JP6859874B2 - 活性エネルギー線硬化性樹脂組成物及び積層体 - Google Patents

活性エネルギー線硬化性樹脂組成物及び積層体 Download PDF

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Description

本発明は、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物及び積層体に関する。
熱可塑性樹脂であるポリカーボネート樹脂、ポリアクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリスチレン樹脂等は透明性が高く、更に軽量で優れた耐衝撃性を有することから、ガラス代替基材として、例えば、ヘッドランプ用カバー、グレージング等の自動車用プラスチック材料、サンルーフ、建築材料等の用途に利用されている。このような用途では、ガラス並みの耐侯性に加えて、自動車のフロントガラスにワイパーをかける、又はサイドガラスを昇降させる際に傷が付かない、いわゆる耐磨耗性が要求されているが、前記基材では充分でないことが知られている。
これらの欠点を解決するために、例えば、特定数のアクリロイル基を有するウレタンアクリレート、アセトフェノン系光重合開始剤、ホスフィンオキサイド系光重合開始剤、紫外線吸収剤及び光安定剤をそれぞれ特定量含有する紫外線硬化性塗料組成物と、当該組成物を基材に塗装した塗装物品(特許文献1)が公知である。当該塗料組成物の成分には、ナノシリカを分散させたナノコンポジット型ウレタンアクリレートが用いられているが、塗装物品とした際に、耐磨耗性が不充分であった。また、エポキシ基を含有するラジカル重合性ビニル単量体を必須成分とした共重合体に、カルボキシル基を有する単量体を反応させた反応物に、特定のビニル化合物とシリカ微粒子を含有した活性エネルギー線硬化型樹脂組成物(特許文献2)も公知である。しかしながら、当該樹脂組成物の耐侯性が充分でなく、また耐磨耗性を持たせるために、シリカ微粒子を樹脂組成物中に配合させているが、シリカ微粒子は親水性が高く、耐アルカリ性を低下させるものであった。
特開2015−067776号公報 特開2009−242647号公報
本発明は、耐アルカリ性及び耐侯性に優れた硬化被膜を形成する活性エネルギー線硬化型樹脂組成物を提供することを目的とする。
本発明者は、前記課題の要因がシリカ微粒子の親水性にあることに着目し、鋭意検討したところ、重合体中にシリカの親水性官能基と相互作用するピペリジニル基を組み込み、更に不飽和二重結合を導入し、シリカ微粒子の極性基を保護しつつ、更に光重合時に重合体を介して他の化合物との結合力を向上させることで得られた活性エネルギー線硬化型樹脂組成物が耐アルカリ性及び耐侯性に優れることを見出し、本発明を完成させるに至った。すなわち、本発明は以下の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物及び積層体に関する。
1.一分子中に不飽和二重結合及びピペリジニル基を有する重合体(A)10〜60重量%、
分子中に不飽和二重結合を2つ有する化合物(B)10〜60重量%、
及び
平均一次粒子径が20〜80nmである金属酸化物微粒子(D)20〜60重量%
を含有する活性エネルギー線硬化性樹脂組成物。
2.(A)成分が、
エポキシ基、水酸基及びイソシアネート基からなる群より選ばれる少なくとも1種の官能基を有する単量体(a1)、並びにピペリジニル基を有する単量体(a2)を含む単量体成分の重合体(A1)と、
(A1)成分が有する官能基と反応し得る、官能基を有する単量体(a4)との反応生成物である、前項1の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物。
3.(A1)成分をなす単量体成分に、更に(a1)成分又は(a2)成分と共重合しうる単量体(a3)が含まれる、前項2の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物。
4.(a2)成分が、一般式(1)で表される前項1〜3のいずれかの活性エネルギー線硬化性樹脂組成物。
Figure 0006859874
(R、Rは独立して、水素原子又は炭素数1〜20のアルキル基を示す。)
5.(A)成分の二重結合当量が、250〜2000eq/gであり、かつアミン当量が400〜3000eq/gである、前項1〜4のいずれかの活性エネルギー線硬化性樹脂組成物。
6.更に、分子中に不飽和二重結合を3つ以上有する化合物(C)を含有する前項1〜5のいずれかの活性エネルギー線硬化性樹脂組成物。
7.(D)成分が、シリカ、ジルコニア及びアルミナからなる群より選ばれる1種以上である、前項1〜6のいずれかの活性エネルギー線硬化性樹脂組成物。
8.前項1〜7のいずれかの活性エネルギー線硬化性樹脂組成物の硬化被膜を基材の表面に有する積層体。
9.基材が、ポリカーボネート樹脂、ポリアクリル樹脂及びポリエチレンテレフタレートからなる群より選ばれる少なくとも1種である前項8の積層体。
本発明によれば、耐アルカリ性及び耐侯性に優れた硬化被膜を形成する活性エネルギー線硬化性樹脂組成物が得られる。また前記樹脂組成物は、各種プラスチックフィルムや成形体に適用可能であるが、特にハードコート用コーティング剤として好適であり、ヘッドランプ用カバー、樹脂グレージング等の自動車用プラスチック材料、サンルーフ、建築材料、透明エクステリア部材等の用途に有用である。
本発明の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物は、一分子中に不飽和二重結合及びピペリジニル基を有する重合体(A)(以下、(A)成分という)10〜60重量%、分子中に不飽和二重結合を2つ有する化合物(B)(以下、(B)成分という)10〜60重量%、及び平均一次粒子径が20〜80nmである金属酸化物微粒子(D)(以下、(D)成分という)20〜60重量%を含有することを特徴とする。
(A)成分としては、一分子中に不飽和二重結合及びピペリジニル基を有するものであれば、特に限定されず、各種公知のものを使用できる。具体的には、エポキシ基、水酸基及びイソシアネート基からなる群より選ばれる少なくとも1種の官能基を有する単量体(a1)(以下、(a1)成分という)、並びにピペリジニル基を有する単量体(a2)(以下、(a2)成分という)を含む単量体成分の重合体(A1)(以下、(A1)成分という)と、(A1)成分が有する官能基と反応し得る、官能基を有する単量体(a4)(以下、(a4)成分という)との反応生成物等が挙げられる。
