JP6839687B2 - 昇圧制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、例えば車両等に搭載される昇圧制御装置の技術分野に関する。
電気自動車、ハイブリッド自動車、燃料電池車等の電動車両では、走行に用いる駆動力及び蓄電に用いる回生電力を発生させるモータジェネレータを制御するために、インバータが搭載される。インバータが利用する電力は走行状態等に応じて変動するため、蓄電装置とインバータとの間に電圧変換装置(コンバータ)が備えられる場合がある。
そして、電動車両の燃費向上のためには、コンバータの損失を低減させることが有効である。このため、例えば特許文献1では、昇圧コンバータを片方の素子だけでスイッチング駆動させるという技術(以下、適宜「片素子制御」と称する)が提案されている。片素子制御によれば、例えば電流リプルを減らせる分、コンバータの損失を低減させることができるとされている。
その他、特許文献2では、コンバータの制御に関連する技術として、リアクトルを流れる電流がゼロ近傍となる瞬間(ゼロクロス)を検出する技術が提案されている。
特開2011−120329号公報 特開2005−151606号公報
片素子制御においては、ゼロクロス前後で出力電流とデューティ比の関係が大きく変化するため、ゼロクロスであるか否かによって制御内容を変更することが好ましい。即ち、ゼロクロス領域用の制御と、ゼロクロスでない領域用の制御とを適宜切り替えて実行できることが好ましい。
ここでゼロクロスは、例えばリアクトルに流れる電流や印加される電圧等を監視することで判定可能であるが、上述した特許文献1及び2を含む従来技術においてゼロクロスを高精度且つ遅延なく検出することは容易ではない。そして、ゼロクロスのタイミングを正確に検出できなければ、デューティ制御を適切に切り替えることができず、結果として所望の出力電流を得られないという技術的問題点が生じ得る。特に、高周波化された状態においては、このような問題点は顕著に発生すると考えられる。
本発明は、例えば上述した問題点に鑑みなされたものであり、片素子制御中においてゼロクロスを正確に判定し、適切なデューティ制御を実行することが可能な昇圧制御装置を提供することを課題とする。
<1>
本発明の昇圧制御装置は上記課題を解決するために、互いに直列に接続されると共に、互いの接続ノードにリアクトルの一端が接続された第1スイッチング素子及び第2スイッチング素子のいずれか一方のみを駆動する片素子制御を実現可能な昇圧制御装置であって、前記リアクトルに流れる出力電流を検出して検出値を出力する電流検出手段と、前記片素子制御中において、前記一方を駆動するために、(i)前記出力電流がゼロ近傍でない場合に、第1の制御パラメータを含む第1演算式によりデューティ指令値を演算する第1デューティ制御を行い、(ii)前記出力電流がゼロ近傍である場合に、前記第1の制御パラメータとは異なる第2の制御パラメータを含む第2演算式により前記デューティ指令値を演算する第2デューティ制御を行う制御手段と、前記片素子制御中において、前記第1デューティ制御又は前記第2デューティ制御における前記デューティ指令値に基づくデューティ値の変化量に対する、前記出力された検出値に基づく前記出力電流の変化量の比としての傾きである変化割合を算出する割合算出手段と、前記片素子制御中において、前記変化割合が所定値未満である場合に、前記出力電流がゼロ近傍であると判定し、前記出力された検出値によらず前記第2デューティ制御を行うように前記制御手段を制御する制御決定手段とを備える。
本発明に係る昇圧制御装置は、例えば車両に搭載されるコンバータであり、リアクトルに夫々直列に接続される第1スイッチング素子及び第2スイッチング素子を備えている。第1スイッチング素子及び第2スイッチング素子としては、例えばIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)、電力用MOS(Metal Oxide Semiconductor)トランジスタ、或いは電力用バイポーラトランジスタ等を用いることができる。なお、第1スイッチング素子及び第2スイッチング素子の各々には、例えばダイオードが並列に接続されている。
本発明に係る昇圧制御装置は特に、第1スイッチング素子及び第2スイッチング素子のいずれか一方のみを駆動する片素子制御を実現可能である。片素子制御が行われる際には、例えば出力すべき電圧値や電流値等に基づいて、第1スイッチング素子及び第2スイッチング素子のいずれのスイッチング素子を駆動させて片素子制御を行うべきかが判定される。より具体的には、例えば昇圧制御装置に接続されるモータジェネレータが回生動作を行う場合には第1スイッチング素子による片素子制御が選択され、力行動作を行う場合には第2スイッチング素子による片素子制御が選択される。このように、片素子制御を行う場合には、第1スイッチング素子による片素子制御及び第2スイッチング素子による片素子制御が適宜切替えられる。
片素子制御中には、リアクトルを流れる出力電流がゼロ近傍であるか否かによって異なる制御が実行される。具体的には、出力電流がゼロ近傍でない場合には、第1の制御パラメータによる第1デューティ制御が行われる。一方、出力電流がゼロ近傍である場合には、第2の制御パラメータによる第2デューティ制御が行われる。ここでの「デューティ制御」とは、第1スイッチング素子又は第2スイッチング素子のデューティ比(即ち、オン期間とオフ期間との比率)を変化させる制御であり、制御手段は出力すべき出力電流の値に応じてデューティ比を制御する。なお「制御パラメータ」とは、デューティ比そのものであってもよいし、デューティ比に間接的に影響を与える他のパラメータであってもよい。
