JP6827369B2 - 窒化物結晶基板の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、窒化物結晶基板の製造方法に関する。
III族窒化物半導体は、発光デバイスや高速トランジスタ等の半導体デバイスに適した材料である。この半導体デバイスは、サファイア基板、炭化ケイ素(SiC)基板、ケイ素(Si)基板等の、III族窒化物半導体とは異なる材料からなる基板(異種基板)上に形成されてきた(例えば非特許文献1〜3参照)。これは、高温では窒素の解離圧が高いことから、窒素を含む融液を得ることが難しく、そのため、III族窒化物半導体と同種の材料で形成された基板を得ることが難しかったからである。
近年、ハイドライド気相成長(HVPE)法によるIII族窒化物結晶の成長技術、異種基板上に形成したIII族窒化物半導体を異種基板から剥離する技術等の進歩により、III族窒化物自立基板を容易に得ることができるようになってきた。例えば、III族窒化物自立基板として窒化ガリウム等の窒化物結晶からなる基板(以下、窒化物結晶基板)を得ることができるようになってきた。窒化物結晶基板には、ケイ素(Si)や酸素(O)等をドープしたn型導電性基板と、鉄(Fe)等の遷移金属をドープした半絶縁性基板と、があり、前者は主に発光素子や縦型のダイオード等の素子に使用され、後者は主にHEMTのような横型の素子に使用されている。これらの窒化物結晶基板は上述の発光デバイスや高速トランジスタ等にも用いることができ、これにより、発光デバイス、高速トランジスタともに、著しい特性向上がなされることが知られている(例えば非特許文献4、5参照)。窒化物結晶基板は、一般的にHVPE法により成長した窒化物結晶から作製されている。遷移金属をドープさせた窒化物結晶をHVPE法により成長させる技術も開示されている(例えば特許文献1、2参照)。
特開2005−306723号公報 特開2007−184379号公報 S. Nakamura, et. al., Jpn. J. Appl. Phys. Vol.30 L1998 (1991) Takuma Nanjo, et. al., Jpn. J. Appl. Phys. Vol.43 1925 (2004) S. Arulkumaran, et. al., Electrochemical and Solid-State Letters, Vol.13 H169 (2010) Micael J. Cich, et. al., Appl. Phys. Lett. Vol.101 223509 (2012) 第60回応用物理学会春季学術講演会予稿集29p-PA2-5、南條拓真等
しかしながら、HVPE法により遷移金属をドープさせた窒化物結晶を成長させる処理を連続して繰り返し行うと、複数のバッチ間で結晶成長速度が異なってしまう。すなわち、バッチを経る毎に結晶成長速度が徐々に低下してしまう。
本発明の目的は、HVPE法により遷移金属をドープさせた窒化物結晶を成長させる処理を連続して繰り返し行う場合であっても、複数のバッチ間で結晶成長速度を均一にすることが可能な技術を提供することにある。
本発明の一態様によれば、
基板処理装置が有する加熱部により成長室内の基板を第1温度に加熱し、前記基板に対して、原料ガスとしてのIII族元素を含有する塩化物ガス、反応ガスとしてのV族元素含有ガス、およびドーピングガスとしての遷移金属含有ガスを供給し、前記基板上に遷移金属がドープされたIII族窒化物結晶を成長させる工程と、
前記基板の温度を前記第1温度から前記成長室外へ前記基板を搬出可能な第2温度まで降温させる際、前記成長室内へ塩素元素含有ガスを供給し、前記成長室内に付着した遷移金属を含む堆積物を除去する工程と、を有する窒化物結晶基板の製造方法が提供される。
本発明によれば、HVPE法により遷移金属をドープさせた窒化物結晶を成長させる処理を連続して繰り返し行う場合であっても、複数のバッチ間で結晶成長速度を均一にすることが可能となる。
結晶を成長させる際に用いられる気相成長装置の概略図である。 成長処理における温度制御の一例を示すフロー図である。 成長処理における温度制御の変形例を示すフロー図である。 (a)は、実施例にかかる成長処理のバッチ毎の結晶成長速度の測定結果を示す図であり、(b)は、比較例にかかる成長処理のバッチ毎の結晶成長速度の測定結果を示す図である。 (a)は、成長室内の部材に付着した遷移金属の堆積物の写真であり、(b)は、成長室の内壁に付着した遷移金属の堆積物の写真である。 成長室内の遷移金属の堆積物のXRD分析結果を示す図である。
<本発明の一実施形態>
以下、本発明の一実施形態について図面を参照しながら説明する。
(1)窒化物結晶基板の製造方法
本実施形態では、後述の各ステップを実施することで、窒化物結晶基板として、遷移金属をドープした窒化ガリウム(GaN)の結晶からなる結晶基板(GaN基板)をHVPE法により形成する例について説明する。
