JP6831177B2 - 電子回路、電子機器、および雷サージ保護素子の劣化判断方法 - Google Patents

電子回路、電子機器、および雷サージ保護素子の劣化判断方法 Download PDF

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Description

本発明は、電子回路、電子機器、および雷サージ保護素子の劣化判断方法に関するものである。
インターネットサービスを利用する際に、インターネット接続事業者は利用者にモデム(modem)やホームゲートウェイ(home gateway)、VoIP(Voice over Internet Protocol)アダプタ(adapter)などの通信装置を貸し出す。これらの通信装置は屋外回線と接続されているため、雷サージ(surge)を受けやすい。
そのため、通信装置は通信回線に対して、バリスタ (varistor)などの雷サージ保護素子を利用して雷サージ対策を実施している。しかし、通信装置が雷サージを受ける度に雷サージ保護素子は劣化して、やがて雷サージに対する保護機能を失い、通信装置の故障に至る。
ところが、通信装置の利用者やインターネット接続事業者は、通信装置が普通に動作していれば、雷サージ保護素子が劣化していても、気が付かないという問題があった。そのため、インターネット接続事業者は、利用者から通信装置が返却されたときに、雷サージ保護素子が劣化していても、保護素子の交換などを実施することなく、次の利用者に貸し出してしまう。
そして、既に雷サージ保護素子が劣化している通信装置が新しい利用者に貸し出されて、通信装置が雷サージの被害を受けると、たちまち雷サージ保護素子が機能しなくなり、通信装置が故障してしまうという問題があった。この場合、新しい利用者は貸し出された通信装置が直ぐに故障したので、利用者は貸し出し元の事業者に対する印象を悪くする恐れがあった。
そこで、インターネット通信事業者が通信装置の雷サージ保護素子の劣化度を判断することができれば、雷サージ保護素子の劣化した通信装置を排除して再貸し出しすることが可能となる。
特許文献1および特許文献2に示される電子機器は、雷サージ保護素子が受けたサージ波形、サージ電流値などを検出する回路を設けて、サージの検出結果と雷サージ保護素子の特性に基づいて、雷サージ保護素子の寿命を判定している。
また、特許文献3に示される電子機器は、サージ電流検知用の特殊な回路をプリント基板のパターンに形成し更に別の電子回路で処理して、雷サージ保護素子の劣化度合いを検出している。
また、特許文献4の段落[0020]および図3において、同じ溶断電流のヒューズに異なるツェナー電圧のツェナーダイオードを直列接続し、複数個配列されることで過電圧の履歴を把握する回路が示されている。
特開2004−273362号公報 特開2014−228298号公報 特開2009−222663号公報 特開2007−53876号公報
しかし、特許文献1、特許文献2および特許文献3に示される電子機器は、雷サージを検出する判定回路と履歴を記憶する回路を実現するために、複雑な回路構成となっている。その結果、これらの特許文献に示される電子機器は、原価が高くなってしまう。
また、特許文献4の図3に示される回路において、サージ電流をバイパスする素子は、SPDではなくツェナーダイオードであるため、低電圧のサージには対応できても、雷サージの様な高電圧に対応できる素子は存在しないと考えられる。仮に、雷サージの電圧に耐えるツェナーダイオードが存在し、特許文献4の図3に示される回路をSPDの出力端とFGの間に挿入したとすると、過電圧の最大値を把握することが出来ても、過電圧の回数に相当する履歴を把握することは出来ない。そのため、特許文献4の図3に示される回路をSPDの劣化度合いの判断に用いることは、必ずしも適当でない。