上述したようにデューティ制御を切り替えれば、出力電流がゼロ近傍となった場合に生ずる出力電流とデューティ比との関係の変化に対応することが可能となる。例えば、出力電流とデューティ比との関係が変化すると、出力電流がゼロ近傍である場合(以下、適宜「ゼロクロス」と称する)と、出力電流がゼロ近傍でない場合(以下、適宜「非ゼロクロス」と称する)とでは、デューティ比が同じであっても異なる出力電流が出力されることになる。このため、ゼロクロス時において非ゼロクロス時と同様のデューティ制御を行ってしまうと、出力電流が所望の値にならないおそれがある。これに対し、出力電流がゼロ近傍であるか否かによって異なるデューティ制御を行えば、ゼロクロス時及び非ゼロクロス時の各々において、適切な出力電流を得ることが可能となる。
本発明では特に、出力電流がゼロ近傍であるか否かを判定する手段として、割合算出手段を備えている。割合算出手段では、第1デューティ制御又は第2デューティ制御におけるデューティ値の変化量に対する出力電流の変化量の比としての傾きである変化割合が算出される
ここで、本願発明者の研究するところによれば、ゼロクロス時には、デューティ値の変化量に対する出力電流の変化量の比としての傾きである変化割合が、非ゼロクロス時よりも小さくなることが判明している。即ち、ゼロクロス時においてデューティ値を所定量変化させた場合、出力電流はわずかに変化するだけであるが、非ゼロクロス時においてデューティ値を所定量変化させた場合、出力電流は比較的大きく変化することが分かっている。
本発明では、上述した特性を利用して、実行すべきデューティ制御が制御決定手段により決定される。具体的には、制御決定手段によれば、上記変化割合が所定値未満である場合に、検出値によらず第2デューティ制御(即ち、ゼロクロス時に実行されるべきデューティ制御)を行うように制御手段が制御される。なお、ここでの「所定値」とは、出力電流がゼロ近傍であるか否かを判定するための閾値であり、例えばゼロクロス時の上記変化割合と、非ゼロクロス時の上記変化割合とを実際に計測することで適切な値を設定しておけばよい。また、「検出値によらずに」とは、実際に検出されている出力電流の値よりも、変化割合による判定を優先して制御を決定するという趣旨であり、例えば電流センサ等によって検出されている出力電流の値がゼロ近傍でなかったとしても、算出された上記変化割合が所定値未満である場合には、ゼロクロス時に実行されるべき第2デューティ制御が実行される。
上記変化割合に応じてデューティ制御を決定すれば、例えば出力電流の値を正確に検出できない場合であっても、適切なデューティ制御を実行することができる。特に、片素子制御においては、出力電流が周期的に上下するため、電流センサ等の出力値から直接ゼロクロスを判定することは難しいが、上記変化割合を利用することで、好適にゼロクロスを判定できる。よって、ゼロクロスに応じたデューティ制御の切り替えを適切なタイミングで実行することが可能となり、結果として所望の出力電流を確実に得ることができる。
以上説明したように、本発明に係る昇圧制御装置によれば、片素子制御中においてゼロクロスを正確に判定することができるため、適切なデューティ制御を実行することが可能である。
<2>
本発明の昇圧制御装置の一態様では、前記制御決定手段は、前記片素子制御中において、前記変化割合が前記所定値未満でない場合に、前記出力電流がゼロ近傍でないと判定し、前記出力された検出値によらず前記第1デューティ制御を行うように前記制御手段を制御する。
この態様によれば、上記変化割合が所定値未満でない場合には、検出値によらず第1デューティ制御が実行される。よって、例えば電流センサ等の出力値から直接非ゼロクロスを判定できない場合であっても、上記変化割合から非ゼロクロスを判定し、適切なタイミングで非ゼロクロス時に実行されるべき第1デューティ制御を実行することが可能となる。
<3>
本発明の昇圧制御装置の他の態様では、前記制御手段は、前記片素子制御中において、前記第1デューティ制御と前記第2デューティ制御とを相互に切り替える場合に、前記第1の制御パラメータ及び前記第2の制御パラメータの連続性を高める過渡制御を行う。
この態様によれば、第1の制御パラメータと第2の制御パラメータとの連続性が低いことに起因して、第1デューティ制御と第2デューティ制御とを切り替える際に不都合が生じてしまうことを防止できる。なお、連続性を高める制御として実行される処理は、特に限定されるものではないが、例えばフィードバック制御又はフィードフォワード制御に用いられる値を調整する処理が挙げられる。また、連続性はできる限り高められる(即ち、切り替え時の第1の制御パラメータと第2の制御パラメータとが極めて近い値となる)ことが好ましいが、多少なりとも連続性を高められるのであれば、上述した効果は相応に得られる。
<4>