まず、後述の研磨ステップ以外の各ステップの実施に用いられる基板処理装置について説明する。本実施形態では、基板処理装置として、図1に示すHVPE装置200が用いられる。
HVPE装置200は、石英等の耐熱性材料により形成され、成長室201が内部に構成された気密容器203を備えている。成長室201内には、後述の基板10を保持する基板保持部材としてのサセプタ208が設けられている。サセプタ208は、回転機構216が有する回転軸215に接続されており、回転自在に構成されている。
気密容器203の一端には、ガス生成器233a内へ塩化水素(HCl)ガス、水素(H)ガス、窒素(N)ガスを供給するガス供給管232aが接続されている。ガス供給管232aには、上流側から順に、流量制御器241a、バルブ243aが設けられている。ガス供給管232aの下流には、原料としてのIII族金属であるガリウム(Ga)の融液を収容するガス生成器233aが設けられている。ガス生成器233aには、HClガスとGa融液との反応により生成された原料ガス(原料のハロゲン化物)であるIII族元素(Ga)を含有する塩化物ガス、すなわち塩化ガリウム(GaCl)ガスを、サセプタ208上に保持された基板10に向けて供給するノズル249aが接続されている。
また、気密容器203の一端には、成長室201内へ各種ガスを供給するガス供給管232b,232cが接続されている。ガス供給管232b,232cには、上流側から順に、流量制御器241b,241c、バルブ243b,243cがそれぞれ設けられている。ガス供給管232b,232cの下流側には、これらのガス供給管から供給された各種ガスをサセプタ208上に保持された基板10に向けて供給するノズル249b,249cがそれぞれ接続されている。
ガス供給管232bからは、反応ガス(窒化剤)としてのV族元素含有ガスが成長室201内へ供給される。V族元素含有ガスとしては、例えばアンモニア(NH)ガスを用いることができる。また、ガス供給管232bからは、塩素(Cl)元素含有ガスとしてのHClガス、Hガス、Nガスが成長室201内へ供給される。
ガス供給管232cからは、ドーピングガスとしての遷移金属含有ガスが成長室201内へ供給される。遷移金属含有ガスとしては、遷移金属としての鉄(Fe)を含むガス(以下、Fe含有ガスとも称する)、例えば塩化鉄(FeCl)ガスを用いることができる。本実施形態では、FeClガスは、原料としてのワイヤ状やペレット状等のFeを収容するガス生成器内にHClガスを供給し、HClガスとFeとの反応により生成しているが、これに限定されず、他の手法で生成したFeClガスを用いてもよい。また、Fe含有ガスとして、ビスシクロペンタジエニル鉄((CFe)ガス、ビスメチルシクロペンタジエニル鉄((CHFe)ガス等を用いてもよい。また、ガス供給管232cからは、Hガス、Nガスが成長室201内へ供給される。
ガス供給管232cのバルブ243cよりも下流側には、Cl元素含有ガスとしてのHClガスを供給するガス供給管232dが接続されている。ガス供給管232dには、上流側から順に、流量制御器241d、バルブ243dが設けられている。また、ガス供給管232dからは、Hガス、Nガスが成長室201内へ供給される。ガス供給管232dから供給された各種ガスは、ガス供給管243c、ノズル249cを介して成長室201内へ供給される。
ガス供給管232aから供給されるHClガスは、GaClガスを生成するガスとして作用し、ガス供給管232b,232dから供給されるHClガスは、後述の遷移金属の堆積物除去ステップにおいて、後述のFe堆積物を除去するガスとして作用する。
気密容器203の他端には、成長室201内を排気する排気管230が設けられている。排気管230にはポンプ231が設けられている。気密容器203の外周にはガス生成器233a内やサセプタ208上に保持された基板10を所定の温度に加熱する加熱部としてのゾーンヒータ207が、気密容器203内には成長室201内の温度を測定する温度センサ209が、それぞれ設けられている。HVPE装置200が備える各部材は、コンピュータとして構成されたコントローラ280に接続されており、コントローラ280上で実行されるプログラムによって、後述する処理手順や処理条件が制御されるように構成されている。
本実施形態では、上述のHVPE装置200を用い、例えば以下の処理手順で実施することができる。以下では、GaN基板の製造工程の一例について、図2を用いて説明する。
図2に示す成長シーケンスでは、少なくとも、
HVPE装置200が有するゾーンヒータ207により成長室201内の基板10を第1温度に加熱し、基板10に対して、GaClガス、NHガスおよびFeClガスを供給し、基板10上に遷移金属であるFeがドープされたIII族窒化物結晶(GaN結晶)を成長させるステップ(結晶成長ステップ)と、
