以下、図面を参照して、本発明の実施の形態(以下、「本実施形態」と称する)につき詳細に説明する。なお、各図は、本発明を十分に理解できる程度に、概略的に示してあるに過ぎない。よって、本発明は、図示例のみに限定されるものではない。また、各図において、共通する構成要素や同様な構成要素については、同一の符号を付し、それらの重複する説明を省略する。
本実施形態では、以下の点が考慮されたフィルタ清掃機構を有する布類乾燥装置を提供することを意図している。
(1)フィルタ清掃機構は、布類乾燥装置をメンテナンスする上で大きな負荷を抑制し、布類乾燥装置を常に効率的に動作させることができること。
(2)フィルタ清掃機構は、フィルタ清掃機構や清掃後のリント(フィルタから除去されたリント)が風の影響を受け難くなっていること。
(1)布類乾燥装置では、乾燥プロセスモード時に、乾燥用空気で布類に対して非常に強力な送風を行うことで、短時間に布類の乾燥を行う。その布類乾燥装置では、乾燥プロセスモード時に、布類から発生したリントが送風路に流れ込む。リントが送風路を通過して布類を収容している回転ドラムに戻ると、元の布類に再付着して布類を汚してしまう。また、リントが送風路を通過して大量に送風ファンに流入すると、送風ファンの故障の原因となってしまう。そのため、送風路にはリントを捕獲するためのメッシュ状のフィルタが設置されている。
しかしながら、送風路に流れる乾燥用空気の送風量が大きいため、乾燥させる布類の状態にもよるものの、送風路に設置されたフィルタには、比較的短い時間で大量のリントが付着する。フィルタにリントが大量に付着すると、送風効率が低下するため、乾燥効率が低下して、乾燥エネルギー量(布類を十分に乾燥させるために必要なエネルギー量)や乾燥時間(布類を十分に乾燥させるために必要な時間)の増大を招いてしまう。そのため、布類乾燥装置は、効率的な布類の乾燥を実現するために、送風路に設置されたフィルタを清掃してフィルタからリントを常に除去することが好ましい。しかしながら、フィルタの清掃は、布類乾燥装置をメンテナンスする上で大きな負荷になっている。
そこで、本実施形態は、布類乾燥装置をメンテナンスする上で大きな負荷を抑制し、布類乾燥装置を常に効率的に動作させることができるフィルタ清掃機構を有する布類乾燥装置を提供することを意図している。
(2)また、前記したように、布類乾燥装置では、乾燥プロセスモード時に、乾燥用空気で布類に対して非常に強力な送風を行うことで、短時間に布類の乾燥を行う。このような布類乾燥装置では、フィルタ清掃機構や清掃後のリント(フィルタから除去されて回収された後のリント)が風の影響を受け易い。
そこで、本実施形態は、フィルタ清掃機構や清掃後のリントが風の影響を受け難くなっているフィルタ清掃機構を有する布類乾燥装置を提供することを意図している。
本実施形態に係るフィルタ清掃機構は、フィルタを清掃してフィルタに付着したリントを収集するリント清掃機構を備えており、そのリント清掃機構が以下の2つのタイプにおいていずれか一方に該当する構造になっている。1つ目のタイプは、図1に示すように、リント清掃機構が、ブレードやブラシなどの清掃部材をフィルタ2の表面に当接もしくは近接した状態で移動させることで、リントをリント集積箱に回収するタイプである。2つ目のタイプは、図2に示すように、リント清掃機構が、ブレードやブラシなどの清掃部材を固定して、フィルタを移動させることで、リントをリント集積箱に回収するタイプがある。以下、1つ目のタイプを「清掃機構移動型」と称し、2つ目のタイプを「フィルタ移動型」と称する。
<清掃機構移動型のフィルタ清掃機構の構成>
以下、図1を参照して、清掃機構移動型の本実施形態に係るフィルタ清掃機構12の構成につき説明する。図1は、清掃機構移動型のフィルタ清掃機構12の一構成例としての、ブレード清掃機構を説明するための概念図である。図1(a)、図1(b)、及び図1(c)は、それぞれ、乾燥プロセスモード時、清掃プロセスモード時、及び廃棄プロセスモード時のフィルタ清掃機構12の状態を示している。
ここで、「乾燥プロセスモード」とは、乾燥プロセス(すなわち、衣類やタオルなどの布類に乾燥用空気を送風して布類を乾燥させるプロセス)を実行するためのモードを意味している。また、「清掃プロセスモード」とは、清掃プロセス(すなわち、フィルタを清掃してフィルタに付着したリント(糸くず)を収集するプロセス)を実行するためのモードを意味している。また、「廃棄プロセスモード」とは、廃棄プロセス(すなわち、収集されたリント(糸くず)を廃棄するプロセス)を実行するためのモードを意味している。乾燥プロセスモードでは、乾燥用空気の送風が行われる。また、清掃プロセスモードでは、乾燥用空気の送風が停止される。また、廃棄プロセスモードでは、乾燥用空気の送風が停止され、後記するリント集積箱6が布類乾燥装置から取り外される。
図1は、乾燥用空気が通る送風路1のフィルタ2付近の構造を模式的に示している。図1において、送風路1の途中部分には、フィルタ2が設けられている。フィルタ2は、リント捕獲用の自動清掃機能付きのフィルタである。布類から発生したリントを含んだ乾燥用空気は、白抜き矢印5aに沿って送風路1の上流側(図1における右側)から流入し、フィルタ2に到達する。そして、乾燥用空気は、フィルタ2を通り抜けて、白抜き矢印5bに沿って送風路1の下流側(図1における左側)に流出する。
フィルタ2は、乾燥用空気が通り抜ける際に、リント4を捕獲する。送風路1の下流側には、ヒータ(図示せず)や送風ファン14(図3参照)などが設置されており、これらを通過した乾燥用空気は、再び布類の乾燥に用いられる。すなわち、布類乾燥装置は、ヒータ(図示せず)で空気を加熱しながら、送風ファン14(図3参照)で乾燥用空気を送風して、乾燥用空気を布類に吹き付ける。
図1に示すように、清掃機構移動型のフィルタ清掃機構12は、送風路1に設けられたリント4を捕獲するフィルタ2と、フィルタ2を清掃してフィルタ2に付着したリント4を収集するリント清掃機構3と、リント清掃機構3によって収集されたリント4が集積されるリント集積箱6と、を備えている。リント清掃機構3は、ブレード清掃機構として構成されており、ブレード状の清掃部材3a(以下、「ブレード3a」と称する場合がある)と、ブレード3aを移動させる移動機構(図示せず)とを有する構造になっている。
図1(a)に示す例では、フィルタ2の上流側の左側部分(図1(a)における上側の部分)に位置する送風路1の内側部分にブレード3aが配置されているとともに、フィルタ2の上流側の右側部分(図1(a)における下側の部分)に位置する送風路1の外側部分にリント集積箱6が取り付けられている。ブレード3aは、弾性体によって構成されている。リント集積箱6は、送風路1の右側(図1(a)における下側)の壁面の外側に配置されている。リント集積箱6は、送風路1の外側に取り付けられた状態において、気密が保たれた構造になっている。
