JP6840904B1 - タングステン合金線材およびそれを用いた医療器具 - Google Patents

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Abstract

本発明は、十分なX線不透過性を有するとともにヤング率を調整可能であり、しかも線材同士または他の材料との接合が容易であるタングステン合金線材およびそれを用いた医療器具を提供する。すなわち本発明は、Wの割合が55〜97質量%で、残部がNi,Feのいずれかまたは両方を含むタングステン合金からなる、線材サイズが200μm以下のタングステン合金線材5と、このタングステン合金線材を用いた、放射線不透過性を有する医療器具2を提供する。

Description

本発明は、タングステン合金線材およびそれを用いたカテーテル等の医療器具に関する。
カテーテルは、術者が術中にカテーテルの位置を確認するために、X線透視下での高い視認性が求められる。このようなカテーテルは、X線不透過性を有する線材で編み込まれた補強層やマーカーと呼称される微細なリング、あるいは線材をコイル状に加工した部材を有する。
近年のカテーテルは細径化が進み、より細い血管内を通過させる際の術者の操作性、蛇行する血管に沿って曲がる柔軟性や耐キンク性、X線透視下での高い視認性を併せ持つ必要がある。それに伴い、カテーテルを構成するX線不透過性を有する部材にも高機能かつ安価でアッセンブリしやすい素材が求められている。
従来、カテーテルを構成するX線不透過性を有する部材としては、Au(金)やPt(白金)などの貴金属を主成分とした部材や、汎用性の高いステンレスの部材が使用されているが、コストや機械的特性に問題がある。また、高いX線不透過性を有する材料としてTa(タンタル)やW(タングステン)が利用される場合もある。例えば特許文献1には、Ta若しくはWを主成分とする素線の外周部に、純Au若しくはAuにNi及び/又はTiを添加した合金を被覆した複合線材が開示されている。
しかし、特許文献1に開示されている線材は2層構造であるため、製造が困難でコストおよび工数がかかるという問題がある。また、この線材の基本的な機械的特性は素線であるTaまたはWと同様であり、以下のような問題がある。すなわち、Taの場合、引張強度が小さく細線化が難しいという問題がある。一方、Wの場合、細線化はできるものの、高ヤング率によってカテーテルが曲がりにくくなり、血管を傷つけることや血管の形状に沿うことができないという問題がある。また、線材同士または他の材料との接合が困難で、カテーテル等へのアッセンブリが困難という問題もある。
特開2015−30910号公報
本発明が解決しようとする課題は、十分なX線不透過性を有するとともにヤング率を調整可能であり、しかも線材同士または他の材料との接合が容易であるタングステン合金線材およびそれを用いた医療器具を提供することにある。
本発明によれば、次の(1)〜(4)のタングステン合金線材およびそれを用いた医療器具が提供される。
(1)
Wの割合が55〜90質量%で、残部がNi,Feのいずれかまたは両方を含むタングステン合金からなる、線材サイズが200μm以下のタングステン合金線材。
(2)
Wの割合が55〜90質量%で、残部がNi,Feの両方を含むタングステン合金からなる、線材サイズが200μm以下のタングステン合金線材。
(3)
Wの割合が70〜90質量%である、(1)又は(2)に記載のタングステン合金線材。
(4)
(1)から(3)のいずれか一項に記載のタングステン合金線材を用いた、放射線不透過性を有する医療器具。
本発明によれば、十分なX線不透過性を有するとともにヤング率を調整可能であり、しかも線材同士または他の材料との接合が容易であるタングステン合金線材およびそれを用いた医療器具を得ることができる。
本発明のタングステン合金線材の一形態を示す模式図。 本発明の医療用器具の一形態を示す模式図。 本発明の一実施例であるタングステン合金線材、従来材であるステンレス(SUS304)線材およびタングステン線材のX線画像。 異種金属との接合性の評価方法を示す概念図。 本発明の一実施例であるタングステン合金線材とステンレス板との接合界面の断面観察結果(反射電子線像)。 従来材であるタングステン線材とステンレス板との接合界面の断面観察結果(反射電子線像)。 本発明の一実施例であるタングステン合金線材同士をスポット溶接により接合した結果を示す写真。
本発明のタングステン合金線材は、Wの割合が55〜97質量%で、残部がNi,Feのいずれかまたは両方を含むタングステン合金からなる。このようにWの割合を55〜97質量%とすることで、十分なX線不透過性を確保することができるとともに、ヤング率を調整することができる。
