以下、本開示の油中水型毛髪処理剤について、更に詳細に説明する。
(1)油中水型毛髪処理剤の詳細
[成分(A)]
本開示の油中水型毛髪処理剤には、成分(A)として、架橋型ポリエーテル変性シリコーン及び架橋型ポリグリセリン変性シリコーンから選ばれる1種以上が含まれる。
本開示において、架橋型ポリエーテル変性シリコーンとは、2価のポリオキシアルキレン基で架橋されたシリコーンを意味する。また、架橋型ポリグリセリン変性シリコーンとは、2価のポリグリセリル基で架橋されたシリコーンを意味する。上記2価のポリオキシアルキレン基としては、ポリオキシC2〜C8アルキレン基が好ましく、ポリオキシC2〜C4アルキレン基がより好ましい。具体的には、ポリオキシエチレン基、ポリオキシプロピレン基、ポリオキシブチレン基等が挙げられる。
上記架橋型ポリエーテル変性シリコーン及び架橋型ポリグリセリン変性シリコーンは、シリコーン鎖が分岐鎖を有していてもよく、分岐鎖を有していなくてもよい。シリコーン鎖が分岐鎖を有する場合、そのような分岐鎖の例としては、例えば下記化学式(I)で表される分岐鎖を挙げることができる。
上記化学式(I)において、R1〜R3は、それぞれ独立して、水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基を示す。上記R1〜R3としては炭素数1〜3のアルキル基が好ましい。該アルキル基は直鎖状でも分岐鎖状でもよい。好適な具体例としては、メチル基、エチル基等を挙げることができる。
また、上記架橋型ポリエーテル変性シリコーン及び架橋型ポリグリセリン変性シリコーンとしては、アルキル基で共変性されたものであってもよく、共変性されていないものであってもよい。アルキル基で共変性されている場合、アルキル基は直鎖状でも分岐鎖状でもよい。このアルキル基の炭素数は、例えば8〜20であり、具体例を挙げれば、カプリル基、ラウリル基、ミリスチル基等を挙げることができる。
架橋型ポリエーテル変性シリコーンと架橋型ポリグリセリン変性シリコーンとでは、より効果が高い観点から架橋型ポリエーテル変性シリコーンの方が好ましい。上記架橋型ポリエーテル変性シリコーンの具体例としては、(PEG−15/ラウリルポリジメチルシロキシエチルジメチコン)クロスポリマー、(ジメチコン/(PEG−10/15))クロスポリマー、(PEG−15/ラウリルジメチコン)クロスポリマー、(PEG−10/ラウリルジメチコン)クロスポリマー等が挙げられる。また、架橋型ポリグリセリン変性シリコーンの具体例としては、(ポリグリセリル−3/ラウリルポリジメチルシロキシエチルジメチコン)クロスポリマー、(ジメチコン/ポリグリセリン−3)クロスポリマー、(ラウリルジメチコン/ポリグリセリン−3)クロスポリマー等が挙げられる。これら成分(A)の具体例の中でも、(ジメチコン/(PEG−10/15))クロスポリマー、(ジメチコン/ポリグリセリン−3)クロスポリマーを用いるとよい。
また、成分(A)の架橋型ポリエーテル変性シリコーン及び架橋型ポリグリセリン変性シリコーンは、炭化水素油、シリコーン油、エステル油等の油剤でゲル状にされたものが市販されており、例えば、KSG−320Z、KSG−820Z、KSG−320、KSG−820、KSG−210、KSG−240、KSG−310、KSG−330、KSG−340、KSG−710、KSG−810、KSG−830、KSG−840等(いずれも信越化学工業社製。)が挙げられる。
成分(A)に該当する各物質は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。成分(A)の配合量は、油中水型毛髪処理剤全体に占める質量比で0.01質量%〜5質量%、好ましくは0.1質量%〜2.5質量%、更に好ましくは0.25質量%〜1.25質量%に調製される。成分(A)の配合量を0.01質量%以上とすることによって安定性が向上する。成分(A)の配合量を0.1質量%以上とすることによって安定性がより向上する。成分(A)の配合量を0.25質量%以上とすることによって安定性が更に向上する。また、成分(A)の配合量を5質量%以下とすることによって感触(なめらかさや重さ)が悪くなるのを抑制できる。成分(A)の配合量を2.5質量%以下とすることによって感触が良好になる。成分(A)の配合量を1.25質量%以下とすることによって感触が更に良好になる。
[成分(B)]
本開示の油中水型毛髪処理剤には、成分(B)として、側鎖型ポリエーテル変性シリコーンが含まれる。側鎖型ポリエーテル変性シリコーンとは、ポリエーテルが側鎖に結合した共重合体を意味する。成分(B)としては、例えば、ポリオキシエチレン(以下、「POE」ともいう)・メチルポリシロキサン共重合体:PEG−32メチルエーテルジメチコン(オキシエチレン基の平均付加モル数(以下、EOと称する。):32モル、商品名:KF−6004、信越化学工業株式会社製)、PEG−12ジメチコン(EO:12モル、商品名:SH3771M、SH3772M、SH3773M、SH3775M、いずれも東レ・ダウコーニング株式会社製)、PEG−11メチルエーテルジメチコン(EO:11モル、商品名:KF−6011、KF−6011P、信越化学工業株式会社製)、PEG−10ジメチコン(EO:10モル、商品名:KF−6043、信越化学工業株式会社製)、PEG−9ジメチコン(EO:9モル、商品名:KF−6013、信越化学工業株式会社製)、PEG/PPG−20/22ブチルエーテルジメチコン(EO:20モル、商品名:KF−6012、信越化学工業株式会社製)などを挙げることができる。
