JP6884283B2 - 工具経路修正装置、工具経路修正方法および数値制御装置 - Google Patents

工具経路修正装置、工具経路修正方法および数値制御装置 Download PDF

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Description

本発明は、工具を用いた加工のための工具経路データを修正する工具経路修正装置、工具経路修正方法および数値制御装置に関する。
5軸制御工作機械は、3軸のそれぞれの並進運動を可能にする動作機構と、2軸のそれぞれについて軸を中心とする回転を可能にする動作機構とによる5軸制御加工を可能とする工作機械である。5軸制御加工は、自由曲面の加工、あるいはインペラーのように3軸制御加工では加工が困難な形状の加工に使用される。数値制御(Numerical Control:NC)装置は、コンピュータ支援設計(Computer Aided Design:CAD)およびコンピュータ支援製造(Computer Aided Manufacturing:CAM)装置を用いた設計作業によって作成された工具経路データにしたがって、5軸制御工作機械を制御する。5軸制御加工のための工具経路データには、加工対象物に対する工具の姿勢である工具姿勢の指令が含まれる。
特許文献1には、工具姿勢の断続的な変化あるいは不連続な変化量での変化が工具経路データに含まれる場合における加工品質の低下を抑制するために、回転軸の角度変化量を平滑化することによって工具の先端位置を滑らかに動作させることを可能としたNC装置が開示されている。
特許第4467625号公報
しかしながら、特許文献1の従来技術では、ボールエンドミルが用いられる場合には工具の先端を加工対象物へ接触可能である一方、ラジアスエンドミルまたはフラットエンドミルといった工具が用いられる場合には工具の先端が加工対象物から離れるか加工対象物へ食い込むことがある。ボールエンドミルは、先端が球をなす工具である。ラジアスエンドミルおよびフラットエンドミルは、先端が球以外の形状をなす工具である。そのため、特許文献1の従来技術では、工具の先端が加工対象物から離れることによる切削残しあるいは工具の先端が加工対象物へ食い込むことによる切削過剰が生じて加工品質が低下する場合があるという問題があった。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、加工品質の低下を抑制可能とする工具経路修正装置を得ることを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明にかかる工具経路修正装置は、工具を用いて加工される加工対象物に対する工具の移動経路を表す工具経路データを修正する。工具経路データは、工具中心の位置を表すとともに当該位置における工具姿勢に対応付けられた指令点を含むデータである。本発明にかかる工具経路修正装置は、移動経路において隣り合う指令点における工具中心の移動量と工具姿勢の変化量とに基づいて修正の対象と判定された指令点を工具経路データから抽出する修正対象抽出部と、加工対象物への加工における目標とする加工形状を表す加工形状データを参照して、修正対象抽出部によって抽出された指令点を含めて画定された範囲内の各指令点における工具中心の位置と工具姿勢とを修正する工具経路データ修正部と、を備える。工具経路データ修正部は、加工形状データによって表される加工曲面と工具の形状を表す工具データによって表される工具の輪郭との接触点を指令点ごとに求めて、工具姿勢の修正によって生じる接触点からの工具の輪郭のずれを算出した結果を基に工具中心の位置を修正する。
本発明によれば、工具経路修正装置は、加工品質の低下の抑制が可能となるという効果を奏する。
本発明の実施の形態1にかかる工具経路修正装置の機能構成を示すブロック図 実施の形態1にかかる工具経路修正装置のハードウェア構成を示すブロック図 図1に示す工具経路修正装置による動作の手順を示すフローチャート 図1に示す工具経路修正装置へ入力される工具データについて説明する図 図1に示す工具経路修正装置へ入力される工具経路データについて説明する図 図1に示す工具経路修正装置へ入力される加工形状データについて説明する図 図1に示す工具経路修正装置が有する修正対象抽出部による動作の手順を示すフローチャート 図1に示す工具経路修正装置が有する修正対象抽出部による動作について説明する図 図1に示す工具経路修正装置が有する修正範囲画定部による動作について説明する図 図1に示す工具経路修正装置によって工具経路データを修正するための動作の手順を示すフローチャート 図1に示す工具経路修正装置が有する工具経路データ修正部が、第1の手法によって工具軸ベクトルを修正する場合における動作の手順を示すフローチャート 図11に示す手順による工具軸ベクトルの修正について説明する図 図1に示す工具経路修正装置が有する工具経路データ修正部が、第2の手法によって工具軸ベクトルを修正する場合における動作の手順を示すフローチャート 図13に示す手順による工具軸ベクトルの修正について説明する第1の図 図13に示す手順による工具軸ベクトルの修正について説明する第2の図 図10に示す手順のうちステップS24からステップS26までの手順における加工曲面と工具との位置関係の例を示す図 図10に示す手順のうちステップS27の手順における加工曲面と工具との位置関係の例を示す図 図10に示す手順のうちステップS28の手順における加工曲面と工具との位置関係の例を示す図 本発明の実施の形態2にかかるNC装置の機能構成を示すブロック図 図19に示すNC装置による動作の手順を示すフローチャート
以下に、本発明の実施の形態にかかる工具経路修正装置、工具経路修正方法および数値制御装置を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1にかかる工具経路修正装置100の機能構成を示すブロック図である。工具経路修正装置100は、工具を用いた加工のための工具経路データを修正する。実施の形態1において、工具経路データは、切削工具を用いた切削加工のための工具経路データとする。
工具経路修正装置100は、工具経路修正装置100の外部から工具経路データを入力するための機能部である工具経路データ入力部10と、工具経路データ入力部10へ入力された工具経路データを記憶する機能部である工具経路データ記憶部11とを有する。工具経路データは、工具を用いて加工される加工対象物に対する工具の移動経路を表すデータである。工具経路データは、工具中心の位置を表すとともに当該位置における工具姿勢に対応付けられた指令点を含むデータである。工具中心と工具姿勢とについては後述する。
工具経路修正装置100は、工具経路修正装置100の外部から加工形状データを入力するための機能部である加工形状データ入力部12と、加工形状データ入力部12へ入力された加工形状データを記憶する機能部である加工形状データ記憶部13とを有する。加工形状データは、加工対象物への加工における目標とする加工形状を表すデータである。加工形状データの一例は、CADデータである。
工具経路修正装置100は、工具経路修正装置100の外部から工具データを入力するための機能部である工具データ入力部14と、工具データ入力部14へ入力された工具データを記憶する機能部である工具データ記憶部15とを有する。工具データは、加工対象物の加工に用いられる工具を定義する情報である。工具データは、工具の種別を表す情報と、工具半径、工具刃先半径および工具長といった工具の形状を表す情報とから構成される。
