JP6826820B2 - 挿入杭式土留め壁 - Google Patents

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Description

本発明は、背面側の土砂重量を利用して抵抗モーメントを発生させることにより、従来の自立式土留め壁よりも適用可能な掘削深の拡大を図った土留め壁に関する。
従来より、開削工事で地中構造物を造成する際には、その周囲に土留め壁を構築し、地盤の掘り下げを行っている。土留め壁としては、地盤への根入れ部の水平地盤抵抗によって土圧に抵抗させる自立式土留め壁(図15(A)参照)を採用することができれば、フーチングレスであるため自然改変量が縮小でき、用地境界問題への対応に優れるなどの利点を有する他、内部空間側に支保工が存在しないため掘削も容易で、施工完了状態では内部に邪魔な部材(支保工等)が存在しないオープンな空間が作れるため、地中構造物の構築に当たって施工性が大幅に向上するなどの利点を有する。
しかしながら、自立式土留め壁は地盤への根入れ部の水平地盤抵抗によって土圧に抵抗させる構造であるため、地盤が比較的良好で掘削深さが浅い場合にしか適用できないという問題があった。そのため、深い開削工事では、切梁式支保工(図15(B)参照)、グランドアンカー式支保工(図15(C)参照)、控え杭タイロッド式支保工(図15(D)参照)などの形式の土留め壁が採用されている。しかしながら、これら支保工式土留め壁の場合は、支保工の架設・撤去に係る費用が嵩む、工期が長くなる、本体構造物の施工効率が悪くなるなどの問題があった。
そこで、下記非特許文献1では、図16に示されるように、従来は鉛直に構築されてきた自立式土留め壁を背面側に傾斜させることにより(概ね3〜10°)、土留め壁に作用する土圧を低減し、深い開削工事(概ね15m)にも適用できるようにした自立式土留め壁50が提案されかつ実施されている。
青木俊二、外3名,「親杭横矢板形式による斜め自立土留めの設計及び施工」,土木建設技術発表会概要集2012,土木学会,2012.11,p.259-263
前記斜め自立式土留め壁50は、従来は鉛直に構築されてきた親杭を背面側に傾斜させることにより、効果的に土圧を低減できるようになり、掘削深さも15m程度まで拡大できるようになった。
しかしながら、斜め自立式土留め壁50は、親杭を背面側へ傾斜させた分、掘削領域が外側に拡がることになるため、施工条件によっては、用地境界を拡大させるか、用地境界に制限がある場合は掘削領域を狭める必要があった。
また、親杭の施工は、斜め方向に打設することが条件となるため、例えば中型三点式杭打機のリーダにセンターホール構造の油圧式高周波バイブロを取り付けた機械を使用し、前記リーダを傾斜させて親杭を打設するようにしているが、親杭の傾斜管理に多大な労力が掛かるなどの問題があった。さらに、土留め壁の壁高が大きくなると、親杭の断面寸法が上がるため施工費が嵩み不経済となる等の問題もあった。
一方、前述した支保工土留め壁の中で、グランドアンカー式支保工、控え杭タイロッド式支保工については、内部に邪魔な部材(支保工等)が存在しないオープンな空間が作れるようになる。しかしながら、前記グランドアンカー式支保工は、アンカー工事が伴うため工費が嵩むとともに、工期が長期化する欠点がある。控え杭タイロッド式支保工も同様で、土留め壁の背面側の工事が伴うため、工費が嵩むとともに、工期が長期化する欠点がある。
そこで本発明の主たる課題は、背面側の土砂重量を利用して抵抗モーメントを発生させることにより、従来の自立式土留め壁よりも掘削深さの拡大を図るとともに、経済性に優れ、かつ工期の長期化を招かないなどの利点を備えた土留め壁を提供することにある。
