JP7504687B2 - 切削加工支援システム - Google Patents

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本発明は、切削加工支援システムに関する。
NC工作機械(NC: Numerical Control)を用いた切削加工では、切削工具に対する力が
加工中に作用することで工具がたわむ。これにより、工具位置が所定の位置からずれて加工誤差が発生し、所望の加工精度が得られない問題がある。また、切削加工を高能率化するにあたり、加工負荷が高い加工条件を選定すると工具たわみが増加するため、加工精度を維持しながら加工時間を短縮することが難しい。特に被加工物の内径に対する切削加工では、工具のたわみが加工誤差の主要因となるため、加工精度を維持しながら加工の能率を維持又は向上させるためには、加工中の工具のたわみ量に基づいて自動でNCデータを補正する技術の開発が必要となる。
この点、特許文献1には、工具たわみ補正量を算出し工作機械の送り軸位置を補正する方法として、送り軸位置情報を含む各ブロックデータ毎に、工具と被加工物との接触点における加工面の法線ベクトルを示す法線ベクトル情報を記述されたNCプログラムを用い、NCプログラムを各ブロックデータ毎に、解析し、解析した各ブロックデータ毎に、前記加工面の法線ベクトルに応じた工具のたわみ補正量を算出し、算出された工具たわみ補正量に応じて送り軸位置を補正し、補正された送り軸位置に従って形状加工を行うことが記載されている。
また、特許文献2には、数値制御装置がプログラム記憶部、プログラム解析部、実行制御部、判定部、再加工ブロック決定部及び対応情報記憶部を備え、プログラム解析部はプログラム記憶部内のNCプログラムを解析して動作指令を第1動作指令として抽出し、実行制御部は第1動作指令を基に送り機構部を制御して、ワークに第1加工を行い、判定部は第1加工後のワークの寸法に基づいて、削り残しを生じた再加工部位を特定し、再加工ブロック決定部は、対応情報記憶部内の対応情報から、再加工部位に対応したブロックを決定し、プログラム解析部は再加工ブロックに含まれる動作指令を第2動作指令として抽出し、実行制御部は第2動作指令を基に送り機構部を制御してワークを再加工することが記載されている。
特開2005-144620号公報 特開2020-08979号公報
特許文献1の方法は、加工ブロック毎に工具と被加工物との接触点における加工面の法線ベクトルに応じた工具のたわみ補正量を算出し、算出された工具たわみ補正量に応じて送り軸位置を補正することで、形状加工を行う。しかし、この方法は、加工面の法線ベクトルなどの情報から工具たわみ量を予測しているため、実際の工具たわみ量と異なり、加工精度が不充分となる可能性がある。また、この方法は各加工ブロック毎にたわみの補正量を算出しているため、各加工ブロック中での工具の移動量が大きく径への切込みなどが変化するような場合は、補正の精度が不十分となる可能性が高い。
特許文献2の方法は、加工後にワークを測定して得られる形状寸法から削り残しを特定
し、NCプログラムから再加工が必要な加工ブロックのみ抽出して再加工を行うものである。これにより、加工精度が所定の許容範囲内に収まっている加工部位では、再加工は実施せず、加工精度が許容範囲外の加工部位のみ再加工を行うため加工時間を削減することが可能である。しかし、この方法では、加工後にワーク形状の計測工程が別工程として必要となるため、加工リードタイムが増加してしまう。また、この方法では、元のNCプログラムを補正しない限り、毎回再加工が必要となる。すなわち、この方法では、加工の工程が増加してしまうという問題がある。
本発明はこのような現状に鑑みてなされたもので、被加工物に対する作業工程を軽減しつつも被加工物に対する高精度な加工を行うことが可能な、切削加工支援システムを提供することになる。
上記課題を解決するための本発明の一つは、工具を移動させることにより被加工物の所定範囲に切削加工を行うためのプログラムであるNCデータを取得するNCデータ取得処理と、前記被加工物への切削加工により生じた、前記工具の前記所定範囲での各位置のたわみのデータを取得するたわみ量取得処理と、前記取得したNCデータ及び前記取得した各位置のたわみのデータに基づき、前記切削加工により前記工具に生じた前記所定範囲でのたわみの変位量が閾値以上であるか否かを判定し、前記たわみの変位量が前記閾値以上である場合には、前記工具の各位置のたわみを減じさせる前記工具の移動を行う、新たなNCデータを生成する補正後NCデータ生成処理と、を実行し、前記補正後NCデータ生成処理において、前記たわみの変位量が前記閾値以上である場合には、さらに、前記工具に生じた各位置のたわみの変位に所定のばらつきが生じているか否かを判定し、前記各位置のたわみの変位に前記所定のばらつきが生じている場合には、前記工具の前記所定範囲での各位置のたわみに応じた前記工具の各移動を行う、新たなNCデータを生成し、前記各位置のたわみの変位に前記所定のばらつきが生じていない場合には、前記工具の前記所定範囲での位置を一定量変更させた前記工具の移動を行う、新たなNCデータを生成するプロセッサを備える、切削加工支援システム、とする。
また、上記課題を解決するための本発明の他の一つは、工具を移動させることにより被加工物の所定範囲に切削加工を行うためのプログラムであるNCデータ、及び、前記被加工物への切削加工により生じた、前記工具の前記所定範囲での各位置のたわみのデータを所定の情報処理装置に送信する、前記工具に対応づけられた端末と、前記情報処理装置から前記NCデータを取得するNCデータ取得処理、前記情報処理装置から前記たわみのデータを取得するたわみ量取得処理、及び、前記取得したNCデータ及び前記取得した各位置のたわみのデータに基づき、前記切削加工により前記工具に生じた前記所定範囲でのたわみの変位量が閾値以上であるか否かを判定し、前記たわみの変位量が前記閾値以上である場合には、前記工具の各位置のたわみによる加工誤差を減じさせる前記工具の移動を行う、新たなNCデータを生成する補正後NCデータ生成処理を実行し、前記補正後NCデータ生成処理において、前記たわみの変位量が前記閾値以上である場合には、さらに、前記工具に生じた各位置のたわみの変位に所定のばらつきが生じているか否かを判定し、前記各位置のたわみの変位に前記所定のばらつきが生じている場合には、前記工具の前記所定範囲での各位置のたわみに応じた前記工具の各移動を行う、新たなNCデータを生成し、前記各位置のたわみの変位に前記所定のばらつきが生じていない場合には、前記工具の前記所定範囲での位置を一定量変更させた前記工具の移動を行う、新たなNCデータを生成するプロセッサを備えるNCデータ補正システムとを備え、前記端末は、前記生成された新たなNCデータを受信する、切削加工支援システム、とする。
