JP6829127B2 - 加飾表皮及び車両用加飾パネル - Google Patents

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Description

本発明は、車両用加飾パネル等の車両用内装品の表面を覆う加飾表皮、及びその加飾表皮を備える車両用加飾パネルに関するものである。
この種の加飾表皮として、従来、例えば特許文献1には、ステアリングホイールのリムを覆う加飾表皮が開示されている。この加飾表皮には、互いに間隔を空けて対向する表皮両端を縫い合わせ、加飾表皮に意匠性を付与するステッチ糸が設けられている。また、このステッチ糸は、ステアリングホイールのリムの表面に接触して、リムを押さえるようにしている。
特開2015−039900号公報
しかし、特許文献1のものでは、ステッチ糸がステアリングホイールのリムに接触しているため、ステッチ糸が設けられている部分の立体感や奥行感が乏しいという難があった。
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、加飾表皮の構造に工夫を加えることで、その加飾表皮の立体感及び奥行感を高めて、加飾表皮及びその加飾表皮を用いた車両用加飾パネルの意匠性を向上させるようにすることにある。
前記の目的を達成するために、この発明では、対向する表皮材の端部間に間隔を空けておき、その端部間に亘ってステッチ糸を端部間に空間を区画するように設けることとした。
具体的には、第1の発明は、第1表皮材と、前記第1表皮材の表面に、端部が互いに間隔を空けて対向するように重ねられて配置された第2表皮材及び第3表皮材と、前記第2表皮材の端部と前記第3表皮材の端部とのに、当該第2表皮材及び第3表皮材の各端部と前記第1表皮材(17)の表面とにより囲まれてなる凹所を跨ぐように掛け渡されたステッチ糸とを備えることを特徴とする。
第2の発明は、第1の発明において、前記ステッチ糸は、前記第2表皮材及び第3表皮材の各端部の表面に設けられていることを特徴とする。
第3の発明は、第1又は第2の発明において、前記第2表皮材及び第3表皮材の各端部は、第1表皮材の表面に接するように折り返された折り返し部を有しており、該折り返し部間に前記間隔が空けられていることを特徴とする。
第4の発明は、第1〜第3の発明のいずれか1つにおいて、前記第1表皮材の表面のうち、前記第2表皮材及び第3表皮材の端部間に位置する部分は、前記ステッチ糸が目視可能に投影される状態にあることを特徴とする。
第5の発明は、第4の発明において、前記第1表皮材の表面の明度は、PCCSの表色系で7.5以上9.5以下であることを特徴とする。
第6の発明は、第4又は第5の発明において、前記第1表皮材の表面は光沢を有していることを特徴とする。
第7の発明は、第1〜第6の発明のいずれか1つにおいて、前記第1表皮材、第2表皮材及び第3表皮材の各厚みは0.8mm以上1.2mm以下であることを特徴とする。
第8の発明の車両用加飾パネルは、第1〜第7の発明のいずれか1つの加飾表皮と、前記加飾表皮に表面が覆われた基材とを備えることを特徴とする。
第1の発明によれば、ステッチ糸と第1表皮材との間に空間が形成されており、それらは接触せずにステッチ糸が浮いた状態にあるので、加飾表皮に立体感及び奥行感が生じ、意匠性が向上する。さらに、第2表皮材と第3表皮材との間には間隔が空けられていることにより、第2表皮材及び第3表皮材の各端面と第1表皮材の表面とで凹所が形成されることになる。そして、その凹所が前記空間となるので、容易にステッチ糸と第1表皮材との間の空間を形成して意匠性を向上させることができる。
第2の発明によれば、ステッチ糸は、第2表皮材及び第3表皮材の各端部の表面に設けられているので、ステッチ糸と第1表皮材との間の空間として、少なくとも第2表皮材及び第3表皮材の厚み分の寸法を安定して確保することができる。よって、第2表皮材及び第3表皮材の表面にステッチ糸を設けるという簡単な構成で、ステッチ糸と第1表皮材との間に十分な空間を確保することができ、加飾表皮の立体感及び奥行感がさらに高まる。
