JP6819468B2 - インクジェット記録装置用水性洗浄液、インクジェット記録装置、及び洗浄方法 - Google Patents

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Description

本発明は、インクジェット記録装置用水性洗浄液と、インクジェット記録装置と、洗浄方法とに関する。
インクジェット記録装置を用いて画像を形成する場合、まず、インクジェット記録用インク(以下、単に「インク」と記載することがある)を記録ヘッドの吐出面から吐出する。次に、記録ヘッドのメンテナンスを行う。詳しくは、まず、インクを加圧して吐出面から排出させる(パージ動作)。また、洗浄液を吐出面に供給する。洗浄液としては、例えば、特許文献1に記載のメンテナンス液が知られている。その後、例えばワイプを用いて、吐出面を払拭する(ワイプ動作)。
特開2013−146965号公報
インクを記録ヘッドの吐出面から吐出すると、インクが吐出面に付着することがある。付着したインクが吐出面で乾燥すると、乾燥したインクが吐出面に固着することがある。しかし、パージ動作と吐出面への洗浄液の供給とを行えば、吐出面に固着したインク(以下、「固着インク」と記載することがある)をパージインク(パージ動作で排出されるインク)で溶解できる。固着インクがパージインクに溶解された状態でワイプ動作を行えば、固着インクを吐出面から除去できる。
しかし、ワイプ動作において、洗浄液の拭き残りが発生することがある。そして、洗浄液が吐出面に残存した状態でインクが長期間(例えば1週間以上)にわたって記録ヘッドの吐出面から吐出されなければ、残存した洗浄液が吐出面で乾燥して吐出面に固着することがある。ここで、記録ヘッドには、インクを吐出するノズルが複数形成されており、複数のノズルは、各々、記録ヘッドの吐出面で開口する。そのため、洗浄液が吐出面に固着すると、洗浄液の固着により形成された膜(以下、「固着膜」と記載する)がノズルの開口(吐出口)を塞ぐことがある。
また、インクジェット記録装置には、10℃以上40℃以下の温度範囲での動作が求められている。しかし、インクジェット記録装置の動作温度が変化すると、インクジェット記録装置に収容されている洗浄液の温度が変化するため、洗浄液の物性が変化することがある。洗浄液の物性が変化すると、固着インクの溶解が難しくなることがあり、その結果、吐出面からの固着インクの除去が難しくなることがある。
本発明は、かかる実情に鑑みてなされたものであり、インクの吐出の再開を試みた場合であっても、また、インクジェット記録装置の動作温度が10℃以上40℃以下の温度範囲で変化した場合であっても、インクの吐出性能の低下を防止可能なインクジェット記録装置用水性洗浄液を提供することを目的とする。本発明の別の目的は、このようなインクジェット記録装置用水性洗浄液を含むインクジェット記録装置の提供であり、また、このようなインクジェット記録装置用水性洗浄液を用いた洗浄方法の提供である。
本発明に係るインクジェット記録装置用水性洗浄液は、インクジェット記録装置においてインクジェット記録用水性インクが吐出される面を洗浄する。詳しくは、本発明に係るインクジェット記録装置用水性洗浄液は、非イオン性界面活性剤と、グリコール類と、グリコールエーテル類とを含有する。前記非イオン性界面活性剤は、アミン型界面活性剤を含む。60℃で1週間乾燥後の前記インクジェット記録装置用水性洗浄液の25℃における粘度が、9mPa・s以上13mPa・s以下である。横軸に絶対温度の逆数値をとり、縦軸に前記インクジェット記録装置用水性洗浄液の粘度の自然対数値をとったグラフにおいて、10℃以上40℃以下の温度範囲における前記インクジェット記録装置用水性洗浄液の粘度の温度特性が、最小二乗法で、3.15×103以上3.45×103以下の傾きを有する直線に近似される。
