JP3646648B2 - 磁気マーカ検出装置及び磁気マーカ検出方法 - Google Patents

磁気マーカ検出装置及び磁気マーカ検出方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、磁気マーカ検出装置及び磁気マーカ検出方法に係り、特に、移動体の所定方向に並んで配列された複数の磁気検出部を用いて、磁界を発する磁気マーカの位置を検出する磁気マーカ検出装置及び磁気マーカ検出方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、例えば特開平9−229689号に開示される如く、磁気抵抗素子等の磁気検出部を用いて、道路に所定間隔毎に埋設された磁界を発する磁気マーカの位置を検出する磁気マーカ検出装置が知られている。かかる装置において、磁気検出部は、車両の車幅方向に向けて一列に複数個並べて配設され、それぞれ流通する磁界の強度に応じた信号を出力する。各磁気検出部の出力信号は、中央演算処理装置(以下、CPUと称す)に供給されている。CPUは、各磁気検出部の出力信号に基づいて磁界強度の分布を算出し、その分布において磁界強度が最大となっている磁気検出部の位置を磁気マーカの通過した位置として検出する。従って、上記従来の装置によれば、各磁気検出部の出力信号に基づいて磁気マーカの位置を正確に検出することができ、その結果、車両が道路上において走行する位置を正確に検出することが可能となる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記の磁気マーカ検出装置は、高速走行し得る車両に搭載されるため、一の磁気マーカの位置を検出するための処理を行っている途中で、次の磁気マーカの位置を検出すべき状況に陥るのを確実に回避することが必要となる。従って、道路上の磁気マーカの位置を検出するうえでは、高速に検出処理を行うことが要求される。しかしながら、上記従来の装置では、各磁気検出部の出力信号に基づいてそれぞれ磁界強度の大きさが検出されることとなるため、磁気検出部が多数になった場合にはCPUの負担が過大となり、高速に検出処理を行うことができない場合がある。
【0004】
本発明は、上述の点に鑑みてなされたものであり、簡素な構成で、磁界を発する磁気マーカの位置を速やかに検出することが可能な磁気マーカ検出装置及び磁気マーカ検出方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記の目的は、請求項1に記載する如く、移動体の所定方向に並んで配列され、路上に敷設された磁気マーカの発する磁界の強度に応じた信号をそれぞれ出力する複数の磁気検出部を備え、各磁気検出部の出力信号に基づいて該移動体に対する前記磁気マーカの位置を検出する磁気マーカ検出装置であって、
出力信号が所定の磁界強度条件を満たしかつ少なくとも隣接する一方の前記磁気検出部の出力信号も前記所定の磁界強度条件を満たす前記磁気検出部のうち所定の位置的要件を満たす2つの前記磁気検出部を検出する磁気検出部検出手段と、
前記磁気検出部検出手段により検出された2つの前記磁気検出部の位置の中央を前記磁気マーカの位置として設定する磁気マーカ位置設定手段と、
を備えることを特徴とする磁気マーカ検出装置により達成される。
【0006】
また、上記の目的は、請求項8に記載する如く、移動体の所定方向に並んで配列され、路上に敷設された磁気マーカの発する磁界の強度に応じた信号をそれぞれ出力する複数の磁気検出部の出力信号に基づいて、該移動体に対する前記磁気マーカの位置を検出する磁気マーカ検出方法であって、
出力信号が所定の磁界強度条件を満たしかつ少なくとも隣接する一方の前記磁気検出部の出力信号も前記所定の磁界強度条件を満たす前記磁気検出部のうち所定の位置的要件を満たす2つの前記磁気検出部を検出する磁気検出部検出工程と、
前記磁気検出部検出工程により検出された2つの前記磁気検出部の位置の中央を前記磁気マーカの位置として設定する磁気マーカ位置設定工程と、
を備えることを特徴とする磁気マーカ検出方法により達成される。
【0007】
請求項1及び8記載の発明において、複数の磁気検出部は、移動体の所定方向に並んで配列され、路上に敷設された磁気マーカの発する磁界の強度に応じた信号をそれぞれ出力する。磁気検出部検出手段又は検出工程は、出力信号が所定の磁界強度条件を満たしかつ少なくとも隣接する一方の前記磁気検出部の出力信号も前記所定の磁界強度条件を満たす磁気検出部のうち所定の位置的要件を満たす2つの磁気検出部を検出する。そして、磁気マーカ位置設定手段又は設定工程は、それらの2つの磁気検出部の位置の中央を磁気マーカの通過した位置として設定する。かかる構成においては、磁気マーカの位置を検出するうえで、磁気検出部の出力信号に基づいて磁界強度の大きさ自体を検出する必要はなく、出力信号が所定の磁界強度条件を満たしているか否かを判定すればよい。従って、本発明によれば、簡素な構成で、磁界を発する磁気マーカの位置を速やかに検出することが可能となる。
【0008】
ところで、磁気マーカの発する磁界の垂直磁界成分は、同心円上において同程度であり、その中心位置から遠ざかるに従って小さくなる。従って、出力信号が所定しきい値以上の垂直磁界成分を表す磁気検出部のうち所定方向の両端に位置する2つの磁気検出部の位置の中央に、磁気マーカが存在していると判断できる。
【0009】
従って、請求項2に記載する如く、請求項1記載の磁気マーカ検出装置において、
前記磁気検出部の出力信号が所定しきい値以上の垂直磁界成分を表すか否かを判別する出力信号判別手段を備え、
前記磁気検出部検出手段は、前記出力信号判別手段により出力信号が前記所定しきい値以上の垂直磁界成分を表すと判別された前記磁気検出部のうち、前記所定方向の両端に位置する2つの前記磁気検出部を検出することとしてもよい。
【0010】
また、磁気マーカの発する磁界の水平磁界成分は、磁気マーカの真上ではほとんどゼロであり、その位置から離間するに従って増大し、その距離が所定値に達した後には減少する。従って、出力信号が一方向への所定しきい値以上の水平磁界成分を表す磁気検出部のうち所定方向の一端に位置する磁気検出部の位置と、出力信号が上記一方向とは反対方向への所定しきい値以上の水平磁界成分を表す磁気検出部のうち所定方向の他端に位置する磁気検出部の位置との中央に、磁気マーカが存在していると判断できる。
【0011】
従って、請求項5に記載する如く、請求項1記載の磁気マーカ検出装置において、
前記磁気検出部の出力信号が一方向への所定しきい値以上の水平磁界成分を表すか否かを判別する第1の出力信号判別手段と、
前記磁気検出部の出力信号が前記一方向とは反対方向への前記所定しきい値以上の水平磁界成分を表すか否かを判別する第2の出力信号判別手段と、を備え、前記磁気検出部検出手段は、前記第1の出力信号判別手段により出力信号が前記一方向への前記しきい値以上の水平磁界成分を表すと判別された前記磁気検出部のうち、前記所定方向の一端に位置する前記磁気検出部を検出する第1の検出手段と、
前記第2の出力信号判別手段により出力信号が前記一方向とは反対方向への前記所定しきい値以上の水平磁界成分を表すと判別された前記磁気検出部のうち、前記所定方向の他端に位置する前記磁気検出部を検出する第2の検出手段と、
を備えることとしてもよい。
【0012】
請求項3に記載する如く、請求項1記載の磁気マーカ検出装置において、
前記磁気検出部検出手段は、自己の出力信号及び隣接する一の前記磁気検出部の出力信号が共に所定しきい値以上の垂直磁界成分を表す前記磁気検出部のうち、前記所定方向の両端に位置する2つの前記磁気検出部を検出することを特徴とする磁気マーカ検出装置は、磁気マーカの検出のために基準となる磁気検出部がノイズ等に起因して誤検出されるのを抑制することで、磁気マーカの位置の検出精度の低下を抑制するうえで有効である。
【0013】
本発明において、磁気検出部検出手段は、自己の出力信号が所定しきい値以上の垂直磁界成分を表し、かつ、隣接する一の磁気検出部の出力信号も所定しきい値以上の垂直磁界成分を表す磁気検出部のうちで両端に位置する2つの磁気検出部を検出する。すなわち、自己の出力信号が所定しきい値以上の垂直磁界成分を表していても、隣接する磁気検出部の出力信号がその条件を満たしていない場合には、その磁気検出部を、磁気マーカの検出のために基準となる磁気検出部として検出することはない。このため、本発明によれば、ノイズ等に起因して出力信号が所定しきい値以上の垂直磁界成分を表す磁気検出部を磁気マーカの検出のために用いるのが回避される。
【0014】
また、請求項6に記載する如く、請求項1記載の磁気マーカ検出装置において、
前記磁気検出部検出手段は、自己の出力信号及び隣接する一の前記磁気検出部の出力信号が共に一方向への所定しきい値以上の水平磁界成分を表す前記磁気検出部のうち、前記所定方向の一端に位置する前記磁気検出部を検出する第1の検出手段と、
自己の出力信号及び隣接する一の前記磁気検出部の出力信号が共に前記一方向とは反対方向への前記所定しきい値以上の水平磁界成分を表す前記磁気検出部のうち、前記所定方向の他端に位置する前記磁気検出部を検出する第2の検出手段と、
を備えることを特徴とする磁気マーカ検出装置も、磁気マーカの検出のために基準となる磁気検出部がノイズ等に起因して誤検出されるのを抑制することで、磁気マーカの位置の検出精度の低下を抑制するうえで有効である。
【0015】
本発明において、磁気検出部検出手段は、自己の出力信号が一方向への所定しきい値以上の水平磁界成分を表し、かつ、隣接する一の磁気検出部の出力信号も一方向への所定しきい値以上の水平磁界成分を表す磁気検出部のうちで、磁気検出部の配列方向の一端に位置する磁気検出部を検出すると共に、自己の出力信号が上記一方向とは反対方向への所定しきい値以上の水平磁界成分を表し、かつ、隣接する一の磁気検出部の出力信号も上記一方向とは反対方向への所定しきい値以上の水平磁界成分を表す磁気検出部のうちで、上記配列方向の他端に位置する磁気検出部を検出する。すなわち、自己の出力信号が所定の条件を満たしていても、隣接する磁気検出部の出力信号がその条件を満たしていない場合には、その磁気検出部を、磁気マーカの検出のために基準となる磁気検出部として検出することはない。このため、本発明によれば、ノイズ等に起因して出力信号が所定しきい値以上の垂直磁界成分を表す磁気検出部を磁気マーカの検出のために用いるのが回避される。
【0016】
また、請求項4に記載する如く、請求項1記載の磁気マーカ検出装置において、
前記磁気検出部検出手段は、出力信号が所定しきい値以上の垂直磁界成分を表し、かつ、隣接する一の前記磁気検出部との出力信号の差が所定値未満となる前記磁気検出部のうち、前記所定方向の両端に位置する2つの前記磁気検出部を検出することを特徴とする磁気マーカ検出装置は、磁気マーカの位置の検出精度の低下を抑制するうえで有効である。
【0017】