第3の発明によれば、第2表皮材と第3表皮材との間隔が折り返し部間に形成されているので、別途特別な部材を使用せずに第2表皮材及び第3表皮材の各端面と第1表皮材の表面とで形成される凹所の深さ(空間の高さ)を、第2表皮材及び第3表皮材の厚みよりも深くすることができる。よって、ステッチ糸と第1表皮材との間の空間を十分確保することができるため、加飾表皮の立体感及び奥行感がさらに高まる。
第4の発明によれば、ステッチ糸の影が第1表皮材に映るので、加飾表皮の立体感及び奥行感をさらに高めることができる。
第5の発明によれば、第1表皮材の色が明るくなるので、第1表皮材に映るステッチ糸の影が目視し易くなり、加飾表皮の立体感及び奥行感をさらに高めることができる。
第6の発明によれば、第1表皮材の表面は光沢を有していることで、第1表皮材に映るステッチ糸の影が際立って目視し易くなるので、加飾表皮の立体感及び奥行感をさらに高めることができる。
第7の発明によれば、第2及び第3表皮材の各端面と第1表皮材の表面とで形成される凹所の深さを確保することができると共に、折り返し部を形成する場合には折り返し易くなる。さらに、第1表皮材が、第2表皮材及び第3表皮材に引っ張られて浮いてしまうことで、第1表皮材とステッチ糸との間に形成される空間が狭くなることを防止することができる。
第8の発明によれば、加飾パネルの意匠性を向上させることができる。
本発明の実施形態1に係る車両用内装品としての加飾パネルが取り付けられた自動車のインストルメントパネルの略左半分を示す正面図である。 加飾パネルの斜視図である。 図2のIII−III線断面図である。 加飾表皮の斜視図である。 第1表皮材と第2表皮材とを地縫いにより縫合した状態を示す工程図である。 第2表皮材に折り返し部を形成した状態を示す工程図である。 第1表皮材と第3表皮材とを地縫いにより縫合した状態を示す工程図である。 第3表皮材に折り返し部を形成した状態を示す工程図である。 第2及び第3表皮材にラインステッチを施した状態を示す工程図である。 加飾表皮の拡大断面図である。 実施形態2を示す図10相当図である。 実施形態3を示す図10相当図である。 実施形態4を示す図10相当図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものでは全くない。
(実施形態1)
図1は自動車用のインストルメントパネル1の助手席側である略左半分を示す。このインストルメントパネル1の助手席側には、図1に示すように、車幅方向に帯状に延びるパネル装着部3が形成されている。このパネル装着部3には、本発明の実施形態1に係る車両用内装品としての加飾パネル5が装着されて、自動車の内装に意匠的なアクセントを付与している。
図2及び図3に示すように、加飾パネル5は、前記パネル装着部3の形状に対応する横長板状のパネルである。この加飾パネル5は、加飾パネル5の表面層を構成する加飾表皮7と、加飾パネル5の裏面層を構成する基材としての樹脂製基材パネル9とが略平行に配置されて重ねられており、これら加飾表皮7と基材パネル9との間には発泡ウレタン等からなるクッション材11が基材パネル9と接着または粘着により一体化された状態に設けられている。
前記加飾表皮7は、例えば本革、合皮、ファブリックからなる複数の表皮材が縫合されたものである。表皮材を合皮とする場合は、例えばPVC(ポリ塩化ビニル)、TPO(サーモプラスチックオレフィン)、TPU(サーモプラスチックウレタン)等の樹脂材でスラッシュ成形されたものが挙げられる。
前記基材パネル9は、例えばPP(ポリプロピレン)、ABS(アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン)等の樹脂材で射出成形された一体物の成形品である。
前記クッション材11を構成する発泡ウレタンは、シート状に成形したものを基材パネル9の表面側形状に対応して切り出したものである。