本発明に係るインクジェット記録装置は、インクジェット記録用水性インクを用いて画像を形成する。詳しくは、本発明に係るインクジェット記録装置は、前記インクジェット記録用水性インクを収容する第1タンクと、前述の構成を有するインクジェット記録装置用水性洗浄液を収容する第2タンクと、下面の第1領域において開口するインク用ノズルを有するノズルヘッドと、前記ノズルヘッドの前記下面に当接しながら前記下面に沿って移動するクリーニング部材と、を備える。前記インク用ノズルは、前記インクジェット記録用水性インクを、前記インク用ノズルの開口から鉛直方向下側へ吐出する。前記ノズルヘッドは、さらに、前記下面のうち前記第1領域を除く第2領域において開口する洗浄液用ノズルを有する。前記洗浄液用ノズルは、前記インクジェット記録装置用水性洗浄液を、前記洗浄液用ノズルの開口から鉛直方向下側へ突出する液滴の状態で、前記第2領域に供給する。前記クリーニング部材は、前記第2領域に当接する位置から、前記第1領域に当接する位置へ、移動する。
本発明に係る洗浄方法は、前述の構成を有するインクジェット記録装置において前記インクジェット記録用水性インクが吐出される面を洗浄する方法である。詳しくは、本発明に係る洗浄方法は、前記インクジェット記録用水性インクを、前記インク用ノズルから排出させるパージ工程と、前述の構成を有するインクジェット記録装置用水性洗浄液を、前記洗浄液用ノズルの開口から鉛直方向下側へ突出する液滴の状態で、前記第2領域に供給する供給工程と、前記クリーニング部材を、前記ノズルヘッドの前記下面に当接させながら、前記第2領域に当接する位置から前記第1領域に当接する位置へ前記下面に沿って移動させるワイプ工程と、を含む。前記パージ工程と、前記供給工程とは、各々、前記ワイプ工程よりも前に行われる。
本発明によれば、インクの吐出の再開を試みた場合であっても、また、インクジェット記録装置の動作温度が10℃以上40℃以下の温度範囲で変化した場合であっても、インクの吐出性能が低下することを防止できる。
本発明に係るインクジェット記録装置の構成の一例を示す図である。 本発明に係るインクジェット記録装置に含まれるノズルヘッドの構成の一例を示す図である。 本発明に係る画像形成方法の一工程を説明する図である。 本発明に係る画像形成方法の一工程を説明する図である。
本発明の実施形態について説明する。なお、粉体に関する評価結果(形状又は物性などを示す値)は、何ら規定していなければ、相当数の粒子について測定した値の個数平均である。また、粉体の体積中位径(D50)の測定値は、何ら規定していなければ、レーザー回折式粒度分布測定装置(マルバーン社製の「Zetasizer nano−ZS(ゼータサイザー ナノZS)」)を用いて測定した値である。
また、化合物名の後に「系」を付けて、化合物及びその誘導体を包括的に総称する場合がある。化合物名の後に「系」を付けて重合体名を表す場合には、重合体の繰返し単位が化合物又はその誘導体に由来することを意味する。
また、以下では、「インクジェット記録装置用水性洗浄液」を「水性洗浄液」と記載する。「インクジェット記録用水性インク」を「水性インク」と記載する。「60℃で1週間乾燥後の水性洗浄液の25℃における粘度」を「乾燥時の水性洗浄液の粘度(25℃)」と記載し、「乾燥などの前処理が行われていない水性洗浄液の粘度」を単に「水性洗浄液の粘度」と記載する。横軸に絶対温度の逆数値をとり、縦軸に水性洗浄液の粘度の自然対数値をとったグラフにおいて、10℃以上40℃以下の温度範囲における水性洗浄液の粘度の温度特性が最小二乗法で直線に近似された場合、その直線の傾きを「アンドレード式におけるE/R値」と記載する。インクジェット記録装置の動作温度が10℃以上40℃以下の温度範囲で変化することを単に「インクジェット記録装置の動作温度が変化すること」と記載する。
[水性洗浄液]
本実施形態に係る水性洗浄液は、インクジェット記録装置において水性インクが吐出される面(吐出面)を洗浄する。「吐出面の洗浄」には、固着インクを吐出面から除去することが含まれる。なお、水性洗浄液は、吐出面の洗浄だけでなく、ワイプ動作において使用されるブレードの洗浄、又は搬送ローラーの洗浄にも使用できる。このような水性洗浄液は、非イオン性界面活性剤と、グリコール類と、グリコールエーテル類とを含有する。非イオン性界面活性剤は、アミン型界面活性剤を含む。乾燥時の水性洗浄液の粘度(25℃)が、9mPa・s以上13mPa・s以下である。アンドレード式におけるE/R値が、3.15×103mPa・s×K以上3.45×103mPa・s×K以下である。まず、水性インクの一般的な構成と、固着インクの形成プロセスとを、順に説明する。
<水性インクの一般的な構成>
