(実施形態1)
以下、本実施形態に係る店舗支援方法、プログラム及び店舗支援システム10(図2参照)について、図1〜図7を参照して説明する。
(1)概要
本実施形態に係る店舗支援方法は、図1及び図2に示すように、複数の商品B1の販売を行う店舗A1の営業を支援する方法である。本実施形態では、店舗支援方法が、コンビニエンスストア、スーパーマーケット、百貨店、ドラッグストア、家電量販店又はホームセンター等の小売店の店舗A1に適用される場合を例として説明する。
本実施形態に係る店舗支援方法は、店舗A1で販売される複数の商品B1のうちのアウトレット品B2の取り扱いを支援することにより、店舗A1の営業を支援する。本開示でいう「アウトレット品」は、例えば、見切り品、キャリー品、廃盤品、型落ち品、わけあり品(B級品)、試作品及びアウトレット専用品等を含む。一例として、店舗A1で販売される複数の商品B1のうち、賞味期限又は消費期限等の期限が近付いた飲食料品等の見切り品が、アウトレット品B2となる。
このようなアウトレット品B2は、アウトレット品B2でない同等の商品B1(同等品)と比較して、同一条件(例えば、同一価格)では売れ行きが悪く、不良在庫となって、商品B1によっては廃棄処分となる場合もある。例えば、アウトレット品B2が賞味期限又は消費期限等の期限が近付いた飲食料品であれば、そのまま売れずに期限が切れて不良在庫となり、アウトレット品B2が廃棄処分となることがある。そこで、アウトレット品B2については、アウトレット品B2でない同等の商品B1に比較して、例えば、値引き、割引き又は還元ポイントの割増し等の販売促進の措置がとられることがある。このような販売促進の措置により、アウトレット品B2を購入する顧客C1(図1参照)からすれば買い得であり、店舗A1のオーナA11(図1参照)にとっても不良在庫が廃棄処分される場合に比較して損失を小さく抑えることができる利点がある。
ただし、販売促進の措置がとられたとしても、例えば、アウトレット品B2が大量に発生した場合等にあっては、アウトレット品B2の発生数と顧客C1の需要とが整合せず、アウトレット品B2が売れ残って不良在庫となることは当然にあり得る。一方で、店舗A1においてアウトレット品B2の発生数を低減するように、元々の商品B1の在庫を少なく抑えることも考えられる。しかし、店舗A1において商品B1の在庫が不足していると、顧客C1が所望する商品B1を購入できなかったり、商品B1を販売できないことで機会損失が生じたりと、店舗A1での営業に支障をきたす可能性がある。そのため、店舗A1において、営業に支障が生じないように十分な在庫を確保しつつ、アウトレット品B2の発生数を低減することは、非常に困難である。
そこで、本実施形態に係る店舗支援方法では、このようなアウトレット品B2の取り扱いを支援することにより、店舗A1の営業を支援する。つまり、店舗支援方法は、複数の商品B1の販売を行う店舗A1の営業を支援する方法であって、判定処理と、公開処理と、を有する。判定処理は、店舗A1で販売される複数の商品B1の中に、アウトレット条件を満たすアウトレット品B2があるか否かを判定する処理である。公開処理は、アウトレット品B2が発生すると、アウトレット品B2に関するアウトレット情報D1(図1参照)を公開先に公開する処理である。
すなわち、上述した店舗支援方法によれば、店舗A1で販売される複数の商品B1の中に、アウトレット条件を満たすアウトレット品B2が発生すると、このアウトレット品B2の存在が判定処理にて判定される。そして、発生したアウトレット品B2に関するアウトレット情報D1は、公開処理によって公開先に公開されるので、アウトレット品B2が発生すると、実際に店舗A1を訪れた顧客C1のみならず、アウトレット品B2の存在を広く知らせることが可能である。そのため、例えば、店舗A1の付近に存在する潜在的な顧客C1をも取り込んで、アウトレット品B2の販売を行うことが可能となり、アウトレット品B2の発生数と顧客C1の需要との整合を取りやすくなって、不良在庫の発生を抑制しやすくなる。結果的に、不良在庫による損失を低減しやすい、という利点がある。
また、本実施形態に係る店舗支援方法は、一例として、店舗支援システム10にて実行される。言い換えれば、店舗支援システム10は、上述した店舗支援方法を具現化するための一態様である。つまり、店舗支援システム10は、複数の商品B1の販売を行う店舗A1の営業を支援するシステムであって、判定部21と、公開部11と、を備える。判定部21は、店舗A1で販売される複数の商品B1の中に、アウトレット条件を満たすアウトレット品B2があるか否かを判定する。公開部11は、アウトレット品B2が発生すると、アウトレット品B2に関するアウトレット情報D1を公開先に公開する。
ここにおいて、本実施形態に係る店舗支援システム10は、1以上のプロセッサ及び1以上のメモリを有するコンピュータシステムを主構成とする。言い換えれば、本実施形態に係る店舗支援方法は、コンピュータシステム(店舗支援システム10)上で用いられる。つまり、店舗支援方法は、プログラムでも具現化可能である。本実施形態に係るプログラムは、本実施形態に係る店舗支援方法を、1以上のプロセッサに実行させるためのプログラムである。
(2)詳細
以下、本実施形態に係る店舗支援方法、プログラム及び店舗支援システム10について詳しく説明する。
(2.1)前提
本実施形態では、店舗支援方法が適用される店舗A1は、コーポレートチェーン(レギュラーチェーン)又はフランチャイズチェーンのようにチェーン展開されている複数の店舗A1の1つであることと仮定する。つまり、店舗支援方法にて営業が支援される店舗A1は、チェーン展開されている複数の店舗A1のいずれかの店舗A1である。特に、本実施形態では一例として、店舗A1がコンビニエンスストアである場合について説明する。つまり、顧客C1はコンビニエンスストアの利用客であって、オーナA11はコンビニエンスストアのオーナである。さらに、店舗A1の店員A12(図2参照)は、コンビニエンスストアの店員(アルバイト及びパートタイマを含む)である。
この種の店舗A1に対しては、店舗A1の経営に関する管理主体である管理者として、複数の店舗A1を統括的に管理するチェーン本部A2等の統括管理者、及び複数の店舗A1をそれぞれ管理するオーナA11(店舗責任者)等の個別管理者が存在する。すなわち、統括管理者は、複数の店舗A1に対応付けて少なくとも1人存在し、複数の店舗A1全ての営業(経営を含む)状況等についての報告を受ける立場にある。一方、個別管理者は、1つの店舗A1に対応付けて少なくとも1人存在し、対応する店舗A1の営業(経営を含む)状況等についての報告を受ける立場にある。つまり、複数の店舗A1に対しては、複数の個別管理者(例えば、オーナA11)が存在する。ここで、統括管理者及び個別管理者の各々は、個人と法人とのいずれであってもよいし、複数の個人又は法人の集合からなる団体(組織)であってもよい。本実施形態では一例として、統括管理者がチェーン本部A2としての法人であって、個別管理者がオーナA11としての個人である場合を想定する。
本開示でいう「アウトレット品」は、上述したように、店舗A1で販売される複数の商品B1のうちアウトレット条件を満たす商品B1であって、例えば、見切り品、キャリー品、廃盤品、型落ち品、わけあり品(B級品)、試作品及びアウトレット専用品等を含む。ここでいう「見切り品」は、売れる見込みがないと見限られた商品B1であって、一例として、賞味期限又は消費期限が近付いた飲食料品等を含む。また、ここでいう「キャリー品」は、販売期間又はシーズンの終了後に売れ残った商品B1であって、一例として、ハロウィン又はクリスマス等のイベントに合わせて設定された販売期間が経過した菓子類等を含む。本実施形態では一例として、店舗A1で販売されている複数の商品B1のうち、賞味期限又は消費期限が近付いた飲食料品からなる「見切り品」が、アウトレット品B2である場合を想定する。
また、本開示でいう「アウトレット条件」は、アウトレット品B2か否かを判定するために用いられる条件であって、基本的には、商品B1ごとに適宜設定される。例えば、アウトレット品B2の中でも、見切り品及びキャリー品等については、賞味期限、消費期限、販売期間又はシーズンといった、商品B1ごとに決められた期限があるので、アウトレット条件は、この期限までの残り時間と閾値との関係を含む。一例として、アウトレット品B2が見切り品としての飲食料品であれば、アウトレット条件は、賞味期限又は消費期限までの残り時間が閾値以下であることを含む。他の例として、アウトレット品B2がキャリー品としての菓子類であれば、アウトレット条件は、販売期間又はシーズンの終了時点までの残り時間が閾値以下であることを含む。特に、キャリー品の場合は、販売期間又はシーズンの終了時点からある程度の時間が経過して初めてアウトレット品B2となることもあるため、残り時間と比較される閾値はマイナス(負)の値であってもよい。一例として、閾値が「マイナス12時間」であれば、販売期間又はシーズンの終了時点から12時間が経過した時点で初めて、終了時点までの残り時間が閾値(マイナス12時間)以下となる。
本開示でいう「アウトレット情報D1」は、アウトレット品B2に関する情報であって、例えば、アウトレット品B2の品目(種類)を特定する情報、及び個数を特定する情報等を含む。一例として、商品B1としての「ハンバーグ弁当」が3個、アウトレット条件を満たしてアウトレット品B2と判定された場合、アウトレット情報D1は、「ハンバーグ弁当」及び「3個」という、アウトレット品B2の品目及び個数を特定する情報を含む。本実施形態では一例として、アウトレット情報D1は、アウトレット品B2が発生した店舗A1、アウトレット品B2の発生時刻、アウトレット品B2の販売価格及びアウトレット品B2の販売終了時刻等の、アウトレット品B2の詳細を特定する情報を更に含む。ここで、「アウトレット品B2の販売終了時刻」は、アウトレット品B2の販売を終了する時刻を意味し、例えば、アウトレット品B2が見切り品としての飲食料品であれば、その賞味期限又は消費期限が販売終了時刻となる。あるいは、アウトレット品B2を販売する店舗A1の営業終了時刻が、アウトレット品B2の販売終了時刻であってもよい。
本開示でいう「公開先」は、アウトレット品B2に関するアウトレット情報D1の公開の対象者を意味する。ここで、アウトレット情報D1の公開先は、店舗A1の顧客C1と店舗A1の管理者との少なくとも一方を含む。ここでいう「店舗A1の管理者」は、上述したように店舗A1の経営に関する管理主体であって、例えば、チェーン本部A2等の統括管理者、及び店舗A1のオーナA11等の個別管理者を含む。さらに、アウトレット情報D1の公開先は、店舗A1と契約を結んだ業者C2(図1参照)を含む。ここでいう「契約」は、店舗A1で発生したアウトレット品B2の売買に関する契約である。「公開先」についても、店舗A1の管理者と同様に、個人と法人とのいずれであってもよいし、複数の個人又は法人の集合からなる団体(組織)であってもよい。本実施形態では一例として、アウトレット情報D1の公開先は、店舗A1の顧客C1、店舗A1の管理者であるオーナA11、及び店舗A1と契約を結んだ業者C2の全てを含み得ることとする。顧客C1及びオーナA11についても、個人と法人とのいずれであってもよいし、複数の個人又は法人の集合からなる団体(組織)であってもよい。
本開示でいう「業者」は、事業又は営業(商売)を行う者を意味し、例えば、店舗支援方法が適用される店舗A1とは別の業態の店舗を含む。ここで、「業者」は、個人と法人とのいずれであってもよいし、複数の個人又は法人の集合からなる団体(組織)であってもよい。本実施形態では一例として、「業者」は、顧客に対して商品又はサービスを提供する店舗の管理者(オーナ)であることとする。特に、業者C2の職種としては、居酒屋、バー、パブ、喫茶店、食堂、レストラン又はファストフード店のように、主として飲食物を提供する飲食店を想定する。つまり、本実施形態では、公開先としての顧客C1、オーナA11及び業者C2は、いずれも個人である。
また、本開示でいう「店舗」は、不動産(施設)としての店舗A1だけでなく、組織としての店舗A1を含むこともある。例えば、組織としての店舗A1には、店舗A1の管理者(チェーン本部A2又はオーナA11)、店舗A1で雇用されている店員A12が含まれてもよい。一例として「店舗A1と契約を結んだ業者C2」は、不動産としての店舗A1ではなく、店舗A1の管理者(チェーン本部A2又はオーナA11)との間で、契約を締結した業者C2を意味する。
また、本実施形態においては一例として、店舗支援方法による支援の対象となり得る店舗A1の数が、10000店以上である場合を想定する。以下では、特に断りがない限り、これら複数(多数)の店舗A1のうちの1つの店舗A1のみが、店舗支援方法による支援の対象となる場合について説明するが、実際には、複数の店舗A1がそれぞれ店舗支援方法による支援の対象となり得る。すなわち、店舗支援方法は、複数の店舗A1のそれぞれを支援の対象とし得るが、以下では、説明を簡単にするため、特に断りがない限り、複数の店舗A1のうちの1つを、支援の対象とする場合を例に説明する。
(2.2)全体構成
まず、本実施形態に係る店舗支援システム10を含む全体の構成について、図2を参照して説明する。
本実施形態に係る店舗支援システム10は、図2に示すように、上位システム1と、下位システム2と、を備えている。本実施形態では一例として、上位システム1は、チェーン本部A2に設置されており、インターネット等のネットワークNT1に接続されたサーバ装置にて実現される。下位システム2は、複数の店舗A1の各々に設置されており、ネットワークNT1に接続された、ストアコンピュータにて実現される。
