステップ
S19では、今回モーメントの値(極性)を調べ、その値(極性)が負であれば、Xcの
値を1減少させて、Xcを左に移動させて重心のX座標に近づけステップS22に進む。
一方、今回モーメントの値(極性)が正であれば、逆に、Xcの値を1増加させて、Xc
を右に移動させて重心のX座標に近づけステップS22に進む。
ステップS22では、最終的に求めた重心位置のX座標Xcを、下記の式(3)、(4
)により、磁気センサアレイ102の1番目の磁気センサ101の中心からの距離Lcに
変換する。また、下記の式(3)、(5)により、横ズレ量(磁石30の検出位置の磁気
センサアレイ102の中心からの距離)すなわち車両位置Lを算出する。

d=p/(q+1) (3)
Lc=d×(Xc−1) (4)
L=Lc−d×{(X−1)/2+1} (5)
d:補間ピッチ(mm)
p:磁気センサ101のピッチ(mm)
q:補間点数
次に、図4のフローチャートに示す重心算出処理を、図5の具体例を参照しながら、よ
り詳細に説明する。図5は、重心位置算出処理における重心のX座標Xcの検出手順の4
種類のケースを、例1〜例4として示したものである。尚、同図において、Xjは重心の
正しいX座標(モーメントが0となる位置のX座標)を示している。
同図(a)に示す例1では、最初に求まるXc(=Xa)において、モーメント(1回
目のモーメント)の値が5(正)となる。このため、図4のステップS15で、今回モー
メントの値が正であると判断され、ステップS17でXcの値は“Xa+1”とされる。
そして、ステップS12で、Xc=Xa+1として2回目のモーメントが計算され、その
値が−7(負)となる。これにより、ステップS14でモーメントの極性が変化したと判
断され、次にステップS18で、前回モーメントの絶対値が今回モーメントの絶対値より
小さいと判断され、続いて、ステップS20でXcの値は1減算され、Xcの値はXaと
なる。そして、このXaが重心のX座標(=Xc)として検出される。
この例1は、最初に求まるXcが重心のX座標(=Xj)から左側に離れており、かつ
、その後Xcの値を1つずつ増加させながら、Xcを重心のX座標に近づけていったとき
にモーメントの極性が変化し、かつ、その極性が変化したときのモーメントの値が前回求
めたモーメントの値以上であるケース(第1のケース)の一例である。このようなケース
では、最後に求めたXcがその前に求めたXcよりも重心のX座標から離れているので、
最後に求めたXcの値から1を減算した値、すなわち、その前に求めたXcの値から重心
のX座標値を算出し、その算出位置を磁石30の位置として検出する。
図5(b)に示す例2では、最初に求まるXc(=Xa)において、モーメント(1回
目のモーメント)の値が−5(負)となる。このため、図4のステップS15で、今回モ
ーメントの値が負であると判断され、ステップS16で、Xcの値は“Xa−1”とされ
る。そして、ステップS12で、Xc=Xa−1として2回目のモーメントが計算され、
その値が4(正)となる。これにより、ステップS14でモーメントの極性が変化したと
判断され、次にステップS18で、前回モーメントの絶対値が今回モーメントの絶対値以
上であると判断される。そして、この“Xa−1”が重心のX座標(=Xc)として検出
される。
この例2は、最初に求まるXcが重心のX座標(=xj)から右側に離れており、かつ
、その後、Xcの値を1つずつ減少させながらXcを重心のX座標に近づけていったとき
にモーメントの極性が変化し、かつ、その極性が変化したときのモーメントの値が前回求
めたモーメントの値よりも小さいケース(第2のケース)の一例である。このようなケー
スでは、最後に求めたXcの方がその前に求めたXcよりも重心のX座標に近いので、最
後に求めたXcから重心のX座標値を算出し、その算出位置を磁石30の位置として検出
する。
図5では例示していないが、最初に求まるXcが重心のX座標の左側にあり、かつ、そ
の後、Xcの値を1つずつ増加させながらXcを重心のX座標に近づけていったときにモ
ーメントの極性が変化し、かつ、そのモーメント極性が変化したときのXcが前回求めた
Xcよりも重心のX座標に近いケース(第3のケース)の場合には、上記第2のケースの
処理を、ステップS15の判断で、ステップS16の代わりにステップS17の処理を実
行するように変更することにより、最後に求めたXcの値から重心のX座標値を算出し、
その算出位置を磁石30の位置として検出することができる。
図5(c)に示す例3では、最初に求まるXc(=Xa)において、モーメント(1回
目のモーメント)の値が−4(負)となる。このため、図4のステップS15で、今回モ
ーメントの値が負であると判断され、ステップS16で、Xcの値は“Xa−1”となる
。そして、ステップS12で、Xc=Xa−1として2回目のモーメントが計算され、そ
の値が5(正)となる。これにより、ステップS14でモーメントの極性が変化したと判
断され、次にステップS18で、前回モーメントの絶対値が今回モーメントの絶対値未満
であると判断され、ステップS19で今回モーメントが正であると判断され、ステップS