送風路1とリント集積箱6との間には、連結開口部6opが設けられている。連結開口部6opは、リント集積箱6が送風路1の外側に取り付けられた状態において、ブレード3aによってフィルタ2から掻き取られたリント4がリント集積箱6の内部に送り込まれる開口部である。連結開口部6opは、好ましくは、リント集積箱6に回収される清掃後のリント4の量に合わせて、数mmから1cm程度の隙間を有するスリット状に形成されているとよい。一方、連結開口部6opの幅は、フィルタ2の幅に応じたサイズになっている。より正しくは、連結開口部6opの幅は、収集機構の構成に応じたサイズに設定されている。リント集積箱6は、遮蔽壁7を開放時に内部で風の流れが発生しないように、リント回収用の連結開口部6op以外が閉鎖された箱形の構造になっている。
その連結開口部6opには、開閉可能な遮蔽壁7が設けられている。また、遮蔽壁7の周囲には、遮蔽壁7を開閉するためのアクチュエータ等の遮蔽壁開閉機構(図示せず)や、遮蔽壁開閉機構(図示せず)を作動させるためのCPU等の遮蔽壁開閉制御手段(図示せず)などが設けられている。
また、リント集積箱6の内部には、リント集積箱6に回収された清掃後のリント4をリント集積箱6の奥側に送り込むための回収リント圧縮機構として機能する回転パドル8が設けられている。
フィルタ清掃機構12では、遮蔽壁7は、乾燥用空気の送風時に、送風路1とリント集積箱6との間を遮蔽する位置に保持されている。そして、遮蔽壁7は、リント清掃機構3もしくはリント搬送機構の動作時(乾燥用空気の送風の停止時)に、遮蔽壁開閉機構(図示せず)もしくは遮蔽壁開閉制御手段(図示せず)によって開放される。
フィルタ清掃機構12では、リント清掃機構3は、フィルタ2の表面に当接もしくは近接した状態で移動するブレード3aを用いた清掃機構と、リント4を搬送するリント搬送機構と、を兼ねた構成になっている。そして、リント清掃機構3は、リント搬送機構としての移動範囲がリント集積箱6の中に達する構造になっている。
フィルタ清掃機構12は、以下の3つの動作モードで動作する。
(1)乾燥プロセスモード(図1(a)参照)
(2)清掃プロセスモード(図1(b)参照)
(3)廃棄プロセスモード(図1(c)参照)
(1)乾燥プロセスモード(図1(a)参照)では、ブレード3aは、送風路1の内部に設けられた待機場所に配置されている。図1(a)に示す例では、待機場所は、送風路1の内部において、フィルタ2の上流側の左側部分(図1(a)における上側の部分)に設定されている。その待機場所は、送風路1を介してリント集積箱6に対向する場所になっている。また、待機場所は、フィルタ2よりも外側の場所になっており、乾燥用空気の送風に影響を与えない場所になっている。乾燥プロセスモードでは、フィルタ清掃機構12は、遮蔽壁開閉機構(図示せず)で、送風路1とリント集積箱6との間に設けられた遮蔽壁7を閉鎖状態に保持している。
乾燥プロセスモードでは、送風によって乾燥用空気とともに流れてくる布類のリント4が、フィルタ2の表面で捕獲される。また、ブレード3aは、待機場所に配置されているため、乾燥用空気の送風にほとんど影響を与えない。また、リント集積箱6は、遮蔽壁7によって連結開口部6opが閉鎖されているため、乾燥用空気の送風に影響を与えない。
(2)清掃プロセスモード(図1(b)参照)では、送風ファン14(図3参照)が停止される。したがって、清掃プロセスモードは、乾燥用空気の送風を完全に停止した状態で行われる。フィルタ清掃機構12は、遮蔽壁開閉機構(図示せず)で、送風路1とリント集積箱6との間に設けられた遮蔽壁7を開放する。そして、フィルタ清掃機構12は、移動機構(図示せず)で、ブレード3aをフィルタ2の表面に沿ってリント集積箱6の方向に移動させる。これによって、フィルタ清掃機構12は、乾燥プロセスモードでフィルタ2に付着したリント4を掻き取りつつリント4を収集してリント集積箱6の方向に搬送する。そして、フィルタ清掃機構12は、搬送されたリント4をリント集積箱6の内部に送り込む。その結果、清掃後のリント4がリント集積箱6に回収される。
リント集積箱6の内部には、回収リント圧縮機構としての回転パドル8が配置されている。リント集積箱6に回収された清掃後のリント4は、回転パドル8の回転によって圧縮されながらリント集積箱6の奥側に送り込まれる。リント4の多くは糸くずや繊維くずで構成されている。そのため、リント集積箱6の内部に送り込まれた直後のリント4は、低密度な状態になっている。しかしながら、リント4は、回転パドル8でリント集積箱6の奥側に送り込まれる際に回転パドル8で圧縮されるため、リント集積箱6の内部で高密度な状態で集積される。これにより、フィルタ清掃機構12は、比較的容積の小さいリント集積箱6を用いた場合であっても、比較的多くのリント4を回収することができる。なお、フィルタ清掃機構12は、遮蔽壁7を閉鎖した後も、回転パドル8を回転させるようにしてもよい。これによって、フィルタ清掃機構12は、リント集積箱6に回収されたリント4をさらに圧縮して、コンパクトな状態でリント4を貯蔵することができる。
(3)廃棄プロセスモード(図1(c)参照)では、清掃プロセスモード(図1(b)参照)と同様に、送風ファン14(図3参照)が停止される。したがって、廃棄プロセスモードは、乾燥用空気の送風を完全に停止した状態で行われる。廃棄プロセスモードでは、リント集積箱6が布類乾燥装置から取り外されて、リント廃棄用扉9が開放される。これにより、リント集積箱6に回収された清掃後のリント4がリント集積箱6の外部に廃棄される。リント4が廃棄されると、リント集積箱6は、布類乾燥装置の規定の位置に取り付けられる。これにより、フィルタ清掃機構12は、次回の乾燥プロセスの実行に備える。
係る構成において、布類乾燥装置は、布類に対して非常に強力な送風を行うことで、短時間に布類の乾燥を行う。このため、送風路1を流れる乾燥用空気の送風量も大きい。フィルタ清掃機構12は、送風を停止した状態で清掃プロセスモードが行われることにより、清掃プロセスにおける風の影響を排除している。また、フィルタ清掃機構12は、乾燥プロセスモードと清掃プロセスモードとを分け、乾燥プロセスモードでは、フィルタ2よりも外側に設けられた待機場所にブレード3aを保持するとともに、送風路1とリント集積箱6との間を遮蔽壁7で閉鎖することにより、乾燥プロセスにおける送風への悪影響もほぼ排除している。
なお、布類乾燥装置は、好ましくは、遮蔽壁開閉機構(図示せず)を閉鎖状態に保持する遮蔽壁ロック機構(図示せず)を備える構成にするとよい。そして、清掃プロセスモード以外のモード時は、遮蔽壁ロック機構(図示せず)によって遮蔽壁開閉機構(図示せず)が閉鎖状態に保持されているようにするとよい。
本発明に係る布類乾燥装置では、乾燥プロセスモード、清掃プロセスモード、廃棄プロセスモードへの切替制御は、以下のいくつかの方法で切り替えられる。
まず、基本となる切替制御として、乾燥プロセスモードから清掃プロセスモードへの切替制御がある。乾燥プロセスモードから清掃プロセスモードへの切り替えを行う上で、最も単純かつ簡便な方法は、1回の乾燥プロセスごと、もしくは、既定の回数の乾燥プロセスごとに、清掃プロセスモードに切り替えて、フィルタ2の清掃を行う方法である。何回の乾燥プロセスごとに切り替えるかは、フィルタ2の詰まり易さに依存する。これは、1回に乾燥プロセスでの布類の最大量やフィルタ2の面積などの影響を受けることから、実験的にあらかじめ決めておくことが好ましい。
