JP6877970B2 - 液体吐出ヘッド及び液体吐出方法 - Google Patents

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Description

本発明は液体吐出ヘッドと液体吐出方法に関し、特に、液体が吐出する吐出口の近傍の構成に関する。
インクジェットヘッドに代表される液体吐出ヘッドの吐出の液滴は、一般的に主滴とそれに付随する副滴(以下、サテライトともいう)に分かれて吐出する。主滴は記録媒体の所望の位置に着弾するが、サテライトは着弾位置のコントロールが困難である。高画質、高スループットが要求される液体吐出ヘッドではサテライトによる記録画質の低下が目立つ場合がある。また、サテライトの中でも特に微小なサテライトは記録媒体に到達せず、浮遊するインク滴(以下、ミストともいう)となる。ミストは記録装置を汚し、その記録装置の汚れが記録媒体に転写して記録媒体を汚すことがある。
このようなサテライトによる画質低下を防ぐ手段として、特許文献1には、吐出口を円形以外の形状として、サテライトの発生を低減させる方法が開示されている。特許文献2には、記録素子と吐出口との間の距離を小さくすることで液滴の長さ(以下、テール長ともいう)を短くし、サテライトの発生を低減させる方法が開示されている。
特開2008−290380 米国特許出願公開第2011/0205303号明細書
本発明者が検討した結果、特許文献1、2の構成では液滴のテール長をさらに短縮化することができず、サテライトの抑制が困難であるという新たな課題を見出した。
本発明は液滴のテール長を短縮化することが可能な液体吐出ヘッドと液体吐出方法を提供することを目的とする。
本発明の液体吐出ヘッドは、液体を吐出するために利用される熱エネルギーを発生させる記録素子と、記録素子を内部に備える圧力室と、液体を吐出する吐出口と、吐出口と圧力室とを連通する吐出口部と、圧力室に連通し、液体を圧力室に供給する液体供給路と、圧力室に関し液体供給路の反対側で圧力室に連通し、液体を回収する液体回収路と、を有している。熱エネルギーによって圧力室内に気泡が発生し、発生した気泡が吐出口部の内部に進入し気泡の圧力により液体が吐出口から吐出する。吐出口は、当該吐出口の中心に向かって突き出す2つの突起部を有し、2つの突起部は上記中心を通る直線上に位置し、上記中心に関して両側に設けられ、上記直線は液体供給路と液体回収路を結ぶ流路軸に対し45度以上の角度をなし、吐出口部の内部に進入した気泡が吐出口の外側で大気と連通する。
本発明によれば、液滴のテール長を短縮化しサテライトの抑制が可能な液体吐出ヘッドと液体吐出方法を提供することができる。
本発明の第1の適用例に係る記録装置の概略構成を示す図である。 記録装置の液体が循環する第1の循環経路を示す図である。 記録装置の第2の循環経路を示す図である。 本発明の第1の適用例に係る液体吐出ヘッドの斜視図である。 図4の液体吐出ヘッドの分解斜視図である。 図4の液体吐出ヘッドが有する流路部材を構成する第1〜第3流路部材の構成を示す図である。 流路部材内の各流路の接続関係を説明するための図である。 図7のE−E線断面図である。 吐出モジュールの斜視図および分解図である。 記録素子基板の構成を示す図である。 図10のB−B断面を含む記録素子基板および蓋部材の構成を示す斜視図である。 隣り合う2つの吐出モジュールにおける記録素子基板の隣接部分を部分的に拡大して示す平面図である。 本発明の第2の適用例に係る記録装置の概略構成を示す図である。 本発明の第2の適用例に係る液体吐出ヘッドの斜視図である。 図14の液体吐出ヘッドの分解斜視図である。 図14の液体吐出ヘッドが有する流路部材を構成する第1および第2流路部材の構成を示す図である。 記録素子基板および流路部材における液体の接続関係を説明するための図である。 図17のF−F線断面図である。 吐出モジュールの斜視図および分解図である。 記録素子基板の構成を示す図である。 第1の実施形態に係る液体吐出ヘッドの内部を示す概念図である。 吐出現象の過渡的な工程を示す模式図である。 気泡内部の圧力プロファイルと気泡の内圧の関係を示す図である。 記録素子から吐出口までの距離と大気連通時間Tthの関係を示す図である。 吐出口形成部材の厚さと入口流路の高さと大気連通時間Tthの関係を示す図である。 記録素子から吐出口までの距離と気泡の大気連通位置dzとの関係を示す図である。 記録素子から吐出口までの距離と気泡の大気連通位置dxとの関係を示す図である。 吐出口から吐出する液滴を示す概念図である。 様々な吐出口形状に対する大気連通時間Tthを示した図である。 様々な吐出口形状に対する大気連通位置dxを示した図である。 他の実施形態に係る液体吐出ヘッドの内部を示す概念図である。 第2の実施形態に係る液体吐出ヘッドの内部を示す概念図である。 参考例に係る液体吐出ヘッドの内部を示す概念図である。 第2の実施形態と参考例における液滴の吐出を示す概念図である。
以下、図面を参照して本発明の適用例及び実施形態に関わる液体吐出ヘッドについて説明する。以下に述べる適用例及び実施形態は、技術的に好ましい種々の条件が付けられているが、本発明の思想に沿う限り、本発明はこれらの適用例及び実施形態及び条件に限定されるものではない。
以下、図面を用いて本発明の実施の形態の例を説明する。ただし、以下の記載は本発明の範囲を限定するものではない。
本適用例及び実施形態は、インク等の液体をタンクと液体吐出ヘッド間で循環させる形態のインクジェット記録装置(記録装置)であるが、その他の形態であっても良い。例えばインクを循環せずに、液体吐出ヘッド上流側と下流側に2つのタンクを設け、一方のタンクから他方のタンクへインクを流すことで、圧力室内のインクを流動させる形態であっても良い。
また本適用例及び実施形態は被記録媒体の幅に対応した長さを有する、所謂ライン型ヘッドであるが、被記録媒体に対してスキャンを行いながら記録を行う、所謂シリアル型(ページワイド型)の液体吐出ヘッドにも本発明を適用できる。シリアル型の液体吐出ヘッドとしては、例えばブラックインク用、およびカラーインク用記録素子基板を各1つずつ搭載する構成があげられる。しかしこれに限らず、数個の記録素子基板を吐出口列方向に吐出口をオーバーラップさせるよう配置した、被記録媒体の幅よりも短い、短尺のラインヘッドを作成し、それを被記録媒体に対してスキャンさせる形態のものであっても良い。
(第1の適用例)
以下、本発明を好適に適用可能な適用列について説明する。
(インクジェット記録装置の説明)
本発明の、液体を吐出する装置、特にはインクを吐出して記録を行うインクジェット記録装置1000(以下、記録装置とも称す)の概略構成を図1に示す。記録装置1000は被記録媒体2を搬送する搬送部1と、被記録媒体の搬送方向と略直交して配置されるライン型の液体吐出ヘッド3とを備え、複数の被記録媒体2を連続的もしくは間欠的に搬送しながら1パスで連続記録を行うライン型記録装置である。被記録媒体2はカット紙に限らず、連続したロール紙であってもよい。液体吐出ヘッド3はCMYKインクによる(シアン、マゼンタ、イエロー、ブラック)フルカラー印刷が可能である。後述するようにインクを液体吐出ヘッドへ供給する供給路である液体供給手段と、メインタンクと、バッファタンク(図2参照)とが流体的に接続される。また、液体吐出ヘッド3には、液体吐出ヘッド3へ電力及び吐出制御信号を伝送する電気制御部が電気的に接続される。吐出ヘッド3内における液体経路及び電気信号経路については後述する。
(第1の循環経路の説明)
図2は、本適用例の記録装置に適用される循環経路の1形態である第1の循環経路を示す模式図である。図2は液体吐出ヘッド3を、第1循環ポンプ(高圧側)1001、第1循環ポンプ(低圧側)1002、及びバッファタンク1003等に流体的に接続した図である。なお図2では、説明を簡略化するためにCMYKインクの内の一色のインクが流動する経路のみを示しているが、実際には4色分の循環経路が、液体吐出ヘッド3及び記録装置本体に設けられる。メインタンク1006と接続される、サブタンクとしてのバッファタンク1003はタンク内部と外部とを連通する大気連通口(不図示)を有し、インク中の気泡を外部に排出することが可能である。バッファタンク1003は、補充ポンプ1005とも接続されている。補充ポンプ1005はインクを吐出しての記録や吸引回復等、液体吐出ヘッドの吐出口からインクを吐出(排出)することによって液体吐出ヘッド3でインクが消費された際に、消費されたインク分をメインタンク1006からバッファタンク1003へ移送する。
