JP6824014B2 - 巻線装置 - Google Patents

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Description

この発明は、モーターのステータにおける鉄心とコイル間を絶縁するインシュレータの周囲にワイヤを巻回するための巻線装置に関するものである。
モーターは外郭構造を形成するステータと、外部に回転力を伝達するローターから成る。機器の駆動制御用に用いられるモーターの場合、ローターに永久磁石のN極とS極が交互に円環状に配置され、ステータの鉄心における複数個の磁極ティースに巻かれたコイルによって回転磁界を発生させることで、ローターを回転させている。ステータの鉄心とコイル間には、電気的に絶縁する目的でインシュレータが配置されている。インシュレータの外側にマグネットワイヤを巻線することによりコイルを形成するが、巻線時のマグネットワイヤの巻線張力がインシュレータに加わることで、インシュレータが変形し、ステータを組立てる工程で隣り合う磁極ティースに巻かれたコイルやインシュレータが相互に干渉して、組立精度が悪化する場合がある。
ステータの内径の真円度は、モーターの回転時におけるトルクの脈動(以下、コギングトルクと呼ぶ)と密接な関係があり、前記の組立精度の悪化に伴い、ステータの内径真円度が悪化すると、モーターのコギングトルクが増加して滑らかな回転を阻害し、モーターの制御性能を悪化させることがある。このような欠点を避けるため、前記の構成部品の干渉を回避する手段として、マグネットワイヤの巻線時の張力を緩める対策が考えられる。しかし巻線張力を緩めると、巻線工程でのマグネットワイヤの位置決め精度が悪化して、コイルの整列性が乱れて占積率を低下させ、モーターが単位体積当たりに発生させることのできるトルクが低下する。
このようなコイルの占積率の低下を避けて、前記の構成部品の干渉を避ける手段として、インシュレータのつば部の平板部の外周部に、外縁に開放する切り欠き状の凹部を形成することにより、インシュレータが相互に干渉しない方向へ変形しやすいようにする構造がある(特許文献1参照)。
この特許文献によると、磁極ティースが位置する方向と逆の方向にインシュレータが変形せず、コイルが樽状に形成されることを防止できるため、コイルの占積率が高くても、隣接するコイル同士の干渉を避けることができ、ステータを組立てることができる。
特開2014−150611号公報
モーターのトルクや回転数によって、比較的線径の太いマグネットワイヤ(例えば、φ1mm以上)を巻線する必要がある場合、コイルの整列性を確保して巻線するために、マグネットワイヤが太くなるにつれて巻線張力も強めていく必要がある。これはマグネットワイヤ自体に剛性があるため、あらかじめボビンに巻かれて保管され、くせのついたマグネットワイヤに巻線テンションを加えて直線状に伸ばし、巻線工程におけるマグネットワイヤの位置決め精度を向上させるためである。上記特許文献1の技術を太い線径のマグネットワイヤに適用させる場合、巻線張力によるインシュレータの変形のばらつきが大きくなり、変形が過剰となるとコイルとインシュレータの組立品を鉄心の磁極ティースに挿入できなくなることがある。
インシュレータの肉厚を厚くすることで、インシュレータの変形のばらつきを抑制することができるが、上記特許文献1に記載されているように、コイルを配置できる空間が小さくなるめ、コイルの占積率の低下を招き、モーターの出力を下げることになる。
前述の挿入不良を避ける手段として、インシュレータを予め鉄心に装着した後、巻線する方法が有効であるが、巻線張力によりインシュレータを介して鉄心に力が加わり、鉄心の内径側のみを軸方向に圧縮させるような変形が生じることがある。鉄心の内径側と外径側で軸方向の寸法が異なると、鉄心が軸方向において反るような変形をしてしまい、ステータを組立てる過程で円環状に並べた鉄心間にアンバランスな隙間が生じ、ステータの内径真円度が悪化するため、モーターのコギングトルクを増加させ、モーターの制御性能が悪化する。
この発明は上記のような課題を解決するためになされたものであり、インシュレータを予め鉄心に装着した状態で巻線しても、鉄心の変形を抑制することができ、ステータの組立精度を確保できるとともにコイルの占積率の向上も図ることができるようにし、モーターの制御性能を向上させるとともに、モーターの小型化並びに高出力化を図ることを目的とするものである。
この発明に係る巻線装置は、