上述した過渡制御を行う態様では、前記第1演算式及び前記第2演算式は、比例積分制御に係る積分項を含んでおり、前記制御手段は、(i)前記片素子制御中において、前記第1デューティ制御から前記第2デューティ制御に切り替える場合に、前記過渡制御として、前記第1の制御パラメータ及び前記第2制御パラメータの差分を、前記第2演算式における前記積分項に加算した演算式により前記デューティ指令値を演算し、(ii)前記片素子制御中において、前記第2デューティ制御から前記第1デューティ制御に切り替える場合に、前記過渡制御として、前記差分を、前記第1演算式における前記積分項に加算した演算式により前記デューティ指令値を演算することで、前記第1の制御パラメータ及び前記第2の制御パラメータの連続性を高めてもよい。
この場合、制御切り替え時における第1の制御パラメータ及び第2の制御パラメータの差分が、比例積分制御における積分項に加算される。なお、積分項に加算される値は、差分そのものであってもよいし、差分に対して所定の係数を乗ずる等、何らかの演算処理を施した値であってもよい。これにより、第1の制御パラメータ及び第2の制御パラメータの連続性が高まり、制御切り替え時に発生する不都合を好適に回避できる。
<5>
本発明の昇圧制御装置の他の態様では、前記第1演算式及び前記第2演算式は、フィードバック制御に係るフィードバックゲインを含んでおり、前記制御手段は、前記片素子制御中において、前記第1デューティ制御と前記第2デューティ制御とを相互に切り替える場合に、前記フィードバックゲインを、現在のフィードバックゲインから他のフィードバックゲインに切り替える。
この態様によれば、制御切り替え時において、フィードバック制御のゲインが適切な値に切り替えられるため、制御切り替えによる応答性の変化に起因する不都合を好適に回避することができる。ゲインを切り替える際には、第1デューティ制御用のゲイン及び第2デューティ制御用のゲインとして予め設定されたものを適宜切り替えるようにしてもよいし、状況に応じたゲインを適宜選択する(或いは算出する)ようにしてもよい。
本発明の作用及び他の利得は次に説明する発明を実施するための形態から明らかにされる。
実施形態に係る昇圧制御装置が搭載される車両の全体構成を示す概略構成図である。 下側素子制御時の電流の流れを示す概念図である。 上側素子制御時の電流の流れを示す概念図である。 片素子制御時におけるリアクトル電流の変動を示すタイムチャートである。 実施形態に係るECUの具体的な構成を示すブロック図である。 ゼロクロス時におけるデューティとリアクトル電流との関係を示すグラフである。 比較例に係るリアクトル電流のシミュレーション結果を示すグラフである。 フィードフォワード制御のずれによる問題点を示すグラフである。 実施形態に係るデューティ制御の切り替え動作を示すフローチャートである。 デューティ変化量に対するリアクトル電流の変化割合を示すグラフである。 フィードフォワード項の切り替え動作を示すグラフである。 制御切り換え時の調整動作を示すフローチャートである。 実施形態に係るリアクトル電流のシミュレーション結果を示すグラフである。
以下では、本発明の実施形態について図を参照しつつ説明する。
<全体構成>
先ず、本実施形態に係る昇圧制御装置が搭載される車両の全体構成について、図1を参照して説明する。ここに図1は、本実施形態に係る昇圧制御装置が搭載される車両の全体構成を示す概略構成図である。
図1において、本実施形態に係る昇圧制御装置が搭載される車両100は、エンジン40及びモータジェネレータMG1及びMG2を動力源とするハイブリッド車両として構成されている。但し、車両100の構成はこれに限定されるものではなく、蓄電装置からの電力によって走行可能な車両(例えば、電気自動車や燃料電池自動車)等にも適用可能である。また、本実施形態では、昇圧制御装置が車両100に搭載される構成について説明するが、車両以外でも交流電動機により駆動される機器であれば適用が可能である。
車両100は、主に直流電圧発生部20と、負荷装置45と、平滑コンデンサC2と、ECU30とを備えて構成されている。
直流電圧発生部20は、蓄電装置28と、システムリレーSR1,SR2と、平滑コンデンサC1と、コンバータ12とを含む。
蓄電装置28は、例えばニッケル水素又はリチウムイオン等の二次電池や、電気二重層キャパシタ等の蓄電装置を含んで構成される。また、蓄電装置28が出力する直流電圧VLは、電圧センサ10によって検出される。そして、電圧センサ10は、検出した直流電圧VLの検出値をECU30に出力する。
システムリレーSR1は、蓄電装置28の正極端子及び電力線PL1の間に接続され、システムリレーSR2は、蓄電装置28の負極端子及び接地線NLの間に接続される。システムリレーSR1,SR2は、ECU30からの信号SEにより制御され、蓄電装置28からコンバータ12への電力の供給と遮断とを切替える。
コンバータ12は、リアクトルL1と、スイッチング素子Q1,Q2と、ダイオードD1,D2とを含む。スイッチング素子Q1及びQ2は、本発明の「第1スイッチング素子」及び「第2スイッチング素子」の一例であり、電力線PL2及び接地線NLの間に直列に接続される。スイッチング素子Q1及びQ2は、ECU30からのゲート信号PWCによって制御される。
スイッチング素子Q1及びQ2には、例えばIGBT、電力用MOSトランジスタ或いは、電力用バイポーラトランジスタ等を用いることができる。スイッチング素子Q1,Q2に対しては、逆並列ダイオードD1,D2が配置される。リアクトルL1は、スイッチング素子Q1及びQ2の接続ノードと電力線PL1の間に設けられる。また、平滑コンデンサC2は、電力線PL2及び接地線NLの間に接続される。
