JP6639212B2 - エミッタおよび点滴灌漑用チューブ - Google Patents

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Description

本発明は、エミッタおよび当該エミッタを有する点滴灌漑用チューブに関する。
以前から、植物の栽培方法の一つとして点滴灌漑法が知られている。点滴灌漑法とは、植物が植えられている土壌上に点滴灌漑用チューブを配置し、点滴灌漑用チューブから土壌へ、水や液体肥料などの灌漑用液体を滴下する方法である。近年、点滴灌漑法は、灌漑用液体の消費量を最小限にすることが可能であるため、特に注目されている。
点滴灌漑用チューブは、通常、灌漑用液体が吐出される複数の貫通孔が形成されたチューブと、各貫通孔から灌漑用液体を吐出するための複数のエミッタ(「ドリッパ」とも言われる)を有する。エミッタには、チューブの内壁面に接合して使用されるエミッタと、チューブに外側から突き刺して使用されるエミッタとが知られている。
前者のエミッタは、例えば、灌漑用液体を取り入れるための取水口を有する第1の部材と、灌漑用液体を排出するための排出口を有する第2の部材と、第1の部材および第2の部材の間に配置された膜部材とを有する。第1の部材、膜部材および第2の部材の順で重ねることにより上記エミッタが構成され、これをチューブの内壁面に接合することにより、合体している第1の部材および第2の部材のいずれもが、一部分でチューブに直接接合する。上記エミッタでは、灌漑用液体は、膜部材の弁座部への離間接近によって取水口が開閉することで当該エミッタに流入し、取水口と排出口との間の減圧流路を流れ、排出口から排出される(例えば、特許文献1参照)。
特開2010−046094号公報
一方で、点滴灌漑用チューブは、一般に長く、多数のエミッタを有する。このため、エミッタは安価に生産可能であることが求められる。また、点滴灌漑用チューブは、地表またはその近傍に配置されることがある。当該点滴灌漑用チューブ内の灌漑用液体は、地表で温められると、想定された温度(例えば20℃)よりも明らかに高い温度、例えば40〜50℃、程度まで温められることがある。
特許文献1に記載のエミッタをポリエチレンのような汎用の単一の樹脂材料で作製すると、製造コストをある程度抑えることができる。しかしながら、汎用の樹脂材料で作製された上記エミッタでは、灌漑用液体の温度が想定された温度を超えると、上記膜部材が想定以上に変形し、その結果、灌漑用液体の吐出量の制限が想定したタイミングよりも早くに開始されて、灌漑用液体の吐出量が不十分となることがある。
本発明の目的は、温度に関わらずに所期の吐出量で灌漑用液体を吐出可能なエミッタおよびそれを有する点滴灌漑用チューブを提供することである。
本発明は、灌漑用液体を流通させるチューブの内壁面における、前記チューブの内外を連通する吐出口に対応する位置に接合されて前記チューブ内の前記灌漑用液体を前記吐出口から定量的に前記チューブ外に吐出するための樹脂製のエミッタであって、前記エミッタは、前記エミッタが前記チューブに接合されたときに前記チューブ内と連通する取水部と、前記取水部に連通しており、前記灌漑用液体を減圧させながら流す減圧流路を形成するための減圧流路部と、前記減圧流路部に連通しており、前記チューブ内の灌漑用液体の圧力に応じて灌漑用液体の流量を調整するための第1の流量調整部と、前記減圧流路部および前記第1の流量調整部に連通しており、前記チューブ内の灌漑用液体の圧力に応じて灌漑用液体の流量を調整するための第2の流量調整部と、前記第2の流量調整部に連通しており、前記エミッタが前記チューブに接合されたときに前記吐出口に面する吐出部と、を有し、前記第1の流量調整部は、弁座と、前記弁座に開口し、前記第2の流量調整部に連通している連通孔と、可撓性を有するとともに前記弁座とは離れて配置され、前記チューブ内の灌漑用液体の圧力を受けたときに前記弁座に接近するダイヤフラム部と、を有し、前記ダイヤフラム部は、前記連通孔の開口部との間に隙間を有して配置される凸部を有し、前記凸部は、前記ダイヤフラム部が前記弁座に接近するに連れて前記連通孔に挿入されるとともに前記隙間が広くなる形状を有するエミッタ、を提供する。
また、本発明は、灌漑用液体を吐出するための吐出口を有するチューブと、前記チューブの内壁面の前記吐出口に対応する位置に接合している上記のエミッタと、を有する点滴灌漑用チューブ、を提供する。
本発明によれば、温度に関わらずに所期の吐出量で灌漑用液体を吐出可能なエミッタが提供され、またそれを有する点滴灌漑用チューブが提供される。
