JP6866179B2 - 可搬型水処理装置とその運転方法 - Google Patents

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Description

本発明は、地震、風水害等の災害により浄水施設などに不具合が発生した場合に、河川やその他水源付近に搬送し、水源から取水した原水を濾過処理して飲み水等となる生活用水を生成する可搬型水処理装置及び運転方法に関するものである。
地震、風水害等により、飲料水等を含む生活用水を供給する浄水施設や水道管に被害が出た場合、短期的には給水車等による応急給水で対応される。しかし、被害の規模によっては、復旧までに数か月、あるいは1年以上の期間を要することもあり、給水車により中長期的に応急給水する対応には、労力的にもコスト的にも限界がある。
このような場合には、緊急用の可搬型水処理装置を使用し、最寄りの河川、湖沼等から原水を取得して浄水処理すると大量の浄水を容易に確保でき、有効な手段となる。このような浄水装置では、膜によって原水中の不純物を濾過、除去して浄水を生成する膜濾過法が使用される。膜の濾過対象物質は、膜の種類によって異なるが、精密濾過膜(以下、MF膜という。)を使用した場合には、水中の微細な粒子や細菌を分離、除去することが可能であり、限外濾過膜(以下、UF膜という。)を使用した場合には、水中の微細な粒子や細菌に加え、高分子物質やウイルスを分離、除去し、安全な生活用水を確保することができる。
このような膜濾過法を使用した可搬型水処理装置として、例えば特許文献1には、逆浸透膜フィルタ、殺菌装置等を小型に形成された筐体内に収納し、軽トラックなどの荷台に搭載して運搬することができ、作業現場まで人力で運ぶ際にも狭い路地にも分け入ることができるとともに、畳1〜2畳のスペースに設置することができる緊急用浄水装置が開示されている。
特許文献2には、浄水器、自動運転ユニット、滅菌装置、MF膜フィルタ等により構成された浄化ユニットを小型の可搬台車に搭載し、人力で容易に搬送することができる緊急用浄化装置が開示されている。
特許文献3には、中空糸膜濾過装置、塩素定量添加装置、紫外線反応槽、逆洗機構等をコンパクトに取りまとめて架台に設置したユニット機器とするとともに、必要な場所に何時でも移動可能なように台車に搭載しておき、車載により運搬可能な造水装置が開示されている。
特許文献4には、原水をMF膜もしくはUF膜等の濾過膜モジュールによりクロスフロー濾過方式で一過式に処理する緊急用浄水装置が開示されている。この緊急浄水装置では、濾過膜表面に平行な流れで常に濾過膜表面を洗浄しながら原水を濾過するため、膜表面に濾過対象物が堆積しにくく、独立した逆洗水タンクを設ける必要がないので、濾過膜モジュールで濾過処理した濾過水を貯留する透過水槽を逆洗水タンクとしても使用するとともに、一過式に原水を処理することにより、濾過膜モジュールで生じた濃縮水を装置内で循環させずに装置外に排出しているため、受水槽及び循環槽を設ける必要がなく、装置を大幅にコンパクト化している。
特開2016−203098号公報 特許第4638712号公報 特開平9−66295号公報 特開平6−206070号公報
しかしながら、特許文献1の緊急浄水装置は、筐体を横幅600〜1700mm、奥行き300〜600mm、高さ400〜600mmの範囲で形成することができるが、その反面、消防ポンプ車、消防タンク車や可搬式の消防ポンプなどの消防設備が有する加圧ポンプを使用して防火水槽、プールの水、河川水、池の水、海水などの原水を供給する必要があるため、中長期間の運用には適していない。また、緊急浄化装置の近傍に消防設備を配置する必要があるため、水源付近の地形によっては緊急浄化装置の近傍に消防設備を配置することができないことがある。
特許文献2に記載の緊急用浄化装置は、小型に構成されているため可搬性に優れるが、MF膜フィルタの逆洗機構を有していないため、MF膜フィルタが寿命に達した段階でフィルタを交換する必要があるので、中長期間の安定した運用には適さず、また中長期的に運用する場合には運用コストが嵩むことになる。
特許文献3に記載の造水装置は、中空糸膜装置で濾過した濾過水を貯留するとともに紫外線ランプで殺菌する紫外線反応槽を備え、この紫外線反応槽とは別に、中空糸膜装置を逆洗する水を貯留する逆洗タンクを備えるとともに、紫外線反応槽で殺菌した濾過水を飲用水として給水する前に再度浄化する浄水器を備えている。このため、装置全体が大型化して可搬性が損なわれるとともに、製造コストが嵩むことになる。
特許文献4に記載の緊急用浄水装置は、クロスフロー濾過方式により原水の濾過を行っているため、濾過流量当たりの原水流量とエネルギー消費が大きくなるので、同量の濾過流量を得るためには、デッドエンド濾過方式を採用した場合よりも装置が大型化するとともに運用コストの上昇を招く。これに加え、一過式に原水を処理することにより、取水した原水の大半を濃縮水として装置外に排出するので、装置外に排出された濃縮水を適宜の場所に排水するための配管器材等を別途設ける必要があり、装置の設置場所に制限を受けるとともに、装置の製造コストを上昇させる要因となる。
また、膜濾過法を使用した水処理装置では、膜汚染物質を除去するため、濾過膜の逆洗洗浄を一定濃度の次亜塩素酸ナトリウム(次亜)を含んだ逆洗水により行う必要があり、従来は、逆洗運転中に逆洗配管ラインに次亜を注入している。大規模な浄水場で使用するような水処理装置であれば、逆洗水量に応じた適量の次亜を逆洗配管ラインに連続注入することが可能な次亜注入用のポンプを選定し、逆洗水の次亜濃度が一定となるように次亜を注入することができるが、可搬型水処理装置のように小規模な水処理装置では、逆洗流量が少ないため、少量の次亜を安定して連続的に注入することができる次亜注入用のポンプが存在しない。このため、汎用ポンプの注入量の下限付近で運転を調整することが必要となり、逆洗水に必要な次亜濃度の調整を安定して行うことが困難となっている。