工具経路修正装置100は、工具経路修正装置100の外部からコンフィギュレーションデータを入力するための機能部である設定入力部16と、設定入力部16へ入力されたコンフィギュレーションデータを記憶する機能部である設定記憶部17とを有する。コンフィギュレーションデータは、工具経路修正装置100の処理についての各種設定データである。コンフィギュレーションデータは、後述する修正対象抽出部18による判定における設定を表すデータと、後述する修正範囲画定部19による範囲の画定における設定を表すデータとを含む。設定入力部16へのコンフィギュレーションデータの入力が可能である設定項目は、工具経路修正装置100のユーザによる設定内容の指定と変更とが可能とされている項目である。
工具経路修正装置100は、移動経路において隣り合う指令点における工具中心の移動量と工具姿勢の変化量とに基づいて修正の対象と判定された指令点を工具経路データから抽出する修正対象抽出部18と、修正対象抽出部18によって抽出された指令点が含まれる指令点の範囲を画定する修正範囲画定部19とを有する。工具経路修正装置100は、修正対象抽出部18によって抽出された指令点の情報と、修正範囲画定部19によって画定された範囲の情報とを記憶する機能部である修正対象範囲記憶部20を有する。
修正対象抽出部18は、工具経路データ記憶部11から工具経路データを読み出し、設定記憶部17からコンフィギュレーションデータを読み出す。修正対象抽出部18は、抽出された指令点の情報を修正範囲画定部19へ出力する。修正範囲画定部19は、工具経路データ記憶部11から工具経路データを読み出し、設定記憶部17からコンフィギュレーションデータを読み出す。
工具経路修正装置100は、加工形状データを参照して、工具経路データのうち修正範囲画定部19によって画定された範囲内の各指令点における工具中心の位置と工具姿勢とを修正する工具経路データ修正部21と、工具経路データ修正部21によって修正された工具経路データを記憶する機能部である修正工具経路データ記憶部22とを有する。
工具経路データ修正部21は、加工形状データ記憶部13から加工形状データを読み出し、工具データ記憶部15から工具データを読み出す。また、工具経路データ修正部21は、修正対象抽出部18によって抽出された指令点の情報と修正範囲画定部19によって画定された範囲の情報とを、修正対象範囲記憶部20から読み出す。また、工具経路データ修正部21は、工具経路データ記憶部11から工具経路データを読み出して、読み出された工具経路データを修正する。
ここで、工具経路修正装置100のハードウェア構成について説明する。図1に示す工具経路修正装置100の各機能部は、実施の形態1の工具経路修正方法を実行するためのプログラムである工具経路修正プログラムがハードウェアで実行されることによって実現される。
図2は、実施の形態1にかかる工具経路修正装置100のハードウェア構成を示すブロック図である。工具経路修正装置100は、各種処理を実行するCPU(Central Processing Unit)31と、データ格納領域を含むRAM(Random Access Memory)32と、不揮発性メモリであるROM(Read Only Memory)33と、外部記憶装置34と、工具経路修正装置100への情報の入力および工具経路修正装置100からの情報の出力のための入出力インタフェース35とを有する。図2に示す工具経路修正装置100の各部は、バス36を介して相互に接続されている。
CPU31は、ROM33および外部記憶装置34に記憶されているプログラムを実行する。図1に示す修正対象抽出部18、修正範囲画定部19および工具経路データ修正部21の機能は、CPU31を使用して実現される。外部記憶装置34は、HDD(Hard Disk Drive)あるいはSSD(Solid State Drive)である。外部記憶装置34は、工具経路修正プログラムと各種データとを記憶する。図1に示す工具経路データ記憶部11、加工形状データ記憶部13、工具データ記憶部15、設定記憶部17、修正対象範囲記憶部20および修正工具経路データ記憶部22の機能は、外部記憶装置34を使用して実現される。ROM33には、工具経路修正装置100であるコンピュータまたはコントローラの基本となる制御のためのプログラムであるBIOS(Basic Input/Output System)あるいはUEFI(Unified Extensible Firmware Interface)といったブートローダであって、ハードウェアを制御するソフトウェアまたはプログラムが記憶されている。なお、工具経路修正プログラムは、ROM33に記憶されても良い。
ROM33および外部記憶装置34に記憶されているプログラムは、RAM32にロードされる。CPU31は、RAM32に工具経路修正プログラムを展開して各種処理を実行する。入出力インタフェース35は、工具経路修正装置100の外部の装置との接続インタフェースである。図1に示す工具経路データ入力部10、加工形状データ入力部12、工具データ入力部14および設定入力部16の機能は、入出力インタフェース35を使用して実現される。工具経路修正装置100は、キーボードおよびポインティングデバイスといった入力デバイス、およびディスプレイといった出力デバイスを有しても良い。
工具経路修正プログラムは、コンピュータによる読み取りが可能とされた記憶媒体に記憶されたものであっても良い。工具経路修正装置100は、記憶媒体に記憶された工具経路修正プログラムを外部記憶装置34へ格納しても良い。記憶媒体は、フレキシブルディスクである可搬型記憶媒体、あるいは半導体メモリであるフラッシュメモリであっても良い。工具経路修正プログラムは、他のコンピュータあるいはサーバ装置から通信ネットワークを介して、工具経路修正装置100となるコンピュータへインストールされても良い。
工具経路修正装置100の機能は、工具経路の修正のための専用のハードウェアである処理回路によって実現されても良い。処理回路は、単一回路、複合回路、プログラム化されたプロセッサ、並列プログラム化したプロセッサ、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、又はこれらの組み合わせである。工具経路修正装置100の機能は、一部を専用のハードウェアで実現し、他の一部をソフトウェアまたはファームウェアで実現するようにしても良い。
次に、工具経路修正装置100による動作について説明する。図3は、図1に示す工具経路修正装置100による動作の手順を示すフローチャートである。ステップS1は、工具経路修正装置100が、工具経路データと、加工形状データと、工具データと、コンフィギュレーションデータとを取り込む工程である。
ステップS1において、図1に示す工具経路データ入力部10は、工具経路修正装置100の外部からの工具経路データを取り込む。図1に示す加工形状データ入力部12は、工具経路修正装置100の外部からの加工形状データを取り込む。図1に示す工具データ入力部14は、工具経路修正装置100の外部からの工具データを取り込む。図1に示す設定入力部16は、工具経路修正装置100の外部からのコンフィギュレーションデータを取り込む。各データは、工具経路修正装置100に接続された外部装置から各入力部へ入力される。各データは、ユーザによる手動入力によって入力されても良い。工具経路修正装置100は、NCプログラムのデータ変換によって工具経路データを取得しても良い。
図1に示す工具経路データ記憶部11は、ステップS1にて工具経路データ入力部10へ入力された工具経路データを記憶する。図1に示す加工形状データ記憶部13は、ステップS1にて加工形状データ入力部12へ入力された加工形状データを記憶する。図1に示す工具データ記憶部15は、ステップS1にて工具データ入力部14へ入力された工具データを記憶する。図1に示す設定記憶部17は、ステップS1にて設定入力部16へ入力されたコンフィギュレーションデータを記憶する。
