JP5309674B2 - 固定子コイルの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、回転電機の固定子に用いられる固定子コイルの製造方法に関するものである。
近年、電動機及び発電機として使用される回転電機において、小型高出力及び高品質が求められている。例えば、車両に搭載される回転電機においては、回転電機を搭載するためのスペースが小さくなってきている一方で、出力の向上が求められている。従来の回転電機として、固定子に用いられる固定子コイルが連続巻線で形成されたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1に記載された固定子の製造方法は、まず帯状に成形したコイルを巻回することで、筒状の固定子コイルを成形する。成形された筒状の固定子コイルに対して、固定子コアを取り付ける。
特開2004−320886号公報
しかし、特許文献1に記載の固定子の製造方法においては、帯状のコイルを巻回することで固定子コイルを成形しているため、コイルエンド部のスプリングバック(本の形状に戻る力)により、最外周端部が巻回された状態を維持できない。この状態のまま固定子コアに固定子コイルを配置した場合には、コイルエンド部によるスプリングバックにより、固定子コイルが固定子コアに対して大きな力で当接する状態となるおそれがある。この当接により、固定子コイルを構成する電気導体線の被膜が剥離し、電気導電体と固定子コアと短絡するおそれがある。
また、固定子コアのスロットの大きさを大きくすることで、上記問題が解消されるが、スロットの大きさを大きくすると回転電機の性能の低下を招来する。従って、スロットの大きさが出来るだけ小さい方が望ましい。
上記の理由より、接着剤などにより、固定子コイルを巻回された状態で固定する必要があった。しかし、接着剤の塗布工程が必要であるため、製造工数が増大し、高コスト化を招来していた。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、帯状のコイルを巻回することで固定子コイルを成形する製造方法を採用するにあたって、固定子コイルの形状を維持するための接着剤を用いることのない固定子コイルの製造方法を提供することを目的とする。
以下、上記課題を解決するのに適した各手段につき、必要に応じて作用効果等を付記しつつ説明する。
(手段1)手段1に係る固定子コイルの製造方法は、固定子コアのスロットに収容されるスロット収容部、および、隣り合った前記スロット収容部を連結し前記固定子コアの両端面からそれぞれ突出するコイルエンド部を備える固定子コイルの製造方法であって、電気導体線から複数の成形体を成形する成形工程と、複数の前記成形体を組み込んで帯状の組み込み体を形成する組み込み工程と、前記組み込み体を帯状の前記組み込み体の長手方向の一端から第一芯部材の外周面に巻き取って仮巻き取り体を形成する仮巻き取り工程と、前記仮巻き取り体を前記組み込み体の長手方向の他端から第二芯部材の外周面に巻き取って、前記固定子コイルである本巻き取り体を形成する本巻き取り工程と、を備えることを特徴とする。
手段1によれば、最終的な形状とするための本巻き取り工程の前に、仮巻き取り工程を行っている。つまり、帯状の組み込み体に対してまず仮巻き取り工程を行うことで、仮巻き取り工程により得られた仮巻き取り体は、ほぼ平面状である帯状の組み込み体を、ある程度の湾曲した形状とすることができる。すなわち、コイルエンド部に相当する部位に巻き取り癖をつけることができる。従って、この状態から、本巻き取り工程を行って本巻き取り体を形成することで、本巻き取り体の最外周端部にコイルエンド部によるスプリングバックが生じることを抑制できる。その結果、接着剤を塗布することなく、本巻き取り体(固定子コイルに相当)の形状を維持することができる。