本発明の電子回路および電子機器は、雷サージ保護素子の劣化度の判断を、単純な構成で可能とすることを目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明の電子回路は、第1の端子に入力端が接続された雷サージ保護素子と、前記雷サージ保護素子の出力端と第2の端子の間に電気的性質の異なる複数の溶断素子が並列接続された素子配列とを備え、前記素子配列の内の第1の溶断素子は、前記雷サージ保護素子の放電耐量以下である所定の上限サージ電流値で溶断し、前記素子配列の内の第2の溶断素子は、前記素子配列に流れる所定の下限サージ電流値で前記第2の溶断素子だけが溶断する。
上記の目的を達成するために、本発明の電子機器は、第1の端子に入力端が接続された雷サージ保護素子と、前記雷サージ保護素子の出力端と第2の端子の間に電気的性質の異なる複数の溶断素子が並列接続された素子配列とを備え、前記素子配列の内の第1の溶断素子は、前記雷サージ保護素子の放電耐量以下である所定の上限サージ電流値で溶断し、前記素子配列の内の第2の溶断素子は、前記素子配列に流れる所定の下限サージ電流値で前記第2の溶断素子だけが溶断する第1の電子回路と、前記第1の電子回路の前記第1の端子と前記第2の端子に接続される第2の電子回路とを更に備える。
上記の目的を達成するために、本発明の雷サージ保護素子の劣化判断方法は、第1の端子に入力端が接続された雷サージ保護素子と、前記雷サージ保護素子の出力端と第2の端子の間に電気的性質の異なる複数の溶断素子が並列接続された素子配列とを備えた電子回路において、前記素子配列の内の第1の溶断素子は、前記雷サージ保護素子の放電耐量以下である所定の上限サージ電流値で溶断し、前記素子配列の内の第2の溶断素子は、前記素子配列に流れる所定の下限サージ電流値で前記第2の溶断素子だけが溶断し、前記複数の溶断素子の溶断状況によって雷サージ保護素子の劣化を判断する。
本発明の電子回路および電子機器によれば、雷サージ保護素子の劣化度の判断を、単純な構成で可能とする。
第1の実施形態の構成例を示す図である。 第1の実施形態の動作を示す図である。 第1の実施形態の動作を示す図である。 第2の実施形態の構成例を示す図である。 第2の実施形態の動作を示す図である。 第2の実施形態の動作を示す図である。 第2の実施形態の動作を示す図である。 第1の実施形態の変形例を示す図である。 第3の実施形態の構成例を示す図である。
[第1の実施形態]
次に、本発明の第1の実施形態について、図1〜図3を参照して詳細に説明する。
[構成の説明]
図1に第1の実施形態の構成を示す。
電子機器10は、SPD(Surge Protective Device;雷サージ保護素子、サージ防護デバイス 、避雷器)21、通信回路22、および複数のヒューズ抵抗31〜3nによって構成される。また、電子機器10は、通信線に接続される通信端子11および、FG(frame ground;筐体接地)12を有する。
SPD21は、金属酸化物バリスタなどであり、部品の両端子に高い電位差が生じると短絡状態になって、サージ電流をバイパスする部品である。
通信回路22は、通信するための電子回路である。
ヒューズ抵抗31〜3nは、抵抗器に溶断特性を持たせたもので、溶断電力を超えるような電流が流れると断線する部品である。本実施形態では、ヒューズ抵抗31〜3nは、それぞれ異なる抵抗値であるが、同一の定格電力である。
そして、通信線端子11とFG12は通信回路22に接続されている。SPD21の片側の端子は通信線端子21に接続され、SPD21の反対の端子は、ヒューズ抵抗31〜3n全ての片側の端子に接続されている。また、ヒューズ抵抗31〜3nは、並列に接続されていて、SPD21と接続されない側の端子は、FG12に接続されている。
また、ヒューズ抵抗31〜3nは、同一の定格電力とする。そして、ヒューズ抵抗31〜3nは10オーム、ヒューズ抵抗32は100オーム、ヒューズ抵抗33は200オーム、のようにヒューズ抵抗31から順に抵抗値が大きくなるように配置されているものとする。ヒューズ抵抗31〜3nの選定方法の詳細については、動作の説明の項で示す。
[動作の説明]
次に本実施形態の動作について、図2および図3を参照して説明する。
(動作の概要)
