JP6839506B2 - myo−イノシトール骨格を有するアミン系化合物 - Google Patents

myo−イノシトール骨格を有するアミン系化合物 Download PDF

Info

Publication number
JP6839506B2
JP6839506B2 JP2016158367A JP2016158367A JP6839506B2 JP 6839506 B2 JP6839506 B2 JP 6839506B2 JP 2016158367 A JP2016158367 A JP 2016158367A JP 2016158367 A JP2016158367 A JP 2016158367A JP 6839506 B2 JP6839506 B2 JP 6839506B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
myo
inositol
product
branched
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2016158367A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2018024618A (ja
Inventor
勝弘 岩瀬
勝弘 岩瀬
雅嗣 森下
雅嗣 森下
恵吾 佐々木
恵吾 佐々木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Asahi Kasei Corp
Original Assignee
Asahi Kasei Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Asahi Kasei Corp filed Critical Asahi Kasei Corp
Priority to JP2016158367A priority Critical patent/JP6839506B2/ja
Publication of JP2018024618A publication Critical patent/JP2018024618A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6839506B2 publication Critical patent/JP6839506B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Heterocyclic Carbon Compounds Containing A Hetero Ring Having Oxygen Or Sulfur (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)

Description

本発明は、myo−イノシトール骨格を有するアミン系化合物に関する。
アミン系化合物は、医薬品等の生理活性物質や工業製品の原料として有用であり、様々な化合物が今までに報告されている。例えば、アミノ基を2つ有するヘキサメチレンジアミン等のジアミン系化合物は、ポリアミドの原料として大量に生産されている。また、環状構造を有するジアミン系化合物は、ポリアミドの高耐熱化等に有用である(例えば、特許文献1参照)。一般にこれらの化学物質は、石油、石炭といった化石燃料を原料とし、それらから誘導されて作られていることが多い。しかし、これらの化石燃料は資源として有限であり、いつかは枯渇する。また、これらの原料から、誘導体を合成する場合や、これら誘導体から作られた製品を廃棄する際には多量のCO2を排出することが多く、環境に対して負荷を与えることになる。
一方、グルコースやデンプン、イノシトールといった、天然物由来の化合物は、生合成の際にCO2を原料として作られるため、廃棄の際にもトータルCO2の排出はほとんどなく、これら、天然物を由来とする化学原料は環境負荷が少なくなる。従って、今後CO2排出量が少なくなるような工業原料を用いることも、温暖化対策上、重要である。
このような考え方の元、天然物由来であるmyo−イノシトール骨格を有するポリマー(例えば、非特許文献1参照)やアリル化合物(例えば、非特許文献2参照)、エポキシ化合物(例えば、非特許文献3参照)等が合成されている。
特開平6−172645号公報
J. of Polym. Sci., Part A: Polym. Chem., 2013, 51(7),3956 J. of Polym. Sci., Part A: Polym. Chem., 2014, 52(8),1193 Polymer Preprints, JAPAN, 2014, 63(1), 769-770
しかしながら、従来合成されている化合物の種類は限られており、すべての工業製品に展開することは困難である。特に、医薬品やポリマー製品への展開が可能な、myo−イノシトール骨格とアミノ基を有するアミン系化合物の合成は達成されていない。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、これら、myo−イノシトール骨格を有するアミン系化合物の合成に初めて成功し本発明の完成に至った。
すなわち、本発明は以下に関する。
[1]
下記式(1)で表される化合物。
(式中R1〜R6は、同一でも異なっていてもよく、C1〜C12の直鎖状、分岐状、もしくは、環状のアルキル基、または、アミノ基を有する、C1〜C12の直鎖状、分岐状、もしくは、環状のアルキル基を表す。R1〜R6のうち少なくとも1つは、アミノ基を有する、C1〜C12の直鎖状、分岐状、または環状のアルキル基である。前記アミノ基を有する、C1〜C12の直鎖状、分岐状、または環状のアルキル基以外のR1〜R6は、互いに結合し環構造を形成していてもよい。)
[2]
1〜R6のうち2つが、アミノ基を有する、C1〜C12の直鎖状、分岐状、または環状のアルキル基である、[1]に記載のアミン系化合物。
[3]
1〜R6のうち3つが、アミノ基を有する、C1〜C12の直鎖状、分岐状、または環状のアルキル基である。[1]に記載のアミン系化合物。
[4]
アミノ基を有する、C1〜C12の直鎖状、分岐状、または環状のアルキル基以外のR1〜R6が、互いに結合しアセタール構造を形成している、[1]〜[3]のいずれかに記載のアミン系化合物。
[5]
[1]〜[4]のいずれかに記載のアミン系化合物の合成方法。
本発明のmyo−イノシトール骨格とアミノ基を有するアミン系化合物は、原料が天然物由来のため、環境負荷が低いことが特長である。また、医薬品等の合成原料や高機能ポリマーの構成モノマー成分となり得るなど様々な工業製品への展開が可能である。
