JP6879767B2 - 計測装置 - Google Patents
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Description
センサは、製造時の誤差などの影響によりセンサ特性に個体差が生じることがあり、個体差によってセンサ毎にセンサ出力が変動すると、計測装置での計測精度(検出精度)が低下する。これに対して、検出対象の状態量が所定値(予め定められた計測基準値)となるように調整された補正値計測環境下にセンサを配置して、そのときのセンサ出力を取得し、計測基準値と取得したセンサ出力との差に基づいて個体差の影響を低減するための補正値(校正データ)を計測することがある(キャリブレーション作業)。このキャリブレーション作業で計測された補正値を用いてセンサ出力を補正することで、個体差に起因するセンサ出力の誤差を低減できる。
本開示の計測装置においては、関連情報記憶部および補正値設定部は、計測モジュールに備えられる構成であってもよい。このような構成においては、センサが接続された計測モジュールが、そのセンサの個体情報記憶部から個体識別情報を取得する処理と、取得した個体識別情報が関連情報記憶部に記憶されているか否かを判断する処理と、を少なくとも実行する。
尚、本発明は、以下の実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の形態を採り得ることはいうまでもない。
[1−1.全体構成]
本実施形態に係る計測装置1の構成について説明する。
図1に示すように、計測装置1は、1台のメインユニット3と、7台の計測モジュール5a,5b,5c,5d,5e,5f,5gとを備える。以下、計測モジュール5a,5b,5c,5d,5e,5f,5gを、計測モジュール5と総称する。
メインユニット3は、筐体7と、取手9とを備える。
筐体7は、直方体(本第1実施形態では、例えば高さ270mm×幅340mm×奥行280mm)の箱形状に形成されており、その内部に、メインユニット3の構成要素と計測モジュール5を収容する。
取手9は、筐体7の直方体を構成する6面のうちの上面に取り付けられている。メインユニット3の使用者は、取手9を把持することにより、メインユニット3を持ち運ぶことができる。
次に、計測モジュール5の構成について説明する。
計測モジュール5は、ケース13、取付板15、案内レール17、ユニット接続コネクタ19、センサ接続コネクタ21を備える。
ケース13の高さHcと奥行Dcは、各計測モジュール5が水平方向に沿って整列して筐体7の内部に収納されるように、各計測モジュール5で同一の寸法となるように予め設定されている。
なお、取付板15のうちケース13と接触していない部分には、計測モジュール5をメインユニット3の内部に収納した状態で固定するためのネジを挿入するための貫通孔23が形成される。
[1−3.センサ]
図2に示すように、センサ25は、センサ素子27と、コネクタ29と、信号ケーブル31とを備える。センサ素子27は、接続される計測モジュール5の機能に対応した物理量を検出する。コネクタ29は、センサ25が接続される計測モジュール5のセンサ接続コネクタ21と着脱可能に嵌め合う構造を有している。信号ケーブル31は、センサ素子27とコネクタ29とを電気的に接続する信号線である。
次に、メインユニット3の構成等について説明する。
図3に示すように、メインユニット3は、スロット案内溝群33、モジュール接続コネクタ群35、スイッチパネル37を備える。
まず、筐体7の外部から開口部11内に計測モジュール5を挿入するときに、各計測モジュール5の上辺及び下辺の案内レール17を、それぞれ開口部11の上辺及び下辺の付近に設けられた各スロット案内溝41〜48に嵌める。そして、各案内レール17と各スロット案内溝41〜48とが嵌め合った状態で、各スロット案内溝41〜48が延びている方向に沿って各計測モジュール5を筐体7の内部へ移動させる。これにより、各計測モジュール5が筐体7内に収容される。
このような手順で、各スロット案内溝41〜48に対応する各スロット12に、各計測モジュール5を収容することができる。以下、各スロット案内溝41〜48に対応するスロット12を、それぞれ第1スロット61,第2スロット62,第3スロット63,第4スロット64,第5スロット65,第6スロット66,第7スロット67,第8スロット68(図4参照)という。
次に、表示部77の構成等について説明する。
図5に示すように、表示部77(詳しくはその表示面78)は、各種の表示を行うとともに、タッチパネルの機能を有している。
