JP6856888B2 - 極細繊維を含む積層吸音材 - Google Patents

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Description

本発明は、極細繊維を含んで構成される、積層構造の吸音材に関する。
吸音材とは音を吸収する機能を有する製品であって、建築分野や自動車分野において多用されている。吸音材を構成する材料として、不織布を用いることが公知である。例えば特許文献1には、メジアン直径が1μm未満のサブミクロン繊維と、メジアン直径が少なくとも1μmであるマイクロファイバーとを含む複合不織布ウェブが開示されている。特許文献1の複合繊維ウェブは、サブミクロン繊維及びマイクロファイバーと称される2種類の異なるメジアン直径を有する繊維が混合されてなり、その混合比を変化させることによって、厚み方向に混合比の勾配を形成し、不均質な繊維混合物を得ている。代表的な実施形態においては、マイクロファイバー流を形成し、またサブミクロン繊維流を別個に形成してマイクロファイバー流に加えることによって、異なる繊維が混合されてなるウェブを形成できることが開示されている。
また特許文献2には、吸音性を有する多層物品として、支持体層と、支持体層上に積層されるサブミクロン繊維層とを含み、サブミクロン繊維層は、中央繊維直径が1μm未満かつ平均繊維直径が0.5〜0.7μmの範囲であり、溶融フィルムフィブリル化法や電界紡糸法によって形成されることが開示されている。特許文献2の実施例においては、坪量(目付)100g/m、直径約18μmのポリプロピレンスパンボンド不織布を支持体層とし、その上に、目付14〜50g/m、平均繊維直径約0.56μmのサブミクロンポリプロピレン繊維を積層した積層物品が開示されている。また別の実施例では、目付62g/mのポリエステルのカード処理ウェブの上に、目付6〜32g/m、平均繊維直径0.60μmの電界紡糸ポリカプロラクトン繊維を積層させた多層物品が開示されている。実施例で作成された多層物品は、音響吸収特性が測定され、支持体のみの音響吸収特性よりも優れた音響吸収特性を備えることが示されている。
特許文献3には、低周波及び高周波の音を吸収する積層吸音不織布であって、共振膜と、少なくとも1つの別の繊維材料層とを含み、共振膜は、直径600nmまでで表面重量(目付)0.1〜5g/mのナノ繊維層によって形成されるものが開示されている。ナノ繊維層は典型的には電界紡糸によって作り出され、一方、基材層は、直径10〜45μmで目付5〜100g/mの繊維織物であり、さらに別の層が積層されてもよいことが開示されている。また、適切な厚さ及び目付に到達するために、この積層体をさらに積層してもよいことが開示されている。
特許文献4には、ナノ繊維による、吸音特性に優れる不織布構造体が開示されている。特許文献4の不織布構造体は、繊維径が1μm未満のナノ繊維を含む繊維体を含み、当該繊維体の厚みが10mm以上であることを特徴とする。また、前記繊維体は支持体に支持されていてもよく、繊維体と支持体とが繰り返し積層された構造になっていてもよいことが開示されている。ナノ繊維は例えばメルトブローン法で形成され、実施例においては、支持体であるポリプロピレンスパンレース不織布の上に、繊維径0.5μm、目付350g/mのナノ繊維体の層を形成することが開示されている。
特表2011−508113号公報 特開2014−15042号公報 特表2008−537798号公報 特開2016−121426号公報
上述のとおり、吸音材としてさまざまな構成の不織布積層体が検討されており、繊維径が1μmを下回るナノ繊維やサブミクロン繊維と称される極細繊維を用いることも公知である。しかしながら、より優れた吸音特性を有する吸音材、特に、1000Hz以下の、比較的低周波数の領域において優れた吸音性能を示し、且つ、省スペース性に優れた吸音材が求められている。この状況に鑑み、本発明は、低周波領域において優れた吸音性を示す吸音材を提供することを課題とする。
発明者は上述の課題を解決するために検討を重ねた。その結果、基材層と繊維層とを含む積層吸音材において、特定範囲の繊維径及び目付を有する繊維層を少なくとも2層含み、さらに、特定の範囲の開口率の穴開き構造体を有することで、前記課題を解決できることを見出し、本発明を完成した。
本発明は、以下の構成を有する。
[1]繊維層と基材層とを含む積層吸音材であって、
前記繊維層は前記積層吸音材中に少なくとも2層含まれ、また前記繊維層は450nm未満の繊維径の繊維からなり、目付けが50g/m以上である繊維集合体であり、
前記基材層は、不織布、フィルム、ガラス繊維および紙からなる群より選ばれる少なくとも1つからなり、目付けが1g/m以上であり、
さらに、前記積層吸音材は、開口率0.05%以上50%未満の穴開き構造体を1層以上有する、積層吸音材。
[2]前記穴開き構造体が、前記積層吸音材に含まれる前記繊維層のうち最外層の繊維層の内面に隣接して備えられている、[1]に記載の積層吸音材。
[3]前記穴開き構造体が、前記積層吸音材に含まれる前記繊維層のうち最外層の繊維層よりも内側に、2層以上備えられている、請求項1に記載の積層吸音材。
[4]前記穴開き構造体の素材が、不織布、フィルム、ガラス繊維、織布および紙からなる群より選ばれる少なくとも1つである、[1]〜[3]のいずれかに記載の積層吸音材。
[5]前記繊維層は、0.1g/m〜25g/mの目付けの繊維集合体を少なくとも2層含有してなり、繊維層の目付けが50g/m以上である、[1]〜[4]のいずれかに記載の積層吸音材。
[6]前記基材層が、ポリエチレンフタレート繊維、ポリブチレンテレフタレート繊維、ポリエチレン繊維およびポリプロピレン繊維からなる群から選ばれる少なくとも1種からなる不織布であり、前記基材層の目付けが1〜300g/mである、[1]〜[5]のいずれかに記載の積層吸音材。
[7]前記繊維層を形成する繊維が、ポリフッ化ビニリデン、ナイロン6.6、ポリアクリロニトリル、ポリスチレン、ポリウレタン、ポリスルフォンおよびポリビニルアルコールからなる群から選ばれる少なくとも1種である、[1]〜[6]のいずれかに記載の積層吸音材。
[8]垂直入射吸音率測定法(200〜1000Hz)において、周波数xが200Hzから3200Hzまでの吸音率を1Hz間隔で測定し、得られる曲線をf(x)としたとき、200Hzから1000Hzまでの積分した値Sが、下記式を満たす範囲である、[1]〜[7]のいずれかに記載の積層吸音材。
Figure 0006856888
[9]垂直入射吸音率測定法(200〜1000Hz)において、周波数xが200Hzから3200Hzまでの吸音率を1Hz間隔で測定し、得られる曲線をf(x)としたとき、200Hzから1000Hzまでの積分した値Sが、下記式を満たす範囲である、[1]〜[7]のいずれかに記載の積層吸音材。
Figure 0006856888