ステップS2は、修正対象抽出部18が、修正の対象と判定された指令点を工具経路データから抽出する工程である。ステップS2において、修正対象抽出部18は、工具経路データ記憶部11に記憶されている工具経路データを読み出す。修正対象抽出部18は、読み出された工具経路データに記述された各指令点について修正の対象であるか否かを判定して、修正の対象と判定された指令点を抽出する。修正対象範囲記憶部20は、ステップS2にて抽出された指令点を記憶する。修正対象抽出部18は、抽出された指令点の情報を修正範囲画定部19へ出力する。
ステップS3は、修正範囲画定部19が、修正の対象とする複数の指令点の範囲を画定する工程である。ステップS3において、修正範囲画定部19は、工具経路データ記憶部11に記憶されている工具経路データを読み出す。修正範囲画定部19は、読み出された工具経路データのうち、修正対象抽出部18から出力された指令点の情報を基に、修正対象抽出部18によって抽出された指令点を含む複数の指令点の範囲を画定する。これにより、修正範囲画定部19は、修正の対象とする複数の指令点の範囲を画定する。修正対象範囲記憶部20は、ステップS3にて画定された修正の対象とする範囲である修正対象範囲を記憶する。
ステップS4は、工具経路データ修正部21が、工具中心の位置と工具姿勢とを修正する工程である。ステップS4において、工具経路データ修正部21は、加工形状データ記憶部13に記憶されている加工形状データと工具データ記憶部15に記憶されている工具データと修正対象範囲記憶部20に記憶されている修正対象情報とを読み出す。工具経路データ修正部21は、読み出された加工形状データと工具データとを参照して、工具経路データのうちステップS3にて画定された修正対象範囲内の指令点の工具中心の位置と工具姿勢とを修正する。修正工具経路データ記憶部22は、ステップS4での修正を経た工具経路データを記憶する。これにより、工具経路修正装置100は、図3に示す手順による動作を終了する。なお、ステップS2からステップS4の詳細については後述する。
次に、工具データ、工具経路データおよび加工形状データについて説明する。図4は、図1に示す工具経路修正装置100へ入力される工具データについて説明する図である。図4には、工具データによって表現される工具TLの形状の例を示している。ここでは、工具TLは、ラジアスエンドミルであるものとする。工具TLのうち加工対象物へ向けられる側の端部を先端部、先端部とは逆側の端部であって工作機械に取り付けられる側の端部を根元部と称することがある。
工具TLは、円柱の底部における縁に丸みが施された形状をなす。工具刃先半径R2は、かかる丸みの半径である。工具半径R1は、円柱の半径である。工具TLの先端部には、円形をなす底TBを有する。工具半径R1の値と工具刃先半径R2の値とは、工具データのうち工具TLの形状を表す情報に含まれる。工具中心軸TXは、円柱の中心軸であって、加工時における工具TLの旋回中心となる軸である。底TBの中心と工具中心CLとは、工具中心軸TX上にある。工具中心CLは、工具刃先半径R2に相当する長さの分、底TBよりも根元部の側の位置とする。工具軸ベクトルTVは、工具中心軸TXに平行かつ工具中心CLから根元部の側へ向かう向きのベクトルである。工具姿勢は、工具軸ベクトルTVによって表される。
図5は、図1に示す工具経路修正装置100へ入力される工具経路データについて説明する図である。X軸とY軸とZ軸とは、工具経路データの座標系を表す3軸とする。工具経路データによって表される工具の位置は、工具を用いて加工対象物を加工するときにおける位置であって、加工対象物に対する工具の相対的な位置を表す。工具中心CLの位置と工具軸ベクトルTVの方向とは、X,YおよびZの座標によって表される。図5には、X軸とZ軸とに平行な平面に投影された工具中心CLと工具軸ベクトルTVとを表している。
指令点CPは、工具中心CLの位置を表すとともに当該位置における工具軸ベクトルTVに対応付けられた指令を表す。工具経路データは、工具の移動経路TPを表すデータであって、複数の指令点CPが連ねられることによって構成されている。指令点CPのうち工具中心CLの位置を表す座標は、工具経路データの座標系によって表される仮想的な空間において工具を移動させた場合における移動経路TP上の位置を表す。以下の説明にて、指令点CPとは、工具経路データにしたがって工具を移動させた場合における工具中心CLの位置のことを指す場合があるものとする。図5には、工具経路データにおいて連ねられた複数の指令点CPを表している。
図6は、図1に示す工具経路修正装置100へ入力される加工形状データについて説明する図である。図6には、加工形状データによって表現される加工形状CTの例を示している。図6に例示する加工形状CTには、自由曲面である加工曲面CSが含まれている。加工曲面CSを加工するための工具経路データは、図4に示す工具TLの先端部を加工曲面CSに接触させて工具TLを仮想的に移動させた経路を直線または曲線である微分線分に近似することによって作成される。工具経路データ修正部21は、加工形状データの座標系と、工具経路データの座標系とを一致させる。
図7は、図1に示す工具経路修正装置100が有する修正対象抽出部18による動作の手順を示すフローチャートである。図7には、修正対象抽出部18が、修正の対象と判定された指令点を抽出するための動作の手順を示している。図7に示す手順は、図3に示すステップS2における手順の詳細を表したものである。
ステップS11において、修正対象抽出部18は、工具経路データ記憶部11に記憶されている工具経路データを読み出す。ステップS12において、修正対象抽出部18は、ステップS11にて読み出された工具経路データのうち移動経路TPにおいて隣り合う2個の指令点CPにおける工具中心CLの位置の移動量を算出する。
図8は、図1に示す工具経路修正装置100が有する修正対象抽出部18による動作について説明する図である。図8には、工具経路データにおいて連ねられた10個の指令点CPを表している。指令点CP5は、図8に示す10個の指令点CPのうち5番目の指令点CPである。指令点CP6は、図8に示す10個の指令点CPのうち6番目の指令点CPである。指令点CP5と指令点CP6とは、移動経路TPにおいて隣り合う2個の指令点である。
例を挙げると、修正対象抽出部18は、指令点CP5と指令点CP6とについて、指令点CP5と指令点CP6との間の移動経路TPにおける工具中心CLの移動量D5を算出する。移動量D5は、指令点CP5によって表される工具中心CL5の座標と指令点CP6によって表される工具中心CL6の座標との間の距離である。
ステップS13において、修正対象抽出部18は、ステップS11にて読み出された工具経路データのうち移動経路TPにおいて隣り合う2個の指令点CPにおける工具軸ベクトルTVの角度変化量を算出する。工具軸ベクトルTVの角度変化量は、工具姿勢の変化量である。
例を挙げると、修正対象抽出部18は、指令点CP5と指令点CP6とについて、指令点CP5における工具軸ベクトルTV5の向きから指令点CP6における工具軸ベクトルTV6の向きまでの角度変化量AC5を算出する。
ステップS14は、2個の指令点CPが修正の対象であるか否かを修正対象抽出部18が判定する工程である。ステップS14において、修正対象抽出部18は、2個の指令点について、工具中心CLの移動量に対する角度変化量の割合を算出し、算出された割合が閾値以上であるか否かを判定する。算出された割合が閾値以上である場合、修正対象抽出部18は、2個の指令点を修正の対象であると判定する。算出された割合が閾値未満である場合、修正対象抽出部18は、2個の指令点を修正の対象ではないと判定する。
