JP6873427B2 - 多孔質セラミックスの製造方法 - Google Patents

多孔質セラミックスの製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6873427B2
JP6873427B2 JP2017062227A JP2017062227A JP6873427B2 JP 6873427 B2 JP6873427 B2 JP 6873427B2 JP 2017062227 A JP2017062227 A JP 2017062227A JP 2017062227 A JP2017062227 A JP 2017062227A JP 6873427 B2 JP6873427 B2 JP 6873427B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
mass
firing
aluminum oxide
amount
oxide
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2017062227A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2018165224A (ja
Inventor
伸明 蒲地
伸明 蒲地
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Saga Prefecture
Original Assignee
Saga Prefecture
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Saga Prefecture filed Critical Saga Prefecture
Priority to JP2017062227A priority Critical patent/JP6873427B2/ja
Publication of JP2018165224A publication Critical patent/JP2018165224A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6873427B2 publication Critical patent/JP6873427B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Porous Artificial Stone Or Porous Ceramic Products (AREA)

Description

本発明は、焼成収縮率、および焼成変形量が小さな多孔質セラミックスに関するものである。
多孔質セラミックスは、様々な方法によって作製している。
例えば、「単独の気孔よりなる球状中空の樹脂粉末を添加され、可塑成形され、焼成された焼成時に消失する中空の合成樹脂物質をセラミックス原料に混合して所望の形状に成形した後に焼成する方法」(例えば、特許文献1参照)の提案がある。
しかし、この方法では、焼成温度の上昇と共に焼結体中のガラスが増加し焼結が進行するために樹脂部分の分解あるいは焼失によって生じた空隙が減少するという問題があった。 また、焼成温度の上昇と共に焼成収縮が進行して焼成変形量が増加することも問題である。
また、「酸化アルミニウム27〜80質量%、長石15〜70重量%、石灰質原料3〜40重量%を含有する坏土を泥漿化して消失性多孔質体に含浸させ乾燥し、1230〜1450℃で焼成し、前記焼失性多孔質体が焼失して得られ、その焼成の際にアノーサイトを析出させることにより線収縮率が1%以下となるセラミックス多孔質体。」(例えば、特許文献2参照)の提案がある。
また、珪石等の骨材を粗粒子に粉砕した後、少量の融剤と共に成形し、骨材間の隙間がガラスで閉じない温度で焼成して製造する方法である。同様の技術として板状粒子と粒状の粒子を組み合わせ、空隙を形成する方法の提案もある(例えば、特許文献2、特許文献3、参照)。
これらの方法も骨材間の接着はガラスによるので、焼成温度の上昇と共に骨材はガラス中に徐々に融解し、焼結体中のガラスが増加し焼結が進行する。また、焼結体の空隙や焼成収縮率、焼成変形量は焼成温度に依存するので、空隙を確保するために焼成温度を低下すると骨材間の接合が弱くなり多孔質セラミックスの強度が低下するという問題を生じる。
