JP6834346B2 - 画像形成装置及び画像安定化方法 - Google Patents

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Description

本発明は、画像形成装置及び画像安定化方法に関する。
電子写真方式の画像形成装置では、同じ画像を形成しても環境の変化や稼働状況等によってトナーの付着量が変動し、文字や図形等の線幅が異なることがある。そこで、感光体上に形成した画像のトナーの付着量を光学センサーにより検出し、この光学センサーからの出力値が目的のトナーの付着量が得られるときの目標値となるように、現像バイアス電位や書き込み光量等の画像形成条件を調整することにより、形成する画像の安定化を図っている(例えば、特許文献1参照。)。
トナーの付着領域は面積が同じでも高さが高い方がトナーの付着量が多いため、転写及び定着のプロセスにおいて押しつぶされて文字や図形の線幅が太くなることがある。一方、光学センサーは、トナーの付着量をトナーの付着領域における反射光の光量によって検出するため、トナーの付着領域の面積に対する感度が高く、その高さに対する感度は低いという特徴がある。トナーの付着領域の面積が同じであれば、高さによらず同じ出力値を出力するため、光学センサーの出力値によって、感光体上の画像の線幅を一定に制御できても、転写及び定着のプロセスを経た後の用紙上の画像の線幅は変動してしまうことがあった。
特開2014−222270号公報
本発明の課題は、用紙上の画像の安定化の精度を高めることである。
請求項1に記載の発明によれば、
画像データに画像処理を施す画像処理部と、
前記画像処理後の画像データに応じて変調したレーザービームにより、帯電した感光体の表面を露光して静電潜像を形成し、当該感光体上に現像スリーブによりトナーを供給して現像した画像を用紙上に転写し、定着処理する画像形成部と、
前記定着処理前のトナーの付着量を検出するセンサーと、
前記センサーの出力値に応じて、前記画像形成部における画像形成条件を調整する制御部と、を備え、
前記制御部は、前記画像形成部における少なくとも現像バイアス電位と露光後の前記感光体の表面電位との差を含む現像条件により前記定着処理前のトナーの付着領域の高さを推定し、推定した高さと前記センサーの出力値とに応じて前記画像形成条件の調整を行うことを特徴とする画像形成装置が提供される。
請求項2に記載の発明によれば、
前記制御部は、前記現像条件として、設定又は検出された現像条件を取得し、あらかじめ求められている現像条件とトナーの付着領域の高さとの相関から、取得した現像条件に対応するトナーの付着領域の高さを推定することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置が提供される。
請求項3に記載の発明によれば、
前記画像形成部は、現像条件を変更してテストパターンを前記感光体上に形成し、
前記制御部は、前記テストパターンに対する前記センサーの出力値から、前記トナーの付着領域の高さを推定することを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置が提供される。
請求項4に記載の発明によれば、
前記テストパターンは、ドットパターン又はラインパターンであることを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置が提供される。
請求項5に記載の発明によれば、
前記ドットパターンのドット径又は前記ラインパターンの線幅は、前記センサーの検出範囲より小さいことを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置が提供される。
請求項6に記載の発明によれば、
前記センサーは、少なくとも光学センサーを含む非接触型のセンサーであることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の画像形成装置が提供される。
請求項7に記載の発明によれば、
前記制御部は、
前記レーザービームの書き込み光量の調整量又は目的のドット径に制御するために前記センサーの出力値に応じて書き込み光量を決定するときの前記センサーの出力値の目標値の調整量と、前記感光体の帯電電位の調整量の少なくとも1つを、前記推定したトナーの付着領域の高さに応じて決定し、
前記センサーの出力値に応じて画像形成条件を調整した後、前記高さに応じて決定した調整量だけ前記レーザービームの書き込み光量又は前記帯電電位の条件をさらに調整するか、又は目的のドット径に制御するために前記センサーの出力値に応じて書き込み光量を決定するときの前記センサーの出力値の目標値を、決定した調整量だけ調整して書き込み光量の決定を行うことを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の画像形成装置が提供される。
請求項8に記載の発明によれば、
前記制御部は、前記レーザービームの書き込み光量、前記センサーの出力値の目標値又は前記帯電電位の調整量を決定した場合、画像の最大濃度が一定となるように、前記決定した調整量に応じて、目的の最大濃度に制御するために前記センサーの出力値に応じて現像バイアス電位を決定するときの前記センサーの出力値の目標値又は前記現像スリーブの駆動速度を補正することを特徴とする請求項7に記載の画像形成装置が提供される。
請求項9に記載の発明によれば、
前記制御部は、前記画像の輪郭又はその背景の輪郭の画素値の調整量を、前記推定したトナーの付着領域の高さに応じて決定し、
前記画像処理部は、前記画像の輪郭又は前記背景の輪郭の画素値を、前記制御部により決定した調整量だけ調整する画像処理を施すことを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の画像形成装置が提供される。
請求項10に記載の発明によれば、
前記制御部は、前記用紙の種類に応じて、前記調整量を補正することを特徴とする請求項7〜9のいずれか一項に記載の画像形成装置が提供される。
請求項11に記載の発明によれば、
前記定着処理前のトナーの付着量は、前記感光体上のトナーの付着量であることを特徴とする請求項1〜10のいずれか一項に記載の画像形成装置が提供される。
