JP6831733B2 - エミッタの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、エミッタの製造方法に関する。
以前から、植物の栽培方法の一つとして点滴灌漑法が知られている。点滴灌漑法とは、植物が植えられている土壌上に点滴灌漑用チューブを配置し、点滴灌漑用チューブから土壌へ、水や液体肥料などの灌漑用液体を滴下する方法である。近年、点滴灌漑法は、灌漑用液体の消費量を最小限にすることが可能であるため、特に注目されている。
点滴灌漑用チューブは、通常、灌漑用液体が吐出される複数の貫通孔が形成されたチューブと、各貫通孔から灌漑用液体を吐出するための複数のエミッタ(「ドリッパ」ともいう)を有する。また、エミッタの種類としては、チューブの内壁面に接合して使用されるエミッタ(例えば、特許文献1参照)と、チューブに外側から突き刺して使用されるエミッタとが知られている。
特許文献1には、チューブの内壁面に接合されるエミッタが記載されている。特許文献1に記載のエミッタは、灌漑用液体を取り入れるための取水部と、チューブを貫通する吐出口に面して配置された、灌漑用液体を吐出するための吐出部と、取水部と吐出部とを繋いで灌漑用液体を流通させる流路と、を有する。また、特許文献1に記載のエミッタは、取水部に、複数の凸条が配列されたウェッジワイヤー構造を有するスクリーン部となっている。上記ウェッジワイヤー構造を有するスクリーン部は、浮遊物が流路内に侵入することを防止し、かつ、凸条間に入り込んだ水の圧力損失を抑制できる。
また、特許文献1には、上記エミッタは射出成形などによって製造できると記載されている。
特開2016−154525号公報
特許文献1に記載のエミッタが有するような、ウェッジワイヤー構造を構成する複数の凸条は、成形時のアンダーカットとなる。
通常、アンダーカットは、金型を内側または外側にスライドさせて金型から離型される。しかし、上記複数の凸条は、取水部を構成する凹部の中に狭い間隔で隣接して配置されるため、金型をスライドさせるための空間を確保することができず、上記通常のアンダーカット処理では金型から離型させることができない。
そのため、上記複数の凸条は、成形体(エミッタ)を変形させつつ金型を凸条の高さ方向に引き抜く、いわゆる無理抜きで金型から離型されている。特許文献1に記載のようなエミッタは、可撓性を有する材料を材料としているため、無理抜きでの離型が可能であり、また無理抜き後にも元の形状に戻りやすい。しかし、このような材料を用いてエミッタを製造しても、無理抜き時の凸条の変形および破損などは生じ得る。
そこで、本発明の目的は、ウェッジワイヤー構造を構成する複数の凸条を有するエミッタの製造方法であって、無理抜きをせずに上記複数の凸条を製造可能な方法を提供することである。
上記の課題を解決するため、本発明に係るエミッタの製造方法は、灌漑用液体を流通させるチューブの内壁面であり、かつ前記チューブの内外を連通する吐出口に対応する位置に接合され、前記チューブ内の前記灌漑用液体を前記吐出口から定量的に前記チューブ外に吐出するためのエミッタの製造方法である。前記エミッタは、互いに裏表の関係にある第1表面および第2表面を有するエミッタ本体の、前記第1表面側に設けられた、前記灌漑用液体を取り入れるための取水部と、前記エミッタ本体の前記第2表面側に設けられた、前記吐出口に面して配置されたときに前記灌漑用液体を前記チューブの外部に吐出可能な吐出部と、前記取水部および前記吐出部を繋ぎ、前記灌漑用液体を流通させる流路と、を有し、前記取水部は、前記第1表面側において前記第2表面側よりも幅が広くなるように形成された複数の凸条が配列されたスクリーン部を有する。前記製造方法は、前記エミッタが有する前記凸条よりも高さが高い複数の仮凸条を、前記取水部の前記凸条が配置されるそれぞれの位置に有する、前記エミッタの中間成形体を作製する工程と、前記複数の仮凸条を塑性変形させて前記複数の凸条を形成する工程と、を含む。
本発明に係るエミッタの製造方法は、ウェッジワイヤー構造を構成する複数の凸条を有するエミッタを、上記複数の凸条の無理抜きをせずに製造可能である。
図1A、Bは、本発明によって製造されるエミッタが配置された点滴灌漑用チューブの断面図である。 図2A、Bは、本発明によって製造されるエミッタの構成を示す図である。 図3A〜Cは、本発明によって製造されるエミッタの構成を示す図である。 図4A、Bは、本発明によって製造されるエミッタの構成を示す図である。 図5は、図3Cに示される円部Dの拡大断面図である。 図6は、本発明の実施の形態に係るエミッタの製造方法を説明するための模式図である。 図7は、本発明の実施の一形態に係るエミッタの製造方法を説明するための拡大模式図である。 図8は、本発明の別の実施の形態に係るエミッタの製造方法を説明するための拡大模式図である。
以下、本発明によって製造されるエミッタおよび当該エミッタが配置された点滴灌漑用チューブの一例を説明し、その後、当該エミッタの製造方法を説明する。
(エミッタおよび点滴灌漑用チューブの例示的な構成)