本開示の油中水型毛髪処理剤の場合、成分(B)としては、HLBが比較的低いものが好ましい。HLBとは親水親油バランス(Hydrophile-Lipophile Balance)の略称である。HLBは、一般的に、界面活性剤の分子が持つ親水性と親油性の相対的な強さを表すパラメーターであり、HLBの値が大きいほど親水性が強く、HLBの値が小さいほど親油性が強い。HLBの値は公知のGriffinの式から算出される。
具体的には、成分(B)としては、例えばHLBが1〜6、好ましくは2〜5であるとよい。このような成分の具体例としては、例えば、PEG−10ジメチコン(EO:10モル、商品名:KF−6017、HLB4.5、信越化学工業株式会社製)、PEG−9メチルエーテルジメチコン(EO:9モル、商品名:KF−6016、HLB4.5、信越化学工業株式会社製)、PEG−3ジメチコン(EO:3モル、商品名:KF−6015、HLB4.5、信越化学工業株式会社製)等を挙げることができる。
成分(B)に該当する各物質は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。成分(B)の配合量は、油中水型毛髪処理剤全体に占める質量比で0.01質量%〜10質量%、好ましくは0.05質量%〜1質量%に調製される。成分(B)の配合量を0.01質量%以上とすることによって安定性が向上する。成分(B)の配合量を0.05質量%以上とすることによって安定性がより向上する。また、成分(B)の配合量を10質量%以下とすることによって感触(なめらかさや重さ)が悪くなるのを抑制できる。成分(B)の配合量を1質量%以下とすることによって感触が良好になる。
[成分(C)]
本開示の油中水型毛髪処理剤には、成分(C)として、直鎖状ブロック型ポリエーテル変性シリコーンが含まれる。成分(C)としては、例えば、POE・ポリオキシプロピレン・ブチレン・メチルポリシロキサン共重合体(ポリシリコーン−13)、POE・ブチレン・メチルポリシロキサン共重合体等を挙げることができる。これらのポリエーテル変性シリコーンとしては市販品を用いることができ、例えば、POE・ポリオキシプロピレン・ブチレン・メチルポリシロキサン共重合体としては、商品名:「FZ−2222」(東レ・ダウコーニング株式会社製)、商品名:「FZ−2233」(東レ・ダウコーニング株式会社製)などを挙げることができる。また、POE・ブチレン・メチルポリシロキサン共重合体としては、商品名:「FZ−2250」(東レ・ダウコーニング株式会社製)などを挙げることができる。
本開示の油中水型毛髪処理剤の場合、成分(C)としては、HLBが比較的低いものが好ましい。具体的には、成分(C)としては、例えばHLBが1〜6、好ましくは2〜5であるとよい。このような成分の具体例としては、例えば、上述の商品名:「FZ−2222」(HLB:6)、商品名:「FZ−2233」(HLB:3)、商品名:「FZ−2250」(HLB:1)等を挙げることができ、これらの中では商品名:「FZ−2233」(HLB:3)が好ましい。
成分(C)に該当する各物質は、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。成分(C)の配合量は、油中水型毛髪処理剤全体に占める質量比で0.01質量%〜10質量%、好ましくは0.1質量%〜5質量%、更に好ましくは0.25質量%〜2.5質量%に調製される。成分(C)の配合量を0.01質量%以上とすることによって安定性が向上する。成分(C)の配合量を0.1質量%以上とすることによって安定性がより向上する。成分(C)の配合量を0.25質量%以上とすることによって安定性が更に向上する。また、成分(C)の配合量を10質量%以下とすることによって感触(なめらかさや重さ)が悪くなるのを抑制できる。成分(C)の配合量を5質量%以下とすることによって感触が良好になる。成分(C)の配合量を2.5質量%以下とすることによって感触が更に良好になる。
[成分(D)]
本開示の油中水型毛髪処理剤には、成分(D)として、高重合シリコーンが含まれる。本開示でいう高重合シリコーンとは、平均重合度が2,000以上のシリコーンを意味する。成分(D)としては、例えば、平均重合度が2,000〜20,000のシリコーンが好ましく、平均重合度が3,000〜10,000のシリコーンが更に好ましい。このような高重合シリコーンの例としては、例えば、平均重合度が2,000〜20,000程度のジメチルポリシロキサン、平均重合度が2,000〜20,000程度のジメチコノール、平均重合度が2,000〜20,000程度のアミノ変性シリコーン等を挙げることができる。
ジメチルポリシロキサンは、ジメチルシロキサンを単位構造として、その単位構造が多数重合し、その両末端がトリメチルシロキサンで終わっている重合体である。ジメチコノールとは、ヒドロキシ末端基を有するジメチルポリシロキサンである。アミノ変性シリコーンとは、「−Si−O−」の繰り返しからなるポリシロキサン骨格を持ち、そのケイ素原子のアルキル側鎖の一部がアミノ変性されたものである。
アミノ変性シリコーンの具体例としては、アミノプロピルメチルシロキサン・ジメチルシロキサン共重合体(アミノプロピルジメチコン)、アミノエチルアミノプロピルシロキサン・ジメチルシロキサン共重合体(アモジメチコン)、アミノエチルアミノプロピルメチルシロキサン・ジメチルシロキサン共重合体(トリメチルシリルアモジメチコン)等を挙げることができる。