水性インクは、一般的に、水性溶媒と顔料分散体とを有する。顔料分散体は、複数の顔料粒子が水性溶媒中において互いに分散されて構成されたものを意味する。顔料粒子の各々は、一般的に、顔料を含有する顔料コアと、顔料コアの表面に設けられた被覆樹脂とを含む。
水性インクでは、顔料粒子が、互いに分散する。詳しくは、多くの場合、被覆樹脂としては、樹脂塩を使用する。ここで、樹脂塩は、分子内に、電離可能な官能基(例えばCOONa基)を有する。また、水性インクは、十分な量の水性溶媒を含有する。これらのことから、被覆樹脂の表面では、電離が起こり易い。そのため、被覆樹脂の表面には、電気二重層が形成される。被覆樹脂の表面に電気二重層が形成されると、顔料粒子同士が電気的に反発するため、顔料粒子が互いに分散する。
<固着インクの形成プロセス>
固着インクは以下に示すプロセスで形成される、と考えられる。
水性インクを記録ヘッドの吐出面から記録媒体へ吐出すると、水性インクが吐出面に付着することがある。水性インクが吐出面に付着すると、水性インクと空気との接触に起因して水性インクが乾燥する。水性インクが乾燥すると、被覆樹脂が膜を形成し易い。
詳しくは、水性インクが乾燥すると、水性インクにおける水性溶媒の含有量が減少するため、被覆樹脂の表面では電離が起こり難くなる。これにより、顔料粒子同士は電気的に反発し難くなるため、顔料粒子は互いに凝集し易くなる。顔料粒子が互いに凝集すると、互いに異なる顔料コアの表面に存在する被覆樹脂が接触し易くなる。その結果、被覆樹脂からなる膜(以下、「樹脂膜」と記載する)が形成され易くなる。このように、水性インクが乾燥すると、顔料コアの凝集体が樹脂膜で被覆される。このようにして、固着インクが形成される。
<所定の効果が得られる理由>
続いて、本実施形態に係る水性洗浄液を用いて吐出面を洗浄した場合に所定の効果が得られる理由として考えられる事項を説明する。ここで、所定の効果には、効果1〜3が含まれる。効果1は、インクの吐出の再開を試みた場合であっても、インクの吐出性能の低下を防止できることである。効果2は、固着インクを吐出面から除去できることである。効果3は、インクジェット記録装置の動作温度が変化した場合であっても、インクの吐出性能の低下を防止できることである。
(効果1)
本実施形態では、乾燥時の水性洗浄液の粘度(25℃)が9mPa・s以上13mPa・s以下である。乾燥時の水性洗浄液の粘度(25℃)は、水性洗浄液が吐出面で乾燥して吐出面に固着した場合における水性洗浄液の粘度に相当する、と考えられる。そのため、乾燥時の水性洗浄液の粘度(25℃)が9mPa・s以上13mPa・s以下であれば、ワイプ動作において水性洗浄液の拭き残りが発生したために水性洗浄液が吐出面に固着した場合であっても、吐出面に固着した水性洗浄液の粘度が高くなり過ぎることを防止できる。これにより、吐出口が固着膜で塞がれた場合であっても、インクの吐出の再開時にパージ動作を行えば、固着膜を吐出口から剥がすことができる。よって、インクの吐出の再開時には、水性インクを所望の吐出方向に吐出させることができる。したがって、インクの吐出の再開時にインクの吐出性能が低下することを防止できる。
また、乾燥時の水性洗浄液の粘度(25℃)が9mPa・s以上13mPa・s以下であれば、水性洗浄液の粘度を吐出面の洗浄に適した値とすることもできる。例えば、水性洗浄液の粘度が高くなり過ぎることを防止できる。これにより、ワイプ動作において水性洗浄液の拭き残りが発生することを防止できるため、水性洗浄液が吐出面で乾燥して吐出面に固着することを防止できる。よって、ワイプ動作後に吐出口が固着膜で塞がれることを防止できる。このことによっても、インクの吐出の再開時にインクの吐出性能が低下することを防止できる。なお、乾燥時の水性洗浄液の粘度(25℃)は、後述の実施例に記載の方法、又はそれに準拠する方法で、測定できる。
(効果2)
前述の<固着インクの形成プロセス>で説明したように、顔料粒子が互いに凝集して、固着インクが形成される。しかし、多くの場合、水性洗浄液は、固着インクの形成中に吐出面へ供給されるため、顔料粒子が互いに凝集する前に吐出面へ供給される。
本実施形態に係る水性洗浄液は、アミン型界面活性剤を含有する。ここで、アミン型界面活性剤は、分子内にアミノ基を有するため、他の界面活性剤に比べて隣り合う顔料粒子の間へ浸入し易い。そのため、本実施形態に係る水性洗浄液は、他の界面活性剤を含有する水性洗浄液に比べ、隣り合う顔料粒子の間へ浸入し易い。なお、「他の界面活性剤」には、アミン型界面活性剤とは異なる非イオン性界面活性剤と、カチオン性界面活性剤と、アニオン性界面活性剤と、両性界面活性剤とが含まれる。