2つの第1循環ポンプ1001,1002は、液体吐出ヘッド3の液体接続部111からインクを引き出してバッファタンク1003へ流す役割を有する。第1循環ポンプとしては定量的な送液能力を有する容積型ポンプが好ましい。具体的にはチューブポンプ、ギアポンプ、ダイヤフラムポンプ、シリンジポンプ等が挙げられるが、例えば一般的な定流量弁やリリーフ弁をポンプ出口に配して一定流量を確保する形態であっても用いることができる。液体吐出ヘッド3の駆動時には第1循環ポンプ(高圧側)1001及び第1循環ポンプ(低圧側)1002によって、それぞれ共通供給経路211、共通回収流路212内をある一定量のインクが流れる。この流量としては、液体吐出ヘッド3内の各記録素子基板10間の温度差が、記録画質に影響しない程度以上に設定することが好ましい。もっとも、あまりに大きな流量を設定すると、液体吐出ユニット300内の流路の圧損の影響により、各記録素子基板10で負圧差が大きくなり過ぎて画像の濃度ムラが生じてしまう。このため、各記録素子基板10間の温度差と負圧差を考慮しながら、流量を設定することが好ましい。
負圧制御ユニット230は、第2循環ポンプ1004と液体吐出ユニット300との経路の間に設けられている。負圧制御ユニット230は、記録を行うDutyの差によって循環系の流量が変動した場合でも負圧制御ユニット230よりも下流側(即ち液体吐出ユニット300側)の圧力を予め設定した一定圧力に維持するように動作する機能を有する。負圧制御ユニット230を構成する2つの圧力調整機構としては、それ自身よりも下流の圧力を、所望の設定圧を中心として一定の範囲以下の変動で制御できるものであれば、どのような機構を用いても良い。一例としては所謂「減圧レギュレーター」と同様の機構を採用することができる。減圧レギュレーターを用いた場合には、図2に示したように、第2循環ポンプ1004によって、液体供給ユニット220を介して負圧制御ユニット230の上流側を加圧するようにすることが好ましい。このようにするとバッファタンク1003の液体吐出ヘッド3に対する水頭圧の影響を抑制できるので、記録装置1000におけるバッファタンク1003のレイアウトの自由度を広げることができる。第2循環ポンプ1004としては液体吐出ヘッド3の駆動時に使用するインク循環流量の範囲において、一定圧以上の揚程圧を有するものであればよく、ターボ型ポンプや容積型ポンプなどを使用できる。具体的には、ダイヤフラムポンプ等が適用可能である。また第2循環ポンプ1004の代わりに、例えば負圧制御ユニット230に対してある一定の水頭差をもって配置された水頭タンクも適用可能である。
図2に示したように負圧制御ユニット230は、それぞれが互いに異なる制御圧が設定された2つの圧力調整機構を備えている。2つの負圧調整機構の内、相対的に高圧設定側(図2でHと記載)、相対的に低圧設定側(図2でLと記載)は、それぞれ、液体供給ユニット220内を経由して、液体吐出ユニット300内の共通供給経路211、共通回収流路212に接続されている。液体吐出ユニット300には、共通供給経路211、共通回収流路212、及び各記録素子基板10と連通する個別供給流路213aおよび個別回収流路213bが設けられている。個別供給流路213aは共通供給経路211及び共通回収流路212と連通しているので、インクの一部が、共通供給流路211から記録素子基板10の内部流路を通過して共通回収流路212へと流れる流れ(図2の矢印)が発生する。共通供給流路211には圧力調整機構Hが、共通回収流路212には圧力調整機構Lが接続されているため、2つの共通流路間に差圧が生じているからである。
このようにして、液体吐出ユニット300では、共通供給流路211及び共通回収流路212内をそれぞれ通過するようにインクを流しつつ、一部のインクが各記録素子基板10内を通過するような流れが発生する。このため、各記録素子基板10で発生する熱を共通供給流路211および共通回収流路212の流れで記録素子基板10の外部へ排出することができる。またこのような構成により、液体吐出ヘッド3による記録を行っている際に、記録を行っていない吐出口や圧力室においてもインクの流れを生じさせることができるので、その部位におけるインクの増粘を抑制できる。また増粘したインクやインク中の異物を共通回収流路212へと排出することができる。このため、本適用例の液体吐出ヘッド3は、高速で高画質な記録が可能となる。
(第2の循環経路の説明)
図3は、本適用例の記録装置に適用される循環経路のうち、上述した第1の循環経路とは異なる循環形態である第2の循環経路を示す模式図である。前述の第1の循環経路との主な相違点は以下の通りである。まず、負圧制御ユニット230を構成する2つの圧力調整機構が共に、負圧制御ユニット230よりも上流側の圧力を、所望の設定圧を中心として一定範囲内の変動で制御する機構(所謂「背圧レギュレーター」と同作用の機構部品)を有している。次に、第2循環ポンプ1004が負圧制御ユニット230の下流側を減圧する負圧源として作用するものである。さらに、第1循環ポンプ(高圧側)1001及び第1循環ポンプ(低圧側)1002が液体吐出ヘッド上流側に配置され、負圧制御ユニット230が液体吐出ヘッド下流側に配置されている。
図3の負圧制御ユニット230は、液体吐出ヘッド3により記録を行う際の記録Dutyの変化によって流量の変動が生じても、自身の上流側(即ち液体吐出ユニット300側)の圧力変動を予め設定された圧力を中心として一定範囲内に収めるように作動する。図3に示すように、第2循環ポンプ1004によって、液体供給ユニット220を介して負圧制御ユニット230の下流側を加圧することが好ましい。このようにすると液体吐出ヘッド3に対するバッファタンク1003の水頭圧の影響を抑制できるので、記録装置1000におけるバッファタンク1003のレイアウトの選択幅を広げることができる。第2循環ポンプ1004の代わりに、例えば負圧制御ユニット230に対して所定の水頭差をもって配置された水頭タンクであっても適用可能である。
図2に示す形態と同様に、図3に示す負圧制御ユニット230は、それぞれが互いに異なる制御圧が設定された2つの圧力調整機構を備えている。2つの負圧調整機構の内、高圧設定側(図3でHと記載)、低圧設定側(図3でLと記載)はそれぞれ、液体供給ユニット220内を経由して、液体吐出ユニット300内の共通供給経路211、および共通回収流路212に接続されている。2つの負圧調整機構により共通供給流路211の圧力を共通回収流路212の圧力より相対的に高くする。これにより、共通供給流路211から個別流路213及び各記録素子基板10の内部流路を介して共通回収流路212へと流れるインク流れが発生する(図3)の矢印)。このように、第2の循環経路では、液体吐出ユニット300内に第1の循環経路と同様のインク流れ状態が得られるが、第1の循環経路の場合とは異なる2つの利点がある。
1つ目の利点は、第2の循環経路では負圧制御ユニット230が液体吐出ヘッド3の下流側に配置されているので、負圧制御ユニット230から発生するゴミや異物がヘッドへ流入する懸念が少ないことである。2つ目の利点は、第2の循環経路では、バッファタンク1003から液体吐出ヘッド3へ供給する必要流量の最大値が、第1の循環経路の場合よりも少なくて済むことである。その理由は次の通りである。記録待機時に循環している場合の、共通供給流路211及び共通回収流路212内の流量の合計をAとする。Aの値は、記録待機中に液体吐出ヘッド3の温度調整を行う場合に、液体吐出ユニット300内の温度差を所望の範囲内にするために必要な、最小限の流量として定義される。また液体吐出ユニット300の全ての吐出口からインクを吐出する場合(全吐時)の吐出流量をFと定義する。そうすると、第1の循環経路の場合(図2)では、第1循環ポンプ(高圧側)1001及び第1循環ポンプ(低圧側)1002の設定流量がAとなるので、全吐時に必要な液体吐出ヘッド3への液体供給量の最大値はA+Fとなる。
一方で第2の循環経路(図3)の場合、記録待機時に必要な液体吐出ヘッド3への液体供給量は流量Aである。そして、全吐時に必要な液体吐出ヘッド3への供給量は流量Fとなる。そうすると、第2の循環経路の場合、第1循環ポンプ(高圧側)1001及び第1循環ポンプ(低圧側)1002の設定流量の合計値、即ち必要供給流量の最大値はA又はFの大きい方の値となる。このため、同一構成の液体吐出ユニット300を使用する限り、第2の循環経路における必要供給量の最大値(A又はF)は、第1の循環経路における必要供給流量の最大値(A+F)よりも必ず小さくなる。そのため第2の循環経路の場合、適用可能な循環ポンプの自由度が高まり、例えば構成の簡便な低コストの循環ポンプを使用したり、本体側経路に設置される冷却器(不図示)の負荷を低減したりすることができ、記録装置本体のコストを低減できる。この利点は、A又はFの値が比較的大きくなるラインヘッドであるほど大きくなり、ラインヘッドの中でも長手方向の長さが長いラインヘッドほど有益である。
しかしながら一方で、第1の循環経路の方が、第2の循環経路に対して有利になる点もある。すなわち、第2の循環経路では、記録待機時に液体吐出ユニット300内を流れる流量が最大となるため、記録Dutyの低い画像であるほど、各吐出口に高い負圧が印加された状態となる。このため、特に共通供給流路211と共通回収流路212の流路幅(インクの流れ方向と直交する方向の長さ)を小さくしてヘッド幅(液体吐出ヘッドの短手方向の長さ)を小さくした場合、サテライト滴の影響が大きくなる恐れがある。これは、ムラの見えやすい低Duty画像で吐出口に高い負圧が印加されるためである。一方、第1の循環経路の場合、高い負圧が吐出口に印加されるのは高Duty画像形成時であるため、仮にサテライトが発生しても視認されにくく、画像への影響は小さいという利点がある。2つの循環経路の選択は、液体吐出ヘッドおよび記録装置本体の仕様(吐出流量F、最小循環流量A、及びヘッド内流路抵抗)に照らして、好ましい選択を採ることができる。
