JP6876643B2 - 超音波流量測定装置及び超音波流量測定方法 - Google Patents

超音波流量測定装置及び超音波流量測定方法 Download PDF

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Description

本発明は、超音波流量測定装置及び超音波流量測定方法に関する。
従来一般の超音波流量計は、配管内の流体の流れ方向に超音波パルスを入射させて、当該超音波パルスが音速と流速を加算した速度にて配管内を飛翔することを利用して平均流速を求め、当該平均流速に配管の断面積を乗じて平均流量としている。しかし、上記の超音波流量計は、あくまで流れ方向の平均流速及び平均流量を得るだけであり、流れの状態(流れ方向と直交する方向の流速分布)については考慮されていない。このため、配管内の流速分布は、理想的な流れ場を仮定しており(前提としており)、その仮定に即した測定環境を用意しなければならず、種々の設定条件(制約)が課せられることになる。また、流速分布のズレを補正するための所謂プロファイルファクタの利用が必要であり、その較正等の観点から精度の保証が困難になっている。さらに、小口径管では測定が非常に困難であり、流れ場の軸対称性を前提としているので、曲がり管の後流などでは測定値の安定性や信頼性が保証されない。
一方、特許文献1には、流体配管内を流れる気体流体の流速分布を超音波パルスを用いて計測する流速分布測定装置が開示されている。この流速分布測定装置では、流体配管の管壁に設置された発信用トランスデューサから当該流体配管を流れる被測定流体へ超音波パルスを出射し、流体配管において対向する管壁に二次元状に設置された複数の受信用トランスデューサにて超音波パルスを検出する。管軸方向に配列された複数の受信用トランスデューサの検出信号から超音波パルスの管軸方向の変位量を検出する。より具体的に、開き角の僅かに異なる2本の測定線を設定して、各測定線について夫々検出される変位量と飛行時間の差分から所定位置の流速を求める。
国際公開第2008/004560号パンフレット
しかしながら、特許文献1は、複数の受信用トランスデューサが超音波パルスを検出した後、当該超音波パルスの管軸方向の変位量に基づいて、流れ方向と直交する方向の流速分布(流体配管の軸直交断面の流速分布)を算出し、当該流速分布に基づいて流体配管内を流れる気体流体の流量を算出するものである。従って、演算の複雑化と大容量化を招くとともに、超音波パルスの変位量から流速分布を算出する過程および流速分布から気体流体の流量を算出する過程において演算誤差や外乱要因が加わると気体流体の流量が正確に測定できないおそれがある。
本発明は、以上の問題意識に基づいてなされたものであり、測定対象流体の流量を簡単な構成で正確に測定することができる超音波流量測定装置及び超音波流量測定方法を得ることを目的とする。
本実施形態の超音波流量測定装置は、測定対象流体が流れる配管に設置されるとともに超音波パルスを出射する送信子と、前記配管に前記送信子と対向して設置されるとともに前記超音波パルスが入射する(2n+1)個(nは2以上の自然数)の受信子と、前記配管における前記測定対象流体の流速がゼロの状態で前記送信子が出射して前記(2n+1)個の受信子に入射した前記超音波パルスに基づく基準音圧分布波形を保持する基準音圧分布波形保持部と、前記配管における前記測定対象流体の流速がゼロ以外の状態で前記送信子が出射して前記(2n+1)個の受信子に入射した前記超音波パルスに基づく変動音圧分布波形を取得する変動音圧分布波形取得部と、前記基準音圧分布波形と前記変動音圧分布波形の差分であるシフト量を求めて、当該シフト量を積分することで、前記配管における前記測定対象流体の流量を演算する流量演算部と、を有し、前記基準音圧分布波形保持部は、前記(2n+1)個の受信子から3個の受信子を選択するための全ての組み合わせ毎に、前記配管における前記測定対象流体の流速がゼロの状態で前記送信子が出射して前記3個の受信子に入射した前記超音波パルスに基づいて前記基準音圧分布波形を取得し、当該全ての組み合わせ毎の前記基準音圧分布波形を平均化する、ことを特徴としている。