そこで、本発明は上記問題点を解決するために開発されたものであり、その目的とするところは、小型、軽量に構成され、運搬及び設置場所の選定が容易であるとともに、所定濃度の次亜塩素酸ナトリウムを一様に含む逆洗水により濾過膜の逆洗を効果的に行い、装置単体で中長期的に安定した連続運転が可能であり、飲用に適した安全な水を給水することができる安価な可搬型水処理装置とその運転方法を提供することにある。
上記目的を達成するため、請求項1に係る発明は、可搬型の枠体と、この枠体の内部には、枠体内の上部空間スペースに配設した制御盤と、枠体内の縦方向空間スペースに配設した長尺状の中空糸膜モジュールと、枠体内の上部空間スペースに配設した逆洗タンクとを備え、この逆洗タンクの下部に設けた流出口より逆洗水を流下させ、さらに、中空糸膜モジュールの1次側に取水ラインを、2次側に濾過水ラインを有し、この濾過水ラインには、給水ラインと濾過水ラインから分岐された逆洗水ラインとを接続し、逆洗水ラインは、濾過水を貯留する逆洗タンクに接続し、この逆洗タンクの下部には、逆洗水を流下させる流出ラインを濾過水ラインに接続すると共に、枠体内に次亜タンクと次亜注入ポンプを有する一つの次亜注入設備を設け、次亜タンクに接続した次亜注入ラインを濾過水ラインと逆洗水ラインの接続箇所より上流側の前記濾過水ラインに接続し、次亜タンクから逆洗タンクに供給する逆洗用の濾過水と給水ラインに消毒用の次亜塩素酸ナトリウムを注入するように構成した可搬型水処理装置である。

請求項2に係る発明は、流出口内に水位検知用の電極を挿入し、この電極の投入により空気の吸込みを防止するようにした可搬型水処理装置である。
請求項3に係る発明は、電極には、保護カバーを設け、電極の誤検知を防止するようにした可搬型水処理装置である。
請求項4に係る発明は、保護カバーの上部に段部を設け、上面に水が溜まらないようにした可搬型水処理装置である。
請求項5に係る発明は、中空糸膜モジュールと前記逆洗タンクとの間に次亜注入部を設け、逆洗タンクに充水する濾過水に次亜塩素酸ナトリウムを注入して、逆洗タンク内で濾過水と次亜塩素酸ナトリウムが一様に混合するようにした可搬型水処理装置である。
請求項6に係る発明は、充水工程を逆洗工程の直前に設けるとともに、充水完了後、直ちに逆洗工程に移行することを特徴とする運転方法である。
請求項7に係る発明は、充水工程で逆洗用の次亜塩素酸ナトリウムを注入するようにした運転方法である。
請求項1に記載の発明によると、可搬型の枠体内の上部空間スペースに制御盤を配設したことにより、制御盤の位置が直立した作業者の顔面に略向かい合った位置となるので、制御盤に設けた操作部の操作性と表示部の視認性を向上させることができる。
また、可搬型の枠体内の縦方向空間スペースに長尺状の中空糸膜モジュールを立てた状態で配設することにより、中空糸膜モジュールの垂直方向の設置面積を最少化することが可能となり、もって可搬型の枠体の底面の面積を最少化することができる。
これに加え、可搬型の枠体内の上部空間スペースに逆洗タンクを備えることにより、枠体内のスペースを有効に活用して枠体の小型化を図ることができるようになるとともに、この逆洗タンクの下部に逆洗水を流下させる流出口を設けたことにより、無動力で逆洗タンクから逆洗水を流下させて取り出すことができ、逆洗水を取出すための機構を別途設ける必要がないので、装置の構成を簡単化し、装置を小型化することができる。
濾過水ラインと逆洗水ラインとの間に一つの次亜注入ラインを接続し、この次亜注入ラインから、逆洗タンクに供給する逆洗用の濾過水と、給水ラインに、消毒用の次亜塩素酸ナトリウムを注入する構成としたことで、一つの次亜注入ラインを給水ライン側と逆洗水ライン側とに共用しつつ、給水ラインから安全な飲料水として給水でき、一方、逆洗タンクからの逆洗水を中空糸膜モジュールに通水させるときにフィルタ表面やフィルタ細孔内に付着した汚染物質を除去できる。この場合、中空糸膜モジュールで濾過処理された濾過水が逆洗タンクに充水される前に次亜塩素酸ナトリウムを注入することで、逆洗タンク内に充水される濾過水の流れによって逆洗タンク内で濾過水と注入された次亜塩素酸ナトリウムを撹拌して一様に混合させ、所定濃度の次亜塩素酸ナトリウムを含有する逆洗水を確実に得ることができる。これにより、逆洗水に一様に含まれる残留塩素の酸化力によりフィルタ表面やフィルタ細孔内に付着したフミン質や微生物由来のタンパク質等の有機物を効果的に分解、除去し、フィルタの濾過能力を回復できる。また、逆洗タンクに貯留した次亜塩素酸ナトリウムを含んだ水で逆洗タンク内のカビや藻類の発生を効果的に抑制することもできる。
請求項2に係る発明によると、逆洗タンクの流出口内に水位検知用の電極を挿入しているため、この挿入した電極により逆洗タンクから逆洗水が流出する際に流出口に発生する逆洗水の渦状の回転を妨害して抑制し、逆洗水の回転に伴って生じる逆洗ポンプへの空気の吸込みを防止することができるため、逆洗水槽の底部付近まで貯留した逆洗水を使用することが可能となるので、所要の逆洗水量を確保するために必要な逆洗タンクの容量を小さくすることが可能となり、もって装置の小型化を図ることができる。
請求項3に記載の発明によると、水位検知用の電極には保護カバーを設けているので、逆洗タンクの流出口の管壁と電極との間が絶縁状態となり、逆洗タンクの流出口の管壁の表面を濡らす逆洗水の影響により電極が導通し、逆洗タンク内の逆洗水の水位を誤検知することを防止することができる。
請求項4に記載の発明によると、水位検知用の電極保護カバーの上部に段部を設け、保護カバーの上面に水が溜まらないようにしているので、逆洗タンクの流出口の管壁と電極との間が絶縁状態となり、電極保護カバーの上部には溜まった逆洗水の影響により電極が導通し、逆洗タンク内の逆洗水の水位を誤検知することを防止することができる。