基材パネル9は、中間部が車両後方に向けて凹んだ細長い皿形状に形成されている。具体的には、基材パネル9は、加飾パネル5の意匠面の基体部分を構成する車幅方向に延びる横長平板状の主体部13と、この主体部13の周縁部から車両前方に向かうように傾斜して突出したテーパー部15とが一体に形成されたものである。また、主体部13の車両後側に位置する表面において、その上下方向中間部には、後述する第1表皮材17の厚みと同じ深さの基材凹部19が長さ方向(車幅方向)の全体に亘って設けられており、該基材凹部19に第1表皮材17が略面一に嵌め入れられるようになっている。一方、主体部13の裏面(車両前側に位置する面)には、車両前方に向かって突出する複数のクリップ取付台座21が一体に形成され、その先端にはクリップ23が設けられており、このクリップ23をインストルメントパネル1のパネル装着部3に形成された図示しないパネル装着孔に挿入することにより、加飾パネル5をインストルメントパネル1に固定するようになっている。
加飾表皮7は、基材パネル9の主体部13及びテーパー部15の表面よりも大きい面積を有する細長いシート状のもので、基材パネル9の主体部13及びテーパー部15と平行に延びている。
加飾表皮7は、第1表皮材17と、この第1表皮材17の表面に重ねられて配置された第2表皮材25及び第3表皮材27とを備えている。加飾表皮7を構成する第1表皮材17は、前記基材パネル9の基材凹部19に対応する長方形状に形成されており、厚みは0.8mm以上1.2mm以下であることが好ましい。また、表面の明度はPCCS(日本色研配色体系:Practical Color Co‐ordinate System)の表色系で7.5以上9.5以下で光沢を有する例えばシルバー系の色に着色されている。なお、第1表皮材17の表面の明度はPCCSの表色系で7.5未満であってもよいが、その場合、第1表皮材17の表面に映る影39(詳しくは後述する)が目視し難くなってしまうので、明度を7.5以上とするのが好ましい。
第2表皮材25及び第3表皮材27は、第1表皮材17と車幅方向の長さが一致した長方形状に形成されており、厚みは0.8mm以上1.2mm以下であることが好ましい。
図4及び図10に示すように、加飾表皮7において、第1表皮材17の表面に第2表皮材25及び第3表皮材27が重ねられた状態に配置され、これら両表皮材25,27の各端部は、第1表皮材17の長さ方向(車幅方向)に平行に延びかつ互いに一定の間隔を空けて対向するように配置されており、第2表皮材25及び第3表皮材27の対向している各端部には各表皮材25,27の端縁部を裏側に折り返した折り返し部29,29が形成されている。そして、第2表皮材25及び第3表皮材27の対向している各端部と第1表皮材17の表面とで囲まれる部分に溝状の凹所31が形成されている。また、各折り返し部29,29は、その凹所31側の端部で地縫い糸33により第1表皮材17と縫合されていると共に、第2表皮材25及び第3表皮材27の対向している各端部は、折り返し部29と共にラインステッチ糸35で車幅方向に第1表皮材17に対して縫合されており、このことで、第2表皮材25及び第3表皮材27の表面にラインステッチが形成されている。また、第2表皮材25及び第3表皮材27の各端部間には、その一方の表面から凹所31の開口位置を通って他方の表面に至るように平面視でX状に交差するクロスステッチ糸37が架け渡され、このクロスステッチ糸37と凹所31内の第1表皮材17の表面との間に囲まれる部分に空間Sが形成されている。また、第1表皮材17の表面に光沢があることで、該表面には、クロスステッチ糸37の影39が映っている。言い換えると、同表面にクロスステッチ糸37が目視可能に投影されている。
加飾表皮7は基材パネル9にその表面を覆った状態で一体化されている。具体的には、図3に示すように、基材凹部19に加飾表皮7の第1表皮材17が埋め込まれ、その第1表皮材17の表面と基材パネル9の表面とは面一になっている。クッション材11は、基材凹部19を除いた部分の基材パネル9表面に配置されている。クッション材11の厚さは、第2表皮材25及び第3表皮材27と同じ厚さであるため、両表皮材25,27の各折り返し部29,29の端縁部が各クッション材11の端部と突き合わされ、その状態で各折り返し部29の合わせ面と各クッション材11,11の表面とは面一になっている。第2表皮材25及び第3表皮材27は基材パネル9の表面を覆い、各折り返し部29と反対側の端部は、基材パネル9のテーパー部15の裏側に折り曲げられて、該裏面において、例えば接着により固定されている。
