JP6852469B2 - バッテリ制御装置,プログラム - Google Patents

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Description

本発明は、車載バッテリを制御するバッテリ制御装置,プログラムに関する。
従来、電気自動車やハイブリッド自動車に搭載されるバッテリ(二次電池)の劣化度合いを推定し、これに基づいてバッテリの充電量や充電率を算出する技術が知られている。劣化度合いの推定手法としては、新品時と比較して電池容量がどの程度低下したのかを表す「SOH(State Of Health,劣化度)」を算出することが挙げられる。また、バッテリの電池容量は、例えばバッテリを完全放電状態から満充電状態にするための充電電流を積算することで把握することができる。
一方、車載バッテリを完全放電状態にしてから満充電状態まで充電するのにかかる時間は非常に長く、車両のユーザーが気軽に実施できるようなものではない。そこで、バッテリを完全放電状態にすることなく劣化度合いを推定するための各種手法が開発されている。例えば、バッテリ電圧,充放電電流,バッテリ温度などのパラメータをセンサで検出し、これらのパラメータに基づいてSOHを算出する技術が提案されている。また、バッテリの内部抵抗を推定し、その内部抵抗に基づいて充電状態を測定する技術も提案されている(特許文献1,2参照)。
特開2012-042337号公報 特開2013-142649号公報
上記のバッテリ電圧,充放電電流,内部抵抗などのパラメータには誤差が含まれており、バッテリの使用状況やパラメータの検出状況によっては急激に大きく変動しうる。そのため、上記のパラメータに基づいて推定される劣化度合いも急変することがあり、推定結果が安定しにくい場合がある。また、推定結果のばらつきが大きいことから、劣化度合いの推定精度を向上させにくいという課題がある。
本件の目的の一つは、上記のような課題に鑑みて創案されたものであり、劣化度合いの推定精度をより向上させることができるようにしたバッテリ制御装置を提供することである。なお、この目的に限らず、後述する「発明を実施するための形態」に示す各構成から導き出される作用効果であって、従来の技術では得られない作用効果を奏することも、本件の他の目的として位置付けることができる。
(1)開示のバッテリ制御装置は、車載バッテリの新品時の電池容量と現在の電池容量とに基づき、前記車載バッテリの劣化度を算出する劣化度算出部と、前記車載バッテリの内部抵抗を測定する測定部とを備える。また、前記内部抵抗に基づき、前記劣化度の推定値である推定劣化度を算出する推定劣化度算出部と、前記劣化度と前記推定劣化度との差に応じて、前記劣化度の確度に相当するポイントを積算するポイント積算部とを備える。さらに、前記ポイントが所定範囲を超えた場合に前記劣化度を補正する劣化度補正部を備える。
例えば、前記劣化度と前記推定劣化度との差が小さければ、前記劣化度の確度が高い(信頼性が高い)ものと判断して、前記ポイント積算部が前記ポイントの積算値をあまり増減させないことが好ましい。一方、前記劣化度と前記推定劣化度との差が大きければ、前記劣化度の確度が低い(信頼性が低い)ものと判断して、前記ポイントの積算値を大きく増減させることが好ましい。
また、前記ポイント積算部は、前記推定劣化度が前記劣化度よりも大きければ、前記ポイントの積算値をプラス方向に移動させることが好ましい。一方、前記推定劣化度が前記劣化度よりも小さければ、前記ポイントの積算値をマイナス方向に移動させることが好ましい。
(2)前記ポイント積算部が、前記推定劣化度から前記劣化度を減じた値が正の場合に前記ポイントを増加させ、前記値が負の場合に前記ポイントを減少させるとともに、前記劣化度補正部が、前記ポイントが正の場合に前記劣化度を増大させ、前記ポイントが負の場合に前記劣化度を減少させることが好ましい。
なお、前記ポイント積算部は、前記差が大きいほど前記ポイントを大きく変化させることが好ましい。
(3)前記測定部が、前記車載バッテリの放電時における出力側内部抵抗と充電時における入力側内部抵抗とを測定することが好ましい。
(4)前記推定劣化度算出部が、前記出力側内部抵抗に基づき出力側推定劣化度を算出するとともに、前記入力側内部抵抗に基づき入力側推定劣化度を算出することが好ましい。
(5)前記出力側内部抵抗を前記ポイントに反映させる度合いを表す第一係数と、前記入力側内部抵抗を前記ポイントに反映させる度合いを表す第二係数とを設定する係数設定部を備えることが好ましい。
(6)前記係数設定部が、前記第二係数の値を前記第一係数の値以上の大きさに設定することが好ましい。
(7)前記係数設定部は、前記車載バッテリの温度が所定温度以上である場合の前記第一係数を、前記温度が前記所定温度未満である場合の前記第一係数よりも大きく設定することが好ましい。
(8)前記係数設定部は、前記車載バッテリの温度が低温であるほど前記第一係数及び前記第二係数を大きく設定することが好ましい。
(9)前記推定劣化度算出部が、前記内部抵抗と前記車載バッテリの充電率と温度と前記劣化度(または前記推定劣化度)との関係を規定したマップに基づいて、前記推定劣化度を算出することが好ましい。
(10)開示のバッテリ制御プログラムは、車載バッテリを制御するバッテリ制御プログラムであって、劣化度算出手段と、測定手段と、推定劣化度算出手段と、ポイント積算手段と、劣化度補正手段としてコンピュータを機能させるためのプログラムである。前記劣化度算出手段は、前記車載バッテリの新品時の電池容量と現在の電池容量とに基づき、前記車載バッテリの劣化度を算出する。前記測定手段は、前記車載バッテリの内部抵抗を測定する。前記推定劣化度算出手段は、前記内部抵抗に基づき、前記劣化度の推定値である推定劣化度を算出する。前記ポイント積算手段は、前記劣化度と前記推定劣化度との差に応じて、前記劣化度の確度に相当するポイントを積算する。前記劣化度補正手段は、前記ポイントが所定範囲を超えた場合に前記劣化度を補正する。