上記課題を解決するために請求項1に係る本発明として、水平方向に所定間隔で配置されるとともに、下半部分が地盤中に挿入されている親杭と、隣接する親杭間に上下方向に沿って設置されている横矢板と、前記親杭の側部位置から背面側地盤に挿入状態で設置されているとともに、挿入元側が前記親杭に剛結されたH形鋼からなる挿入杭とを備える挿入杭式土留め壁であって、
前記挿入杭は、各親杭に対して設置されるとともに、1箇所あたり、前記親杭の両側に左右一組で配置され、
前記親杭に対する前記挿入杭の取付部で、前記挿入杭が上載土荷重を受けた際にも前記親杭に対する取付角度が変わらないように、前記親杭のフランジ間に収まる寸法のH形鋼を用いるとともに、前記挿入杭のフランジが挿入できるスリット溝が形成された連結金物を前記親杭のウエブを跨ぐ両側に、ボルト・ナットを用いて取り付け、前記挿入杭は片側のフランジを前記スリット溝に嵌合させた状態で地盤中に挿入され、該挿入杭のウエブがボルト・ナットにより前記連結金物のフランジに対して剛結されていることを特徴とする挿入杭式土留め壁が提供される。
上記請求項1記載の発明は、水平方向に所定間隔で配置されるとともに、下半部分が地盤中に挿入されている親杭と、隣接する親杭間に上下方向に沿って設置されている横矢板とからなる一般的な土留め壁に対して、前記親杭の側部位置から背面地盤に挿入状態で設置されているとともに、挿入元側が前記親杭に剛結されている水平挿入杭を追加するものである。
従って、前記挿入杭よりも上側に存在する上載土が挿入杭に荷重として作用することによって、挿入杭に親杭の変形を抑える回転方向の抵抗モーメントを生じさせることができ、この抵抗モーメントが親杭に伝達されることによって、土圧によって親杭に生じる曲げモーメントを相殺することができるようになるため、従来の自立式土留め壁よりも適用可能な掘削深さを拡大することが可能となる。また、前記挿入杭は、通常の場合、掘削途中毎に内部空間側からの比較的簡単な工事によって追加することができるため、経済性に優れ、かつ工期の長期化を招くこともない。
なお、本発明における「剛結」とは、前記挿入杭が荷重を受けた場合にも親杭に対する取付角度が変わらないようにしっかりと連結されている状態の連結構造をいい、その結果、挿入杭に生じた抵抗モーメントを確実に親杭に伝達できるようになる。
また、上記請求項1記載の発明は、前記挿入杭は、1箇所あたり、親杭の両側に左右一組で配置されている構造とするものである。挿入杭に発生する抵抗モーメントは、上載土荷重によって発生するものであるため、抵抗モーメントの増大を図るには、挿入杭に作用する土荷重量を増大させることが有効となる。従って、親杭の片側に1本だけに設けるよりも、親杭を挟んで左右一対で挿入杭を設けることにより上載土荷重を増大でき、その結果、抵抗モーメントを増大できるようになる。
請求項2に係る本発明として、前記挿入杭は、高さ方向に複数段で設置されるとともに、上下方向に隣接する挿入杭間で相対的に上部側に位置する挿入杭よりも相対的に下部側に位置する挿入杭の方が挿入長さが長く設定されている請求項1記載の挿入杭式土留め壁が提供される。
上記請求項2記載の発明は、前記挿入杭が、高さ方向に複数段で設置される場合に、上下方向に隣接する挿入杭間で相対的に上部側に位置する挿入杭よりも相対的に下部側に位置する挿入杭の方が挿入長さが長く設定されている構造とするものである。前記挿入杭に作用する上載土荷重は、挿入長さに対応する区間の上側土砂が重力方向の荷重として作用するため、相対的に下側に位置する挿入杭に作用する上載土荷重は、相対的に上側に位置する挿入杭の先端よりも手前側の区間では上側に挿入杭が位置しているため上載土荷重が大幅に低減され、上側に位置する挿入杭の先端よりもさらに奥側の地盤区間の上載土砂が有効に作用することになる。そのため、相対的に下部側に位置する挿入杭の方を上側の挿入杭の挿入長さよりも長くしておかないと、下部側に位置する挿入杭に上載土荷重による抵抗モーメントを効果的に発生させることができなくなってしまうため、本発明のように、上下方向に隣接する挿入杭間で相対的に上部側に位置する挿入杭よりも相対的に下部側に位置する挿入杭の方が挿入長さが長く設定することが望ましい。
