JP6852634B2 - 車両用動力ユニット - Google Patents

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Description

この発明は、車両に搭載され、少なくとも駆動力または制動力を発生する車両用動力ユニットに関するものである。
特許文献1には、遊星歯車機構を用いた減速機構の一例が記載されている。この特許文献1に記載された減速機構は、第1遊星歯車機構と第2遊星歯車機構との二組の遊星歯車機構を組み合わせた複合遊星歯車機構から構成されている。第1遊星歯車機構は、互いに差動回転する三つの回転要素として、第1サンギヤ、第1リングギヤ、および、第1キャリアを有している。同様に、第2遊星歯車機構は、互いに差動回転する三つの回転要素として、第2サンギヤ、第2リングギヤ、および、第2キャリアを有している。第1サンギヤと第2サンギヤとが、同一の回転軸線上で連結されている。第1リングギヤと第2リングギヤとが、共用されて一体化されている。第2キャリアは、静止フレームに回転不可能に固定されている。そして、第2サンギヤおよび第1サンギヤが入力軸となり、第1キャリアが出力軸となるように構成されている。
また、この特許文献1には、回転が止められた第2キャリアによって保持される複数のプラネタリギヤを非軸対象に配置することにより、歯数選択の自由度をプラネタリギヤの個数(N)倍に拡大することが記載されている。歯数選択の自由度がN倍になることにより、従来の構成と比較してN倍の高減速比を得ることが可能になる、とされている。
特開2008−275112号公報
特許文献1に記載されているような減速機構を車両用の駆動ユニットや制動ユニットなどの車両用動力ユニットに適用することができる。例えば駆動ユニットのモータと減速機構とを組み合わせることにより、モータが出力する駆動トルクを増幅することができる。駆動トルクが増幅される分、モータを小型化することができ、そのため、上記の駆動ユニットを小型化することができる。したがって、特許文献1に記載されているような減速機構を適用し、モータを小型化することにより、モータ駆動ユニットの小型・軽量化を図ることができる。
上記のように、特許文献1に記載された減速機構は、複合遊星歯車機構を用いることにより、単体の遊星歯車機構による減速機構と比較して、大きな減速比を得ることができる。また、特許文献1の記載によれば、プラネタリギヤの個数を増やすことによって減速比を大きくすることができる。一方、特許文献1に記載された減速機構は、共通のリングギヤによって二組の遊星歯車機構を連結して複合遊星歯車機構を構成している。そのため、プラネタリギヤの個数は、内歯歯車であるリングギヤの歯数や内径によって制約を受ける。したがって、特許文献1に記載された減速機構では、装置の小型化や軽量化を考慮すれば、リングギヤの歯数および内径によってプラネタリギヤの個数が制限されてしまう。その結果、減速比を大きくすることも制限されてしまう。
また、特許文献1に記載された減速機構は、入力軸と出力軸とが同軸とされているから、そのような減速機構を車両用動力ユニットに搭載した場合には、出力軸と同軸の入力軸に駆動トルクや制動トルクを入力する複数のアクチュエータを配置することになる。そのような場合、動力ユニットの軸方向への大きさ(体格)が増大するから、その動力ユニットの車両への搭載性が低下する。
このように、より高い減速比を得ることが可能な減速機構を用いて、車両に搭載するモータ駆動ユニットや制動ユニットなどの車両用動力ユニットの更なる小型化・軽量化を図るためには、未だ改良の余地があった。
この発明は上記の技術的課題に着目して考え出されたものであり、駆動モータやブレーキ装置などのアクチュエータと高減速比の減速機構とを組み合わせ、小型化・軽量化を図ることが可能な車両用動力ユニットを提供することを目的とするものである。