(a1)成分の内、エポキシ基を有する単量体としては、特に限定されないが、例えば、グリシジル(メタ)アクリレート、β−メチルグリシジル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートグリシジルエーテル、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート、1,2−エポキシー4−ビニルシクロヘキサン等が挙げられる。これらは単独でも2種以上を組み合わせても良い。これらの中でも、グリシジル(メタ)アクリレートが好ましい。
(a1)成分の内、水酸基を有する単量体としては、特に限定されないが、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピルアクリレート、3−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、6−ヒドロキシヘキシルアクリレート、グリセリンモノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらは単独でも2種以上を組み合わせても良い。これらの中でも、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートが好ましい。
(a1)成分の内、イソシアネート基を有する単量体としては、特に限定されないが、例えば、2−イソシアナトエチル(メタ)アクリレート、1,1−(ビスアクリロイルオキシメチル)エチルイソシアネート、アクリル酸2−(2−イソシアネートエトキシ)エチル等が挙げられる。これらは単独でも2種以上を組み合わせても良い。これらの中でも、2−イソシアナトエチル(メタ)アクリレートが好ましい。
(a2)成分は、ピペリジニル基を有するものであり、(A1)成分の骨格として組み込まれることで、耐アルカリ性及び耐侯性に寄与する。(a2)成分としては、特に限定されず、各種公知のものを使用できる。例えば、2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル(メタ)アクリレート、1,2,2,6、6−ペンタメチル−4−ピペリジル(メタ)アクリレート、1−エチル−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル(メタ)アクリレート、1−プロピル−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル(メタ)アクリレート、1−t−ブチル−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル(メタ)アクリレート、1−シクロヘキシル−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル(メタ)アクリレート、1−(4−メチルシクロヘキシル)−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル(メタ)アクリレート、1−t−オクチル−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル(メタ)アクリレート、1−デシル−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル(メタ)アクリレート、1−ドデシル−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル(メタ)アクリレート、ビス−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)セバケート、ビス−(n−メチル−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)セバケート、ビス−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)−2−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2−n−ブチルマロネート、等が挙げられる。これらは単独でも2種以上を組み合わせても良い。これらの中でも、下記式(1)で表される単量体が好ましく、1,2,2,6、6−ペンタメチル−4−ピペリジル(メタ)アクリレートがより好ましい。
Figure 0006859874
(R、Rは独立して、水素原子又は炭素数1〜20のアルキル基を示す。)
(a2)成分の使用量としては、特に限定されず、(A)成分のアミン当量が450〜3000eq/gとなるように、適宜調整されるものである。
前記単量体には、任意ではあるが、(A)成分及び(B)成分、並びに/又は(A)成分及び(D)成分との相溶性を高めるために、(a1)成分又は(a2)成分と共重合しうる単量体(a3)(以下、(a3)成分という)を含有しても良い。
(a3)成分としては、特に限定されないが、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート等のアルキル(メタ)アクリレート;イソボルニル(メタ)アクリレート等の脂環式(メタ)アクリレート;アクリロイルモルフォリン等のヘテロ原子を含む(メタ)アクリレート;スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン等の芳香族単量体;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリルアミド、α−オレフィン等が挙げられる。これらは単独でも2種以上を組み合わせても良い。これらの中では、硬化被膜の耐磨耗性の点から、スチレン、メチルメタクリレート、イソボルニルメタクリレートが好ましい。また、(a3)成分の使用量としては、特に限定されないが、得られる硬化被膜の耐摩耗性、耐アルカリ性と耐熱性のバランスから、(a1)成分と(a3)成分との固形分重量比で1/9〜7/3程度が好ましく、1/5〜5/3程度がより好ましい。