ただし、乾燥する布類の量、種類、傷み具合によって、発生するリント4の量に多くの差が生じる。また、送風路1の断面積やフィルタ2の面積にも制限がある。このため、フィルタ2の詰まり具合を検知して、適切なタイミングでフィルタ2の清掃を行うことが望ましい。
布類乾燥装置は、フィルタ清掃機構12を用いれば、自動的にフィルタ2を清掃することができる。そのため、布類乾燥装置は、1回の乾燥プロセスの途中でも、フィルタ2に詰まりが生じて効率が低下した場合に、フィルタ2の清掃を行うことが可能となる。しかしながら、フィルタ清掃機構12は、清掃プロセスの途中で布類の乾燥を行うことをしないため、乾燥プロセスモードから清掃プロセスモードへの切り替えを行う場合に、フィルタ2の詰まり具合を正確に検知して、清掃プロセスモードへの切り替えを行うことが好ましい。
フィルタ2の詰まり具合を検知方法としては、送風路1の内部のフィルタ2の下流側に乾燥用空気の流量を検出することにより実現することができる。そこで、本実施形態では、布類乾燥装置は、送風路1の内部のフィルタ2の下流側に乾燥用空気の流量センサ(図示せず)を設置し、流量センサ(図示せず)で検出される乾燥用空気の流量の低下に基づいて、清掃プロセスモードへの切り替えを行う構成にした。ただし、乾燥用空気の流量センサ以外に、乾燥用空気の流速センサや温度センサなどを送風路1の内部に設けることによっても、布類乾燥装置は、フィルタ2の詰まり具合を検知して、同様の制御を行うことができる。
また、フィルタ2の詰まり具合を検知する他の方法としては、布類の乾燥具合を検出することにより実現することができる。例えば、布類乾燥装置は、布類の乾燥室として機能する回転ドラムに温湿度センサを設置し、回転ドラム内の温湿度の時間変化から乾燥効率を検知することができる。さらに、フィルタ2の詰まり具合を検知する他の方法としては、乾燥布類の重量変化を測定することにより実現することができる。例えば、布類乾燥装置は、布類乾燥室である回転ドラムに重量計を設置し、回転ドラム内の布類の重量変化から乾燥効率を知ることができる。フィルタ2の詰まり具合を検知方法としては、この他にも、送風モータの負荷(電流)を計測するなど、いくつかの方法がある。布類乾燥装置は、これらの方法を組み合わせて、アルゴリズムを構成すれば、より高精度なフィルタ2の詰まり具合の検知が可能になる。
布類乾燥装置は、フィルタ2の詰まり具合を検知して、乾燥プロセスモードから清掃プロセスモードへの切り替えを行う場合に、乾燥プロセスの途中であっても、乾燥プロセスを停止して、清掃プロセスモードへの切り替えを行うことができる。清掃プロセスモードでは、リント4がリント集積箱6に回収される。リント集積箱6に回収されたリント4は、送風の影響を受けないようにすることが好ましい。そのため、清掃プロセスモードは、好ましくは、送風を完全に停止した状態で行われる。
なお、もし、乾燥プロセスの途中で清掃プロセスモードへの切り替えが行われること(つまり、乾燥プロセスの実行中にフィルタ清掃機構12を稼動させること)がないのであれば、布類乾燥装置は、リント集積箱6が取り外された状態で、乾燥プロセスを行うことができる。これにより、布類乾燥装置は、乾燥プロセスを行いながら、取り外されたリント集積箱6の中に収容されたリント4を廃棄することができる。すなわち、布類乾燥装置は、乾燥プロセスモードと廃棄プロセスモードとを並行して行うことができる。
次に、別の切替制御として、乾燥プロセスモード又は清掃プロセスモードから廃棄プロセスモードへの切替制御がある。廃棄プロセスモードへの切り替えを行う上で、最も単純かつ簡便な方法は、既定回数の乾燥プロセス、もしくは、既定回数の清掃プロセスの実行をもって、廃棄プロセスモードへの切り替えを行い、リント集積箱6を取り外して廃棄するように、布類乾燥装置の操作者に報知する方法である。又は、廃棄プロセスモードへの切り替えを行う方法として、廃棄プロセスモードへの切り替えタイミングをより精度よくするために、乾燥時間や乾燥布類の量を組み合せたアルゴリズムを用いる方法も可能である。
ただし、これらの方法だけで、リント集積箱6の内部に集積されたリント4の量を精度良く予測することは難しい。そこで、本実施形態では、布類乾燥装置は、リント集積箱6の内部に設置された回収リント圧縮機構として機能する回転パドル8に回収リント圧縮抵抗検出手段(図示せず)を備えた構造になっているものとする。このような布類乾燥装置は、回収リント圧縮抵抗検出手段(図示せず)で回転パドル8の回転負荷(回転パドル8の動作時の動作負荷抵抗)を検知することによって、リント集積箱6の内部に回収されたリント4の量を精度良く予測することができる。
具体的には、布類乾燥装置は、リント集積箱6の内部に集積されたリント4の量が増えると、回転パドル8の回転負荷が増加する。布類乾燥装置は、回収リント圧縮抵抗検出手段(図示せず)で回転パドル8の駆動用モータ(図示せず)の駆動電流と電圧とをモニタすることで、回転パドル8の回転負荷を検知する。そして、布類乾燥装置は、回転パドル8の駆動負荷と前記した乾燥プロセスおよび清掃プロセスの動作回数(実行回数)とを組み合せて、リント集積箱6の内部に集積されたリント4の量を精度良く予測する。これにより、布類乾燥装置は、好適なタイミングで廃棄プロセスモードへの切替制御を行うことができる。
本実施形態では、リント集積箱6には、連結開口部6opとは別に、リント廃棄用扉9が設けられている。これは、以下の理由による。まず、連結開口部6opは、送風路1への影響を抑えるとともに、リント集積箱6からのリント4の逆流を防止するために、極力小さなサイズであることが好ましい。しかしながら、サイズが小さな開口部は、リント集積箱6からリント4を廃棄する際に不便である。また、リント4が送り込まれる連結開口部6opの近傍には、リント4をリント集積箱6の奥側に圧縮する回転パドル8などの部材が配置されている。このため、リント集積箱6は、リント4が送り込まれる連結開口部6opからリント4を排出することが困難な構造となっている。加えて、回転パドル8によって集められたリント4は、圧縮されながらリント集積箱6の奥側に集積される。これらの理由から、リント集積箱6は、連結開口部6opとは別に、リント廃棄用扉9が設けられていることが好ましい。なお、リント廃棄用扉9は、リント4が送り込まれる連結開口部6opに対向する側に設置することが望ましい。ただし、リント集積箱6は、リント廃棄用扉9を設けないで、連結開口部6opからリント4を廃棄することを排除するものではない。
係る構成において、図1に示す清掃機構移動型のフィルタ清掃機構12は、以下のような特徴を有している。