また、セラミックス組成物中に高温分解する揮発成分や発泡性ガラス原料を混合した後、焼成することで高温分解揮発成分の揮発や発泡性ガラスの発泡により組織内に気孔を生成させる方法もある(例えば、特許文献4参照)。
しかしこの方法では中空樹脂は杯土に比べて比重が小さいため、混練によって坏土を調製する必要があるので、ロクロ等の回転成形、圧延、押し出し、射出等の可塑成形は可能であるが、セラミックスの主要な成型方法の一つである鋳込み成形はスラリー調製時に中空樹脂が浮遊し分離するために実施できないという問題があるので製品形状を限定せざるを得ない。
また、低温で有機物系添加剤が消失し、その後の焼結段階で収縮と緻密化が進むので、空隙が効果的に形成され難いという問題もある。
また、ガラスを焼結工程で発泡させて多孔質セラミックスを得る方法がある。例えば「ダクタイル鋳鉄製品の製造時に生成される非晶質のスラグを粉砕篩分けして、0.25〜2.0mmの粒度範囲に製粒してあり、該個々の粒子が可塑性粘土によって包まれた状態となるように成形してあり、前記組成物を900〜1000℃の温度範囲で加熱することにより、個々のスラグ粒子を、個々として発泡させてあり、かつ、相互に焼結させてある、連続貫通気孔を有することを特徴とするセラミックス多孔体。」(例えば、特許文献5参照)の提案がある。しかし、この方法では「乾燥生板から、容積を約3倍に拡大した形の良い平板上セラミックス多孔体を得た。」との表現が示すように焼成による寸法変化が大きいという問題がある。
更に、「酸化アルミニウム20〜80質量%、長石15〜70重量%、石灰質原料3〜40重量%を含有する坏土を泥漿化して消失性多孔質体に含浸させ乾燥し、1230〜1450℃で焼成し、前記焼失性多孔質体が焼失して得られ、その焼成の際にアノーサイトを析出させることにより線収縮率が1%以下となるセラミックス多孔質体。」(例えば、特許文献4参照)の提案がある。しかしながら、融剤である長石を15%以上配合すると焼成変形は大きく、実施例の様な板状の形状以外を高精度に製造することは困難である。
他に、低温で有機物系添加剤が焼き飛ばされ、その後の焼結段階で収縮と緻密化が進むようになるため、空隙が効果的に形成され難いという問題もある。
この問題の解決法として、例えば「粒状の粒子/板状の粒子を所定の割合で含有する混合物を、焼成する方法」(例えば、特許文献2参照)の提案がある。しかしながらこの方法では原料粉末の分級が必要となり工程が煩雑化するという問題がある。
多孔質セラミックスは、様々な方法によって作製している。例えば、「単独の気孔よりなる球状中空の樹脂粉末を添加され、可塑成形され、焼成された焼成時に消失する中空の合成樹脂物質をセラミックス原料に混合して所望の形状に成形した後に焼成する方法」(例えば、特許文献1参照)の提案がある。
しかし、この方法では、気孔形成のための樹脂部分から生じる余計な気体の処理が必要である。
また、「セメントと珪酸質微砂からなり、酸化カルシウム10重量%〜30重量%、酸化アルミニウム10重量%〜15重量%、二酸化珪素50重量%〜75重量%の化学組成を有する耐火度SK05a〜SK5aの低耐火性モルタル組成物と、耐火度SK12〜18の高耐火性骨材と、水とからなるスラリー状混合物を水和反応により硬化させた成型体の焼結体であって、低耐火性モルタル組成物熔融層により高耐火性骨材相互が接合された構造を有」し、高耐火性骨材の粒径を調整することで気孔を有するものと緻密体ともでき」(例えば、特許文献2参照)るとの提案がある。
また、熱溶融型樹脂ビーズの平均粒子径が30〜500μmであり、セラミックス顆粒の平均粒子径が熱溶融型樹脂ビーズの平均粒子径の0.3〜3.0倍であって、各々の粒度分布が平均粒子径の±50%の範囲内に60重量%以上含まれることを特徴とする加圧成形用セラミックス原料。」(例えば、特許文献3参照)の提案がある。