[10][1]〜[9]のいずれかに記載の積層吸音材において、前記繊維層を構成する繊維が、ポリフッ化ビニリデン、ナイロン6.6、ポリアクリロニトリル、ポリスチレン、ポリウレタン、ポリスルフォンおよびポリビニルアルコールからなる群から選ばれる少なくとも1種の高分子を含む溶液を静電スピニングすることによって作り出されることを特徴とする、積層吸音材の製造方法。
上述の構成を有する本発明によれば、開口率0.05%以上50%未満の穴開き構造体を有することで、吸音材として厚みの削減ができる。
上述の構成を有する本発明によれば、低周波数領域における吸音特性に優れた吸音材が得られる。本発明の積層吸音材は、吸音特性のピークが従来の吸音材よりも低い領域にあり、1000Hz以下の領域における吸音性能に優れる。建築分野では、生活騒音の多くは200〜500Hz程度といわれており、また自動車分野では、ロードノイズでは100〜500Hz程度、また、加速時やトランスミッション変動時の騒音は100〜2000Hz程度といわれている。本発明の積層吸音材は、このような騒音対策に有用である。また、本発明の積層吸音材は、多孔質材料やガラス繊維等からなる吸音材と比較して軽量であるため、部材の軽量化と省スペース化が可能であり、この点は特に自動車分野向けの吸音材として有用である。
本発明に用いた穴開き構造体の一例である。 本発明に用いた穴開き構造体の一例である。 本発明に用いた穴開き構造体の一例である。 本発明に用いた穴開き構造体の一例である。 本発明に用いた穴開き構造体の一例である。 本発明に用いた穴開き構造体の一例である。 本発明に用いた穴開き構造体の一例である。 本発明に用いた穴開き構造体の一例である。 本発明の実施例(実施例7)及び比較例(比較例2)の吸音特性を示すグラフである。
以下、本発明を詳細に説明する。
(積層吸音材の構造)
本発明の積層吸音材は、繊維層と基材層とを含む積層吸音材であって、繊維層は、450nm未満の繊維径の繊維からなる繊維集合体であり、かつ、積層吸音材中に少なくとも2層含有され、繊維層の目付けが50g/m以上であり、基材層は、不織布、フィルム、ガラス繊維および紙からなる群より選ばれる少なくとも1つであり、基材層の目付けが1g/m以上であり、さらに、開口率0.05%以上50%未満の穴開き構造体を1層以上有する。
積層吸音材において、繊維層は、450nm未満の繊維径の繊維からなる繊維集合体であり、かつ、積層吸音材中に少なくとも2層含有され、好ましくは3〜6層、より好ましくは3〜4層含まれる。各繊維層は、1つの繊維集合体から構成されていてもよいし、1つの繊維層の中に複数の繊維集合体が含まれ、複数の繊維集合体から1層の繊維層が構成されていてもよい。
また、繊維層の間には基材層が介在する。各基材層は、1層からなってもよく、または、複数が重ねられてなる形態であってもよい。
積層吸音材に含まれる繊維層及び基材層は、それぞれ1種類ずつでもよいが、異なる2種以上の繊維層または基材層が含まれていてもよい。また、本発明の積層吸音材には、本発明の効果を損なわない限り、繊維層、基材層及び穴あき構造体以外の構成が含まれていてもよく、例えば、本発明に規定する範囲外のさらなる繊維層(1層でも2層以上でもよい)、印刷層、発泡体、箔、メッシュ、織布等が含まれていてもよい。また、各層間を連結するための接着剤層、クリップ、縫合糸等を含んでいてもよい。
積層吸音材の各層の間は、物理的及び/または化学的に接着されていてもよいし、接着されていなくてもよい。積層吸音材の複数の層間の一部が接着され、一部は接着されていない形態であってもよい。接着は、例えば、繊維層の形成工程において、または後工程として加熱を行い、繊維層を構成する繊維の一部を融解し、繊維層を基材層に融着させることによって繊維層と基材層とを接着してもよい。また、基材層ないし繊維層の表面に接着剤を付与し、さらに基材層ないし繊維層を重層することによって、層間を接着することもできる。
積層吸音材の厚みは、本発明の効果が得られる限り特に制限されないが、例えば、0.1〜50mmとすることができ、0.3〜40mmとすることが好ましく、0.3〜30mmであれば、省スペース性の観点からより好ましい。なお、積層吸音材の厚みとは、繊維層、基材層及び穴開き構造体の厚みの合計のことを意味し、カートリッジや蓋等の外装体が取り付けられている場合、その部分の厚みは含まないものとする。
積層吸音材の通気度は、所望の吸音性能が得られる限り特に制限されるものではないが、10〜1000μm/Pa・sとすることができ、10〜500μm/Pa・sであればより好ましい。なお、通気度の測定は公知の方法によることができ、例えば、ガーレ試験機法で測定できる。
積層吸音材は、繊維層と基材層の積層体によって穴開き構造体が挟まれた積層構造となっていることが好ましく、このような形態であるとき、繊維層と繊維層との間の距離(基材層の厚みと穴開き構造体の厚みの合計であり、層間距離とも称する)は、100μm〜15mmであることが好ましく、1mm〜15mmであることがより好ましい。層間距離が100μm以上であれば、低周波数領域の吸音性能が良好となり、層間距離が15mm以下であれば、吸音材としての厚みが大きくなり過ぎることがなく、省スペース性に適している。
(繊維層)
本発明の積層吸音材に含まれる繊維層は、繊維径が450nm未満である繊維からなる繊維集合体である。繊維径が450nm未満であるとは、平均繊維径がこの数値範囲内であることを意味する。繊維径が450nm未満であれば、高い吸音性が得られるため好ましく、420nm未満であれば、より高い吸音性が得られるためさらに好ましい。繊維径の測定は、公知の方法によることができる。例えば、繊維層表面の拡大写真から測定ないし算出することによって得られる値であり、詳細な測定方法は実施例に詳述される。
本発明の積層吸音材に含まれる繊維層は、1層の繊維層が一つの繊維集合体からなっていてもよく、また、1層の繊維層中に複数の繊維集合体を含み、繊維集合体の層が重ね合わされたものが1層の繊維層を形成していてもよい。
なお、本明細書において、繊維集合体とは、一層の基材層上に形成される一つの連続体となった繊維集合体のことを意味している。繊維集合体の目付けは、0.1〜25g/mであることが好ましく、0.3〜20g/mであることがさらに好ましい。目付けが0.1g/m以上であれば、繊維層と基材層を構成する繊維との密度差による流れ抵抗の制御が良好となり、50g/m未満であれば、吸音材として反りが大きくなる恐れが低くなる。
繊維層を構成する繊維集合体は、好ましくは不織布であり、前記の範囲の繊維径及び目付を有している限り特に制限されないが、メルトブローン不織布、電界紡糸法によって形成される不織布等であることが好ましい。電界紡糸法によれば、極細繊維を基材層上に効率よく積層させることができる。電界紡糸法の詳細は製造方法に詳述する。