本発明によれば、被加工物に対する作業工程を軽減しつつも被加工物に対する高精度な加工を行うことができる。
上記した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
実施例1に係る切削加工支援システムの構成を示す概略図である。 NCデータ補正システムが備える構成の一例を説明する図である。 補正後NCデータ生成処理の一例を説明するフローチャートである。 工具たわみ量のデータ内容の一例を説明する図である。 工具位置情報の一例を示す図である。 一律補正による補正後NCデータの生成例を説明する図である。 逐次補正による補正後NCデータの生成例を説明する図である。 補正後NCデータ生成処理において表示される補正後NCデータ生成処理画面の一例を示す図である。 本出願人が行った確認試験の結果を示す図である。 実施例2に係る補正後NCデータ生成処理の一例を説明するフローチャートである。 実施例2に係る補正後NCデータの生成例を説明する図である。 実施例3に係る切削加工支援システムの構成の一例を示す図である。
以下、本実施形態の切削加工支援システムについて説明する。
[実施例1]
図1は、実施例1に係る切削加工支援システム1の構成を示す概略図である。
切削加工支援システム1は、工具を制御するNC装置(NC: Numerical control)等を
用いた旋盤加工等の切削加工において、切削加工中に生じる工具のたわみによって生じる被加工物の加工誤差を低減するための情報処理システムである。
すなわち、切削加工支援システム1は、被加工物であるNC旋盤8と、工具を制御してNC旋盤8に対して旋盤加工を行うNC装置18と、NC装置18を制御するためのNCデータ(1又は複数のコマンドで構成される専用のプログラム)を生成するNCデータ補正システム2とを含んで構成されている。
NCデータ補正システム2とNC装置18との間は、LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)、インターネット等の有線又は無線の通信ネットワーク1
7によって通信可能に接続される。
本実施形態では、NC旋盤8の内径旋削加工が行われるものとする。すなわち、NC旋盤8の主軸部9の内面に取り付けられた被削材10が、NC旋盤8の主軸部9に沿って回転可能となっている。NCデータに基づき所定位置に移動した工具11が、回転している被削材10に接触することで、被削材10の内径が切削される。
ここで、NCデータ補正システム2は、NC旋盤8又はその他の被加工物に対する過去の切削加工において使用したNCデータ(以下、補正前NCデータという)に対して、当該過去の切削加工で発生した工具11のたわみ量(工具たわみ量13)等に基づいた所定の補正(工具11の移動経路の補正。以下、たわみ補正ともいう。)を行うことで、新たなNCデータ(以下、補正後NCデータという)を算出する。
なお、本実施形態で、「たわみ量」(又は「工具たわみ量」)とは、工具11のたわみ(ゆがみでも同様)の方向及び長さの双方を含むベクトルデータの意味で使用される。
図2は、NCデータ補正システム2が備える構成の一例を説明する図である。
NCデータ補正システム2は、汎用の計算機上に構成することができる。すなわち、NCデータ補正システム2は、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、又はその他各処理を実行可能な半導体装置であるプロセッサ19と、
RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、HDD(Hard Disk Drive)、フラッシュメモリなどを用いたSSD(Solid State Drive)などにより構成される記憶装置27と、キーボードやマウス等の入力デバイスより構成される入力装置20と、LCD(Liquid Crystal Display)、有機ELディスプレイなどの装置又は各種出力装
置などにより構成される表示装置21と、NIC(Network Interface Card)などの通信機器などにより構成される通信装置22とを備える。
また、NCデータ補正システム2は、補正前NCデータ12、工具たわみ量13、工具位置情報14、工具たわみ平均値閾値15、及び工具たわみ標準偏差閾値16を記憶している。
補正前NCデータ12は、NC装置18が過去にNC旋盤8の加工に対して使用したNCデータである。本実施形態では、NCデータには、工具11の位置の位置又は移動(所定の座標系に基づく座標で表される)の情報が含まれる。本実施形態では、補正前NCデータ12は、予め設定されているものとする。
工具たわみ量13は、過去に補正前NCデータ12を用いてNC旋盤8に行った加工において計測された、工具11のたわみ量のデータである。
本実施形態では、事前に工具たわみ量13にデータが設定されているものとする。工具たわみ量13は、NC旋盤8又はこれと同様の被加工物に対して所定のテスト加工を行いたわみ量を計測することによって設定してもよいし、所定の数値シミュレーションを行った結果を設定したものであってもよい。なお、工具たわみ量13の計測方法としては、ひずみゲージ、レーザ式変位センサまたは接触式変位センサなど、何れの計測機器を用いてもよい。また、このとき、測定したたわみ量にノイズが多くその変化が正常にとらえられない場合は、ノイズ除去処理を実施したデータを工具たわみ量13に設定してもよい。
工具位置情報14は、補正前NCデータ12を用いて行ったNC旋盤8の加工における、工具11の位置(又はNC旋盤8が加工された位置)の履歴のデータである。本実施形態では、工具位置情報14は、予め設定されているものとする。
工具たわみ平均値閾値15は、工具たわみ量13に基づき補正後NCデータを生成するために用いられる所定の閾値である。工具たわみ平均値閾値15には、例えば、被加工物の寸法公差、許容される最大限の加工誤差等が設定される。工具たわみ平均値閾値15の詳細は後述する。
工具たわみ標準偏差閾値16は、工具たわみ量13に基づき補正後NCデータを生成するために用いられる所定の閾値である。工具たわみ標準偏差閾値16の詳細は後述する。
次に、NCデータ補正システム2は、データ解析部3、補正判定部4、補正方法選択部5、補正後NCデータ生成部6、補正後NCデータ出力部7、及び入出力部26の各機能を実現するプログラムを記憶している。