最終目的物1のガスクロマトグラフィーの分析結果を示す図である。 最終目的物1のMALDI−TOF−MSのチャートの図である。 最終目的物1の1H−NMRのチャートの図である。
以下、本発明を実施するための形態(以下、単に「本実施形態」という。)について詳細に説明する。なお、本発明は、以下の本実施形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施することができる。
(化合物)
本実施形態の化合物は、下記式(1)で表されるmyo−イノシトール(以下、「ミオイノシトール」とも称す。)骨格を有するアミン系化合物である。
式(1)中、R1〜R6は、同一でも異なっていてもよく、C1〜C12の直鎖状、分岐状、もしくは、環状のアルキル基、または、アミノ基を有する、C1〜C12の直鎖状、分岐状、もしくは、環状のアルキル基を表す。
1〜R6のうち少なくとも1つは、アミノ基を有する、C1〜C12の直鎖状、分岐状、または環状のアルキル基である。
前記アミノ基を有する、C1〜C12の直鎖状、分岐状、または環状のアルキル基以外のR1〜R6は、互いに結合し環構造を形成していてもよい。
本実施形態の化合物は、原料が天然物由来のため環境負荷が低い。また、医薬品等の合成原料や、高機能ポリマーの原料モノマーとして使用することができる。
1〜R6は、C1〜C12のアルキル基、または、アミノ基を有するC1〜C12のアルキル基である。上記アルキル基は、直鎖状、分岐状、環状のいずれでもよい。また、アミノ基を有するC1〜C12のアルキル基であるR1〜R6を除く、R1〜R6は任意の2〜3種が互いに結合し、酸素原子(O)を含む環構造を形成していてもよい。ただし、R1からR6の少なくとも1つは、アミノ基を有するC1〜C12のアルキル基である。
式(1)におけるC1〜C12の直鎖状、分岐状、または、環状のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、2−プロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、1−エチルプロピル基、1−メチルブチル基、2−メチルブチル基、3−メチルブチル基、アミル基、シクロペンチル基、2,2−ジメチルプロピル基、1,1−ジメチルプロピル基、n−へキシル基、シクロヘキシル基、1−エチルブチル基、2−エチルブチル基、3−エチルブチル基、1−メチルペンチル基、2−メチルペンチル基、3−メチルペンチル基、4−メチルペンチル基、1,1−ジメチルブチル基、2,2−ジメチルブチル基、3,3−ジメチルブチル基、1,2−ジメチルブチル基、1,3−ジメチルブチル基、2,3−ジメチルブチル基、n−ヘプチル基、1−メチルへキシル基、2−メチルへキシル基、3−メチルへキシル基、4−メチルへキシル基、5−メチルへキシル基、1−エチルペンチル基、2−エチルペンチル基、3−エチルペンチル基、1,1−ジメチルペンチル基、2,2−ジメチルペンチル基、3,3−ジメチルペンチル基、4,4−ジメチルペンチル基、1,2−ジメチルペンチル基、1,3−ジメチルペンチル基、1,4−ジメチルペンチル基、2,3−ジメチルペンチル基、2,4−ジメチルペンチル基、3,4−ジメチルペンチル基、2−メチル−3,3−ジメチルブチル基、1−メチル―3,3−ジメチルブチル基、1,2,3−トリメチルブチル基、1,3−ジメチル−2−ペンチル基、2−イソプロピルブチル基、2−メチルシクロヘキシル基、3−メチルシクロヘキシル基、4−メチルシクロヘキシル基、1−シクロヘキシルメチル基、2−エチルシクロペンチル基、3−エチルシクロペンチル基、2,3−ジメチルシクロペンチル基、2,4−ジメチルシクロペンチル基、2−メチルシクロペンチルメチル基、2−シクロペンチルエチル基、1−シクロペンチルエチル基、n−オクチル基、2−オクチル基、3−オクチル基、4−オクチル基、2−メチルヘプチル基、3−メチルヘプチル基、4−メチルヘプチル基、5−メチルヘプチル基、6−メチルヘプチル基、2−エチルへキシル基、3−エチルへキシル基、4−エチルへキシル基、5−エチルへキシル基、1,1−ジメチルへキシル基、2,2−ジメチルへキシル基、3,3−ジメチルへキシル基、4,4−ジメチルへキシル基、5,5−ジメチルへキシル基、1,2−ジメチルへキシル基、1,3−ジメチルへキシル基、1,4−ジメチルへキシル基、1,5−ジメチルへキシル基、2,3−ジメチルへキシル基、2,4−ジメチルへキシル基、2,5−ジメチルへキシル基、1,1−エチルメチルペンチル基、2,2−エチルメチルペンチル基、3,3−エチルメチルペンチル基、4,4−エチルメチルペンチル基、1−エチル−2−メチルペンチル基、1−エチル−3−メチルペンチル基、1−エチル−4−メチルペンチル基、2−エチル−1−メチルペンチル基、3−エチル―1−メチルペンチル基、4−エチル−1−メチルペンチル基、2−エチル−3−メチルペンチル基、2−エチル−4−メチルペンチル基、3−エチル−2−メチルペンチル基、4−エチル−3−メチルペンチル基、3−エチル−4−メチルペンチル基、4−エチル−3−メチルペンチル基、1−(2−メチルプロピル)ブチル基、1−(2−メチルプロピル)−2−メチルブチル基、1,1−(2−メチルプロピル)エチル基、1,1−(2−メチルプロピル)エチルプロピル基、1,1−ジエチルプロピル基、2,2−ジエチルプロピル基、1,1−エチルメチル−2,2−ジメチルプロピル基、2,2−エチルメチル−1,1−ジメチルプロピル基、2−エチル−1,1−ジメチルブチル基、2,3−ジメチルシクロヘキシル基、2,3−ジメチルシクロヘキシル基、2,5−ジメチルシクロヘキシル基、2,6−ジメチルシクロヘキシル基、3,5−ジメチルシクロヘキシル基、2−メチルシクロヘキシルメチル基、3−メチルシクロヘキシルメチル基、4−メチルシクロヘキシルメチル基、2−エチルシクロヘキシル基、3−エチルシクロヘキシル基、4−エチルシクロヘキシル基、2−シクロヘキシルエチル基、1−シクロヘキシルエチル基、1−シクロヘキシル−2−エチル基、ノニル基、イソノニル基、デシル基、イソデシル基、ウンデシル基、ドデシル基等が挙げられる。