ストアコンピュータからなる下位システム2は、複数の店舗A1の各々に設置されたPOS(Point Of Sales)システムに接続されており、少なくとも各店舗A1における商品B1の在庫に関する在庫情報を管理する機能を有している。ここでいう「在庫情報」は、例えば、直近の1ヵ月又は前年同月の、商品B1ごとの在庫、廃棄及び品切れ等の実績を含む。また、本実施形態では、POSシステムは、ID−POSデータを取り扱うことが可能な、いわゆる「ID−POS」である。ここでいう「ID−POSデータ」は、POSデータに顧客C1の識別情報(ID:identification)としての「顧客ID」が付加されたデータである。この種のPOSシステム(ID−POS)は、顧客C1が買物を行う際に顧客C1の認証を行うことで、顧客C1の識別情報(顧客ID)を取得する。顧客C1の認証は、一例として、会員カード、ポイントカード又はクレジットカード等の各種カード等で実現されてもよいし、顧客C1の携帯端末(情報端末3を含む)との通信、又は生体認証(顔認証を含む)等によって実現されてもよい。
さらに、本実施形態では、ストアコンピュータからなる下位システム2は、各店舗A1の売上に関する売上情報を管理する機能を有している。ここでいう「売上情報」は、売上、客数、客単価、LTV(Life Time Value)、又は利益(粗利及び営業利益等を含む)等を含む。ここでいう「客数」は、店舗A1を利用して対価を支払った顧客C1の数(利用客数)であってもよいし、店舗A1に来ただけの顧客C1も含めた顧客C1の数(来客数)であってもよい。さらに、利用客数のカウントの仕方としては、1人の顧客C1が複数回、例えば2回に分けて会計した場合に、客数を「2」とカウントしてもよいし、客数を「1」とカウントしてもよい。ここでいう「LTV(Life Time Value)」は、顧客C1が、サービスに対する対価として所定期間(Life Time)に支払う対価を意味する。ここでいう「利益」は、店舗A1における売上に関係する利益全般を意味し、例えば、粗利(売上総利益)、営業利益、経営利益、税引前当期純利益、及び税引後当期純利益等を含む。
すなわち、本実施形態に係る店舗支援システム10は、1つの上位システム1と、複数の店舗A1にそれぞれ設けられた複数の下位システム2と、を備えている。ここで、上位システム1等の「上位」、及び下位システム2等の「下位」は、単に、両者を区別するためのラベルとして用いているのであって、各々の地位及び順位等を特定する意味ではない。
また、ネットワークNT1には、情報端末3及び店員端末4等が更に接続可能である。情報端末3は、アウトレット情報D1の公開先となり得る、つまり公開先の候補である店舗A1の顧客C1、店舗A1の管理者であるオーナA11、及び店舗A1と契約を結んだ業者C2が使用する端末である。情報端末3は、公開先の候補(顧客C1、オーナA11及び業者C2)の数(人数)に応じて複数台設けられる。店員端末4は、店舗A1の店員A12が業務中に使用する端末である。図2では店員端末4を1台のみ図示しているが、実際には、店員端末4は、店員A12の数(人数)に応じて複数台設けられる。情報端末3及び店員端末4の各々は、例えば、スマートフォン、タブレット端末、ウェアラブル端末又はパーソナルコンピュータ等で実現される。
上述した構成によれば、上位システム1、各下位システム2、各情報端末3及び各店員端末4は、互いに通信可能な状態となる。本開示において「通信可能」とは、有線通信又は無線通信の適宜の通信方式により、直接的、又はネットワークNT1若しくは中継器等を介して間接的に、情報を授受できることを意味する。すなわち、例えば、上位システム1と各下位システム2とは、互いに情報を授受することができる。同様に、上位システム1及び下位システム2を含む店舗支援システム10は、情報端末3及び店員端末4の各々との間で、互いに情報を授受することができる。上位システム1、下位システム2、情報端末3及び店員端末4の各々は、例えば、通信事業者が提供する携帯電話網(キャリア網)又は公衆無線LAN(Local Area Network)等を介してネットワークNT1に接続されてもよい。
本実施形態では、店舗支援システム10を構成する上位システム1及び下位システム2の各々は、1以上のプロセッサ及び1以上のメモリを含むコンピュータシステムを主構成とする。すなわち、コンピュータシステムの1以上のメモリに記録されたプログラムを、1以上のプロセッサが実行することにより、上位システム1及び下位システム2の各々の機能が実現される。プログラムはメモリに予め記録されていてもよいし、インターネット等の電気通信回線を通して提供されてもよく、メモリカード等の非一時的記録媒体に記録されて提供されてもよい。また、情報端末3及び店員端末4についても同様に、1以上のプロセッサ及び1以上のメモリを含むコンピュータシステムを主構成とする。
(2.3)店舗支援システムの構成
次に、本実施形態に係る店舗支援システム10の構成について、図2を参照して、より詳細に説明する。
店舗支援システム10は、上述したようなアウトレット品B2の取り扱いを支援することで、店舗A1の営業を支援するシステムである。本実施形態では、上述したように、アウトレット品B2は、賞味期限又は消費期限が近付いた飲食料品からなる「見切り品」である。また、本実施形態では、アウトレット品B2に関するアウトレット情報D1の公開先となり得る公開先の候補は、店舗A1の顧客C1、店舗A1の管理者であるオーナA11、及び店舗A1と契約を結んだ業者C2である。つまり、アウトレット情報D1の公開先は、店舗A1の顧客C1と店舗A1の管理者との少なくとも一方(本実施形態では両方)を含む。さらに、アウトレット情報D1の公開先は、店舗A1と契約を結んだ業者C2を含む。すなわち、本実施形態に係る店舗支援システム10は、店舗A1でのアウトレット品B2の発生時に、店舗A1の顧客C1、店舗A1の管理者であるオーナA11、及び店舗A1と契約を結んだ業者C2の少なくとも1人に対し、アウトレット情報D1を公開する。
本実施形態では、上述したように、店舗支援システム10は、上位システム1と、複数の下位システム2と、を備えている。言い換えれば、店舗支援システム10の構成要素は、上位システム1と複数の下位システム2とに分散して設けられている。図2では、複数の店舗A1のうち、1つの店舗A1についてのみ、下位システム2の詳細を図示しているが、他の店舗A1についても下位システム2は同様の構成であることとする。
上位システム1は、公開部11と、取置部12と、事前予約部13と、移転部14と、先行公開部15と、上位予測部16と、二次販売部17と、フィードバック部18と、上位通信部19と、収集部111と、データ格納部112と、を有している。下位システム2は、判定部21と、在庫管理部22と、需要予測部23と、先行判定部24と、移動指示部25と、下位通信部26と、記憶部27と、を有している。すなわち、本実施形態では、店舗支援システム10は、判定部21としての機能を下位システム2に有し、公開部11としての機能を上位システム1に有している。店舗支援システム10は、判定部21及び公開部11に加えて、取置部12、事前予約部13、移転部14、先行公開部15、上位予測部16、二次販売部17、フィードバック部18、上位通信部19、収集部111及びデータ格納部112を更に備えている。また、店舗支援システム10は、在庫管理部22、需要予測部23、先行判定部24、移動指示部25、下位通信部26及び記憶部27を更に備えている。
本実施形態では、上述したように、店舗支援システム10(上位システム1及び下位システム2)は、1以上のプロセッサ及び1以上のメモリを有するコンピュータシステムを主構成とする。そのため、店舗支援システム10のうち、上位通信部19、データ格納部112、下位通信部26及び記憶部27以外の機能(判定部21、公開部11及び取置部12等)は、1以上のプロセッサがプログラムを実行することによって具現化される。
公開部11は、公開処理を実行する。公開処理は、上述したように、アウトレット品B2が発生すると、アウトレット品B2に関するアウトレット情報D1を公開先に公開する処理である。ここで、公開部11が行う公開の態様には、例えば、データの出力、送信、表示、音声出力、非一時的記録媒体への記録(書き込み)及び印刷(プリントアウト)等が含まれる。本実施形態では一例として、公開部11は、アウトレット情報D1の公開先である顧客C1、オーナA11又は業者C2が使用する情報端末3に対して、アウトレット情報D1を配信(送信)することにより、アウトレット情報D1を公開先に公開することとする。
ここで、アウトレット情報D1の公開先となり得る公開先の候補は、顧客C1、オーナA11及び業者C2を含んで多数(多数人)存在する。そこで、公開部11は、これら多数の公開先の候補の中から、実際の公開先をその時々で選択し、選択した公開先に対してアウトレット情報D1を公開する。一例として、公開処理では、需要者情報と、店舗A1の周辺環境に係る環境情報と、の少なくとも一方に基づいて行われたアウトレット品B2に関する需要予測の結果を用いて、公開先を決定する。ここでいう需要者情報は、公開先の購入履歴、閲覧履歴、行動パターン及び現在位置の少なくとも1つに係る情報である。
取置部12は、取置処理を実行する。取置処理は、アウトレット情報D1への応答として、予約者情報を含んだ予約データD2(図3参照)を受信すると、アウトレット品B2の購入権D3(図3参照)を、予約者情報にて特定される公開先に対して発行する処理である。予約者情報は、公開先を特定する情報である。本開示でいう「購入権」は、商品B1(アウトレット品B2を含む)を購入できる権利を意味し、基本的に、1つのアウトレット品B2に対して購入権は1つのみ発行し得る。言い換えれば、購入権が発行されたアウトレット品B2については、購入権を有する者のみが購入することができ、購入権を有さない者は購入できない。ただし、購入権が発行されていないアウトレット品B2については、購入権の有無にかかわらず購入することができる。よって、アウトレット情報D1が公開(配信)された公開先にあっては、予約データD2を送信することで、アウトレット品B2の購入権を取得でき、これにより、アウトレット品B2の「取り置き」が可能となる。
購入権D3は、少なくとも商品B1を購入できる者を特定できればよく、購入権D3という権利が実在することは必須ではない。例えば、店舗支援システム10上で、ある顧客C1について、あるアウトレット品B2に対応するフラグが立っている(フラグが「1」である)状態では、このアウトレット品B2の購入権D3が、この顧客C1に発行されているのと等価である。購入権D3は、店舗支援システム10(上位システム1)、より詳細には取置部12が、公開先である顧客C1、オーナA11及び業者C2等に対して発行する。
事前予約部13は、事前予約処理を実行する。事前予約処理は、公開処理前に、事前予約者情報及び指定情報を含んだ事前予約データD4(図5参照)を受信する処理である。事前予約者情報は、公開先を特定する情報である。指定情報は、アウトレット品B2を指定する情報である。事前予約データD4に含まれる指定情報に該当するアウトレット品B2が発生すると、公開処理では、アウトレット情報D1を、事前予約データD4に含まれる事前予約者情報にて特定される公開先に公開する。よって、公開先の候補(顧客C1、オーナA11及び業者C2)は、所望のアウトレット品B2を指定する指定情報を含んだ事前予約データD4を送信することで、所望のアウトレット品B2の発生時に、アウトレット情報D1の公開(配信)を受けることができる。このように、公開部11は、上述したようなアウトレット品B2に関する需要予測の結果を用いて公開先を決定するのみならず、事前予約データD4を用いて、公開先を決定することも可能である。
移転部14は、移転処理を実行する。移転処理は、事前予約処理にて事前予約データD4を受信することにより発行されるアウトレット品B2の購入権D3を、事前予約者情報にて特定される公開先から他者へ移転する処理である。事前予約データD4を受信することによって発行される購入権D3は、取置処理にて発行される購入権D3と同じく、商品B1(アウトレット品B2を含む)を購入できる権利である。すなわち、本実施形態では、アウトレット品B2の購入権D3は、取置処理のみならず、事前予約処理にて事前予約データD4を受信することによっても発行される。そして、購入権D3は、事前予約データD4を受信することによって発行されたか、取置処理で発行されかにかかわらず、基本的に、1つのアウトレット品B2に対して1つのみ発行し得る。よって、公開先の候補は、所望のアウトレット品B2を指定する指定情報を含んだ事前予約データD4を送信することで、所望のアウトレット品B2の発生時に、このアウトレット品B2の購入権D3を取得でき、アウトレット品B2の「取り置き」が可能となる。そして、移転部14が行う移転処理によれば、このように事前予約処理にて発行されるアウトレット品B2の購入権D3を、事前予約データD4を送信した者(公開先)から、他者へと移転することが可能である。
さらに、本実施形態では、移転部14は、事前予約処理にて事前予約データD4を受信することにより発行される購入権D3に限らず、取置処理にて発行される購入権D3についても、移転処理によって他者へと移転することが可能である。すなわち、移転部14が行う移転処理によれば、取置処理にて発行されるアウトレット品B2の購入権D3を、予約データD2を送信した者(公開先)から、他者へと移転することが可能である。要するに、本実施形態においては、移転部14は、購入権D3の成り立ちにかかわらず、単純にアウトレット品B2の購入権D3を移転する機能を有している。
先行公開部15は、先行公開処理を実行する。先行公開処理は、先行判定処理にてアウトレット品B2の発生が予測された場合に、公開処理前に、アウトレット品B2に関する予測情報D5(図6参照)を公開先に公開する処理である。本開示でいう「先行判定処理」は、後述する先行判定部24で実行される処理であって、アウトレット品B2の発生を予測するための処理である。本開示でいう「予測情報」は、アウトレット情報D1と同様に、アウトレット品B2に関する情報であって、例えば、アウトレット品B2の品目(種類)を特定する情報、及び個数を特定する情報等を含む。また、予測情報D5は、アウトレット情報D1と同様に、アウトレット品B2が発生する店舗A1、アウトレット品B2の発生時刻、アウトレット品B2の販売価格及びアウトレット品B2の販売終了時刻等の、アウトレット品B2の詳細を特定する情報を更に含む。