上記の目的を達成するために、この発明は、トルクを発生する複数のアクチュエータと、前記トルクが入力される入力軸と、車両の車輪に動力を伝達する車軸と、前記入力軸と前記車軸との間で回転数を減速する減速機構とを備え、前記入力軸に入力される前記トルクを増幅して前記車軸に伝達し、前記車両の駆動力または制動力の少なくともいずれかを発生させる車両用動力ユニットにおいて、前記減速機構は、サンギヤ、リングギヤ、および、キャリアを有する一組の遊星歯車機構と、前記サンギヤと一体回転するサンギヤ軸に連結された大径ギヤと前記大径ギヤに噛み合う複数のピニオンギヤとを有する平行ギヤセットと、前記複数のピニオンギヤと一体回転し、かつ前記入力軸となる複数のピニオン軸とを備え、前記複数のピニオン軸は、前記車軸の外周側に配置され、かつ前記複数のアクチュエータにそれぞれ連結され、前記減速機構は、前記車両の中央側に配置され、前記複数のアクチュエータは、前記車両の幅方向における前記減速機構の外側に、かつ前記車軸を挟んで径方向における外周側にそれぞれ配置されていることを特徴とするものである。
この発明の車両用動力ユニットによれば、例えば駆動トルクや制動トルクなど、アクチュエータが発生するトルクが、減速機構によって増幅されて車軸に伝達される。また、その減速機構は、一組の遊星歯車機構と一組の平行ギヤセットによって構成されている。そのため、例えば前述した特許文献1に記載されたような複数の遊星歯車機構を設けた構成に比べて動力ユニットの構成を小型化することができる。
また、この発明の車両用動力ユニットによれば、車軸の外周側に複数の入力軸が配置され、その入力軸のそれぞれにトルクを発生する各アクチュエータが連結されている。そして、それら各アクチュエータは、車幅方向において減速機構の内側もしくは外側に配置されている。つまり、入力軸は多軸構成であり、その入力軸と車軸(出力軸)とが同軸の構成ではないから、従来の遊星歯車機構を搭載した動力ユニットに比べて車幅方向(軸方向)における構成の大型化を抑制することができる。言い換えれば、複数のアクチュエータを車両に搭載した場合であっても、車両用動力ユニットとしての小型化が可能となる。
この発明の実施形態における車両用動力ユニットの一例を説明する図である。 この発明の実施形態における車両用動力ユニットの他の例を説明する図である。 各アクチュエータのレイアウトの一例を説明する図である。 各アクチュエータのレイアウトにおける他の例を説明する図である。
図1に、この発明の実施形態における車両用動力ユニット1をオンボード・2モータ駆動ユニット100に適用した例を示してある。このオンボード・2モータ駆動ユニットは、車体に設置される(すなわち、オンボードタイプの)二基の動力ユニットから構成されている。具体的には、オンボード・2モータ駆動ユニット100は、一方の車輪(図示せず)、すなわち左側車輪に動力を伝達する車軸2と、アクチュエータ3と、入力軸4と、減速機構5とを有する左側ユニット6、および、他方の車輪(図示せず)すなわち右側車輪に動力を伝達する車軸2と、アクチュエータ3と、入力軸4と、減速機構5とを有する右側ユニット7から構成されている。なお、左側ユニット6および右側ユニット7は、共に同じ構成である。したがって、これ以降の説明では、特に説明する場合を除いて、一方のみのユニット6(7)について説明する。
また、左側ユニット6および右側ユニット7は、互いの車軸2の回転軸線CL1を一致させ、それぞれの車軸2の突出方向が車幅方向(図1での左右方向)で互いに反対側を向くように配置されている。すなわち、左側ユニット6および右側ユニット7は、それぞれ、ケース8の背面8a同士を対向させて配置され、言い換えれば車両の内側にアクチュエータ3が配置されている。
アクチュエータ3は、例えば、電動モータなどの駆動用アクチュエータ、あるいは、ブレーキ装置や回生用モータ(発電機)などの制動用アクチュエータである。したがって、アクチュエータ3は、例えば、車両を駆動するための駆動トルク、あるいは、車両を制動するための制動トルクなどのトルクを発生する。この図1に示す車両用動力ユニット1において、アクチュエータ3として、駆動トルクを発生する駆動用アクチュエータ3aを装備すれば、駆動用アクチュエータ3aを動力源とする車両の駆動ユニットを構成することができる。一方、アクチュエータ3として、制動トルクを発生する制動用アクチュエータ3bを装備すれば、制動用アクチュエータ3bを動力源とする車両の制動ユニットを構成することができる。