内部抵抗に基づいて推定される推定劣化度を用いて、劣化度の確度に相当するポイントを積算することで、劣化度を適切に補正することが可能となり、劣化度の算出精度を向上させることができる。
測定対象のバッテリを搭載する車両の側面図である。 バッテリ制御装置の構成を説明するためのブロック図である。 (A)〜(B)は内部抵抗Rの算出手法を説明するための図である。 (A)〜(B)は内部抵抗R,充電率SOC,推定劣化度SOHEST,温度Tの四者関係を規定するマップである。 (A)〜(F)は内部抵抗R,充電率SOC,推定劣化度SOHEST,温度Tの四者関係を示すグラフである。 (A)〜(D)は温度Tと第一係数K1及び第二係数K2との関係を示すグラフである。 普通充電の直前の短時間放電に関するフローチャートである。 普通充電時の劣化度の補正に関するフローチャートである。
図面を参照して、実施形態としてのバッテリ制御装置30について説明する。なお、以下に示す実施形態はあくまでも例示に過ぎず、以下の実施形態で明示しない種々の変形や技術の適用を排除する意図はない。本実施形態の各構成は、それらの趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。また、必要に応じて取捨選択することができ、あるいは適宜組み合わせることができる。
[1.用語の定義]
バッテリ制御装置30は、車両10に搭載された車載バッテリ11の電池容量を測定し、新品時の電池容量と現在の電池容量とに基づいて劣化度合いを推定するとともに、その劣化度合いに基づいて車載バッテリ11の充電率SOC(State Of Charge)や航続可能距離を算出する機能を持つ。車載バッテリ11の劣化度合いは、劣化度SOH(State Of Health)を指標として把握されるものとする。
劣化度SOHは、新品時の電池容量[Ah]に対する現在の電池容量[Ah]の百分率で定義される。劣化度SOHは、車載バッテリ11が新品のときに100[%]であり、車載バッテリ11の劣化が進行するほど低下する。なお、劣化度SOHの値は、カーディーラーや整備工場などで測定することができる。例えば、車載バッテリ11を完全放電状態にしてから満充電状態まで充電し、その充電中に供給された電流を積算することで、現在の電池容量が高精度に実測され、これに対応する劣化度SOHが算出可能となる。
充電率SOCは、車載バッテリ11の充電率と電圧との関係を表す充放電特性グラフに基づいて算出される。充放電特性グラフの形状は、劣化度SOHによって変化する。したがって、劣化度SOHの推定精度を向上させることで、充電率SOCの算出精度も向上する。なお、充電率SOCの値は、現在の電池容量(満充電容量)[Ah]に対するその時点の充電容量[Ah]の百分率に相当する。充電率SOCは、満充電時に100[%]であり、蓄えられている電力を消費するに従って低下する。
バッテリ制御装置30では、上記の劣化度SOHを補正するためのパラメータとして、「SOHEST(推定劣化度)」が導入される。推定劣化度SOHESTとは、車載バッテリ11の劣化度合いの推定値(劣化度SOHの推定値)であり、劣化度SOHを補正するために用いられる。これにより、カーディーラーや整備工場などで劣化度SOHを測定しなくてもその値が補正され、充電率SOCの算出精度が向上する。推定劣化度SOHESTは劣化度SOHとは異なる手法で算出され、少なくとも車載バッテリ11の内部抵抗Rに基づいて算出される。本実施形態の推定劣化度SOHESTは、車載バッテリ11の温度T,出力側内部抵抗ROUT,入力側内部抵抗RIN,充電率SOCに基づいて算出される。
温度Tは、車載バッテリ11の温度、またはこれに相関する温度を意味する。本実施形態の温度Tには、セル温度(セル内部温度,セル表面温度),バッテリケース内温度,バッテリケース表面温度,これらの平均温度などが含まれる。また、出力側内部抵抗ROUTとは車載バッテリ11の放電中の内部抵抗Rを意味し、入力側内部抵抗RINとは充電中の内部抵抗Rを意味する。出力側内部抵抗ROUTは、例えば車載バッテリ11に接続された電気的負荷を作動させ、電圧変化量(低下量)ΔVを電流Iで除算して求められる。同様に、入力側内部抵抗RINは、例えば車載バッテリ11の充電を開始したときの電圧変化量(上昇量)ΔVを電流Iで除算して求められる。
バッテリ制御装置30では、車載バッテリ11の放電時における推定劣化度SOHESTと充電時における推定劣化度SOHESTとの二種類が算出される。以下、前者を「出力側の推定劣化度SOHEST」とも呼び、後者を「入力側の推定劣化度SOHEST」とも呼ぶ。出力側の推定劣化度SOHESTは、温度T,出力側内部抵抗ROUT,充電率SOCに基づいて算出される。一方、入力側の推定劣化度SOHESTは、温度T,入力側内部抵抗RIN,充電率SOCに基づいて算出される。
これらの二種類の推定劣化度SOHESTは、劣化度SOHの確度に相当するパラメータである「ポイントP」を設定,算出,積算するために用いられる。「確度」とは、現在の劣化度SOHの確実さや確かさの度合い(信頼性の高さ)を意味する。つまり、推定劣化度SOHESTは、そのまま直接的に劣化度SOHの補正に反映させるために用いられるのではなく、劣化度SOHの代用パラメータではない。推定劣化度SOHESTは、現在の劣化度SOHがどの程度信頼できる値なのかを確認するために用いられるパラメータである。例えば、劣化度SOHと推定劣化度SOHESTとの差が小さければ、現在の劣化度SOHの確度が高い(信頼性が高い)ものと判断して、ポイントPの加減算量を小さくする。一方、劣化度SOHと推定劣化度SOHESTとの差が大きければ、現在の劣化度SOHの確度が低い(信頼性が低い)ものと判断して、ポイントPの加減算量を大きくする。このような手法を採用することで、現在の劣化度SOHの確度が高いほど、ポイントPが変化しにくくなる。