また、仮巻き取り工程において最初に巻き取られる部位が、本巻き取り工程において最外周部位となる。つまり、仮巻き取り工程にて確実に巻き取り癖のつけられる部位が、本巻き取り工程にて最外周部位となるため、最外周端部のスプリングバックを確実に抑制できる。
(手段)手段の固定子コイルの製造方法において、前記仮巻き取り工程は、前記組み込み体の少なくとも前記長手方向の一端部を、前記第一芯部材の外周面に巻き取るとよい。
手段によれば、仮巻き取り工程において少なくとも巻き取られる当該長手方向の一端部が、本巻き取り工程において最外周端部となる。つまり、仮巻き取り工程にて確実に巻き取り癖のつけられる当該長手方向の一端部が、本巻き取り工程にて最外周端部となるため、最外周端部のスプリングバックを確実に抑制できる。なお、当該長手方向の一端部とは、組み込み体の長手方向の一端から、所定の幅分を含む範囲を意味する。
(手段)手段の固定子コイルの製造方法において、前記本巻き取り体は、前記第二芯部材の外周面に複数周巻き取られており、前記仮巻き取り工程は、少なくとも前記本巻き取り体における最外周全周に相当する部位を、前記第一芯部材の外周面に巻き取るとよい。
本巻き取り体が複数周巻き取られる場合に、最外周以外の部位に対しては、当該部位の外周側部分のコイルによる形状規制力が生じる。従って、最外周以外の部位は、最外周部位に比べて、比較的スプリングバックが小さい。これに対して、最外周部位は、その外周側には何も存在しないため、他の部材による形状規制力が働かない。そのため、最外周部位は、スプリングバックにより目的の位置にコイルを位置決めすることができないおそれがある。そこで、少なくとも、本巻き取り体における最外周全周に相当する部位を、仮巻き取り工程にて巻き取ることで、本巻き取り体の最外周全周に相当する部位に巻き取り癖をつけることができる。従って、本巻き取り体の最外周全周に亘って、スプリングバックが生じることを抑制できる。
(手段)手段またはの固定子コイルの製造方法において、前記仮巻き取り工程は、前記第一芯部材の外周面に前記組み込み体を複数周巻き取るとよい。
手段によれば、仮巻き取り工程において、複数周巻き取ることで、仮巻き取り体のうち最内周部位に対しては、その外周側部分のコイルによる形状規制力が生じる。従って、仮巻き取り体のうち最内周部位には、巻き取り癖が確実に形成される。ここで、仮巻き取り体のうち最内周部位は、本巻き取り体の最外周側に相当するため、本巻き取り体の最外周部位のスプリングバックを確実に抑制できる。
(手段)手段の何れかの固定子コイルの製造方法において、前記仮巻き取り工程は、前記組み込み体全てを前記第一芯部材の外周面に巻き取るようにしてもよい。
手段によれば、本巻き取り体における最内周部位にも、仮巻き取り工程において巻き取り癖が形成されることになる。これにより、本巻き取り体における内周側のコイルのスプリングバックが、本巻き取り体の最外周側への影響を小さくできる。つまり、本巻き取り体の形状を確実に維持できる。
(手段)手段の何れかの固定子コイルの製造方法において、前記本巻き取り体は、前記第二芯部材の外周面に複数周巻き取られており、前記第一芯部材の外径は、前記本巻き取り体の最外周部位の内径より小さい径に設定されているとよい。
手段によれば、仮巻き取り体の最内周部位の曲率半径が、本巻き取り体の最外周部位の曲率半径より小さくなる。従って、本巻き取り体の最外周部位が、径方向外方へのスプリングバックが生じることを抑制できる。
(手段)手段の固定子コイルの製造方法において、前記第二芯部材の外径は、前記第一芯部材の外径と同一に設定されているとよい。
手段によれば、第一芯部材と第二芯部材と同一のものを利用できる。従って、製造装置の部品種点数を削減できる。
(手段)手段1〜の何れかの固定子コイルの製造方法において、前記仮巻き取り工程は、押圧部材により、前記第一芯部材の外周面に巻き取られた前記仮巻き取り体のコイルエンド部の外周側から径方向内方に向かって押圧するようにしてもよい。
手段によれば、仮巻き取り工程において、仮巻き取り体に形成する巻き取り癖を、より効果的につけることができる。