(液体吐出ヘッド構成の説明)
第1の適用例に係る液体吐出ヘッド3の構成について説明する。図4(a)及び図4(b)は本適用例に係る液体吐出ヘッド3の斜視図である。液体吐出ヘッド3は各々がC/M/Y/Kの4色のインクを吐出可能な記録素子基板10が直線上に15個配列(インラインに配置)されたライン型の液体吐出ヘッドである。図4(a)に示すように、液体吐出ヘッド3には各記録素子基板10と、フレキシブル配線基板40および電気配線基板90を介して電気的に接続された信号入力端子91と電力供給端子92を備える。信号入力端子91及び電力供給端子92は記録装置1000の制御部と電気的に接続され、それぞれ、吐出駆動信号及び吐出に必要な電力を記録素子基板10に供給する。電気配線基板90内の電気回路によって配線を集約することで、信号出力端子91及び電力供給端子92の数を記録素子基板10の数に比べて少なくできる。これにより、記録装置1000に対して液体吐出ヘッド3を組み付ける時又は液体吐出ヘッドの交換時に取り外しが必要な電気接続部数が少なくて済む。図4(b)に示すように、液体吐出ヘッド3の両端部に設けられた液体接続部111は、記録装置1000の液体供給系と接続される。これによりCMYK4色のインクが記録装置1000の供給系から液体吐出ヘッド3に供給され、また液体吐出ヘッド3内を通ったインクが記録装置1000の供給系へ回収されるようになっている。このように各色のインクは、記録装置1000の経路と液体吐出ヘッド3の経路を介して循環可能である。
図5に液体吐出ヘッド3を構成する各部品またはユニットの分解斜視図を示す。液体吐出ユニット300、液体供給ユニット220、及び電気配線基板90が筺体80に取り付けられている。液体供給ユニット220には液体接続部111(図3)が設けられるとともに、液体供給ユニット220の内部には、供給されるインク中の異物を取り除くため、液体接続部111の各開口と連通する各色別のフィルタ221(図2、図3)が設けられている。2つの液体供給ユニット220は、それぞれに2色分ずつのフィルタ221が設けられている。フィルタ221を通過したインクはそれぞれの色に対応して供給ユニット220上に配置された負圧制御ユニット230へ供給される。負圧制御ユニット230は各色別の圧力調整弁からなるユニットである。負圧制御ユニット230はそれぞれの内部に設けられる弁やバネ部材などの働きによって、インクの流量の変動に伴って生じる記録装置1000の供給系内(液体吐出ヘッド3の上流側の供給系)の圧損変化を大幅に減衰させる。このため、圧力制御ユニットよりも下流側(液体吐出ユニット300側)の負圧変化をある一定範囲内で安定化させることが可能である。各色の負圧制御ユニット230内には、図2で記述したように、各色2つの圧力調整弁が内蔵されており、それぞれ異なる制御圧力に設定されている。2つの圧力調整弁は高圧側が液体吐出ユニット300内の共通供給流路211、低圧側が共通回収流路212と、液体供給ユニット220を介して連通している。
筐体80は、液体吐出ユニット支持部81と電気配線基板支持部82とから構成され、液体吐出ユニット300及び電気配線基板90を支持するとともに、液体吐出ヘッド3の剛性を確保している。電気配線基板支持部82は電気配線基板90を支持する為のものであって、液体吐出ユニット支持部81にネジ止めによって固定されている。液体吐出ユニット支持部81は液体吐出ユニット300の反りや変形を矯正して、複数の記録素子基板10の相対位置精度を確保する役割を有し、それにより記録物におけるスジやムラを抑制する。そのため液体吐出ユニット支持部81は、十分な剛性を有することが好ましく、材質としてはSUSやアルミなどの金属材料、もしくはアルミナなどのセラミックが好適である。液体吐出ユニット支持部81には、ジョイントゴム100が挿入される開口83、84が設けられている。液体供給ユニット220から供給されるインクはジョイントゴムを介して液体吐出ユニット300を構成する第3流路部材70へと導かれる。
液体吐出ユニット300は、複数の吐出モジュール200、流路部材210からなり、液体吐出ユニット300の被記録媒体側の面にはカバー部材130が取り付けられる。ここで、カバー部材130は図5に示したように、長尺の開口131が設けられた額縁状の表面を持つ部材であり、開口131からは吐出モジュール200に含まれる記録素子基板10及び封止材110(図9)が露出している。開口131の周囲の枠部は、記録待機時に液体吐出ヘッド3をキャップするキャップ部材の当接面としての機能を有する。このため、開口131の周囲に沿って接着剤、封止材、充填材等を塗布し、液体吐出ユニット300の吐出口面上の凹凸や隙間を埋めることで、キャップ時に閉空間が形成されるようにすることが好ましい。
次に液体吐出ユニット300に含まれる流路部材210の構成について説明する。図5に示したように、流路部材210は第1流路部材50、第2流路部材60、第3流路部材70を積層したものである。流路部材210は、液体供給ユニット220から供給されたインクを各吐出モジュール200へと分配し、また吐出モジュール200から環流するインクを液体供給ユニット220へと戻すための流路部材である。流路部材210は液体吐出ユニット支持部81にネジ止めで固定されており、それにより流路部材210の反りや変形が抑制されている。
図6(a)〜(f)は第1〜第3流路部材の各流路部材の表面と裏面を示した図である。図6(a)は、第1流路部材50の、吐出モジュール200が搭載される側の面を示し、図6(f)は、第3流路部材70の、液体吐出ユニット支持部81と当接する側の面を示す。第1流路部材50と第2流路部材60とは、夫々の流路部材の当接面である図6(b)と図6(c)が対向するように接合し、第2流路部材と第3流路部材とは、夫々の流路部材の当接面である図6(d)と図6(e)が対向するように接合する。第2流路部材60と第3流路部材70を接合することにより、夫々の流路部材に形成される共通流路溝62と71とによって、流路部材の長手方向に延在する8本の共通流路が形成される。これにより色毎に共通供給流路211と共通回収流路212のセットが流路部材210内に形成される(図7)。第3流路部材70の連通口72はジョイントゴム100の各穴と連通しており、液体供給ユニット220と流体的に流通している。第2流路部材60の共通流路溝62の底面には連通口61が複数形成されており、第1流路部材50の個別流路溝52の一端部と連通している。第1流路部材50の個別流路溝52の他端部には連通口51が形成されており、連通口51を介して、複数の吐出モジュール200と流体的に連通している。この個別流路溝52により流路部材の中央側へ流路を集約することが可能となる。
第1〜第3流路部材は、インクに対して耐腐食性を有するとともに、線膨張率の低い材質からなることが好ましい。材質としては例えば、母材にシリカ微粒子やファイバーなどの無機フィラーを添加した複合材料(樹脂材料)を好適に用いることができる。母材としては、アルミナや、LCP(液晶ポリマー)、PPS(ポリフェニルサルファイド)やPSF(ポリサルフォン)や変性PPE(ポリフェニレンエーテル)が挙げられる。流路部材210の形成方法としては、3つの流路部材を積層させて互いに接着しても良いし、材質として樹脂複合樹脂材料を選択した場合には、溶着による接合方法を用いても良い。
次に図7を用いて流路部材210内の各流路の接続関係について説明する。図7は、第1〜第3流路部材を接合して形成される流路部材210内の流路を第1の流路部材50の、吐出モジュール200が搭載される面側から一部を拡大してみた透視図である。流路部材210には、色毎に液体吐出ヘッド3の長手方向に伸びる共通供給流路211(211a、211b、211c、211d)、及び共通回収流路212(212a、212b、212c、212d)が設けられている。各色の共通供給流路211には、個別流路溝52によって形成される複数の個別供給流路(213a、213b、213c、213d)が連通口61を介して接続されている。また、各色の共通回収流路212には、個別流路溝52によって形成される複数の個別回収流路(214a、214b、214c、214d)が連通口61を介して接続されている。このような流路構成により各共通供給流路211から個別供給流路213を介して、流路部材の中央部に位置する記録素子基板10にインクを集約することができる。また記録素子基板10から個別回収流路214を介して、各共通回収流路212にインクを回収することができる。