図2に、電子機器10の通信線端子11から雷サージが侵入した場合を模式的に示す。通信線端子11から雷サージが侵入した場合、通信線端子11とFG12の間に大きな電位差が生じる。その結果、SPD21の通信11側端子とヒューズ抵抗側端子の電位差が、SPD21の制限電圧(電圧防護レベルともいう)を超えると、SPD21はサージ電流を通信線端子11からヒューズ抵抗側にバイパスする。そして、バイパスされたサージ電流は、並列に接続されたヒューズ抵抗31〜3nを経由してFG12に流れる。
SPDには、放電耐量と称するサージ電流をバイパス可能な最大電流値が定められている。放電耐量を超える電流がSPDに流れると、SPDは破損する。SPDがサージ電流をバイパスしてサージ電流が消滅して復帰可能となるサージ電流は、放電耐量以下の電流である。
本発明の電子機器10は、SPD21が破壊されない領域におけるサージ電流が、SPD21を通過した回数の目安を、ヒューズ抵抗31〜3nが1本、或いは複数本、順次溶断することによって、履歴として残すものである。
尚、本発明の電子機器10は、ヒューズ抵抗31〜3nの溶断状況によって、SPD21の劣化状況を判断可能とするので、通常は電子機器10のケースを開けて、内部回路を確認しないとSPD21の劣化状況は判断できない。
しかし、インターネット接続事業者等が、新しい利用者にモデム等の電子機器を再貸し出しする際に、内部回路基板を再利用してケースは新品に交換する場合が多い。この場合、前の利用者から返却された電子機器のケースを開けるので、ヒューズ抵抗の溶断状況の確認が可能である。
また、電子機器の再利用の際にケースを交換しない場合でも、内部回路基板のヒューズ抵抗部分が確認できるように、ケースの一部に開閉可能な蓋をつける等の方法でも、ヒューズ抵抗の溶断状況の確認が可能である。
(ヒューズ抵抗の抵抗値の決定方法)
次に、ヒューズ抵抗31〜3nの抵抗値の決定方法を示す。
まず履歴として残すべきサージ電流値の、上限Imaxと下限Iminを決めておく。Imaxは、SPD21の放電耐量以下の値とする。
ヒューズ抵抗31〜3nは、定格電力は同じで、それぞれ抵抗値が異なる。一般に、ヒューズ抵抗器が溶断する電力Pcutは定格電力に比例する。ヒューズ抵抗31〜3nはいずれも定格電力が同じであるので、各ヒューズ抵抗器のPcutの値は同じである。
ヒューズ抵抗31〜3nは並列に接続されているので、各ヒューズ抵抗器の両端の電圧は同じである。電圧の2乗を抵抗値で除した値が各ヒューズ抵抗器の消費する電力であり、並列接続された各ヒューズ抵抗器の両端の電圧は同じなので、抵抗値の低いヒューズ抵抗器ほど消費電力は大きい。従って、並列接続されたヒューズ抵抗器の中で、抵抗値の低いヒューズ抵抗器ほど低い電圧でヒューズ抵抗器が溶断する電力値Pcutに達する。その為、抵抗値の低い抵抗器の方が抵抗値の高い抵抗器より低い電圧で溶断し、抵抗値の高い抵抗器の方が抵抗値の低い抵抗器より高い電圧で溶断する。
そこで、ヒューズ抵抗31〜3nの内で最大の抵抗値であるヒューズ抵抗3nの抵抗値R3nの値の決定方法を説明する。
ヒューズ抵抗3nは、先に述べた上限のサージ電流値Imaxで、最後の1本として溶断する様に決定する。それは、抵抗値R3nが、ヒューズ抵抗器が溶断する電力Pcutと上限のサージ電流値Imaxを用いて、次式を満足する様に決定されれば良い。
R3n=Pcut/(Imax^2)
ここで、Imax^2はImaxの2乗を表す。
この様にして、ヒューズ抵抗31〜3nの内で最大の抵抗値であるヒューズ抵抗3nの抵抗値R3nの値を決定する。
次に、ヒューズ抵抗31〜ヒューズ抵抗3(n-1)の抵抗値の決定方法を説明する。ここで、ヒューズ抵抗3(n-1)は、ヒューズ抵抗31から数えて抵抗値が順に大きくなり、抵抗値が最大のヒューズ抵抗3nより1つ手前の抵抗値のヒューズ抵抗を示す。そして、ヒューズ抵抗32〜ヒューズ抵抗3(n-1)の抵抗値は、R31の定数倍で表すこととする。
まず、ヒューズ抵抗31〜3nの内で最小の抵抗値であるヒューズ抵抗31の抵抗値R31を決定する。
ヒューズ抵抗31〜3nの合成抵抗の抵抗値Rは、ヒューズ抵抗31の変数R31、変数R31の定数倍で表されるヒューズ抵抗32〜ヒューズ抵抗3(n-1)の各抵抗値、および先に値を求めたR3nで表される。従って、合成抵抗の抵抗値Rは変数R31で表される。