データ解析部3は、NC旋盤8の加工に関する過去のデータに基づいて、補正後NCデータを生成するために必要なデータを算出する前処理を行う。すなわち、データ解析部3は、データ前処理部23、工具たわみ平均値算出部24、及び工具たわみ標準偏差算出部25を備える。
データ前処理部23は、工具位置情報14及び工具たわみ量13に基づき、加工ブロック毎の工具たわみ量を抽出する。
なお、加工ブロックとは、本実施形態では、被加工物(NC旋盤8)の構造又は加工方法に応じて任意に設定される被加工物の範囲であり、具体的には、例えば、工具11が移動しうる空間を複数の空間に分割した場合の、その各空間をいう。なお、加工ブロックの
設定方法はこれに限らず、所定の領域を分割した各領域となっていればよい。
工具たわみ平均値算出部24は、加工ブロック毎の、工具たわみ量13の平均値(以下、たわみ平均値という)を算出する。たわみ平均値は、各加工ブロック全体における工具たわみ量の変位を示すパラメータとして用いられる。
工具たわみ標準偏差算出部25は、加工ブロック毎の、工具たわみ量の標準偏差(以下、たわみ標準偏差という)を算出する。たわみ標準偏差は、各加工ブロックにおける、工具11の各位置のたわみ量のばらつきを示すパラメータとして用いられる。
次に、補正判定部4は、データ解析部3で算出したたわみ平均値と、工具たわみ平均値閾値15とを比較することで、補正前NCデータ12に対してたわみ補正が必要か否かを加工ブロック毎に判定する。
補正方法選択部5は、データ解析部3が算出した、補正判定部4でたわみ補正が必要と判定された加工ブロックにおけるたわみ標準偏差と、工具たわみ標準偏差閾値16とを比較することで、その加工ブロックにおける工具たわみの補正方法を選択する。
補正後NCデータ生成部6は、補正方法選択部5の選択結果に基づき、補正後NCデータを生成する。すなわち、補正後NCデータ生成部6は、補正前NCデータ12における工具11の変位(座標)の情報を、工具11のたわみによる加工誤差が減じるように修正したNCデータ(補正後NCデータ)を生成する。これにより、工具11の経路が補正され、工具たわみによる加工誤差が低減される。
補正後NCデータ出力部7は、補正後NCデータ生成部6で生成された補正後NCデータを、通信ネットワーク17を介してNC装置18に送信する。その後、NC装置18は、この補正後NCデータを用いて被加工物(NC旋盤8等)を切削加工する。
入出力部26は、ユーザからのデータ入力を受け付けると共に、各種の入力画面、確認画面等を表示する。
以上に説明したNCデータ補正システム2の各機能は、プロセッサ19が記憶装置27に記憶されている各プログラムを読み出して実行することにより実現される。なお、各プログラムは、外部記憶媒体にあらかじめ記録されていてもよいし、所定の通信ネットワークを介して、必要なときに導入されてもよい。
<処理>
次に、切削加工支援システム1が行う処理について説明する。
図3は、補正後NCデータを生成する処理(補正後NCデータ生成処理)の一例を説明するフローチャートである。補正後NCデータ生成処理は、例えば、ユーザがNCデータ補正システム2に対して所定の指示入力を行った場合に開始される(ステップS1)。
まず、NCデータ補正システム2のデータ前処理部23は、補正前NCデータ12、工具たわみ量13、及び工具位置情報14を読み込む(ステップS2)。
(工具たわみ量)
ここで、図4は、工具たわみ量13のデータ内容の一例を説明する図である。工具たわみ量13は、被加工物(ここではNC旋盤8)に対する過去の加工時間における、工具11のたわみ量の時間変化を記憶したデータである。なお、この工具たわみ量13に対して
は、詳細を後述する工具たわみ平均値閾値15が設定される。
(工具位置情報)
次に、図5は、工具位置情報14の一例を示す図である。工具位置情報14は、工具たわみ量13が示す各たわみ量が、工具11がどの加工ブロック又は位置にあるときに発生したか等を特定するための情報である。
すなわち、工具位置情報14は、加工中の時間28、NCデータ29(加工中の時間28に対応する補正前NCデータ12の内容)、加工中の時間28における工具11のX座標30、加工中の時間28における工具11のY座標31、及び、加工中の時間28における工具11のZ座標32の各情報を有する1又は複数のレコードで構成されている。
工具位置情報14により、工具たわみ量13と補正前NCデータ12とを紐づけることができる。
次に、図3のステップS3に示すように、データ前処理部23は、ステップS2で読み込んだデータに基づき、加工ブロック毎の工具たわみ量の時間変化を算出する。
具体的には、例えば、データ前処理部23は、工具位置情報14に基づき、各加工ブロックに対応する補正前NCデータ12の部分を特定し、特定したNCデータの部分における工具たわみ量の変化を取得する。
次に、工具たわみ平均値算出部24は、ステップS3で算出した、加工ブロック毎の工具たわみ量の時間変化に基づき、加工ブロック毎の工具たわみ量の平均値(たわみ平均値)を算出する(ステップS4)。
また、工具たわみ標準偏差算出部25は、ステップS3で算出した、加工ブロック毎の工具たわみ量の時間変化に基づき、加工ブロック毎の工具たわみ量の標準偏差(たわみ標準偏差)を算出する(ステップS5)。
そして、補正判定部4は、各加工ブロックについて、補正前NCデータ12を補正するか否か、及び補正する場合はどのような方法で補正するかを決定すると共に、その補正(たわみ補正)を実行する(ステップS6~ステップS13)。
すなわち、まず、補正判定部4は、加工ブロックのうち任意に選択した加工ブロック(選択ブロック)全体における工具たわみ量に基づき、工具11のたわみ補正が必要か否かを判定する(ステップS7)。
具体的には、補正判定部4は、ステップS4で算出したたわみ平均値が工具たわみ平均値閾値15以上であるか否かを判定する。
工具11のたわみ補正が必要な場合は(ステップS7:YES)、補正判定部4は、次述するステップS9を実行し、工具11のたわみ補正が必要でない場合は(ステップS7:NO)、補正判定部4は、後述するステップS8を実行する。
ステップS9において補正方法選択部5は、工具11のたわみ補正の方法として、選択ブロック全体に一律の補正を行うか(一律補正)、又は選択ブロック内の各位置に応じた個別の補正を行うか(逐次補正)を行うか選択する。
具体的には、補正方法選択部5は、ステップS5で算出したたわみ標準偏差が、工具た
わみ標準偏差閾値16以上であるか(逐次補正)、又は工具たわみ標準偏差閾値16未満であるか(一律補正)を判定する。
