以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本実施形態に係る情報提供システムの構成を示す図である。図1に示すように、本実施形態に係る情報提供システムは、複数の車両に搭載された複数の車載装置100と、車両の外部に設置された情報提供装置200とから構成される。複数の車載装置100と情報提供装置200とは、通信回線を介して各種情報の授受が可能となっている。通信回線としては、たとえば、携帯電話網、無線LAN網、DSRC(Dedicated Short Range Communications)網および電力線通信網などが挙げられる。また、車載装置100がフラッシュメモリ等の着脱式の記憶媒体に各種情報を記録し、記録した各種情報を、通信機能を有する端末(たとえば携帯電話機)経由で送受信する構成としてもよい。なお、図1に示す例では、1つの車両に搭載された1つの車載装置100のみを例示しているが、情報提供システムは、車載装置100を複数備える構成とすることができる。
車載装置100は、図1に示すように、センサー群110、操作機器群120、車載通信装置130、車載制御装置140、および提示装置150を有する。これら装置は、相互に情報の授受を行うためにCAN(Controller Area Network)その他の車載LANによって接続されている。
センサー群110は、自車両の位置を検出するGPS装置を少なくとも含む。GPS装置は、複数の衛星通信から送信される電波を検出して、自車両の位置情報を、周期的に取得するとともに、取得した自車両の位置情報と、ジャイロセンサーから取得した角度変化情報と、車速センサーから取得した車速とに基づいて、自車両の現在位置を検出する。また、GPS装置は、現在の時刻情報も取得する。加えて、センサー群110には、車両の車速を検出する車速センサー、ステアリングの操舵角を検出する操舵角センサー、アクセル開度を検出するアクセル開度センサー、およびブレーキ開度を検出するブレーキ開度センサーなども含むことができる。
操作機器群120は、ドライバーが操作可能な操作部材であり、車両の走行経路を設定するためのナビゲーション装置、左右のウインカーランプ(方向指示器)を点滅させるターンシグナルスイッチ、ハザードランプを点滅させるハザードスイッチを少なくとも含む。ドライバーが操作した操作機器群120の操作情報は、車載制御装置140に送信される。
車載通信装置130は、電話回線網などを介して、情報提供装置200のサーバー通信装置210と通信可能となっている。車載通信装置130は、車載制御装置140から取得したプローブ情報を情報提供装置200に送信するとともに、情報提供装置200から推奨待避場所を案内する情報(以下、待避場所案内情報という。)を受信し、受信した待避場所案内情報を車載制御装置140に出力する。なお、プローブ情報および待避場所案内情報の詳細については後述する。
提示装置150は、ディスプレイやスピーカーなどの装置であり、情報提供装置200から提供された情報を、ディスプレイの画面に表示し、あるいはスピーカーから音声出力などすることにより、ドライバーに提示することができる。
車載制御装置140は、待避場所案内情報をドライバーに提示するためのプログラムを格納したROM(Read Only Memory)と、このROMに格納されたプログラムを実行するCPU(Central Processing Unit)と、アクセス可能な記憶装置として機能するRAM(Random Access Memory)とから構成される。なお、動作回路としては、CPU(Central Processing Unit)に代えて又はこれとともに、MPU(Micro Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)などを用いることができる。
車載制御装置140は、ROMに格納されたプログラムをCPUにより実行することにより、プローブ情報を取得するプローブ情報取得機能と、取得したプローブ情報を情報提供装置200に送信するプローブ情報送信機能と、情報提供装置200から受信した情報をドライバーに提示する情報提示機能と、を備える。以下に、車載制御装置140が備える各機能について説明する。
車載制御装置140のプローブ情報取得機能は、センサー群110から各センサーの検出結果をプローブ情報として取得する。たとえば、プローブ情報取得機能は、GPS装置から自車両の位置情報および現在の時刻情報を、車速センサーから車速情報を、それぞれプローブ情報として取得することができる。さらに、プローブ情報取得機能は、操舵角センサーから操舵角情報(ステアリングの操作量の情報)、ブレーキ開度センサーからブレーキ開度の情報、アクセル開度センサーからアクセル開度の情報をそれぞれ取得し、一定期間における操舵角の平均値(以下、平均操舵角という。)、一定期間におけるブレーキ開度の平均値(以下、平均ブレーキ開度という。)、および一定期間におけるアクセル開度の平均値(以下、平均アクセル開度という。)を、それぞれプローブ情報として取得することができる。
また、プローブ情報取得機能は、操作機器群120から各操作機器の操作情報をプローブ情報として取得する。たとえば、プローブ情報取得機能は、ターンシグナルスイッチからウインカーランプの使用状況を、ハザードスイッチからハザードランプの使用状況を、それぞれプローブ情報として取得する。さらに、プローブ情報取得機能は、ナビゲーション装置から走行予定経路の情報を、プローブ情報として取得することもできる。そして、プローブ情報取得機能は、センサー群110および操作機器群120から取得したプローブ情報を、車載制御装置140のRAMに一時的に蓄積する。