繊維集合体を構成する樹脂としては、発明の効果を得られる限り特に制限されないが、例えば、ポリプロピレンやポリエチレン等のポリオレフィン、ポリウレタン、ポリ乳酸、アクリル樹脂、ポリエチレンテレフタレートやポリブチレンテレフタレート等のポリエステル類、ナイロン6、ナイロン6.6、ナイロン12等のナイロン(アミド樹脂)類、ポリフェニレンスルフィド、ポリビニルアルコール、ポリスチレン、ポリスルフォン、液晶ポリマー類、ポリエチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリアクリロニトリル、ポリフッ化ビニリデン、ポリフッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン等が挙げられる。これらの中でも、ポリフッ化ビニリデン、ナイロン6.6、ポリアクリロニトリル、ポリスチレン、ポリウレタン、ポリスルフォンおよびポリビニルアルコールが、電界溶液紡糸法においては、各種溶剤に可溶である観点から、より好ましい。
繊維集合体は、前記の樹脂の1種を含むことが好ましく、2種類以上を含んでいてもよい。
また、繊維集合体には、樹脂以外の各種の添加剤類を含んでもよい。樹脂に添加されうる添加剤としては例えば、充填剤類、安定化剤類、可塑剤類、粘着剤類、接着促進剤類(例えば、シラン類およびチタン酸塩類)、シリカ、ガラス、粘土、タルク、顔料類、着色剤類、酸化防止剤類、蛍光増白剤類、抗菌剤類、界面活性剤類、難燃剤類、およびフッ化ポリマー類が挙げられる。前記添加物類のうち1つ以上を用いて、得られる繊維および層の重量および/またはコストを軽減してもよく、粘度を調整してもよく、または繊維の熱的特性を変性してもよく、あるいは電気特性、光学特性、密度に関する特性、液体バリアもしくは粘着性に関する特性を包含する、添加物の特性に由来する様々な物理特性活性を付与してもよい。
(基材層)
積層吸音材における基材層は、吸音性を有するとともに、繊維層を支持して吸音材全体の形状を保持する機能を有している。本発明の積層吸音材において、繊維層は10nm〜450nmという極めて細い繊維径の繊維から形成される繊維集合体であるため、強度(剛性)が低い。そのため、基材層が実質的に積層吸音材の強度を担うことになる。
基材層は、その少なくとも一方の表面上に繊維層を積層できるものであれば特に制限されず、不織布、フィルム、ガラス繊維、紙、織布、フォーム(発泡体層)、箔、メッシュ等を用いることができる。特に、不織布、フィルム、ガラス繊維、紙のいずれか1種以上であることが好ましく、不織布であることがより好ましい。積層吸音材に含まれる基材層は1種であってもよく、2種以上の基材層を含むことも好ましい。
基材層が不織布である場合、不織布の種類は、メルトブローン不織布、スパンレース不織布、スパンボンド不織布、スルーエア不織布、サーマルボンド不織布、ニードルパンチ不織布等を用いることができ、所望の物性や機能によって適宜選択できる。
不織布の繊維を構成する樹脂としては、熱可塑性樹脂を用いることができ、例えば、ポリオレフィン系樹脂、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂が例示できる。ポリオレフィン系樹脂としては、エチレン、プロピレン、ブテン−1、若しくは4−メチルペンテン−1等の単独重合体、及びこれらと他のα−オレフィン、即ち、エチレン、プロピレン、ブテン−1、ペンテン−1、ヘキセン−1あるいは4−メチルペンテン−1などのうちの1種以上とのランダム若しくはブロック共重合体あるいはこれらを組み合わせた共重合体のことであり、またはこれらの混合物などを挙げることができる。ポリアミド系樹脂としてはナイロン4、ナイロン6、ナイロン7、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン6.6、ナイロン6.10、ポリメタキシリデンアジパミド、ポリパラキシリデンデカンアミド、ポリビスシクロヘキシルメタンデカンアミドもしくはこれらのコポリアミド等を挙げることができる。ポリエステル系樹脂としては、ポリエチレンテレフタレートの他、ポリテトラメチレンテレフタレート、ポリブチルテレフタレート、ポリエチレンオキシベンゾエート、ポリ(1,4−ジメチルシクロヘキサンテレフタレート)若しくはこれらの共重合体を挙げることができる。これらの中でも、ポリエチレンテレフタレート繊維、ポリブチレンテレフタレート繊維、ポリエチレン繊維及びポリプロピレン繊維の1種、又は2種以上を組み合わせて用いることが好ましい。
基材層が、フィルム、織布、メッシュである場合にも同様の樹脂を用いることができる。
基材層の不織布を構成する繊維としては、1成分のみで使用することもできるが、熱接着性繊維同士の交点の融着の効果を考慮したとき、低融点樹脂と高融点樹脂の複合成分からなる繊維、すなわち、融点が異なる二成分以上からなる複合繊維を用いることも好ましい。複合形態は例えば鞘芯型、偏心鞘芯型、並列型を挙げることができる。また、基材層の不織布を構成する繊維として、融点が異なる二成分以上の混繊繊維を用いることも好ましい。なお、混繊繊維とは、高融点樹脂からなる繊維と低融点樹脂からなる繊維とが独立して存在し、混合されてなる繊維を意味している。基材が、織布である場合にも同様の繊維を用いることができる。
基材層の不織布を構成する繊維の繊維径は、特に制限されるものではないが、繊維径が0.5μm〜1mmである繊維からなるものを用いることができる。繊維径が0.5μm〜1mmであるとは、平均繊維径がこの数値範囲内であることを意味する。繊維径が0.5μm以上であれば、繊維層と基材層の不織布を構成する繊維との密度差による流れ抵抗を制御することができ、1mm未満であれば、汎用性が失われることがなく、また入手も容易となる。繊維径は、1.0〜100μmであれば、繊維層と基材層の不織布を構成する繊維との密度差による流れ抵抗を制御することができ入手も容易であるためより好ましい。繊維径の測定は、繊維層の繊維径の測定と同様の方法で行うことができる。基材が、織布である場合にも同様の繊維を用いることができる。
基材層は、積層吸音材において最外面に位置する2層として含まれてもよい。基材層は、1層のみで構成されていてもよく、2層以上が積層されて構成されていてもよい。基材層を2層以上積層することで、基材層の厚みにより繊維層の層間距離を制御できるという利点がある。
基材層の目付けは、1g/m以上であればよく、1〜300g/mであることが好ましく、15〜300g/mであることがより好ましい。基材層の目付けが1g/m未満であると、吸音材として必要な強度を得ることができない恐れがある。
本発明において、基材層の合計の厚みは、特に制限されるものではないが、省スペース性の観点からは0.1〜60mmであることが好ましく、0.1〜30mmであることがより好ましい。
基材層の単層の厚みは、例えば、20μm〜20mmとすることができ、30μm〜10mmとすることがより好ましい。基材層の厚みが20μm以上であれば、皺の発生がなく取り扱いが容易で、生産性が良好であり、基材層の厚みが20mm以下であれば、省スペース性を妨げる恐れがない。
基材層には、本発明の効果を妨げない範囲内で、各種の添加剤、例えば、着色剤、酸化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、中和剤、造核剤、滑剤、抗菌剤、難燃剤、可塑剤及び他の熱可塑性樹脂等が添加されていてもよい。また、表面が各種の仕上げ剤で処理されていてもよく、これによって撥水性、制電性、表面平滑性、耐摩耗性などの機能が付与されていてもよい。