ただし、予測情報D5は、アウトレット情報D1のように実際に発生したアウトレット品B2に関する情報ではなく、あくまで発生が予測されるアウトレット品B2に関する情報である。そのため、予測情報D5が公開された場合であっても、必ずしもアウトレット品B2が発生する保証はなく、アウトレット品B2が発生しないこともある。すなわち、先行公開部15によれば、公開部11によるアウトレット情報D1の公開(公開処理)に先駆けて、アウトレット品B2の発生が予測された段階で予測情報D5を公開先に公開することができる。
ここで、先行公開部15が行う公開の態様には、例えば、データの出力、送信、表示、音声出力、非一時的記録媒体への記録書き込み)及び印刷(プリントアウト)等が含まれる。本実施形態では一例として、先行公開部15は、公開部11と同様に、公開先である顧客C1、オーナA11又は業者C2が使用する情報端末3に対して、予測情報D5を配信(送信)することにより、予測情報D5を公開先に公開することとする。
上位予測部16は、アウトレット品B2に関する需要予測を実行する。アウトレット品B2に関する需要予測は、需要者情報と、店舗A1の周辺環境に係る環境情報と、の少なくとも一方に基づいて行われる。ここでいう需要者情報は、上述したように、公開先(特に顧客C1)の購入履歴、閲覧履歴、行動パターン及び現在位置の少なくとも1つに係る情報である。また、環境情報は、店舗A1の周辺環境に係る様々な情報を含み、例えば、店舗A1周辺でのイベント(スポーツ又はコンサート等)の開催状況、気象条件(天候を含む)及び交通状況(通行止め等)等の、随時変化する動的な情報を含み得る。上位予測部16でのアウトレット品B2に関する需要予測の結果は、上述したように、公開処理でのアウトレット情報D1の公開先を決定するために用いられる。
二次販売部17は、二次販売処理を実行する。二次販売処理は、アウトレット品B2に二次加工を施した二次加工品B3(図7参照)を顧客C1に提供するための処理である。本開示でいう「二次加工」は、商品B1(アウトレット品B2を含む)を改めて加工することを意味する。一例として、アウトレット品B2が飲食料品であれば、アウトレット品B2の二次加工は、アウトレット品B2を食材として利用した調理及び盛り付け等を含む。ここでいう「調理」には、食材(アウトレット品B2)に対しての、例えば「洗う」、「切る」、「ちぎる」、「まぜる」、「加熱する」、「煮る」、「蒸す」、「ゆでる」、「あぶる」、「揚げる」、「焼く」又は「炒める」等の様々な操作を含む。二次販売処理によれば、アウトレット品B2を、そのままではなく、二次加工が施された二次加工品B3として、顧客C1に提供(販売を含む)することが可能である。
詳しくは「(2.4.5)二次加工」の欄で説明するが、二次販売処理は、二次加工品B3を顧客C1に販売するための仕組み作りの処理であって、二次販売部17が、二次加工品B3を直接的に顧客C1に提供(販売を含む)することに限らない。例えば、二次加工品B3を、アウトレット品B2の発生元の店舗A1で販売する場合には、この店舗A1(厳密には、店舗A1の店員A12)が二次加工品B3を顧客C1に販売することになる。また、二次加工品B3を、例えば、二次加工を行った業者C2の店舗で販売する場合には、この業者C2が二次加工品B3を顧客C1に販売することになる。
フィードバック部18は、フィードバック処理を実行する。フィードバック処理は、評価情報を受け付ける処理である。評価情報は、二次加工を行った主体を評価する情報である。
上位通信部19は、直接的、又は他のネットワーク若しくは中継器等を介して間接的に、ネットワークNT1に接続されている。上位通信部19は、ネットワークNT1に接続されているシステム又は端末との通信機能を有している。これにより、上位システム1は、ネットワークNT1に接続されている下位システム2、情報端末3及び店員端末4等との間で、通信可能となる。
収集部111は、上位通信部19を用いて、ネットワークNT1に接続されている複数のシステム又は端末から様々なデータを収集する。一例として、収集部111では、店舗A1に設置された各種センサ(カメラを含む)の検知結果、及び下位システム2(ストアコンピュータ)又はPOSシステム等から、様々なデータを収集する。
データ格納部112は、例えば、収集部111で収集された様々なデータ等を格納する。また、データ格納部112は、公開部11、取置部12、事前予約部13、移転部14、先行公開部15、上位予測部16、二次販売部17及びフィードバック部18等での演算に必要な情報等を更に格納(記憶)する。データ格納部112は、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)のような書き換え可能な不揮発性メモリを含む。
判定部21は、判定処理を実行する。判定処理は、上述したように、店舗A1で販売される複数の商品B1の中に、アウトレット条件を満たすアウトレット品B2があるか否かを判定する処理である。本実施形態では一例として、アウトレット情報D1は、判定部21にて生成されることとする。つまり、判定部21は、店舗A1で販売される複数の商品B1の中に、アウトレット条件を満たすアウトレット品B2があるか否かを判定し、アウトレット品B2がある場合には、このアウトレット品B2に関するアウトレット情報D1を生成する。判定部21で生成されたアウトレット情報D1は、下位通信部26から上位システム1に送信され、上位システム1の公開部11にて公開先に公開される。
ここにおいて、判定処理に用いられる「アウトレット条件」は、上述したように、アウトレット品B2か否かを判定するために用いられる条件であって、基本的には、商品B1ごとに適宜設定される。本実施形態では一例として、賞味期限又は消費期限が近付いた飲食料品からなる「見切り品」がアウトレット品B2であるので、アウトレット条件は、賞味期限又は消費期限等の期限までの残り時間が閾値以下であることを含む。具体的には、期限は商品B1ごとに個別に決められており、閾値は商品B1の種類(品目)ごとに決められている。一例として、「ハンバーグ弁当」という種類(品目)の商品B1のうちのいずれか1つの商品B1について、期限(賞味期限)が「2020年1月20日20時00分」であって、閾値が「4時間」である場合を想定する。この商品B1についてのアウトレット条件は、「2020年1月20日20時00分」という期限までの残り時間が、「4時間」という閾値以下であることである。つまり、判定部21は、「2020年1月20日16時00分」の時点で、この商品B1について、アウトレット条件を満たすアウトレット品B2であると判定する。
在庫管理部22は、店舗A1における商品B1の在庫に関する在庫情報を管理する。在庫情報の管理は、例えば、POSシステムと連携することで実現される。すなわち、ストアコンピュータからなる下位システム2は、少なくとも店舗A1における商品B1の購買履歴を実績データとして、POSシステムから取得することが可能である。特に、本実施形態では、POSシステムは、ID−POSデータを取り扱うことが可能であるため、例えば、会計が行われる度に、購入された商品の情報を、顧客C1の識別情報(顧客ID)と対応付けた状態で購買履歴として下位システム2に出力できる。さらに、本実施形態では、判定部21でのアウトレット品B2か否かの判定を可能とするため、在庫情報は、商品B1ごとの期限(賞味期限又は消費期限等)の情報を含んでいる。商品B1ごとの期限の情報は、例えば、商品B1ごとに決められたデフォルトの期限の長さの情報を、製造日時、又は仕入れ日時と組み合わせることで特定されてもよいし、又は、店舗A1若しくはチェーン本部A2にて入力されてもよい。いずれにしても、商品B1ごとの期限の情報は、商品B1が店舗A1に陳列される前に、在庫情報に含めて管理されることが好ましい。在庫管理部22は、このような購買履歴に基づいて、商品B1の在庫に関する在庫情報を管理する。
需要予測部23は、店舗A1の需要予測処理を実行し、需要予測情報を生成する。店舗A1の需要予測は、在庫情報と、店舗A1の周辺環境に係る環境情報と、の少なくとも一方に基づいて行われる。需要予測処理で予測される店舗A1の需要は、例えば、予測対象期間における、商品B1ごとの販売数、売上高、客単価、LTV(Life Time Value)の平均値、又は利益(粗利及び営業利益等を含む)等に関連する推定結果である。予測対象期間は、現在に対して将来に設定される期間であって、例えば、1日単位、1週間単位又は1か月単位等、任意の単位で設定される。需要予測処理で予測される需要は、店舗A1ごとに予測されてもよいし、複数の店舗A1について一括して予測されてもよい。本実施形態では一例として、需要予測処理において店舗A1ごとに、需要が予測されて需要予測情報が生成される。
本開示でいう「推定」は、おしはかって定める(決める)ことを意味し、特に、人があれこれ考えて決めることに限らず、ある事実に基づいて何らかの決定を行うこと全般を含む。そのため、例えば、コンピュータシステムに対して入力情報が入力された場合に、コンピュータシステムが、入力情報に基づいて演算を行って何らかの情報を出力情報として出力していれば、コンピュータシステムで出力情報が「推定」されたことになる。すなわち、需要予測部23であれば、在庫情報と環境情報との少なくとも一方が入力され、これらの情報に基づいて、予測対象期間の需要を特定することにより、店舗A1の需要を推定することになる。
先行判定部24は、上述したように、先行判定処理を実行する。先行判定処理は、店舗A1の需要予測の結果に基づいてアウトレット品B2の発生を予測する処理である。本実施形態では一例として、予測情報は、先行判定部24にて生成されることとする。つまり、先行判定部24は、アウトレット品B2が発生すると予測した場合には、このアウトレット品B2に関する予測情報D5(図6参照)を生成する。先行判定部24で生成された予測情報D5は、下位通信部26から上位システム1に送信され、上位システム1の先行公開部15にて公開先に公開される。
ここにおいて、先行判定処理に用いられる「店舗A1の需要予測の結果」は、需要予測部23での需要予測処理の結果であって、需要予測情報である。すなわち、需要予測部23での店舗A1の需要予測の結果は、先行判定処理にてアウトレット品B2の発生を予測するために用いられる。先行判定部24は、基本的には、各商品B1について、現在の在庫状況、及び店舗A1の需要予測の結果に基づく将来の販売数から、将来の在庫状況を求める。そして、先行判定部24は、求めた将来の在庫状況をアウトレット条件に照らすことで、将来的にアウトレット条件を満たす商品B1の有無を判定し、将来的にアウトレット条件を満たす商品B1について、アウトレット品B2が発生すると予測する。
移動指示部25は、移動指示処理を実行する。移動指示処理は、アウトレット品B2が発生すると、アウトレット品B2の陳列場所を変化させるための移動情報を作業者に通知する処理である。ここでいう「作業者」は、店舗A1の営業に関連する作業を実行する主体であって、一例として、店舗A1のオーナA11、店員A12、業者C2、配送業者、清掃業者及びメンテナンス業者等を含む。移動情報は、アウトレット品B2の陳列場所を変化させるための情報であればよく、例えば、単にアウトレット品B2の移動を指示するだけの情報であってもよいし、アウトレット品B2の新たな陳列場所を具体的に指示する情報であってもよい。
ここで、移動指示部25が行う通知の態様には、例えば、データの出力、送信、表示、音声出力、非一時的記録媒体への記録書き込み)及び印刷(プリントアウト)等が含まれる。本実施形態では一例として、移動指示部25は、店員A12が使用する店員端末4に対して、移動情報を配信(送信)することにより、移動情報を作業者(店員A12)に通知することとする。
下位通信部26は、直接的、又は他のネットワーク若しくは中継器等を介して間接的に、ネットワークNT1に接続されている。下位通信部26は、ネットワークNT1に接続されているシステム又は端末との通信機能を有している。これにより、下位システム2は、ネットワークNT1に接続されている上位システム1、情報端末3及び店員端末4等との間で、通信可能となる。
記憶部27は、例えば、在庫管理部22で管理される在庫情報等の様々なデータ等を記憶する。また、記憶部27は、判定部21、在庫管理部22、需要予測部23、先行判定部24及び移動指示部25等での演算に必要な情報等を更に格納(記憶)する。さらに、記憶部27は、需要予測処理で用いられる学習済みモデルについても格納する。記憶部27は、EEPROMのような書き換え可能な不揮発性メモリを含む。
以上説明した店舗支援システム10の各部の動作の詳細については、「(2.4)店舗支援方法」の欄で説明する。
また、店舗支援システム10は、上記構成に加えて、ユーザインタフェース等を更に備えていてもよい。ただし、ユーザインタフェース等は、店舗支援システム10に必須の構成ではない。
ユーザインタフェースは、例えば、タッチパネルディスプレイを含み、ユーザの操作の受け付けと、ユーザへの情報の提示(表示)を行う。ユーザインタフェースは、タッチパネルディスプレイに限らず、例えば、キーボード、ポインティングデバイス、メカニカルなスイッチ、又はジェスチャセンサ等の入力装置を有していてもよい。また、ユーザインタフェースは、タッチパネルディスプレイに代えて、又はタッチパネルディスプレイと共に、音声入出力部を有していてもよい。
(2.4)店舗支援方法
以下、本実施形態に係る店舗支援方法について、図1、図3〜図7を参照してより詳細に説明する。ここでは、店舗支援方法が店舗支援システム10にて実行される場合を例とする。
以下では一例として、図1に示すように、ある店舗A1にて、販売されている複数の商品B1のうちの一部の商品B1に、アウトレット品B2が発生する場合を想定して説明する。この場合に、発生したアウトレット品B2に関するアウトレット情報D1が、公開先としての顧客C1及び業者C2等に公開される。より詳細には、「(2.4.1)公開処理」及び「(2.4.2)事前予約」の欄では、賞味期限が「2020年1月20日20時00分」である「ハンバーグ弁当」と、賞味期限が「2020年1月20日」である「牛乳」とを、アウトレット品B2の例とする。さらに、アウトレット条件に含まれる期限(賞味期限)までの残り時間と比較される「閾値」は、「ハンバーグ弁当」という種類(品目)の商品B1については「4時間」、「牛乳」という種類(品目)の商品B1については「8時間」であると仮定する。さらに、公開先の一例として、図1に示すように、店舗A1内にいる顧客C1、仕事中の顧客C1、帰宅中の顧客C1、及び業者C2を想定する。ただし、これらの条件は、あくまで店舗支援方法を説明するための一つの具体例に過ぎず、店舗支援方法の適用範囲を制限する趣旨ではない。