電流センサ18は、リアクトルL1を流れるリアクトル電流を検出し、その検出値ILをECU30に出力する。なお、リアクトル電流ILは、本発明の「出力電流」の一例である。
負荷装置45は、インバータ23と、モータジェネレータMG1,MG2と、エンジン40と、動力分割機構41と、駆動輪42とを含む。また、インバータ23は、モータジェネレータMG1を駆動するためのインバータ14と、モータジェネレータMG2を駆動するためのインバータ22とを含む。なお、図1のようにインバータ及びモータジェネレータを2組備えることは必須ではなく、例えばインバータ14とモータジェネレータMG1、或いはインバータ22とモータジェネレータMG2のいずれか1組のみを備える構成としてもよい。
モータジェネレータMG1,MG2は、インバータ23から供給される交流電力を受けて車両推進のための回転駆動力を発生する。また、モータジェネレータMG1,MG2は、外部から回転力を受け、ECU30からの回生トルク指令によって交流電力を発電するとともに回生制動力を車両100に発生させる。
また、モータジェネレータMG1,MG2は、動力分割機構41を介してエンジン40にも連結される。そして、エンジン40の発生する駆動力とモータジェネレータMG1,MG2の発生する駆動力とが最適な比率となるように制御される。また、モータジェネレータMG1,MG2のいずれか一方を専ら電動機として機能させ、他方のモータジェネレータを専ら発電機として機能させてもよい。なお、本実施形態においては、モータジェネレータMG1をエンジン40により駆動される発電機として機能させ、モータジェネレータMG2を駆動輪42を駆動する電動機として機能させるものとする。
動力分割機構41には、エンジン40の動力を、駆動輪42とモータジェネレータMG1との両方に振り分けるために、例えば遊星歯車機構(プラネタリギヤ)が使用される。
インバータ14は、コンバータ12から昇圧された電圧を受けて、例えばエンジン40を始動させるためにモータジェネレータMG1を駆動する。また、インバータ14は、エンジン40から伝達される機械的動力によってモータジェネレータMG1で発電された回生電力をコンバータ12に出力する。このときコンバータ12は、降圧回路として動作するようにECU30によって制御される。
インバータ14は、電力線PL2及び接地線NLの間に並列に設けられ、U相上下アーム15と、V相上下アーム16と、W相上下アーム17を含んで構成される。各相上下アームは、電力線PL2及び接地線NLの間に直列接続されたスイッチング素子から構成される。例えば、U相上下アーム15は、スイッチング素子Q3,Q4から成り、V相上下アーム16は、スイッチング素子Q5,Q6から成り、W相上下アーム17は、スイッチング素子Q7,Q8から成る。また、スイッチング素子Q3〜Q8に対して、逆並列ダイオードD3〜D8がそれぞれ接続される。スイッチング素子Q3〜Q8は、ECU30からのゲート信号PWIによって制御される。
例えばモータジェネレータMG1は、3相の永久磁石型同期電動機であり、U,V,W相の3つのコイルの一端が中性点に共通接続される。さらに、各相コイルの他端は、各相上下アーム15〜17のスイッチング素子の接続ノードと接続される。
インバータ22は、コンバータ12に対してインバータ14と並列的に接続される。
インバータ22は駆動輪42を駆動するモータジェネレータMG2に対してコンバータ12の出力する直流電圧を三相交流に変換して出力する。またインバータ22は、回生制動に伴い、モータジェネレータMG2において発電された回生電力をコンバータ12に出力する。このときコンバータ12は降圧回路として動作するようにECU30によって制御される。インバータ22の内部の構成は、図示しないがインバータ14と同様であり、詳細な説明については省略する。
コンバータ12は、基本的には、各スイッチング周期内でスイッチング素子Q1及びQ2が相補的かつ交互にオンオフするように制御される。コンバータ12は、昇圧動作時には、蓄電装置28から供給された直流電圧VLを直流電圧VH(インバータ14への入力電圧に相当するこの直流電圧を、以下「システム電圧」とも称する)に昇圧する。この昇圧動作は、スイッチング素子Q2のオン期間にリアクトルL1に蓄積された電磁エネルギを、スイッチング素子Q1及び逆並列ダイオードD1を介して、電力線PL2へ供給することにより行われる。
また、コンバータ12は、降圧動作時には、直流電圧VHを直流電圧VLに降圧する。この降圧動作は、スイッチング素子Q1のオン期間にリアクトルL1に蓄積された電磁エネルギを、スイッチング素子Q2及び逆並列ダイオードD2を介して、接地線NLへ供給することにより行われる。
これらの昇圧動作及び降圧動作における電圧変換比(VH及びVLの比)は、上記スイッチング周期におけるスイッチング素子Q1,Q2のオン期間比(デューティ比)により制御される。なお、スイッチング素子Q1及びQ2をオン及びオフにそれぞれ固定すれば、VH=VL(電圧変換比=1.0)とすることもできる。
平滑コンデンサC2は、コンバータ12からの直流電圧を平滑化し、その平滑化した直流電圧をインバータ23へ供給する。電圧センサ13は、平滑コンデンサC2の両端の電圧、すなわち、システム電圧VHを検出し、その検出値をECU30へ出力する。