(1)フィルタ清掃機構12のリント清掃機構3は、フィルタ2の表面に当接もしくは近接した状態で移動するブレード3aを用いた清掃機構と、リント4を搬送するリント搬送機構と、を兼ねた構成になっている。そして、リント清掃機構3は、リント搬送機構としての移動範囲がリント集積箱6の中に達する構造になっている。フィルタ清掃機構12は、送風路1とリント集積箱6との間を遮蔽する遮蔽壁7と、遮蔽壁7を開閉するための遮蔽壁開閉機構(図示せず)と、を備えている。このようなフィルタ清掃機構12は、所望のタイミング(乾燥用空気が送風される乾燥プロセスモードが実行されるタイミング)で遮蔽壁7を閉鎖することにより、フィルタ清掃で回収された清掃後のリント4がフィルタ2に再付着することを抑制することができる。その結果、フィルタ清掃機構12は、送風路1に設けられたフィルタ2に清掃後のリント4が付着することにより、乾燥効率が低下し、乾燥エネルギーや乾燥時間の増大を招くことを抑制することができる。
(2)フィルタ清掃機構12は、非送風時に行われる清掃プロセスモード時にのみ、遮蔽壁開閉制御手段(図示せず)の制御で遮蔽壁開閉機構(図示せず)を作動させて遮蔽壁7を開放する。また、布類乾燥装置は、清掃プロセスモード時に送風を停止するように送風ファン14を制御する。これにより、フィルタ清掃機構12は、送風路1内の風が停止した状態でのフィルタ2の清掃とリント集積箱6へのリント4の搬送とを実現することができる。その結果、フィルタ清掃機構12は、リント集積箱6に回収された清掃後のリント4への風の影響を防止することができ、送風路1に設けられたフィルタ2へのリント4の再付着を防止することができる。
また、フィルタ2に付着したリント4をブレード3aで掻き取る清掃プロセスモードでは、フィルタ2側にリント4を押し付ける力が発生する。このとき、仮に送風が行われていると、フィルタ2に押し付けられたリント4に送風の風力が加わるため、リント4がフィルタ2を通り抜けてしまう可能性がある。しかしながら、フィルタ清掃機構12は、送風を完全に停止した状態でフィルタ2の自動清掃及びリント集積箱6へのリント4の搬送を行うため、フィルタ2に押し付けられたリント4がフィルタ2を通り抜けることを効率よく抑制することができる。
(3)送風路1とリント集積箱6との間には、回収される清掃後のリント4の量に合わせて、数mmから1cm程度の隙間を有するスリット状の連結開口部6opが設けられている。一方、連結開口部6opの幅は、フィルタ2の幅に応じたサイズになっている。フィルタ清掃機構12は、開閉可能な遮蔽壁7で連結開口部6opの開閉状態を制御することができるため、清掃プロセスモード時にリント4を比較的安定して回収することできるとともに、リント集積箱6から送風路1へのリント4の戻りを防止することができる。
(4)フィルタ清掃機構12は、送風路1の近傍にリント集積箱6が配置されているため、フィルタ2から回収された清掃後のリント4の搬送距離を短くすることができ、比較的簡単な清掃機構および搬送機構を実現することができる。
(5)フィルタ清掃機構12は、回収リント圧縮機構として機能する回転パドル8に回収リント圧縮抵抗検出手段(図示せず)を設けることで、比較的簡単な構成でリント集積箱6の内部に回収されたリント4の量を精度良く予測することができる。
<フィルタ移動型のフィルタ清掃機構の構成>
図1は、清掃機構移動型のフィルタ清掃機構12の構成例を示している。しかしながら、図2に示すように、フィルタ清掃機構12は、フィルタ2の種類や形状、清掃するリント4の状態によっては、フィルタ移動型の構造にすることができる。
以下、図2を参照して、フィルタ移動型の本実施形態に係るフィルタ清掃機構12の構成につき説明する。図2は、フィルタ清掃機構12の一構成例としての、回転ブラシ清掃機構を説明するための概念図である。図2(a)、図2(b)、及び図2(c)は、それぞれ、乾燥プロセスモード時、清掃プロセスモード時、及び廃棄プロセスモード時のフィルタ清掃機構12aの状態を示している。
図2は、図1と同様に、乾燥用空気が通る送風路1のフィルタ2付近の構造を模式的に示している。図2において、送風路1の途中部分には、フィルタ2が設けられている。乾燥用空気は、白抜き矢印5aに沿って送風路1の上流側(図1における右側)から流入し、フィルタ2に到達する。そして、乾燥用空気は、フィルタ2を通り抜けて、白抜き矢印5bに沿って送風路1の下流側(図1における左側)に流出する。フィルタ2は、乾燥用空気が通り抜ける際に、リント4を捕獲する。送風路1の下流側には、ヒータ(図示せず)や送風ファン14(図3参照)などが設置されている。
図2に示すように、フィルタ移動型のフィルタ清掃機構12aは、図1に示す清掃機構移動型のフィルタ清掃機構12と比較すると、リント清掃機構3の代わりに、リント清掃機構11を備えている点、及び、フィルタ搬送機構10を備えている点で相違している。
リント清掃機構11は、回転ブラシ清掃機構として構成されており、回転ブラシ状の清掃部材11a(以下、「回転ブラシ11a」と称する場合がある)と、回転ブラシ11aを回転させる駆動機構(図示せず)とを有する構造になっている。
フィルタ搬送機構10は、送風路1の内部に展開されたフィルタ2をリント集積箱6の内部に搬送する機能と、リント集積箱6の内部に搬送されたフィルタ2を元の位置に戻して送風路1の内部に展開させる機能とを有している。このようなフィルタ搬送機構10は、例えば、送風路1の内部に展開されたフィルタ2を保持したり保持を解除したりする保持手段と、フィルタ2を移動させる移動手段と、送風路1とリント集積箱6との間でフィルタ2の移動をガイドするガイド手段と、を有することで、実現することができる。
回転ブラシ11aは、リント集積箱6の内部に配置されている。フィルタ清掃機構12aは、フィルタ搬送機構10でフィルタ2をリント集積箱6の内部に搬送するとともに、リント集積箱6の内部で回転ブラシ11aをフィルタ2に当接させ、その状態で回転ブラシ11aを回転させる。これによって、フィルタ清掃機構12aは、リント集積箱6の内部でフィルタ2に付着したリント4を回転ブラシ11aで掻き取る。回転ブラシ11aで掻き取られた清掃後のリント4は、リント集積箱6の内部に収容される。
リント集積箱6の内部において、回転ブラシ11aの近傍の位置には、回収リント圧縮機構としての回転パドル8が配置されている。リント集積箱6の内部で掻き取られた清掃後のリント4は、回転パドル8の回転によってリント集積箱6の奥側に送り込まれる。その際に、清掃後のリント4は、回転パドル8で圧縮されるため、リント集積箱6の内部で高密度な状態で集積される。
フィルタ清掃機構12aでは、リント清掃機構11は、リント集積箱6の入口付近にフィルタ搬送機構10を備えている。フィルタ搬送機構10は、フィルタ2ごとリント4をリント集積箱6の内部に搬送する。また、リント清掃機構11は、リント集積箱6の内部に設けられた回転ブラシ11aを備えている。回転ブラシ11aは、フィルタ2の表面に当接もしくは近接した状態で回転することにより、フィルタ2に付着したリント4を掻き取る。
フィルタ清掃機構12aは、図1に示すフィルタ清掃機構12と同様に、以下の3つの動作モードで動作する。
(1)乾燥プロセスモード(図2(a)参照)
(2)清掃プロセスモード(図2(b)参照)
(3)廃棄プロセスモード(図2(c)参照)