上記アルキル基の中でも、好ましくは、メチル基、エチル基、n−プロピル基、2−プロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、1−エチルプロピル基、1−メチルブチル基、2−メチルブチル基、3−メチルブチル基、アミル基、シクロペンチル基、n−へキシル基、シクロヘキシル基、1−エチルブチル基、2−エチルブチル基、3−エチルブチル基、1−メチルペンチル基、2−メチルペンチル基、3−メチルペンチル基、4−メチルペンチル基、n−ヘプチル基、1−メチルへキシル基、2−メチルへキシル基、3−メチルへキシル基、4−メチルへキシル基、5−メチルへキシル基、1−エチルペンチル基、2−エチルペンチル基、3−エチルペンチル基、2−メチルシクロヘキシル基、3−メチルシクロヘキシル基、4−メチルシクロヘキシル基、n−オクチル基、2−オクチル基、3−オクチル基、4−オクチル基、2−メチルヘプチル基、3−メチルヘプチル基、4−メチルヘプチル基、5−メチルヘプチル基、6−メチルヘプチル基、2−エチルへキシル基、3−エチルへキシル基、4−エチルへキシル基、5−エチルへキシル基、ノニル基、イソノニル基、デシル基、イソデシル基、ウンデシル基、ドデシル基である。
上記アルキル基の中でも、より好ましくは、メチル基、エチル基、n−プロピル基、2−プロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、1−エチルプロピル基、1−メチルブチル基、2−メチルブチル基、3−メチルブチル基、アミル基、シクロペンチル基、n−へキシル基、シクロヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、2−オクチル基、3−オクチル基、4−オクチル基、2−メチルヘプチル基、3−メチルヘプチル基、4−メチルヘプチル基、5−メチルヘプチル基、6−メチルヘプチル基、2−エチルへキシル基、3−エチルへキシル基、4−エチルへキシル基、5−エチルへキシル基、ノニル基、イソノニル基、デシル基、イソデシル基、ウンデシル基、ドデシル基である。
上記アルキル基の中でも、さらに好ましくは、メチル基、エチル基、n−プロピル基、2−プロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、アミル基、シクロペンチル基、n−へキシル基、シクロヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、2−オクチル基、3−オクチル基、4−オクチル基、2−メチルヘプチル基、3−メチルヘプチル基、4−メチルヘプチル基、5−メチルヘプチル基、6−メチルヘプチル基、2−エチルへキシル基、3−エチルへキシル基、4−エチルへキシル基、5−エチルへキシル基、ノニル基、イソノニル基、デシル基、イソデシル基、ウンデシル基、ドデシル基である。
また、R1〜R6が互いに結合し環構造を形成している場合、myo−イノシトール骨格上の構造としては、例えば、1,2:3,4−ジ−O−エチリデン、1,2:4,5−ジ−O−エチリデン、1,2:3,4−ジ−O−2−ブチリデン、1,2:4,5−ジ−O−2−ブチリデン、1,2:3,4−ジ−O−2−(3−メチル)ペンチリデン、1,2:4,5−ジ−O−2−(3−メチル)ペンチリデン、1,2,3,4−ジ−O−シクロヘキシリデン、1,2:4,5−ジ−O−シクロヘキシリデン、1,2:3,4−ジ−O−シクロペンチリデン、1,2:4,5−ジ−O−シクロペンチリデン、1,2:3,4−ジ−O−イソプロピリデン、1,2:4,5−ジ−O−イソプロピリデン、1,2:3,4−ジ−O−メチリデン、1,2:4,5−ジ−O−メチリデン等が挙げられる。
上記myo−イノシトール骨格上の構造の中でも、好ましくは、1,2,3,4−ジ−O−2−(3−メチル)ペンチリデン、1,2:4,5−ジ−O−2−(3−メチル)ペンチリデン、1,2:3,4−ジ−O−シクロヘキシリデン、1,2:4,5−ジ−O−シクロヘキシリデン、1,2:3,4−ジ−O−シクロペンチリデン、1,2:4,5−ジ−O−シクロペンチリデン、1,2:3,4−ジ−O−イソプロピリデン、1,2:4,5−ジ−O−イソプロピリデン、1,2:3,4−ジ−O−メチリデン、1,2:4,5−ジ−O−メチリデンである。
上記myo−イノシトール骨格上の構造の中でも、より好ましくは、1,2:3,4−ジ−O−シクロヘキシリデン、1,2:4,5−ジ−O−シクロヘキシリデン、1,2:3,4−ジ−O−シクロペンチリデン、1,2:4,5−ジ−O−シクロペンチリデン、1,2:3,4−ジ−O−イソプロピリデン、1,2:4,5−ジ−O−イソプロピリデン、1,2:3,4−ジ−O−メチリデン、1,2:4,5−ジ−O−メチリデンである。
上記myo−イノシトール骨格上の構造の中でも、さらに好ましくは、1,2:3,4−ジ−O−シクロヘキシリデン、1,2:4,5−ジ−O−シクロヘキシリデン、1,2:3,4−ジ−O−シクロペンチリデン、1,2:4,5−ジ−O−シクロペンチリデン、1,2:3,4−ジ−O−イソプロピリデン、1,2:4,5−ジ−O−イソプロピリデンである。
式(1)における、アミノ基を有する、C1〜C12の直鎖状、分岐状、または、環状のアルキル基(以下、単に「アミノ基を有するアルキル基」とも称す。)としては、アミノメチル基、2−アミノエチル基、1−アミノエチル基、3−アミノプロピル基、2−アミノプロピル基、1−アミノプロピル基、4−アミノブチル基、3−アミノブチル基、2−アミノブチル基、5−アミノペンチル基、4−アミノペンチル基、3−アミノペンチル基、2−アミノペンチル基、1−アミノペンチル基、6−アミノへキシル基、5−アミノへキシル基、4−アミノへキシル基、3−アミノへキシル基、2−アミノへキシル基、1−アミノへキシル基、7−アミノヘプチル基、6−アミノヘプチル基、5−アミノヘプチル基、4−アミノヘプチル基、3−アミノヘプチル基、2−アミノヘプチル基、1−アミノヘプチル基、8−アミノオクチル基、7−アミノオクチル基、6−アミノオクチル基、5−アミノオクチル基、4−アミノオクチル基、3−アミノオクチル基、2−アミノオクチル基、1−アミノオクチル基等が挙げられる。
上記アミノ基を有する、C1〜C12の直鎖状、分岐状、または、環状のアルキル基の中でも、好ましくは、アミノメチル基、2−アミノエチル基、3−アミノプロピル基、2−アミノプロピル基、1−アミノプロピル基、4−アミノブチル基、3−アミノブチル基、2−アミノブチル基、5−アミノペンチル基、4−アミノペンチル基、3−アミノペンチル基、2−アミノペンチル基、6−アミノへキシル基、5−アミノへキシル基、4−アミノへキシル基、3−アミノへキシル基、2−アミノへキシル基、7−アミノヘプチル基、6−アミノヘプチル基、5−アミノヘプチル基、4−アミノヘプチル基、3−アミノヘプチル基、2−アミノヘプチル基、8−アミノオクチル基、7−アミノオクチル基、6−アミノオクチル基、5−アミノオクチル基、4−アミノオクチル基、3−アミノオクチル基、2−アミノオクチル基である。