詳しくは、モジュール用表示領域79は、各個別表示領域として、図5の上方より、第1スロット61に関する情報(即ち第1スロット61に装着される計測モジュール5に関する情報;以下同様)を示す第1表示領域91、第2スロット62に関する情報を示す第2表示領域92、第3スロット63に関する情報を示す第3表示領域93、第4スロット64に関する情報を示す第4表示領域94、第5スロット65に関する情報を示す第5表示領域95、第6スロット66に関する情報を示す第6表示領域96、第7スロット67に関する情報を示す第7表示領域97、第8スロット68に関する情報を示す第8表示領域98が、設定されている。
なお、例えば、図1に示すように、第1スロット61および第2スロット62の領域に一台の計測モジュール5aが装着されている場合には、一箇所の個別表示領域(ここでは第1表示領域91)にCH1とのみ表示し、第2表示領域92には何も表示しない(即ちCH2の表示は無い)。これにより、第1表示領域91および第2表示領域92に、一台の計測モジュール5aが装着されていることを示すことができる。
次に、計測装置1の電気的構成について説明する。
図6に示すように、メインユニット3は、電力供給部111、データ入出力部113、CAN(Controller Area Network)インターフェース回路(以下、CANI/F回路という)115、内部メモリ117、操作制御回路119、メインCPU(Central Processing Unit)121を備える。
電源コネクタ123は、バッテリVBからバッテリ電圧を入力するために、バッテリVBと接続されるコネクタである。
CANI/F回路142は、CAN通信プロトコルに従って、CAN通信用コネクタ152を介して接続された装置(例えば、パーソナルコンピュータ(即ちパソコン)161)との間でデータの送受信を行う。なお、パソコン161は、接続されていなくともよい。
OBD2I/Fモジュール144は、OBD2規格に準拠した方式で、OBD2用コネクタ154を介して接続された装置(例えば、車載ECU(Electronic Control Unit)163)との間でデータの送受信を行う。
また、CANI/F回路115は、CAN通信プロトコルに従って、モジュール接続コネクタ51〜58のCAN_H端子134とCAN_L端子135(図6参照)に接続された計測モジュール5との間でデータの送受信を行う。
操作制御回路119は、使用者がスイッチパネル37のスイッチ75を介して行った入力操作を特定するための入力操作情報をメインCPU121へ出力する。また、操作制御回路119は、メインCPU121からの指示に基づいて、スイッチパネル37の表示部77における表示動作を制御する。
また、メインCPU121は、計測モジュール5から受信した計測データを、CANI/F回路142等に接続されたパソコン161へ出力する。
一方、計測モジュール5は、CANI/F回路171と、モジュールCPU173と、記憶部175と、を備える。
モジュールCPU173は、センサ25とCANI/F回路171からの入力に基づいて各種処理を実行し、センサ25とCANI/F回路171を制御する。
次に、計測モジュール5のモジュールCPU173が実行する補正値設定処理の手順を説明する。
補正値設定処理が開始されると、モジュールCPU173は、図7に示すように、まずステップ110(以下ステップをSと記す)にて、センサ25の情報記憶部32から個体識別情報を取得する。
このような補正値設定処理を実行することで、計測モジュール5は、起動時に接続されているセンサ25が過去に接続実績のあるセンサ25である場合には、キャリブレーション作業を行うことなく、適切な補正値情報を設定することができる。また、計測モジュール5は、起動時に接続されているセンサ25が過去に接続実績のないセンサ25である場合には、初期設定値をセンサ出力の補正値として設定することでセンサ出力を利用可能な状態にすると共に、メッセージを表示部77に表示することで作業者に対してキャリブレーション作業を喚起することができる。
計測モジュール5は、補正後センサ出力Iscを表す信号をメインユニット3に対して出力する。
次のS220では、センサ25のセンサ出力Isを取得する。
S240が完了すると、キャリブレーション処理が終了する。
以上説明したように、計測装置1は、メインユニット3と、複数の計測モジュール5a,5b,5c,5d,5e,5f,5gとを備える。