また、「ダクタイル鋳鉄製品の製造時に生成される非晶質のスラグを破砕篩別して、0.25〜2.0mmの粒度範囲に整粒してあり、該個々の粒子が可塑性粘土によって包まれた状態となる様に成形してあり、前記組成物を900〜1100℃の温度範囲で加熱することにより、個々のスラグ粒子を、個々として発泡させてあり、かつ、相互に焼結させてある、連続貫通気孔を有することを特徴とするセラミックス多孔体。」(例えば、特許文献4参照)の提案がある。
更に、「酸化アルミニウム20〜80重量%、長石15〜70重量%、石灰質原料3〜40重量%を含有する坏土を泥漿化して焼失性多孔質体に含浸させ乾燥し、1230〜1450℃で焼成し、前記焼失性多孔質体が焼失して得られ、その焼成の際にアノーサイトを析出させることにより線収縮率が1%以下となるセラミックス多孔質体。」(例えば、特許文献5参照)の提案がある。
しかし、この方法では、多孔質体に含浸させる工程が必要であって、樹脂部分の分解あるいは焼失によって生じた空隙が減少するという問題があるとともに、焼成温度の上昇と共に焼成収縮が進行し焼成変形量が増加することも問題である。
また、特許文献5では焼成の際にアノーサイトの析出により線収縮率が1%以下の骨格構造をもつ多孔質セラミックスを開示している。
しかしながら、結合剤として長石を15〜70重量%含有したセラミックス組成では、本発明の実施例比較例から予想されるように焼成変形量は大きく、実施例で挙げられた板状の形状以外を高精度に製造することは困難なものと考えられる。
特許第3273310号 特開平4−16570 特開平2002−47075 特許第3997929号
本発明は、焼成収縮率及び焼成変形量が小さな多孔質セラミックスを提供することを課題とするものである。
本発明の課題は、不可避的不純物を除き、酸化物基準で、酸化アルミニウム30〜54質量%、酸化カルシウム5〜30質量%、アルカリ金属酸化物1〜3質量%、二酸化ケイ素15〜56質量%を含有し、前記成分の全成分に対する配合割合は98質量%以上であり、酸化カルシウムに対する酸化アルミニウムのモル比が0.9倍以上であり、酸化アルミニウム源として15〜35質量%の酸化アルミニウム、酸化カルシウム源として10〜40質量%の石灰質原料、二酸化ケイ素源として34質量%以下の石英粒子を含有し、酸化アルミニウムと石英粒子を合計した骨材含有量が30質量%以上である原料組成物を1200℃〜1300℃で焼成することを特徴とする多孔質セラミックスの製造方法によって解決することができる。
また、前記石灰質原料として石灰または珪灰石を用いることができる。
本発明に係る焼成体は、焼成時に融剤となる長石、天草陶石中に含まれるマシコバイトが熔融してガラス形成すると、周囲の石灰質原料及び酸化アルミニウムと反応し、速やかにガラス中からアノーサイト(Ca(Al2Si28)やゲーレナイト(Ca2Al2(SiO7)等の高温安定な結晶が晶出する。その結果、坏土中の耐火性骨材である酸化アルミニウムや石英等と複雑に絡み合った新たな骨材となる。同時にガラスの増加を防止するので骨材間をガラスが充填することがなくなることで、焼成収縮率が小さく、焼成変形量も小さい多孔質セラミックスとなる。また、複雑に絡み合った骨材構造は高い気孔率を実現するとともに骨材同士が動きにくい構造となることで多孔質セラミックスの機械的強度の向上にも寄与する。
図1は、本発明の多孔質セラミックスの焼成に用いた支持台と、試料載置装置を説明する側面図である。 図2は、焼成変形量の測定箇所を説明する図である。
以下、本発明の実施例、比較例を示して本発明を詳細に説明する。
表1に示すように本発明の多孔質セラミックス焼成体は、不可避的不純物を除き、酸化物基準で酸化アルミニウム30〜54質量%、酸化カルシウム5〜30質量%、アルカリ金属酸化物を1〜3質量%、二酸化ケイ素15〜56質量%を含有し、前記成分の合計の全成分に対する配合割合は98質量%以上である。
また、酸化カルシウムに対する酸化アルミニウムのモル比が0.9倍以上のセラミックスである。
酸化アルミニウム源として15〜35質量%の酸化アルミニウムを含有しており、酸化カルシウム源としては、10〜40質量%の石灰質原料を、二酸化ケイ素源としては、34質量%までの石英粒子を含有している。