成分(D)に該当する各物質は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。成分(D)の配合量は、油中水型毛髪処理剤全体に占める質量比で0.1質量%〜10質量%、好ましくは1質量%〜5質量%に調製される。成分(D)の配合量を0.1質量%以上とすることにより、感触を改善することができる。成分(D)の配合量を1質量%以上とすることにより、感触をより一層改善することができる。また、成分(D)の配合量を10質量%以下とすることにより、安定性が良好になる。成分(D)の配合量を5質量%以下とすることにより、安定性がより一層良好になる。
[成分(E)]
本開示の油中水型毛髪処理剤には、成分(E)として、エステル油が含まれていてもよい。エステル油を配合することにより、トリートメント効果の持続性を向上させることができる。エステル油としては、例えば、ラクトン誘導体、アジピン酸ジイソプロピル、アジピン酸ジイソブチル、アジピン酸ジオクチル、アジピン酸−2−ヘキシルデシル、アジピン酸ジイソステアリル、ミリスチン酸イソプロピル、オクタン酸セチル、イソオクタン酸セチル、イソノナン酸イソノニル、イソノナン酸イソデシル、イソノナン酸イソトリデシル、セバシン酸ジイソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸オクチル、ステアリン酸ブチル、ステアリン酸ステアリル、ラウリン酸ヘキシル、ミリスチン酸ミリスチル、オレイン酸オレイル、オレイン酸デシル、ジメチルオクタン酸ヘキシルデシル、ミリスチン酸トリイソデシル、ミリスチン酸イソステアリル、パルミチン酸2−エチルへキシル、リシノール酸オクチルドデシル、脂肪酸(C10−C30)(コレステリル/ラノステリル)、乳酸ラウリル、乳酸セチル、乳酸ミリスチル、乳酸オクチルドデシル、コハク酸ジオクチル、酢酸ラノリン、ステアリン酸イソセチル、イソステアリン酸イソセチル、12−ヒドロキシステアリン酸コレステリル、ジ−2−エチルヘキサン酸エチレングリコール、ジペンタエリスリトール脂肪酸エステル、モノイソステアリン酸N−アルキルグリコール、カプリン酸セチル、トリカプリル酸グリセリル、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、リンゴ酸ジイソステアリル、ラノリン誘導体等を挙げることができる。これらの中でも、少量の添加で極めて良好な効果が得られる観点からは、ラクトン誘導体は好ましい。
ラクトン誘導体としては、例えば5員環を有するγ−ラクトン誘導体、6員環を有するδ−ラクトン誘導体等を挙げることができる。これらのラクトン誘導体は、上記5員環又は6員環を構成する炭素原子の一つに、炭素数9〜22の直鎖又は分岐鎖の飽和又は不飽和炭化水素基が付加(水素と置換)された誘導体であると好ましいが、安定性の観点からは飽和炭化水素基であると更に好ましい。具体的にはノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、エイコシル基、ヘンイコシル基、ドコシル基等を挙げることができる。具体的な物質名を例示すれば、例えば、γ−ドコサラクトン、メドウフォーム−δ−ラクトン、メバロノラクトン、及びグルコノラクトン等を挙げることができる。これらの中でもγ−ドコサラクトン、及びメドウフォーム−δ−ラクトンが好ましい。
成分(E)に該当する各物質は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。成分(E)の配合量は、油中水型毛髪処理剤全体に占める質量比で0.001質量%〜10質量%、好ましくは0.005質量%〜7.5質量%、より好ましくは0.007質量%〜5質量%に調製される。成分(E)の配合量を0.001質量%以上とすることにより、トリートメント効果の持続性が良好になる。成分(E)の配合量を0.005質量%以上とすることにより、トリートメント効果の持続性がより良好になる。成分(E)の配合量を0.007質量%以上とすることにより、トリートメント効果の持続性が更に良好になる。また、成分(E)の配合量を10質量%以下とすることにより、使用感が良好になる。成分(E)の配合量を7.5質量%以下とすることにより、使用感がより良好になる。成分(E)の配合量を5質量%以下とすることにより、使用感がより更に良好になる。
特に、成分(E)は、少なくともラクトン誘導体を含む成分であると好ましい。成分(E)がラクトン誘導体を含む場合には、ラクトン誘導体を含まない場合に比べ、少量の配合でも十分な効果が得られる。成分(E)の配合量を、ラクトン誘導体換算の配合量で示せば、例えば、油中水型毛髪処理剤全体に占める質量比で0.001質量%〜0.04質量%、好ましくは0.005質量%〜0.025質量%に調製されていればよい。
また、本開示の油中水型毛髪処理剤では、成分(C)と成分(B)の含有量比率C/Bについては任意に調節することができるが、良好な安定性を確保する観点からは、含有量比率C/Bが、0.05〜200とされていると好ましく、より好ましくは0.1〜100、更に好ましくは1〜50とされているとよい。含有量比率C/Bを0.05以上とすることにより、油中水型毛髪処理剤の経時的な安定性が良好になる。含有量比率C/Bを0.1以上とすることにより、安定性がより良好になる。含有量比率C/Bを1以上とすることにより、安定性が更に良好になる。また、含有量比率C/Bを200以下とすることにより、油中水型毛髪処理剤の経時的な安定性が良好になる。含有量比率C/Bを100以下とすることにより、安定性がより良好になる。含有量比率C/Bを50以下とすることにより、安定性が更に良好になる。