図1Aは、本発明によって製造されるエミッタ120を有する点滴灌漑用チューブ100の軸に沿う方向における断面図であり、図1Bは、点滴灌漑用チューブ100の軸に垂直な方向における断面図である。
図1に示されるように、点滴灌漑用チューブ100は、チューブ110およびエミッタ120を有する。
チューブ110は、灌漑用液体を流すための管である。チューブ110の材料は、特に限定されず、たとえば、ポリエチレンとすることができる。チューブ110の管壁には、チューブ110の軸方向において所定の間隔(例えば、200〜500mm)で灌漑用液体を吐出するための複数の吐出口112が形成されている。吐出口112の開口部の直径は、灌漑用液体を吐出することができれば特に限定されず、たとえば、1.5mmとすることができる。チューブ110の内壁面の吐出口112に対応する位置には、エミッタ120がそれぞれ接合される。チューブ110の軸方向に垂直な断面形状および断面積は、チューブ110の内部にエミッタ120を配置することができれば特に限定されない。
点滴灌漑用チューブ100は、エミッタ120をチューブ110の内壁面に接合することによって作製される。チューブ110とエミッタ120との接合方法は、特に限定されない。チューブ110とエミッタ120との接合方法の例には、エミッタ120またはチューブ110を構成する樹脂材料の溶着や、接着剤による接着などが含まれる。なお、吐出口112は、通常、チューブ110とエミッタ120とを接合した後に形成されるが、接合前に形成されてもよい。
図2Aは、エミッタ本体122とフィルム124とを接合する前のエミッタ120の平面図であり、図2Bは、エミッタ本体122とフィルム124とを接合する前のエミッタ120の底面図である。図3Aは、エミッタ本体122とフィルム124とを接合する前のエミッタ120の正面図であり、図3Bは、図2Aに示されるA−A線の断面図であり、図3Cは、図2Aに示されるB−B線の断面図である。図4Aは、エミッタ本体122とフィルム124とを接合する前のエミッタ120の側面図であり、図4Bは、図2Aに示されるC−C線のエミッタ本体122の断面図である。図5は、図3Cに示される円部Dの拡大断面図である。
図1〜図4に示されるように、エミッタ120は、吐出口112を覆うようにチューブ110の内壁面に接合される。エミッタ120の形状は、チューブ110の内壁面に密着して、吐出口112を覆うことができれば特に限定されない。本実施の形態では、チューブ110の軸方向に垂直なエミッタ120の断面における、チューブ110の内壁面に接合する第2表面120bの形状は、チューブ110の内壁面に沿うように、チューブ110の内壁面に向かって凸の略円弧形状である。エミッタ120の平面形状は、四隅がR面取りされた略矩形である。エミッタ120の大きさは、特に限定されず、たとえば、エミッタ120の長辺方向の長さは25mm、短辺方向の長さは8mm、高さは2.5mmとすることができる。
エミッタ120は、互いに裏表の関係にある第1表面120aおよび第2表面120bを有し、前記第2表面120bがチューブ110の内壁面に接合されるエミッタ本体122と、エミッタ本体122に接合されたフィルム124とを有する。エミッタ本体122およびフィルム124は、ヒンジ部126を介して一体的に形成されている(図2A、B参照)。
エミッタ本体122およびフィルム124は、いずれも可撓性を有する一種類の材料で成形されている。エミッタ本体122およびフィルム124の材料の例には、樹脂およびゴムが含まれる。樹脂の例には、ポリエチレンおよびシリコーンが含まれる。エミッタ本体122およびフィルム124の可撓性は、弾性を有する樹脂材料の使用によって調整することができる。エミッタ本体122およびフィルム124の可撓性の調整方法の例には、弾性を有する樹脂の選択や、硬質の樹脂材料に対する弾性を有する樹脂材料の混合比の調整などが含まれる。
エミッタ本体122は、取水部131と、第1接続流路141となる第1接続溝132と、第1減圧流路142となる第1減圧溝133と、第2減圧流路144となる第2減圧溝134と、第2接続流路145となる第2接続溝135と、流量減少部136と、流路開閉部137と、吐出部138と、を有する。取水部131、流量減少部136および流路開閉部137は、エミッタ本体122の第1表面120a側に配置されている。また、第1接続溝132、第1減圧溝133、第2減圧溝134、吐出部138および第2接続溝135は、エミッタ本体122の第2表面120b側に配置されている。
フィルム124とエミッタ本体122とが接合され、かつ、エミッタ本体122とチューブ110とが接合されることにより、第1接続溝132、第1減圧溝133、第2減圧溝134および第2接続溝135は、それぞれ第1接続流路141、第1減圧流路142、第2減圧流路144および第2接続流路145となる。すなわち、取水部131、第1接続流路141、第1減圧流路142、流量減少部136および吐出部138から構成され、取水部131と吐出部138とを繋ぐ第1流路143が形成される。また、取水部131、第1接続流路141、第2減圧流路144、流路開閉部137、第2接続流路145、流量減少部136および吐出部138から構成され、取水部131と吐出部138とを繋ぐ第2流路146が形成される。第1流路143および第2流路146は、いずれも取水部131から吐出部138まで灌漑用液体を流通させる。またエミッタ本体122は、第2流路146の流路開閉部137の下流が流量減少部136に接続されており、流量減少部136から吐出部138までの間が、第1流路143と第2流路146とが重複している。
