JP6820654B2 - 空気調和機 - Google Patents

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Description

本発明は、空気調和機に関する。
本技術分野の背景技術として、下記特許文献1の要約書には、「運転開始時に条件検索手段により登録データベース内において運転条件に適合する過去運転条件が検索される。検索した結果、運転条件に適合する過去運転条件を検出した場合、登録データベース内に運転条件に適合する過去運転条件に関連付けられた安定開度OPsを初期開度に設定する。その後、機器制御手段により運転が安定するように電子膨張弁の開度が調整され、運転が安定した状態になったときの電子膨張弁の開度が安定開度OPsとして取得され、運転条件に関連づけて過去運転条件として登録データベースに記憶される。」と記載されている。
特開2014−163532号公報
前記特許文献1に記載の制御装置は、冷凍サイクルを構成する電子膨張弁の初期開度を設定することにより、安定開度となるまでの時間を短縮するように構成されている。
しかしながら、多室型のいわゆる室内マルチタイプの空気調和機では、複数台の室内機が一台の室外機に接続されているため、室内機の設置場所の室外機からの遠近や、高低差によって、冷凍能力に差異が生じる場合があった。
この発明は、起動時の冷凍能力のばらつきを抑制して、各室内機にて快適な空調場を運転開始時から得られる空気調和機を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため本発明(請求項1)は、第1熱交換器を含む室外機と、第2熱交換器および電子膨張弁を含む複数の室内機と、室外機に、各室内機を並列に接続して、冷媒を前記第1熱交換器および第2熱交換器の間で循環させる冷媒通路とを備え、各電子膨張弁の開度を制御して、各第2熱交換器の冷凍能力を調整する空気調和機であって、室内機の運転中に、電子膨張弁の開度情報を記憶する記憶部と、前回以前に記憶した開度情報に基づいて、次回転起動時の電子膨張弁の開度として設定される起動初期開度の学習値を演算する演算部とを有する制御装置を備える空気調和機である。
そして、この空気調和機においては、前記演算部は、前記起動初期開度の学習値であるEVIKIDOU(n)を演算する場合において、前記室内機が運転中のときは、前記記憶部に記憶されている前記各電子膨張弁の開度情報から、今回運転中の前記室内機の中で今回における起動初期開度が最大であった室内機の当該今回の起動初期開度を今回の起動初期開度の最大値EVIKIDOUMAX(n−1)として読み出し、今回運転中のそれぞれの前記室内機における今回の弁開度EVI(n)を分子とし、今回運転中の室内機の中で今回最大である室内膨張弁開度EVIUNTENMAXを分母として、それぞれの開度比EVI(n)/EVIUNTENMAXを演算し、前記読み出した前記今回の起動初期開度の最大値EVIKIDOUMAX(n−1)に前記演算したそれぞれの開度比EVI(n)/EVIUNTENMAXを乗算して、今回の起動初期開度の学習値EVIKIDOU(n)をそれぞれ演算する。
前記制御装置は、前記演算されたそれぞれの前記電子膨張弁についての今回の起動初期開度の学習値EVIKIDOU(n)を、次回の起動時にそれぞれの前記電子膨張弁の起動初期開度として設定する。
本発明によれば、起動時の冷凍能力のばらつきを抑制して、各室内機にて快適な空調場を得られる空気調和機を提供することができる。
上記した以外の課題、構成および効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
本発明の実施形態1の空気調和機にて、全体の構成を説明する模式図である。 実施形態1の空気調和機にて、初期開度を算出するフローチャートである。 実施形態1の空気調和機で、各室内機の運転起動時の起動初期開度の変遷の一例を示すテーブルである。 実施形態2(参考例)の空気調和機にて、初期開度を算出するフローチャートである。 実施形態3(参考例)の空気調和機にて、初期開度を算出するフローチャートである。
(実施形態1)
以下、図1に示す冷凍サイクルの模式図を用いて、空気調和機100の構成を説明する。
図1において、本発明の実施形態1の空気調和機100は、一台の室外機Cに複数の室内機10a,10b,10c,10d(以下、室内機10a…等または室内1号機10a,室内2号機…等とも記す)を接続する室内マルチタイプの空気調和機である。
本実施形態1の空気調和機100の各室内機10a…等は、室外機Cからの距離や、高低差になどにより負荷の異なる部屋に設置されていても、個別に冷凍能力を調整できるように構成されている。
(全体構成)
空気調和機100は、前記室内機10a…等と、一台の室外機Cと、この室外機Cに各室内機10a…等を並列に接続する冷媒通路100L,100Vと、を備えている。
このうち、室外機Cは、圧縮機1と、四方弁2と、第1熱交換器としての室外熱交換器3と、室外膨張弁4と、アキュムレータ6と、液阻止弁7,ガス阻止弁8と、室外膨張弁4の開度を検知して弁開度信号を出力する開度センサ9と、各弁の開度を調整する制御部としての制御装置20とを含む。
また、各室内機10a…等には、第2熱交換器としての室内熱交換器11a〜11dと、電子膨張弁により構成される室内膨張弁12a〜12dと、各室内膨張弁12a〜12dの開度をそれぞれ検知して、前記制御装置20に弁開度信号を出力する開度センサ15a〜15dとがそれぞれ設けられている。
