JP6851776B2 - 積層体及びその製造方法 - Google Patents
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Description
このように、基材上に金属層を備え、金属層上に被覆層を備えた積層体は、幅広い分野で汎用されている。
このような積層体は、基材上に金属層を形成し、次いで、金属層上に被覆層を形成することで、製造される(特許文献1参照)。
すなわち、従来の製造方法では、金属層及び被覆層を、それぞれに適した方法で形成するが、同じ装置を用いて金属層及び被覆層を連続的に形成することは困難である。例えば、基材上に金属層を形成した後は、通常は、このとき用いた装置から、金属層を備えた基材を取り出し、別の装置を用いて、金属層上に被覆層を形成する。すると、金属層を形成後の基材は、金属層上への被覆層の形成時に、基材の表面に対して平行な方向において、金属層及び被覆層の周縁部の位置が一致するように、正確に位置合わせをすることは困難である。その結果、例えば、基材上での金属層及び被覆層の配置位置はずれ易い。
上記の製造方法では、まず、図6(a)に示すように、基材11上に金属層92を形成する。次いで、図6(b)に示すように、金属層92上に被覆層93を形成して、積層体9を得る。被覆層93を上方から見下ろすように積層体9を平面視したときに、被覆層93を金属層92と同一の形状及び大きさとし、基材11の表面11aに対して平行な方向において、被覆層93の周縁部93cと、金属層92の周縁部92cと、の位置が一致するように、被覆層93を形成したい場合に、この製造方法では、ここに示すように、被覆層93及び金属層92の形成位置にずれが生じ易く、目的とする構成を有する積層体9を得ることは困難である。
また、本発明は、基材、金属層及び被覆層を備え、これらがこの順に積層されてなり、前記基材の表面に対して平行な方向において、前記金属層の周縁部と、前記被覆層の周縁部と、の位置が一致している領域を有し、前記基材の前記金属層側の表面の一部が、前記金属層及び被覆層が形成されずに露出しており、前記基材と前記金属層との間に、前記基材、金属層及び被覆層の含有成分とは異なる成分を含む、積層体を提供する。
本発明の積層体の製造方法は、基材、金属層及び被覆層を備え、これらがこの順に積層されてなり、前記基材の表面に対して平行な方向において、前記金属層の周縁部と、前記被覆層の周縁部と、の位置が一致している領域を有する積層体の製造方法であって、基材上に金属層を形成する工程(以下、「金属層形成工程」と略記することがある)と、前記金属層の、前記基材側とは反対側の表面の一部が露出するように、前記金属層上に前記被覆層を形成する工程(以下、「被覆層形成工程」と略記することがある)と、前記金属層の表面が露出している露出部位を、この露出部位に隣接する前記被覆層とともに擦過することによって、前記金属層の露出部位のみを前記基材上から除去する工程(以下、「金属層除去工程」と略記することがある)と、を有する。
図1は、本発明の製造方法で得られる積層体の一実施形態を模式的に示す平面図であり、図2は、図1に示す積層体のI−I線における断面図である。
なお、以下の説明で用いる図は、本発明の特徴を分かり易くするために、便宜上、要部となる部分を拡大して示している場合があり、各構成要素の寸法比率等が実際と同じであるとは限らない。
ここで、基材11の表面11aとは、基材11の一方の表面で、金属層12が設けられている側の表面を意味する。
例えば、ここでは、金属層の周縁部の全領域の位置が、被覆層の周縁部の位置と一致している(換言すると、被覆層の周縁部の全領域の位置が、金属層の周縁部の位置と一致している)積層体について示しているが、必ずしも金属層及び被覆層の周縁部の全領域の位置が、互いに一致していなくてもよい。ただし、本発明の効果がより顕著に得られる点から、金属層の周縁部のうち、被覆層の周縁部と位置が一致している領域の比率は、50〜100面積%であることが好ましく、目的に応じて、例えば、60〜100面積%、70〜100面積%、80〜100面積%及び90〜100面積%のいずれかであってもよい。同様に、被覆層の周縁部のうち、金属層の周縁部と位置が一致している領域の比率は、50〜100面積%であることが好ましく、目的に応じて、例えば、60〜100面積%、70〜100面積%、80〜100面積%及び90〜100面積%のいずれかであってもよい。
金属層及び被覆層の他の前記形状としては、例えば、三角形状、五角形状、六角形状等の、四角形状以外の多角形状;円形状;楕円形状;前記多角形状、円形状又は楕円形状の一部の領域が欠けた形状(以下、「欠損形状」と略記することがある);直線状、曲線状等の線状;前記多角形状、円形状、楕円形状、欠損形状及び線状からなる群から選択される1種又は2種以上の形状が組み合わされた組み合わせ形状;不定形状等が挙げられる。
前記組み合わせ形状としては、例えば、配線の形状として好適な、格子状、短冊状等が挙げられるが、これらに限定されない。
前記他の構造物は、特に限定されず、目的に応じて任意に選択できる。
前記他の構造物として、具体的には、例えば、前記積層単位に該当しない金属層及び被覆層の積層物(換言すると、基材の表面に対して平行な方向において、金属層の周縁部と、被覆層の周縁部と、の位置が全く一致していない、金属層及び被覆層の積層物);金属層;被覆層;前記金属層及び被覆層とは材質が異なる層等が挙げられる。
上述の、前記積層単位に該当しない金属層及び被覆層の積層物としては、例えば、基材の表面に対して平行な方向において、金属層が被覆層よりも突出して露出しているか、又は被覆層が金属層よりも突出している積層物が挙げられる。
基材上において、前記他の構造物は、前記積層単位とは独立して(換言すると離間して)設けられていてもよいし、前記積層単位と一体化して設けられていてもよい。
基材上での前記他の構造物の配置位置は、特に限定されず、目的に応じて任意に選択できる。
また、ここまでに説明した積層体は、基材上の積層物をすべてコートする、樹脂からなるオーバーコート層を、前記被覆層上に備えていてもよい。そして、前記積層体は、前記オーバーコート層上に、さらに粘着剤層(本明細書においては、この場合の粘着剤層を、基材の裏面に備える上述の粘着剤層と区別するために、「第2粘着剤層」と称し、基材の裏面に備える上述の粘着剤層を「第1粘着剤層」と称することがある。)を備えていてもよい。