取水部131は、エミッタ本体122の第1表面120a側の領域に配置されている(図2A参照)。取水部131が配置されていない第1表面120aの領域には、流量減少部136および流路開閉部137(フィルム124)が配置されている。取水部131は、スクリーン部151および複数の取水用貫通孔152を有する。
スクリーン部151は、エミッタ本体122に第1表面120a側から取り入れられる灌漑用液体中の浮遊物が取水用凹部153内に侵入することを防止する。スクリーン部151は、チューブ110内に対して開口しており、取水用凹部153および凸条154を有する。
取水用凹部153は、エミッタ本体122の第1表面120aにおいて、フィルム124が接合されていない領域の全体に形成されている1つの凹部である。取水用凹部153の深さは特に限定されず、エミッタ本体122の大きさによって適宜設定される。取水用凹部153の底面上には凸条154が形成されている。また、取水用凹部153の底面には取水用貫通孔152が形成されている。
凸条154は、取水用凹部153の底面上に配置されている。凸条154の配置および数は、取水用凹部153の開口部側から灌漑用液体を取り入れつつ、灌漑用液体中の浮遊物の侵入を防止することができれば特に限定されない。凸条154は、エミッタ本体122の短軸方向に沿い、かつエミッタ本体122の長軸方向に配列された複数の第1凸条155と、エミッタ本体122の長軸方向に沿って配置された1つの第2凸条156とを有する。
第1凸条155は、第1表面120a側において第2表面120b側よりも幅が広くなるように形成されている(図5参照)。つまり、第1凸条155は、高さ方向(エミッタ本体122の厚み方向)に位置が異なる任意の2点においてエミッタ本体122の長軸方向の幅を測定したときに、第1表面120a側の点において第2表面120b側の点よりも上記幅が広くなるような2点を有する。なお、第1凸条155は、その頂部において最も幅が広いことが好ましい。また、隣接する第1凸条155間の距離は、前述の機能を発揮することができれば特に限定されない。これにより、第1凸条155の配列方向において、隣接する第1凸条155間には、取水用凹部153の底面側に空間が生じ、複数の第1凸条155は、いわゆるウェッジワイヤー構造を構成する。そのため、第1凸条155は、取水用凹部153内に流入した水の圧力損失を抑制できる。
第2凸条156は、第1凸条155と同じように、取水用凹部153の底面側からエミッタ本体122の第1表面120a側に向かうにつれて幅が大きくなるように形成されていてもよいし、取水用凹部153の底面からエミッタ本体122の第1表面120aまで同じ幅となるように形成されていてもよい。
取水用貫通孔152は、取水用凹部153の底面に形成されている。取水用貫通孔152の形状、位置および数は、取水用凹部153の内部に取り込まれた灌漑用液体をエミッタ本体122内に取り込むことができれば特に限定されない。取水用貫通孔152は、取水用凹部153の底面の長軸方向に沿って形成された1つの長孔である。長孔は、複数の第1凸条155により覆われている。そのため、表側から見た場合、取水用貫通孔152は、多数の貫通孔に分かれているように見える。
第1接続溝132(第1接続流路141)は、取水用貫通孔152(取水部131)と、第1減圧溝133および第2減圧溝134とを接続する。第1接続溝132は、エミッタ本体122の第2表面120b側に外縁部に沿って略U字状に形成されている。第1接続溝132の一端(取水用貫通孔152が配置されていない側)には、第1減圧溝133が接続されており、第1接続溝132の中央部付近には、第2減圧溝134が接続されている。第1接続溝132は、一部の領域が後述する第1減圧溝133および第2減圧溝134と同様のジグザグ形状の平面視形状を有し、減圧溝としても機能するように形成されている。チューブ110とエミッタ本体122(エミッタ120)とが接合されることにより、第1接続溝132とチューブ110の内壁面とにより、第1接続流路141が形成される。取水部131から取り込まれた灌漑用液体は、第1接続流路141を通って、第1減圧流路142および第2減圧流路144に流れる。