本発明における(A)成分は、(A1)成分としては、(a1)成分及び(a2)成分、並びに必要に応じて、(a3)成分をラジカル重合させることにより得られる。ラジカル重合としては、特に限定されず、公知の方法を適宜選択できるが、例えば、前記成分を重合開始剤の存在下、加熱する方法等が挙げられる。重合条件としては、特に限定されず、通常、温度が40〜150℃程度、好ましくは60〜120℃程度であり、時間が4〜48時間程度、好ましくは6〜24時間程度で行われる。
ラジカル重合に用いる重合開始剤としては、特に限定されず、各種公知のものを使用することができ、例えば、過酸化水素、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム等の無機過酸化物、ベンゾイルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、ラウリルパーオキサイド等の有機過酸化物、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、ジメチル−2,2’−アゾビスイソブチレート等のアゾ系化合物等が挙げられる。これらは単独でも2種以上を組み合わせてもよい。また、重合開始剤の使用量も特に限定されないが、(a1)〜(a4)成分の固形分重量での合計量が100重量部に対して、0.01〜8重量部程度とすることが好ましい。なお、必要に応じて、連鎖移動剤等を添加してもよい。連鎖移動剤としては、特に限定されず、例えば、ラウリルメルカプタン、ドデシルメルカプタン、2−メルカプトベンゾチアゾール、ブロムトリクロルメタン等が挙げられる。これらは単独でも2種以上を組み合わせてもよい。また、連鎖移動剤の使用量も特に限定されないが、(a1)〜(a3)成分の合計使用量が100重量部に対して、0.01〜5重量部程度とすることが好ましい。
本発明の(A)成分をなす成分である、(a4)成分としては、特に限定されず、例えば、前述の(a1)成分として例示した水酸基又はイソシアネート基を有する単量体、(メタ)アクリル酸、クロトン酸等の不飽和カルボン酸等が挙げられる。これらは単独でも2種以上を組み合わせても良い。なお、(a4)成分の中で好ましい単量体としては、(a1)成分に属する単量体の種類によって異なる。
例えば、(a1)成分に属するエポキシ基を有する単量体に対しては、不飽和カルボン酸が好ましく、生成する活性エネルギー線硬化性樹脂組成物の光重合性が良好で、得られた硬化被膜が耐磨耗性に優れる点から、アクリル酸がより好ましい。
(a1)成分に属する水酸基を有する単量体に対しては、先述のイソシアネート基を有する単量体であれば特に限定されず、単独でも2種以上を組み合わせても良い。中でも生成する活性エネルギー線硬化性樹脂組成物の光重合性が良好で、得られた硬化被膜が耐磨耗性に優れる点から、2−イソシアナトエチルアクリレート、アクリル酸2−(2−イソシアネートエトキシ)エチルがより好ましい。
(a1)成分に属するイソシアネート基を有する単量体に対しては、水酸基を有する単量体が好ましく、生成する活性エネルギー線硬化性樹脂組成物の光重合性が良好で、得られた硬化被膜が耐磨耗性に優れる点から、2−ヒドロキシエチルアクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレートがより好ましい。
(a4)成分の使用量は、特に限定されないが、(a1)成分中の官能基(エポキシ基、水酸基、イソシアネート基)と等モル以下とすることが反応後に(a4)成分が残らないため、得られる硬化被膜の耐磨耗性に優れる。
本発明の(A)成分としては、各種公知の方法により製造することで得られる。製造方法としては、特に限定されないが、例えば、触媒の存在下、前記(A1)成分及び(a4)成分を加熱すること等が挙げられる。触媒としては、例えば、トリフェニルホスフィン、トリシクロヘキシルホスフィン等のホスフィン類;テトラメチルアンモニウムクロライド、トリメチルベンジルアンモニウムクロライド、テトラメチルアンモニウムブロマイド等の4級アンモニウム塩、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ベンジルメチルアミン、トリブチルアミン等のアミン類;2−メチルイミダゾール等のイミダゾール類;ジブチル錫ラウレート等のラウリン酸エステル類等が挙げられる。また、触媒の使用量は、特に限定されないが、固形分重量で、(A1)成分と(a4)成分との合計量100重量部に対して、通常、0.01〜5重量部程度とすることが好ましい。
なお、必要に応じて、有機溶媒や重合禁止剤を使用しても良い。有機溶媒としては、(A1)成分、(a4)成分と反応しないものであれば、特に限定されず各種公知のものを使用できる。例えば、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン;トルエン、ベンゼン等の芳香族炭化水素;酢酸ブチル、酢酸プロピル、酢酸エチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のエステル;エタノール、2−プロパノール、プロピレングリコールモノメチルエーテル等のアルコール;ジグライム、クロロホルム、ジメチルホルムアミド等が挙げられる、これらは単独でも2種以上を組み合わせても良い。重合禁止剤としては、メトキノン、ハイドロキノン、トリメチルハイドロキノン、N−ニトロソフェニルヒドロキシルアミン等が挙げられる。なお、重合禁止剤の使用量は特に限定されないが、得られるコーティング剤の重合性が悪化する場合があるため、固形分重量で、(A1)成分と(a4)成分の合計量100重量部に対して、通常、1重量部程度以下とすることが好ましい。また、重合を防止するために、反応系中に空気を吹き込む等しても良い。
得られた(A)成分の物性としては、特に限定されないが、例えば、二重結合当量が、通常250〜2000g/eq程度、好ましくは250〜1200g/eq程度である。二重結合当量を250〜2000g/eqとすることで、得られる硬化被膜の耐磨耗性及び耐熱性が両立できるため好ましい。なお、二重結合当量は、不飽和二重結合1molあたりの重合体の重量で表され、本発明では以下の(式1)で算出される。
(式1)二重結合当量(g/eq)=[{(a1)〜(a4)成分の使用重量(g)}+{開始剤の使用重量(g)}]/(a4)成分の使用モル量(mol)
また、(A)成分のアミン当量が、通常400〜3000g/eq程度、好ましくは500〜2500g/eq程度である。アミン当量を400〜3000g/eqとすることで、得られる硬化被膜の耐アルカリ性及び耐候性が両立できるため好ましい。なお、アミン当量は、アミノ基1molあたりの重合体の重量で定義され、本発明では以下の(式2)で算出される。