記変動音圧分布波形取得部は、前記(2n+1)個の受信子から3個の受信子を選択するための全ての組み合わせ毎に、前記配管における前記測定対象流体の流速がゼロ以外の状態で前記送信子が出射して前記3個の受信子に入射した前記超音波パルスに基づいて前記変動音圧分布波形を取得し、当該全ての組み合わせ毎の前記変動音圧分布波形を平均化することができる。
前記送信子と前記受信子は、前記配管の内面に設置することができる。
本実施形態の超音波流量測定方法は、測定対象流体が流れる配管に設置されるとともに超音波パルスを出射する送信子と、前記配管に前記送信子と対向して設置されるとともに前記超音波パルスが入射する(2n+1)個(nは2以上の自然数)の受信子と、を有する超音波流量測定装置による超音波流量測定方法であって、前記配管における前記測定対象流体の流速がゼロの状態で前記送信子が出射して前記(2n+1)個の受信子に入射した前記超音波パルスに基づく基準音圧分布波形を保持する基準音圧分布波形保持ステップと、前記配管における前記測定対象流体の流速がゼロ以外の状態で前記送信子が出射して前記(2n+1)個の受信子に入射した前記超音波パルスに基づく変動音圧分布波形を取得する変動音圧分布波形取得ステップと、前記基準音圧分布波形と前記変動音圧分布波形の差分であるシフト量を求めて、当該シフト量を積分することで、前記配管における前記測定対象流体の流量を演算する流量演算ステップと、を有し、前記基準音圧分布波形保持ステップでは、前記(2n+1)個の受信子から3個の受信子を選択するための全ての組み合わせ毎に、前記配管における前記測定対象流体の流速がゼロの状態で前記送信子が出射して前記3個の受信子に入射した前記超音波パルスに基づいて前記基準音圧分布波形を取得し、当該全ての組み合わせ毎の前記基準音圧分布波形を平均化する、ことを特徴としている。
本発明によれば、測定対象流体の流量を簡単な構成で正確に測定することができる超音波流量測定装置及び超音波流量測定方法が得られる。
本実施形態の超音波流量測定装置の送信側トランスデューサと受信側トランスデューサを配管に設置した状態を示す図である。 図1において送信側トランスデューサが超音波パルスを出射して受信側トランスデューサに超音波パルスが入射する様子を示す図である。 超音波流量測定装置の内部構成を示す機能ブロック図である。 基準音圧分布波形と変動音圧分布波形の測定手法の一例を示す図である。 3個の音圧測定値を二次関数に近似(フィッティング)することで音圧分布を推定する方法を示す図である。 流量演算部が基準音圧分布波形と変動音圧分布波形の差分であるシフト量を積分することにより配管における測定対象流体の流量を演算する様子を示す図である。 配管の管軸直交断面におけるxy平面上のシフト量の分布を示す図である。 送信側トランスデューサと受信側トランスデューサが配管の内面に敷き詰められるようにして配置された構成を示す図である。 同一の管軸方向位置に周方向位置を異ならせて設けた3セットの送信側トランスデューサと受信側トランスデューサにて得られたシフト量の一例を示す図である。
図1〜図9を参照して、本実施形態の超音波流量測定装置1について説明する。超音波流量測定装置1は、例えば、車両のマフラに搭載されて当該マフラ内の排気ガスの流量を測定するために用いられる。また、超音波流量測定装置1は、工場のパイプラインに搭載されて当該パイプライン内のガスの流量を測定するために用いられてもよいし、LNG(Liquefied Natural Gas)タンカーから基地などに液化天然ガスを流す際に当該液化天然ガスの流量を測定するために用いられてもよい。さらに、超音波流量測定装置1は、船舶用エンジンに搭載されて当該船舶用エンジン内の排気の流量を測定するために用いられてもよい。また、超音波流量測定装置1は、ガス等の気体だけでなく、液体の流量測定に適用することもできる。すなわち、超音波流量測定装置1の測定対象が限定されることはなく(自由度があり)、種々の設計変更が可能である。