請求項12に記載の発明によれば、
画像データに応じて変調したレーザービームにより、帯電した感光体の表面を露光して静電潜像を形成し、当該感光体上に現像スリーブによりトナーを供給して現像した画像を用紙上に転写し、定着処理する画像形成部において、基準パッチを形成するステップと、
前記基準パッチを形成したときの前記定着処理前のトナーの付着量をセンサーにより検出するステップと、
前記画像形成部における少なくとも現像バイアス電位と露光後の前記感光体の表面電位との差を含む現像条件により前記定着処理前のトナーの付着領域の高さを、制御部により推定するステップと、
前記推定した高さと前記センサーの出力値とに応じて、前記制御部により前記画像形成部における画像形成条件の調整を行うステップと、
を含むことを特徴とする画像安定化方法が提供される。
本発明によれば、用紙上の画像の安定化の精度を高めることができる。
本発明の実施の形態である画像形成装置の主な構成を機能ごとに示すブロック図である。 画像形成部の構成例を示す正面図である。 トナーの付着領域の高さが異なる2つのラインパターンを示す図である。 感光体上に2つのラインパターンをその線幅を変えて形成したときのセンサーの出力値を示すグラフである。 感光体から用紙上に転写及び定着した2つのラインパターンの線幅の測定値を示すグラフである。 画像形成装置において、画像形成条件を調整するときの処理手順を示すフローチャートである。 センサーの出力値の目標値によって決定するレーザービームの書き込み光量を示すグラフである。 ラインパターンの画素値の調整例を示す図である。 レーザービームの書き込み光量と露光電位の相関を示すグラフである。 センサーの出力値の目標値によって決定する現像バイアス電位を示すグラフである。 エッジ効果が大きいときの画像部と非画像部の電位を示すグラフである。 エッジ効果が小さいときの画像部と非画像部の電位を示すグラフである。 エッジ効果の大きさが異なる条件下で、現像スリーブに印加する交流電圧Vp−pを異ならせて、テストパターンを形成したときのセンサーの出力値を示すグラフである。 エッジ効果の大きさが異なる条件下で、現像スリーブに印加する交流電圧のデューティ比を異ならせて、テストパターンを形成したときのセンサーの出力値を示すグラフである。 エッジ効果の大きさが異なる条件下で、現像スリーブの駆動速度を異ならせて、テストパターンを形成したときのセンサーの出力値を示すグラフである。 交流電圧Vp−pが適正範囲内にあるときとないときのテストパターンの例を示す図である。 テストパターンを例示する図である。
以下、本発明の画像形成装置及び画像安定化方法の実施の形態について、図面を参照して説明する。
図1は、本発明の実施の形態の画像形成装置Gの主な構成を機能ごとに示している。
図1に示すように、画像形成装置Gは、制御部11、記憶部12、操作部13、表示部14、通信部15、画像生成部16、画像読取部17、画像メモリー18、画像処理部19、画像形成部20、センサー30等を備えて構成されている。
制御部11は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)等を備えて構成され、記憶部12から各種プログラムを読み出して実行することにより、各部を制御する。
例えば、制御部11は、画像生成部16又は画像読取部17により生成され、画像メモリー18に保持された画像データを、画像処理部19により画像処理させて、画像処理後の画像データに基づいて、画像形成部20により用紙上に画像を形成させる。
また、制御部11は、画像形成部20により形成する画像の安定化制御を実施する。安定化制御時、制御部11は、画像形成部20の現像条件によりトナーの付着領域の高さを推定し、画像形成部20により基準パッチを形成したときのセンサー30の出力値と、推定した高さとに応じて、画像形成部20における画像形成条件を調整する。
記憶部12は、制御部11により読み取り可能なプログラム、プログラムの実行時に用いられるファイル等を記憶している。記憶部12としては、ハードディスク等の大容量メモリーを用いることができる。
操作部13は、ユーザーの操作に応じた操作信号を生成し、制御部11に出力する。操作部13としては、キーパッド、表示部14と一体に構成されたタッチパネル等を用いることができる。
表示部14は、制御部11の指示にしたがって操作画面等を表示する。表示部14としては、LCD(Liquid Crystal Display)、OELD(Organic Electro Luminescence Display)等を用いることができる。
通信部15は、ネットワーク上の外部装置、例えばユーザー端末、サーバー、他の画像形成装置等と通信する。
通信部15は、ネットワークを介してユーザー端末等から、画像を形成する指示内容がページ記述言語(PDL:Page Description Language)で記述されたデータ(以下、PDLデータという)を受信する。
画像生成部16は、通信部15により受信したPDLデータをラスタライズ処理し、ビットマップ形式の画像データを生成する。画像データの各画素が有する画素値は、画像の濃淡を表すデータ値であり、例えば8ビットのデータ値は0〜255階調の濃淡を表す。
画像生成部16は、画像データの各画素の属性を示す属性データを生成することができる。
例えば、画像生成部16は、ラスタライズ処理時に、PDLデータ中の文字コードの記述にしたがって描画した、かな、アルファベット、数字等の画像の各画素の属性を文字(Text)と決定することができる。また、画像生成部16は、DXF、SVG、WMF等のベクター形式の記述にしたがって描画した多角形、円、罫線等の画像の各画素の属性を図形(Graphics)と決定し、JPEG形式のファイルにより描画した写真画像等の画像の属性を写真(Image/Photo)と決定することができる。
画像読取部17は、スキャナーにより原稿面を読み取って、ビットマップ形式の画像データを生成する。画像読取部17は、スキャナーや自動原稿送り装置(ADF:Automatic Document Feeder)等を備えて構成することができる。