図1Aは、本発明の一実施の形態に係る点滴灌漑用チューブの軸に沿う方向の断面図であり、図1Bは、当該点滴灌漑用チューブの軸に垂直な方向の断面図である。 図2Aは、本発明の一実施の形態に係るエミッタの平面図であり、図2Bは、当該エミッタの図2AのA−A線に沿う断面を示す図である。 図3Aは、本発明の一実施の形態におけるエミッタ本体の平面図であり、図3Bは、当該エミッタ本体の正面図であり、図3Cは、当該エミッタ本体の底面図であり、図3Dは、当該エミッタ本体の右側面図である。 図4Aは、上記エミッタ本体の、図3AのA−A線に沿う断面を示す図であり、図4Bは、当該エミッタ本体の、図3AのB−B線に沿う断面を示す図である。 図5Aは、本発明の一実施の形態における第1のダイヤフラム部の断面図であり、図5Bは、当該第1のダイヤフラム部の底面図であり、図5Cは、本発明の一実施の形態における第2のダイヤフラム部の断面図であり、図5Dは、当該第2のダイヤフラム部の底面図である。 図6Aは、上記エミッタの常温低圧条件下における第1および第2の流量調整部の様子を模式的に示す断面図であり、図6Bは、上記エミッタの常温中圧条件下における第1および第2の流量調整部の様子を模式的に示す断面図であり、図6Cは、上記エミッタの常温高圧条件下における第1および第2の流量調整部の様子を模式的に示す断面図である。 図7Aは、上記エミッタの高温低圧条件下における第1および第2の流量調整部の様子を模式的に示す断面図であり、図7Bは、上記エミッタの高温中圧条件下における第1および第2の流量調整部の様子を模式的に示す断面図であり、図7Cは、上記エミッタの高温高圧条件下における第1および第2の流量調整部の様子を模式的に示す断面図である。
図1Aは、本発明の実施の形態に係る点滴灌漑用チューブの軸に沿う方向の断面図であり、図1Bは、上記点滴灌漑用チューブの軸に垂直な方向の断面図である。点滴灌漑用チューブ100は、図1Aおよび図1Bに示されるように、灌漑用液体を吐出するための吐出口112を有するチューブ110と、チューブ110の内壁面の吐出口112に対応する位置に接合しているエミッタ120とを有する。
チューブ110は、灌漑用液体を流すための管である。チューブ110は、通常、樹脂製であり、チューブ110の材料は、例えば、直鎖状低密度ポリエチレンや高密度ポリエチレンなどのポリエチレンである。チューブ110の軸方向に垂直な断面形状および断面積は、チューブ110の内部にエミッタ120を配置可能な範囲から適宜に決めることができる。
チューブ110の管壁には、チューブ110の軸方向において所定の間隔(例えば、200〜500mm)で灌漑用液体を吐出するための複数の吐出口112が形成されている。吐出口112の開口部の直径は、灌漑用液体を所望の流量で吐出可能な範囲から適宜に決めることができ、例えば、1.5mmである。チューブ110の内壁面の吐出口112に対応する位置には、エミッタ120がそれぞれ接合される。
エミッタ120は、チューブ110の内壁面に接合している。エミッタ120は、例えば公知の接合方法によってチューブ110へ接合される。当該接合方法の例には、エミッタ120またはチューブ110を構成する樹脂材料の溶着、融着、および、接着剤による接着、が含まれる。
図2Aは、エミッタ120の平面図であり、図2Bは、エミッタ120の図2AのA−A線に沿う断面を示す図である。エミッタ120の大きさおよび形状は、所期の機能を発現可能な範囲において適宜に決めることができる。たとえば、エミッタ120の平面形状は、四隅がR面取りされた略矩形であり、エミッタ120の長辺方向の長さは、25mmであり、エミッタ120の短辺方向の長さは8mmであり、エミッタ120の高さは2.5mmである。
エミッタ120は、図2Aおよび図2Bに示されるように、エミッタ本体130と、それに合体している第1のダイヤフラム部160および第2のダイヤフラム部170とによって構成されている。
図3Aは、エミッタ本体130の平面図であり、図3Bは、エミッタ本体130の正面図であり、図3Cは、エミッタ本体130の底面図であり、図3Dは、エミッタ本体130の右側面図である。また、図4Aは、エミッタ本体130の、図3AのA−A線に沿う断面を示す図であり、図4Bは、エミッタ本体130の、図3AのB−B線に沿う断面を示す図である。
エミッタ本体130は、樹脂材料で成形されており可撓性を有する。当該樹脂材料の例には、直鎖状低密度ポリエチレンや高密度ポリエチレンなどのポリエチレン、ポリプロピレン、シリコーン、および、ゴム弾性を有する工業用材料、が含まれ、当該ゴム弾性を有する工業用材料の例には、エラストマーおよびゴムが含まれる。
エミッタ本体130は、その平面形状が略矩形であり、その底面の形状がチューブ110の内壁面に沿う凸曲面である。エミッタ本体130の上面および底面には、凹部、溝、凸部および貫通孔が適宜に配置されている。
より詳しくは、エミッタ本体130は、その上面側には、上記上面の中央部に開口する第1の円形凹部131と、第1の円形凹部131の中央部からさらに突出する第1の円柱部132と、エミッタ本体130の長手方向における第1の円形凹部131よりも一端側の上記上面に開口する第2の円形凹部133と、第2の円形凹部133の中央部からさらに突出する第2の円柱部134と、第1の円形凹部131の開口部に形成された、当該開口部よりも大きな環状の第1の切り欠き部135と、第2の円形凹部133の開口部に形成された、当該開口部よりも大きな環状の第2の切り欠き部136とを有している。第1および第2の円形凹部131、133の平面形状は、いずれも円形である。
