JP6834404B2 - 熱転写記録材料 - Google Patents

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Description

本発明は、感熱転写方式のプリンタに使用される感熱転写記録媒体に関するものであり、特に基材シートの片面に背面層を設け、背面層側と反対の面側に少なくとも多孔質層、染料受容層を順次形成した熱転写受像シートに関する。
更に詳しくは、熱転写シートと前記染料受容層とを対向配置し、サーマルヘッドを用いて印字を行う際に、「印画シワ」の発生を抑えることができる熱転写受像シートに関するものである。
一般に、感熱転写方式としては、顔料などをワックスや樹脂中に分散したインキを基材フィルム上に設けた熱溶融型の熱転写シートを用いたものと、昇華性染料をバインダ樹脂と共にインキ化し、基材上に設けた昇華型の熱転写シートを用いたものとがある。
昇華型の熱転写シートを用いた感熱転写方式の場合には、昇華性染料で染着可能な樹脂材料からなる染料受容層を有する熱転写受像シート、例えば、紙やプラスチックフィルムの表面に受像層を設けた被転写体上に各種のフルカラー画像を形成する方法が提案されている。
この場合には、加熱手段としてプリンタのサーマルヘッドが使用され、極めて短い時間の加熱によって3色又は4色の多数の色ドットを被転写体に転移させ、この多数の色ドットにより原稿のフルカラー画像を再現するものである。
この様に形成された画像は、使用する色材が染料であるため、非常に鮮明であり、且つ透明性に優れているため、得られる画像は中間色の再現性や階調性に優れている。
従って、従来のオフセット印刷やグラビア印刷による画像と同様であり、且つフルカラー写真画像に匹敵する高品質の画像が形成可能となっている。
このため、昇華型の感熱転写方式は、デジタルカメラのセルフプリント、身分証明書などのカード類、アミューズメント用出力物等、幅広く利用されている。
しかし、用途の多様化と普及の拡大に伴い、よりプリンタの印画速度の高速化が進むにつれ、従来の熱転写シートでは、十分な印画濃度が得られないという問題が生じてきた。
このため、熱転写シートの転写感度を上げるための手段として、熱転写シートの薄膜化による転写感度向上が指向されてきた経緯がある。
しかし、このような対策の結果、印画の際に加わる熱や圧力等の影響から、「印画シワ」が発生しやすくなってきていた。
これに対し、特許文献1では、熱転写シートに設けられている各色の熱転写性色材層と熱転写受像シートとの動摩擦係数について規定している。
しかしながら、「印画シワ」は高温多湿の環境下において発生し易いという傾向があり、この問題への対応が必要であるのに対し、上述の特許文献1においては、印画シワならびに動摩擦係数の評価環境に関する言及がなされていない。
特開2014−69463号公報
本発明は上記の背景技術に鑑みてなされたものであり、その目的は、高温多湿の環境下での使用においても、印画シワの発生を無くし、印画時における貼り付き等の異常転写を抑制し、十分な印画濃度の得られる熱転写受像シートを提供しようとするものである。
本発明はこれらの課題を解決すべくなされたものである。
すなわち、請求項1に記載の発明は、少なくとも、背面層、基材シート、多孔質層、および染料受容層がこの順に積層されてなる熱転写受像シートと、
基材の一方の面に少なくとも昇華性染料層を有し、前記基材の他方の面に少なくとも耐熱滑性層を有する熱転写シートと、の組合せからなる熱転写記録材料であって、
前記熱転写受像シートの染料受容層が、塩化ビニル系樹脂と架橋剤、変性シリコーンオイルを含有してなり、
前記塩化ビニル系樹脂が水系分散型の塩化ビニル系樹脂であり
前記変性シリコーンオイルが、前記塩化ビニル系樹脂に対して、質量基準で3%以上10%以下の割合で配合されており、
前記架橋剤がアジリジン系化合物であり、前記塩化ビニル系樹脂に対して、質量基準で
3%以上10%以下の割合で配合されており、
前記染料受容層と前記昇華性染料層との室温環境(23℃、50%RH)における静摩擦係数(μ1)と、高温多湿環境(40℃、80%RH)における静摩擦係数(μ2)との差が、下記式1を充たしていることを特徴とする熱転写記録材料である。
|μ1−μ2|≦0.5 … (式1)
本発明によれば、高温多湿の環境下において印画を実施した場合であっても、印画シワの発生を無くし、貼り付き等の異常転写が抑制され、十分な印画濃度の得られる熱転写受像シートを提供することができる。
本発明の実施形態に係わる熱転写受像シートの構成例を示す断面図である。 本発明の実施形態に係わる熱転写シートの構成例を示す断面図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら、詳細に説明する。
(熱転写受像シート)
昇華型の熱転写方式の印画方法としては、熱転写受像シートの染料受容層と熱転写シートの昇華性染料層とを対向配置し、熱転写シート側からサーマルヘッドを用いて熱圧を加
えて印画を行う。
この時の印画感度を高めるためには、サーマルヘッドからの熱が昇華性染料層に伝わり易くする必要があり、結果的に熱転写シートの基材をできるだけ薄くすることが求められる。