画像メモリー18は、画像生成部16により生成された画像データを一時的に保持するバッファーメモリーである。画像メモリー18としては、DRAM(Dynamic RAM)等を用いることができる。
画像処理部19は、画像メモリー18から画像データを読み出して、当該画像データに濃度補正処理や中間調処理、細線化(太線化)処理等の各種画像処理を施す。濃度補正処理は、用紙上に形成した画像の濃度特性が目的の濃度特性となるように、画像データの各画素の画素値を変換する処理である。中間調処理は、ディザ法を用いたスクリーン処理や誤差拡散処理等の疑似的に多階調の中間調を再現するための処理である。細線化(太線化)処理は、文字や図形等の画像の輪郭又はその背景の輪郭の画素値を調整して、画像の幅を細く又は太く調整する処理である。
画像形成部20は、電子写真方式により用紙上に画像を形成する。
図2は、モノクロ画像を形成する場合の画像形成部20の構成の一例を示している。
画像形成部20は、図2に示すように、露光部2a、感光体2b、現像部2c、帯電部2d、クリーニング部2e、転写体22、転写ローラー23等を備えている。露光部2a、現像部2c、帯電部2d及びクリーニング部2eは、感光体2b表面の周囲に配置され、転写ローラー23はベルト状の転写体22を介して感光体2bに圧接可能に配置されている。
画像形成時、帯電部2dにより感光体2bを帯電させた後、画像データの各画素値に応じて変調したレーザービームを露光部2aから出射し、回転する感光体2b上を露光走査して静電潜像を形成する。現像部2cでは、スクリュー2ca、2cb及び2ccにより撹拌した容器内のトナーを、現像スリーブ2cdにより感光体2b上に供給して、感光体2b上の静電潜像を現像する。転写ローラー23は感光体2bに圧接し、感光体2bと転写体22間に給紙された用紙上に、感光体2bの回転によって転写ローラー23の位置に到達した画像を転写する。転写後、クリーニング部2eにおいて感光体2b上に残留するトナーを除去する。
カラー画像を形成する場合は、画像形成部20は、露光部2a、感光体2b、現像部2c、帯電部2d、クリーニング部2e等を1つの書き込みユニットとして色ごとに備え、各書き込みユニットの感光体2b上にC(シアン)、M(マジェンタ)、Y(イエロー)及びK(黒)のトナーによって各色の画像を形成する。各感光体2b上の画像を中間転写ベルト等の転写体上に重ねて転写(1次転写)し、転写体から用紙へとさらに転写(2次転写)することで、カラー画像を形成することができる。
センサー30は、図2に示すように、感光体2bの回転方向において現像部2cと転写体22の間に配置され、感光体2b上のトナー付着量を感光体2b上に形成した画像の濃度として検出する。センサー30としては、感光体2b上の画像を阻害しないことから非接触型のセンサーが好ましく、非接触型のセンサーのなかでも光学センサーが一般的に普及しており、好ましい。
なお、カラー画像の場合は、各色の混色の濃度を検出するため、中間転写ベルト上のトナーの付着量をセンサー30により検出するようにしてもよい。
上記画像形成装置Gでは、環境条件の変化や稼働状況等によらず、形成する画像を安定化させるため、センサー30により感光体2b上のトナーの付着量を検出し、このセンサー30からの出力値に応じて、現像バイアス電位やレーザービームの書き込み光量等の画像形成条件を調整している。
感光体2b上でのトナーの付着領域の面積が同じであっても高さが異なる場合、高さが高い方がトナーの付着量が多いため、転写及び定着のプロセスにおいて加圧及び加熱されたときに押しつぶされて面積が増え、画像の線幅が太ることがある。しかしながら、センサー30、特に光学センサーは、光を照射したときの反射光の光量をトナーの付着量として検出するため、トナーの付着領域の面積に対する感度は高いが、高さに対する感度は低い。面積が同じであれば高さによらず同じ出力値を出力するため、センサー30の出力値によって、感光体2b上の画像の線幅を安定化させることはできるが、転写及び定着のプロセスを経た後の用紙上の画像の線幅は変動することがある。
図3は、トナーの付着領域の高さが異なる2つのラインパターンA及びBの例を示している。図3において、左側のグラフは感光体2b上のラインパターンA及びBのトナーの付着領域の高さを示し、右側のグラフは転写及び定着プロセス後の用紙上のラインパターンA及びBのトナーの付着領域の高さを示している。
図3に示すように、感光体2b上の2つのラインパターンA及びBは、トナーの付着領域の面積が同じであり、いずれも同じ線幅dw0であるが、トナーの付着領域の高さがそれぞれh1及びh2(h1>h2)と異なり、全体的なトナーの付着量はラインパターンBよりもラインパターンAの方が多い。そのため、転写及び定着プロセスを経て同じ高さh0(h0<h1、h0<h2)まで押しつぶされたとき、トナーの付着領域の高さが高いラインパターンAの方が付着領域の面積が大きくなり、その線幅dw1はラインパターンBの線幅dw2よりも太くなる。
図4Aは、ラインパターンA及びBをその線幅(画素)を変えて感光体2b上に形成したときのセンサー30の出力値を示している。図4Bは、この感光体2b上の各ラインパターンA及びBを用紙上に転写及び定着したときの線幅の測定値(μm)を示している。
図4Aに示すように、感光体2b上ではラインパターンAもラインパターンBも同じ出力値(V)が得られている。一方、転写及び定着プロセス後の用紙上では、図4Bに示すように、ラインパターンAの方がラインパターンBよりも線幅の測定値(μm)が長い。この傾向は線幅(画素)によらず同じである。このようなセンサー30の出力値によって画像の安定化制御を行うと、感光体2b上においては一定の線幅に制御することができるが、用紙上では線幅の変動が生じてしまう。
画像形成装置Gでは、感光体2b上に形成した画像のトナーの付着領域の高さを推定し、センサー30の出力値に応じて調整する画像形成条件を、推定した高さによっても調整することにより、トナーの付着領域の面積と高さによって画像の安定化制御を行うことができ、感光体2b上だけでなく用紙上の画像も精度良く安定化させることができる。
図5は、画像形成装置Gにおいて、画像形成条件を調整するときの処理手順を示している。