例を挙げると、修正対象抽出部18は、指令点CP5と指令点CP6とについて、移動量D5に対する角度変化量AC5の割合AC5/D5を算出する。修正対象抽出部18は、算出された割合AC5/D5が閾値以上である場合、移動経路TPのうち指令点CP5と指令点CP6との組み合わせである箇所EP5を修正の対象と判定する。修正対象抽出部18は、算出された割合AC5/D5が閾値未満である場合、箇所EP5を修正の対象ではないと判定する。
割合が閾値以上であって(ステップS14,Yes)2個の指令点が修正の対象であると判定された場合、修正対象抽出部18は、ステップS15において、当該2個の指令点を工具経路データから抽出する。修正対象範囲記憶部20は、ステップS15にて抽出された指令点を記憶する。修正対象抽出部18は、抽出された指令点の情報を修正範囲画定部19へ出力する。2個の指令点の抽出の後、修正対象抽出部18は、動作の手順をステップS16へ進める。一方、割合が閾値未満であって(ステップS14,No)2個の指令点が修正の対象ではないと判定された場合も、修正対象抽出部18は、動作の手順をステップS16へ進める。
ステップS16において、修正対象抽出部18は、工具経路データにおいて隣り合う2個の指令点の組み合わせの全てについて修正の対象であるか否かの判定が完了したか否かを判断する。判定が完了していない場合(ステップS16,No)、修正対象抽出部18は、次の2個の指令点の組み合わせについて、ステップS12からステップS16の手順による動作を行う。判定が完了した場合(ステップS16,Yes)、修正対象抽出部18は、指令点を抽出するための動作を終了する。
設定記憶部17に記憶されているコンフィギュレーションデータのうち、修正対象抽出部18による判定における設定を表すデータには、当該閾値が含まれている。修正対象抽出部18は、コンフィギュレーションデータから閾値を取得して、ステップS14における判定を行う。閾値がコンフィギュレーションデータに含められることで、ユーザによって閾値を任意に設定することができる。これにより、工具経路修正装置100は、工具経路データの修正にユーザの要求を反映させることができる。
ステップS14における判定に使用される閾値は、コンフィギュレーションデータにより設定されるものに限られない。閾値は、修正対象抽出部18での計算によって決定されたものであっても良い。修正対象抽出部18は、角度変化量のデータを基に角度変化量の平均値を求めて、当該平均値を中心に持つ標準偏差を2倍して得られた値を閾値としても良い。修正対象抽出部18は、角度変化量のデータを基に角度変化量の第3四分位数を求めて、四分位範囲の1.5倍の値を当該第3四分位数に加算して得られた値を閾値としても良い。閾値を求めるこのような手法は、統計学における外れ値検出の理論を応用したものである。なお、閾値を求める手法は上記の手法に限られず、任意であるものとする。
次に、修正範囲画定部19によって修正対象範囲を画定するための動作について説明する。図9は、図1に示す工具経路修正装置100が有する修正範囲画定部19による動作について説明する図である。図9には、修正範囲画定部19が修正対象範囲を画定するための動作について示している。
修正範囲画定部19は、工具経路データ記憶部11に記憶されている工具経路データを読み出す。また、修正範囲画定部19は、修正対象抽出部18において抽出された指令点の情報を修正対象抽出部18から取得する。修正範囲画定部19は、修正対象抽出部18にて抽出された指令点と、移動経路TPにおいて当該抽出された指令点よりも手前にある1つ以上の指令点と、移動経路TPにおいて当該抽出された指令点よりも先にある1つ以上の指令点とを、修正対象範囲に含める。
例を挙げると、修正範囲画定部19は、修正対象抽出部18において抽出された指令点CP5,CP6の情報を修正対象抽出部18から取得する。修正対象範囲に含める指令点の数が、抽出された指令点の手前の範囲について4個、かつ抽出された指令点の先の範囲について4個であることが、コンフィギュレーションデータにおいて設定されているとする。修正範囲画定部19は、指令点CP5,CP6の他に、指令点CP5よりも手前の範囲RBにおける4個の指令点である指令点CP1,CP2,CP3およびCP4と、指令点CP6よりも先の範囲RFにおける4個の指令点である指令点CP7,CP8,CP9およびCP10とを、修正対象範囲に含める。これにより、修正範囲画定部19は、指令点CP1から指令点CP10までの10個の指令点からなる範囲RGを、修正対象範囲に画定する。修正対象範囲記憶部20は、修正範囲画定部19によって画定された修正対象範囲を記憶する。
設定記憶部17に記憶されているコンフィギュレーションデータのうち、修正範囲画定部19による範囲の画定における設定を表すデータには、修正の対象とする指令点の範囲に含める指令点の数の情報が含まれている。修正範囲画定部19は、当該数の情報をコンフィギュレーションデータから取得して、範囲の画定を行う。当該数の情報がコンフィギュレーションデータに含められることで、範囲に含める指令点の数をユーザによって任意に設定することができる。これにより、工具経路修正装置100は、工具経路データの修正にユーザの要求を反映させることができる。
修正対象範囲に含める指令点の数は、コンフィギュレーションデータにより設定されているものに限られない。修正対象範囲に含める指令点の数は、修正範囲画定部19での計算によって決定されても良い。修正範囲画定部19は、1つのサイクルパス内の指令点の数の5%相当を、修正対象範囲に含める指令点の数としても良い。加工形状の輪郭における1つの端から他の1つの端までの領域において工具を一方向へ移動または往復移動させて当該領域を加工するとした場合に、1つのサイクルパスとは、移動経路TPのうち1つの端から他の1つの端までの1回の移動分の移動経路とする。5%相当は、統計学における有意差検定の理論に基づく。範囲に含める指令点の数は、1つのサイクルパス内の指令点の数の5%相当以上であっても良く、10%相当であっても良い。なお、修正対象範囲に含める指定点の数を求める手法は上記の手法に限られず、任意であるものとする。
図10は、図1に示す工具経路修正装置100によって工具経路データを修正するための動作の手順を示すフローチャートである。図10に示す手順は、図3に示すステップS4における手順の詳細を表したものである。
ステップS21において、工具経路データ修正部21は、修正対象範囲の情報を修正対象範囲記憶部20から読み出す。ステップS22において、工具経路データ修正部21は、加工形状データ記憶部13に記憶されている加工形状データを読み出す。ステップS23において、工具経路データ修正部21は、工具データ記憶部15に記憶されている工具データを読み出す。なお、ステップS21からステップS23の順序は図10に示す順序に限られず、任意であるものとする。
ステップS24において、工具経路データ修正部21は、ステップS21にて読み出された修正対象範囲内の各指令点について、加工形状CTと工具TLとの配置をシミュレーションする。工具経路データ修正部21は、ステップS22にて読み出された加工形状データによって表現される加工形状CTとステップS23にて読み出された工具データによって表現される工具TLとを仮想的な空間にて擬似的に配置する演算によって、加工形状CTと工具TLとの配置をシミュレーションする。
ステップS25において、工具経路データ修正部21は、修正対象範囲内の各指令点について、加工形状CTと工具TLの輪郭とが一致する点である接触点の位置を算出する。接触点の位置は、加工曲面CSのうち工具TLによる加工が施される加工点の位置となる。