(式2)アミン当量(g/eq)=[{(a1)〜(a4)成分の使用重量(g)}+{開始剤の使用重量(g)}]/(a2)成分の使用モル量(mol)
また、(A)成分の粘度は、固形分濃度50重量%、温度25℃において、100〜30,000mPa・s程度であることが好ましく、1,000〜10,000mPa・s程度であることがより好ましい。
(A)成分の使用量は、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物100重量%として、通常、10〜60重量%である。(A)成分の使用量が10重量%未満の場合、耐アルカリ性が不充分となりやすく、60重量%を超える場合、初期密着性が低下しやすい。なお、(A)成分の溶液や分散体を使用する場合、当該使用量は(A)成分の固形分量で表される。

(B)成分としては、分子中に不飽和二重結合を2つ有するものであれば、特に限定されず各種公知のものを使用できる。例えば、ジメチロールトリシクロデカンジアクリレート等の脂環構造を有するジアクリレート;ビス(2−アクリロキシエチル)−ヒドロキシエチル−イソシアヌレート等のイソシアヌル環構造を有するジアクリレート;ビスフェノールAのエチレンオキシド(EO)変性ジアクリレートやビスフェノールFのEO変性ジアクリレート;1,6-ヘキサンジオールジアクリレート等の脂肪鎖を有するジアクリレート;テトラエチレングリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、ポリテトラメチレングリコールジアクリレート等のポリアルキレングリコール系ジアクリレート等が挙げられる。これらの中では、硬化被膜の耐磨耗性及び耐侯性の点から、脂環構造を有するジアクリレートが好ましい。
(B)成分の使用量は、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物100重量%として、通常10〜60重量%である。使用量が10重量%未満であると、密着性が不充分となりやすく、60重量%を超えると、耐アルカリ性が低下しやすい。また、これらの物性のバランスの点から、好ましくは10〜30重量%である。
(D)成分としては、平均一次粒子径が20〜80nmの金属酸化物微粒子であれば特に限定されず、公知のものを使用することができる。なお、平均一次粒子径は、動的光散乱法等の測定法により決定された値であり、当該粒子径が、20〜80nmであることにより、耐アルカリ性、耐熱性及び耐侯性に優れた硬化被膜となる。
(D)成分としては、特に限定されないが、例えば、シリカ、ジルコニア、アルミナ、チタニア、酸化亜鉛等が挙げられる。これらは単独でも2種以上を組み合わせても良い。これらの中でも、耐摩耗性の点から、シリカ、ジルコニア及びアルミナからなる群より選ばれる1種以上が好ましく、シリカがより好ましい。なお、(D)成分は、市販品をそのまま使用しても良く、特に限定されないが、例えば、シリカとしては、スノーテックス(日産化学工業(株)製)、クォートロン(扶桑化学工業(株)製)、アエロジル(日本アエロジル(株)製)、シルデックス(旭硝子(株)製)、シリシア470(富士シリシア化学(株)製);ジルコニアとしては、TZP−108(大成化工(株)製);アルミナとしては、NANOBYK−3610(ビックケミー・ジャパン(株)製)、NanoclearHC−A01(CIK ナノテック(株)製)等が挙げられる。また、本発明では製造の簡便化のため、予め有機溶媒に分散されたオルガノシリカゾルを用いることが好ましく、例えば、PGM−AC4130Y(日産化学工業(株)製 プロピレングリコールモノメチルエーテル分散体)、IPA−ST−MS(日産化学工業(株)製 イソプロパノール分散体)、MA−ST−M(日産化学工業(株)製 メタノール分散体)、クォートロンPL−2−IPA(扶桑化学工業(株)製 イソプロパノール分散体)等が挙げられる。
(D)成分の使用量は、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を100重量%として、通常20〜60重量%である。使用量が20重量%未満であると、耐摩耗性が不充分となりやすく、60重量%を超えると、活性エネルギー線により硬化した際に、透明性が低下しやすい。また、これらの点から、好ましくは20〜60重量%、より好ましくは25〜50重量%である。なお、(D)成分が分散体の場合には、当該使用量は(D)成分の固形分量で表される。
本発明の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物は、任意ではあるが、硬化被膜の耐磨耗性の点から、分子中に3つ以上の不飽和二重結合を有する化合物(C)(以下、(C)成分という)を含有することが好ましい。
(C)成分としては、特に限定されず、公知のものを使用できる。例えば、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリルエステル類;ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート等の水酸基を有する多官能(メタ)アクリレートオリゴマーと1分子中に2個以上のイソシアネート基を有する化合物とを反応させることにより得られる多官能ウレタン(メタ)アクリレート;ジペンタエリスリトール、ペンタエリスリトール、グリセリン、ジグリセリン、トリメチロールプロパン等の多官能アルコールをエチレンオキシド又はプロピレンオキシドで変性したものに、アクリル酸を付加させたポリエーテル(メタ)アクリレート;ポリエステルポリ(メタ)アクリレートエポキシ(メタ)アクリレート又はポリオール(メタ)アクリレート等のオリゴマー等が挙げられる。これらは、単独でも2種以上を組み合わせても良い。これらの中でも、(A)成分及び(B)成分のいずれとも相溶し、かつ(D)成分の分散性にも影響を与えず、更に硬化被膜の耐磨耗性、耐候性が優れる点から、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、多官能ウレタン(メタ)アクリレート、ポリエーテル(メタ)アクリレートが好ましい。