インバータ14は、モータジェネレータMG1のトルク指令値が正(TR1>0)の場合には、平滑コンデンサC2から直流電圧が供給されるとECU30からのゲート信号PWI1に応答した、スイッチング素子Q3〜Q8のスイッチング動作により直流電圧を交流電圧に変換して正のトルクを出力するようにモータジェネレータMG1を駆動する。また、インバータ14は、モータジェネレータMG1のトルク指令値が零の場合(TR1=0)には、ゲート信号PWI1に応答したスイッチング動作により、直流電圧を交流電圧に変換してトルクが零になるようにモータジェネレータMG1を駆動する。これにより、モータジェネレータMG1は、トルク指令値TR1によって指定された零または正のトルクを発生するように駆動される。
更に、車両100の回生制動時には、モータジェネレータMG1のトルク指令値TR1は負に設定される(TR1<0)。この場合には、インバータ14は、ゲート信号PWI1に応答したスイッチング動作により、モータジェネレータMG1が発電した交流電圧を直流電圧に変換し、その変換した直流電圧(システム電圧)を、平滑コンデンサC2を介してコンバータ12へ供給する。なお、ここで言う回生制動とは、電動車両を運転するドライバーによるフットブレーキ操作があった場合の回生発電を伴う制動や、フットブレーキを操作しないものの、走行中にアクセルペダルをオフすることで回生発電をさせながら車両を減速(または加速の中止)させることを含む。
インバータ22についても同様に、モータジェネレータMG2のトルク指令値に対応したECU30からのゲート信号PWI2を受け、ゲート信号PWI2応答したスイッチング動作によって、直流電圧を交流電圧に変換して所定のトルクになるようにモータジェネレータMG2を駆動する。
電流センサ24,25は、モータジェネレータMG1,MG2に流れるモータ電流MCRT1,MCRT2を検出し、その検出したモータ電流をECU30へ出力する。なお、U相,V相,W相の各相の電流の瞬時値の和はゼロであるので、図1に示すように電流センサ24,25は2相分のモータ電流を検出するように配置すれば足りる。
回転角センサ(レゾルバ)26,27は、モータジェネレータMG1,MG2の回転角θ1,θ2を検出し、その検出した回転角θ1,θ2をECU30へ送出する。ECU30では、回転角θ1,θ2に基づきモータジェネレータMG1,MG2の回転速度MRN1,MRN2及び角速度ω1,ω2(rad/s)を算出できる。なお、回転角センサ26,27については、回転角θ1,θ2をECU30にてモータ電圧や電流から直接演算することによって、配置しないようにしてもよい。
ECU30は、本発明の「昇圧制御装置」の一例であり、例えばCPU(Central Processing Unit)、記憶装置及び入出力バッファを含み、車両100の各機器を制御する。なお、ECU30の行う制御については、ソフトウェアによる処理に限られず、専用のハードウェア(電子回路)で構築して処理することも可能である。ECUの具体的な構成及び動作については後に詳述する。
<片素子制御>
次に、コンバータ12の片素子制御について、図2から図4を参照して説明する。ここに図2は、下側素子制御時の電流の流れを示す概念図であり、図3は、上側素子制御時の電流の流れを示す概念図である。また図4は、片素子制御時におけるリアクトル電流の変動を示すタイムチャートである。
図2及び図3において、本実施形態に係るコンバータ12は、通常の制御(即ち、スイッチング素子Q1,Q2の両方を交互にオンとする制御)に加えて、スイッチング素子Q1及びQ2のいずれか一方のみをオンとする片素子制御を実現することが可能とされている。具体的には、力行時においては、スイッチング素子Q2のみをオンとする下側素子制御が行われる。この場合、図2に示すように、スイッチング素子Q1側に流れる電流はダイオードD1を介して流れ、スイッチング素子Q2側に流れる電流はスイッチング素子Q2を介して流れる。一方、回生時においては、スイッチング素子Q2のみをオンとする下側素子制御が行われる。この場合、図3に示すように、スイッチング素子Q1側に流れる電流はスイッチング素子Q1を介して流れ、スイッチング素子Q2側に流れる電流はダイオードD2を介して流れる。
片素子制御によれば、スイッチング素子Q1及びQ2のいずれか一方のみがオンとされるため、スイッチング素子Q1及びQ2の短絡を防止するために設定されるデッドタイムが不要となる。よって、例えば装置の小型化に伴って高周波化が求められている場合であっても、コンバータ12の昇圧性能が低下してしまうことを防止できる。また、片素子制御では、スイッチング素子のゲート干渉回避、昇圧損失の低減も図ることができる。
図4に示すように、片素子制御においては、スイッチング素子Q1のオンオフを切替えるゲート信号であるPWC1、及びスイッチング素子Q2のオンオフを切替えるゲート信号であるPWC2のいずれか一方が選択的に供給されることで、リアクトル電流ILの値が制御される。
具体的には、下側素子制御が行われる力行時(即ち、リアクトル電流ILが正の場合)には、スイッチング素子Q1のオンオフを切替えるゲート信号であるPWC1は供給されず、スイッチング素子Q2のオンオフを切替えるゲート信号であるPWC2のみが供給される。また、上側素子制御が行われる回生時(即ち、リアクトル電流ILが負の場合)には、スイッチング素子Q1のオンオフを切替えるゲート信号であるPWC1のみが供給され、スイッチング素子Q2のオンオフを切替えるゲート信号であるPWC2は供給されない。
<ECUの構成>