基板10の温度を第1温度から成長室201外へ基板10を搬出可能な第2温度まで降温させる際、成長室201内へHClガスを供給し、成長室201内に付着した遷移金属を含む堆積物(Fe堆積物)を除去するステップ(遷移金属の堆積物除去ステップ)と、を実施する。本実施形態では、結晶成長ステップおよび遷移金属の堆積物除去ステップ以外の他のステップも実施する。
(基板搬入ステップ)
まず、ガス生成器233a内に原料としてのGa融液を収容し、また、基板10を、気密容器203内へ投入(搬入)し、サセプタ208上に保持する。
基板10としては、GaN結晶からなる円形の基板を用意する。基板10は、例えばVAS(Void−Assisted Separation)法等により作製することができる。GaN結晶は、気相成長法や液相成長法を問わず、公知の手法を用いて成長させることができる。現在の技術水準では、直径2インチ程度のものであれば、その主面(結晶成長の下地面)内におけるオフ角のばらつき、すなわち、オフ角の最大値と最小値との差が、例えば0.3°以内と比較的小さく、また、欠陥密度や不純物濃度の少ない良質な基板を、比較的安価に得ることができる。ここでオフ角とは、基板10の主面の法線方向と、基板10を構成するGaN結晶の主軸方向(主面に最も近い低指数面の法線方向)と、のなす角をいう。
本実施形態では、一例として、直径が2インチ程度であって、厚さが0.2〜1.0mmである基板を、基板10として用いる場合について説明する。また、本実施形態では、基板10の主面すなわち結晶成長面が、GaN結晶のc面に対して平行であるか、或いは、この面に対して±5°以内、好ましくは±1°以内の傾斜を有するような基板を、基板10として用いる場合について説明する。なお、本明細書で用いる「c面」という用語は、GaN結晶の+c面、すなわち、(0001)面に対して完全に平行な面だけでなく、この面に対してある程度の傾斜を有する面を含み得る。
(昇温ステップ)
そして、ヒータ207による成長室201内の加熱およびポンプ231による成長室201内の排気を実施しながら、ガス供給管232a〜232dの少なくともいずれかから成長室201内へNガスを供給する。
(結晶成長ステップ)
成長室201内が所定の温度となり基板10が所定の成長温度(第1温度)に到達するとともに、成長室201内が所定の成長圧力に到達したら、成長室201内の雰囲気を所定の雰囲気に維持した状態で、ガス供給管232a〜232cからガス供給を行い、基板10の主面(表面)に対し、成長ガスとしてGaClガスとNHガスとFeClガスとを供給する。これにより、基板10の表面上に、GaN結晶がエピタキシャル成長し、FeがドープされたGaN結晶が成長する。
このとき、ガス供給管232dから、Hガス、或いは、HガスとNガスとの混合ガスを供給してもよい。Hガス、或いは、HガスとNガスとの混合ガスは、ガス供給管232a〜232cから、HClガス、NHガス、FeClガスと一緒に流してもよい。すなわち、Hガス、或いは、HガスとNガスとの混合ガスは、ガス供給管232a〜232dの少なくともいずれかから供給すればよい。
成長処理の過程での基板10を構成する結晶の分解を防止するため、NHガスを、ガス供給管232aからガス生成器233a内へのHClガスの供給よりも先行して(例えば上述の昇温ステップにおける成長室201内の加熱前から)供給するのが好ましい。また、GaN結晶の面内厚さ均一性を高めるため、本ステップは、サセプタ208を回転させた状態で実施するのが好ましい。
結晶成長ステップの処理条件としては、以下が例示される。以下の処理条件は、Feを収容するガス生成器内にHClガスを供給し、HClガスとFeとの反応により、FeClガスを生成する場合における処理条件を例示している。
成長温度(第1温度):980〜1100℃、好ましくは1024〜1100℃、より好ましくは1065℃
処理圧力(成長室201内の圧力):90〜105kPa、好ましくは90〜95kPa
GaClガスの分圧:1〜15kPa、好ましくは6〜10kPa
NHガスの分圧:9〜20kPa、好ましくは13〜20kPa
ガスの分圧:10〜100kPa、好ましくは35〜50kPa
ガスの分圧:0〜30kPa、好ましくは20〜25Pa
Feを収容するガス生成器内に供給するHClガスの分圧:0.01〜0.05kPa、好ましくは0.02〜0.03kPa
(降温ステップ)
結晶成長ステップが完了したら、ヒータ207による加熱温度を調整し、基板10の温度を、上述の第1温度から基板10を成長室201外へ搬出可能な温度(第2温度)まで降温させる。降温ステップでは、以下のステップ1〜3を順次実施する。
[ステップ1]