基材は、サーマルヘッドからの熱に対する耐熱性を有する素材が選定されるが、出来るだけ薄いフィルムを用いているため、サーマルヘッドの熱圧により、微妙な伸縮が発生する。
その結果、熱転写受像シートの染料受容層と、熱転写シートの昇華性染料層との間の摩擦力(静摩擦係数)が大きすぎると、熱転写シートに発生した伸縮の影響により、印画シワが発生することとなる。
従って、熱転写受像シートの染料受容層と熱転写シートの昇華性染料層とは、安定して一定レベル以下の静摩擦係数を有することが求められる。
しかし、熱転写受像シートならびに熱転写シートを高温多湿の環境下で使用すると染料受容層が大気中の水分を吸着し、その結果、前記静摩擦係数が大きくなり、印画シワが発生しやすくなる。
この現象は、環境負荷を意識して、水系の染料受容層コーティング剤を用いると、より顕著な傾向を示す。
このため、本発明の熱転写受像シートは、染料受容層に対して、架橋剤と離型剤として変性シリコーンを添加することにより、室温環境(23℃、50%RH)における昇華性染料層との静摩擦係数(μ1)と、高温高湿環境(40℃、80%RH)における昇華性染料層との静摩擦係数(μ2)との関係が、下記の式1を充たしていることを特徴としている。
|μ1−μ2|≦0.5 … (式1)
但し、高温高湿環境下における印画時では、印画シワが発生しやすくなる傾向にあることから、高温高湿環境下における静摩擦係数(μ2)は、0.9以下であることがより好ましい。
また、本発明の熱転写受像シートは、環境負荷を意識して水系コーティング剤からなる染料受容層を用いた場合であっても同様の効果を示すことができる。
以下、図1を参照しながら、熱転写受像シートの構成について、より詳細に説明する。
図1では、熱転写受像シート10の構成例として、基材シート11の一方の面上に、背面層12を設け、その反対側の面上には、多孔質層13、下地層14、染料受容層15がこの順で積層されている例を示している。
ここで、基材シート11は、従来公知のものを用いることができ、例えば、ポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレート等のポリエステル、ポリプロピレンやポリエチレン等のポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、ポリビニルアルコール、ポリスチレン、ポリイミド等の合成樹脂からなるフィルム、および上質紙、中質紙、コート紙、アート紙、樹脂ラミネート紙などの紙類等を単独、あるいは組み合わされた複合体として使用することができる。
基材シート11の厚さは、印画物としてのコシ、強度や耐熱性等を考慮し、25μm以上250μm以下の範囲のものが使用可能であるが、より好ましくは50μm以上200μm以下程度のものが好ましい。
また、基材シート11には、必要に応じて帯電防止処理や易接着処理などの各種処理が施されてあってもよい。
上述のような基材シート11の一方の面には、背面層12が設けられてあって良く、背面層12はプリンタ搬送性向上や、染料受容層15とのブロッキング防止、さらには印画前後の熱転写受像シートのカール防止などの目的で設けられる。
背面層12に用いられる材料としては、従来公知の材料で対応することができ、例えばポリエチレン樹脂やポリプロピレン樹脂などのポリオレフィン樹脂、アクリル系樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリエステル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアミド樹脂などのバインダ樹脂を用いることができる。
また、背面層12には、必要に応じてフィラー類や帯電防止剤等の、各種公知の添加剤が添加されてあっても良い。
次に、基材シート11の背面層12が設けられているのとは反対の面に設けられている多孔質層13としては、従来公知のものを採用することができ、例えば、有機あるいは無機の中空粒子や多孔質材料と、バインダ樹脂によって構成されたものや、発泡ポリプロピレンフィルムや発泡ポリエチレンテレフタレート等の発泡フィルムなどを用いたもの、さらには発泡フィルムの片面または両面にスキン層を設けた複合フィルムを設けたものなどを挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
但し、画質に影響を与える平滑性や光沢性等を考慮すると、発泡フィルムの片面または両面にスキン層を設けた複合フィルムを用いることが好ましい。
多孔質層13の厚さは、10μm以上80μm以下の範囲のものが使用可能であるが、より好ましくは20μm以上60μm以下程度のものが好ましい。
続いて、下地層14を設けることにより、染料受容層15の密着性を向上させることが期待できるとともに、画像形成時の印画濃度を調整することが期待できる。
下地層14としては、水系溶剤に水溶性樹脂や水溶性高分子を溶解あるいは分散した水系コーティング剤、あるいは水性エマルジョンなどから構成される水系コーティング剤などをコーティングすることによって形成することができる。