本発明において、磁気検出部検出手段は、自己の出力信号が所定しきい値以上の垂直磁界成分を表し、かつ、自己の出力信号と隣接する磁気検出部の出力信号との差が所定値未満となる磁気検出部のうちで両端に位置する2つの磁気検出部を検出する。すなわち、自己の出力信号が所定しきい値以上の垂直磁界成分を表していても、隣接する磁気検出部との出力信号の差が所定値未満となる場合には、その磁気検出部を、磁気マーカの検出のために基準となる磁気検出部として検出することはない。かかる構成においては、出力信号が所定しきい値以上の垂直磁界成分を表すもののうちでピーク値に近いもののみが磁気マーカの検出のために基準となる磁気検出部として検出される。このため、本発明によれば、磁気マーカが実際には複数の磁気検出部の端部近傍を通過する場合にも、磁気マーカの位置が大きくずれて設定されることは回避される。従って、本発明によれば、磁気マーカの位置の検出精度の低下を抑制することができる。
【0018】
更に、請求項7に記載する如く、移動体の所定方向に並んで配列され、路上に敷設された磁気マーカの発する磁界の強度に応じた信号をそれぞれ出力する複数の磁気検出部を備え、各磁気検出部の出力信号に基づいて該移動体に対する前記磁気マーカの位置を検出する磁気マーカ検出装置であって、
互いに隣接する前記磁気検出部間の磁界強度を、両磁気検出部の出力信号に基づいて検出される磁界強度に基づいて直線的又は曲線的に補間する磁界強度補間手段と、
各磁気検出部の出力信号が表す磁界強度及び前記磁界強度補間手段により補間された磁界強度に基づいて、複数の前記磁気検出部を結ぶ線分上において磁界強度が所定の磁界強度となる2つの位置を検出する所定磁界強度位置検出手段と、
前記所定磁界強度位置検出手段により検出された2つの位置の中央を前記磁気マーカの位置として設定する磁気マーカ位置設定手段と、
を備えることを特徴とする磁気マーカ検出装置、及び、請求項9に記載する如く、移動体の所定方向に並んで配列され、路上に敷設された磁気マーカの発する磁界の強度に応じた信号をそれぞれ出力する複数の磁気検出部の出力信号に基づいて、該移動体に対する前記磁気マーカの位置を検出する磁気マーカ検出方法であって、
互いに隣接する前記磁気検出部間の磁界強度を、両磁気検出部の出力信号に基づいて検出される磁界強度に基づいて直線的又は曲線的に補間する磁界強度補間工程と、
各磁気検出部の出力信号が表す磁界強度及び前記磁界強度補間手段により補間された磁界強度に基づいて、複数の前記磁気検出部を結ぶ線分上において磁界強度が所定の磁界強度となる2つの位置を検出する所定磁界強度位置検出工程と、
前記所定磁界強度位置検出工程により検出された2つの位置の中央を前記磁気マーカの位置として設定する磁気マーカ位置設定工程と、
を備えることを特徴とする磁気マーカ検出方法は、磁気検出部の数を増やすことなく、磁気マーカの位置の検出精度の向上を図るうえで有効である。
【0019】
本発明において、互いに隣接する磁気検出部間の磁界強度は、両磁気検出部の出力信号に基づいて検出される磁界強度に基づいて直線的又は曲線的に補間される。各磁気検出部の出力信号が表す磁界強度及び補間された磁界強度に基づいて、複数の磁気検出部を結ぶ線分上で磁界強度が所定の磁界強度となる2つの位置が検出される。そして、それら2つの位置の中央が磁気マーカの位置として設定される。かかる構成においては、互いに隣接する磁気検出部同士が離間していても、所定の磁界強度が現れる正確な位置を、磁気マーカの位置を検出するうえでの基準位置として検出することができる。従って、本発明によれば、磁気検出部の数を増やすことなく、磁気マーカの位置の検出精度の向上を図ることができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の第1実施例である磁気マーカ検出装置10を搭載する車両12を模式的に表した図を示す。図1に示す如く、本実施例のシステムは、インフラ施設として、車両12が走行する走行路14を備えている。走行路14には、その中央に沿って所定間隔毎に磁気マーカ16が埋設されている。各磁気マーカ16は、それぞれ、上部がN極に下部がS極に着磁された磁気ネイルにより構成されており、所定の磁界を発生する。
【0021】
車両12は、例えば車体前部のバンパ下部に磁気センサアレイ20を搭載している。磁気センサアレイ20は、車幅方向に向けて一列に例えば32個並んで配設された磁気検出部18により構成されている。各磁気検出部18は、それぞれ、自己を垂直方向に流通する磁界の強度に応じた電圧Vinを出力する。尚、本実施例において、磁気検出部18は、車体左側から順に、磁気検出部180,181,・・・,1831とする。
【0022】
ところで、磁気マーカ16の発する磁界の垂直磁界強度は、同心円上において同程度であり、その中心位置から遠ざかるに従って小さくなる。本実施例において、磁気検出部18は、流通する垂直磁界の強度が大きくなるほど大きな電圧Vinを出力する。すなわち、磁気検出部18の出力電圧Vinは、磁気検出部18が磁気マーカ16の通過する位置に近いほど大きくなり、また、磁気マーカ16の通過する位置から遠いほど小さくなる。従って、車両12が走行路14のどの位置を走行しているのかを認識する手法としては、出力電圧Vinが最も大きくなっている磁気検出部18の位置を特定することが考えられる。
【0023】
走行路14に対する車両12の走行位置を正確に認識するうえでは、車幅方向において多数の磁気検出部18を配設する必要がある。また、一の磁気マーカ16の検出中に次の磁気マーカ16を検出すべき状況に陥るのを回避するためには、磁気マーカ16の検出処理を高速に行う必要がある。しかしながら、上記の如く出力電圧Vinが最も大きくなっている磁気検出部18の位置を特定する手法では、すべての磁気検出部18の出力電圧Vinの大きさを検出し、それらをすべてにおいて比較することが必要となるため、その処理の負担が過大となり、高速に磁気マーカ16を検出することができないこととなる。
【0024】
これに対して、本実施例のシステムは、簡素な構成で、車両12に対する磁気マーカ16の位置を速やかに検出する点に特徴を有している。
【0025】
図2は、本実施例の磁気マーカ検出装置10の内部に形成される回路図を示す。図2に示す如く、本実施例の磁気マーカ検出装置10は、磁気センサアレイ20内の磁気検出部180〜1831にそれぞれ対応したコンパレータ22を備えている。尚、磁気検出部180〜1831にそれぞれ対応するコンパレータ22を、コンパレータ220〜2231と称す。
【0026】
コンパレータ22の非反転入力端子には、上記した磁気検出部18が接続されている。磁気検出部18の出力電圧は、コンパレータ22に入力される。また、コンパレータ22の反転入力端子には、可変の電圧を発する電源24が接続されている。コンパレータ22は、磁気検出部18の出力電圧Vinと、電源24が発する電圧(以下、この値をVrefと称す)とを比較し、両者の大小関係に応じてハイ信号又はロー信号を出力する。具体的には、コンパレータ22は、Vin≧Vrefが成立する場合にはハイ信号を出力し、一方、Vin≧Vrefが成立しない場合にはロー信号を出力する。電源24が発する電圧Vrefは、垂直磁界強度が所定値以上となっているか否かを判別するための磁気検出部18の出力電圧Vinのしきい値として機能する。
【0027】
コンパレータ220〜2231の出力端子S0〜S31は、第1境界検出回路26の入力端子及び第2境界検出回路28の入力端子に接続されている。第1境界検出回路26と第2境界検出回路28とは、同様の構成を有している。第1境界検出回路26の入力端子S0〜S31にはコンパレータ220〜2231の出力端子S0〜S31がその順序で接続され、第2境界検出回路28の入力端子S0〜S31にはコンパレータ220〜2231の出力端子S0〜S31がその反対の順序で接続されている。
【0028】
図3は、本実施例の第1境界検出回路26の内部に形成される回路図を示す。尚、第2境界検出回路28についても同様の回路を有しているが、この回路は、コンパレータ22の出力端子が反対の順序で接続されることを除いて、構成において異なるところがない。このため、以下では、第1境界検出回路26についてのみ、その構成と動作を説明する。
【0029】
図3に示す如く、第1境界検出回路26は、4つの8ビット用プライオリティ・エンコーダ(TC4532;以下、単にエンコーダと称す)30〜36を備えている。エンコーダ30〜36は、入力端子D0〜D7のうちハイ信号が入力されるものの最上位ビットを符号化する機能を有している。エンコーダ36のエンコード許可信号入力端子Einには、電源38からエンコード許可信号が入力されている。エンコーダ36のエンコード許可信号出力端子Eoutはエンコーダ34のエンコード許可信号入力端子Einに、エンコーダ34のエンコード許可信号出力端子Eoutはエンコーダ32のエンコード許可信号入力端子Einに、エンコーダ32のエンコード許可信号出力端子Eoutはエンコーダ30のエンコード許可信号入力端子Einに、また、エンコーダ30のエンコード許可信号出力端子Eoutは端子E0に、それぞれ接続されている。
【0030】
エンコーダ30の入力端子D0〜D7にはコンパレータ220〜227の出力端子S0〜S7がその順序で、エンコーダ32の入力端子D0〜D7にはコンパレータ228〜2215の出力端子S8〜S15がその順序で、エンコーダ34の入力端子D0〜D7にはコンパレータ2216〜2223の出力端子S16〜S23がその順序で、また、エンコーダ36の入力端子D0〜D7にはコンパレータ2224〜2231の出力端子S24〜S31がその順序で、それぞれ接続されている。
【0031】
エンコーダ30〜36の出力端子Q0,Q1,Q2は、それぞれ、OR回路44,42,40の入力端子に接続されている。また、エンコーダ30の出力端子GSは開放されている。エンコーダ32の出力端子GSはOR回路46の入力端子に、エンコーダ34の出力端子GSはOR回路48の入力端子に、また、エンコーダ36の出力端子GSはOR回路46及び48の入力端子に、それぞれ接続されている。
【0032】
エンコーダ30〜36は、それぞれ、自己の入力端子D0〜D7にハイ信号が入力されている場合にその入力端子D0〜D7のうちの最上位ビットをエンコードして出力端子Q0,Q1,Q2から出力すると共に、自己の入力端子D0〜D7のいずれかにハイ信号が入力されている場合に出力端子GSからハイ信号を出力する。また、エンコーダ30〜36は、自己の入力端子D0〜D7のいずれかにハイ信号が入力されている場合はエンコード許可信号出力端子Eoutからロー信号すなわちエンコードの禁止を示す信号を出力し、入力端子D0〜D7のいずれにもハイ信号が入力されていない場合にエンコード許可信号出力端子Eoutからハイ信号すなわちエンコードの許可を示す信号を出力する。
【0033】