車載制御装置140のプローブ情報送信機能は、プローブ情報取得機能により取得され、車載制御装置140のRAMに一時的に蓄積されているプローブ情報を、車載通信装置130を介して、情報提供装置200に送信する。たとえば、本実施形態において、プローブ情報送信機能は、イグニッションオフまたはイグニッションオンのタイミング、一定時間ごと、または、車両が一定距離走行する度に、車載制御装置140のRAMに蓄積されたプローブ情報を情報提供装置200に送信することができる。なお、本実施形態においては、一定時間ごとに、プローブ情報を情報提供装置200に送信するものとして説明する。さらに、本実施形態では、車載装置100を搭載する車両の車種情報や車両のID情報が車載制御装置140のRAMに予め記憶されており、プローブ情報送信機能は、車両の車種情報や車両のID情報を車載制御装置140のRAMから取得し、プローブ情報として、情報提供装置200に送信することができる。
車載制御装置140の情報提示機能は、車載通信装置130を介して、待避場所案内情報(詳細は後述する。)を情報提供装置200から受信し、受信した待避場所案内情報を、提示装置150を介して、ドライバーに提示する。なお、詳細は後述するが、待避場所案内情報は、ドライバーに推奨待避場所を案内するための情報であり、このような待避場所案内情報をドライバーに提示することで、ドライバーに適切な待避場所を把握させることができ、車両が幅員の狭い道路を通行する場合も、対向車両とのすれ違いや後続車両による追い越しなどによるドライバーの不安を低減することができる。
次に、本実施形態に係る情報提供装置200について説明する。情報提供装置200は、車両の外部に設置されたサーバーであり、図1に示すように、サーバー通信装置210と、サーバー処理装置220と、データベース230とを有している。
サーバー通信装置210は、電話回線網などにより、車載装置100の車載通信装置130と通信可能となっている。サーバー通信装置210は、複数の車両にそれぞれ搭載された複数の車載装置100から複数のプローブ情報を受信し、受信した複数のプローブ情報をサーバー処理装置220に出力するとともに、サーバー処理装置220から取得した情報を車載装置100に送信する。
データベース230は、複数の車両から取得した複数のプローブ情報を格納している。このようなプローブ情報には、プローブ情報が取得された際の車両の位置、日時、外気温、平均操舵角、平均アクセル開度、および平均ブレーキ開度などの情報が含まれる。また、データベース230は、車種情報、地図情報、および道路情報も格納している。車種情報には、車両の種別(たとえば大型車、普通車、小型車など)、車両寸法(たとえば全長、全幅、全高、トレッド幅、車両重量、車両総重量など)、車両のエンジン排気量の情報などが含まれる。また、道路情報には、道路の種別(たとえば、道路が一般道、自動車専用道路、橋、あるいはトンネルであるか)や、交差点、停止線、信号機、および道路標識などの位置の情報が含まれる。
サーバー処理装置220は、待避場所案内情報を車載装置100に提供するためのプログラムを格納したROMと、このROMに格納されたプログラムを実行するCPUと、アクセス可能な記憶装置として機能するRAMとから構成される。サーバー処理装置220は、ROMに格納されたプログラムをCPUにより実行することにより、車載装置100から受信したプローブ情報をデータベース230に格納するプローブ情報格納機能と、プローブ情報に基づいて、車両が待避する傾向にある推奨待避場所を特定するプローブ情報解析機能と、待避場所案内情報を提供する情報提供機能と、を備える。以下に、サーバー処理装置220が備える各機能について説明する。
サーバー処理装置220のプローブ情報格納機能は、車載装置100から受信したプローブ情報をデータベース230に格納する。また、プローブ情報格納機能は、データベース230に格納された車種情報を参照し、プローブ情報に含まれる車両IDから、プローブ情報を取得した車両の種別(たとえば大型車、普通車、小型車など)、車両寸法(たとえば全長、全幅、全高、トレッド幅、車両重量、車両総重量など)、車両のエンジン排気量の情報を特定し、特定した車両の種別情報、車両寸法情報、車両のエンジン排気量の情報を、プローブ情報に関連付けてデータベース230に格納する。さらに、プローブ情報格納機能は、データベース230に格納された道路情報を参照し、プローブ情報に含まれる車両の位置から、プローブ情報を取得した車両が走行する道路の種別(たとえば、車両が走行する道路が一般道、自動車専用道路、橋、あるいはトンネルであるか)を特定し、特定した道路の種別情報を、プローブ情報に関連付けてデータベース230に格納する。
サーバー処理装置220のプローブ情報解析機能は、複数の車載装置100から収集された複数のプローブ情報に基づいて、車両が待避する傾向にある場所を推奨待避場所として特定する。プローブ情報解析機能は、まず、データベース230に蓄積された複数のプローブ情報を取得する。そして、プローブ情報解析機能は、プローブ情報に関連付けた車種情報に基づいて、取得した複数のプローブ情報を、車両の車種ごとにグループ化する。
たとえば、プローブ情報解析機能は、車種情報に含まれる車両の排気量、車両の寸法(全長、全幅、全高など)、および種別(大型車、普通車、小型車)のうち1以上に基づいて、複数の車両から収集した複数のプローブ情報をグループ化することができる。たとえば、プローブ情報解析機能は、車両の種別情報に基づいて、複数の車両から取得した複数のプローブ情報を、小型車から得られたプローブ情報と、普通車から得られたプローブ情報と、大型車から得られたプローブ情報とにグループ化することができる。あるいは、プローブ情報解析機能は、車両の排気量ごとに、複数の車両から複数のプローブ情報をグループ化してもよいし、また、車両の寸法ごとに、複数の車両から複数のプローブ情報をグループ化してもよい。
次いで、プローブ情報解析機能は、グループ化したプローブ情報に基づいて車両の走行パターンを特定し、特定した各車両の走行パターンを、複数のクラスに分類するクラスタリング処理を行う。