第1減圧溝133(第1減圧流路142)は、流量減少部136より上流側の第1流路143に配置されており、第1接続溝132(第1接続流路141)と流量減少部136とを接続する。第1減圧溝133(第1減圧流路142)は、取水部131から取り入れられた灌漑用液体の圧力を減圧させて、流量減少部136に導く。第1減圧溝133は、第2表面120b側の外縁部に長軸方向に沿って配置されている。第1減圧溝133の上流端は第1接続溝132に接続されており、下流端には流量減少部136に連通した流量減少用貫通孔161が配置されている。第1減圧溝133の形状は、前述の機能を発揮することができれば特に限定されない。本実施の形態では、第1減圧溝133の平面視形状は、ジグザグ形状である。第1減圧溝133は、内側面から突出する略三角柱形状の凸部162が灌漑用液体の流れる方向に沿って交互に配置されている。凸部162は、平面視したときに、先端が第1減圧溝133の中心軸を超えないように配置されている。チューブ110とエミッタ本体122(エミッタ120)とが接合されることにより、第1減圧溝133とチューブ110の内壁面とにより、第1減圧流路142が形成される。取水部131から取り込まれた灌漑用液体のうち、少なくとも一部の灌漑用液体は、第1減圧流路142により減圧されて流量減少部136に導かれる。
第2減圧溝134(第2減圧流路144)は、流路開閉部137より上流側の第2流路146に配置されており、第1接続溝132(第1接続流路141)と流路開閉部137とを接続する。第2減圧溝134(第2減圧流路144)は、取水部131から取り入れられた灌漑用液体を流路開閉部137に導く。第2減圧溝134の上流端は接続溝132に接続されており、下流端には流路開閉部137に連通した流路開閉用貫通孔163が形成されている。第2減圧溝134は、一部の領域が第1減圧溝133と同様のジグザグ形状の平面視形状を有し、減圧溝として機能するように形成されている。チューブ110とエミッタ本体122(エミッタ120)とが接合されることにより、第2減圧溝134とチューブ110の内壁面の一部とにより、第2減圧流路144が形成される。取水部131から取り込まれた灌漑用液体のうち、一部の灌漑用液体は、第2減圧流路144を通過して流路開閉部137に導かれる。
流量減少部136は、第1流路143内において第1減圧流路142(第1減圧溝133)と吐出部138との間に配置されており、かつエミッタ本体122の第1表面120a側に配置されている。流量減少部136は、チューブ110内の灌漑用液体の圧力に応じて灌漑用液体の流量を減少させつつ、灌漑用液体を吐出部138に送る。流量減少部136の構成は、前述の機能を発揮することができれば特に限定されない。流量減少部136は、第1減圧溝133(第1減圧流路142)に連通した流量減少用貫通孔161と、流量減少用凹部171と、第1弁座部172と、連通溝173と、吐出部138に連通した吐出用貫通孔174と、フィルム124の一部である第1ダイヤフラム部175と、第2接続溝135(第2接続流路145)に連通した第1接続孔176と、を有する。
流量減少用凹部171の平面視形状は、略円形状である。流量減少用凹部171の底面には、流量減少用貫通孔161、吐出用貫通孔174、第1接続孔176、および第1弁座部172が配置されている。流量減少用凹部171の深さは、特に限定されず、連通溝173の深さ以上であればよい。
吐出用貫通孔174は、流量減少用凹部171の底面の中央部分に配置されており、吐出部138に連通している。
第1弁座部172は、吐出用貫通孔174を取り囲むように流量減少用凹部171の底面に配置されている。第1弁座部172は、チューブ110を流れる灌漑用液体の圧力が高い場合に、第1ダイヤフラム部175が密着できるように形成されている。第1弁座部172に第1ダイヤフラム部175が接触することによって、流量減少用凹部171から吐出部138に流れ込む灌漑用液体の流量を減少させる。第1弁座部172の形状は、前述の機能を発揮することができれば特に限定されず、たとえば、円環状の凸部とすることができる。より具体的には、第1弁座部172の形状は、その弁座面が吐出用貫通孔174の開口部から流量減少用凹部171の底面に向かって傾斜するような形状とすることができる。第1弁座部172の第1ダイヤフラム部175が密着可能な領域の一部には、流量減少用凹部171の内部と吐出用貫通孔174を連通する連通溝173が形成されている。
第1減圧溝133(第1減圧流路142)に接続した流量減少用貫通孔161、および第2接続溝135(第2接続流路145)に連通した第1接続孔176は、流量減少用凹部171の底面において、第1弁座部172が配置されていない領域に形成されている。
第1ダイヤフラム部175は、フィルム124の一部である。フィルム124がエミッタ本体120に接合されたとき、第1ダイヤフラム部175は、流量減少用凹部171の内部とチューブ110の内部とを仕切るように配置されて、流量減少用凹部171の上面を覆って流量減少部136における流路壁の一部を構成する。第1ダイヤフラム部175は、チューブ110内の灌漑用液体の圧力に応じて、第1弁座部172に接触するように変形する。具体的には、第1ダイヤフラム部175は、灌漑用液体の圧力が高くなるにつれて、第1弁座部172に向かって変形し、やがて第1弁座部172に接触する。第1ダイヤフラム部175が第1弁座部172に密着している場合であっても、第1ダイヤフラム部175は、流量減少用貫通孔161、吐出用貫通孔174および連通溝173を閉塞しないため、流量減少用貫通孔161から送られてきた灌漑用液体は、連通溝173および吐出用貫通孔174を通って、吐出部138に送られうる。なお、第1ダイヤフラム部175は、後述の第2ダイヤフラム部183と隣接して配置されている。