前記冷媒通路100Lは、液接続配管100La,100Lb,100Lcと、分岐部に設けられる液分配器14a,14b,14cとを含む。
このうち、前記冷媒通路100Lの一端は、液阻止弁7を介して、室外膨張弁4に接続されている。
また、前記冷媒通路100Vは、ガス接続配管100Va,100Vb,100Vcと、分岐部に設けられるガス分配器13a,13b,13cとを含む。
このうち、前記冷媒通路100Vの一端は、ガス阻止弁8および四方弁5を介して圧縮機1に接続されている。四方弁2は、切換えによって、圧縮機1から吐出された冷媒の流通方向を正,逆方向に変更可能とする。
前記各室内機10a…は、これらの冷媒通路100V,100Lおよび液阻止弁7,ガス阻止弁8を介して、室外機Cに並列となるように接続されている。
そして、制御装置20は、図示しない温度センサなどからの検出信号とともに、前記開度センサ15a〜15dおよび開度センサ9からの弁開度信号を受信して、これらの信号に基づいて、各弁の開度を調整する。
この実施形態1の制御装置20は、記憶部22と演算部24とを含む。
このうち、記憶部22は、前記空気調和機100の運転中に、室内膨張弁12a…等の開度情報を記憶する。
また、演算部24は、記憶部22が前回以前に記憶した開度情報に基づいて、今回の運転起動時の各室内膨張弁12a〜12dの膨張弁開度を演算する。
そして、演算部24によって演算された膨張弁開度に応じて、制御装置20は、運転起動時に、各室内膨張弁12a〜12d、または室外膨張弁4に対して、制御信号を出力する。室外膨張弁4および各室内膨張弁12a〜12dは、制御装置20から出力された制御信号に従い、起動時の各弁の開度を調整することにより、室内機10a…等の起動初期の冷凍能力を制御可能としている。
(一般的な初期制御)
開度が可変できる電子膨張弁を有する空気調和機においては、冷房運転、暖房運転等の所定の運転モードが設定されて運転を開始すると、運転開始直後に、所定の初期開度となるように電子膨張弁の開度が調整される。
所定の電子膨張弁の初期開度は、室内空気温度、室外空気温度、室内の目標温度、接続配管長等の空気調和機を取り巻く環境因子に応じて、各種センサにより検知された情報に基づいて設定されている。
ここで、電子膨張弁が初期開度から安定開度になるまでの時間を短縮するために、従来から種々の電子膨張弁の初期開度の設定方法が提案されており、例えば上記特許文献1に記載されているようなものが知られている。
特許文献1に記載された空気調和機の制御部は、過去の運転時における運転条件を過去運転条件として記憶するとともに、過去の運転時に電子膨張弁が安定した状態になった際の開度を安定開度として過去運転条件に関連付けて記憶した登録データベースを有している。
また、制御部は、運転開始時に登録データベース内から運転条件に適合する過去運転条件を検索する条件検索手段と、機器制御手段と、データ登録手段とを有している。
そして、機器制御手段が条件検索手段により検索された運転条件に適合する過去運転条件に関連付けられた安定開度を登録データベースから取得し、安定開度を電子膨張弁の初期開度として設定する。
機器制御手段は、制御により電子膨張弁の開度を調整して、データ登録手段は、安定した状態になったときの電子膨張弁の開度を安定開度として取得し、運転条件に関連づけて登録データベースに記憶する。
これにより、制御部は、過去の運転時における運転条件に関連付けて、その際の安定開度を登録データベースに記憶しておき、運転開始時に運転条件に適合する過去の運転条件を登録データベース内において検索する。
そして、運転条件に適合する過去の運転条件に関連付けられた安定開度を初期開度として設定することにより、制御部は、適切な初期開度を電子膨張弁に与えることが可能となる。このため、空気調和機は、初期開度から安定開度になるまでの時間を短縮させることができるとされている。
(室内マルチタイプの空気調和機に適用する場合の課題)
ところが、上記引用文献1に示す空気調和機では、室内機が1台のみ接続された場合については考慮されているが、室内機が複数台接続された室内マルチタイプの空気調和機(多室型空気調和機)に対しては、考慮されていない。
このため、室内マルチタイプの空気調和機に、引用文献1に示される空気調和機と同様に初期開度の設定を行うと、以下に示す問題が生じる。
すなわち、複数台の室内機が一台の室外機に接続される室内マルチタイプの空気調和機の場合は、各室内機と室外機の接続配管長や設置高低差等の施工状態の違い、各室内機が設置されている空調場の負荷の違い等により、各室内機に設けられている電子膨張弁の安定開度が異なる。
ここで、たとえば、室外機から近くに施工された室内機と、室外機から遠くに施工された室内機が同時に運転される場合、各室内機の運転初期に設定する電子膨張弁の初期開度によっては、室外機から近くに施工された室内機と、室外機から遠くに施工された室内機の冷媒流路抵抗の差から、室外機から遠くに施工された室内機の冷凍能力の発生能力が低くなることが知られている。
このように各室内機での立ち上りにばらつきが生じると、各室内機にて所望される快適性が低下するといった問題があった。
そこで、本実施形態の空気調和機100の目的は、上記課題を解決し、一台の室外機Cに複数台の室内機10a…を接続する室内マルチタイプの空気調和機100において、各室内機10a…の電子膨張弁としての室内膨張弁12a…の開度を自動的に調整する際に、各室内機10a…の立ち上がりのばらつきを抑制し、且つ室内膨張弁12a…の開度が運転開始時の初期開度(起動初期開度とも記す)から安定状態になるまでの期間を短縮することができ、各室内機10a…が配置される各空調場にて、所望の快適性が得られる空気調和機を提供することである。
