JP6821299B2 - Ptpシート製造装置およびptpシート製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、シートに複数のポケット部を成形するPTPシート製造装置およびPTPシート製造方法に関する。
従来、錠剤等を収容するための複数のポケット部を成形するPTP(Press Through Packaging)シート製造装置は、上部加熱板と下部加熱板を有する加熱装置と、上部成形板と下部成形板を有する成形装置を有し、加熱装置で樹脂のシートを挟み込んで加熱した後、成形装置でシートを挟み込んでプレスすることで所定位置にポケット部を成形している(例えば、特許文献1参照)。
図6および図7を参照して、従来のPTPシート製造装置100について説明する。図6は従来のPTPシート製造装置の加熱装置110と成形装置112部分を抜き出して示す側面概略図であり、図7は、折り目Fのついた成形線が形成されたPTPシートの概要図であって、同図(a)が平面図、同図(b)が側面図、同図(c)が拡大側面図である。
PTPシート製造装置100は、帯状の樹脂シート(樹脂フィルム)S´を原反ロール(不図示)から、設計された製品単位列毎に間欠送りで搬送し、その搬送途中で樹脂シートS´を加熱、成形する装置である。加熱装置110は、上部加熱板110aと下部加熱板110bを備え、成形装置112は、上部成形板112aと下部成形板112bを備えて、それぞれ樹脂シートS´を挟みこんで加熱、成形を行っている。つまり、樹脂シートS´を加熱装置110と成形装置112で挟み込む加熱・成形工程と、樹脂シートS´の挟み込みを開放して間欠送りする搬送工程とが繰り返し実行される。
図6(a)に示すように、樹脂シートS´の搬送時には、樹脂シートS´は所定高さの搬送位置TH´で搬送され、加熱装置110の上部加熱板110aと下部加熱板110bは、樹脂シートS´から離間するように上下方向に待避している。また、また成形装置112の上部成形板112aと下部成形板112bも樹脂シートS´から離間するように上下方向に待避しているが、両者の樹脂シートS´側の対向面間の距離x2は、上部加熱板110aと下部加熱板110bの対向面間の距離x1よりも大きく離間されている。
そして、同図(b)に示すように、樹脂シートS´の加熱・成形時には、加熱装置110の上部加熱板110aと下部加熱板110bが近接するように移動して樹脂シートS´を挟み込むと共に、成形装置112の上部成形板112aと下部成形板112bが近接するように移動して樹脂シートS´を挟み込む。この時、加熱装置110では例えば下部加熱板110bのみが上昇し、成形装置112では下部成形板112bのみが上昇する。
このような構成では、成形装置112で樹脂シートS´を挟み込む位置(高さ)PH1は、加熱装置110で樹脂シートS´を挟み込む位置(高さ)PH2(ここでは、搬送位置TH´と同じ位置)よりも高くなっているため、加熱装置110と成形装置112との間に位置する樹脂シートS´は斜めに上昇する経路をとり、成形装置112の下部成形板112bの上流側の端部で折れ曲がり、その結果としてポケット部A形成後の樹脂シートS´には、図6(c)および図7に示すように、折り目Fがついた成形線が形成されてしまう。
この場合の加熱装置110と成形装置112の位置関係は、以下の理由により設定されているものである。
まず、加熱装置110においては140℃程度で加熱を行うが、樹脂シートS´の加熱効率を高めるため、上部加熱板110aと下部加熱板110bとは、樹脂シートS´の搬送(移動)時であってもなるべく両者が樹脂シートS´から大きく離間しないようにする(図6(a)の距離x1)必要がある。
一方、成形装置112では18℃程度まで冷却した状態で成形を行う。このため、成形された樹脂シートS´を繰り出し、次の成形のために新たに加熱された樹脂シートS´を成形装置112に移動させる際、冷却された上部成形板112a(または下部成形板112b)に加熱された樹脂シートS´が接触すると、樹脂シートS´が冷却されてしまい、成形不良となる。このことを防止するために、上部加熱板110aおよび下部加熱板110bの出口から引き出される樹脂シートS´は、上部成形板112aと下部成形板112bと干渉を避ける(接触しない)よう、両者からなるべく離間した位置で通過させる必要がある(図6(a))。
つまり、樹脂シートS´の搬送時において、加熱装置110の上部加熱板110aと下部加熱板110bはなるべく樹脂シートS´に近接させる一方で、成形装置112では上部加熱板112aと下部加熱板112bはなるべく樹脂シートS´から離間させる必要がある。
また、樹脂シートS´は静電気を帯びやすく、状況によっては上部成形板112a(または下部成形板112b)に引き寄せられることもある。このことからも樹脂シートS´の移動時には、樹脂シートS´と上部成形板112a(または下部成形板112b)は大きく離間させる必要がある。
更に、成形装置112の下部成形板112bの上面側には多数のポケット部形成用の凹部(不図示)が設けられており、樹脂シートS´の成形時には、上部成形板112に設けられた空気孔(不図示)から凹部に圧縮空気を吹き込み、ポケット部Aを成形する。つまり成形装置112においては成形時にエアーが漏れないようにする必要があり、上部成形板112aと下部成形板112bは非常に強い力で樹脂シートS´を挟み、固定する必要がある。このため上部成形板12aと下部成形板112bの構造には強度を必要とし、仮に上部成形板112aと下部成形板112bの双方を移動可能とすると、装置の製造コストや設計の難易度を高めてしまう問題がある。また、上部成形板112aと下部成形板112bをそれぞれ上下に駆動するためには大きな構造体が必要となるため、型替え時などには作業性が悪化する等の問題がある。従って、従来では、上部成形板112aおよび下部成形板112bのうち、ポケット部形成用の凹部が設けられている一方(例えば、下部成形板112b)のみ上下移動を可能とし、エアーを噴出する他方側(例えば、上部成形板112a)は、設定された圧力で樹脂シートS´を固定するためにばね構造が組み込まれるのみで、上下移動させる駆動機構を備えない(固定されている)いる場合が多い。つまり、図6(b)に示すように、成形時には、樹脂シートS´から大きく上方に待避している上部成形板112aに向かって下部成形板112bを上昇させる必要がある。