逐次補正を選択する場合は(ステップS9:YES)、補正NCデータ生成部6は、次述するステップS11の処理を実行し、一律補正を選択する場合は(ステップS9:NO)、補正NCデータ生成部6は、次述するステップS10の処理を実行する。
一方、ステップS8においては、補正後NCデータ生成部6は、選択ブロックに対する補正は行わず、後述するステップS12の処理を実行する。なお、このように補正後NCデータ生成部6が選択ブロックに対する補正を行わない例としては、選択ブロックの工具たわみ量の平均値が、寸法誤差(工具たわみ平均値閾値15)よりも小さく、選択ブロックが寸法上の精度を満足している場合がある。
ステップS10において補正後NCデータ生成部6は、選択ブロックのNCデータに対する、一律補正を実行する。その後はステップS12の処理が行われる。
例えば、補正NCデータ生成部6は、ステップS4で算出された工具たわみ量の平均値に係るたわみと同じ大きさの変位であって、かつ同方向の変位を有するデータ(NCプログラムのコマンド)を生成する。
ステップS11において補正後NCデータ生成部6は、選択ブロックのNCデータに対する、逐次補正を実行する。その後はステップS12の処理が行われる。
具体的には、例えば、補正後NCデータ生成部6は、補正前NCデータ12の選択ブロックにおける工具11の座標の移動を示すプログラム部分(NCデータのコマンド)について、その移動を複数の移動(具体的には、複数の座標の移動のコマンド)に分割する。補正後NCデータ生成部6は、このような工具11の各座標に対応した工具たわみ量所定の数値補間の手法により算出し、算出した工具たわみ量分だけ工具11の各座標を補正した工具11の新たなプログラム部分(NCデータのコマンド)を生成する。
ステップS12において補正後NCデータ生成部6は、ステップS10又はステップS11により生成されたNCデータ(工具11の移動を示すコマンド)を、補正後NCデータとして追加する。
次に、補正後NCデータ生成部6は、これまでに未選択の加工ブロックがある場合は、その加工ブロックを新たな選択ブロックとしてステップS6以降の処理を繰り返す(ステップS13)。これまでに未選択の加工ブロックがない場合は、補正後NCデータの生成処理が終了する。
その後、NCデータ補正システム2は、生成した補正後データをNC装置18に送信する。NC装置18は、補正後NCデータに基づきNC旋盤8への切削加工を行うことで、工具たわみによる加工誤差を低減した高精度加工を行うことができる。
ここで、補正後NCデータの生成例について説明する。
<一律補正による補正後NCデータの生成例>
図6は、一律補正による補正後NCデータの生成例を説明する図である。補正前NCデータ33では、加工ブロックが2箇所存在しており、1箇所目の加工ブロック34では、たわみ平均値が工具たわみ平均値閾値15よりも小さかったため、工具経路が補正されない(ステップS8)。したがって、補正後NCデータ36の1箇所目の加工ブロック34
のNCデータは、補正前NCデータ33の1箇所目の加工ブロック34のNCデータと同じである。
一方、補正前NCデータ33の2箇所目の加工ブロック35では、たわみ平均値が工具たわみ平均値閾値15以上であり、かつ、たわみ標準偏差が閾値未満であったので、一律補正が行われる(ステップS10)。すなわち、補正後NCデータ36の2箇所目の加工ブロック37のNCデータには、補正前NCデータ33の2箇所目の加工ブロック35のNCデータにたわみ平均値分を加算した値(+0.1mm)のプログラム部分が追加されている。
このような補正が行われる場合としては、例えば、工具11のたわみによって微小な削り残しが生じている場合である。
<逐次補正による補正後NCデータの生成例>
図7は、逐次補正による補正後NCデータの生成例を説明する図である。補正前NCデータ40のある加工ブロック41のたわみ平均値が工具たわみ平均値閾値15以上であり、かつたわみ標準偏差が工具たわみ標準偏差閾値16以上であった場合、逐次補正が行われる(ステップS11)。すなわち、補正後NCデータ42の加工ブロック43では、補正前NCデータ40の加工ブロック41に対するたわみ修正が行われ、加工ブロック41のNCデータが細分化される。
具体的には、補正前NCデータ40の加工ブロック41は、予め設定された加工初期位置41aと、工具11の一度の座標移動指令41bとで構成されているが、補正後NCデータ42の加工ブロック43は、加工開始時の工具たわみ量分だけずらして設定された新たな初期位置43aと、X軸及びZ軸方向に細分化させた複数の座標移動指令43bとで構成されている。
詳細には、補正後NCデータ42の複数の座標移動指令43bは、補正前NCデータ40の一度の座標移動指令41bを、X軸方向及びZ軸方向に80個の座標移動に分割したものであり、各座標について工具たわみ量が算出される。これらの各座標は、補正前NCデータ40の元の座標43cに、算出された各工具たわみ量43dを足した値となっている。
このように、逐次補正は、補正前NCデータ40の加工ブロックのNCデータを工具11の位置に関して細分化し、細分化された工具11の位置毎に工具11のたわみ量を算出し、算出した工具11の各たわみ量に応じて工具11の座標を修正する。
このような逐次補正を行う場合としては、例えば、内径旋削加工において下穴がテーパ状になっていたり、削り代が均一でない場合がある。このような場合は、加工ブロック中の工具11のたわみのばらつきが大きくなり、工具たわみ量の標準偏差も増大する。工具たわみの標準偏差が大きい加工ブロックでは、ステップS10のように時間解像度が低い補正(たわみ平均値のみを用いた補正)を採用すると補正精度が不十分となるおそれがある。
ここで、補正後NCデータ生成処理において表示される画面について説明する。
(入出力画面)
図8は、補正後NCデータ生成処理において表示される補正後NCデータ生成処理画面の一例を示す図である。補正後NCデータ生成処理画面80は、ユーザ指定により補正前NCデータ12を読み込むための補正前NCデータ指定欄81と、ユーザ指定により工具
たわみ量13を読み込むための工具たわみ量指定欄82と、ユーザ指定により工具位置情報14を読み込むための工具位置情報指定欄83と、生成した補正後NCデータを記憶する場所をユーザが指定するための補正後NCデータ保存先指定欄84とを備える。