図8は、図7のE−E線における断面を示した図である。この図に示すように、それぞれの個別回収流路(214a、214c)は連通口51を介して、吐出モジュール200と連通している。図8では個別回収流路(214a、214c)のみ図示しているが、別の断面においては、図7に示すように個別供給流路213と吐出モジュール200とが連通している。各吐出モジュール200に含まれる支持部材30及び記録素子基板10には流路が形成されている。この流路は、第1流路部材50からのインクを記録素子基板10に設けられる記録素子15(図10)に供給するための流路、および記録素子15に供給したインクの一部または全部を第1流路部材50に回収(環流)する。ここで、各色の共通供給流路211は対応する色の負圧制御ユニット230(高圧側)と液体供給ユニット220を介して接続されており、また共通回収流路212は負圧制御ユニット230(低圧側)と液体供給ユニット220を介して接続されている。この負圧制御ユニット230により、共通供給流路211と共通回収流路212間に差圧(圧力差)を生じさせるようになっている。このため、図7及び8に示したように各流路を接続した本適用例の液体吐出ヘッド内では、各色で共通供給流路211〜個別供給流路213a〜記録素子基板10〜個別回収流路213b〜共通回収流路212へと順に流れる流れが発生する。
(吐出モジュールの説明)
図9(a)に1つの吐出モジュール200の斜視図を、図9(b)にその分解図を示す。吐出モジュール200の製造方法としては、まず記録素子基板10及びフレキシブル配線基板40を、予め液体連通口31が設けられた支持部材30上に接着する。その後、記録素子基板10上の端子16と、フレキシブル配線基板40上の端子41とをワイヤーボンディングによって電気接続し、その後にワイヤーボンディング部(電気接続部)を封止材110で覆って封止する。フレキシブル配線基板40の記録素子基板10と反対側の端子42は、電気配線基板90の接続端子93(図5参照)と電気接続される。支持部材30は、記録素子基板10を支持する支持体であるとともに、記録素子基板10と流路部材210とを流体的に連通させる流路部材である為、平面度が高く、また十分に高い信頼性をもって記録素子基板と接合できるものが好ましい。材質としては例えばアルミナや樹脂材料が好ましい。
(記録素子基板の構造の説明)
本適用例における記録素子基板10の構成について説明する。図10(a)は記録素子基板10の吐出口13が形成される側の面の平面図を示し、図10(b)は図10(a)のAで示した部分の拡大図を示し、図10(c)は図10(a)の裏面の平面図を示す。図10(a)に示すように、記録素子基板10の吐出口形成部材12に、各インク色に対応する4列の吐出口列が形成されている。なお、以後、複数の吐出口13が配列される吐出口列が延びる方向を「吐出口列方向」と呼称する。
図10(b)に示すように、各吐出口13に対応した位置にはインクを熱エネルギにより発泡させるための発熱素子である記録素子15が配置されている。隔壁22により、記録素子15を内部に備える圧力室23が区画されている。記録素子15は記録素子基板10に設けられる電気配線(不図示)によって、図10(a)の端子16と電気的に接続されている。記録素子15は記録装置1000の制御回路から、電気配線基板90(図5)及びフレキシブル配線基板40(図9)を介して入力されるパルス信号に基づいて発熱してインクを沸騰させる。この沸騰による発泡の力でインクを吐出口13から吐出する。図10(b)に示すように、各吐出口列に沿って、一方の側には液体供給路18が、他方の側には液体回収路19が延在している。液体供給路18及び液体回収路19は記録素子基板10に設けられた吐出口列方向に伸びた流路であり、それぞれ供給口17a、回収口17bを介して吐出口13と連通している。
図10(c)および図11に示すように、記録素子基板10の、吐出口13が形成される面の裏面にはシート状の蓋部材20が積層されており、蓋部材20には、後述する液体供給路18及び液体回収路19に連通する開口21が複数設けられている。本適用例においては、液体供給路18の1本に対して3個、液体回収路19の1本に対して2個の開口21が蓋部材20に設けられている。この開口21の数は圧力損失の観点から、流路に対して複数設けられることが好ましい。本発明においては、各流路に開口21が複数ある必要はなく、液体供給路18および液体回収路19のいずれかの流路に対して、少なくとも2つの開口21があればよい。例えば、液体供給路18には2つの開口21、液体回収路19には1つの開口21を備える液体吐出ヘッドの構成であれば良い。図10(b)に示すように蓋部材20の夫々の開口21は、図6(a)に示した複数の連通口51と連通している。図11に示すように蓋部材20は、記録素子基板10の基板11に形成される液体供給路18及び液体回収路19の壁の一部を形成する蓋としての機能を有する。蓋部材20は、インクに対して十分な耐食性を有している物が好ましく、また、混色防止の観点から、開口21の開口形状および開口位置には高い精度が求められる。このため蓋部材20の材質として、感光性樹脂材料やシリコン板を用い、フォトリソプロセスによって開口21を設けることが好ましい。このように蓋部材は開口21により流路のピッチを変換するものであり、圧力損失を考慮すると厚みは薄いことが望ましく、フィルム状の部材で構成されることが望ましい。
次に、記録素子基板10内でのインクの流れについて説明する。図11は図10(a)におけるB−B面での記録素子基板10および蓋部材20の断面を示す斜視図である。記録素子基板10はSiにより形成される基板11と感光性の樹脂により形成される吐出口形成部材12とが積層されており、基板11の裏面には蓋部材20が接合されている。基板11の一方の面側には記録素子15が形成されており(図10)、その裏面側には、吐出口列に沿って延在する液体供給路18および液体回収路19を構成する溝が形成されている。基板11と蓋部材20によって形成される液体供給路18及び液体回収路19はそれぞれ、流路部材210内の共通供給流路211と共通回収流路212と接続されており、液体供給路18と液体回収路19との間には差圧が生じている。液体吐出ヘッド3の複数の吐出口13からインクを吐出し記録を行っている際に、吐出動作を行っていない吐出口においては以下の流れが生じる。すなわち、この差圧によって、基板11内に設けられた液体供給路18内のインクは、供給口17a、圧力室23、回収口17bを経由して液体回収路19へ流れる(図10の矢印Cで示した流れ)。この流れによって、記録を休止している吐出口13や圧力室23において、吐出口13からの蒸発によって生じる増粘インクや、泡・異物などを液体回収路19へ回収することができる。また吐出口13や圧力室23のインクの増粘を抑制することができる。液体回収路19へ回収されたインクは、蓋部材20の開口21及び支持部材30の液体連通口31(図9(b)参照)を通じて、流路部材210内の連通口51、個別回収流路214、共通回収流路212の順に回収される。このインクは最終的には記録装置1000の供給経路へと回収される。
つまり記録装置本体から液体吐出ヘッド3へ供給されるインクは下記の順に流動し、供給および回収される。インクは、まず液体供給ユニット220の液体接続部111から液体吐出ヘッド3の内部に流入する。インクは次にジョイントゴム100、第3流路部材に設けられた連通口72および共通流路溝71、第2流路部材に設けられた共通流路溝62および連通口61、第1流路部材に設けられた個別流路溝52および連通口51の順に供給される。その後、支持部材30に設けられた液体連通口31、蓋部材に設けられた開口21、基板11に設けられた液体供給路18および供給口17aを順に介して圧力室23に供給される。圧力室23に供給されたインクのうち、吐出口13から吐出されなかったインクは、基板11に設けられた回収口17bおよび液体回収路19、蓋部材に設けられた開口21、支持部材30に設けられた液体連通口31を順に流れる。その後、インクは第1流路部材に設けられた連通口51および個別流路溝52、第2流路部材に設けられた連通口61および共通流路溝62、第3流路部材70に設けられた共通流路溝71および連通口72、ジョイントゴム100を順に流れる。そして、インクは液体供給ユニットに設けられた液体接続部111から液体吐出ヘッド3の外部へ流動する。図2に示す第1の循環経路の形態においては、液体接続部111から流入したインクは負圧制御ユニット230を経由した後にジョイントゴム100に供給される。図3に示す第2の循環経路の形態においては、圧力室23から回収されたインクは、ジョイントゴム100を通過した後、負圧制御ユニット230を介して液体接続部111から液体吐出ヘッドの外部へ流動する。