トナーの付着領域の高さは現像条件が大きく影響することから、図5に示すように、制御部11が現在の現像条件を取得し(ステップS1)、取得した現像条件に応じてトナーの付着領域の高さを推定する(ステップS2)。
取得する現像条件としては、例えば現像スリーブ2cdの現像バイアス電位Vdc、露光前の感光体2bの表面電位である帯電電位V0、露光後の感光体2bの表面電位である露光電位Vi、現像スリーブ2cdと感光体2b間の距離DS、現像に使用するトナーの平均粒径Dv等が挙げられる。制御部11は、設定又は検出された現像条件を取得すればよく、現像バイアス電位Vdc、帯電電位V0及び距離DSについては、記憶部12に保存されている設定値を取得することができる。露光電位Viは表面電位計により検出された値か、露光部2aが照射するレーザービームの光量や帯電電位V0等から推測した値でもよい。トナーの平均粒径Dvは、トナーのボトルをセットするときにトナーの色又はボトルごとに記憶部12に保存された設定値を取得すればよい。
制御部11は、取得した現像条件のうち、現像バイアス電位Vdcと露光電位Viとの差(絶対値)である現像コントラスト電位ΔVに応じて、トナーの付着領域の高さHAを推定する。トナーの付着領域の高さは、現像コントラスト電位ΔVに比例して現像コントラスト電位ΔVが大きいほど高くなるため、現像コントラスト電位ΔVによって高さを推定することにより、その推定精度を高めることができる。
制御部11は、現像コントラスト電位ΔVから推定したトナーの付着領域の高さHAを、現像コントラスト電位ΔVとトナーの付着領域の高さの相関を表す関数かテーブルから取得することができる。このような関数やテーブルは、テストパターンの形成を繰り返して、現像コントラスト電位ΔVとトナーの付着領域の高さの相関をあらかじめ求めることにより作成することができる。
下記表1は、現像コントラスト電位ΔVから推定したトナーの付着領域の高さHAを取得できるテーブルの例を示している。
例えば、Vdc=−630V、Vi=−170Vである場合、ΔV=460Vであるので、下記テーブルからHA=33μmを取得することができる。
トナーの付着領域の高さは、主に現像コントラスト電位ΔVに依存するが、他の現像条件も高さに影響することから、制御部11は、現像コントラスト電位ΔVによって推定したトナーの付着領域の高さHAを、現像コントラスト電位ΔV以外の他の現像条件により調整してもよい。
例えば、現像スリーブ2cdと感光体2b間の距離DSが長いほど、また帯電電位V0と現像バイアス電位Vdcとの差(絶対値)であるカブリマージン電位(V0−Vdc)が小さいほど、トナーの付着領域の高さは高くなる。また、トナーの平均粒径Dvが大きいほど充填密度が低下して、トナーの付着領域の高さが高くなる。このように、他の現像条件によって推定した高さHAを調整することにより、高さの推定精度をより高めることができる。
距離DS、カブリマージン電位(V0−Vdc)及びトナーの平均粒径Dvの3つの条件により、推定した高さHAを調整する場合、制御部11は、下記式(1)により調整後の高さHBを得ることができる。
(1) HB=HA×α×β
上記式(1)において、αは距離DSとカブリマージン電位(V0−Vdc)によって高さHAを調整する調整係数であり、βはトナーの平均粒径Dvによって高さHAを調整する調整係数である。
制御部11は、距離DSとカブリマージン電位(V0−Vdc)に応じた調整係数α及びトナーの平均粒径Dvに応じた調整係数βがあらかじめ定められたテーブルから、各調整係数α及びβを取得することができる。このようなテーブルは、現像条件を変えてテストパターンの形成を繰り返したときのトナーの付着領域の高さから最適な調整係数α及びβを求めることにより作成することができる。
下記表2は、距離DS(mm)とカブリマージン電位(V0−Vdc(V))に応じた調整係数αを取得できるテーブルの例である。
下記表3は、トナーの平均粒径Dv(μm)に応じた調整係数βを取得できるテーブルの例である。
現像条件が、ΔV=290V、DS=0.44mm、V0−Vdc=130V、Dv=6.8μmである場合、上記テーブルによれば、HA=20μm、α=1.06、β=1.2である。上記式(1)から、HB=20×1.06×1.2=25.4μmを取得することができる。
なお、距離DSとカブリマージン電位(V0−Vdc)に応じた調整係数αではなく、距離DSに応じた調整係数α1と、カブリマージン電位(V0−Vdc)に応じた調整係数α2を求めて、それぞれを推定したトナーの付着領域の高さHAに乗算して高さHBを求めるようにしてもよい。
また、距離DSとカブリマージン電位(V0−Vdc)による調整係数α及びトナーの平均粒径Dvによる調整係数βの各テーブルを、現像剤や感光体2bの稼働状況(稼働時間や画像形成の枚数等)、環境条件(温度、湿度等)に応じて変更するようにしてもよい。
次に、制御部11は、センサー30の出力値に応じて調整する画像形成条件を、推定したトナーの付着領域の高さHA又はHBに応じて調整するときの調整量を決定する(ステップS3)。
画像の線幅は、露光時のレーザービームの書き込み光量及び感光体2bの帯電電位V0の少なくとも1つの条件を変更することによって調整することができる。例えば、書き込み光量を減らすことにより、トナーの付着量を減らして線幅を細くすることができる。また、帯電電位V0を上昇させることにより、カブリマージン電位(V0−Vdc)が大きくなり、トナーの付着量を減らして線幅を細くすることができる。
制御部11は、それぞれの調整量を、トナーの付着領域の高さとの相関を表す関数かテーブルから取得すればよい。このようなテーブルは、書き込み光量及び帯電電位の条件を変えてテストパターンの形成を繰り返し、トナーの付着領域の高さに応じた最適な調整量を求めることにより作成することができる。
下記表4及び表5はそれぞれ、書き込み光量の調整量及び帯電電位V0の調整量を取得できる各テーブルの例を示している。
上述のように書き込み光量や帯電電位V0を直接調整してもよいし、目的のドット径に制御するため、センサー30の出力値に応じて書き込み光量を決定するときのセンサー30の出力値に対する目標値を調整してもよい。ドット径とは、1画素幅で露光するときのレーザービームのスポット径である。ドット径の制御時、書き込み光量を変えて基準パッチを形成したときの書き込み光量とセンサー30の出力値の相関を求め、この相関において目的のドット径が得られるときのセンサー30の出力値を目標値として、センサー30の出力値がこの目標値に一致するときの書き込み光量に決定する。このドット径の制御を実施せずに、又はドット径の制御を実施した後に、書き込み光量や帯電電位V0を直接調整してもよい。