以下、本発明の固定子コイルの製造方法を具体化した実施形態について図面を参照しつつ説明する。
<第一実施形態>
まず、本実施形態の固定子コイルの製造方法により得られた固定子コイルを用いた回転電機1の構成について説明する。
この回転電機1は、図1に示されるように、略有底筒状の一対のハウジング部材100、101が開口部同士で接合されてなるハウジング10と、ハウジング10に軸受け110、111を介して回転自在に支承された回転軸20と、回転軸20に固定された回転子2と、ハウジング10の内部で回転子2を包囲する位置でハウジング10に固定された固定子3と、を備えている。
回転子2は、永久磁石により周方向に交互に異なる磁極を、固定子3の内周側と向き合う外周側に複数形成している。回転子2の磁極の数は、回転電機により異なるため限定されるものではない。本実施形態では、8極(N極:4、S極:4)の回転子が用いられている。
固定子3は、図2に示されるように、固定子コア30と、複数の各相巻線から形成された三相の固定子コイル4と、固定子コア30と固定子コイル4との間に配された絶縁紙5と、を備えた構成を有している。
固定子コア30は、図3に示されるように、内周側に開口部を有する複数のスロット31が形成された円環状を呈している。複数のスロット31は、その深さ方向が径方向と一致するように形成されている。固定子コア30に形成されたスロット31の数は、回転子2の磁極数に対し、固定子コイル4の一相あたり2個の割合で形成されている。本実施形態では、8×3×2=48より、スロット数は48個とされている。
固定子コア30は、図4に示される分割コア32を所定の数(本実施形態では、24個)だけ周方向に連結して形成されている。分割コア32は、一つのスロット31を区画するとともに、周方向で隣接する分割コア32との間で一つのスロット31を区画する形状を呈している。具体的には、分割コア32は、径方向内方に伸びる一対のティース部320と、ティース部320を径方向外方で連結するバックコア部321とを有している。
固定子コア30を構成する分割コア32は、0.3mmの厚さの電磁鋼坂410枚を積層させて形成されている。なお、積層された電磁鋼板の間には、絶縁薄膜が配置されている。固定子コア30を構成する分割コア32は、この電磁鋼板の積層体からだけでなく、従来公知の金属薄板及び絶縁薄膜を用いて形成してもよい。
固定子コイル4は、複数の巻線40を所定の巻回方法で巻回してなる。固定子コイル4を構成する巻線40は、図5(A)に示されるように、銅製の導体41と、導体41の外周を覆い導体41を絶縁する内層420及び外層421からなる絶縁被膜42とから形成されている。内層420及び外層421を合わせた絶縁被膜42の厚みは、100μm〜200μmの間に設定されている。このように、内層420及び外層421からなる絶縁被膜42の厚みが厚いので、巻線40同士を絶縁するために巻線40同士の間に絶縁紙等を挟み込む必要がなくなっているが、巻線40同士の間あるいは図2に示されるように固定子コア30と固定子コイル40との間に絶縁紙を配設してもよい。
さらに、固定子コイル4の巻線40は、図5(B)に示されるように、内層420及び外層421からなる絶縁被膜42の外周をエポキシ樹脂等からなる融着材48で被覆して形成してもよい。この場合、回転電機1に発生する熱により融着材48が絶縁被膜42よりも早く溶融するので、同じスロット31に設置されている複数の巻線40同士が融着材48同士により熱接着する。その結果、同じスロット31に設置されている複数の巻線40が一体化し巻線40同士が鋼体化することで、スロット31内の巻線40の機械的強度が向上する。
固定子コイル4は、図6に示されるように、それぞれが2本の三相巻線(U1、U2、V1、V2、W1、W2)により形成されている。
固定子コイル4は、図7に示されるように、複数の巻線40を所定の形状に巻回してなる。固定子コイル4を構成する巻線40は、固定子コア30の内周側で周方向に沿って波巻きされる形状で成形されている。