図3は、本発明の製造方法の一実施形態を模式的に説明するための、積層体とその構成要素の平面図であり、図4は、図3に示す積層体とその構成要素のII−II線における断面図である。
なお、図3以降の図において、既に説明済みの図に示すものと同じ構成要素には、その説明済みの図の場合と同じ符号を付し、その詳細な説明は省略する。
前記金属層形成工程においては、図3(a)及び図4(a)に示すように、基材11上に金属層12を形成する。
金属層12の形成方法は、特に限定されず、例えば、金属種の種類等も考慮の上、公知の方法から適宜選択できる。金属層とその具体的な形成方法については、後ほど詳細に説明する。
前記被覆層形成工程においては、図3(b)及び図4(b)に示すように、金属層12の、基材11側とは反対側の表面(以下、「第1面」と称することがある)12aの一部が露出するように、金属層12上に被覆層13を形成する。
本工程においては、上記のように被覆層13を形成することで、基材11を上方から見下ろすように、得られた積層物を平面視したときに、金属層12の大きさは、被覆層13の大きさよりも大きくなる。すなわち、基材11の表面11aに対して平行な方向において、形成直後の金属層12の周縁部12c’は、被覆層13の周縁部13cよりも、基材11の周縁部(図示略)側に位置して突出している。
前記金属層除去工程においては、図3(c)及び図4(c)に示すように、金属層12の表面(第1面)12aが露出している露出部位120を、この露出部位120に隣接する被覆層13とともに擦過する。ここでは、擦過手段8によって、金属層12及び被覆層13をともに擦過する場合について示している。また、金属層12の露出部位120とともに擦過する、被覆層13の露出部位120に隣接する部位を、符号130を付して示している。
擦過手段8の擦過面は、平滑面及び凹凸面のいずれであってもよい。
擦過手段8の形状、大きさ、厚さ等は、特に限定されず、金属層12及び被覆層13の種類に応じて、適宜選択すればよい。
また、前記溶媒としては、各種基材の洗浄を行うために最適化された洗浄溶媒(例えば、タミヤ社製「プレペイントクリーナー」)等も用いることができる。
また、基材の裏面(金属層の形成面とは反対側の面)に、上述の粘着剤層(第1粘着剤層)を備えた積層体は、前記裏面に前記粘着剤層を形成する粘着剤層形成工程(第1粘着剤層形成工程)を別途追加して行うことで、製造できる。
また、上述のオーバーコート層、又はオーバーコート層とその上に第2粘着剤層を備えた積層体も、同様に、オーバーコート層形成工程、又は第2粘着剤層形成工程を別途追加して行うことで、製造できる。
次に、本発明の製造方法で得られる積層体の各構成要素について、より詳細に説明する。
前記基材は、前記金属層を形成可能なものであれば、特に限定されないが、樹脂製基材であることが好ましい。樹脂製基材を用いることで、上述の製造方法において、金属層除去工程をより容易に行うことができる。
なお、本明細書においては、基材の場合に限らず、「複数層が互いに同一でも異なっていてもよい」とは、「すべての層が同一であってもよいし、すべての層が異なっていてもよく、一部の層のみが同一であってもよい」ことを意味し、さらに「複数層が互いに異なる」とは、「各層の材質及び厚さの少なくとも一方が互いに異なる」ことを意味する。
基材が複数層からなる場合には、各層の合計の厚さが、上記の好ましい基材の厚さとなるようにするとよい。
ここで「ポリカーボネートを主成分とする」とは、「ポリカーボネートとそれ以外の成分を含有し、ポリカーボネートの含有量が50質量%以上である」ことを意味する。そして、ポリカーボネートを主成分とする部位の、ポリカーボネートの含有量は、60質量%以上であることが好ましく、70質量%以上であることがより好ましく、80質量%以上であることがさらに好ましく、90質量%以上であることが特に好ましく、例えば、95質量%以上、97質量%以上及び99質量%以上のいずれであってもよい。
基材は、金属層の積層面に受容層を備えたものであってもよい。受容層を備えた基材のうち、上述の樹脂基材等の、受容層の形成対象物を、本明細書においては「基材本体」と称することがある。すなわち、本発明の製造方法で得られる積層体は、基材本体、受容層、金属層及び被覆層を備え、これらがこの順に積層されてなり、前記受容層の表面に対して平行な方向において、前記金属層の周縁部と、前記被覆層の周縁部と、の位置が一致している領域を有するものも挙げられる。このような積層体は、基材が基材本体と受容層との積層物であり、受容層が金属層側に配置されている点以外は、上述の基材、金属層及び被覆層を備え、これらがこの順に積層されてなる積層体と同じである。
受容層の構成材料である樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、尿素樹脂、アルキド樹脂、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール等が挙げられる。
前記充填材として、例えば、受容層の屈折率、熱収縮率、又は後述する金属インク組成物の吸収性等を調節するものが挙げられる。
前記調整剤としては、例えば、受容層を形成するための、後述する受容層用組成物の印刷適性、塗工適性等を向上させるためのレベリング剤、増粘剤等が挙げられる。
前記金属層の金属種は特に限定されず、例えば、単体金属及び合金のいずれであってもよい。
なかでも、前記金属種は、銀又は銅であることが好ましく、銀であることがより好ましい。このような金属種である場合、上述の製造方法において、金属層除去工程をより容易に行うことができる。
金属層が複数層からなる場合には、各層の合計の厚さが、上記の好ましい金属層の厚さとなるようにするとよい。
また、金属層は、前記金属層用組成物を基材表面の所定の領域又は全面に付着させて組成物層を形成し、この組成物層(金属層用組成物)から上記と同様の方法で金属層(パターニング前の金属層)を形成した後、エッチング等の公知の手法でこの金属層を所望の形状となるようにパターニングすることでも形成できる。
また、金属層は、前記金属層用組成物を用いずに、蒸着等によっても形成でき、必要に応じて、エッチング等の公知の手法でこの金属層を所望の形状となるようにパターニングすることでも形成できる。