(C)成分の使用量は、特に限定されないが、硬化被膜の耐磨耗性の点から、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を100重量%として、通常10〜50重量%程度である。また同様の点から、好ましくは10〜40重量%程度、より好ましくは10〜30重量%程度である。
本発明の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物は、必要に応じて、有機溶剤を含有しても良い。有機溶剤としては、(A)成分及び(B)成分のいずれとも相溶し、かつ(D)成分の分散性にも影響を与えず、更に乾燥の際に揮発性が良ければ、特に限定されず各種公知のものを使用できる。例えば、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、アセチルアセトン等のケトン;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル;エタノール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブタノール、イソブチルアルコール、tert−ブチルアルコール、ジアセトンアルコール等のアルコール;トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、n−ヘキサン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、n−ヘプタン等の脂肪族炭化水素;イソプロピルエーテル、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、1,4−ジオキサン、プロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のエーテル等が挙げられる。これらは単独でも2種以上を組み合わせても良い。また、固形分濃度としては、特に限定されないが、10〜70重量%とすることが好ましい。
本発明の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物は、必要に応じて、更に光増感剤、酸化防止剤、光安定剤、レベリング剤、顔料等の各種公知の添加剤、光重合開始剤、紫外線吸収剤等を含有させてもよい。
光重合開始剤としては、特に限定されず、例えば、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニルケトン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、1−シクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニルホスフィンオキサイド、4−メチルベンゾフェノン等が挙げられる。これらは単独でも2種以上を組み合わせてもよい。なお、光重合開始剤は、活性エネルギー線で硬化する場合に使用するが、その内、電子線で硬化する場合には、必ずしも必要ではない。また光重合開始剤の使用量も特に限定されないが、固形分重量で、(A)〜(D)成分の合計量100重量部に対して、1〜20重量部程度とすることが好ましい。
紫外線吸収剤としては、特に限定されず、例えば、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、トリアジン系紫外線吸収剤、およびベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、酸化チタン微粒子、酸化亜鉛微粒子、酸化錫微粒子等の紫外線を吸収する無機微粒子等が挙げられる。これらは単独でも2種以上を組み合わせてもよい。
ベンゾフェノン系紫外線吸収剤としては、特に限定されないが、例えば、ヒドロキシベンゾフェノン系紫外線吸収剤が好ましく用いられる。ヒドロキシベンゾフェノン系紫外線吸収剤としては、特に限定されないが、例えば、2−ヒドロキシベンゾフェノン、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、2,2’−4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、ヒドロキシメトキシベンゾフェノンスルホン酸及びその三水塩、ならびにヒドロキシメトキシベンゾフェノンスルホン酸ナトリウム等が挙げられる。
トリアジン系紫外線吸収剤としては、特に限定されないが、ヒドロキシフェニルトリアジン系紫外線吸収剤が好ましく用いられる。ヒドロキシフェニルトリアジン系紫外線吸収剤としては、特に限定されないが、例えば、2−(2−ヒドロキシ−4−[1−オクチルオキシカルボニルエトキシ]フェニル)−4,6−ビス(4−フェニルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−[4−[(2−ヒドロキシ−3−ドデシルオキシプロピル)オキシ]−2−ヒドロキシフェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス[2−ヒドロキシ−4−ブトキシフェニル]−6−(2,4−ジブトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−[4−[(2−ヒドロキシ−3−トリデシルオキシプロピル)オキシ]−2−ヒドロキシフェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、および2−[4−[(2−ヒドロキシ−3−(2'−エチル)ヘキシル)オキシ]−2−ヒドロキシフェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン等が挙げられる。
ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤としては、特に限定されないが、例えば、2−エチルヘキシル−3−〔3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−(5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェニル〕プロピオネート、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−6−(直鎖及び側鎖ドデシル)−4−メチルフェノール、2−〔5−クロロ(2H)−ベンゾトリアゾール−2−イル〕−4−メチル−6−(tert−ブチル)フェノール、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4,6−ジ−tert−ペンチルフェノール、2−(2′−ヒドロキシ−5′−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−3′,5′−ジ−tert−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−3′−tert−ブチル−5′−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−3′,5′−ジ−tert−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−3′−(3″,4″,5″,6″−テトラヒドロフタルイミドメチル)−5′−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2,2−メチレンビス(4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール)、2−(2′−ヒドロキシ−3′−tert−ブチル−5′−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−[2−ヒドロキシ−5−(2−(メタ)アクリロイルオキシエチル)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾール、および2−[2−ヒドロキシ−5−(2−(メタ)アクリロイルオキシエチル)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾールを共重合したポリマー等が挙げられる。
紫外線吸収剤の使用量も、特に限定されないが、固形分重量で、(A)〜(D)成分の合計量100重量部に対して、1〜20重量部程度とすることが好ましい。
本発明の積層体は、前記活性エネルギー線硬化性樹脂組成物の硬化被膜を基材の表面に有するものである。
基材としては、特に限定されず、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、AS樹脂、ABS樹脂、ポリアクリル樹脂等が挙げられる。これらの中でも、透明性、強度及び耐衝撃性の点から、ポリカーボネート樹脂、ポリアクリル樹脂及びポリエチレンテレフタレートからなる群より選ばれる少なくとも1種が好ましい。
本発明の積層体において、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を基材に塗装する方法としては、特に限定されないが、例えば、スプレー塗装、ディップ塗装、バーコート、スピンコート、スライドコート、ロールコート等が挙げられる。また、塗工層の厚さとしては、活性エネルギー線で硬化した後で3〜60μmとなることが好ましい。3μm未満であると、耐候性および耐摩耗性が充分でない。60μmを超えると、硬化被膜が着色しうる問題がある。また、同様の点から、より好ましくは5〜40μm程度である。
本発明の積層体は、有機溶剤を除去するために、予め熱源でプレ乾燥させることが好ましい。熱源としては、特に限定されないが、循風乾燥機、電気炉、ガス炉等が挙げられる。乾燥条件としては、特に限定されないが、温度が40〜100℃程度、好ましくは50〜80℃程度であり、時間が1〜30分間程度、好ましくは1〜10分程度である。
次いで、活性エネルギー線を照射して塗工層を硬化させる。活性エネルギー線としては、特に限定されないが、例えば、紫外線、可視光、電子線、電離放射線等が挙げられる。本発明では、塗工層の硬化性の点から、紫外線を用いることが好ましい。
紫外線の光源としては、特に限定されないが、例えば、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、低圧水銀灯、カーボンアーク、キセノンランプ、メタルハライドランプ等が挙げられる。また、照射条件としては、使用する光源によって異なるが、通常は、積算光量が300〜5,000mJ/cm程度、好ましくは500〜3,000mJ/cm程度であり、また照射強度が100〜500mW/cm程度、好ましくは100〜300mW/cm程度である。
本発明の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物は、硬化被膜にした際に耐アルカリ性及び耐侯性に優れるため、例えば、ヘッドランプ用カバー、樹脂グレージング等の自動車用プラスチック材料、サンルーフ、建築材料、透明エクステリア部材等の樹脂組成物として利用できる。
以下、実施例および比較例をあげて本発明を具体的に説明するが、本発明はかかる実施例のみに限定されるものではない。なお、各例中、部及び%は重量基準である。
[二重結合当量]
二重結合当量は、以下の式1から算出した。
(式1)二重結合当量(g/eq)=[{(a1)〜(a4)成分の使用重量(g)}+{開始剤の使用重量(g)}]/(a4)成分の使用モル量(mol)
[アミン当量]
アミン当量は、以下の式2から算出した。
(式2)アミン当量(g/eq)=[{(a1)〜(a4)成分の使用重量(g)}+{開始剤の使用重量(g)}]/(a2)成分の使用モル量(mol)
製造例1(重合体(A―1)の製造)
撹拌装置、冷却管、滴下ロート及び窒素導入管を備えた反応容器に、グリシジルメタクリレート(以下、GMAという)を30部、1,2,2,6、6−ペンタメチル−4−ピペリジルメタクリレート(以下、HALS―1という)を20部、メチルメタクリレート(以下、MMAという)を50部、2,2´−アゾビスイソブチロニトリル(以下、AIBNという)を4部および酢酸ブチルを400部仕込んだ後、窒素気流下に約1時間かけて系内温度が約95℃になるまで昇温し、1時間保温した。次いで、あらかじめGMAを90部、HALS−1を60部、MMAを150部、およびAIBNを12部仕込んだ混合液を滴下ロートより、窒素気流下に約2時間を要して系内へ滴下し、同温度で3時間保温後、AIBNを1部仕込み、1時間保温した。その後、120℃に昇温し、2時間保温した。その後、反応系を冷却し、重合体(A1―1)の溶液を得た。
次いで、反応容器の窒素導入管を空気導入管につけ替え、アクリル酸(以下、AAという)を60部、メトキノンを1部及びトリフェニルホスフィンを3部加えて混合した後、空気バブリング下にて、110℃まで昇温した。次いで、同温度にて8時間保温後、メトキノンを1部仕込み、冷却して、固形分濃度が50%となるよう酢酸ブチルを加え、重合体(A−1)(以下、(A−1)成分という)の溶液を得た。物性を表1に示す。(以下同様)