具体的には、プローブ情報解析機能は、まず、プローブ情報に基づいて、各車両の走行パターンを特定する。本実施形態において、プローブ情報解析機能は、プローブ情報に含まれる車両IDに基づいて、グループ化されたプローブ情報を車両ごとに分類し、車両ごとに分類した複数のプローブ情報に基づいて、曜日および/または時間帯ごとの車両の走行頻度、地域ごとの車両の走行頻度、急ハンドルの発生頻度、並びに急発進および急減速の発生頻度を、車両の走行パターンとして車両ごとに特定する。ここで、車両ごとに分類した複数のプローブ情報は、それぞれ異なる時刻で得られた同一車両のプローブ情報であり、車両の走行履歴を示す情報となる。そのため、プローブ情報解析機能は、これら車両ごとに分類した複数のプローブ情報に基づいて、車両ごとの走行パターン(たとえば、曜日および/または時間帯ごとの走行頻度、地域ごとの走行頻度、急ハンドルの発生頻度、および急発進および急減速の発生頻度など)を特定することができる。
より具体的には、プローブ情報解析機能は、車両ごとに分類したプローブ情報に含まれる位置情報および時刻情報に基づいて、曜日および/または時間帯ごとの走行頻度を特定することができる。また、プローブ情報解析機能は、車両ごとに分類したプローブ情報に含まれる位置情報および時刻情報に基づいて、地域ごとの走行頻度を特定することができる。さらに、プローブ情報解析機能は、車両ごとに分類したプローブ情報に含まれる平均操舵角の情報に基づいて、急ハンドルの発生頻度を特定することができる。加えて、プローブ情報解析機能は、車両ごとに分類したプローブ情報に含まれる車速、平均アクセル開度、平均ブレーキ開度の情報に基づいて、急発進および急減速の発生頻度を特定することができる。このように、プローブ情報解析機能は、各車両のプローブ情報に基づいて、各車両の走行パターンを特定する。
そして、プローブ情報解析機能は、特定した車両の走行パターンを複数のクラスに分類するクラスタリング処理を行う。ここで、図2は、走行パターンのクラスタリング処理を説明するための図である。なお、以下においては、図2に示すように、車両の走行パターンのうち、曜日および/または時間帯ごとの車両の走行頻度と、地域ごとの車両の走行頻度とを例示して、クラスタリング処理を説明する。
たとえば、プローブ情報解析機能は、k平均法などの統計処理を行うことで、図2に示すように、各車両の走行パターンを、複数のクラスに分類することができる。たとえば、図2に示す例では、プローブ情報解析機能は、曜日および/または時間帯における走行頻度と、地域における走行頻度とに基づいて、各車両の走行パターンを、C1〜C3の3つのクラスにクラスタリングすることができる。また、図示していないが、プローブ情報解析機能は、さらに、急ハンドルの発生頻度や急発進および急減速の発生頻度に基づいて、各車両の走行パターンをクラスタリングすることができる。
なお、詳細は後述するが、本実施形態では、車両の走行パターンのクラスタリング処理が、地域ごと、曜日および/または時間帯ごとに行われる。そのため、図2に示す例において、たとえば地域がR1、曜日および/または時間帯がT1を、対象とする地域、並びに、対象とする曜日および/または時間帯として、クラスタリング処理を行った場合には、地域がR1における車両の走行頻度と、曜日および/または時間帯がT1における車両の走行頻度とがグラフにプロットされることとなり、地域がR1、曜日および/または時間帯がT1における車両の走行パターンがクラスタリングされることとなる。同様に、他の地域、他の曜日および/または時間帯における車両の走行パターンをクラスタリングすることで、車両の走行パターンのクラスタリング処理が、地域ごと、曜日および/または時間帯ごとに行われることとなる。なお、クラスタリングの方法は、k平均法に限られず、ウォード法などの公知の手法を用いることができる。
さらに、プローブ情報解析機能は、クラスタリングした複数のクラスの中から、運転習熟度が高い車両が属するクラスを特定する。そして、プローブ情報解析機能は、特定したクラスに属する車両のプローブ情報を、対象プローブ情報として取得する。たとえば、図2に示す例において、クラスC1における車両の走行パターンは、クラスC2における車両の走行パターンと比べて、対象とする曜日および/または時間帯における走行頻度が高い。また、クラスC1における車両の走行パターンは、クラスC3における車両の走行パターンと比べて、対象とする地域における走行頻度が高い。そのため、クラスC1に含まれる車両の走行パターンは、対象とする曜日および/または時間帯、並びに、対象とする地域において、比較的高い頻度で走行する車両の走行パターンと判断することができる。言い換えれば、クラスC1に含まれる車両の走行パターンは、対象とする曜日および/または時間帯、並びに、対象とする地域において高い頻度で運転する、運転習熟度の高いドライバーの走行パターンと判断することができる。そのため、プローブ情報解析機能は、クラスC1について、運転習熟度の高い車両が属するクラスと判断することができる。これにより、プローブ情報解析機能は、クラスタリングした複数のクラスのうち、運転習熟度が高いと判断されたクラスC1に属する車両のプローブ情報を、対象プローブ情報として取得することができる。
なお、上述した例では、曜日および/または時間帯における走行頻度と、地域における走行頻度とに基づいてクラスタリング処理を行い、各車両のドライバーの運転習熟度を判定する構成を例示したが、急ハンドルの発生頻度、および急発進および急減速の発生頻度を加えてクラスタリング処理を行い、各車両のドライバーの運転習熟度を判定することができる。
このように、本実施形態において、プローブ情報解析機能は、データベース230に格納されたプローブ情報を車両の車種ごとにグループ化し、グループ化した複数のプローブ情報の中から、地域ごと、曜日および時間帯ごとに、運転習熟度が高いクラスに属する車両のプローブ情報を対象プローブ情報として取得する。そのため、本実施形態では、対象プローブ情報が、車両の車種ごと、地域ごと、曜日および時間帯ごとに取得されることとなる。