本発明の多孔質セラミックス焼結体は、酸化アルミニウム、石英粒子等の耐火性骨材の含有量を30質量%以上に調製した杯土から作製した生地を焼成して作製することができる。また、この坏土は水を混合することで適度の成形性を有する陶土とすることができる。調製した陶土は、鋳込み成形、ロクロ成形、プレス成形等の任意の成形方法にて所望の形状に成形した後に乾燥する。
次いで乾燥後に1150℃〜1350℃で焼成することで焼成収縮率及び焼成変形量の小さい多孔質セラミックスを得ることができる。
また、絵の具や釉などによる加飾のために600〜1350℃で仮焼の後に本焼成しても良い。仮焼温度が低すぎると素地強度が不十分となるので、仮焼温度は適宜調整することが好ましい。
また、本焼成後の多孔質セラミックスには、転写などにより加飾した後に上絵焼成工程を経て製造することもできる。
より好ましい本焼成温度は1200℃〜1300℃である。焼成温度が低すぎるとアノーサイト(Ca(Al2Si28)やゲーレナイト(Ca2Al2(SiO7)(Ca2Al2(SiO7)等の高温で安定な結晶の晶出が不十分となるため、素地強度が低下する。一方、本焼成温度が高すぎると骨材結晶の熔融が始まり焼成変形量が大きくなるので好ましくない。
実施例1
表1に記載の原料100質量部、分散剤A−6012(東亞合成株式会社製)0.2質量部及び水27質量部をボールミルにて混合して泥漿を得た。
次いで、作製した泥漿を用いて大きさが20mm×7mm×125mmの板状試料用生地を鋳込み成形によって作製した後、自然乾燥した。
作製した板状試料を図1に示すようにスパン100mmの支持台上に載置し、電気炉中で1300℃で焼成して試験片を作製した。
作製した試験片を用いて以下の試験方法によって試験を行い表2に示した。
1.焼成収縮率
鋳込み型の幅と試料の幅を測定した後、次式により算出した。
焼成収縮率=(試料幅)/(型の幅)×100
2.焼成変形量
焼成変形量は、図2に示す最大変形量にて評価した。
3.気孔率
気孔率は細孔分布測定装置(株式会社マイクロメリティック製オートポアIV9520)により水銀圧入法にて測定した。
4.吸水率
吸水率はASTMC373−88(和訳名、陶器製品の吸水率、密度、見かけ気孔率、見かけ比重の標準試験法)による煮沸法にて測定し、表2に示した。
5.結晶相同定
結晶相の同定は試験片を粉砕後、X線回折装置(PANalitical製XPertPRO)により測定を行い表2に示した。
6.組成分析
原料の組成分析は蛍光X線分析装置(株式会社リガク製ZSX100e)によりガラスビードによる検量線法にて測定した。原料の化学分析値と配合割合から素地の成分の配合割合、酸化カルシウムに対する酸化アルミニウムのモル比を算出して表2に示した。
7.耐火性骨材含有量
原料の天草陶土の化学組成を蛍光X線分析装置(株式会社リガク製ZSX100e)で、結晶相をX線回折装置(PANalitical製XPertPRO)にて確認し、最小ノルム法により天草陶土中の鉱物組成を算出したところ、石英56%、カオリン12%、マシコバイト32%であった。
また、表1に示した天草陶土配合量の56%を原料坏土中の石英含有量とし、これに、酸化アルミニウムの配合量を加えることで坏土中の耐火性骨材の含有量とし表2に示した。
表2に示すように実施例1は焼成収縮率−0.3%であり焼成変形量は0.6mmであり、気孔率は35.4%であった。
実施例2〜19
実施例1の試験条件に代えて表1の各実施例に記載の条件に変えた点を除き、実施例1と同様に作製した試料を実施例1と同様に測定した結果、焼成収縮率は、−2.9〜2.1%であった。焼成変形量は0〜2.9mmであった。また、気孔率は11.8〜45.2%であった。
比較例1〜2
実施例1の試験条件に代えて表1の比較例1、表2に記載の条件とした点を除き、実施例1と同様に作製した試料を実施例1と同様に測定した。
酸化カルシウムに対する酸化アルミニウムのモル比が0.79倍と0.9未満である比較例1は焼成変形量が21.5mmと大きく増加した。
また、比較例2は、表に記載の条件とした点を除き、実施例1と同様に作製した試料を実施例1と同様に測定した。
耐火性骨材の含有量が25.6%と30%未満である比較例2は焼成変形量が13mmと大きく増加した。
また、本発明の多孔質セラミックスは、酸化アルミニウム、酸化カルシウム、アルカリ金属酸化物、二酸化ケイ素を主成分として製造したものである。