図4は、第1境界検出回路26の真理値表を示す。図4に示す如く、第1境界検出回路26において、エンコーダ36の入力端子D0〜D7のいずれかにハイ信号が入力されている場合、すなわち、磁気検出部1824〜1831のうちいずれかの出力電圧Vinがしきい値Vref以上である場合は、エンコーダ36のエンコード許可信号出力端子Eoutからロー信号が出力されるため、エンコーダ34,32,30のエンコード動作が許可されることはない。この場合は、磁気検出部180〜1823の出力電圧Vinがしきい値Vref以上であるか否かにかかわらず、エンコーダ30,32,34の出力端子Q0,Q1,Q2からはすべてロー信号が出力される。このため、上記の場合、OR回路40〜48の出力端子A0〜A4からは、磁気検出部1824〜1831のうち出力電圧Vinがしきい値Vref以上となっている最上位のものの、磁気検出部180の位置を基準とした位置に応じた信号が5ビット値で表されて出力される。
【0034】
一方、エンコーダ36の入力端子D0〜D7のいずれにもハイ信号が入力されていない場合、すなわち、磁気検出部1824〜1831のうちいずれの出力電圧Vinもしきい値Vref以上となっていない場合は、エンコーダ36のエンコード許可信号出力端子Eoutからハイ信号が出力されるため、エンコーダ34にエンコード許可信号が入力される。
【0035】
エンコーダ34のエンコード動作が許可されている状況下で、その入力端子D0〜D7のいずれかにハイ信号が入力されている場合、すなわち、磁気検出部1816〜1823のうちいずれかの出力電圧Vinがしきい値Vref以上である場合は、エンコーダ34のエンコード許可信号出力端子Eoutからロー信号が出力されるため、エンコーダ32,30にエンコード許可信号が入力されることはない。この場合は、磁気検出部180〜1815の出力電圧Vinがしきい値Vref以上であるか否かにかかわらず、エンコーダ30,32の出力端子Q0,Q1,Q2からはすべてロー信号が出力される。このため、上記の場合、OR回路40〜48の出力端子A0〜A4からは、磁気検出部1824〜1831のうち出力電圧Vinがしきい値Vref以上となっている最上位のものの、磁気検出部180の位置を基準とした位置に応じた信号が5ビット値で表されて出力される。
【0036】
以後、エンコーダ34の入力端子D0〜D7のいずれにもハイ信号が入力されていない場合、すなわち、磁気検出部1816〜1823のうちいずれの出力電圧Vinもしきい値Vref以上となっていない場合は、エンコーダ32にエンコード許可信号が入力され、エンコーダ32について、上記の如くエンコーダ34,36において実行された処理と同様の処理が実行される。そして、同様に、エンコーダ32の入力端子D0〜D7のいずれにもハイ信号が入力されていない場合、すなわち、磁気検出部188〜1815のうちいずれの出力電圧Vinもしきい値Vref以上となっていない場合は、エンコーダ30にエンコード許可信号が入力され、エンコーダ30について、上記の如くエンコーダ34,36において実行された処理と同様の処理が実行される。
【0037】
従って、第1境界検出回路26によれば、磁気検出部180〜1831のうち出力電圧Vinがしきい値Vref以上となっている最も磁気検出部1831側、すなわち、最も車体右側に位置する磁気検出部18の、磁気検出部180の位置を基準とした位置に応じた信号を出力することができる。また、同様に、第2境界検出回路26によれば、磁気検出部180〜1831のうち出力電圧Vinがしきい値Vref以上となっている最も磁気検出部180側、すなわち、最も車体左側に位置する磁気検出部18の、磁気検出部1831を基準とした位置に応じた信号を出力することができる。
【0038】
図2に示す如く、第1境界検出回路26の出力端子A0〜A4は、D/Aコンバータ50の入力端子に接続されている。また、第2境界検出回路28の出力端子A0〜A4は、D/Aコンバータ52の入力端子に接続されている。D/Aコンバータ50,52は、第1及び第2境界検出回路26,28から供給された信号を例えば2.5VレンジでD/A変換する。この際、D/Aコンバータ50,52は、(A4,A3,A2,A1,A0)=(0,0,0,0,0)が成立する場合に0Vが出力され、(A4,A3,A2,A1,A0)=(1,1,1,1,1)が成立する場合に2.5Vが出力されるようにD/A変換する。例えば、(A4,A3,A2,A1,A0)=(1,1,0,1,1)が成立する場合、D/Aコンバータ50,52は、2.18Vを出力する。
【0039】
すなわち、D/Aコンバータ50は、磁気検出部180〜1831のうち出力電圧Vinがしきい値Vref以上となっている最も磁気検出部1831側、すなわち、最も車体右側に位置する磁気検出部18の、磁気検出部180の位置を基準とした位置に応じた電圧V1を出力する。また、D/Aコンバータ52は、磁気検出部180〜1831のうち出力電圧Vinがしきい値Vref以上となっている最も磁気検出部180側、すなわち、最も車体左側に位置する磁気検出部18の、磁気検出部1831の位置を基準とした位置に応じた電圧V2を出力する。
【0040】
D/Aコンバータ52の出力端子は、抵抗58(抵抗値=R21)を介してオペアンプ56の反転入力端子に接続されている。オペアンプ56の反転入力端子と出力端子との間には、抵抗60(抵抗値=R22)が設けられている。また、オペアンプ56の非反転入力端子には、抵抗62(抵抗値=R23)を介して5Vの電圧を発する電源64が接続されていると共に、抵抗66(抵抗値=R24)の一端が接続されている。抵抗66の他端は接地されている。尚、抵抗58,60,62,66の抵抗値には、次式(1)及び(2)に示す関係式が成立する。
【0041】
R21=R22=R24 ・・・(1)
R23=3・R24 ・・・(2)
上記の回路構成において、オペアンプ56、抵抗58,60,62,66、及び電源64は、減算回路68を構成している。このため、オペアンプ56の出力端子には、D/Aコンバータ52から出力された電圧V2を2.5Vから減算した電圧V3(=2.5−V2)が現れる。すなわち、オペアンプ56は、磁気検出部180〜1831のうち出力電圧Vinがしきい値Vref以上となっている最も磁気検出部180側、すなわち、最も車体左側に位置する磁気検出部18の、磁気検出部180の位置を基準とした位置に応じた電圧V3を出力する。
【0042】
D/Aコンバータ50の出力端子は、抵抗70(抵抗値=R13)を介してオペアンプ72の非反転入力端子に接続されている。オペアンプ72の非反転入力端子には、更に、抵抗74(抵抗値=R14)を介して減算回路68のオペアンプ56の出力端子が接続されていると共に、抵抗76(抵抗値=R15)の一端が接続されている。抵抗76の他端は接地されている。オペアンプ72の反転入力端子には、抵抗78(抵抗値=R11)の一端が接続されている。抵抗78の他端は接地されている。オペアンプ72の反転入力端子と出力端子との間には、抵抗80(抵抗=R12)が設けられている。尚、抵抗70,74,76,78,80の抵抗値には、次式(3)及び(4)に示す関係式が成立する。
【0043】
R12=R13=R14=R15 ・・・(3)
R11=R12/2 ・・・(4)
上記の回路構成において、オペアンプ72、及び、抵抗70,74,76,78,80は、加算回路82を構成している。このため、オペアンプ72の出力端子には、D/Aコンバータ50から出力された電圧V1と、減算回路68から出力された電圧V3とを加算した電圧Vout(=V1+V3)が現れる。すなわち、オペアンプ72は、磁気検出部180の位置を基準電圧0Vとして、磁気検出部180〜1831のうち、出力電圧Vinがしきい値Vref以上となっている最も磁気検出部180側に位置する磁気検出部18の位置と、最も磁気検出部1831側に位置する磁気検出部18の位置との中央位置に応じた電圧Voutを5Vレンジで出力する。
【0044】
このように、本実施例の磁気マーカ検出装置10によれば、磁気検出部180〜1831のうち、出力電圧Vinがしきい値Vref以上となっている最も磁気検出部180側に位置する磁気検出部18の位置と、最も磁気検出部1831側に位置する磁気検出部18の位置との中央位置を、車両12に対して磁気マーカ16が通過した位置として検出することができる。
【0045】
図5は、本実施例の磁気マーカ検出装置10の動作を説明するための図を示す。尚、図5(A)は、車両12が磁気マーカ16を通過した時点における磁気マーカ16と磁気センサアレイ20との位置関係を車両上方から見た際の図を示す。図5(B)は、図5(A)に示す磁気マーカ16と磁気センサアレイ20との位置関係を車両後方から見た際の図を示す。また、図5(C)は、図5(A)及び図5(B)に示す状況下での各磁気検出部18の出力電圧Vinを表した図を示す。
【0046】
例えば図5(A)及び(B)に示す如く、磁気マーカ16が、車両12に搭載された磁気検出部188の直下に位置した場合、磁気検出部18の出力電圧Vinは、磁気検出部188において最大となり、磁気検出部188から遠い磁気検出部18ほど小さくなる。本実施例においては、磁気マーカ16が発する磁界に基づいて算出される磁気検出部18の最大出力電圧と、磁気検出部18の出力電圧として発生し得るノイズ電圧との間に、所定のしきい値Vrefが設定されており、すべての磁気検出部18のそれぞれについて出力電圧Vinがしきい値Vrefと大小比較される。
【0047】
その結果、図5(A)及び(B)に示す状況において、磁気検出部184〜1812の出力電圧Vinがしきい値Vref以上となった場合には、D/Aコンバータ50が、磁気検出部180の位置を基準とした磁気検出部1812の位置に応じた電圧V1(=0.97V)を出力すると共に、D/Aコンバータ52が、磁気検出部1831の位置を基準とした磁気検出部184の位置に応じた電圧V2(=2.18V)を出力する。
【0048】
そして、減算回路68が、D/Aコンバータ52から出力された電圧V2を2.5Vから減算した値(2.5−2.18=0.32)を出力電圧V3として出力し、加算回路82が、D/Aコンバータ50の出力電圧V1と、減算回路68の出力電圧V3とを加算した値(0.97+0.32=1.29V)を出力電圧Voutとして出力する。この出力電圧Voutは、磁気検出部180の位置を基準電圧0Vとし、磁気検出部1831の位置を5Vとした場合の、磁気検出部184と磁気検出部1812との中央位置((4+12)/2=8;磁気検出部188の位置)を表すこととなる。そして、その中央位置が、車両12に対して磁気マーカ16が通過した位置として設定される。
【0049】