このステップでは、ヒータ207による加熱温度を調整して、成長室201内の温度を所定の温度にし、基板10の温度を第1温度から第1温度と第2温度との間の所定の温度(第3温度)まで降温させる。本ステップでは、成長室201内を排気した状態で、ガス供給管232bから成長室201内へNHガスを供給し、ガス供給管232a〜232dの少なくともいずれかからNガスを供給し、ガス生成器233a内へのHClガスの供給、成長室201内へのFeClガス、Hガスの供給を停止する。成長室201内へNHガスを供給することで、降温過程において基板10上に成長したGaN結晶を構成する結晶の分解を防止することができる。
[ステップ2]
上述の結晶成長ステップを行うと、成長室201内の部材の表面(例えば気密容器203の内壁、ノズル249a〜249cのガス噴出口、内壁および表面等)に、GaN結晶や反応副生成物を含む堆積物が付着する。上述の結晶成長ステップにおいて、第1温度下の成長室201内に供給されたFeClガスは、ノズル249c内や成長室201内で加熱され、熱分解しやすい状態となる。第1温度が1024℃以上であると、FeClガスの一部は確実に熱分解した状態となる。このため、成長室201内の部材の表面には、上述のGaN結晶や反応副生成物を含む堆積物の他、主にFeからなる堆積物(以下、Fe堆積物とも称する)も付着する。
堆積物の表面に存在するFeは、次バッチ以降の結晶成長ステップにおいて、第1温度のような高温環境下に曝されると触媒として作用し、成長室201内に供給したNHガスを例えば窒素(N)元素と水素(H)元素とに分解することがある。NHガスが基板10から離れた場所で分解してしまうとGaN結晶の成長に寄与しない。このため、成長室201内にFe堆積物が付着したままの状態で次バッチ以降の結晶成長ステップを行うと、堆積物表面のFeの触媒作用により、成長室201内におけるNHガスの過飽和度が大幅に低下し、GaN結晶の結晶成長速度が低下することがある。また、H元素は、上述の第1温度のような高温下で、成長したGaN結晶のエッチング反応を進行させてしまうことがある。次バッチ以降の結晶成長ステップにおいて、NHガスの分解により生じたH元素、すなわちガス供給管232a〜232dの少なくともいずれかから供給されるHガス以外に起因するH元素が成長室201内に存在すると、このH元素によってもGaN結晶の結晶成長速度が低下することがある。
このように、成長室201内にFe堆積物が付着したままの状態で次バッチ以降の結晶成長ステップを行うと、堆積物表面のFe(遷移金属)の触媒作用によりNHガスの無用な分解反応が生じ、その結果、次バッチ以降のGaN結晶の結晶成長速度が徐々に(バッチ毎に)低下してしまうという問題がある。このことは、発明者等の鋭意研究により初めて明らかになった新規課題である。また、この問題は、Fe等の遷移金属をドープさせた窒化物結晶を成長させる場合に生じる特有の問題であり、SiやO等の遷移金属以外の元素をドープさせた窒化物結晶を成長させる場合には生じない問題である。そして、発明者等は、この問題を解決するためには、GaN結晶の堆積物を残したまま(除去することなく)、成長室201内の遷移金属だけを除去すれば良い、すなわち、従来のクリーニングのようなGaN結晶の堆積物除去を行う必要はないことを見出した。
そこで、本ステップでは、成長室201内へHClガスを供給することで、下記の(1)式に示す反応を生じさせ、成長室201内の部材の表面に付着したFe堆積物を除去する(遷移金属の堆積物除去ステップ)。
Fe+2HCl→FeCl+H・・・(1)
ここで重要なのは、本ステップでの除去対象物が、従来のクリーニングのようなGaN結晶の堆積物ではなく、Fe堆積物、すなわち遷移金属を含む堆積物であるという点である。Fe堆積物(遷移金属を含む堆積物)の除去は、従来のGaN結晶の堆積物を除去するクリーニングよりも低い温度で行うことができる。また、Fe堆積物の除去を低温で行うことで、処理済の基板10が成長室201内に存在する状態で行っても、基板10上に成長したGaN結晶に大きなダメージを与えることがない。これらの結果、GaN結晶が成長した処理済の基板10を成長室201内に置いたまま、すなわち処理済の基板10を成長室201外へ搬出する前の結晶成長後の降温処理(冷却プロセス)中に、遷移金属の堆積物除去ステップを行うことができる。
具体的には、成長室201内が所定の温度となり、基板10の温度が第3温度になったら、成長室201内へのNHガスの供給を停止し、成長室201内を排気した状態で、ガス供給管232b,232dからノズル249b,249cを介して成長室201内へHClガスを供給する。そして、成長室201内へHClガスを供給しつつ、ゾーンヒータ207により成長室201内の温度を制御し、基板10の温度を第3温度に所定時間維持する。本ステップでは、ガス生成器233a、ガス供給管232c等へのHClガスの侵入防止のため、ガス供給管232a,232cから成長室201内へNガスを供給することが好ましい。また、ガス供給管232b,232dからHClガスと一緒にNガスを供給してもよい。なお、本ステップでは、ガス供給管232a〜232dのいずれからもHガスの供給を行わない。