入力軸4は、例えば、後述するピニオン軸9が連結される。もしくは、そのピニオン軸9が入力軸4として機能する。そして、その入力軸4には、上記のアクチュエータ3が発生するトルクが入力される。
車軸2は、後述するキャリア軸10が連結される。もしくは、そのキャリア軸10が車軸2として機能する。そして、その車軸2から、車両(図示せず)の車輪に動力が伝達される。
減速機構5は、遊星歯車機構11および平行ギヤセット12から構成されている。減速機構5は、入力軸4と車軸2との間で回転数を減速するとともに、入力軸4に入力されるトルクを車軸2に伝達する。遊星歯車機構11は、互いに差動回転する三つの回転要素として、サンギヤ13、リングギヤ14、および、キャリア15を有している。また、キャリア15によって保持され、サンギヤ13およびリングギヤ14の両方に噛み合うプラネタリギヤ16を有している。すなわち、図1には、シングルピニオン型の遊星歯車機構によって構成された遊星歯車機構11の例を示してある。
また、遊星歯車機構11は、サンギヤ軸17、および、キャリア軸10により、減速機構5のケース8に支持されている。サンギヤ軸17は、サンギヤ13の回転軸であって、サンギヤ13および後述する大径ギヤ18と一体に回転する。キャリア軸10は、キャリア15の回転軸であって、キャリア15と一体に回転する。サンギヤ軸17とキャリア軸10とは、同一の回転軸線上で相対回転可能に配置されている。なお、図1では、上述したように、遊星歯車機構11がシングルピニオン型の遊星歯車機構によって構成された例を示しているものの、この発明の実施形態における遊星歯車機構11は、ダブルピニオン型の遊星歯車機構によって構成してもよい。
平行ギヤセット12は、大径ギヤ18、および、二つのピニオンギヤ19から構成されている。具体的には、大径ギヤ18は、サンギヤ軸17に取り付けられ、すなわち大径ギヤ18は、サンギヤ13と同一の回転軸線上に配置されている。また、上述した入力軸4に連結されたピニオン軸9は、ピニオンギヤ19の回転軸であって、そのピニオンギヤ19と一体に回転する。この二つのピニオンギヤ19は、大径ギヤ18の外周側に配置されており、それぞれのピニオンギヤ19が大径ギヤ18に噛み合っている。つまり、減速機構5は、この平行ギヤセット(ピニオンギヤ19および大径ギヤ18)12のギヤ比と遊星歯車機構11におけるギヤ比とに応じて、アクチュエータ3からの出力トルクが増大されて車軸2に伝達される。
図1に示す例では、左側ユニット6および右側ユニット7は、いずれも、複数の入力軸4を備えている。また、それら複数の入力軸4にそれぞれトルクを入力する複数のアクチュエータ3を備えている。図1に示す例では、上述したように二つのピニオン軸9に、それぞれ、入力軸4が連結され、実質的に、ピニオン軸9が、この車両用動力ユニット1における入力軸4とされている。また、キャリア軸10に車軸2が連結され、実質的に、キャリア軸10が、この車両用動力ユニット1における車軸2とされている。また、この図1に示す例では、アクチュエータ3として、駆動用アクチュエータ3a(図1の下側)、および、制動用アクチュエータ3b(図1の上側)が装備されている。
なお、駆動用アクチュエータ3aは、駆動トルクを発生するアクチュエータである。例えば、永久磁石式の同期モータ、あるいは、誘導モータなどによって構成されている。また、制動用アクチュエータ3bは、制動トルクを発生するアクチュエータである。その制動用アクチュエータ3bは、通常の制動時に作動させるサービスブレーキ機構20、および、駐車時あるいは停車時に作動させて制動力を保持するパーキングブレーキ機構21を備えている。サービスブレーキ機構20は、例えば、通電されることにより発生する磁気吸引力を利用して所定の回転部材を制動する励磁作動型の電磁ブレーキ、電動モータによって駆動される送りねじ機構を用いて摩擦制動力を発生させる電動ブレーキ、あるいは、モータで発電する際に発生する抵抗力を利用して所定の回転部材を制動する回生ブレーキなどによって構成されている。パーキングブレーキ機構21は、通電することにより作動して制動トルクを発生するとともに、通電を停止した状態で制動トルクを保持することが可能なように構成されている。