水溶性樹脂または水溶性高分子としては、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸エステル、ポリアクリル酸エステル共重合体、ポリメタクリル酸などの水溶性のアクリル樹脂、ゼラチン、澱粉、カゼインおよびそれらの変性物などを挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
また、水性エマルジョンの例としては、ポリオレフィンエマルジョン、塩化ビニル樹脂エマルジョン、塩化ビニル−酢酸ビニル樹脂エマルジョン、塩化ビニル−アクリル樹脂エマルジョンなどの塩ビ系樹脂エマルジョン、アクリル系樹脂エマルジョン、ウレタン系樹脂エマルジョンなどを挙げることができる。
これらの各種樹脂あるいは高分子は、それぞれを単独で、あるいは混合物として用いられてあってもよい。
下地層14の厚さは、0.1μm以上3μm以下の範囲で設けることができるが、より好ましくは、0.2μm以上1.0μm以下程度であることが望ましい。
これは、下地層14の膜厚が0.1μm未満であると膜厚調整が困難となることや、膜厚が0.1μm未満でバラつきが生じると、多孔質層13と染料受容層15との間の密着性を低下させる恐れがあるためであり、また、膜厚が厚すぎると、印画濃度の低下を招く恐れがあるためである。
また、下地層14は、必要に応じて、架橋剤や酸化防止剤、蛍光染料や、公知の添加剤を含有していても良い。
次に、染料受容層15は、少なくとも塩化ビニル系樹脂、架橋剤、変性シリコーンオイルを含む層であり、熱転写シートから放出される昇華性染料を受容して染着させる機能を有する。
この染料受容層15は、有機溶剤を溶媒または分散媒とする溶剤系コーティング剤をコーティングして形成することも可能であるが、環境問題を考えると有機溶剤を低減することが望ましく、また熱転写受像シートを開梱して使用する際の溶剤臭を低減するという観点からも水系溶剤を溶媒または分散媒とする水系コーティング剤をコーティングして形成することが望ましいと言える。
水系コーティング剤としては、水性の樹脂エマルジョンを好ましく用いることができ、中でも、塩化ビニル樹脂エマルジョン、塩化ビニル−酢酸ビニル樹脂エマルジョン、塩化ビニル−アクリル樹脂エマルジョンなどの塩化ビニル系樹脂エマルジョンが好ましい。
上述の様な樹脂からなる染料受容層15に添加される架橋剤としては、公知材料をいずれも用いることができるが、例えば、イソシアネート化合物、ブロック型イソシアネート化合物、オキサゾリン系化合物、アジリジン系化合物、カルボジイミド系化合物、グリオキザール系化合物などを適宜使用することができるが、中でもポットライフや反応性に優れるアジリジン系化合物が好適であると言える。
アジリジン系化合物を架橋剤として用いる場合には、前記水系エマルジョン型の塩化ビニル系樹脂100質量部に対して、3質量%以上10質量%以下の添加量であることが望ましい。
これは、少なすぎると高温多湿の環境下において、前記静摩擦係数が大きくなる可能性があり、また多すぎると、十分な印画濃度が得られなくなる可能性があるためである。
また、変性シリコーンオイルとしては、従来公知のものを採用することができ、例えばアミノ変性シリコーン、エポキシ変性シリコーン、カルボキシ変性シリコーン、カルビノール変性シリコーン、メタクリル変性シリコーン、メルカプト変性シリコーン、フェノール変性シリコーンなどといった反応性シリコーンオイルや、アルキル変性シリコーン、ポリエーテル変性シリコーン、フェニル変性シリコーン、メチルスチリル変性シリコーン、高級脂肪酸エステル変性シリコーン、親水性特殊変性シリコーン、フッ素変性シリコーンなどのような非反応性シリコーンオイルなどを用いることができ、更にはこれらを混合して用いることや、各種の反応を用いて重合させて用いることなどができる。
また、染料受容層15を形成する際に水系コーティング剤を用いる場合には、親水性特殊変性シリコーンオイルや、上述したような各種変性シリコーンオイルをエマルジョン化したシリコーンエマルジョンを使用することが好ましい。
変性シリコーンの添加量は、前記水系エマルジョン型の塩化ビニル系樹脂100質量部に対して、3質量%以上20質量%以下であることが好ましい。
更に、染料受容層15は、必要に応じて、各種フィラー類やワックス類、酸化防止剤、触媒、蛍光染料や、公知の添加剤などを含有していても良い。
染料受容層15の厚さは、0.1μm以上10μm以下のものを使用することができるが、0.2μm以上8μm以下程度のものが好ましいと言える。
上述に示すような構成として得られた熱転写受像シートを用いて、熱転写シート20と共に使用することで、印画シワを低減し、異常転写なく、十分な印画濃度を有する印画物を提供することができる。
(熱転写シート)
本発明の熱転写受像シート10と共に用いられる熱転写シート20の構成例を図2に断面図として示した。
図2に示すように、熱転写シート20は、基材21の一方の面に色相の異なる昇華性染料層23と離型層27とが面順次に形成され、他方の面には耐熱滑性層22が形成されてなる昇華性熱転写シートであって、離型層27の上には、剥離層26と接着層25とが順次積層されてなる熱転写性保護層24が形成されている。