以下、本実施形態の空気調和機100における冷房運転の場合と、暖房運転の場合とについての作用を冷媒の流れに沿って説明する。
(冷房運転)
冷房運転時の場合は、室外機Cの圧縮機1から吐出された高温、高圧のガス冷媒は、四方弁2を通り室外熱交換器3に流入し、室外熱交換器3に導入される空気との間で熱交換が行われる。熱交換されたガス冷媒は、空気に放熱されることで高圧の液冷媒となり、前記室外熱交換器3から流出する。
液冷媒は、室外膨張弁4、液阻止弁7を通り室外機Cから流出すると、高圧のまま、冷媒通路100Lに設けられた液分配器14a〜14cを介して、各液接続配管100La,100Lb,100Lcから、それぞれの室内機10a〜10dに分流される。
それぞれの室内機10a〜10dに流入した高圧の液冷媒は、それぞれの室内膨張弁12a〜12dで減圧されて低温、低圧となり、それぞれの室内熱交換器11a〜11dに流入し、前記それぞれの室内熱交換器11a〜11dに導入される空気と熱交換することにより空気を冷却すると共に、自らは室内空気から吸熱して蒸発し、低圧のガス冷媒となる。
それぞれの室内熱交換器11a〜11dから流出した低圧のガス冷媒は、各ガス接続配管100Va,100Vb,100Vcから、ガス分配器13a〜13cを介して、ガス接続配管により構成される冷媒通路100Vを通り、室外機Cに流入する。
その後、低圧のガス冷媒は、ガス阻止弁8、四方弁2を通ってアキュムレータ6に流入し、このアキュムレータ6で所定の冷媒かわき度に調整され、圧縮機1に吸入され、再度、圧縮機1で圧縮されることにより、冷房時の冷凍サイクルが形成される。
(暖房運転)
一方、暖房運転の場合は、室外機Cの圧縮機1から吐出された高温、高圧のガス冷媒は、四方弁2、ガス阻止弁8を通り室外機Cから流出して、冷媒通路100Vに設けられたガス接続配管100Va,100Vb,100Vc、ガス分配器13a〜13cを介してそれぞれ室内機10a〜10dに分流される。
それぞれの室内機10a〜10dに流入した高圧のガス冷媒は、それぞれの室内熱交換器11a〜11dに流入し、それぞれの室内熱交換器11a〜11dに導入される空気と熱交換することにより、空気を加熱すると共に、自らは室内空気に放熱して液化し、高圧の液冷媒となる。
それぞれの室内熱交換器11a〜11dから流出した高圧の液冷媒は、それぞれの室内膨張弁12a〜12dを通り、それぞれの室内機10a〜10dを出て、冷媒通路100Vの液分配器14a〜14c、液接続配管100La,100Lb,100Lcを通り室外機Cに流入する。
液阻止弁7を介して室外機Cに流入した冷媒は、室外膨張弁4にて減圧されて低温、低圧となり、室外熱交換器3に流入する。そして、冷媒は、室外熱交換器3に導入される空気と熱交換して、空気から吸熱することにより低圧のガス冷媒となる。
前記室外熱交換器3から流出した低圧のガス冷媒は、暖房側に切換えられた四方弁2を通ってアキュムレータ6に流入し、このアキュムレータ6で所定の冷媒かわき度に調整されてから、圧縮機1に吸入され、再度、圧縮機1で圧縮される。これにより、暖房時の冷凍サイクルが形成される。
上述した冷房運転時もしくは暖房運転時において、空気調和機100に付設する各機器、すなわち圧縮機1、四方弁2、室外膨張弁4、室内膨張弁12a〜12d等の動作は、制御装置20により制御される。ここで、制御装置20の一部の機能として、運転起動時の室内膨張弁12a〜12dの初期開度を設定する機能がある。
図2は、実施形態1の空気調和機100の制御装置20にて、初期開度を算出するフローチャートである。
上記課題を解決するため、本実施形態1の空気調和機100の制御装置20では、まず、起動初期の開度の学習制御が開始される。
ステップS1にて、空気調和機100の運転開始とともに、制御装置20の記憶部22に予め記憶されている室内膨張弁12a〜12dの起動初期開度(EVIKIDOU)が読み込まれる。
制御装置20は、各室内膨張弁12a〜12dに、この起動初期開度(EVIKIDOU)を設定して、圧縮機1などを駆動することにより、空気調和機100の運転を開始させる。
ステップS2では、運転開始から予め設定された所定時間Tを経過したか否かが判定される。運転開始から予め設定された所定時間Tを経過している場合(ステップS2にてYes)は、ステップS3に進み、運転開始から予め設定された所定時間Tを経過していない場合(ステップS2にてNo)は、所定時間Tを経過するまで、ステップS2を繰り返す。
ステップS3では、現在の室内膨張弁12a〜12dの開度(現在開度(EVI))が制御装置20に取込まれる。
ステップS4に処理が進むと、各室内機10a〜10dが運転中であるか、停止またはサーモOFF中(送風中)であるかが判定される。ステップS4にて、各室内機10a〜10dの何れかが運転中である場合(ステップS4にてYes)は、ステップS5に進み、起動初期開度EVIKIDOU(n)として、演算部24にて、次の数式1に示す演算が運転中の各室内機10a〜10dに対して行れる。
EVIKIDOU(n)=EVIKIDOUMAX(n-1)×{EVI(n)/EVIUNTENMAX} ・・・(数式1)
EVIUNTENMAX:運転中の室内機の中で最大の室内膨張弁開度
EVIKIDOUMAX(n-1):運転中の室内機の中で前回記憶した起動初期開度の最大値
n:学習回数
また、ステップS4にて、各室内機10a〜10dの何れも運転中ではない場合(ステップS4にてNo)は、ステップS6に進み、起動初期開度EVIKIDOU(n)として、演算部24にて、次の数式2に示す演算が行われる。