流路開閉部137は、第2流路146内において第2減圧流路144(第2減圧溝134)と第2接続溝135(第2接続流路145)との間に配置されており、かつエミッタ本体122の第1表面120a側に配置されている。流路開閉部137は、チューブ110内の圧力に応じて第2流路146を開放して、灌漑用液体を吐出部138に送る。流路開閉部137の下流は第2接続溝135(第2接続流路145)を通じて流量減少部136に接続されており、第2減圧流路144(第2減圧溝134)からの灌漑用液体は、第2接続溝135(第2接続流路145)および流量減少部136を通って吐出部138に到達する。流路開閉部137は、第2減圧流路144(第2減圧溝134)に通じた流路開閉用貫通孔163と、流路開閉用凹部181と、第2弁座部182と、フィルム124の一部である第2ダイヤフラム部183と、第2接続溝135(第2接続流路145)に連通した第2接続孔184と、を有する。
流路開閉用凹部181の平面視形状は、略円形状である。流路開閉用凹部181の底面には、流路開閉用貫通孔163と、第2弁座部182と、第2接続溝135(流量減少部136)に連通した第2接続孔184と、が配置されている。流路開閉用凹部181の底面は、流量減少用凹部171の底面より第1表面120a側に配置されている。すなわち、流路開閉用凹部181は、流量減少用凹部171より浅く形成されている。第2弁座部182の頂部は、第1弁座部172の頂部より第1表面120a側に配置されている。これにより、フィルム124が灌漑用液体の圧力により変形した場合に、フィルム124は、第1弁座部172より先に第2弁座部182に接触する。流路開閉用凹部181の平面形状は、流量減少用凹部171と同じ大きさおよび同じ形状でもよいし、流量減少用凹部171より小さく形成されてもよい。流量減少用凹部171と、流路開閉用凹部181とは、エミッタ本体122の長軸方向に並んで配置されている。第2減圧流路144から流路開閉用貫通孔163を通過して流路開閉用凹部181に流れ込んだ灌漑用液体は、第2接続孔184、第2接続流路145および第1接続孔176を経由して、流量減少部136に流れ込む。
第2減圧溝134に連通した流路開閉用貫通孔163は、流路開閉用凹部181の底面において、第2弁座部182が配置されていない領域に形成されている。なお、第2減圧溝134に連通した流路開閉用貫通孔163が第2弁座部182に囲まれるように配置され、第2接続溝135(第2接続流路145)に連通した第2接続孔184が第2弁座部182の外側に配置されていてもよい。
第2弁座部182は、第2接続孔184を取り囲むように流路開閉用凹部181の底面に配置されている。また、第2弁座部182は、第2ダイヤフラム部183に面して非接触に配置され、チューブ110を流れる灌漑用液体の圧力によりフィルム124が変形した場合に、第2ダイヤフラム部183が密着できるように形成されている。このとき、第2ダイヤフラム部183は、第2弁座部182に密着して流路開閉用貫通孔163を閉塞し、その結果として第2流路146を閉塞する。第2弁座部182の形状は、前述の機能を発揮することができれば特に限定されない。本実施の形態では、第2弁座部182は、流路開閉用貫通孔163が設けられた流路開閉用凹部181の底面の一部である。なお、第2弁座部182は、第2接続孔184を取り囲むように配置された円環状の凸部であってもよい。
第2ダイヤフラム部183は、フィルム124の一部であり、第1ダイヤフラム部175と隣接して配置されている。フィルム124がエミッタ本体120に接合されたとき、第2ダイヤフラム部183は、流路開閉用凹部181の内部とチューブ110の内部とを仕切るように配置されて、流路開閉用凹部181の上面を覆って流量減少部136における流路壁の一部を構成する。第2ダイヤフラム部183は、チューブ110内の灌漑用液体の圧力に応じて、第2弁座部182に接触するように変形する。具体的には、第2ダイヤフラム部183は、灌漑用液体の圧力が高くなるにつれて、第2弁座部182に向かって変形し、第2弁座部182に接触する。これにより、第2流路146(第2接続孔184)は閉塞される。
吐出部138は、エミッタ本体122の第2表面120b側に配置されている。吐出部138は、吐出用貫通孔174からの灌漑用液体をチューブ110の吐出口112に送る。吐出部138の構成は、前述の機能を発揮することができれば特に限定されない。本実施の形態では、吐出部138は、吐出用凹部191と、侵入防止部192とを有する。
吐出用凹部191は、エミッタ本体122の第2表面120b側に配置されている。吐出用凹部191の平面視形状は、略矩形である。吐出用凹部191の底面には、吐出用貫通孔174および侵入防止部192が配置されている。
侵入防止部192は、吐出口112からの異物の侵入を防止する。侵入防止部192は、前述の機能を発揮することができれば特に限定されない。本実施の形態では、侵入防止部192は、隣接して配置された複数の凸条部193を有する。複数の凸条部193は、エミッタ本体122(エミッタ120)をチューブ110に接合した場合に、吐出用貫通孔174および吐出口112の間に位置するように配置されている。