以下に、上記構成の加飾表皮7を製造する手順を図5〜図10により説明する。
まず、図5に示すように、第1表皮材17と第2表皮材25とを第1表皮材17の一方の端縁部及び第2表皮材25の端縁部が一致するように重ね合わせ、その状態で端縁部に沿った方向にミシン等で地縫いをして第1表皮材17と第2表皮材25とを地縫い糸33で縫合する。その後、図6に示すように、第2表皮材25を地縫いされた箇所を基準にして折り返すことで、第2表皮材25に折り返し部29を形成する。
次に、図7に示すように、第1表皮材17の他方の端縁部と第3表皮材27の端縁部とを一致させてそれらを重ね合わせ、第2表皮材25の場合と同様にミシン等で地縫いをして第1表皮材17と第3表皮材27とを縫合する。その後、図8に示すように、第3表皮材27を地縫いされた箇所を基準にして折り返すことで、第3表皮材27に折り返し部29を形成する。
このとき、第2表皮材25及び第3表皮材27の地縫い糸33が第1表皮材17への仮止めとなり、その部分を基準に折り返すことで、容易に折り返し部29を形成することができる。
次に、図9に示すように、第2表皮材25及び第3表皮材27の表面にラインステッチ糸35が表れるように、それぞれの端部を折り返し部29の上から第1表皮材17にミシン等で縫合してラインステッチを形成する。
その後、図10に示すように、第2表皮材25及び第3表皮材27の各端部間に2本のクロスステッチ糸37,37を千鳥状に各ラインステッチ糸35,35に係合するように掛け渡して、両表皮材25,27の端部間の部分でX状に交差するようにクロスステッチを形成する。このようにして加飾表皮7が形成される。
そして、クッション材11が貼付された基材パネル9の表面に加飾表皮7を配置し、基材凹部19に加飾表皮7の第1表皮材17を嵌め込み、加飾表皮7の周縁部を基材パネル9のテーパー部15裏側に折り曲げて、該裏面に接着する等して加飾表皮7と基材パネル9とを一体化することで、本実施形態の加飾パネル5が形成される。
したがって、本実施形態によれば、加飾表皮7において、第1表皮材17の表面に第2表皮材25及び第3表皮材27の端部が互いに間隔を空けて対向するように重ねられ、両表皮材25,27の端部間に架け渡されたクロスステッチ糸37と第1表皮材17との間に空間Sが形成され、それらは接触してないので、加飾表皮7に立体感及び奥行感が生じ、よって加飾パネル5の意匠性が向上する。
さらに、第2表皮材25と第3表皮材27とに折り返し部29,29が設けられ、それらの間に前記間隔が空けられていることにより、前記空間Sとなる凹所31を第2表皮材25及び第3表皮材27自体の厚さより深く確保できることとなり、特別な部材を使用せず、容易にクロスステッチ糸37と第1表皮材17との間に十分な空間Sを形成して意匠性を向上させることができる。
また、第2表皮材25及び第3表皮材27の各端部の表面にクロスステッチ糸37が設けられているので、クロスステッチ糸37の第1表皮材17表面からの高さ位置が高くなり、凹所31全体をクロスステッチ糸37と第1表皮材17との間の空間Sとして利用することができ、第2表皮材25及び第3表皮材27の表面にステッチ糸を設けるという簡単な構成で、クロスステッチ糸37と第1表皮材17との間の空間Sをさらに広くすることができる。
また、第1表皮材17の表面の明度がPCCSの表色系で7.5以上9.5以下であれば第1表皮材17に投影されたクロスステッチ糸37の影39が目視し易くなり、第1表皮材17の表面が光沢を有していれば、影39が他の部分から際立つことで目視し易くなる。本実施形態の第1表皮材17の表面は、明度の高さ及び光沢の両方の相乗効果により、影39がさらに目視し易くなり、加飾パネル5の立体感及び奥行感を高めることができる。