EVIKIDOU(n)=EVIKIDOU(n-1) ・・・(数式2)
演算された起動初期開度EVIKIDOU(n)は、対応する室内機10a〜10dの室内膨張弁12a〜12dの開度として設定される。
ステップS7では、各室内機10a〜10dについて、演算部24による演算が終了したか否かが判定される。演算が終了している場合(ステップS7にてYes)には、ステップS8に処理を進めるとともに、全ての室内機10a〜10dについて、すなわち、一つの室内機10a…等であっても、演算が終了していない場合(ステップS7にてNo)には、ステップS4〜ステップS6を繰り返す。
ステップS8にて、演算された起動初期開度EVIKIDOU(n)が、記憶部22に記憶されて、室内膨張弁12a〜12dの開度の学習制御を終了する。
このような学習制御の処理は、所定時間T経過毎に実施される。
図3は、実施形態1の空気調和機100の制御装置20で、各室内機10a〜10dの運転起動時の起動初期開度の変遷を、起動初期開度(EVIKIDOU)と、運転中の膨張弁開度(EVI)とを用いて表すテーブルである。
まず、図3を用いて、前記室内膨張弁12a…等の起動初期開度の学習制御の処理が行われた場合について、各室内機10a〜10dの運転起動時の起動初期開度(EVIKIDOU)の変遷について説明する。
なお、ここでは、理解の容易化のため、暖房運転を実行する場合について説明するが、冷房運転を実行する場合についても同様の効果が得られる。
本実施形態1の室内膨張弁12a…等の最大開度は、2000(pls)であり、閉弁開度は、誤差を含め、40(pls)に設定されている。ここでplsは、室内膨張弁12a…の弁体が弁座から離間したリフト量を示し、0〜2000の範囲内に占める開度を表す単位である。
図3中、電源投入直後は、学習回数0回目として扱われる(図3に示す学習回数列の0行目a部参照)。各室内機10a〜10dは停止状態であるため、電子膨張弁の開度情報である膨張弁開度(EVI)は、全て40(pls)を示している。
この際、制御装置20の記憶部22では、記憶領域に記憶されているデータがリセットされていて、各室内機10a…等に備えられている室内膨張弁12a…の最大開度(EVIMAX:ここでは、2000pls)が起動初期開度(EVIKIDOU)として、記憶部22に記憶される(図3中最上行目b参照)。
次に、学習回数1回目(図3に示す学習回数列の1行目のc部参照)では、各室内機10a…等が運転中である。このため、膨張弁開度(EVI)は、室内1号機10aが500pls、室内2号機10bが1000pls、室内3号機10cが1200pls、室内4号機10dが1500plsを示している。
この状態にて安定している場合、運転中の室内膨張弁12a…の最大開度(EVIUNTENMAX )は、室内4号機10dの1500plsとなる(図3中、d部参照)。
ここで、演算部24は、上記数式1を用いて、起動初期開度(EVIKIDOU)を演算する。
たとえば、室内1号機10aの上記数式1を用いた演算を例示する。
図3中、d部に示すように、前回(n−1)、学習回数0回目に最大である室内4号機10dの膨張弁開度1500plsに対して、室内1号機のEVIは、500plsである。
このため、開度比EVI(n)/EVIUNTENMAXは、500/1500=1/3となる。
そして、記憶部22に予め記憶されている学習回数0回目の起動初期開度(EVIKIDOUMAX (n-1))である2000plsに、この開度比EVI(n)/EVIUNTENMAX=1/3を乗算すると、室内1号機10aの起動初期開度(EVIKIDOU(n))である、2000pls×1/3=667plsが求められる。
同様に、室内2号機は、開度比1000/1500=2/3、室内3号機は、開度比1200/1500=4/5、室内5号機は、1500/1500=1であるので、それぞれ、演算部24は、他の室内2〜4号機についても、上記数式1のEVIKIDOU(n-1)×開度比を用いた演算を行う。
演算結果は、図3中c部に示されるように、室内1号機10aが2000pls×1/3=667pls、室内2号機10bが2000pls×2/3=1333pls、室内3号機10cが2000pls×4/5=1600pls、室内4号機10dが2000pls×1/1=2000plsとなり、記憶部22は、これらの演算結果を記憶する。
次に、学習回数2回目(図3に示す学習回数列の3行目のf部参照)では、室内1号機10a,室内2号機10bの2台のみが運転中であり、室内3号機10c,室内4号機10dの2台は、停止またはサーモOFF状態である。
空気調和機100の運転により、膨張弁開度(EVI)は、室内1号機10aが1200pls、室内2号機10bが1800pls、室内3号機10cが40pls、室内4号機10dが40plsを示して安定している場合、運転中の室内膨張弁12a…の最大開度(EVIUNTENMAX )は、室内2号機10bの1800plsとなる(図3中、e部参照)。
ここで、演算部24は、上記数式1を用いて、起動初期開度(EVIKIDOU)を演算する。
室内1号機10aの開度比EVI(n)/EVIUNTENMAXは、1200/1800=2/3となる。
そして、運転中の室内機の中で、前回記憶されている起動初期開度の最大値(EVIKIDOUMAX (n-1))は、室内2号機10bの1333pls(図3中、c2部参照)であるので、この開度比EVI(n)/EVIUNTENMAX=2/3を乗算すると、室内1号機10aの起動初期開度(EVIKIDOU(n))である、1333pls×2/3=889plsが求められる。演算部24による他の室内機の演算結果は、図3中f部に示されるように、室内1号機10aが889pls、室内2号機10bが1333plsとなる。