[他の成分]
本開示の毛髪処理剤組成物には、上述の各成分以外にも、本開示の毛髪処理剤組成物の特性を損なわない範囲内で、他の成分が配合されていてもよい。他の成分としては、例えば、精製水等の水、油性成分、溶剤、界面活性剤、高分子化合物、酸性染料、染毛色材、糖、防腐剤、キレート化剤、安定剤、pH調整剤、植物抽出物、生薬抽出物、ビタミン、香料、酸化防止剤、紫外線吸収剤、及び無機塩等を挙げることができる。なお、これらの他の成分は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
上記油性成分としては、例えば、油脂、ロウ、炭化水素、高級脂肪酸、アルキルグリセリルエーテル、及び上記成分(A)〜(D)以外のシリコーン等が挙げられる。油脂としては、例えば、オリーブ油、ツバキ油、シア脂、アーモンド油、サフラワー油、ヒマワリ油、大豆油、綿実油、ゴマ油、トウモロコシ油、ナタネ油、コメヌカ油、コメ胚芽油、ブドウ種子油、アボカド油、マカダミアナッツ油、ヒマシ油、ヤシ油、及び月見草油等が挙げられる。なお、これらは、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。また、油脂の配合割合は特に限定されないが、毛髪処理剤組成物全体を100質量%とした場合に、0.1質量%〜40質量%であることが好ましく、より好ましくは0.2質量%〜30質量%である。
ロウとしては、例えば、ミツロウ、キャンデリラロウ、カルナウバロウ、ホホバ油、及びラノリン等が挙げられる。なお、これらは、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。炭化水素としては、例えば、パラフィン、オレフィンオリゴマー、ポリイソブテン、水添ポリイソブテン、ミネラルオイル、スクワラン、ポリブテン、ポリエチレン、マイクロクリスタリンワックス、及びワセリン等が挙げられる。なお、これらは、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。また、炭化水素の配合割合は特に限定されないが、毛髪処理剤組成物全体を100質量%とした場合に、0.1質量%〜10質量%であることが好ましく、より好ましくは0.5質量%〜5質量%である。
高級脂肪酸としては、例えば、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘニン酸、イソステアリン酸、12−ヒドロキシステアリン酸、オレイン酸、及びラノリン脂肪酸等が挙げられる。なお、これらは、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。また、高級脂肪酸の配合割合は特に限定されないが、毛髪処理剤組成物全体を100質量%とした場合に、0.1質量%〜10質量%であることが好ましく、より好ましくは0.5質量%〜5質量%である。
アルキルグリセリルエーテルとしては、例えば、バチルアルコール、キミルアルコール、セラキルアルコール、及びイソステアリルグリセリルエーテル等が挙げられる。なお、これらは、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。また、アルキルグリセリルエーテルの配合割合は特に限定されないが、毛髪処理剤組成物全体を100質量%とした場合に、0.1質量%〜10質量%であることが好ましく、より好ましくは0.5質量%〜5質量%である。
上記成分(A)〜(D)以外のシリコーンとしては、低重合シリコーン(例えば、ジメチコン(6SC)等。)や、架橋型シリコーン(例えば、(ジメチコン/ビニルジメチコン)クロスポリマー等。)を挙げることができる。
上記溶剤としては、例えば有機溶媒等が挙げられる。有機溶媒としては、例えば、エタノール、イソプロパノール、ベンジルアルコール、ベンジルオキシエタノール、グリコール、及びグリセリン等が挙げられる。グリコールとしては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、イソプレングリコール、及び1,3−ブチレングリコール等が挙げられる。グリセリンとしては、例えば、グリセリン、ジグリセリン、及びポリグリセリン等が挙げられる。なお、これらの溶剤は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。また、溶剤の配合割合は特に限定されないが、毛髪処理剤組成物全体を100質量%とした場合に、0.1質量%〜30質量%であることが好ましく、より好ましくは0.5質量%〜20質量%である。
上記界面活性剤は、洗浄成分として配合されるほか、各成分を可溶化させる可溶化剤として配合できる。また、組成物の粘度を調整したり粘度安定性を向上させたりするために配合できる。界面活性剤としては、ノニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、両性界面活性剤が挙げられる。ノニオン性界面活性剤としては、例えば、ポリアルキレンアルキルエーテル、アルキレンソルビタン脂肪酸エステル、アルキレンアルキルグリコール脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレン脂肪酸アミド、脂肪族アルカノールアミド、アルキルグルコシド等が挙げられる。