また、以下の説明において、例えば、店舗A1とチェーン本部A2との間でやり取りされるデータ(情報)は、実際には、店舗A1に設置された下位システム2と、チェーン本部A2に設置された上位システム1との間で送受信されている。同様に、情報端末3と店舗A1又はチェーン本部A2との間でやり取りされるデータ(情報)は、実際には、情報端末3と下位システム2又は上位システム1との間で送受信されている。さらに、情報端末3と店舗A1(下位システム2)との間でやり取りされるデータ(情報)は、チェーン本部A2(上位システム1)を介して送受信されていてもよい。反対に、情報端末3と店舗A1(下位システム2)との間でチェーン本部A2(上位システム1)を介してやり取りされるデータ(情報)は、チェーン本部A2(上位システム1)を介さずに送受信されていてもよい。また、情報端末3及び店員端末4の各々には、専用のアプリケーションソフト(プログラム)がインストールされており、このアプリケーションソフトを起動することにより、店舗支援システム10等との間でデータ(情報)の送受信が行われる。
言い換えれば、本実施形態に係る店舗支援方法は、コンピュータシステムのグラフィカルユーザインタフェース(GUI:Graphical User Interface)上で用いられる。つまり、店舗支援方法は、コンピュータシステムを主構成とする情報端末3又は店員端末4等にて、特定の操作画面を表示し、この操作画面上にて顧客C1又は店員A12等の操作を受け付ける。これにより、以下に説明するような、例えば、顧客C1又は店員A12と、店舗A1又はチェーン本部A2との間でのデータ(情報)のやり取りが、実現される。
(2.4.1)公開処理
まず、アウトレット情報D1の公開処理を中心とする、店舗支援方法の全体的な流れについて、図1、図3及び図4を参照して説明する。図1は、アウトレット品B2が発生し、店舗支援方法によって、公開先にアウトレット情報D1が公開される様子を模式的に表す説明図である。図3は、店舗支援方法に関連するデータ及びアウトレット品B2の流れを、模式的に表す説明図である。図4は、店舗支援方法の全体的な流れの一例を示すフローチャートである。
店舗支援方法によれば、まずは、アウトレット品B2が発生したか否かを判定する判定処理を実行する(図4のS1)。判定処理は、各店舗A1に設置されている下位システム2の判定部21にて、店舗A1ごとに行われる。つまり、各店舗A1で販売される複数の商品B1の中に、アウトレット品B2があるか否かが、各店舗A1の下位システム2の判定部21で判定される。具体的には、判定部21は、在庫管理部22で管理される在庫情報等に基づき、商品B1ごとの期限(賞味期限又は消費期限等)等の情報をアウトレット条件に照らして、店舗A1の在庫中にアウトレット条件を満たすアウトレット品B2があるか否かを判定する。アウトレット品B2が発生していなければ(S1:No)、判定処理(S1)が繰り返し実行される。
ここでは一例として、「2020年1月20日16時00分」になると、上述したような「ハンバーグ弁当」及び「牛乳」がアウトレット条件を満たすアウトレット品B2であると判定される(S1:Yes)。すなわち、「2020年1月20日16時00分」になると、賞味期限が「2020年1月20日20時00分」である「ハンバーグ弁当」については、「2020年1月20日20時00分」という期限までの残り時間が、「4時間」という閾値以下となる。同様に、「2020年1月20日16時00分」になると、賞味期限が「2020年1月20日」である「牛乳」については、「2020年1月20日24時00分」という期限までの残り時間が、「8時間」という閾値以下となる。したがって、これらの「ハンバーグ弁当」及び「牛乳」については、アウトレット条件を満たすことになり、アウトレット品B2が発生したと判定される。
アウトレット品B2が発生すると(S1:Yes)、判定部21が、このアウトレット品B2に関するアウトレット情報D1を生成する(S2)。このとき生成されるアウトレット情報D1には、例えば、アウトレット品B2の品目(種類)を特定する情報、及び個数を特定する情報等が含まれている。具体的には、図1に示すように、「ハンバーグ弁当」が3個、「牛乳」が2個というように、アウトレット品B2の品目及び個数を特定する情報が、アウトレット情報D1に含まれている。ここで、アウトレット情報D1は、アウトレット品B2が発生した店舗A1、アウトレット品B2の発生時刻、アウトレット品B2の販売価格及びアウトレット品B2の販売終了時刻等の、アウトレット品B2の詳細を特定する情報を更に含む。このように生成されたアウトレット情報D1は、図3に示すように、店舗A1に設置されている下位システム2から、チェーン本部A2に設置されている上位システム1に送信される。
また、アウトレット品B2が発生した場合(S1:Yes)、下位システム2の移動指示部25にて、移動指示処理が実行される。つまり、移動指示部25は、店員A12が使用する店員端末4に対して、アウトレット品B2の陳列場所を変化させるための移動情報を配信(送信)する。その結果、移動情報の通知を受けた店員A12は、移動情報に従って、アウトレット品B2の陳列場所を変更する。一例として、店員A12は、アウトレット品B2を特売品用のワゴン内に移動させる。
次に、店舗支援方法では、アウトレット情報D1の公開先を上位システム1の公開部11にて決定する(S3)。公開先は、上述したように、需要者情報と、店舗A1の周辺環境に係る環境情報と、の少なくとも一方に基づいて行われたアウトレット品B2に関する需要予測の結果を用いて、顧客C1、オーナA11及び業者C2を含む多数の公開先の候補の中から決定される。このとき、基本的には、アウトレット品B2)に関する需要予測の結果にて、アウトレット品B2を購入する確率が高いと見込まれる公開先が、公開先の候補の中から選択される。例えば、過去に同様のアウトレット品B2を高い確率で購入している顧客C1等が、公開先として選択される。需要予測については「(2.4.4)需要予測」の欄で詳しく説明する。
公開先の決定後、上位システム1の公開部11にて、アウトレット情報D1を公開先に公開する(S4)。ここでは、図1及び図3に示すように、決定された公開先としての顧客C1及び業者C2が使用する情報端末3に対して、アウトレット情報D1を配信(送信)することにより、アウトレット情報D1が公開先に公開される。ここでは一例として、決定された公開先の情報端末3のアドレス宛に、プッシュ通知によりアウトレット情報D1の送信が行われる。アウトレット情報D1を受信した情報端末3は、例えば、通知画面を表示することにより、アウトレット情報D1を公開先である顧客C1及び業者C2に通知する。公開先である顧客C1及び業者C2においては、情報端末3に表示される通知画面を閲覧することにより、アウトレット情報D1を知ることができる。本実施形態では、公開先の決定(S3)及びアウトレット情報D1の公開(S4)の2つの処理が、公開部11による「公開処理」に含まれる。
次に、店舗支援方法では、上位システム1の取置部12にて、アウトレット情報D1への応答としての予約データD2の受信待ちを行う(S5)。受信待ちは、例えば、所定の制限時間(30分等)に限って行われる。本実施形態では一例として、情報端末3は、アウトレット情報D1を通知するための通知画面に、予約データD2を送信するための操作を受け付ける予約アイコンを含めて表示する。そのため、公開先である顧客C1及び業者C2においては、通知画面中の予約アイコンを操作(例えばタップ操作)することにより、情報端末3から上位システム1に予約データD2を送信することが可能である。予約データD2は、公開先を特定する予約者情報に加えて、通知画面に含まれるアウトレット情報D1を特定する情報を含んでいる。
図3に示すように、上位システム1が予約データD2を受信すると(S5:Yes)、上位システム1の取置部12にて、取置処理が実行される(S6)。つまり、取置部12では、予約データD2中の予約者情報にて特定される公開先に対して、図3に示すように、アウトレット品B2の購入権D3を発行する。このとき発行される購入権D3は、公開先に公開されたアウトレット情報D1で示されたアウトレット品B2についての購入権D3である。要するに、あるアウトレット品B2に関するアウトレット情報D1が公開された公開先にあっては、予約データD2を送信することで、このアウトレット品B2の購入権D3を取得でき、アウトレット品B2の「取り置き」が実現される。上位システム1が制限時間内に予約データD2を受信しなければ(S5:No)、取置処理(S6)がスキップされる。つまり、この場合、購入権D3が発行されない。
そして、店舗A1は、図3に示すように、顧客C1又は業者C2に対してアウトレット品B2を販売する(S7)。取置処理(S6)が実行されて購入権D3が発行されている場合には、購入権D3を取得した公開先(顧客C1又は業者C2)に対して、アウトレット品B2が販売される。一方、取置処理(S6)がスキップされた場合には、購入権D3の有無にかかわらず、任意の顧客C1又は業者C2に対して、アウトレット品B2が販売される。
店舗支援方法では、図4に示す処理S1〜S7が繰り返し実行される。図4に示すフローチャートは、一例に過ぎず、処理の順番が適宜変更されてもよいし、処理が適宜追加又は削除されてもよい。
ところで、判定処理で用いられるアウトレット条件は、同一の商品B1について複数段階、設定されていてもよい。例えば、賞味期限又は消費期限等の期限が決められた飲食料品であれば、この期限までの残り時間と比較される閾値が、複数段階設定されていてもよい。一例として、期限までの残り時間と比較される閾値として、3時間、2時間、1時間、30分という4段階の閾値が設定されていてもよい。この場合、残り時間が第1段階のアウトレット条件に係る閾値(3時間)に達すると、商品B1は第1段階のアウトレット品B2であると判定される。さらに、残り時間が第2段階のアウトレット条件に係る閾値(2時間)に達すると、商品B1は第2段階のアウトレット品B2であると判定される。残り時間が第3段階のアウトレット条件に係る閾値(1時間)に達すると、商品B1は第3段階のアウトレット品B2であると判定される。残り時間が第4段階のアウトレット条件に係る閾値(30分)に達すると、商品B1は第4段階のアウトレット品B2であると判定される。
本実施形態では一例として、複数段階のアウトレット条件が設定される場合、各段階のアウトレット条件を満足してアウトレット品B2との判定がなされる度に、公開処理にてアウトレット情報D1が公開されることとする。この場合において、アウトレット情報D1の公開先は、アウトレット品B2の段階によって変化することが好ましい。一例として、第1段階、第2段階、第3段階、第4段階とアウトレット品B2の段階が進行するにつれて、アウトレット情報D1の公開先は広範囲となることが好ましい。さらに、アウトレット情報D1に含まれるアウトレット品B2の販売価格等の情報についても、アウトレット品B2の段階によって変化することが好ましい。一例として、第1段階、第2段階、第3段階、第4段階とアウトレット品B2の段階が進行するにつれて、アウトレット品B2の販売価格は低価格となることが好ましい。
また、アウトレット条件は、例えば、時間帯を判定対象に含めるように設定されていてもよい。一例として、弁当等の食料品からなる商品B1については、11時から13時、又は18時から20時といった食事時(食事をする時間帯)を逃すと、売れる見込みが極端に低下する。そこで、このような商品B1については、例えば、売れやすい時間帯が経過(終了)したこと、をアウトレット条件に含んでいてもよい。
また、ここではアウトレット情報D1の公開先が、顧客C1又は業者C2である例を示したが、アウトレット情報D1の公開先は、店舗A1の管理者であってもよい。店舗A1の管理者は、例えば、チェーン本部A2等の統括管理者、及び店舗A1のオーナA11等の個別管理者を含む。管理者がチェーン本部A2であれば、上述したように、店舗A1に設置されている下位システム2で生成されたアウトレット情報D1が、チェーン本部A2に設置されている上位システム1に送信されることをもって、管理者への公開に代えてもよい。このように、アウトレット情報D1が、店舗A1の管理者に公開されることで、例えば、店舗A1の店員A12が意図的に過剰在庫となるように発注する、といった不正を、抑制することが可能である。
(2.4.2)事前予約
次に、本実施形態に係る店舗支援方法のうち、事前予約処理について、図5を参照して説明する。図5は、事前予約処理を行う場合の、店舗支援方法に関連するデータの流れを、模式的に表す説明図である。また、図5では、チェーン本部A2の図示を省略している。そのため、図5では、例えば、事前予約データD4のように、チェーン本部A2(上位システム1)を介して情報端末3と店舗A1(下位システム2)との間でやり取りされるデータ(情報)を、チェーン本部A2を介さずに送受信されるように表している。
事前予約処理は、公開処理(図4の処理S3,S4)の前に、上位システム1の事前予約部13にて、事前予約データD4を受信する処理である。つまり、図5に示すように、公開先の候補である顧客C1又は業者C2は、所望のアウトレット品B2を指定する指定情報を含んだ事前予約データD4を送信することで、アウトレット品B2の事前予約を行うことができる。この場合において、事前予約データD4に含まれる指定情報に該当するアウトレット品B2が発生すると、公開処理では、アウトレット情報D1を、事前予約データD4に含まれる事前予約者情報にて特定される公開先に公開する。すなわち、所望のアウトレット品B2を指定する事前予約データD4を送信した顧客C1又は業者C2は、このアウトレット品B2の発生時には、このアウトレット品B2についてのアウトレット情報D1を受けることができる。