図1、図2に示すように、超音波流量測定装置1は、測定対象流体G(例えば排気ガス)が流れる配管5(例えば車両のマフラ)の内面に設置される送信側トランスデューサ(送信子)10を有している。送信側トランスデューサ10は、配管5の管軸方向と直交する方向(図中の右方)に向けて、当該管軸直交方向を中心としてある程度の広がり角を持つ超音波パルスを出射する。
図1、図2に示すように、超音波流量測定装置1は、配管5の内面に送信側トランスデューサ10と対向して設置される受信側トランスデューサ(受信子)20を有している。受信側トランスデューサ20は、送信側トランスデューサ10と管軸直交方向(図中の左右方向)に対向する第1の受信側トランスデューサ21、第1の受信側トランスデューサ21より上流側に位置する第2の受信側トランスデューサ22及び第3の受信側トランスデューサ23、並びに、第1の受信側トランスデューサ21より下流側に位置する第4の受信側トランスデューサ24及び第5の受信側トランスデューサ25を有している。第1の受信側トランスデューサ21〜第5の受信側トランスデューサ25には、送信側トランスデューサ10が出射した超音波パルスが入射する。
送信側トランスデューサ10及び第1の受信側トランスデューサ21〜第5の受信側トランスデューサ25は、互換性を持つ同一規格のトランスデューサで構成することができる。当該トランスデューサは、超音波パルスの出射機能と入射機能を併せ持つ。
ここでは、受信側トランスデューサ20として、第1の受信側トランスデューサ21〜第5の受信側トランスデューサ25の5個を設置した場合を例示して説明したが、受信側トランスデューサ20の数はこれに限定されることはなく、種々の設計変更が可能である。すなわち、受信側トランスデューサ20は、少なくとも3個が設置されていればよく、好ましくは(2n+1)個(nは2以上の自然数)が設置されていればよい。また、第1の受信側トランスデューサ21の上流側と下流側に配置する受信側トランスデューサの数を異ならせてもよい(例えば前者を後者より少なくしてもよい)。
図3に示すように、超音波流量測定装置1は、信号発振器30と、検出回路40と、データ取得回路50と、基準音圧分布波形保持部60と、変動音圧分布波形取得部70と、流量演算部80とを有している。
信号発振器30は、送信側トランスデューサ10に供給する発振信号を出力する。信号発振器30における発振信号の基本周波数は、配管5の材料、測定対象流体Gの特性、超音波パルスの広がり等を考慮して決定される。発振信号の信号波形は、鋭角な三角形のパルス信号とすることができ、当該パルス信号の繰り返し周期は、気体音速、配管直径、平均流速等から決定することができる。発振信号(パルス信号)を出力するためのタイミング信号は、同期信号として、受信側トランスデューサ20に送られる。
検出回路40は、第1の受信側トランスデューサ21〜第5の受信側トランスデューサ25の各出力端に接続されている。図示は省略しているが、検出回路40は、第1の受信側トランスデューサ21〜第5の受信側トランスデューサ25から出力される入射超音波強度に応じた大きさの検出信号を増幅する信号増幅器と、信号増幅器の出力のピーク値を読み取るピーク検出回路とを有している。検出回路40は、高速サンプリングレートで流量を求めるために、第1の受信側トランスデューサ21〜第5の受信側トランスデューサ25の出力を同時に検出する。検出回路40は、信号発振器30から供給されるタイミング信号に従ってパルス受信タイミングを設定する。
データ取得回路50は、例えば、検出回路40が読み取った第1の受信側トランスデューサ21〜第5の受信側トランスデューサ25の出力(ピーク値)を全て収集するデジタル式マルチプレクサによって構成されている。
基準音圧分布波形保持部60は、配管5における測定対象流体Gの流速がゼロの状態で送信側トランスデューサ10が出射して第1の受信側トランスデューサ21〜第5の受信側トランスデューサ25に入射した超音波パルスに基づく基準音圧分布波形を保持する。基準音圧分布波形は、超音波流量測定装置1の製造時にデフォルト設定したものを予め基準音圧分布波形保持部60に保持させてもよいし、超音波流量測定装置1のメンテナンス時に測定して基準音圧分布波形保持部60に保持させてもよい。あるいは、配管5や測定対象流体Gが変わる度に基準音圧分布波形を測定して、基準音圧分布波形保持部60が保持する基準音圧分布波形を更新してもよい。