請求項5に記載の発明によると、中空糸膜モジュールと逆洗タンクとの間に次亜注入部を設け、中空糸膜モジュールで濾過処理された濾過水が逆洗タンクに充水される前に次亜塩素酸ナトリウムを注入するため、逆洗タンク内で濾過水と注入された次亜塩素酸ナトリウムが一様に混合されて逆洗水となるので、逆洗水に含まれる次亜の濃度管理を簡単かつ正確に行うことができる。
請求項6に記載の発明によると、逆洗タンクに逆洗用の濾過水を充水する充水工程を逆洗工程の直前に設けるようにするとともに、逆洗タンクへの逆洗用の濾過水の充水完了後、直ちに逆洗工程に移行するようにしているため、逆洗タンク内に逆洗水が貯留されている時間を最短化することができるので、貯留した逆洗水により逆洗タンクが冷却された結果、逆洗タンクの側面や底面に結露が発生することを抑制することができる。
請求項7に記載の発明によると、逆洗タンクに逆洗用の濾過水を充水する充水工程で濾過水に逆洗用の次亜塩素酸ナトリウムを注入するようにしているため、逆洗タンク内で濾過水と次亜塩素酸ナトリウムとが一様に混合された所定濃度の次亜塩素酸ナトリウムを含む逆洗水を逆洗工程のために準備し、逆洗工程において中空糸膜モジュールの逆洗洗浄を効果的に行うことができる。
本発明の可搬型水処理装置の一実施例の模式図である。 (a)は可搬型水処理装置の外観の左側面図である。(b)は可搬型水処理装置の外観の正面図である。(c)は可搬型水処理装置の外観の右側面図である。 (a)は、逆洗タンクの流口内に空気吸込み防止用の吸込み部構造を設けない場合の逆洗水の流出状況を説明する模式図である。(b)は、逆洗タンクの流口内に設けた空気吸込み防止用の吸込み部構造を説明する模式図である。 図3(b)のA部を拡大した図面である。 次亜注入部の細部構造を説明する面図である。 図1の可搬型水処理装置の給水工程を説明する図面である。 図1の可搬型水処理装置の充水工程を説明する図面である。 図1の可搬型水処理装置の逆洗工程を説明する図面である。 図1の可搬型水処理装置のすすぎ洗浄工程を説明する図面である。
本発明における可搬型水処理装置の実施形態の一例を図面に基づいて詳細に説明する。図1は、本実施形態における可搬型水処理装置1の構成を示す模式図であり、図2は、本実施形態における可搬型水処理装置1の外観を示す図面である。
先ず、図1により可搬型水処理装置1の構成について説明する。図1において、可搬型水処理装置1は、1次側に取水ライン2を、2次側に濾過水ライン3を有するMF膜(精密濾過膜)又はUF膜(限外濾過膜)のフィルタを備えた中空糸膜モジュール4と、中空糸膜モジュール4が濾過処理した濾過水を濾過水ライン3に接続した逆洗水ライン5を介して流入させて貯留する逆洗タンク6と、この逆洗タンク6に貯留した濾過水を逆洗ポンプ7を介して中空糸膜モジュール4に逆洗洗浄用の逆洗水として流出させる流出ライン8と、中空糸膜モジュール4が濾過処理した濾過水を直接装置外に給水するため、濾過水ライン3に接続して設けた給水ライン9と、中空糸膜モジュール4が濾過処理した濾過水に消毒用の次亜塩素酸ナトリウム(以下、「次亜」という)を注入する次亜注入設備10と、可搬型水処理装置1の運転を制御するための制御盤(制御部)11と、取水ポンプ12を備えている。また、図1に示すように、取水ポンプ12を除いた各部は、枠体13内に収納されている。
取水ライン2は、取水ポンプ接続口15と中空糸膜モジュール4の1次側を連結する管路であり、取水ポンプ12が取水した原水を中空糸膜モジュール4の1次側に供給する。取水ライン2の取水ポンプ接続口15と中空糸膜モジュール4との間には、プレフィルタ装置16を設けている。このプレフィルタ装置16は、原水が中空糸膜モジュール4に流入するに先立って、原水に含まれるゴミ(土、砂、その他夾雑物)を除去するストレーナであり、本例では、目開き寸法200μmのディスク型ストレーナを使用している。また、プレフィルタ装置16には、図示ない差圧測定装置が装備されており、プレフィルタ装置16の目詰まり異常を検知することができる。
また、取水ライン2のプレフィルタ装置16と中空糸膜モジュール4との間には、制御盤11により開閉が制御される電動バルブ17が設けられ、原水の中空糸膜モジュール4への供給を制御している。
濾過水ライン3は、中空糸膜モジュール4の2次側に取り付けられ、中空糸膜モジュール4が濾過処理した濾過水(浄水)を中空糸膜モジュール4の外部に流出させるための管路である。
中空糸膜モジュール4は、MF膜又はUF膜の中空糸膜フィルタ(濾過膜)を収納しており、デッドエンド方式により原水に含まれる一般細菌、病原菌、懸濁物質(SS)などを濾過除去する。本例では、公称孔径0.1μmで膜面積23m2のMF膜フィルタを使用している。中空糸膜モジュール4には、内部に収納されたMF膜又はUF膜のフィルタを逆洗洗浄及びすすぎ洗浄をする際に、逆洗水等を中空糸膜モジュール4の外部に排水するための逆洗水排水ライン18が設けられており、中空糸膜モジュール4から排水された逆洗水等を可搬型水処理装置1の外部に排水している。また、この逆洗水排水ライン18には、制御盤11により開閉が制御される電動バルブ19が設けられ、逆洗水等の中空糸膜モジュール4からの排水を制御している。
本発明の可搬型水処理装置では、枠体13内の縦方向空間スペースに長尺状の中空糸膜モジュール4を立てた状態で配設することにより、中空糸膜モジュール4の垂直方向の設置面積を最少化する様にしており、これにより枠体13の底面面積を最少化している。このように長尺状の中空糸膜モジュール4を縦方向に枠体13内に収納することにより、膜洗浄方法として中空糸膜モジュール4の下部からエアを送り、中空糸膜モジュール4内の膜表面の懸濁物質を剥離させる洗浄方法を実施することが可能であり、図1には図示していないが、逆洗時に中空糸膜モジュール4に空気を供給してエアスクラビング洗浄するコンプレッサーと空気供給管を設けている。中空糸膜モジュール4に収納されたMF膜又はUF膜のフィルタを効果的に逆洗洗浄するためには、これらのエアスクラビング用の装置を設置することが好ましい。なお、中空糸膜モジュール4にも、図示しない差圧測定装置が装備されており、MF膜又はUF膜のフィルタ目詰まり異常を検知することができる。
