JP6878323B2

JP6878323B2 - トリムカバー及び車両用シート

Info

Publication number: JP6878323B2
Application number: JP2018009266A
Authority: JP
Inventors: 厚石井
Original assignee: Tachi S Co Ltd
Current assignee: Tachi S Co Ltd
Priority date: 2018-01-24
Filing date: 2018-01-24
Publication date: 2021-05-26
Anticipated expiration: 2038-01-24
Also published as: JP2019127123A

Description

本発明は、トリムカバー及び車両用シートに関する。

車両用シートは、内部のパッド部と、そのパッド部を覆い、シートの表面を構成するトリムカバーを備えている。トリムカバーは、隣接する２枚の表皮材の端部を内側に折り返し、その折り返し部分を縫い代にして縫い合わせることにより構成されている（特許文献１参照）。

特開２０１７−１７７９９３号公報

ところで、上述のトリムカバーでは、２枚の表皮材の間に切れ目ができ、外観（特に切れ目の蛇行）や縫い合わせ強度の観点で改善の余地はある。また、トリムカバーには内側に突出する縫い代があるため、パッド部に溝を設け、その溝に縫い代を嵌め込む構造が必要になり、車両用シートの構造が複雑である。

本出願はかかる点に鑑みてなされたものであり、トリムカバーの外観や強度を改善し、車両用シートの構造をより簡単にすることをその目的の一つとする。

本発明の一態様に係る車両用シートのトリムカバーは、隣接する端面を互いに突き当てるように配置された複数の表皮材と、隣接する表皮材の突き当て端面に沿って配置され、当該突き当て端面の表面を覆う表面テープ材と、前記表皮材の突き当て端面に沿って配置され、前記突き当て端面の裏面を覆うホットメルトテープ材と、を備え、隣接する表皮材が、その突き当て端面において前記表面テープ材と前記ホットメルトテープ材を含めて互いに縫合され、その縫合部が前記表面テープ材及び前記ホットメルトテープ材に沿って形成されているものである。

本態様によれば、トリムカバーの表面に従来のような切れ目ができないので、トリムカバーの外観や強度を向上することができる。また、従来のような縫い代がなく、トリムカバーをホットメルトテープ材によりパッド部に簡単に固定できるので、車両用シートの構造が簡単になる。

前記表面テープ材は、幅方向の両端が表皮材側の内側に折り返されていてもよい。

前記ホットメルトテープ材の幅は、前記表面テープ材の幅よりも広いてもよい。

前記ホットメルトテープ材の幅は、前記縫合部の幅の１．５倍〜３倍であってもよい。

本発明の別の態様は、上記トリムカバーと、前記トリムカバーの内部に設けられるパッド部と、を備え、前記トリムカバーは、ホットメルトテープ材により前記パッド部に接着されている、車両用シートである。

本発明によれば、トリムカバーの外観や強度を改善し、車両用シートの構造を簡単にすることができる。

車両用シートの構成の一例を示す斜視図である。車両用シートの内部構造の一部を示す断面図である。トリムカバーの縫合部付近の断面を示す説明図である。トリムカバーの縫合部の構成を説明するための説明図である。

以下、図面を参照して、本発明の好ましい実施の形態について説明する。なお、同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。また、上下左右等の位置関係は、特に断らない限り、図面に示す位置関係に基づくものとする。さらに、図面の寸法比率は、図示の比率に限定されるものではない。また、以下の実施の形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明はこの実施の形態に限定されるものではない。

図１は、本実施の形態に係るトリムカバーを備えた車両用シート１の構成の一例を示す。例えば車両用シート１は、着座者が座る座部１０と、着座者が背中を凭れかける背凭れ部１１等を備えている。

座部１０及び背凭れ部１１は、図２に示すように内部に設けられたパッド部としてのクッションパッド２０と、クッションパッド２０の表面を覆うトリムカバー２１を備えている。

クッションパッド２０は、例えばウレタン樹脂等で成型され、座部１０や背凭れ部１１の外形を形成している。

トリムカバー２１は、複数の厚物表皮材３０が互いに縫合されて構成されている。厚物表皮材３０は、１ｍｍ以上の厚みを有している。厚物表皮材３０は、例えば皮革や、編物、織物、不織布、樹脂等からなる単層構造、或いは多層構造を有している。例えば図３に示すように厚物表皮材３０は、皮革の表面層４０と、表面層４０の内側のクッション性があるウレタン層４１を有している。