基準音圧分布波形保持部60が保持する基準音圧分布波形を測定(更新)する場合、第1の受信側トランスデューサ21〜第5の受信側トランスデューサ25から3個の受信側トランスデューサを選択するための全ての組み合わせ毎に、配管5における測定対象流体Gの流速がゼロ以外の状態で送信側トランスデューサ10が出射して上記3個の受信側トランスデューサに入射した超音波パルスに基づいて基準音圧分布波形を取得し、当該全ての組み合わせ毎の基準音圧分布波形を平均化してもよい。3個の受信側トランスデューサの組み合わせは、以下の10通りがある。
(1)第1の受信側トランスデューサ21、第2の受信側トランスデューサ22、第3の受信側トランスデューサ23
(2)第1の受信側トランスデューサ21、第2の受信側トランスデューサ22、第4の受信側トランスデューサ24
(3)第1の受信側トランスデューサ21、第2の受信側トランスデューサ22、第5の受信側トランスデューサ25
(4)第1の受信側トランスデューサ21、第3の受信側トランスデューサ23、第4の受信側トランスデューサ24
(5)第1の受信側トランスデューサ21、第3の受信側トランスデューサ23、第5の受信側トランスデューサ25
(6)第1の受信側トランスデューサ21、第4の受信側トランスデューサ24、第5の受信側トランスデューサ25
(7)第2の受信側トランスデューサ22、第3の受信側トランスデューサ23、第4の受信側トランスデューサ24
(8)第2の受信側トランスデューサ22、第3の受信側トランスデューサ23、第5の受信側トランスデューサ25
(9)第2の受信側トランスデューサ22、第4の受信側トランスデューサ24、第5の受信側トランスデューサ25
(10)第3の受信側トランスデューサ23、第4の受信側トランスデューサ24、第5の受信側トランスデューサ25
3個の受信側トランスデューサの選択の組み合わせによっては、一部又は全部の受信側トランスデューサの出力が得られないことがあり得る。その場合、当該組み合わせの基準音圧分布波形が無かったものとして、他の組み合わせの基準音圧分布波形の平均をとってもよい。
変動音圧分布波形取得部70は、配管5における測定対象流体Gの流速がゼロ以外の状態で送信側トランスデューサ10が出射して第1の受信側トランスデューサ21〜第5の受信側トランスデューサ25に入射した超音波パルスに基づく変動音圧分布波形を取得する。変動音圧分布波形取得部70は、配管5における測定対象流体Gの流れを常時モニタリングしており、時々刻々と移り変わる変動音圧分布波形を取得し続ける。
変動音圧分布波形取得部70は、第1の受信側トランスデューサ21〜第5の受信側トランスデューサ25から3個の受信側トランスデューサを選択するための全ての組み合わせ毎に、配管5における測定対象流体Gの流速がゼロ以外の状態で送信側トランスデューサ10が出射して上記3個の受信側トランスデューサに入射した超音波パルスに基づいて変動音圧分布波形を取得し、当該全ての組み合わせ毎の変動音圧分布波形を平均化してもよい。3個の受信側トランスデューサの組み合わせは、上述した通りである。
3個の受信側トランスデューサの選択の組み合わせによっては、一部又は全部の受信側トランスデューサの出力が得られないことがあり得る。その場合、当該組み合わせの変動音圧分布波形が無かったものとして、他の組み合わせの変動音圧分布波形の平均をとってもよい。
図4は、基準音圧分布波形と変動音圧分布波形の測定手法の一例を示している。図4には、送信側トランスデューサ10が出射した超音波バースト波(Transmitted signal)と、第1の受信側トランスデューサ21〜第5の受信側トランスデューサ25から選択した3個の受信側トランスデューサが取得した受信波形(Received signal, ch1〜ch3)とが描かれている。すなわち、超音波バースト波は、送信側トランスデューサ10に印加した電圧波形を示し、3個の受信波形は、時間遅れで送信側トランスデューサ10の反対側に到達した3個の受信側トランスデューサによる電圧波形を示している。図4において、V1〜V3は、3個の受信波形(ch1〜ch3)の振幅を示している(この例ではV2>V1>V3となっている)。