上記アミノ基を有する、C1〜C12の直鎖状、分岐状、または、環状のアルキル基の中でも、より好ましくは、アミノメチル基、2−アミノエチル基、3−アミノプロピル基、2−アミノプロピル基、4−アミノブチル基、3−アミノブチル基、5−アミノペンチル基、4−アミノペンチル基、3−アミノペンチル基、6−アミノへキシル基、5−アミノへキシル基、4−アミノへキシル基、3−アミノへキシル基、7−アミノヘプチル基、6−アミノヘプチル基、5−アミノヘプチル基、4−アミノヘプチル基、3−アミノヘプチル基、8−アミノオクチル基、7−アミノオクチル基、6−アミノオクチル基、5−アミノオクチル基、4−アミノオクチル基、3−アミノオクチル基である。
上記アミノ基を有する、C1〜C12の直鎖状、分岐状、または、環状のアルキル基の中でも、さらに好ましくは、アミノメチル基、2−アミノエチル基、3−アミノプロピル基、4−アミノブチル基、3−アミノブチル基、5−アミノペンチル基、6−アミノへキシル基、7−アミノヘプチル基、8−アミノオクチル基である。
本実施形態の化合物としては、式(1)におけるR1〜R6のうち2つが、アミノ基を有する、C1〜C12の直鎖状、分岐状、または、環状のアルキル基であるアミン系化合物が好ましく、R1〜R6のうち3つが、アミノ基を有する、C1〜C12の直鎖状、分岐状、または環状のアルキル基であるアミン系化合物がさらに好ましい。
また、R3およびR6が、それぞれ独立に、アミノ基を有する、C1〜C12の直鎖状、分岐状、または環状のアルキル基であることが好ましい。
本実施形態の化合物としては、式(1)における、アミノ基を有する、C1〜C12の直鎖状、分岐状、または環状のアルキル基以外のR1〜R6が、互いに結合しアセタール構造を形成しているアミン系化合物が好ましい。
また、本実施形態の化合物としては、式(1)における、R1およびR2が互いに結合しアセタール構造を形成し、且つ、R4およびR5が互いに結合しアセタール構造を形成しているアミン系化合物が好ましい。
本実施形態の化合物としては、具体的には、DL−1,2:4,5−ジ−O−シクロヘキシリデンミオイノシトール−3,6−ビス(アミノプロピル)エーテル、DL−1,2:4,5−ジ−O−シクロヘキシリデンミオイノシトール−3,6−ビス(アミノエチル)エーテル、DL−1,2:4,5−ジ−O−シクロヘキシリデンミオイノシトール−3,6−ビス(アミノメチル)エーテル、DL−1,2:4,5−ジ−O−シクロペンチリデンミオイノシトール−3,6−ビス(アミノプロピル)エーテル、DL−1,2:4,5−テトラメトキシミオイノシトール−3,6−ビス(アミノプロピル)エーテル、DL−1,2:4,5−ジ−O−イソプロピリデンミオイノシトール−3,6−ビス(アミノプロピル)エーテル等が好ましい。
(合成方法)
本実施形態の化合物の合成方法は、特に規定されるものではなく、様々な合成方法を使用することができる。合成方法としては、例えば、myo−イノシトール構造中のアミノ基を有するアルキル基を導入する水酸基以外の水酸基を、エーテル化、シリル化、または、アセタール化により保護した後に、アミノ基を有するアルキル基導入反応を行う方法を挙げることができる。
上記エーテル化としては、例えば、ウィリアムソン(Williamson)法によるエーテル化反応等が挙げられる。また、myo−イノシトール構造中のアミノ基を導入する水酸基以外の水酸基を、リン酸エステルを導入した後に、エーテル化、シリル化、または、アセタール化する方法等が挙げられる。
アセタール化の方法としては、例えば、酸触媒の存在下、ケトン、アルデヒド等と反応させる方法が挙げられる。また、あらかじめ、ケトン等を脱離しやすい官能基でアセタール化した後に、myo−イノシトールと反応させ、交換反応により導入する方法もある。また、官能基導入後に上記エーテル基やアセタール基を所望の構造のものに変換しても構わない。
アミノ基導入反応を行う方法としては、例えば、myo−イノシトールの水酸基を、マイケル(Michael)型の付加反応により、アクリルニトリルやメタクリロニトリル等の不飽和ニトリルの二重結合と反応させた後、シアノ基の還元により、アミノ基に変換する方法;myo−イノシトールの水酸基を、不飽和酸アミドの二重結合と同様に反応させた後、還元により、アミノ基に変換する方法;myo−イノシトールの水酸基を、末端にハロゲンを有する、アルキルフタルイミドと反応させエーテル結合を形成した後、Gabriel合成により、一級アミンを合成する方法;myo−イノシトールの水酸基に、アリル基またはビニル基を導入した後、アミノ基を導入する方法;等を挙げることができる。アミノ基導入反応を行う方法は、これらの方法に限られない。
以下に、実施例を挙げて、本実施形態を詳細に説明していくが、本実施形態は下記の実施例に何ら限定されるものではない。化合物の合成は、基本的に窒素雰囲気下で実施した。使用する溶媒等は、市販の脱水試薬を使用するかもしくは、反応前に蒸留精製したものを使用した。
(合成中間体1)
・ミオイノシトール:和光純薬工業(株)品を使用した。
・1,1−ジメトキシシクロヘキサン:和光純薬工業(株)品を使用した。
・p−トルエンスルホン酸一水和物:和光純薬工業(株)品を使用した。
・トリエチルアミン:和光純薬工業(株)品を使用した。
・炭酸水素ナトリウム:和光純薬工業(株)品を使用した。
・硫酸マグネシウム:和光純薬工業(株)品を使用した。
・酢酸エチル:(株)ゴードー品を使用した。
・ジイソプロピルエーテル:(株)ゴードー品を使用した。
・THF:(株)ゴードー品を使用した。
・ヘキサン:(株)ゴードー品を使用した。
・ヘプタン:(株)ゴードー品を使用した。
・クロロホルム(d溶媒):euriso−top品を使用した。
(合成中間体2)
・DMF(脱水):和光純薬工業(株)品を使用した。
・水素化ナトリウム:和光純薬工業(株)品を使用した。
・N−(3−ブロモプロピル)フタルイミド:東京化成品を使用した。
・酢酸エチル:(株)ゴードー品を使用した。
・硫酸マグネシウム:和光純薬工業(株)品を使用した。
・ヘプタン:和光純薬工業(株)品を使用した。
・クロロホルム(d溶媒):euriso−top品を使用した。
(最終目的物)
・エタノール:和光純薬工業(株)品を使用した。
・ヒドラジン・一水和物:和光純薬工業(株)品を使用した。
・メタノール:和光純薬工業(株)品を使用した。
・クロロホルム:和光純薬工業(株)品を使用した。
・アンモニアガス:住友精化(株)製NH3 PURE を使用した。
・クロロホルム(d溶媒):euriso−top品を使用した。
GC分析:島津製作所(GC−2025)
分析条件
・カラム:DB−1,30.0mm×0.25mm I.D.,0.25μm
・キャリアガス:ヘリウム100.0kPa
・インジェクション温度:270℃
・検出器(温度):FID(300℃)