このように、本実施例においては、磁気検出部180〜1831のうち、出力電圧Vinがしきい値Vref以上となっている最も磁気検出部180側に位置する磁気検出部18の位置と、最も磁気検出部1831側に位置する磁気検出部18の位置との中央位置が、車両12に対して磁気マーカ16が通過した位置として検出される。かかる手法によれば、磁気マーカ16の位置を検出するうえで磁気検出部18の出力電圧Vin自体を検出する必要はなく、磁気検出部18の出力電圧Vinを所定のしきい値Vrefと比較することにより、磁気マーカ16の、車両12に対する車幅方向の位置の検出を実現することができる。
【0050】
かかる手法においては、磁気マーカ16の位置を検出するための中央演算処理装置を用いることなく、すべての磁気検出部18の出力電圧Vinがほぼ同時に処理される。このため、本実施例によれば、磁気マーカ16の位置の検出を高速に処理することが可能となり、車両12が高速走行する場合でも一の磁気マーカ16の検出中に次の磁気マーカ16の位置を検出すべき状況に陥るのを回避することができる。従って、本実施例の磁気マーカ検出装置10によれば、簡素な構成で、磁気マーカ16の、車両12に対する車幅方向の位置を速やかに検出することが可能となる。
【0051】
本実施例においては、上記の如く、磁気マーカ16の位置を検出するための中央演算処理装置を用いることは不要である。このため、本実施例によれば、中央演算処理装置の処理能力の限界を考慮することなく、磁気検出部18の数を増加させることが可能となる。また、外部からの電磁波ノイズ等に起因する中央演算処理装置の暴走やリセットが生じることはなく、ノイズ等に対して信頼性の高い検出処理を行なうことが可能となっている。
【0052】
尚、上記の第1実施例においては、第1及び第2境界検出回路26,28が特許請求の範囲に記載した「磁気検出部検出手段」に、加算回路82が特許請求の範囲に記載した「磁気マーカ位置設定手段」に、コンパレータ22が特許請求の範囲に記載した「出力信号判別手段」に、それぞれ相当している。
【0053】
また、上記の第1実施例においては、第1及び第2境界検出回路26,28が、磁気検出部180〜1831のうち、出力電圧Vinがしきい値Vref以上となっている最も磁気検出部180側に位置する磁気検出部18の位置、及び、最も磁気検出部1831側に位置する磁気検出部18の位置に応じた信号を出力することにより特許請求の範囲に記載した「磁気検出部検出工程」が、加算回路82が、第1及び第2境界検出回路26,28から出力される出力信号に基づいて、磁気検出部180の位置を基準電圧0Vとして、磁気検出部180〜1831のうち、出力電圧Vinがしきい値Vref以上となっている最も磁気検出部180側に位置する磁気検出部18の位置と、最も磁気検出部1831側に位置する磁気検出部18の位置との中央位置に応じた電圧Voutを5Vレンジで出力することにより特許請求の範囲に記載した「磁気マーカ位置設定工程」が、それぞれ実現されている。
【0054】
次に、上記図2と共に、図6及び図7を参照して、本発明の第2実施例について説明する。
【0055】
上記した第1実施例において、車幅方向に向けて一列に並んで配設された各磁気検出部18は、それぞれ自己を垂直方向に流通する磁界の強度に応じた電圧Vinを出力する。これに対して、本実施例において、車両12は、車体前部のバンパ下部に、車幅方向に向けて一列に例えば32個並んで配設された磁気検出部102により構成される磁気センサアレイ100を搭載している。これらの磁気検出部102は、それぞれ、水平方向に流通する磁界の強度に応じた電圧Vinを5Vレンジで出力する。すなわち、磁気検出部102の出力電圧は、水平磁界強度が“0”である場合に例えば2.5Vとなり、水平磁界強度が車体右側から左側へ向けて大きくなるに従って2.5Vから5Vへ向けて大きくなり、水平磁界強度が車体左側から右側へ向けて大きくなるに従って2.5Vから0Vへ向けて小さくなる。尚、本実施例において、磁気検出部102は、車体左側から順に、磁気検出部1020,1021,・・・,10231とする。
【0056】
上述の如く、走行路14に埋設された各磁気マーカ16は、それぞれ、上部がN極に下部がS極に着磁されており、所定の磁界を発生する。この際、磁気マーカ16が発する磁界の水平磁界強度は、その真上でゼロとなり、その位置から離間するに従って増大し、その距離が所定の距離に達した場合に最大値となり、その後は減少する特性を示す。従って、その両側において水平磁界が互いに反対方向を向き、かつ、水平磁界強度がゼロとなる位置を特定すれば、磁気マーカ16の車両12に対する位置を検出することが可能となる。
【0057】
図6は、本実施例の磁気マーカ検出装置の内部に形成される回路図を示す。図2に示す如く、本実施例の磁気マーカ検出装置は、磁気センサアレイ100内の磁気検出部1020〜10231にそれぞれ対応した第1コンパレータ104及び第2コンパレータ106を備えている。尚、磁気検出部1020〜10231にそれぞれ対応する第1コンパレータ104及び第2コンパレータ106を、第1コンパレータ1040〜10431及び第2コンパレータ1060〜10631とそれぞれ称す。
【0058】
第1コンパレータ104の非反転入力端子及び第2コンパレータ106の反転入力端子には、磁気検出部102が接続されている。磁気検出部102の出力電圧は、第1及び第2コンパレータ104,106に入力される。第1コンパレータ104の反転入力端子には、例えば3Vの電圧を発する第1電源108が接続されている。また、第2コンパレータ106の非反転入力端子には、例えば2Vの電圧を発する第2電源110が接続されている。第1及び第2コンパレータ104,106は、磁気検出部102の出力電圧Vinと、第1電源108が発する電圧(以下、この値をVref1と称す)又は第2電源110が発する電圧(以下、この値をVref2と称す)とを比較し、両者の大小関係に応じてハイ信号又はロー信号を出力する。
【0059】
具体的には、第1コンパレータ104は、Vin≧Vref1が成立する場合にはハイ信号を出力し、一方、Vin≧Vref1が成立しない場合にはロー信号を出力する。また、第2コンパレータ106は、Vref2≧Vinが成立する場合にはハイ信号を出力し、一方、Vref2≧Vinが成立しない場合にはロー信号を出力する。第1電源108が発する電圧Vref1は、水平磁界強度が車体右側から左側へ向けて所定値以上となっているか否かを判別するための磁気検出部102の出力電圧Vinの第1しきい値として用いられ、第2電源110の発する電圧Vref2は、水平磁界強度が車体左側から右側へ向けて所定値以上となっているか否かを判別するための磁気検出部102の出力電圧Vinの第2しきい値として用いられる。尚、Vref1≧Vref2が成立するものとする。
【0060】
第1コンパレータ1040〜10431の出力端子は、第1境界検出回路112の入力端子S0〜S31にその順序で接続されている。第2コンパレータ1060〜10631の出力端子は、第2境界検出回路114の入力端子S0〜S31にその反対の順序で接続されている。第1及び第2境界検出回路112,114の内部には、上記図3に示す回路図と同様の回路図が形成されている。以下、その代表として、第1境界検出回路112についてのみその動作を説明する。
【0061】
第1境界検出回路112においては、エンコーダ36の入力端子D0〜D7のいずれかにハイ信号が入力されている場合、すなわち、磁気検出部10224〜10231のうちいずれかの出力電圧Vinが第1しきい値Vref1以上である場合は、エンコーダ36のエンコード許可信号出力端子Eoutからロー信号が出力されるため、エンコーダ34,32,30のエンコード動作が許可されることはない。この場合には、磁気検出部1020〜10223の出力電圧Vinが第1しきい値Vref1以上であるか否かにかかわらず、エンコーダ30,32,34の出力端子Q0,Q1,Q2からはすべてロー信号が出力される。このため、上記の場合、OR回路40〜48の出力端子A0〜A4からは、磁気検出部10224〜10231のうち出力電圧Vinが第1しきい値Vref1以上となっている最上位のものの、磁気検出部1020の位置を基準とした位置に応じた信号が5ビット値で表されて出力される。
【0062】
一方、エンコーダ36の入力端子D0〜D7のいずれにもハイ信号が入力されていない場合、すなわち、磁気検出部10224〜10231のうちいずれの出力電圧Vinも第1しきい値Vref1以上となっていない場合は、エンコーダ36のエンコード許可信号出力端子Eoutからハイ信号が出力されるため、エンコーダ34にエンコード許可信号が入力される。
【0063】
エンコーダ34のエンコード動作が許可されている状況下において、その入力端子D0〜D7のいずれかにハイ信号が入力されている場合、すなわち、磁気検出部10216〜10223のうちいずれかの出力電圧Vinが第1しきい値Vref1以上である場合は、エンコーダ34のエンコード許可信号出力端子Eoutからロー信号が出力されるため、エンコーダ32,30にエンコード許可信号が入力されることはない。この場合には、磁気検出部1020〜10215の出力電圧Vinが第1しきい値Vref1以上であるか否かにかかわらず、エンコーダ30,32の出力端子Q0,Q1,Q2からはすべてロー信号が出力される。このため、上記の場合、OR回路40〜48の出力端子A0〜A4からは、磁気検出部10224〜10231のうち出力電圧Vinが第1しきい値Vref1以上となっている最上位のものの、磁気検出部1020の位置を基準とした位置に応じた信号が5ビット値で表されて出力される。
【0064】
以後、エンコーダ34の入力端子D0〜D7のいずれにもハイ信号が入力されていない場合、すなわち、磁気検出部10216〜10223のうちいずれの出力電圧Vinも第1しきい値Vref1以上となっていない場合は、エンコーダ32にエンコード許可信号が入力され、エンコーダ32について、上記の如くエンコーダ34,36において実行された処理と同様の処理が実行される。そして、同様に、エンコーダ32の入力端子D0〜D7のいずれにもハイ信号が入力されていない場合、すなわち、磁気検出部1028〜10215のうちいずれの出力電圧Vinも第1しきい値Vref1以上となっていない場合は、エンコーダ30にエンコード許可信号が入力され、エンコーダ30について、上記の如くエンコーダ34,36において実行された処理と同様の処理が実行される。
【0065】
従って、第1境界検出回路112によれば、磁気検出部1020〜10231のうち出力電圧Vinが第1しきい値Vref1以上となっている最も磁気検出部10231側、すなわち、最も車体右側に位置する磁気検出部102の、磁気検出部1020の位置を基準とした位置に応じた信号を出力することができる。また、同様に、第2境界検出回路114によれば、磁気検出部1020〜10231のうち出力電圧Vinが第2しきい値Vref2以下となっている最も磁気検出部1020側、すなわち、最も車体左側に位置する磁気検出部102の、磁気検出部10231の位置を基準とした位置に応じた信号を出力することができる。
【0066】