特に、本実施形態では、上述したように、上位システム1の事前予約部13は、事前予約データD4を受信することによって、購入権D3を発行する。そのため、顧客C1又は業者C2が、アウトレット品B2を指定する事前予約データD4を送信した場合、アウトレット品B2が発生した時点で、このアウトレット品B2の購入権D3を取得することができる。したがって、事前予約がなされたアウトレット品B2については、図5に示すように、事前予約データD4の送信元の顧客C1又は業者C2にのみ、アウトレット情報D1が公開(配信)されることになる。
また、本実施形態では、事前予約データD4の指定情報は、複数種類(品目)の商品B1からなる商品群単位でアウトレット品B2を指定可能である。事前予約データD4に含まれる指定情報で指定される商品群のいずれに該当するアウトレット品B2が発生した場合でも、公開処理では、アウトレット情報D1を、事前予約データD4に含まれる事前予約者情報にて特定される公開先に公開する。すなわち、本実施形態では、事前予約に際して、公開先の候補である顧客C1又は業者C2は、アウトレット品B2を、商品B1の種類(品目)単位だけでなく、複数種類(品目)の商品B1からなる商品群単位で指定することができる。
ここで、本開示でいう商品B1の「種類」は、商品B1を用途、機能又は客層等で分類するためのラベルであって、例えば、食品、衣類、医薬品、美容関連商品、電化品又は日用品等のように、比較的大きな分類(大カテゴリ)であってもよい。さらに、商品B1の「種類」は、大カテゴリを更に複数に分類する中カテゴリであってもよく、中カテゴリの具体例として、食品の中には、ソフトドリンク、お酒、弁当、総菜、スイーツ、お菓子及びアイス等の中カテゴリがある。さらに、商品B1の「種類」は、中カテゴリを更に複数に分類する小カテゴリであってもよく、小カテゴリの具体例として、ソフトドリンクの中には、麦茶、緑茶、紅茶、コーヒ、乳酸飲料、炭酸飲料、ミネラルウォータ及びスポーツドリンク等の小カテゴリがある。
一例として、顧客C1又は業者C2は、「ハンバーグ弁当」という1種類の商品B1単位で事前予約することもできるし、「ハンバーグ弁当」、「唐揚げ弁当」及び「鮭弁当」という複数種類の商品B1(商品群)単位で事前予約することもできる。そして、指定情報が、商品群単位でアウトレット品B2を指定する場合には、この商品群に含まれる全ての商品B1について、アウトレット品B2の発生時にアウトレット情報D1が、事前予約データD4の送信元に公開される。つまり、「ハンバーグ弁当」、「唐揚げ弁当」及び「鮭弁当」という商品群単位で事前予約をした顧客C1には、「ハンバーグ弁当」、「唐揚げ弁当」及び「鮭弁当」のいずれのアウトレット品B2の発生時にもアウトレット情報D1を取得できる。例えば、「唐揚げ弁当」のアウトレット品B2が発生すると、事前予約を行った顧客C1にアウトレット情報D1が公開される。この場合、事前予約を行った顧客C1に「唐揚げ弁当」についてのアウトレット情報D1が公開された後に、「ハンバーグ弁当」又は「鮭弁当」のアウトレット品B2が発生しても、事前予約を行った顧客C1に改めてアウトレット情報D1が公開されることはない。
また、本実施形態では、事前予約データD4の指定情報は、アウトレット品B2の受け取りの時間帯及び地域の少なくとも一方を指定する受取条件を含む。すなわち、事前予約データD4の指定情報によれば、アウトレット品B2が指定されるだけでなく、アウトレット品B2の受け取りの時間帯及び地域の少なくとも一方についても指定可能である。一例として、アウトレット品B2の受け取りの時間帯としては「18時〜19時」又は「18時以降」等の時間帯が指定され、アウトレット品B2の受け取りの地域としては「大阪駅周辺」又は「大阪市北区」等の地域が指定される。つまり、受け取りの時間帯として「18時〜19時」、受け取りの地域として「大阪駅周辺」を指定し事前予約をした顧客C1は、「18時〜19時」に「大阪駅周辺」で受け取り可能なアウトレット品B2の発生時に、アウトレット情報D1を取得できる。これにより、顧客C1又は業者C2が受け取りやすいアウトレット品B2についてのアウトレット情報D1を、公開することが可能となる。
また、本実施形態では、上述したように、移転処理により、事前予約処理にて発行される購入権D3を、事前予約者情報にて特定される公開先から他者へ移転することが可能である。すなわち、移転部14が行う移転処理によれば、このように事前予約処理にて発行されるアウトレット品B2の購入権D3を、事前予約データD4を送信した者(公開先)から、他者へと移転することが可能である。そのため、例えば、事前予約を行った顧客C1において、購入権D3を取得した後で、アウトレット品B2を受け取れない等の事情が生じた場合に、この購入権D3を他者に移転することで、アウトレット品B2の購入権D3を他者に譲ることができる。その結果、アウトレット品B2の発生時に、このアウトレット品B2の購入者が現れない、という事態の発生を低減することが可能である。
(2.4.3)先行公開
次に、本実施形態に係る店舗支援方法のうち、先行公開処理について、図6を参照して説明する。図6は、先行公開処理を行う場合の、店舗支援方法に関連するデータの流れを、模式的に表す説明図である。また、図6では、チェーン本部A2の図示を省略している。そのため、図6では、例えば、予測情報D5のように、チェーン本部A2(上位システム1)から情報端末3に送信されるデータ(情報)を、店舗A1(下位システム2)から情報端末3に送信されるように表している。
先行公開処理は、公開処理(図4の処理S3,S4)の前に、上位システム1の先行公開部15にて、アウトレット品B2に関する予測情報D5(図6参照)を公開先に公開する処理である。つまり、図6に示すように、本実施形態に係る店舗支援方法によれば、店舗A1に設置されている下位システム2の先行判定部24にて、先行判定処理が実行される。先行判定処理では、店舗A1の需要予測の結果に基づいてアウトレット品B2の発生が予測される。先行判定処理は、店舗A1ごとに行われる。つまり、各店舗A1において、需要予測部23での需要予測処理の結果に基づいて、将来的にアウトレット条件を満たす商品B1の有無が判定され、将来的にアウトレット条件を満たす商品B1について、アウトレット品B2が発生すると予測される。
例えば、需要予測処理では、ある店舗A1の在庫情報、周辺環境に係る環境情報、日中の客数等の情報に基づいて、この店舗A1の需要予測が行われる。そして、各商品B1について、現在の在庫状況、及び店舗A1の需要予測の結果に基づく将来の販売数から、将来の在庫状況が求まれる。そして、求めた将来の在庫状況をアウトレット条件に照らすことで、将来的にアウトレット条件を満たす商品B1の有無を判定し、将来的にアウトレット条件を満たす商品B1について、アウトレット品B2が発生すると予測する。一例として、ある店舗A1の夕方(例えば、16時)以降の客数が予測され、その客数から、消費期限が「19:00」である「鮭弁当」が3つ売れ残ることが予測されると仮定する。このような予測がなされた場合、その時点ではアウトレット条件を満たしていなくても、将来的に、アウトレット品B2が発生すると予測される。需要予測については「(2.4.4)需要予測」の欄で詳しく説明する。
先行判定処理でアウトレット品B2が発生すると予測された場合、下位システム2の先行判定部24にて、このアウトレット品B2に関する予測情報D5が生成され、下位通信部26から上位システム1に送信される。これにより、上位システム1の先行公開部15にて、予測情報D5が公開先(顧客C1又は業者C2)に公開される。ここで、予測情報D5の公開先も、アウトレット情報D1の公開先と同様に、アウトレット品B2に関する需要予測の結果を用いて、顧客C1、オーナA11及び業者C2を含む多数の公開先の候補の中から決定される。そして、上位システム1の取置部12では、予測情報D5の公開後にも、予測情報D5への応答としての予約データD2の受信待ちを行う。つまり、予約データD2は、アウトレット情報D1だけでなく、予測情報D5への応答としても送信される。
ここで、先行公開処理にて公開される予測情報D5の態様は、公開処理にて公開されるアウトレット情報D1の態様とは区別可能であることが好ましい。一例として、情報端末3で表示される画面の基本色又は文字色等が、予測情報D5とアウトレット情報D1とで異なることで、両者の区別が容易になる。また、予測情報D5にあっては、例えば、「予測結果です」というように、実際にアウトレット品B2が発生したのではなく、あくまでアウトレット品B2の発生が予測されるに過ぎないことを明確にするメッセージ等の表記を含むことが好ましい。さらに、この場合に、予測情報D5は、「見切り品は20時00分に発生する見込みです」というように、アウトレット品B2の発生が予測される時刻を示すメッセージ等の表記を含むことが好ましい。
(2.4.4)需要予測
次に、需要予測処理について詳しく説明する。本実施形態では、「需要予測処理」は、需要予測部23又は上位予測部16にて実行される処理である。需要予測部23で行われる店舗A1の需要予測の結果は、上述したように、先行判定処理でのアウトレット品B2の発生の予測に用いられる。また、上位予測部16で行われるアウトレット品B2に関する需要予測の結果は、上述したように、アウトレット情報D1又は予測情報D5の公開先の決定に用いられる。
例えば、需要予測部23にて実行される需要予測処理では、機械学習された学習済みモデルを利用して、店舗A1の需要が予測される。
すなわち、需要予測部23は、同一チェーンに属する(加盟する)多数の店舗A1の実績データにて機械学習された学習済みモデルを利用して、店舗A1の需要予測を行う。具体的には、需要予測部23は、学習済みモデルを用いて、例えば運営情報を入力とし、需要予測情報を推定する。運営情報は、店舗A1の運営状況に関する情報であって、例えば、品揃え(商品構成)に関する情報、具体的には、商品カテゴリごとの、SKU(Stock Keeping Unit)数又はアイテム数等の情報を含む。
さらに、運営情報は、例えば、店舗A1における購買傾向に関する情報、店舗A1の周辺環境、並びに、店舗A1の立地及び間取り等に関する情報を含み得る。運営情報は、店舗A1周辺でのイベント(スポーツ又はコンサート等)の開催状況、気象条件(天候を含む)及び交通状況(通行止め等)等の、随時変化する動的な情報を更に含み得る。店舗A1の周辺環境の具体例としては、店舗A1から一定範囲(商圏)内における、総人口、年齢層別の人口、昼夜間の人口比、オフィス数、従業員数、駅の数、又は駅の利用者数等がある。また、店舗A1の周辺環境の具体例としては、店舗A1から一定範囲(商圏)内における、店舗A1の競合店の数及び種別、又は、競技場若しくはコンサートホール等の集客効果のある施設の数及び種別等もある。店舗A1の立地及び間取りの具体例としては、駐車場の有無、駐輪場の有無、駐車場台数、敷地面積、イートインスペースの有無、看板有無、又は幹線道路に面しているか否か等がある。
一方、学習済みモデルの生成に用いられる実績データは、学習対象期間における、店舗A1の売上高、客単価、LTVの平均値、又は利益等に関連する情報である。学習対象期間は、現在に対して過去に設定される期間であって、例えば、1日単位、1週間単位又は1か月単位等、任意の単位で設定される。ここで、学習済みモデルの生成には、少なくとも複数の店舗A1の実績データが用いられ、より好ましくは、同一チェーンに属する全店舗等の多数の店舗A1の実績データが用いられる。
需要予測部23で行われる需要予測処理では、このような学習済みモデルを用いて、店舗A1の需要に関する需要予測情報が生成される。本実施形態では、需要予測部23の需要予測処理では店舗A1ごとに需要予測情報が生成されるので、需要予測処理では、少なくともある店舗A1の運営情報を入力とし、学習済みモデルを用いて、この店舗A1の需要を予測する。本実施形態では一例として、需要予測処理にて需要が予測される対象となる予測対象期間は、1日単位で設定される。例えば、「2019年12月20日」といった予測対象期間が設定されることで、特定日である「2019年12月20日」の店舗A1の需要が予測されることになる。
需要予測処理に用いられる運営情報は、店舗A1に設置された各種センサ(カメラを含む)の検知結果、及びストアコンピュータ又はPOSシステム等から収集する情報により特定可能である。さらに、店舗A1周辺でのイベントの開催状況、気象条件及び交通状況等の運営情報については、ネットワークNT1に接続された各種のサーバから適宜収集可能である。また、学習済みモデルの生成(機械学習)に用いられる実績データについても、各店舗A1のストアコンピュータ又はPOSシステム等から適宜収集可能である。
ところで、例えば、コンビニエンスストアのように、店舗支援方法が適用され得る店舗A1の数が、100店以上、1000店以上、又は10000店以上といった多数になり得る場合、学習済みモデルを用いた需要予測は特に有用である。
すなわち、通常、多数の店舗A1は個々別々の条件の下で営業しているのであって、これら多数の店舗A1にわたる膨大な量の情報を、ある特定の店舗A1向けに反映するには、人の処理能力を遥かに上回る演算等が必要となり、人では到底実現し得ない。しかも、これらの多数の店舗A1の運営及び経営に関する情報は、時間経過に伴って(例えば季節ごとに)随時変動するところ、多数の店舗A1の最新の情報を考慮して需要予測をアップデートすることなど、人では到底なし得ない。さらに、このような膨大かつ変動する情報を処理する処理は、人は勿論のこと、一般的な情報処理装置であっても困難である。
本実施形態に係る店舗支援方法では、需要予測処理で使用される学習済みモデルの機械学習に、多数の店舗A1に関する情報(実績データ等)が用いられるのであって、上述したような膨大かつ変動する情報であっても処理し得る。むしろ、機械学習においては、訓練データのデータ量が多いほどに、生成される学習済みモデルの精度の向上が期待できるので、多数の店舗A1の情報を訓練データとして用いることは好都合である。このように、多数の店舗A1を展開し得る業態においては、本実施形態に係る店舗支援方法は特に有用である。