センサー30の出力値の目標値の調整量は、書き込み光量や帯電電位の調整量と同様に、トナーの付着領域の高さとの相関を表す関数かテーブルから取得すればよい。
下記表6は、センサー30の出力値の目標値の調整量を取得できるテーブルの一例を示している。
図6は、目的のドット径に制御するときに決定する書き込み光量の例を示している。
レーザービームの書き込み光量(mJ/m)とセンサー30の出力値(V)が、図6に示すように相関するとき、目的のドット径の画像を形成したときのセンサー30の出力値を目標値として、センサー30の出力値がこの目標値に一致するときの書き込み光量に決定することにより、ドット径を目的の大きさに制御することができる。
この目標値の初期値が2.1Vであり、トナーの付着領域の高さHBが40μmであって上記テーブルから目標値の調整量が+0.2Vであった場合、調整後のドット径の目標値は2.3Vである。このような初期値から目標値を引き上げる調整により、決定する書き込み光量を下げることができ、転写及び定着プロセス後もトナーの付着領域の高さが高い画像の線幅の太りや文字つぶれを抑えて、画像を安定して再現することができる。
レーザービームの書き込み光量は、細線化処理時に文字や図形等の前景画像の輪郭又はその背景画像の輪郭の画素値を調整することによっても調整できるので、制御部11は、この画素値の調整量を推定したトナーの付着領域の高さHA又はHBに応じて決定することもできる。制御部11は、前景画像の輪郭及び背景画像の輪郭の画素値の調整量を、トナーの付着領域の高さの推定値との相関を表す関数かテーブルから取得することができる。このようなテーブルは、前景画像及び背景画像の輪郭の画素値を変えてテストパターンを形成したときのトナーの付着領域の高さとの相関を求めることにより、作成することができる。
下記表7は、前景画像の輪郭及び背景画像の輪郭の画素値の調整量を取得できるテーブルの例を示している。
図7は、3画素幅のラインパターンの画素値の調整例を示している。
図7に示すように、元画像a1は、画素値が最大値255の線画像(前景画像)と画素値が最小値0の背景画像からなる。
推定したトナーの付着領域の高さHA又はHBが37μmである場合、上記テーブルによれば線画像の輪郭の画素値の調整量が−128、背景の輪郭の画素値の調整量が0である。このような調整量により画素値を調整したとき、図7に示すように、調整後の画像a2において線画像の輪郭の画素値を255から127に減らすことができる。これにより、画素値に応じて変調したレーザービームの書き込み光量を減らすことができ、線画像を細線化してトナーの付着領域の高さが高い画像の転写及び定着プロセス後の太りや文字つぶれを抑えることができる。
一方、推定したトナーの付着領域の高さHA又はHBが16μmである場合、上記テーブルによれば線画像の輪郭の調整量が0、背景画像の輪郭の画素値の調整量が+64である。このような調整により画素値を調整したとき、図7に示すように、調整後の画像a3において背景画像の輪郭の画素値を0から64に増やすことができる。これにより、レーザービームの書き込み光量を増やすことができ、線画像を太線化してトナーの付着領域の高さが低い画像の細りを抑えることができる。
次に、制御部11は、上述のようにして決定した画像形成条件の調整量を、用紙の種類に応じて補正する(ステップS4)。
用紙の種類によって表面の凹凸や厚さ等の特性が異なるため、同じ画像を形成してもトナーの付着量が変わり、画像の再現性が異なってくる。トナーが付着しやすい種類の用紙は調整量を大きくする等、用紙の種類に応じて調整量を補正することにより、より精度良く画像の安定化制御を実施することができる。
具体的には、制御部11は、用紙の種類ごとに補正係数γを定めたテーブルから取得し、取得した補正係数γを調整量に乗算することにより、調整量を補正することができる。
下記表8は、補正係数γを取得できるテーブルの一例である。
決定した調整量により画像形成条件を調整すると、画像の最大濃度Dmaxが変動してしまうことがある。
図8は、書き込み光量と露光電位Viの相関を示している。なお、図8に示す電位は負電位(−V)である。
図8に示すように、書き込み光量(mJ/m)を減らす調整を行うと、露光電位Vi(V)が変動し、現像コントラスト電位ΔV(V)が小さくなる。その結果、ベタ画像を形成したときのトナーの付着量が減り、最大濃度Dmaxが低下してしまう。ドット径制御時の目標値を調整する場合も結果的に書き込み光量を調整するため、同様に最大濃度Dmaxが変動する。
帯電電位V0についても同様に、調整によってトナーの付着量が変動するため、最大濃度Dmaxが変動する。
トナーの付着量は、現像コントラスト電位ΔVが大きくなるほど、また現像スリーブ2cdの駆動速度θが高速化するほど増えて、画像の濃度が上昇するため、現像コントラスト電位ΔV又は現像スリーブ2cdの駆動速度θを補正することにより、最大濃度Dmaxを一定に維持することができる。制御部11は、画像形成条件の調整の前後で最大濃度Dmaxが一定となるように、決定した書き込み光量又は帯電電位V0の調整量に応じて、現像バイアス電位Vdcか又は現像スリーブ2cdの駆動速度θを補正する(ステップS5)。
現像バイアス電位Vdcを補正する場合、現像バイアス電位Vdcの補正量を決定して現像バイアス電位Vdcを直接補正してもよいし、最大濃度Dmaxに制御するため、センサー30の出力値に応じて現像バイアス電位Vdcを決定するときのセンサーの出力値に対する目標値を補正してもよい。
最大濃度Dmaxの制御時、現像バイアス電位Vdcを変えてベタ画像を形成したときの現像バイアス電位Vdcとセンサー30の出力値との相関を求め、この相関において目的の最大濃度Dmaxのベタ画像を形成したときのセンサー30の出力値を目標値として、センサー30の出力値がこの目標値に一致するときの現像バイアス電位Vdcを決定する。制御部11は、画像形成条件の調整の前後で最大濃度Dmaxが一定となるように、決定した書き込み光量や帯電電位V0の調整量に応じて、最大濃度Dmaxを制御するときのセンサー30の出力値の目標値を補正すればよい。