また、エミッタ本体130は、第1の円形凹部131に開口する第1の孔137と、第1の円柱部132の中央部に開口する第2の孔138と、第2の円形凹部133に開口する第3の孔139および第4の孔140と、第2の円柱部134の中央部に開口する第5の孔141と、第2の円柱部134の上面の周縁および第5の孔141を連通する溝142とを有する。第1から第5の孔137〜141の平面形状は、いずれも円形である。
エミッタ本体130の上面からの、第1の円形凹部131および第2の円形凹部133の底面までの距離(深さ)は、いずれも同じである。
第1の円柱部132は、第1の円形凹部131の底面から突出しており、第2の円柱部134は、第2の円形凹部133から突出している。第1の円柱部132の高さおよび第2の円柱部134の高さは、いずれも、第1円形凹部131および第2の円形凹部133の深さ未満であり、そして、第1の円柱部132の高さは、第2の円柱部134の高さよりも低い。第1の円柱部132の頂面および第2の円柱部134の頂面は、いずれも平面であり、その平面形状は、いずれも円形である。
溝142は、第2の円柱部134の頂面に一本形成されている。溝142の平面形状は、直線状であり、溝142は、第2の円柱部134の頂面から一定の深さを有しており、当該頂面に対して水平な底面を有している。
また、エミッタ本体130は、第1の円形凹部131よりも他端側には、フィルタ部143と、フィルタ部143に配置されたスリット144とを有する。
フィルタ部143は、エミッタ本体130の上面に形成された微細な凹凸であり、大まかには、エミッタ本体130の他端側の縁に沿うU字型の第1の溝と、当該第1の溝からその外側に延出して上記第1の溝と外部とを連通する複数の第2の溝と、上記第1の溝からのその内側に延出する複数の第3の溝と、によって構成されている。上記第3の溝は、主に、エミッタ本体130の短手方向に沿って独立して延出しており、一部の第3の溝同士が互いに連通している。
スリット144は、エミッタ本体130の一側部に、エミッタ本体130の長手方向に沿って細長に開口している貫通孔であり、エミッタ本体130の上面側ではフィルタ部143における複数の上記第3の溝の底に開口している。
さらに、エミッタ本体130は、その底面側に、上記底面における一側部で上記長手方向に沿って延出する直線状の溝145と、溝145の他端側に連なる第1の減圧流路部146と、第1の減圧流路部146の他端側に連なる、エミッタ本体130の短手方向に延出する直線状の溝147と、溝147の一端側に連なり、上記底面の中心部で一端側に向けて延出する第2の減圧流路部148と、溝147の一端側に連なり、上記底面の他側部で一端側に向けて延出する第3の減圧流路部149と、第2の減圧流路部148よりも一端側の上記底面で上記長手方向に沿って延出する直線状の溝150と、溝147、溝150および第3の減圧流路部149よりも一端側の上記底面に形成された凹部151とを有している。
第1の減圧流路部146、第2の減圧流路部148および第3の減圧流路部149は、いずれも、その平面形状がジグザグ形状の溝である。当該ジグザグ形状は、例えば、当該減圧流路部の両側面から略三角柱形状の凸部が上記長手方向に沿って交互に配置された形状である。当該凸部は、例えば、平面視したときに、当該凸部の突端が上記両側面間の中心軸を超えないように配置されている。
溝145の底面には、スリット144が開口している。第2の減圧流路部148の一端部には、第1の孔137が開口している。溝150の他端部には、第2の孔138が開口しており、溝150の一端部には、第3の孔139が開口している。第3の減圧流路部149の一端部には、第4の孔140が開口している。凹部151の他端部には、第5の孔141が開口している。
凹部151は、上記底面の一端部まで至る。凹部151は、第1から第4の凸部152〜155を有する。第1の凸部152は、上記短手方向に沿って延出しており、上記長手方向において第5の孔141と重なる位置に配置されている。第2の凸部153は、上記短手方向における第1の凸部152の延長線上の第1の凸部152および凹部151の側壁のいずれとも離間する位置に配置されている。第3の凸部154は、凹部151の側壁から上記短手方向に沿って延出しており、上記長手方向において第2の凸部153と凹部151の側壁との隙間と重なる位置に配置されている。第4の凸部155は、上記短手方向における第3の凸部154の延長線上に沿って延出しており、上記長手方向において第1の凸部152と第2の凸部153の側壁との隙間と重なる位置に配置されている。