なお、推定劣化度SOHESTが劣化度SOHよりも大きければ、ポイントPをプラス方向に変動させ、推定劣化度SOHESTが劣化度SOHよりも小さければ、ポイントPをマイナス方向に変動させることが好ましい。これにより、劣化度SOHを補正すべき増減方向とポイントPの増減方向とが対応することになり、劣化度SOHの補正演算が容易となる。例えば、ポイントPが所定範囲からプラス方向に超えた場合には、劣化度SOHを増大補正すればよい。反対に、ポイントPが所定範囲からマイナス方向に超えた場合には、劣化度SOHを減少補正すればよい。現在の劣化度SOHの確度が高い状態であり続ける限り、ポイントPの値はほとんど変化しない。また、誤差の影響で推定劣化度SOHESTの値が劣化度SOHの前後に振動したとしても、プラス方向の誤差によるポイントPの増加分がマイナス方向の誤差によるポイントPの減少分によって相殺されるため、ポイントPはゼロ付近にとどまることになる。
[2.車両構成]
バッテリ制御装置30は、図1に示す車載バッテリ11を搭載した車両10に適用される。この車両10は、少なくとも走行用のモータジェネレータ12(単にモータ12と呼ぶ)を搭載した電動車両である。あるいは、モータ12だけでなく、発電用のモータジェネレータ13(単にジェネレータ13と呼ぶ)を駆動するためのエンジン14を搭載したハイブリッド自動車である。エンジン14は、ジェネレータ13を駆動して発電させる原動機であり、必要に応じてエンジン効率の高い回転数領域で運転を継続するように制御される。
車載バッテリ11の推定劣化度SOHESTの算出や劣化度SOHの補正は、外部給電設備による外部充電時に実施される。車両10の側面には、車両10を外部給電設備に接続するためのインレット25(充電口)が設けられる。インレット25には、充電ケーブル26を用いて家庭用のコンセント27に接続可能な普通充電用ソケットと、充電スタンド28に接続可能な急速充電用ソケットとが併設される。本実施形態では、普通充電用ソケットを介した普通充電時に劣化度SOHを補正する制御について詳述するが、急速充電用ソケットを介した急速充電時に劣化度SOHを補正することも可能である。また、原理的にはエンジン14でジェネレータ13を駆動することで生成される電力を用いた充電時(内部充電時)に劣化度SOHを補正することも可能である。
図2に示すように、モータ12,ジェネレータ13は、インバータ15を介して車載バッテリ11に接続される。車載バッテリ11は、モータ12の電力供給源となる二次電池であり、例えばリチウムイオン二次電池や、リチウムイオンキャパシター,ニッケル水素蓄電池,アルカリイオン蓄電池などである。以下、車載バッテリ11に接続された直流回路のことをバッテリ回路20と呼ぶ。バッテリ回路20には図示しないコンタクタ(回路断接スイッチ)が介装され、コンタクタの断接状態に応じて車載バッテリ11の充放電電流が供給,遮断される。
インバータ15は、車載バッテリ11側の直流電力とモータ12側の交流電力とを相互に変換する変換器(DC-ACインバータ)である。モータ12の力行時には、車載バッテリ11側からモータ12側へと交流の駆動電力が供給される。一方、モータ12の回生時やジェネレータ13の発電時には、モータ12側から車載バッテリ11側へと直流の充電電力が供給される。インバータ15とモータ12,ジェネレータ13との間は三相交流電力線で接続される。
バッテリ回路20には、空調用の温水ヒータ16と車載充電器17とが接続される。温水ヒータ16は、暖房空調用の温水を暖めるための加熱器であるが、空調装置が作動していない状態であっても使用可能とされる。本実施形態では、普通充電を開始する直前に、一時的に車載バッテリ11を放電状態にするための電気的負荷として、温水ヒータ16が使用される。この温水ヒータ16にはPTC(Positive Temperature Coefficient)ヒータモジュールが内蔵され、制御信号のデューティ比をPWM方式で制御することで消費電力,電流値を調節可能である。また、温水ヒータ16に複数のヒータモジュールが内蔵されている場合には、通電対象となるモジュール数を変更することで、消費電力,電流値を調節してもよい。
車載充電器17は、普通充電時に外部給電設備から入力される電力を変換して車載バッテリ11を充電する充電器(OBC,On Board Charger)である。ここでは、車両10の外部から供給される数百ボルトの交流電力が数百ボルトの直流電力に変換されて、車載バッテリ11が充電される。また、充電ケーブル26の先端部(充電ガン)がコンセント27に差し込まれて車載充電器17に接続されると、車載充電器17で普通充電が可能な状態であると判断されて、その情報がバッテリ制御装置30に伝達される。
車載バッテリ11には、充放電状態に対応するパラメータを取得するためのセンサ類として、電流センサ21,電圧センサ22,バッテリ温度センサ23が設けられる。電流センサ21は車載バッテリ11の電流I(入出力電流)を検出し、電圧センサ22は車載バッテリ11の電圧Vを検出し、バッテリ温度センサ23は車載バッテリ11の温度Tを検出する。これらのセンサ21〜23で検出された各種情報は、車載バッテリ11の作動状態,充放電状態を司るバッテリ制御装置30に伝達される。
バッテリ制御装置30は、車載バッテリ11の充放電状態や充電率SOC,劣化度SOHなどを計測,算出,制御する機能を持った電子制御装置(コンピュータ,ECU,Electronic Control Unit)であり、車両10の車載ネットワークに接続される。バッテリ制御装置30には、車載バッテリ11に含まれる複数のバッテリモジュールやセルの情報(例えば、セル充放電電流,セル電圧,セル温度などの情報)が伝達され、これらの情報が総合的に管理される。バッテリ制御装置30の内部には、バスを介して互いに接続されたプロセッサ,メモリ,インタフェイス装置などが内蔵される。