次に、本実施形態に係る昇圧制御装置の一例であるECU30の具体的な構成について、図5を参照して説明する。ここに図5は、実施形態に係るECUの具体的な構成を示すブロック図である。なお、図5では、説明の便宜上、ECU30に備えられる各部位のうち本実施形態に関連の深いもののみを示し、その他の詳細な部位については適宜図示を省略している。
図5において、本実施形態に係るECU30は、変化割合算出部310と、ゼロクロス判定部320と、デューティ制御部330とを備えて構成されている。
変化割合算出部310は、本発明の「割合算出手段」の一例であり、デューティの変化量に対するリアクトル電流ILの変化割合を算出する。変化割合算出部310で検出された変化割合は、ゼロクロス判定部320に出力される構成となっている。
ゼロクロス判定部320は、本発明の「制御決定手段」の一例であり、変化割合算出部310で検出された変化割合に基づいて、ゼロクロスであるか否か(即ち、リアクトル電流ILがゼロ近傍であるか否か)を判定する。ゼロクロス判定部320は、例えば変化割合に対する閾値を記憶しており、変化割合と、閾値とを互いに比較することでゼロクロスを判定する。ゼロクロス判定部320の判定結果は、デューティ制御部330に夫々される構成となっている。
デューティ制御部330は、本発明の「制御手段」の一例であり、ゲート信号PWCを出力することで、スイッチング素子Q1,Q2のオンオフを夫々制御する。デューティ制御部330は、例えばデューティ指令信号DUTYを生成するデューティ信号生成回路、及びキャリア信号CRを生成するキャリア信号生成回路を含んで構成されており、所望のデューティ比に応じて生成されたデューティ指令信号DUTYと、キャリア信号CRとを比較し、その比較結果として得られるゲート信号PWCをスイッチング素子Q1,Q2に夫々出力する。
<ゼロクロス時に発生し得る問題点>
次に、リアクトル電流ILがゼロ近傍となる場合に発生し得る問題点について、図6から図8を参照して詳細に説明する。ここに図6は、ゼロクロス時におけるデューティとリアクトル電流との関係を示すグラフであり、図7は、比較例に係るリアクトル電流のシミュレーション結果を示すグラフである。また図8は、フィードフォワード制御のずれによる問題点を示すグラフである。
図6に示すように、非ゼロクロス時には、デューティとリアクトル電流ILとの関係は線形的なものとなる。しかしながら、ゼロクロス時には、リアクトル電流ILがゼロを跨いで変化することができないため、デューティとリアクトル電流ILとの関係は非線形的なものとなる。このように、リアクトル電流ILがゼロ近傍であるか否かによって、デューティとリアクトル電流ILとの関係は大きく変化する。
図7に示すように、仮にゼロクロス時及び非ゼロクロス時の両方において同じ制御を行ったとすると、リアクトル電流ILの指令値に対して、実際のリアクトル電流ILは大きく乱れてしまう。即ち、リアクトル電流ILがゼロ近傍であるか否かを考えずに制御を行ってしまうと、所望のリアクトル電流ILが得られないという問題が生じ得る。
なお、デューティを制御する際にフィードフォワード制御及びフィードバック制御を行えば、上述した不都合を回避できる可能性がある。しかしながら、フィードフォワード制御には、例えばリアクトルL1のインダクタンスや蓄電装置28の内部抵抗等、変動しやすいパラメータを利用するため、ずれが発生する可能性が非常に高い。従って、フィードフォワード制御及びフィードバック制御を用いても、常に所望のリアクトル電流ILが得られるとは限らない。
図8に示すように、リアクトル電流ILを徐々に増加させていく状況において、現在a点での制御が望まれているとする。しかしながら、フィードフォワード制御にずれが生じていると、b点での制御が実行されてしまう。即ち、デューティが適切な値よりも小さい値になるように制御されてしまう。この場合、真のデューティに対応するc点での制御が行われたことになり、出力されるリアクトル電流ILは極めて高い値となってしまう。このように、リアクトル電流ILが不必要に大きな値として出力されてしまうと、例えばPCU等の破壊が生じ得る。即ち、所望のリアクトル電流ILが得られなければ、予期せぬ不都合を生じてしまうおそれがある。
本実施形態に係る昇圧制御装置は、上述した不都合を回避するために、以下に説明するデューティ制御切り替え動作を実行可能に構成されている。
<デューティ制御切り替え動作>
以下では、本実施形態に係る昇圧制御装置の一例であるECU30が実行するデューティ制御の切り替え動作について、図9及び図10を参照して詳細に説明する。ここに図9は、実施形態に係るデューティ制御の切り替え動作を示すフローチャートである。また図10は、デューティ変化量に対するリアクトル電流の変化割合を示すグラフである。
図9において、デューティ制御切り替え動作時には、先ず変化割合算出部310において、デューティ制御におけるデューティの変化量が算出される(ステップS101)。また、変化割合算出部310では、デューティ制御におけるリアクトル電流ILの変化量が算出される(ステップS102)。即ち、ステップS101で算出したデューティ変化量に対するリアクトル電流ILの変化量が算出される。
変化割合算出部310では更に、デューティ変化量に対するリアクトル電流ILの変化割合αが算出される(ステップS103)。変化割合αは、ステップ102で算出したリアクトル電流ILの変化量を、ステップS101で算出したデューティの変化量で割ることにより算出できる。