バックヨーク部の中央から内径側に突出した磁極ティース部を有する鉄心と巻回されるコイルとの間に介在すると共に、上記磁極ティース部を覆う部分を有しているインシュレータであって、上記コイルを位置決めするために、上記鉄心の内径側および外径側に相当する位置に形成された内径側鍔部及び外径側鍔部と、上記磁極ティース部の軸方向端面と接する面に形成された溝部を備え、上記溝部は上記外径側鍔部から上記内径側鍔部に向けて上記外径側が開口するように形成されているインシュレータの周囲に上記コイルを巻回させるための巻線装置であって、
上記インシュレータが装着された上記鉄心を固定して回転させると共に上記溝部に挿入されるインシュレータ支持部を有する回転部と、
上記鉄心の内径側を押え付ける鉄心押え部を有するプッシャー部と、
上記回転部の回転中心軸に対して平行移動すると共に上記コイルを案内するノズル部を備え、
上記バックヨーク部の外周面には、軸方向に垂直な断面形状が外径側に向かって広がるV字型形状となるV字型溝が軸方向に沿って設けられ、
上記回転部は、上記V字型溝と嵌合する凸部を有し、
上記インシュレータ支持部は、上記凸部の軸方向両端を覆っているものである。
又この発明に係る別の巻線装置は、
バックヨーク部の中央から内径側に突出した磁極ティース部を有する鉄心と巻回されるコイルとの間に介在すると共に、上記磁極ティース部を覆う部分を有しているインシュレータであって、上記コイルを位置決めするために、上記鉄心の内径側および外径側に相当する位置に形成された内径側鍔部及び外径側鍔部と、上記磁極ティース部の軸方向端面と接する面に形成された溝部を備え、上記溝部は上記内径側鍔部から上記外径側鍔部まで貫通しているインシュレータの周囲に上記コイルを巻回させるための巻線装置であって、
上記インシュレータが装着された上記鉄心を固定して回転させると共に上記溝部に挿入される第1のインシュレータ支持部を有する回転部と、
上記溝部に挿入される第2のインシュレータ支持部及び上記鉄心の内径側を押え付ける鉄心押え部を有するプッシャー部と、
上記回転部の回転中心軸に対して平行移動すると共に上記コイルを案内するノズル部を備え、
上記バックヨーク部の外周面には、軸方向に垂直な断面形状が外径側に向かって広がるV字型形状となるV字型溝が軸方向に沿って設けられ、
上記回転部は、上記V字型溝と嵌合する凸部を有し、
上記第1のインシュレータ支持部は、上記凸部の軸方向両端を覆っているものである。
本願に係るインシュレータによれば、巻線作業後に残留した巻線張力がインシュレータに加わっても、インシュレータが鉄心の軸方向端面に対して傾いたり、インシュレータが鉄心の軸方向に座屈したりする現象を抑制できるため、巻線作業後のコイルの配置のずれを抑制することができる。
上記のように構成された巻線装置によれば、インシュレータにおいて、鉄心の内径側に位置するコイルを支持する鍔部から外径側に向かって設けられた溝に、鉄心に巻線張力が付与されることを抑制するインシュレータ支持部を挿入することができるため、巻線張力による鉄心の圧縮変形を抑制することができる。これによりステータの組立精度を向上させることができ、ステータの内径真円度を確保することができるため、モーターのコギングトルクを抑制することができる。更にはモーターの制御性能を向上させることができる。
実施の形態1によるモーターにおけるステータを示す斜視図である。 実施の形態1による1つの鉄心を示す斜視図である。 実施の形態1によるインシュレータと鉄心を組み立てた状態を示す斜視図である。 実施の形態1によるインシュレータを示す斜視図である。 実施の形態1によるインシュレータが鉄心に組み付けられた後、巻線された状態を示す斜視図である。 実施の形態1によるインシュレータが鉄心に組み付けられ巻線された後、それら複数個を円環状に配置し溶接した状態を示す斜視図である。 実施の形態1による巻線装置を示す分解斜視図である。 実施の形態1による巻線装置を示す分解斜視図である。 実施の形態1による巻線装置を示す分解斜視図であり、巻線装置のプッシャー部が動作した後の状態を示す斜視図である。 図9におけるB−B線断面図である。 実施の形態1による巻線装置を示す分解斜視図であり、巻線中の状態を示す斜視図である。 実施の形態2によるインシュレータを示す斜視図である。 実施の形態2による1つの鉄心を示す斜視図である。 実施の形態2による巻線装置を示す分解斜視図である。 実施の形態3によるインシュレータを示す斜視図である。 実施の形態3による巻線装置を示す分解斜視図である。
実施の形態1.