図5Aは、第1のダイヤフラム部160の断面図であり、図5Bは、第1のダイヤフラム部160の底面図である。また、図5Cは、第2のダイヤフラム部170の断面図であり、図5Dは、第2のダイヤフラム部170の底面図である。
第1のダイヤフラム部160および第2のダイヤフラム部170も、樹脂製であり、可撓性を有する。当該樹脂材料の例には、直鎖状低密度ポリエチレンや高密度ポリエチレンなどのポリエチレン、ポリプロピレン、シリコーン、および、ゴム弾性を有する工業用材料、が含まれ、当該ゴム弾性を有する工業用材料の例には、エラストマーおよびゴムが含まれる。第1のダイヤフラム部160の樹脂材料は、エミッタ本体130のそれと同じであってもよいし、異なっていてもよい。また、第1のダイヤフラム部160の樹脂材料は、第2のダイヤフラム部170のそれと同じであってもよいし、異なっていてもよい。
第1のダイヤフラム部160は、その平面形状が円形である膜部161と、膜部161の中心部から起立する凸部162と、膜部161の周縁から起立する周壁部163とを有している。平面視したとき、膜部161の直径は、第1の円形凹部131の直径と同じであり、周壁部163の外径は、第1の切り欠き部135の直径と同じである。また、周壁部163の高さは、第1の切り欠き部135の深さよりもやや大きい。
凸部162の外形は、逆円錐台形状を有しており、膜部161から離れるに連れて凸部162の平面方向の断面形状の直径は、大きくなる。凸部162の膜部161からの突出高さは、第1のダイヤフラム部160が第1の円形凹部131を塞ぐように配置されたときに、凸部162の突端部が第2の孔138の開口部にわずかに侵入する位置となる高さである。また、凸部162の底面側の平面形状は、円環状であり、凸部162の平面視したときの突端部の外径は、第2の孔138の開口部の直径よりもわずかに小さい。凸部162の中心部は、逆円錐形状の空間となっており、凸部162の外周壁の厚さは、略均一である。
第2のダイヤフラム部170は、その平面形状が円形である膜部171と、膜部171の周縁から起立する周壁部173とを有している。平面視したとき、膜部171の直径は、第2の円形凹部133の直径と同じであり、周壁部173の直径は、第2の切り欠き部136の直径と同じである。また、周壁部173の高さは、第2の切り欠き部136の深さよりもやや大きい。
エミッタ120は、第1のダイヤフラム部160を、凸部162および周壁部163を第1の円形凹部131側にして第1の切り欠き部135に内嵌させ、また、第2のダイヤフラム部170を、周壁部173を第2の円形凹部132側にして第2の切り欠き部136に内嵌させることによって作製される。両円形凹部は、その開口部に上記の切り欠き部を有し、両ダイヤフラム部は、いずれも上記の周壁部を有することから、両ダイヤフラム部の膜部は、いずれも、上記円柱部の頂面から所期の距離だけ離れた位置に確実かつ容易に配置される。
第1のダイヤフラム部160および第2のダイヤフラム部170は、エミッタ本体130に接合させてもよい。当該接合は、前述したように、樹脂材料の溶着または融着によって行うことができ、あるいは接着剤による接着によって行うことができる。
フィルタ部143、スリット144および溝145は、エミッタ120がチューブ110に接合されたときにチューブ110内と連通する取水部を構成している。
また、第1の円形凹部131、第1の円柱部132、第1の孔137、第2の孔138および第1のダイヤフラム部160は、第2の減圧流路部148に連通しており、チューブ110内の灌漑用液体の圧力に応じて灌漑用液体の流量を調整するための第1の流量調整部を構成している。第1の円柱部132の頂面は、第1のダイヤフラム部160の膜部161に接近される弁座に相当している。第2の孔138は、当該弁座に開口し、後述の第2の流量調整部に連通している連通孔に相当している。
第1のダイヤフラム部160は、可撓性を有するとともに上記弁座とは離れて配置され、チューブ110内の灌漑用液体の圧力を受けたときに上記弁座に接近するように構成、配置されている。そして、第1のダイヤフラム部160は、上記連通孔の開口部との間に隙間を有して配置される凸部162を有しており、凸部162は、第1のダイヤフラム部160が上記弁座に接近するに連れて上記連通孔に挿入されるとともに上記隙間が広くなる逆円錐台形状を有している。
さらに、第2の円形凹部133、第2の円柱部134、第3から第5の孔139〜141、溝142および第2のダイヤフラム部170は、第3の減圧流路部149および上記第1の流量調整部に連通しており、チューブ110内の灌漑用液体の圧力に応じて灌漑用液体の流量を調整するための第2の流量調整部を構成している。第2の円柱部134の頂面は、第2のダイヤフラム部170の膜部171が着座可能な吐出側弁座に相当している。第5の孔141は、当該吐出側弁座に開口し、後述の吐出部に連通している吐出側連通孔に相当している。第2のダイヤフラム部170は、可撓性を有するとともに上記吐出側弁座とは離れて配置され、チューブ110内の灌漑用液体の圧力を受けたときに上記吐出側弁座に接近する吐出側ダイヤフラム部に相当している。