(穴開き構造体)
本発明の積層吸音材は、前述の繊維層及び基材層に加えて、穴開き構造体を有することを特徴とする。穴開き構造体とは、不織布や織布等が有する、それらの製造工程そのものによって生じる微細な開口(例えば、不織布や織布を構成する繊維間の隙間)以外に、恣意的に設けられる一定以上の大きさを有する穴を、1つまたは複数有する構造体のことを意味する。穴の大きさは円形でもそれ以外の形状(例えば、三角形、四角形、六角形、星形、不定形等)であってよく、特に制限されないが、円形であることが好ましい。穴の大きさは、例えば、円形の穴である場合、直径0.2〜30mmとすることができ、0.2〜10mmであることが好ましい。
穴開き構造体の素材としては、不織布、フィルム、ガラス繊維、織布および紙を用いることができる。特に、穴開き加工がし易い、不織布、フィルム、紙を用いることが好ましい。積層吸音材に含まれる穴開き構造体は、1枚であってもよく、2枚以上であってもよい。穴開き構造体の素材は、例えば、厚みが0.01〜5mmの紙又は樹脂製フィルムを用いることが好ましく、樹脂製フィルムとしては、ポリオレフィン(ポリプロピレン、ポリエチレン)樹脂フィルム、ポリエステル樹脂フィルム等が挙げられる。穴開き構造体は、繊維層及び基材層と比較して剛性が高く、通気性の低い(通気性がほとんどみられない)素材を用いることが好ましい。
1枚の穴開き構造体に1つの穴が設けられている場合、当該穴は穴開き構造体の中央部にあってもよいし、周辺部にあってもよいが、吸音性の観点からは中央部に穴が存在することが好ましい。また、1枚の穴開き構造体に複数の穴が設けられている場合、当該複数の穴は規則的に配置されていてもランダムに配置されていてもよいが、穴開き構造体の表面に分散的に設けられていることが好ましい。なお、穴開き構造体と基材層とは同種の素材からなるものであってよいが、穴開き構造体は、開口径が0.2mm以上の円形の穴、或いはそれと同等以上の開口面積を有する穴を有しているのに対して、基材層はこのような穴を有さない点で区別することができる。
穴開き構造体の開口率とは、1枚の構造体の表面積に対する、当該構造体に設けられた穴の面積の合計の割合を意味するところ、開口率は該構造体表面の0.05%以上50%未満であればよく、0.05%以上35%以下が好ましく、0.1%以上20%以下がより好ましい。特定の理論に拘束されるものではないが、本発明の積層吸音材では、吸音材内に前記穴開き構造体を有することで、吸音材内で音の反射をさせ吸音材内での迷路度が向上しその結果、吸音率の向上に繋がるものと考えられている。
積層吸音材において、穴開き構造体は、積層吸音材の最外層に配置されていてもよく、最外層以外の層として含まれてもよい。なかでも、積層吸音材における穴開き構造体の好ましい位置は、繊維層との相対的な位置関係によって規定される。すなわち穴開き構造体は、積層吸音材に含まれる前記繊維層のうち最外層の繊維層の内面に隣接するように備えられていることが好ましい。最外層の繊維層が2面ある場合(つまり、積層吸音材の表面及び裏面のそれぞれから等しい位置に、それぞれ繊維層が位置している場合)、穴開き構造体はそれらの一方の内面に隣接するように設けられていればよいが、それらの両方の内面に隣接するように設けられていてもよい。特定の理論に拘束されるものではないが、最外層の繊維層の内側に隣接して穴開き構造体が配置されることによって、積層吸音材としての剛性を付与することができ、1000Hz以下の周波数域の吸音率を向上させるものと考えられている。
また、積層吸音材における穴開き構造体は、積層吸音材に含まれる繊維層のうち、最外層の繊維層よりも内側に、2層以上備えられていることも好ましい。
(積層吸音材の吸音特性)
本発明の積層吸音材は、特に低周波数領域(1000Hz以下の周波領域)における吸音性が優れることを特徴としている。本発明の積層吸音材は、特に400Hz〜1000Hz領域の吸音性に優れるという、従来の吸音材と異なる吸音特性を示すものである。特定の理論に拘束されるものではないが、本発明の積層吸音材は、繊維層と基材層の密度差を利用し音波の流れ抵抗を制御し、さらに穴開き構造体を設置した結果、低周波領域の吸収性に優れるという性能が得られるものと考えられている。
吸音性の評価方法は、実施例に詳述される。
(積層吸音材の製造方法)
積層吸音材の製造方法は特に制限されないが、例えば、1層の基材層上に1層の繊維層を形成した繊維層と基材層の積層体を作成する工程、複数の繊維層と基材層の積層体と、穴開き構造体とを所定の順番及び枚数で重ね合わせて一体化する工程、を含む製造方法によって得ることができる。なお、繊維層と基材層の積層体を重ね合わせる工程において、穴開き構造体をこれらに積層する。穴開き構造体は、最外層に積層してもよく、繊維層と繊維層の間、繊維層と基材層の間、基材層と基材層の間に積層してもよい。具体的には、吸音材を構成する最外層の繊維層の内面のうち、いずれか片方に穴開き構造体を積層することや、吸音材を構成する最外層の繊維層の内面に、穴開き構造体を2層以上積層することが例示できる。さらに、繊維層と基材層の積層体以外のさらなる層(例えばさらなる基材層)をさらに加えて積層することもできる。
基材層として不織布を用いる場合、公知の方法で不織布を製造して用いてもよいし、市販の不織布を選択して用いることもできる。基材層上に繊維層を形成する工程は、電界紡糸法を用いることが好ましい。電界紡糸法は、紡糸溶液を吐出させるとともに、電界を作用させて、吐出された紡糸溶液を繊維化し、コレクター上に繊維を得る方法である。例えば、紡糸溶液をノズルから押し出すとともに電界を作用させて紡糸する方法、紡糸溶液を泡立たせるとともに電界を作用させて紡糸する方法、円筒状電極の表面に紡糸溶液を導くとともに電界を作用させて紡糸する方法などを挙げることができる。本発明においては、コレクター上に基材層となる不織布等を挿入し、基材層上に繊維を集積させることができる。
紡糸溶液としては、曳糸性を有するものであれば特に限定されないが、樹脂を溶媒に分散させたもの、樹脂を溶媒に溶解させたもの、樹脂を熱やレーザー照射によって溶融させたものなどを用いることができる。
樹脂を分散または溶解させる溶媒としては、例えば、水、メタノール、エタノール、プロパノール、アセトン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、N−メチル−2−ピロリドン、トルエン、キシレン、ピリジン、蟻酸、酢酸、テトラヒドロフラン、ジクロロメタン、クロロホルム、1,1,2,2−テトラクロロエタン、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロイソプロパノール、トリフルオロ酢酸及びこれらの混合物などを挙げることができる。混合して使用する場合の混合率は、特に限定されるものではなく、求める曳糸性や分散性、得られる繊維の物性を鑑みて、適宜設定することができる。