これらのことから、従来の構成では、加熱装置110の上部加熱板110aの樹脂シートS´側の面(下面)の位置(高さ)と、成形装置112の上部成形板112aの下面の位置(高さ)は可能な限り大きい高低差(Δx´)を設ける必要があった。
それに加えて、加熱された樹脂シートS´が成形される前に冷えてしまうことを防止するためには、加熱装置110の出口(下流側端部)と、成形装置112の入口(上流側端部)の距離L´は、樹脂シートS´の搬送方向において近接させる必要がある。
つまり、加熱装置110の出口(下流側端部)と、成形装置112の入口(上流側端部)の距離L´が近接している状態で、加熱装置110の上部加熱板110a(の下面)と成形装置112の上部成形板112a(の下面)は大きい高低差Δxを設けなければならず、これによって、加熱装置110の出口と成形装置112の入口との間で樹脂シートS´は斜めに上昇する経路をとって強く折り曲げられてしまうことになる。
樹脂シートS´が折れ曲がった状態で成形装置112においてポケット部Aの成形および冷却が行われると、樹脂シートS´には成形単位に折れ曲がった筋(折り目)Fが入ってしまう。この折り目は、それ以降の下流の工程においても消えることがなく、樹脂シートS´の美観を損なう問題がある。
そこで、折り目(折り癖)がついた成形線を再度成形装置でプレスすることで、当該成形線を目立たなくする技術が開発されている(例えば、特許文献2参照)。
特開2003−081206号公報 特開2012−218758号公報
しかしながら、特許文献2に記載の技術は、折り目がついた成形線を目立たなくためのものであり、折り目の発生自体を防止できるものではない。
つまり、折り目が目立たなくなっても、当該折り目は、それ以降の下流の工程においても消えることがないため、美観の優れた樹脂シート(PTPシート)を提供する、という点では不十分である。
また、樹脂シートに折り目が生じていると、その下流の工程において折り目部分において樹脂シートの搬送が不安定となる。樹脂シートの搬送が不安定となると、例えば成形されたポケット部Aに被包装体(薬剤など)を収容する際に位置ずれが生じたり、収容した被包装体がポケット部A内で振動して不安定になるなどの大きな問題となる。折り目を目立たないように処理した場合であっても、一旦形成されてしまった折り目によって、樹脂シートの搬送が不安定となる恐れは残るため、折り目自体を生じさせないようにすることが望まれている。
更に、既述のように加熱された樹脂シートが成形される前に冷えてしまうことを防止するためには、加熱装置110の出口(下流側端部)と、成形装置112の入口(上流側端部)とは、樹脂シートの搬送方向において近接させる必要があるが、前述の通り樹脂シートS'が強く折り曲げられてしまうため、加熱装置110の出口(下流側端部)と、成形装置112の入口(上流側端部)の距離L´は最低でも3mm程度は確保する必要があった。つまり、加熱装置110の出口(下流側端部)と、成形装置112の入口(上流側端部)を近接させるにも限界があり、この間に樹脂シートが冷却してしまう恐れもあった。
(1)本発明は、搬送される帯状のシートに複数のポケット部を成形するPTPシート製造装置であって、前記シートの一方側に配置された第一加熱板と、該第一加熱板と対向して前記シートの他方側に配置された第二加熱板とを有し、搬送途中の前記シートを加熱する加熱手段と、前記シートの一方側に配置された第一成形板と、該第一成形板と対向して前記シートの他方側に配置された第二成形板とを有し、前記加熱手段の下流側に配置されて前記シートの一部に前記ポケット部を成形する成形手段と、を備え、前記加熱手段は、加熱時に前記第一加熱板と前記第二加熱板の少なくともいずれか一方を移動させて挟み位置において前記シートを挟み込み、前記成形手段は、成形時に前記第一成形板と前記第二成形板の少なくともいずれか一方を移動させて前記挟み位置において前記シートを挟み込み、前記挟み位置は、前記シートの搬送位置とは異なる位置であって、該シートが前記加熱手段と前記成形手段との間で一直線上となる位置であり、前記加熱手段と前記成形手段とが連動して前記挟み位置に移動する、ことを特徴とするPTPシート製造装置である。
このような構成によれば、加熱手段の出口(下流側端部)と成形手段の入口(上流側端部)との間でシートを水平に維持できるので、折り目の発生を回避でき、美観に優れたシート(PTPシート)を製造することができる。
また、折り目が生じないため、シートを安定して搬送することができ下流工程において、成形されたポケット部に被包装体(薬剤など)を収容する際に位置ずれが生じたり、収容した被包装体がポケット部内で振動して不安定になるなどの問題の発生を防止できる。
このような構成によれば、加熱されたシートを成形手段に移動させる際、第一成形板または第二成形板とシートの接触を回避できる。また、シートが静電気を帯びるなどして第一成形板(または第二成形板)に引き寄せられることがあっても両成形板とシートの接触は回避できる。つまりシートの冷却による成形不良を防止できる。
また、折り目が形成されないため、シートが間欠送りされた場合に折り目とポケット部形成位置の干渉を考慮する必要がなく、加熱手段の出口(下流側端部)と、成形手段の入口(上流側端部)の距離を従来より近接させることができる。これにより、加熱手段と成形手段の間でシートが冷却してしまう可能性も低減できる。
このような構成によれば、加熱手段の出口(下流側端部)と成形手段の入口(上流側端部)との間でシートを水平に維持できるので、折り目の発生を回避でき、美観に優れたシート(PTPシート)によって包装することが可能なPTP包装機を提供することができる。