フィルム124は、第1ダイヤフラム部175および第2ダイヤフラム部183を有し、エミッタ本体122と接合したときに、流量減少部136とおよび流路開閉部137の上面(流路壁)を構成する。フィルム124の厚さは、例えば0.3mmである。
ヒンジ部126は、エミッタ本体122の第1表面120aの一部に接続されている。ヒンジ部126の厚さは、フィルム124と同じ厚さであり、エミッタ本体122およびフィルム124と一体的に成形されている。なお、フィルム124は、エミッタ本体122と別体として準備して、エミッタ本体122と接合してもよい。
(点滴灌漑用チューブおよびエミッタの動作)
次に、点滴灌漑用チューブ100の動作について説明する。まず、チューブ110内に灌漑用液体が送液される。灌漑用液体の例には、水、液体肥料、農薬およびこれらの混合液が含まれる。点滴灌漑用チューブ100へ送液される灌漑用液体の圧力は、簡易に点滴灌漑法を導入できるように、またチューブ110およびエミッタ120の破損を防止するため、0.1MPa以下であることが好ましい。チューブ110内の灌漑用液体は、取水部131からエミッタ120内に取り込まれる。具体的には、チューブ110内の灌漑用液体は、第1凸条155間の隙間から取水用凹部153に入り込み、取水用貫通孔152を通過する。このとき、取水部131は、スクリーン部151(第1凸条155間の隙間)を有しているため、灌漑用液体中の浮遊物を除去することができる。また、取水部131には、いわゆるウェッジワイヤー構造が形成されているため、取水部131への水の取り込み時における水の圧力損失は抑制される。
取水部131から取り込まれた灌漑用液体は、第1接続流路141に到達する。第1接続流路141に到達した灌漑用液体は、第1減圧流路142および第2減圧流路144に流れ込む。
第1減圧流路142に流れ込んだ灌漑用液体は、流量減少用貫通孔161を通って、流量減少部136に到達する。流量減少部136に流れ込んだ灌漑用液体は、吐出部138に流れ込む。吐出部138に流れ込んだ灌漑用液体は、チューブ110の吐出口112からチューブ110外に吐出される。
一方、第2減圧流路144に流れ込んだ灌漑用液体は、流路開閉用貫通孔163を通って流路開閉部137に流れ込む。流路開閉部137に流れ込んだ灌漑用液体は、流量減少部136を通って吐出部138に流れ込む。吐出部138に流れ込んだ灌漑用液体は、チューブ110の吐出口112からチューブ110外に吐出される。
前述したように、流量減少部136と、流路開閉部137とは連通している。また、流量減少部136では、チューブ110内の灌漑用液体の圧力に応じて第1ダイヤフラム部175によって灌漑用液体の流量が制御され、流路開閉部137では、チューブ110内の灌漑用液体の圧力に応じて第2ダイヤフラム部183によって灌漑用液体の流量が制御される。そこで、チューブ110内の灌漑用液体の圧力に応じた流路開閉部137および流量減少部136の動作について説明する。
チューブ110内に灌漑用液体を送液する前は、フィルム124に灌漑用液体の圧力が加わらないため、第1ダイヤフラム部175および第2ダイヤフラム部183は、変形していない。
灌漑用液体の圧力が低圧の場合、灌漑用液体は、第1流路143および第2流路146の両方を通ってチューブ外に吐出される。灌漑用液体の圧力が高くなるにつれて、第1ダイヤフラム部175が第1弁座部172に向かって変形するとともに、第2ダイヤフラム部183が第2弁座部182に向かって変形する。灌漑用液体の圧力が高まると、第2ダイヤフラム部183が第2弁座部182に接触して第2流路146が閉塞される。第2流路146が閉塞されると、灌漑用液体は、第1流路143のみを通って吐出される。このように、灌漑用液体の圧力がさらに高まると、流量減少部136からの灌漑用液体の流量は、第1流路143の通過量に応じた流量に制御され、吐出口からは、第1流路143の通過量に応じた流量の灌漑用液体のみが吐出される。
チューブ内の灌漑用液体の圧力がさらに高まると、第1ダイヤフラム部175は、第1弁座部172に向かってさらに変形し、やがて第1弁座部172の弁座面に密着する。エミッタ120では、第1弁座部172の弁座面が外縁に向けて下方に傾斜していることから、第1ダイヤフラム部175は、灌漑用液体の圧力がより高くなるに連れて、弁座面により一層密着し、連通溝173と第1ダイヤフラム部175で形成される流路は徐々に長くなり、その外縁側の開口部は徐々に狭くなる。このように、灌漑用液体の圧力がさらに高まると、流量減少部136からの灌漑用液体の流量は、当該流路の開口面積に応じた流量に制御され、最終的に吐出口からは、当該開口面積に応じた流量の灌漑用液体のみが吐出される。
このように、エミッタ120では、灌漑用液体の圧力による灌漑用液体の流量の増加と、第2流路146の閉塞および第1流路143における上記流路の開口面積の減少による灌漑用液体の流量の減少が相殺されるため、灌漑用液体の圧力が増加した場合であっても、吐出口から吐出される灌漑用液体の液量が増加することがない。そのため、点滴灌漑用チューブ100は、灌漑用液体の圧力が低圧および高圧のいずれの場合であっても、一定量の灌漑用液体をチューブ110外に吐出できる。