21でXcの値はXaとされる。そして、このXaが重心のX座標(=Xc)として検出
される。
この例3は、最初に求まるXcが重心のX座標から右側に離れており、かつ、その後、
Xcの値を1つずつ減少させながらXcを重心のX座標に近づけていったときにモーメン
トの極性が変化し、かつ、そのモーメント極性が変化したときのXcが前回求まったXc
よりも重心のX座標から遠いケース(第4のケース)の一例である。このようなケースで
は、最後に求めたXcの値を1増加し、その増加後のXcから重心のX座標を算出し、そ
の算出位置を磁石30の位置として検出する。
図5(d)に示す例4では、最初に求まるXc(=Xa)において、モーメント(1回
目のモーメント)の値が0となる。このため、図4のステップS15で、今回モーメント
の値が0であると判断され、Xaが重心のX座標(=Xc)として検出される。このよう
に、例4においては、最初に求まるXc(=Xa)が重心のX座標(=Xj)に一致する
ので、そのXcから重心のX座標の位置を算出し、その算出位置を磁石30の位置として
検出する。
この例4は、最初または最終的に求まるXcが重心のX座標(=Xj)に一致するケー
ス(第5のケース)の一例である。すなわち、この第5のケースは、最初に求まるXcが
重心のX座標から(右側または左側に)離れており、その後、(Xcの値を1つずつ減少
または増加させながら)Xcを重心のX座標に近づけていったときにXcが重心のX座標
にする場合も含む。
このように、本発明の実施例によれば、磁気センサアレイ102の磁気センサ101に
よって得られた離散的磁束密度分布(第1の磁束密度分布)の離散値(磁気センサ101
の出力値)間を補間し、より高い分解能の磁束密度分布(第2の磁束密度分布)40を作
成する。そして、その高分解能の第2の磁束密度分布40からスレッショルドレベルLth
以上の区間(Xs〜Xt)を抽出し、その抽出された区間の磁束密度分布の重心を求め、
その重心のX座標(横方向の位置)Xcを磁石の位置として検出する。このため、磁気セ
ンサアレイの磁気センサピッチが従来と同様であっても、従来の車両位置検出装置よりも
高い精度で磁石の位置を検出できる。また、重心を求める際に上記区間内の全ての磁気セ
ンサ101の出力を用いるため、上記区間内の一部の磁気センサ出力にノイズが重畳して
いても、該ノイズの影響を抑制でき、高い信頼性で磁石の位置を検出できる。
ところで、上記実施例では、磁気センサアレイ102により得られる第1の磁束密度分
布を補間し、その補間により得られた第2の磁束密度分布40に基づいて、磁石30の位
置を高精度に検出するようにしているが、上記第1の磁束密度分布に基づいて、上記実施
例と同様な手法で磁石30の位置を検出するようにしてもよい。この手法は、図2のフロ
ーチャートのステップS2で配列DA[n]を作成した後、ステップS3の処理をスキップ
して、ステップS4以降の処理を、配列DB[X]の代わりに配列DA[n]を用いて実行す
ることにより実現できる。
また、上記実施例では、モーメントにより重心を求めているが、磁束密度分布のスレッ
ショルドレベル以上の信号を有する区間の領域の面積を求め、その面積から重心を求める
ようにしてもよい。この手法としては、例えば、前記第2の磁束密度分布40からスレッ
ショルドレベル50以上の信号を抽出し、該抽出した信号の総和を求め、その総和を2等
分する縦方向の直線(X座標軸に垂直な直線)のX座標を求め、そのX座標を重心のX座
標として検出する方法などが考えられる。また、上記抽出信号全てと隣接する信号間のX
方向の距離(磁気センサ12の出力信号間の距離または補間ピッチ)の乗算の総和を上記
面積として求めるようにしてもよい。この方法の場合、例えば、上記区間からその面積を
2等分する前記縦方向の切断線を求め、その切断線のX座標を重心のX座標として検出す
る。
また、上記実施例では、走行レーン20に敷設する磁気マーカとして磁石30を使用し
ているが、本発明は磁石が敷設された走行レーンのみに適用されるものではなく、磁石以
外の磁気マーカが敷設された走行レーンにも適用可能なものである。
走行レーンに敷設された磁気マーカにより、車両位置を高精度、高信頼性かつ低コスト
で検出できるので、無人車、ロボットなどの自律走行システムや近未来の自動走行の安全
自動車などの車両位置検出センサーの用途に適用できる。
本発明の車両位置検出装置の原理を説明する図である。 本発明の実施例の車両位置検出装置のハードウェア構成を示すブロック図 である。 同実施例の全体動作を説明するフローチャートである。 同実施例における重心算出処理を詳細に説明するフローチャートである。 同重心位置算出処理における重心のX座標の検出手順の具体例を示す図で ある。 従来の車両位置検出装置の構成・動作原理を説明する図である。
符号の説明
10 磁気センサアレイ
12 磁気センサ
100 車両位置検出装置
101 磁気センサ
102 磁気センサアレイ
103 磁気センサ用プリアンプ
105 マルチプレクサ
107 サンプルホールド回路
107a アナログスイッチ
107b 積分回路
109 A/D変換器
111 MPU