・タイムプログラム:70℃(2分)→10℃/分→300℃(30分)
LC:島津製作所
分析条件
・溶離液:アセトニトリル(MeCN)80%、及び、水(H2O)20%
・カラム:Inertsil ODS−3V φ3.0×250mm(5μm)
・流量:0.5ml/分
・検出器:PDA
・カラム温度:40℃
1H−NMR:日本電子(300MHz,400MHz)
積算回数:16回
MALDI−TOF−MS:島津製作所(AXIMA)
CCAで検量線を作成し、サンプルをメタノールに溶解して測定した。(マトリックス:なしもしくはCCAを使用)
カラム精製:関東化学品シリカゲル60Nを使用した。
[実施例1]
DL−1,2:4,5−ジ−O−シクロヘキシリデンミオイノシトール−3,6−ビス(アミノプロピル)エーテルの合成
(合成中間体1の合成)
あらかじめ、脱気、窒素置換した5Lの4つ口フラスコへmyo−イノシトール(200g)、1,1−ジメトキシシクロヘキサン(640.2g)、ジメチルホルムアミド(DMF、1.36g)を加え、メカニカルスターラーにて攪拌を開始した。フラスコ内に、p−トルエンスルホン酸一水和物20gを添加後、フラスコ内を100℃まで昇温した。100℃で1時間加熱攪拌し、反応液が懸濁状態から黄色透明溶液に変化した後、TLCで反応の進行を確認した。加熱を止め、室温まで冷却後、反応液にトリエチルアミン(50ml)を加え、減圧下で溶媒を留去した。留去後、酢酸エチル2Lを加え溶解し、有機層を5wt%炭酸水素ナトリウム水溶液1.5Lで洗浄後、さらに飽和食塩水1.5Lで洗浄した。有機層と洗浄液とを分液し、有機層を硫酸マグネシウムで脱水後、減圧濾過で濾液を回収した。かかる濾液の溶媒を減圧留去後、粗生成物をジイソプロピルエーテル1.5Lに溶解し、酢酸エチル0.4Lを加え静置後に析出した白色固体1(40g)を濾別した。白色固体1をジイソプロピルエーテルで洗浄後、減圧乾燥した。
上記濾液を濃縮後、酢酸エチル0.9Lとジイソプロピルエーテル1.8Lとの混合溶液に溶解し、シリカゲル4kgからなるカラムクロマトグラフィーにて精製した。目的フラクションを回収後、目的物を含む溶液を濃縮し、白色固体2を得た(262g)。
得られた白色固体1及び白色固体2は、1H−NMR(CDCl3)測定にて構造を同定した。1H−NMRのスペクトルデータは以下のとおりであった。
1H−NMR(CDCl3)δ4.48(t,1H),4.12−3.98(m,2H),3.32(t,1H),2.79(d,1H),2.52(d,1H),1.8−1.34(m,20H)
上記1H−NMRのスペクトルデータは、J Polym. Sci, partA: polym. Chem. 2013, 51, 3956-3963に記載のスペクトルデータとほぼ一致した。白色固体1及び白色固体2をそれぞれ、DL−1,2:4,5−ジ−O−シクロヘキシリデンミオイノシトールである合成中間体1とした。
(合成中間体2の合成)
10Lの4つ口フラスコへ、合成中間体1を200g、脱水DMF3Lを入れ、氷浴中攪拌しながら7℃まで冷却した。さらに、合成中間体1のDMF溶液に水素化ナトリウム140gをゆっくりと添加した。添加後、室温に戻し攪拌を継続した。続いて、フラスコ内温を30℃まで加熱し、N−(3−ブロモプロピル)フタルイミド690gをゆっくりと添加した。N−(3−ブロモプロピル)フタルイミドは、フラスコ内温が70℃以下になるように、ゆっくりと2時間かけて滴下し、その後70℃から100℃で24時間反応させた。
反応液を室温まで冷却し、DMFを留去後、残渣をイオン交換水でクエンチした後、酢酸エチルで3回抽出した。抽出液を飽和食塩水で洗浄後、硫酸マグネシウムで脱水して濾過した。濾液を回収し、減圧下溶媒を留去し、褐色固体222gを得た。褐色固体を酢酸エチル/ヘプタン=1:3の混合溶液に溶解し、シリカゲルカラムにて精製を行い、生成物150gを回収した。該生成物を、DL−1,2:4,5−ジ−O−シクロヘキシリデンミオイノシトール−3,6−ビス(N−3−フタルイミドプロピル)エーテルである合成中間体2とした。
(最終目的物1の合成)
脱気、窒素置換した2Lの4つ口フラスコに合成中間体2(40g)とエタノール1.3Lを加え、攪拌を開始した。ヒドラジン・一水和物(16.82g)をゆっくり添加し、フラスコ内温を70℃まで加熱した。12時間加熱攪拌後、白色固体が析出したので、これを濾別した。濾液を減圧下濃縮し、粘性液体32gを得た。
粘性液体32gを、アンモニアガスを飽和させた、体積が1:1のメタノール/クロロホルムの溶液に溶解し、シリカゲルカラム上にチャージし、アンモニアガスを飽和させた、体積が1:1のメタノール/クロロホルムの展開液で生成物とバイプロダクトとを分離した。
生成物を含むフラクションを回収した後、TLCでスポットを確認し、バイプロダクトとの分離が不十分な場合は、同一条件でのカラム精製を繰り返し、最終的に純度99%の生成物11gを得た。生成物の純度は、ガスクロマトグラフィー(GC)が単一ピークであることから決定した(生成物が単一ピークであることを示すガスクロマトグラフィーの分析結果を図1に示す。また、ガスクロマトグラフィーの分析結果のピークレポートを表1に示す。)。該生成物を、DL−1,2:4,5−ジ−O−シクロヘキシリデンミオイノシトール−3,6−ビス(アミノプロピル)エーテルである最終目的物1とした。
最終目的物1の同定は、1H−NMRとMSにて実施した。1H−NMRとMSのスペクトルデータは以下のとおりであった。
MALDI−TOF−MSにて最終目的物1由来の455.35のピークと、最終目的物1にNaが付加した477.44のピークを確認することができた(MALDI−TOF−MSのチャートを図2に示す。)。
1H−NMR:δ1.3−1.9(m,32H(シクロ環の20Hとプロピル鎖の12H)),2.8(m,4H(アミノ基のH)),3.3(m,1H(ミオイノシトール環のH)),3.6(m,1H(ミオイノシトール環のH)),3.8(m,1H(ミオイノシトール環のH)),4.0(m,1H(ミオイノシトール環のH)),4.2(m,1H(ミオイノシトール環のH)),4,4(m,1H(ミオイノシトール環のH))。上記1H−NMRのチャートを図3に示す。
[実施例2]
DL−1,2:4,5−ジ−O−シクロヘキシリデンミオイノシトール−3,6−ビス(アミノエチル)エーテルの合成
(合成中間体1の合成)
実施例1で合成した合成中間体1を使用した。
(合成中間体3の合成)
反応に、N−(3−ブロモプロピル)フタルイミドの代わりにN−(2−ブロモエチル)フタルイミドを使用したこと以外は、実施例1と同様の方法を行うことにより、合成中間体3である、DL−1,2:4,5−ジ−O−シクロヘキシリデンミオイノシトール−3,6−ビス(N−2−フタルイミドエチル)エーテルを合成した。