(1)乾燥プロセスモード(図2(a)参照)では、回転ブラシ11aは、リント集積箱6の内部で停止した状態になっている。乾燥プロセスモードでは、フィルタ清掃機構12aは、遮蔽壁開閉機構(図示せず)で、送風路1とリント集積箱6との間に設けられた遮蔽壁7を閉鎖状態に保持している。
乾燥プロセスモードでは、送風によって乾燥用空気とともに流れてくるリント4が、フィルタ2の表面で捕獲される。また、リント集積箱6は、遮蔽壁7によって連結開口部6opが閉鎖されているため、乾燥用空気の送風に影響を与えない。
(2)清掃プロセスモード(図2(b)参照)では、送風ファン14(図3参照)が停止される。したがって、清掃プロセスモードは、乾燥用空気の送風を完全に停止した状態で行われる。フィルタ清掃機構12aは、遮蔽壁開閉機構(図示せず)で、送風路1とリント集積箱6との間に設けられた遮蔽壁7を開放する。そして、フィルタ清掃機構12aは、フィルタ搬送機構10でフィルタ2をリント集積箱6の内部に搬送するとともに、リント集積箱6の内部で回転ブラシ11aをフィルタ2に当接させ、その状態で回転ブラシ11aを回転させる。これによって、フィルタ清掃機構12aは、リント集積箱6の内部でフィルタ2に付着したリント4を回転ブラシ11aで掻き取る。回転ブラシ11aで掻き取られた清掃後のリント4は、リント集積箱6の内部に収容される。
リント集積箱6の内部には、回収リント圧縮機構としての回転パドル8が配置されている。リント集積箱6に回収された清掃後のリント4は、回転パドル8の回転によってリント集積箱6の奥側に送り込まれる。リント集積箱6の内部に送り込まれた直後のリント4は、回転パドル8でリント集積箱6の奥側に送り込まれる際に回転パドル8で圧縮され、リント集積箱6の内部で高密度な状態で集積される。これにより、フィルタ清掃機構12aは、比較的容積の小さいリント集積箱6を用いた場合であっても、比較的多くのリント4を回収することができる。なお、フィルタ清掃機構12aは、遮蔽壁7を閉鎖した後も、回転ブラシ11aや回転パドル8を回転させるようにしてもよい。これによって、フィルタ清掃機構12aは、遮蔽壁7を閉鎖した後も、回転ブラシ11aの清掃や、リント集積箱6の中に回収された清掃後のリント4の圧縮を行うことができる。
(3)廃棄プロセスモード(図2(c)参照)では、清掃プロセスモード(図2(b)参照)と同様に、送風ファン14(図3参照)が停止される。したがって、廃棄プロセスモードは、乾燥用空気の送風を完全に停止した状態で行われる。廃棄プロセスモードでは、リント集積箱6が布類乾燥装置から取り外されて、リント廃棄用扉9が開放される。これにより、リント集積箱6に回収された清掃後のリント4がリント集積箱6の外部に廃棄される。リント4が廃棄されると、リント集積箱6は、布類乾燥装置の規定の位置に取り付けられる。これにより、フィルタ清掃機構12aは、次回の乾燥プロセスの実行に備える。
図1に示す清掃機構移動型のフィルタ清掃機構12は、構造が簡単であるため、布類乾燥装置に適用し易い。これに対して、図2に示すフィルタ移動型のフィルタ清掃機構12aは、構造が複雑になっているため、図1に示す清掃機構移動型のフィルタ清掃機構12よりは布類乾燥装置に適用し難い。しかしながら、図2に示すフィルタ移動型のフィルタ清掃機構12aは、フィルタ2を清掃部材に強く当接させることができるため、フィルタ2に対して高い清掃性を得ることができる。なお、「清掃機構移動型」と「フィルタ移動型」とのいずれのタイプにおいても、ブレードを用いたブレード清掃機構、回転ブラシを用いた回転ブラシ清掃機構、及び、図示せぬ回転しないブラシを用いたブラシ清掃機構の中からいずれか1つを選定して組み合わせることができる。これらの組み合わせは、フィルタ2へのリント4の付着状態や清掃性などを考慮して、行われるとよい。
図2に示すフィルタ移動型のフィルタ清掃機構12aは、図1に示す清掃機構移動型のフィルタ清掃機構12と同様の思想に基づいて実現されたものであり、図1に示す清掃機構移動型のフィルタ清掃機構12と同様の特徴を有するとともに、モード切替制御やリント集積箱6などの構成が同様になっている。
<布類乾燥装置の構成>
以下、図3を参照して、フィルタ清掃機構12(又は、フィルタ清掃機構12a)を用いた布類乾燥装置20の構成につき説明する。図3は、布類乾燥装置20の構成を説明するための図である。ここでは、図1に示す形の一部を変形させたフィルタ清掃機構12が布類乾燥装置20に用いられている場合を想定して説明する。また、布類乾燥装置20が横型回転ドラム式の乾燥装置として構成されている場合を想定して説明する。また、布類乾燥装置20が布類の洗濯機能と乾燥機能とを有する洗濯乾燥装置として構成されている場合を想定して説明する。
図3に示すように、布類乾燥装置20は、乾燥用空気が通る送風路1と、空気を加熱するヒータ(図示せず)と、乾燥用空気を送風する送風ファン14と、布類の洗濯室及び乾燥室として機能する円筒状の回転ドラム15と、回転ドラム15を密閉する布類投入扉16と、回転ドラム15を回転させるモータ17とを備えている。
布類は、装置正面に設けられた布類投入扉16から回転ドラム15に投入される。回転ドラム15には、モータ17が直結されている。回転ドラム15は、モータ17によって回転されることで、布類を攪拌するとともに、送風ファン14から送風される乾燥用空気を布類に当てることで、布類を乾燥させる。空気は、ヒータ(図示せず)などによって、加熱される。ヒータ(図示せず)などによって加熱された空気は、布類を乾燥させる乾燥用空気として、矢印のルートに沿って送風路1と回転ドラム15との間を循環する。
図3に示す例では、布類乾燥装置20は、布類の乾燥機能に加えて、布類の洗濯機能も有する洗濯乾燥装置として構成されている。このような布類乾燥装置20は、回転ドラム15に水を給水する給水口19や排水する排水口18を備えており、洗剤と一緒に、布類を攪拌することで洗浄することができる。
送風路1の少なくともその一部には、送風手段としての送風ファン14が設けられている。送風ファン14の風上側には、リント清掃機構3(又はリント清掃機構11)を備えたフィルタ2が近接配置されている。
フィルタ清掃機構12は、布類乾燥装置20の上部で、かつ、送風ファン14の上流側の位置に配置されている。リント集積箱6の取り外しやフィルタ2付近のメンテナンス性などを考慮すると、フィルタ清掃機構12の実装場所は、布類乾燥装置20の上部が最も適切である。特に、水を回転ドラム15に溜める洗濯乾燥装置などの装置では、リント集積箱6を有するフィルタ清掃機構12の実装場所は、水の影響のない高い場所であることが好ましい。同様に、送風ファン14の実装場所も、水の影響のない高い場所であることが好ましい。
図3に示すように、布類乾燥装置20では、フィルタ清掃機構12と送風ファン14との間に、フィルタ2とは異なる、もう1つの固定フィルタ13が配置されている。固定フィルタ13は、自動清掃機能が無い、固定されたフィルタである。