図1は実施の形態1によるモーターにおけるステータを示す斜視図である。尚図示しないが、本実施形態によるモーターは、ステータ1の軸方向の端面(図の上下面)に配置されるベアリングと、そのベアリング用のブラケットによってステータ1に対してローターが支持されるようになっている。ステータ1は、鉄心2、インシュレータ3、コイル4、フレーム5から構成される。図2は1つの鉄心2を示す斜視図であり、このような鉄心2を複数個組合せることで、鉄心全体が円環状に形成される。又鉄心2は複数のコアシート23を積層することにより形成されるものであり、コアシート23は外径面が円弧状であって隣り合う鉄心2同士を接続するバックヨーク部21と、バックヨーク部21の中央から鉄心2の内径側に突出した磁極ティース部22より形成される。
バックヨーク部21には、アリ溝24が設けられており、絶縁組立工程や巻線工程などにおいて鉄心2を位置決めするために用いられる。図3はインシュレータと鉄心を組み立てた状態を示す斜視図、図4(A)、(B)はインシュレータを示す見る角度を変えた斜視図である。ステータ1を製造するに当たって、図3に示すように、まず鉄心2の磁極ティース部22と、バックヨーク部21の内径側を覆うような形状のインシュレータ3が鉄心2に組み付けられる(以後これを絶縁組立品6と呼ぶ)。次に図5に示すように絶縁組立品6の磁極ティース部22を覆っているインシュレータ3の箇所に、巻線装置によってマグネットワイヤが巻かれコイル4が形成される(以後これを巻線組立品7と呼ぶ)。
次に図6に示すように、巻線組立品7を所定の数だけ円環状に配置した後、鉄心2の隣り合うバックヨーク部21が接する箇所を溶接して、溶接部71を設け、鉄心2相互を固定し、次にモーターの外郭を形成するフレーム5を圧入あるいは焼嵌めることで図1に示すようなステータ1が形成される。
次に巻線工程について図7〜図11により説明する。図7は巻線装置の詳細を説明するための分解斜視図であり、本実施形態による巻線装置は、絶縁組立品6を固定して回転させる回転部8、絶縁組立品6を回転部8に押し付けるプッシャー部9、マグネットワイヤを案内する巻線ノズル101を有するノズル部10より構成される。回転部8には、図示しない回転用モーターが取り付けられており、回転部8の回転速度、回転開始角度および回転終了角度を制御する。回転部8には、前述の鉄心2のアリ溝24と嵌合する凸部81が設けられ、絶縁組立品6の鉄心2のバックヨーク部21における周方向の位置決めをする。また回転部8の長手方向の端面の一部に端部突起82が設けられており、この端部突起82が絶縁組立品6の鉄心2の軸方向端部と接触することで、絶縁組立品6の軸方向の位置決めがなされる。
プッシャー部9は、図示しないベアリングによって回転自由に支持されており、後に示す巻線中の巻線装置が動作している間絶縁組立品6と共に回転部8に従って回転する。またプッシャー部9は、鉄心押え部91とインシュレータ支持部92を有する。インシュレータ支持部92は、鉄心押え部91の長手方向の両端面に位置する。鉄心押え部91は、絶縁組立品6の鉄心2の内径側を押えるものであり、鉄心2の内径の曲率と同じ曲率を有する接触曲面93を持つ。インシュレータ支持部92は、鉄心押え部91の接触曲面93より突出した位置まで伸びている。ノズル部10は、巻線ノズル101が図示しないブラケットを介してボールねじに連結されている。ボールねじは回転部8の回転中心軸Xと平行に設置されており、縦走用モーターに連結されている。したがって縦走用モーターの回転運動を制御することで、回転部8の回転中心軸Xと平行な軸上で、巻線ノズル101の位置や移動速度を制御できる。