金属インク組成物中の金属及び金属の形成材料は、いずれも、1種のみでもよいし、2種以上でもよく、2種以上である場合、それらの組み合わせ及び比率は、任意に調節できる。
なお、本明細書において、「ナノ粒子」とは、粒径が1nm以上1000nm未満、好ましくは1〜100nmである粒子を意味し、「ナノワイヤー」とは、幅が1nm以上1000nm未満、好ましくは1〜100nmであるワイヤーを意味する。
前記金属銀の形成材料は、加熱等によって分解し、金属銀を形成するものである。
[カルボン酸銀]
金属銀の形成材料としては、例えば、式「−COOAg」で表される基を有するカルボン酸銀等が挙げられる。
本発明において、カルボン酸銀は、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよく、2種以上を併用する場合、それらの組み合わせ及び比率は、任意に調節できる。
前記カルボン酸銀は、式「−COOAg」で表される基を有していれば特に限定されない。例えば、1分子中の式「−COOAg」で表される基の数は1個のみでもよいし、2個以上でもよい。また、カルボン酸銀中の式「−COOAg」で表される基の位置も特に限定されない。
本発明において、カルボン酸銀は、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよく、2種以上を併用する場合、その組み合わせ及び比率は、任意に調節できる。
なお、本明細書においては、単なる「カルボン酸銀」との記載は、特に断りの無い限り、「β−ケトカルボン酸銀(1)」及び「カルボン酸銀(4)」だけではなく、これらを包括する、「式「−COOAg」で表される基を有するカルボン酸銀」を意味するものとする。
Y1はそれぞれ独立にフッ素原子、塩素原子、臭素原子又は水素原子であり;R1は炭素数1〜19の脂肪族炭化水素基又はフェニル基であり;R2は炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基であり;R3は炭素数1〜16の脂肪族炭化水素基であり;R4及びR5はそれぞれ独立に炭素数1〜18の脂肪族炭化水素基であり;R6は炭素数1〜19の脂肪族炭化水素基、水酸基又は式「AgO−」で表される基であり;
X1はそれぞれ独立に水素原子、炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基、ハロゲン原子、1個以上の水素原子が置換基で置換されていてもよいフェニル基若しくはベンジル基、シアノ基、N−フタロイル−3−アミノプロピル基、2−エトキシビニル基、又は一般式「R7O−」、「R7S−」、「R7−C(=O)−」若しくは「R7−C(=O)−O−」で表される基であり;
R7は、炭素数1〜10の脂肪族炭化水素基、チエニル基、又は1個以上の水素原子が置換基で置換されていてもよいフェニル基若しくはジフェニル基である。)
β−ケトカルボン酸銀(1)は、前記一般式(1)で表される。
式中、Rは1個以上の水素原子が置換基で置換されていてもよい炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基若しくはフェニル基、水酸基、アミノ基、又は一般式「R1−CY1 2−」、「CY1 3−」、「R1−CHY1−」、「R2O−」、「R5R4N−」、「(R3O)2CY1−」若しくは「R6−C(=O)−CY1 2−」で表される基である。
Rにおける環状の前記アルキル基としては、例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロノニル基、シクロデシル基、ノルボルニル基、イソボルニル基、1−アダマンチル基、2−アダマンチル基、トリシクロデシル基等が挙げられる。
このような前記アルケニル基としては、例えば、ビニル基(エテニル基、−CH=CH2)、アリル基(2−プロペニル基、−CH2−CH=CH2)、1−プロペニル基(−CH=CH−CH3)、イソプロペニル基(−C(CH3)=CH2)、1−ブテニル基(−CH=CH−CH2−CH3)、2−ブテニル基(−CH2−CH=CH−CH3)、3−ブテニル基(−CH2−CH2−CH=CH2)、シクロヘキセニル基、シクロペンテニル基等が挙げられる。
このような前記アルキニル基としては、例えば、エチニル基(−C≡CH)、プロパルギル基(−CH2−C≡CH)等が挙げられる。
置換基である前記脂肪族炭化水素基としては、例えば、炭素数が1〜16である点以外は、Rにおける前記脂肪族炭化水素基と同様のものが挙げられる。
RにおけるR2は、炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基であり、例えば、Rにおける前記脂肪族炭化水素基と同様のものが挙げられる。
RにおけるR3は、炭素数1〜16の脂肪族炭化水素基である。R3における前記脂肪族炭化水素基としては、例えば、炭素数が1〜16である点以外は、Rにおける前記脂肪族炭化水素基と同様のものが挙げられる。
RにおけるR4及びR5は、それぞれ独立に炭素数1〜18の脂肪族炭化水素基である。すなわち、R4及びR5は、互いに同一でも異なっていてもよく、R4及びR5における前記脂肪族炭化水素基としては、例えば、炭素数が1〜18である点以外は、Rにおける前記脂肪族炭化水素基と同様のものが挙げられる。
RにおけるR6は、炭素数1〜19の脂肪族炭化水素基、水酸基又は式「AgO−」で表される基である。R6における前記脂肪族炭化水素基としては、例えば、炭素数が1〜19である点以外は、Rにおける前記脂肪族炭化水素基と同様のものが挙げられる。
X1における炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基としては、例えば、Rにおける前記脂肪族炭化水素基と同様のものが挙げられる。
X1におけるフェニル基及びベンジル基は、1個以上の水素原子が置換基で置換されていてもよい。好ましい前記置換基としては、例えば、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、ニトロ基(−NO2)等が挙げられる。置換基を有する前記フェニル基及びベンジル基において、前記置換基の数及び位置は特に限定されない。そして、置換基の数が複数である場合、これら複数個の置換基は互いに同一でも異なっていてもよい。