また、本実施形態では、乾燥時の水性洗浄液の粘度(25℃)が9mPa・s以上13mPa・s以下である。これにより、水性洗浄液の粘度を吐出面の洗浄に適した値とすることができる。詳しくは、水性洗浄液の粘度が高くなり過ぎることを防止できる。このことによっても、本実施形態に係る水性洗浄液は、隣り合う顔料粒子の間へ浸入し易い。また、水性洗浄液の粘度が低くなり過ぎることを防止できる。これにより、吐出面に供給された水性洗浄液がクリーニング部材(例えばブレード)をつたって鉛直方向下側へ流れ落ちることを防止できる。よって、水性洗浄液が隣り合う顔料粒子の間へ浸入する量(以下、単に「水性洗浄液の浸入量」と記載する)を確保できる。
このように、本実施形態では、水性洗浄液は、隣り合う顔料粒子の間へ浸入し易い。また、水性洗浄液の浸入量を確保できる。これらのことから、顔料粒子の凝集を防止できる。又は、顔料粒子が凝集するタイミングを遅らせることができる。よって、パージインクが、隣り合う顔料粒子の間へ浸入し易くなるため、固着インクが、パージインクに溶解され易くなる。したがって、吐出面への水性洗浄液の供給とパージ動作とを行った後にワイプ動作を行うと、固着インクを吐出面から除去できる。
(効果3)
本実施形態では、アンドレード式におけるE/R値が3.15×103mPa・s×K以上3.45×103mPa・s×K以下である。ここで、アンドレード式におけるE/R値が大きいことは、温度が変化したときに水性洗浄液の粘度が大幅に変化することを意味する。一方、アンドレード式におけるE/R値が小さいことは、温度が変化しても水性洗浄液の粘度が大幅に変化し難いことを意味する。そして、アンドレード式におけるE/R値が3.15×103mPa・s×K以上3.45×103mPa・s×K以下であれば、インクジェット記録装置の動作温度が変化した場合であっても、水性洗浄液の粘度を吐出面の洗浄に適した値に維持できる。
前述の(効果2)で説明したように、水性洗浄液の粘度を吐出面の洗浄に適した値に維持できれば、インクの吐出性能の低下を防止できる。本実施形態では、インクジェット記録装置の動作温度が変化した場合であっても水性洗浄液の粘度を吐出面の洗浄に適した値に維持できるため、インクジェット記録装置の動作温度が変化した場合であってもインクの吐出性能の低下を防止できる。なお、アンドレード式におけるE/R値は、後述の実施例に記載の方法、又はそれに準拠する方法で、測定できる。
[水性洗浄液の好ましい組成]
一般的に、水性洗浄液は、水性溶媒と界面活性剤とを含有し、溶解安定剤と保湿剤とpH調整剤とのうちの少なくとも1つをさらに含有することがある。本発明者は、水性洗浄液に含まれる材料の種類及び含有量を変更して複数種の水性洗浄液を調製し、乾燥時の水性洗浄液の粘度(25℃)を測定し、アンドレード式におけるE/R値を求めた。その結果、グリコール類の材料、グリコール類の含有量、グリコールエーテル類の材料、及びグリコールエーテル類の含有量のうちの少なくとも1つを変更すると、乾燥時の水性洗浄液の粘度(25℃)が変化し易く、アンドレード式におけるE/R値が変化し易いことが、分かった。以下、得られた知見を説明する。
<グリコール類>
グリコール類とは、脂肪族炭化水素において2つの炭素原子の各々に結合されている1つの水素原子が水酸基で置換された構造を有する化合物の総称である。脂肪族炭化水素には、鎖式脂肪族炭化水素と、環式脂肪族炭化水素とが含まれる。
グリコール類は、水性洗浄液において、水性溶媒を構成でき、保湿剤として機能することもできる。グリコール類は、エチレングリコール(以下、「EG」と記載する)及び1,3−プロパンジオール(以下、「1,3−PG」と記載する)のうちの少なくとも1つを含むことが好ましい。より好ましくは、グリコール類は、EGと1,3−PGとの両方を含む。
EGの含有量が多くなると、乾燥時の水性洗浄液の粘度(25℃)が低くなる傾向にあり、アンドレード式におけるE/R値が大きくなる傾向にある(実施例1と比較例2とを参照)。一方、EGの含有量が少なくなると、乾燥時の水性洗浄液の粘度(25℃)が高くなる傾向にあり、アンドレード式におけるE/R値が小さくなる傾向にある(実施例2と比較例1とを参照)。EGの含有量が変化すると、アンドレード式におけるE/R値が大幅に変化し易い。