また、室内3号機10c及び室内4号機10dは、現在、弁開度がいずれも40plsであり、停止またはサーモOFF状態であるため、前回の演算部24による演算にて、記憶部22に記憶された起動初期開度(EVIKIDOU)情報(c部参照:室内3号機10cは1600pls、室内4号機10dは2000pls)を、そのまま引き継いで、記憶部22が記憶される。このため、室内3号機10cは、1600pls、室内4号機10dは、継続して2000plsとなる。
次に、学習回数3回目(図3に示す学習回数列の4行目のg部参照)では、室内1号機10a,室内3号機10cの2台のみが運転中であり、室内2号機10b,室内4号機10dの2台は、停止またはサーモOFF状態である。
空気調和機100の運転により、膨張弁開度(EVI)は、室内1号機10aが750pls、室内2号機10bが40pls、室内3号機10cが2000pls、室内4号機10dが40plsを示して安定している場合、運転中の室内膨張弁12a…の最大開度(EVIUNTENMAX)は、室内3号機10cの2000plsとなる(図3中、h部参照)。
ここで、演算部24は、上記数式1を用いて、起動初期開度(EVIKIDOU)を演算する。
演算結果は、図3中g部に示されるように、室内1号機10aが600pls、室内3号機10cが1600plsとなる。
また、室内2号機10b及び室内4号機10dは、現在、停止またはサーモOFF状態であるため、前回の演算部24による演算にて、記憶部22に記憶された起動初期開度(EVIKIDOU)情報(f部参照:室内2号機10bは1333pls、室内4号機10dは2000pls)を、そのまま引き継いで、記憶部22が継続して記憶する。このため、室内3号機10cは、1600pls、室内4号機10dは、2000plsとなる。
次に、学習回数4回目(図3に示す学習回数列の5行目のi部参照)では、室内1号機10a,室内4号機10dの2台のみが運転中であり、室内2号機10b,室内3号機10cの2台は、停止またはサーモOFF状態である。
空気調和機100の運転により、膨張弁開度(EVI)は、室内1号機10aが1200pls、室内2号機10bが40pls、室内3号機10cが40pls、室内4号機10dが1000plsを示して安定している場合、運転中の室内膨張弁12a…の最大開度(EVIUNTENMAX )は、室内1号機10aの1200plsとなる(図3中、j部参照)。
ここで、演算部24は、上記数式1を用いて、起動初期開度(EVIKIDOU)を演算する。
演算結果は、図3中i部に示されるように、室内1号機10aが2000pls(=2000/[1200/1200])、室内4号機10dが1667pls(=2000/[1000/1200])となる。
また、室内2号機10b及び室内3号機10cは、現在、停止またはサーモOFF状態であるため、前回の演算部24による演算にて、記憶部22に記憶された起動初期開度(EVIKIDOU)情報(図3中、g部参照:室内2号機10bは1333pls、室内3号機10cは1600pls)を、そのまま引き継いで、記憶部22が継続して記憶する。
このため、室内2号機10bは、1333pls、室内3号機10cは、1600plsとなる。
このように、実施形態1の空気調和機100の制御装置20では、演算部24が前回に記憶した起動初期開度の最大値であるEVIKIDOUMAX(n-1)から得られる各室内機10a〜10dの開度比EVI(n)/EVIUNTENMAXを、停止もしくはサーモOFF中の室内機を除く、運転中の室内機10a…等の中で、前回記憶した起動初期開度EVIKIDOUMAX(n-1)に乗算することにより、起動初期開度EVIKIDOU(n)を演算している。
演算部24で行われる数式1の演算では、各室内1〜4号機10a〜10dの前回の運転中の冷凍能力の比が膨張弁開度(EVI)の開度比として反映されている。このため、記憶部22に記憶された起動初期開度EVIKIDOU(n)を用いて、空気調和機100を起動することにより、各室内1〜4号機10a〜10dに必要とされるそれぞれの負荷に応じた冷凍能力を発揮させることができる。
また、前回記憶した起動初期開度の最大値EVIKIDOUMAX(n-1)には、前回以前に記憶した起動初期開度情報が含まれているため、複数回の空気調和機100の運転にわたる情報が蓄積される。したがって、さらに演算精度を向上させることができる。
さらに、実施形態1の演算部24は、現在停止もしくはサーモオフしている各室内機10b…等の室内膨張弁12a…の開度情報として、前回以前の開度情報を引き継いで演算する。
したがって、現在停止もしくはサーモオフしている各室内膨張弁12a…の起動初期開度は、継続されて、最大膨張弁開度(EVIUNTENMAX)を有する他の室内機10a等との開度比を起動初期開度に反映させない。このため、現在停止もしくはサーモオフしている各室内膨張弁12a…の運転が再開された場合に、十分冷媒を循環させて、冷凍能力を発揮させることができ、各室内機10a…の立ち上がりのばらつきを抑制することができる。
以上述べたように、本実施形態1の空気調和機100の制御装置20は、各室内機10a…の運転中の安定状態における膨張弁開度(EVI(n))と、運転中の室内機10a…等のうちの最大膨張弁開度(EVIUNTENMAX)との比と、前回以前から記憶している起動初期開度(EVIKIDOU(n−1))から、今回の起動初期開度の学習値(EVIKIDOU(n))を演算記憶して、次回の運転時の起動初期開度(EVIKIDOU)として設定する。