図6に示す如く、第1境界検出回路112の出力端子A0〜A4は、図2に示すD/Aコンバータ50の入力端子に接続されている。また、第2境界検出回路114の出力端子A0〜A4は、図2に示すD/Aコンバータ52の入力端子に接続されている。D/Aコンバータ50,52は、第1及び第2境界検出回路112,114から供給された信号を例えば2.5VレンジでD/A変換する。すなわち、本実施例において、D/Aコンバータ50は、磁気検出部1020〜10231のうち出力電圧Vinが第1しきい値Vref1以上となっている最も磁気検出部10231側、すなわち、最も車体右側に位置する磁気検出部102の、磁気検出部1020の位置を基準とした位置に応じた電圧V1を出力する。また、D/Aコンバータ52は、磁気検出部1020〜10231のうち出力電圧Vinが第2しきい値Vref2以下となっている最も磁気検出部1020側、すなわち、最も車体左側に位置する磁気検出部102の、磁気検出部10231の位置を基準とした位置に応じた電圧V2を出力する。
【0067】
D/Aコンバータ52の出力端子は、オペアンプ56、抵抗58,60,62,66、及び電源64により構成された減算回路68に接続されている。減算回路68の出力端子には、D/Aコンバータ52から出力された電圧V2を2.5Vから減算した電圧V3(=2.5−V2)が現れる。すなわち、本実施例において、減算回路68は、磁気検出部1020〜10231のうち出力電圧Vinが第2しきい値Vref2以下となっている最も磁気検出部1020側、すなわち、最も車体左側に位置する磁気検出部102の、磁気検出部1020の位置を基準とした位置に応じた電圧V3を出力する。
【0068】
D/Aコンバータ50の出力端子は、オペアンプ72及び抵抗70,74,76,78,80により構成された加算回路82に接続されている。加算回路82の出力端子には、D/Aコンバータ50から出力された電圧V1と、減算回路68から出力された電圧V3とを加算した電圧Vout(=V1+V3)が現れる。すなわち、加算回路82は、磁気検出部1020の位置を基準電圧0Vとして磁気検出部1020〜10231のうち、出力電圧Vinが第1しきい値Vref1以上となっている最も磁気検出部10231側に位置する磁気検出部102の位置と、出力電圧が第2しきい値Vref2以下となっている最も磁気検出部1020側に位置する磁気検出部102の位置との中央位置に応じた電圧Voutを、磁気検出部1020の位置を基準電圧0Vとして5Vレンジで出力する。
【0069】
このように、本実施例の磁気マーカ検出装置によれば、磁気検出部1020〜10231のうち、水平磁界強度が車体右側から左側へ向けて所定値以上に大きくなっている最も磁気検出部10231側に位置する磁気検出部102の位置と、水平磁界強度が車体左側から右側へ向けて所定値以上に大きくなっている最も磁気検出部1020側に位置する磁気検出部102の位置との中央位置を、車両12に対して磁気マーカ16が通過した位置として検出することができる。
【0070】
図7は、本実施例の磁気マーカ検出装置の動作を説明するための図を示す。尚、図7(A)は、車両12が磁気マーカ16を通過した時点における磁気マーカ16と磁気センサアレイ100との位置関係を車両上方から見た際の図を示す。図7(B)は、図7(A)に示す磁気マーカ16と磁気センサアレイ100との位置関係を車両後方から見た際の図を示す。また、図7(C)は、図7(A)及び(B)に示す状況下での各磁気検出部102の出力電圧Vinに対応する水平磁界強度を表した図を示す。尚、図7(C)においては、車体右側から左側へ向かう水平磁界強度を正としている。
【0071】
例えば図7(A)及び(B)に示す如く、磁気マーカ16が、車両12に搭載された磁気センサアレイ100の磁気検出部1028近傍に位置した場合、磁気検出部1028での水平磁界強度はほとんどゼロであり、その位置から車体左側に位置する磁気検出部1020〜1027での水平磁界の向きと、その位置から車体右側に位置する磁気検出部1029〜10231での水平磁界の向きとが互いに反対向きとなる。この際、各磁気検出部102での水平磁界強度は、図7(C)に示す如く、磁気マーカ16の通過位置から離間するに従って増大し、その距離が所定の距離に達した後に減少することとなる。また、同心円上における水平磁界強度は、すべて同程度となる。
【0072】
従って、車体右側から左側へ向かう水平磁界について磁界強度が所定値以上に大きくなっている磁気検出部102のうち車体右側端部に存在する磁気検出部102の位置と、車体左側から右側へ向かう水平磁界について磁界強度が所定値以上に大きくなっている磁気検出部102のうち車体左側端部に存在する磁気検出部102の位置との中央に、磁気マーカが存在していると判断できる。
【0073】
本実施例においては、車体右側から左側へ向かう水平磁界の強度について第1しきい値Vref1が設定されており、また、車体左側から右側へ向かう水平磁界の強度について第2しきい値Vref2が設定されており、すべての磁気検出部102のそれぞれについて出力電圧Vinが第1及び第2しきい値Vref1,Vref2と大小比較される。
【0074】
その結果、図7(C)に示す如く、磁気検出部1021〜1027の出力電圧Vinが第1しきい値Vref1以上となり、かつ、磁気検出部1029〜10215の出力電圧Vinが第2しきい値Vref2以下となった場合には、D/Aコンバータ50が磁気検出部1020の位置を基準とした磁気検出部1027の位置に応じた電圧V1(=0.56V)を出力すると共に、D/Aコンバータ52が磁気検出部10231の位置を基準とした磁気検出部1029の位置に応じた電圧V2(=1.77V)を出力する。
【0075】
そして、減算回路68が、D/Aコンバータ52から出力された電圧V2を2.5Vから減算した値(2.5−1.77=0.73)を出力電圧V3として出力する。この際、出力電圧V3は、磁気検出部1020の位置を基準とした磁気検出部1029の位置に応じた電圧となる。その後、加算回路82が、D/Aコンバータ50の出力電圧V1と、減算回路68の出力電圧V3とを加算した値(0.56+0.73=1.29V)を出力電圧Voutとして出力する。この出力電圧Voutは、磁気検出部1020の位置を基準電圧0Vとし、磁気検出部10231の位置を5Vとした場合の、磁気検出部1027と磁気検出部1029との中央位置((7+9)/2=8;磁気検出部1028の位置)を表すこととなる。そして、その中央位置が車両12に対して磁気マーカ16が通過した位置として設定される。
【0076】
このように、本実施例においては、磁気検出部1020〜10231のうち、出力電圧Vinが第1しきい値Vref1以上となっている最も磁気検出部10231側に位置する磁気検出部102の位置と、出力電圧Vinが第2しきい値Vref2以下となっている最も磁気検出部1020側に位置する磁気検出部102の位置との中央位置が、車両12に対して磁気マーカ16が通過した位置として検出される。かかる手法によれば、上記第1実施例の手法と同様に、磁気マーカ16の位置を検出するうえで磁気検出部102の出力電圧Vin自体を検出する必要はなく、磁気検出部102の出力電圧Vinを所定の第1及び第2しきい値Vref1,Vref2と大小比較することで、磁気マーカ16の、車両12に対する車幅方向の位置を検出することが可能となる。
【0077】
かかる手法においても、磁気マーカ16の位置を検出するための中央演算処理装置を用いることなく、すべての磁気検出部102の出力電圧Vinがほぼ同時に処理される。このため、本実施例によれば、上記第1実施例と同様に、簡素な構成で、磁気マーカ16の位置の検出を高速に処理することが可能となり、磁気マーカ16の車両12に対する車幅方向の位置を速やかに検出することが可能となっている。
【0078】
尚、上記の第2実施例においては、第1及び第2境界検出回路112,114が特許請求の範囲に記載した「磁気検出部検出手段」、並びに、請求項5に記載した「第1の検出手段」及び「第2の検出手段」に、加算回路82が特許請求の範囲に記載した「磁気マーカ位置設定手段」に、第1及び第2コンパレータ104,106が特許請求の範囲に記載した「第1の出力信号判別手段」及び「第2の出力信号判別手段」に、それぞれ相当している。
【0079】
また、上記の第2実施例においては、第1及び第2境界検出回路112,114が、磁気検出部1020〜10231のうち、出力電圧Vinが第1しきい値Vref1以上となっている最も磁気検出部10231側に位置する磁気検出部102の位置、及び、出力電圧Vinが第2しきい値Vref2以下となっている最も磁気検出部1020側に位置する磁気検出部102の位置に応じた信号を出力することにより特許請求の範囲に記載した「磁気検出部検出工程」が、加算回路82が、第1及び第2境界検出回路112,114の出力信号に基づいて、磁気検出部1020〜10231のうち出力電圧Vinがしきい値Vref以上となっている最も磁気検出部1020側に位置する磁気検出部102の位置と、最も磁気検出部10231側に位置する磁気検出部102の位置との中央位置に応じた電圧Voutを、磁気検出部1020の位置を基準電圧0Vとして5Vレンジで出力することにより特許請求の範囲に記載した「磁気マーカ位置設定工程」が、それぞれ実現されている。
【0080】
ところで、上記の第1及び第2実施例においては、車幅方向に一列に32個の磁気検出部18,102を配設したが、任意の数の磁気検出部18,102に対応することが可能である。すなわち、磁気検出部18,102の数が少なくなる場合はコンパレータ22,104,106の入力端子を接地すればよく、また、磁気検出部18,102の数が多くなる場合は境界検出回路26,28,112,114の数を増加させて対応すればよい。
【0081】
また、上記の第1及び第2実施例においては、磁気検出部18,102を車幅方向に並べて配設し、磁気マーカ16の車両12に対する車幅方向の位置を検出することとしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、磁気検出部18,102を車両の進行方向に複数並べて配設し、磁気マーカ16の車両に対する進行方向の位置を検出することとしてもよい。
【0082】
次に、図8乃至図10を参照して、本発明の第3実施例について説明する。
【0083】
図8は、本実施例の磁気マーカ検出装置の構成図を示す。図8に示す如く、本実施例の磁気マーカ検出装置は、電子制御ユニット(以下、ECUと称す)200を備えており、ECU200により磁気マーカ16の車両12に対する車幅方向の位置を検出する。
【0084】