固定子コイル4を構成する巻線40は、固定子コア30のスロット31に収容される直線状のスロット収容部)43と、隣り合ったスロット収容部43同士を連結するコイルエンド部(「ターン部」とも称する)44と、を備えている。スロット収容部43は、所定のスロット数(本実施形態では、3相×2個=6個)ごとのスロット31に収容されている。ターン部44は、固定子コア30の軸方向の端面から突出して形成されている。
固定子コイル4は、複数の巻線40の両端を固定子コア30の軸方向の端面から突出させ、かつ複数の巻線40を周方向に沿って波状に巻装した状態で形成されている。固定子コイル4の1相は、第1の巻線部40aと第2の巻線部40bとの端部同士を溶接により接合して形成されている。すなわち、2本の電気導体線から成形した2つの成形体の端部同士を接合して形成された一つの組体から固定子コイル4の1相が形成されている。第1の巻線部40aのスロット収容部43と第2の巻線部40bのスロット収容部43とは、同一スロット31に収容される。このとき、第一の巻線部40aのスロット収容部43と、第二の巻線部40bのスロット収容部43とは、スロット31の深さ方向(径方向)で交互に位置するように設置されている。そして、第1の巻線部40aと第2の巻線部40bとの接合部45は、第1の巻線部40aと第2の巻線部40bの巻装される方向が反転するスロット収容部43よりなる折り返し部46に形成されている。
固定子コイル4の展開図、すなわち巻回される前の組み込み体47の平面図が図8に示されるように、固定子コイル4は、互いに巻装方向が異なる第1の巻線部40aと第2の巻線部40bとからなる組体を6組有し、6組の組体を用いて、3相(U,V,W)×2個(倍スロット)のコイルとされている。各組体において、第1の巻線部40aの中性点側(又は相端子側)の端部と反対側の端部と、第2の巻線部40bの相端子側(又は中性点側)の端部と反対側の端部とが、折り返し部46よりなるスロット収容部43を介して接続されている。各相の巻線40の結線方法は同様である。
以下、第一実施形態の固定子コイル4の製造方法について説明する。すなわち、固定子コイル4は、以下のようにして製造される。なお、以下の説明において、径方向は芯部材又は巻き取り体の径方向を意味し、周方向は芯部材又は巻き取り体の周方向を意味する。
<成形工程>
まず、12本の電気導体線から12個の成形体を成形する。ここで成形する各成形体は、互いに平行に延びて成形体の長手方向に並列した複数の直状部(スロット収容部)431と、隣り合う直状部431同士を直状部431の一端側と他端側とで交互に連結する複数のターン部(コイルエンド部)441とを有する。
<組み込み工程>
12個の成形体を組み込むことにより、組み込み体47を形成する。この組み込み体47においては、6組の組体が組み込み体47の長手方向に並列している。各組体は、第1の巻線部40aとなる第1線部と、第2の巻線部40bとなる第2線部とからなる。なお、第1線部が1個の成形体よりなり、第2線部も1個の成形体よりなる。各組体における第1線部の端部と第2線部の端部とが溶接接合されて接合部45とされている。なお、12個の成形体を組み込んでから、各組体における第1線部の端部と第2線部の端部とを接合してもよいし、第1線部の端部と第2線部の端部とを接合して6組の組体を形成してから、この6組の組体を組み込んでもよい。
組み込み体47における各組体は、第1線部における複数の直状部431と第2線部における複数の直状部431とがそれぞれ重ね合わされて形成された複数の直状重ね合わせ部471を組み込み体47の長手方向に有する。このように、組み込み体47は、複数の成形体を組み込むことで帯状に形成されている。
<仮巻き取り工程>