熱転写性保護層24は接着層25と剥離層26とで構成され、接着性25は被転写体との接着性を調整するための層であり、剥離層26は熱転写記録時に離型層27から接着層25が容易に剥離できるようにすると共に、熱転写記録後の耐摩擦性などの耐久性を付与するための層である。
離型層27は熱転写記録時に剥離強度を適度な範囲内に調整し、剥離層26の安定的な離型性を確保することができる。
基材21は、熱転写記録時における熱圧で軟化変形しない耐熱性と強度が要求されるため、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリプロピレン、セロファン、アセテート、ポリカーボネート、ポリサルフォン、ポリイミド、ポリビニルアルコール、芳香族ポリアミド、アラミド、ポリスチレン等の合成樹脂からなるフィルムや、コンデンサー紙、パラフィン紙などの紙類等を単独であるいは組み合わされた複合体として使用することができる。
中でも、物性面、加工性、コスト面などを考慮するとポリエチレンテレフタレートフィルムが好ましい。
また、その厚さは、操作性、加工性を考慮し、2μm以上50μm以下の範囲のものを使用することができるが、転写適性や加工性等のハンドリング性を考慮すると、2μm以上12μm以下程度のものが好ましい。
上述のような基材21の一方の面に設けられる耐熱滑性層22は、サーマルヘッドの熱
による基材の熱収縮やサーマルヘッドとの摩擦による基材の破断を防止するためのものであり、耐熱性に優れたバインダ樹脂からなっている。
バインダ樹脂の例としては、セルロース系樹脂、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、ビニル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリエーテル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、アセタール系樹脂等が挙げられる。
耐熱滑性層22の厚さは、0.1μm以上2.5μm以下が好ましく、更に0.5μm以上1.5μm以下程度であることが好ましい。
また、耐熱滑性層22には、滑剤、硬化剤、粒子等の添加剤を含有していても良い。
滑剤としては、例えば、動物系ワックス、植物系ワックス等の天然ワックス類、合成炭化水素系ワックス類、脂肪族アルコールと酸系ワックス、脂肪酸エステルとグリセライト系ワックス、合成ケトン系ワックス、アミンおよびアマイド系ワックス、塩素化炭化水素系ワックス、アルファーオレフィン系ワックス等の合成ワックス、ステアリン酸ブチル、オレイン酸エチル等の高級脂肪酸エステル、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸カリウム、ステアリン酸マグネシウム等の高級脂肪酸金属塩、長鎖アルキルリン酸エステル、ポリオキシアルキレンアルキルアリールエーテルリン酸エステルまたは、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルリン酸エステル等のリン酸エステルなどの界面活性剤などが挙げられる。
また、硬化剤としては、例えば、ポリイソシアネートなどを挙げることができ、アクリル系、ウレタン系、ポリエステル系のポリオール樹脂やセルロース系樹脂、アセタール樹脂等のバインダ樹脂との組合せで用いられる。
また、粒子としては、有機系粒子または無機系粒子のいずれも用いることができ、具体的には、シリカ粒子、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、タルク、カオリン、クレー、シリコーン粒子、ポリエチレン粒子、ポリプロピレン粒子、ポリスチレン粒子、ポリメチルメタクリレート樹脂粒子、ポリウレタン樹脂粒子などを例示することができる。また、これら粒子は1種類でも2種類以上を混ぜ合わせて用いてもよい。
昇華性染料層23は、昇華性染料とバインダ樹脂とからなり、必要に応じて離型剤などを添加することができる。
使用可能な離型剤としては、従来公知のシリコーン系化合物、フッ素系化合物、またはワックス類などを挙げることができる。
昇華性染料としては、主に昇華性分散染料が好ましく、公知の昇華性分散染料を用いることができる。
例えば、ジアリールメタン系、トリアリールメタン系、チアゾール系、メチン系、アゾメタン系、キサンテン系、アキサジン系、チアジン系、アジン系、アクリジン系、アゾ系、スピロジピラン系、イソドリノスピロピラン系、フルオラン系、ローダミンダクタム系、アントラキノン系などの分散染料を挙げることができる。
より具体的には、イエロー成分では、C.I.ソルベントイエロー14、16、29、30、33、56、93等、C.I.ディスパールイエロー7、33、60、141、201、231等があり、マゼンタ成分としては、C.I.ソルベントレッド18、19、27、143、182、C.I.ディスパースレッド60、73、135、167、C.I.ディスパースバイオレット13、26、31、56等がある。
シアン成分としては、C.I.ソルベントブルー11、36、63、105、C.I.ディパースブルー24、72、154、354等を挙げることができるが、いずれもこれらに限定されるものではない。