電界紡糸の安定性や繊維形成性を向上させる目的で、紡糸溶液中にさらに界面活性剤を含有させてもよい。界面活性剤は、例えば、ドデシル硫酸ナトリウムなどの陰イオン性界面活性剤、臭化テトラブチルアンモニウムなどの陽イオン界面活性剤、ポリオキシエチレンソルビタモンモノラウレートなどの非イオン性界面活性剤などを挙げることができる。界面活性剤の濃度は、紡糸溶液に対して5重量%以下の範囲であることが好ましい。5重量%以下であれば、使用に見合う効果の向上が得られるため好ましい。また、本発明の効果を著しく損なわない範囲であれば、上記以外の成分も紡糸溶液の成分として含んでもよい。
紡糸溶液の調製方法は、特に限定されず、撹拌や超音波処理などの方法を挙げることができる。また、混合の順序も特に限定されず、同時に混合しても、逐次に混合してもよい。撹拌により紡糸溶液を調製する場合の撹拌時間は、樹脂が溶媒に均一に溶解または分散していれば特に限定されず、例えば、1〜24時間程度撹拌してもよい。
電界紡糸により繊維を得るためには、紡糸溶液の粘度を、10〜10,000cPの範囲に調製することが好ましく、50〜8,000cPの範囲であることがより好ましい。粘度が10cP以上であると、繊維を形成するための曳糸性が得られ、10,000cP以下であると、紡糸溶液を吐出させるのが容易となる。粘度が50〜8,000cPの範囲であれば、広い紡糸条件範囲で良好な曳糸性が得られるのでより好ましい。紡糸溶液の粘度は、樹脂の分子量、濃度や溶媒の種類や混合率を適宜変更することで、調整することができる。
紡糸溶液の温度は、常温で紡糸することもできるし、加熱・冷却して紡糸してもよい。紡糸溶液を吐出させる方法としては、例えば、ポンプを用いてシリンジに充填した紡糸溶液をノズルから吐出させる方法などが挙げられる。ノズルの内径としては、特に限定されないが、0.1〜1.5mmの範囲であるのが好ましい。また吐出量としては、特に限定されないが、0.1〜10mL/hrであるのが好ましい。
電界を作用させる方法としては、ノズルとコレクターに電界を形成させることができれば特に限定されるものではなく、例えば、ノズルに高電圧を印加し、コレクターを接地してもよい。印加する電圧は、繊維が形成されれば特に限定されないが、5〜100kVの範囲であるのが好ましい。また、ノズルとコレクターとの距離は、繊維が形成されれば特に限定されないが、5〜50cmの範囲であるのが好ましい。
前記によって得られた、基材層と繊維層からなる積層体を、複数枚重ね合わせて一体化する方法は、特に限定されるわけではなく、接着を行わず重ね合わせるだけでもよく、また、各種の接着方法、つまり、加熱したフラットロールやエンボスロールによる熱圧着、ホットメルト剤や化学接着剤による接着、循環熱風もしくは輻射熱による熱接着などを採用することもできる。極細繊維を含む繊維層の物性低下を抑制するという観点では、なかでも循環熱風もしくは輻射熱による熱処理が好ましい。フラットロールやエンボスロールによる熱圧着の場合、繊維層が溶融してフィルム化したり、エンボス点周辺部分に破れが発生したりする等のダメージを受け、安定的な製造が困難となる可能性があるほか、吸音特性が低下等の性能低下を生じやすい。また、ホットメルト剤や化学接着剤による接着の場合には、該成分によって繊維層の繊維間空隙が埋められ、性能低下を生じやすい場合がある。一方で、循環熱風もしくは輻射熱による熱処理で一体化した場合には、繊維層へのダメージが少なく、かつ十分な層間剥離強度で一体化できるので好ましい。循環熱風もしくは輻射熱による熱処理によって一体化する場合には、特に限定されるものではないが、熱融着性複合繊維からなる不織布および積層体を使用することが好ましい。
<平均繊維径>
株式会社日立ハイテクノロジーズ製の走査型電子顕微鏡SU8020を使用して、極細繊維を観察し、画像解析ソフトを用いて極細繊維50本の直径を測定した。極細繊維50本の繊維径の平均値を平均繊維径とした。
<吸音率測定>
吸音率測定は、各繊維積層体より直径63mmのサンプルを採取し、各条件の積層をした後、垂直入射吸音率測定装置「ブリュエル&ケアー社製TYPE4206」を用いASTM E 1050に準拠し、周波数200〜3200Hzにおける試験片に平面音波が垂直に入射するときの垂直入射吸音率を測定した。
<低周波数領域の吸音性>
周波数xが200Hzから3200Hzまでの吸音率を1Hz間隔で測定し、得られる曲線をf(x)としたとき、200Hzから1000Hzまでの積分値Sが下記数式で得られる。
Figure 0006856888
積分値Sは200〜1000Hzの周波数領域の吸音性能を示し、数値が高ければ、吸音性が高いと判断される。S値が170を超える場合、低周波数領域の吸音性を良好と評価し、170未満の場合、吸音性を不良と評価した。
<通気度>
通気度測定は、株式会社東洋精機製作所製ガーレ式デンソメーター(型式:GB−3C)にてISO 5636に準拠し測定した。
<<穴開き構造体の準備>>
厚み0.19mm(坪量157g/m)の上質紙を準備し、直径4.5mmの穴を10mm間隔で千鳥配列により開口部を設けた。この上質紙を直径63mmの円形に切り出し、穴開き構造体1(図1)とした。開口率は、32%である。
厚み0.19mm(坪量157g/m)の上質紙を準備し、直径4.5mmの穴を10mm間隔で格子配列により開口部を設けた。この上質紙を直径63mmの円形に切り出し、穴開き構造体2(図2)とした。開口率は、16%である。
厚み0.19mm(坪量157g/m)の上質紙を準備し、直径4.5mmの穴を10mm間隔で格子配列により開口部を設けた。この上質紙を直径63mmの円形に切り出し、穴開き構造体3(図3)とした。開口率は、16%である。
厚み0.19mm(坪量157g/m)の上質紙を準備し、直径2mmの穴を5mm間隔で格子配列により開口部を設けた。この上質紙を直径63mmの円形に切り出し、穴開き構造体4(図4)とした。開口率は、13%である。
厚み0.19mm(坪量157g/m)の上質紙を準備し、直径2mmの穴を10mm間隔で千鳥配列により開口部を設けた。この上質紙を直径63mmの円形に切り出し、穴開き構造体5(図5)とした。開口率は、6%である。
厚み0.19mm(坪量157g/m)の上質紙を準備し、直径2mmの穴を10mm間隔で格子配列により開口部を設けた。この上質紙を直径63mmの円形に切り出し、穴開き構造体6(図6)とした。開口率は、3%である。
厚み0.19mm(坪量157g/m)の上質紙を準備し、直径2mmの穴を15mm間隔で格子配列により開口部を設けた。この上質紙を直径63mmの円形に切り出し、穴開き構造体7(図7)とした。開口率は、1%である。
厚み0.19mm(坪量157g/m)の上質紙を準備し、直径2mmの穴を中心に1つの開口部を設けた。この上質紙を直径63mmの円形に切り出し、穴開き構造体8(図8)とした。開口率は、0.1%である。