また、入力軸4およびピニオン軸9は、ケース8に組み付けられたベアリング22とベアリング23とにより、ケース8に回転可能に支持されている。車軸2およびキャリア軸10は、ケース8に組み付けられたベアリング24により、ケース8に回転可能に支持されている。サンギヤ軸17は、ケース8に組み付けられたベアリング25により、ケース8に回転可能に支持されている。また、キャリア軸10のケース8の内側の端部に、ベアリング26が組み付けられている。そのベアリング26を介して、サンギヤ軸17とキャリア軸10とが、相対回転可能に連結されている。このように、サンギヤ軸17と車軸2とは、同一の回転軸線CL1上に配置されている。
そして、上述した遊星歯車機構11は、ケース8の内部で平行ギヤセット12と並列するように配置されている。サンギヤ13は、サンギヤ軸17に取り付けられており、サンギヤ軸17と一体に回転する。したがって、サンギヤ13およびサンギヤ軸17は、ベアリング25によってケース8に回転可能に支持されている。キャリア15は、キャリア軸10に取り付けられている。あるいは、キャリア15とキャリア軸10とが一体に形成されている。キャリア15は、キャリア軸10と一体に回転する。したがって、キャリア15およびキャリア軸10は、ベアリング24によってケース8に回転可能に支持されている。
また、上述した平行ギヤセット12は、上記のようにケース8の内部で遊星歯車機構11と並列し、遊星歯車機構11に対向するように配置されている。大径ギヤ18は、サンギヤ軸17に取り付けられており、サンギヤ軸17と一体に回転する。ピニオンギヤ19は、ピニオン軸9に取り付けられており、ピニオン軸9と一体に回転する。ピニオン軸9は、サンギヤ軸17と平行に配置されており、ケース8に組み付けられたベアリング22およびベアリング23により、ケース8に回転可能に支持されている。
さらに、この発明の実施形態における車両用動力ユニット1では、左側ユニット6と右側ユニット7とを連結するクラッチ機構27が設けられている。具体的には、図1に示すように、駆動用アクチュエータ3aは、連結部28を有している。そして、左側ユニット6における駆動用アクチュエータ3aの連結部28と、右側ユニット7における駆動用アクチュエータ3aの連結部28とが、クラッチ機構27を介して連結されている。したがって、この図1に示す例では、クラッチ機構27は、車幅方向で左側ユニット6と右側ユニット7との間に配置され、上記の左側ユニット6における連結部28と右側ユニット7における連結部28とを選択的に連結するように構成されている。
したがって、クラッチ機構27は、左側ユニット6のピニオン軸9と、右側ユニット7のピニオン軸9とを連結する摩擦係合力を発生することにより、左側車輪と右側車輪との間の差動回転を制限する差動制限機構として機能する。図1に示す例では、クラッチ機構27は、通電が無い状態では圧縮コイルばね29の弾性力を利用して摩擦係合力を発生し、通電されることにより磁気吸引力を発生して摩擦係合力を減少させる無励磁作動型の電磁クラッチによって構成されている。したがって、クラッチ機構27は、コイル30に通電がない通常時は、押圧板31が圧縮コイルばね29による付勢力によって締結プレート32に接触して係合し、左側車輪と右側車輪との間の差動回転を制限する。そして、コイル30に通電されることによって解放し、左側車輪と右側車輪との間の差動制限を解除する。