仮巻き取り工程について、図9(A)(B)を参照して説明する。図9(A)に示すように、帯状の組み込み体47の長手方向の一端、具体的には組み込み体47のうち端部が延出している側(折り返し部46と反対側)から、第一芯部材50の外周面に巻き取る。そして、図9(B)に示すように、全ての組み込み体47を第一芯部材50の外周面に巻き取って、仮巻き取り体51を形成する。ここで、第一芯部材50の外周面のうち組み込み体47を巻き取る部位の軸方向断面形状は、半径Rの円形をなしている。つまり、仮巻き取り体51は円筒状となり、仮巻き取り体51の内径はRとなる。そして、第一芯部材50は、後述する本巻き取り工程において用いる第二芯部材60と同一のものを用いている。つまり、第一芯部材50の外径は、第二芯部材60の外径と同一の半径Rとしている。また、本実施形態においては、仮巻き取り体51は、4周巻回されている。従って、第一芯部材50の外径は、後述する本巻き取り体61の最外周部位の内径より小さい径に設定されている。なお、仮巻き取り体51においては、折り返し部46が最外周に位置している。
そして、図9(B)に示すように、組み込み体47を第一芯部材50の外周面に巻き取った状態において、3つのチャック(押圧部材)52により、仮巻き取り体51のうち両端のコイルエンド部に相当する部位の外周側から、径方向内方に向かって押圧される。これにより、仮巻き取り体51のコイルエンド部に、第一芯部材50の外周面に倣って巻き取り癖が付けられる。
<本巻き取り工程>
仮巻き取り工程の後に、本巻き取り工程を行う。本巻き取り工程について、図9(C)(D)を参照して説明する。図9(C)に示すように、第一芯部材50に巻回されている仮巻き取り体51を、第二芯部材60の外周面に巻き取る。具体的には、帯状の組み込み体47の長手方向の他端、具体的には仮巻き取り体51のうち最外周に位置する折り返し部46側から、第二芯部材60の外周面に巻き取る。そして、図9(D)に示すように、全ての仮巻き取り体51を第二芯部材60の外周面に巻き取って、図7に示す本巻き取り体61(固定子コイル4に相当する。)を形成する。ここで、第二芯部材60の外周面のうち組み込み体47を巻き取る部位の軸方向断面形状は、第一芯部材60の外周面と同一の半径Rの円形をなしている。つまり、仮巻き取り体51は円筒状となり、仮巻き取り体51の内径はRとなる。本実施形態においては、本巻き取り体61は、4周巻回されている。なお、本巻き取り体61においては、折り返し部46が最内周に位置し、組み込み体47のうち端部が延出している側が最外周に位置する。
このとき、本巻き取り体61は、一つの組体における複数の直状重ね合わせ部471が径方向に巻数分だけ積層されて形成された複数の直状積層部611を本巻き取り体61の周方向に有する。各直状積層部611においては、巻数の2倍の数の直状部431が重ね合わされて径方向(放射方向)に一列に並んでいる。このとき、各直状積層部611は、本巻き取り体61の周方向で小間隔を隔てた状態で位置している。
こうして得られた本巻き取り体61に対して、径方向外方から分割コア32のティース部320を隣り合う直状積層部611同士の間の隙間に挿入し、隣り合う分割コア32同士を連結して固定子3とする。
以上説明したように、固定子コイル4を製造することにより、以下の効果を奏する。上記の製造方法は、固定子コイル4を最終的な形状とするための本巻き取り工程の前に、仮巻き取り工程を行っている。つまり、帯状の組み込み体47に対してまず仮巻き取り工程を行うことで、仮巻き取り工程により得られた仮巻き取り体51は、ほぼ平面状である帯状の組み込み体47を、ある程度の湾曲した形状とすることができる。すなわち、コイルエンド部44に相当する部位に巻き取り癖をつけることができる。従って、この状態から、本巻き取り工程を行って本巻き取り体61を形成することで、本巻き取り体61の最外周端部にコイルエンド部44によるスプリングバックが生じることを抑制できる。その結果、接着剤を塗布することなく、本巻き取り体61(固定子コイル4に相当)の形状を維持することができる。