厚み20μmのポリプロピレン製フィルム(オージェイケイ株式会社製 製品名「20A」 )を準備し、直径2mmの穴を中心に1つの開口部を設けた。このポリプロピレン製フィルムを直径63mmの円形に切り出し、穴開き構造体9(図8)とした。開口率は、0.1%である。
厚み50μmのポリプロピレン製フィルム(オージェイケイ株式会社製 製品名「50A」)を準備し、直径2mmの穴を中心に1つの開口部を設けた。このポリプロピレン製フィルムを直径63mmの円形に切り出し、穴開き構造体10(図8)とした。開口率は、0.1%である。
厚み80μmのポリプロピレン製フィルム(オージェイケイ株式会社製 製品名「80A」)を準備し、直径2mmの穴を中心に1つの開口部を設けた。このポリプロピレン製フィルムを直径63mmの円形に切り出し、穴開き構造体11(図8)とした。開口率は、0.1%である。
厚み150μmのポリプロピレン製フィルム(オージェイケイ株式会社製 製品名「150A」)を準備し、直径2mmの穴を中心に1つの開口部を設けた。このポリプロピレン製フィルムを直径63mmの円形に切り出し、穴開き構造体12(図8)とした。開口率は、0.1%である。
厚み100μmのポリエステル製フィルム(東レ株式会社製 製品名「ルミラー」)を準備し、直径2mmの穴を中心に1つの開口部を設けた。このポリプロピレン製フィルムを直径63mmの円形に切り出し、穴開き構造体13(図8)とした。開口率は、0.1%である。
厚み200μmのポリプロピレン製シート(オージェイケイ株式会社製 製品名「200P」)を準備し、直径2mmの穴を中心に1つの開口部を設けた。このポリプロピレン製フィルムを直径63mmの円形に切り出し、穴開き構造体14(図8)とした。開口率は、0.1%である。
厚み400μmのポリプロピレン製シート(オージェイケイ株式会社製 製品名「400P」)を準備し、直径2mmの穴を中心に1つの開口部を設けた。このポリプロピレン製フィルムを直径63mmの円形に切り出し、穴開き構造体15(図8)とした。開口率は、0.1%である。
厚み400μmのポリプロピレン製シート(オージェイケイ株式会社製 製品名「E06」)を準備し、直径2mmの穴を中心に1つの開口部を設けた。このポリプロピレン製フィルムを直径63mmの円形に切り出し、穴開き構造体16(図8)とした。開口率は、0.1%である。
厚み50μmのポリプロピレン製フィルム(オージェイケイ株式会社製 製品名「50A」)を準備し直径2mmの穴を15mm間隔で格子配列により開口部を設けた。この上質紙を直径63mmの円形に切り出し、穴開き構造体17(図7)とした。開口率は、1%である。
厚み80μmのポリプロピレン製フィルム(オージェイケイ株式会社製 製品名「80A」)を準備し直径2mmの穴を15mm間隔で格子配列により開口部を設けた。この上質紙を直径63mmの円形に切り出し、穴開き構造体18(図7)とした。開口率は、1%である。
厚み150μmのポリプロピレン製フィルム(オージェイケイ株式会社製 製品名「150A」)を準備し直径2mmの穴を15mm間隔で格子配列により開口部を設けた。この上質紙を直径63mmの円形に切り出し、穴開き構造体19(図7)とした。開口率は、1%である。
厚み100μmのポリエステル製フィルム(東レ株式会社製 製品名「ルミラー」)を準備し直径2mmの穴を15mm間隔で格子配列により開口部を設けた。この上質紙を直径63mmの円形に切り出し、穴開き構造体20(図7)とした。開口率は、1%である。
厚み200μmのポリプロピレン製シート(オージェイケイ株式会社製 製品名「200P」)を準備し直径2mmの穴を15mm間隔で格子配列により開口部を設けた。この上質紙を直径63mmの円形に切り出し、穴開き構造体21(図7)とした。開口率は、1%である。
厚み400μmのポリプロピレン製シート(オージェイケイ株式会社製 製品名「400P」)を準備し直径2mmの穴を15mm間隔で格子配列により開口部を設けた。この上質紙を直径63mmの円形に切り出し、穴開き構造体22(図7)とした。開口率は、1%である。
厚み400μmのポリプロピレン製シート(オージェイケイ株式会社製 製品名「E06」)を準備し直径2mmの穴を15mm間隔で格子配列により開口部を設けた。この上質紙を直径63mmの円形に切り出し、穴開き構造体23(図7)とした。開口率は、1%である。
<<基材層の準備>>
高密度ポリエチレン樹脂として、KEIYOポリエチレン製の高密度ポリエチ「M6900」(MFR17g/10分)を用い、ポリプロピレン樹脂として、日本ポリプロ製のポリプロピレンホモポリマー「SA3A」(MFR=11g/10分)を用いて、熱溶融紡糸法により、繊維径22μmの鞘成分が高密度ポリエチレン樹脂、芯成分がポリプロピレン樹脂からなる鞘芯型熱融着性複合繊維を作製した。
この鞘芯型熱融着性複合繊維を用いて、目付が200g/m、厚み5mmのカード法スルーエア不織布を製造し、基材層Aとした。
[実施例1]
ディーアイシーバイエルポリマー製のポリウレタン樹脂(グレード名:T1190)を、N,N−ジメチルホルムアミドとアセトンの共溶媒(60/40(w/w))に15質量%の濃度で溶解し、電界紡糸溶液を調製した。基材層A上に前記ポリウレタン溶液を電界紡糸して、基材層Aの不織布と繊維層のポリウレタン極細繊維との2層からなる積層体を作製した。
電界紡糸の条件は、27Gニードルを使用し、単孔溶液供給量は2.0mL/h、印加電圧は47kV、紡糸距離は20cmとした。
得られた繊維層の目付は10.0g/mであり、平均繊維径は420nmであり、融解温度は175℃であった。
得られた積層体を直径63mmに打ち抜き、積層体4枚と穴開き構造体2を1枚使用し、穴開き構造体2/基材層A/繊維層/繊維層/基材層A/基材層A/繊維層/繊維層/基材層Aとなるよう重ね合わせた。得られたサンプルを吸音率測定用サンプル(層間距離10mm)とした。繊維層と繊維層とが重層される部分は、両者を併せて1層の繊維層と考えるため、繊維層の層数を「2」とした。
垂直入射吸音率を測定し、低周波数領域の吸音性(200Hzから1000Hzまでの積分した値S)を評価したところ、325であり良好であった。
[実施例2]
実施例1と同様にポリウレタン樹脂を溶解し、電界紡糸溶液を調製し、基材層A上に電界紡糸しポリウレタン極細繊維(繊維層)との2層からなる積層体を作製した。
得られた積層体を直径63mmに打ち抜き、積層体4枚と穴開き構造体3を1枚使用し、穴開き構造体3/基材層A/繊維層/繊維層/基材層A/基材層A/繊維層/繊維層/基材層Aとなるよう重ね合わせた。得られたサンプルを吸音率測定用サンプル(層間距離10mm)とした。繊維層/繊維層の積層を1層と数えるため、繊維層の層数「2」とした。
穴開き構造体3を音源側に設置し、垂直入射吸音率を測定し、低周波数領域の吸音性(200Hzから1000Hzまでの積分した値S)を評価したところ、315であり良好であった。
[実施例3]