本実施例において、磁気マーカ検出装置は、車体前部のバンパ下部に配設された磁気センサアレイ202を備えている。磁気センサアレイ202は、車幅方向に向けて一列に例えば32個並んで配設された磁気検出部204により構成されている。各磁気検出部204は、上記第1実施例の磁気検出部18と同様に、それぞれ、自己を垂直方向に流通する磁界の強度に応じた電圧Vinを出力する。尚、本実施例において、磁気検出部204は、車体左側から順に、磁気検出部2040,2041,・・・,20431とする。
【0085】
各磁気検出部204は、ECU200に接続されている。各磁気検出部204の出力信号は、ECU200に供給される。ECU200は、各磁気検出部204の出力信号に基づいて、各磁気検出部204を流通する磁界の垂直磁界強度をそれぞれ検出する。
【0086】
図9は、ノイズ等に起因して出力電圧Vinがしきい値Vref以上となる磁気検出部204が現れた状況を表した図を示す。尚、図9(A)は、車両12が磁気マーカ16を通過した時点における磁気マーカ16と磁気センサアレイ202との位置関係を車両上方から見た際の図を示しており、図9(B)は、図9(A)に示す状況下での各磁気検出部204の出力電圧Vinを示している。尚、図9(A)には、出力電圧Vinがしきい値Vref以上となっている磁気検出部204が黒丸で、また、出力電圧Vinがしきい値Vref以上となっていない磁気検出部204が白丸で、それぞれ示されている。
【0087】
ところで、出力電圧Vinがしきい値Vref以上となっているすべての磁気検出部204のうち両端に位置する2つの磁気検出部204の位置を、車両12に対する磁気マーカ16の位置検出のために用いるものとすると、その検出精度が悪化する場合がある。すなわち、磁気検出部204の出力電圧Vinが、図9(B)に示す如く磁気検出部204の故障やノイズ等の影響によりしきい値Vref以上となっている場合には、その磁気検出部204の位置が磁気マーカ16の位置検出のために用いられると、その磁気検出部204が実際には出力電圧Vinが示す程度の磁界を磁気マーカ16から受けていないにもかかわらず、垂直磁界が所定値以上となっているものとして扱われ、磁気マーカ16の位置の検出精度が低下することとなる。
【0088】
従って、磁気マーカ16の位置の検出精度の低下を抑制するためには、ノイズ等に起因して出力電圧Vinがしきい値Vref以上となっている磁気検出部204を、磁気マーカ16の位置を検出する際には考慮しないことが適切である。磁気検出部204の故障やノイズは、互いに隣接する磁気検出部204同士に生じることは稀であり、1つの磁気検出部204に単独で生じる場合が多い。すなわち、ノイズ等に起因して出力電圧Vinがしきい値Vref以上となっている磁気検出部204の両側に隣接する磁気検出部204の出力電圧Vinは、共にしきい値Vref以上となっていない場合が多い。従って、磁気マーカ16の位置を検出するうえでは、出力電圧Vinがしきい値Vref以上となっており、かつ、隣接する磁気検出部204の出力電圧Vinがしきい値Vref以上となっている磁気検出部204のみを考慮することが適切である。以下、本実施例の特徴部について説明する。
【0089】
図10は、磁気マーカ16の車両12に対する通過位置を検出すべく、本実施例においてECU200が実行する制御ルーチンの一例のフローチャートを示す。図10に示すルーチンは、その処理が終了する毎に繰り返し起動されるルーチンである。図10に示すルーチンが起動されると、まずステップ220の処理が実行される。
【0090】
ステップ220では、車両12が磁気マーカ16を通過したか否かが判別される。本ステップ220の処理は、車両12が磁気マーカ16を通過したと判別されるまで繰り返し起動される。その結果、車両12が磁気マーカ16を通過したと判別された場合は、次にステップ222の処理が実行される。
【0091】
ステップ222では、磁気センサアレイ202を構成する32個すべての磁気検出部204のうち、出力電圧Vinがしきい値Vref以上となっている磁気検出部204を抽出する処理が実行される。
【0092】
ステップ224では、上記ステップ222で抽出された磁気検出部204のうち、少なくとも、一方で隣接する磁気検出部204の出力電圧Vinもしきい値Vref以上となっている磁気検出部204を抽出する処理が実行される。本ステップ224の処理が実行されると、上記ステップ222で抽出された磁気検出部204から、一つだけ単独で出力電圧Vinがしきい値Vref以上となっている磁気検出部204が排除されることとなる。
【0093】
ステップ226では、上記ステップ224で抽出された磁気検出部204のうち、車幅方向の両端に位置する2つの磁気検出部204を特定する処理が実行される。
【0094】
ステップ228では、上記ステップ226で特定された2つの磁気検出部204の位置の中央を、磁気マーカ16の車両12に対する通過位置として設定する処理が実行される。本ステップ228の処理が終了すると、今回のルーチンが終了される。
【0095】
上記の処理によれば、一つだけ単独で出力電圧Vinがしきい値Vref以上となっている磁気検出部204を、磁気マーカ16の車両に対する通過位置を検出する際に用いる磁気検出部204から排除することができる。磁気検出部204の故障やノイズが生じた場合には、隣接する磁気検出部204の出力電圧Vinがしきい値Vref以上となっておらず、自己の出力電圧Vinが一つだけ単独でしきい値Vref以上となっている場合が多い。従って、本実施例においては、磁気検出部204の故障やノイズに起因して出力電圧Vinがしきい値Vref以上となった磁気検出部204が、磁気マーカ16の位置検出に用いられることはない。このため、本実施例の磁気マーカ検出装置によれば、磁気検出部204の故障やノイズ等が生じた際にも、磁気マーカ16の位置の検出精度の低下を抑制することが可能となっている。
【0096】
本実施例においては、自己の出力電圧Vin及び隣接する磁気検出部204の出力電圧Vinが共にしきい値Vref以上である磁気検出部204のうち、車幅方向の両端に位置する2つの磁気検出部204のみが、磁気マーカ16の通過位置を設定する際に用いられる。このため、上記2つの磁気検出部204の間に位置する磁気検出部204に、実際には垂直磁界強度が所定値以上となっているにもかかわらず、出力電圧Vinがしきい値Vref以上とならない故障が生じた場合でも、確実に磁気マーカ16の車両12に対する通過位置を検出することが可能となっている。
【0097】
尚、上記の第3実施例においては、ECU200が、上記ステップ222,224の処理を実行した後にステップ226の処理を実行することにより請求項1及び3に記載した「磁気検出部検出手段」及び請求項8に記載した「磁気検出部検出工程」が、上記ステップ228の処理を実行することにより請求項1に記載した「磁気マーカ位置設定手段」及び請求項8に記載した「磁気マーカ位置設定工程」が、それぞれ実現されている。
【0098】
ところで、上記の第3実施例においては、磁気センサアレイ202を構成する各磁気検出部204がECU200に接続され、ECU200がそれらの各磁気検出部204の出力信号に基づいて各磁気検出部204を流通する垂直磁界強度をそれぞれ検出する構成において、故障やノイズ等に起因して正常に機能しない磁気検出部204を排除するものとしているが、上記の第1及び第2実施例の如くコンパレータにより各磁気検出部204の出力信号としきい値とを比較するのみで、磁気検出部204を流通する垂直磁界強度自体をそれぞれ検出しない構成に適用することも可能である。
【0099】
また、上記の第3実施例においては、故障やノイズ等に起因して正常に機能しない磁気検出部204を、磁気マーカ16の検出のために用いる磁気検出部204から排除するのを、各磁気検出部204が磁気マーカ16の発する磁界のうち垂直磁界成分に応じた信号を出力し、ECU200がそれらの各磁気検出部204の出力信号に基づいて磁気マーカ16の車両に対する通過位置を検出する構成において実現するものとしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、各磁気検出部204が磁気マーカ16の発する磁界のうち水平磁界成分に応じた信号を出力し、ECU200がそれらの各磁気検出部204の出力信号に基づいて磁気マーカ16の車両に対する通過位置を検出する構成に適用することも可能である。
【0100】
この場合には、ECU200が、出力電圧Vinが第1しきい値Vref1以上となる磁気検出部204から、隣接する磁気検出部204の出力電圧Vinも第1しきい値Vref1以上となる磁気検出部204を抽出し、そのうち車幅方向の一端に位置する磁気検出部204を検出すると共に、出力電圧Vinが第2しきい値Vref2以下となる磁気検出部204から、隣接する磁気検出部204の出力電圧Vinも第2しきい値Vref2以下となる磁気検出部204を抽出し、そのうち車幅方向の他端に位置する磁気検出部204を検出することにより請求項1及び6に記載した「磁気検出部検出手段」、「第1の検出手段」、「第2の検出手段」、及び請求項8に記載した「磁気検出部検出工程」が実現される。
【0101】
次に、上記図8と共に、図11及び図12を参照して、本発明の第4実施例について説明する。
【0102】
本実施例のシステムは、上記図8に示す構成において、ECU200に図12に示すルーチンを実行させることにより実現される。
【0103】
図11は、磁気マーカ16が車両12に対して磁気センサアレイ202の端部近傍に位置した状況を表した図を示す。尚、図11(A)は、車両12が磁気マーカ16を通過した時点における磁気マーカ16と磁気センサアレイ202との位置関係を車両上方から見た際の図を示しており、図11(B)は、図11(A)に示す状況下での各磁気検出部204の出力電圧Vinを示している。尚、図11(A)には、出力電圧Vinがしきい値Vref以上となっている磁気検出部204が黒丸で、また、出力電圧Vinがしきい値Vref以上となっていない磁気検出部204が白丸で、それぞれ示されている。
【0104】
ところで、磁気マーカ16が車両12に対して端部近傍に位置ずれした場合には、出力電圧Vinがしきい値Vref以上となっている磁気検出部204のうち車幅方向の両端に位置する2つの磁気検出部204の位置を、磁気マーカ16の位置検出のために用いるものとすると、その検出精度が悪化する。すなわち、磁気マーカ16が車両12に対して例えば図11(A)に示す如く磁気検出部20431の直下に位置した際に、出力電圧Vinがしきい値Vref以上となる磁気検出部204が図11(B)に示す如く磁気検出部20427〜20431であったものとすると、磁気マーカ16の車両12に対する通過位置が磁気検出部20431の直下であるにもかかわらず、磁気検出部20427と20431との中央(具体的には、磁気検出部20429の直下)が磁気マーカ16の通過位置として検出されてしまう。
【0105】