また、図2および図3に示すように、液体吐出ユニット300の共通供給流路211の一端から流入した全てのインクが個別供給流路213aを経由して圧力室23に供給されるわけではない。個別供給流路213aに流入することなく、共通供給流路211の他端から液体供給ユニット220に流動するインクもある。このように、記録素子基板10を経由することなく流動する経路を備えることで、本適用例のような微細で流抵抗の大きい流路を備える記録素子基板10を備える場合であっても、インクの循環流の逆流を抑制することができる。このようにして、本適用例の液体吐出ヘッドでは、圧力室や吐出口近傍部のインクの増粘を抑制できるので吐出方向の不良や不吐を抑制でき、結果として高画質な記録を行うことができる。
(記録素子基板間の位置関係の説明)
図12は、隣り合う2つの吐出モジュールにおける、記録素子基板の隣接部を部分的に拡大して示す平面図である。図10に示すように、本適用例では略平行四辺形の記録素子基板を用いている。図12に示すように各記録素子基板10における吐出口13が配列される各吐出口列(14a〜14d)は、被記録媒体の搬送方向に対し一定角度傾くように配置されている。それによって記録素子基板10同士の隣接部における吐出口は、少なくとも1つの吐出口が被記録媒体の搬送方向にオーバーラップするようになっている。図12では、D線上の2つの吐出口が互いにオーバーラップ関係にある。このような配置によって、仮に記録素子基板10の位置が所定位置から多少ずれた場合でも、オーバーラップする吐出口の駆動制御によって、記録画像の黒スジや白抜けを目立たなくするようにすることができる。複数の記録素子基板10を千鳥配置ではなく、直線上(インライン)に配置することもできる。この場合も、図12のような構成により液体吐出ヘッド10の被記録媒体の搬送方向の長さの増大を抑えつつ、記録素子基板10同士のつなぎ部における黒スジや白抜け対策を行うことができる。なお、本適用例では記録素子基板の主平面は平行四辺形であるが、本発明はこれに限るものではなく、例えば長方形、台形、その他形状の記録素子基板を用いた場合でも、本発明の構成を好ましく適用することができる。
(第2の適用例)
本発明の第2の適用例によるインクジェット記録装置1000及び液体吐出ヘッド3の構成を説明する。なお以降の説明においては、主として第1適用例と異なる部分のみを説明し、第1適用例と同様の部分については説明を省略する。
(インクジェット記録装置の説明)
本発明の第2の適用例によるインクジェット記録装置を図13に示す。第2適用例の記録装置1000はCMYKのインクごとに対応した単色用の液体吐出ヘッド3を4つ並列配置させることで被記録媒体へフルカラー記録を行う点が第1適用例とは異なる。第1の適用例において1色あたりに使用できる吐出口列数が1列だったのに対し、本適用例2において1色あたりに使用できる吐出口列数は20列となっている(図19(a))。このため、記録データを複数の吐出口列に適宜振り分けて記録を行うことで、非常に高速な記録が可能となる。さらに、不吐になる吐出口があったとしても、その吐出口に対して被記録媒体の搬送方向に対応する位置にある、他列の吐出口から補間的に吐出を行うことで信頼性が向上し、商業印刷などに好適である。第1の適用例と同様に、各液体吐出ヘッド3に対して、記録装置1000の供給系、バッファタンク1003及びメインタンク1006(図2)が流体的に接続される。また、それぞれの液体吐出ヘッド3には、液体吐出ヘッド3へ電力及び吐出制御信号を伝送する電気制御部が電気的に接続される。
(循環経路の説明)
記録装置1000及び液体吐出ヘッド3間の液体循環経路としては、第1の適用例同様、図2または図3に示した第1および第2の循環経路を用いることができる。
(液体吐出ヘッド構造の説明)
本発明の第2の適用例に係る液体吐出ヘッド3の構造について説明する。図14(a)及び(b)は本適用例に係る液体吐出ヘッド3の斜視図である。液体吐出ヘッド3は液体吐出ヘッド3の長手方向に直線上に配列される16個の記録素子基板10を備え、1色のインクで記録が可能なインクジェット式のライン型記録ヘッドである。液体吐出ヘッド3は、第1の適用例同様、液体接続部111、信号入力端子91及び電力供給端子92を備える。しかしながら本適用例の液体吐出ヘッド3は、第1の適用例に比べて吐出口列が多いため、液体吐出ヘッド3の両側に信号出力端子91及び電力供給端子92が配置されている。これは記録素子基板10に設けられる配線部で生じる電圧低下や信号伝送遅れの低減のためである。
図15は液体吐出ヘッド3の斜視分解図であり、液体吐出ヘッド3を構成する各部品またはユニットがその機能毎に分割されて表示されている。各ユニット及び部材の役割や液体吐出ヘッド内の液体流通の順は基本的に第1の適用例と同様であるが、液体吐出ヘッドの剛性を担保する機能が異なる。第1の適用例では主として液体吐出ユニット支持部81によって液体吐出ヘッド剛性を担保していたが、第2の適用例の液体吐出ヘッドでは、液体吐出ユニット300に含まれる第2流路部材60によって液体吐出ヘッドの剛性を担保している。本適用例における液体吐出ユニット支持部81は第2流路部材60の両端部に接続されており、この液体吐出ユニット300は記録装置1000のキャリッジと機械的に結合されて、液体吐出ヘッド3の位置決めを行う。負圧制御ユニット230を備える液体供給ユニット220と、電気配線基板90は、液体吐出ユニット支持部81に結合される。2つの液体供給ユニット220内にはそれぞれフィルタ(不図示)が内蔵されている。2つの負圧制御ユニット230は、それぞれ異なる、相対的に高低の負圧で圧力を制御するように設定されている。また、この図のように液体吐出ヘッド3の両端部にそれぞれ、高圧側と低圧側の負圧制御ユニット230を設置した場合、液体吐出ヘッド3の長手方向に延在する共通供給流路211と共通回収流路212におけるインクの流れが互いに対向する。このようにすると、共通供給流路211と共通回収流路212の間で熱交換が促進されて、2つの共通流路内における温度差が低減される。従って、共通流路に沿って複数設けられる各記録素子基板10における温度差が付きにくく、温度差による記録ムラが生じにくくなるという利点がある。
次に液体吐出ユニット300の流路部材210の詳細について説明する。図15に示すように流路部材210は、第1流路部材50、第2流路部材60を積層したものであり、液体供給ユニット220から供給されたインクを各吐出モジュール200へと分配する。また流路部材210は、吐出モジュール200から環流するインクを液体供給ユニット220へと戻すための流路部材として機能する。流路部材210の第2流路部材60は、内部に共通供給流路211及び共通回収流路212が形成された流路部材であるとともに、液体吐出ヘッド3の剛性を主に担うという機能を有する。このため、第2流路部材60の材質としては、インクに対する十分な耐食性と高い機械強度を有するものが好ましい。具体的にはSUSやTi、アルミナなどを好ましく用いることができる。
図16(a)は第1流路部材50の、吐出モジュール200がマウントされる側の面を示し、図16(b)はその裏面である、第2流路部材60と当接される側の面を示した図である。第1の適用例とは異なり、第2適用例における第1流路部材50は、各吐出モジュール200毎に対応した複数の部材を隣接して配列したものである。このように分割した構造を採ることで、複数のモジュールを配列させることで、液体吐出ヘッドの長さに対応することができるので、例えばB2サイズおよびそれ以上の長さに対応した比較的ロングスケールの液体吐出ヘッドに特に好適に適用できる。図16(a)に示すように、第1流路部材50の連通口51は吐出モジュール200と流体的に連通し、図16(b)に示すように、第1流路部材50の個別連通口53は第2流路部材60の連通口61と流体的に連通する。図16(c)は第2流路部材60の、第1流路部材50と当接される側の面を示し、図15(d)は第2流路部材60の厚み方向中央部の断面を示し、図16(e)は第2流路部材60の、液体供給ユニット220と当接する側の面を示す図である。第2流路部材60の流路や連通口の機能は、第1適用例の1色分の機能と同様である。第2流路部材60の共通流路溝71は、その一方が図17に示す共通供給流路211であり、他方が共通回収流路212であり、夫々、液体吐出ヘッド3の長手方向に沿って、一端側から他端側にインクが供給される。本適用例においては、第1の適用例と異なり、共通供給流路211と共通回収流路212のインクの流れ方向は互いに反対方向である。
図17は、記録素子基板10と流路部材210とのインクの接続関係を示した透視図である。図17に示したように、流路部材210内には、液体吐出ヘッド3の長手方向に延びる一組の共通供給流路211及び共通回収流路212が設けられている。第2流路部材60の連通口61は、各々の第1流路部材50の個別連通口53と位置を合わせて接続されており、第2流路部材60の連通口72から共通供給流路211を介して第1流路部材50の連通口51へと連通する液体供給経路が形成されている。同様に、第2流路部材60の連通口72から共通回収流路212を介して第1流路部材50の連通口51へと連通する液体供給経路も形成されている。