そして、前述したように、エミッタ本体130の底面がチューブ110の内壁面に接合される。こうして、図1Aに示されるような点滴灌漑用チューブ100が作製される。吐出口112は、エミッタ120の接合前に予めチューブ110に形成されていてもよいし、エミッタ120の接合後に形成されてもよい。
エミッタ本体130の底面に形成された凹部および溝がチューブ110の内壁面によって塞がれると、エミッタ120内部の灌漑用液体の流路および吐出部が形成される。すなわち、第1から第3の減圧流路部146、148、149は、上記取水部に連通しており、灌漑用液体を減圧させながら流す第1から第3の減圧流路をそれぞれ形成する。溝147は、第1の減圧流路から第2および第3の減圧流路に分岐する分岐流路を形成し、溝150は、上記第1の流量調整部から排出された灌漑用液体を上記第2の流量調整部に供給するための連絡流路を形成する。また、凹部151は、上記第2の流量調整部に連通し、吐出口112に面する吐出部を形成する。
点滴灌漑用チューブ100における灌漑用液体の流れの概要を説明する。チューブ110内に供給された灌漑用液体は、フィルタ部143の溝を通ってスリット144を通り、溝145に供給される。上記灌漑用液体とは、例えば、水、液体肥料、農薬またはこれらのうちの二以上の混合液、である。灌漑用液体中の浮遊物は、フィルタ部143の溝に入り混むことができないので、上記浮遊物が除去された灌漑用液体は、スリット144を介して溝145(エミッタ120内)に供給される。
溝145に供給された灌漑用液体は、上記第1の減圧流路を通って減圧されながら上記分岐流路に供給される。当該分岐流路に供給された灌漑用液体の一部は、上記第2の減圧流路を通ってさらに減圧されながら上記第1の流量調整部に供給され、そして上記連絡流路を介して上記第2の流量調整部に供給される。また、上記分岐流路に供給された灌漑用液体の残りは、上記第3の減圧流路を通ってさらに減圧されながら上記第2の流量調整部に供給される。上記第2の流量調整部に供給された灌漑用液体は、チューブ110内の灌漑用液体の液圧に応じて調整された流量で上記吐出部に供給され、吐出口112から排出される。
点滴灌漑用チューブ100の使用時には、吐出口112から、土や植物の根などの異物が侵入することがある。これらの異物の侵入は、凹部151に配置されている、第3の凸部154および第4の凸部155によって遮られ、次いでさらに第5の孔141側に配置されている第1の凸部152および第2の凸部153によって遮られる。こうして、当該異物の侵入による灌漑用液体の排出停止や流量低下などの流量の変動が防止される。
次いで、常温(例えば20℃)でのエミッタ120による灌漑用液体の吐出量の制御を説明する。図6Aは、エミッタ120の常温低圧条件下における第1の流量調整部および第2の流量調整部の様子を模式的に示す断面図であり、図6Bは、エミッタ120の常温中圧条件下における第1の流量調整部および第2の流量調整部の様子を模式的に示す断面図であり、図6Cは、エミッタ120の常温高圧条件下における第1の流量調整部および第2の流量調整部の様子を模式的に示す断面図である。
灌漑用液体の温度が常温でその液圧が0MPaである場合、灌漑用液体は、エミッタ120内を流れないことから、その内外での圧力の差は生じない。よって、第1のダイヤフラム部160および第2のダイヤフラム部170は、いずれも、図6Aに示されるように、変形しない。
灌漑用液体の温度が常温かつその液圧が中圧(例えば0.05MPa)である場合(常温中圧条件下)では、チューブ110内およびエミッタ120内の両方に灌漑用液体が流れる。
第1の流量調整部では、チューブ110内の灌漑用液体の液圧(外液圧)と、第1の円形凹部131内の灌漑用液体の液圧(内液圧)との差圧が生じる。内液圧は、第2の減圧流路における圧力損失によって外液圧よりも低くなり、第1の流量調整部における上記差圧は、通常、外液圧の上昇によって大きくなる。
第1のダイヤフラム部160は、上記差圧によって、図6Bに示されるように撓む。第1のダイヤフラム部160がより大きく撓むと、第1のダイヤフラム部160の凸部162が第2の孔138により深く挿入され、第2の孔138の開口部と凸部162との隙間がより大きくなる。その結果、第1の流量調整部では、上記差圧が大きくなると、当該隙間による灌漑用液体の圧力損失が減少する。
第2の流量調整部には、第1の流量調整部からのみならず、第3の減圧流路を介して灌漑用液体が供給される。第2の流量調整部における内液圧は、第1の流量調整部による圧力損失と第3の減圧流路による圧力損失とによって決まる。