また、折り目が生じないため、シートを安定して搬送することができ下流工程において、成形されたポケット部に被包装体(薬剤など)を収容する際に位置ずれが生じたり、収容した被包装体がポケット部内で振動して不安定になるなどの問題の発生を防止できる。
)本発明はまた、搬送される帯状のシートに複数のポケット部を成形するPTPシート製造方法であって、前記シートの一方側に配置された第一加熱板と、該第一加熱板と対向して前記シートの他方側に配置された第二加熱板によって、搬送途中の前記シートを加熱する加熱工程と、加熱された前記シートの一方側に配置された第一成形板と、該第一成形板と対向して前記シートの他方側に配置された第二成形板によって前記シートの一部に前記ポケット部を成形する成形工程を有し、前記加熱工程と前記成形工程の間において前記シートが屈曲しないような状態で、前記加熱工程において、前記第一加熱板と前記第二加熱板の少なくともいずれか一方の加熱板を移動させて挟み位置において前記シートを挟み込み、前記成形工程において、前記第一成形板と前記第二成形板の少なくともいずれか一方の成形板を移動させて前記挟み位置において前記シートを挟み込み、前記挟み位置は、前記シートの搬送位置とは異なる位置であって、前記第一加熱板と前記第二加熱板を有する加熱手段と、前記第一成形板と前記第二成形板を有する成形手段との間で該シートの高さが一直線上となる位置であり、前記加熱板と前記成形板とが連動して前記挟み位置に移動する、ことを特徴とするPTPシート製造方法である。
このような構成によれば、加熱手段の出口(下流側端部)と成形手段の入口(上流側端部)との間でシートを水平に維持できるので、折り目の発生を回避でき、美観に優れたシート(PTPシート)の製造方法を提供できる。
また、折り目が生じないため、シートを安定して搬送することができ下流工程において、成形されたポケット部に被包装体(薬剤など)を収容する際に位置ずれが生じたり、収容した被包装体がポケット部内で振動して不安定になるなどの問題の発生を防止できる。
このような構成によれば、加熱されたシートを成形手段に移動させる際、第一成形板または第二成形板とシートの接触を回避できる。また、シートが静電気を帯びるなどして第一成形板(または第二成形板)に引き寄せられることがあっても両成形板とシートの接触は回避できる。つまりシートの冷却による成形不良を防止できる。
また、折り目が形成されないため、シートが間欠送りされた場合に折り目とポケット部形成位置の干渉を考慮する必要がなく、加熱手段の出口(下流側端部)と、成形手段の入口(上流側端部)の距離を従来より近接させることができる。これにより、加熱手段と成形手段の間でシートが冷却してしまう可能性も低減できる。
このような構成によれば、加熱手段の出口(下流側端部)と成形手段の入口(上流側端部)との間でシートを水平に維持できるので、折り目の発生を回避でき、美観に優れたPTP包装体の製造方法を提供できる。
また、折り目が生じないため、シートを安定して搬送することができ下流工程において、成形されたポケット部に被包装体(薬剤など)を収容する際に位置ずれが生じたり、収容した被包装体がポケット部内で振動して不安定になるなどの問題の発生を防止できる。
成形装置でポケット部を成形した場合であっても、樹脂シートに折り目が付いた成形線が形成されないため、美観に優れ、成形不良を回避するとともに安定した搬送も可能なPTPシート製造装置およびPTPシート製造方法を提供できる。


本発明に係るPTP包装機の好適な一実施形態を示す全体図である。 本発明に係るPTPシート製造装置によって成形されたPTPシートの概要図であり、(a)平面図であり、(b)側面図である。 PTPシート製造装置の要部を示す側面図である。 PTPシート製造装置の要部を示す側面図である。 PTPシート製造装置の要部を示す側面図である。 従来技術を説明するための側面図である。 従来技術を説明するための図であり、(a)平面図、(b)側面図、(c)拡大側面図である。
以下、図1から図5を参照して、本発明に係るPTP(Press Through Packaging)シート製造装置10について詳細に説明する。
<第1実施形態>
図1は、本実施形態のPTPシート製造装置10を含むPTP包装機50の一例を示す概要図である。また、図2が本実施形態のPTPシート製造装置10によって成形されたPTPシートの一例を示す図であり(a)が平面図であり、(b)が側面図である。また、図3が本実施形態のPTPシート製造装置10の要部を示す側面図であり、同図(a)がシートの搬送時の側面図であり、同図(b)、(c)がシートの加熱・成形時の側面図である。なお、本図および以降の各図において、一部の構成を適宜省略して、図面を簡略化する。
図1に示すように、PTP包装機50は、樹脂シートSが巻き取られた原反ロール11が装置の上流側(図示左側)に回転自在にセットされる。この原反ロール11から連続して送りローラ12により樹脂シートSが引き出され、複数のローラ13に掛け渡されて加熱装置15に導かれる。この加熱装置15は、第一加熱板15aと第二加熱板15bを有し、樹脂シートSの所定部位(ポケット部成形領域)を加熱するようになっている。
加熱装置15の下流側には近接して成形装置16が配置される。成形装置16は第一成形板16aと第二成形板16bを有し、加熱装置15で部分的に加熱した樹脂シートSのポケット部成形領域に対して圧空成形により、ポケット部Aを成形する(図2参照)。加熱装置15と成形装置16については後に詳述する。
成形装置16の下流には、第一補助冷却板32aと第二補助冷却板32bを有する補助冷却装置32が設けられる。成形装置16を通過したポケット部A成形済みの樹脂シートSは、第一補助冷却板32aと第二補助冷却板32bに挟み込まれて再度冷却され、ポケット部Aの成形が固定される。補助冷却装置32の下流には、樹脂シートSを間欠送りする送り装置14が配置されおり、当該送り装置14は樹脂シートSをクランプして1回の成形長さに相当する距離を下降した後、クランプを開放して上昇し元の位置に復帰する動作を繰り返し行う。送り装置14から送り出された樹脂シートSは、ダンサローラ19、アイドルローラ17に掛け渡されて所定の経路で搬送される。