表1に、Wの割合が55〜97質量%で、残部がNi,Feのいずれかまたは両方を含むタングステン合金の理論比重と理論ヤング率を示している。また、表1には、比較データとして、WとSUS304(18Cr−8Ni)の比重とヤング率の文献値も示している。
タングステン合金の理論比重dは、以下の理論式で求めた。なお、この理論比重dは、実測値とほぼ一致することを本発明者らは確認している。
d=1/((w/d)+(wFe/dFe)+(wNi/dNi))
ここで、d:Wの比重
Fe:Feの比重
Ni:Niの比重
:Wの質量分率
Fe:Feの質量分率
Ni:Ni質量分率
タングステン合金の理論ヤング率Eは、以下の理論式(Reuss則)で求めた。なお、ヤング率の理論式としてはReuss則のほかにVoigt則も知られているが、実測値はReuss則に近いことを本発明者らは確認している。
1/E=V/E+VFe/EFe+VNi/ENi
ここで、E:Wのヤング率
Fe:Feのヤング率
Ni:Niのヤング率
:タングステンの体積分率
Fe:Feの体積分率
Ni:Niの体積分率
X線不透過性は比重とほぼ比例関係にあることが知られているところ、Wの割合が55質量%のタングステン合金の理論比重(12.31)は、SUS304の比重(7.9)を大きく上回っており、Pb(鉛)の比重(11.4)も上回ることから、十分なX線不透過性を有することがわかる。なお、X線不透過性をより高めるためには、Wの割合は65〜97質量%とすることが好ましい。
また、ヤング率については、Wの割合を55〜97質量%とすることで、Wのヤング率(411GPa)とSUS304のヤング率(193GPa)との間でヤング率を調整可能であることがわかる。なお、タングステン合金のヤング率をWとSUS304との中間程度とするには、Wの割合は70〜90質量%とすることが好ましい。
本発明のタングステン合金線材は、一例として以下の方法にて製造することができる。
まず、出発原料粉末として、粒径1〜20μmのW粉末を55〜97質量%と、Ni粉末,Fe粉末のいずれかまたは両方を合計で3〜45質量%とを配合する。
Wの割合の上限値を97質量%とすることで、Wのみの場合と比較して加工性及び焼結性を向上でき、コスト低減が可能となる。また、Wの割合の下限値を55質量%とすることで、上述のとおり十分なX線不透過性を確保できる。また、医療器具の種類によっては線材のコシが大きすぎると血管を傷付ける可能性があるが、Wの割合を97質量%以下にすることで、Wよりもヤング率を低減させ、血管を傷つけないようにカテーテルの柔軟性を調整することができる。
Wは比重が19.3と高くX線不透過性が高いが、Ni,Feのいずれかまたは両方を添加することで生体への影響を抑えつつ、焼結性の向上と加工性の向上が可能となる。NiとFeは選択的にいずれか一方を添加してもよいし、両方添加してもよい。両方添加することでさらに融点を下げることができ、より焼結性を向上できる。この際、NiとFeの比率は、Niが20〜72質量%で残部をFeとする範囲が焼結温度を下げる点から好ましい。
混合方法は、出発原料粉末にアルコール類を溶媒とした有機系のバインダーを加え、スラリー状になるまで混合して乾燥し、乾燥した原料粉末を80〜400メッシュ程度で篩い、必要に応じてさらに乾燥して混合粉末を得る。
得られた混合粉末をプレス成型により棒状に成型する。プレス成型は金型プレスあるいは冷間等方加圧等を使用し、プレス圧力は10〜500MPaで行う。水素雰囲気で脱脂、焼結することで、棒状の焼結体を得ることができる。脱脂、焼結の雰囲気は窒素、アルゴン等の不活性ガス雰囲気でもよい。脱脂温度は600〜1000℃、焼結温度は1200℃〜1500℃程度である。
得られた棒状の焼結体の熱間伸線加工を行う。熱間伸線加工は超硬製またはダイヤモンド製の伸線ダイスを使用し、線材に潤滑剤(グラファイト)を塗付した状態で加工を行う。伸線加工中の線材温度は500〜1000℃、ダイス温度は300〜600℃程度とする。また、ダイス1個当たりの減面率は5%〜30%とする。これらの熱間伸線加工により線材サイズが200μm以下の線材を得る。なお、潤滑剤としては窒化ホウ素(h−BN)を用いることもできる。
一例に示した以上の手順にて、本発明のタングステン合金線材を得ることができるが、同様のタングステン合金を用いて線材サイズが200μm以下の線材が得られるのであれば、その手段は問わない。前記の混合方法、脱脂方法、焼結方法、伸線加工方法等は公知の別の方法が適用可能である。