第2のダイヤフラム部170は、図6Bに示されるように、チューブ110内の灌漑用液体の液圧と第2の円形凹部133内の灌漑用液体との差圧によって撓む。上記差圧が大きくなるに連れて第2のダイヤフラム部170がより大きく撓み、第2のダイヤフラム部170が第5の孔141の開口部に接近し、第5の孔141の開口部と第2のダイヤフラム部170との隙間が小さくなる。その結果、第2の流量調整部では、その上流側での上記差圧が大きくなると、当該隙間を通る灌漑用液体が流れにくくなり、灌漑用液体の流量が調整される。
灌漑用液体の温度が常温かつその液圧が使用上限(例えば0.1MPa)である場合(常温高圧条件下)では、図6Cに示されるように、第1のダイヤフラム160部は、最も大きく撓む。一方、エミッタ120の内部では、第1の流量調整部における第2の孔138の開口部と凸部162との隙間の大きさが最大となる。その結果、第2のダイヤフラム部170における第2の流量調整部の内液圧が最大になる。
このときの第2のダイヤフラム部170は、上記外液圧と内液圧との差圧によって上記のように大きく撓み、第2の円柱部132の頂面に当接する。その結果、第5の孔141は溝142を介して第2の円形凹部133と連通する。よって、使用上限圧力下では、灌漑用液体は、第2の流量調整部の内液圧と上記の溝142によって決まる所定の流量で吐出口112から排出される。
次に、高温(例えば40〜50℃)でのエミッタ120による灌漑用液体の吐出量の制御を説明する。図7Aは、エミッタ120の高温低圧条件下における第1の流量調整部および第2の流量調整部の様子を模式的に示す断面図であり、図7Bは、エミッタ120の高温中圧条件下における第1の流量調整部および第2の流量調整部の様子を模式的に示す断面図であり、図7Cは、エミッタ120の高温高圧条件下における第1の流量調整部および第2の流量調整部の様子を模式的に示す断面図である。
灌漑用液体の温度が高温かつその液圧が0MPaである場合は、常温かつ0MPaの条件と同様に、灌漑用液体は、エミッタ120内を流れないので、その内外での圧力差は生じず、よって、第1のダイヤフラム部160および第2のダイヤフラム部170は、いずれも、図7Aに示されるように、変形しない。
灌漑用液体の温度が高温かつその液圧が中圧(例えば0.05MPa)である場合(高温中圧条件下)では、第1のダイヤフラム部160および第2のダイヤフラム部170は、いずれも前述の差圧によって変形する。ただし、第1のダイヤフラム部160および第2のダイヤフラム部170は、いずれも前述したように樹脂製であることから、高温中圧条件下では常温中圧条件下に比べて、より変形しやすい。
このため、高温中圧条件下では、常温中圧条件下に比べて、第1のダイヤフラム部160は、図7Bに示されるように、より大きく撓む。よって、高温中圧条件下では、常温中圧条件下に比べて、凸部162が第2の孔138により深く挿入され、第2の孔138の開口部と凸部162との隙間がより大きくなる。その結果、当該隙間による圧力損失がより小さくなる。
一方、第2のダイヤフラム部170も、高温中圧条件下では、常温中圧条件下に比べてより変形しやすい。しかしながら、高温中圧条件下では、第2の流量調整部の上流側での圧力損失のうちの第1の流量調整部による圧力損失は、常温中圧条件下におけるそれに比べてより小さくなる。したがって、高温中圧条件下では、常温中圧条件下に比べて、第2の流量調整部における内液圧がより高くなり、第2の流量調整部における差圧がより小さくなる。
その結果、第2のダイヤフラム部170の変形が抑制され、第2のダイヤフラム部170は、高温中圧条件下でも、常温中圧条件下と同程度に変形するにとどまる。よって、高温中圧条件下であっても、第5の孔141の開口部と第2のダイヤフラム部170との隙間は、常温中圧条件下のそれと同程度の大きさとなり、その結果、常温中圧条件下での流量と実質的に同じ流量で灌漑用液体が吐出口112から排出される。
灌漑用液体の温度が高温かつその液圧が使用上限(例えば0.1MPa)である場合(高温高圧条件下)では、図7Cに示されるように、常温高圧条件下と同様に、第1のダイヤフラム160部は、最も大きく撓む。一方、エミッタ120の内部では、第1の流量調整部における第2の孔138の開口部と凸部162との隙間の大きさが最大となる。その結果、第2のダイヤフラム部170における第2の流量調整部の内液圧が最大になる。
このときの第2のダイヤフラム部170は、上記外液圧と内液圧との差圧によって上記のように大きく撓み、第2の円柱部132の頂面に当接する。その結果、第5の孔141は溝142を介して第2の円形凹部133と連通する。よって、使用上限圧力下では、灌漑用液体は、第2の流量調整部の内液圧と上記の溝142によって決まる所定の流量で吐出口112から排出される。