また、これらの昇華性染料は、単体で使用しても良く、複数の組合せとして使用しても良い。
バインダ樹脂としては、従来公知のものが使用でき、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアセタール、ポリビニルブチラール等のビニル系樹脂、エチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース等のセルロース系樹脂、ポリエステル樹脂、フェノキシ樹脂、スチレン−アクリルニトリル共重合体樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアクリルアミド樹脂等の耐熱性、昇華性染料移行性等に優れる樹脂が使用できる。
熱転写性保護層24を構成する接着層25に用いられる樹脂としては、熱溶融性以外に限定されるものではないが、例として、ポリスチレン、ポリα−メチルスチレン等のスチレン系樹脂、ポリメタクリル酸メチル、ポリアクリル酸エチル等のアクリル系樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルブチラール、ポリビニルアセタール等のビニル系樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、石油樹脂、アイオノマー、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体等の合成樹脂、ニトロセルロース、エチルセルロース、セルロースアセテートプロピオネート等のセルロース誘導体、ロジン、ロジン変性マレイン酸樹脂、エステルガム、ポリイソブチレンゴム、ブチルゴム、スチレン−ブタジエンゴム、ブタジエン−アクリロニトリルゴム、ポリ塩素化オレフィン等の天然樹脂や合成ゴムの誘導体、カルナバワックス、パラフィンワックス等のワックス類などを挙げることができる。
また、接着層25は、必要に応じて、紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤、触媒促進剤、着色剤、艶調整剤、蛍光増白剤等の機能性添加剤を添加することができる。
接着層25の膜厚は、バインダ樹脂の種類にもよるが、0.5μm以上3.0μm以下程度とすることができる。
また同じく熱転写性保護層24を構成する剥離層26は、バインダ樹脂と機能性添加剤とを含み、その膜厚は0.3μm以上3μm以下程度であれば良い。
剥離層26に用いられるバインダ樹脂としては、熱溶融性のポリスチレン、ポリαメチルスチレン等のスチレン樹脂、ポリメタクリル酸メチル、ポリアクリル酸エチル等のアクリル系樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルブチラール、ポリビニルアセタール等のビニル系樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、石油樹脂、アイオノマー、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体等の合成樹脂、ニトロセルロース、エチルセルロース、セルロースアセテートプロピオネート等のセルロース誘導体、ロジン、ロジン変性マレイン酸樹脂、エステルガム、ポリイソブチレンゴム、ブチルゴム、スチレン−ブタジエンゴム、ブタジエン−アクリロニトリルゴム、ポリ塩素化オレフィン等の天然樹脂や合成ゴムの誘導体、カルナバワックス、パラフィンワックス等のワックス類などを挙げることができる。中でも、アクリル系樹脂、セルロース誘導体は好適に用い
られる。
また、機能性添加剤の一例としては、シリコーンオイル、リン酸エステル系に代表される離型剤、ワックスに代表される滑り剤、紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤、蛍光増白剤等を挙げることができる。
離型剤27に用いられるバインダ樹脂としては、特に限定されるものではないが、例えば、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、澱粉、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム等の水溶性高分子、塩化ゴム、環化ゴム等の天然ゴム誘導体、天然ワックス、合成ワックス等のワックス類、ニトロセルロース、セルロース、セルロースアセテートプロピオネート等の繊維素誘導体、アクリル系、ポリウレタン系、ポリアミド系、ポリイミド系、ポリアセタール系、塩素化ポリオレフィン系、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体等の熱可塑性樹脂、メラミン系、エポキシ系、ポリウレタン系、シリコーン系等の熱硬化性樹脂等を挙げることができる。
また、上述の熱転写性保護層24または離型層27のいずれかの層には、電荷制御剤などが添加されてあってもよい。
電荷制御剤としては、正帯電用の電荷制御剤としては、アジン系化合物、スチレンアクリル系ポリマー、アゾ含金属化合物などが挙げられ、負帯電用の電荷制御剤としては、アゾ含金属化合物、サリチル酸系化合物、スチレンアクリル系ポリマーなどが挙げられる。