次に、プローブ情報解析機能は、対象プローブ情報に基づいて、車両が待避する傾向にある場所を推奨待避場所として特定する。具体的には、プローブ情報解析機能は、まず、対象プローブ情報に含まれる車両の位置情報、車速情報、ウインカーの操作情報、およびハザードランプの操作情報に基づいて、車両が徐行または停車した位置を待避位置候補として推定する。たとえば、プローブ情報解析機能は、車速が所定速度以下(ゼロを含む)となった位置、車速が所定速度以下においてウインカーを点灯させた位置、または、ハザードランプを点灯させた位置を、待避位置候補として推定することができる。なお、プローブ情報解析機能は、時間的に連続して得られた同一の車両のプローブ情報に基づいて、当該車両の位置が変化しているか否かを判断することで、車両が停車しているか否かを判断することもできる。
さらに、プローブ情報解析機能は、待避位置候補の中に、交通規則により車両が徐行または停車する必要のある位置が含まれている場合には、このような待避位置候補を待避位置から除外する。具体的には、プローブ情報解析機能は、データベース230に格納されている交差点、停止線、信号機、および道路標識などの位置情報に基づいて、待避位置候補が交通規則により車両が徐行または停車する必要のある位置であるか否かを判断する。そして、プローブ情報解析機能は、待避位置候補が交通規則により車両が徐行または停車する必要のある位置ではない場合に、このような待避位置候補を待避位置として特定する。
そして、プローブ情報解析機能は、推定した複数の車両の複数の待避位置に基づいて、車両が待避する傾向にある場所を推奨待避場所として特定する。具体的には、プローブ情報解析機能は、推定した複数の待避位置を地図上にプロットする。そして、プローブ情報解析機能は、所定の大きさの範囲内に所定数以上の待避位置がプロットされた場合に、この範囲を、車両が待避する傾向のある推奨待避場所として特定することができる。なお、この範囲の大きさは、特に限定されず、適宜設定することができる。
ここで、図3〜図5は、推奨待避場所の特定方法を説明するための図である。図3および図4に示す例においては、道路B1を走行する車両V1が道路B2に向かっており、道路B2を走行する車両V2が道路B1に向かっていることで、車両V1と車両V2とがすれ違う場面を示している。また、図3に示す例では、車両V1のドライバーが、対向車両V2とすれ違うこととなるために、車両V1を位置P1にまで移動させ、位置P1において停車(待避)している。この場合、プローブ情報解析機能は、車両V1の対象プローブ情報に基づいて、車両V1の車速が所定速度以下となり、かつ、交通規則などにより停止が必要な位置ではない、位置P1を待避位置として推定することができる。そして、プローブ情報解析機能は、推定した待避位置P1を、地図上にプロットする。また、図4に示す例では、車両V2のドライバーが、対向車両V1とすれ違うこととなるために、車両V2を位置P2にまで移動させ、位置P2において停車(待避)している。この場合、プローブ情報解析機能は、車両V2の対象プローブ情報に基づいて、車両V2の車速が所定速度以下となり、かつ、交通規則などにより停止が必要な位置ではない、位置P2を待避位置として推定することができる。そして、プローブ情報解析機能は、推定した待避位置P2を、地図上にプロットする。
同様に、プローブ情報解析機能は、複数の車両の対象プローブ情報に基づいて、複数の車両の待避位置を推定し、地図上にプロットする。たとえば、図5に示す例において、プローブ情報解析機能は、複数の車両の対象プローブ情報に基づいて、待避位置P3〜P6をさらに推定し、地図上にプロットする。この場合、プローブ情報解析機能は、地図上にプロットされた待避位置P1〜P6に基づいて、所定の大きさの範囲内TP1に、所定数(たとえば図5に示す例では3)以上の待避位置P1,P3,P4が含まれると判断し、当該範囲TP1を、車両が待避する傾向にある推奨待避場所として特定することができる。同様に、プローブ情報解析機能は、所定の大きさの範囲TP2内に、所定数以上の待避位置P2,P5,P6が含まれると判断し、当該範囲TP2を、車両が待避する傾向にある推奨待避場所として特定することができる。
そして、プローブ情報解析機能は、車両が待避する傾向にある推奨待避場所の情報を、データベース230に格納する。また、プローブ情報解析機能は、一定期間ごとに、最新の対象プローブ情報を抽出し、車両が待避する傾向にある推奨待避場所を特定することで、データベース230に格納されている推奨待避場所の情報を逐次更新することができる。
なお、上述したように、プローブ情報解析機能は、対象プローブ情報を、車両の車種ごと、地域ごと、曜日および/または時間帯ごとに取得する。そして、プローブ情報解析機能は、車両の車種ごと、地域ごと、曜日および/または時間帯ごとの対象プローブ情報に基づいて、車両が待避する傾向にある推奨待避場所を、車両の車種ごと、曜日および/または時間帯ごとに特定する。これにより、車両の車種ごと、曜日および/または時間帯ごとの推奨待避場所の情報がデータベース230に格納されることとなる。
サーバー処理装置220の情報提供機能は、待避場所案内情報を車載装置100に提供する。具体的には、情報提供機能は、待避場所案内情報を提供する車両(以下、対象車両という。)のプローブ情報に基づいて、対象車両に適した待避場所案内情報を、対象車両の車載装置100に出力する。