この樹脂シートSの搬送経路の上方所定位置には被包装体供給装置18が設置され、この被包装体供給装置18から、各ポケット部Aに対して被包装体(例えば、錠剤)が供給される。この被包装体供給装置18の下流側にはシール装置20が配置されており、被包装体の供給を受けた樹脂シートSがそのシール装置20に導かれる。
一方、アルミシート等からなる蓋フィルム21が巻き取られた原反ロール22は、PTP包装機50の搬出端側近傍に回転自在に設置される。その原反ロール22から引き出された蓋フィルム21は、複数のローラ23に掛け渡されて所定の経路を通り、シール装置20に導かれる。そして、このシール装置20にて、蓋フィルム21が樹脂シートSの上面を覆うように被覆されるとともに、両フィルムの接触部位(樹脂シートSのポケット部Aの未形成領域)が熱シールされて密封される。
シール装置20は、ヒータを内蔵するシールローラ20aと、表面に樹脂シートSに形成されたポケット部Aに符合する凹部を有するシール受けローラ20bとを備えている。そして、シール受けローラ20bに形成する凹部の縦横の間隔は、樹脂シートSに形成されるポケット部Aの縦横の間隔と一致させている。これにより、樹脂シートSは、形成されたポケット部Aをシール受けローラ20bに設けた凹部内に符合するように位置合わせをした状態で掛け渡される。よって、シール受けローラ20bの回転にともない、樹脂シートSも搬送されることになる。そして、その樹脂シートSと蓋フィルム21とが重ね合わされた状態でシールローラ20aとシール受けローラ20b間を通過することにより、その通過時に両ローラで挟まれ、加熱状態で加圧されてポケット部未形成領域が密着してシールされ、ポケット部A内の被包装体が密封される。
さらに、このシール装置20の下流側には、フィルムに対してロット番号等を刻印する刻印装置25、所定個数ずつに分離可能にするためフィルムの所定位置をハーフカットしてポケット部Aの周囲に切断容易線を形成するスリッター装置26、打ち抜き装置27の順に配置される。打ち抜き装置27は、シールされて一体化された樹脂シートSと蓋フィルム21の所定位置を打ち抜いて、n×m個のポケット部Aを備えたPTP包装体を製造するものである。刻印装置25、スリッター装置26および打ち抜き装置27はいずれも、基本的に従来のPTP包装機と同様であるのでその詳細な説明を省略する。
図2を参照して、本実施形態のPTPシート製造装置10で製造されるPTPシートSについて説明する。
PTPシートSは、例えば、PPフィルム、PVCフィルムなどの樹脂シートであり、被包装体(例えば、錠剤など)を収納し、行列状に配列された複数のポケット部Aを有している。なお、本実施形態においては、ポケット部Aの成形前の樹脂シートとポケット部A成形後の樹脂シート(PTPシート)を、特に区別する必要がない場合は「樹脂シートS」と総称する場合がある。PTPシートSは例えば、PTP包装体を構成するものであり、図1に示す被包装体供給装置18からポケット部Aに被包装体が供給され、シール装置20によるシール工程において、蓋フィルム21がPTPシートSに圧着することで被包装体を包装する。このようにして包装されたものがPTP包装体であり、開封時にはポケット部A側から中身を押し出して蓋フィルム21を破壊し、被包装体が取り出される。 ポケット部Aは、ここでは平面視において略円形状であり、下に凸状の収納領域を成形している。ポケット部Aは行列状に複数配置される。また、ポケット部Aは、1回のポケット部形成領域に対する成形でブロックB(破線で示す)内の複数個が同時に成形される。また樹脂シートSはこのブロックB毎に間欠送りされる。なお、ポケット部Aの配列および1つのブロックB内の数は、図示の例に限らない。
図1および図3に示すように、PTPシート製造装置10は、加熱手段(加熱装置15)と、成形手段(成形装置16)と補助冷却装置32(図2では不図示)を含んで構成される。
本実施形態では一例として、所定の幅を有する帯状の樹脂シートSをその成形面(搬送面に平行な面であってポケット部Aが成形される面)が床面と略水平になるように搬送方向T(図示では左側から右側)に搬送するPTPシート製造装置10について説明する。
図3に示すように、樹脂シートSの搬送経路T上には、上流側(図示に左側)に加熱装置15が配置され、その下流(図示の右側)に成形装置16が配置される。
加熱装置15は、樹脂シートSの一方側(この例では上方)に配置された第一加熱板15aと、第一加熱板15aと対向して樹脂シートSの他方側(この例では下方)に配置された第二加熱板15bを備える。なお、以下の説明では、第一加熱板15aを「上部加熱板15a」と、第二加熱板15bを「下部加熱板15b」として説明する。
上部加熱板15aおよび下部加熱板15bは、互いに樹脂シートSの成形面に対して対向配置され、例えばシリンダ駆動などにより樹脂シートSの成形面に対して垂直方向(ここでは、鉛直方向)に移動可能に設けられる。上部加熱板15aおよび下部加熱板15bの対向面間の距離(隙間)x1は、樹脂シートSの厚みによって適宜選択されるが、一例として、成形のための加熱時(最近接時)には樹脂シートSと接触または非接触で近接する距離で離間され、一例としてx1=0.3mm〜0.5mm程度であり、シートの搬送時は、x1=1.0mm〜10mm程度である。また、メンテナンス時などには更に大きく(例えば、数十センチ程度)離間される。加熱装置15を通過する樹脂シートSは、上部加熱板15aおよび下部部加熱板15bに挟まれた全面が、例えば140℃程度で加熱され軟化する。
成形装置16は、樹脂シートSの一方側(この例では上方)に配置された第一成形板16aと、第一成形板16aと対向して樹脂シートSの他方側(この例では下方)に配置された第二成形板16bを備え、加熱装置15で加熱された樹脂シートSの一部(ポケット部形成領域)に1つのブロックB分のポケット部Aを成形する。なお、以下の説明では、第一成形板16aを「上部成形板16a」と、第二成形板16bを「下部成形板16b」として説明する。