布類乾燥装置20は、送風路1の内部を流れるほぼ全てのリント4をフィルタ2で捕獲することができる。しかしながら、フィルタ清掃機構12やフィルタ清掃機構12aのように、清掃部材でフィルタ2を機械的に清掃する清掃機構では、ごく僅かながらフィルタ2が破損する可能性がある。また、図2に示したフィルタ移動型のフィルタ清掃機構12aでは、清掃プロセスモード時に、フィルタ2が送風路1の内部から外部に退避した状態になる。そのため、フィルタ清掃機構12aは、清掃プロセスモード時に送風を完全に停止させるが、ごく僅かながら制御異常が発生して、風が流れる可能性がある。これらの現象が発生した場合に、リント4がフィルタ2を通り抜けて下流側の送風ファン14やヒータ(図示せず)などに流れ込む可能性がある。仮に、大量のリント4が送風ファン14やヒータ(図示せず)などに流れ込んでしまうと、装置の故障が発生する可能性がある。そのため、布類乾燥装置20は、リント4をフィルタ2の下流側に流れ込み難くすることが好ましい。
そこで、図3に示す例では、布類乾燥装置20は、フィルタ清掃機構12と送風ファン14との間に、固定フィルタ13が設置された構造になっている。これにより、布類乾燥装置20は、リント4をフィルタ2の下流側に流れ込み難くしている。
なお、布類乾燥装置20は、フィルタ清掃機構12が正常に動作すれば、固定フィルタ13をほとんど清掃しなくてもよい。しかしながら、布類乾燥装置20は、固定フィルタ13を清掃することなく長期間稼働を続けた場合に、若干ながら上流側のフィルタ2を通り抜けてしまったリント4などが固定フィルタ13に付着して堆積し、乾燥用空気の送風を阻害してしまう可能性がある。
そこで、布類乾燥装置20は、フィルタ清掃機構12の直近の位置に固定フィルタ13を配置した構造になっている。このような布類乾燥装置20は、送風路1からリント集積箱6を取り外すことにより、リント集積箱6が取り外された部分から装置側の送風路1の内部に設置された固定フィルタ13にアクセスし易くすることができるため、固定フィルタ13を容易に清掃したりメンテナンスしたりすることができる。
図4は、布類乾燥装置20におけるフィルタ清掃機構12の実装配置置例を説明するための図である。図4中、符号「20f」は布類乾燥装置20の前面を示しており、符号「20s」は布類乾燥装置20の側面を示しており、符号「20b」は布類乾燥装置20の背面を示している。フィルタ清掃機構12の実装場所は、以下に説明するように、布類乾燥装置20の上部空間である、回転ドラム15の斜め上方の空間が最も適切である。
例えば、布類乾燥装置20では、限られた装置サイズの中で、できるだけ多くの布類を乾燥できるようにする必要があるため、比較的大きな円筒状の回転ドラム15が実装されている。布類乾燥装置20は、概略箱形の形状を呈している。その布類乾燥装置20の中に比較的大きな円筒状の回転ドラム15を実装した場合に、残されるフィルタ清掃機構12を実装することが可能な空間は、布類乾燥装置20の背面20b側のモータ17(図3参照)の近傍の空間と、布類乾燥装置20の上部空間である、布類乾燥装置20の側面20s側の回転ドラム15の斜め上方の空間となる。モータ17(図3参照)は駆動部材であるとともに振動の発生源であるため、モータ17(図3参照)の近傍の空間は、フィルタ清掃機構12を実装し難い。したがって、フィルタ清掃機構12の実装場所は、布類乾燥装置20の上部空間である、回転ドラム15の斜め上方の空間が最も適切である。
このような理由により、布類乾燥装置20は、布類乾燥装置20の上部空間である、布類乾燥装置20の側面20s側の回転ドラム15の斜め上方の空間にフィルタ清掃機構12を実装している。そして、図4に示すように、布類乾燥装置20は、送風路1が回転ドラム15の斜め上方の空間を通るように、送風路1を配置するとともに、フィルタ清掃機構12の前後における送風路1の配置形状をL字状の形状とし、送風路1におけるL字の略直角な屈曲箇所1bにフィルタ清掃機構12を実装した構造になっている。布類乾燥装置20は、このような送風路1の配置形状を採用することにより、装置の小型化を実現することができる。送風ファン14は、フィルタ清掃機構12の下流側の近傍に配置されるように、布類乾燥装置20の上部空間における側面20sの近傍の位置に配置される。布類乾燥装置20の背面20bには、フィルタ清掃機構12から送風ファン14に向けて乾燥用空気を送風することができるように、垂直ダクト1aが配置されている。
乾燥用空気は、垂直ダクト1aを通り抜けて、白抜き矢印5aに沿って送風路1の内部を屈曲箇所1bに向けて流れ、屈曲箇所1bで送風ファン14に向けて進行方向を変える。そして、乾燥用空気は、白抜き矢印5bに沿って送風路1の内部を流れ、送風ファン14に到達する。
リント集積箱6の実装場所は、以下に説明するように、送風路1におけるL字の屈曲箇所1bの周囲の、送風ファン14から遠い側の位置6a側が好ましい。
例えば、フィルタ清掃機構12が実装される回転ドラム15の斜め上方の空間は狭い空間であるため、リント集積箱6の実装場所が制限される。送風路1におけるL字の屈曲箇所1bにフィルタ清掃機構12が実装されるため、リント集積箱6を実装することが可能な空間は、送風路1におけるL字の屈曲箇所1bの周囲の、送風ファン14から遠い側の位置6a側か送風ファン14に近い側の位置6b側となる。仮に、送風ファン14に近い側の位置6bに、フィルタ2とリント清掃機構3と固定フィルタ13とを配置した場合に、フィルタ2,13の面は、送風ファン14に近い側つまり布類乾燥装置20の側面20sに平行に配置される。そのため、この構成は、清掃プロセスモード時のフィルタ清掃機構12のブレード3aの移動方向(図2に示すフィルタ清掃機構12aでは、フィルタ2の搬送方向)を考慮した場合に、送風ファン14の周囲に比較的大きな空間を確保する必要があるため、好ましくない。したがって、清掃プロセスモード時のフィルタ清掃機構12のブレード3aの移動方向(図2に示すフィルタ清掃機構12aでは、フィルタ2の搬送方向)を考慮した場合に、リント集積箱6の実装場所しては、送風路1におけるL字の屈曲箇所1bの周囲の、送風ファン14から遠い側の位置6a側が好ましい。
<フィルタ清掃機構の別の構成例>
布類乾燥装置20は、フィルタ清掃機構12,12aの代わりに、図5に示すフィルタ清掃機構12bを用いることができる。以下、図5を参照して、フィルタ清掃機構12bの構成につき説明する。フィルタ清掃機構12bは、フィルタ移動型のフィルタ清掃機構である。
図5は、フィルタ清掃機構12bの一構成例としての、回転ブラシ清掃機構を説明するための概念図である。図5は、布類乾燥装置20の背面20b(図4参照)側から見たフィルタ清掃機構12bの断面構造を示している。図5(a)は、フィルタ清掃機構12bを布類乾燥装置20に取り付けて、乾燥プロセス又は送風プロセスを行う時のフィルタ清掃機構12bの状態を示している。図5(b)は、布類乾燥装置20からフィルタ清掃機構12bを取り外して、フィルタ清掃機構12bに集積されたリント4を廃棄したりフィルタ清掃機構12bをメンテナンスしたりする時のフィルタ清掃機構12bの状態を示している。