制御部11は、目的の最大濃度Dmaxとなる現像バイアス電位Vdcを決定するときのセンサー30の出力値の目標値及び現像スリーブ2cdの駆動速度θの補正量を、書き込み光量又は帯電電位V0の調整量との相関を示すテーブルから取得することができる。このテーブルは、書き込み光量又は帯電電位V0の調整量を変え、さらに最大濃度Dmax制御時のセンサー30の出力値の目標値又は現像スリーブ2cdの駆動速度θを変えてテストパターンを形成し、調整量と最適な補正量の相関を求めることにより、作成することができる。
下記表9及び表10はそれぞれ、目的の最大濃度Dmaxとなる現像バイアス電位Vdcを決定するときのセンサー30の出力値の目標値及び現像スリーブ2cdの駆動速度θの補正量を取得できるテーブルの一例である。なお、ドット径制御時の目標値を調整する場合は、下記表9のテーブルから目標値によって調整できる書き込み光量の調整量に対応する補正量を取得すればよい。
図9は、最大濃度Dmaxを目的の濃度に制御するときに決定する現像バイアス電位Vdcの例を示している。
ベタ画像を形成するときの現像バイアス電位Vdcとセンサー30の出力値が、図9に示すように相関するとき、最大濃度Dmaxが目的の濃度のベタ画像に対するセンサー30の出力値を目標値として、センサー30の出力値がこの目標値に一致するときの現像バイアス電位Vdcに決定することにより、最大濃度Dmaxを目的の濃度に制御することができる。
この目標値の初期値が0.8Vであり、書き込み光量の調整量が+0.1mJ/mである場合、上記テーブルから取得する目標値の補正量は+0.05Vである。書き込み光量を+0.1mJ/mだけ調整した場合、目標値を+0.05Vだけ初期値から引き上げ、決定する現像バイアス電位Vdcを下げることにより、最大濃度Dmaxの変動を抑えることができる。
各調整量及び補正量を決定すると、画像形成部20においてグラデーションのパッチやベタ画像のパッチ等の安定化制御用の基準パッチを感光体2b上に形成する(ステップS6)。この基準パッチに対するセンサー30の出力値と、推定したトナーの高さHA又はHBとに応じて、制御部11が画像形成条件を調整する安定化制御を実施する(ステップS7)。
具体的には、制御部11は、センサー30の出力値に応じて、図9に示すように目的の最大濃度Dmaxが得られる現像バイアス電位Vdcを決定し、現像部2cの設定を変更する。次に、制御部11は、図6に示すように目的のドット径が得られるレーザービームの書き込み光量を決定して、露光部2aの設定を変更する。最大濃度Dmax、ドット径の他にも、カブリマージン電位等を制御してもよい。
制御部11は、上記センサー30の出力値によって調整した画像形成条件を、推定したトナーの付着領域の高さHA又はHBに応じて決定した調整量でさらに調整する。
例えば、制御部11は、ドット径が目的値となるように書き込み光量を調整した後、推定した高さHA又はHBに応じて決定した調整量だけさらに書き込み光量又は帯電電位V0を調整する。また、制御部11は、書き込み光量又は帯電電位V0の調整後も最大濃度Dmaxを一定に維持するため、現像バイアス電位Vdc又は現像スリーブ2cdの駆動速度θを決定した補正量だけ補正する。現像バイアス電位Vdcを、最大濃度Dmax制御時のセンサー30の出力値の目標値によって補正する場合、センサー30の出力値によって最大濃度Dmaxを制御する際に使用する目標値を決定した補正量で補正して現像バイアス電位Vdcを決定すればよい。
なお、高さHA又はHBに応じてドット径や最大濃度Dmaxを制御するときのセンサー30の出力値の目標値の調整量を決定した場合は、制御部11は、センサー30の出力値によってドット径を制御する際に使用する目標値を決定した調整量で調整して書き込み光量を決定すればよい。
細線化処理時の画素値の調整量を決定した場合、制御部11は、決定した調整量を画像処理部19における細線化処理のパラメータとして設定する。上述のように、トナーの出力値に応じて目的の最大濃度Dmax、ドット径に制御するための画像形成条件の調整を行った後、実行するジョブにおいて画像データを細線化処理する際に、画像処理部19が設定した調整量だけ画像データの各画素の画素値を増減することにより、トナーの付着領域の高さに応じてレーザービームの書き込み光量を調整することができる。
〔変形例〕
トナーの付着領域の高さは、エッジ効果が大きいほど高くなる。エッジ効果は、感光体2bの画像部と非画像部の表面電位差によりそのエッジに電気力線が集中し、非画像部から画像部へトナーの移動が生じて、エッジ付近のトナーの付着量が増加する現象である。現像コントラスト電位ΔVが大きいほどエッジ効果も大きくなり、画像部のエッジ付近のトナー付着量が増える。
図10A及び図10Bはそれぞれ、エッジ効果が大きいときと小さいときの画像部と非画像部の電位を示している。なお、図10A及び図10Bに示す電位(−V)は、負電位である。
図10A及び図10Bに示すように、現像コントラスト電位ΔVがΔV2より大きいΔV1のときの方がエッジ効果が大きく、エッジ付近の非画像部のトナーが画像部へと移動しやすい。その結果、画像部のエッジのトナーの付着量が増え、部分的にトナーの付着領域の高さが高くなる。
上記処理手順において、エッジ効果により画像部のエッジ付近に多く付着する分のトナーの高さを推定し、現像コントラスト電位ΔV等によって推定した高さHA又はHBに加えることにより、トナーの付着領域の高さの推定精度をさらに高めることができる。
エッジ付近に多く付着するトナー部分の高さを推定する場合、最初に画像形成部20において現像条件を標準条件(例えば、ジョブ実行時の条件)よりも現像性が低い条件に変更してテストパターンを形成し、このテストパターンに対するセンサー30の出力値を得る。標準条件よりも現像性が低い現像条件にするには、例えば現像スリーブ2cdに印加する交流電圧Vp−p(V)を下げるか、交流電圧のデューティ比(交流電圧の印加によって感光体2bと現像スリーブ2cd間を行き来するトナーが現像スリーブ2cdの方へ戻るときの回収側の比率(%))を減らすか、プロセスシステム速度(用紙の搬送速度)に対して現像スリーブ2cdの駆動速度θを低速化して、適正範囲外とする方法が挙げられる。