このように、この発明の実施形態における車両用動力ユニット1では、一組の平行ギヤセット12および一組の遊星歯車機構11からなる減速機構5が設けられることにより、その平行ギヤセット12と遊星歯車機構11との間でトルクを伝達することができる。すなわち、ピニオン軸9に入力されたトルクは、平行ギヤセット12および遊星歯車機構11を経由して出力軸に伝達される。つまり、平行ギヤセット12、および、遊星歯車機構11の差動作用により、サンギヤ13の回転数に対してキャリア15の回転数が大きく減速される。すなわち、この発明の実施形態における減速機構5は、入力軸4と車軸2との間で高い減速比を得ることが可能な高減速機能を有している。そして、このように高減速機能を有する減速機構5により、アクチュエータ3が発生するトルクを増幅して車軸2に伝達することができ、その結果、そのトルクが増幅される分、アクチュエータ3を小型化することができる。したがって、例えば前述の特許文献1に記載されているような従来の複合遊星歯車機構による減速装置などと比較して、ユニット全体としての構成を小型化することができる。
また、この発明の実施形態では、入力軸4が出力軸(車軸2)の外周側に配置されている。また、その入力軸4を複数(すなわち多軸)設けることにより、複数のアクチュエータ3を搭載することができる。そして、そのように複数のアクチュエータ3を搭載した場合であっても、この発明の実施形態では、上述したように出力軸の外周側に各アクチュエータ3が配置されているから、その出力軸が左側ユニット6と右側ユニット7との軸間距離に影響されず、言い換えれば、車幅方向における大きさはアクチュエータ3の大きさにより決定されるから、車幅方向における体格を小型化できる。つまり、車幅方向(軸方向)における体格が増大することを抑制でき、この車両用動力ユニット1の車両への搭載性を向上させることができる。
さらに、図1に示す例では、上述したように車幅方向における内側に、複数のアクチュエータ3が配置されている。すなわち、複数のアクチュエータ3は、車軸2を跨ぐことなく、車軸2の突出方向と反対の背面8a側に配置される。そのため、複数のアクチュエータ3を車軸2を挟んで配置する場合と比較して、車軸2の径方向におけるサイズを短縮することができる。したがって、特に車両の高さ方向および前後方向の体格を小型化したコンパクトなオンボード・2モータ駆動ユニット100を構成することができる。
また、そのオンボード・2モータ駆動ユニット100の小型化により、上述した車両への搭載性に加えて車両の居住性をも向上させることができる。さらに、この発明の実施形態におけるオンボード・2モータ駆動ユニット100によれば、左側車輪と右側車輪とでそれぞれ発生させる駆動力および制動力を、左右で独立に制御することができる。したがって、例えば、トルクベクタリングが可能な車両を構成することができる。そのため、このオンボード・2モータ駆動ユニット100を搭載する車両の走行性能を向上させることができる。
つぎに、この発明の実施形態における車両用動力ユニット1を用いて構成したオンボード・2モータ駆動ユニットの他の例について説明する。図2は、その例を示すオンボード・2モータ駆動ユニット200である。なお、このオンボード・2モータ駆動ユニット200において、前述の図1、あるいは、既出の図面で示した例と構成および機能が同じ部材や部品については、図1、あるいは、既出の図面で用いた参照符号と同じ参照符号を付してある。
図2に示すオンボード・2モータ駆動ユニット200は、図1の例と同様に二基の動力ユニットから構成されている。具体的には、オンボード・2モータ駆動ユニット200は、一方(図2での左側)の車輪(図示せず)に動力を伝達する車軸2と、アクチュエータ3と、入力軸4と、減速機構5とを有する左側ユニット6、および、他方(図2での右側)の車輪(図示せず)に動力を伝達する車軸2と、アクチュエータ3と、入力軸4と、減速機構5とを有する右側ユニット7から構成されている。