請求項3に係る本発明として、前記挿入杭式土留め壁の外面にプレキャスト板を張設することにより本設構造物としている請求項1、2いずれかに記載の挿入杭式土留め壁が提供される。
上記請求項3記載の発明は、本発明に係る挿入杭式土留め壁を本設構造体とする場合に、土留め壁の外面にプレキャスト板を張設するものである。たとえば、立体交差道路を構築する場合の堀割道路の擁壁、盛土擁壁、もたれ擁壁として適用する場合などに有効となる。
以上詳説のとおり本発明によれば、背面側の土砂重量を利用して抵抗モーメントを発生させることにより、従来の自立式土留め壁よりも掘削深さの拡大を図るとともに、経済性に優れ、かつ工期の長期化を招かないなどの利点を備えた土留め壁を提供できるようになる。
本発明に係る挿入杭式土留め壁1を示す構造斜視図(一部に、水平挿入杭の施工要領を含む。)である。 挿入杭式土留め壁1の作用効果を説明するための水平挿入杭4への荷重作用図である。 連結金物5を示す、(A)は正面図、(B)は平面図、(C)側面図である。 (A)は連結金物5の取付状態を示す斜視図、(B)は水平挿入杭4の取付状態を示す斜視図である。 挿入杭式土留め壁1の施工手順図である。 挿入杭4の施工要領を示す図である。 事前に挿入杭4を挿入する地盤の揉みほぐしを行う場合の要領図(A)(B)である。 機械式拡径攪拌機による揉みほぐし要領を示す手順図(A)〜(C)である。 挿入杭式土留め壁1を本設構造物とする場合の構造を示す側面図である。 その拡大横断面図である。 挿入杭式土留め壁1を本設構造物とし、堀割道路擁壁に適用した場合の横断面図である。 挿入杭式土留め壁1を本設構造物とし、盛土擁壁に適用した場合の横断面図(A)(B)である。 挿入杭式土留め壁1を本設構造物とし、もたれ擁壁に適用した場合の横断面図である。 挿入杭式土留め壁1にグランドアンカーを追加した場合の横断面図である。 従来の各種土留め壁(A)〜(D)を示す概略断面図である。 従来の斜め自立式土留め壁50を示す概略断面図である。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳述する。
〔挿入杭式土留め壁1の構造〕
本発明に係る挿入杭式土留め壁1は、水平方向に所定間隔で配置されるとともに、下半部分が地盤中に挿入されている親杭2,2…と、隣接する親杭2,2間に上下方向に沿って設置されている横矢板3,3…と、前記親杭2の側部位置から背面地盤に挿入状態で設置されているとともに、挿入元側が前記親杭2に剛結されている挿入杭4,4とからなるものである。
以下、図面に基づいて具体的に詳述する。
前記親杭2は、土圧に抵抗するための構造部材であり、通常は鉛直方向に打設され、下半部分が地盤中に挿入されている。使用部材としては、自立式土留め壁や親杭横矢板土留壁などに一般的に使用されているH形綱が好適に用いられる。このH形綱の断面寸法は壁高に応じて選定されるが、概ねH300〜H500程度のものが多く使用される。この親杭2は、地盤掘削前に掘削領域の境界線に沿って水平方向に所定間隔で杭打ち機によって地盤に打設される。間隔は概ね1.0〜2.0m程度とされる。
従来の自立式土留め壁の場合は、親杭2の地盤への根入れ部Lの水平地盤抵抗だけによって土圧に抵抗させるが、本発明に係る挿入杭式土留め壁1の場合は、地盤への根入れ部の水平地盤抵抗と、前記挿入杭4による抵抗モーメントとの協働作用によって土圧に抵抗させる構造であるため、壁高が同じである場合は、根入れ部Lの長さを従来の自立式土留め壁の場合よりも短く設定することが可能であるとともに、親杭2の断面寸法も相対的に小さくできるようになる。