図5(a)に示すように、フィルタ清掃機構12bは、送風路1と隙間21aとの間でフィルタ2を搬送するフィルタ搬送機構10と、フィルタ2の清掃部材として機能する回転ブラシ11bと、回転ブラシ11bを回転させる駆動機構(図示せず)と、回転ブラシ11bの清掃部材として機能する櫛状部材22とを備えている。隙間21aは、後記するフィルタ搬送ガイド26と後記する扉21との間に設けられた空間である。回転ブラシ11bと駆動機構(図示せず)は、リント清掃機構11を構成している。回転ブラシ11bは、リント集積箱6の入口6enに配置されている。
図5(a)に示す例では、送風路1のフィルタ2の風上側に、略直角方向に円弧状に屈曲した屈曲部1cが設けられている。屈曲部1cのフィルタ2に対抗する側には、遮蔽壁7aが配置され、さらに、その遮蔽壁7aの外側には、リント集積箱6が配置されている。
遮蔽壁7aは、半円柱形の回転扉として構成されており、曲面でフィルタ2に当接している。遮蔽壁7aは、駆動機構(図示せず)に駆動されて回転する構造になっており、回転することで開閉する。遮蔽壁7aは、図5(a)中に破線で示した位置まで90度回転することで、送風路1とリント集積箱6の入口6enとの間を連通させる。遮蔽壁7aは、リント清掃機構11の駆動機構(図示せず)に連結されている。したがって、遮蔽壁7aは、リント清掃機構11と一体に構成されており、リント清掃機構11の動作に合わせて稼働する。
図5(a)に示す例において、布類乾燥装置20の背面20b(図4参照)側の垂直ダクト1aからフィルタ2に向けて流れる乾燥用空気は、紙面上側(紙面を貫く側)から領域INに入ってくる。乾燥用空気は、領域INから屈曲部1cに流れ、屈曲部1cの内部で左側に略直角に曲がり、フィルタ2及び固定フィルタ13を通り抜けて、白抜き矢印OUTに沿って下流側に流れる。
フィルタ2は、フィルタ清掃機構12bの清掃対象のフィルタである。フィルタ2は、曲面状(円弧状)に湾曲した形状を呈しており、送風路1と隙間21aとの間を移動可能に配置されている。リント集積箱6の隙間21aに面する部分は、フィルタ2の移動をガイドするフィルタ搬送ガイド26として構成されている。フィルタ搬送ガイド26の上面は、フィルタ2の形状に合わせて、曲面状(円弧状)に湾曲した形状を呈している。
フィルタ2の下流側には、固定フィルタ13が配置されている。固定フィルタ13は、平面状の形状を呈しており、送風路1の内部に固定されている。固定フィルタ13の下流側には、ヒータ(図示せず)及び送風ファン14(図3参照)が配置されている。
フィルタ2は、乾燥プロセスモード時に、送風路1の内部に配置されている。フィルタ清掃機構12bは、清掃プロセスモード時に、フィルタ搬送機構10を駆動して、送風路1の内部から隙間21aの内部にフィルタ2を搬送するとともに、リント清掃機構11の駆動機構(図示せず)を駆動して、フィルタ2の搬送方向とは逆方向に回転ブラシ11bを回転させる。これにより、フィルタ清掃機構12bは、回転ブラシ11bでフィルタ2に付着したリントを掻き取り、フィルタ2を清掃する。
回転ブラシ11bで掻き取られたリントは、リント集積箱6の内部に収容される。回転ブラシ11bの斜め下方には、回収リント圧縮機構として機能する回転パドル8が配置されている。リントは、回転パドル8の回転によって圧縮されながらリント集積箱6の奥側に送り込まれる。
フィルタ清掃機構12bは、櫛状部材22を備えており、回転ブラシ11bの回転時に、櫛状部材22で回転ブラシ11bに付着したリントを取り除く。
フィルタ清掃機構12bは、リント集積箱6とともに、曲面状のフィルタ2やフィルタ搬送機構10などの可動機構も一体で着脱できるように構成されている。このような構成は、以下のメリットを得ることができる。例えば、このような構成は、送風路1とリント集積箱6の入口6enとの間でフィルタ2を搬送するフィルタ搬送機構10の構造を簡単にすることができるとともに、送風路1とリント集積箱6の入口6enとの間の気密を容易に確保することができる。また、このような構成は、布類乾燥装置20からリント集積箱6やフィルタ2、フィルタ搬送機構10など一体でフィルタ清掃機構12bを取り外すことにより、フィルタ清掃機構12bが取り外された部分から装置側の送風路1の内部に設置された固定フィルタ13にアクセスし易くすることができるため、固定フィルタ13を容易に清掃したりメンテナンスしたりすることができる。
図5(b)は、布類乾燥装置20から取り外した後のフィルタ清掃機構12bの開放可能な部分を示している。図5(b)に示すように、フィルタ清掃機構12bは、フィルタ2や隙間21aの内部を清掃することができるように、フィルタ搬送ガイド26の上面側に、開放可能な扉21が設けられている。フィルタ清掃機構12bは、この扉21を開放することにより、フィルタ2の交換を行うこともできる。また、リント集積箱6の底部には、開放可能なリント廃棄用扉9が設けられている。リントは、布類乾燥装置20からリント集積箱6が取り外され、その状態でリント廃棄用扉9が開放されることにより、廃棄される。
<フィルタ清掃機構のさらに別の構成例>
布類乾燥装置20は、フィルタ清掃機構12,12a,12bの代わりに、図6に示すフィルタ清掃機構12cを用いることもできる。以下、図6を参照して、フィルタ清掃機構12cの構成につき説明する。フィルタ清掃機構12cは、清掃機構移動型のフィルタ清掃機構である。
図6は、フィルタ清掃機構12cの一構成例としての、ブレード清掃機構を説明するための概念図である。図6は、布類乾燥装置20の背面20b(図4参照)側から見たフィルタ清掃機構12cの断面構造を示している。図6(a)、及び図6(b)は、それぞれ、乾燥プロセスモード時、及び、清掃プロセスモード時のフィルタ清掃機構12cの状態を示している。
図6(a)に示すように、フィルタ清掃機構12cは、フィルタ2の清掃部材として機能するブレード3bと、ブレード3bと遮蔽壁7bを回動可能に支持する回動機構25と、ブレード3bの外周面とリント集積箱6の入口との間をシールするブレード状シール材24とを備えている。ブレード3bと回動機構25は、リント清掃機構3を構成している。図6に示す例では、リント清掃機構3は、リント搬送機構を兼ねた構成になっている。そして、遮蔽壁7bは、リント清掃機構3と一体に構成されており、リント清掃機構3の動作に合わせて稼働する。送風路1は略直角方向に2回折れ曲がるようにS字状に形成されており、回動機構25はその送風路1の屈曲部1dに配置されている。
リント集積箱6は、送風路1に連通するように、屈曲部1dの近傍に配置されている。また、リント集積箱6は、ブレード3bが回動した時に、ブレード3bの先端部がリント集積箱6の入口に到達するように、配置されている。
図6(a)に示す例において、布類乾燥装置20の背面20b(図4参照)側の垂直ダクト1aからフィルタ2に向けて流れる乾燥用空気は、紙面上側から領域INに入ってくる。乾燥用空気は、白抜き矢印5cに沿って流れる。具体的には、乾燥用空気は、領域INから左下側の屈曲部1dに流れて、屈曲部1dの内部で左側に略直角に曲がり、フィルタ2及び固定フィルタ13を通り抜けて、白抜き矢印OUTに沿って下流側に流れる。