プロセッサは、例えば制御ユニット(制御回路)や演算ユニット(演算回路),キャッシュメモリ(レジスタ)などを内蔵する処理装置である。また、メモリは、プログラムや作業中のデータが格納される記憶装置であり、ROM(Read Only Memory),RAM(Random Access Memory),不揮発メモリなどを含む。バッテリ制御装置30で実施される制御の内容は、ファームウェアやアプリケーションプログラムとしてメモリに記録,保存されており、プログラムの実行時にはプログラムの内容がメモリ空間内に展開されて、プロセッサによって実行される。
車載ネットワーク上には、上記の各種センサ21〜23のほか、モータ12,ジェネレータ13,エンジン14,インバータ15,温水ヒータ16,車載充電器17などが接続される。また、図示しないコネクタを介して、車載ネットワークに任意の電子機器を接続することが可能である。あるいは、図示しない通信装置を介して、車載ネットワークを任意の外部ネットワークに接続することが可能である。
[3.制御構成]
バッテリ制御装置30には、車載バッテリ11の電池容量を測定するとともに、劣化度合いを推定し、劣化度合いに基づいて充電率SOCを算出するためのバッテリ制御プログラム1が記録,保存されて実行される。あるいは、バッテリ制御装置30で読み取り可能な記録媒体にバッテリ制御プログラム1が記録,保存され、そのバッテリ制御プログラム1がバッテリ制御装置30に読み込まれて実行される。本実施形態では、バッテリ制御プログラム1が車載バッテリ11の普通充電時に実行される。
バッテリ制御プログラム1には、劣化度算出部2,測定部3,推定劣化度算出部4,ポイント積算部5,係数設定部6,劣化度補正部7が設けられる。これらは、ソフトウェアとしてプログラミングされた機能を表現したものである。これらの機能は、バッテリ制御装置30のプロセッサにバッテリ制御プログラム1を読み込ませて演算処理を実行することで実現されうる。ただし、これらの機能を電子回路(ハードウェア)によって実現することも可能である。あるいは、これらの機能のうち、一部をハードウェアとし、他部をソフトウェアとしてもよい。
劣化度算出部2(劣化度算出手段)は、車載バッテリ11の新品時の電池容量と現在の電池容量とに基づいて、車載バッテリ11の劣化度SOHを算出するものである。ここで算出される劣化度SOHは、いわゆる従来の手法で求められる劣化度SOHである。新品時の電池容量はバッテリ制御装置30のメモリにあらかじめ記録されている。また、現在の電池容量は、例えばカーディーラーや整備工場などで測定された値である。劣化度算出部2で算出される劣化度SOHは、車載バッテリ11を完全放電状態にしてから満充電状態まで充電したときに計測された電池容量に基づいて算出される。
測定部3(測定手段)は、車載バッテリ11の内部抵抗Rを測定するものである。ここでは、出力側内部抵抗ROUTと入力側内部抵抗RINとが個別に測定される。出力側内部抵抗ROUTは、少なくとも車載バッテリ11が放電している間に測定可能となり、入力側内部抵抗RINは、少なくとも車載バッテリ11が充電されている間に測定可能となる。本実施形態の測定部3は、普通充電を開始する直前に車載バッテリ11を短時間だけ放電状態とし、出力側内部抵抗ROUTを計測する。その後、普通充電を開始した直後の充電状態で、入力側内部抵抗RINを計測する。なお、車載バッテリ11の放電負荷は比較的容易に変更できることから、出力側内部抵抗ROUTの測定回数は複数回とし、各測定での放電電流を相違させることが好ましい。一方、充電電流については自由に変更できないことがあるため、入力側内部抵抗RINの測定回数は一回でよい。
図3(A)は、車載バッテリ11の放電中の電流Iと電圧変化量(低下量)ΔVとの関係を三回測定し、各測定結果に対応する点をプロットした図である。図中のV0は充放電が実施されていない状態の電圧を表す。また、電流I,電圧Vの添字は測定順序を表す序数である。例えば、電流I1での放電時に電圧V1が検出され、電流I2での放電時に電圧V2が検出され、電流I3での放電時に電圧V3が検出されたものとする。それぞれの場合における電圧変化量(低下量)ΔVはV0-V1,V0-V2,V0-V3となる。出力側内部抵抗ROUTは、原点及び各点を通る直線グラフの傾きに相当する。したがって、測定結果から原点を通る回帰直線を求め、その傾きを算出することで出力側内部抵抗ROUTを求めることができる。同様に、図3(B)は、車載バッテリ11の充電中に測定された電流I4及び電圧変化量(上昇量)ΔV(=V0+V4)に対応する点をプロットした図であり、原点を通る回帰直線の傾きが入力側内部抵抗RINに相当する。
電圧V0の測定は、数分〜十分程度の休止時間(充電も放電もしない時間)をおいてから実施することが好ましい。測定回数を複数回とする場合には、各測定の間に同様の休止時間を設けることが好ましい。放電時間は数秒程度とし、充電時間は数十秒〜数分程度とする。また、充電中はセルバランサー制御(容量均等化制御)を停止させておき、充電のみが実施されるようにする。これにより、電圧Vの測定結果が安定しやすくなり、内部抵抗Rの算出精度が向上する。
推定劣化度算出部4(推定劣化度算出手段)は、少なくとも測定部3で測定された二種類の内部抵抗R(出力側内部抵抗ROUT,入力側内部抵抗RIN)に基づき、推定劣化度SOHESTを算出するものである。ここでは、出力側内部抵抗ROUTに基づいて出力側推定劣化度SOHESTが算出されるとともに、入力側内部抵抗RINに基づいて入力側推定劣化度SOHESTが算出される。本実施形態の推定劣化度算出部4は、車載バッテリ11の充電率SOCと内部抵抗Rと温度Tと劣化度SOH(あるいは、推定劣化度SOHEST)との関係を規定したマップに基づいて、推定劣化度SOHESTを算出する。また、推定劣化度SOHESTの算出に際し、図4(A),(B)に示すようなマップ(テーブル)が用いられる。