前記横矢板3,3は、掘削に伴って前記親杭2,2間に順次嵌め込んでいき、土留めを図る板材である。通常は、主に唐松などの木材が用いられている。
前記挿入杭4は、本発明において特別に追加された部材である。この挿入杭4は、高さ方向に1又は複数段で設置される。図1の例では、上下方向に2段で設置した例を示している。前記挿入杭4としては、概ねH200〜H400程度の断面のH形鋼を好適に用いることができる。前記挿入杭4の段数及び挿入深さについては、親杭2の天端許容変形量を基準とした設計計算によって決定されることになるが、通常のケースでは高さ方向に2〜4段程度で設置され、挿入深さは概ね2〜5m程度である。
前記挿入杭4は、掘削の進行に伴って、所定の掘削段階毎に各親杭2に対して設置される。1箇所あたりの設置数は1本とすることも可能であるが、図示例されるように、1箇所あたり、親杭2の両側に左右一組で配置するのが抵抗モーメントを大きく確保する上で望ましい。設置は、前記親杭2の側部位置から略水平方向に沿って地盤中に挿入し、挿入元側を前記親杭2に対して剛結する。前記親杭2と挿入杭4とを剛結とするのは、図2に示されるように、挿入杭4に生じた抵抗モーメントM、Mを確実に親杭2に伝達させる構造とするためであり、剛結構造とするには、親杭2に対する挿入杭4の取付部で、前記挿入杭4が上載土荷重を受けた際にも親杭2に対する取付角度が変わらないように、後述の連結金物5を介してしっかりと複数のボルト・ナットで連結したり、溶接等により堅固に連結するようにする。また、前記挿入杭4の挿入方向は水平方向を基本とするが、施工誤差を含め僅かに傾斜させて設置されていてもよい。
前記挿入杭4を親杭2に連結するための連結金物5の一例を図3に示す。
同図に示される連結金物5は、H形綱を加工した金物が用いられている。親杭2のフランジ間に収まる寸法のH形鋼断面とし、高さ方向中央に補強リブ20aを取り付けるとともに、補強リブ20aの上下位置にそれぞれ挿入杭4のフランジが挿入できるスリット溝20b、20cが形成されている。この連結金物5を親杭2のウエブを跨ぐ両側に、ボルト・ナット21、21…を用いて堅固に取り付ける。図4(A)にも連結金物5を親杭2に取り付けた状態を示している。
前記挿入杭4は、片側のフランジを前記スリット溝20b、20cに嵌合させた状態で地盤中に挿入され、ボルト・ナット22、22…により連結金物5に対して剛結されている。図4(B)にも挿入杭4を前記連結金物5に連結した状態を示している。
前記挿入杭4を設置することにより、図2に示されるように、挿入杭4よりも上側の土荷重を載荷重として作用させることができ、親杭2の変形を抑える方向の抵抗モーメントM、Mを発生させることができ、この抵抗モーメントM、Mが親杭2に伝達されることにより親杭2の変形量を抑えることが可能となる。従って、従来の自立式土留め壁よりも適用可能な掘削深さを拡大することが可能となる。また、後述のように、前記挿入杭4の工事は、内部空間側からの比較的簡単な工事によって追加することができるため、経済性に優れ、かつ工期の長期化を招くこともない。