ところで、第1表皮材17の厚みが薄すぎると、第1表皮材17にコシがなくなり、第2表皮材25及び第3表皮材27に引っ張られて基材パネル9から浮いてしまう虞がある。このことにより、第1表皮材17とステッチ糸との間に形成される空間Sが狭くなるので立体感及び奥行感がなくなり、加飾パネル5の意匠性が低下してしまう虞がある。また逆に、厚みが厚すぎると、基材パネル9の基材凹部19の深さを第1表皮材17の厚さに合わせて深くしなければならないので、基材パネル9の材料が増えてコストが上がってしまう。本実施形態のように、第1表皮材17の厚みが0.8mm以上1.2mm以下であれば、これらの問題が生じることはない。
また、第2表皮材25及び第3表皮材27の厚みが薄すぎると、凹所31の深さが十分に確保できないので、クロスステッチ糸37と第1表皮材17の表面との空間Sが狭くなり、立体感及び奥行感がなくなってしまう。逆に、厚みが厚すぎると、折り返し部29を形成する際に第2表皮材25及び第3表皮材27を折り畳み難くなり、折り返し部29を狙った寸法に形成することができない。特に第2表皮材25及び第3表皮材27を本革としたときにこの問題は顕著である。本実施形態のように、第2表皮材25及び第3表皮材27の厚みが0.8mm以上1.2mm以下とすれば、これらの問題は解決することができる。
(実施形態2)
図11は、本発明の実施形態2を示し、加飾表皮7を形成する表皮材を変更したものである。なお、以下の各実施形態の説明では、図1〜図10と同じ部分については同じ符号を付してその詳細な説明は省略し、前記実施形態1と異なる点を説明する。
本実施形態では、第2表皮材25及び第3表皮材27の厚みを例えば2.0mmとし、第1表皮材17に比べて厚く設定している。本実施形態の第2表皮材25及び第3表皮材27には折り返し部29は形成されず、それぞれの端部が断面円弧状に丸くなるように処理されている。
本実施形態の加飾表皮7を製造する工程では、地縫いは行われず、第2表皮材25及び第3表皮材27は、第1表皮材17に重ね合わされた状態でラインステッチ糸35により車幅方向に縫合される。その他の構成は実施形態1と同じである。
したがって、本実施形態によれば、第2表皮材25及び第3表皮材27が厚く形成されているので、折り返し部29を形成せずとも凹所31の深さを十分確保することができる。よって、実施形態1と同様に、クロスステッチ糸37と第1表皮材17との空間Sを広くすることができる。
(実施形態3)
図12は実施形態3を示し、クロスステッチ糸37の高さ位置を変更したものである。本実施形態のクロスステッチ糸37は、実施形態1や実施形態2のように第2表皮材25及び第3表皮材27の表面ではなく、それぞれの折り返し部29の合わせ面から端面を通って、対向する表皮材の当該箇所へ例えばベースボール縫いでX状のクロスステッチが形成されている。他の構成は実施形態1と同じである。
したがって、本実施形態によれば、第2表皮材25及び第3表皮材27の厚み分の寸法をクロスステッチ糸37と第1表皮材17との間の空間Sの高さとして確保することができる。
(実施形態4)
図13は実施形態4を示す。本実施形態では、実施形態1のように折り返し部29が形成されておらず、その代わりに、第2表皮材25及び第3表皮材27と第1表皮材17との間にスペーサ41,41が介在されている。スペーサ41としては、表皮材として使用される本革、合皮又はファブリックでもよいし、ラインステッチ糸35を縫合する際の縫い針が通ることができればスペーサ41の構成は特に限定されない。他の構成は実施形態1と同じである。
したがって、本実施形態によれば、第2表皮材25及び第3表皮材27と第1表皮材17との間にスペーサ41を設けることにより、そのスペーサ41の寸法を変更するだけで、第2表皮材25及び第3表皮材27の厚みに関係無く、クロスステッチ糸37と第1表皮材17との間の空間Sを任意の高さとすることができる。
(その他の実施形態)
前記実施形態では、第2表皮材25及び第3表皮材27の各端部間にクロスステッチ糸37を架け渡しているが、クロスしないようにステッチ糸を架け渡してもよい。
前記各実施形態では、車両用内装品として加飾パネル5を挙げているが、本発明はこれに限定されない。例えば、インストルメントパネルのグローブボックスリッド(蓋体)やドアトリム、リヤコンソールのボックスリッド等、表皮が設けられる車両用内装品に適用可能である。