逆洗水ライン5は、中空糸膜モジュール4が濾過処理した濾過水を濾過水ライン3から分岐させ、逆洗タンク6に供給するための管路である。逆洗水ライン5には、制御盤11により開閉が制御される電動バルブ21が設けられ、逆洗タンク6への濾過水の供給を制御している。
逆洗タンク6は、逆洗水ライン5を介して供給される濾過水を貯留する容器であり、中空糸膜モジュール4に収納されたMF膜又はUF膜のフィルタを逆洗洗浄する際に、貯留した濾過水を逆洗水として供給する役割を有している。また、逆洗タンクを可搬型水処理装置1の上部位置に配置するようにして枠体13内のスペースを有効に活用するとともに、逆洗タンク16の下部に逆洗水を流下させる流出口22を設けたことにより、無動力で逆洗タンク16から逆洗水を流下させて取り出すことができるため、逆洗水の取出し機構を別途設ける必要がなく、可搬型水処理装置1の構成を簡単化、小型化することができる。本例では、逆洗タンク6はポリエチレン樹脂製であり、容量60Lの角型に成形されている。
この逆洗タンク6の内部には、水位計23が設けられており、この水位計23によって、逆洗タンク6が逆洗水で満水になったこと、また逆洗タンク6が空になったことを検知し、制御盤11に送信している。なお、逆洗タンク6の流出口22内に水位計23の水位検知用の電極を挿入した空気吸込み防止用の吸込み部構造については後述する。
逆洗ポンプ7は、逆洗タンク6内に貯留した逆洗水を中空糸膜モジュール4の2次側に圧送し、中空糸膜モジュール4に収納されたMF膜又はUF膜のフィルタを逆洗洗浄するためのポンプであり、逆洗タンク6の流出口22と濾過水ライン3を連結する流出ライン8に設けられている。逆洗水は、逆洗タンク6から自重で流下しており、前述のように無動力で取り出すことができる。従って、逆洗ポンプ7には逆洗水の揚送分の能力は不要となり、膜モジュール4に収納されたMF膜又はUF膜の逆洗に必要な最小限の能力で足りるので、逆洗ポンプの能力を抑制することができる。本例では、逆洗ポンプ7として、ステンレス製の横軸渦巻ポンプ(0.4kW、32A)を使用している。可搬型水処理装置1で最も電力を消費するのはこの逆洗ポンプ7であるが、本例の逆洗ポンプ7の諸元は前記した通りであるので、電源として家庭用AC100Vコンセントの使用が可能である。
また、流出ライン8の逆洗ポンプ7の2次側には、逆止弁25を設け、濾過水ライン3から濾過水が流入することを防止している。
給水ライン9は、中空糸膜モジュール4で濾過処理した濾過水を装置の外部に給水するため、濾過水ライン3に連接して設けた給水管である。給水ライン9には、制御盤11により開閉が制御される電動バルブ26が設けられ、装置外部への濾過水の給水を制御している。
なお、本例では、上述した取水ライン2、濾過水ライン3、逆洗水ライン5、給水ライン9、逆洗水排水ライン18は、内径25AのHIVP管(耐衝撃性硬質ポリ塩化ビニル管)を使用して構成している。
次亜注入設備10は、制御盤11により制御され、中空糸膜モジュール4で濾過処理した濾過水に消毒用の次亜を注入する装置であり、図示しない次亜タンクと次亜注入ポンプにより構成される。次亜タンク内に貯留された次亜は、次亜注入ポンプにより次亜注入ライン27を介して濾過水ライン3に設けた次亜注入部28から濾過水ライン3内を流れる濾過水に注入される。なお、次亜注入部28は、中空糸膜モジュール4と濾過水ライン3から逆洗水ライン5が分岐する位置との間に設けているので、逆洗タンク6に供給する逆洗用の濾過水にも、給水ライン9から装置の外部に給水する濾過水にも消毒用の次亜を注入することができる。なお、次亜注入部28の細部については、後述する。

本例では、次亜タンクはポリエチレン樹脂製で、容量25Lの角型に成形されている。また、次亜注入ポンプは、ダイヤフラム式定量ポンプ(20W、φ4×9)を使用しており、次亜タンクから次亜注入ライン27に次亜を供給し、濾過水ライン3に設けた次亜注入部28から濾過水ライン3内を流れる濾過水に注入している。
また、本発明においては、上記のように、中空糸膜モジュール4と逆洗タンク6との間に次亜注入部28を設け、中空糸膜モジュール4で濾過処理された濾過水が逆洗タンク6に充水される前に次亜を注入するようにしているため、逆洗タンク6内で濾過水と注入された次亜を一様に混合させ、所定濃度の次亜を含有する逆洗水を確実に得ることができる。
このように、逆洗タンク内で濾過水と注入された次亜を一様に混合させるようにした理由を以下に詳述する。
本発明の可搬型水処理装置1のような小規模な水処理装置では、逆洗水の流量は、最大でも52.5L/min程度であり、また、必要とされる逆洗水の次亜濃度は、1mg/L程度である。通常使用される有効塩素濃度12%の次亜を注入し、最大流量52.5L/min程度の逆洗水の次亜濃度を1mg/L程度とするためには、約0.5ml/minの流量で次亜を注入する必要があるが、このような微量を連続して注入することができるポンプは存在しない。そのため、従来は、汎用のポンプの最小注入量の下限付近でポンプを間欠的に作動させ、例えば、一回当たり0.1ml程度の注入を1分間に5回行うというように対応していた。しかしながら、このような方法によって次亜を注入した場合、中空糸膜モジュールに供給される逆洗水の次亜濃度にはバラツキが生じ、効果的にフィルタの逆洗洗浄を行うことができない。
これに対し、本発明の可搬型水処理装置では、中空糸膜モジュール4と逆洗タンク6との間に次亜注入部28を設け、中空糸膜モジュール4で濾過処理された濾過水が逆洗タンク6に充水される前に次亜を注入することにより、逆洗タンク6内に充水される濾過水の流れによって逆洗タンク6内で濾過水と注入された次亜を撹拌し、一様に混合するようにしているため、逆洗タンク6内に濾過水を充水している間に、逆洗タンク6の容量に対応する分量の次亜を次亜注入設備10から注入するだけで、特段にポンプの作動状況を操作することなく、逆洗タンク6が満水となった時点で、逆洗タンク6内には一様な次亜濃度の逆洗水が貯留されることになる。例えば、容量60Lの逆洗タンク6内で次亜濃度1mg/Lの逆洗水を生成するためには、有効塩素濃度12%の次亜であれば、0.6ml程度注入すれば足りる。