そこで、抵抗値Rの合成抵抗に、先に決めた下限のサージ電流値Iminを流した場合に、ヒューズ抵抗31〜3nの両端に生じる電圧をVとする。ヒューズ抵抗31の消費電力は、Vの2乗をヒューズ抵抗31の抵抗値R31で除して求められるので、ヒューズ抵抗31の消費電力は変数R31で表される。
そして、変数R31で表されたヒューズ抵抗31の消費電力を、ヒューズ抵抗を溶断する電力Pcutの数値に等しいとおき、変数R31について解くことで、R31を数値として求められる。
この様にして、ヒューズ抵抗31〜3nの内で最小の抵抗値であるヒューズ抵抗31の抵抗値R31を決定する。
また、ヒューズ抵抗32〜ヒューズ抵抗3(n-1)の抵抗値は、R31の定数倍として求めることが出来る。
以上の様にして、ヒューズ抵抗31〜3nの抵抗値が決定される。
(ヒューズ抵抗が4本の場合の抵抗値の決定方法)
上記に説明したヒューズ抵抗の抵抗値の設定方法について、ヒューズ抵抗4本の場合について示す。
サージ電流の上限Imax、サージ電流の下限Iminとする。
並列接続されるヒューズ抵抗器は、異なる抵抗値をもつ4本として、それぞれの抵抗値はR1、R2、R3、R4とする。そして、R1<R2<R3<R4の関係があり、R2=a×R1、R3=b×R1、但しa、bは1より大きい定数とする。
また、ヒューズ抵抗器の溶断する電力をPcutとする。
まず、次式によってR4の値を決める。
Pcut=(Imax^2)×R4
次に、並列接続された抵抗器の合成抵抗Rを次式により求める。
R=(R1・R2・R3・R4)/(R2・R3・R4+R1・R3・R4+R1・R2・R4+R1・R2・R3)
ここで、R2=a×R1、R3=b×R1であるので、Rは1つの変数R1で表される。
そこで、合成抵抗RにIminが流れると、合成抵抗Rの両端の電圧Vは次式で表される。
V=Imin×R
ここで、Iminは予め決めた値、Rは前述の様に1つの変数R1で表されるので、Vも1つの変数R1で表される。
次に、最も抵抗値の小さいR1の消費電力P1は、次式で表される。
P1=(V^2)/R1
ここで、VもRもそれぞれ1つの変数R1で表すことが出来るので、P1も1つの変数R1で表すことが出来る。
そして、P1=Pcutと置き、R1について解くことで、ヒューズ抵抗器R1の抵抗値を数値として求めることが出来る。
また、R2はR2=a×R1、R3はR3=b×R1によって求められる。
以上の様にして、ヒューズ抵抗R1〜R4の値を決めると、並列に接続された4本のヒューズ抵抗の中では、最も抵抗値の小さいヒューズ抵抗器R1が最も小さい電流で溶断し、最も抵抗値の大きいヒューズ抵抗器R4が最も大きい電流で溶断する
上記のヒューズ抵抗の抵抗値の決定方法は、考え方を示したものであり、サージ電流は過渡現象であるので、溶断電力、抵抗値については実験等により適宜確認される必要がある。
尚、ヒューズ抵抗器が溶断するサージ電流はIminからImaxの間の値をとり、雷サージが侵入する度にヒューズ抵抗が1本ずつ溶断するとは限らないが、抵抗値の最も小さい値の抵抗器から順に溶断する。
(動作の詳細)
上記の様にして、ヒューズ抵抗31〜3nの各抵抗値を設定した電子機器10が、雷サージを受けた際の動作の詳細を、順を追って示す。
図2では、電子機器10が、最初に雷サージを受けた時のサージ電流の流れを点線の矢印で模式的に示している。
図2で、雷サージが通信線端子11に侵入すると、SPD21が動作して通信回路22は保護される。しかし、SPD21は、雷サージで動作したので部品性能は劣化した。また、サージ電流が並列接続されたヒューズ抵抗31〜3nに流れると、並列接続のヒューズ抵抗の内、最も低い抵抗値であるヒューズ抵抗31に最も大きい電流が流れる。そのため、並列接続のヒューズ抵抗の内でヒューズ抵抗31が最初に溶断電力に達して、ヒューズ抵抗31が最初に溶断する。ヒューズ抵抗31が溶断したことにより、SPD21が雷サージで動作して劣化したことを知ることが出来る。
次に、電子機器10に再び通信線端子11から雷サージが侵入した場合を図3に模式的に示す。