Claims (8)

  1. 走行レーン中央部に走行方向に敷設された磁気マーカの磁場を検出することにより、該
    走行レーンの中央部に対する車両の横方向の位置を検出する車両位置検出装置であって、
    前記横方向に配設された複数の磁気センサを有する磁気センサアレイと、
    該磁気センサアレイの各磁気センサの出力信号から得られる第1の磁束密度分布から所
    定のスレッショルドレベル以上の区間を抽出し、該区間における前記第1の磁束密度分布
    の重心の横方向の位置を求める算出手段と、
    該算出手段によって求められた前記重心の位置と前記磁気センサアレイの中心位置に基
    づいて、前記車両の横方向の位置を検出する検出手段と
    を備えたことを特徴とする車両位置検出装置。
  2. さらに、
    前記第1の磁束密度分布を基に、前記磁気センサアレイの隣接する磁気センサの出力の
    間を補間して、前記第1の磁束密度分布よりも信号数の多い第2の磁束密度分布を作成す
    る作成手段を備え、
    前記算出手段は、該作成手段によって作成された第2の磁束密度分布から所定のスレッ
    ショルドレベル以上の区間を抽出し、その区間における前記第2の磁束密度分布の重心の
    横方向の位置を求め、
    前記検出手段は、前記算出手段によって求められた前記第2の磁束密度分布の重心の横
    方向の位置と前記磁気センサアレイの中心位置に基づいて、前記車両の横方向の位置を算
    出すること、
    を特徴とする請求項1記載の車両位置検出装置。
  3. 前記算出手段は、前記区間の中点位置を中心とする前記第1または第2の磁束密度分布
    の前記区間内の全ての信号のモーメントの総和を求め、そのモーメントの総和が0となる
    位置を探索することにより前記重心の横方向の位置を求めること、
    を特徴とする請求項1または2記載の車両位置検出装置。
  4. 前記算出手段は、前記第1または第2の磁束密度分布の前記区間内の信号面積を求め、
    該信号面積から前記重心の横方向の位置を求めること、
    を特徴とする請求項1または2記載の車両位置検出装置。
  5. 走行レーン中央部に走行方向に敷設された磁気マーカの磁場を検出することにより、該
    走行レーンの中央部に対する車両の横方向の位置を検出する処理を、コンピュータに実行
    させるプログラムであって、
    前記横方向に配設された複数の磁気センサを有する磁気センサアレイの各磁気センサの
    出力信号から得られる第1の磁束密度分布から所定のスレッショルドレベル以上の区間を
    抽出し、該区間における前記第1の磁束密度分布の重心の横方向の位置を求める算出ステ
    ップと、
    該算出ステップによって求められた前記重心の横方向の位置と前記磁気センサアレイの
    中心位置に基づいて、前記車両の横方向の位置を検出する検出ステップと、
    を備える処理をコンピュータに実行させるプログラム。
  6. さらに、
    前記第1の磁束密度分布を基に、前記磁気センサアレイの隣接する磁気センサの出力の
    間を補間して、前記第1の磁束密度分布よりも信号数の多い第2の磁束密度分布を作成す
    る作成ステップを備え、
    前記算出ステップは、該作成ステップによって作成された第2の磁束密度分布から所定
    のスレッショルドレベル以上の区間を抽出し、その区間における前記第2の磁束密度分布
    の重心の横方向の位置を求め、
    前記検出ステップは、前記算出ステップで求められた前記第2の磁束密度分布の重心の
    横方向の位置と前記磁気センサアレイの中心位置に基づいて、前記車両の横方向の位置を
    算出すること、
    を特徴とする請求項5記載のプログラム。
  7. 前記算出ステップは、前記区間の中点位置を中心とする前記第1または第2の磁束密度
    分布の前記区間内の全ての信号のモーメントの総和を求め、そのモーメントの総和が0と
    なる位置を探索することにより前記重心の横方向の位置を求めること、
    を特徴とする請求項5または6記載のプログラム。
  8. 前記算出ステップは、前記第1または第2の磁束密度分布の前記区間内の信号面積を求
    め、該信号面積から前記重心の横方向の位置を求めること、
    を特徴とする請求項5または6記載のプログラム。