下記画像形成条件は、交流電圧Vp−pを下げて適正範囲外としたときの画像形成条件の一例である。
交流電圧Vp−p:100V(標準条件:1kV)
現像バイアス電位Vdc:−500V
帯電電位V0:−650V
書き込み光量:1.5mJ/m
また、下記画像形成条件は、現像スリーブ2cdの駆動速度θを低速化して適正範囲外としたときの画像形成条件の一例である。下記条件では、プロセスシステム速度に対して現像スリーブの駆動速度θを低速化させているが、0mm/secとして現像スリーブを停止させてもよい。
現像スリーブの駆動速度θ:20mm/sec(標準条件:800mm/sec)
プロセスシステム速度(用紙の搬送速度):400mm/sec
交流電圧Vp−p:1kV
現像バイアス電位Vdc:−500V
帯電電位V0:−650V
書き込み光量:1.5mJ/m
図11A、図11B及び図11Cは、現像コントラスト電位ΔV1及びΔV2の条件下で、現像スリーブ2cdに印加する交流電圧Vp−p(V)、現像スリーブ2cdに印加する交流電圧のデューティ比(回収側の比率(%))及び現像スリーブ2cdの駆動速度θ(mm/sec)をそれぞれ異ならせて、テストパターンを形成したときのセンサー30の出力値(V)を示している。
図11A〜図11Cに示すように、交流電圧Vp−pか、デューティ比か、又は駆動速度θを適正範囲外に変更し、現像性を低下させると、エッジ効果が大きい現像コントラスト電位ΔV1のときの方が、エッジ効果が小さい現像コントラスト電位ΔV2のときよりも、センサー30の出力値が小さく、差が生じる。
図12は、図11Aに示す交流電圧Vp−pが適正範囲外の100Vのときと、適正範囲内の300Vのときのテストパターンの例を示している。
図12に示すように、交流電圧Vp−pが300Vのとき、十分な現像性が得られるため、エッジ効果が小さいとき(現像コントラスト電位ΔV2のとき)も大きいとき(現像コントラスト電位ΔV1のとき)も一定濃度のテストパターンを形成できている。一方、交流電圧Vp−pが100Vのとき、現像性が低く、トナーが付着しないか付着してもわずかになる。エッジ効果が大きいと、エッジ付近にトナーが多く付着するため、輪郭のみのテストパターンが得られるが、効果が小さいと、輪郭もないか、薄い輪郭のみのテストパターンが得られる。図11A〜図11Cにおいて、エッジ効果が大きい場合と小さい場合とで生じるセンサー30の出力値の差は、このエッジの濃度差である。このように、現像性を低下させることで、エッジ効果によってエッジに多く付着したトナー分の高さを推定することができる。
テストパターンとしては、ドットパターン、ラインパターン等を使用することができる。
図13は、テストパターンの一例を示している。
図13に示すように、テストパターン51及び52は、最大値の画素値を有する1画素又は複数の画素の集合体をドットとして一定の周期で配置したドットパターンである。テストパターン53〜55は、最大値の画素値を有する1画素又は複数の画素の集合体を連結して構成したラインを一定の周期で配置したラインパターンである。
ドットパターンは、センサー30の検出性を高めるため、ドット径がセンサー30の検出範囲であるスポット径より小さく設定されている。同様に、ラインパターンは、線幅がセンサーの30のスポット径より小さく設定されている。
制御部11は、テストパターンに対するセンサー30の出力値に応じて、エッジ効果によってエッジに多く付着したトナー分の高さHE(μm)を推定する。
制御部11は、センサー30の出力値とテストパターンのエッジのトナー部分の高さHEとの相関を表す関数かテーブルを用意し、この関数かテーブルから、センサー30の出力値に対応するトナーの高さHEを取得すればよい。このような関数やテーブルは、現像性が低い現像条件でテストパターンの形成を繰り返して、テストパターンのエッジのトナー部分の高さと当該テストパターンに対するセンサー30の出力値との相関を求めることにより作成することができる。
下記表11は、エッジに多く付着したトナー分の高さHE(μm)を取得できるテーブルの例を示している。
例えば、センサー30の出力値が3.45Vである場合は、上記テーブルによればHE=6μmである。現像条件により推定したトナーの付着領域の高さがHB=30μmである場合、エッジ効果によってエッジのトナーの付着量が増加したときのトナーの付着領域の高さHCは、HC=HB+HE=36μmと推定することができる。この推定した高さHC(HC=HA+HE又はHC=HB+HE)を用いて上述した画像形成条件の調整を行うことにより、エッジ効果によって付着したトナー分も考慮して画像形成条件を調整することができ、画像を精度良く安定化させることができる。
以上のように、本実施の形態の画像形成装置Gは、画像データに画像処理を施す画像処理部19と、画像処理後の画像データに応じて変調したレーザービームにより、帯電した感光体2bの表面を露光して静電潜像を形成し、当該感光体2b上に現像スリーブ2cdによりトナーを供給して現像した画像を用紙上に転写し、定着処理する画像形成部20と、当該定着処理前のトナーの付着量を検出するセンサー30と、センサー30の出力値に応じて、画像形成部20における画像形成条件を調整する制御部11と、を備え、制御部11は、画像形成部20における現像条件により上記定着処理前のトナーの付着領域の高さHA、HB又はHCを推定し、推定した高さHA、HB又はHCとセンサー30の出力値とに応じて上記画像形成条件の調整を行う。
これにより、トナーの付着領域の面積だけでなく、高さに応じて画像形成条件を調整することができ、実際のトナーの付着量に応じた安定化制御が可能になるため、転写及び定着プロセスにおいてトナーが押しつぶされた後の用紙上の画像の安定化の精度を向上させることができる。
上記実施の形態は本発明の好適な一例であり、これに限定されない。本発明の主旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