ステップS26において、工具経路データ修正部21は、修正対象範囲内の各指令点について、工具基準点の位置を算出する。工具基準点は、工具TLの根元部における工具中心軸TX上の位置であって、工具TLのうち工作機械に把持される位置である。工具姿勢は、工具基準点を中心とする工具TLの回転動作によって変化する。工具基準点は、工具姿勢の変化における基準となる位置でもある。
ステップS27において、工具経路データ修正部21は、修正対象範囲内の各指令点について、工具軸ベクトルTVを修正する。ステップS28において、工具経路データ修正部21は、修正対象範囲内の各指令点について、工具中心CLの位置を修正する。これにより、工具経路データ修正部21は、工具経路データを修正するための動作を終了する。
次に、ステップS27における工具軸ベクトルTVの修正について説明する。工具経路データ修正部21は、フィルタ処理による第1の手法、または近似曲線の生成による第2の手法によって、工具軸ベクトルTVを修正する。
図11は、図1に示す工具経路修正装置100が有する工具経路データ修正部21が、第1の手法によって工具軸ベクトルTVを修正する場合における動作の手順を示すフローチャートである。ステップS31において、工具経路データ修正部21は、上記ステップS26において算出された工具基準点の位置を示す座標を平滑化することによって修正する。工具経路データ修正部21は、修正対象範囲内の指令点における工具基準点の位置を示す座標へフィルタ処理を施すことによって、工具基準点の位置を修正する。
工具経路データ修正部21は、平滑化フィルタを用いて、工具基準点の位置を示す座標の平滑化を行う。平滑化フィルタには、公知の三角スムージング(triangular smoothing)フィルタを使用可能である。平滑化フィルタは、移動経路TPにおいて連続する5個の指令点の座標を用いて、当該5個の指令点のうち中央に位置する指令点である着目指令点について、工具基準点の位置を示す座標を平滑化する。
平滑化フィルタは、5個の指令点についての工具基準点の座標Pn−2,Pn−1,P,Pn+1,Pn+2を用いた次の式(1)に基づいて、着目指令点について平滑化後の座標P’を算出する。座標Pは、着目指令点についての工具基準点の座標とする。座標Pn−2,Pn−1は、それぞれ、着目指令点の2個手前の指令点と1つ手前の指令点とについての工具基準点の座標とする。座標Pn+1,Pn+2は、それぞれ、着目指令点の1つ先の指令点と2個先の指令点とについての工具基準点の座標とする。平滑化フィルタは、X座標、Y座標およびZ座標の各々について、式(1)に基づいた平滑化を行う。
P’=(Pn−2+2Pn−1+3P+2Pn+1+Pn+2)/9 ・・・(1)
式(1)に基づく平滑化は、修正対象範囲内の指令点のうち、修正対象範囲の両端に位置する2個の指令点とかかる指令点の各々の隣にある2個の指令点との4つ以外について実施される。修正対象範囲が、上記の例にかかる指令点CP1から指令点CP10を含む範囲RGである場合、6個の指令点である指令点CP3から指令点CP8について、式(1)に基づく平滑化が実施される。
修正対象範囲の両端に位置する2個の指令点については、平滑化は実施されない。修正対象範囲のうち手前側の端に位置する指令点の隣に位置する指令点について、平滑化フィルタは、次の式(2)に基づいて座標P’を算出する。修正対象範囲のうち先側の端に位置する指令点の隣に位置する指令点について、平滑化フィルタは、次の式(3)に基づいて座標P’を算出する。上記の例の場合、指令点CP2について、式(2)に基づく平滑化が実施される。また、指令点CP9について、式(3)に基づく平滑化が実施される。
P’=(2Pn−1+3P+2Pn+1+Pn+2)/8 ・・・(2)
P’=(Pn−2+2Pn−1+3P+2Pn+1)/8 ・・・(3)
平滑化は、上記の式(1)から(3)に基づくものに限られない。平滑化フィルタによる計算の内容は、任意であるものとする。平滑化フィルタには、上記の三角スムージングフィルタの他、Savitzky-Golayフィルタまたはガウシアンフィルタが用いられても良い。
ステップS32では、工具経路データ修正部21は、修正対象範囲内の各指令点について、工具中心CLからステップS31による平滑化後の工具基準点へ向かう向きに工具軸ベクトルTVを修正する。これにより、工具経路データ修正部21は、工具軸ベクトルTVを修正するための動作を終了する。
図12は、図11に示す手順による工具軸ベクトルTVの修正について説明する図である。図12には、工具経路データにおいて連ねられた10個の指令点CPを表している。破線矢印は、修正前の工具軸ベクトルTVを表している。実線矢印は、修正後の工具軸ベクトルTV’を表している。
例を挙げると、工具経路データ修正部21は、指令点CP6が着目指令点である場合に、5個の指令点CP4,CP5,CP6,CP7,CP8についての工具基準点の座標を用いて、指令点CP6について工具基準点Pから工具基準点P’への平滑化を行う。工具経路データ修正部21は、工具中心CLから工具基準点Pへ向かう向きの工具軸ベクトルTVを、工具中心CLから平滑化後の工具基準点P’へ向かう向きの工具軸ベクトルTV’へ修正する。
図13は、図1に示す工具経路修正装置100が有する工具経路データ修正部21が、第2の手法によって工具軸ベクトルTVを修正する場合における動作の手順を示すフローチャートである。ステップS41において、工具経路データ修正部21は、修正対象範囲の各指令点についての工具基準点の近似曲線を生成する。
工具経路データ修正部21は、上記ステップS26において算出された工具基準点の座標と、隣り合う2個の指令点における工具基準点の移動量とを基に、近似曲線を生成する。例を挙げると、工具経路データ修正部21は、最小二乗法によって、近似曲線である3次多項式曲線を生成する。
図14は、図13に示す手順による工具軸ベクトルTVの修正について説明する第1の図である。図14には、工具経路データにおいて連ねられた10個の指令点CPを表している。移動量DPは、隣り合う2個の指令点CPにおける工具基準点Pの座標間の距離である。ステップS41において、工具経路データ修正部21は、修正対象範囲内における移動量DPの合計に対する各工具基準点Pの間の移動量DPの割合を用いて、近似曲線SCの生成のためのパラメータを各工具基準点Pについて求める。修正対象範囲のうち手前側の端に位置する工具基準点Pについてのパラメータはゼロとする。修正対象範囲のうち先側の端に位置する工具基準点Pについてのパラメータは1とする。
工具経路データ修正部21は、各工具基準点Pの座標と求めたパラメータとを基に、X,YおよびZの各座標を表す媒介変数を求める。工具経路データ修正部21は、媒介変数と上記のパラメータとを基に、近似曲線SCである3次多項式曲線を生成する。
図13に示すステップS42において、工具経路データ修正部21は、隣り合う2個の指令点における工具中心の位置の移動量を算出する。ステップS43において、工具経路データ修正部21は、工具基準点の位置を示す座標を平滑化する。
図15は、図13に示す手順による工具軸ベクトルTVの修正について説明する第2の図である。ステップS43において、工具経路データ修正部21は、修正対象範囲内における移動量Dの合計に対する、各指令点CPにおける工具中心CLの移動量Dの割合を算出する。工具経路データ修正部21は、工具基準点Pについての上記のパラメータを、移動量Dの割合に一致するように修正することにより、上記のパラメータから新たなパラメータTへの変換を行う。修正対象範囲のうち手前側の端に位置する工具基準点PについてのパラメータTはゼロとする。修正対象範囲のうち先側の端に位置する工具基準点PについてのパラメータTは1とする。これにより、修正対象範囲の両端に位置する工具基準点Pについては、位置の変更を行わない。