(エミッタの製造方法)
本発明において、図6および図6に破線で示す領域Fの拡大図である図7に示すように、エミッタ本体122は、エミッタ本体122と略同一形状である中間成形体222をインサート成形、射出成形および圧縮成形などの方法で、金型を用いて作製し、その後、二次加工により中間成形体222をエミッタ本体122の形状に塑性変形させて、製造される。
中間成形体222は、第1凸条155が配置されている各位置に、取水用凹部153の底面からの高さが第1凸条155よりも高い仮凸条256を有する。
仮凸条256は、アンダーカットとなる張出部を有さないことが好ましい。これにより、仮凸条256は、無理抜きを必要とするアンダーカットとはならないため、金型からの引き抜きによる離型が容易である。そのため、このような仮凸条256を有する中間成形体222は、離型時の仮凸条256の変形および破損が生じにくい。このとき、仮凸条256は、高さ方向(中間成形体222の厚み方向)の幅(エミッタ本体122に二次加工したときの第2表面120b側から第1表面120a側までの幅)が変化しない略直方体状領域を、その高さ方向の少なくとも一部に有するように形成されてもよい。また、仮凸条256は、エミッタ本体122に二次加工したときの第2表面120b側よりも第1表面120a側の幅が狭くなるような幅減少領域を、その高さ方向の少なくとも一部に有するように形成されてもよい。つまり、仮凸条256は、任意の2点において中間成形体222の長軸方向(エミッタ120の長軸方向と同一である)の幅を測定したときに、いかなる2点においても、第1表面120a側の幅と第2表面120b側の幅が同一か、または第1表面120a側において第2表面120b側よりも幅が狭くなるように形成されてもよい。これらの中でも、金型からの引き抜きによる離型がより容易になる点から、仮凸条256は、第1表面120a側において第2表面120b側よりも幅が狭くなるように形成されていることが好ましく、エミッタ本体122に二次加工したときの第2表面120b側よりも第1表面120a側の幅が広くなるような幅拡大領域を、その高さ方向に有さないことが好ましい。
なお、仮凸条256のうち、取水用凹部153の底面側の領域は、二次加工時に変形しにくいため、製造しようとするエミッタ120の第1凸条155における当該領域と略同一形状であることが好ましい。
中間成形体222は、ヒンジ部126およびフィルム124と一体成形されることが好ましい。
仮凸条256を有する中間成形体222は、その後、二次加工によりエミッタ本体122の形状に塑性変形される。具体的には、仮凸条256を塑性変形させて、ウェッジワイヤー構造を構成する第1凸条155を形成することで、中間成形体222はエミッタ本体122の形状に塑性変形される。
塑性変形は、エミッタ本体122の第1表面120a側の頂部における第1凸条155の幅が、第2表面120b側の任意の高さにおける第1凸条155の幅よりも大きくなるように、仮凸条256の頂部を塑性変形させて幅方向に広がらせることが可能な方法で行えばよい。たとえば、塑性変形は、熱板プレス、物理的な圧縮および超音波プレスなどの方法で行うことができる。これらの方法の中でも、仮凸条256の頂部の塑性変形を安価かつ効果的に行えることから、熱板プレスが好ましい。
エミッタ120は、その後、ヒンジ部126を軸にフィルム124を回動させ、エミッタ本体122の第1表面120aにフィルム124を接合することにより構成される。エミッタ本体122とフィルム124との接合方法は、特に限定されない。エミッタ本体122とフィルム124との接合方法の例には、フィルム124を構成する樹脂材料の溶着や、接着剤による接着などが含まれる。なお、ヒンジ部126は、エミッタ本体122とフィルム124とを接合した後に切断してもよい。なお、フィルム124は、エミッタ本体122と別体として準備して、エミッタ本体122と接合してもよい。
(効果)
上述した製造方法によれば、金型からの離型時における第1凸条155(仮凸条256)の変形および破損を抑制することができる。
また、上述した製造方法によれば、仮凸条256の高さや塑性変形の度合いを変更することで、第1凸条155によるウェッジワイヤー構造の形状をより容易に調整可能である。つまり、上述した製造方法によれば、製造時における第1凸条155の破損および変形を抑制しつつ、第1凸条155の、頂部における幅と、より第2表面120b側の任意の高さにおける幅と、の比率をより大きくすることも容易である。そのため、上述した製造方法によれば、灌漑用液体中の浮遊物が内部により侵入しにくく、かつ取水部131の内部に入り込んだ水の圧力損失がより少ないエミッタを製造することが可能である。
(エミッタの製造方法の第1の変形例)
中間成形体222は、図8に示すように、仮凸条256の頂部に、平面視したときに複数の仮凸条256の配列方向に略直交する方向に切込を設けた切込部257を有していてもよい。切込部257を有する仮凸条256は、塑性変形時(特には物理的な圧縮時)に切込部257から隣接する仮凸条256の方向に開くため、ウェッジワイヤー構造の形状をより容易に作製可能である。