以下、実施例について詳細に説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。各実施例並びに比較例で用いた熱転写受像シートの染料受容層構成例を、表1に示した。
Figure 0006834404
(実施例1)
〔熱転写受像シートの作製〕
基材シートとして厚さ140μmの長尺の上質紙を使用し、溶融押出し法により裏面層として厚さ30μmのポリエチレン樹脂層を形成した。
次に、基材のポリエチレン樹脂層側とは反対側の面と反対側の面と多孔質層との間に、ポリエチレン樹脂を溶融押出しして厚さ15μmのポリエチレン樹脂層を形成し、サンドラミ方式にて、前記基材シートと多孔質層とを貼りあわせた。なお、多孔質層としては、厚さ40μmの発泡ポリプロピレンフィルムの片面にスキン層を設けたものを使用し、そのスキン層を設けていない面に前記ポリエチレン樹脂を溶融押出しして貼りあわせた。
次に、多孔質層上に、水性エマルジョンからなる下記下地層コーティング剤を、乾燥後の厚みが、0.5μmとなるように塗布、乾燥することで、下地層を形成した。
更に、その下地層の上に、水性エマルジョンからなる下記染料受容層コーティング剤を、乾燥厚みが3μmとなるように塗布、乾燥することで、染料受容層を形成した。
尚、文中で「部」とあるのは、特に断りの無い限り、質量基準である。
<下地層コーティング剤>
ポリオレフィンエマルジョン 20部
(アローベースSB−1010、ユニチカ(株)製)
塩化ビニル共重合エマルジョン 20部
(ビニブラン603、日信化学工業(株)製)
トリプロピレングリコールモノメチルエーテル 4部
純水 56部
<染料受容層コーティング剤−1>
塩化ビニル共重合体エマルジョン 100部(主剤換算)
(ビニブラン701、日信化学工業(株)製)
変性シリコーンオイル 5部(主剤換算)
(KF352A、信越化学工業(株)製)
アジリジン系架橋剤 5部(主剤換算)
(PZ−33、(株)日本触媒 製)
希釈用純水 23.3部
(実施例2)
実施例1で作製した熱転写受像シートにおいて、染料受容層を下記組成の染料受容層コーティング剤−2にした以外は、実施例1と同様にして、実施例2の熱転写受像シートを得た。
<染料受容層コーティング剤−2>
塩化ビニル共重合体エマルジョン 100部(主剤換算)
(ビニブラン701、日信化学工業(株)製)
変性シリコーンオイル 3部(主剤換算)
(KF352A、信越化学工業(株)製)
アジリジン系架橋剤 10部(主剤換算)
(PZ−33、(株)日本触媒 製)
希釈用純水 30.3部
(実施例3)
実施例1で作製した熱転写受像シートにおいて、染料受容層を下記組成の染料受容層コーティング剤−3とした以外は、実施例1と同様にして、実施例3の熱転写受像シートを得た。
<染料受容層コーティング剤−3>
塩化ビニル共重合体エマルジョン 100部(主剤換算)
(ビニブラン701、日信化学工業(株)製)
変性シリコーンオイル 10部(主剤換算)
(KF352A、信越化学工業(株)製)
アジリジン系架橋剤 3部(主剤換算)
(PZ−33、(株)日本触媒 製)
希釈用純水 30.3部
(実施例4)
実施例1で作製した熱転写受像シートにおいて、染料受容層を下記組成の染料受容層コーティング剤−4とした以外は、実施例1と同様にして、実施例4の熱転写受像シートを得た。
<染料受容層コーティング剤−4>
塩化ビニル共重合体エマルジョン 100部(主剤換算)
(ビニブラン701、日信化学工業(株)製)
変性シリコーンオイル 2部(主剤換算)
(KF352A、信越化学工業(株)製)
アジリジン系架橋剤 10部(主剤換算)
(PZ−33、(株)日本触媒 製)
希釈用純水 28部
(実施例5)
実施例1で作製した熱転写受像シートにおいて、染料受容層を下記組成の染料受容層コーティング剤−5とした以外は、実施例1と同様にして、実施例5の熱転写受像シートを得た。
<染料受容層コーティング剤−5>
塩化ビニル共重合体エマルジョン 100部(主剤換算)
(ビニブラン701、日信化学工業(株)製)
変性シリコーンオイル 5部(主剤換算)
(KF352A、信越化学工業(株)製)
アジリジン系架橋剤 14部(主剤換算)
(PZ−33、(株)日本触媒 製)
希釈用純水 44.3部
(実施例6)
実施例1で作製した熱転写受像シートにおいて、染料受容層を下記組成の染料受容層コーティング剤−6とした以外は、実施例1と同様にして、実施例6の熱転写受像シートを得た。
<染料受容層コーティング剤−6>
塩化ビニル共重合体エマルジョン 100部(主剤換算)
(ビニブラン701、日信化学工業(株)製)
変性シリコーンオイル 10部(主剤換算)
(KF352A、信越化学工業(株)製)
オキサゾリン系架橋剤 10部(主剤換算)
(K2030E、(株)日本触媒 製)
希釈用純水 31.7部
(実施例7)
実施例1で作製した熱転写受像シートにおいて、染料受容層を下記組成の染料受容層コーティング剤−7とした以外は、実施例1と同様にして、実施例7の熱転写受像シートを得た。
<染料受容層コーティング剤−7>
塩化ビニル共重合体エマルジョン 100部(主剤換算)