より具体的には、EGの含有量が10質量%超であれば、乾燥時の水性洗浄液の粘度(25℃)が13mPa・s以下となり易く、アンドレード式におけるE/R値が3.15×103mPa・s×K以上となり易い。そのため、EGの含有量は、10質量%超であることが好ましい。より好ましくは、EGの含有量は、11質量%以上である。
また、EGの含有量が20質量%以下であれば、乾燥時の水性洗浄液の粘度(25℃)が9mPa・s以上となり易く、アンドレード式におけるE/R値が3.45×103mPa・s×K以下となり易い。そのため、EGの含有量は、20質量%以下であることが好ましい。より好ましくは、EGの含有量は、18質量%以下である。
EGは、イオン交換水に比べ、高粘度な液体である。そのため、EGの含有量が10質量%超であれば、水性洗浄液の粘度が低くなり過ぎることを防止できる。EGの含有量が20質量%以下であれば、水性洗浄液の粘度が高くなり過ぎることを防止できる。このように、EGの含有量が10質量%超20質量%以下であれば、水性洗浄液の粘度を吐出面の洗浄に適した値とすることができるという効果も得られ易い。
1,3−PGの含有量が多くなると、乾燥時の水性洗浄液の粘度(25℃)が低くなる傾向にあり、アンドレード式におけるE/R値が大きくなる傾向にある(実施例2と比較例6とを参照)。一方、1,3−PGの含有量が少なくなっても、乾燥時の水性洗浄液の粘度(25℃)が低くなる傾向にあり、アンドレード式におけるE/R値が大きくなる傾向にある(実施例2と比較例5とを参照)。また、1,3−PGの含有量が変化すると、乾燥時の水性洗浄液の粘度(25℃)は大幅に変化し易いが、アンドレード式におけるE/R値は大幅に変化し難い(実施例2と比較例5及び6とを参照)。
より具体的には、1,3−PGの含有量が10質量%超20質量%以下であれば、乾燥時の水性洗浄液の粘度(25℃)が9mPa・s以上となり易い。そのため、1,3−PGの含有量は、10質量%超20質量%以下であることが好ましい。より好ましくは、1,3−PGの含有量が11質量%以上18質量%以下である。一方、1,3−PGの含有量が10質量%以下であっても、また1,3−PGの含有量が20質量%超であっても、アンドレード式におけるE/R値が3.15×103mPa・s×K以上3.45×103mPa・s×K以下となることがある(比較例5及び6を参照)。
1,3−PGは、EGと同様、イオン交換水に比べて高粘度な液体である。そのため、1,3−PGの含有量が10質量%超20質量%以下であれば、水性洗浄液の粘度を吐出面の洗浄に適した値とすることができるという効果も得られ易い。
グリコール類がEGと1,3−PGとの両方を含む場合、EGの含有量が10質量%超20質量%以下であり、且つ1,3−PGの含有量が10質量%超20質量%以下であることが好ましい。より好ましくは、EGの含有量が11質量%以上18質量%以下であり、且つ1,3−PGの含有量が11質量%以上18質量%以下である。また、グリコール類がEGと1,3−PGとの両方を含む場合、乾燥時の水性洗浄液の粘度(25℃)と、アンドレード式におけるE/R値とは、何れも、1,3−PGの含有量の変化よりも、EGの含有量の変化に、影響され易い(実施例2と比較例3とを参照)。
なお、グリコール類は、EG及び1,3−PGを除く他の化合物をさらに含んでもよい。EG及び1,3−PGを除く他の化合物としては、例えば、後述の<溶解安定剤と保湿剤>に記載のアルキレングリコール類(EG及び1,3−PGを除く)を挙げることができる。
<グリコールエーテル類>
グリコールエーテル類は、グリコール類の片末端又は両末端の水酸基が炭化水素基で置換された構造を有する化合物の総称である。グリコール類については、前述したとおりである。
グリコールエーテル類は、水性洗浄液において、水性溶媒を構成できる。グリコールエーテル類は、トリエチレングリコールモノブチルエーテル(以下、「BTG」と記載する)を含むことが好ましい。
BTGの含有量が少なくなると、乾燥時の水性洗浄液の粘度(25℃)が高くなる傾向にあり、アンドレード式におけるE/R値が大幅に小さくなる傾向にある(実施例1と実施例2とを参照)。