これにより、空気調和機100は、各室内機10a…等と室外機Cの接続配管長や設置高低差等の施工状態の違い、各室内機10a…等が設置されている空調場の負荷の違い等を有していても、安定状態にほぼ近い状態で起動することができる。
このように、実施形態1の空気調和機100は、各室内機10a…等の立ち上がりのばらつきを抑制することができる。このため、室内膨張弁12a〜12dの開度が運転開始時の起動初期開度(EVIKIDOU)から安定状態になるまでの期間を短縮することができる。したがって、各室内機10a…等が設置される空調場にて所望される快適性を向上させることができる。
(実施形態2(参考例)
図4は、本発明の他の実施形態(参考例)である実施形態2(参考例)の空気調和機100の制御装置20にて、初期開度を算出するフローチャートである。
本実施形態2(参考例)の空気調和機100の制御装置20では、実施形態1の上記数式1における演算にて、比率を乗算した場合に起動初期開度(EVIKIDOU)が減少傾向となることを抑制するものである。なお、前記実施形態1と同一乃至均等な部分については、同一符号を付して説明を省略する。
まず、起動初期の開度の学習制御を開始すると、ステップS11にて、空気調和機100の運転開始とともに、制御装置20の記憶部22に予め記憶されている室内膨張弁12a〜12dの起動初期開度(EVIKIDOU)が読み込まれる。
制御装置20は、各室内膨張弁12a〜12dに、この起動初期開度(EVIKIDOU)を設定して、圧縮機1などを駆動することにより、空気調和機100の運転を開始させる。
ステップS12では、運転開始から予め設定された所定時間Tを経過したか否かが判定される。運転開始から予め設定された所定時間Tを経過している場合(ステップS12にてYes)は、ステップS13に進み、運転開始から予め設定された所定時間Tを経過していない場合(ステップS12にてNo)は、所定時間Tを経過するまで、ステップS12を繰り返す。
ステップS13では、現在の室内膨張弁12a〜12dの開度(現在開度(EVI))が制御装置20に取込まれる。
ステップS14に処理が進むと、各室内機10a〜10dが運転中であるか、停止またはサーモOFF中(送風中)であるかが判定される。ステップS14にて、各室内機10a〜10dの何れかが運転中である場合(ステップS14にてYes)は、ステップS15に進み、起動初期開度EVIKIDOU(n)として、演算部24にて、次の数式3に示す演算を行う。
EVIKIDOU(n)=EVIMAX×{EVI(n)/EVIUNTENMAX} ・・・(数式3)
EVIUNTENMAX:運転中の室内機の中で最大の室内膨張弁開度
EVIMAX:運転中の室内機の中での最大開度
また、ステップS14にて、各室内機10a〜10dの何れも運転中ではない場合(ステップS14にてNo)は、ステップS16に進み、起動初期開度EVIKIDOU(n)として、演算部24にて、次の数式4に示す演算が行われる。
EVIKIDOU(n)=EVIKIDOU(n-1) ・・・(数式4)
演算された起動初期開度EVIKIDOU(n)は、対応する室内機10a〜10dの室内膨張弁12a〜12dの開度として設定される。
ステップS17では、各室内機10a〜10dについて、演算部24による演算が終了したか否かが判定される。演算が終了している場合(ステップS17にてYes)には、ステップS18に処理を進めるとともに、全ての室内機10a〜10dについて、一つの室内機10a等でも演算が終了していない場合(ステップS17にてNo)には、ステップS14〜ステップS16を繰り返す。
ステップS18にて、演算された起動初期開度EVIKIDOU(n)が、記憶部22に記憶されて、室内膨張弁12a〜12dの開度の学習制御を終了する。
このような学習制御の処理は、所定時間T経過毎に実施される。
以上述べたように、本実施形態2の空気調和機100は、実施形態1の作用効果に加えてさらに、少なくとも1台の室内機10a…の起動初期開度が、室内膨張弁12a…の最大開度(EVIMAX)である2000plsとなるように演算される。このため、起動初期開度(EVIKIDOU)を絞りすぎることがなくなる。
したがって、空気調和機100の停止、起動が繰り返されても、必ず、少なくとも1台の室内機10a…等は、最大開度(EVIMAX)となるため、冷媒循環量を最大限に確保することが可能となる。
また、演算部24は、起動初期開度(EVIKIDOU)を演算する際、前回記憶した起動初期開度の最大値EVIKIDOUMAX(n-1)などの前回よりも前の起動開度が含まれる情報を用いていない。このため、前回の運転による学習以外は、起動初期開度(EVIKIDOU)に影響を及ぼすことがなく、直近の運転状態を反映させることができるため、さらに演算精度を向上させることができる。
(実施形態3(参考例)
図6は、本発明の他の参考例である実施形態3の空気調和機100の制御装置20にて、初期開度を算出するフローチャートである。
本実施形態3(参考例)の空気調和機100の制御装置20では、演算部24における上記数式1の演算にて、起動初期開度(EVIKIDOU)が絞られ過ぎないように、補正を行うものである。
なお、前記実施形態1,2と同一乃至均等な部分については、同一符号を付して説明を省略する。