すなわち、次亜注入設備10から濾過水に注入する次亜の分量は、逆洗タンク6の容量に対応して所定の次亜濃度の逆洗水を得ることができる量であれば良いので、次亜注入ポンプの運転は、次亜注入ポンプが連続注入可能な流量で所定の次亜供給量に達する時間だけ運転すれば良く、逆洗水に含まれる次亜の濃度管理を簡単かつ正確に行うことができる。
制御盤11は、可搬型水処理装置1を自動運転する装置であり、PLC(Programmable Logic Controller)を使用したシーケンス制御により、予め設定した時間間隔毎に中空糸膜モジュール4の逆洗洗浄とすすぎ洗浄を行い、装置の濾過処理能力を回復させている。可搬型水処理装置1では、デッドエンド濾過方式(全量濾過)により濾過処理を行っているため、中空糸膜モジュール4に収納された膜表面に濾過対象物質が堆積するので、定期的に中空糸膜モジュール4の逆洗洗浄とすすぎ洗浄を行って、堆積した濾過対象物質を除去し、濾過能力を回復させることが不可欠となるためである。
これに加え、制御盤11は、逆洗タンク6の内部に設置した水位計23からの信号に基づき、取水ポンプ12の作動、濾過水(逆洗水)の逆洗タンク6への貯留、逆洗ポンプ7の作動、次亜注入設備10の次亜注入ポンプの作動を制御しており、これらの制御に伴って電動バルブ17、19、21、26の開閉操作を行っている。
また、制御盤11は、図2に示すように、枠体13の上部位置で逆洗タンク6の正面側に配置され、その正面に操作・表示部30を設けているので、長尺状の中空糸膜モジュール4を縦方向に収納するように枠体13を縦型に構成したことと併せ、制御盤11の位置が、直立した作業者の顔面に略向かい合った位置となるので、制御盤に設けた操作・表示部30の操作及び確認を容易に行うことができる
取水ポンプ12は、取水源31から原水32を取水して装置内の中空糸膜モジュール4に供給する長尺状のポンプであり、図1に示すように、取水源31の原水32中に完全に水没させた状態で使用する。取水ポンプ12と取水ポンプ接続口15との間は、取水ホース33により連結されている。
枠体13は、中空糸膜モジュール4、逆洗タンク6、逆洗ポンプ7、次亜注入設備10、制御盤11、プレフィルタ装置16及びこれらを連結するライン等を内包して可搬とする部材である。本例では、枠体13はステンレス鋼(SUS)の型材を組み合わせて製作されており、枠体13の内部に各部を組み込んだ状態の外観は図2に示すとおりとなる。なお、枠体13の底部には搬送手段としてキャスター34を設けている。
以上のように構成された可搬型水処理装置1は、取水ポンプ12と取水ホース33を除き、幅約650mm、奥行き約800mm、高さ約1750mmの縦型の枠体13に収納されて小型に構成されるとともに、運搬時の質量が約185kgと軽量であるため、建屋に一般的に使用される幅700mmの片扉から人力による搬入が可能であるだけでなく、狭小スペースでも移動や収納を容易であり、また、限られたスペースでも複数台を設置することができる。
次に、逆洗タンク6の流出口22に設けた空気吸込み防止用の吸込み部構造、次亜注入設備10の次亜注入部28の細部構造を詳細に説明する。
先ずは、逆洗タンク6の流出口22に設けた空気吸込み防止用の吸込み部構造について説明する。図3(a)は、逆洗タンク6の流出口22に空気吸込み防止用の吸込み部構造を設けない場合に、逆洗タンク6から逆洗水36が流出している状況を模式的に示す図である。中空糸膜モジュール4を逆洗洗浄するため、逆洗タンク6内に貯留されている逆洗水36を流出口22から流下させると、流出口22内で逆洗水36に回転流37が生じる。これに伴って、逆洗タンク6内の逆洗水36にも回転が生じるため、逆洗水36の水面38は漏斗状に窪み、逆洗水36の流下が進んで水面38が逆洗タンク6内で降下すると、遂には、矢印39で示すように流出口22への空気の吸込みが発生する。空気が逆洗ポンプ7吸い込まれると、逆洗ポンプ7の故障の原因となるため、逆洗タンク6に空気吸込み防止用の吸込み部構造を設けない場合には、流出口22への空気の吸込みが発生しない段階で逆洗水の流下を停止する必要があり、その結果、所要の逆洗水量を確保するために逆洗タンク6を大型化する必要がある。
このため、本発明においては、逆洗タンク6に貯留した逆洗水36を流下させて取り出す際に、逆洗タンク6の流出口22内で逆洗水に発生する回転流を抑制し、逆洗タンク6の底部40まで逆洗水の取出しを可能とするため、流出口22に空気吸込み防止用の吸込み部構造を設け、所要の逆洗水量を確保しつつ、逆洗タンク6の小型化を図っている。
可搬型水処理装置1の構成を模式的に示した図1においては、逆洗タンク6内に水位計23を1個だけ図示したが、実際には、逆洗タンク6には上部と底部にそれぞれ独立した水位計(図示せず)が2組設けられており、これら2組の水位計が逆洗タンク6内の満水状態と空状態を検知し、制御盤11に信号を送信している。
これらの水位計は、長さの異なる水位検知用の金属電極4本と、コモン用の金属電極1本の計5本の金属電極を備えており、水位検知用とコモン用の電極が2本とも逆洗水に接した状態になると、水位検知用とコモン用の電極間を電流が導通する構造になっている。このため、逆洗タンク6の上部に配した水位計が導通した場合には逆洗タンク6が満水状態になったと判断し、逆洗水ライン5を介しての逆洗水の供給を停止し、逆洗タンク6の底部40に配した水位計の導通が切れた場合には逆洗タンク6が空状態になったと判断し、逆洗ポンプ7の作動を停止する。