図10に示すように、本願発明者の研究するところによれば、ゼロクロス時には、デューティの変化量に対するリアクトル電流ILの変化割合が、非ゼロクロス時よりも小さくなることが判明している。具体的には、図を見ても分かるように、ゼロクロス時においてデューティ値を大きく変化させた場合であっても、リアクトル電流ILはわずかに変化するだけであるが、非ゼロクロス時においては、デューティをわずかに変化させた場合であっても、リアクトル電流ILは大きく変化する。本実施形態では、この特性を利用して、ゼロクロスであるか否かが判定される。
図9に戻り、ゼロクロス判定部320では、算出された変化割合αが所定の閾値βよりも小さいか否かが判定される(ステップS104)。なお、閾値βは、本発明の「所定値」の一例であり、例えばゼロクロス時の出力電流の変化割合と、非ゼロクロス時の出力電流の変化割合とを実際に計測することで適切な値を設定しておけばよい。
変化割合αが所定の閾値βよりも小さいと判定された場合(ステップS104:YES)、リアクトル電流ILはゼロ近傍であると判断され、ゼロクロス用のデューティ制御が実行される(ステップS105)。具体的には、デューティ制御部330により、ゼロクロス用のフィードフォワード項(以下、適宜「FF項」と称する。)を用いたフィードフォワード制御が実施される。
一方で、変化割合αが所定の閾値βよりも小さくないと判定された場合(ステップS104:NO)、リアクトル電流ILはゼロ近傍でないと判断され、非ゼロクロス用のデューティ制御が実行される(ステップS106)。具体的には、デューティ制御部330により、非ゼロクロス用のFF項を用いたフィードフォワード制御が実施される。
上述したように、リアクトル電流ILの変化割合に応じてデューティ制御を決定すれば、例えばリアクトル電流ILの値を正確に検出できない場合であっても、適切なデューティ制御を実行することができる。特に、片素子制御においては、リアクトル電流ILが周期的に上下するため、電流センサ等の出力値から直接ゼロクロスを判定することは難しい。しかるに本実施形態では、リアクトル電流ILの変化割合を利用することで、好適にゼロクロスを判定できる。よって、ゼロクロスに応じたデューティ制御の切り替えを適切なタイミングで実行することが可能となり、結果として所望のリアクトル電流ILを確実に得ることができる。
<デューティ制御切り換え時の調整処理>
以下では、上述したデューティ制御の切り替え時に実行される調整処理について、図11から図13を参照して説明する。ここに図11は、フィードフォワード項の切り替え動作を示すグラフであり、図12は、制御切り換え時の調整動作を示すフローチャートである。また図13は、実施形態に係るリアクトル電流のシミュレーション結果を示すグラフである。
図11において、既に説明したように、非ゼロクロスからゼロクロスになったと判定された場合には、FF項が非ゼロクロス用からゼロクロス用に切り替えられる。この際、切り替え前後でFF項の連続性が失われてしまうため、単純にFF項を切り替えただけでは不都合が発生してしまうおそれがある。このため本実施形態では、デューティ制御が切り替えられた場合に、以下に詳述する調整処理が実行される。
図12において、ゼロクロス判定の結果に応じてデューティ制御が切り替えられた場合(ステップS201:YES)、前回と今回のFF項の差分が積分項に加算される(ステップS202)。これにより、デューティ制御切り替え前後での連続性が保たれ、不都合の発生を回避することができる。
更に、デューティ制御の切り替えが、非ゼロクロス用の制御からゼロクロス用の制御であった場合(ステップS203:YES)、フィードバックゲインがゼロクロス用に切り替えられる。一方、デューティ制御の切り替えが、ゼロクロス用の制御から非ゼロクロス用の制御であった場合(ステップS203:NO)、フィードバックゲインが非ゼロクロス用に切り替えられる。これにより、デューティ制御の切り替えに起因する応答性の変化にも対応することが可能となる。
具体的には、非ゼロクロス用の制御が継続されている場合のデューティ指令は、以下の式(1)で表される。
デューティ指令=非ゼロクロス時FF項+kp1×電流偏差+ki1×電流偏差+積分項 ・・・(1)
なお、kp1及びki1は夫々、非ゼロクロス時のフィードバックゲインであり、例えばkp1=0.01、ki1=0.1である。また、ここでの「ki1×電流偏差+積分項」が次回制御時の積分項になる。
これに対し、非ゼロクロス用の制御からゼロクロス用の制御へと制御が切り替えられた場合のデューティ指令は、以下の式(2)で表される。
デューティ指令=ゼロクロス時FF項+kp2×電流偏差+ki2×電流偏差+{積分項+(非ゼロクロス時FF項−ゼロクロス時FF項)} ・・・(2)
なお、kp2及びki2は夫々、ゼロクロス時のフィードバックゲインであり、例えばkp1=0.03、ki1=0.3である。また、ここでの「ki2×電流偏差+{積分項+(非ゼロクロス時FF項−ゼロクロス時FF項)}」が次回制御時の積分項になる。
また、ゼロクロス用の制御が継続されている場合のデューティ指令は、以下の式(3)で表される。
デューティ指令=ゼロクロス時FF項+kp2×電流偏差+ki2×電流偏差+積分項 ・・・(3)
なお、ここでの「ki2×電流偏差+積分項」が次回制御時の積分項になる。
これに対し、ゼロクロス用の制御から非ゼロクロス用の制御へと制御が切り替えられた場合のデューティ指令は、以下の式(4)で表される。