上位予測部16にて実行される需要予測処理についても、基本的には、需要予測部23にて実行される需要予測処理と同様に、機械学習された学習済みモデルを利用して実現される。ただし、上位予測部16にて実行される需要予測処理は、アウトレット品B2に関する需要予測であるので、需要者情報と、店舗A1の周辺環境に係る環境情報と、の少なくとも一方に基づいて行われる。需要者情報は、公開先(特に顧客C1)の購入履歴、閲覧履歴、行動パターン及び現在位置の少なくとも1つに係る情報である。また、環境情報は、上記運営情報と同様に、店舗A1の周辺環境に係る様々な情報を含み得る。
(2.4.5)二次加工
次に、本実施形態に係る店舗支援方法のうち、二次販売処理について、図7を参照して説明する。図7は、二次販売処理を行う場合の、店舗支援方法に関連するデータ、アウトレット品B2及び二次加工品B3の流れを、模式的に表す説明図である。また、図7では、チェーン本部A2の図示を省略している。そのため、図7では、例えば、予約データD2のように、チェーン本部A2(上位システム1)を介して情報端末3と店舗A1(下位システム2)との間でやり取りされるデータ(情報)を、チェーン本部A2を介さずに送受信されるように表している。
二次販売処理は、アウトレット品B2を、そのままではなく、二次加工が施された二次加工品B3として、顧客C1に提供(販売を含む)するための処理である。上述したように、二次販売処理は、二次加工品B3を顧客C1に販売するための仕組み作りの処理であるので、二次販売処理を実行する上位システム1の二次販売部17が、二次加工品B3を顧客C1に提供(販売を含む)する訳ではない。本実施形態では一例として、アウトレット品B2を二次加工して得られる二次加工品B3は、このアウトレット品B2、つまり二次加工品B3の材料となるアウトレット品B2の発生元の店舗A1で販売されることとする。すなわち、本実施形態に係る店舗支援方法では、二次加工品B3を、アウトレット品B2の発生元である店舗A1にて顧客C1に提供する。
図7の例では、まず、ある店舗A1にてアウトレット品B2が発生することで、公開処理(図4の処理S3,S4)にて、アウトレット情報D1が顧客C1に公開(配信)される場合を想定している。これに対して、アウトレット情報D1の公開先である顧客C1は、情報端末3から上位システム1に予約データD2を送信する。これにより、予約データD2の送信元である顧客C1に対しては、アウトレット情報D1に係るアウトレット品B2の購入権D3が発行される。
ここで、本実施形態に係る店舗支援方法では、二次販売処理を含むので、アウトレット品B2の購入権D3を発行するに際して、少なくとも二次加工の要否を指定する二次加工情報を購入権D3の発行先から取得する。本実施形態では一例として、情報端末3にて、予約データD2を送信するための操作を受け付ける画面に、二次加工情報の入力欄が設けられている。そのため、アウトレット情報D1を取得した顧客C1は、情報端末にて、予約データD2を送信するための操作をする際、二次加工情報の入力欄に二次加工情報を入力することで、任意の二次加工情報を指定することが可能である。入力欄に入力された二次加工情報は、予約データD2に含めて情報端末3から上位システム1に送信される。これにより、上位システム1の二次販売部17は、購入権D3を発行するに際して、二次加工情報を購入権D3の発行先(顧客C1)から取得することができる。ここでいう購入権D3は、取置処理にて発行される購入権D3に限らず、事前予約処理にて事前予約データD4を受信することにより発行される購入権D3も含む。
二次加工情報は、上述したように少なくとも二次加工の要否を指定する情報であり、一例として、情報端末3の画面上に表示されるラジオボタンにて二次加工の要否が選択される。また、本実施形態では、二次加工情報は、二次加工を行うための加工メニューを指定する情報を含む。本開示でいう「二次加工を行うための加工メニュー」は、二次加工の内容を決定し、一例として、アウトレット品B2が飲食料品であれば二次加工品のメニュー又はレシピ等を含む。例えば、「牛乳」及び「卵」からなるアウトレット品B2を用いて調理可能なメニューとして、「パンケーキ」、「クッキー」及び「ロールケーキ」等があるとすれば、このうちいずれのメニューへの二次加工を行うかを、加工メニューにて指定する。
さらに、二次加工情報は、二次加工を行う主体を指定する情報を含む。本開示でいう「二次加工を行う主体」は、二次加工を行った業者C2(個人)、又は業者C2の属する店舗等を意味する。例えば、「牛乳」及び「卵」からなるアウトレット品B2を用いて調理可能な業者C2が複数存在する場合に、このうちいずれの業者C2へ二次加工を行わせるかを、二次加工を行う主体にて指定する。
図8A〜図8Cは、二次加工情報を入力するための画面の具体例を示す説明図である。
例えば、公開処理にてアウトレット情報D1が顧客C1に公開(配信)されると、顧客C1の情報端末3には、アウトレット情報D1を含む通知画面が表示され、アウトレット情報D1が公開先である顧客C1に通知される。ここで、情報端末3は、アウトレット情報D1を通知するための通知画面に、予約データD2を送信するための操作を受け付ける予約アイコンを含めて表示する。そのため、顧客C1においては、通知画面中の予約アイコンを操作することにより、情報端末3から上位システム1に予約データD2を送信することが可能である。
このとき、顧客C1は、通知画面を操作することで、アウトレット情報D1で示される1つ以上のアウトレット品B2の中から、購入を希望するアウトレット品B2を選択する。ここでは一例として、「牛乳 500ml」と、「卵 6個入」と、の2つのアウトレット品B2が選択された場合を想定する。この場合、情報端末3には、図8Aに例示するような予約確認画面Im1が表示される。予約確認画面Im1は、確認領域R1と、二次加工情報の入力欄としての要否選択領域R2と、を含んでいる。確認領域R1には、顧客C1が通知画面を操作することで選択したアウトレット品B2の情報が表示される。要否選択領域R2には、「材料を材料として二次加工を」、「希望する」及び「希望しない」というテキスト情報と、二次加工の要否を選択するためのラジオボタンと、が表示される。「希望する」側のラジオボタンが、二次加工の要否について「要」に相当し、「希望しない」側のラジオボタンが、二次加工の要否について「否」に相当する。つまり、二次加工の要否について「要」を選択する場合、顧客C1は「希望する」側のラジオボタンを選択する。
二次加工の要否について「要」が選択されると、次に、情報端末3には、図8Bに例示するように、加工メニューを指定(選択)するためのメニュー選択画面Im2が表示される。メニュー選択画面Im2は、選択されたアウトレット品B2の二次加工により、生成可能な二次加工品B3のメニューの一覧(二次加工品リスト)を含んでいる。図8Bでは、「牛乳 500ml」及び「卵 6個入」のアウトレット品B2の二次加工により生成可能な二次加工品B3の例として、「パンケーキ」、「クッキー」及び「ロールケーキ」等のメニューがリストアップされている。そして、メニュー選択画面Im2では、各メニューに対応付けてラジオボタンが表示されており、いずれかのメニューに対応するラジオボタンが選択されることで、このメニューが選択されることになる。例えば、顧客C1は、加工メニューとして、「パンケーキ」への二次加工を希望する場合、「パンケーキ」に対応するラジオボタンを選択する。
加工メニューについて「パンケーキ」が選択されると、次に、情報端末3には、図8Cに例示するように、二次加工を行う主体を指定(選択)するための主体選択画面Im3が表示される。主体選択画面Im3は、選択された加工メニューの二次加工が可能な主体の一覧(業者リスト)を含んでいる。図8Cでは、「パンケーキ」を生成可能な主体(お店)の例として、「S洋菓子店」、「パティスリーM」及び「XYZ堂」等の主体がリストアップされている。そして、主体選択画面Im3では、各主体に対応付けてラジオボタンが表示されており、いずれかの主体に対応するラジオボタンが選択されることで、この主体が選択されることになる。例えば、顧客C1は、「S洋菓子店」での二次加工を希望する場合、「S洋菓子店」に対応するラジオボタンを選択する。
ただし、図8A〜図8Cは、二次加工情報を入力するための画面の具体例の一例に過ぎず、画面構成の詳細、及び画面遷移の順序等については、適宜変更可能である。例えば、予約確認画面Im1において二次加工の要否について「要」が選択された後、メニュー選択画面Im2に代えて、主体選択画面Im3が先に表示されてもよい。この場合、主体選択画面Im3は、選択されたアウトレット品B2の二次加工が可能な主体の一覧を含んでいる。そして、二次加工を行う主体が選択されると、情報端末3の画面は、主体選択画面Im3からメニュー選択画面Im2に遷移する。この場合、メニュー選択画面Im2は、選択された主体で二次加工が可能な二次加工品B3のメニューの一覧を含んでいる。
また、他の例として、メニュー選択画面Im2及び主体選択画面Im3に代えて、図9に示すように、加工メニューを指定(選択)と、二次加工を行う主体と、をまとめて指定(選択)するための選択画面Im4が、情報端末3に表示されてもよい。つまり、予約確認画面Im1において二次加工の要否について「要」が選択された後、情報端末3には、選択画面Im4が表示される。選択画面Im4は、選択されたアウトレット品B2の二次加工により、生成可能な二次加工品B3のメニュー、及び二次加工が可能な主体の組み合わせの一覧を含んでいる。図9では、一例として、「S洋菓子店のパンケーキ」、「パティスリーMのパンケーキ」及び「パティスリーMのクッキー」等の加工メニュー及び主体の組み合わせがリストアップされている。そして、選択画面Im4では、各項目に対応付けてラジオボタンが表示されており、いずれかの項目に対応するラジオボタンが選択されることで、この項目が選択されることになる。例えば、顧客C1は、「S洋菓子店」での「パンケーキ」への二次加工を希望する場合、「S洋菓子店のパンケーキ」に対応するラジオボタンを選択する。
加工メニュー及び二次加工を行う主体を指定する情報については、二次加工の要否について「要」が選択された場合にのみ、入力可能である。そして、これらの二次加工情報を含む予約データD2が、顧客C1(情報端末3)から送信されることより、予約データD2の送信元である顧客C1に対して、購入権D3が発行される。図7の例では、二次加工情報にて二次加工の要否について「要」が選択されることを想定しているため、購入権D3は、二次加工が施された状態のアウトレット品B2についての購入権D3、つまり二次加工品B3についての購入権D3となる。
購入権D3の発行後、店舗A1は、図7に示すように、二次加工を行う主体としての業者C2に対してアウトレット品B2を引き渡す。この業者C2は、二次加工情報にて二次加工を行う主体として指定された業者C2である。このとき、業者C2の情報端末3には、例えば、二次加工情報が転送される。そして、アウトレット品B2を受け取った業者は、二次加工情報にて指定されている加工メニューに従って、アウトレット品B2の二次加工を行う。図7の例では、業者C2は、「牛乳」及び「卵」からなるアウトレット品B2を、「パンケーキ」からなる二次加工品B3に調理する。業者C2は、生成した二次加工品B3を、アウトレット品B2の発生元の店舗A1に引き渡す。
ここにおいて、店舗A1と業者C2との間での、アウトレット品B2及び二次加工品B3の引き渡し(移動)に関しては、例えば、店舗A1の商品B1を配送する配送業者等を利用して行うことが好ましい。あるいは、業者C2は、例えば、出張料理人のように、アウトレット品B2の発生元である店舗A1に出張し、店舗A1の敷地内にて二次加工を行ってもよい。この場合には、店舗A1と業者C2との間での、アウトレット品B2及び二次加工品B3の移動を省略可能となる。
二次加工品B3の引き渡し後、店舗A1は、図7に示すように、購入権D3を取得した公開先(顧客C1)に対して、二次加工が施された状態のアウトレット品B2、つまり二次加工品B3を販売する。二次加工品B3の販売価格は、例えば、アウトレット品B2の販売価格に、二次加工の手数料を付加した価格とされる。この場合において、二次加工の手数料の少なくとも一部が、二次加工を行う主体としての業者C2に支払われる仕組みとする。
このように、二次販売処理によれば、アウトレット品B2について、二次加工が施された二次加工品B3として顧客C1に提供できるので、アウトレット品B2を顧客C1の好みに寄せやすくなり、アウトレット品B2の需要が高くなる。言い換えれば、アウトレット品B2に付加価値を付すことになり、アウトレット品B2そのものに比べて、購買意欲の向上を図ることができる。さらに、例えば、アウトレット品B2が飲食料品の見切り品である場合に、加熱処理等の二次加工が施されることで、アウトレット品B2(二次加工品B3)の期限(賞味期限又は消費期限等)を延ばすことができる。また、例えば、アウトレット品B2がキャリー品である場合に、ラッピングの変更等の二次加工が施されることで、アウトレット品B2(二次加工品B3)の期限を延ばすことができる。
さらに、本実施形態に係る店舗支援方法では、上位システム1のフィードバック部18にて、フィードバック処理が実行される。フィードバック処理では、二次加工を行った主体を評価する評価情報を受け付ける。具体的には、二次加工品B3の提供先である顧客C1は、例えば、情報端末3を用いて、二次加工品B3の二次加工を行った主体、つまり図7の例では業者C2を評価する評価情報を入力する。このような評価情報は、例えば、業者C2ごとに整理され、評価点として蓄積される。評価点は、例えば、アウトレット情報D1又は予測情報D5に含めて、顧客C1に公開される。結果的に、評価の高い業者C2が、顧客C1に指定(指名)されやすくなり、顧客C1にとっては、評価の高い業者C2の二次加工による付加価値を受けやすくなる。