本発明においては、図3(b)に示すように、逆洗タンク6の底部40側に配置する水位計の金属電極43、44を流出口22内に挿入し、空気吸込み防止用の吸込み部構造としている。このように流出口22内に電極43、44を挿入することにより、逆洗水の流下速度を抑制することが可能となるとともに、電極43、44が整流板としての効果も果たすため、流出口22における回転流の発生を抑制し、逆洗ポンプ7への空気の吸込みを防止することができる。この結果、逆洗タンク6に貯留した逆洗水を逆洗タンク6の底部40に達するまで取り出すことが可能となるので、所要の逆洗水量を確保しつつ、逆洗タンク6を小型化することが可能となり、可搬型水処理装置1の小型化に寄与している。
また、図3(b)のA部を拡大した図4に示すように、短い方の電極43の先端部には合成樹脂等の絶縁材料で製作された保護カバー45を取り付け、電極43が直接に流出口22の管壁46に接触することにより発生する可能性がある検出誤差を防止している。逆洗タンク6の底部40側に配置した水位計では、短い方の電極43が逆洗水36の水面38から露出すると電極43、44間が導通しなくなるので、この信号を送信された制御盤11が、逆洗タンク6内に貯留した逆洗水36の水位が下限界に達したと判断する。ところが、電極43と管壁46とが直接接触し得る状態にあると、管壁46の表面を濡らす水(逆洗水)の影響により電極43と電極44を導通させる可能性があるため、この可能性を排除するため、電極43の先端部に保護カバー45を取付け、電極43が流出口22の管壁46に直接接触することを防止している。
これに加え、製作上、保護カバー45の上面部45aに平坦面が形成されるため、この面上に水が溜まることを防止するため、保護カバー45の上部に段部47を形成している。具体的には、保護カバー45の上面部45aから流れ落ちてくる水を確実に排除することができる高さ(本例では、5mm以上)の垂直部を有する首部45bを形成し、さらに、首部45bに続き形成する胴部45cの径を首部45bの径よりも大きくして段部47を形成している。この段部47を設けたことにより、電極43が直接に流出口22に管壁46に接触することにより発生する誤検出、及び管壁46の表面を濡らす水と電極43に付着した水が接触することによる誤検出の発生を防止している。
以上のように構成した結果、図4に示すように、逆洗タンク6に貯留した逆洗水36の水面38が、電極43の先端部に取付けた保護カバー45の上面部45aの高さよりも低下した段階で、確実に逆洗タンク6内に貯留した逆洗水36の水位が下限界に達したと判断することができる。このため、所要の逆洗水量を確保して、逆洗タンク6を小型化することができる。
続いて、次亜注入部28の細部構造について説明する。図5に示すように、次亜注入部28は、濾過水ライン3の途中にT字管50を設け、T字管50の内周面51から次亜注入用のパイプ52を配管内に突出させて形成している。パイプ52は、次亜注入設備10から次亜を供給される次亜注入ライン27の先端に薬品注入継手53を使用して取り付けられている。また、パイプ52とT字管50とは、ユニオン継手54により着脱自在に接続されている。
パイプ52の先端部52aは、T字管50の内周面51から突出しているため、パイプ52の先端部52aから配管内を流れる水(濾過水)に直接次亜を注入することができるので、注入された次亜は、直ちに配管内の水の流れにより撹拌され、一様に水と混合する。その一方で、過度にパイプ52の先端部52aをT字管50の内周面51から突出させると流体抵抗となるため、パイプ52の突出量には留意する必要がある。
また、ユニオン継手54のねじ部を緩めることにより、パイプ52を簡単にT字管50から取り外すことができるので、パイプ52に異物や塩素凝固による詰まりが発生しているか否かについて目視による点検を容易に行うことができるとともに、パイプ52の先端部52aに詰まりが発生している場合には、直ちに清掃して詰まりを解消し、確実に次亜が注入された安全な飲料水を供給することができる。これに加え、パイプ52をT字管50から取り外した状態で可搬型水処理装置1を運転することにより、次亜注入設備10から確実に次亜が注入されていることを実際に目視確認することができる。
本例では、パイプ52を合成樹脂管で製作しており、塩素が凝固した詰まりの取り除きが困難となった場合には、先端部を容易に清掃又は切断して再利用できるようになっている。
続いて、本発明における可搬型水処理装置の運転方法を説明する。可搬型水処理装置の運転における工程には、給水工程、充水工程、逆洗工程、すすぎ洗浄工程の各工程があるが、逆洗工程の直前に充水工程を設けたことに本発明における運転方法の特徴がある。以下、図面により各工程を説明するが、図中、実線で示す管路は原水や濾過水等が流れていることを示し、破線で示す管路は原水や濾過水等が流れていないことを示す。また、白色で表現された電動バルブは開状態であることを示し、黒色で表現された電動バルブは閉状態であることを示す。
図6は、可搬型水処理装置1の運転における給水工程を示している。本工程は、取水した原水を濾過処理して浄化し、安全な飲料水として装置外に給水する工程である。取水ポンプ12が取水源31から取水した原水は、取水ライン2を介してプレフィルタ装置16を通過し、原水に含まれるゴミが除去された後、膜モジュール4に供給される。なお、この給水工程においては、給水ライン9に設けた電動バルブ26を開状態とし、逆洗ライン5に設けた電動バルブ21、及び逆洗水排水ライン18に設けた電動バルブ19を閉状態とする。
中空糸膜モジュール4で濾過処理され、原水に含まれる一般細菌、病原菌、懸濁物質(SS)などが除去された濾過水は、濾過水ライン3を通過する間に、次亜注入設備10から次亜注入部28を介して次亜が注入され、安全な飲料水として給水ライン9から装置の外部に給水される。