製造例2〜6、比較製造例1(重合体(A−2)〜(A−6)、(F−1)の製造)
表1に示すような組成で、製造例1と同様の方法で製造し、重合体(A−2)〜(A−6)及び(F−1)をそれぞれ得た。
製造例7(重合体(A−7)の製造)
製造例1と同様の反応容器に、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(以下、HEMAという)を30部、HALS−1を40部、MMAを30部、AIBNを4部および酢酸ブチルを400部仕込んだ後、窒素気流下に約1時間かけて系内温度が約95℃になるまで昇温し、1時間保温した。次いで、あらかじめHEMAを90部、HALS−1を120部、MMAを90部、およびAIBNを12部仕込んだ混合液を滴下ロートより、窒素気流下に約2時間を要して系内へ滴下し、同温度で3時間保温後、AIBNを1部仕込み、1時間保温した。その後、120℃に昇温し、2時間保温した。その後、反応系を冷却し、重合体(A7−1)の溶液を得た。
次いで、反応容器の窒素導入管を空気導入管につけ替え、2−イソシアナトエチルアクリレート(商品名:カレンズAOI、昭和電工(株)製、以下、AOIという)を99部、メトキノンを1部及びオクチル酸スズ(II)を0.5部加えて混合した後、空気バブリング下にて、80℃まで昇温した。次いで、同温度にて4時間保温後、イソシアネート基のIRピークの消失を確認した後、メトキノンを1部仕込み、冷却して、固形分濃度が50%となるよう酢酸ブチルを加え、重合体(A−7)の溶液を得た。(以下同様)
製造例8(重合体(A−8)の製造)
製造例1と同様の反応容器に、2−イソシアナトエチルメタクリレート(商品名:カレンズMOI、昭和電工(株)製、以下、MOIという)を30部、HALS−1を40部、MMAを30部、AIBNを4部および酢酸ブチルを400部仕込んだ後、窒素気流下に約1時間かけて系内温度が約95℃になるまで昇温し、1時間保温した。次いで、あらかじめMOIを90部、HALS−1を120部、MMAを90部、およびAIBNを12部仕込んだ混合液を滴下ロートより、窒素気流下に約2時間を要して系内へ滴下し、同温度で3時間保温後、AIBNを1部仕込み、1時間保温した。その後、120℃に昇温し、2時間保温した。その後、反応系を冷却し、重合体(A8−1)の溶液を得た。
次いで、反応容器の窒素導入管を空気導入管につけ替え、2−ヒドロキシエチルアクリレート(以下、HEAという)を89部、メトキノンを1部及びオクチル酸スズ(II)を0.5部加えて混合した後、空気バブリング下にて、80℃まで昇温した。次いで、同温度にて4時間保温後、イソシアネート基のIRピークの消失を確認した後、メトキノンを1部仕込み、冷却して、固形分濃度が50%となるよう酢酸ブチルを加え、重合体(A−8)の溶液を得た。(以下同様)
Figure 0006859874
※1−(a4)成分については、(A1)成分の固形分重量の割合100重量%に対する使用割合で表す。
表1における成分の略号については、以下の化合物を表している。
(a1)成分
・GMA:グリシジルメタクリレート
・HEMA:2−ヒドロキシエチルメタクリレート
・MOI:2−イソシアナトエチルメタクリレート
(a2)成分
・HALS−1:1,2,2,6、6−ペンタメチル−4−ピペリジルメタクリレート
(a3)成分
・MMA:メチルメタクリレート
(a4)成分
・AA:アクリル酸
・AOI:2−イソシアナトエチルアクリレート
・HEA:2−ヒドロキシエチルアクリレート
実施例1
重合体(A−1)40部(固形分重量:20部)、(B)成分として、ジメチロールトリシクロデカンジアクリレート(商品名:ライトアクリレートDCP−A、共栄社化学(株)製)20部、(C)成分として、ジメチロールプロパントリアクリレート(商品名:ビームセット730、荒川化学工業(株)製)10部、(D)成分としてプロピレングリコールモノメチルエーテル分散コロイダルシリカ(SiO、平均一次粒子径:40〜60nm、固形分濃度:30%、商品名:PGM−AC4130Y、日産化学工業(株)製)167部(固形分重量:50部)、また光重合開始剤として1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニルケトン(商品名:イルガキュア184、チバ・ジャパン(株)製)を5部および、表面調整剤としてシリコーン表面調整剤であるBYK−310(ビックケミー社製)を0.2部加え、固形分濃度が33%となるようにプロピレングリコールモノメチルエーテル(以下、PMという)で希釈し、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を調製した。
実施例2〜13、比較例1〜9
表2に示す組成で、実施例1と同様にして、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物をそれぞれ調製した。
[積層体の作製(ポリカーボネート板を用いた積層体での評価)]
厚さ2mmのポリカーボネート板の表面に、実施例1で得られた活性エネルギー線硬化性樹脂組成物をバーコーターで塗工層の厚さが10μmとなるように塗布し、80℃で2分乾燥させた。次いで、得られた塗工フィルムを大気中で、高圧水銀灯(積算光量:1000mJ/cm、照射強度:200mW/cm)の下を通過させて(搬送速度10m/分)、硬化させることにより、積層体を得た。また、実施例2〜13及び比較例1〜9の各樹脂組成物についても同様にして積層体をそれぞれ得た。
[初期密着性]
各積層体の表面につきJIS K 5400に従って、1mm間隔で基材まで達する切り込みを入れ、100マスの碁盤目セロハンテープ剥離試験を行い、初期密着性を評価した。
評価基準
○:剥がれがない ×:剥がれが発生
[初期外観]
JIS K 7361−1に従って、各積層体のヘイズ値をヘイズメーターにて測定した。
評価基準
○:HAZE≦1.0% ×:HAZE>1.0%
[耐摩耗性]
ASTM−D−1044に従い、摩耗輪CS−10F、荷重500g、回転速度60rpm、摩耗回数500サイクルの条件で各積層体中の硬化被膜を摩耗させた後、JIS K 7361−1に従って、ヘイズメーターを用いて、ヘイズ値を測定し、変化量を算出した。耐摩耗性は下記の△HAZEで求め、値が小さいほど耐磨耗性に優れることを示す。