まず、起動初期の開度の学習制御を開始すると、ステップS21にて、空気調和機100の運転開始とともに、制御装置20の記憶部22に予め記憶されている室内膨張弁12a〜12dの起動初期開度(EVIKIDOU)が読み込まれる。
制御装置20は、各室内膨張弁12a〜12dに、この起動初期開度(EVIKIDOU)を設定して、圧縮機1などを駆動することにより、空気調和機100の運転を開始させる。
ステップS22〜ステップS27については、上記実施形態1のステップS2〜ステップS7と同様であるので説明を省略する。
すなわち、ステップS27にて、全ての室内機10a〜10dについて、演算部24による上記数式1による演算が終了したと判定されると、ステップS28に処理が進む。
ステップS28では、全室内機10a〜10dの演算が終了した時点で、今回演算された起動初期開度の最大値(EVIKIDOUMAX(n))と、各室内機10a〜10dに付設する室内膨張弁12a〜12dの最大開度(EVIMAX)とを比較する。
そして、今回演算された起動初期開度の最大値(EVIKIDOUMAX(n))の方が最大開度(EVIMAX)よりも小さい場合は、ステップS29に処理を進め、以下に示す(数式5)により起動初期開度の補正を行う(ステップS28にてYes)。
EVIKIDOU(n)=EVIKIDOU(n)×EVIMAX/EVIKIDOUMAX(n) ・・・(数式5)
補正後、演算部24は、処理をステップS30に進め、起動初期開度(EVIKIDOU)を記憶部22に記憶させる。
また、ステップS28にて、今回演算された起動初期開度の最大値(EVIKIDOUMAX(n))と最大開度(EVIMAX)が等しい場合(ステップS28にてNo)は、ステップS30に処理を進める。
ステップS30にて、演算部24は、起動初期開度(EVIKIDOU)を記憶部22に記憶させて、室内膨張弁12a〜12dの起動初期開度(EVIKIDOU)の学習制御の処理を終了する。このような学習制御の処理は、所定時間T経過毎に実施される。
実施形態1の学習制御では、学習回数が増える度に、開度比が乗算されて減少傾向となり、室内熱交換機(たとえば、室内1号機10a,室内4号機10d等)は、起動初期開度(EVIKIDOU(n))が絞られすぎて、起動時に必要とされる冷媒循環量を確保することが困難となるおそれがあった。
そこで、実施形態3では、制御装置20の演算部24によって、このような起動初期開度(EVIKIDOU(n))が絞られすぎていることを、室内膨張弁12a…の最大開度(EVIMAX)である2000plsに到達しているか否かが判定(図6中ステップS28参照)される。すなわち、少なくとも1つの室内膨張弁12aの起動初期開度(EVIKIDOU(n))が最大開度(EVIMAX)に到達していない場合は、絞られすぎていると演算部24は判定して、上記数式5により、起動初期開度の補正を行う。
以上述べたように、本実施形態3(参考例)の空気調和機100は、実施形態1の作用効果に加えてさらに、少なくとも1台の室内機10a…の起動初期開度が、室内膨張弁12a…の最大開度(EVIMAX)である2000plsとなるように演算される。このため、起動初期開度を絞りすぎることがなくなる。
したがって、空気調和機100の停止、起動が繰り返されて、学習回数が増大しても、必ず、少なくとも1台の室内機(実施形態3では、室内3号機10c)は、最大開度(EVIMAX)=2000plsとなるため、冷媒循環量を最大限に確保することが可能となる。
[変形例]
本発明は上述した実施形態(実施形態1)に限定されるものではなく、種々の変形が可能である。上述した実施形態(実施形態1)は本発明を理解しやすく説明するために例示したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。ま、実施形態(実施形態1)の構成に他の実施形態(参考例(図6のフローチャートに即した処理))の構成を加えた実施形態とすることも可能である。上記実施形態に対して可能な変形は、例えば以下のようなものである。
上記実施形態では、制御装置20により実行されるプログラムを用いたソフトウエア的な処理として説明したが、その一部または全部をASIC(Application Specific Integrated Circuit;特定用途向けIC)、あるいはFPGA(field-programmable gate array)等を用いたハードウエア的な処理に置き換えても良い。
さらに、上記実施形態は、点検結果が着脱可能な記憶媒体であるメモリカードに出力可能となるように構成されているものを例示して説明してきたが特にこれに限らず、外部へ出力可能な出力部であれば、SDカード等、他の種類のメモリカードや、無線通信などの外部出力装置を連動するように接続して、電子メールなどにて発報するなど、関連する装置への通知を行なえるものであればよく、点検結果の報知について、上記実施形態に限定されるものではない。
また、上記実施形態では、電子膨張弁として、4つの室内膨張弁12a〜12dを並列に室外機Cに接続するものを示して説明してきたが特にこれに限らず、複数の室内機にそれぞれ設けられて、室外機Cに並列に接続されていれるものであればよく、例えば、2,3個若しくは5個以上、空気調和機100が電子膨張弁を有するものなど、電子膨張弁の形状、数量、材質および開閉方法が特に限定されるものではない。
さらに、上記実施形態3(参考例)では、実施形態1に記載された空気調和機100の制御に補正を適用するものを示して説明してきたが、特にこれに限らず、実施形態2(参考例)の空気調和機100の制御に補正を適用してもよく、演算部24の演算により求められた各室内機10a…等の起動初期開度を補正するものであれば、補正のタイミング、補正値、および補正値を得るために用いる演算式は、どのようなものであってもよい。