より具体的には、情報提供機能は、まず、対象車両の車載装置100から取得した対象車両の最新のプローブ情報に基づいて、対象車両の車種、対象車両が走行する曜日および/または時間帯を特定する。そして、情報提供機能は、対象車両が走行する曜日および/または時間帯において、対象車両と同一の車種の車両が待避する傾向にある推奨待避場所の情報を、データベース230から取得する。なお、上述したように、本実施形態では、車両が待避する傾向にある推奨待避場所が、車両の車種ごと、曜日および/または時間帯ごとに特定されているため、情報提供機能は、対象車両が走行する曜日および/または時間帯において、対象車両と同一の車種の車両が待避する傾向にある推奨待避場所の情報を、データベース230から取得することができる。
そして、情報提供機能は、対象車両のプローブ情報に走行予定経路の情報が含まれている場合には、対象車両の走行予定経路における推奨待避場所を特定し、対象車両の車載装置100に送信する。また、情報提供機能は、対象車両のプローブ情報に走行予定経路の情報が含まれていない場合には、対象車両のプローブ情報に含まれる対象車両の位置情報に基づいて、対象車両の周辺に存在する推奨待避場所を特定し、対象車両の車載装置100に送信する。
また、情報提供機能は、対象車両のドライバーの運転習熟度を判定し、対象車両のドライバーの運転習熟度が高い場合には、待避場所案内情報を対象車両の車載装置100に出力しない構成とすることができる。たとえば、情報提供機能は、対象車両の車載装置100から取得した対象車両のプローブ情報を、データベース230から抽出する。さらに、情報提供機能は、データベース230から抽出した対象車両のプローブ情報に基づいて、対象車両が走行する地域における対象車両の走行頻度と、対象車両が走行する曜日および/または時間帯における対象車両の走行頻度と、さらには、対象車両における急ハンドルの発生頻度や、対象車両における急発進および急減速の発生頻度を算出する。そして、情報提供機能は、対象車両が走行する地域における対象車両の走行頻度が所定値以上であるか、対象車両が走行する曜日および/または時間帯における対象車両の走行頻度が所定値以上であるか、対象車両における急ハンドルの発生頻度が所定値未満であるか、対象車両における急発進および急減速の発生頻度が所定値未満であるかなどを判断することで、対象車両が走行する地域、曜日および/または時間帯における、対象車両のドライバーの運転習熟度を推定することができる。
そして、情報提供機能は、対象車両が走行する地域、曜日および/または時間帯において、対象車両のドライバーの運転習熟度が所定値以上であると判断した場合には、対象車両の車載装置100に、待避場所案内情報を出力しない構成とすることができる。対象車両のドライバーの運転習熟度が高い場合に、待避場所案内情報がドライバーに提示されてしまうと、却って、対象車両のドライバーに煩わしさを与えてしまう場合があるためである。
続いて、図6〜8を参照して、本実施形態に係る情報提供システムの動作について説明する。なお、図6は、本実施形態に係るプローブ情報送信処理を示すフローチャートであり、図7は、本実施形態に係るプローブ情報解析処理を示すフローチャートであり、図8は、本実施形態に係る情報提供処理を示すフローチャートである。
まず、図6を参照して、車両のプローブ情報を車載装置100から情報提供装置200に送信するプローブ情報送信処理を説明する。図6に示すプローブ情報送信処理は、各車両に搭載された車載装置100によりそれぞれ実行される。
まず、ステップS101では、車載制御装置140のプローブ情報取得機能により、イグニッションオンになったか否かの判断が行われる。イグニッションオフである間はステップS101で待機し、イグニッションオンになった場合に、ステップS102に進む。
ステップS102では、車載制御装置140のプローブ情報取得機能により、プローブ情報の取得が行われる。プローブ情報取得機能は、センサー群110から各センサーの検出結果を、操作機器群120から各操作機器の操作情報を、プローブ情報として取得することができる。そして、ステップS103では、車載制御装置140のプローブ情報取得機能により、ステップS102で取得されたプローブ情報が、車載制御装置140のRAMに一時的に蓄積される。
ステップS104では、車載制御装置140のプローブ情報送信機能により、前回プローブ情報を送信してから一定期間が経過したか否かの判断が行われる。一定期間が経過した場合には、ステップS105に進み、車載制御装置140のプローブ情報送信機能により、ステップS103で蓄積されたプローブ情報が、車載装置100から情報提供装置200に送信される。一方、一定期間が経過していない場合には、ステップS102に戻り、プローブ情報の取得と、蓄積が繰り返される。
ステップS106では、車載制御装置140のプローブ情報送信機能により、イグニッションオフになったか否かの判断が行われる。イグニッションオンである場合には、ステップS102に戻り、プローブ情報の取得および一時的な蓄積が繰り返し行われる。そして、イグニッションオフになった場合に、プローブ情報送信機能により、図6に示すプローブ情報送信処理が終了される。
続いて、図7を参照して、情報提供装置200において、車載装置100から受信したプローブ情報を解析するプローブ情報解析処理を説明する。なお、図7に示すプローブ情報解析処理は、情報提供装置200のサーバー処理装置220により、一定の時間間隔で繰り返し行われる。
ステップS201では、サーバー処理装置220のプローブ情報格納機能により、複数の車載装置100から送信された複数のプローブ情報を受信し、受信したプローブ情報をデータベース230に蓄積する処理が行われる。また、プローブ情報格納機能は、データベース230に格納された車種情報を参照し、プローブ情報に含まれる車両IDから、プローブ情報を取得した車両の種別(たとえば大型車、普通車、小型車など)、車両寸法(たとえば全長、全幅、全高、トレッド幅、車両重量、車両総重量など)、車両のエンジン排気量の情報を特定する。さらに、プローブ情報格納機能は、データベース230に格納された道路情報を参照し、プローブ情報に含まれる車両の位置から、プローブ情報を取得した車両が走行する道路の種別(たとえば、車両が走行する道路が一般道、自動車専用道路、橋、あるいはトンネルであるか)を特定する。これにより、データベース230に格納されるプローブ情報には、当該プローブ情報が取得された際の車両の車種、道路の種別などが関連付けられることとなる。なお、ステップS201の処理は、車載装置100からプローブ情報が送信される度に逐次実行される。