図4(A)は出力側推定劣化度SOHESTの算出テーブルの例であり、図4(B)は入力側推定劣化度SOHESTの算出テーブルの例である。前者のテーブルには、出力側内部抵抗ROUTと充電率SOCと温度Tと出力側推定劣化度SOHESTとの四者関係が規定され、後者のテーブルには、入力側内部抵抗RINと充電率SOCと温度Tと入力側推定劣化度SOHESTとの四者関係が規定されている。テーブル上にないデータは、テーブル上のデータを内挿,外挿することで算出すればよい。
上記のテーブルの代わりに、図5(A)〜(F)に示すようなマップ(グラフ)を用いて推定劣化度SOHESTを算出してもよい。これらのグラフに規定される関係は、図4(A),(B)のテーブルに規定される関係と同一である。あるいは、推定劣化度SOHESTを内部抵抗R,充電率SOC,温度Tの関数として定義しておいてもよい。この場合、出力側推定劣化度SOHESTの関数と入力側推定劣化度SOHESTの関数とを個別に定義しておくとよい。
ポイント積算部5(ポイント積算手段)は、車載バッテリ11の劣化度SOHと推定劣化度算出部4で算出された推定劣化度SOHESTとの差に応じて、劣化度SOHの確度に相当するポイントPを設定するとともに、そのポイントPを積算してカウントするものである。ここでは、出力側推定劣化度SOHEST及び入力側推定劣化度SOHESTのそれぞれに基づいてポイントPが設定される。また、設定されるポイントPの符号は、正の場合もあれば負の場合もある。したがって、ここで積算されるポイントPの値は、必ずしも単調増加(または単調減少)しない。
本実施形態では、出力側推定劣化度SOHESTから現在の劣化度SOHを減じた差AOUTを算出するとともに、入力側推定劣化度SOHESTから現在の劣化度SOHを減じた差AINを算出する。ここで、出力側の差AOUTが正の所定値A1以上ならば、ポイントPに所定の変化ポイントBを加算し、出力側の差AOUTが負の所定値-A1以上ならば、ポイントPから所定の変化ポイントBを減算する。入力側の差AINについても同様であり、入力側の差AINが正の所定値A2以上ならば、ポイントPに所定の変化ポイントBを加算し、入力側の差AINが負の所定値-A2以下ならば、ポイントPから所定の変化ポイントBを減算する。つまり、推定劣化度SOHESTから現在の劣化度SOHを減じた値が正の場合にポイントPを増加させ、負の場合にポイントPを減少させる。
上記の所定値A1,A2は、例えば数[%](電池容量に換算して数[Ah])程度の値である。また、変化ポイントBは、あらかじめ設定された固定値(例えば1.0)であってもよいが、車載バッテリ11の状態に応じて定められる可変値であることが好ましい。例えば、変化ポイントBを固定値に係数Kを乗じた値とし、係数Kを車載バッテリ11の状態に応じて設定すればよい。
係数設定部6(係数設定手段)は、上記の係数Kを設定するものである。ここでは、第一係数K1と第二係数K2とが設定される。第一係数K1は、出力側内部抵抗ROUTをポイントPに反映させる度合いを表すものであり、出力側推定劣化度SOHESTが劣化度SOHの確度に与える影響力の大きさに相当するパラメータである。また、第二係数K2は、入力側内部抵抗RINをポイントPに反映させる度合いを表すものであり、例えば入力側推定劣化度SOHESTが劣化度SOHの確度に与える影響力の大きさに相当するパラメータである。
これらの第一係数K1,第二係数K2は、例えば温度Tに基づいて設定される。なお、車載バッテリ11の充電率SOC,内部抵抗R,推定劣化度SOHESTなどに基づいて、第一係数K1,第二係数K2を設定してもよい。変化ポイントBを固定値とする場合、係数Kも固定値(例えば1.0)に設定される。変化ポイントBを可変値とする場合には、係数Kも可変値となる。第一係数K1及び第二係数K2は、車載バッテリ11の特性に応じて、互いに独立した可変値として設定することができる。例えば、図5(A)〜(F)のマップに示されるような特性を持った車載バッテリ11は、以下のような特徴を持つ。
特徴1.推定劣化度SOHESTと内部抵抗Rとの関係を表すグラフは、充電率SOCに応じて変化するが、入力側内部抵抗RINに対する推定劣化度SOHESTのばらつきは、出力側内部抵抗ROUTに対する推定劣化度SOHESTのばらつきよりも小さい。
特徴2.出力側内部抵抗ROUTと推定劣化度SOHESTとの関係を示すグラフ形状に関して、常温(0℃以上)かつ充電率SOCが低い場合には、他の場合とは異なる傾向を持つ。
特徴3.温度Tが低いほど、推定劣化度SOHESTと内部抵抗Rとの関係を表すグラフの傾きが小さくなり、内部抵抗Rの算出誤差に対する推定劣化度SOHESTの変動が小さくなる。
そこで、以下のように係数Kを設定することが考えられる。
設定1.第二係数K2を第一係数K1以上の大きさに設定する。
設定2.温度Tが所定温度T0以上(例えば0℃以上)かつ充電率SOCが所定充電率よりも低い場合の第一係数K1を、他の場合の第一係数K1よりも大きく設定する。
設定3.温度Tが低いほど第一係数K1,第二係数K2を大きく設定する。
設定1は、入力側推定劣化度SOHESTを出力側推定劣化度SOHESTよりも重視した設定例である。設定1における係数Kと温度Tとの関係を図6(A),(B)に例示する。設定2は、図5(A),(C)の実線グラフを重視した設定例である。設定2における係数Kと温度Tとの関係を図6(C)に例示する。設定3は、低温時に算出された推定劣化度SOHESTを重視した設定例である。設定3における係数Kと温度Tとの関係を図6(D)に例示する。いずれの設定においても、ポイントPの積算精度や劣化度SOHの補正精度を向上させる効果が期待できる。ただし、低温時には内部抵抗Rの測定誤差が増大し、推定劣化度SOHESTの精度も低下しうる。このような場合には、温度Tが低いほど第一係数K1,第二係数K2を小さく設定することで、推定劣化度SOHESTの精度低下を防止できる。