より具体的には、BTGの含有量が10質量%以下であれば、乾燥時の水性洗浄液の粘度(25℃)が9mPa・s以上となり易く、アンドレード式におけるE/R値が3.45×103mPa・s×K以下となり易い。そのため、BTGの含有量は、10質量%以下であることが好ましい。より好ましくは、BTGの含有量は、3質量%以上10質量%以下である。
BTGは、EGと同様、イオン交換水に比べて高粘度な液体である。そのため、BTGの含有量が10質量%以下であれば、水性洗浄液の粘度が高くなり過ぎることを防止できるという効果も得られ易い。
なお、グリコールエーテル類は、BTGを除く他の化合物をさらに含んでもよい。BTGを除く他の化合物としては、例えば、後述の<水性溶媒>に記載のグリコールエーテル類(BTGを除く)を挙げることができる。
<グリコール類とグリコールエーテル類>
水性洗浄液は、グリコール類とグリコールエーテル類との両方を含むことが好ましく、より具体的にはEGと1,3−PGとBTGとを含むことが好ましい。より好ましくは、EGの含有量が10質量%超20質量%以下であり、1,3−PGの含有量が10質量%超20質量%以下であり、且つBTGの含有量が10質量%以下である。さらに好ましくは、EGの含有量が11質量%以上18質量%以下であり、1,3−PGの含有量が11質量%以上18質量%以下であり、且つBTGの含有量が3質量%以上10質量%以下である。
好ましくは、グリコール類の含有量とグリコールエーテル類の含有量との合計が、45質量%以下である(実施例1〜3と比較例2及び4とを参照)。これにより、乾燥時の水性洗浄液の粘度(25℃)が9mPa・s以上となり易く、アンドレード式におけるE/R値が3.45×103mPa・s×K以下となり易い。より好ましくは、グリコール類の含有量とグリコールエーテル類の含有量との合計が、20質量%以上45質量%以下である。
[水性洗浄液に含まれる材料の例示]
前述したように、水性洗浄液は、アミン型界面活性剤と、グリコール類と、グリコールエーテル類とを含有する。
<アミン型界面活性剤>
アミン型界面活性剤は、例えば、ポリオキシアルキレンアルキルアミンであることが好ましい。ポリオキシアルキレンアルキルアミンは、下記式(1−1)で表される構造を有することが好ましい。ポリオキシアルキレンアルキルアミンとしては、例えば、花王株式会社製「アミート(登録商標)105A」、花王株式会社製「アミート320」、又は、三洋化成工業株式会社製「ピュアミール(登録商標)EP−300S」を使用できる。
Figure 0006819468
上記式(1-1)において、R1は炭素数が1以上24以下である炭化水素基を表す。好ましくは、R1は炭素数が1以上24以下であるアルキル基又はアルケニル基を表す。A1O、及びA2Oは、各々独立に、オキシエチレン基とオキシプロピレン基とのうちの少なくとも1つを表す。m1及びn1は、各々、0以上の整数を表し、1≦(m1+n1)≦100を満たす整数を表す。好ましくは、m1及びn1は、各々、0以上の整数を表し、1≦(m1+n1)≦40を満たす整数を表す。
水性洗浄液におけるアミン型界面活性剤の含有量は、0.1質量%以上20.0質量%以下であることが好ましい。これにより、水性洗浄液の浸入量を確保できる。水性洗浄液におけるアミン型界面活性剤の含有量は、より好ましくは0.1質量%以上10.0質量%以下であり、さらに好ましくは0.5質量%以上7.0質量%以下である。
水性洗浄液が2種以上のアミン型界面活性剤を含有する場合には、水性洗浄液におけるアミン型界面活性剤の含有量の合計が0.1質量%以上20.0質量%以下であることが好ましい。より好ましくは、水性洗浄液におけるアミン型界面活性剤の含有量の合計が0.1質量%以上10.0質量%以下である。さらに好ましくは、水性洗浄液におけるアミン型界面活性剤の含有量の合計が0.5質量%以上7.0質量%以下である。
なお、アミン型界面活性剤は、非イオン性界面活性剤である。そのため、本実施形態に係る水性洗浄液がアミン型界面活性剤を含有すれば、水性洗浄液の発泡性を低く抑えることができる。また、人体にとって低害な水性洗浄液を提供できる。
<水性溶媒>
水性洗浄液は、水性溶媒をさらに含有することが好ましい。水性溶媒は、水を含有することが好ましく、より好ましくはイオン交換水を含有する。水性洗浄液における水の含有量は、20質量%以上70質量%以下であることが好ましい。