遷移金属の堆積物除去ステップの処理条件としては、以下が例示される。以下の処理条件は、成長室201内にHClガスとNガスとのみを供給する場合、すなわちHClガスの分圧とNガスの分圧との合計が雰囲気中の総圧となる場合の条件である。
処理温度(第3温度):300℃以上600℃未満、好ましくは450〜550℃
処理圧力(成長室201内の圧力):90〜105kPa、好ましくは90〜95kPa
HClガスの分圧:0.02〜0.2kPa
処理時間:60〜120分、好ましくは80〜100分
上述の条件下で、成長室201内にHClガスを供給することにより、成長室201内に付着したFe堆積物が除去される。また、ガス供給管232b,232dからHClガスをそれぞれ供給することで、ノズル249b,249cのそれぞれのガス噴出口に付着したFe堆積物も除去することが可能となる。
上述の第3温度が300℃未満であると、上記(1)式に示すHClガスによるFe堆積物のエッチング反応が進行せず、HClガスによるFe堆積物除去効果が得られないことがある。第3温度を300℃以上とすることで、HClガスによるFe堆積物除去効果を得ることができ、450℃以上とすることで、Fe堆積物除去効果を確実に得ることができる。第3温度が600℃以上となると、HClガスによるFe堆積物のエッチング反応が過剰となり、成長室201内の部材がダメージを受けることがある。また、成長室201内には処理済みの基板10が存在していることから、基板10上に成長させたGaN結晶が受けるダメージも大きくなり、後述の研磨ステップを行っても、GaN結晶へのダメージを除去できないことがある。第3温度を600℃未満とすることで、HClガスによるFe堆積物のエッチング反応を適正に抑制し、成長室201内の部材のダメージや基板10上に成長させたGaN結晶のダメージを回避することが可能となる。
また、上述の条件下で、成長室201内にHClガスを供給し、この状態を所定の時間(例えば60〜120分の範囲内の時間)維持することにより、HClガスによってFe堆積物を充分に除去することが可能となる。
本ステップにおいて、処理時間が60分未満であると、HClガスによるFe堆積物除去が不充分であることがある。処理時間を60分以上とすることで、この問題を解決することが可能となる。処理時間が120分を超えると、HClガスにより成長室201内の部材がダメージを受けたり、基板10上に成長させたGaN結晶が受けるダメージが大きくなったりすることがある。処理時間を120分以下とすることで、これらの問題を解決することが可能となる。
本ステップでは、HClガス、Nガス以外のガスの供給を行わない。すなわち、本ステップでは、Hガスの供給を行わない。これにより、上記(1)式の反応が阻害されず、HClガスによるFe堆積物除去を効率よく実施できる。
[ステップ3]
遷移金属の堆積物除去ステップが完了したら、ヒータ207による加熱、成長室201内へのHClガスの供給をそれぞれ停止し、成長室201内の雰囲気をNガスへ置換して大気圧に復帰させるとともに、基板10の温度を、第3温度から上述の第2温度(例えば100℃程度)にまで降温させる。
(基板搬出ステップ)
基板10の温度が第2温度になったら、成長室201外(気密容器203外)へ基板10を搬出する。
(研磨ステップ)
その後、基板10上に成長したGaN結晶をスライスすることにより、1枚以上の窒化物半導体基板(GaN基板)を得ることができる。その後、切り出したGaN基板の表面を研磨する(研磨ステップ)。これにより、遷移金属の堆積物除去ステップにおいて、基板10上に成長させたGaN結晶のうちHClガスによりエッチングされた部分、すなわちHClガスによりダメージを受けたGaN結晶は取り除かれる。
(2)本実施形態により得られる効果
本実施形態によれば、以下に示す1つまたは複数の効果が得られる。
(a)成長室201内に付着した遷移金属(Fe)を含む堆積物(Fe堆積物)を除去することで、上述のFeの触媒作用によるNHガスの分解を抑制でき、次バッチ以降の結晶成長ステップにおけるGaN結晶の結晶成長速度の低下を抑制できる。これにより、FeがドープされたGaN結晶をHVPE法により成長させるステップ(結晶成長ステップ)を、後述のクリーニングステップを挟むことなく連続して繰り返し行っても、複数のバッチ間で結晶成長速度を均一にすることができる。
(b)遷移金属の堆積物除去ステップでは、Fe堆積物のみを除去し、GaN結晶の堆積物は除去せず成長室201内に残したままとすることから、遷移金属の堆積物除去ステップを低温の条件下で行うことが可能となる。また、遷移金属の堆積物除去ステップを、結晶成長ステップ終了後であって基板搬出ステップ実施前の降温ステップ中に、すなわち成長室201内に処理済みの基板10が存在する状態で行うことが可能となる。これらの結果、後述のクリーニングステップを行う場合よりも、GaN基板のスループットを向上させることが可能となる。