フィルタ2は、フィルタ清掃機構12cの清掃対象のフィルタである。フィルタ2は、ブレード3bの先端部の回動方向に合わせて、曲面状(円弧状)に湾曲した形状を呈している。
フィルタ2の下流側には、固定フィルタ13が配置されている。固定フィルタ13は、平面状の形状を呈しており、送風路1の内部に固定されている。固定フィルタ13の下流側には、ヒータ(図示せず)及び送風ファン14(図3参照)が配置されている。
図6(a)に示す例では、回動機構25の右斜め下側には、リント集積箱6が配置されている。リント集積箱6の内部には、回収リント圧縮機構として機能する回転パドル8が配置されている。
送風路1の屈曲部1dとリント集積箱6との間には、遮蔽壁7bが配置されている。遮蔽壁7bは、ブレード3bの先端部の回動方向に合わせて、曲面状(円弧状)に湾曲した形状を呈している。
ブレード3bと遮蔽壁7bとは、回動機構25によって回動自在に支持されている。回動機構25は、送風路1の屈曲部1dの中央付近に設けられた回転軸25aと、ブレード3bと遮蔽壁7bとを支持する複数本の柱状のアーム25bとを有している。回動機構25は、回転軸25aを中心にしてブレード3bと遮蔽壁7bとを回動させる。したがって、ブレード3bと遮蔽壁7bとは、同一の回転軸25aを中心にして回動する。
回動機構25は、清掃ブレード押圧調整用の付勢部材23を有している。付勢部材23は、ばねなどで構成され、ブレード3bを外周方向に付勢する。フィルタ清掃機構12cは、回動機構25に付勢部材23を設けることで、フィルタ2や壁面へのブレード3bの押圧力を、清掃可能な適正値に安定に保持することができる。
乾燥用空気は、複数本の柱状のアーム25bの隙間を通過する。そのため、フィルタ清掃機構12cは、ほとんど抵抗が無い状態で乾燥用空気をフィルタ2まで流すことができる。
図6(a)に示すように、乾燥プロセスモード時において、ブレード3bは、フィルタ2から外れた待機場所に配置されている。また、遮蔽壁7bは、リント集積箱6の入口を閉鎖する閉鎖位置に配置されている。
図6(b)に示すように、清掃プロセスモード時において、フィルタ清掃機構12cは、回動機構25を駆動して、ブレード3bと遮蔽壁7bとを回動させる。このとき、遮蔽壁7bは、リント集積箱6の入口から外れた位置に移動する。その結果、リント集積箱6の入口が開放される。同時に、ブレード3bは、フィルタ2に付着したリントを掻き取り、フィルタ2を清掃する。そして、ブレード3bは、掻き取られた清掃後のリントをリント集積箱6の入口に搬送し、リントをリント集積箱6の内部に送り込む。
リント集積箱6の内部に送り込まれた清掃後のリント4は、回転パドル8の回転によって圧縮されながらリント集積箱6の底側に送り込まれる。これにより、清掃後のリント4がリント集積箱6の内部に集積される。
リント集積箱6の内部に集積された清掃後のリント4は、廃棄プロセスモード時に、布類乾燥装置20からフィルタ清掃機構12cを取り外し、リント廃棄用扉9を開放することにより、廃棄することができる。なお、図6(b)に示す例では、開放状態のリント廃棄用扉9が点線で示されている。しかしながら、リント廃棄用扉9は、布類乾燥装置20からフィルタ清掃機構12cが取り外されることで、開放可能な状態になる。
このようなフィルタ清掃機構12cは、ブレード3bが360度回転可能に構成することで、例えば、1回のブレード3bの回転ではフィルタ2を十分に清掃することができない場合であっても、ブレード3bを複数回回転させることで、フィルタ2を効率よく清掃することができる。
なお、図6(a)に示す例では、フィルタ清掃機構12cは、乾燥プロセスモード時、つまり遮蔽壁7bの閉鎖状態時に、ブレード3bをフィルタ2の手前付近の位置に配置している。しかしながら、乾燥プロセスモード時のブレード3bの配置位置は、その位置に限定されない。例えば、ブレード3bを360度回転させることが可能な構成では、乾燥プロセスモード時のブレード3bの配置位置は、どのような角度にも設定することができる。また、乾燥プロセスモード時のブレード3bの配置位置は、より送風抵抗が少ない位置や、リントの付着し難い角度や位置などを考慮して設定することもできる。また、フィルタ清掃機構12cは、ブレード3bを遮蔽壁7bの端部に設けて、ブレード3bと遮蔽壁7bとを一体構造にすることで、アーム25bの数や構造を簡略化することができる。フィルタ清掃機構12cは、状況に応じて、適正なブレード3bと遮蔽壁7bの設置角度や位置を選択すればよい。
また、フィルタ清掃機構12cは、ブレード3bの外周面とリント集積箱6の入口との間をシールするブレード状シール材24を備えている。ブレード状シール材24は、弾性体によって構成されている。ブレード状シール材24は、リント集積箱6の入口においてブレード3bの回動方向の下流側端部に配置されている。フィルタ清掃機構12cは、ブレード状シール材24を備えることで、回動するブレード3bに付着したリントをリント集積箱6の内部に掻き落とすことができる。
なお、廃棄プロセスモード時において、遮蔽壁7bは、リント集積箱6を閉鎖する位置で固定されている。そのため、布類乾燥装置20からフィルタ清掃機構12cが取り外される時に、フィルタ清掃機構12cは、リント集積箱6からリントをこぼさない構造になっている。リントの廃棄は、リント集積箱6の底側に設けられたリント廃棄用扉9を開放することにより行われる。リント集積箱6の内部のリントは、清掃プロセスモード時において、回転パドル8の回転によってリント集積箱6の底側に集められている。そのため、フィルタ清掃機構12cは、リント廃棄用扉9を開放することでリント集積箱6の内部のリントをスムーズに廃棄することができる。
以上の通り、本実施形態に係る布類乾燥装置20によれば、清掃後のリントがフィルタ2に再付着することを抑制することができる。
また、布類乾燥装置20は、フィルタ2に付着したリントを効率よく除去することができる。そのため、布類乾燥装置20は、乾燥プロセスモード時に、送風効率が低下して、乾燥効率が低下することを抑制することができ、乾燥エネルギーや乾燥時間の増大を招くことを抑制することができる。その結果、布類乾燥装置20は、高い乾燥効率を得ることができ、乾燥エネルギーを節約することができる。
本発明は、前記した実施形態に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、前記した実施形態は、本発明を分かり易く説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、実施形態の構成の一部を他の構成に置き換えることが可能であり、また、実施形態の構成に他の構成を加えることも可能である。また、各構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
また、例えば、布類乾燥装置20は、布類の洗濯機能と乾燥機能とを有する洗濯乾燥装置として構成されていてもよい。