工具経路データ修正部21は、移動量DPの割合が新たなパラメータTにしたがった割合となるように修正対象範囲の近似曲線SC上にて工具基準点Pの間隔を調整することにより、平滑化後の工具基準点P’の座標を算出する。このようにして、工具経路データ修正部21は、生成された近似曲線SCと移動量Dの割合とを基に、工具基準点Pから工具基準点P’への修正を行う。なお、近似曲線SCは、上記の3次多項式曲線の他、非一様有理Bスプライン(Non-uniform rational B-spline:NURBS)曲線、スプライン曲線またはベジェ曲線であっても良い。
図13に示すステップS44において、工具経路データ修正部21は、工具中心から平滑化後の工具基準点へ向かう向きに工具軸ベクトルを修正する。図15に示すように、工具経路データ修正部21は、工具中心CLから工具基準点Pへ向かう向きの工具軸ベクトルTVを、工具中心CLから平滑化後の工具基準点P’へ向かう向きの工具軸ベクトルTV’へ修正する。
次に、図10に示すステップS28についての説明に先立ち、ステップS27までの手順での仮想的な空間における工具TLの状態について説明する。
図16は、図10に示す手順のうちステップS24からステップS26までの手順における加工曲面CSと工具TLとの位置関係の例を示す図である。図16には、仮想的な空間に擬似的に配置されている加工曲面CSと工具TLとを示している。工具TLは、修正対象範囲内の各指令点CPに配置されている。工具経路データ修正部21は、上記のステップS24でのシミュレーションによって、修正対象範囲RG内の各指令点CPにおける加工曲面CSと工具TLとの位置関係を検証する。なお、図16に示す箇所EPは、図8に示す箇所EP5であって、修正対象抽出部18によって抽出された指令点CP5,CP6を表している。
修正対象範囲RG内の各指令点CPに配置された工具TLにおける接触点CCは、加工形状CTと工具TLの輪郭とが一致する点である。上記のステップS25において、工具経路データ修正部21は、加工曲面CSと工具TLとの位置関係を検証した結果を基に、接触点CCの位置を示す座標を算出する。工具経路データ修正部21は、上記のステップS26において、修正対象範囲RG内の各指令点CPに配置された工具TLにおける工具基準点Pの位置を示す座標を算出する。
図17は、図10に示す手順のうちステップS27の手順における加工曲面CSと工具TLとの位置関係の例を示す図である。工具経路データ修正部21は、上記のステップS27において、各指令点CPについて、工具軸ベクトルTVを修正する。図17には、修正後の工具軸ベクトルTV’を示している。各指令点CPの工具TLは、工具中心CLの位置が一定とされつつ、上記の工具中心軸TXの向きが修正前の工具軸ベクトルTVの向きから修正後の工具軸ベクトルTV’の向きに変えられる。
このように、工具中心CLの位置が変えられないまま工具TLの傾きが変化することによって、加工曲面CSと工具TLの輪郭との接触に変化が生じ得る。各指令点CPの工具TLの中には、工具TLの輪郭が加工曲面CSから離れるものと、工具TLの輪郭が加工曲面CSから加工対象物の内部に入り込むものとが現れ得る。図17に示す箇所UCは、工具TLの輪郭が加工曲面CSから離れている箇所の一例である。図17に示す箇所OCは、工具TLの輪郭が加工曲面CSから加工対象物の内部に入り込んでいる箇所の一例である。
次に、ステップS28における工具中心CLの位置の修正について説明する。図18は、図10に示す手順のうちステップS28の手順における加工曲面CSと工具TLとの位置関係の例を示す図である。工具経路データ修正部21は、上記のステップS28での工具中心CLの位置の修正によって、ステップS25にて算出された接触点CCに工具TLの輪郭を一致させる調整を行う。
工具経路データ修正部21は、工具軸ベクトルTVの向きの変化によって生じるずれであって加工曲面CS上の接触点CCからの工具TLの輪郭のずれを、加工曲面CSと工具TLとの位置関係を検証することによって算出する。工具経路データ修正部21は、接触点CCと工具TLとの間のずれを解消可能とする工具中心CLの位置の移動向きと移動量とを求める。工具経路データ修正部21は、求めた移動向きと移動量とにしたがって工具中心CLの位置を修正することによって、接触点CCに工具TLの輪郭を一致させる。このように、工具経路データ修正部21は、工具姿勢の修正によって生じる接触点CCからの工具TLの輪郭のずれを算出した結果を基に、工具中心CLの位置を修正する。
工具経路データ修正部21は、工具中心CLの位置を修正することによって、加工曲面CSからの工具TLの離れと加工曲面CSにおける工具TLの入り込みとを解消させる。これにより、工具経路修正装置100は、加工に使用される工具の先端が加工対象物から離れることと加工対象物へ食い込むこととを抑制できるように工具経路修正データを修正することができる。
工具経路データ修正部21は、工具軸ベクトルTVの向きの修正によって、工具姿勢の急峻な変化を緩和させて、工具姿勢の変化を滑らかにさせる。これにより、工具経路修正装置100は、工具姿勢の変化を滑らかな変化にさせるように工具経路データを修正することができる。
工具経路修正装置100は、修正対象抽出部18と修正範囲画定部19とによって、工具経路データとコンフィギュレーションデータとに基づいて、修正対象とする指令点の判定および抽出と修正対象範囲の画定とを行い得る。工具経路データ修正部21は、加工形状データと工具データとに基づいて工具経路データを修正する。工具経路修正装置100は、NC制御の稼働時以外であっても、各データを取り込むことによって工具経路データを修正可能とする。工具経路修正装置100は、実際の加工が行われるよりも前に、工具経路データを修正できる。また、工具経路修正装置100は、修正工具経路データ記憶部22を有することにより、実際の加工が行われるよりも前に修正後の工具経路データを保存することができる。ユーザは、実際の加工よりも前の準備段階において、修正後の工具経路データを工具経路修正装置100から読み出して、修正後の工具経路データを確認することができる。また、ユーザは、準備段階において、修正前の工具経路データと修正後の工具経路データとを比較することもできる。
工具経路データ修正部21は、工具姿勢の変化を滑らかな変化とさせる修正を、指令点ごとにおける工具姿勢の修正によって行う。工具経路修正装置100は、加工速度を低下させることなく、工具姿勢の変化が滑らかな変化となるように工具経路データを修正することができる。
工具経路データ修正部21は、修正対象抽出部18によって修正の対象と判定された指令点を抽出し、抽出された指令点を含めた修正対象範囲を修正範囲画定部19によって画定する。工具経路修正装置100は、このような抽出と画定とによらず工具経路データの全体について一様に修正のための処理が行われる場合と比べて、工具経路データの修正に要する時間を短くすることができる。
実施の形態1によると、工具経路修正装置100は、工具中心の位置の修正によって、工具の先端が加工対象物から離れることと加工対象物へ食い込むこととを抑制できるように工具経路修正データを修正可能とする。工具経路修正装置100は、工具経路修正データの修正によって、工具の先端が加工対象物から離れることによる切削残しと工具の先端が加工対象物へ食い込むことによる切削過剰とを抑制して、加工品質の低下を抑制できる。また、工具経路修正装置100は、工具姿勢の修正によって、工具姿勢の変化が滑らかな変化となるように工具経路修正データを修正可能とする。工具経路修正装置100は、工具経路修正データの修正によって、工具姿勢の急峻な変化による加工品質の低下を抑制できる。これにより、工具経路修正装置100は、加工品質の低下の抑制が可能となるという効果を奏する。
実施の形態2.