左側ユニット6および右側ユニット7は、共に同じ構成であって、いずれも、上述した図1で示した例の車両用動力ユニット1と同じ構成である。その構成を簡略化して説明すると、左側ユニット6および右側ユニット7は、いずれも、複数の入力軸4を備えている。また、それら複数の入力軸4にそれぞれトルクを入力する複数のアクチュエータ3を備えている。図2に示す例では図1の例と同様に、二つのピニオン軸9に、それぞれ、入力軸4が連結されている。もしくは、二つのピニオン軸9が、それぞれ、入力軸4として機能する。すなわち、実質的に、二つのピニオン軸9が、この車両用動力ユニット1における入力軸4となっている。また、キャリア軸10に車軸2が連結されている。もしくは、キャリア軸10が車軸2として機能する。すなわち、実質的に、キャリア軸10が、この車両用動力ユニット1における車軸2となっている。また、この図2に示す例では、アクチュエータ3として、駆動用アクチュエータ3a、および、制動用アクチュエータ3bが装備されている。また、左側ユニット6と、右側ユニット7との間に図1の構成と同様のクラッチ機構27が設けられている。なお、制動用アクチュエータ3bは、前述の図1で示した例のように、サービスブレーキ機構20、および、パーキングブレーキ機構21を備えている。
また、図2に示す例では、左側ユニット6および右側ユニット7は、互いの車軸2の回転軸線CL1を一致させ、それぞれの車軸2の突出方向が車幅方向(図1での左右方向)を向くように配置されている。すなわち、左側ユニット6および右側ユニット7は、それぞれ、ケース8の背面8aの反対側に配置されている。前述の図1で示したオンボード・2モータ駆動ユニット100における左側ユニット6および右側ユニット7では、いずれも、車両の内側に複数のアクチュエータ3が配置されており、すなわち回転軸線CL1方向における背面8a側に、複数のアクチュエータ3が配置されていた。そのため、複数のアクチュエータ3は、それぞれ、車軸2を挟まずに、車軸2の径方向における外周側に位置している。これに対して図2で示す例では、駆動用アクチュエータ3a、および、制動用アクチュエータ3bが、それぞれ、車軸2を挟み、車軸2の径方向における外周側に配置されている。つまり、この発明の実施形態におけるオンボード・2モータ駆動ユニット200は、複数のアクチュエータ3を、車両の外側に配置することもできる。すなわち、回転軸線CL1方向におけるケース8の背面8aとは反対側に、複数のアクチュエータ3を配置することができる。
このように、車両用動力ユニット1によってオンボード・2モータ駆動ユニット200を構成することにより、図1の例と同様にオンボード・2モータ駆動ユニット200の小型・軽量化を図ることができる。そのため、このオンボード・2モータ駆動ユニット200を搭載する車両の軽量化に寄与し、車両のエネルギ効率を向上させることができる。
また、図2に示す例では、回転軸線CL1方向において、それぞれの車軸2が車輪に向けて突出する側に、アクチュエータ3が配置され、言い換えれば、アクチュエータ3は、車両の外側に配置されている。したがって、減速機構5の背面8a側には、アクチュエータ3、および、アクチュエータ3からトルクを入力する入力軸4は配置されない。そのため、左側ユニット6および右側ユニット7のそれぞれの背面8a同士を対向させて配置する場合に、回転軸線CL1方向におけるサイズを短縮することができる。またそのように、左側ユニット6と右側ユニット7とを接近させて配置できるから、減速機構5などの強度部材をユニット全体としての中心部分に配置することができる。
そして、図2に示す例では、例えば大径ギヤ18とピニオンギヤ19との噛み合う位置を図3や図4のように構成してもよい。例えば図3に示すように、大径ギヤ18に対して、上方向でピニオンギヤ19を噛ませた場合には、そのピニオンギヤ19のピニオン軸9に連結された各アクチュエータ3も上方向に配置されるから、車両の前後方向において小型化(短縮化)が可能となる。また図4に示すように、大径ギヤ18に対して車両の前後方向でピニオンギヤ19を噛ませた場合には、それに伴ってアクチュエータ3も車両の前後方向に配置されるから、車両の上下方向において小型化(短縮化)が可能となる。つまり、このオンボード・2モータ駆動ユニット200を車両に搭載した場合において、どの方向での小型化を図るかなど、搭載性を考慮して適宜、設計変更することが可能となる。