可搬型水処理装置1では、中空糸濾過モジュール4においてデッドエンド濾過方式により原水の濾過処理を行っているため、一定の時間間隔で中空糸膜モジュール4内に収納されたMF膜又はUF膜のフィルタを逆洗洗浄する必要があり、この逆洗洗浄の実施は制御盤11により制御されている。本実施例では、装置の運転30分毎に1回逆洗洗浄とすすぎ洗浄を行うように制御盤11で制御されている。従って、所定の運転時間が経過すると、逆洗洗浄を行う準備として、逆洗タンク6に中空糸濾過モジュール4で濾過処理した濾過水を逆洗水として貯留する充水工程に移行する。
充水工程では、図7に示すように、逆洗水ライン5に設けた電動バルブ21を開状態とするとともに、給水ライン9に設けた電動バルブ26、及び逆洗水排水ライン18に設けた電動バルブ19を閉状態とする。この結果、中空糸膜モジュール4で濾過処理された後に次亜注入部28で逆洗用の次亜が注入された濾過水は、濾過水ライン3への逆流を逆洗ポンプ7の流出側に設けた逆止弁25が遮断するので、逆洗ライン5を介して逆洗タンク6に充水される。本例では、容量60Lの逆洗タンク6に逆洗水を貯留するのに要する時間は2〜3分程度である。
なお、逆洗タンク6に充水される濾過水の流れによって逆洗タンク6内で濾過水と注入された次亜を撹拌し、一様に混合する効果を十分に発揮させるためには、充水工程の初期段階の方が、逆洗タンク6に充水される濾過水による撹拌効果が大きく、濾過水と次亜が一様に混合し易いため、次亜注入設備10から濾過水への逆洗用の次亜の注入は、充水工程の初期段階に行うことが好ましい。
逆洗工程の直前に充水工程を設ける理由は、逆洗水が逆洗タンク6に貯留する時間を最短化するためである。可搬型水処理装置1で原水を濾過処理する場合、給水工程の初期に逆洗水を逆洗タンクに貯留して逆洗洗浄に備えるようすると、逆洗工程が開始されるまで逆洗水は逆洗タンク内に貯留され、この間、逆洗タンクが逆洗水により冷却される結果、逆洗タンクの側面や底面に結露が発生することがある。
逆洗タンクの側面や底面に発生した結露は、滴下して逆洗タンク下の機器の故障や腐食の原因になるとともに床面を汚すおそれがあるため、逆洗タンクの側面や底面への結露の発生を防止する必要がある。このような結露の発生を防止する従来技術としては、滴下する結露水を回収する皿の設置、逆洗タンクの周囲への断熱材の施工、除湿器やヒーターの設置があるが、何れも装置価格の上昇や大型化を招く等の原因となるものである。
本発明における運転方法では、逆洗工程の直前に充水工程を設けるとともに、充水完了後、直ちに逆洗工程に移行することにより、逆洗タンク6内に逆洗水を貯留する時間を最短化して逆洗タンク6の側面や底面への結露の発生を抑制している。
可搬型水処理装置1で原水を濾過処理する場合、給水工程の初期に逆洗水を逆洗タンク6に貯留するようにすると、給水工程が終了するまでには約26〜27分間を要し、この間、逆洗水は逆洗タンク6内に貯留される。一方、本発明の運転方法では、逆洗工程の直前に充水工程を設けており、逆洗タンク6に逆洗水を充水するのに要する時間は2〜3分程度であって、充水完了後直ちに逆洗工程に移行するので、逆洗タンク6内に逆洗水が貯留されている時間は前者の1/9程度で済み、逆洗水による逆洗タンク6の冷却が短時間となる結果、逆洗タンクの側面や底面への結露の発生を抑制することができる。
本発明における運転方法では、単に、逆洗工程の直前に充水工程を設けるとともに、充水完了後、直ちに逆洗工程に移行するだけで、効果的に逆洗タンクの側面や底面への結露の発生を抑制することができ、装置価格の上昇や装置の大型化を招くことがないので、本発明における運転方法により可搬型水処理装置1を運転することが好ましい。
逆洗タンク6が満水となったことを逆洗タンク6に設けた水位計32が検知すると充水工程は終了し、直ちに、中空糸膜モジュール4に収納されたMF膜又はUF膜の二次側から一次側に逆洗水を通水させ、フィルタ表面やフィルタ細孔内に付着した汚染物質を除去する逆洗工程へと移行する。
逆洗工程では、取水ポンプ12の運転が停止されるとともに、図8に示すように、取水ライン2に設けた電動バルブ17、逆洗水ライン5に設けた電動バルブ21、並び給水ライン18に設けた電動バルブ39を閉状態とする。また、次亜注入設備10の作動を停止させた後、逆洗水排水ライン18に設けた電動バルブ19を開状態とするとともに、逆洗ポンプ7を作動させる。
これにより、逆洗タンク6に貯留された逆洗水は、流出口22から流下して流出ライン8に流入した後、逆洗ポンプ7で加圧されて逆止弁25を通過した後、濾過水ライン3を介して中空糸膜モジュール4内に2次側から供給され、収納されたMF膜又はUF膜のフィルタを逆洗洗浄した後、逆洗水排水ライン18を介して装置の外部に排水される。
なお、この逆洗工程では、前述したように、図示しないコンプレッサーと空気供給管から中空糸膜モジュール4の下部に空気を供給し、エアスクラビング洗浄を行っている。
前述したように、充水工程において逆洗タンク6に貯留する濾過水に次亜を注入し、一様な次亜濃度となるようにしているため、逆洗工程で使用する逆洗水には所定濃度の次亜が一様に含まれており、単に清浄水を用いて逆洗洗浄した場合や、次亜の濃度にバラツキがある逆洗水を用いて逆洗洗浄した場合とは異なり、逆洗水に一様に含まれる残留塩素の酸化力によりフィルタ表面やフィルタ細孔内に付着したフミン質や微生物由来のタンパク質等の有機物を効果的に分解、除去し、フィルタの濾過能力を回復させることができる。また、逆洗タンク6に次亜を含んだ水を貯留することにより、逆洗タンク6内のカビ、藻類の発生を効果的に抑制することができる。
この逆洗工程の継続時間は制御盤11により制御され、制御盤11に設定した時間(例えば、約1分間)だけ中空糸膜モジュール4に収納されたMF膜又はUF膜のフィルタを逆洗洗浄した後に終了し、逆洗洗浄してもフィルタ表面に残っている目詰まり物質を洗い流して除去するすすぎ洗浄工程に移行する。
すすぎ洗浄工程では、図9に示すように、逆洗ポンプ7の運転を停止させるとともに次亜注入設備10の運転の停止を維持し、取水ライン2に設けた電動バルブ17、及び逆洗水排水ライン18に設けた電動バルブ19を開状態とし、給水ライン9に設けた電動バルブ26を閉状態とした後、取水ポンプ12を作動させる。