図1及び詳細には図2に示されるように、高さ方向に複数段で設置される場合は、上下方向に隣接する挿入杭4,4間で相対的に上部側に位置する挿入杭4よりも相対的に下部側に位置する挿入杭4の方が挿入長さが長く設定されている。上から1段目の挿入杭4に作用する上載土荷重は、挿入長さに対応する区間の上側土砂が重力方向に荷重として作用するが、2段目の挿入杭4の場合は、1段目の挿入杭4の先端よりも手前側の区間では上側に挿入杭4が存在しているため上載土荷重が大幅に低減され、1段目の挿入杭4の先端よりもさらに奥側の地盤区間の上載土砂が有効に作用することになる。そのため、相対的に下部側に位置する挿入杭4の方を上側の挿入杭4の挿入長さよりも長くしておかないと、下側に位置する挿入杭4に上載土荷重による抵抗モーメントMを効果的に発生させることができなくなってしまうため、上下方向に隣接する挿入杭4,4間で、相対的に上部側に位置する挿入杭4よりも相対的に下部側に位置する挿入杭4の方を挿入長さが長く設定することが望ましい。なお、3段配置以上の場合は、上側から順に、1段目、2段目、3段目の順で挿入杭4の挿入長さが徐々に長くなるように設定する。
次に、挿入杭式土留め壁1の施工手順及び要領について図5〜図8に基づいて詳述する。
先ず、図5(A)に示されるように、掘削境界線に沿って所定の間隔で、杭打ち機などの施工機械により親杭2となるH形綱を地盤中に打設する。
次に、親杭2によって囲まれた領域内をパワーショベル等の掘削機械により掘削を行う。掘削の進行に伴い、親杭2,2間に横矢板3、3…を架け渡し、土留めを図りながら徐々に掘り下げていく。図5(B)に示されるように、所定の深さ、すなわち1段目の挿入杭4の設置位置よりもやや掘り下げた位置まで掘削したならば、1段目の挿入杭4、4…の設置作業に入る。
挿入杭4の施工は、例えば図6に示される水平方向への杭圧入機10を用い、基本的には圧入によって挿入杭4を背面地盤側に挿入する。前記杭圧入機10は、走行可能なクローラ台車11上に水平配向のガイドセル12を搭載し、このガイドセル12に沿って前後進自在にドリフタ13を備えるとともに、圧入反力受用貫入杭14を備えた装置であり、挿入杭4をガイドセル12にセットした状態からドリフタ13を前進させることにより地盤中に圧入する。
また、背面地盤が比較的良好で、圧入のみでは挿入杭4を地盤中に設置できないような場合は、補助工法を併用することが望ましい。この補助工法は、圧入前に前記挿入杭4の挿入範囲の土砂を揉みほぐして挿入杭4が容易に圧入できるようにする作業をいう。具体的には、前述した杭圧入機10を用いるなどして、図7(A)に示されるように、挿入杭4の断面(図示例はH形鋼断面)の範囲に小径オーガを回転させながら貫入させることにより土砂を揉みほぐしたり、図7(B)に示されるように、挿入杭4の断面(図示例はH形鋼断面)を含む円形範囲の土砂を機械式拡径攪拌機を用いて1回の工程で揉みほぐすことによって、挿入杭4の圧入できるように地盤の弱体化を図るようにする。
前記機械式拡径攪拌機としては、例えば図8に示されるように、親杭2の隣接位置から撹拌ロッド15を地盤中に奥側まで貫入させたならば、拡径ビット15aを拡開させ、その後、回転させながら手前側に引く抜くことにより拡径された範囲の地盤を揉みほぐしできるようにした装置を用いることができる。このような装置としては、例えばアンカー工法において、拡径されたアンカー体を地中に造成するための機械をそのまま適用することができる。
1段目の挿入杭4,4…の設置作業が完了したならば、図5(C)に示されるように、掘削を開始し、横矢板3の設置を併行しながら徐々に地盤を掘り下げ、2段目の挿入杭4の設置位置よりもやや掘り下げた位置まで掘削したならば、2段目の挿入杭4、4…の設置作業に入る。設置要領は1段目の場合と同様である。
2段目の挿入杭4,4…の設置作業が完了したならば、所定深さまで掘削を行い掘削作業を完了する。
〔挿入杭式土留め壁1を本設構造体とした適用例〕