図19は、本発明の実施の形態2にかかるNC装置200の機能構成を示すブロック図である。NC装置200は、実施の形態1にかかる工具経路修正装置100が有する修正工具経路データ記憶部22に代えて、補間処理部41と駆動制御部42とを有する。実施の形態2では、実施の形態1と同一の部分には同一の符号を付し、実施の形態1とは異なる構成について主に説明する。NC装置200は、工具経路データを修正して、修正された工具経路データに基づく数値制御を実行する。工作機械は、NC装置200からの指令にしたがって加工対象物を加工する。図19では、工作機械の図示を省略している。
工具経路データ修正部21は、実施の形態1と同様に修正された工具経路データを補間処理部41へ出力する。補間処理部41は、位置および角度の補間処理を実施する機能部である。補間処理部41は、工具の位置を変化させる3個の並進軸の各々について、修正された工具経路データを基に、制御周期ごとの移動量を求めるとともに、補間点とする位置を生成する。補間処理部41は、工具姿勢を変化させる2個の回転軸の各々について、修正された工具経路データを基に、制御周期ごとの回転角度を求めるとともに、補間点とする角度を生成する。補間処理部41は、各並進軸および各回転軸である各軸について生成された補間点の情報を駆動制御部42へ出力する。
駆動制御部42は、各軸のサーボモータの駆動を制御する機能部である。駆動制御部42は、補間点の情報に基づいて、各軸のサーボモータの駆動を制御するためのモータ駆動制御信号を生成する。駆動制御部42は、生成されたモータ駆動制御信号を各軸のサーボモータへ出力する。
NC装置200のハードウェア構成は、図2に示す工具経路修正装置100のハードウェア構成と同様である。図19に示すNC装置200の各機能部は、実施の形態2のNC制御方法を実行するためのNCプログラムがハードウェアで実行されることによって実現される。NCプログラムは、コンピュータによる読み取りが可能とされた記憶媒体に記憶されたものであっても良い。NC装置200は、記憶媒体に記憶されたNCプログラムを外部記憶装置34へ格納しても良い。記憶媒体は、フレキシブルディスクである可搬型記憶媒体、あるいは半導体メモリであるフラッシュメモリであっても良い。NCプログラムは、他のコンピュータあるいはサーバ装置から通信ネットワークを介して、NC装置200となるコンピュータへインストールされても良い。NC装置200の機能は、数値制御のための専用のハードウェアである処理回路によって実現されても良い。NC装置200の機能は、一部を専用のハードウェアで実現し、他の一部をソフトウェアまたはファームウェアで実現するようにしても良い。
図20は、図19に示すNC装置200による動作の手順を示すフローチャートである。ステップS1からステップS4は、図3に示すステップS1からステップS4と同様である。ステップS51において、補間処理部41は、補間点を生成するための補間処理を実施する。ステップS52において、駆動制御部42は、モータ駆動制御信号を生成し、生成されたモータ駆動制御信号を出力する。これにより、NC装置200は、図20に示す手順による動作を終了する。NC装置200は、NC装置200の内部での工具経路データの修正を可能とすることで、工具経路データの修正の完了後すぐに、修正された工具経路データに基づいた加工を工作機械に行わせることができる。
実施の形態2によると、NC装置200は、実施の形態1にかかる工具経路修正装置100と同様に、工具中心の位置の修正と工具姿勢の修正とによって、加工品質の低下を抑制できる。これにより、NC装置200は、加工品質の低下の抑制が可能となるという効果を奏する。
以上の実施の形態に示した構成は、本発明の内容の一例を示すものであり、別の公知の技術と組み合わせることも可能であるし、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、構成の一部を省略、変更することも可能である。
10 工具経路データ入力部、11 工具経路データ記憶部、12 加工形状データ入力部、13 加工形状データ記憶部、14 工具データ入力部、15 工具データ記憶部、16 設定入力部、17 設定記憶部、18 修正対象抽出部、19 修正範囲画定部、20 修正対象範囲記憶部、21 工具経路データ修正部、22 修正工具経路データ記憶部、31 CPU、32 RAM、33 ROM、34 外部記憶装置、35 入出力インタフェース、36 バス、41 補間処理部、42 駆動制御部、100 工具経路修正装置、200 NC装置。

Claims (10)

  1. 工具を用いて加工される加工対象物に対する前記工具の移動経路を表す工具経路データを修正する工具経路修正装置であって、
    前記工具経路データは、工具中心の位置を表すとともに当該位置における工具姿勢に対応付けられた指令点を含むデータであって、
    前記移動経路において隣り合う指令点における前記工具中心の移動量と前記工具姿勢の変化量とに基づいて修正の対象と判定された指令点を前記工具経路データから抽出する修正対象抽出部と、
    前記加工対象物への加工における目標とする加工形状を表す加工形状データを参照して、前記修正対象抽出部によって抽出された前記指令点を含めて画定された範囲内の各指令点における前記工具中心の位置と前記工具姿勢とを修正する工具経路データ修正部と、
    を備え
    前記工具経路データ修正部は、前記加工形状データによって表される加工曲面と前記工具の形状を表す工具データによって表される工具の輪郭との接触点を前記指令点ごとに求めて、前記工具姿勢の修正によって生じる前記接触点からの前記工具の輪郭のずれを算出した結果を基に前記工具中心の位置を修正することを特徴とする工具経路修正装置。
  2. 前記修正対象抽出部によって抽出された前記指令点を含む複数の指令点の範囲を画定する修正範囲画定部
    を備え、
    前記工具経路データ修正部は、前記修正範囲画定部によって画定された範囲内の指令点の前記工具中心の位置と前記工具姿勢とを修正することを特徴とする請求項1に記載の工具経路修正装置。
  3. 前記指令点には、前記工具姿勢の変化における基準となる工具基準点への前記工具中心からの向きを表すベクトルであって前記工具姿勢を表す工具軸ベクトルが対応付けられており、
    前記工具経路データ修正部は、前記画定された範囲内の前記指令点における前記工具基準点の位置を平滑化によって修正することで、前記工具軸ベクトルを修正することを特徴とする請求項1または2に記載の工具経路修正装置。
  4. 前記指令点には、前記工具姿勢の変化における基準となる工具基準点への前記工具中心からの向きを表すベクトルであって前記工具姿勢を表す工具軸ベクトルが対応付けられており、
    前記工具経路データ修正部は、前記画定された範囲内の前記指令点における前記工具基準点の位置を示す座標へフィルタ処理を施すことによって前記工具基準点の位置を修正することで、前記工具軸ベクトルを修正することを特徴とする請求項1または2に記載の工具経路修正装置。