次にインシュレータ3の形状の詳細を図4に基づいて説明する。図4(A)、(B)はインシュレータ3を示す斜視図であり、同一形状のインシュレータ3を異なった角度から見た図である。図3においては、1つの鉄心2に2つのインシュレータ3が上下に配置されている。インシュレータ3は、鉄心2とコイル4を絶縁するものであり、マグネットワイヤが巻回される鉄心2の磁極ティース部22を覆う部分を有している。またコイル4は多数の層で形成されるので、積み上げたコイル4を所定の範囲に位置決めするために、鉄心2の内径側および外径側に相当する位置にそれぞれ内径側鍔部31と外径側鍔部32が形成されている。この内径側鍔部31と外径側鍔部32の間にマグネットワイヤが巻回されることで、コイル4が絶縁組立品6に装着される。本実施形態における特徴的な点は、内径側鍔部31から外径側鍔部32に向けて溝部33が形成されていることである。そして溝部33の内径側は開口している。この溝部33は鉄心2の軸方向端面と接する面に形成されており、溝部33の長さは外径側鍔部32まで達していることが好ましい。
次に図7〜図11に基づいて巻線工程を工程順に説明し、併せて効果について説明する。先ず第1工程として、図7の矢印Aに沿って絶縁組立品6における鉄心2のバックヨーク部21が巻線機の回転部8に接するようにして取付けられる。このとき鉄心2のバックヨーク部21のアリ溝24と回転部8の凸部81が嵌合され、かつ回転部8の端部突起82に絶縁組立品6の鉄心2の軸方向端部が接触することで、回転部8に対して絶縁組立品6が支持される。図8は絶縁組立品6を回転部8に取り付けた後の状態を示すものである。
続いて、第2工程として、図9に示すように巻線装置のプッシャー部9が絶縁組立品6の鉄心2の内径側を押える。第1工程において、絶縁組立品6が回転部8に対して、僅かな嵌合隙間がある状態で支持されている。しかしプッシャー部9によって絶縁組立品6が回転部8に強く押し付けられるため、絶縁組立品6が回転部8に対して隙間が完全に無い状態で固定されることとなる。第2工程において、プッシャー部9が絶縁組立品6を押えると同時に、インシュレータ支持部92は、インシュレータ3に設けられた溝部33に挿入される。図10はプッシャー部9が絶縁組立品6を押えた状態を示す巻線装置の断面図であり、図9におけるB−B線断面図である。プッシャー部9のインシュレータ支持部92が、インシュレータ3の溝部33に挿入されており、鉄心2がある向きに傾いたような場合その時発生する荷重がインシュレータ3に加わった際、インシュレータ支持部92がその荷重を支えられる構造となっている。
次に第3工程としての具体的な巻線の過程について図11に基づいて説明する。まず巻線ノズル101からマグネットワイヤ102を引き出し、巻線機の回転部8に固定された絶縁組立品6におけるインシュレータ3に設けられたピン34にマグネットワイヤ102を巻き付ける。この場合ピン34に巻き付ける作業は手動で行ってもよいし、自動で行う場合もある。その後図示しない巻線装置の回転用モーターによって回転部8が矢印Cに示すように絶縁組立品6と共に回転し、絶縁組立品6におけるインシュレータ3の内径側鍔部31と外径側鍔部32の間に、外径側鍔部32の付近からマグネットワイヤ102を巻き付けていく。回転部8が1回転すると絶縁組立品6上に1ターン目のコイル4が形成される。