△HAZE(%)=(摩耗試験後のヘイズ値)−(摩耗試験前のヘイズ値)
評価基準
◎:△HAZE<5%
○:△HAZE<10%
×:△HAZE≧10%
[耐アルカリ性]
55℃に設定した0.1Nの水酸化ナトリウム(NaOH)水溶液に、各積層体を4時間接触させた。その後、表面を純水で洗い流して乾燥させた後に、ATR法によるIR測定を行いシリカに由来するピークの変化を評価した。
評価基準
○:IRのピーク面積の変化量が20%以下
×:IRのピーク面積の変化量が20%を超える
[耐熱性]
温度140℃の熱風循環式乾燥器の中に、各積層体を入れて、200時間放置し、室温まで冷却した後、積層体の表面状態を目視で確認した。
○:変化なし
×:クラックがある
[耐侯性]
アイスーパーUVテスター(岩崎電気(株)製)を用いて、以下の試験条件で耐候性試験を実施した後、各積層体における硬化被膜の外観(クラック、剥離)を目視にて観察し、更にJIS K 7373に準拠して、色の変化を色差計(日本電色工業(株)製)を用いた透過法にて△YIを測定して、以下の基準で評価した。
(試験条件)
各積層体を80mW/cmで照射、ブラックパネル温度63℃にて360時間試験を行い、6時間毎に硬化被膜の表面にイオン交換水を10秒間スプレーした。
評価基準
◎:目視変化なし、かつ△YIが2.0未満
○:目視変化なし、かつ△YIが2.0以上4.0未満
×:目視変化あり、または△YIが4.0以上
Figure 0006859874
表2における成分の記号については、以下の化合物を表している。
(B)成分
・B−1:ジメチロールトリシクロデカンジアクリレート(DCP−A)(商品名:ライトアクリレートDCP−A、共栄社化学(株)製)
・B−2:1,6−ヘキサンジオールジアクリレート(HDDA)(商品名:ライトアクリレート1.6HX−A、共栄社化学(株)製)
(C)成分
・C−1:ジメチロールプロパントリアクリレート(DMPTA)(商品名:ビームセット730、荒川化学工業(株)製)
・C−2:EO変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(DPH−12E)(商品名:NKエステルA−DPH−12E、新中村化学工(株)製)
金属酸化物微粒子
・D−1:プロピレングリコールモノメチルエーテル分散コロイダルシリカ(SiO、平均一次粒子径:40〜50nm、固形分濃度:30%、商品名:PGM−AC4130Y、日産化学工業(株)製)
・D−2:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート分散酸化ジルコニウム(ZrO、平均一次粒子径:30〜40nm、固形分濃度:30%、商品名:TZP−108、大成化工(株)製)
・G−1:プロピレングリコールモノメチルエーテル分散コロイダルシリカ(SiO、平均一次粒子径:10〜15nm、固形分濃度:40%、商品名:PGM−AC2140Y、日産化学工業(株)製)
・H−1:プロピレングリコールモノメチルエーテル分散コロイダルシリカ(SiO、平均一次粒子径:100nm、固形分濃度:50%、商品名:アドマナノスラリーYA100C−LFG、(株)アドマテックス製)
評価例1(ポリアクリル板を用いた積層体での評価)
厚さ2mmのポリアクリル板の表面に、実施例1の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物をバーコーターで塗工層の厚さが10μmとなるように塗布し、80℃で2分乾燥させた。次いで、得られた塗工フィルムを大気中で、高圧水銀灯(積算光量:1000mJ/cm、照射強度:200mW/cm)の下を通過させて(搬送速度10m/分)、硬化させることにより、積層体を得た。前記積層体を用いて、同様の評価を行ったところ、いずれも良好な効果を示した。結果を表3に示す。
Figure 0006859874

Claims (7)

  1. 一分子中に不飽和二重結合及びピペリジニル基を有する重合体(A)
    分子中に不飽和二重結合を2つ有する化合物(B)
    及び
    平均一次粒子径が20〜80nmである金属酸化物微粒子(D)含有する活性エネルギー線硬化性組成物であって、
    前記活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を100重量%として、
    前記(A)成分10〜60重量%、前記(B)成分10〜60重量%、及び前記(D)成分20〜60重量%を含有し、
    (A)成分が、
    エポキシ基、水酸基及びイソシアネート基からなる群より選ばれる少なくとも1種の官能基を有する単量体(a1)、及びピペリジニル基を有する単量体(a2)を含む単量体成分の重合体(A1)と、
    (A1)成分が有する官能基と反応し得る、官能基を有する単量体(a4)との反応生成物であり、
    (a2)成分が、一般式(1)で表されるものである活性エネルギー線硬化性樹脂組成物。
    Figure 0006859874
    (R 、R は独立して、水素原子又は炭素数1〜20のアルキル基を示す。)
  2. (A1)成分をなす単量体成分に、更に(a1)成分又は(a2)成分と共重合しうる単量体(a3)が含まれる、請求項の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物。
  3. (A)成分の二重結合当量が、250〜2000eq/gであり、かつアミン当量が400〜3000eq/gである、請求項1又は2の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物。
  4. 更に、分子中に不飽和二重結合を3つ以上有する化合物(C)を含有する請求項1〜のいずれかの活性エネルギー線硬化性樹脂組成物。
  5. (D)成分が、シリカ、ジルコニア及びアルミナからなる群より選ばれる1種以上である、請求項1〜のいずれかの活性エネルギー線硬化性樹脂組成物。
  6. 請求項1〜のいずれかの活性エネルギー線硬化性樹脂組成物の硬化被膜を基材の表面に有する積層体。
  7. 基材が、ポリカーボネート樹脂、ポリアクリル樹脂及びポリエチレンテレフタレートからなる群より選ばれる少なくとも1種である請求項の積層体。

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