基準音圧分布波形と変動音圧分布波形の測定に際しては、例えば、数十Hz〜1kHz程度の周波数で、図4に示すような受信波形を繰り返し取得する。超音波バースト波の送信から一定時間の遅れで受信波の電圧波形が観察される。この時間差は、簡単には管内径/音速に相当するが、斜めに進行する波に対しては距離が若干長くなるので、その分の時間差が付加される。信号処理では、例えば、上記時間差または当該時間差に受信センサ波形の立ち上がり時間(センサの一次遅れ)を加えた時刻での音圧をヒルベルト変換による包絡線検出により3つ決定する態様、さらには上記包絡線の最大値を利用する態様などにより、瞬間のシフト量を決定する。以上の操作を繰り返してシフト量の時間平均(平滑化)をとることにより、基準音圧分布波形と変動音圧分布波形が測定される。
また、基準音圧分布波形保持部60が保持する基準音圧分布波形および変動音圧分布波形取得部70が取得する変動音圧分布波形は、例えば、次のようにして測定することができる。すなわち、音圧分布はガウス分布で表されるが、そのピーク近傍では二次関数に近似することが可能であるから、少なくとも3個の音圧測定値から、そのピーク中心位置を含む音圧分布波形を推定することができる。図5は、3個の音圧測定値を二次関数に近似(フィッティング)することで音圧分布波形を推定する方法を示している。
ガウス分布は、中心値近傍で多項式展開すると、以下のように表される。
Figure 0006876643
このため、中心値近傍ではガウス分布を放物線(二次関数)で近似することができる。二次関数は未知係数が3個(a+ax+a)であるから、3個の音圧測定値を二次関数に近似(フィッティング)することで音圧分布波形を推定することができる。
一方、流速分布の非対称性や飛翔位置が流動方向に角度をもって広がっている場合、純粋な放物線のような対称形から外れてしまうので、本実施形態では、上記対称形から外れた部分を補正するために、より高次の多項式関数を採用している。
より多くの音圧測定値があればより高次の近似解を使用できるので、検出精度の向上が期待できる。例えば、本実施形態のように、(2n+1)個のn=2として、5個の受信側トランスデューサを使えば、四次多項式により、音圧分布波形の非対称性を考慮したフィッティングが可能となり、ピーク中心位置を含む音圧分布波形をより高精度で推定することが可能になる。四次多項式は、例えば、以下のように表される。
Figure 0006876643
さらに、本実施形態のように、(2n+1)個(nは2以上の自然数)の中から3個の受信側トランスデューサを選択するための全ての組み合わせ(2n+1)毎に、配管5における測定対象流体Gの流速がゼロ以外の状態で送信側トランスデューサ10が出射して上記3個の受信側トランスデューサに入射した超音波パルスに基づいて音圧分布波形を取得し、当該全ての組み合わせ毎の音圧分布波形を平均化することにより、音圧分布波形の検出精度を向上させることができる。特に、配管5における超音波パルスの移動量の変動が大きい場合には、より広い範囲の音圧分布波形を検出できるので、ダイナミックレンジの向上を図ることができる。
流量演算部80は、図6に示すように、基準音圧分布波形保持部60が保持する基準音圧分布波形の中心位置と変動音圧分布波形取得部70が取得する変動音圧分布波形のピーク位置の差分であるシフト量Sを求めて、当該シフト量Sを積分することで、配管5における測定対象流体Gの流量を演算する。
配管5における測定対象流体Gの流量をQ、基準音圧分布波形と変動音圧分布波形の差分であるシフト量をS、配管5における測定対象流体Gの流速分布をU、音速をcとすると、以下の各数式が成り立つ。これは、配管5における測定対象流体Gが非軸対称流れの場合を想定している。以下の各数式では、配管5の管軸直交平面内における座標系をx、yとし(配管5の中心が原点)、配管5の管軸方向の座標系をzとしている。