本実施形態の手法に対し、従来では、結晶成長ステップが終了し、成長室内の基板の温度を所定温度に降温させて成長室外へ基板を搬出した後、成長室内に付着したGaN結晶の堆積物を除去するクリーニングステップを行っている。従来のクリーニングステップでは、成長室内に基板がない状態で、成長室内の温度を所定の温度に昇温させる処理と、成長室内にHClガスを供給して成長室内に付着したGaN結晶の堆積物を除去する処理と、成長室内を所定の温度まで降温させる処理と、が行われる。成長室内の昇降温は長時間を要することから、このようなクリーニングステップを行うと、GaN基板のスループットが低下してしまう。また、このクリーニングステップは、一バッチのGaN結晶の成長処理が終了する度に行われることから、従来では、次バッチ以降のGaN結晶の成長処理を連続して行うことができず、GaN基板のスループットがさらに低下してしまう。
(c)複数のバッチ間で結晶成長速度を均一にすることで、成長室201内へのNHガスの供給量や処理時間等の処理条件をバッチ毎に変更する必要がなくなる。
(d)遷移金属の堆積物除去ステップにおいて、ガス供給管232b,232dからHClガスをそれぞれ供給し、ノズル249b,249cのそれぞれのガス噴出口に付着したFe堆積物を除去することで、Fe堆積物によりガス噴出口の開口面積がバッチ毎に変化する(小さくなる)ことを防止できる。すなわち、結晶成長ステップにおいて、NHガス、FeClガスの供給レートが、バッチ毎に変化することを抑制できる。その結果、結晶成長ステップの処理条件を変更することなく、複数のバッチ間で結晶成長速度をより均一にすることが可能となる。
(e)遷移金属の堆積物除去ステップにおいて、ガス供給管232bからHClガスを供給することで、成長室201内におけるNHガスの流路からFe堆積物を確実に除去することができる。その結果、次バッチ以降の結晶成長ステップにおいて堆積物表面のFeによるNHガスの分解を確実に抑制することが可能となる。
(f)遷移金属の堆積物除去ステップにおいて、基板10の温度を第3温度に所定時間(60〜120分)維持することで、HClガスによるFe堆積物除去を充分に行うことができる。
(g)遷移金属の堆積物除去ステップにおいて、結晶成長ステップでGaN結晶の成長に使用するガスであるHClガスを用いることから、HVPE装置200の構成の複雑化を抑制でき、メンテナンスコストの増加等を抑制することが可能となる。
(3)変形例
本実施形態は、以下の変形例のように変更することができる。また、これらの変形例は任意に組み合わせることができる。
(変形例1)
図2に示すように、遷移金属の堆積物除去ステップでは、基板の温度を第3温度に降温させて一定に維持する場合に限らず、図3に示すように、基板の温度を上述の第3温度の範囲内(300℃以上600℃未満)で変動させてもよい。すなわち、第3温度は、所定の幅を有する温度帯として考えることができる。なお、第3温度を変動させる場合、降温レートを一定としてもよく、変化させてもよい。本変形例においても、上述の実施形態と同様の効果を得ることができる。また、本変形例によれば、HClガスによるFe堆積物のエッチング反応を適正に制御することが可能となり、結果として、HClガスにより成長室201内の部材がダメージを受けたり、基板10上に成長させたGaN結晶が受けるダメージが大きくなったりすることを、確実に回避することが可能となる。
(変形例2)
遷移金属の堆積物除去ステップにおいて、ガス供給管232b,232dの両方からHClガスを供給する場合に限定されず、ガス供給管232b,232dの少なくともいずれかからHClガスを供給すればよい。
(変形例3)
HVPE装置200が備えるノズルは、ノズル249a〜249cが一体に形成された多層ノズル((マルチ)チャネルノズル)であってもよい。本変形例によっても、上述の実施形態と同様の効果を得ることができる。
(変形例4)
遷移金属の堆積物除去ステップにおいて、Fe堆積物を除去するガスとしてHClガスを用いる場合を例に説明したが、これに限定されない。Fe堆積物を除去するガスとして、塩素(Cl)ガスや、Cl元素以外のハロゲン元素(フッ素(F)元素、ヨウ素(I)元素、臭素(Br)元素)を含むハロゲンガス、ハロゲン化ガス等を用いてもよい。
<他の実施形態>
以上、本発明の実施形態を具体的に説明した。しかしながら、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。