ポリアルキレンアルキルエーテルとしては、例えば、POEセチルエーテル、POEステアリルエーテル、POEベヘニルエーテル、POEオレイルエーテル、POEラウリルエーテル、POEオクチルドデシルエーテル、POEヘキシルデシルエーテル、POEイソステアリルエーテル、POEノニルフェニルエーテル、POEオクチルフェニルエーテル、及びポリオキシプロピレンアルキルエーテル等が挙げられる。
アルキレンソルビタン脂肪酸エステル又はアルキレンアルキルグリコール脂肪酸エステルとしては、例えば、モノオレイン酸POEソルビタン、モノステアリン酸POEソルビタン、モノパルミチン酸POEソルビタン、モノラウリン酸POEソルビタン、トリオレイン酸POEソルビタン、モノステアリン酸POEグリセリン、モノミリスチン酸POEグリセリン、テトラオレイン酸POEソルビット、ヘキサステアリン酸POEソルビット、モノラウリン酸POEソルビット、POEソルビットミツロウ、モノオレイン酸ポリエチレングリコール、モノステアリン酸ポリエチレングリコール、モノラウリン酸ポリエチレングリコール、親油型モノオレイン酸グリセリン、親油型モノステアリン酸グリセリン、自己乳化型モノステアリン酸グリセリン、モノオレイン酸ソルビタン、セスキオレイン酸ソルビタン、トリオレイン酸ソルビタン、モノステアリン酸ソルビタン、モノパルミチン酸ソルビタン、モノラウリン酸ソルビタン、ショ糖脂肪酸エステル、モノラウリン酸デカグリセリル、モノステアリン酸デカグリセリル、モノオレイン酸デカグリセリル、及びモノミリスチン酸デカグリセリル等が挙げられる。
ポリオキシアルキレン脂肪酸アミド又は脂肪族アルカノールアミドとしては、例えば、POEラウリン酸モノエタノールアミド(EO:2モル)、POEラウリン酸モノエタノールアミド(EO:3モル)、POEラウリン酸モノエタノールアミド(EO:5モル)、POEラウリン酸モノエタノールアミド(EO:10モル)、POEラウリン酸モノエタノールアミド(EO:15モル)、POEヤシ油脂肪酸モノエタノールアミド(EO:2モル)、POEヤシ油脂肪酸モノエタノールアミド(EO:5モル)、POEヤシ油脂肪酸モノエタノールアミド(EO:10モル)、及びポリオキシプロピレンミリスチン酸モノエタノールアミド(EO:12モル)等が挙げられる。なかでも、POEラウリン酸モノエタノールアミド(EO:2モル)、POEラウリン酸モノエタノールアミド(EO:3モル)、POEラウリン酸モノエタノールアミド(EO:5モル)、POEラウリン酸モノエタノールアミド(EO:10モル)、POEラウリン酸モノエタノールアミド(EO:15モル)が好ましい。
また、アルキルグルコシドとしては、例えば、アルキル(C8〜C16)グルコシド、POEメチルグルコシド、及びPOEジオレイン酸メチルグルコシド等が挙げられる。なお、これらのノニオン性界面活性剤は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。また、ノニオン性界面活性剤の配合割合は特に限定されないが、毛髪処理剤組成物全体を100質量%とした場合に、0.1質量%〜10質量%であることが好ましく、より好ましくは0.1質量%〜5質量%である。
カチオン性界面活性剤としては、例えば、塩化ラウリルトリメチルアンモニウム、塩化セチルトリメチルアンモニウム、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム(市販名;レボンTM−18;三洋化成工業(株)製)、塩化アルキルトリメチルアンモニウム、塩化ジステアリルジメチルアンモニウム、臭化セチルトリメチルアンモニウム、臭化ステアリルトリメチルアンモニウム、エチル硫酸ラノリン脂肪酸アミノプロピルエチルジメチルアンモニウム、ステアリルトリメチルアンモニウムサッカリン、セチルトリメチルアンモニウムサッカリン、塩化メタクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウム、及びメチル硫酸ベヘニルトリメチルアンモニウム等が挙げられる。なお、これらは、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。また、カチオン性界面活性剤の配合割合は特に限定されないが、毛髪処理剤組成物全体を100質量%とした場合に、0.1質量%〜10質量%であることが好ましく、より好ましくは0.1質量%〜5質量%である。