(エミッタの製造方法の第2の変形例)
上述した製造方法では、中間成形体222をエミッタ本体122の形状に塑性変形させてからエミッタ本体122の第1表面120aにフィルム124を接合したが、中間成形体222の塑性変形とフィルム124の接合とは同一工程として行ってもよい。つまり、フィルム124を構成する樹脂材料の溶着や、接着剤による接着などのための加熱時に、同時に仮凸条256を熱板プレスして第1凸条155の形状に塑性変形させることも可能である。そのため、本変形例によれば、エミッタの製造工程を短縮して、より短時間で効率的にエミッタを製造することが可能となる。
なお、エミッタ120の形状は上述の説明に限定されることはなく、取水部131にウェッジワイヤー構造を構成する第1凸条155を有している、いかなる形状のエミッタ120にも本発明は適用可能である。
また、第2凸条156がウェッジワイヤー構造を構成するときは、エミッタ本体122の第2凸条156が配置されている各位置に仮凸条を有する中間成形体を成形して、上記仮凸条を塑性変形させて第2凸条156としてもよい。
本発明によれば、エミッタ製造時の、ウェッジワイヤー構造有するスクリーン部の破損が生じにくく、またエミッタ製造時のウェッジワイヤー構造の設計の自由度を高くして、たとえば灌漑用液体中の浮遊物が内部により侵入しにくいため滴下量の意図せぬ変動が生じにくく、かつ取水部の内部に入り込んだ水の圧力損失がより少ないエミッタを製造することが可能である。そのため、本発明によれば、長期の滴下を要する技術分野への上記エミッタの普及および当該技術分野のさらなる発展が期待される。
100 点滴灌漑用チューブ
110 チューブ
112 吐出口
120 エミッタ
120a 第1表面
120b 第2表面
122 エミッタ本体
124 フィルム
126 ヒンジ部
131 取水部
132 第1接続溝
133 第1減圧溝
134 第2減圧溝
135 第2接続溝
136 流量減少部
137 流路開閉部
138 吐出部
141 第1接続流路
142 第1減圧流路
143 第1流路
144 第2減圧流路
145 第2接続流路
146 第2流路
151 スクリーン部
152 取水用貫通孔
153 取水用凹部
154 凸条
155 第1凸条
156 第2凸条
161 流量減少用貫通孔
162 凸部
163 流路開閉用貫通孔
171 流量減少用凹部
172 第1弁座部
173 連通溝
174 吐出用貫通孔
175 第1ダイヤフラム部
176 第1接続孔
181 流路開閉用凹部
182 第2弁座部
183 第2ダイヤフラム部
184 第2接続孔
191 吐出用凹部
192 侵入防止部
193 凸条部
222 中間成形体
256 仮凸条
257 切込部

Claims (4)

  1. 灌漑用液体を流通させるチューブの内壁面であり、かつ前記チューブの内外を連通する吐出口に対応する位置に接合され、前記チューブ内の前記灌漑用液体を前記吐出口から定量的に前記チューブ外に吐出するためのエミッタの製造方法であって、
    前記エミッタは、
    互いに裏表の関係にある第1表面および第2表面を有するエミッタ本体の、前記第1表面側に設けられた、前記灌漑用液体を取り入れるための取水部と、
    前記エミッタ本体の前記第2表面側に設けられた、前記吐出口に面して配置されたとき
    に前記灌漑用液体を前記チューブの外部に吐出可能な吐出部と、
    前記取水部および前記吐出部を繋ぎ、前記灌漑用液体を流通させる流路と、を有し、
    前記取水部は、前記第1表面側において前記第2表面側よりも幅が広くなるように形成された複数の凸条が配列されたスクリーン部を有し、
    前記製造方法は、
    前記エミッタが有する前記凸条よりも高さが高く、かつ、前記第1表面側の幅と前記第2表面側の幅が同一か、または前記第1表面側において前記第2表面側よりも幅が狭くなるように形成された複数の仮凸条を、前記取水部の前記凸条が配置されるそれぞれの位置に有する、前記エミッタの中間成形体を作製する工程と、
    前記第1表面側の頂部の幅が前記第2表面側の任意の高さにおける幅よりも大きくなるように、前記複数の仮凸条を塑性変形させて前記複数の凸条を形成する工程と、を含む、
    エミッタの製造方法。
  2. 前記中間成形体を作製する工程は、前記複数の凸条の配列方向に直交する方向に切込を設けた切込部を前記仮凸条の前記第1表面側の上端面に有する中間成形体を作製する工程である、請求項1に記載のエミッタの製造方法。
  3. 前記エミッタは、前記第1表面に配置されて前記流路の流路壁の少なくとも一部を構成するフィルムをさらに有し、前記凸条を形成する工程は、前記フィルムの圧着と一体的に行う、請求項1または2に記載のエミッタの製造方法。
  4. 前記フィルムは、前記中間成形体を作製する工程において前記中間成形体と一体成形される、請求項に記載のエミッタの製造方法。
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