例えば、水性溶媒は、イオン交換水と、グリセリン及び/又はグリコール類と、アルコール及び/又はグリコールエーテル類とを含有することが好ましい。水性洗浄液がグリセリン及び/又はグリコール類を含有すれば、水性洗浄液の乾燥をさらに防止できる。グリコール類は、EG及び1,3−PGのうちの少なくとも1つを含むことが好ましい。アルコールとしては、例えば、ソルビトールに代表される糖アルコールを使用することもできる。グリコールエーテル類としては、例えば、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル(BTG)、トリエチレングリコールモノイソブチルエーテル、トリエチレングリコールモノイソプロピルエーテル、又はジエチレングリコールモノノルマルブチルエーテルが挙げられる。好ましくは、グリコールエーテル類は、BTGを含む。
<溶解安定剤と保湿剤>
より好ましくは、水性洗浄液は、溶解安定剤と保湿剤とのうちの少なくとも1つをさらに含有する。水性インクは、多くの場合、溶解安定剤と保湿剤とを含有する。そのため、水性洗浄液が溶解安定剤と保湿剤とのうちの少なくとも1つをさらに含有すれば、水性インクに対する水性洗浄液の親和性を高めることができる。よって、隣り合う顔料粒子の間への水性洗浄液の浸入がさらに容易となる。
溶解安定剤は、好ましくは、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、及びγ−ブチローラークトンのうちの少なくとも1つである。水性洗浄液における溶解安定剤の含有量は、好ましくは1質量%以上20質量%以下であり、より好ましくは3質量%以上15質量%以下である。
保湿剤は、好ましくは、ポリアルキレングリコール類、アルキレングリコール類、及びグリセリンのうちの少なくとも1つである。ポリアルキレングリコール類は、ポリエチレングリコール、又はポリプロピレングリコールであることが好ましい。アルキレングリコール類は、エチレングリコール(EG)、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−プロパンジオール(1,3−PG)、トリエチレングリコール、トリプロピレングリコール、1,2,6−ヘキサントリオール、チオジグリコール、1,3−ブタンジオール、又は1,5−ペンタンジオールであることが好ましい。より好ましくは、アルキレングリコール類は、EG及び1,3−PGのうちの少なくとも1つを含む。水性洗浄液における保湿剤の含有量は、好ましくは2質量%以上30質量%以下であり、より好ましくは10質量%以上25質量%以下である。
<pH調整剤>
より好ましくは、水性洗浄液は、pH調整剤をさらに含有する。これにより、水性洗浄液が弱塩基性を示し易い。水性インクは、多くの場合、弱塩基性を示す。そのため、水性洗浄液がpH調整剤をさらに含有すれば、水性インクに対する水性洗浄液の親和性を高めることができる。よって、隣り合う顔料粒子の間への水性洗浄液の浸入がさらに容易となる。
pH調整剤は、アルカリ金属塩であることが好ましい。アルカリ金属塩は、アルカリ金属の水酸化物であることが好ましい。より好ましくは、アルカリ金属塩は、水酸化リチウムと水酸化ナトリウムと水酸化カリウムと水酸化セシウムとのうちの少なくとも1つを含む。水性洗浄液のpHが8.5以上10以下となるように、水性洗浄液におけるpH調整剤の含有量を決定することが好ましい。
[水性洗浄液の好ましい製造方法]
水性洗浄液の好ましい製造方法は、材料(例えば、アミン型界面活性剤とグリコール類とグリコールエーテル類)を所定の配合量で均一に混合する工程を含む。攪拌機(例えば、新東科学株式会社製「スリーワンモーター BL−600」)を用いて材料を混合することが好ましい。材料を混合した後、必要に応じてろ過を行う。
[インクジェット記録装置と画像形成方法]