図18は、図17のF−F線における断面を示した図である。この図に示したように、共通供給流路は、連通口61、個別連通口53、連通口51を介して、吐出モジュール200へ接続されている。図18では不図示であるが、別の断面においては、個別回収流路が同様の経路で吐出モジュール200へ接続されていることは、図17を参照すれば明らかである。第1の適用例と同様に、各吐出モジュール200及び記録素子基板10には、各吐出口13に連通する流路が形成されており、供給したインクの一部または全部が、吐出動作を休止している吐出口13(圧力室23)を通過して、環流できるようになっている。また第1の適用例と同様に、共通供給流路211は負圧制御ユニット230(高圧側)と、共通回収流路212は負圧制御ユニット230(低圧側)と液体供給ユニット220を介して接続されている。このため、その差圧によって、共通供給流路211から記録素子基板10の吐出口13(圧力室23)を通過して共通回収流路212へと流れる流れが発生する。
(吐出モジュールの説明)
図19(a)に、1つの吐出モジュール200の斜視図を、図19(b)にその分解図を示す。第1適用例と異なり、記録素子基板10の複数の吐出口列方向に沿った両辺部(記録素子基板10の各長辺部)に複数の端子16がそれぞれ配置され、それに電気接続されるフレキシブル配線基板40も、1つの記録素子基板10に対して2枚配置されている。これは記録素子基板10に設けられる吐出口列数が20列あり、第1の適用例の8列よりも大幅に増加しているためである。即ち、端子16から、吐出口列に対応して設けられる記録素子15までの最大距離を短く抑制して、記録素子基板10内の配線部で生じる電圧低下や信号伝送遅れを低減することを目的としている。また支持部材30の液体連通口31は記録素子基板10に設けられ、全吐出口列を跨るように開口している。その他の点は、第1の適用例と同様である。
(記録素子基板の構造の説明)
図20(a)は記録素子基板10の吐出口13が配される側の面の模式図、図20(c)は図20(a)の面の裏面を示す模式図である。図20(b)は図20(c)において、記録素子基板10の裏面側に設けられている蓋部材20を除去した場合の記録素子基板10の面を示す模式図である。図20(b)に示すように、記録素子基板10の裏面には吐出口列方向に沿って、液体供給路18と液体回収路19とが交互に設けられている。吐出口列数は第1の適用例よりも大幅に増加しているものの、第1の適用例との本質的な差異は、前述のように端子16が記録素子基板の吐出口列方向に沿った両辺部に配置されていることである。各吐出口列毎に一組の液体供給路18と液体回収路19が設けられていること、蓋部材20に、支持部材30の液体連通口31と連通する開口21が設けられていることなど、基本的な構成は第1の適用例と同様である。
(第1の実施形態)
(テール長の短化と吐出口寸法の関係)
図21は液体吐出ヘッドの内部を示しており、図21(a)は記録素子と流路を示す平面図、図21(b)は図21(a)のA−A線に沿った断面図である。記録素子基板10の基板11と吐出口形成部材12の間には、それぞれが吐出口13を備えた複数の圧力室23と、それぞれの圧力室23と連通した入口流路24a及び出口流路24bと、が設けられている。圧力室23は壁部材26で仕切られている。基板11には入口流路24aと連通した液体供給路18と、出口流路24bと連通した液体回収路19と、が設けられている。入口流路24aは液体供給路18の供給口17aで液体供給路18から分岐し、圧力室23に連通し、インクを圧力室23に供給する。出口流路24bは圧力室23に関し入口流路24aの反対側で圧力室23に連通し、吐出口13から吐出しなかったインクを、液体回収路19の回収口17bを介して、液体回収路19に排出する。
複数の供給口17aは供給口列を形成し、複数の回収口17bは回収口列を形成している。供給口列と回収口列の間に複数の吐出口13が配列した吐出口列が形成されている。本実施形態では供給口列の両側に吐出口列と回収口列が設けられている。前述のように、液体供給路18と液体回収路19の間には圧力差が設けられている。この圧力差によって、供給口17aから入口流路24aを通って、圧力室23にインクが導入され、出口流路24bから回収口17bへインクが流れる循環流が発生する。すなわち、インクは液体供給路18、供給口17a、入口流路24aを通って圧力室23に導入され、吐出口13から吐出する。吐出しなかったインクは出口流路24b、回収口17b、液体回収路19を通って回収される。回収されたインクは図示しない循環流路を介して再び液体供給路18に供給される。
圧力室23の吐出口13と対向する底面には熱エネルギーを発生させる記録素子15が設けられている。吐出口部(ノズル)25が、圧力室23と対向する位置で吐出口形成部材12を貫通している。吐出口部25の外側端部、すなわち記録素子15と反対側の端部はインクが吐出する吐出口13を形成している。吐出口部25ないし吐出口13は記録素子15と対向する位置に設けられている。本明細書では、吐出口13は吐出口形成部材12の被記録媒体と対向する外面に位置する開口であり、吐出口部25は、吐出口13と圧力室23とを連通する部分であり、吐出口形成部材12を貫通する貫通孔を意味する。
図22は、吐出現象の過渡的な工程を示す模式図である。図22(a)は図21(a)のB部拡大図を示しており、図22(b)〜(g)は図22(a)のA−A線に沿った断面図である。なお、図22では図21(a)に示す吐出口13の突起部の図示を省略している。圧力室23には入口流路24aからインクが供給される(図22(b)参照)。記録素子15は電気エネルギーが印加されることによって、液体を吐出するために利用される熱エネルギーを発生する。記録素子15の近傍のインクはこの熱エネルギーにより加熱、蒸発し、気泡Bが形成される(図22(c)参照)。気泡Bの発生初期段階の圧力は非常に高く、気泡Bは、気泡Bと吐出口13の間にあるインクを吐出口13に向けて押し出す(図22(c)の矢印参照)。気泡Bは成長しながら吐出口部25の内部に進入する。気泡Bの成長に伴い気泡Bの内圧は、正圧から大気圧より低い負圧に急激に変化する(図22(d)参照)。負圧によって、液滴の後端部は記録素子15側に引き込まれ、テール長が伸びる(図22(e)参照)。気泡Bが吐出口部25の内部をさらに進行すると、気泡Bは吐出口部25の内部または外部で大気と連通する。この結果、気泡Bの負圧は急激に失われ、テール長の成長も止まる(図22(f)参照)。以上の工程を経て、発生した気泡Bと吐出口13との間にあるインクが気泡Bの圧力によって吐出口13から吐出する。吐出されたインクは主に主滴として吐出するが、主滴の後方でサテライトSやミストが発生する(図22(g)参照)。本実施形態において、気泡Bは、内圧が負圧状態で、かつ体積が増加時(膨張時)に大気と連通する。これにより液滴の吐出体積が安定し、また吐出速度も向上する。本実施形態のように吐出口に突起部27を設ける構成では、吐出口の面積が減少するので、一般的に吐出速度が落ちる傾向にある。しかしながら本実施形態のように、気泡Bの成長時に大気と連通させて液滴を吐出することで、吐出速度の低下を抑制しつつ、サテライトの発生の抑制が可能となる。
図23(a)は気泡内部の圧力プロファイルと気泡の内圧の関係を示す。横軸に時間、縦軸に気泡の内圧を示す。図23(a)には、同一の吐出口寸法で気泡内部の圧力プロファイルのみが異なるパターンAとパターンBを示している。図23(b)はパターンAのインクの吐出の様子を、図23(c)はパターンBのインクの吐出の様子を模式的に示している。パターンA、パターンBとも、気泡の内圧は急激に上昇した後に負圧となり、その後、気泡が大気と連通するのと共に大気圧まで上昇する。パターンBは、時刻Tで気泡が大気に連通するため、気泡の内圧が負圧に保たれる時間が長い。このため、図23(c)に示すように、液滴のテール長がパターンAに比べて長くなり、サテライトが発生しやすい。パターンAは、時刻Tより早い時刻Tで気泡が大気に連通するため、気泡の内圧が負圧に保たれる時間が短い。このため、相対的にテール長が短くなり、図23(b)に示すように、サテライトの発生が抑制される。これより、負圧の継続時間を短くし、気泡を早期に大気と連通させることがテール長の伸びを抑制する、つまりサテライトを抑制するために有効である。
図24は、記録素子15から吐出口13までの距離OH(図22(b))と、記録素子15が発熱を開始してから気泡が大気と連通するまでの時間(以下、大気連通時間Tthという)との関係を示している。距離OHは、H1とH2との和、つまり吐出口形成部材12の厚さないし吐出口部25の高さH1と、圧力室23の記録素子15が設けられた底面と垂直な方向における入口流路24aの高さ(圧力室の高さ)H2との和に等しい(図22(b))。吐出口13の形状として、円形形状(パターン1:図24(a))と、吐出口13の中心に向かって突き出す2つの突起部27を備えた形状(パターン2、3:図24(b),(c))を対象としている。パターン2とパターン3において、2つの突起部27は吐出口13の中心Cを通る直線L上に位置し、中心Cに関して両側に同一の形状で設けられている。また、パターン3はパターン2と比べて突起部27の長さが長く、突起部27同士の間隔28が小さい。