(最終目的物の合成)
反応に、合成中間体2の代わりに合成中間体3を使用したこと以外は、実施例1と同様の方法で合成、精製を行った。最終的に純度97%の生成物12gを得た。生成物は、GCにて純度を確認し、単一ピークであることを確認した。該生成物を、DL−1,2:4,5−ジ−O−シクロヘキシリデンミオイノシトール―3,6−ビス(アミノエチル)エーテルである最終目的物とした。
最終目的物の同定は、1H−NMRとMSにて実施した。1H−NMRとMSのスペクトルデータは以下のとおりであった。
MALDI−TOF−MSにて最終目的物由来の441.3のピークを確認することができた。
1H−NMR:δ1.3−1.9(m,28H(シクロ環の20Hとエチル鎖の8H))、2.9(m,4H(アミノ基のH))、3.3(m,1H(ミオイノシトール環のH)),3.6(m,1H(ミオイノシトール環のH)),3.8(m,1H(ミオイノシトール環のH)),4.0(m,1H(ミオイノシトール環のH)),4.2(m,1H(ミオイノシトール環のH)),4,4(m,1H(ミオイノシトール環のH))。
[実施例3]
DL−1,2:4,5−ジ−O−シクロヘキシリデンミオイノシトール−3,6−ビス(アミノメチル)エーテルの合成
(合成中間体1の合成)
実施例1で合成した合成中間体1を使用した。
(合成中間体4の合成)
反応に、N−(3−ブロモプロピル)フタルイミドの代わりにN−ブロモメチルフタルイミドを使用したこと以外は、実施例1と同様の方法を行うことにより、合成中間体4である、DL−1,2:4,5−ジ−O−シクロヘキシリデンミオイノシトール−3,6−ビス(N−3−フタルイミドメチル)エーテルを合成した。
(最終目的物の合成)
反応に、合成中間体2の代わりに合成中間体4を使用したこと以外は、実施例1と同様の方法で合成、精製を行った。最終的に純度96%の生成物10gを得た。生成物は、GCにて純度を確認し、単一ピークであることを確認した。該生成物を、DL−1,2:4,5−ジ−O−シクロヘキシリデンミオイノシトール−3,6−ビス(アミノメチル)エーテルである最終目的物とした。
最終目的物の同定は、1H−NMRとMSにて実施した。1H−NMRとMSのスペクトルデータは以下のとおりであった。
MALDI−TOF−MSにて、最終目的物由来の427.3のピークを確認することが出来た。
1H−NMR:δ1.3−1.9(m,24H(シクロ環の20Hとメチレン鎖の4H)),3.0(m,4H(アミノ基のH)),3.3,3.6,3.8,4.0,4.2,4.4(m,1H(ミオイノシトールのH))。
[実施例4]
DL−1,2:4,5−ジ−O−シクロペンチリデンミオイノシトール−3,6−ビス(アミノプロピル)エーテルの合成
(合成中間体5の合成)
原料として1,1−ジメトキシシクロヘキサンの代わりに1,1−ジメトキシシクロペンタンを用いたこと以外は、実施例1と同様の方法で、合成中間体5である、DL−1,2:4,5−ジ−O−シクロペンチリデンミオイノシトールを合成した。
(合成中間体6の合成)
原料に合成中間体5を用いたこと以外は、実施例1の(合成中間体2の合成)と同様の方法で、DL−1,2:4,5−ジ−O−シクロペンチリデンミオイノシトール−3,6−ビス(N−3−ブロモプロピルフタルイミドメチル)エーテルを合成した。
(最終目的物の合成)
原料に、合成中間体2の代わりに合成中間体6を使用したこと以外は、実施例1と同様の方法で合成、精製を行った。最終的に純度96%の生成物12gを得た。生成物は、GCにて純度を確認し、単一ピークであることを確認した。該生成物を、DL−1,2:4,5−ジ−O−シクロペンチリデンミオイノシトール−3,6−ビス(アミノプロピル)エーテルである最終目的物とした。
生成物の同定は、1H−NMRとMSにて実施した。1H−NMRとMSのスペクトルデータは以下のとおりであった。
MALDI−TOF−MSにて目的物由来の428.3のピークを確認することができた。
1H−NMR:δ1.3−1.9(m,28H(シクロ環の16Hとメチレン鎖の12H)),2.8(m,4H(アミノ基のH)),3.3(m,1H(ミオイノシトール環のH)),3.6(m,1H(ミオイノシトール環のH)),3.8(m,1H(ミオイノシトール環のH)),4.0(m,1H(ミオイノシトール環のH)),4.2(m,1H(ミオイノシトール環のH)),4.4(m,1H(ミオイノシトール環のH))。
[実施例5]
DL−1,2:4,5−テトラメトキシミオイノシトール−3,6−ビス(アミノプロピル)エーテルの合成
実施例1と同様の方法で目的物1を合成した後、以下の方法で、脱アセタール、およびエーテル化反応を行った。
10gの上記目的物1をエタノール120mlに溶解し、1MのHCl水溶液(100ml)を加え24時間還流した。反応液を濃縮後、ジエチルエーテルに溶解し、ジエチルエーテル溶液を得た。上記ジエチルエーテル溶液を−30℃に冷却し、再沈殿により精製した。液相を濾別後、減圧乾燥し、11gの反応物を得た。この反応物を、DMF100mlに溶解し、0℃に冷却後、水素化ナトリウム2gを30分かけて、ゆっくりと加えた。硫酸ジメチル20gを30分かけて加え、24時間攪拌した。反応溶液に水60mlを加え、反応をクエンチした後、炭酸水素ナトリウムを加え、洗浄後、酢酸エチル200mlで抽出操作をした。有機層を飽和食塩水で洗浄後、硫酸マグネシウムを加え脱水した。硫酸マグネシウムを濾別後、減圧下で溶媒を留去し、粗生成物を実施例1と同様の方法でカラム精製を行った。目的物である、DL−1,2:4,5−テトラメトキシミオイノシトール−3,6−ビス(アミノプロピル)エーテル8gを得た。
[実施例6]DL−1,2:4,5−ジ−O−イソプロピリデンミオイノシトール−3,6−ビス(アミノプロピル)エーテルの合成
(合成中間体7の合成)
1,1−シクロヘキサンジメチルエーテルの代わりに、脱水アセトンを使用し、実施例1の方法にしたがい、合成中間体7である、DL−1,2:4,5−ジ−O−イソプロピリデンミオイノシトールを合成した。
(最終目的物の合成)
上記合成中間体7を用い、実施例1の合成中間体2、最終生成物の合成法に従い、最終目的物である、DL−1,2:4,5−ジ−O−イソプロピリデンミオイノシトール−3,6−ビス(アミノプロピル)エーテルを合成した。
本発明によるmyo−イノシトール骨格とアミノ基を有するアミン系化合物は、また原料が天然物由来のため、環境負荷が低いことが特長である。また医薬品等の合成原料や高機能ポリマーの構成モノマー成分となり得るなど様々な工業製品への展開が可能である。