R7がチエニル基又はジフェニル基である場合、これらの、X1において隣接する基又は原子(酸素原子、硫黄原子、カルボニル基、カルボニルオキシ基)との結合位置は、特に限定されない。例えば、チエニル基は、2−チエニル基及び3−チエニル基のいずれでもよい。
カルボン酸銀(4)は、前記一般式(4)で表される。
式中、R8は炭素数1〜19の脂肪族炭化水素基、カルボキシ基(−COOH)又は式「−C(=O)−OAg」で表される基である。
R8における前記脂肪族炭化水素基としては、例えば、炭素数が1〜19である点以外は、Rにおける前記脂肪族炭化水素基と同様のものが挙げられる。ただし、R8における前記脂肪族炭化水素基は、炭素数が1〜15であることが好ましく、1〜10であることがより好ましい。
そして、これらカルボン酸銀の中でも、2−メチルアセト酢酸銀及びアセト酢酸銀は、後述する含窒素化合物(なかでもアミン化合物)との相溶性に優れ、銀インク組成物の高濃度化に、特に適したものとして挙げられる。
なお、本明細書において、「カルボン酸銀に由来する銀」とは、特に断りの無い限り、銀インク組成物の製造時に配合されたカルボン酸銀中の銀と同義であり、配合後も引き続きカルボン酸銀を構成している銀と、配合後にカルボン酸銀の分解で生じた分解物中の銀と、配合後にカルボン酸銀の分解で生じた銀そのもの(金属銀)と、のすべてを含む概念とする。
銀インク組成物は、特に前記金属銀の形成材料が前記カルボン酸銀である場合、前記金属銀の形成材料以外に、さらに含窒素化合物が配合されてなるものが好ましい。
前記含窒素化合物は、炭素数25以下のアミン化合物(以下、「アミン化合物」と略記することがある)、炭素数25以下の第4級アンモニウム塩(以下、「第4級アンモニウム塩」と略記することがある)、アンモニア、炭素数25以下のアミン化合物が酸と反応してなるアンモニウム塩(以下、「アミン化合物由来のアンモニウム塩」と略記することがある)、及びアンモニアが酸と反応してなるアンモニウム塩(以下、「アンモニア由来のアンモニウム塩」と略記することがある)からなる群から選択される1種以上のものである。すなわち、配合される含窒素化合物は、1種のみでよいし、2種以上でもよく、2種以上を併用する場合、その組み合わせ及び比率は、任意に調節できる。
前記アミン化合物は、炭素数が1〜25であり、第1級アミン、第2級アミン及び第3級アミンのいずれでもよい。また、前記第4級アンモニウム塩は、炭素数が4〜25である。前記アミン化合物及び第4級アンモニウム塩は、鎖状及び環状のいずれでもよい。また、アミン部位又はアンモニウム塩部位を構成する窒素原子(例えば、第1級アミンのアミノ基(−NH2)を構成する窒素原子)の数は1個でもよいし、2個以上でもよい。
好ましい前記モノアルキルアミンとして、具体的には、例えば、n−ブチルアミン、n−へキシルアミン、n−オクチルアミン、n−ドデシルアミン、n−オクタデシルアミン、イソブチルアミン、sec−ブチルアミン、tert−ブチルアミン、3−アミノペンタン、3−メチルブチルアミン、2−ヘプチルアミン(2−アミノヘプタン)、2−アミノオクタン、2−エチルヘキシルアミン、1,2−ジメチル−n−プロピルアミン等が挙げられる。
前記ヘテロアリール基は、単環状及び多環状のいずれでもよく、その環員数(環骨格を構成する原子の数)も特に限定されないが、3〜12員環であることが好ましい。
前記ヘテロアリール基で、酸素原子を1個有する単環状のものとしては、例えば、フラニル基等が挙げられ、このようなヘテロアリール基は、3〜8員環であることが好ましく、5〜6員環であることがより好ましい。
前記ヘテロアリール基で、硫黄原子を1個有する単環状のものとしては、例えば、チエニル基等が挙げられ、このようなヘテロアリール基は、3〜8員環であることが好ましく、5〜6員環であることがより好ましい。
前記ヘテロアリール基で、酸素原子を1〜2個及び窒素原子を1〜3個有する単環状のものとしては、例えば、オキサゾリル基、イソオキサゾリル基、オキサジアゾリル基、モルホリニル基等が挙げられ、このようなヘテロアリール基は、3〜8員環であることが好ましく、5〜6員環であることがより好ましい。
前記ヘテロアリール基で、硫黄原子を1〜2個及び窒素原子を1〜3個有する単環状のものとしては、例えば、チアゾリル基、チアジアゾリル基、チアゾリジニル基等が挙げられ、このようなヘテロアリール基は、3〜8員環であることが好ましく、5〜6員環であることがより好ましい。
前記ヘテロアリール基で、窒素原子を1〜5個有する多環状のものとしては、例えば、インドリル基、イソインドリル基、インドリジニル基、ベンズイミダゾリル基、キノリル基、イソキノリル基、インダゾリル基、ベンゾトリアゾリル基、テトラゾロピリジル基、テトラゾロピリダジニル基、ジヒドロトリアゾロピリダジニル基等が挙げられ、このようなヘテロアリール基は、7〜12員環であることが好ましく、9〜10員環であることがより好ましい。
前記ヘテロアリール基で、硫黄原子を1〜3個有する多環状のものとしては、例えば、ジチアナフタレニル基、ベンゾチオフェニル基等が挙げられ、このようなヘテロアリール基は、7〜12員環であることが好ましく、9〜10員環であることがより好ましい。
前記ヘテロアリール基で、酸素原子を1〜2個及び窒素原子を1〜3個有する多環状のものとしては、例えば、ベンゾオキサゾリル基、ベンゾオキサジアゾリル基等が挙げられ、このようなヘテロアリール基は、7〜12員環であることが好ましく、9〜10員環であることがより好ましい。
前記ヘテロアリール基で、硫黄原子を1〜2個及び窒素原子を1〜3個有する多環状のものとしては、例えば、ベンゾチアゾリル基、ベンゾチアジアゾリル基等が挙げられ、このようなヘテロアリール基は、7〜12員環であることが好ましく、9〜10員環であることがより好ましい。
前記ジアミンは炭素数が1〜10であることが好ましく、より好ましいものとしては、例えば、エチレンジアミン、1,3−ジアミノプロパン、1,4−ジアミノブタン等が挙げられる。
好ましい前記ジアルキルアミンとして、具体的には、例えば、N−メチル−n−ヘキシルアミン、ジイソブチルアミン、ジ(2−エチルへキシル)アミン等が挙げられる。
好ましい前記トリアルキルアミンとして、具体的には、例えば、N,N−ジメチル−n−オクタデシルアミン、N,N−ジメチルシクロヘキシルアミン等が挙げられる。