また、仮巻き取り工程では、組み込み体47の全てを第一芯部材50の外周面に巻き取るようにしている。すなわち、仮巻き取り工程では、組み込み体47の少なくとも長手方向の一端部(折り返し部46と反対側)を、第一芯部材50の外周面に巻き取っている。ここで、仮巻き取り工程において少なくとも巻き取られる当該長手方向の一端部(折り返し部46と反対側部分)が、本巻き取り工程において最外周端部となる。つまり、仮巻き取り工程にて確実に巻き取り癖のつけられる当該長手方向の一端部が、本巻き取り工程にて最外周端部となるため、最外周端部のスプリングバックを確実に抑制できる。
さらに、仮巻き取り工程で組み込み体47の全てを第一芯部材50の外周面に巻き取るということは、仮巻き取り工程は、少なくとも本巻き取り体61における最外周全周に相当する部位を、第一芯部材50の外周面に巻き取ることになる。ここで、本巻き取り体61が複数周巻き取られる場合に、最外周以外の部位に対しては、当該部位の外周側部分のコイルによる形状規制力が生じる。従って、本巻き取り体61の最外周以外の部位は、最外周部位に比べて、比較的スプリングバックが小さい。これに対して、本巻き取り体61の最外周部位は、その外周側には何も存在しないため、他の部材による形状規制力が働かない。そのため、本巻き取り体61の最外周部位は、スプリングバックにより目的の位置にコイルを位置決めすることができないおそれがある。そこで、少なくとも、本巻き取り体における最外周全周に相当する部位を、仮巻き取り工程にて巻き取ることで、本巻き取り体61の最外周全周に相当する部位に巻き取り癖をつけることができる。従って、本巻き取り体61の最外周全周に亘って、スプリングバックが生じることを抑制できる。
さらに、仮巻き取り工程で組み込み体47の全てを第一芯部材50の外周面に巻き取るということは、仮巻き取り工程では、第一芯部材50の外周面に組み込み体47を複数周巻き取ることになる。このように、仮巻き取り工程において、複数周巻き取ることで、仮巻き取り体51のうち最内周部位に対しては、その外周側部分のコイルによる形状規制力が生じる。従って、仮巻き取り体51のうち最内周部位には、巻き取り癖が確実に形成される。ここで、仮巻き取り体51のうち最内周部位は、本巻き取り体61の最外周側に相当するため、本巻き取り体61の最外周部位のスプリングバックを確実に抑制できる。
さらに、仮巻き取り工程で組み込み体47の全てを第一芯部材50の外周面に巻き取ることで、本巻き取り体61における最内周部位にも、仮巻き取り工程において巻き取り癖が形成されることになる。これにより、本巻き取り体61における内周側のコイルのスプリングバックが、本巻き取り体61の最外周側への影響を小さくできる。つまり、本巻き取り体61の形状を確実に維持できる。
また、第一芯部材50の外径と第二芯部材60の外径とは同一である。第一芯部材50の外径は、本巻き取り体61の最外周部位の内径より小さい径に設定されていることになる。これにより、仮巻き取り体51の最内周部位の曲率半径が、本巻き取り体61の最外周部位の曲率半径より小さくなる。従って、本巻き取り体61の最外周部位が、径方向外方へのスプリングバックが生じることを抑制できる。さらに、第一、第二芯部材50、60を同一とすることで、両者を同一のものを用いることができる。従って、製造装置の部品種点数を削減できる。
さらに、仮巻き取り工程において、チャック(押圧部材)52により、第一芯部材50の外周面に巻き取られた仮巻き取り体51のコイルエンド部44の外周側から径方向内方に向かって押圧するようにしている。これにより、仮巻き取り工程において、仮巻き取り体51に形成する巻き取り癖を、より効果的につけることができる。
<その他>
上記実施形態において、第一芯部材50と第二芯部材60とは、同一のものとしたが、これに限られるものではない。ただし、第一芯部材50の外径が、本巻き取り体61の最外周部位の内径より小さい径に設定されているとよい。