成形装置16の下部成形板16bには、ポケット部A成形用の複数の凹部162が設けられている。また、上部成形板16aには、複数の凹部162に対応してこれらに圧縮空気(圧空)を吹き付ける成形用圧空経路161が設けられている。
下部成形板16bは、不図示の駆動機構(例えばカム機構など)によって上下(鉛直)方向に移動可能であり、上下動作範囲は例えば、30mm程度である。なお、カム機構による駆動に代えて、サーボモータ駆動のリンク機構、又はピストン機構でもよい。
一方、上部成形板16aは、設定された圧力で樹脂シートSを固定するためにばね構造が組み込まれているが、上下移動させる駆動機構は備えない(固定されている)。
成形装置16は、成形時の上部成形板16aと下部成形板16bの温度は例えば18℃程度に冷却されており、上部成形板16aと下部成形板16bによって加熱によって軟化した樹脂シートSを上下から挟み込み、下部成形板16bの凹部162に対して圧縮空気を吹き付けることにより、凹状のポケット部Aを成形しつつ樹脂シートSを冷却し、成形を固定する。
同図(a)に示すように、樹脂シートSの搬送(移動)時には、加熱装置15の上部加熱板15aと下部加熱板15bは、樹脂シートSから離間するように上下方向に待避している。樹脂シートSは例えば床面から所定の高さの搬送位置THで搬送される。一例として、樹脂シートSの厚みは0.3mmであり、上部加熱板15aと下部加熱板15bの対向面(上部加熱板15aの樹脂シートS側の面(下面)と、下部加熱板15bの樹脂シートS側の面(上面))間の距離x1は、1.0mmである。
また、成形装置16の上部成形板16aと下部成形板16bも樹脂シートSから離間するように上下方向に待避しているが、両者の樹脂シートS側の対向面(上部成形板16aの樹脂シートS側の面(下面)と、下部成形板16bの樹脂シートS側の面(上面))間の距離x2は、上部加熱板15aと下部加熱板15bの対向面間の距離x1よりも大きく離間されている(例えば、x2=30mm程度)。
また樹脂シートS搬送時の上部成形板16aの下面と樹脂シートSの成形面の距離x3は例えば2.5mm程度離間されており、上部成形板16aの下面は、加熱装置15の上部加熱板15aの下面よりも高い位置(樹脂シートSから離間する位置)にある(上部加熱板15aの下面と上部成形板16aの下面は高低差Δxが設けられている)。
同図(b)、(c)は、加熱・成形時(加熱工程および成形工程)の状態を示す。同図(b)は、上下移動後の加熱装置15と成形装置16の状態を示す側面図であり、同図(c)は、搬送時に待避位置にある加熱装置15と成形装置16の位置を破線で、搬送時の樹脂シートSの位置を一点鎖線で、同図(b)に重ねて示した側面図である。
同図(b)、(c)に示すように、樹脂シートSの加熱工程では、加熱装置15の上部加熱板15aと下部加熱板15bが近接するように移動して樹脂シートSの第一の領域を挟み込むと共に、成形工程では、成形装置16の上部成形板16aと下部成形板16bが近接するように移動して樹脂シートSの第二の領域を挟み込む。
より詳細には、加熱装置15では、加熱工程において、同図(a)の搬送時の上部加熱板15aと下部加熱板15bの位置をそれぞれの基準位置(同図(c)の破線参照)とすると、下部加熱板15bが、下部加熱板15bの基準位置よりも例えば2.7mm上昇し、上部加熱板15aは上部加熱板15aの基準位置より例えば2.0mm上昇する。これにより、上部加熱板15aと下部加熱板15bの対向面間の距離x1は0.3mmに近接するとともに、搬送位置THよりも上方の、図示の所定の挟み位置(例えば、鉛直方向の高さ位置、搬送される樹脂シートSの面に対して垂直方向の高さ位置)PHで樹脂シートSを挟み込む。これにより、上部加熱板15aおよび下部加熱板15b間に位置する樹脂シートSは、両加熱板15a、15bによって、一点鎖線で示す樹脂シートSの基準位置(搬送位置TH)より上方に持ち上げられる。上部加熱板15aおよび下部加熱板15bはヒータが内蔵されており、所定の温度(例えば、140℃)で所定時間樹脂シートSを加熱し、成形可能な状態に軟化させる。
一方、成形装置16では、成形工程において、同図(a)の搬送時の上部成形16aと下部成形板16bの位置をそれぞれの基準位置(同図(c)の破線参照)とすると、下部成形板16bのみが下部成形板16bの基準位置よりも例えば30.0mm上昇し、搬送位置THよりも上方の、図示の所定の挟み位置(例えば、鉛直方向の高さ位置、搬送される樹脂シートSの面に対して垂直方向の高さ位置)PHで、加熱されて間欠搬送された樹脂シートSを挟み込む。
加熱装置15による加熱工程と、成形装置16によるポケット部Aの成形行程は同時に実行される。このとき、加熱装置15で加熱される領域(第一の領域)は、成形装置16でポケット部が成形される領域(ポケット部成形領域、第二の領域)に比べ広い設定としている。そして、間欠的に搬送される樹脂シートSの一回の移動距離は、成形装置16における一回で処理可能な前後方向の長さ分としている。これにより、樹脂シートSは、加熱装置15内を複数回間欠移動しながら進み、予熱されて軟化し、最終的に加熱装置15から搬出された次の一時停止の際に下流側直近に位置する成形装置16にセットされる。そして、そこにおいて下部成形板16bが上昇移動することで、上部成形板16aおよび下部成形板16b間に位置する樹脂シートSは、下部成形板16bによって上方に持ち上げられ、挟み位置PHにおいて両成形板16a、16b間で挟み込まれ、成形用圧空経路161より供給された圧空により下部成形板16bに押し付けられポケット部Aが形成される。また、成形用圧空経路161を通過する成形用のエアは、下部成形板16bから排気される。