上述の実施形態では、遷移金属としてFeをドープする場合を例に説明したが、これに限定されない。遷移金属として、ルテニウム(Ru)、タングステン(W)、チタン(Ti)、バナジウム(V)、クロム(Cr)、マンガン(Mn)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、或いは銅(Cu)等を用いてもよい。このような場合であっても、上述の実施形態と同様の課題が生じ、上述の実施形態と同様の方法で遷移金属を含む堆積物を除去でき、上述の実施形態と同様の効果が得られる。
上述の実施形態では、HVPE法によりGaN結晶を成長させる場合を例に説明したが、これに限定されず、例えばTri−HVPE(THVPE)法によりGaN結晶を成長させてもよい。この場合、遷移金属の堆積物除去ステップにおいて、遷移金属の堆積物を除去するCl元素含有ガスとしてClガスを用いることが好ましい。この方法によっても、上述の実施形態と同様の効果が得られる。
本発明は、GaNに限らず、例えば、窒化アルミニウム(AlN)、窒化アルミニウムガリウム(AlGaN)、窒化インジウム(InN)、窒化インジウムガリウム(InGaN)、窒化アルミニウムインジウムガリウム(AlInGaN)等の窒化物結晶、すなわち、AlInGa1−x−yN(0≦x+y≦1)の組成式で表されるIII族窒化物結晶からなる基板を製造する際にも、好適に適用可能である。
以下、本発明の実施例について説明する。
実施例として、図1に示すHVPE装置を用い、基板上にFeをドープしたGaN結晶を成長させる処理を3バッチ連続して行った。実施例のGaN結晶を成長させる際は、少なくとも上述の実施形態における結晶成長ステップと、降温ステップのステップ1〜3とを実施した。すなわち、実施例では、上述の実施形態における遷移金属の堆積物除去ステップを実施した。各ステップの処理条件は、上述の実施形態に記載の処理条件の範囲内の所定条件とした。
比較例として、図1に示すHVPE装置を用い、基板上にFeをドープしたGaN結晶を成長させる処理を3バッチ連続して行った。比較例のGaN結晶を成長させる際は、上述の実施形態における結晶成長ステップと、降温ステップとを行ったが、降温ステップのうちの遷移金属の堆積物除去ステップ(ステップ2)を不実施とした。その他の処理条件は上述の実施形態に記載の処理条件の範囲内の所定条件とした。
そして、実施例、比較例のそれぞれのバッチ毎に結晶成長速度(GaN結晶の成長速度)を評価した。図4(a)に実施例の結果を示し、図4(b)に比較例の結果を示す。図4(a)(b)の縦軸は、成長速度(μm/h)を示し、横軸はバッチ回数(成長回数)を示している。図4(a)(b)によれば、図4(a)に示す実施例の方が、図4(b)に示す比較例よりも、バッチ毎の結晶成長速度(成長速度)の低下を抑制できていることが確認できる。すなわち、実施例では、上述の従来のクリーニングステップを行わなくても、バッチ毎の結晶成長速度を均一にすることができることが確認できる。
図5(a)(b)に、比較例の3バッチ目の成長処理が終了した後の成長室内の写真を示す。図5(a)から、成長室内の部材にFe堆積物が付着しており、図5(b)から、成長室内を形成する気密容器の内壁にFe堆積物が付着していることが確認できる。
また、図6に、比較例の成長処理を行った成長室内に付着したFe堆積物のX線回折(XRD:X−Ray Diffraction)の分析結果を示す。図6の縦軸は、回折強度(cps:count per second)を示し、横軸は、回折角度2θ(°)を示している。本実施例のX線回折は、波長1.54056オングストロームであるCuのKα1線を用いたθ―2θ法を用いて行っている。図6から、成長室内に付着したFe堆積物に含まれる成分のうち、規則的な配向性を有する成分はFeのみであることが確認できる。このことから、Fe堆積物は、主にFeからなることが分かる。また、(110)回折および(200)回折が混在していることから、堆積物に含まれるFeは多結晶であることが確認できる。
<本発明の好ましい態様>
以下、本発明の好ましい態様について付記する。
(付記1)
本発明の一態様によれば、
基板処理装置が有する加熱部により成長室内の基板を第1温度(成長温度)に加熱し、前記基板に対して、原料ガスとしてのIII族元素を含有する塩化物ガス、反応ガスとしてのV族元素含有ガス、およびドーピングガスとしての遷移金属含有ガスを供給し、前記基板上に遷移金属がドープされたIII族窒化物結晶を成長させる工程と、
前記基板の温度を前記第1温度から前記成長室外へ搬出可能な第2温度まで降温させる際、前記成長室内へ塩素元素含有ガスを供給し、前記成長室内に付着した前記遷移金属を含む堆積物を除去する工程と、を有する窒化物結晶基板の製造方法が提供される。
(付記2)
付記1の方法であって、好ましくは、
前記遷移金属を含む堆積物を除去する工程では、前記基板の温度が、前記第1温度と前記第2温度との間の第3温度になったら、前記成長室内へ前記塩素元素含有ガスを供給する。
(付記3)