高温高圧条件下では、常温高圧条件下に比べて、第1および第2のダイヤフラム部160、170のいずれもがより大きく撓みやすくなる。その一方で、第1のダイヤフラム部160がより大きく撓むと、第1の流量調整部における第2の孔138の開口部と凸部162との隙間がより大きくなり、当該隙間における圧力損失がより小さくなり、第2の流量調整部の内液圧がより大きくなり、第2の流量調整部における差圧がより小さくなる。
その結果、第2のダイヤフラム部170の変形が抑制され、第2のダイヤフラム部170は、高温高圧条件下でも、常温高圧条件下と同程度に変形するにとどまる。このように、高温高圧条件下の上記差圧と常温高圧条件下の上記差圧とが実質的に同じとなるようにエミッタ120が設計されることにより、圧力が同じで異なる温度の条件間での第2の流量調整部における流量調整の動作を実質的に同程度に設定することが可能となる。よって、高温高圧条件下における吐出口112からの灌漑用液体の流量は、常温高圧条件下におけるそれと実質的に同じとなる。
以上の説明から明らかなように、エミッタ120は、エミッタ120がチューブ110に接合されたときにチューブ110内と連通する上記取水部と、当該取水部に連通しており、取水部に供給された灌漑用液体を減圧させながら流す減圧流路を形成するための第1から第3の減圧流路部146、148、149と、第2の減圧流路部148に連通しており、チューブ110内の灌漑用液体の圧力に応じて灌漑用液体の流量を調整するための上記第1の流量調整部と、第3の減圧流路部149および上記第1の流量調整部に連通しており、チューブ110内の灌漑用液体の圧力に応じて灌漑用液体の流量を調整するための上記第2の流量調整部と、当該第2の流量調整部に連通しており、エミッタ120がチューブ110に接合されたときに吐出口112に面するべき上記吐出部とを有する。
そして、上記第1の流量調整部は、第1の円柱部132の頂面と、当該頂面に開口し、上記第2の流量調整部に連通している第2の孔138と、可撓性を有するとともに上記頂面とは離れて配置され、チューブ110内の灌漑用液体の圧力を受けたときに上記頂面に接近する第1のダイヤフラム部160とを有し、第1のダイヤフラム部160は、第2の孔138の開口部との間に隙間を有して配置される凸部162を有する。そして、凸部162は、第2の孔138とは非接触の逆円錐台形、すなわち、第1のダイヤフラム部160が上記頂面に接近するに連れて上記隙間が広くなる形状、を有する。
また、点滴灌漑用チューブ100は、灌漑用液体を吐出するための吐出口112を有するチューブ110と、チューブ110の内壁面の吐出口112に対応する位置に接合しているエミッタ120とを有する。
したがって、第1の流量調整部において第1のダイヤフラム部160が大きく変形する程第2の孔138における圧力損失を低減させることにより、第2の流量調整部における内液圧の上昇がもたらされ、その結果、第2の流量調整部における流量の制限が緩和される。したがって、エミッタ120の吐出量は、両ダイヤフラム部160、170の変形量が外液圧に応じて変化しやすい中圧条件下においても、温度に関わらず、所期の量に制御される。よって、エミッタ120は、灌漑用液体の温度がある程度高くても、温度に関わらずに所期の吐出量で灌漑用液体を吐出することができ、点滴灌漑用チューブ100は、エミッタ120を有することから、同じく、灌漑用液体の温度がある程度高くても、温度に関わらずに所期の吐出量で灌漑用液体を吐出することができる。
なお、第1のダイヤフラム部160は、第2のダイヤフラム部170と同じ樹脂材料で構成されていてもよいが、第1のダイヤフラム部160が第2のダイヤフラム部170に比べて高温時により曲がりやすい樹脂材料で構成されていることは、高圧条件下における常温時での灌漑用液体の吐出量と高温時での灌漑用液体の吐出量との差を小さくする観点からより一層効果的である。
第2のダイヤフラム部170の樹脂材料と第1のダイヤフラム部160の樹脂材料が同じである場合では、第2のダイヤフラム部170は、同じ圧力下であれば、高温の方がより第2の円柱部134の頂面に接触しやすい。第2のダイヤフラム部170の変形の温度依存性が第1のダイヤフラム部160のそれよりも小さいと、高温時に第2のダイヤフラム部170が第2の円柱部134に接触するタイミングをより遅くに調整することが可能なる。その結果、第2のダイヤフラム部170を、高温時であっても常温時と同じかそれに近いタイミングで第2の円柱部134の頂面に接触させるようにより容易かつ精密に設計する観点からより一層効果的である。
上記樹脂材料の温度変化による曲がりやすさは、例えば、灌漑用液体の想定される温度範囲内で樹脂材料の曲げ弾性率を求めることによって決めることが可能である。当該曲げ弾性率は、例えばJIS K7171:2008(ISO 178:2001)またはJIS K7127:1999(ISO 527−3:1995)などの公知の規格に基づいて求めることが可能である。第2のダイヤフラム部170の樹脂材料、膜部161、171の厚さ、凸部162の外形は、例えば、第1のダイヤフラム部160の上記液圧による変形と、第2の孔138と凸部162との隙間の面積の増加量との関係や、上記液圧の増加と、そのときの第2のダイヤフラム部170(膜部171)から第2の円柱部134の頂面までの距離の減少量との関係、などから決めることが可能であり、これらの関係は、例えばコンピュータシミュレーションによる計算や試作品による実験などによって求めることが可能である。