例えば隣接する厚物表皮材３０ａ、３０ｂは、厚物表皮材３０ａの端面３１ａと厚物表皮材３０ｂの端面３１ｂを互いに突き当てるように配置されている。なお、厚物表皮材３０ａ、３０ｂの端面３１ａ、３１ｂ同士が実際に当接していない部分があってもよい。

図３及び図４に示すように左右の厚物表皮材３０ａ、３０ｂの突き当て端面５０（端面３１ａと端面３１ｂが突き当てられた部分）の表面には、表面テープ材６０が配置されている。表面テープ材６０は、突き当て端面５０に沿って配置され、突き当て端面５０の表面を覆っている。表面テープ材６０は、例えば編物、織物、不織布等で構成されている。表面テープ材６０は、厚物表皮材３０よりも薄く、例えば０．５ｍｍ以下の厚みを有している。

表面テープ材６０の幅方向の両端は、突き当て端面５０側の内側に折り返されている。表面テープ材６０の幅は、折り返した状態で例えば６ｍｍ〜１０ｍｍ程度になっている。

左右の厚物表皮材３０ａ、３０ｂの突き当て端面５０の裏面には、ホットメルトテープ材７０が配置されている。ホットメルトテープ材７０は、突き当て端面５０に沿って配置され、突き当て端面５０の裏面を覆っている。ホットメルトテープ材７０は、厚物表皮材３０よりも薄く、０．５ｍｍ以下の厚みを有している。

ホットメルトテープ材７０の幅は、表面テープ材６０の幅より広く、後述の縫合部８０の１．５倍〜３．０倍、好ましくは２倍になっている。具体的には、ホットメルトテープ材７０は、１５ｍｍ〜２０ｍｍ程度の幅を有している。

厚物表皮材３０ａ、３０ｂは、突き当て端面５０において表面テープ材６０とホットメルトテープ材７０を含めて互いに縫合され、表面テープ材６０及びホットメルトテープ材７０に沿って縫合部（フラットシーム部）８０が形成されている。縫合部８０は、例えば４本のミシン針９０を有するミシンにより形成されている。縫合糸１００は、表面テープ材６０、厚物表皮材３０ａ、３０ｂ及びホットメルトテープ材７０を複数箇所で厚み方向（上下方向）に貫通している。この縫合部８０の縫合糸１００により、上下方向に表面テープ材６０、厚物表皮材３０ａ、３０ｂ及びホットメルトテープ材７０が互いに縫合され、横方向に厚物表皮材３０ａと厚物表皮材３０ｂが互いに縫合されている。

図１に示すように厚物表皮材３０の縫合部８０は、車両用シート１の複数箇所に設けられている。例えば縫合部８０は、背凭れ部１１の側面や、座部１０の側面に形成されている。

図２に示すようにホットメルトテープ材７０は、熱により溶融されて、トリムカバー２１は、ホットメルトテープ材７０により内部のクッションパッド２０に固着されている。

車両用シート１の製造時には、ミシンを用いて、図４に示すように２枚の厚物表皮材３０ａ、３０ｂの端面３１ａ、３１ｂが突き当てられ、その突き当て端面５０の表面側に表面テープ材６０を供給し、突き当て端面５０の裏面側にホットメルトテープ材７０を供給し、表面テープ材６０の上からホットメルトテープ材７０まで貫通するようにミシン針を入れて、厚物表皮材３０ａ、３０ｂを縫合して、トリムカバー２１を形成する。次に、トリムカバー２１の内側にクッションパッド２０を配置した状態で、スチームなどで熱を加えてホットメルトテープ材７０を溶融させ、そのホットメルトテープ材７０によりトリムカバー２１をクッションパッド２０に固着させる。