付記2の方法であって、好ましくは、
前記遷移金属を含む堆積物を除去する工程では、前記基板の温度を前記第3温度に所定時間維持する。
(付記4)
付記2または3の方法であって、好ましくは、
前記第3温度を300℃以上600℃未満の範囲内の所定温度とする。
(付記5)
付記1〜4のいずれかの方法であって、好ましくは、
前記遷移金属を含む堆積物を除去する工程では、前記III族窒化物結晶を成長させる工程において前記基板に前記遷移金属含有ガスを供給するノズルから、前記塩素元素含有ガスを供給する。
(付記6)
付記1〜5のいずれかの方法であって、好ましくは、
前記遷移金属を含む堆積物を除去する工程では、前記III族窒化物結晶を成長させる工程において前記基板に前記V族元素含有ガスを供給するノズルから、前記塩素元素含有ガスを供給する。
(付記7)
付記1〜6のいずれかの方法であって、好ましくは、
前記第1温度を、遷移金属含有ガスが熱分解する温度(例えば980℃以上、好ましくは1024℃以上)とする。
(付記8)
付記1〜7のいずれかの方法であって、好ましくは、
前記遷移金属を含む堆積物を除去する工程は、前記成長室内に前記III族窒化物結晶が成長した前記基板が存在する状態で行う。
(付記9)
付記1〜8のいずれかの方法であって、好ましくは、
前記遷移金属を含む堆積物を除去する工程では、前記塩素元素含有ガスとして塩化水素(HCl)ガスまたは塩素(Cl)ガスを用いる。
(付記10)
付記1〜9のいずれかの方法であって、好ましくは、
前記基板の温度を前記第1温度から前記第3温度まで降温させる際、前記III族窒化物結晶を成長させる工程において前記基板に対して前記V族元素含有ガスを供給するノズルから、前記成長室内の前記基板にV族元素含有ガスを供給する。
(付記11)
付記1〜10のいずれかの方法であって、好ましくは、
前記III族窒化物結晶の成長はHVPE法を用いて行い、前記遷移金属を含む堆積物を除去する工程では、前記塩素元素含有ガスとして塩化水素ガスを用いる。
(付記12)
付記1〜11のいずれかの方法であって、好ましくは、
前記遷移金属は鉄(Fe)である。
(付記13)
付記1〜10のいずれかの方法であって、好ましくは、
前記III族窒化物結晶の成長はTri−HVPE法を用いて行い、前記遷移金属を含む堆積物を除去する工程では、前記塩素元素含有ガスとして塩素ガスを用いる。
10 基板
201 成長室
207 ヒータ(加熱部)

Claims (9)

  1. 基板処理装置が有する加熱部により成長室内の基板を第1温度に加熱し、前記基板に対して、原料ガスとしてのIII族元素を含有する塩化物ガス、反応ガスとしてのV族元素含有ガス、およびドーピングガスとしての遷移金属含有ガスを供給し、前記基板上に遷移金属がドープされたIII族窒化物結晶を成長させる工程と、
    前記基板の温度を前記第1温度から前記成長室外へ搬出可能な第2温度まで降温させる際、前記成長室内へ塩化水素ガス又は塩素ガスを供給し、前記成長室内に付着した前記遷移金属を含む堆積物を除去する工程と、を有する窒化物結晶基板の製造方法。
  2. 前記遷移金属を含む堆積物を除去する工程では、前記基板の温度が、前記第1温度と前記第2温度との間の第3温度になったら、前記成長室内へ塩化水素ガス又は塩素ガスを供給する請求項1に記載の窒化物結晶基板の製造方法。
  3. 前記遷移金属を含む堆積物を除去する工程では、前記基板の温度を前記第3温度に所定時間維持する請求項2に記載の窒化物結晶基板の製造方法。
  4. 前記第3温度を300℃以上600℃未満の範囲内の所定温度とする請求項2または3に記載の窒化物結晶基板の製造方法。
  5. 前記遷移金属を含む堆積物を除去する工程では、前記III族窒化物結晶を成長させる工程において前記基板に前記遷移金属含有ガスを供給するノズルから、塩化水素ガス又は塩素ガスを供給する請求項1〜4のいずれか1項に記載の窒化物結晶基板の製造方法。
  6. 前記遷移金属を含む堆積物を除去する工程では、前記III族窒化物結晶を成長させる工程において前記基板に前記V族元素含有ガスを供給するノズルから、塩化水素ガス又は塩素ガスを供給する請求項1〜5のいずれか1項に記載の窒化物結晶基板の製造方法。
  7. 前記第1温度を、遷移金属含有ガスが熱分解する温度とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の窒化物結晶基板の製造方法。
  8. 前記遷移金属を含む堆積物を除去する工程は、前記成長室内に前記III族窒化物結晶が成長した前記基板が存在する状態で行う請求項1〜7のいずれか1項に記載の窒化物結晶基板の製造方法。
  9. 前記遷移金属は鉄である請求項1〜8のいずれか1項に記載の窒化物結晶基板の製造方法。
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