  5. 前記指令点には、前記工具姿勢の変化における基準となる工具基準点への前記工具中心からの向きを表すベクトルであって前記工具姿勢を表す工具軸ベクトルが対応付けられており、
    前記工具経路データ修正部は、前記画定された範囲内の前記指令点における前記工具基準点を基に近似曲線を生成して、前記近似曲線上にて前記工具基準点の間隔を調整することによって前記工具基準点の位置を修正することで、前記工具軸ベクトルを修正することを特徴とする請求項1または2に記載の工具経路修正装置。
  6. 工具を用いて加工される加工対象物に対する前記工具の移動経路を表す工具経路データを修正する工具経路修正装置であって、
    前記工具経路データは、工具中心の位置を表すとともに当該位置における工具姿勢に対応付けられた指令点を含むデータであって、
    前記移動経路において隣り合う指令点における前記工具中心の移動量と前記工具姿勢の変化量とに基づいて修正の対象と判定された指令点を前記工具経路データから抽出する修正対象抽出部と、
    前記加工対象物への加工における目標とする加工形状を表す加工形状データを参照して、前記修正対象抽出部によって抽出された前記指令点を含めて画定された範囲内の各指令点における前記工具中心の位置と前記工具姿勢とを修正する工具経路データ修正部と、
    を備え、
    前記指令点には、前記工具姿勢の変化における基準となる工具基準点への前記工具中心からの向きを表すベクトルであって前記工具姿勢を表す工具軸ベクトルが対応付けられており、
    前記工具経路データ修正部は、前記画定された範囲内の前記指令点における前記工具基準点の位置を平滑化によって修正することで、前記工具軸ベクトルを修正することを特徴とする工具経路修正装置。
  7. 工具を用いて加工される加工対象物に対する前記工具の移動経路を表す工具経路データを修正する工具経路修正装置であって、
    前記工具経路データは、工具中心の位置を表すとともに当該位置における工具姿勢に対応付けられた指令点を含むデータであって、
    前記移動経路において隣り合う指令点における前記工具中心の移動量と前記工具姿勢の変化量とに基づいて修正の対象と判定された指令点を前記工具経路データから抽出する修正対象抽出部と、
    前記加工対象物への加工における目標とする加工形状を表す加工形状データを参照して、前記修正対象抽出部によって抽出された前記指令点を含めて画定された範囲内の各指令点における前記工具中心の位置と前記工具姿勢とを修正する工具経路データ修正部と、
    を備え、
    前記指令点には、前記工具姿勢の変化における基準となる工具基準点への前記工具中心からの向きを表すベクトルであって前記工具姿勢を表す工具軸ベクトルが対応付けられており、
    前記工具経路データ修正部は、前記画定された範囲内の前記指令点における前記工具基準点の位置を示す座標へフィルタ処理を施すことによって前記工具基準点の位置を修正することで、前記工具軸ベクトルを修正することを特徴とする工具経路修正装置。
  8. 工具を用いて加工される加工対象物に対する前記工具の移動経路を表す工具経路データを修正する工具経路修正装置であって、
    前記工具経路データは、工具中心の位置を表すとともに当該位置における工具姿勢に対応付けられた指令点を含むデータであって、
    前記移動経路において隣り合う指令点における前記工具中心の移動量と前記工具姿勢の変化量とに基づいて修正の対象と判定された指令点を前記工具経路データから抽出する修正対象抽出部と、
    前記加工対象物への加工における目標とする加工形状を表す加工形状データを参照して、前記修正対象抽出部によって抽出された前記指令点を含めて画定された範囲内の各指令点における前記工具中心の位置と前記工具姿勢とを修正する工具経路データ修正部と、
    を備え、
    前記指令点には、前記工具姿勢の変化における基準となる工具基準点への前記工具中心からの向きを表すベクトルであって前記工具姿勢を表す工具軸ベクトルが対応付けられており、
    前記工具経路データ修正部は、前記画定された範囲内の前記指令点における前記工具基準点を基に近似曲線を生成して、前記近似曲線上にて前記工具基準点の間隔を調整することによって前記工具基準点の位置を修正することで、前記工具軸ベクトルを修正することを特徴とする工具経路修正装置。
  9. 工具を用いて加工される加工対象物に対する前記工具の移動経路を表す工具経路データを工具経路修正装置によって修正する工具経路修正方法であって、
    前記工具経路データは、工具中心の位置を表すとともに当該位置における工具姿勢に対応付けられた指令点を含むデータであって、
    前記移動経路において隣り合う指令点における前記工具中心の移動量と前記工具姿勢の変化量とに基づいて修正の対象と判定された指令点を前記工具経路データから抽出する工程と、
    前記加工対象物への加工における目標とする加工形状を表す加工形状データを参照して、前記工程にて抽出された前記指令点を含めて画定された範囲内の各指令点における前記工具中心の位置と前記工具姿勢とを修正する工程と、
    を含み、
    前記工具中心の位置と前記工具姿勢とを修正する工程では、前記加工形状データによって表される加工曲面と前記工具の形状を表す工具データによって表される工具の輪郭との接触点を前記指令点ごとに求めて、前記工具姿勢の修正によって生じる前記接触点からの前記工具の輪郭のずれを算出した結果を基に前記工具中心の位置を修正することを特徴とする工具経路修正方法。
  10. 工具を用いて加工される加工対象物に対する前記工具の移動経路を表す工具経路データに基づく数値制御を実行する数値制御装置であって、
    前記工具経路データは、工具中心の位置を表すとともに当該位置における工具姿勢に対応付けられた指令点を含むデータであって、
    前記移動経路において隣り合う指令点における前記工具中心の移動量と前記工具姿勢の変化量とに基づいて修正の対象と判定された指令点を前記工具経路データから抽出する修正対象抽出部と、
    前記加工対象物への加工における目標とする加工形状を表す加工形状データを参照して、前記修正対象抽出部によって抽出された前記指令点を含めて画定された範囲内の各指令点における前記工具中心の位置と前記工具姿勢とを修正する工具経路データ修正部と、
    を備え、
    前記工具経路データ修正部は、前記加工形状データによって表される加工曲面と前記工具の形状を表す工具データによって表される工具の輪郭との接触点を前記指令点ごとに求めて、前記工具姿勢の修正によって生じる前記接触点からの前記工具の輪郭のずれを算出した結果を基に前記工具中心の位置を修正し、
    修正された前記工具経路データに基づく数値制御を実行することを特徴とする数値制御装置。
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