JP2003353519A 2003-10-14 2003-10-14 車両位置検出装置及びプログラム Pending JP2005122256A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003353519A JP2005122256A (ja) 2003-10-14 2003-10-14 車両位置検出装置及びプログラム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003353519A JP2005122256A (ja) 2003-10-14 2003-10-14 車両位置検出装置及びプログラム

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2005122256A true JP2005122256A (ja) 2005-05-12

Family

ID=34611781

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003353519A Pending JP2005122256A (ja) 2003-10-14 2003-10-14 車両位置検出装置及びプログラム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2005122256A (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011013014A (ja) * 2009-06-30 2011-01-20 Makome Kenkyusho:Kk 位置検出センサ
CN103197674A (zh) * 2013-03-11 2013-07-10 祁伟 一种自动行走机器人
JP2015022451A (ja) * 2013-07-18 2015-02-02 株式会社豊田自動織機 無人搬送車の位置検出方法
KR20160097796A (ko) * 2015-02-10 2016-08-18 주식회사 하나메카텍 무인반송차용 마그네틱 가이드 센싱 정밀도 향상 장치 및 그 방법
WO2018230422A1 (ja) * 2017-06-14 2018-12-20 愛知製鋼株式会社 マーカ検出方法及び車両用システム
CN111552282A (zh) * 2020-04-13 2020-08-18 湖南中联重科混凝土机械站类设备有限公司 用于确定移动机构的位置的方法、装置和***及工程机械

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011013014A (ja) * 2009-06-30 2011-01-20 Makome Kenkyusho:Kk 位置検出センサ
CN103197674A (zh) * 2013-03-11 2013-07-10 祁伟 一种自动行走机器人
JP2015022451A (ja) * 2013-07-18 2015-02-02 株式会社豊田自動織機 無人搬送車の位置検出方法
KR20160097796A (ko) * 2015-02-10 2016-08-18 주식회사 하나메카텍 무인반송차용 마그네틱 가이드 센싱 정밀도 향상 장치 및 그 방법
KR101677079B1 (ko) * 2015-02-10 2016-11-17 주식회사 하나메카텍 무인반송차용 마그네틱 가이드 센싱 정밀도 향상 장치 및 그 방법
WO2018230422A1 (ja) * 2017-06-14 2018-12-20 愛知製鋼株式会社 マーカ検出方法及び車両用システム
JP2019002772A (ja) * 2017-06-14 2019-01-10 愛知製鋼株式会社 マーカ検出方法及び車両用システム
US11347236B2 (en) 2017-06-14 2022-05-31 Aichi Steel Corporation Marker detection method and vehicular system
CN111552282A (zh) * 2020-04-13 2020-08-18 湖南中联重科混凝土机械站类设备有限公司 用于确定移动机构的位置的方法、装置和***及工程机械

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN111912417B (zh) 地图构建方法、装置、设备及存储介质
JP6026295B2 (ja) カーブ形状モデル化装置、方法及び車載用ナビゲーション装置
CN104919471B (zh) 障碍物地图的构建
CN111121754A (zh) 移动机器人定位导航方法、装置、移动机器人及存储介质
US20040107030A1 (en) System and method for improving vehicle operator driving assistance of automotive vehicle
US6766247B2 (en) Position determination method and navigation device
JPH01173825A (ja) 車両用ナビゲーション装置
CN102713509A (zh) 立体摄影装置、校正方法和程序
KR100803203B1 (ko) 이동체의 위치 정보 보정 장치 및 방법과 그 장치를제어하는 컴퓨터 프로그램을 저장하는 컴퓨터로 읽을 수있는 기록 매체
JP6838285B2 (ja) レーンマーカ認識装置、自車両位置推定装置
KR20170068937A (ko) 터널 조명을 이용한 자율주행 차량 항법 시스템
JP2008083777A (ja) 無人搬送車の誘導方法及び装置
JPWO2020184013A1 (ja) 車両制御装置
JP2005122256A (ja) 車両位置検出装置及びプログラム
CN107480592B (zh) 一种多车道检测方法及跟踪方法
CN117824667B (zh) 一种基于二维码和激光的融合定位方法及介质
EP2811263B1 (en) Position detection encoder
JP2007101690A (ja) 地図更新装置
CN113260936A (zh) 移动体控制装置、移动体控制学习装置及移动体控制方法
JP5490633B2 (ja) 車両の進行路推定装置
JP5943981B2 (ja) 物体検出装置、駐車支援装置および物体検出方法
JP2007263725A (ja) 物体判定装置、方法及びプログラム
JP2017194353A (ja) 磁気マーカの極性判定方法及び極性判定装置
CN112747741A (zh) 车辆的惯性导航方法、装置及车辆
JP2582122B2 (ja) 車両位置検出装置の地図メモリ

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060119

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20080131

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080205

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080407

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080819

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20081216