Arkema製のポリフッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン(以下、「PVDF−HFP」と略記する。)樹脂であるKynar(商品名)3120を、N,N−ジメチルアセトアミドとアセトンの共溶媒(60/40(w/w))に15質量%の濃度で溶解し、電界紡糸溶液を調製した。基材層の不織布Aを準備し、この上に前記PVDF−HFP溶液を電界紡糸して、基材層の不織布Aと繊維層のPVDF−HFP極細繊維との2層からなる積層体を作製した。電界紡糸の条件は、24Gニードルを使用し、単孔溶液供給量は3.0mL/h、印加電圧は35kV、紡糸距離は17.5cmとした。得られた積層体におけるPVDF−HFP極細繊維の層の目付は1.0g/mであり、平均繊維径は180nmであり、融解温度は168℃であった。積層体を直径63mmの円形に打ち抜き、積層体を3枚と、目付が200g/m、厚み5mm、カード法スルーエア不織布(基材層A)、穴開き構造体1とを、基材層A/繊維層/穴開き構造体1/基材層A/基材層A/繊維層/基材層Aとなるように重ね合わせ、吸音率測定用サンプル(層間距離10mm)とした。
繊維層が2層あるため、繊維層の層数「2」とした。
垂直入射吸音率を測定し、低周波数領域の吸音性(200Hzから1000Hzまでの積分した値S)を評価したところ、187であり良好であった。
[実施例4]
基材層A/繊維層/穴開き構造体4/基材層A/基材層A/繊維層/基材層Aとなるよう重ね合わせた以外は、実施例3と同様に実施した。垂直入射吸音率を測定し、低周波数領域の吸音性(200Hzから1000Hzまでの積分した値S)を評価したところ、186であり良好であった。
[実施例5]
基材層A/繊維層/穴開き構造体5/基材層A/基材層A/繊維層/基材層Aとなるよう重ね合わせた以外は、実施例3と同様に実施した。垂直入射吸音率を測定し、低周波数領域の吸音性(200Hzから1000Hzまでの積分した値S)を評価したところ、256であり良好であった。
[実施例6]
基材層A/繊維層/穴開き構造体6/基材層A/基材層A/繊維層/基材層Aとなるよう重ね合わせた以外は、実施例3と同様に実施した。垂直入射吸音率を測定し、低周波数領域の吸音性(200Hzから1000Hzまでの積分した値S)を評価したところ、210であり良好であった。
[実施例7]
基材層A/繊維層/穴開き構造体7/基材層A/基材層A/繊維層/基材層Aとなるよう重ね合わせた以外は、実施例3と同様に実施した。垂直入射吸音率を測定し、低周波数領域の吸音性(200Hzから1000Hzまでの積分した値S)を評価したところ、333であり良好であった。
[実施例8]
基材層A/繊維層/穴開き構造体2/基材層A/基材層A/繊維層/基材層Aとなるよう重ね合わせた以外は、実施例3と同様に実施した。垂直入射吸音率を測定し、低周波数領域の吸音性(200Hzから1000Hzまでの積分した値S)を評価したところ、201であり良好であった。
[実施例9]
穴開き構造体7/基材層A/繊維層/基材層A/基材層A/繊維層/基材層Aとなるよう重ね合わせた以外は、実施例3と同様に実施した。垂直入射吸音率を測定し、低周波数領域の吸音性(200Hzから1000Hzまでの積分した値S)を評価したところ、234であり良好であった。
[実施例10]
基材層A/繊維層/基材層A/穴開き構造体7/基材層A/繊維層/基材層Aとなるよう重ね合わせた以外は、実施例3と同様に実施した。垂直入射吸音率を測定し、低周波数領域の吸音性(200Hzから1000Hzまでの積分した値S)を評価したところ、201であり良好であった。
[実施例11]
基材層A/繊維層/穴開き構造体8/基材層A/基材層A/繊維層/基材層Aとなるよう重ね合わせた以外は、実施例3と同様に実施した。垂直入射吸音率を測定し、低周波数領域の吸音性(200Hzから1000Hzまでの積分した値S)を評価したところ、280であり良好であった。
[実施例12]
基材層A/繊維層/穴開き構造体7/基材層A/基材層A/穴開き構造体7/繊維層/基材層Aとなるよう重ね合わせた以外は、実施例3と同様に実施した。垂直入射吸音率を測定し、低周波数領域の吸音性(200Hzから1000Hzまでの積分した値S)を評価したところ、272であり良好であった。
[実施例13]
基材層A/繊維層/穴開き構造体9/基材層A/基材層A/繊維層/基材層Aとなるよう重ね合わせた以外は、実施例3と同様に実施した。垂直入射吸音率を測定し、低周波数領域の吸音性(200Hzから1000Hzまでの積分した値S)を評価したところ、171であり良好であった。
[実施例14]
基材層A/繊維層/穴開き構造体10/基材層A/基材層A/繊維層/基材層Aとなるよう重ね合わせた以外は、実施例3と同様に実施した。垂直入射吸音率を測定し、低周波数領域の吸音性(200Hzから1000Hzまでの積分した値S)を評価したところ、199であり良好であった。
[実施例15]
基材層A/繊維層/穴開き構造体11/基材層A/基材層A/繊維層/基材層Aとなるよう重ね合わせた以外は、実施例3と同様に実施した。垂直入射吸音率を測定し、低周波数領域の吸音性(200Hzから1000Hzまでの積分した値S)を評価したところ、259であり良好であった。
[実施例16]
基材層A/繊維層/穴開き構造体12/基材層A/基材層A/繊維層/基材層Aとなるよう重ね合わせた以外は、実施例3と同様に実施した。垂直入射吸音率を測定し、低周波数領域の吸音性(200Hzから1000Hzまでの積分した値S)を評価したところ、257であり良好であった。
[実施例17]
基材層A/繊維層/穴開き構造体13/基材層A/基材層A/繊維層/基材層Aとなるよう重ね合わせた以外は、実施例3と同様に実施した。垂直入射吸音率を測定し、低周波数領域の吸音性(200Hzから1000Hzまでの積分した値S)を評価したところ、290であり良好であった。
[実施例18]
基材層A/繊維層/穴開き構造体14/基材層A/基材層A/繊維層/基材層Aとなるよう重ね合わせた以外は、実施例3と同様に実施した。垂直入射吸音率を測定し、低周波数領域の吸音性(200Hzから1000Hzまでの積分した値S)を評価したところ、322であり良好であった。
[実施例19]
基材層A/繊維層/穴開き構造体15/基材層A/基材層A/繊維層/基材層Aとなるよう重ね合わせた以外は、実施例3と同様に実施した。垂直入射吸音率を測定し、低周波数領域の吸音性(200Hzから1000Hzまでの積分した値S)を評価したところ、298であり良好であった。
[実施例20]
基材層A/繊維層/穴開き構造体16/基材層A/基材層A/繊維層/基材層Aとなるよう重ね合わせた以外は、実施例3と同様に実施した。垂直入射吸音率を測定し、低周波数領域の吸音性(200Hzから1000Hzまでの積分した値S)を評価したところ、354であり良好であった。
[実施例21]
基材層A/繊維層/穴開き構造体17/基材層A/基材層A/繊維層/基材層Aとなるよう重ね合わせた以外は、実施例3と同様に実施した。垂直入射吸音率を測定し、低周波数領域の吸音性(200Hzから1000Hzまでの積分した値S)を評価したところ、223であり良好であった。
[実施例22]