また、補正後NCデータ生成処理画面80は、工具たわみ平均値閾値15をユーザが入力するための工具たわみ平均値閾値入力欄85と、工具たわみ標準偏差閾値16をユーザが入力するための工具たわみ標準偏差閾値86と、補正後NCデータ生成処理を開始するための補正実行ボタン87と、読み込んだ工具たわみ量13をグラフとして出力する表示領域88と、補正前NCデータ12及び補正後NCデータを比較して表示するための表示領域89とを備える。
[試験例]
ところで、本出願人は、本実施形態の切削加工支援システム1を適用することで、被加工物に対する加工誤差がどれだけ減少するかを確認する試験を行った。
図9は、本出願人が行った確認試験の結果を示す図である。この試験では、被加工物として、外径160mm、内径80mmの一般用構造鋼(SS400)の丸棒材を使用し、被加工物に対する工具11として工具径40mmの切削工具を使用して内径旋削加工を行った。なお、加工条件は、周速50m/min、1回転当たりの送り速度0.2mm/rev、半径切込みt0.5mmである。なお
、本試験では、補正前NCデータ12を補正する前に一度テスト加工を実施し工具たわみ量13を設定した後に、補正後NCデータを生成した。
図9に示すように、NCデータを補正する前の加工誤差は約36μmであったが、補正後
NCデータを用いて加工すると加工誤差は9μmとなり、加工誤差を約74%削減することができることが証明された。
以上のように、本実施形態の切削加工支援システム1は、各加工ブロックでの被加工物への切削加工により生じた、工具11の各位置のたわみのデータ(工具たわみ量13、工具位置情報14)を取得し、たわみのデータ及び補正前NCデータ12に基づき、加工ブロックでの切削加工により工具11に生じたたわみの変位量(たわみの平均値)が閾値以上である場合には、生じたたわみによる加工誤差を減じさせる補正後NCデータを生成する。
すなわち、本実施形態の切削加工支援システム1では、被加工物に対する過去の加工作業中にインプロセスで計測した工具たわみ量13、工具位置情報14等を用いて、たわみ補正を行うことができる。例えば、過去の被加工物の加工中に高能率な加工条件を選択した結果、加工負荷及び加工誤差が増加したような事例があった場合であっても、その加工中の工具たわみ量に基づいて自動でNCデータを補正することができる。
このように、たわみ補正を行うための特別な工程を設ける必要がない(例えば、計測工程や再加工をする必要がない)。これにより、加工リードタイムの増加を抑制することができると共に、加工精度を向上させるNCデータを生成することができる。
例えば、作業者は、一度テスト加工を実施してその加工中の工具たわみ量13の情報を取得しておけば、切削加工支援システム1を利用してこの工具たわみ量13を用いた補正後NCデータを生成できる。このことは、1回目にテスト加工を行って補正前NCデータ12を生成すれば、2回目以降の本加工では補正後NCデータを使用することができることを意味するので、格別な工程を要さず加工精度の向上が期待できる。また、2回目以降の加工において、工具11の送り速度又は切込み量などの加工条件を変更した場合でも、加工条件に比例してテスト加工時の工具たわみ量13を増減させることで補正前NCデー
タ12を補正することができる。
以上のように、本実施形態の切削加工支援システム1によれば、被加工物に対する作業工程を軽減しつつも被加工物に対する高精度な加工を行うことができる。
[実施例2]
実施例2では、実施例1又はその他の方法の加工等によって一定程度加工誤差が低減された被加工物に対してさらに再加工が必要な場合、工具たわみ平均値閾値15に適切な値を設定することによって、さらに改善された補正後NCデータ(再加工用NCデータ)を生成する。
図10は、実施例2に係る補正後NCデータ生成処理の一例を説明するフローチャートである。補正後NCデータ生成処理は、例えば、ユーザがNCデータ補正システム2に対して所定の指示入力を行った場合に開始される(ステップS21)。
まず、NCデータ補正システム2のデータ前処理部23は、実施例1のステップS2と同様に、補正前NCデータ12(例えば、実施例1等によって加工誤差が低減される前に被加工物に対して用いられた補正前NCデータ12でもよい)、工具たわみ量13、及び工具位置情報14を読み込む(ステップS22)。
データ前処理部23は、実施例1のステップS3と同様に、ステップS22で読み込んだデータに基づき、加工ブロック毎の工具たわみ量の時間変化を算出する(ステップS23)。
工具たわみ平均値算出部24は、実施例1のステップS4と同様に、ステップS23で算出した、加工ブロック毎の工具たわみ量の時間変化に基づき、加工ブロック毎の工具たわみ量の平均値(たわみ平均値)を算出する(ステップS24)。
そして、補正判定部4は、各加工ブロックについて、補正前NCデータ12に対してたわみ補正を行うか否か決定すると共に、そのたわみ補正を実行する(ステップS25~ステップS30)。
すなわち、まず、補正判定部4は、実施例1のステップS7と同様に、加工ブロックのうち任意に選択した加工ブロック(選択ブロック)全体における工具11たわみ量に基づき、工具11のたわみ補正が必要か否かを判定する(ステップS26)。
具体的には、補正判定部4は、ステップS24で算出したたわみ平均値が工具たわみ平均値閾値15以上であるか否かを判定する。
なお、この場合の工具たわみ平均値閾値15には、予め、再加工が必要でない程度のたわみ量を設定する。例えば、工具たわみ平均値閾値15には、寸法公差を設定する。
工具11のたわみ補正が必要な場合は(ステップS26:YES)、補正判定部4は、次述するステップS28を実行し、工具11のたわみ補正が必要でない場合は(ステップS26:NO)、補正判定部4は、後述するステップS27を実行する。
ステップS28では、補正判定部4は、補正前NCデータ12における、選択ブロックのプログラム部分(NCデータのコマンド)を抽出する。補正判定部4は、抽出したプログラムの部分を、補正後NCデータに追加する(ステップS29)。その後は、ステップS30の処理が行われる。
一方、ステップS27において、補正後NCデータ生成部6は、選択ブロックについて補正データを生成することなく、次述するステップS30の処理を実行する。すなわち、補正後NCデータ生成部6は、工具たわみが小さい加工ブロックに関しては、その部分のNCデータは生成しない。
ステップS30において補正後NCデータ生成部6は、これまでに未選択の加工ブロックがある場合は、その加工ブロックを新たな選択ブロックとしてステップS25以降の処理を繰り返す。これまでに未選択の加工ブロックがない場合は、補正後NCデータの生成処理が終了する。