いずれのパターンにおいてもOHと吐出口13の有効径は同一であり、OHは12μm以下、吐出口13の有効径は11μm以上(開口面積≧100μm)としている。有孔径は吐出口13の実際の面積と等しい面積を有する円の直径として定義される。なお、吐出口13の開口面積は100μm以上であることが望ましい。吐出口13が円形形状の場合(パターン1)、テール長の短化のためにTthを減少させるためには、OHの低下が必要であることがわかる。OHの低下のためには吐出口形成部材12の薄化(H1の減少)または入口流路24aの高さ(圧力室の高さ)の低減(H2の減少)が必要である。前者は吐出口形成部材12に割れ等が発生しやすくなり、信頼性が低下する可能性が高まる。後者は流抵抗の増加に伴うスループット低下が懸念される。
一方、吐出口13に突起部27が設けられている場合(パターン2,3)では、パターン1と比べてTthが低下している。特に突起部27の間隔が狭い場合(パターン3)、Tthの低下は顕著である。従って、テール長の短化につながり、サテライトの発生が抑制される。尚、詳細は後述するが、本実施形態では2本の突起部27の構成について説明したが、これに限らず、例えば1本の突起や3本以上の突起の場合についても本発明を適用可能である。2本の突起の場合と同様に突起部27の間隔が狭い方が(1本の場合は、突起部先端と、吐出口の当該先端部と対向する縁との間隔)テール長の短化につながり好ましい。
図25は、吐出口形成部材12の厚さH1と、入口流路24aの高さ(圧力室の高さ)H2と、大気連通時間Tthの関係を示しており、横軸に入口流路24aの高さH2、縦軸に吐出口形成部材12の厚さH1を示している。等高線はTthを示す。図中の水準A、B、Cの各寸法は以下の通りである。
水準A)OH=12μm、H1=7μm、H2=5μm、Tth≒1.4μs
水準B)OH=12μm、H1=6μm、H2=6μm、Tth≒1.5μs
水準C)OH=12μm、H1=5μm、H2=7μm、Tth≒1.6μs
従って、図25はOHを12μmに固定し、入口流路24aの高さH2(または吐出口形成部材12の厚さH1)を変化させたときの大気連通時間Tthの変化を示している。水準A、B、Cの順にTthが増加している。従って、OHが一定の場合、入口流路24aの高さH2が低い方がより大気連通の時間Tthを小さくすることができる。入口流路24aの高さH2は7μm以下であることが好ましく、OHの半分以下であることが望ましい。吐出口13と記録素子15との間の距離OHは12μm以下であることが望ましい。
(大気連通時間Tthの低減メカニズム)
次に、大気連通時間Tthを低減するためのメカニズムについて説明する。
図26、27は、距離OHと気泡の大気連通位置との関係を示している。図26(a)はdzとz方向の定義を示している。dzは吐出口13を原点としたときに気泡が大気連通するz方向の位置を示し、記録素子15から離れる方向を正としている。従って、dzが正の場合、大気連通位置は吐出口部25の外部ないし吐出口13の外側にあり、dzが負の場合、大気連通位置は吐出口部25の内部ないし吐出口13の内側にある。
図26(b)では、横軸にOH、縦軸にdzを示している。吐出口13の形状が円形(パターン1)の場合、OHの低下に伴いdzが0に漸近する。つまり、OHが低下すると、吐出口13に近い位置で大気連通が発生する。その結果、図23で示すようにTthが低下する。吐出口13が突起部27を有している場合(パターン2,3)、OH≦12μmでdz>0であり、吐出口13の外側で大気連通が生じている。突起間隔が狭いパターン3の方がdzは大きく、その結果、Tthも同様に低下する。
図27(a)はdxとx方向の定義を示している。dxは吐出口13の縁部を原点としたときに気泡が大気連通するx方向の位置を示し、吐出口13の中心から離れる方向を正としている。図27(b)では、横軸にOH、縦軸にdxを示している。吐出口13の形状が円形(パターン1)の場合、OHが低下してもdxは殆ど変化しない。吐出口13が突起部27を有している場合(パターン2,3)、dxは0に近づき、OHの低下につれdxが増加する。突起間隔が狭いパターン3の方がdxは大きい。
図28は、吐出口13から吐出する液滴を示すシミュレーションによる図で、図28(a)は吐出口13形状が円形(パターン1)の場合の吐出液滴の斜視図、図28(b),(c)は気泡と大気の速度分布の過渡的な時間変化を示した図である。図28(d)は吐出口13が突起部27を有している場合の吐出液滴の斜視図、図28(e),(f)は気泡と大気の速度分布の過渡的な時間変化を示した図である。図28(e),(f)は図28(d)の吐出口に設けられた2つの突起および吐出口の中心を通り、突起に沿った方向の直線に関する断面図である。x、zは図27に定義されている。図28(b),(c)より、吐出口13の形状が円形(パターン1)の場合の吐出口部25の内部における過渡的な現象は以下の通りである。
ステップ1)発生した気泡Bは吐出口部25に進入し、吐出口部25の内部で成長する。それに伴い、気泡Bは吐出口形成部材12の壁面(吐出口部25の側面)の影響により、吐出口13中心(x=0)に向かう速度成分を持つ(図28(b)の矢印A参照)
ステップ2)気泡Bの成長に伴い、吐出口13の外部の大気Gは吐出インクにより、吐出口13中心から離れる方向に一時的に押し出される(図28(b)の矢印B参照)
ステップ3)気泡内部の負圧により、大気は吐出口13内部に引き込まれる(図28(c)の矢印D参照)
ステップ4)気泡内部の負圧により、気泡自体も吐出口部25の中心に向けて引き込まれ、インクの界面の力によりさらに吐出口部25の中心に向けて引き込まれる(図28(c)の矢印C参照)
その結果、大気Gと気泡Bは吐出口部25の内部で連通する傾向となる。吐出口部25の外部で気泡が大気と連通しにくく、Tthが遅くなる傾向になる。
一方、吐出口13が突起部27を有している場合、気泡Bはインクの界面の力により吐出口13の外側に広がる(図28(f)の矢印C参照)。吐出口部25に進入した気泡Bの少なくとも一部が、吐出口部25の中心から側壁に向かう速度成分を有する。特に、突起部27を備えることで曲率が一定でない吐出口形状の場合、気液界面が安定な形状である球形を形成するように表面張力が働く。そして、大気Gは吐出口部25の内部に引き込まれる一方、気泡Bは吐出口部25の中心から離れる方向に拡がる。その結果、大気Gと気泡Bが互いに逆向きの速度成分を有し、互いに衝突する方向に運動するため、気泡Bの大気連通が生じやすい。図28(f)からも、大気連通位置が吐出口部25ないし吐出口13の外部となっていることが分かる。
以上より、OHを小さくし(吐出口と記録素子との間の距離が12μm以下)、かつ吐出口13に突起部27を設けることで以下の特徴が得られる。
特徴1)大気連通時間Tthの早期化
特徴2)吐出口部25の外側で気泡が大気と連通
特徴3)大気と連通する前の気泡は外側に拡がる
その結果、テール長が短化し、サテライトやミストが抑制され、高画質と高スループットの両立を図ることができる。
図29,30は、様々な吐出口形状に対するTthとdzを示した図である。
吐出口形状1〜6は以下の特徴を有する。
吐出口形状1:円形の吐出口
吐出口形状2:対称な2つの突起部27を有し、突起間隔の広い吐出口
吐出口形状3:対称な2つの突起部27を有し、突起間隔の狭い吐出口
吐出口形状4:対称な4つの突起部27を有し、突起間隔の広い吐出口
吐出口形状5:1つの突起部27を有し、突起と反対側の縁部との距離が広い吐出口
吐出口形状6:1つの突起部27を有し、突起と反対側の縁部との距離が狭い吐出口
吐出口形状2〜6はいずれも少なくとも1つの突起部27を有し、その突起部27が吐出口13の中心を通る直線上に位置している。吐出口形状2〜6のいずれも、吐出口形状1に比べてTthが小さい。さらに、吐出口形状2〜6のいずれもdzが正であり、吐出口部25の外側で大気連通が生じている。従って、吐出口形状2〜6はテール長を短くし、サテライトやミストを抑制することができるため、好ましい実施形態である。ただし、吐出口形状4は突起部27の数が多くなると、吐出口部25の流抵抗が増加し、吐出効率が悪化する。このため、突起部27は多過ぎない方が好ましい。一方、吐出口形状5、6は突起部27が1つであり、吐出口部25の流抵抗の観点からは好ましいが、吐出口形状が非対称となり、インクの液滴が傾いて飛翔しやすくなる。この観点からは吐出口13は対称な形状であることがより好ましい。従って、特に好ましい実施形態は、吐出口13の中心に関して対称の両側の位置に設けられた2つの突起部27を有する吐出口形状2、3である。Tthを早期化する観点では、突起部27が2つ、かつ対称な吐出口形状で、突起間隔の狭い吐出口形状3がさらに好ましい。