デューティ指令=非ゼロクロス時FF項+kp1×電流偏差+ki1×電流偏差+{積分項+(ゼロクロス時FF項−非ゼロクロス時FF項)} ・・・(4)
なお、ここでの「ki1×電流偏差+{積分項+(ゼロクロス時FF項−非ゼロクロス時FF項)}」が次回制御時の積分項になる。
図18に示すように、上述したデューティ制御切り替え処理及び調整処理を実効すれば、図7に示したようなリアクトル電流ILの乱れを抑制できる。即ち、リアクトル電流ILの指令値と、実際のリアクトル電流ILとのずれを小さくできる。即ち、ゼロクロスであるか否かに応じて、選択的に異なるデューティ制御を実行すれば、デューティとリアクトル電流ILとの関係が変化するような場合であっても、確実に所望するリアクトル電流ILを得ることができる。
以上説明したように、本実施形態に係る昇圧制御装置によれば、ゼロクロスを正確に判定し、好適にデューティ制御を実行することが可能である。
本発明は、上述した実施形態に限られるものではなく、特許請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨或いは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う昇圧制御装置もまた本発明の技術的範囲に含まれるものである。
10 電圧センサ
12 コンバータ
13 電圧センサ
18 電流センサ
20 直流電圧発生部
22,23 インバータ
28 蓄電装置
30 ECU
40 エンジン
41 動力分割機構
42 駆動輪
45 負荷装置
100 車両
310 変化割合算出部
320 ゼロクロス判定部
330 デューティ制御部
C2 平滑コンデンサ
CR キャリア信号
D1,D2 ダイオード
IL リアクトル電流
L1 リアクトル
MG1,MG2 モータジェネレータ
PWC1,PWC2 ゲート信号
Q1,Q2 スイッチング素子
SR1,SR2 システムリレー

Claims (5)

  1. 互いに直列に接続されると共に、互いの接続ノードにリアクトルの一端が接続された第1スイッチング素子及び第2スイッチング素子のいずれか一方のみを駆動する片素子制御を実現可能な昇圧制御装置であって、
    前記リアクトルに流れる出力電流を検出して検出値を出力する電流検出手段と、
    前記片素子制御中において、前記一方を駆動するために、(i)前記出力電流がゼロ近傍でない場合に、第1の制御パラメータを含む第1演算式によりデューティ指令値を演算する第1デューティ制御を行い、(ii)前記出力電流がゼロ近傍である場合に、前記第1の制御パラメータとは異なる第2の制御パラメータを含む第2演算式により前記デューティ指令値を演算する第2デューティ制御を行う制御手段と、
    前記片素子制御中において、前記第1デューティ制御又は前記第2デューティ制御における前記デューティ指令値に基づくデューティ値の変化量に対する、前記出力された検出値に基づく前記出力電流の変化量の比としての傾きである変化割合を算出する割合算出手段と、
    前記片素子制御中において、前記変化割合が所定値未満である場合に、前記出力電流がゼロ近傍であると判定し、前記出力された検出値によらず前記第2デューティ制御を行うように前記制御手段を制御する制御決定手段と
    を備えることを特徴とする昇圧制御装置。
  2. 前記制御決定手段は、前記片素子制御中において、前記変化割合が前記所定値未満でない場合に、前記出力電流がゼロ近傍でないと判定し、前記出力された検出値によらず前記第1デューティ制御を行うように前記制御手段を制御することを特徴とする請求項1に記載の昇圧制御装置。
  3. 前記制御手段は、前記片素子制御中において、前記第1デューティ制御と前記第2デューティ制御とを相互に切り替える場合に、前記第1の制御パラメータ及び前記第2の制御パラメータの連続性を高める過渡制御を行うことを特徴とする請求項1又は2に記載の昇圧制御装置。
  4. 前記第1演算式及び前記第2演算式は、比例積分制御に係る積分項を含んでおり、
    前記制御手段は、(i)前記片素子制御中において、前記第1デューティ制御から前記第2デューティ制御に切り替える場合に、前記過渡制御として、前記第1の制御パラメータ及び前記第2制御パラメータの差分を、前記第2演算式における前記積分項に加算した演算式により前記デューティ指令値を演算し、(ii)前記片素子制御中において、前記第2デューティ制御から前記第1デューティ制御に切り替える場合に、前記過渡制御として、前記差分を、前記第1演算式における前記積分項に加算した演算式により前記デューティ指令値を演算することで、前記第1の制御パラメータ及び前記第2の制御パラメータの連続性を高める
    ことを特徴とする請求項3に記載の昇圧制御装置。
  5. 前記第1演算式及び前記第2演算式は、フィードバック制御に係るフィードバックゲインを含んでおり、
    前記制御手段は、前記片素子制御中において、前記第1デューティ制御と前記第2デューティ制御とを相互に切り替える場合に、前記フィードバックゲインを、現在のフィードバックゲインから他のフィードバックゲインに切り替える
    ことを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の昇圧制御装置。
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