劣化度補正部7(劣化度補正手段)は、ポイント積算部5で積算されたポイントPが所定範囲を超えた場合に劣化度SOHを補正するものである。劣化度SOHの補正方向は、ポイントPの符号に対応するものとされる。すなわち、ポイントPが正の場合に劣化度SOHが増大補正され、負の場合に劣化度SOHが減少補正される。本実施形態では、ポイントPが正の所定ポイントP0を超えた場合に、劣化度SOHを数[%]増大させる補正が加えられる。一方、ポイントPが負の所定ポイント-P0を下回った場合には、劣化度SOHを数[%]減少させる補正が加えられる。なお、劣化度SOHの増減量は、電池容量に換算して0.5[Ah]程度とする。ここで補正された劣化度SOHは、バッテリ制御装置30内のメモリに記録,保存される。これ以降、車載バッテリ11の充電率SOCや航続可能距離は、この補正された劣化度SOHに基づいて算出されることになる。
[4.フローチャート]
図7,図8は、バッテリ制御装置30で実行されるバッテリ制御プログラム1の内容を説明するためのフローチャートである。図7は、普通充電の直前に実施される一時的な放電に関する制御に対応する。車載バッテリ11が充電ケーブル26を介して普通充電用の外部電源に接続されると(ステップA1)、その時点における車載バッテリ11の充電率SOC及び温度Tの情報が記録される(ステップA2)。また、普通充電を開始する前に、出力側内部抵抗ROUTを計測するための短時間放電が実施される(ステップA3)。
まず、測定部3において、充放電が実施されていない状態の電圧V0が計測される。次に、温水ヒータ16に内蔵される複数のヒータモジュールのうち、一個だけが数秒程度作動し、電流I1及び電圧V1が計測される(ステップA4)。このとき電圧変化量ΔVはV0-V1である。数分〜十分程度の休止時間をおいた後、二個のヒータモジュールを数秒程度作動させることで電流Iが変更され(ステップA6)、再び電圧V2が計測される(ステップA4)。このような計測が三回繰り返されると(ステップA5)、出力側内部抵抗ROUTが算出される(ステップA7)。
推定劣化度算出部4では、例えば図4(A)に示すようなマップに基づき、出力側推定劣化度SOHESTが算出される(ステップA8)。係数設定部6では、例えば温度Tに基づいて第一係数K1が設定される(ステップA9)。また、ポイント積算部5では、出力側推定劣化度SOHESTから劣化度SOHを減じた値である差AOUTが算出される(ステップA10)。ここで、差AOUTが正の所定値A1以上であるか否かが判定され(ステップA11)、この条件が成立する場合には、ポイントPに所定の変化ポイントBが加算される(ステップA13)。変化ポイントBは、第一係数K1に応じた大きさ(ここでは1×K1)となる。
一方、差AOUTが正の所定値A1未満である場合には、差AOUTが負の所定値-A1以下であるか否かが判定され(ステップA12)、この条件が成立する場合には、ポイントPから所定の変化ポイントB(ここでは1×K1)が減算される(ステップA14)。なお、差AOUTが負の所定値-A1を超える場合には、ポイントPの値がそのまま維持される。これらの差AOUTの判定が終了した後に、短時間放電が終了し(ステップA15)、制御が図8のフローチャートへと進む。
図8は、普通充電の開始直後に実施される制御に対応する。まず、普通充電が開始され(ステップB1)、数十秒〜数分程度が経過すると電流I4及び電圧V4が計測される(ステップB2)。このとき、電圧変化量ΔVはV0+V4である。また、測定部3において入力側内部抵抗RINが算出され(ステップB3)、推定劣化度算出部4において入力側推定劣化度SOHESTが算出されるとともに(ステップB4)、係数設定部6で第二係数K2が設定される(ステップB5)。
ポイント積算部5では、入力側推定劣化度SOHESTから劣化度SOHを減じた値である差AINが算出される(ステップB6)。ここで、差AINが正の所定値A2以上であるか否かが判定され(ステップB7)、この条件が成立する場合には、ポイントPに所定の変化ポイントBが加算される(ステップB9)。変化ポイントBは、第二係数K2に応じた大きさ(ここでは1×K2)となる。一方、差AINが正の所定値A2未満である場合には、差AINが負の所定値-A2以下であるか否かが判定され(ステップB8)、この条件が成立する場合には、ポイントPから所定の変化ポイントB(ここでは1×K2)が減算される(ステップB10)。なお、差AINが負の所定値-A2を超える場合には、ポイントPの値がそのまま維持される。
二種類の推定劣化度SOHESTに基づくポイントPの加減算が終了すると、劣化度補正部7において、ポイントPが正の所定ポイントP0を超えているか否かが判定される(ステップB11)。この条件が成立した場合には、現在の劣化度SOHが実際よりも小さいものと判断されて、劣化度SOHにプラス補正が加えられる(ステップB13)。一方、ポイントPが正の所定ポイントP0以下である場合には、ポイントPが負の所定ポイント-P0未満であるか否かが判定される(ステップB12)。この条件が成立した場合には、現在の劣化度SOHが実際よりも大きいものと判断されて、劣化度SOHにマイナス補正が加えられる(ステップB14)。ここで補正された劣化度SOHの情報は、バッテリ制御装置30内のメモリに記録,保存される