以上説明した実施形態では液流路が記録素子15の両側に設けられているが、図31(a)(b)で示すように液流路が記録素子15の片側だけに設けられている構成でも同様の効果が得られる。
(第2の実施形態)
(流路と循環方向の関係)
図32は本発明の第2の実施形態を示す図であり、図32(a)は記録素子15と流路を示す平面図、図32(b)は図32(a)のA−A線に沿った断面図である。循環流が吐出口13の突起部27と平行な方向に流れている。図21に示す第1の実施形態と比べて、回収路列が供給路列の片側だけに設けられている点が異なり、その他は同じであるため、詳細については第1の実施形態を参照されたい。
図33に示す形態は、吐出口13の突起部27が循環流と直交する方向に延びている点で図32に示す形態と異なる。図34(a),(b)はそれぞれ図32と図33における一つの圧力室23の近傍を切り出した図である。図34(a)では循環流と吐出口13の突起の延びる向きが互いに沿っており(実質的に平行)、図34(b)では循環流と吐出口13の突起の延びる向きが交差(実質的に直交)している。図34(c),(d)はそれぞれ図34(a),(b)において連続吐出時、いわゆる休止時間の影響が少ない場合の滴形成の数値計算結果である。図34(e),(f)はそれぞれ図34(a),(b)において、所定の休止時間後の滴形成の数値計算結果であり、吐出口13からのインクの蒸発によるインクの増粘の影響が大きくなっている。
図34(e),(f)より、循環流が吐出口13の突起部27と平行に流れる構成(図34(a))よりも垂直に流れる方式(図34(b))の方がインク増粘の影響を受けにくい。これは、インクの蒸発速度が突起部27の根元の曲率半径が小さい部分で大きいため(図34(g),(h)の丸で囲んだ部分)、その領域に循環流が流れる方が濃縮の影響を受けにくいためと考えられる。
従って、図34(e),(f)のいずれの形態も本発明を適用できるが、循環流がある構成において、より吐出口内部の濃縮を抑制するためには、循環流は吐出口13の突起と交差する方向(より好ましくは垂直)に流れる構成がより好ましい。言い換えれば、突起部が位置する直線は供給流路と回収流路を結ぶ流路軸に対し45度以上の角度をなすことが望ましく、直線と流路軸は互いに垂直であることが吐出口内部の濃縮を抑制できる点で特に望ましい。
また突起部27の形状ばらつきや変形により吐出される液滴の飛翔方向がよれる場合がある。この点を考慮すると、液体吐出ヘッド3に対して被記録媒体の相対移動方向と突起部27の延在方向とが沿う(より好ましくは平行)ことが好ましい。このような構成にすることで、突起部27の変形等で液滴の飛翔方向がよれたとしても、記録される画像への影響が軽減されるためである。
13 吐出口
15 記録素子
25 吐出口部
B 気泡
G 大気

Claims (12)

  1. 液体を吐出するために利用される熱エネルギーを発生させる記録素子と、前記記録素子を内部に備える圧力室と、液体を吐出する吐出口と、前記吐出口と前記圧力室とを連通する吐出口部と、前記圧力室に連通し、液体を前記圧力室に供給する液体供給路と、前記圧力室に関し前記液体供給路の反対側で前記圧力室に連通し、前記液体を回収する液体回収路と、を有し、
    前記熱エネルギーによって前記圧力室内に気泡が発生し、発生した前記気泡が前記吐出口部の内部に進入し、前記気泡の圧力により液体が前記吐出口から吐出する液体吐出ヘッドであって、
    前記吐出口は、当該吐出口の中心に向かって突き出す2つの突起部を有し、前記2つの突起部は前記中心を通る直線上に位置し、前記中心に関して両側に設けられ、前記直線は前記液体供給路と前記液体回収路を結ぶ流路軸に対し45度以上の角度をなし、
    前記吐出口部の内部に進入した気泡が前記吐出口の外側で大気と連通する、液体吐出ヘッド。
  2. 液体を吐出するために利用される熱エネルギーを発生させる記録素子と、前記記録素子を内部に備える圧力室と、液体を吐出する吐出口と、前記吐出口と前記圧力室とを連通する吐出口部と、前記圧力室に連通し、液体を前記圧力室に供給する液体供給路と、前記圧力室に関し前記液体供給路の反対側で前記圧力室に連通し、前記液体を回収する液体回収路と、を有し、
    前記熱エネルギーによって前記圧力室内に気泡が発生し、前記気泡が前記吐出口部の内部に進入し、前記気泡の圧力により液体が前記吐出口から吐出する液体吐出ヘッドであって、
    前記吐出口は、当該吐出口の中心に向かって突き出す2つの突起部を有し、前記2つの突起部は前記中心を通る直線上に位置し、前記中心に関して両側に設けられ、前記直線は前記液体供給路と前記液体回収路を結ぶ流路軸に対し45度以上の角度をなし、
    前記吐出口部の内部に進入した前記気泡の少なくとも一部が、前記吐出口部の中心から側壁に向かう速度成分を有する、液体吐出ヘッド。
  3. 前記吐出口と前記記録素子との間の距離が12μm以下である、請求項1または2に記載の液体吐出ヘッド。
  4. 記圧力室の底面と垂直な方向における前記液体供給路の高さは7μm以下である、請求項1から3のいずれか1項に記載の液体吐出ヘッド。
  5. 前記吐出口の開口面積は100μm2以上である、請求項1から4のいずれか1項に記載の液体吐出ヘッド。
  6. 記圧力室の底面と垂直な方向における前記液体供給路の高さは、前記吐出口と前記記録素子との間の距離の半分以下である、請求項1から5のいずれか1項に記載の液体吐出ヘッド。
  7. 前記直線と前記流路軸は互いに交差する、請求項1から6のいずれか1項に記載の液体吐出ヘッド。
  8. 前記吐出口部の内部に進入した気泡が前記吐出口の外側で大気と連通する、請求項2に記載の液体吐出ヘッド。
  9. 前記圧力室内の液体は当該圧力室の外部との間で循環される、請求項1からのいずれか1項に記載の液体吐出ヘッド。
  10. 液体を吐出するために利用される熱エネルギーを発生させる記録素子と、前記記録素子を内部に備える圧力室と、前記圧力室に連通し、液体を前記圧力室に供給する液体供給路と、前記圧力室に関し前記液体供給路の反対側で前記圧力室に連通し、前記液体を回収する液体回収路と、を有する液体吐出ヘッドを用いた液体吐出方法であって、
    前記記録素子によって液体に気泡を発生させることと、
    発生した前記気泡の圧力により、液体を前記記録素子と対向する位置に設けられた吐出口から吐出させることと、
    前記気泡を前記吐出口の外側で大気と連通させることと、を有し、
    前記吐出口は、当該吐出口の中心に向かって突き出す2つの突起部を有し、前記2つの突起部は前記中心を通る直線上に位置し、前記中心に関して両側に設けられ、前記直線は前記液体供給路と前記液体回収路を結ぶ流路軸に対し45度以上の角度をなす、液体吐出方法。
  11. 液体を吐出するために利用される熱エネルギーを発生させる記録素子と、前記記録素子を内部に備える圧力室と、液体を吐出する吐出口と、前記吐出口と前記圧力室とを連通する吐出口部と、前記圧力室に連通し、液体を前記圧力室に供給する液体供給路と、前記圧力室に関し前記液体供給路の反対側で前記圧力室に連通し、前記液体を回収する液体回収路と、を有する液体吐出ヘッドであって、前記吐出口は、当該吐出口の中心に向かって突き出す2つの突起部を有し、前記2つの突起部は前記中心を通る直線上に位置し、前記中心に関して両側に設けられ、前記直線は前記液体供給路と前記液体回収路を結ぶ流路軸に対し45度以上の角度をなす液体吐出ヘッドを用いた液体吐出方法であって、
    前記記録素子によって液体に気泡を発生させることと、
    発生した前記気泡を前記吐出口部の内部に進入させることと、
    発生した前記気泡の圧力により、液体を前記吐出口から吐出させることと、を有し、
    前記吐出口部の内部に進入した前記気泡の少なくとも一部が、前記吐出口部の中心から側壁に向かう速度成分を有する、液体吐出方法。
  12. 液体を吐出するために利用される熱エネルギーを発生させる記録素子と、前記記録素子を内部に備える圧力室と、液体を吐出する吐出口と、前記吐出口と前記圧力室とを連通する吐出口部と、前記圧力室に連通し、液体を前記圧力室に供給する液体供給路と、前記圧力室に関し前記液体供給路の反対側で前記圧力室に連通し、前記液体を回収する液体回収路と、を有する液体吐出ヘッドであって、前記吐出口は、当該吐出口の中心に向かって突き出す2つの突起部を有し、前記2つの突起部は前記中心を通る直線上に位置し、前記中心に関して両側に設けられ、前記直線は前記液体供給路と前記液体回収路を結ぶ流路軸に対し45度以上の角度をなす液体吐出ヘッドを用いた液体吐出方法であって、
    前記記録素子によって液体に気泡を発生させることと、
    発生した前記気泡を前記吐出口部の内部に進入させることと、
    発生した前記気泡の圧力により、前記吐出口部にある液体を前記吐出口から吐出させることと、を有し、
    前記吐出口部の内部に進入した気泡が前記吐出口の外側で大気と連通する、液体吐出方法。
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