Claims (5)

  1. 下記式(1)で表される化合物。
    (式中R1〜R6は、同一でも異なっていてもよく、C1〜C12の直鎖状、分岐状、もしくは、環状のアルキル基、または、アミノ基を有する、C1〜C12の直鎖状、分岐状、もしくは、環状のアルキル基を表す。R1〜R6のうち少なくとも1つは、アミノ基を有する、C1〜C12の直鎖状、分岐状、または環状のアルキル基である。前記アミノ基を有する、C1〜C12の直鎖状、分岐状、または環状のアルキル基以外のR1〜R6は、互いに結合し環構造を形成していてもよい。)
  2. 1〜R6のうち2つが、アミノ基を有する、C1〜C12の直鎖状、分岐状、または環状のアルキル基である、請求項1に記載のアミン系化合物。
  3. 1〜R6のうち3つが、アミノ基を有する、C1〜C12の直鎖状、分岐状、または環状のアルキル基である。請求項1に記載のアミン系化合物。
  4. アミノ基を有する、C1〜C12の直鎖状、分岐状、または環状のアルキル基以外のR1〜R6が、互いに結合しアセタール構造を形成している、請求項1〜3のいずれか1項に記載のアミン系化合物。
  5. myo−イノシトール構造中のアミノ基を有するアルキル基を導入する水酸基以外の水酸基を、エーテル化、シリル化、または、アセタール化により保護した後に、アミノ基を有するアルキル基導入反応を行う工程を含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載のアミン系化合物の合成方法。
JP2016158367A 2016-08-12 2016-08-12 myo−イノシトール骨格を有するアミン系化合物 Active JP6839506B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016158367A JP6839506B2 (ja) 2016-08-12 2016-08-12 myo−イノシトール骨格を有するアミン系化合物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016158367A JP6839506B2 (ja) 2016-08-12 2016-08-12 myo−イノシトール骨格を有するアミン系化合物