なお、ポイントPが負の所定ポイント-P0以上である場合には、現在の劣化度SOHの確度が高い(信頼性が高い)ものと判断され、劣化度SOHに対する補正は不実施とされる。つまり、劣化度SOHの補正は、ポイントPが所定範囲(負の所定ポイント-P0から正の所定ポイントP0までの範囲)を超えない限り実施されない。このような処理が終了すると、普通充電が継続される(ステップB15)。
[5.効果]
(1)上記のバッテリ制御装置30では、車載バッテリ11の内部抵抗Rに基づいて推定される推定劣化度SOHESTを用いて劣化度SOHの確度に相当するポイントPが積算される。また、劣化度SOHの補正は、このポイントPに基づいて実施される。このような補正手法を採用することで、劣化度SOHを適切に補正することが可能となり、劣化度SOHの算出精度を向上させることができる。
仮に、推定劣化度SOHESTを直接的に劣化度SOHに反映させるような補正手法を採用すれば、推定劣化度SOHESTの演算誤差が劣化度SOHに悪影響を与え、かえって劣化度SOHの精度を低下させかねない。このような課題に対し、本実施形態のバッテリ制御装置30によれば、推定劣化度SOHESTの演算誤差をポイントPの増加分と減少分とで相殺することができる。したがって、劣化度SOHの算出精度を向上させることができ、ひいては充電率SOCや航続可能距離の算出精度を向上させることができる。
(2)上記のバッテリ制御装置30では、出力側推定劣化度SOHESTから現在の劣化度SOHを減じた差AOUTが正の場合にポイントPが増加し、負の場合にポイントPが減少するようになっている。同様に、入力側推定劣化度SOHESTから現在の劣化度SOHを減じた差AINが正の場合にポイントPが増加し、負の場合にポイントPが減少する。このように、推定劣化度SOHESTから劣化度SOHを減じた値である差AOUT,AINの正負とポイントPの変化方向とを対応させることで、劣化度SOHを補正すべき方向とポイントPの正負とを合理的に対応付けることができる。例えば、ポイントPが正の領域で増大するほど、劣化度SOHをプラス方向に補正すべき状態であるとみなすことができる。一方、ポイントPが負の領域で減少するほど、劣化度SOHをマイナス方向に補正すべき状態であるとみなすことができる。したがって、劣化度SOHを適切に補正することができる。
(3)上記のバッテリ制御装置30では、車載バッテリ11の放電時における出力側内部抵抗ROUTと充電時における入力側内部抵抗RINとが測定される。これらの二種類の内部抵抗ROUT,RINの情報を併用して参照することで、車載バッテリ11の劣化度合いをより精度よく把握することができ、劣化度SOHの算出精度を向上させることができる。
(4)上記のバッテリ制御装置30では、二種類の内部抵抗ROUT,RINに対応する二種類の推定劣化度SOHEST(出力側推定劣化度SOHEST,入力側推定劣化度SOHEST)が算出され、それぞれの推定劣化度SOHESTと現在の劣化度SOHとが比較される。このような制御により、劣化度SOHの確度をより精度よく把握することができ、劣化度SOHの算出精度を向上させることができる。
(5)上記のバッテリ制御装置30では、二種類の内部抵抗ROUT,RINに対応する二種類の係数K1,K2が設定される。このように、出力側内部抵抗ROUTをポイントPに反映させる度合いと入力側内部抵抗RINをポイントPに反映させる度合いとを個別に設定することで、ポイントPの算出精度を高めることができる。したがって、劣化度SOHをより適切に補正しやすくなり、劣化度SOHの算出精度をさらに向上させることができる。
(6)なお、第二係数K2を第一係数K1以上の大きさに設定した場合(すなわち、K2≧K1とした場合)には、入力側推定劣化度SOHESTが出力側推定劣化度SOHESTよりも重視されることから、充電率SOCによる推定劣化度SOHESTのばらつきの影響を小さくすることができる。これは、入力側推定劣化度SOHESTのばらつきが、出力側推定劣化度SOHESTのばらつきよりも小さい特性を持つからである。このような特性を利用した係数Kの設定により、推定劣化度SOHESTの算出精度を向上させることができ、劣化度SOHの算出精度を向上させることができる。
(7)図6(C)に示すように、車載バッテリ11の温度Tが所定温度T0以上である場合(常温の場合)の第一係数K1を、所定温度T0未満である場合の第一係数K1よりも大きく設定した場合には、推定劣化度SOHESTの精度を高めることができ、劣化度SOHの算出精度を向上させることができる。これは、温度Tが所定温度T0の状態を境として、出力側推定劣化度SOHESTの特性が変化するからである。例えば、図5(A),(C),(E)に示すように、温度Tが所定温度T0以上の場合には、推定劣化度SOHESTと出力側内部抵抗ROUTとの関係が充電率SOCに応じてばらつきやすくなる。このような特性を考慮して、常温時の結果を低温時よりも重視することで、内部抵抗Rに応じた推定劣化度SOHESTの変化を識別しやすくすることができ、劣化度SOHの算出精度を向上させることができる。
(8)図5(A)〜(F)に示すように、車載バッテリ11の温度Tが低温であるほど、内部抵抗Rに対する推定劣化度SOHESTの変化勾配が緩やかな勾配となる。そのため、低温時の第一係数K1,第二係数K2を高温時の第一係数K1,第二係数K2よりも大きく設定することで、低温時に算出された推定劣化度SOHESTが重視される。つまり、内部抵抗Rの算出誤差に対する推定劣化度SOHESTの変動が小さくなり、劣化度SOHが急変するような補正が抑制される。したがって、図6(D)に示すように、車載バッテリ11の温度Tが低温であるほど第一係数K1,第二係数K2が大きくなるように設定することで、推定劣化度SOHESTの算出精度を向上させることができ、劣化度SOHの算出精度を向上させることができる。