アニオン性界面活性剤としては、例えば、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸トリエタノールアミン等のアルキル硫酸エステル塩、POEラウリルエーテル硫酸ナトリウム等のアルキルエーテル硫酸エステル塩、ステアロイルメチルタウリンナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸トリエタノールアミン、及びテトラデセンスルホン酸ナトリウム等が挙げられる。また、(C6〜C24)アルキルエーテルカルボン酸、ヒドロキシ(C6〜C24)アルキルエーテルカルボン酸、ポリオキシアルキレン化した(C6〜C24)アルキルエーテルカルボン酸、ポリオキシアルキレン化した(C6〜C24)アルキルアリールエーテルカルボン酸、ポリオキシアルキレン化した(C6〜C24)アルキルアミドエーテルカルボン酸、及び、これらのアルカリ金属塩(例えば、ナトリウム塩、カリウム塩等)、有機アミン塩(例えば、モノエタノールアミン塩、ジエタノールアミン塩、トリエタノールアミン塩、及びモノイソプロパノールアミン塩等)等が挙げられる。更には、POEラウリルエーテルリン酸及びその塩、N−ラウロイルグルタミン酸塩類、及びN−ラウロイルメチル−β−アラニン塩類等が挙げられる。なお、これらは、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。また、アニオン性界面活性剤の配合割合は特に限定されないが、毛髪処理剤組成物全体を100質量%とした場合に、0.1質量%〜10質量%であることが好ましく、より好ましくは0.1質量%〜5質量%である。
両性界面活性剤としては、例えば、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン液、ラウリン酸アミドプロピルベタイン液、ラウロアンホ酢酸ナトリウム、及びココアンホ酢酸ナトリウム等が挙げられる。なお、これらは、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。また、両性界面活性剤の配合割合は特に限定されないが、毛髪処理剤組成物全体を100質量%とした場合に、0.1質量%〜10質量%であることが好ましく、より好ましくは0.1質量%〜5質量%である。
上記高分子化合物としては、ノニオン性高分子、アニオン性高分子、両性高分子が挙げられる。なお、この高分子化合物の重量平均分子量は特に限定されないが、例えば、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)分析による標準ポリスチレン換算で、50,000以上とすることができる。ノニオン性高分子としては、例えば、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、デキストリン、ガラクタン、プルラン、高重合ポリエチレングリコール、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ビニルピロリドン/ビニルアセテート共重合体、ビニルピロリドン/ビニルアセテート/ビニルプロピオネート共重合体(例えば、BASF社製、商品名「ルビスコール」等)、ジメチルヒダントインホルムアルデヒド樹脂、ポリ(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリル酸エステル系共重合体、ポリ(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリル酸アミド系共重合体等が挙げられる。なお、これらは、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。また、ノニオン性高分子の配合割合は特に限定されないが、毛髪処理剤組成物全体を100質量%とした場合に、0.01質量%〜5質量%であることが好ましく、より好ましくは0.05質量%〜3質量%である。
アニオン性高分子としては、例えば、キサンタンガム、カラギーナン、アルギン酸ナトリウム、アラビアガム、ペクチン、及びカルボキシビニルポリマー等が挙げられる。なお、これらは、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。また、アニオン性高分子の配合割合は特に限定されないが、毛髪処理剤組成物全体を100質量%とした場合に、0.01質量%〜5質量%であることが好ましく、より好ましくは0.05質量%〜3質量%である。
両性高分子は、例えば、N−メタクリロイルエチルN,N−ジメチルアンモニウムα−N−メチルカルボキシベタイン・メタクリル酸ブチル共重合体(市販名;ユカフォーマーAM−75;三菱化学(株)製)、アクリル酸ヒドロキシプロピル・メタクリル酸ブチルアミノエチル・アクリル酸オクチルアミド共重合体(市販名;アンフォマー28−4910;ナショナルスターチ社製)、塩化ジメチルジアリルアンモニウム・アクリル酸共重合体(市販名;マーコート280,295;オンデオ・ナルコ社製)、塩化ジメチルジアリルアンモニウム・アクリルアミド・アクリル酸の三元重合体(市販名;マーコートプラス3330,3331;オンデオ・ナルコ社製)、アクリル酸・アクリル酸メチル・塩化メタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウム共重合体(市販名;マーコート2001;オンデオ・ナルコ社製)等が挙げられる。なお、これらは、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。また、両性高分子の配合割合は特に限定されないが、毛髪処理剤組成物全体を100質量%とした場合に、0.01質量%〜5質量%であることが好ましく、より好ましくは0.05質量%〜3質量%である。
上記糖としては、例えば、ソルビトール、マルトース、グリコシルトレハロース、及びN−アセチルグルコサミン等が挙げられる。なお、これらは1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。上記防腐剤としては、例えば、パラベン、メチルパラベン、及び安息香酸ナトリウム等が挙げられる。なお、これらは1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