このように、本実施形態では、樹脂シートSは、上部成形板16aと下部成形板16bとが樹脂シートSの第二の領域を挟み位置(高さ)PHで挟んでいる場合に、当該挟み位置PHにある樹脂シートSの第一の領域を挟む位置に上部加熱板15aと下部加熱板15bとが配置されて上部加熱板15aと下部加熱板15bとは樹脂シートSを加熱するために最接近する。そして加熱装置15と成形装置16は、樹脂シートSが加熱装置15と成形装置16との間で屈曲しないような位置関係において樹脂シートSを挟み込む。
より詳細には、加熱装置15による加熱時と成形装置16による成形時には、樹脂シートSは搬送時の基準位置(搬送位置TH)よりも高い位置(挟み位置PH)で加熱装置15と成形装置16にそれぞれ挟み込まれ、加熱装置15と成形装置16の間では、樹脂シートSは搬送方向に沿った位置(高さ)が変化しないように設定される。すなわち、加熱装置15と成形装置16とが、樹脂シートSを挟み込んだ状態において、加熱装置15及び成形装置16に挟まれた樹脂シートSと加熱装置15及び成形装置16との間の樹脂シートSとが一直線上となる位置関係となるように、設定される。ここで、「加熱装置15によるシートの挟み込み(加熱装置15が樹脂シートSを挟み込んでいる状態)」には、樹脂シートS加熱時において上部加熱板15aと下部加熱板15bとが所定の間隔を保って近接している状態を含む。また、「樹脂シートSが一直線上に位置する」とは、成形装置16によって所定の挟み位置PHにて挟み込まれた樹脂シートSが、加熱時において近接する上部加熱板15aと下部加熱板15bとの間にシートが有る場合(成形装置16によって所定の挟み位置PHにて樹脂シートSが挟み込まれている場合に、当該樹脂シートSの上流側は、加熱時において近接する上部加熱板15aと下部加熱板15bとの間に位置するように、加熱装置15により挟み込まれている場合)を含む。そして、樹脂シートSの位置(高さ)を一致させた状態で、加熱と成形が行われる。
そして、樹脂シートSの搬送時には、加熱装置15において上部加熱板15aと下部加熱板15bが互いに対向面間の距離x1を広げつつ樹脂シートSから離間しながら、両加熱板15a、15bが加熱・成形時の位置よりも下降するとともに、成形装置16において下部成形板16bが樹脂シートSから離間するように下方に移動する。これにより、樹脂シートSと上部成形板16aは十分な距離x3で離間される。
このようにすることで、加熱装置15の出口(下流側端部)と成形装置16の入口(上流側端部)との間で樹脂シートSを水平に維持できるので、折り目の発生を回避でき、美観に優れた樹脂シート(PTPシート)Sを製造することができる。
また、折り目が生じないため、樹脂シートSを安定して搬送することができ下流工程において、成形されたポケット部Aに被包装体(薬剤など)を収容する際に位置ずれが生じたり、収容した被包装体がポケット部A内で振動して不安定になるなどの問題の発生を防止できる。
一方、同図(a)に示すように、樹脂シートSの搬送時には、加熱装置15の上部加熱板15aと下部加熱板15bはなるべく樹脂シートSに近接させる一方で、成形装置16では上部成形板16aと下部成形板16bはなるべく樹脂シートSから離間させるとともに、加熱装置15の上部加熱板15aの下面の位置(高さ)と、成形装置16の上部成形板16aの下面の位置(高さ)は可能な限り大きい高低差Δxを設けることができる。
具体的には、搬送時には加熱装置15において上部加熱板15aと下部加熱板15bの距離x1を十分(例えば、x1=1.0mm程度)に近接できる。これにより、加熱効率が悪化することを防止できる。
同時に、成形装置16においても、上部成形板16aの下面と樹脂シートSの成形面間の距離x3、および下部成形板16bの上面と樹脂シートSの成形面間の距離x2を十分(例えば、x2=30.0mm、x3=2.5mm)離間するとともに、加熱装置15の上部加熱板15aの下面の位置(高さ)と、成形装置16の上部成形板16aの下面の位置(高さ)に十分な高低差Δx(例えばΔx=2.0mm)を設けることができる。
これにより、加熱された樹脂シートSを成形装置16に移動させる際、上部成形板16aまたは下部成形板16bと樹脂シートSの接触を回避できる。また、樹脂シートSが静電気を帯びるなどして上部成形板16a(または下部成形板16b)に引き寄せられることがあっても両成形板16a、16bと樹脂シートSの接触は回避できる。つまり樹脂シートSの冷却による成形不良を防止できる。
また、折り目が形成されないため、樹脂シートSが間欠送りされた場合に折り目とポケット部形成位置の干渉を考慮する必要がなく、加熱装置15の出口(下流側端部)と、成形装置16の入口(上流側端部)の距離Lを従来(最低でも3mm程度)より近接させることができる(例えば、0.5mm〜2mm程度まで近接できる)。これにより、加熱装置15と成形装置16の間で樹脂シートSが冷却してしまう可能性も低減できる。
なお、この例では、加熱時に、上部加熱板15aと下部加熱板15bの両方を上方に移動させる場合を説明したが、加熱・成形時に加熱装置15と成形装置16の間で樹脂シートSの挟み位置(高さ位置)PHが一致する構成であれば上記の例に限らない。つまり、樹脂シートSの厚みや搬送時の加熱装置15,成形装置16の待避位置の設定によっては、上部加熱板15aのみを移動させる構成や、下部加熱板15bのみを移動させる構成とすることもできる。
<第2実施形態>
図4を参照して、本発明のPTPシート製造装置10の第2実施形態について説明する。図4(a)はシートの搬送時の側面図であり、同図(b)、(c)がシートの加熱・成形時の側面図である。
第2実施形態では、樹脂シートSの挟み位置(高さ)PHを一致させた状態で、加熱と成形を行う他の例について説明する。本実施形態も、加熱装置15による加熱時と成形装置16による成形時には、樹脂シートSは搬送時の基準位置(搬送位置TH)よりも高い挟み位置PHで加熱装置15と成形装置16にそれぞれ挟み込まれ、加熱装置15と成形装置16の間では、樹脂シートSは搬送方向に沿った位置(高さ)が変化しないように設定される。