[構成・効果の総括]
以上のように、実施形態1における空気調和機100によれば、制御装置20は、空気調和機100の運転中に、室内膨張弁12a…等の開度情報を記憶する記憶部22と、前回以前に記憶した開度情報に基づいて、今回の運転起動時の膨張弁開度を演算する演算部24とを有している。
このため、本実施形態1の空気調和機100の制御装置20は、各室内機10a…の運転中の安定状態における膨張弁開度(EVI(n))と、運転中の室内機10a…等のうちの最大膨張弁開度(EVIUNTENMAX )との比と、前回以前から記憶している起動初期開度(EVIKIDOU(n−1))から、次回の起動初期開度(EVIKIDOU(n))を演算記憶して、次回の運転時の起動初期開度(EVIKIDOU)として設定する。
これにより、一台の室外機Cに複数台の室内機10a…を接続する室内マルチタイプの空気調和機100においても、各室内機10a…の室内膨張弁12a…の開度を自動的に調整する際に、各室内機10a…の立ち上がりのばらつきが抑制されている。
このため、室内膨張弁12a…の開度が運転開始時の初期開度から安定状態になるまでの期間を短縮することができ、各室内機10a…が配置される各空調場にて、起動初期時から所望の快適性が得られる。
また、演算部24は、記憶部22に記憶されている各室内膨張弁12a…の開度情報に基づいて開度比を演算する。このため、記憶部22に記憶されている前回以前の各室内膨張弁12a…の開度情報を反映させることができ、さらに、初期開度の演算精度を良好なものとすることができる。
さらに、演算部24は、記憶部22に記憶されている各室内膨張弁12a…の開度情報と、現在運転中の各室内膨張弁12a…の開度情報とに基づいて開度比を演算する。このため、さらに、現在運転中の各室内膨張弁12a…の開度情報を反映させて、初期開度の演算精度を良好なものとすることができる。
そして、演算部24は、各室内膨張弁12a…の最大開度情報と、現在運転中の各室内膨張弁12a…の開度情報とに基づいて開度比を演算する。このため、始動の度に、開度比が乗算されていても、起動初期開度(EVIKIDOU)が比較的減少しにくく、演算の精度をさらに向上させることができる。
また、演算部24は、現在停止もしくはサーモオフしている各室内機10a…等の室内膨張弁12a…の開度情報として、前回以前の開度情報を引き継いで演算する。このため、最大膨張弁開度(EVIUNTENMAX)を有する他の室内機との比率が初期開度に反映されないため、各室内機10a…の立ち上がりのばらつきが抑制される。
1 圧縮機
2 四方弁
3 室外熱交換器
4 室外膨張弁
6 アキュムレータ
7 液阻止弁
8 ガス阻止弁
9,15a〜15d 開度センサ
10a〜10d 室内(1〜4号)機
11a 室内熱交換器
12a 室内膨張弁
13a〜13c ガス分配器
14a〜14c 液分配器
20 制御装置
22 記憶部
24 演算部
100 空気調和機
100L,100V 冷媒通路
100La〜100Ld 液接続配管
100Va〜100Vd ガス接続配管
C 室外機

Claims (2)

  1. 第1熱交換器を含む室外機と、
    第2熱交換器および電子膨張弁を含む複数の室内機と、
    前記室外機に、前記各室内機を並列に接続して、冷媒を前記第1熱交換器および第2熱交換器の間で循環させる冷媒通路とを備え、
    前記各電子膨張弁の開度を制御して、前記各第2熱交換器の冷凍能力を調整する空気調和機であって、
    前記室内機の運転中に、前記電子膨張弁の開度情報を記憶する記憶部と、過去の所定の時点以前に記憶した開度情報に基づいて、次回転起動時の電子膨張弁の開度として設定される起動初期開度の学習値を演算する演算部とを有する制御装置を備え、
    前記演算部は、
    前記起動初期開度の学習値であるEVIKIDOU(n)を演算する場合において、前記室内機が運転中のときは、
    前記記憶部に記憶されている前記各電子膨張弁の開度情報から、今回運転中の前記室内機の中で今回における起動初期開度が最大であった室内機の当該今回の起動初期開度を今回の起動初期開度の最大値EVIKIDOUMAX(n−1)として読み出し、
    今回運転中のそれぞれの前記室内機における今回の弁開度EVI(n)を分子とし、今回運転中の室内機の中で今回最大である室内膨張弁開度EVIUNTENMAXを分母として、それぞれの開度比EVI(n)/EVIUNTENMAXを演算し、
    前記読み出した前記今回の起動初期開度の最大値EVIKIDOUMAX(n−1)に前記演算したそれぞれの開度比EVI(n)/EVIUNTENMAXを乗算して、今回の起動初期開度の学習値EVIKIDOU(n)をそれぞれ演算し、
    前記制御装置は、
    前記演算されたそれぞれの前記電子膨張弁についての今回の起動初期開度の学習値EVIKIDOU(n)を、次回の起動時にそれぞれの前記電子膨張弁の起動初期開度として設定すること
    を特徴とする空気調和機。
  2. 前記演算部は、今回停止もしくはサーモオフしている室内機については、今回の電子膨張弁の起動初期開度の前記学習値EVIKIDOU(n)として、今回の起動初期開度EVIKIDOU(n−1)を引き継こと
    を特徴とする請求項1に記載の空気調和機。
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