線材サイズが200μm以下である本発明のタングステン合金線材は、多くの医療器具に適している。このサイズがカテーテル等の医療器具に一般的に用いられるサイズであるためである。近年のカテーテルは細径化の傾向を踏まえると、線材サイズは150μm以下であることが好ましく、100μm以下であることがより好ましい。
一方、線材サイズの下限値は特に限定されず、技術的に可能であればいかなるサイズでもよい。ただし、細線化のコスト等を考慮すると、線材サイズは5μm以上または10μm以上とすることができる。
本発明のタングステン合金線材の断面形状も特に限定されず、断面が円形の一般的な線材(丸線)であってもよいし、断面が偏平形状の線材であってもよい。断面が偏平形状の線材を得るには、丸線にさらに圧延加工を行うか、あるいは長方形のダイスを用いた伸線加工を行えばよい。
偏平形状にした場合の利点は、柔軟性の向上と、線材による被覆率を大きくすることでX線写真での視認性を向上できることである。一方、丸線についてはサイズ精度がよい、コストが低い、加工できる設備が多い、取扱いが容易などの利点が挙げられる。
ここで、本発明でいう「線材サイズ」とは、断面が円形の場合はその円の直径をいい、断面が偏平形状の場合はその断面の長軸(長辺)の長さをいう。なお、図1に、断面が偏平形状(略長方形)の線材1の一例を模式的に示しているが、この線材1の線材サイズは長辺の長さaである。
以上のようにして得られたタングステン合金線材は、一例として図2に示すように、カテーテルのシャフトの補強層としてブレーディングやコイリングを施した状態で使用される。すなわち、図2において符号2はカテーテルのシャフトであり、内層である親水性コーティング層3と外層である樹脂製ライナー層4との間に、本発明のタングステン合金線材5をブレーディングやコイリングしてなる補強層がある。
本発明のタングステン合金線材は、このようなカテーテルのシャフトの補強層としてだけでなく、カテーテルのガイドワイヤーの先端もしくは中間部に巻付状態で使用されるX線不透過性マーカー、または内視鏡ケーブルの補強層としても使用できる。もちろんこれらの用途のほかにも、同様にX線不透過性が求められる他の医療用造影部材を有する医療器具に使用できる。
本発明のタングステン合金線材は、上述のような医療器具に使用するにあたり、従来のタングステン線材と比較して線材同士または他の材料との接合性に優れるため、アッセンブリが容易である。すなわち、本発明のタングステン合金線材は、主成分のWに加えてWよりも融点の低いNi,Feを含むことから、これらNi,Feが線材同士または他の材料との接合の際に溶融してバインダーとなる、あるいは他の材料(異種金属)と合金化することで接合が容易となり、高い接合強度が得ることができる。なお、接合の方法としては、溶接のほか、はんだ付やろう付とすることもできる。
本発明のタングステン合金線材は、上述のとおり、Wの割合が55〜97質量%で、残部がNi,Feのいずれかまたは両方を含むタングステン合金からなるが、このタングステン合金は、典型的には不純物成分を除いてW成分、Ni成分及びFe成分以外の成分は含まない。すなわち、本発明のタングステン合金線材は、典型的には、Wの割合が55〜97質量%で、残部がNi,Feのいずれかまたは両方よりなるタングステン合金からなる。ただし本発明は、W成分、Ni成分及びFe成分以外に、Au成分、Pt成分等の他の生体への影響が小さい成分を含み得ることを排除するものではない。
本発明の一実施例であるタングステン合金線材を、以下の方法にて製造した。
まず、出発原料粉末として、粒径1〜20μmのW粉末を86.5%質量に対して、残部にNi粉末を9質量%、Fe粉末を4.5質量%混合した。この出発原料粉末にアルコール類を溶媒とした有機系のバインダーを加え、スラリー状になるまで混合し乾燥させた。次に乾燥した原料粉末を80〜400メッシュ程度で篩い、さらに乾燥させて混合粉末を得た。
得られた混合粉末でプレス成型を行い、水素雰囲気で脱脂、焼結し、棒状の焼結体を得た。脱脂温度は1000℃、焼結温度は1500℃で行った。なお、焼結後、焼結体(W−9Ni−4.5Fe)の比重を実測したところ、その実測値は16.5であり表1に示した理論比重(16.49)と一致した。また、この焼結体(W−9Ni−4.5Fe)のヤング率を実測したところ、その実測値は330GPaであり表1に示した理論ヤング率(325GPa)とほぼ一致した。
得られた棒状の焼結体の熱間伸線加工を行った。伸線加工中の線材温度は500〜1000℃、ダイス温度は300〜600℃程度として段階的に加工を施した。この熱間伸線加工により直径100μmの線材を得た。また、得られた線材を圧延加工し、短辺25μm、長辺150μmの偏平形状の線材も得た。