前記ジアルキルモノアリールアミンを構成するアリール基は、前記モノアリールアミンを構成するアリール基と同様であり、炭素数が6〜10であることが好ましい。
前記ハロゲン化テトラアルキルアンモニウムを構成するアルキル基は、前記モノアルキルアミンを構成するアルキル基と同様であり、炭素数が1〜19であることが好ましい。また、ハロゲン化テトラアルキルアンモニウム一分子中の4個のアルキル基は、互いに同一でも異なっていてもよい。すなわち、4個のアルキル基は、すべてが同じでもよいし、すべてが異なっていてもよく、一部だけが異なっていてもよい。
前記ハロゲン化テトラアルキルアンモニウムを構成するハロゲンとしては、例えば、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等が挙げられる。
好ましい前記ハロゲン化テトラアルキルアンモニウムとして、具体的には、例えば、ドデシルトリメチルアンモニウムブロミド等が挙げられる。
環状アミンであれば、好ましいものとして、例えば、ピリジン等が挙げられる。
また、置換基である前記アリール基及びアルキル基は、さらに1個以上の水素原子がハロゲン原子で置換されていてもよい。このようなハロゲン原子で置換された置換基を有するモノアルキルアミンとしては、例えば、2−ブロモベンジルアミン等が挙げられる。ここで、前記ハロゲン原子としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられる。
そして、これらアミン化合物の中でも、2−エチルヘキシルアミンは、前記カルボン酸銀との相溶性に優れ、銀インク組成物の高濃度化に特に適しており、さらに導電層の表面粗さの低減に特に適したものとして挙げられる。
本発明において、前記アミン化合物由来のアンモニウム塩は、前記アミン化合物が酸と反応してなるアンモニウム塩である。前記酸は、塩酸、硫酸、硝酸等の無機酸でもよいし、酢酸等の有機酸でもよく、酸の種類は特に限定されない。
前記アミン化合物由来のアンモニウム塩としては、例えば、n−プロピルアミン塩酸塩、N−メチル−n−ヘキシルアミン塩酸塩、N,N−ジメチル−n−オクタデシルアミン塩酸塩等が挙げられるが、これらに限定されない。
本発明において、前記アンモニア由来のアンモニウム塩は、アンモニアが酸と反応してなるアンモニウム塩である。ここで酸としては、例えば、前記アミン化合物由来のアンモニウム塩の場合と同じもの等が挙げられる。
前記アンモニア由来のアンモニウム塩としては、例えば、塩化アンモニウム等が挙げられるが、これに限定されない。
そして、前記含窒素化合物としては、前記アミン化合物、第4級アンモニウム塩、アミン化合物由来のアンモニウム塩及びアンモニア由来のアンモニウム塩からなる群から選択される1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよく、2種以上を併用する場合、その組み合わせ及び比率は、任意に調節できる。
銀インク組成物は、特に前記金属銀の形成材料が前記カルボン酸銀である場合、金属銀の形成材料以外に、さらにアルコールが配合されてなるものが好ましい。
アセチレンアルコール(2)は、前記一般式(2)で表される。
式中、R’及びR’’は、それぞれ独立に水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、又は1個以上の水素原子が置換基で置換されていてもよいフェニル基である。
R’及びR’’における炭素数1〜20のアルキル基は、直鎖状、分岐鎖状及び環状のいずれでもよく、環状である場合、単環状及び多環状のいずれでもよい。R’及びR’’における前記アルキル基としては、Rにおける前記アルキル基と同様のものが挙げられる。
銀インク組成物は、特に前記金属銀の形成材料が前記カルボン酸銀である場合、金属銀の形成材料以外に、さらにネオデカン酸(C9H19COOH)が配合されてなるものが好ましい。
本明細書において、ネオデカン酸とは、炭素数10の飽和モノカルボン酸の異性体の混合物を意味し、1種の化合物だけを意味するものではない。
そして、ネオデカン酸中の、2種以上の炭素数10の飽和モノカルボン酸の組み合わせ及び比率は、任意に調節できる。
すなわち、印刷対象物上に印刷された銀インク組成物中においては、まず、金属銀の形成材料から銀イオン(Ag+)が生じる。そして、印刷対象物の加熱によって、銀イオンに酸素が配位する(Ag+・・・O)。次いで、金属銀を形成するための、銀インク組成物の乾燥処理や加熱(焼成)処理等の固化処理によって、酸素が配位した銀イオンから酸化銀(Ag2O)が生じる。ここで、ネオデカン酸が配合されていない銀インク組成物の場合には、この銀インク組成物の固化処理によって最終的に生成した金属銀中に、副生した酸化銀が不純物として混入し、金属銀の光沢性が低下してしまうと推測される。一方で、ネオデカン酸が配合されている銀インク組成物の場合には、このネオデカン酸が酸化銀と反応することで、ネオデカン酸銀(C9H19COOAg)が生じる。このネオデカン酸銀は、上述のカルボン酸銀(4)、すなわち有機銀化合物であり、当初から配合されている有機銀化合物と同様に、銀インク組成物の固化処理によって最終的に金属銀を生成する。このようにネオデカン酸を用いることにより、印刷対象物の加熱が原因となって生じた酸化銀が、ネオデカン酸の作用によって、金属銀の光沢性の低下原因である不純物ではなく、金属銀そのものに転換されることによって、光沢性が高い金属銀を形成できると推測される。
このようなネオデカン酸以外のカルボン酸(本明細書においては「他のカルボン酸」と称することがある)は、一価カルボン酸であってもよいし、二価以上の多価カルボン酸であってもよく、脂肪族カルボン酸であってもよいし、芳香族カルボン酸であってもよい。
銀インク組成物は、特に前記金属銀の形成材料が前記カルボン酸銀であり、ネオデカン酸銀が配合されていない場合、金属銀の形成材料以外に、さらに還元剤が配合されてなるものでもよい。
前記還元剤は、シュウ酸(HOOC−COOH)、ヒドラジン(H2N−NH2)及び下記一般式(5)で表される化合物(以下、「化合物(5)」と略記することがある)からなる群から選択される1種以上のものである。
H−C(=O)−R21 ・・・・(5)
(式中、R21は、炭素数20以下のアルキル基、アルコキシ基若しくはN,N−ジアルキルアミノ基、水酸基又はアミノ基である。)