同図(a)に示すように、樹脂シートSの搬送(移動)時には、加熱装置15の上部加熱板15aは、樹脂シートSを下方に押し込み、所定の搬送位置THで搬送される。ここで「下方に押し込む」とは、樹脂シートSが加熱装置15の上流側のロール13と下流側のロール13に架け渡され、樹脂シートSにロール13以外の力が掛かっていない状態(図1参照)よりも下方に押し下げることをいう。これにより、上部加熱板15aは樹脂シートSと接触するが、下部加熱板15bは、樹脂シートSから離間するように下方向に待避している。この場合も、上部加熱板15aと下部加熱板15bの対向面間の距離x1は、1.0mmである。
また、成形装置16の上部成形板16aと下部成形板16bも樹脂シートSから離間するように上下方向に待避しているが、両者の樹脂シートS側の対向面間の距離x2(例えばx2=30mm)は、上部加熱板15aと下部加熱板16bの対向面間の距離x1よりも大きく離間されている。
また樹脂シートS搬送時の上部成形板16aの下面と樹脂シートSの成形面の距離x3は例えば2.5mm程度離間されており、上部成形板16aの下面は、加熱装置15の上部加熱板15aの下面よりも例えば2.0mm程度高い位置(樹脂シートSから離間する位置)にある(Δx=2.0mm)。
同図(b)、(c)は、加熱・成形時(加熱工程および成形工程)の状態を示す。同図(b)は、上下移動後の加熱装置15と成形装置16の状態を示す側面図であり、同図(c)は、同図(b)に重ねて搬送時の加熱装置15と成形装置16の位置を破線で示し、搬送時の樹脂シートSの位置を一点鎖線で示した側面図である。
同図(b)、(c)に示すように、樹脂シートSの加熱・成形時には、加熱装置15の上部加熱板15aと下部加熱板15bが近接しつつ上方に移動して樹脂シートSを挟み込むと共に、成形装置16の上部成形板16aと下部成形板16bが近接するように移動して樹脂シートSを挟み込む。
より詳細には、加熱装置15では、同図(a)の搬送時の上部加熱板15aと下部加熱板15bの位置をそれぞれの基準位置(同図(c)の破線参照)とすると、下部加熱板15bが、下部加熱板15bの基準位置よりも例えば2.7mm上昇し、上部加熱板15aは上部加熱板15aの基準位置より例えば2.0mm上昇する。これにより、上部加熱板15aと下部加熱板15bの対向面間の距離x1は0.3mmに近接するとともに、搬送時の基準位置(搬送位置TH)よりも高い、図示の所定の挟み位置(鉛直方向の高さ位置)PHで樹脂シートSを挟み込む。
これにより、上部加熱板15aおよび下部加熱板15b間に位置する樹脂シートSは、両加熱板15a、15bによって、樹脂シートSの基準位置(一点鎖線)より上方に持ち上げられる。なお、この例では挟み位置PHは、加熱装置15の上流側のロール13と下流側のロール13に樹脂シートSが架け渡されてロール13以外の力が掛かっていない状態(図1参照)の位置(高さ)である。
一方、成形装置16では、同図(a)の搬送時の上部成形16aと下部成形板16bの位置をそれぞれの基準位置(同図(c)の破線参照)とすると、下部成形板16bのみが下部成形板16bの基準位置よりも例えば30.0mm上昇し、図示の所定の挟み位置(鉛直方向の高さ位置)PHで、加熱されて間欠搬送された樹脂シートSを挟み込む。
そして、樹脂シートSの搬送時には、加熱装置15において、上部加熱板15aと下部加熱板15bが互いに対向面間の距離x1を広げつつ樹脂シートSから離間しながら、上部加熱板15aが樹脂シートSを押圧するように下方に移動するとともに、成形装置16において下部成形板16bが樹脂シートSから離間するように移動する。これにより、樹脂シートSと上部成形板16aは十分な距離x3で離間される。
なお、この例では、加熱時に、上部加熱板15aと下部加熱板15bの両方を上方に移動させる場合を説明したが、加熱・成形時に加熱装置15と成形装置16の間で樹脂シートSの挟み位置(高さ位置)が一致する構成であれば上記の例に限らない。つまり、樹脂シートSの厚みや搬送時の加熱装置15,成形装置16の待避位置の設定によっては、上部加熱板15aのみを移動させる構成や、下部加熱板15bのみを移動させる構成とすることもできる。
これ以外の構成は、第1実施形態と同様である。
<第3実施形態>
図5を参照して、本発明のPTPシート製造装置10の第3実施形態について説明する。図5(a)はシートの搬送時の側面図であり、同図(b)、(c)がシートの加熱・成形時の側面図である。
第3実施形態も、樹脂シートSの位置(高さ)を一致させた状態で、加熱と成形を行う他の例である。本実施形態では、加熱装置15による加熱および成形装置16による成形時と、樹脂シートSの搬送時において、樹脂シートSの位置(高さ)が変化しないように設定される。
同図(a)に示すように、樹脂シートSの搬送(移動)時には、加熱装置15の上部加熱板15aと下部加熱板15bは、樹脂シートSから離間するように上下方向に待避してし、樹脂シートSは所定の搬送高さTHで搬送される。一例として、上部加熱板15aと下部加熱板15bの対向面間の距離x1は、1.0mmである。
また、成形装置16の上部成形板16aと下部成形板16bも樹脂シートSから離間するように上下方向に待避しているが、両者の樹脂シートS側の対向面間の距離x2(例えば、30.0mm)は、上部加熱板15aと下部加熱板16bの対向面間の距離x1よりも大きく離間されている。
また樹脂シートS搬送時の上部成形板16aの下面と樹脂シートSの成形面の距離x3は例えば2.7mm程度離間されており、上部成形板16aの下面は、加熱装置15の上部加熱板15aの下面よりも例えば、2.0mm程度高い位置(樹脂シートSから離間する位置)にある(Δx=2.0mm)。
同図(b)、(c)は、加熱・成形時(加熱工程および成形工程)の状態を示す。同図(b)は、上下移動後の加熱装置15と成形装置16の状態を示す側面図であり、同図(c)は、同図(b)に重ねて搬送時の加熱装置15と成形装置16の位置を破線で示した側面図である。
同図(b)、(c)に示すように、樹脂シートSの加熱・成形時には、加熱装置15の上部加熱板15aが下方に移動して下部加熱板15bと近接し、樹脂シートSを挟み込むと共に、成形装置16の上部成形板16aと下部成形板16bが近接するように移動して樹脂シートSを挟み込む。