例えば、上記実施の形態においては、定着処理前のトナーの付着量として、転写及び定着のプロセスより前の感光体2b上のトナーの付着量を検出していたが、カラー画像の場合と同様に、定着処理前のトナーの付着量として転写体22上のトナーの付着量を検出してもよい。上記処理手順によれば、この場合も同様に、定着プロセスにおけるトナーのつぶれを考慮して、用紙上の画像の安定化制御を行うことができ、安定化の精度を高めることができる。
また、プログラムのコンピューター読み取り可能な媒体としては、ROM、フラッシュメモリー等の不揮発性メモリー、CD-ROM等の可搬型記録媒体を適用することが可能である。プログラムのデータを、通信回線を介して提供する媒体として、キャリアウエーブ(搬送波)も適用される。
G 画像形成装置
11 制御部
12 記憶部
20 画像形成部
2a 露光部
2b 感光体
2c 現像部
2cd 現像スリーブ
22 転写体
30 センサー

Claims (12)

  1. 画像データに画像処理を施す画像処理部と、
    前記画像処理後の画像データに応じて変調したレーザービームにより、帯電した感光体の表面を露光して静電潜像を形成し、当該感光体上に現像スリーブによりトナーを供給して現像した画像を用紙上に転写し、定着処理する画像形成部と、
    前記定着処理前のトナーの付着量を検出するセンサーと、
    前記センサーの出力値に応じて、前記画像形成部における画像形成条件を調整する制御部と、を備え、
    前記制御部は、前記画像形成部における少なくとも現像バイアス電位と露光後の前記感光体の表面電位との差を含む現像条件により前記定着処理前のトナーの付着領域の高さを推定し、推定した高さと前記センサーの出力値とに応じて前記画像形成条件の調整を行うことを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記制御部は、前記現像条件として、設定又は検出された現像条件を取得し、あらかじめ求められている現像条件とトナーの付着領域の高さとの相関から、取得した現像条件に対応するトナーの付着領域の高さを推定することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記画像形成部は、現像条件を変更してテストパターンを前記感光体上に形成し、
    前記制御部は、前記テストパターンに対する前記センサーの出力値から、前記トナーの付着領域の高さを推定することを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。
  4. 前記テストパターンは、ドットパターン又はラインパターンであることを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
  5. 前記ドットパターンのドット径又は前記ラインパターンの線幅は、前記センサーの検出範囲より小さいことを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。
  6. 前記センサーは、少なくとも光学センサーを含む非接触型のセンサーであることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の画像形成装置。
  7. 前記制御部は、
    前記レーザービームの書き込み光量の調整量又は目的のドット径に制御するために前記センサーの出力値に応じて書き込み光量を決定するときの前記センサーの出力値の目標値の調整量と、前記感光体の帯電電位の調整量の少なくとも1つを、前記推定したトナーの付着領域の高さに応じて決定し、
    前記センサーの出力値に応じて画像形成条件を調整した後、前記高さに応じて決定した調整量だけ前記レーザービームの書き込み光量又は前記帯電電位の条件をさらに調整するか、又は目的のドット径に制御するために前記センサーの出力値に応じて書き込み光量を決定するときの前記センサーの出力値の目標値を、決定した調整量だけ調整して書き込み光量の決定を行うことを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の画像形成装置。
  8. 前記制御部は、前記レーザービームの書き込み光量、前記センサーの出力値の目標値又は前記帯電電位の調整量を決定した場合、画像の最大濃度が一定となるように、前記決定した調整量に応じて、目的の最大濃度に制御するために前記センサーの出力値に応じて現像バイアス電位を決定するときの前記センサーの出力値の目標値又は前記現像スリーブの駆動速度を補正することを特徴とする請求項7に記載の画像形成装置。
  9. 前記制御部は、前記画像の輪郭又はその背景の輪郭の画素値の調整量を、前記推定したトナーの付着領域の高さに応じて決定し、
    前記画像処理部は、前記画像の輪郭又は前記背景の輪郭の画素値を、前記制御部により決定した調整量だけ調整する画像処理を施すことを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の画像形成装置。
  10. 前記制御部は、前記用紙の種類に応じて、前記調整量を補正することを特徴とする請求項7〜9のいずれか一項に記載の画像形成装置。
  11. 前記定着処理前のトナーの付着量は、前記感光体上のトナーの付着量であることを特徴とする請求項1〜10のいずれか一項に記載の画像形成装置。
  12. 画像データに応じて変調したレーザービームにより、帯電した感光体の表面を露光して静電潜像を形成し、当該感光体上に現像スリーブによりトナーを供給して現像した画像を用紙上に転写し、定着処理する画像形成部において、基準パッチを形成するステップと、
    前記基準パッチを形成したときの前記定着処理前のトナーの付着量をセンサーにより検出するステップと、
    前記画像形成部における少なくとも現像バイアス電位と露光後の前記感光体の表面電位との差を含む現像条件により前記定着処理前のトナーの付着領域の高さを、制御部により推定するステップと、
    前記推定した高さと前記センサーの出力値とに応じて、前記制御部により前記画像形成部における画像形成条件の調整を行うステップと、
    を含むことを特徴とする画像安定化方法。
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