すなわち、配合される還元剤は、1種のみでよいし、2種以上でもよく、2種以上を併用する場合、その組み合わせ及び比率は、任意に調節できる。
窒素原子に結合している前記アルキル基は、それぞれ直鎖状、分岐鎖状及び環状のいずれでもよい。このようなアルキル基としては、例えば、炭素数が1〜19である点以外は、前記一般式(1)のRにおける前記アルキル基と同様のもの等が挙げられる。
銀インク組成物は、前記金属銀の形成材料、含窒素化合物、アルコール、ネオデカン酸及び還元剤以外の、その他の成分が配合されてなるものでもよい。
銀インク組成物における前記その他の成分は、目的に応じて任意に選択でき、特に限定されない。前記その他の成分としては、例えば、アルコール以外の溶媒等が挙げられ、配合成分の種類や量に応じて任意に選択できる。
銀インク組成物における前記その他の成分は、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよく、2種以上を併用する場合、それらの組み合わせ及び比率は、任意に調節できる。
前記溶媒は、アルコール以外のもの(水酸基を有しないもの)であれば、特に限定されない。
ただし、前記溶媒は、常温で液状であるものが好ましい。なお、本明細書において、「常温」とは、特に冷やしたり、熱したりしない温度、すなわち平常の温度を意味し、例えば、15〜25℃の温度等が挙げられる。
例えば、前記その他の成分がアルコール以外の溶媒である場合、前記溶媒の配合量は、銀インク組成物の粘度等、目的に応じて選択すればよい。ただし通常は、銀インク組成物において、配合成分の総量に対する前記溶媒の配合量の割合は、25質量%以下であることが好ましく、20質量%以下であることがより好ましく、15質量%以下であることが特に好ましい。
また、前記その他の成分が前記溶媒以外の成分である場合、銀インク組成物において、配合成分の総量に対する前記その他の成分の配合量の割合は、10質量%以下であることが好ましく、5質量%以下であることがより好ましい。
配合成分の総量に対する前記その他の成分の配合量の割合が0質量、すなわちその他の成分を配合しなくても、銀インク組成物は十分にその効果を発現する。
前記銀インク組成物は、前記金属銀の形成材料及びそれ以外の成分を配合することで得られる。各成分の配合後は、得られたものをそのまま銀インク組成物としてもよいし、必要に応じて引き続き公知の精製操作を行って得られたものを銀インク組成物としてもよい。本発明においては、特に金属銀の形成材料としてβ−ケトカルボン酸銀(1)を用いた場合、上記の各成分の配合時において、導電性を低下させる不純物が生成しないか、又はこのような不純物の生成量を極めて少量に抑制できる。したがって、精製操作を行っていない銀インク組成物を用いても、十分な導電性を有する金属銀が得られる。
例えば、前記金属銀の形成材料、含窒素化合物、アルコール及びネオデカン酸が配合されてなる銀インク組成物を製造する場合には、ネオデカン酸以外の成分をすべて配合した後、ネオデカン酸を最後に配合することが好ましい。
例えば、前記金属銀の形成材料、含窒素化合物、アルコール及び還元剤が配合されてなる銀インク組成物を製造する場合には、前記還元剤を滴下により配合することが好ましく、さらに滴下速度の変動を抑制することで、銀層の表面粗さをより低減できる傾向にある。
銀インク組成物において、溶解していない成分を均一に分散させる場合には、例えば、上記の三本ロール、ニーダー又はビーズミル等を用いて分散させる方法を適用することが好ましい。
銀インク組成物は、さらに二酸化炭素が供給されてなるものでもよい。このような銀インク組成物は高粘度となり、例えば、フレキソ印刷法、スクリーン印刷法、グラビア印刷法、グラビアオフセット印刷法、パッド印刷法等の、インクを厚盛りすることが必要な印刷法への適用に好適である。
そして、本発明においては、例えば、前記金属銀の形成材料及び含窒素化合物が配合されてなる第1混合物に、二酸化炭素を供給して第2混合物とし、必要に応じて前記第2混合物に、さらに、前記還元剤を配合して、銀インク組成物を製造することが好ましい。また、前記アルコール又はその他の成分を配合する場合、これらは、第1混合物及び第2混合物のいずれか一方又は両方の製造時に配合でき、目的に応じて任意に選択できる。
そして、二酸化炭素ガスの供給時間は、必要とされる二酸化炭素ガスの供給量や、流量を考慮して適宜調節すればよい。
この時の撹拌方法は、二酸化炭素を用いない上記の銀インク組成物の製造時における前記混合方法の場合と同様でよい。
ドライアイスの使用量は、上記の二酸化炭素ガスの供給量を考慮して調節すればよい。
ドライアイスの添加中及び添加後は、第1混合物を撹拌することが好ましく、例えば、二酸化炭素を用いない上記の銀インク組成物の製造時と同様の方法で撹拌することが好ましい。このようにすることで、効率的に二酸化炭素を供給できる。
撹拌時の温度は、二酸化炭素ガス供給時と同様でよい。また、撹拌時間は、撹拌温度に応じて適宜調節すればよい。
このときの銀インク組成物は、配合成分が異なる点以外は、二酸化炭素を用いない上記の銀インク組成物と同様の方法で製造できる。そして、得られた銀インク組成物は、配合成分がすべて溶解していてもよいし、一部の成分が溶解せずに分散した状態であってもよいが、配合成分がすべて溶解していることが好ましく、溶解していない成分は均一に分散していることが好ましい。
また、配合時間は、配合成分の種類や配合時の温度に応じて適宜調節すればよいが、例えば、0.5〜12時間であることが好ましい。
銀層(金属銀層)は、例えば、基材上に前記銀インク組成物を付着させ、次いで付着させた銀インク組成物に対して、乾燥処理や加熱(焼成)処理等の固化処理を適宜選択して行い、金属銀を生じさせることで形成できる。前記加熱処理は、乾燥処理を兼ねて行ってもよい。
前記印刷法としては、例えば、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法、ディップ式印刷法、インクジェット式印刷法、ディスペンサー式印刷法、ジェットディスペンサー式印刷法、グラビア印刷法、グラビアオフセット印刷法、パッド印刷法等が挙げられる。