以上、この発明の複数の実施形態について説明したが、この発明は上述した例に限定されないのであって、この発明の目的を達成する範囲で適宜変更してもよい。上述した各実施形態では、オンボード・2モータ駆動ユニット100(200)に装備されるアクチュエータ3として、一つの駆動用アクチュエータ3a、および、一つの制動用アクチュエータ3bが設けられている。それに対して、この発明の実施形態におけるオンボード・2モータ駆動ユニット100(200)は、二つ以上の駆動用アクチュエータ3a、もしくは、二つ以上の制動用アクチュエータ3bが設けられた構成であってもよい。そのような場合には、一方の駆動用アクチュエータ3a(あるいは制動用アクチュエータ3b)をフェール時のバックアップとして機能させてもよい。それにより、独立した二系統の駆動力源を有する駆動ユニット(あるいは制動ユニット)を構成することができる。そのため、コンパクトで信頼性に優れた駆動ユニット(あるいは制動ユニット)を構成することができる。
さらに、二つ以上の駆動用アクチュエータ3a(あるいは制動用アクチュエータ3b)を、それぞれ出力特性が異なるモータによって構成することができる。例えば、一方の駆動用アクチュエータ3aは、通常(中・低車速)の走行に適した同期モータによって構成し、他方の駆動用アクチュエータ3aは、高速走行に適した誘導モータによって構成する。したがって、例えば、車速や駆動力の要求量に応じて使用するモータを切り替えることにより、走行状況に即した駆動力を効率良く発生することができる。そのため、コンパクトで信頼性に優れ、かつ、エネルギ効率の良い駆動ユニットを構成することができる。
また、この車両用動力ユニット1は、一つの駆動用アクチュエータ3a、もしくは、一つの制動用アクチュエータ3bだけが設けられた構成であってもよい。そのような場合には、よりコンパクトなオンボードタイプの駆動ユニット、あるいは、制動ユニット(インボードブレーキ)を構成することができる。
なお、上述した各実施形態では、クラッチ機構27を設けた例を示したものの、このクラッチ機構27は必ずしも設けなくてもよく、そのような場合には、より車幅方向における構成を小型化することができる。
1…車両用動力ユニット、 2…車軸、 3…アクチュエータ、 3a…駆動用アクチュエータ、 3b…制動用アクチュエータ、 4…入力軸、 5…減速機構、 6…左側ユニット、 7…右側ユニット、 8…ケース、 8a…(ケースの)背面、 9…ピニオン軸、 10…キャリア軸、 11…遊星歯車機構、 12…平行ギヤセット、 13…サンギヤ(S)、 14…リングギヤ(R)、 15…キャリア(C)、 16…プラネタリギヤ、 17…サンギヤ軸、 18…大径ギヤ、 19…ピニオンギヤ、 20…サービスブレーキ機構20、 21…パーキングブレーキ機構、 22,23,24,25,26…ベアリング、 27…クラッチ機構、 28…連結部、 29…圧縮コイルバネ、 30…コイル、 31…押圧板、 32…締結プレート、 CL1…(車軸の)回転軸線。

Claims (1)

  1. トルクを発生する複数のアクチュエータと、前記トルクが入力される入力軸と、車両の車輪に動力を伝達する車軸と、前記入力軸と前記車軸との間で回転数を減速する減速機構とを備え、前記入力軸に入力される前記トルクを増幅して前記車軸に伝達し、前記車両の駆動力または制動力の少なくともいずれかを発生させる車両用動力ユニットにおいて、
    前記減速機構は、
    サンギヤ、リングギヤ、および、キャリアを有する一組の遊星歯車機構と、
    前記サンギヤと一体回転するサンギヤ軸に連結された大径ギヤと前記大径ギヤに噛み合う複数のピニオンギヤとを有する平行ギヤセットと、
    前記複数のピニオンギヤと一体回転し、かつ前記入力軸となる複数のピニオン軸とを備え、
    前記複数のピニオン軸は、前記車軸の外周側に配置され、かつ前記複数のアクチュエータにそれぞれ連結され
    前記減速機構は、前記車両の中央側に配置され、
    記複数のアクチュエータは、前記車両の幅方向における前記減速機構の外側に、かつ前記車軸を挟んで径方向における外周側にそれぞれ配置されている
    とを特徴とする車両用動力ユニット。
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