計測モジュール5のモジュールCPU173は、補正値設定処理のS110を実行することで、接続されたセンサ25の情報記憶部32から個体識別情報を取得する。また、モジュールCPU173は、補正値設定処理のS120を実行することで、取得した個体識別情報が記憶部175に記憶されている関連情報に含まれているか否かを判断する。このとき、個体識別情報が関連情報に含まれている場合は(S120で肯定判定)、個体識別情報に関連づけられている補正値情報を出力補正処理で用いる補正値(ゲインGa、オフセット値Of)として設定し(S130)、個体識別情報が関連情報に含まれていない場合は、初期設定値を出力補正処理で用いる補正値として設定する(S140)。
次に、計測装置1は、関連情報を記憶するための記憶部175および補正値設定処理を実行するモジュールCPU173が、計測モジュール5に備えられる構成である。このような構成においては、センサ25が接続された計測モジュール5が、そのセンサ25の情報記憶部32から個体識別情報を取得する処理(S110)と、取得した個体識別情報が記憶部175(換言すれば、関連情報を記憶する記憶部)に記憶されているか否かを判断する処理(S120)と、を少なくとも実行する。このように、センサ25が接続された計測モジュール5のみでこれらの処理を実行する形態であれば、計測装置1の全体としての処理が煩雑になることを抑制できる。
ここで、文言の対応関係について説明する。
計測装置1が計測装置の一例に相当し、メインユニット3が本体部の一例に相当し、計測モジュール5が計測モジュールの一例に相当する。出力補正処理を実行するモジュールCPU173がデータ補正部の一例に相当し、センサ25の情報記憶部32が個体情報記憶部の一例に相当し、計測モジュール5の記憶部175が関連情報記憶部の一例に相当し、補正値設定処理を実行するモジュールCPU173が補正値設定部の一例に相当する。
[2.第2実施形態]
次に、第2実施形態として、関連情報を記憶する記憶部がセンサ25に備えられる構成の計測装置1について説明する。
補正値設定処理は、計測モジュール5のVB端子131または12V端子132から電圧が供給されることにより、モジュールCPU173が起動した後に開始される。
このような補正値設定処理を実行することで、計測モジュール5は、起動時に接続されているセンサ25から補正値情報を取得できるため、キャリブレーション作業を行うことなく、適切な補正値情報を設定することができる。
[3.他の実施形態]
以上、本開示の実施形態について説明したが、本開示は上記実施形態に限定されるものではなく、本開示の要旨を逸脱しない範囲において、様々な態様にて実施することが可能である。
Claims (2)
- センサと1対1の関係で着脱可能に接続され、前記センサから出力されるセンサ出力を取得するとともに、取得したセンサ出力に基づくデータを外部に出力する回路を少なくとも内蔵した複数の計測モジュールと、
複数の前記計測モジュールを着脱可能に収容するとともに、前記計測モジュールの其々から出力された前記データを収集する本体部と、
を備える計測装置であって、
前記データを補正するための補正値情報を用いて、前記データを補正するデータ補正部と、
前記センサのそれぞれに備えられて前記センサの個体識別情報を記憶する個体情報記憶部と、
前記計測モジュールとの接続実績のある前記センサに関する前記補正値情報と前記個体識別情報とを関連づける関連情報を記憶する関連情報記憶部と、
前記計測モジュールに接続された前記センサの前記個体情報記憶部から前記個体識別情報を取得し、取得した前記個体識別情報が前記関連情報記憶部に記憶されているか否かを判断し、記憶されている場合には、前記個体識別情報に関連づけられている前記補正値情報を前記データ補正部で用いる補正値情報として設定し、記憶されていない場合には、予め定められた初期補正情報を前記データ補正部で用いる補正値情報として設定する補正値設定部と、
補正値計測環境下に設置された前記センサの前記センサ出力を取得し、取得した前記センサ出力に基づいて前記補正値情報を計測する補正値計測部と、
前記補正値計測部で得られた前記補正値情報を用いて、前記関連情報記憶部における前記センサの前記補正値情報を更新する補正値更新部と、
前記補正値設定部にて前記初期補正情報が前記補正値情報として設定された場合に、前記計測モジュールに接続された前記センサの前記補正値情報の計測作業が必要であることを示すメッセージを表示するように構成された表示部と、
を備える計測装置。 - 前記関連情報記憶部および前記補正値設定部は、前記計測モジュールに備えられる、
請求項1に記載の計測装置。
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