(9)上記のバッテリ制御装置30では、車載バッテリ11の充電率SOCと内部抵抗R(出力側内部抵抗ROUT,入力側内部抵抗RIN)と温度Tと劣化度SOHとの関係を規定したマップに基づいて、推定劣化度SOHESTを算出している。ここで算出される推定劣化度SOHESTの値には、車載バッテリ11の内部抵抗Rだけでなく、その時点での充電率SOCや温度Tの影響が反映されるため、推定劣化度SOHESTの算出精度を向上させることができ、劣化度SOHの算出精度や補正精度を向上させることができる。なお、上記のようなマップ(テーブル,グラフ,関数など)をあらかじめ用意しておけば、推定劣化度SOHESTを容易に算出することができる。
[6.変形例]
上述の実施形態では、車載バッテリ11の内部抵抗Rとして、出力側内部抵抗ROUTと入力側内部抵抗RINとの二種類を算出するものを例示したが、いずれか一方の内部抵抗Rを用いて推定劣化度SOHESTを算出する構成としてもよい。あるいは、出力側内部抵抗ROUTと入力側内部抵抗RINとの平均値や中間値を用いて推定劣化度SOHESTを算出する構成としてもよい。少なくとも、内部抵抗Rに基づいて推定劣化度SOHESTを算出し、これと劣化度SOHとの差に応じてポイントPを積算することで、上述の実施形態と同様の効果を奏するものとなる。
上述の実施形態で実施される制御は、車両10の普通充電時だけでなく、急速充電設備による急速充電時や、走行中の回生発電による充電時(ジェネレータ13で発生する発電電力を利用した充電時)に実施することも可能である。ただし、内部抵抗Rを測定する際には、車載バッテリ11の充放電状態を安定させることが望ましい。また、上述の実施形態では、出力側内部抵抗ROUTを算出する制御に引き続いて、入力側内部抵抗RINを算出する制御と劣化度SOHを補正する制御とが実施されているが、これらの三種の制御は個別に実施してもよい。
1 バッテリ制御プログラム
2 劣化度算出部(劣化度算出手段)
3 測定部(測定手段)
4 推定劣化度算出部(推定劣化度算出手段)
5 ポイント積算部(ポイント積算手段)
6 係数設定部(係数設定手段)
7 劣化度補正部(劣化度補正手段)
10 車両
11 車載バッテリ
16 温水ヒータ
21 電流センサ
22 電圧センサ
23 バッテリ温度センサ
30 バッテリ制御装置
SOC 充電率
SOH 劣化度
SOHEST 推定劣化度
T 温度
R 内部抵抗
ROUT 出力側内部抵抗
RIN 入力側内部抵抗
P ポイント

Claims (10)

  1. 車載バッテリの新品時の電池容量と現在の電池容量とに基づき、前記車載バッテリの劣化度を算出する劣化度算出部と、
    前記車載バッテリの内部抵抗を測定する測定部と、
    前記内部抵抗に基づき、前記劣化度の推定値である推定劣化度を算出する推定劣化度算出部と、
    前記劣化度と前記推定劣化度との差に応じて、前記劣化度の確度に相当するポイントを積算するポイント積算部と、
    前記ポイントが所定範囲を超えた場合に前記劣化度を補正する劣化度補正部と、
    を備えたことを特徴とする、バッテリ制御装置。
  2. 前記ポイント積算部が、前記推定劣化度から前記劣化度を減じた値が正の場合に前記ポイントを増加させ、前記値が負の場合に前記ポイントを減少させるとともに、
    前記劣化度補正部が、前記ポイントが正の場合に前記劣化度を増大させ、前記ポイントが負の場合に前記劣化度を減少させる
    ことを特徴とする、請求項1記載のバッテリ制御装置。
  3. 前記測定部が、前記車載バッテリの放電時における出力側内部抵抗と充電時における入力側内部抵抗とを測定する
    ことを特徴とする、請求項1または2記載のバッテリ制御装置。
  4. 前記推定劣化度算出部が、前記出力側内部抵抗に基づき出力側推定劣化度を算出するとともに、前記入力側内部抵抗に基づき入力側推定劣化度を算出する
    ことを特徴とする、請求項3記載のバッテリ制御装置。
  5. 前記出力側内部抵抗を前記ポイントに反映させる度合いを表す第一係数と、前記入力側内部抵抗を前記ポイントに反映させる度合いを表す第二係数とを設定する係数設定部を備える
    ことを特徴とする、請求項3または4記載のバッテリ制御装置。
  6. 前記係数設定部が、前記第二係数の値を前記第一係数の値以上の大きさに設定する
    ことを特徴とする、請求項5記載のバッテリ制御装置。
  7. 前記係数設定部は、前記車載バッテリの温度が所定温度以上である場合の前記第一係数を、前記温度が前記所定温度未満である場合の前記第一係数よりも大きく設定する
    ことを特徴とする、請求項5または6記載のバッテリ制御装置。
  8. 前記係数設定部は、前記車載バッテリの温度が低温であるほど前記第一係数及び前記第二係数を大きく設定する
    ことを特徴とする、請求項5〜7のいずれか1項に記載のバッテリ制御装置。
  9. 前記推定劣化度算出部が、前記内部抵抗と前記車載バッテリの充電率と温度と前記劣化度との関係を規定したマップに基づいて、前記推定劣化度を算出する
    ことを特徴とする、請求項1〜8のいずれか1項に記載のバッテリ制御装置。
  10. 車載バッテリを制御するバッテリ制御プログラムであって、
    前記車載バッテリの新品時の電池容量と現在の電池容量とに基づき、前記車載バッテリの劣化度を算出する劣化度算出手段と、
    前記車載バッテリの内部抵抗を測定する測定手段と、
    前記内部抵抗に基づき、前記劣化度の推定値である推定劣化度を算出する推定劣化度算出手段と、
    前記劣化度と前記推定劣化度との差に応じて、前記劣化度の確度に相当するポイントを積算するポイント積算手段と、
    前記ポイントが所定範囲を超えた場合に前記劣化度を補正する劣化度補正手段として
    コンピュータを機能させるためのプログラム。
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