その後巻線ノズル101がマグネットワイヤ102の線径分だけ絶縁組立品6の内径側鍔部31の方向へ移動し、上記と同様にして2ターン目の巻線を連続的に行う。順次この動作を繰り返すことで、絶縁組立品6のインシュレータ3の外径側鍔部32から内径側鍔部31へ向かって1層目のコイル4が形成されていく。図11は4ターン目を巻線する途中の状態を示した図である。1層目のコイル4がインシュレータ3の内径側鍔部31まで形成されると、巻線ノズル101の移動方向をインシュレータ3の内径側鍔部31から外径側鍔部32へ向かう方向に反転させて、2層目の巻線を開始する。1層目の巻線手段と同様に、2層目の1ターン目の巻線が完了すると、巻線ノズル101をマグネットワイヤ102の線径分だけ絶縁組立品6における外径側鍔部32へ移動させて2層目の2ターン目を巻線する。
上記の手順を繰り返すことで、絶縁組立品6に所定のターン数分に相当するコイル4を形成する。巻線が完了すると、巻線ノズル101付近のマグネットワイヤ102を切断し、コイル4の端末となるマグネットワイヤをインシュレータ3の外径側鍔部32上にあるピン35に巻き付けて、巻線組立品7を完成させる。巻線の過程において、巻線張力はインシュレータ3に作用し、さらにその力をプッシャー部9のインシュレータ支持部92が受けることになる。これにより鉄心2に巻線張力が作用することがないため、鉄心2に圧縮変形が生じること無く、巻線作業を完了することができる。そして鉄心2の軸方向の反りをなくすことができるため、複数の巻線組立品7を円環状に配置する際、隣合う鉄心2間にアンバランスな隙間を生じることがなく、内径真円度を確保してステータ1を組立てることができる。
また図4に示すように、溝部33を設けることによって、内径側鍔部31から見たインシュレータ3における磁極ティース部22上にある部分は、コの字状の形をしており、磁極ティース部22の幅方向の両端で、鉄心2に対してインシュレータ3が接している。このような構造とすることで、プッシャー部9を引き抜いた後に残留した巻線張力がインシュレータ3に加わっても、インシュレータ3が鉄心2の軸方向端面に対して傾いたり、インシュレータ3が鉄心2の軸方向に座屈したりする現象を抑制できるため、プッシャー部9を引き抜いた後のコイル4の配置のずれを抑制することができる。コイル4の配置がずれた場合、巻線組立品7を円環状に組み合わせる際に、隣り合う巻線組立品7のコイル4同士が干渉して、ステータ1の内径真円度を悪化させる場合がある。巻線張力を受ける溝部33は、本実施形態に示すように磁極ティース部22の中心線上に設けることが望ましい。このように磁極ティース部22の中心線上に設けることにより、巻線張力によって傾く方向が一方に偏らず、インシュレータ3をバランスよく傾かせることができる。更には溝部33の中心線と磁極ティース部22の中心線とを一致させるようにすることもできる。以上より内径真円度を確保してステータ1を組立てることができるため、モーターのコギングトルクを低減することができ、モーターの制御性能を向上させることができる。
インシュレータ支持部92は鉄心2の磁極ティース部22の径方向の長さと同じ長さになるように構成することにより、巻線張力をインシュレータ支持部92で受ける際、すべての磁極ティース部22の位置におけるコイル4を巻回する際の巻線張力をインシュレータ支持部92で受けることができる。しかしインシュレータ3自体に十分な剛性があれば、インシュレータ支持部92が磁極ティース部22の径方向の長さよりも短くても、結果的に巻線張力をインシュレータ支持部92で受けることができる。従ってインシュレータ支持部92の長さを短くすることができる。これによりインシュレータ3の溝部33を短くしてインシュレータ3の剛性を向上させることができ、さらにインシュレータ支持部92の長さを短くすることができる。このようにインシュレータ支持部92の長さを短くすることによって、巻線装置への絶縁組立品6の取付け作業、並びに巻線後の絶縁組立品6(巻線組立品7)を巻線装置から取り外す作業が容易となる。