挿入杭式土留め壁1は、前述したように、土留め用の仮設構造物として適用される他、そのまま本設構造物としての利用も可能である。具体的には、図9に示されるように、親杭2の前面側に、壁面全体を覆うようにプレキャスト板6,6…を張設する。このプレキャスト板6,6…の設置は下段側から上段側に掛けて行うのがよい。その後、図10に示されるように、親杭2,2間の横矢板3とプレキャスト板6とに挟まれた閉鎖空間にコンクリート7を打設する一方、一部の閉鎖空間については水抜き孔(パイプ)8,8を配置するとともに、砕石9を充填して透水層として機能させるようにする。また、本土留め壁1を遮水壁とする場合はすべての閉鎖空間内にコンクリート7を打設し遮水を確保する。
(堀割道路擁壁への適用)
本設構造体とした本土留め壁1は、例えば図11に示されるように、立体交差道路の堀割道路の擁壁として適用することができる。この場合は、(1)基本的に擁壁の構築はプレファブ工法のため、工期短縮が図れる。(2)仮設と本設の併用工法であるため、施工時占用幅を縮小でき、既存道路の切り廻しを大幅に軽減できる。(3)掘削幅及び深さを従来工法よりも小さくできるため、掘削残土の発生量を軽減できるなどの利点を有する。
(盛土擁壁への適用)
本設構造体とした本土留め壁1は、例えば図12(A)に示されるように、造成地盤などにおける盛土擁壁や、図12(B)に示されるように、腹付け盛土の擁壁として適用することができる。この場合は、従来のL型擁壁や補強土などの盛土擁壁よりも経済的となる。
(もたれ擁壁への適用)
本設構造体とした本土留め壁1は、例えば図13に示されるように、もたれ擁壁として適用することができる。この場合は、土圧が小さくなり、構造規模が縮小できるため、経済性、施工性等に優れるようになる。
〔その他の形態例〕
(1)本発明に係る挿入杭式土留め壁1は、基本的に前記親杭2と、横矢板3と、挿入杭4とからなる構造体であるが、場合によって他の支保工と併用することも可能である。例えば、図14に示されるように、大深度掘削の場合は、グランドアンカー16を併用することにより他の工法よりも経済的になるとともに、隣接して埋設物が存在するような場合に、グランドアンカー併用により地盤の変形を抑制することができるようになる。また、前述した控え杭タイロッドと併用することも可能である。
1…挿入杭式土留め壁、2…親杭、3…横矢板、4…挿入杭、5…連結金物、6…プレキャスト板、7…コンクリート、8…水抜き孔(パイプ)、9…砕石、10…杭圧入機

Claims (3)

  1. 水平方向に所定間隔で配置されるとともに、下半部分が地盤中に挿入されている親杭と、隣接する親杭間に上下方向に沿って設置されている横矢板と、前記親杭の側部位置から背面側地盤に挿入状態で設置されているとともに、挿入元側が前記親杭に剛結されたH形鋼からなる挿入杭とを備える挿入杭式土留め壁であって、
    前記挿入杭は、各親杭に対して設置されるとともに、1箇所あたり、前記親杭の両側に左右一組で配置され、
    前記親杭に対する前記挿入杭の取付部で、前記挿入杭が上載土荷重を受けた際にも前記親杭に対する取付角度が変わらないように、前記親杭のフランジ間に収まる寸法のH形鋼を用いるとともに、前記挿入杭のフランジが挿入できるスリット溝が形成された連結金物を前記親杭のウエブを跨ぐ両側に、ボルト・ナットを用いて取り付け、前記挿入杭は片側のフランジを前記スリット溝に嵌合させた状態で地盤中に挿入され、該挿入杭のウエブがボルト・ナットにより前記連結金物のフランジに対して剛結されていることを特徴とする挿入杭式土留め壁。
  2. 前記挿入杭は、高さ方向に複数段で設置されるとともに、上下方向に隣接する挿入杭間で相対的に上部側に位置する挿入杭よりも相対的に下部側に位置する挿入杭の方が挿入長さが長く設定されている請求項1記載の挿入杭式土留め壁。
  3. 前記挿入杭式土留め壁の外面にプレキャスト板を張設することにより本設構造物としている請求項1、2いずれかに記載の挿入杭式土留め壁。
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