図3において、通信線端子11から雷サージが侵入すると、SPD21が動作して通信回路22は保護される。しかし、SPD21は雷サージで動作したので部品性能は更に劣化した。また、サージ電流が並列接続されたヒューズ抵抗32〜3nに流れると、並列接続のヒューズ抵抗の内、最も低い抵抗値であるヒューズ抵抗32に最も大きい電流が流れる。そのため、並列接続のヒューズ抵抗の内でヒューズ抵抗32が先に溶断電力に達して、ヒューズ抵抗32が先に溶断する。
そして、ヒューズ抵抗32が溶断したことにより、SPD21が雷サージで動作してヒューズ抵抗31が溶断した状態より、更に劣化したことを知ることが出来る。
この様にして、雷サージが電子機器10に侵入する度に、ヒューズ抵抗が順次溶断していく。
尚、前述の様に、1回のサージ電流でヒューズ抵抗が1本ずつ溶断するとは限らない。しかし、1回のサージ電流で複数のヒューズ抵抗が溶断することは、1つのヒューズ抵抗が溶断するサージ電流より大きいサージ電流がSPD21に流れたことになる。従って、ヒューズ抵抗が1つ溶断した状態より、複数が溶断した状態の方が、SPD21はより劣化しているので、SPD21の劣化度を知るという本来の目的に合っている。
また、ヒューズ抵抗32が溶断していく度に、溶断するためのサージ電流は次第に高くなっていくが、ヒューズ抵抗の溶断本数は、IminからImaxの間の電流値をもつ雷サージによるSPDの劣化の大まかな目安となる。
雷サージが通信線端子に入るたびに、ヒューズ抵抗31〜3nは、小さい抵抗値から順に溶断する。そして、最後はヒューズ抵抗3nが溶断して、SPD21は電子機器10の電子回路から切り離される。
以上説明した様に、本実施形態に示す電子機器10によれば、ヒューズ抵抗のみの単純な構成で、SPD21の劣化度の判断を行うことが可能となる。
[第2の実施形態]
次に、第2の実施形態について図4〜図7を参照して説明する。
[構成の説明]
図4に第2の実施形態の構成を示す。
第1の実施形態の電子機器10では、通信線端子11とFG12の間に、SPD21とヒューズ抵抗31〜3nが挿入されていた。
本実施形態の電子機器50では、通信回路22に接続される通信線端子11とFG12の間に挿入されるSPD21とヒューズ抵抗31〜3nの構成は同一である。しかし、電子機器50では、通信回路22のAC電源端子13と通信線端子と共通のFG12の間に、SPD23とヒューズ抵抗41〜4nが挿入されている。
尚、通信線およびAC電源線は複数本であっても良く、図4はその内の1本を示している。
また、ヒューズ抵抗31〜3nおよびヒューズ抵抗41〜4nの抵抗値の設定方法は、第1の実施形態の説明と同様である。ただし、通信線端子11とAC電源端子13では、サージが生じていない通常時に扱う電圧や電流が異なるため、通信線用とAC電源用とでSPDが動作するサージ電流の仕様が異なる。そのため、サージ電流の上限、下限の設定も異なるので、ヒューズ抵抗31〜3nの抵抗値とヒューズ抵抗41〜4nの抵抗値は異なる。
[動作の説明]
次に本実施形態の動作を図5〜図7を参照して説明する。
まず、通信線端子11に雷サージが侵入した場合について記す。図5において、点線の矢印は、通信線端子11に最初に雷サージを受けた時のサージ電流の流れを模式的に示している。そして、通信線端子11に雷サージが侵入した場合の動作は、第1の実施形態の動作と同じであるため説明を省略する。
この様に、通信線端子11に雷サージが侵入した場合、ヒューズ抵抗31〜3nの1本或いは複数が溶断されるが、ヒューズ素子41〜4nにはサージ電流は流れないので、ヒューズ素子41〜4nは溶断されない。
次に、AC電源端子13に雷サージが侵入した場合について記す。図6において、点線の矢印は、AC電源端子13に最初に雷サージを受けた時のサージ電流の流れを模式的に示している。そして、ヒューズ抵抗41〜4nが溶断する動作については、第1の実施形態のヒューズ抵抗31〜3nが溶断する動作と同じであるので、説明を省略する。
この場合、ヒューズ抵抗41〜4nの1本或いは複数が溶断されるが、ヒューズ素子31〜3nにはサージ電流は流れないので、ヒューズ素子41〜4nは溶断されない。