尚本発明が解決しようとする課題に記載したような内径側が軸方向に圧縮するような変形が生じてしまう原因は、絶縁組立品6を軸方向から見て鉄心2の内径と外径の中間に位置する径(以下基準径と呼ぶ)を基準とした場合、鉄心2の内径側の磁極ティース部22に巻線されるとき、鉄心2の内径側のみが圧縮変形するためである。ここで基準径を中心に巻線張力が鉄心2の内径側と外径側に均等に加わる場合、鉄心2の内径側と外径側が均等に圧縮変形するため、鉄心2の軸方向における反りが生じにくく、ステータ1の組立精度を悪化させにくい。そして基準径よりも外径側は内径側に比べて巻線されるときの巻線張力の影響を受けにくく、基準径よりも内径側においてのみインシュレータ支持部92によって巻線張力を受けるようにしても巻線張力は鉄心2の内径側と外径側に均等に加わる。従って基準径よりも外径側は、インシュレータ支持部92によって巻線張力を受ける必要が無く、それよりも内径側にインシュレータ支持部92が存在すればよい。以上より、インシュレータ支持部92の長さを内径側から基準径に至る長さにまですることができ、前記と同様巻線作業を容易にする効果を得ることができる。
実施の形態2.
図12(A)、(B)は実施の形態2によるインシュレータを示す斜視図、図13は鉄心を示す斜視図である。インシュレータ3の基本的形状は実施の形態1と同様であるが、本実施形態においては、図12に示すように、インシュレータ3の溝部200が外径側鍔部32から内径側鍔部31へ向けて形成されている。そして溝部200の外径側は開口している。また実施の形態1においては、鉄心2のバックヨーク部21にアリ溝24が設けられていたが、本実施形態では、V字型溝25が設けられている。図14は実施の形態2による巻線装置を示す斜視図である。巻線装置の回転部8側にインシュレータ支持部201を設け、プッシャー部9の鉄心押え部202を円筒型の形状としている点が、実施の形態1と異なる。尚鉄心押え部202の端面形状は実施の形態1と同様、鉄心2の内径寸法と同等の曲率である接触曲面状に形成してもよいし、あるいは平面状に形成してもよい。
本実施形態の場合、回転部8にインシュレータ支持部201を設け、プッシャー部9にはインシュレータ支持部は設けられておらず、回転部8に設けたインシュレータ支持部201で巻線張力を受けることになる。このように回転部8にインシュレータ支持部201を設けたので、絶縁組立品6を回転部8に取り付ける際、実施の形態1と同様図7の矢印Aに示すように、回転部8の上方向から取り付けるようにすると、絶縁組立品6とインシュレータ支持部201が干渉してしまい、取り付けられなくなる。よって絶縁組立品6を回転部8の回転中心軸方向(図14の矢印Eの方向)から取り付けられるように、鉄心2のバックヨーク部21にはアリ溝の代わりにV字型溝25を設けている。これに伴い回転部8にはV字型溝25と嵌合するV字型の形状を有する凸部203を設けている。このような構成とすることで、巻線装置の回転部8側の構造は実施の形態1に比べて複雑になるが、プッシャー部9側を単純な形状とすることができる。即ち図14に示すようにプッシャー部9の鉄心押さえ部202を円筒形として回転対称の形状とすれば、絶縁組立品6を巻線装置に取り付ける際、ベアリングによって回転自由に支持されているプッシャー部9の角度位相を絶縁組立品6の角度に合わせる必要が無く、プッシャー部9の周辺の構造を大幅に簡略化できる。
実施の形態3.