ステップS202では、プローブ情報解析機能により、プローブ情報の蓄積を開始して一定期間が経過したか否かの判断が行われる。一定期間が経過するまでは、ステップS201のプローブ情報の蓄積を繰り返し、一定期間が経過した場合には、ステップS203に進む。
ステップS203では、プローブ情報解析機能により、複数のプローブ情報をグループ化する処理が行われる。具体的には、プローブ情報解析機能は、データベース230に蓄積された複数のプローブ情報を取得し、プローブ情報に関連付けられた車種情報に基づいて、取得した複数のプローブ情報を、車両の車種ごとにグループ化する。
ステップS204では、プローブ情報解析機能により、各車両の走行パターンの特定が行われる。具体的には、プローブ情報解析機能は、プローブ情報に含まれる車両IDに基づいて、ステップS203においてグループ化されたプローブ情報を車両ごとに分類し、車両ごとに分類した複数のプローブ情報に基づいて、曜日および/または時間帯ごとの車両の走行頻度、地域ごとの車両の走行頻度、急ハンドルの発生頻度、並びに急発進および急減速の発生頻度を、車両の走行パターンとして、車両ごとに特定する。
ステップS205では、プローブ情報解析機能により、ステップS204において特定した車両の走行パターンを、複数のクラスに分類するクラスタリング処理が実行される。たとえば、プローブ情報解析機能は、k平均法などの統計処理を行うことで、図2に示すように、対象とする曜日および/または時間帯における車両の走行頻度、対象とする地域における車両の走行頻度、さらに、急ハンドルの発生頻度、並びに、急発進および急減速の発生頻度に基づいて、車両ごとに特定した車両の走行パターンを、複数のクラスにクラスタリングすることができる。
ステップS206では、プローブ情報解析機能により、対象プローブ情報の取得が行われる。たとえば、プローブ情報解析機能は、ステップS205でクラスタリングした複数のクラスの中から、運転習熟度が高い車両の走行パターンが属するクラスを特定する。そして、プローブ情報解析機能は、特定したクラスに属する走行パターンの車両のプローブ情報を、対象プローブ情報として取得することができる。たとえば、図2に示す例において、クラスC1における車両の走行パターンは、クラスC2における車両の走行パターンと比べて、対象とする曜日および/または時間帯における走行頻度が高く、クラスC3における車両の走行パターンと比べて、対象とする地域における走行頻度が高い。そのため、プローブ情報解析機能は、クラスC1について、運転習熟度の高い車両が属するクラスと判断し、運転習熟度が高いと判断されたクラスC1に属する車両のプローブ情報を、対象プローブ情報として取得することができる。
ステップS207では、プローブ情報解析機能により、ステップS206で取得した対象プローブ情報に基づいて、各車両の待避位置の特定が行われる。具体的には、プローブ情報解析機能は、対象プローブ情報に含まれる車両の位置情報、車速情報、ウインカーの操作情報、およびハザードランプの操作情報に基づいて、車両が徐行または停車した位置を待避位置候補として推定する。さらに、プローブ情報解析機能は、推定された待避位置候補に、交通規則により車両が徐行または停車する必要のある位置が含まれている場合には、このような待避位置候補を待避位置から除外することで、車両の待避位置を特定する。
ステップS208では、プローブ情報解析機能により、ステップS207で特定した複数の車両の待避位置に基づいて、車両が待避する傾向にある場所が推奨待避場所として特定される。具体的には、プローブ情報解析機能は、ステップS207で推定した複数の待避位置を地図上にプロットする。そして、プローブ情報解析機能は、所定の大きさの範囲内に所定数以上の待避位置がプロットされた場合に、この範囲を、車両が待避する傾向のある推奨待避場所として特定することができる。これにより、プローブ情報解析機能は、車両が待避する傾向にある推奨待避場所を特定することができる。
ステップS209では、プローブ情報解析機能により、ステップS208で特定された推奨待避場所の情報が、データベース230に蓄積される。
続いて、図8を参照して、推奨待避場所を案内する待避場所案内情報をドライバーに提供する情報提供処理について説明する。なお、図8に示す情報提供処理のうち、ステップS301〜S307は情報提供装置200により実行され、ステップS308〜S310は車載装置100により実行される。また、図8に示す例では、待避場所案内情報が提供される車両を対象車両として説明する。
ステップS301では、サーバー処理装置220の情報提供機能により、対象車両の車載装置100から送信された対象車両のプローブ情報が受信される。
ステップS302では、サーバー処理装置220の情報提供機能により、対象車両に待避場所案内情報を提供するか否かが判定される。具体的には、情報提供機能は、対象車両のドライバーの運転習熟度を判定することで、対象車両に待避場所案内情報を提供するか否かを判断する。たとえば、情報提供機能は、対象車両のプローブ情報に基づいて、対象車両が走行する地域における対象車両の走行頻度、対象車両が走行する曜日および/または時間帯における対象車両の走行頻度、さらには、対象車両における急ハンドルの発生頻度や、対象車両における急発進および急減速の発生頻度を算出する。そして、情報提供機能は、対象車両が走行する地域における対象車両の走行頻度が所定値以上であるか、対象車両が走行する曜日および/または時間帯における対象車両の走行頻度が所定値以上であるか、対象車両における急ハンドルの発生頻度が所定値未満であるか、対象車両における急発進および急減速の発生頻度が所定値未満であるかなどを判断することで、対象車両が走行する地域、曜日および/または時間帯における、対象車両のドライバーの運転習熟度を推定することができる。そして、情報提供機能が、対象車両が走行する地域、曜日および/または時間帯において、対象車両のドライバーの運転習熟度が所定値以上であると判断した場合には、ステップS303に進み、一方、対象車両のドライバーの運転習熟度が所定値未満であると判断した場合には、図8に示す情報提供処理を終了する。