得られた直径100μmのタングステン合金線材、ならびに従来材であるステンレス(SUS304)線材およびタングステン線材のX線不透過性を、X線透過装置を用いて評価した。なお、X線の照射条件は、45kV−0.1mAである。また、ステンレス線材およびタングステン線材の直径はいずれも100μmである。
その結果(X線画像)を図3に示す。このX線画像が濃いほどX線不透過性が高いということである。図3に示すように、本発明の実施例であるタングステン合金線材のX線不透過性は、ステンレス線材より高く、タングステン線材と同等であることが確認された。
また、得られた直径100μmのタングステン合金線材および従来材である直径100μmのタングステン線材について、異種金属との接合性を評価した。その評価方法の概要は図4に示すとおりであり、ステンレス(SUS304)板に各線材を挟み、抵抗溶接して接合界面の断面観察を行った。
図5は、本発明の実施例であるタングステン合金線材とステンレス板との接合界面の断面観察結果(反射電子線像)、図6は、従来材であるタングステン線材とステンレス板との接合界面の断面観察結果(反射電子線像)である。
図5に示すように、本発明の実施例であるタングステン合金線材の場合、接合界面には空隙や隙間は見られず、高品質の接合状態が得られた。なお、この接合界面近傍についてEPMAの線分析を行ったところ、Fe,Ni,Crの濃度勾配が確認され、ステンレスとタングステン合金の一部(Fe,Ni)が拡散し、接合界面近傍で固溶が進んでいることが確認された。タングステンと他の金属が固溶するためには、通常は非常に高い温度が必要であるが、本発明のタングステン合金線材は固溶温度の比較的低いFe,Niを含むことから接合しやすく、図5に示すような高品質の接合状態が得られたと考えられる。
なお、本実施例では、異種金属としてステンレスとの接合性を評価したが、Fe,Niと固溶できる金属であれば、ステンレス以外の金属に対しても良好な接合性が得られると考えられる。
一方、従来材であるタングステン線材の場合、図6に示すように接合界面は全周にわたって空隙が多く、接合強度は高くできなかった。
図7には、本発明の実施例である直径100μmのタングステン合金線材同士をスポット溶接により接合した結果を示している。同図(拡大図)に示すように、線材同士においても良好な接合状態が得られた。本発明のタングステン合金線材はWより融点の低いNi,Feを含むことから、これらNi,Feが線材同士の溶接接合の際に溶融してバインダーとなり、その結果、良好な接合状態が得られたと考えられる。なお、Ni,Feが溶融してバインダーとなる現象は溶接に限らず、はんだ付やろう付でも生じると考えられる。したがって、本発明のタングステン合金線材は、はんだ付やろう付でも線材同士または他の材料との接合が可能と考えられる。
以上に示したように、本発明のタングステン合金線材は、十分なX線不透過性を有するとともにヤング率を調整可能であり、しかも線材同士または他の材料との接合が容易である。また、製造コストについてはタングステン線材と比較して低減することができ、タングステン線材と比較して線材同士または他の材料との接合性も向上するためにアッセンブリが容易である。
そして、本発明のタングステン合金線材は、その優れたX線不透過性およびアッセンブリ性を活かし、カテーテルのシャフトの補強層、カテーテルのガイドワイヤーの先端もしくは中間部に巻付状態で使用されるX線不透過性マーカー、内視鏡ケーブルの補強層、その他のX線不透過性が求められる医療用造影部材を有する医療器具に好適に使用できる。
1 偏平形状の線材
a 長辺の長さ
2 カテーテルのシャフト
3 親水性コーティング層
4 樹脂製ライナー層
5 タングステン合金線材(補強層)

Claims (4)

  1. Wの割合が55〜90質量%で、残部がNi,Feのいずれかまたは両方を含むタングステン合金からなる、線材サイズが200μm以下のタングステン合金線材。
  2. Wの割合が55〜90質量%で、残部がNi,Feの両方を含むタングステン合金からなる、線材サイズが200μm以下のタングステン合金線材。
  3. Wの割合が70〜90質量%である、請求項1または請求項2に記載のタングステン合金線材。
  4. 請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のタングステン合金線材を用いた、放射線不透過性を有する医療器具。
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