上記キレート化剤としては、例えば、エデト酸(エチレンジアミン四酢酸(EDTA))及びその塩類、ジエチレントリアミン五酢酸及びその塩類、並びにヒドロキシエタンジホスホン酸(エチドロン酸、HEDP)及びその塩類等が挙げられる。なお、これらは1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。上記安定剤としては、例えば、フェナセチン、8−ヒドロキシキノリン、アセトアニリド、ピロリン酸ナトリウム、バルビツール酸、尿酸、及びタンニン酸等が挙げられる。なお、これらは1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
上記pH調整剤としては、例えば、乳酸、レブリン酸、グリコール酸、酒石酸、リンゴ酸、ピロリドンカルボン酸(PCA)、コハク酸、及びクエン酸等が挙げられる。なお、これらは1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。上記酸化防止剤としては、例えば、アスコルビン酸、及び亜硫酸塩等が挙げられる。なお、これらは1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。上記無機塩としては、例えば、塩化ナトリウム、及び炭酸ナトリウム等が挙げられる。なお、これらは1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
なお、本発明の毛髪処理剤組成物の剤型は特に限定されない。具体的には、例えば、クリーム状、乳液等の適宜な剤型にして用いることができる。また、エアゾール、ノンエアゾール等とすることもできる。また、本開示の毛髪処理剤組成物は、シャンプー、リンス、コンディショナー、トリートメント、カーリング剤、パーマ剤、ストレートパーマ剤などの縮毛矯正剤、脱色剤、酸化染毛剤などの用途に使用できる。特に、本開示の毛髪処理剤組成物は、毛髪への適用後に毛髪をすすがなくても所期の効果を得られるので、「洗い流さないトリートメント」としての用途に好適である。
(2)実験例
次に、いくつかの実施例及び比較例を挙げて、本発明の実施形態を更に具体的に説明する。下記の表1及び表2に示す各成分を含有する洗浄料組成物を調製した。表1及び表2に示した各成分に対応する数値は、いずれも各成分の配合量を示し、その単位は質量%である。表1及び表2の上段に示した配合量は、各成分の有効成分と他の成分との合計量となっている成分が含まれているので、表1及び表2の下段には、各成分の有効成分のみに換算した配合量を併記した。
30cmの毛束サンプル(同一人毛、毛径:60〜100μm)をブリーチ剤(ホーユー株式会社製、レセ パウダーブリーチ EX)で30℃、30分処理した後、水洗し、シャンプーを行い、ドライヤーにて乾かした。そして、処理した毛束サンプルのうち、明度や感触が同等のものを選択し、化学処理毛髪サンプルとした。
化学処理毛髪サンプルに、得られた毛髪処理剤を使用し、以下の方法で「使用感」、「持続性」、及び「安定性」を評価した。評価結果については、表1及び表2の中段に併記した。
[使用感]
使用感(化学処理毛髪サンプルの感触が滑らかで重すぎない仕上がり)は、20名の被験者のうち、使用感が良い(感触が滑らかで重すぎない仕上がり)と評価した被験者の数が、16人以上の場合を「優れる:AA」とし、11〜15人の場合を「良好:A」とし、6〜10人の場合を「やや不良:B」とし、5人以下の場合を「不良:C」として4段階で評価した。
[持続性]
持続性は、直後の使用感が1週間持続しているかを1日毎に20名の被験者にて持続感の効果の確認を行った。なお、毛髪処理剤を塗布した化学処理毛髪サンプルは、通常通りの生活を過ごすことを想定し、1日1回シャンプー、トリートメントを行った。20名の被験者のうち1週間持続していると評価した被験者の数が最も多かった場合を「優れる:AA」とし、5日持続していると評価した被験者の数が最も多かった場合を「良好:A」とし、2日持続していると評価した被験者の数が最も多かった場合を「やや不良:B」とし、1日持続していると評価した被験者の数が最も多かった場合を「不良:C」として4段階で評価した。
[安定性]
得られた毛髪処理剤をガラス瓶に入れ、高温(50℃)1ヶ月後の保存状態を確認した。分離がなく安定性が優れる場合を「A」、1ヶ月で分離する場合を「B」、直後に分離する場合を「C」として3段階で評価した。
表1及び表2に示す各成分のうち、(ジメチコン/PEG−10/15)クロスポリマーは、ジメチコン−6csとの混合物であり(製品名;KSG−210、信越化学工業社製。)、その混合物中に占める(ジメチコン/PEG−10/15)クロスポリマーの含有量は25質量%に調製されている。(ジメチコン/ポリグリセリン−3)クロスポリマーは、ジメチコン−6csとの混合物であり(製品名;KSG−710、信越化学工業社製。)、その混合物中に占める(ジメチコン/ポリグリセリン−3)クロスポリマーの含有量は25質量%に調製されている。