ここで、図11は、実施例2に係る補正後NCデータの生成例を説明する図である。この補正前NCデータ50に登録されていた各加工ブロックのデータのうち、第1の加工ブロック51及び第2の加工ブロック52は、たわみ平均値が工具たわみ平均値閾値15以上であり再加工が必要と判定されたため、補正後NCデータ(再加工用NCデータ54)にも、補正前NCデータ50と同様の第1の加工ブロック51及び第2の加工ブロック52が設定されている。
一方、補正前NCデータ50に登録されていた第3の加工ブロック53は、たわみ平均値が工具たわみ平均値閾値15よりも小さく再加工は必要ないと判断されたため、補正後NCデータ(再加工用NCデータ54)には、第3の加工ブロック53に対応するNCデータ(コマンド)は設定されていない。
このように、実施例2の切削加工支援システム1では、工具たわみ平均値閾値15に、再加工が必要でない場合の閾値(寸法公差等)を設定し、工具たわみ平均値閾値15に関する要件を満たさない加工ブロックについてはNCデータのコマンドを生成しないようにしている。このようにすることで、加工精度を一定以上に保ち不良品を削減させるのみならず、再加工に要する加工時間も削減することができるようになる。すなわち、再加工が必要な場合でも、NCデータから再加工が必要な加工ブロックのみを抽出した再加工用NCデータを生成することができるため、加工リードタイムの増加を最小限に留めることができる。
[実施例3]
実施例3は、実施例1又は実施例2に係る切削加工支援システム1を適用した情報処理システムの例(ソリューション展開の実施例)である。
図12は、実施例3に係る切削加工支援システムの構成の一例を示す図である。本実施例の切削加工支援システムは、実施例1又は実施例2と同様のNCデータ補正システム2と、所定の情報処理システム91と、旋削加工によって製品を製造する各工場98とを含んで構成されている。
各工場98には、製品を製造するための様々な工作機械93と、各工作機械93を制御するNC装置94(実施例1又は実施例2と同様のNC装置)と、NC装置94が使用するNCデータ(補正後NCデータ)を管理する工場端末95とが設置されている。
情報処理システム91は、例えば所定の管理者によって管理されるデータベース92を備える。情報処理システム91は、例えば、いわゆるクラウドシステムとして構築されるシステムである。
NCデータ補正システム2、情報処理システム91、及び工場端末95の間は、LAN
(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)、インターネット等の有線又は
無線の通信ネットワーク90によって通信可能に接続される。
各工場98の工場端末95は、各工作機械93のNCデータ(補正前NCデータ12)、工具たわみ量、工具情報(例えば、工具11の仕様、型番等の情報)、被削材情報(例えば、被加工物のたわみ量を算出するための物性データ)、設備情報(例えば、NC装置94の制御の仕様の情報)等を記憶していると共に、これらの情報を、情報処理システム91のデータベース92に送信する。また、工場端末95は、データベース92に記憶されている各データを受信する。
一方、NCデータ補正システム2は、データベース92に記憶されたこれらのデータを利用して補正後NCデータを生成し、生成した補正後NCデータをデータベース92に記録する。
これにより、工場端末95は、自身の工場98に係るデータだけでなく、他の工場98に係るデータにもアクセスする(例えば、ダウンロードする)ことができる。
例えば、工場端末95は、NCデータ補正システム2が生成した自身の工場98又は他の工場98に係る補正後NCデータを受信し、これらを旋盤加工(NC装置94)に用いることができる。
また、例えば、工場端末95は、自身の工場98又は他の工場98に係る工具たわみ量を受信することで、作業者は、加工誤差が発生しやすい加工箇所や、加工に時間を要する形状等の知見を得ることができる。そして、作業者は、これらの情報を設計工程にフィードバックすることで、被加工物の加工精度及び加工能率を意識した製品設計が可能となる。さらに、作業者は、不具合等が生じた際は、工具たわみ量や使用したNCデータに異常が含まれていないか確認することができるため、製造した製品の品質保証にも資する。
以上、本発明は上記した各実施例の内容に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加、削除、又は置換することが可能である。
例えば、本実施形態では、旋削加工の手法として内径旋削加工の場合を説明したが、外径旋削加工又はその他の旋削加工全般に対して適用可能である。
また、本実施形態では、ひずみ補正を行うか否かの条件として、加工ブロックにおけるひずみ量の平均値を用いたが、加工ブロック内のひずみ量全体を表す他のパラメータを使用してもよい。例えば、加工ブロック内の工具11の全移動距離や、移動速度に係る条件を用いてもよい。
また、本実施形態では、一律補正及び逐次補正を行う場合のばらつき量の判定として、加工ブロックにおけるひずみ量の標準偏差を用いたが、分散等のその他のパラメータを用いてもよいし、所定のばらつき量の変化のテンプレートを記憶しこのテンプレートからのずれの大きさによってばらつき量を判定してもよい。
また、本実施形態では、たわみ補正を行う場合、工具11のたわみ量と同じ長さ及び方向のたわみ補正を行うこととしたが、これに加えて、他の要素を考慮した補正を行っても
よい。例えば、切削加工に応じて発生する工具11の摩耗に基づく変位の修正を行ってもよい。
以上の本明細書の記載により、少なくとも以下の事項が明らかにされる。すなわち、本実施形態の切削加工支援システム1においては、前記プロセッサは、前記プロセッサは、前記補正後NCデータ生成処理において、前記たわみの変位量が前記閾値以上である場合には、さらに、前記工具に生じた各位置のたわみの変位に所定のばらつきが生じているか否かを判定し、前記各位置のたわみの変位に前記所定のばらつきが生じている場合には、前記工具の前記所定範囲での各位置のたわみに応じた前記工具の各移動を行う、新たなNCデータを生成し、前記各位置のたわみの変位に前記所定のばらつきが生じていない場合には、前記工具の前記所定範囲での位置を一定量変更させた前記工具の移動を行う、新たなNCデータを生成する、としてもよい。
このように、工具11のたわみの変位量が閾値以上である場合において、工具に生じた各位置のたわみの変位にばらつきが生じている場合には、工具11の各位置のたわみに応じた工具11の移動を行い(逐次補正)、工具11の各位置のたわみの変位にばらつきが生じていない場合には、工具11の位置を一定量変更した工具11の移動を行う(一律補正)を行うことで、加工ブロック内での工具11のたわみのばらつきに応じたたわみ補正を行うことができる。