基材層A/繊維層/穴開き構造体18/基材層A/基材層A/繊維層/基材層Aとなるよう重ね合わせた以外は、実施例3と同様に実施した。垂直入射吸音率を測定し、低周波数領域の吸音性(200Hzから1000Hzまでの積分した値S)を評価したところ、188であり良好であった。
[実施例23]
基材層A/繊維層/穴開き構造体19/基材層A/基材層A/繊維層/基材層Aとなるよう重ね合わせた以外は、実施例3と同様に実施した。垂直入射吸音率を測定し、低周波数領域の吸音性(200Hzから1000Hzまでの積分した値S)を評価したところ、225であり良好であった。
[実施例24]
基材層A/繊維層/穴開き構造体20/基材層A/基材層A/繊維層/基材層Aとなるよう重ね合わせた以外は、実施例3と同様に実施した。垂直入射吸音率を測定し、低周波数領域の吸音性(200Hzから1000Hzまでの積分した値S)を評価したところ、218であり良好であった。
[実施例25]
基材層A/繊維層/穴開き構造体21/基材層A/基材層A/繊維層/基材層Aとなるよう重ね合わせた以外は、実施例3と同様に実施した。垂直入射吸音率を測定し、低周波数領域の吸音性(200Hzから1000Hzまでの積分した値S)を評価したところ、278であり良好であった。
[実施例26]
基材層A/繊維層/穴開き構造体22/基材層A/基材層A/繊維層/基材層Aとなるよう重ね合わせた以外は、実施例3と同様に実施した。垂直入射吸音率を測定し、低周波数領域の吸音性(200Hzから1000Hzまでの積分した値S)を評価したところ、286であり良好であった。
[実施例27]
基材層A/繊維層/穴開き構造体23/基材層A/基材層A/繊維層/基材層Aとなるよう重ね合わせた以外は、実施例3と同様に実施した。垂直入射吸音率を測定し、低周波数領域の吸音性(200Hzから1000Hzまでの積分した値S)を評価したところ、303であり良好であった。
[比較例1]
基材層A/繊維層/繊維層/基材層A/基材層A/繊維層/繊維層/基材層Aとなるよう重ね合わせた以外は、実施例1と同様に実施した。垂直入射吸音率を測定し、低周波数領域の吸音性(200Hzから1000Hzまでの積分した値S)を評価したところ、157であり、低周波数領域吸音性が不良であった。
[比較例2]
基材層A/繊維層/基材層A/基材層A/繊維層/基材層Aとなるよう重ね合わせた以外は、実施例3と同様に実施した。垂直入射吸音率を測定し、低周波数領域の吸音性(200Hzから1000Hzまでの積分した値S)を評価したところ、144であり、低周波数領域吸音性が不良であった。
[比較例3]
基材層A/繊維層/繊維層/基材層A/基材層A/繊維層/繊維層/基材層A/基材層A/繊維層/繊維層/基材層Aとなるよう重ね合わせた以外は、実施例1と同様に実施した。垂直入射吸音率を測定し、低周波数領域の吸音性(200Hzから1000Hzまでの積分した値S)を評価したところ、324であり、低周波数領域吸音性が良好であるものの、トータル厚みが30mmを超え省スペース性が劣った。
実施例1〜6の積層吸音材の構造及び物性、吸音性能を表1にまとめる。
Figure 0006856888
実施例7〜12の積層吸音材の構造及び物性、吸音性能を表2にまとめる。
Figure 0006856888
実施例13〜20の積層吸音材の構造及び物性、吸音性能を表3にまとめる。
Figure 0006856888
実施例21〜27の積層吸音材の構造及び物性、吸音性能を表4にまとめる。
Figure 0006856888
比較例1〜3の積層吸音材の構造及び物性、吸音性能を表5にまとめる。
Figure 0006856888

Claims (12)

  1. 繊維層と基材層とを含む積層吸音材であって、
    前記繊維層は前記積層吸音材中に少なくとも2層含まれ、また前記繊維層は450nm未満の繊維径の繊維からなり、目付けが50g/m 未満である1または2以上の繊維集合体から構成されており
    前記基材層は、不織布、フィルム、ガラス繊維および紙からなる群より選ばれる少なくとも1つからなり、目付けが1g/m以上であり、
    さらに、前記積層吸音材は、開口率0.05%以上50%未満の穴開き構造体を1層以上有する、積層吸音材。
  2. 前記穴開き構造体が、前記積層吸音材に含まれる前記繊維層のうち最外層の繊維層の内面に隣接して備えられている、請求項1に記載の積層吸音材。
  3. 前記穴開き構造体が、前記積層吸音材に含まれる前記繊維層のうち最外層の繊維層よりも内側に、2層以上備えられている、請求項1に記載の積層吸音材。
  4. 前記積層吸音材中において最外面に位置する2層のうち一方が前記基材層であり、他方が前記基材層または穴開き構造体である、
    請求項1に記載の積層吸音材。
  5. 前記繊維層同士の層間距離が100μm〜15mmである、
    請求項1〜4いずれか1項に記載の積層吸音材。
  6. 前記積層吸音材の厚みが、0.3〜30mmである、
    請求項1〜5いずれか1項に記載の積層吸音材。
  7. 前記穴開き構造体の素材が、不織布、フィルム、ガラス繊維、織布および紙からなる群より選ばれる少なくとも1つである、請求項1〜のいずれか1項に記載の積層吸音材。
  8. 前記基材層が、ポリエチレンフタレート繊維、ポリブチレンテレフタレート繊維、ポリエチレン繊維およびポリプロピレン繊維からなる群から選ばれる少なくとも1種からなる不織布であり、前記基材層の目付けが1〜300g/mである、請求項1〜のいずれか1項に記載の積層吸音材。
  9. 前記繊維層を形成する繊維が、ポリフッ化ビニリデン、ナイロン6.6、ポリアクリロニトリル、ポリスチレン、ポリウレタン、ポリスルフォンおよびポリビニルアルコールからなる群から選ばれる少なくとも1種である、請求項1〜のいずれか1項に記載の積層吸音材。
  10. 垂直入射吸音率測定法(200〜1000Hz)において、周波数xが200Hzから3200Hzまでの吸音率を1Hz間隔で測定し、得られる曲線をf(x)としたとき、200Hzから1000Hzまでの積分した値Sが、下記式を満たす範囲である、請求項1〜のいずれか1項に記載の積層吸音材。
    Figure 0006856888
  11. 垂直入射吸音率測定法(200〜1000Hz)において、周波数xが200Hzから3200Hzまでの吸音率を1Hz間隔で測定し、得られる曲線をf(x)としたとき、200Hzから1000Hzまでの積分した値Sが、下記式を満たす範囲である、請求項1〜のいずれか1項に記載の積層吸音材。
    Figure 0006856888
  12. 請求項1〜11のいずれか1項に記載の積層吸音材において、前記繊維層を構成する繊維が、ポリフッ化ビニリデン、ナイロン6.6、ポリアクリロニトリル、ポリスチレン、ポリウレタン、ポリスルフォンおよびポリビニルアルコールからなる群から選ばれる少なくとも1種の高分子を含む溶液を静電スピニングすることによって作り出されることを特徴とする、積層吸音材の製造方法。
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