前記塗布法としては、例えば、スピンコーター、エアーナイフコーター、カーテンコーター、ダイコーター、ブレードコーター、ロールコーター、ゲートロールコーター、バーコーター、ロッドコーター、グラビアコーター等の各種コーターや、ワイヤーバー等を用いる方法が挙げられる。
銀インク組成物を付着させる前の、基材の加熱処理の条件は、基材の種類に応じて適宜調節すればよく、特に限定されないが、60〜200℃で10〜60分間加熱処理することが好ましく、例えば、銀層の形成時における、銀インク組成物の加熱(焼成)処理の条件と同じであってもよい。
プラズマ処理は公知の方法で行えばよく、例えば、大気圧プラズマ処理の場合には、電圧290〜300W、気流速度1.0〜5.0m/分等の条件で行うことができる。
一段階目の加熱処理において、加熱温度は、銀インク組成物の配合成分の種類に応じて適宜調節すればよいが、60〜110℃であることが好ましく、70〜90℃であることがより好ましい。また、加熱時間は、加熱温度に応じて調節すればよいが、通常は、5秒〜12時間であることが好ましく、30秒〜2時間であることがより好ましい。
二段階目の加熱処理において、加熱温度は、金属銀が良好に形成されるように、銀インク組成物の配合成分の種類に応じて適宜調節すればよいが、60〜280℃であることが好ましく、70〜260℃であることがより好ましい。また、加熱時間は、加熱温度に応じて調節すればよいが、通常は、1分〜12時間であることが好ましく、1分〜10時間であることがより好ましい。
銀インク組成物を耐熱性が低い基材に付着させて加熱(焼成)処理する場合には、一段階目及び二段階目の加熱処理における加熱温度は、130℃未満であることが好ましく、125℃以下であることがより好ましく、120℃以下であることが特に好ましい。
上記の加熱した液体は湯(加熱した水)であることが好ましく、二段階目の加熱処理は、一段階目の加熱処理を行った銀インク組成物を湯中に浸漬すること、すなわち湯煎によって行うことが好ましい。
二段階目の加熱処理を液相中で行った場合には、この加熱処理によって形成された金属銀を、さらに乾燥させればよい。
なお、本明細書において「非加湿」とは、上述の「加湿」を行わないこと、すなわち、湿度を人為的に増大させないことを意味し、好ましくは相対湿度を5%未満とすることである。
一段階目の非加湿条件下での加熱処理に次いで行う、二段階目の加湿条件下での加熱処理時の加熱温度は、60〜140℃であることが好ましく、70〜130℃であることがより好ましい。また、加熱時間は、1分〜2時間であることが好ましく、1分〜1時間であることがより好ましく、1分〜30分であることが特に好ましい。
銀インク組成物を耐熱性が低い基材に付着させて加熱(焼成)処理する場合には、一段階目の非加湿条件下での加熱処理及び二段階目の加湿条件下での加熱処理における加熱温度は、いずれも130℃未満であることが好ましく、125℃以下であることがより好ましく、120℃以下であることが特に好ましい。
前記被覆層は、金属層を被覆し、前記金属層除去工程においては、除去対象外の金属層の保護作用を有するものであれば、特に限定されず、積層体の用途に応じて、任意の構成を採用できる。
好ましい被覆層としては、例えば、積層体中の金属層の保護を目的として、保護層として機能するもの;金属層だけでは表現できない色味を積層体において実現することを目的として、着色層として機能するもの;前記保護層及び着色層の両方として機能するもの等が挙げられる。被覆層を保護層として機能させる場合には、主成分の種類を調節することで、保護能を種々調節できる。また、被覆層を着色層として機能させる場合には、用いる着色剤の種類を調節することで、積層体の色味を種々調節できる。例えば、金属層の光沢性も利用して、積層体の色味をカラーメタリック調とすることも可能である。
好ましい被覆層の構成材料としては、例えば、樹脂が挙げられる。
前記エネルギー線としては、例えば、遠紫外線、紫外線、近紫外線等の紫外線;赤外線;X線、γ線等の電磁放射線;電子線、陽子線、中性子線等の粒子放射線等が挙げられる。
なかでも、前記樹脂は、紫外線硬化性樹脂の硬化物であることが特に好ましい。
前記硬化性樹脂としては、例えば、アクリル酸エステル、二アクリル酸ヘキサメチレン等が挙げられるが、これらに限定されない。
例えば、被覆層を着色層として機能させる場合には、樹脂以外の構成材料としては、顔料、染料等の着色剤が挙げられる。
また、前記樹脂がエネルギー線硬化性樹脂の硬化物である場合、被覆層は、光開始剤やそれに由来する成分を含有していてもよい。
被覆層が複数層からなる場合には、各層の合計の厚さが、上記の好ましい被覆層の厚さとなるようにするとよい。
被覆層用組成物における前記樹脂としては、例えば、上述の被覆層の構成材料である樹脂、又は、硬化によって被覆層の構成材料である樹脂を形成するための樹脂前駆体(プレポリマー)等が挙げられる。
被覆層用組成物における前記溶媒としては、例えば、上述の銀インク組成物におけるアルコール以外の溶媒、アセチレンアルコール(2)以外のアルコール等が挙げられる。
被覆層用組成物における前記樹脂及び溶媒以外の成分としては、例えば、前記着色剤、前記光開始剤、硬化剤、硬化促進剤等が挙げられる。
被覆層用組成物を硬化させる場合には、配合されている樹脂成分の種類に応じて、紫外線等のエネルギー線の照射又は加熱を行えばよい。
本発明の製造方法で得られた積層体のうち、上述の金属の形成材料が配合されてなる金属インク組成物を用いて、金属層を形成して得られた積層体は、前記基材と金属層との間に、前記基材、金属層及び被覆層の含有成分とは異なる成分(以下、「混在成分」と略記することがある)を含み得る。
前記混在成分を含む積層体は、先に説明したように、前記基材の表面に対して平行な方向において、金属層の周縁部と、被覆層の周縁部と、の位置が一致している領域を有しているのに加え、前記混在成分を含む点において、従来の積層体とは異なる。
前記混在成分は、前記金属インク組成物に由来する成分であるため、前記積層体においては、金属層の形成領域、すなわち、基材と金属層との間に存在する。
また、このような積層体において、前記混在成分の含有量は微量であり、金属層と基材との間の密着力(例えば、前記密着力P2、前記密着力P3)を明確に低減する成分でもないため、前記混在成分を含む積層体は、安定性の問題点を有しない。
ここに示す積層体2は、基材11と金属層12との間に混在成分14を含む点以外は、図1及び図2に示す積層体1と同じである。ただし、図5においては、混在成分14が存在していることを判り易くするために、混在成分14を強調表示している。