さらに、仮巻き取り工程において、組み込み体47の全てを第一芯部材50の外周面に巻き取るようにしたが、これに限られるものではない。他に、組み込み体47の長手方向の一端部(折り返し部46と反対側)のみを第一芯部材50の外周面に巻き取るようにしてもよい。また、仮巻き取り工程において、本巻き取り体61における最外周全周に相当する部位のみを、第一芯部材50の外周面に巻き取るようにしてもよい。また、仮巻き取り工程において、第一芯部材50の外周面に組み込み体47全てではなく、その一部を複数周巻き取るようにしてもよい。これらの場合には、それぞれによる効果を奏する。
また、仮巻き取り工程において、チャック52の代わりに、ホースバンドなどを利用することもできる。もちろん、仮巻き取り工程において、チャック52などの押圧部材を用いないことも可能である。第一芯部材50の外径と第二芯部材60の外径との関係、巻線40の曲げ剛性などにより、仮巻き取り工程における巻き取り癖の付き具合によって適宜調整する。
回転電機の構成を模式的に示す軸方向断面図である。 固定子の平面図である。 固定子コアの平面図である。 分割積層コアの平面図である。 固定子コイルを構成する巻線の断面図である。 固定子コイルの結線を示す図である。 固定子コイルとなる巻き取り体の斜視図である。 固定子コイルの展開図であり、組み込み体の平面図である。 仮巻き取り工程および本巻き取り工程の状態遷移図である。
符号の説明
1:回転電機
3:固定子、 30:固定子コア、 31a、31b:スロット
4:固定子コイル、 43:スロット収容部、 44:コイルエンド部(ターン部)
47:組み込み体
50:第一芯部材、 51:仮巻き取り体、 52:チャック
60:第二芯部材、 61:本巻き取り体

Claims (8)

  1. 固定子コアのスロットに収容されるスロット収容部、および、隣り合った前記スロット収容部を連結し前記固定子コアの両端面からそれぞれ突出するコイルエンド部を備える固定子コイルの製造方法であって、
    電気導体線から複数の成形体を成形する成形工程と、
    複数の前記成形体を組み込んで帯状の組み込み体を形成する組み込み工程と、
    前記組み込み体を帯状の前記組み込み体の長手方向の一端から第一芯部材の外周面に巻き取って仮巻き取り体を形成する仮巻き取り工程と、
    前記仮巻き取り体を前記組み込み体の長手方向の他端から第二芯部材の外周面に巻き取って、前記固定子コイルである本巻き取り体を形成する本巻き取り工程と、
    を備えることを特徴とする固定子コイルの製造方法。
  2. 前記仮巻き取り工程は、前記組み込み体の少なくとも前記長手方向の一端部を、前記第一芯部材の外周面に巻き取る請求項1に記載の固定子コイルの製造方法。
  3. 前記本巻き取り体は、前記第二芯部材の外周面に複数周巻き取られており、
    前記仮巻き取り工程は、少なくとも前記本巻き取り体における最外周全周に相当する部位を、前記第一芯部材の外周面に巻き取る請求項2に記載の固定子コイルの製造方法。
  4. 前記仮巻き取り工程は、前記第一芯部材の外周面に前記組み込み体を複数周巻き取る請求項2または3に記載の固定子コイルの製造方法。
  5. 前記仮巻き取り工程は、前記組み込み体全てを前記第一芯部材の外周面に巻き取る請求項2〜4の何れか一項に記載の固定子コイルの製造方法。
  6. 前記本巻き取り体は、前記第二芯部材の外周面に複数周巻き取られており、
    前記第一芯部材の外径は、前記本巻き取り体の最外周部位の内径より小さい径に設定されている請求項1〜5の何れか一項に記載の固定子コイルの製造方法。
  7. 前記第二芯部材の外径は、前記第一芯部材の外径と同一に設定されている請求項6に記載の固定子コイルの製造方法。
  8. 前記仮巻き取り工程は、押圧部材により、前記第一芯部材の外周面に巻き取られた前記仮巻き取り体のコイルエンド部の外周側から径方向内方に向かって押圧する請求項1〜7の何れか一項に記載の固定子コイルの製造方法。
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