また、本実施形態の切削加工支援システム1においては、前記プロセッサは、前記補正後NCデータ生成処理において、前記取得したNCデータ及び前記取得した各位置のたわみのデータに基づき、前記切削加工において前記工具に前記所定範囲で生じたたわみの変位の平均値が所定閾値以上であるか否かを判定し、前記たわみの変位の平均値が前記所定閾値以上である場合には、さらに、前記工具の各位置のたわみの変位の標準偏差が所定値以上であるか否かを判定し、前記たわみの変位の標準偏差が前記所定値以上である場合には、前記工具の前記所定範囲での各位置のたわみに応じた前記工具の移動をそれぞれ行う、新たなNCデータを生成し、前記たわみの変位の標準偏差が前記所定値以上でない場合には、前記工具の位置を一定量変更させた前記所定範囲での前記工具の移動を行う、新たなNCデータを生成する、としてもよい。
このように、たわみの変位の平均値が工具たわみ平均値閾値15以上である場合において、工具11の各位置のたわみの標準偏差が工具たわみ標準偏差閾値16以上である場合には、工具11の各位置のたわみに応じた工具11の各移動を各ブロックで行う補正後NCデータを生成し、他方、工具11のたわみの標準偏差が工具たわみ標準偏差閾値16以上でない場合には、工具11の位置を一定量変更させた工具11の移動を加工ブロックで行う補正後NCデータを生成することで、工具11のたわみの大きさ及びばらつきに即した正確な工具11の位置の補正を行うことができる。
また、本実施形態の切削加工支援システム1においては、前記プロセッサは、前記補正後NCデータ生成処理において、前記たわみの変位の標準偏差が前記所定値以上である場合には、前記各位置のたわみの長さと同じ長さかつ同方向の前記工具の移動を前記所定範囲の前記各位置で行う、新たなNCデータを生成し、前記たわみの変位の標準偏差が前記所定値以上でない場合には、前記たわみの平均値と同じ長さかつ同方向の前記工具の一定移動を前記所定範囲で行う、新たなNCデータを生成する、としてもよい。
このように、工具11のたわみの変位の標準偏差が工具たわみ標準偏差閾値16以上である場合には、工具11の各位置のたわみと同じ長さかつ同方向の工具11の移動を加工ブロックの各位置で行う補正後NCデータを生成し、他方、たわみの変位の標準偏差が工具たわみ標準偏差閾値16以上でない場合には、たわみの平均値と同じ長さかつ同方向の
工具11の一定移動を加工ブロックで行う補正後NCデータを生成することで、工具11のたわみの長さ(変位の大きさ)及びその方向に応じた正確なたわみ補正を行うことができる。
また、本実施形態の切削加工支援システム1においては、前記プロセッサは、前記閾値の入力をユーザから受け付ける入力画面を表示する入出力処理を実行する、としてもよい。
このように、閾値(工具たわみ平均値閾値15等)の入力をユーザから受け付ける入力画面を表示することにより、ユーザは、工具11及び被加工物の特性に応じたたわみ補正を行うことができる。
また、本実施形態の切削加工支援システム1においては、前記プロセッサは、前記生成した新たなNCデータを表示する入出力処理を実行する、としてもよい。
このように、補正後NCデータを表示することで、ユーザは、たわみ補正の内容を確認し、効率的な切削加工を行うことができる。
また、本実施形態の切削加工支援システム1においては、工具を移動させることにより被加工物の所定範囲に切削加工を行うためのプログラムであるNCデータを取得するNCデータ取得処理と、前記被加工物への切削加工により生じた、前記工具の前記所定範囲での各位置のたわみのデータを取得するたわみ量取得処理と、前記取得したNCデータ及び前記取得した各位置のたわみのデータに基づき、前記切削加工により前記工具に生じた前記所定範囲でのたわみの変位量が閾値以上であるか否かを判定し、前記たわみの変位量が前記閾値以上である場合には、前記工具の各位置のたわみによる加工誤差を減じさせる前記工具の移動を行う、新たなNCデータを生成する補正後NCデータ生成処理と、を実行するプロセッサを備える、としてもよい。
このように、加工ブロックでの切削加工により工具11に生じたたわみの変位量が閾値以上である場合にのみ、補正前NCデータ12における加工ブロックでの工具11の移動を行う補正後NCデータを生成することにより、例えば、荒加工を行った一定程度の加工誤差は減じたもののさらなる加工精度の向上を図る際に、閾値に寸法公差を適用する等して高精度の再加工を行うことができる。
また、本実施形態の切削加工支援システム1においては、前記プロセッサは、前記補正後NCデータ生成処理において、前記取得したNCデータ及び前記取得した各位置のたわみのデータに基づき、前記切削加工において前記工具に前記所定範囲で生じたたわみの変位の平均値が所定閾値以上であるか否かを判定し、前記たわみの変位の平均値が前記所定閾値以上である場合にのみ、前記取得したNCデータが示す前記所定範囲での前記工具の移動を行う、新たなNCデータを生成する、としてもよい。
このように、加工ブロックでの切削加工において工具11に生じたたわみの変位の平均値が閾値以上である場合にのみ、補正後NCデータを生成することで、品質の均質性が保証された切削加工を行うことができる。
また、本実施形態の切削加工支援システム1においては、工具を移動させることにより被加工物の所定範囲に切削加工を行うためのプログラムであるNCデータ、及び、前記被加工物への切削加工により生じた、前記工具の前記所定範囲での各位置のたわみのデータを所定の情報処理装置に送信する、前記工具に対応づけられた端末と、前記情報処理装置から前記NCデータを取得するNCデータ取得処理、前記情報処理装置から前記たわみの
データを取得するたわみ量取得処理、及び、前記取得したNCデータ及び前記取得した各位置のたわみのデータに基づき、前記切削加工により前記工具に生じた前記所定範囲でのたわみの変位量が閾値以上であるか否かを判定し、前記たわみの変位量が前記閾値以上である場合には、前記工具の各位置のたわみによる加工誤差を減じさせる前記工具の移動を行う、新たなNCデータを生成する補正後NCデータ生成処理を実行するプロセッサを備えるNCデータ補正システムとを備え、前記端末は、前記生成された新たなNCデータを受信する、切削加工支援システム、としてもよい。
このように、工場端末95とNCデータ補正システム2とがアクセス可能な情報装置(クラウド等)を設ける構成にすることで、各工場端末95は、補正前NCデータ12、工具たわみ量13、及び補正後NCデータを共有し、切削加工業務を効率良く行うことができる。