まず、流量Qは流速分布Uの面積分で表される。
Figure 0006876643
次いで、シフト量Sは測定線状の流速の線積分で表され、シフト量Sの分布を積分すると以下のようになる。
Figure 0006876643
そして、流量Qはシフト量Sの分布の線積分により求められる。
Figure 0006876643
一方、配管5における測定対象流体Gが軸対称流れの場合には、上記に加えて、配管5における測定対象流体Gの平均流速をv、配管5の内径をDとしたときに、以下の各数式が成り立つ。
まず、シフト量Sは、配管5における流速分布Uを積分することにより求められる。
Figure 0006876643
次いで、平均流速vは次の式で表される。
Figure 0006876643
そして、流量Qは次の式で表される。
Q=v・(πD/4)
図7は、配管5の管軸直交断面におけるxy平面上のシフト量Sの分布を示している。図7に示すように、シフト量Sは配管5の管軸直交断面におけるxy平面上でばらつくので、例えば、上述した平均化の手法が有用であると考えられる。
図8は、送信側トランスデューサ10と受信側トランスデューサ20が配管5の内面に敷き詰められるようにして配置されている構成を示している。すなわち、同一の管軸方向位置に周方向位置を異ならせて設けた複数セットの送信側トランスデューサと受信側トランスデューサにて得られたシフト量Sひいては流量を平均化してもよい。図9は、同一の管軸方向位置に周方向位置を異ならせて設けた3セットの送信側トランスデューサと受信側トランスデューサにて得られたシフト量Sの一例(数値計算結果と実験結果)を示している。
このように、本実施形態によれば、基準音圧分布波形保持部60が、配管5における測定対象流体Gの流速がゼロの状態で送信側トランスデューサ10が出射して第1の受信側トランスデューサ21〜第5の受信側トランスデューサ25に入射した超音波パルスに基づく基準音圧分布波形を保持し、変動音圧分布波形取得部70が、配管5における測定対象流体Gの流速がゼロ以外の状態で送信側トランスデューサ10が出射して第1の受信側トランスデューサ21〜第5の受信側トランスデューサ25に入射した超音波パルスに基づく変動音圧分布波形を取得し、流量演算部80が、基準音圧分布波形と変動音圧分布波形の差分であるシフト量Sを求めて、当該シフト量Sを積分することで、配管5における測定対象流体Gの流量を演算する。これにより、測定対象流体Gの流量を簡単な構成で正確に測定することが可能になる。
以上の実施形態では、送信側トランスデューサ10と受信側トランスデューサ20を配管5の内面に設置した場合を例示して説明したが、送信側トランスデューサ10と受信側トランスデューサ20を配管5の外面に設置した所謂クランプオン方式も適用可能である。但し、配管5における超音波パルスの移動量は、配管5の大きさ(直径)にもよるが、通常は非常に小さい(例えば0.1mm〜数mm)ので、少なくとも受信側トランスデューサ20については、配管5の内面に設置した方が良い。なぜなら、クランプオン方式で受信側トランスデューサ20が配管5の外面に設置された場合、配管5の壁面の存在によるビームの屈折量が超音波パルスの移動量と同程度となって、受信側トランスデューサ20の検出精度が低くなってしまうからである。さらに、隣接する第1の受信側トランスデューサ21〜第5の受信側トランスデューサ25の間隔が非常に小さいので、例えば、ある受信側トランスデューサが検出すべき超音波パルスを隣接する別の受信側トランスデューサが検出してしまうといったエラーが発生しやすくなってしまうからである。以上より、配管5の口径が大きく壁面が薄い場合は、クランプオン方式で受信側トランスデューサ20を配管5の外面に設置することも可能であるが、それ以外の場合は、受信側トランスデューサ20を配管5の内面に設置することが好ましい。
本実施形態の超音波流量計1は、例えば、車両のマフラに搭載されて当該マフラ内の排気ガスの流量を計測するために用いることができる。
1 超音波流量計
5 配管
10 送信側トランスデューサ(送信子)
20 受信側トランスデューサ(受信子)