前記各実施形態では、第2表皮材25及び第3表皮材27はそれぞれ別体の表皮材としているが、本発明はこれに限定されない。例えば1枚の表皮材の一端を第2表皮材25、他端を第3表皮材27としてもよい。その場合、加飾表皮7は例えば筒状に形成される。
前記各実施形態では、第1表皮材17の表面色をシルバー系としているが、本発明はこれに限定されない。例えば白色、黄色、アイボリー等の明度の高い色でもよいし、それらの明度の高い色に光沢を付与してもよい。また、第1表皮材の表面層として、金属箔や金属蒸着した樹脂シート等を用いてもよい。
前記各実施形態では、加飾パネル5にクッション材11を設ける場合、基材パネル9にクッション材11を貼付した後に、そのクッション材11が貼付された基材パネル9の表面を加飾表皮7で覆うようにしているが、本発明はこれに限定されない。例えば成形型に加飾表皮7と基材パネル9とをセットして、これらの間に発泡樹脂原料を注入し、その発泡樹脂原料を発泡硬化させることでクッション材11を設けるようにしてもよい。また、クッション材11を設けずに基材パネル9の表面を直接加飾表皮7で覆うようにしてもよい。
本発明では、例えば車両用内装品に用いられる立体感及び奥行感に優れた加飾表皮が得られて有用である。
5 加飾パネル
7 加飾表皮
17 第1表皮材
25 第2表皮材
27 第3表皮材
29 折り返し部
37 クロスステッチ糸(ステッチ糸)
39 影
S 空間

Claims (8)

  1. 第1表皮材(17)と、
    前記第1表皮材(17)の表面に、端部が互いに間隔を空けて対向するように重ねられて配置された第2表皮材(25)及び第3表皮材(27)と、
    前記第2表皮材(25)の端部と前記第3表皮材(27)の端部との間に、当該第2表皮材(25)及び第3表皮材(27)の各端部と前記第1表皮材(17)の表面とにより囲まれてなる凹所(31)を跨ぐように掛け渡されたステッチ糸(37)とを備え、
    前記凹所(31)内の前記第1表皮材の表面(17)と前記ステッチ糸(37)との間には空間(S)が形成されていることを特徴とする加飾表皮(7)。
  2. 請求項1に記載の加飾表皮(7)において、
    前記ステッチ糸(37)は、前記第2表皮材(25)及び第3表皮材(27)の各端部の表面に設けられていることを特徴とする加飾表皮(7)。
  3. 請求項1又は2に記載の加飾表皮(7)において、
    前記第2表皮材(25)及び第3表皮材(27)の各端部は、第1表皮材(17)の表面に接するように折り返された折り返し部(29)を有しており、該折り返し部(29,29)間に前記間隔が空けられていることを特徴とする加飾表皮(7)。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の加飾表皮(7)において、
    前記第1表皮材(17)の表面のうち、前記第2表皮材(25)及び第3表皮材(27)の端部間に位置する部分は、前記ステッチ糸(37)が目視可能に投影される状態にあることを特徴とする加飾表皮(7)。
  5. 請求項4に記載の加飾表皮(7)において、
    前記第1表皮材(17)の表面の明度は、PCCSの表色系で7.5以上9.5以下であることを特徴とする加飾表皮(7)。
  6. 請求項4又は5に記載の加飾表皮(7)において、
    前記第1表皮材(17)の表面は光沢を有していることを特徴とする加飾表皮(7)。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の加飾表皮(7)において、
    前記第1表皮材(17)、第2表皮材(25)及び第3表皮材(27)の各厚みは0.8mm以上1.2mm以下であることを特徴とする加飾表皮(7)。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の加飾表皮(7)と、
    前記加飾表皮(7)に表面が覆われた基材とを備えることを特徴とする車両用加飾パネル(5)。
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