(PEG−15/ラウリルポリジメチルシロキシエチルジメチコン)クロスポリマーは、ジメチコン−6csとの混合物であり(製品名;KSG−360Z、信越化学工業社製。)、その混合物中に占める(PEG−15/ラウリルポリジメチルシロキシエチルジメチコン)クロスポリマーの含有量は35質量%に調製されている。(ジメチコン/ビニルジメチコン)クロスポリマーは、ジメチコンとの混合物であり(製品名;KSG−16、信越化学工業社製。)、その混合物中に占める(ジメチコン/ビニルジメチコン)クロスポリマーの含有量は25質量%に調製されている。
PEG−10ジメチコン(製品名;KF−6017、信越化学工業社製。)、PEG−9メチルエーテルジメチコン (製品名;KF−6016、信越化学工業社製。)、ポリシリコーン−13 (製品名;FZ−2233、東レ・ダウコーニング社製。)、PEG−12ジメチコン (製品名;Silsoft 900、モメンティブ社製。)、ジメチコノール (製品名:PMX−1503 Fluid、高重合:12%、東レ・ダウコーニングシリコーン社製。)、ジメチコン(製品名;MK−15H、高重合:20%、信越化学工業社製。)についても、それぞれ表記した通りの市販品である。
エステル油としては、γ−ドコサラクトンとトリ(カプリル/カプリン酸)グリセリルとの混合物(γ−ドコサラクトン含有量は0.5質量%、製品名;エルカラクトンMCT、日本精化社製。)、トリ(カプリル/カプリン酸)グリセリル(製品名;クロダモルGTCC、クローダジャパン社製。)、イソノナン酸イソノニル(製品名;サラコス99、日清オイリオグループ社製。)を使用した。
表1及び表2に示すように、実施例1〜実施例24は、いずれも「使用感」、「持続性」、及び「安定性」の評価結果が「AA」又は「A」となり、良好な評価結果であった。一方、比較例1は、本開示でいう成分(A)が含まれていないため、「安定性」の評価結果が「C」となった。比較例2は、成分(B)が含まれていないため、「安定性」の評価結果が「B」となった。比較例3は、成分(C)が含まれていないため、「安定性」の評価結果が「B」となった。比較例4は、成分(D)が含まれていないため、「使用感」の評価結果が「C」となり、「持続性」の評価結果が「B」となった。
実施例2,3は、実施例1に対し、成分(A)としての具体的な物質を変更した例である。これら実施例1〜3を見れば明らかなように、実施例1〜3のいずれであっても「使用感」、「持続性」、及び「安定性」の評価結果は良好である。実施例4は、実施例1に対し、成分(B)としての具体的な物質を変更した例である。これら実施例1,4を見れば明らかなように、実施例1,4のいずれであっても「使用感」、「持続性」、及び「安定性」の評価結果は良好である。
実施例5は、実施例1に対し、成分(C)としての具体的な物質を変更した例である。これら実施例1,5を見れば明らかなように、実施例1,5のいずれであっても「使用感」、「持続性」、及び「安定性」の評価結果は良好である。実施例6は、実施例1に対し、成分(D)としての具体的な物質を変更した例である。これら実施例1,6を見れば明らかなように、実施例1,6のいずれであっても「使用感」、「持続性」、及び「安定性」の評価結果は良好である。
実施例7,8は、実施例1に対し、成分(E)としての具体的な物質を変更した例である。これら実施例1,7,8を見れば明らかなように、実施例1,7,8のいずれであっても「使用感」、「持続性」、及び「安定性」の評価結果は良好である。実施例9,10は、実施例1,7に対し、成分(E)の配合量を変更した例である。これら実施例9,10を見れば明らかなように、実施例9,10のいずれであっても「使用感」、「持続性」、及び「安定性」の評価結果は良好である。ただし、実施例9は「使用感」及び「持続性」の評価結果が「AA」であったのに対し、実施例10は「使用感」及び「持続性」の評価結果が「A」であった。このことから成分(E)の配合量が同じであっても、γ−ドコサラクトンが配合されていることで評価がより良好になることがわかる。ただし、実施例10でも、評価が「B」,「C」となる評価項目はなく、総合的な評価としては良好であった。
実施例11は、実施例1に対し、成分(E)を配合しなかった例である。実施例11は、「使用感」及び「持続性」の評価結果が「A」であったが、評価が「B」,「C」となる評価項目はなく、総合的な評価としては良好であった。実施例12,13は、実施例1に対し、成分(A)の配合量を変更した例である。実施例14,15は、実施例1に対し、成分(B)の配合量を変更した例である。実施例16,17は、実施例1に対し、成分(C)の配合量を変更した例である。実施例18,19,20は、実施例1に対し、成分(C)と成分(B)の含有量比率C/Bを変更した例である。実施例21,22は、実施例1に対し、成分(E)の配合量を変更した例である。実施例23,24は、実施例1に対し、成分(D)の配合量を変更した例である。これらの各例においては、「使用感」、「持続性」、及び「安定性」いずれかの評価項目において評価結果が「A」となる場合があるが、評価が「B」,「C」となる評価項目はなく、総合的な評価としては良好であった。
(3)その他の実施形態
以上、洗浄料組成物について、例示的な実施形態を挙げて説明したが、上述の実施形態は本開示の一態様として例示されるものに過ぎない。すなわち、本開示は、上述の例示的な実施形態に限定されるものではなく、本開示の技術的思想を逸脱しない範囲内において、様々な形態で実施することができる。
例えば、上記「(2)実験例」では、成分(A)〜(E)の具体例として特定の物質をいくつか例示したが、上記「(1)油中水型毛髪処理剤の詳細」で言及した通りの物質であれば、他の物質を用いても同様の効果がある。