従って、ヒューズ抵抗31〜3nが溶断しているか、ヒューズ抵抗41〜4nが溶断しているかを確認することで、電子機器50への雷サージの侵入経路が、通信線かAC電源かを確認することが可能である。
例えば、図7の様にヒューズ抵抗41およびヒューズ抵抗42が溶断していれば、電子機器50にはAC電源から雷サージが侵入したことがわかり、通信線からは雷サージは侵入していなかったことがわかる。雷サージの侵入経路がわかると、雷サージの防止対策をたてやすくなる。
以上説明した様に、本実施形態に示す電子機器50は、ヒューズ抵抗のみの単純な構成でSPD21およびSPD23の劣化度を判断出来ることに加えて、雷サージの侵入経路を確認することが出来る。
[第3の実施形態]
次に第3の実施形態について、図9を参照して説明する。
本実施形態の電子機器100は、第1の端子101に入力端が接続された雷サージ保護素子111と、前記雷サージ保護素子111の出力端と第2の端子102の間に電気的性質の異なる溶断素子112および溶断素子113が並列接続された素子配列とを備える。そして、前記素子配列の内の第1の溶断素子112は、前記雷サージ保護素子111の放電耐量以下である所定の上限サージ電流値で溶断する。また、前記素子配列の内の第2の溶断素子113は、前記素子配列に流れる所定の下限サージ電流値で前記第2の溶断素子113だけが溶断する。
以上説明した様に、本実施形態に示す電子機器100によれば、溶断素子112および溶断素子113のみの単純な構成で、雷サージ保護素子111の劣化度の判断を行うことが可能となる。
以上、本発明の好適な実施形態を説明したが、上記実施形態に限定されるものではなく、次のように拡張または変形できる。
第1および第2の実施形態に示した通信回路は、通信回路以外の電子回路であっても良い。
次に、第1の実施形態の変形例の構成を図8に示す。
図8では、通信線端子1(符号61)に接続される通信線1とFGの組み合わせによる通信経路と、通信線端子2(符号62)に接続される通信線2とFGの組み合わせによる通信経路の2系統の通信経路が形成されている。この様に複数の通信線を有する電子機器の場合、通信線端子1(符号61)に侵入した雷サージのサージ電流を通信線端子2(符号62)にバイパスする構成をとる場合がある。
図8の構成では、通信線端子1(符号61)と通信線端子2(符号62)の間にSPD63とヒューズ抵抗71〜7nが挿入されている。この構成によれば、通信線1に侵入した雷サージの履歴を、ヒューズ抵抗71〜7nの溶断によって確認することが出来て、SPD63の劣化度合いを判断することが可能である。
また、第1および第2の実施形態の電子機器では、一定の電力を超えると溶断するヒューズ抵抗を並列接続していたが、一定の電流を超えると溶断するヒューズを並列接続しても実現可能である。この場合、並列ヒューズ配列の内で、最後の1本として溶断するヒューズの溶断電流値は、第1の実施形態で説明したImaxの値に設定する。また、並列ヒューズ配列の内で、最初の1本として溶断するヒューズの溶断電流値は、並列ヒューズ配列に電流値Iminの電流が流れた際の分流として、最初の1本として溶断するヒューズに流れる電流値と等しくなるように設定する。
更に、ヒューズと抵抗器を直列接続した回路を並列接続しても、第1および第2の実施形態と同様の効果を得ることが可能である。即ち、複数の同じ規格のヒューズのそれぞれに、異なる抵抗値の抵抗器を直列接続し、更にこの直列接続回路同士を並列接続する。この場合、各ヒューズに流れる電流は、前記並列接続に流れる電流の分流であり、分流は各抵抗器の抵抗値によって決まる。そして、抵抗値と分流の一般的な関係に基づいて各抵抗器の抵抗値を適切に選択することで、サージ電流が流れる度に、抵抗値の低い抵抗に直列接続されたヒューズから順に溶断される様に出来る。尚、抵抗器はヒューズが溶断する前に抵抗器が破損しない様に、十分な耐電力特性を有する必要がある。
10 電子機器
11 通信線端子
12 FG
13 AC電源端子
14 FG
21 SPD
22 通信回路
23 SPD