より詳細には、加熱装置15では、同図(a)の搬送時の上部加熱板15aと下部加熱板15bの位置をそれぞれの基準位置(同図(c)の破線参照)とすると、上部加熱板15aが、上部加熱板15aの基準位置よりも例えば0.7mm下降する(下部加熱板15bは移動しない)。これにより、上部加熱板15aと下部加熱板15bの対向面間の距離x1は0.3mmに近接する。そして、搬送時の基準位置(搬送位置TH)と同じ所定の挟み位置(鉛直方向の高さ位置)PHで樹脂シートSを挟み込む。
一方、成形装置16では、同図(a)の搬送時の上部成形16aと下部成形板16bの位置をそれぞれの基準位置(同図(c)の破線参照)とすると、上部成形板16aが上部成形板16aの基準位置よりも例えば2.7mm下降し、下部成形板16bが下部成形板16bの基準位置よりも例えば30.0mm上昇し、搬送時の基準位置と同じ所定の挟み位置(鉛直方向の高さ位置)PHで、加熱されて間欠搬送された樹脂シートSを挟み込む。
この例では、上部成形板16aの駆動機構(例えば、カム機構等)が追加で必要となるが、第1実施形態および第2実施形態と比較して、加熱・成形時または搬送時に樹脂シートSに加える力(テンション)を最小限にすることができる。
なお、この例では、加熱時に、上部加熱板15aのみを下方に移動させる場合を説明したが、加熱・成形時に加熱装置15と成形装置16の間で樹脂シートSの挟み位置(高さ位置)が一致する構成であれば上記の例に限らない。つまり、樹脂シートSの厚みや搬送時の加熱装置15,成形装置16の待避位置の設定によっては、下部加熱板15bのみを移動させる構成や、上部加熱板15aと下部加熱板15bの両方を移動させるとすることもできる。
これ以外の構成は、第1実施形態と同様である。
なお、本発明は、上記実施形態に限られるものではなく、その趣旨及び技術思想を逸脱しない範囲で種々の変形が可能である。
すなわち、上記実施形態において、各構成の位置、大きさ、長さ、形状、材質、向きなどは適宜変更できる。
例えば、上記の各実施形態では、加熱装置15において上部加熱板15aと下部加熱板15bとし、成形装置16において上部成形板16aと下部成形板16bとして説明したが、加熱装置15の第一加熱板15aおよび第二加熱板15bは、樹脂シートSを挟んで対向する加熱板が2つあることを意味し、成形装置16の第一成形板16aおよび第二成形板16bは、樹脂シートSを挟んで対向する成形板が2つあることを意味する。すなわち、加熱装置15と成形装置16の間を搬送される樹脂シートSは略鉛直方向や鉛直方向に近い斜方(斜め上方、斜め下方)に搬送されるものでもよく、その場合は左方加熱板15a、右方加熱板15b、左方成形板16a、右方成形板16bなどとなる。
また、ポケット部Aの成形には、圧空成形の他、プラグピンによる成形又は圧空成形とプラグピンとの組み合わせによる成形でもよい。
また、樹脂シートSが軟化した場合に幅方向の蛇行を規制するガイド部材を設けても良い。ガイド部材は例えば、シート幅方向の両端となる、PTPシート製造装置10の側方に設けるとよい。
S シート
A ポケット部
10 PTPシート製造装置
15 加熱装置
15a 第一加熱板
15b 第二加熱板
16 成形装置
16a 第一成形板
16b 第二成形板
50 PTP包装機

Claims (2)

  1. 搬送される帯状のシートに複数のポケット部を成形するPTPシート製造装置であって、
    前記シートの一方側に配置された第一加熱板と、該第一加熱板と対向して前記シートの他方側に配置された第二加熱板とを有し、搬送途中の前記シートを加熱する加熱手段と、
    前記シートの一方側に配置された第一成形板と、該第一成形板と対向して前記シートの他方側に配置された第二成形板とを有し、前記加熱手段の下流側に配置されて前記シートの一部に前記ポケット部を成形する成形手段と、を備え、
    前記加熱手段は、加熱時に前記第一加熱板と前記第二加熱板の少なくともいずれか一方を移動させて挟み位置において前記シートを挟み込み、
    前記成形手段は、成形時に前記第一成形板と前記第二成形板の少なくともいずれか一方を移動させて前記挟み位置において前記シートを挟み込み、
    前記挟み位置は、前記シートの搬送位置とは異なる位置であって、該シートが前記加熱手段と前記成形手段との間で一直線上となる位置であり、
    前記加熱手段と前記成形手段とが連動して前記挟み位置に移動する、
    ことを特徴とするPTPシート製造装置。
  2. 搬送される帯状のシートに複数のポケット部を成形するPTPシート製造方法であって、
    前記シートの一方側に配置された第一加熱板と、該第一加熱板と対向して前記シートの他方側に配置された第二加熱板によって、搬送途中の前記シートを加熱する加熱工程と、
    加熱された前記シートの一方側に配置された第一成形板と、該第一成形板と対向して前記シートの他方側に配置された第二成形板によって前記シートの一部に前記ポケット部を成形する成形工程を有し、
    前記加熱工程と前記成形工程の間において前記シートが屈曲しないような状態で、前記加熱工程において、前記第一加熱板と前記第二加熱板の少なくともいずれか一方の加熱板を移動させて挟み位置において前記シートを挟み込み、前記成形工程において、前記第一成形板と前記第二成形板の少なくともいずれか一方の成形板を移動させて前記挟み位置において前記シートを挟み込み、
    前記挟み位置は、前記シートの搬送位置とは異なる位置であって、前記第一加熱板と前記第二加熱板を有する加熱手段と、前記第一成形板と前記第二成形板を有する成形手段との間で該シートの高さが一直線上となる位置であり、
    前記加熱板と前記成形板とが連動して前記挟み位置に移動する、
    ことを特徴とするPTPシート製造方法
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