図15(A)、(B)は実施の形態3によるインシュレータを示す斜視図である。尚鉄心2の形状は実施の形態2と同様である。インシュレータ3の基本的形状は実施の形態2と同様であるが、本実施形態においては、図15に示すように、インシュレータ3の溝部300が内径側鍔部31から外径側鍔部32まで貫通している。図16は本実施形態による巻線装置を示す分解斜視図である。本実施形態においては、回転部8側にインシュレータ支持部(第1のインシュレータ支持部)201を設けるとともに、プッシャー部9にもインシュレータ支持部(第2のインシュレータ支持部)92を設けたものである。このような構成とすることで、巻線張力をプッシャー部9のインシュレータ支持部(第2のインシュレータ支持部)92と回転部8のインシュレータ支持部(第1のインシュレータ支持部)201で受けることができる。従って実施の形態1、2の方法によって鉄心2の圧縮変形が抑制できなかった場合に、本実施形態を採用すれば有効となる。
以上の実施の形態1、2、3により、インシュレータ3を予め鉄心2に装着してマグネットワイヤを巻回しても、巻線張力による鉄心2の圧縮変形を抑制でき、ステータ1の組立精度とコイル4の占積率の向上を図ることができ、モーターの制御性能を向上させることができるとともに、モーターの小型化、高出力化を図ることができる。
尚本発明は、その発明の範囲内において、各実施の形態を自由に組み合わせたり、各実施の形態を適宜、変形、省略したりすることが可能である。
2 鉄心、3 インシュレータ、4 コイル、8 回転部、9 プッシャー部、
10 ノズル部、21 バックヨーク部、22 磁極ティース部、31 内径側鍔部、
32 外径側鍔部、33,200,300 溝部、
92,201 インシュレータ支持部。

Claims (2)

  1. バックヨーク部の中央から内径側に突出した磁極ティース部を有する鉄心と巻回されるコイルとの間に介在すると共に、上記磁極ティース部を覆う部分を有しているインシュレータであって、上記コイルを位置決めするために、上記鉄心の内径側および外径側に相当する位置に形成された内径側鍔部及び外径側鍔部と、上記磁極ティース部の軸方向端面と接する面に形成された溝部を備え、上記溝部は上記外径側鍔部から上記内径側鍔部に向けて上記外径側が開口するように形成されているインシュレータの周囲に上記コイルを巻回させるための巻線装置であって、
    上記インシュレータが装着された上記鉄心を固定して回転させると共に上記溝部に挿入されるインシュレータ支持部を有する回転部と、
    上記鉄心の内径側を押え付ける鉄心押え部を有するプッシャー部と、
    上記回転部の回転中心軸に対して平行移動すると共に上記コイルを案内するノズル部を備え、
    上記バックヨーク部の外周面には、軸方向に垂直な断面形状が外径側に向かって広がるV字型形状となるV字型溝が軸方向に沿って設けられ、
    上記回転部は、上記V字型溝と嵌合する凸部を有し、
    上記インシュレータ支持部は、上記凸部の軸方向両端を覆っている巻線装置。
  2. バックヨーク部の中央から内径側に突出した磁極ティース部を有する鉄心と巻回されるコイルとの間に介在すると共に、上記磁極ティース部を覆う部分を有しているインシュレータであって、上記コイルを位置決めするために、上記鉄心の内径側および外径側に相当する位置に形成された内径側鍔部及び外径側鍔部と、上記磁極ティース部の軸方向端面と接する面に形成された溝部を備え、上記溝部は上記内径側鍔部から上記外径側鍔部まで貫通しているインシュレータの周囲に上記コイルを巻回させるための巻線装置であって、
    上記インシュレータが装着された上記鉄心を固定して回転させると共に上記溝部に挿入される第1のインシュレータ支持部を有する回転部と、
    上記溝部に挿入される第2のインシュレータ支持部及び上記鉄心の内径側を押え付ける鉄心押え部を有するプッシャー部と、
    上記回転部の回転中心軸に対して平行移動すると共に上記コイルを案内するノズル部を備え、
    上記バックヨーク部の外周面には、軸方向に垂直な断面形状が外径側に向かって広がるV字型形状となるV字型溝が軸方向に沿って設けられ、
    上記回転部は、上記V字型溝と嵌合する凸部を有し、
    上記第1のインシュレータ支持部は、上記凸部の軸方向両端を覆っている巻線装置。
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