具体的には、(a)酸化アルミニウム30〜55質量%、(b)酸化カルシウム5〜30質量%、(c)アルカリ金属酸化物を1〜3質量%、(d)二酸化ケイ素15〜56質量%を含有する。また(a)酸化アルミニウム、(b)酸化カルシウム、(c)アルカリ金属酸化物、(d)二酸化ケイ素の各成分の全成分に対する配合割合の合計は98質量%以上である。
そして、酸化アルミニウムの全成分に対する好ましい配合割合は31〜54質量%である。酸化アルミニウムは酸化アルミニウム、粘土鉱物、カオリン類鉱物、陶石、融剤に由来する。酸化アルミニウム源の一部として酸化アルミニウムを13〜37質量%、好ましくは15〜35質量%配合することで焼成変形量が3mmより小さくなる。
酸化アルミニウムの配合割合が13質量%よりも少ない場合は、焼成変形量を十分に抑制することができない。
一方、酸化アルミニウムの配合割合が37質量%よりも大きいと、石灰質原料や粘土鉱物、カオリン類鉱物、陶石粘土鉱物の配合割合が相対的に小さくなる。石灰質原料の配合割合が小さくなるとアノーサイト(Ca(Al2Si28)やゲーレナイト(Ca2Al(AlSiO7)等の高温で安定な結晶の晶出が不十分となるために焼成変形量が大きく、また、気孔率が低下する。また、粘土鉱物、カオリン類鉱物、陶石粘土鉱物の配合割合が小さくなると、成形性が悪化し、歩留まりが低下する。
また、酸化カルシウムの全成分に対する好ましい配合割合は9〜25質量%である。
酸化カルシウム源として石灰、珪灰石などの石灰質原料を10〜40質量%、好ましくは15〜35質量%配合することで焼成変形量が3mmよりも小さくなり、焼成収縮率も−2.9〜2.1%の範囲となる。石灰質原料の配合割合が10質量%よりも小さくなるとアノーサイト(Ca(Al2Si28)やゲーレナイト(Ca2Al(AlSiO7)等の高温安定な結晶の晶出が不十分となり焼成変形量が大きくなるとともに気孔率が低下する。一方、石灰質原料の配合割合が40質量%よりも大きいと、天草陶石に含まれる石英や酸化アルミニウム等の耐火性骨材の含有率が相対的に小さくなりすぎ、焼成変形量が大きくなる。
また、アルカリ金属酸化物は、融剤、長石、粘土鉱物等に由来するが、アルカリ金属酸化物の全成分に対する好ましい配合割合は1〜2.6質量%である。アルカリ金属酸化物の含有量が少なすぎると、アノーサイト(Ca(Al2Si2O8)やゲーレナイト(Ca2Al(AlSiO7)等の晶出に必要な十分な量のガラスマトリックスを生成しないため強度が低下する。
一方、アルカリ金属酸化物の含有量が多すぎると、焼成変形量が大きくなる。
本発明の多孔質セラミックスは、二酸化ケイ素の全成分に対する好ましい配合割合は16〜55質量%である。二酸化ケイ素の含有量が小さすぎると、アノーサイト(Ca(Al2Si28)やゲーレナイト(Ca2Al(AlSiO7)等の晶出に必要な二酸化ケイ素が不足する。一方、二酸化ケイ素の含有量が大きすぎるとガラス増加し焼成変形量が大きくなる。
また、酸化カルシウムに対する酸化アルミニウムのモル比は好ましくは等倍以上である。酸化カルシウムに対する酸化アルミニウムのモル比が0.9倍より小さくなるとアノーサイト(Ca(Al2Si28)やゲーレナイト(Ca2Al(AlSiO7)等の晶出で消費する酸化アルミニウムが多くなり、焼成体に含まれる耐火性骨材である酸化アルミニウムの残存量が相対的に低下し、焼成変形量が大きくなる。
また、坏土に含まれる耐火性骨材である酸化アルミニウムと石英粒子を合計した耐火性骨材含有量は30質量%以上である。耐火性骨材含有量が30%より小さくなると焼成時に耐火性骨材が不足し焼成変形量が大きくなる。
Figure 0006873427
また、各実施例、比較例の化学組成と共に、収縮率、焼成変形量、および気孔率を表2に示す。
Figure 0006873427
Figure 0006873427
本発明の多孔質セラミックスは焼成収縮率が小さく焼成変形量が少なく、様々な形状の多孔質セラミックスを製造することができるので、ろ過材、吸着剤、散気筒、バイオリアクター担体、燃料電池電極等、多孔質セラミックスが用いられる広範な範囲で利用が可能である。
1・・・ 本発明の試料
2・・・ 試料支持台
3・・・ 焼成変形量