ステップS303では、サーバー処理装置220の情報提供機能により、データベース230から、対象車両が走行する曜日および/または時間帯において、対象車両の車種に応じた推奨待避場所の情報が取得される。具体的には、情報提供機能は、ステップS301で受信した対象車両のプローブ情報に基づいて、対象車両の車種と、対象車両が走行する曜日および/または時間帯とを特定する。本実施形態では、図7に示すプローブ情報解析機能により、車両が待避する傾向にある推奨待避場所の情報が、車両の車種ごと、車両が走行する曜日および/または時間帯ごとに、データベース230に記憶されている。そのため、情報提供機能は、対象車両が走行する曜日および/または時間帯において、対象車両の車種と同じ車種の車両が待避する傾向にある推奨待避場所の情報を、データベース230から取得することができる。
ステップS304では、サーバー処理装置220の情報提供機能により、対象車両に走行予定経路が設定されているか否かが判定される。たとえば、情報提供機能は、対象車両のプローブ情報に走行予定経路の情報が含まれている場合に、走行予定経路が設定されていると判定することができる。対象車両に走行予定経路が設定されていると判断した場合には、ステップS305に進み、対象車両には走行予定経路が設定されていないと判断した場合には、ステップS306に進む。
ステップS305では、サーバー処理装置220の情報提供機能により、ステップS303で取得した推奨待避場所の情報から、対象車両の走行予定経路における推奨待避場所が特定される。具体的には、情報提供機能は、ステップS301で受信した対象車両のプローブ情報に含まれる走行予定経路の情報に基づいて、対象車両の走行予定経路における推奨待避場所の情報を特定する。
ステップS306では、サーバー処理装置220の情報提供機能により、ステップS303で取得した推奨待避場所の情報から、現在の対象車両の周辺に存在する推奨待避場所が特定される。たとえば、情報提供機能は、ステップS301で受信した対象車両のプローブ情報に基づいて、対象車両の位置を特定し、ステップS303で取得した推奨待避場所のうち、対象車両の位置から所定の範囲内に含まれる推奨待避場所を、対象車両の周囲に存在する推奨待避場所として特定することができる。
ステップS307では、サーバー処理装置220の情報提供機能により、ステップS306またはステップS305で特定された推奨待避場所を案内する待避場所案内情報が、対象車両の車載装置100に送信される。
ステップS308〜S310は、対象車両の車載装置100により実行される。まず、ステップS308では、車載制御装置140の情報提示機能により、情報提供装置200より送信された待避場所案内情報が受信される。
ステップS309では、車載制御装置140の情報提示機能により、対象車両の周辺にすれ違いや追い越しの対象となる他車両が存在するか否かの判定が行われる。たとえば、対象車両と対象車両の周辺を走行する周辺車両との間で車車間通信が可能であれば、車載制御装置140は、周辺車両から、周辺車両の位置、進行方向、車速などの情報を受信することで、対象車両の周辺にすれ違いや追い越しの対象となる他車両が存在するか否かを判定することができる。また、カメラ、レーダー、ソナーなどのセンサーにより、対象車両とすれ違う他車両、または対象車両を追い越す他車両を検出した場合に、対象車両の周辺にすれ違いや追い越しの対象となる他車両が存在すると判定する構成としてもよい。そして、対象車両の周辺にすれ違いや追い越しの対象となる他車両が存在する場合には、ステップS310に進み、対象車両の周辺にすれ違いや追い越しの対象となる他車両が存在しない場合には、図8に示す情報提供処理は終了する。
そして、ステップS310では、車載制御装置140の情報提示機能により、推奨待避場所を案内する待避場所案内情報がドライバーに提示される。たとえば、情報提示機能は、提示装置150のディスプレイに表示する地図上に、推奨待避場所を示す画像を重畳することで、待避場所案内情報を、ドライバーに提示することができる。
以上のように、本実施形態では、複数のプローブ情報に基づいて、複数の車両が待避した待避位置を推定し、複数の車両の複数の待避位置の情報に基づいて、車両が待避する傾向にある場所を推奨待避場所として特定し、推奨待避場所の情報を出力する。これにより、幅員の狭い道路を車両が通過する必要がある時でも、幅員の狭い道路を車両が通過することによるドライバーの不安を低減させることができる。
また、本実施形態では、対象車両の位置情報を含む情報を対象車両から取得し、対象車両の位置情報に基づいて、対象車両の位置を基準とする推奨待避場所の情報を出力する。これにより、対象車両の待避に適した推奨待避場所の情報を対象車両のドライバーに提示することができる。
さらに、本実施形態では、対象車両が走行する地域、対象車両が走行する曜日および/または時間帯における対象車両のドライバーの運転習熟度を推定し、運転習熟度が所定値以上である場合には、待避場所案内情報を対象車両の車載装置100に提供しない。これにより、対象車両が走行する地域、対象車両が走行する曜日および/または時間帯において、対象車両のドライバーの運転習熟度が高い場合には、待避場所案内情報を提供することによる煩わしさを却って対象車両のドライバーに与えてしまうことを有効に防止することができる。