21 第1の受信側トランスデューサ
22 第2の受信側トランスデューサ
23 第3の受信側トランスデューサ
24 第4の受信側トランスデューサ
25 第5の受信側トランスデューサ
30 信号発振器
40 検出回路
50 データ取得回路
60 基準音圧分布波形保持部
70 変動音圧分布波形取得部
80 流量演算部
G 測定対象流体
S シフト量

Claims (4)

  1. 測定対象流体が流れる配管に設置されるとともに超音波パルスを出射する送信子と、
    前記配管に前記送信子と対向して設置されるとともに前記超音波パルスが入射する(2n+1)個(nは2以上の自然数)の受信子と、
    前記配管における前記測定対象流体の流速がゼロの状態で前記送信子が出射して前記(2n+1)個の受信子に入射した前記超音波パルスに基づく基準音圧分布波形を保持する基準音圧分布波形保持部と、
    前記配管における前記測定対象流体の流速がゼロ以外の状態で前記送信子が出射して前記(2n+1)個の受信子に入射した前記超音波パルスに基づく変動音圧分布波形を取得する変動音圧分布波形取得部と、
    前記基準音圧分布波形と前記変動音圧分布波形の差分であるシフト量を求めて、当該シフト量を積分することで、前記配管における前記測定対象流体の流量を演算する流量演算部と、
    を有し、
    前記基準音圧分布波形保持部は、前記(2n+1)個の受信子から3個の受信子を選択するための全ての組み合わせ毎に、前記配管における前記測定対象流体の流速がゼロの状態で前記送信子が出射して前記3個の受信子に入射した前記超音波パルスに基づいて前記基準音圧分布波形を取得し、当該全ての組み合わせ毎の前記基準音圧分布波形を平均化する、
    ことを特徴とする超音波流量測定装置。
  2. 記変動音圧分布波形取得部は、前記(2n+1)個の受信子から3個の受信子を選択するための全ての組み合わせ毎に、前記配管における前記測定対象流体の流速がゼロ以外の状態で前記送信子が出射して前記3個の受信子に入射した前記超音波パルスに基づいて前記変動音圧分布波形を取得し、当該全ての組み合わせ毎の前記変動音圧分布波形を平均化する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の超音波流量測定装置。
  3. 前記送信子と前記受信子は、前記配管の内面に設置されている、
    ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の超音波流量測定装置。
  4. 測定対象流体が流れる配管に設置されるとともに超音波パルスを出射する送信子と、
    前記配管に前記送信子と対向して設置されるとともに前記超音波パルスが入射する(2n+1)個(nは2以上の自然数)の受信子と、
    を有する超音波流量測定装置による超音波流量測定方法であって、
    前記配管における前記測定対象流体の流速がゼロの状態で前記送信子が出射して前記(2n+1)個の受信子に入射した前記超音波パルスに基づく基準音圧分布波形を保持する基準音圧分布波形保持ステップと、
    前記配管における前記測定対象流体の流速がゼロ以外の状態で前記送信子が出射して前記(2n+1)個の受信子に入射した前記超音波パルスに基づく変動音圧分布波形を取得する変動音圧分布波形取得ステップと、
    前記基準音圧分布波形と前記変動音圧分布波形の差分であるシフト量を求めて、当該シフト量を積分することで、前記配管における前記測定対象流体の流量を演算する流量演算ステップと、
    を有し、
    前記基準音圧分布波形保持ステップでは、前記(2n+1)個の受信子から3個の受信子を選択するための全ての組み合わせ毎に、前記配管における前記測定対象流体の流速がゼロの状態で前記送信子が出射して前記3個の受信子に入射した前記超音波パルスに基づいて前記基準音圧分布波形を取得し、当該全ての組み合わせ毎の前記基準音圧分布波形を平均化する、
    ことを特徴とする超音波流量測定方法。
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