また、上述したような二次販売処理は、アウトレット品B2の事前予約処理、又は先行公開処理と組み合わせても採用可能である。すなわち、事前予約処理においては、予約データD2に代えて事前予約データD4に、二次加工情報が含まれることとなる。また、先行公開処理においては、アウトレット情報D1に代えて予測情報D5への応答としての予約データD2に、二次加工情報が含まれることとなる。
(3)変形例
実施形態1は、本開示の様々な実施形態の一つに過ぎない。実施形態1は、本開示の目的を達成できれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。また、本開示で参照する図面は、いずれも模式的な図であり、図中の各構成要素の大きさ及び厚さそれぞれの比が、必ずしも実際の寸法比を反映しているとは限らない。また、実施形態1に係る店舗支援方法と同様の機能は、店舗支援システム10、(コンピュータ)プログラム、又はプログラムを記録した非一時的記録媒体等で具現化されてもよい。一態様に係るプログラムは、実施形態1に係る店舗支援方法を、1以上のプロセッサに実行させるためのプログラムである。
以下、実施形態1の変形例を列挙する。以下に説明する変形例は、適宜組み合わせて適用可能である。
本開示における店舗支援システム10は、コンピュータシステムを含んでいる。コンピュータシステムは、ハードウェアとしてのプロセッサ及びメモリを主構成とする。コンピュータシステムのメモリに記録されたプログラムをプロセッサが実行することによって、本開示における店舗支援システム10としての機能が実現される。プログラムは、コンピュータシステムのメモリに予め記録されてもよく、電気通信回線を通じて提供されてもよく、コンピュータシステムで読み取り可能なメモリカード、光学ディスク、ハードディスクドライブ等の非一時的記録媒体に記録されて提供されてもよい。コンピュータシステムのプロセッサは、半導体集積回路(IC)又は大規模集積回路(LSI)を含む1ないし複数の電子回路で構成される。ここでいうIC又はLSI等の集積回路は、集積の度合いによって呼び方が異なっており、システムLSI、VLSI(Very Large Scale Integration)、又はULSI(Ultra Large Scale Integration)と呼ばれる集積回路を含む。さらに、LSIの製造後にプログラムされる、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、又はLSI内部の接合関係の再構成若しくはLSI内部の回路区画の再構成が可能な論理デバイスについても、プロセッサとして採用することができる。複数の電子回路は、1つのチップに集約されていてもよいし、複数のチップに分散して設けられていてもよい。複数のチップは、1つの装置に集約されていてもよいし、複数の装置に分散して設けられていてもよい。ここでいうコンピュータシステムは、1以上のプロセッサ及び1以上のメモリを有するマイクロコントローラを含む。したがって、マイクロコントローラについても、半導体集積回路又は大規模集積回路を含む1ないし複数の電子回路で構成される。
また、店舗支援システム10における複数の機能が、1つの筐体内に集約されていることは店舗支援システム10に必須の構成ではない。店舗支援システム10の構成要素は、複数の筐体に分散して設けられていてもよい。さらに、店舗支援システム10の少なくとも一部の機能は、クラウド(クラウドコンピューティング)等によって実現されてもよいし、店舗支援システム10の機能は、クラウド(又はサーバ)及びエッジに分散して実現されてもよい。
一例として、店舗支援システム10の機能が、各店舗A1のストアコンピュータに分散して設けられている場合、チェーン本部A2を介さずとも、店舗A1と顧客C1又は業者C2(情報端末3)との間で、アウトレット情報D1等の送受信が可能となる。
反対に、実施形態1において、複数の装置に分散されている店舗支援システム10の少なくとも一部の機能が、1つの筐体内に集約されていてもよい。例えば、チェーン本部A2に設置された上位システム1と各店舗A1に設置された下位システム2とに分散されている店舗支援システム10の一部の機能が、1つの筐体内に集約されていてもよい。下位システム2の機能がすべて上位システム1に集約されていてもよい。
一例として、下位システム2が扱う在庫情報等の店舗A1ごとの情報についてのみ、上位システム1が下位システム2から引き込むようにして、これらの情報を用いた各種の処理については上位システム1が行ってもよい。具体的には、店舗支援方法をプラットフォーム事業として実現する場合、店舗支援方法の提供を希望する店舗A1から、最低限必要な情報(在庫情報等)をクラウド(上位システム1)側に引き込んで、クラウド側で処理する態様であってもよい。
また、店舗支援システム10の用途はコンビニエンスストアに限らず、コンビニエンスストア以外の店舗A1に店舗支援システム10が導入されていてもよい。
また、実施形態1では、店舗支援方法による支援の対象となり得る店舗A1の数が、10000店以上である場合を想定するが、この例に限らない。すなわち、店舗支援方法による支援の対象となる店舗A1は、数店舗程度の少数の店舗A1であってもよいし、単独の店舗A1であってもよい。少数(例えば、10程度)の店舗A1を支援の対象とする場合、これら少数の店舗A1は、関連性を持つことが好ましい。一例として、いずれも同一チェーンの店舗A1であって、かつ近隣(例えば直線距離で10km以内)に存在する店舗A1である、という関連性を持つ少数の店舗A1が、店舗支援方法による支援の対象とされる。
また、ストアコンピュータからなる下位システム2は、1つの店舗A1に複数設けられていてもよい。下位システム2の少なくとも一部の機能は、店舗A1のオーナA11又は店員A12等が所有する携帯端末(情報端末3及び店員端末4を含む)にて実現されてもよい。
また、店舗A1での商品B1の販売形態は、実施形態1のように、複数の商品B1が店内に陳列された状態で販売される形態に限らない。例えば、店舗A1が、修理店又は保険代理店等のように、サービスを提供するような業態である場合には、商品B1の販売は行われない。さらに、複数の商品B1が店内に陳列された状態で販売される形態であっても、例えば、セルフレジ(Self-checkout)等を用いることにより、顧客C1が店員A12を介さずに精算を行う販売形態であってもよい。
また、需要予測のための学習済みモデルの生成に用いられる訓練データは、1以上の店舗A1についての実績データを含んでいればよい。
また、需要予測部23が、学習済みモデルを用いて店舗A1の需要予測を行う需要予測処理において、運営情報を入力とすることは必須ではない。一例として、需要予測部23は、単に日時情報(カレンダ情報を含む)を入力として需要予測を実行してもよい、この場合、例えば、過去の実績(傾向)から、金曜日は売上が相対的に高く、土曜日及び日曜日は売上が相対的に低い等の簡易な需要予測が可能である。
また、需要予測処理では、機械学習された学習済みモデルを利用することは必須ではない。例えば、需要予測処理においては、単に、店舗A1の過去の実績(履歴)に基づく統計処理等に基づいて、店舗A1の需要が予測されてよい。
また、実施形態1において店舗支援システム10で行っている一部の処理については、人が行ってもよい。一例として、予約データD2中の予約者情報にて特定される公開先に対するアウトレット品B2の購入権D3の発行(取置処理)については、上位システム1(取置部12)に代えて、人が行ってもよい。
また、二次加工の手数料を含む依頼料又は報酬は、一例として、金銭(クレジット及び仮想通貨等を含む)に限らず、例えば、ポイント(点数)、物品、又は店舗A1のメンテナンス等のサービスを含む特典等で実現されてもよい。
また、フィードバック処理が実行される。フィードバック処理では、二次加工を行った主体を評価する評価情報を受け付ければよく、評価情報は申告制でなくてもよい。すなわち、人(顧客C1)が申告する申告制の評価情報に限らず、例えば、店舗A1に設置された各種センサ(カメラを含む)の検知結果が評価情報として用いられてもよい。この場合、一例として、店舗支援システム10は、二次加工品B3の見映え、又は二次加工品B3の引き渡しまでに要した時間等をセンサにて検知し、その検知結果に基づいて、評価情報を自動的に生成する。
また、二次販売処理は、アウトレット品B2を対象とするのに限らず、例えば、アウトレット条件を満たさない商品B1を対象としてもよい。すなわち、アウトレット品B2ではなく、店舗A1で普通に販売されている商品B1を、そのままではなく、二次加工が施された二次加工品B3として、顧客C1に提供(販売を含む)するための処理として、二次販売処理が利用されてもよい。
また、二次加工において、例えば、飲食料品は、長期保存に適するよう調理して金属製容器(缶)に入れて封をした上で、加熱処理を施すことによって、缶詰等の保存食に加工されてもよい。缶詰等の保存食に加工されることで、アウトレット品B2の賞味期限又は消費期限等の期限を、比較的大幅に延長することが可能である。さらに、缶詰等の保存食に加工された二次加工品B3にあっては、期限が比較的に長く設定されるため、例えば、自動販売機等の無人での販売形態での販売にも適している。
(実施形態2)
本実施形態に係る店舗支援方法は、図10に示すように、二次加工品B3の流通経路が、実施形態1に係る店舗支援方法と相違する。図10は、二次販売処理を行う場合の、店舗支援方法に関連するデータ、アウトレット品B2及び二次加工品B3の流れを、模式的に表す説明図である。また、図10では、チェーン本部A2の図示を省略している。そのため、図10では、例えば、予約データD2のように、チェーン本部A2(上位システム1)を介して情報端末3と店舗A1(下位システム2)との間でやり取りされるデータ(情報)を、チェーン本部A2を介さずに送受信されるように表している。以下、実施形態1と同様の構成については、共通の符号を付して適宜説明を省略する。
上述したように、二次販売処理は、アウトレット品B2を、そのままではなく、二次加工が施された二次加工品B3として、二次加工品B3を顧客C1に提供(販売)するための仕組み作りの処理である。本実施形態では、二次加工品B3を、二次加工を行った業者C2の店舗で販売する。そのため、実施形態1のように、二次加工品B3がアウトレット品B2の発生元の店舗A1に引き渡されることもなく、二次加工品B3は、二次加工を行う業者C2から顧客C1に引き渡される。
この場合において、二次加工後のアウトレット品B2である二次加工品B3は、最終的には、顧客C1が購入するが、物流的には、アウトレット品B2が店舗A1から業者C2に引き渡されることになる。そこで、図10の例では、まず、ある店舗A1にてアウトレット品B2が発生することで、公開処理にて、アウトレット情報D1が業者C2に公開(配信)される。これに対して、アウトレット情報D1の公開先である業者C2は、情報端末3から上位システム1に予約データD2を送信する。これにより、予約データD2の送信元である業者C2に対しては、アウトレット情報D1に係るアウトレット品B2の購入権D3(図10では図示を省略する)が発行される。
そして、購入権D3の発行後、店舗A1は、図10に示すように、二次加工を行う主体としての業者C2に対してアウトレット品B2を引き渡す。アウトレット品B2を受け取った業者C2は、アウトレット品B2を、自由に二次加工して二次加工品B3を生成する。図10の例では、業者C2は、「牛乳」及び「卵」からなるアウトレット品B2を、「パンケーキ」からなる二次加工品B3に調理する。業者C2は、生成した二次加工品B3を、顧客C1に直接的に提供(販売)する。
本実施形態では、顧客C1が業者C2に支払う二次加工品B3の代金の中から、業者C2が店舗A1に支払うアウトレット品B2の代金が抽出される。これにより、業者C2は、二次加工品B3とアウトレット品B2との差額を、二次加工の手数料として取得する。
ところで、本実施形態に係る店舗支援方法又は店舗支援システム10は、業者C2から顧客C1への二次加工品B3の提供についても、支援可能であることが好ましい。すなわち、二次加工品B3は、店舗A1で発生するアウトレット品B2を基に生成されるので、二次加工品B3の流通を円滑にすることで、アウトレット品B2の取り扱いを支援することになり、ひいては、店舗A1の営業を支援することになる。
すなわち、業者C2がアウトレット品B2を二次加工して二次加工品B3を生成すると、店舗支援方法又は店舗支援システム10は、生成された二次加工品B3に関する二次販売情報を、公開先としての顧客C1に公開する。具体的には、アウトレット品B2を受け取った業者C2は、アウトレット品B2を二次加工して二次加工品B3が完成すると、業者C2の情報端末3から店舗支援システム10(上位システム1)に対して、二次加工品B3に関する二次販売情報を送信する。二次販売情報は、二次加工品B3に関する情報であって、例えば、二次加工品B3の品目(種類)を特定する情報、及び個数を特定する情報等を含む。本実施形態では一例として、二次販売情報は、二次加工品B3を作成した業者C2(お店)及び二次加工品B3の販売価格等の、二次加工品B3の詳細を特定する情報を更に含む。
図11A〜図11Cは、二次販売情報を通知するための画面の具体例を示す説明図である。
例えば、二次販売情報が顧客C1に公開(配信)されると、顧客C1の情報端末3には、図11Aに示すような、二次販売情報を含む二次通知画面Im5が表示され、二次販売情報が公開先である顧客C1に通知される。顧客C1は、二次販売情報を通知するための二次通知画面Im5にて、購入を希望する二次加工品B3を指定(選択)する。ただし、二次通知画面Im5に含まれるのは、アウトレット品B2に二次加工が施された二次加工品B3の情報であって、アウトレット品B2を特定する情報は二次通知画面Im5に含まれない。
ここでは一例として、「牛乳」及び「卵」からなるアウトレット品B2が発生した場合を想定しており、これらのアウトレット品B2を二次加工することで生成される二次加工品B3の一覧が、二次通知画面Im5に含まれている。一方、アウトレット品B2である「牛乳」及び「卵」を特定する情報は、二次通知画面Im5に含まれない。そのため、顧客C1においては、アウトレット品B2が何であるかはわからない状態で、アウトレット品B2に対して二次加工が施された後の二次加工品B3が何であるかは知ることができる。