1 切削加工支援システム、2 NCデータ補正システム、13 工具たわみ量、14 工具位置情報、18 NC装置

Claims (7)

  1. 工具を移動させることにより被加工物の所定範囲に切削加工を行うためのプログラムであるNCデータを取得するNCデータ取得処理と、
    前記被加工物への切削加工により生じた、前記工具の前記所定範囲での各位置のたわみのデータを取得するたわみ量取得処理と、
    前記取得したNCデータ及び前記取得した各位置のたわみのデータに基づき、前記切削加工により前記工具に生じた前記所定範囲でのたわみの変位量が閾値以上であるか否かを判定し、前記たわみの変位量が前記閾値以上である場合には、前記工具の各位置のたわみによる加工誤差を減じさせる前記工具の移動を行う、新たなNCデータを生成する補正後NCデータ生成処理と、
    を実行し、
    前記補正後NCデータ生成処理において、
    前記たわみの変位量が前記閾値以上である場合には、さらに、前記工具に生じた各位置のたわみの変位に所定のばらつきが生じているか否かを判定し、
    前記各位置のたわみの変位に前記所定のばらつきが生じている場合には、前記工具の前記所定範囲での各位置のたわみに応じた前記工具の各移動を行う、新たなNCデータを生成し、
    前記各位置のたわみの変位に前記所定のばらつきが生じていない場合には、前記工具の前記所定範囲での位置を一定量変更させた前記工具の移動を行う、新たなNCデータを生成する
    プロセッサを備える、切削加工支援システム。
  2. 請求項に記載の切削加工支援システムであって、
    前記プロセッサは、前記補正後NCデータ生成処理において、
    前記取得したNCデータ及び前記取得した各位置のたわみのデータに基づき、前記切削加工において前記工具に前記所定範囲で生じたたわみの変位の平均値が所定閾値以上であるか否かを判定し、前記たわみの変位の平均値が前記所定閾値以上である場合には、さらに、前記工具の各位置のたわみの変位の標準偏差が所定値以上であるか否かを判定し、
    前記たわみの変位の標準偏差が前記所定値以上である場合には、前記工具の前記所定範囲での各位置のたわみに応じた前記工具の移動をそれぞれ行う、新たなNCデータを生成し、
    前記たわみの変位の標準偏差が前記所定値以上でない場合には、前記工具の位置を一定量変更させた前記所定範囲での前記工具の移動を行う、新たなNCデータを生成する、
    切削加工支援システム。
  3. 請求項に記載の切削加工支援システムであって、
    前記プロセッサは、前記補正後NCデータ生成処理において、
    前記たわみの変位の標準偏差が前記所定値以上である場合には、前記各位置のたわみの長さと同じ長さかつ同方向の前記工具の移動を前記所定範囲の前記各位置で行う、新たなNCデータを生成し、
    前記たわみの変位の標準偏差が前記所定値以上でない場合には、前記たわみの平均値と同じ長さかつ同方向の前記工具の一定移動を前記所定範囲で行う、新たなNCデータを生成する、
    切削加工支援システム。
  4. 請求項1に記載の切削加工支援システムであって、
    前記プロセッサは、前記閾値の入力をユーザから受け付ける入力画面を表示する入出力処理を実行する、切削加工支援システム。
  5. 請求項1に記載の切削加工支援システムであって、
    前記プロセッサは、前記生成した新たなNCデータを表示する入出力処理を実行する、切削加工支援システム。
  6. 工具を移動させることにより被加工物の所定範囲に切削加工を行うためのプログラムであるNCデータを取得するNCデータ取得処理と、
    前記被加工物への切削加工により生じた、前記工具の前記所定範囲での各位置のたわみのデータを取得するたわみ量取得処理と、
    前記取得したNCデータ及び前記取得した各位置のたわみのデータに基づき、前記切削加工により前記工具に生じた前記所定範囲でのたわみの変位量が閾値以上であるか否かを判定し、前記たわみの変位量が前記閾値以上である場合には、前記工具の各位置のたわみを減じさせる前記工具の移動を行う、新たなNCデータを生成する補正後NCデータ生成処理と、
    を実行し、
    前記補正後NCデータ生成処理において、
    前記取得したNCデータ及び前記取得した各位置のたわみのデータに基づき、前記切削加工において前記工具に前記所定範囲で生じたたわみの変位の平均値が所定閾値以上であるか否かを判定し、前記たわみの変位の平均値が前記所定閾値以上である場合にのみ、前記取得したNCデータが示す前記所定範囲での前記工具の移動を行う、新たなNCデータを生成する、
    プロセッサを備える、切削加工支援システム。
  7. 工具を移動させることにより被加工物の所定範囲に切削加工を行うためのプログラムであるNCデータ、及び、前記被加工物への切削加工により生じた、前記工具の前記所定範囲での各位置のたわみのデータを所定の情報処理装置に送信する、前記工具に対応づけられた端末と、
    前記情報処理装置から前記NCデータを取得するNCデータ取得処理、
    前記情報処理装置から前記たわみのデータを取得するたわみ量取得処理、及び、
    前記取得したNCデータ及び前記取得した各位置のたわみのデータに基づき、前記切削加工により前記工具に生じた前記所定範囲でのたわみの変位量が閾値以上であるか否かを判定し、前記たわみの変位量が前記閾値以上である場合には、前記工具の各位置のたわみによる加工誤差を減じさせる前記工具の移動を行う、新たなNCデータを生成する補正後NCデータ生成処理
    を実行し、
    前記補正後NCデータ生成処理において、
    前記たわみの変位量が前記閾値以上である場合には、さらに、前記工具に生じた各位置のたわみの変位に所定のばらつきが生じているか否かを判定し、
    前記各位置のたわみの変位に前記所定のばらつきが生じている場合には、前記工具の前記所定範囲での各位置のたわみに応じた前記工具の各移動を行う、新たなNCデータを生成し、
    前記各位置のたわみの変位に前記所定のばらつきが生じていない場合には、前記工具の前記所定範囲での位置を一定量変更させた前記工具の移動を行う、新たなNCデータを生成するプロセッサを備えるNCデータ補正システムとを備え、
    前記端末は、前記生成された新たなNCデータを受信する、
    切削加工支援システム。
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