加えて、本実施形態では、対象車両の走行予定経路に関する情報を対象車両から取得することで、対象車両の走行予定経路にある推奨待避場所の情報を対象車両のドライバーに提供することができる。
また、本実施形態では、プローブ情報は車両の車種情報および時刻情報を含み、複数のプローブ情報に基づいて、車両の車種ごと、曜日および/または時間帯ごとに推奨待避場所が特定される。また、対象車両から、対象車両の車種情報および時刻情報を取得し、対象車両の車種、対象車両が走行する曜日および/または時間帯を特定する。そして、対象車両が走行する曜日および/または時間帯において、対象車両と同一の車種の車両が待避する傾向にある推奨待避場所の情報を対象車両の車載装置100に送信する。これにより、対象車両に適した推奨待避場所の情報を、対象車両のドライバーに提供することができる。
さらに、本実施形態では、プローブ情報は、操舵角、車速、加減速度、アクセル開度、およびブレーキ開度に関する情報を含み、このようなプローブ情報に基づいて、地域ごとの車両の走行頻度、曜日および/または時間帯ごとの走行頻度、急ハンドルの発生頻度、または、急発進および急減速の発生頻度などの車両の走行パターンを分類する。そして、複数の車両の走行パターンを、クラスタリングして複数のクラスに分類し、運転習熟度の高い走行パターンが属する、運転習熟度の高いクラスを特定する。そして、車両の走行パターンが運転習熟度の高いクラスに属する車両のプローブ情報に基づいて、推奨待避場所を特定する。これにより、運転習熟度の高いドライバーが待避する傾向にある場所を推奨待避場所として特定することができる。
また、本実施形態では、車両が徐行または停車した位置、並びに/若しくは、車両がウインカーまたはハザードランプを点灯させた位置を、待避位置として推定する。これにより、車両が待避した待避位置を高い精度で推定することができる。さらに、本実施形態では、交通規則により車両が徐行または停車する必要のある場所を待避位置として推定しないことで、車両が待避する傾向にある推奨待避場所を高い精度で特定することができる。
なお、以上に説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。したがって、上記の実施形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。
たとえば、上述した実施形態では、情報提供装置200において、対象車両の走行予定経路または対象車両の周囲にある推奨待避場所を特定し、走行予定経路または対象車両の周囲にある推奨待避場所の情報を待避場所案内情報として、車載装置100に送信する構成を例示したが、この構成に限定されず、たとえば、情報提供装置200は、データベース230に格納されている推奨待避場所の情報を車載装置100に送信し、車載装置100において、対象車両の走行予定経路または対象車両の周囲にある推奨待避場所を特定し、走行予定経路または対象車両の周囲にある推奨待避場所の情報を待避場所案内情報として、ドライバーに提示する構成としてもよい。
また、上述した実施形態では、対象車両の車載装置100は、対象車両のプローブ情報を情報提供装置200に送信することで、情報提供装置200から待避場所案内情報を取得する構成を例示したが、この構成に限定されず、たとえば、対象車両の車載装置100は、プローブ情報とは異なる要求情報を情報提供装置200に送信することで、情報提供装置200から待避場所案内情報を取得する構成としてもよい。
さらに、上述した実施形態では、対象車両の車載装置100において、対象車両の周辺にすれ違いや追い越しの対象となる他車両が存在するか否かを判定する構成を例示したが、この構成に限定されず、たとえば、情報提供装置200において、対象車両の周辺にすれ違いや追い越しの対象となる他車両が存在するか否かを判定する構成とすることができる。たとえば、情報提供装置200は、複数の車両から収集した複数のプローブ情報に含まれている車両の位置、進行方向、車速などの情報に基づいて、対象車両の周辺にすれ違いや追い越しの対象となる車両が存在するか否かを判定する。この場合、情報提供装置200は、対象車両の周辺にすれ違いや追い越しの対象となる他車両が存在すると判定した場合に、待避場所案内情報を、対象車両の車載装置100に提供する。
加えて、上述した実施形態では、複数の車両の走行パターンを複数のクラスにクラスタリングし、車両の走行パターンが、運転習熟度が高いと判断されたクラスに属する車両のプローブ情報を、対象プローブ情報として取得する構成を例示したが、この構成に限定されず、車両の走行パターンが、対象車両のドライバーと同程度の運転習熟度と判断されたクラスに属する車両のプローブ情報を、対象プローブ情報として取得する構成とすることができる。たとえば、図2に示す例において、情報提供装置200は、対象車両のプローブ情報に基づいて対象車両の運転習熟度を特定し、対象車両の走行パターンがクラスC2に属する場合には、対象車両の走行パターンが属するクラスC2を、対象車両のドライバーと同程度の運転習熟度と判断されたクラスと判断する。そして、情報提供装置200は、車両の走行パターンが、クラスC2に属する車両のプローブ情報を、対象プローブ情報として取得することができる。これにより、対象車両のドライバーの運転習熟度に合った推奨待避場所の情報を、対象車両のドライバーに提示することができる。
また、上述した実施形態では、地域ごとの車両の走行頻度、曜日および/または時間帯ごとの車両の走行頻度に基づいて、対象車両が走行する地域ごと、対象車両が走行する曜日および/または時間帯ごとに、対象車両のドライバーの運転習熟度を推定する構成を例示したが、この構成に限定されず、たとえば、単に、車両の走行頻度に基づいて、対象車両のドライバーの運転習熟度を推定する構成としてもよい。
なお、上述した実施形態に係る情報提供装置200のサーバー処理装置220は、本発明の制御器に相当する。