(ビニブラン701、日信化学工業(株)製)
変性シリコーンオイル 10部(主剤換算)
(KF352A、信越化学工業(株)製)
オキサゾリン系架橋剤 20部(主剤換算)
(K2030E、(株)日本触媒 製)
希釈用純水 40部
(実施例8)
実施例1で作製した熱転写受像シートにおいて、染料受容層を下記組成の染料受容層コ
ーティング剤−8とした以外は、実施例1と同様にして、実施例8の熱転写受像シートを得た。
<染料受容層コーティング剤−8>
塩化ビニル共重合体 100部(主剤換算)
(ソルバインA、日信化学工業(株)製)
変性シリコーンオイル 1部(主剤換算)
(KF352A、信越化学工業(株)製)
イソシアネート化合物 1部(主剤換算)
(DN−950、DIC(株)製)
希釈用溶剤(IPA) 11部
(比較例1)
実施例1で作製した熱転写受像シートにおいて、染料受容層を下記組成の染料受容層コーティング剤−9とした以外は、実施例1と同様にして、比較例1の熱転写受像シートを得た。
<染料受容層コーティング剤−9>
塩化ビニル共重合体エマルジョン 100部(主剤換算)
(ビニブラン701、日信化学工業(株)製)
変性シリコーンオイル 0部(主剤換算)
アジリジン系架橋剤 0部(主剤換算)
希釈用純水 0部
(比較例2)
実施例1で作製した熱転写受像シートにおいて、染料受容層を下記組成の染料受容層コーティング剤−10とした以外は、実施例1と同様にして、比較例2の熱転写受像シートを得た。
<染料受容層コーティング剤−10>
塩化ビニル共重合体エマルジョン 100部(主剤換算)
(ビニブラン701、日信化学工業(株)製)
変性シリコーンオイル 13部(主剤換算)
(KF352A、信越化学工業(株)製)
アジリジン系架橋剤 10部(主剤換算)
(PZ−33、(株)日本触媒 製)
希釈用純水 53.7部
(比較例3)
実施例1で作製した熱転写受像シートにおいて、染料受容層を下記組成の染料受容層コーティング剤−11とした以外は、実施例1と同様にして、比較例3の熱転写受像シートを得た。
<染料受容層コーティング剤−11>
塩化ビニル共重合体エマルジョン 100部(主剤換算)
(ビニブラン701、日信化学工業(株)製)
変性シリコーンオイル 5部(主剤換算)
(KF352A、信越化学工業(株)製)
アジリジン系架橋剤 1部(主剤換算)
(PZ−33、(株)日本触媒 製)
希釈用純水 14部
〔熱転写シートの作製〕
基材として、厚み4.5μmのポリエステルフィルムを用いて、グラビアコート法により、一方の面に、所定の位置にそれぞれ用意された昇華性染料層形成用イエローインク、昇華性染料層形成用マゼンタインク、昇華性染料層形成用シアンインクを用いて、昇華性染料層を各厚み0.8μmで、面順次に形成し、各昇華性染料層を得た。
更に、離型層形成用インクを用いて、離型層を乾燥膜厚0.5μmで形成した後、その離型層上に、剥離層形成用インクを用いて、剥離層を乾燥膜厚0.6μmで形成し、更に剥離層上に、接着層形成用インクを用いて、接着層を乾燥膜厚0.8μmで形成することで、昇華性の熱転写シートを得た。
また、基材の他方の面には、耐熱滑性層形成用インクを用いて、乾燥膜厚1.3μmで形成して耐熱滑性層とした。
<耐熱滑性層形成用インク>
アクリルポリオール樹脂 15.0部
ステアリン酸亜鉛 1.5部
ポリオキシアルキレンアルキルエーテル 1.5部
タルク 1.0部
2,6−トリレンジイソシアネート 5.0部
トルエン 50.0部
メチルエチルケトン 20.0部
酢酸エチル 6.0部
<昇華性染料層形成用イエローインク>
C.I.ソルベントイエロー93 0.6部
C.I.ソルベントイエロー16 3.6部
ポリビニルブチラール樹脂 5.4部
シリコーンオイル 0.4部
メチルエチルケトン 60.0部
トルエン 30.0部
<昇華性染料層形成用マゼンタインク>
C.I.ディスパースレッド60 6.0部
C.I.ディスパースバイオレット26 1.0部
ポリビニルブチラール樹脂 5.0部
シリコーンオイル 0.5部
メチルエチルケトン 58.5部
トルエン 29.0部
<昇華性染料層形成用シアンインク>
C.I.ソルベントブルー36 6.9部
C.I.ソルベントブルー63 2.5部
ポリビニルブチラール樹脂 5.0部
シリコーンオイル 0.6部
メチルエチルケトン 57.0部
<離型層形成用インク>
酢酸セルロース 20.0部
メチルエチルケトン 80.0部
<剥離層形成用インク>
アクリル樹脂 19.0部
シリコーンオイル 1.0部
トルエン 40.0部
メチルエチルケトン 40.0部
<接着層形成用インク>
アクリル樹脂 20.0部
メチルエチルケトン 80.0部
〔評価方法〕
上記で作製した熱転写受像シートならびに熱転写シートを用いて、(1)静摩擦係数評価、(2)印画シワ評価、(3)異常転写評価、(4)最高濃度評価、(5)環境負荷評価を実施した。
(1)静摩擦係数評価
上記で作製した熱転写受像シートならびに熱転写シートを、室温(23℃、50%RH)環境下と高温多湿(40℃、80%RH)環境下で、24時間調湿した後、熱転写シートを200mm×30mmに切り出し、昇華性染料層が外側になるように200gの分銅に固定する。