凸部162の外形は、第1のダイヤフラム部160が第2の円柱部134の頂面に接近するに連れて、凸部162と第2の孔138との隙間が広くなる形状から適宜に決めることが可能であり、逆円錐台形に限定されない。たとえば、上記凸部の平面方向の断面形状は多角形であってもよいし、楕円形などの非円形であってもよい。また、上記凸部の縦断面形状における外形は、釣り鐘型(凸部の軸方向に沿って漸次拡大する外側への凸曲線を含む形状)であってもよいし、その逆に、凸部の軸方向に沿って漸次拡大する外側への凹曲線を含む形状であってもよい。さらに、上記第2の孔の開口部の平面形状も、上記凸部の平面方向の断面形状とは独立して、多角形であってもよいし、非円形であってもよい。
また、フィルタ部143における上記第1から第3の溝の側壁をアンダーカット部とする、いわゆるウエッジワイヤー構造とすると、フィルタ部143での目詰まりを抑制する観点からより一層効果的であり、好ましい。
本発明によれば、滴下すべき液体の温度に関わらず、当該液体の圧力によって適切な速度での液体の滴下が可能なエミッタを高い生産性で提供することが可能である。したがって、点滴灌漑や耐久試験などの、長期の滴下を要する技術分野への上記エミッタの普及および当該技術分野のさらなる発展が期待される。
100 点滴灌漑用チューブ
110 チューブ
112 吐出口
120 エミッタ
130 エミッタ本体
131 第1の円形凹部
132 第1の円柱部
133 第2の円形凹部
134 第2の円柱部
135 第1の切り欠き部
136 第2の切り欠き部
137 第1の孔
138 第2の孔
139 第3の孔
140 第4の孔
141 第5の孔
142、145、147、150 溝
143 フィルタ部
144 スリット
146 第1の減圧流路部
148 第2の減圧流路部
149 第3の減圧流路部
151 凹部
152 第1の凸部
153 第2の凸部
154 第3の凸部
155 第4の凸部
160 第1のダイヤフラム部
161、171 膜部
162 凸部
163、173 周壁部
170 第2のダイヤフラム部

Claims (3)

  1. 灌漑用液体を流通させるチューブの内壁面における、前記チューブの内外を連通する吐出口に対応する位置に接合されて前記チューブ内の前記灌漑用液体を前記吐出口から定量的に前記チューブ外に吐出するための樹脂製のエミッタであって、
    前記エミッタは、
    前記エミッタが前記チューブに接合されたときに前記チューブ内と連通する取水部と、
    前記取水部に連通しており、前記灌漑用液体を減圧させながら流す減圧流路を形成するための減圧流路部と、
    前記減圧流路部に連通しており、前記チューブ内の灌漑用液体の圧力に応じて灌漑用液体の流量を調整するための第1の流量調整部と、
    前記減圧流路部および前記第1の流量調整部に連通しており、前記チューブ内の灌漑用液体の圧力に応じて灌漑用液体の流量を調整するための第2の流量調整部と、
    前記第2の流量調整部に連通しており、前記エミッタが前記チューブに接合されたときに前記吐出口に面する吐出部と、
    を有し、
    前記第1の流量調整部は、弁座と、前記弁座に開口し、前記第2の流量調整部に連通している連通孔と、可撓性を有するとともに前記弁座とは離れて配置され、前記チューブ内の灌漑用液体の圧力を受けたときに前記弁座に接近するダイヤフラム部と、を有し、
    前記ダイヤフラム部は、前記連通孔の開口部との間に隙間を有して配置される凸部を有し、
    前記凸部は、前記ダイヤフラム部が前記弁座に接近するに連れて前記連通孔に挿入されるとともに前記隙間が広くなる形状を有する、
    エミッタ。
  2. 前記第2の流量調整部は、吐出側弁座と、前記吐出側弁座に開口し、前記吐出部に連通している吐出側連通孔と、可撓性を有するとともに前記吐出側弁座とは離れて配置され、前記チューブ内の灌漑用液体の圧力を受けたときに前記吐出側弁座に接近する吐出側ダイヤフラム部と、を有し、
    前記ダイヤフラム部は、前記吐出側ダイヤフラム部に比べて、高温時により曲がりやすい樹脂材料で構成されている、
    請求項1に記載のエミッタ。
  3. 灌漑用液体を吐出するための吐出口を有するチューブと、
    前記チューブの内壁面の前記吐出口に対応する位置に接合している、請求項1または2に記載のエミッタと、
    を有する、点滴灌漑用チューブ。
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