従って、磁気マーカ16の位置の検出精度の低下を抑制するうえでは、上記の点を考慮する必要がある。互いに隣接する磁気検出部204の出力電圧Vinの差は、図11(B)に示す如く、磁気マーカ16の通過時に出力電圧Vinがピーク値となった磁気検出部204から離間するに従って徐々に大きくなり、その後小さくなる。すなわち、出力電圧Vinがピーク値となる磁気検出部204の近傍では、出力電圧Vinの差が小さい。従って、出力電圧Vinがしきい値Vref以上となっており、かつ、隣接する磁気検出部204との出力電圧Vinの差が所定値未満となっている磁気検出部204(図11(B)に点線で囲んだ領域)のみを、磁気マーカ16の位置を検出するうえで考慮することとすれば、すなわち、出力電圧Vinがしきい値Vref以上となっていても、隣接する磁気検出部204との出力電圧Vinの差が大きくなっている磁気検出部204を排除することとすれば、磁気マーカ16の位置の検出のために用いられる2つの磁気検出部204間の距離が小さくなることで、磁気マーカ16が車両12に対して磁気センサアレイ202の端部近傍に位置する場合でも、磁気マーカ16の位置の検出精度が低下する事態を防止することが可能となる。以下、本実施例の特徴部について説明する。
【0106】
図12は、磁気マーカ16の車両12に対する通過位置を検出すべく、本実施例においてECU200が実行する制御ルーチンの一例のフローチャートを示す。図12に示すルーチンは、その処理が終了する毎に繰り返し起動されるルーチンである。図12に示すルーチンが起動されると、まずステップ250の処理が実行される。
【0107】
ステップ250では、上記ステップ220と同様に、車両12が磁気マーカ16を通過したか否かが判別される。本ステップ250の処理は、車両12が磁気マーカ16を通過したと判別されるまで繰り返し起動される。その結果、車両12が磁気マーカ16を通過したと判別された場合は、次にステップ252の処理が実行される。
【0108】
ステップ252では、磁気センサアレイ202を構成する32個すべての磁気検出部204のうち、少なくとも、一方で隣接する磁気検出部204の出力電圧Vinとの差ΔVinが所定値ΔV0未満となっている磁気検出部204を抽出する処理が実行される。
【0109】
ステップ254では、上記ステップ252で抽出された磁気検出部204のうち、出力電圧Vinがしきい値Vref以上となっている磁気検出部204を抽出する処理が実行される。本ステップ254の処理が実行されると、出力電圧Vinがしきい値Vref以上となっており、かつ、隣接する磁気検出部204との関係でΔVin<ΔV0が成立する磁気検出部204のみが選択されることとなる。
【0110】
ステップ256では、上記ステップ254で抽出された磁気検出部204のうち、車幅方向の両端に位置する2つの磁気検出部204を特定する処理が実行される。
【0111】
ステップ258では、上記ステップ256で特定された2つの磁気検出部204の位置の中央を、磁気マーカ16の車両12に対する通過位置として設定する処理が実行される。本ステップ258の処理が終了すると、今回のルーチンが終了される。
【0112】
上記の処理によれば、両側に隣接する2つの磁気検出部204との関係で出力電圧Vinの差が共に所定値以上となっている磁気検出部204を、磁気マーカ16の車両に対する通過位置を検出する際に用いる磁気検出部204から排除することができる。この場合には、出力電圧Vinがしきい値Vref以上となっていても、出力電圧Vinがピーク値を示す磁気検出部204から離間している磁気検出部204が、磁気マーカ16の位置検出に用いられることがなくなる。このため、本実施例の磁気マーカ検出装置によれば、磁気マーカ16が車両12に対して磁気センサアレイ202の端部近傍に位置する場合でも、磁気マーカ16の位置の検出精度が低下する事態を防止することが可能となる。
【0113】
また、本実施例においては、上述の如く、両側に隣接する2つの磁気検出部204との関係で出力電圧Vinの差が共に所定値以上となっている磁気検出部204が、磁気マーカ16の車両に対する通過位置を検出する際に用いる磁気検出部204から排除される。このため、本実施例によれば、1つだけ単独で出力電圧Vinが大きくなっている磁気検出部204を、磁気マーカ16の位置検出のために用いる磁気検出部204から排除することができる。従って、本実施例の磁気マーカ検出装置によれば、磁気検出部204の故障やノイズ等に起因して出力電圧Vinが正常な値を示さなくなった場合でもその磁気検出部204が磁気マーカ16の位置検出のために用いられないことで、磁気マーカ16の位置の検出精度の低下を抑制することが可能となっている。
【0114】
尚、上記の第4実施例においては、ECU200が、上記ステップ252,254の処理を実行した後にステップ256の処理を実行することにより請求項1及び4に記載した「磁気検出部検出手段」が実現されている。
【0115】
次に、上記図8と共に、図13及び図14を参照して、本発明の第5実施例について説明する。
【0116】
本実施例のシステムは、上記図8に示す構成において、ECU200に図14に示すルーチンを実行させることにより実現される。
【0117】
上述した第1乃至第4実施例では、所定の条件を満たす2つの磁気検出部204を特定し、それらの位置の中央を磁気マーカ16の通過位置として設定する。この場合、磁気マーカ16の通過位置として検出される位置は、磁気検出部204の位置、あるいは、2つの磁気検出部204間の中間位置に限定される。従って、磁気マーカ16の通過位置を正確に検出するうえでは、上記の手法は適切でない。一方、磁気マーカ16の通過位置を正確に検出する手法としては、磁気センサアレイ202を構成する磁気検出部204の数を増やすことが考えられるが、これではコストの増大等を招いてしまう。
【0118】
本実施例のシステムは、磁気検出部204の数を増やすことなく、磁気マーカ16の通過位置として検出される位置を磁気検出部204の位置及び2つの磁気検出部204間の中間位置に限定せず、磁気マーカ16の通過位置を正確に検出する点に特徴を有している。
【0119】
図13は、本実施例における磁気マーカ16の通過位置の設定手法を説明するための図を示す。尚、図13(A)は、車両12が磁気マーカ16を通過した時点における磁気マーカ16と磁気センサアレイ202との位置関係を車両上方から見た際の図を示しており、図13(B)は、図13(A)に示す状況下での各磁気検出部204の出力電圧Vinを示している。尚、図13(A)には、出力電圧Vinがしきい値Vref以上となっている磁気検出部204が黒丸で、また、出力電圧Vinがしきい値Vref以上となっていない磁気検出部204が白丸で、それぞれ示されている。
【0120】
例えば、図13に示す如く、磁気マーカ16が車両12に対して磁気検出部20411近傍に位置した際に、出力電圧Vinがしきい値Vref以上となる磁気検出部204が磁気検出部2047〜20415であったものとすると、上述した第1乃至第4実施例の如き手法では、磁気マーカ16の通過位置として検出される位置は、磁気検出部2047と20415との中央である磁気検出部20411の位置となってしまう(図13に破線で示す)。
【0121】
これに対して、本実施例においては、互いに隣接する2つの磁気検出部204間の磁界強度を、両磁気検出部204の出力信号に基づいて検出される磁界強度に基づいて補間することとしている。具体的には、図13に示す状況下では、出力電圧Vinがしきい値Vref以上となる磁気検出部204のうち車幅方向の両端に位置する2つの磁気検出部2047,20415についてそれぞれ、出力電圧Vinがしきい値Vref以上となっていない隣接する磁気検出部2046,20416との間における磁界強度を直線補間する。そして、その補間後の磁界強度を用いて、車幅方向の両端で出力電圧Vinのしきい値Vrefに相当する所定の磁界強度が実現される位置を特定し、両位置の中央を磁気マーカ16の通過位置として設定する(図13に一点鎖線で示す)。
【0122】
このように2つの磁気検出部204間の磁界強度を補間する手法によれば、互いに隣接する磁気検出部204間で磁界強度が連続的に現れることとなる。この場合、磁気検出部204の数が増えたのと等価の現象が現れるので、磁気検出部204の数を増やすことなく、磁気マーカ16の通過位置の検出精度が向上することとなる。以下、本実施例の特徴部について説明する。
【0123】
図14は、磁気マーカ16の車両12に対する通過位置を検出すべく、本実施例においてECU200が実行する制御ルーチンの一例のフローチャートを示す。図14に示すルーチンは、その処理が終了する毎に繰り返し起動されるルーチンである。図14に示すルーチンが起動されると、まずステップ280の処理が実行される。
【0124】
ステップ280では、上記ステップ220,250と同様に、車両12が磁気マーカ16を通過したか否かが判別される。本ステップ280の処理は、車両12が磁気マーカ16を通過したと判別されるまで繰り返し起動される。その結果、車両12が磁気マーカ16を通過したと判別された場合は、次にステップ282の処理が実行される。
【0125】
ステップ282では、各磁気検出部204の出力信号に基づいて検出された各磁気検出部204での磁界強度を直線的に結ぶことにより、互いに隣接する2つの磁気検出部204間の磁界強度を直線補間する処理が実行される。
【0126】
ステップ284では、上記ステップ282で直線補間された磁界強度と車幅方向の位置との関係に基づいて、出力電圧Vinのしきい値Vrefに相当する所定の磁界強度が実現される位置を特定する処理が実行される。
【0127】
図15は、直線補間された磁界強度Hと車幅方向の位置との関係の一例を表した図を示す。尚、図15において、出力電圧Vinがしきい値Vref以上となる磁気検出部204の位置をAnと、その磁気検出部204に隣接する出力電圧Vinがしきい値Vref以上とならない磁気検出部204の位置をAn-1とし、また、出力電圧Vinのしきい値Vrefに相当する所定の磁界強度H0が実現される位置をA´としている。上記ステップ284においては、図15に示す如き関係を参照することにより、所定の磁界強度H0が実現される位置A´が特定される。
【0128】
ステップ286では、上記ステップ284で特定された車幅方向の両端で所定の磁界強度H0が実現される2つの位置A´の中央を、磁気マーカ16の車両12に対する通過位置として設定する処理が実行される。本ステップ286の処理が終了すると、今回のルーチンが終了される。
【0129】
上記の処理によれば、磁気検出部204間の磁界強度を補間することにより所定の磁界強度が実現される位置が正確に特定されるので、磁気検出部204を増やすのと同等の効果を得ることができ、磁気マーカ16の車両12に対する通過位置を正確に検出することができる。従って、本実施例の磁気マーカ検出装置16によれば、磁気センサアレイ202を構成する磁気検出部204の数を増やすことなく、磁気マーカ16の位置の検出精度の向上を図ることが可能となっている。