31、32、33、34、3n ヒューズ抵抗
41、42、43、44、4n ヒューズ抵抗
50 電子機器
60 電子機器
61 通信線端子1
62 通信線端子2
63 SPD
64 通信回路
71、72、7n ヒューズ抵抗
100 電子回路
101 第1の端子
102 第2の端子
111 雷サージ保護素子
112、113 溶断素子

Claims (9)

  1. 第1の端子に入力端が接続された雷サージ保護素子と、
    前記雷サージ保護素子の出力端と第2の端子の間に電気的性質の異なる複数の溶断素子が並列接続された素子配列とを備え、
    前記雷サージ保護素子から前記素子配列へ電流が流れることで、
    前記素子配列の内の第1の溶断素子は、前記雷サージ保護素子の放電耐量以下である所定の上限サージ電流値で溶断し、
    前記素子配列の内の第2の溶断素子は、前記素子配列に流れる所定の下限サージ電流値で前記第2の溶断素子だけが溶断し、
    前記電気的性質は、電気抵抗値及び溶断電流値のうちの少なくともいずれかである、
    電子回路。
  2. 前記電気的性質は電気抵抗値を含み、
    前記複数の溶断素子はそれぞれの溶断電力値が同じヒューズ抵抗であり、
    前記第1の溶断素子の前記電気抵抗値は、前記溶断電力値を前記雷サージ保護素子の放電耐量以下である所定の上限サージ電流値の2乗で除した値であり、
    前記第2の溶断素子の前記電気抵抗値は、前記素子配列の合成電気抵抗値と所定の下限サージ電流値を乗じて2乗した値を前記溶断電力値で除した値であることを特徴とする請求項1に記載の電子回路。
  3. 前記電気的性質は溶断電流値を含み、
    前記複数の溶断素子はヒューズであることを特徴とする請求項1に記載の電子回路。
  4. 前記第2の端子は、接地電位であることを特徴とする、請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の電子回路。
  5. 請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の電子回路である第1の電子回路と、前記第1の電子回路の前記第1の端子と前記第2の端子に接続される第2の電子回路とを更に備える事を特徴とする電子機器。
  6. 第1の端子に入力端が接続された雷サージ保護素子と、
    前記雷サージ保護素子の出力端と第2の端子の間に電気的性質の異なる複数の溶断素子が並列接続された素子配列とを備えた電子回路において、
    前記雷サージ保護素子から前記素子配列へ電流が流れることで、
    前記素子配列の内の第1の溶断素子は、前記雷サージ保護素子の放電耐量以下である所定の上限サージ電流値で溶断し、
    前記素子配列の内の第2の溶断素子は、前記素子配列に流れる所定の下限サージ電流値で前記第2の溶断素子だけが溶断し、
    前記複数の溶断素子の溶断状況によって雷サージ保護素子の劣化を判断し、
    前記電気的性質は、電気抵抗値及び溶断電流値のうちの少なくともいずれかである、
    雷サージ保護素子の劣化判断方法。
  7. 前記電気的性質は電気抵抗値を含み、
    前記複数の溶断素子はそれぞれの溶断電力値が同じヒューズ抵抗であり、
    前記第1の溶断素子の前記電気抵抗値は、前記溶断電力値を前記雷サージ保護素子の放電耐量以下である所定の上限サージ電流値の2乗で除した値であり、
    前記第2の溶断素子の前記電気抵抗値は、前記素子配列の合成電気抵抗値と所定の下限サージ電流値を乗じて2乗した値を前記溶断電力値で除した値であることを特徴とする請求項6に記載の雷サージ保護素子の劣化判断方法。
  8. 前記電気的性質は溶断電流値を含み、
    前記複数の溶断素子はヒューズであることを特徴とする請求項6に記載の雷サージ保護素子の劣化判断方法。
  9. 前記第2の端子は、接地電位であることを特徴とする、請求項6乃至請求項8のいずれかに記載の雷サージ保護素子の劣化判断方法。
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