取水ポンプ12が取水源31から取水した原水は、取水ライン2を介してプレフィルタ装置16を通過後、中空糸膜モジュール4内に1次側から供給にされるが、給水ライン9に設けた電動バルブ26は閉状態であり、また流出ライン8には逆止弁25を設けてあるため、中空糸膜モジュール4内に供給にされた原水は中空糸膜モジュール4に収納されたフィルタを通過することができず、フィルタ表面を流れた後、逆洗水排水ライン18を介して装置の外部に排水される。
このフィルタ表面を流れる原水により、フィルタ表面から剥離したものの脱離しきれずに浮遊状態にある目詰まり物質がフィルタ表面から洗い流されるため、逆洗工程と併せて本すすぎ洗浄工程を行うことにより、フィルタ表面に堆積したり、フィルタ細孔内に付着したりする濾過対象物質の殆んど除去して中空糸膜モジュール4外に排出し、フィルタの目詰まりを解消することができる。
このすすぎ洗浄工程の継続時間は制御盤11により制御され、制御盤11に設定した時間(例えば、約30秒間)だけ中空糸膜モジュール4内をすすいだ後に終了し、給水工程を再開する。
給水工程の再開にあたっては、先ず取水ポンプ12を停止させた後、次いで取水ライン2に設けた電動バルブ17、及び給水ライン9に設けた電動バルブ26を開状態とするとともに、逆洗水排水ライン18に設けた電動バルブ19を閉状態とし、その後、取水ポンプ12を作動させて原水の取水を開始し、次亜注入設備10を作動させる。
以上説明したように、可搬型水処理装置1は、制御盤11に設定したシーケンスに従って給水工程、逆洗水貯留工程、逆洗工程、すすぎ洗浄工程を自動的に繰り返し、定期的に中空糸膜モジュール4に収納されたMF膜又はUF膜のフィルタの逆洗洗浄及びすすぎ洗浄を実施して濾過能力を回復させるので、中長期的に安定して安全な生活用水を給水することができるとともに、運用コストを抑制することができる。
また、枠体内の縦方向空間スペースに長尺状の中空糸膜モジュール4を立てた状態で配設することによる枠体の底面面積の最小化、逆洗タンク6を枠体内の上部空間スペースに配設したことによる枠体内空間の有効利用、逆洗タンク6の流出口22に空気吸込み防止用の吸込み部構造を設けることによる逆洗水タンク6の小型化等により、可搬型水処理装置1の小型、軽量化を図り、建屋に一般的に使用される幅700mmの片扉から人力による搬入を可能にしている。
さらには、可搬型水処理装置1で最も電力を消費する逆洗ポンプ7として家庭用AC100Vコンセントが使用可能であるポンプを採用し、装置の運転にあたっては同様に電力消費量の多い取水ポンプと同時に使用することがないように制御しているので、家庭用のAC100Vのコンセントが設けられていれば使用することができる。
これに加え、本発明における可搬型水処理装置の運転方法で可搬型水処理装置1を運転すると、逆洗タンクの側面や底面への結露発生を抑制することが可能となる。
従って、本発明における可搬型水処理装置は、災害発生時の緊急浄水拠点として使用することができるだけでなく、いわゆる限界集落の水道設備が老朽化した場合の代替手段として既設の建屋内に設置し、特段の追加工事を実施することなく、中長期的に安定して給水を行うことができる。
1 可搬型水処理装置
2 取水ライン
3 濾過水ライン
4 中空糸膜モジュール
5 逆洗水ライン
6 逆洗タンク
7 逆洗ポンプ
8 流出ライン
9 給水ライン
10 次亜注入設備
11 制御盤
12 取水ポンプ
13 枠体
22 流出口
28 次亜注入部
43 電極(短い方)
44 電極(長い方)
45 保護カバー
47 段部

Claims (7)

  1. 可搬型の枠体と、この枠体の内部には、枠体内の上部空間スペースに配設した制御盤と、前記枠体内の縦方向空間スペースに配設した長尺状の中空糸膜モジュールと、前記枠体内の上部空間スペースに配設した逆洗タンクとを備え、この逆洗タンクの下部に設けた流出口より逆洗水を流下させ、さらに、前記中空糸膜モジュールの1次側に取水ラインを、2次側に濾過水ラインを有し、この濾過水ラインには、給水ラインと前記濾過水ラインから分岐された逆洗水ラインとを接続し、前記逆洗水ラインは、濾過水を貯留する前記逆洗タンクに接続し、この逆洗タンクの下部には、逆洗水を流下させる流出ラインを前記濾過水ラインに接続すると共に、前記枠体内に次亜タンクと次亜注入ポンプを有する一つの次亜注入設備を設け、前記次亜タンクに接続した次亜注入ラインを前記濾過水ラインと前記逆洗水ラインの接続箇所より上流側の前記濾過水ラインに接続し、前記次亜タンクから前記逆洗タンクに供給する逆洗用の濾過水と前記給水ラインに消毒用の次亜塩素酸ナトリウムを注入するように構成したことを特徴とする可搬型水処理装置。
  2. 前記流出口内に水位検知用の電極を挿入し、この電極の投入により空気の吸込みを防止するようにした請求項1に記載の可搬型水処理装置。
  3. 前記電極には、保護カバーを設け、電極の誤検知を防止するようにした請求項2に記載の可搬型水処理装置。
  4. 前記保護カバーの上部に段部を設け、上面に水が溜まらないようにした請求項3に記載の可搬型水処理装置。
  5. 前記中空糸膜モジュールと前記逆洗タンクとの間に次亜注入部を設け、前記逆洗タンクに充水する濾過水に次亜塩素酸ナトリウムを注入して、前記逆洗タンク内で濾過水と次亜塩素酸ナトリウムが一様に混合するようにした請求項1乃至4の何れか1項に記載の可搬型水処理装置。
  6. 請求項1に記載の可搬型水処理装置において、充水工程を逆洗工程の直前に設けるとともに、充水完了後、直ちに逆洗工程に移行することを特徴とする運転方法。
  7. 請求項5に記載の可搬型水処理装置において、充水工程で逆洗用の次亜塩素酸ナトリウムを注入するようにしたことを特徴とする運転方法。
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