【0130】
すなわち、本実施例の手法によれば、磁気センサアレイ202を構成する磁気検出部204の数を減らした場合でも、磁気マーカ16の位置の検出精度がある程度確保される。このため、磁気マーカ検出装置として、磁気マーカ16の位置の検出精度をある程度確保しつつ、コスト低減を図ることが可能となっている。
【0131】
尚、上記の第5実施例においては、上記ステップ282の処理を実行することにより請求項7に記載した「磁界強度補間手段」及び請求項9に記載した「磁界強度補間工程」が、上記ステップ284の処理を実行することにより請求項7に記載した「所定磁界強度位置検出手段」及び請求項9に記載した「所定磁界強度位置検出工程」が、上記ステップ286の処理を実行することにより請求項7に記載した「磁気マーカ位置設定手段」及び請求項9に記載した「磁気マーカ位置設定工程」が、それぞれ実現されている。
【0132】
ところで、上記の第5実施例においては、互いに隣接する磁気検出部204間の磁界強度の補間を直線的に行っているが、その補間を曲線的に行うこととしてもよい。
【0133】
また、上記の第5実施例においては、各磁気検出部204が磁気マーカ16の発する磁界のうち垂直磁界成分に応じた信号を出力し、ECU200がそれらの各磁気検出部204の出力信号に基づいて磁気マーカ16の車両に対する通過位置を検出する構成において実現するものとしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、各磁気検出部204が磁気マーカ16の発する磁界のうち水平磁界成分に応じた信号を出力し、ECU200がそれらの各磁気検出部204の出力信号に基づいて磁気マーカ16の車両に対する通過位置を検出する構成に適用することも可能である。
【発明の効果】
上述の如く、請求項1、2、5、及び8記載の発明によれば、簡素な構成で、磁気を発する磁気マーカの位置を速やかに検出することができる。
【0134】
請求項3及び6記載の発明によれば、ノイズ等に起因して出力信号が所定しきい値以上の垂直磁界成分を表す磁気検出部を磁気マーカの検出のために用いるのを回避することで、磁気マーカの位置の検出精度の低下を抑制することができる。
【0135】
請求項4記載の発明によれば、磁気マーカの位置の検出精度の低下を抑制することができる。
【0136】
また、請求項7及び9記載の発明によれば、磁気マーカの数を増やすことなく、磁気マーカの位置の検出精度の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例である磁気マーカ検出装置を搭載する車両を模式的に表した図である。
【図2】本実施例の磁気マーカ検出装置の内部に形成される回路図である。
【図3】本実施例の第1境界検出回路の内部に形成される回路図である。
【図4】本実施例の第1境界検出回路の真理値表を示す図である。
【図5】本実施例の磁気マーカ検出装置の動作を説明するための図である。
【図6】本発明の第2実施例である磁気マーカ検出装置の内部に形成される回路図である。
【図7】本実施例の磁気マーカ検出装置の動作を説明するための図である。
【図8】本発明の第3実施例である磁気マーカ検出装置の構成図である。
【図9】ノイズ等に起因して出力電圧Vinがしきい値Vref以上となる磁気検出部が現れた状況を表した図である。
【図10】本実施例において、磁気マーカの車両に対する通過位置を検出すべく実行される制御ルーチンの一例のフローチャートである。
【図11】磁気マーカが車両に対して磁気センサアレイの端部近傍に位置した状況を表した図である。
【図12】本発明の第4実施例である磁気マーカ検出装置において、磁気マーカの車両に対する通過位置を検出すべく実行される制御ルーチンの一例のフローチャートである。
【図13】本発明の第5実施例である磁気マーカ検出装置における磁気マーカの位置の設定手法を説明するための図である。
【図14】本実施例において、磁気マーカの車両に対する通過位置を検出すべく実行される制御ルーチンの一例のフローチャートである。
【図15】本実施例における直線補間された磁界強度Hと車幅方向の位置との関係の一例を表した図である。
【符号の説明】
10 磁気マーカ検出装置
12 車両
16 磁気マーカ
18,102,204 磁気検出部
20,100,202 磁気センサアレイ
22,104,106 コンパレータ
26,112 第1境界検出回路
28,114 第2境界検出回路
30〜36 プライオリティ・エンコーダ(エンコーダ)
50,52 D/Aコンバータ
82 加算回路
200 電子制御ユニット(ECU)

Claims (9)

  1. 移動体の所定方向に並んで配列され、路上に敷設された磁気マーカの発する磁界の強度に応じた信号をそれぞれ出力する複数の磁気検出部を備え、各磁気検出部の出力信号に基づいて該移動体に対する前記磁気マーカの位置を検出する磁気マーカ検出装置であって、
    出力信号が所定の磁界強度条件を満たしかつ少なくとも隣接する一方の前記磁気検出部の出力信号も前記所定の磁界強度条件を満たす前記磁気検出部のうち所定の位置的要件を満たす2つの前記磁気検出部を検出する磁気検出部検出手段と、
    前記磁気検出部検出手段により検出された2つの前記磁気検出部の位置の中央を前記磁気マーカの位置として設定する磁気マーカ位置設定手段と、
    を備えることを特徴とする磁気マーカ検出装置。
  2. 請求項1記載の磁気マーカ検出装置において、
    前記磁気検出部の出力信号が所定しきい値以上の垂直磁界成分を表すか否かを判別する出力信号判別手段を備え、
    前記磁気検出部検出手段は、前記出力信号判別手段により出力信号が前記所定しきい値以上の垂直磁界成分を表すと判別された前記磁気検出部のうち、前記所定方向の両端に位置する2つの前記磁気検出部を検出することを特徴とする磁気マーカ検出装置。
  3. 請求項1記載の磁気マーカ検出装置において、
    前記磁気検出部検出手段は、自己の出力信号及び隣接する一の前記磁気検出部の出力信号が共に所定しきい値以上の垂直磁界成分を表す前記磁気検出部のうち、前記所定方向の両端に位置する2つの前記磁気検出部を検出することを特徴とする磁気マーカ検出装置。
  4. 請求項1記載の磁気マーカ検出装置において、
    前記磁気検出部検出手段は、出力信号が所定しきい値以上の垂直磁界成分を表し、かつ、隣接する一の前記磁気検出部との出力信号の差が所定値未満となる前記磁気検出部のうち、前記所定方向の両端に位置する2つの前記磁気検出部を検出することを特徴とする磁気マーカ検出装置。
  5. 請求項1記載の磁気マーカ検出装置において、
    前記磁気検出部の出力信号が一方向への所定しきい値以上の水平磁界成分を表すか否かを判別する第1の出力信号判別手段と、
    前記磁気検出部の出力信号が前記一方向とは反対方向への前記所定しきい値以上の水平磁界成分を表すか否かを判別する第2の出力信号判別手段と、を備え、
    前記磁気検出部検出手段は、前記第1の出力信号判別手段により出力信号が前記一方向への前記しきい値以上の水平磁界成分を表すと判別された前記磁気検出部のうち、前記所定方向の一端に位置する前記磁気検出部を検出する第1の検出手段と、
    前記第2の出力信号判別手段により出力信号が前記一方向とは反対方向への前記所定しきい値以上の水平磁界成分を表すと判別された前記磁気検出部のうち、前記所定方向の他端に位置する前記磁気検出部を検出する第2の検出手段と、
    を備えることを特徴とする磁気マーカ検出装置。
  6. 請求項1記載の磁気マーカ検出装置において、
    前記磁気検出部検出手段は、自己の出力信号及び隣接する一の前記磁気検出部の出力信号が共に一方向への所定しきい値以上の水平磁界成分を表す前記磁気検出部のうち、前記所定方向の一端に位置する前記磁気検出部を検出する第1の検出手段と、
    自己の出力信号及び隣接する一の前記磁気検出部の出力信号が共に前記一方向とは反対方向への前記所定しきい値以上の水平磁界成分を表す前記磁気検出部のうち、前記所定方向の他端に位置する前記磁気検出部を検出する第2の検出手段と、
    を備えることを特徴とする磁気マーカ検出装置。
  7. 移動体の所定方向に並んで配列され、路上に敷設された磁気マーカの発する磁界の強度に応じた信号をそれぞれ出力する複数の磁気検出部を備え、各磁気検出部の出力信号に基づいて該移動体に対する前記磁気マーカの位置を検出する磁気マーカ検出装置であって、
    互いに隣接する前記磁気検出部間の磁界強度を、両磁気検出部の出力信号に基づいて検出される磁界強度に基づいて直線的又は曲線的に補間する磁界強度補間手段と、
    各磁気検出部の出力信号が表す磁界強度及び前記磁界強度補間手段により補間された磁界強度に基づいて、複数の前記磁気検出部を結ぶ線分上において磁界強度が所定の磁界強度となる2つの位置を検出する所定磁界強度位置検出手段と、
    前記所定磁界強度位置検出手段により検出された2つの位置の中央を前記磁気マーカの位置として設定する磁気マーカ位置設定手段と、
    を備えることを特徴とする磁気マーカ検出装置。
  8. 移動体の所定方向に並んで配列され、路上に敷設された磁気マーカの発する磁界の強度に応じた信号をそれぞれ出力する複数の磁気検出部の出力信号に基づいて、該移動体に対する前記磁気マーカの位置を検出する磁気マーカ検出方法であって、
    出力信号が所定の磁界強度条件を満たしかつ少なくとも隣接する一方の前記磁気検出部の出力信号も前記所定の磁界強度条件を満たす前記磁気検出部のうち所定の位置的要件を満たす2つの前記磁気検出部を検出する磁気検出部検出工程と、
    前記磁気検出部検出工程により検出された2つの前記磁気検出部の位置の中央を前記磁気マーカの位置として設定する磁気マーカ位置設定工程と、
    を備えることを特徴とする磁気マーカ検出方法。
  9. 移動体の所定方向に並んで配列され、路上に敷設された磁気マーカの発する磁界の強度に応じた信号をそれぞれ出力する複数の磁気検出部の出力信号に基づいて、該移動体に対する前記磁気マーカの位置を検出する磁気マーカ検出方法であって、
    互いに隣接する前記磁気検出部間の磁界強度を、両磁気検出部の出力信号に基づいて検出される磁界強度に基づいて直線的又は曲線的に補間する磁界強度補間工程と、
    各磁気検出部の出力信号が表す磁界強度及び前記磁界強度補間手段により補間された磁界強度に基づいて、複数の前記磁気検出部を結ぶ線分上において磁界強度が所定の磁界強度となる2つの位置を検出する所定磁界強度位置検出工程と、
    前記所定磁界強度位置検出工程により検出された2つの位置の中央を前記磁気マーカの位置として設定する磁気マーカ位置設定工程と、
    を備えることを特徴とする磁気マーカ検出方法。
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