二次通知画面Im5は、各二次加工品B3の二次加工を行った主体の情報、及び各二次加工品B3の販売価格についても、含んでいる。そして、二次通知画面Im5では、各二次加工品B3に対応付けてラジオボタンが表示されており、いずれかの二次加工品B3に対応するラジオボタンが選択されることで、この二次加工品B3が選択されることになる。例えば、顧客C1は、「S洋菓子店」で二次加工された「パンケーキ」の購入を希望する場合、「S洋菓子店の『パンケーキ』」に対応するラジオボタンを選択する。
ここで、アウトレット品B2の二次加工により得られる二次加工品B3は、正規の材料から生成される正規品に比較して原価を抑えることができるので、二次加工品B3の販売価格は、正規品の販売価格に比べて安くしやすい。そこで、二次通知画面Im5では、このような販売価格のメリットが顧客C1に伝わるように、例えば「今なら下記の加工品をお安く提供できます」というテキスト情報、又は正規品との販売価格の比較表示等を行うことが好ましい。
二次通知画面Im5において、購入を希望する二次加工品B3が選択されると、この二次加工品B3の購入権が発行される。これにより、二次加工品B3についても、アウトレット品B2と同様に「取り置き」が可能となる。二次加工品B3の購入権は、アウトレット品B2の購入権D3と同様に、店舗支援システム10(上位システム1)、より詳細には取置部12が、公開先である顧客C1等に対して発行する。
さらに、本実施形態では、二次通知画面Im5でいずれかの二次加工品B3が選択されると、次に、情報端末3には、図11Bに例示するように、二次加工品B3の受け取り場所を指定(選択)するための場所選択画面Im6が表示される。場所選択画面Im6は、選択された二次加工品B3を受け取り可能な場所の一覧を含んでいる。図11Bでは、二次加工品B3を受け取り可能な場所として、二次加工品B3を生成した「S洋菓子店」、及びアウトレット品B2の発生元である「ABC大阪駅店」がリストアップされている。そして、場所選択画面Im6では、各場所に対応付けてラジオボタンが表示されており、いずれかの場所に対応するラジオボタンが選択されることで、この場所が選択されることになる。例えば、顧客C1は、受け取り場所として、「S洋菓子店」を希望する場合、「S洋菓子店に取りに行く」に対応するラジオボタンを選択する。
また、場所選択画面Im6では、受け取り場所に加えて、又は代えて、二次加工品B3の受け取りの時間帯を指定(選択)できてもよい。
さらに、他の例として、二次加工品B3が生成される前に、二次販売情報が顧客C1に公開(配信)されてもよい。すなわち、例えば、業者C2がアウトレット品B2の購入権D3を取得した時点、又は店舗A1から業者C2にアウトレット品B2が引き渡された時点で、二次販売情報が顧客C1に公開されてもよい。この場合、顧客C1の情報端末3には、例えば、図11Cに示すように、二次販売情報を含む二次予約画面Im7が表示される。二次予約画面Im7は、アウトレット品B2を二次加工することで生成される二次加工品B3の一覧、各二次加工品B3の二次加工を行った主体の情報、及び各二次加工品B3の販売価格等を含んでいる。さらに、二次予約画面Im7は、二次加工品B3の出来上がりの時刻(時間帯)の情報を含んでいる。そして、二次予約画面Im7では、各二次加工品B3に対応付けてラジオボタンが表示されており、いずれかの二次加工品B3に対応するラジオボタンが選択されることで、この二次加工品B3が選択されることになる。例えば、顧客C1は、「19:00頃」に出来上がりを予定している「S洋菓子店」で二次加工される「パンケーキ」の購入を希望する場合、「S洋菓子店の『パンケーキ』」に対応するラジオボタンを選択する。
実施形態2の変形例として、二次加工後のアウトレット品B2である二次加工品B3を最終的に購入する顧客C1が、アウトレット情報D1の公開先であってもよい。この場合、ある店舗A1にてアウトレット品B2が発生することで、公開処理にて、アウトレット情報D1が顧客C1に公開(配信)される。これに対して、アウトレット情報D1の公開先である顧客C1は、情報端末3から上位システム1に予約データD2を送信する。これにより、予約データD2の送信元である顧客C1に対しては、二次加工品B3の購入権D3が発行される。つまり、この場合、二次加工品B3がアウトレット品B2の発生元の店舗A1に引き渡されることなく、二次加工を行う業者C2から顧客C1に直接的に引き渡される点を除き、実施形態1と同様の態様となる。
実施形態2で説明した種々の構成(変形例を含む)は、実施形態1で説明した種々の構成(変形例を含む)と適宜組み合わせて採用可能である。
(まとめ)
以上説明したように、第1の態様に係る店舗支援方法は、複数の商品(B1)の販売を行う店舗(A1)の営業を支援する店舗支援方法であって、判定処理と、公開処理と、を有する。判定処理は、店舗(A1)で販売される複数の商品(B1)の中に、アウトレット条件を満たすアウトレット品(B2)があるか否かを判定する処理である。公開処理は、アウトレット品(B2)が発生すると、アウトレット品(B2)に関するアウトレット情報(D1)を公開先に公開する処理である。
この態様によれば、店舗(A1)で販売される複数の商品(B1)の中に、アウトレット条件を満たすアウトレット品(B2)が発生すると、このアウトレット品(B2)の存在が判定処理にて判定される。そして、発生したアウトレット品(B2)に関するアウトレット情報(D1)は、公開処理によって公開先に公開される。よって、アウトレット品(B2)が発生すると、実際に店舗(A1)を訪れた顧客(C1)のみならず、アウトレット品(B2)の存在を広く知らせることが可能である。そのため、例えば、店舗(A1)の付近に存在する潜在的な顧客(C1)をも取り込んで、アウトレット品(B2)の販売を行うことができ、アウトレット品(B2)の発生数と顧客(C1)の需要との整合を取りやすくなって、不良在庫の発生を抑制しやすくなる。結果的に、不良在庫による損失を低減しやすい、という利点がある。
第2の態様に係る店舗支援方法では、第1の態様において、公開先は、店舗(A1)の顧客(C1)と店舗(A1)の管理者との少なくとも一方を含む。
この態様によれば、店舗(A1)の顧客(C1)と店舗(A1)の管理者との少なくとも一方がアウトレット品(B2)の存在を知ることとなり、潜在的な顧客(C1)の取り込み、意図的な過剰在庫等の不正の抑制などを図ることができる。
第3の態様に係る店舗支援方法では、第1又は2の態様において、公開先は、店舗(A1)と契約を結んだ業者(C2)を含む。
この態様によれば、業者(C2)にてアウトレット品(B2)をそのまま、又は二次加工後に、転売することが可能となる。
第4の態様に係る店舗支援方法は、第1〜3のいずれかの態様において、取置処理を更に有する。取置処理は、アウトレット情報(D1)への応答として、公開先を特定する予約者情報を含んだ予約データ(D2)を受信すると、アウトレット品(B2)の購入権(D3)を、予約者情報にて特定される公開先に対して発行する処理である。
この態様によれば、アウトレット品(B2)の取り置きが可能となる。
第5の態様に係る店舗支援方法は、第1〜4のいずれかの態様において、事前予約処理を更に有する。事前予約処理は、公開処理前に、公開先を特定する事前予約者情報及びアウトレット品(B2)を指定する指定情報を含んだ事前予約データ(D4)を受信する処理である。事前予約データ(D4)に含まれる指定情報に該当するアウトレット品(B2)が発生すると、公開処理では、アウトレット情報(D1)を、事前予約データ(D4)に含まれる事前予約者情報にて特定される公開先に公開する。
この態様によれば、アウトレット品(B2)の事前予約が可能となる。
第6の態様に係る店舗支援方法では、第5の態様において、事前予約データ(D4)の指定情報は、複数種類の商品(B1)からなる商品群単位でアウトレット品(B2)を指定可能である。事前予約データ(D4)に含まれる指定情報で指定される商品群のいずれに該当するアウトレット品(B2)が発生した場合でも、公開処理では、アウトレット情報(D1)を、事前予約データ(D4)に含まれる事前予約者情報にて特定される公開先に公開する。
この態様によれば、商品群単位でアウトレット品(B2)を事前予約できるので、アウトレット品(B2)の種類をピンポイントで絞らずとも、事前予約が可能となる。
第7の態様に係る店舗支援方法では、第5又は6の態様において、事前予約データ(D4)の指定情報は、アウトレット品(B2)の受け取りの時間帯及び地域の少なくとも一方を指定する受取条件を含む。
この態様によれば、アウトレット品(B2)の受け取りの時間帯及び地域の少なくとも一方を指定することで、現実的に受け取り可能なアウトレット品(B2)に絞って、事前予約をすることができる。
第8の態様に係る店舗支援方法は、第5〜7のいずれかの態様において、移転処理を更に有する。移転処理は、事前予約処理にて事前予約データ(D4)を受信することにより発行されるアウトレット品(B2)の購入権(D3)を、事前予約者情報にて特定される公開先から他者へ移転する処理である。
この態様によれば、事前予約したアウトレット品(B2)を購入できない場合でも、その購入権(D3)を有効利用できる。
第9の態様に係る店舗支援方法は、第1〜8のいずれかの態様において、先行判定処理を更に有する。先行判定処理は、店舗(A1)の需要予測の結果に基づいてアウトレット品(B2)の発生を予測する処理である。
この態様によれば、実際にアウトレット品(B2)が発生する前に、アウトレット品(B2)の発生を予測することができる。
第10の態様に係る店舗支援方法は、第9の態様において、先行公開処理を更に有する。先行公開処理は、先行判定処理にてアウトレット品(B2)の発生が予測された場合に、公開処理前に、アウトレット品(B2)に関する予測情報(D5)を公開先に公開する処理である。
この態様によれば、実際にアウトレット品(B2)が発生する前でも、アウトレット品(B2)の発生が予測された段階で、早期に、アウトレット品(B2)に関する情報を公開先に公開できる。
第11の態様に係る店舗支援方法は、第1〜10のいずれかの態様において、公開処理では、需要者情報と、環境情報と、の少なくとも一方に基づいて行われたアウトレット品(B2)に関する需要予測の結果を用いて、公開先を決定する。需要者情報は、公開先の購入履歴、閲覧履歴、行動パターン及び現在位置の少なくとも1つに係る情報である。環境情報は、店舗(A1)の周辺環境に係る情報である。
この態様によれば、アウトレット品(B2)に関する需要予測の結果から、公開先を絞り込むことができる。
第12の態様に係る店舗支援方法は、第1〜11のいずれかの態様において、二次販売処理を更に有する。二次販売処理は、アウトレット品(B2)に二次加工を施した二次加工品(B3)を顧客(C1)に提供するための処理である。
この態様によれば、二次加工によりアウトレット品(B2)の期限を延ばしたり、アウトレット品(B2)に付加価値を付けたりすることができる。
第13の態様に係る店舗支援方法は、第12の態様において、二次加工品(B3)を、アウトレット品(B2)の発生元である店舗(A1)にて顧客(C1)に提供する。
この態様によれば、顧客(C1)にとっては、二次加工品(B3)であっても、他の商品(B1)と同様に店舗(A1)で受け取ることができる。
第14の態様に係る店舗支援方法は、第12又は13の態様において、アウトレット品(B2)の購入権(D3)を発行するに際して、少なくとも二次加工の要否を指定する二次加工情報を購入権(D3)の発行先から取得する。
この態様によれば、二次加工を前提にアウトレット品(B2)の購入権(D3)を取得することができる。
第15の態様に係る店舗支援方法では、第14の態様において、二次加工情報は、二次加工を行うための加工メニューを指定する情報を含む。
この態様によれば、二次加工の内容を指定することが可能になる。
第16の態様に係る店舗支援方法では、第14又は15の態様において、二次加工情報は、二次加工を行う主体を指定する情報を含む。
この態様によれば、二次加工を行う主体を指定することが可能になる。
第17の態様に係る店舗支援方法は、第14〜16のいずれかの態様において、フィードバック処理を更に有する。フィードバック処理は、二次加工を行った主体を評価する評価情報を受け付ける処理である。
この態様によれば、二次加工の質の向上が期待できる。
第18の態様に係る店舗支援方法は、第1〜17のいずれかの態様において、移動指示処理を更に有する。移動指示処理は、アウトレット品(B2)が発生すると、アウトレット品(B2)の陳列場所を変化させるための移動情報を作業者に通知する処理である。
この態様によれば、アウトレット品(B2)の発生に合わせたタイミングで、アウトレット品(B2)の陳列場所を変化させることができる。
第19の態様に係るプログラムは、第1〜18のいずかの態様に係る店舗支援方法を、1以上のプロセッサに実行させるためのプログラムである。
この態様によれば、不良在庫による損失を低減しやすい、という利点がある。
第20の態様に係る店舗支援システム(10)は、複数の商品(B1)の販売を行う店舗(A1)の営業を支援する店舗支援システムであって、判定部と、公開部と、を備える。判定部は、店舗(A1)で販売される複数の商品(B1)の中に、アウトレット条件を満たすアウトレット品(B2)があるか否かを判定する。公開部は、アウトレット品(B2)が発生すると、アウトレット品(B2)に関するアウトレット情報(D1)を公開先に公開する。
この態様によれば、不良在庫による損失を低減しやすい、という利点がある。
上記態様に限らず、実施形態1及び実施形態2に係る店舗支援方法の種々の態様(変形例を含む)は、店舗支援システム(10)、プログラム及びプログラムを記録した非一時的記録媒体にて具現化可能である。
第2〜18の態様に係る構成については、店舗支援方法に必須の構成ではなく、適宜省略可能である。