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2018024618A JP2018024618A (ja) 2018-02-15
JP6839506B2 true JP6839506B2 (ja) 2021-03-10

Family

ID=61194958

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016158367A Active JP6839506B2 (ja) 2016-08-12 2016-08-12 myo−イノシトール骨格を有するアミン系化合物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6839506B2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JP2018024618A (ja) 2018-02-15

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP3013811B1 (en) 2-oxo-1,3-dioxolane-4-acyl halides, their preparation and use
RU2011128047A (ru) Способ получения полиметилолов
CN107011291A (zh) 来源于糖醇的可再生表面活性剂
DE102009000500A1 (de) Verfahren zur Herstellung von Bis- und Tris(silylorgano)aminen
IN2014DN03217A (ja)
JP6839506B2 (ja) myo−イノシトール骨格を有するアミン系化合物
KR20140096121A (ko) 니트릴 관능기를 포함하는 화합물의 제조 방법
JP2008511560A (ja) トリエタノールアミンの製造法
JP2012511018A (ja) 伸長リンカーを有するn−置換ピロリドニウムイオン液体
JP5978015B2 (ja) 化合物の製造方法
RU2006115883A (ru) Комплексное соединение 1,3-бис(2-гидроксиэтил)-5-гидрокси-6-метилурацила с фумаровой кислотой, проявляющее антигипоксическую активность и способ его получения
JP6898941B2 (ja) アルコールから出発してアミドアルキルベタインを合成する方法、増加した粘度を有する、本方法によって調製されるアミドアルキルベタイン、および粘弾性界面活性剤としてのその使用
US2435071A (en) Amides of cyclic sulfones
CA2004959A1 (en) Manufacture of 5-cyanovaleric acid and its esters
CN101735094B (zh) N-二羟烷基肉桂酰胺的制备方法
US2485225A (en) Synthesis of hexadiene dinitrile and product
CN107488144A (zh) 一种可以特异性结合并能抑制Tau蛋白聚集的分子及其制备方法和应用
JPWO2016152747A1 (ja) アルキルホスホン酸の製造方法
JP4189485B2 (ja) 環状アミド化合物
CN111187160A (zh) 一种酯类化合物的合成新方法
JP4734587B2 (ja) ハロゲン化シアヌル誘導体、その製造法およびその使用
CH385847A (de) Verfahren zur Herstellung von Azathiacyclohexan-4,4-dioxyd
EP3383839B1 (de) Verfahren zur herstellung von n,n´-unsubstituierten carboxamidinen
Chattaway et al. CCII.—Halogen-substituted aryl thiocarbimides
RU2471772C1 (ru) Способ получения алкиленаминополикарбоновых кислот

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20190808

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20200709

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20200814

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20201009

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20210120

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20210215

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6839506

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150