例えば、前記混在成分は、基材と金属層との間において、ここに示すように、一定量以上が集合して、基材の表面に対して平行な方向において広がった状態で存在し、層状に分布することがある。また、前記混在成分は、明確な層状にはならずに、局所的に点在して分布することもある。
[実施例1]
(銀インク組成物の製造)
ビーカー中に2−エチルヘキシルアミン(75.61g、後述するピバロイル酢酸銀に対して6.32倍モル量)と、3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3−オール(以下、「DMHO」と略記することがある)(1.17g、ピバロイル酢酸銀に対して0.10倍モル量)と、を加えて混合し、メカニカルスターラーを回転させて撹拌しながら、さらにここへ、液温が40℃以下となるようにピバロイル酢酸銀(23.23g)を添加して、各配合成分を溶解させ、室温でそのまま1日撹拌を続けた。
次いでこの撹拌液に、液温が30℃以下となるように、ネオデカン酸(ピバロイル酢酸銀に対して0.13倍モル量)を滴下して撹拌することにより、銀インク組成物を得た。
なお、DMHOとしては、日信化学社製「サーフィノール61」を用い、ネオデカン酸としては、ジャパンケムテック社製「バーサティック10」を用いた。これは、以降の実施例でも同様である。
なお、本実施例において「金属銀の形成材料」とは、「β−ケトカルボン酸銀(1)」のことである。
基材としてポリカーボネート製のスマートフォンケース(厚さ1〜2mm)を用い、その外表面全面に、スピンコーターを用いて、上記で得られた銀インク組成物を塗工した。スピンコーターによる塗工時の回転条件は、550rpmで5秒、次いで1000rpmで10秒とした。
次いで、ドライヤーを用いて、この基材上の塗工物を、120℃で15分加熱(焼成)処理することにより、銀層(厚さ約0.1μm)を形成した。
次いで、インクジェットプリンタ(ミマキエンジニアリング社製「UJF−3042」)と、紫外線硬化性インク(ミマキエンジニアリング純正インク「UVインクLH−10」)とを用いて、上記で形成した銀層上に、銀層の第1面の一部が露出するようなパターンを印刷し、前記インクを硬化及び乾燥させることで、被覆層(厚さ約15μm)を形成した。
次いで、擦過手段として、紙ワイパー(日本製紙クレシア社製「ケイドライ」)に2−プロパノールを含浸させたものを用いて、銀層の露出部位を、この露出部位に隣接する被覆層とともに擦過することによって、銀層の露出部位のみを基材上から除去した。
以上により、積層体、すなわち、銀層の高い光沢性と、被覆層の色を利用して、色彩上の装飾を施したスマートフォンケースを得た。
本実施例では、少ない工程数で、煩雑な作業を伴うことなく、簡便に前記積層体を製造できた。
(銀インク組成物の製造)
ビーカー中に2−エチルヘキシルアミン(78.18g、後述する2−メチルアセト酢酸銀に対して6.53倍モル量)と、DMHO(1.17g、2−メチルアセト酢酸銀に対して0.10倍モル量)と、を加えて混合し、メカニカルスターラーを回転させて撹拌しながら、さらにここへ、液温が40℃以下となるように2−メチルアセト酢酸銀(20.65g)を添加して、各配合成分を溶解させ、室温でそのまま1日撹拌を続けた。
次いでこの撹拌液に、液温が30℃以下となるように、ネオデカン酸(2−メチルアセト酢酸銀に対して0.13倍モル量)を滴下して撹拌することにより、銀インク組成物を得た。
基材としてポリカーボネート製のスマートフォンケース(厚さ1〜2mm)を用い、その外表面に対して、インクジェットプリンタ(富士フイルムグローバルグラフィックシステムズ社製「DMP2831」)を用いて、上記で得られた銀インク組成物で印刷を行った。このときの印刷パターンは、設計パターンよりも太さが1mmだけ太いパターンとした。
次いで、ドライヤーを用いて、この基材上の印刷パターンを、120℃で15分加熱(焼成)処理することにより、銀層(厚さ約0.1μm)を形成した。
次いで、インクジェットプリンタ(ミマキエンジニアリング社製「UJF−3042」)と、紫外線硬化性インク(ミマキエンジニアリング純正インク「UVインクLH−10」)とを用いて、上記で形成した銀層上に、銀層の第1面の一部が露出するようなパターンを印刷し、前記インクを硬化及び乾燥させることで、被覆層(厚さ約15μm)を形成した。このとき、銀層の周縁部の全領域に沿って、銀層の露出部位が生じるように、被覆層を形成した。
次いで、擦過手段として、紙ワイパー(日本製紙クレシア社製「ケイドライ」)に2−プロパノールを含浸させたものを用いて、銀層の露出部位を、この露出部位に隣接する被覆層とともに擦過することによって、銀層の露出部位のみを基材上から除去した。
以上により、積層体、すなわち、銀層の高い光沢性と、被覆層の色を利用して、色彩上の装飾を施したスマートフォンケースを得た。
本実施例では、少ない工程数で、煩雑な作業を伴うことなく、簡便に前記積層体を製造できた。
Claims (2)
- 基材、金属層及び被覆層を備え、これらがこの順に積層されてなり、前記基材の表面に対して平行な方向において、前記金属層の周縁部と、前記被覆層の周縁部と、の位置が一致している領域を有する積層体の製造方法であって、
基材上に金属層を形成する工程と、
前記金属層の、前記基材側とは反対側の表面の一部が露出するように、前記金属層上に前記被覆層を形成する工程と、
前記金属層の表面が露出している露出部位を、この露出部位に隣接する前記被覆層とともに擦過することによって、前記金属層の露出部位のみを前記基材上から除去し、前記基材の前記金属層が形成されていた領域の表面を露出させる工程と、
を有する、積層体の製造方法。 - 基材、金属層及び被覆層を備え、これらがこの順に積層されてなり、
前記基材の表面に対して平行な方向において、前記金属層の周縁部と、前記被覆層の周縁部と、の位置が一致している領域を有し、
前記基材の前記金属層側の表面の一部が、前記金属層及び被覆層が形成されずに露出しており、
前記基材と前記金属層との間に、前記基材、金属層及び被覆層の含有成分とは異なる成分を含む、積層体。
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