本実施の形態によれば、複数の厚物表皮材３０が端面を互いに突き当てるように配置され、表面テープ材６０が、隣接する厚物表皮材３０の突き当て端面５０に沿って配置され当該突き当て端面５０の表面を覆い、ホットメルトテープ材７０が、厚物表皮材３０の突き当て端面５０に沿って配置され突き当て端面５０の裏面を覆い、隣接する厚物表皮材３０が突き当て端面５０において、表面テープ材６０とホットメルトテープ材７０を含めて互いに縫合され、その縫合部８０が表面テープ材６０及びホットメルトテープ材７０に沿って形成されている。これによれば、トリムカバー２１の表面に従来のような切れ目ができないので、トリムカバー２１の外観や強度を向上することができる。また、従来のような縫い代がなく、トリムカバー２１をホットメルトテープ材７０により簡単にクッションパッド２０に固定できるので、車両用シート１の構造が簡単になる。また、度重なる車両への乗降で、突き当て端面５０においてクッションシートパッドとトリムカバーにズレが生じ局所的なシワやダブつきができる可能性があるが、ホットメルトテープ材７０でクッションパッド２０とトリムカバー２１を接着固定することで、上記シワやダブつきを抑制できる。

また、縫合部８０の縫合糸が、溶融したホットメルトテープ材７０により厚物表皮材３０等に固着されるので、一か所の糸切れから連続して糸が解れることがなくなる。

厚物表皮材３０の場合、２枚の厚物表皮材３０ａ、３０ｂを単に突き当てて縫合すると、突き当て面５０のわずかな隙間にミシン針が落ちて適正に縫合されない可能性があるが、突き当て面５０の表面に表面テープ材３０があることにより、ミシン針が突き当て面５０の隙間に落ちることがなくなり、縫合が適正に行われる。

表面テープ材６０は、幅方向の両端が厚物表皮材３０側の内側に折り返されている。これにより、表面テープ材６０の両端が周辺部材や人に触れられないので、トリムカバー２１の強度を向上することができる。

ホットメルトテープ材７０の幅は、表面テープ材６０の幅よりも広いので、クッションパッド２０との接着力を十分に確保できる。また、表面テープ材６０側から行われるホットメルトテープ材７０を含む縫製を確実に行うことができる。

ホットメルトテープ材７０の幅は、縫合部８０の幅の１．５倍〜３倍であるので、クッションパッド２０との接着面積が広くなりすぎない。この結果、クッションパッド２０との接着面積が広くなりすぎたことによりトリムカバー２１にシワが発生することを抑制することができる。

以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施の形態について説明したが、本発明はかかる例に限定されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。

例えば上記実施の形態のトリムカバーは、座部１０や背凭れ部１１に使用するものであったが、ヘッドレストやアームレストなどの車両用シートの他の部分に使用してもよい。

本発明は、トリムカバーの外観や強度を改善し、車両用シートの構造を簡単にする際に有用である。

１車両用シート
２０クッションパッド
２１トリムカバー
３０厚物表皮材
５０突き当て端面
６０表面テープ材
７０ホットメルトテープ材
８０縫合部

Claims

車両用シートのトリムカバーであって、
隣接する端面を互いに突き当てるように配置された複数の表皮材と、
隣接する表皮材の突き当て端面に沿って配置され、当該突き当て端面の表面を覆う表面テープ材と、
前記表皮材の突き当て端面に沿って配置され、前記突き当て端面の裏面を覆うホットメルトテープ材と、を備え、
隣接する表皮材が、その突き当て端面において前記表面テープ材と前記ホットメルトテープ材を含めて互いに縫合され、その縫合部が前記表面テープ材及び前記ホットメルトテープ材に沿って形成されている、トリムカバー。
前記表面テープ材は、幅方向の両端が表皮材側の内側に折り返されている、請求項１に記載のトリムカバー。
前記ホットメルトテープ材の幅は、前記表面テープ材の幅よりも広い、請求項１又は２に記載のトリムカバー。
前記ホットメルトテープ材の幅は、前記縫合部の幅の１．５倍〜３倍である、請求項１〜３のいずれかに記載のトリムカバー。
請求項１〜４のいずれかに記載のトリムカバーと、
前記トリムカバーの内部に設けられるパッド部と、を備え、
前記トリムカバーは、ホットメルトテープ材により前記パッド部に接着されている、車両用シート。