次いで、所定の環境で熱転写受像シートを200mm×90mmに切り出し、(株)東洋精機製作所製摩擦測定器に染料受容層を外側にして設置し、分銅に固定した熱転写シートを設置して、分銅が滑り出す角度から静摩擦係数を算出する。
室温環境下で測定した静摩擦係数をμ1とし、高温多湿環境下で測定した静摩擦係数をμ2とした。
(2)印画シワ評価
上記で作製した熱転写受像シートおよび熱転写シートについて、評価用サーマルプリンタを用いて、40℃、80%RHの環境下で、白黒画像、黒画像、白画像、自然画画像、グラデーション画像を連続で印画し、目視にて印画物にシワが発生しているかを確認した。
○ : 印画物にシワが発生していなかった。
× : 印画物にシワが発生していた。
− : 印画することができなかった。
(3)異常転写評価
上記で作製した熱転写受像シートおよび熱転写シートについて、評価用サーマルプリンタを用いて、40℃、80%RHならびに23℃、50%RHの環境下において、グラデーション画像を連続で印画し、目視にて印画物に異常転写が発生しているかを確認した。
○ : 印画物に異常転写は発生していなかった。
△ : 印画物にごくわずかな異常転写が発生していた。
× : 印画物の全面に異常転写が発生していた。
− : 印画することができなかった。
尚、本評価においては、△以上であれば、実運用上問題ないレベルである。
(4)最高濃度評価
上記で作製した熱転写受像シートおよび熱転写シートについて、評価用サーマルプリンタにて黒ベタ画像を印画し、分光濃度計(SDG(株)製 X−Rite528)を用いて最高反射濃度を測定した。
○ : 最高濃度が1.8以上であった。
△ : 最高濃度が1.7以上であった。
− : 印画することができなかった。
(5)環境負荷評価
環境配慮の観点から、塗料溶媒中に含まれる有機溶剤の質量%について、比較をおこなった。
○ : 有機溶剤の質量%が20%未満である。
△ : 有機溶剤の質量%が20%以上である。
上記の各評価の結果を表2に示す。
Figure 0006834404
表2の結果より、比較例1から、熱転写受像シートの染料受容層に架橋剤および変性シリコーンを添加していない場合には、印画すらできないことがわかる。
また、比較例2および比較例3より、高温多湿環境下における静摩擦係数(μ2)が、0.9よりも高い数値を示し、|μ1−μ2|が0.5より大きい数値を示すものについては、印画シワが発生していることがわかる。比較例3では、更に異常転写も発生していることがわかった。
更に、比較例2から判るとおり、離型剤である変性シリコーンオイルの添加量が、塩化ビニル系樹脂に対して、10質量%を超えると、静摩擦係数の室温環境下と高温多湿環境下との差が大きくなりすぎ、印画シワが発生しやすい傾向となっている。
また、実施例8の溶剤系の染料受容層コーティング剤を用いた場合には、印画時における機能面での問題は見出せないが、溶剤を使用するということで、環境負荷の観点からすると、水分散系の染料受容層コーティング剤を用いることが望ましいと言える。
実施例6および実施例7から、架橋剤としてオキサゾリン系化合物を用いても良好な結果が得られることが示されたが、多くの添加量を要することも確認された。
このことから、架橋剤としては、アジリジン系化合物を用いることが、より望ましいと言える。
以上のように、本発明の熱転写受像シートを用いることにより、高温多湿の環境下であっても、印画シワの発生を無くし、異常転写を抑えて、十分な印画濃度も得られる昇華転写法による印画物を提供するができる。
10 … 熱転写受像シート
11 … 基材シート
12 … 背面層
13 … 多孔質層
14 … 下地層
15 … 染料受容層
20 … 熱転写シート
21 … 基材
22 … 耐熱滑性層
23 … 昇華性染料層
24 … 熱転写性保護層
25 … 接着層
26 … 剥離層
27 … 離型層

Claims (1)

  1. 少なくとも、背面層、基材シート、多孔質層、および染料受容層がこの順に積層されてなる熱転写受像シートと、
    基材の一方の面に少なくとも昇華性染料層を有し、前記基材の他方の面に少なくとも耐熱滑性層を有する熱転写シートと、の組合せからなる熱転写記録材料であって、
    前記熱転写受像シートの染料受容層が、塩化ビニル系樹脂と架橋剤、変性シリコーンオイルを含有してなり、
    前記塩化ビニル系樹脂が水系分散型の塩化ビニル系樹脂であり
    前記変性シリコーンオイルが、前記塩化ビニル系樹脂に対して、質量基準で3%以上10%以下の割合で配合されており、
    前記架橋剤がアジリジン系化合物であり、前記塩化ビニル系樹脂に対して、質量基準で3%以上10%以下の割合で配合されており、
    前記染料受容層と前記昇華性染料層との室温環境(23℃、50%RH)における静摩擦係数(μ1)と、高温多湿環境(40℃、80%RH)における静摩擦係数(μ2)との差が、下記式1を充たしていることを特徴とする熱転写記録材料。
    |μ1−μ2|≦0.5 … (式1)
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