Claims (1)

  1. 不可避的不純物を除き、酸化物基準で、酸化アルミニウム30〜54質量%、酸化カルシウム5〜30質量%、アルカリ金属酸化物1〜3質量%、二酸化ケイ素15〜56質量%を含有し、前記成分の全成分に対する配合割合は98質量%以上であり、酸化カルシウムに対する酸化アルミニウムのモル比が0.9倍以上であり、酸化アルミニウム源として15〜35質量%の酸化アルミニウム、酸化カルシウム源として10〜40質量%の石灰質原料、二酸化ケイ素源として34質量%以下の石英粒子を含有し、酸化アルミニウムと石英粒子を合計した骨材含有量が30質量%以上である原料組成物を1200℃〜1300℃で焼成することを特徴とする多孔質セラミックスの製造方法。
JP2017062227A 2017-03-28 2017-03-28 多孔質セラミックスの製造方法 Active JP6873427B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017062227A JP6873427B2 (ja) 2017-03-28 2017-03-28 多孔質セラミックスの製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017062227A JP6873427B2 (ja) 2017-03-28 2017-03-28 多孔質セラミックスの製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2018165224A JP2018165224A (ja) 2018-10-25
JP6873427B2 true JP6873427B2 (ja) 2021-05-19

Family

ID=63921578

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017062227A Active JP6873427B2 (ja) 2017-03-28 2017-03-28 多孔質セラミックスの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6873427B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2022144012A1 (zh) * 2020-12-31 2022-07-07 郑州轻工业大学 一种钙长石质微纳孔绝隔热耐火材料及其制备方法
CN114920578B (zh) * 2022-07-20 2022-10-04 淄博金狮王科技陶瓷集团有限公司 具有低烧成收缩率的多孔钙长石/钙铝黄长石复相陶瓷的制备方法
CN115925443B (zh) * 2022-12-30 2023-07-04 中南大学 一种具有宽烧成范围的固废基陶瓷膜支撑体原料及固废基陶瓷膜支撑体

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4814303A (en) * 1987-09-25 1989-03-21 E. I. Du Pont De Nemours And Company Anorthite-cordierite based ceramics from zeolites
JPH0816021B2 (ja) * 1993-06-10 1996-02-21 日本電気株式会社 多層ガラスセラミック基板およびその製造方法
JPH11246279A (ja) * 1998-03-05 1999-09-14 Tochigi Prefecture 軽量セラミックスおよびその製造方法
JP3336347B2 (ja) * 1999-10-22 2002-10-21 株式会社イナックス 調湿建材及びその製造方法
JP3997929B2 (ja) * 2003-02-26 2007-10-24 滋賀県 セラミックス多孔質体
JP5751923B2 (ja) * 2011-05-11 2015-07-22 株式会社トクヤマ 貝殻の有効利用方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2018165224A (ja) 2018-10-25

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Johari et al. Effect of the change of firing temperature on microstructure and physical properties of clay bricks from Beruas (Malaysia)
RU2640684C2 (ru) Обработка зольного уноса и изготовление изделий, содержащих составы на основе зольного уноса
JP5661303B2 (ja) 低温焼成磁器用組成物および低温焼成磁器の製造方法
JP6873427B2 (ja) 多孔質セラミックスの製造方法
WO2009077589A1 (en) Lightweight ceramic material
CN108602113B (zh) 耐火复合颗粒和馈料器元件以及相应的方法和应用
AU2007304899A1 (en) Process and apparatus for hot-forging synthetic ceramic
Zawrah et al. Synthesis and characterization of calcium aluminate nanoceramics for new applications
KR20110066917A (ko) 다공성 뮬라이트-함유 복합체의 제조방법
Ren et al. Recycling of solid wastes ferrochromium slag for preparation of eco-friendly high-strength spinel–corundum ceramics
Khattab et al. Alumina–zircon refractory materials for lining of the basin of glass furnaces: effect of processing technique and TiO2 addition
JP2018035052A (ja) 大型セラミック板およびその製造方法
RU2458022C1 (ru) Наномодифицированная кварцевая керамика с повышенной высокотемпературной прочностью
JP2002226285A (ja) 軽量セラミックス部材およびその製造方法
JP5928694B2 (ja) アルミナ質焼結体及びその製造方法
JP2007217208A (ja) ゾノトライト系珪酸カルシウム水和物多孔質成形体の製造方法
JP3949408B2 (ja) 熱間補修用珪石れんが及びその製造方法
KR101343808B1 (ko) 저온소성용 자기 조성물 및 이를 이용한 저온소성 자기의 제조방법
JP4967111B2 (ja) アルミナ基多孔質セラミックス及びその製造方法
Hanna et al. Characterization of porous Alumino-silicate bonded SiC-ceramics prepared by hand-pressing and extrusion methods
KR101204932B1 (ko) 다공성 질화규소 요업체의 제조방법 및 이에 의해 제조된 다공성 질화규소 요업체
US20100279126A1 (en) Ceramic slabs and a method for manufacturing thereof
JP4437198B2 (ja) 砕石スラッジ等を用いた発泡体の製造方法及び発泡体
JP2005054512A (ja) 強度と保水性を両立させた保水煉瓦
JP2000327408A (ja) 熱衝撃抵抗性熱間補修用珪石れんが及びその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20200114

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20201113

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20201118

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20210105

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20210407

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20210413

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6873427

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250