本実施形態に係る水性洗浄液を用いた吐出面の洗浄方法は、特に限定されない。例えば、水性洗浄液を鉛直方向上側から鉛直方向下側へ供給する供給機構を備えたインクジェット記録装置において、本実施形態に係る水性洗浄液を用いて吐出面を洗浄しても、前述の効果1〜3を得ることができる。以下、図1〜図4を用いて、前述の供給機構を備えるインクジェット記録装置の構成と、そのインクジェット記録装置を用いた画像形成方法とを、説明する。図1は、前述の供給機構を備えるインクジェット記録装置の構成を示す図である。図2は、図1に示すインクジェット記録装置に含まれるノズルヘッドの構成を示す図である。図3及び図4は、各々、図1に示すインクジェット記録装置を用いた画像形成方法の一工程を説明する図である。ここで、図1〜図4に示すX軸、Y軸、及びZ軸は、互いに直交する。また、図2〜図4において、Z1は、鉛直方向上側を表し、Z2は、鉛直方向下側を表す。まず、インクジェット記録装置の構成を説明する。
<インクジェット記録装置の構成>
インクジェット記録装置1は、給紙部2と、液体収容部3と、ノズルヘッド4と、用紙搬送部6と、排出部7と、クリーニング部材8と、制御部9とを備える。
給紙部2は、給紙カセット21と、給紙ローラー22aとを有する。給紙カセット21には、複数の記録媒体(例えばコピー用紙)Sが重ねられた状態で収納されている。
液体収容部3には、カートリッジ31が設けられている。カートリッジ31は、インクジェット記録装置1に着脱自在に装着される。カートリッジ31は、水性インクと、本実施形態に係る水性洗浄液と、第1タンク32と、第2タンク33とを有する。第1タンク32は、水性インクを収容する。第2タンク33は、本実施形態に係る水性洗浄液を収容する。
(ノズルヘッド)
図2を用いて、ノズルヘッド4の構成を説明する。ノズルヘッド4は、水性インクを吐出するとともに、水性洗浄液を供給する。そのため、ノズルヘッド4の下面には、水性インクが吐出される領域(第1領域R1)と、水性洗浄液が供給される領域(第2領域R2)とが、存在する。ノズルヘッド4は、図2に示すように、記録ヘッド41と、洗浄液供給部141とを有する。記録ヘッド41は、水性インクを吐出する。よって、第1領域R1は、記録ヘッド41の下面42に位置する。つまり、記録ヘッド41の下面42が吐出面に相当する。また、洗浄液供給部141は、水性洗浄液を供給する。よって、第2領域R2は、洗浄液供給部141の下面142に位置する。
記録ヘッド41は、ラインヘッドであり、記録媒体Sの搬送方向に対して垂直な方向に延びる。そのため、記録ヘッド41の長手方向は、X軸方向に対して平行である。洗浄液供給部141は、記録ヘッド41の長手方向の一端に固定されている。以下、記録ヘッド41の構成と洗浄液供給部141の構成とを順に説明する。
(ノズルヘッド:記録ヘッド)
記録ヘッド41は、インク流路により、第1タンク32に接続されている。水性インクは、ポンプにより第1タンク32から汲み上げられてインク流路の上流端へ供給され、インク流路の上流端からインク流路の下流端まで移動して記録ヘッド41に供給される。
記録ヘッド41は、複数のインク用ノズル47を有する。インク用ノズル47は、各々、記録ヘッド41の下面42の中央領域において開口し、水性インクをインク用ノズル47の開口(吐出口)48から鉛直方向下側Z2へ吐出する。
なお、記録ヘッド41は、シリアルヘッドであってもよい。少なくとも記録ヘッド41の下面42は、ステンレス鋼(SUS)で構成されていることが好ましい。記録ヘッド41の下面42におけるインク用ノズル47の開口48の個数、大きさ、外形、及び配置は、何れも、特に限定されない。水性インクの吐出方式は、特に限定されず、ピエゾ方式であってもよいし、サーマル方式であってもよい。ピエゾ方式は、ピエゾ素子を利用して水性インクを吐出させる方式である。サーマル方式は、加熱により気泡を発生させて水性インクを吐出させる方式である。
(ノズルヘッド:洗浄液供給部)
洗浄液供給部141は、洗浄液流路により、第2タンク33に接続されている。水性洗浄液は、ポンプにより第2タンク33から汲み上げられて洗浄液流路の上流端へ供給され、洗浄液流路の上流端から洗浄液流路の下流端まで移動して洗浄液供給部141に供給される。
洗浄液供給部141は、筐体143と、板状の蓋体145とを有する。蓋体145は、筐体143よりも、鉛直方向下側Z2に位置する。そのため、蓋体145が、洗浄液供給部141の下面142を構成する。
筐体143の内部空間は、洗浄液流路の内部空間に連通しており、筐体143は、洗浄液流路から供給された洗浄液を収容する。筐体143は、記録ヘッド41の側壁に接する側壁(中央側側壁)と、中央側側壁とは反対側に位置する側壁(周縁側側壁)と、第1傾斜部143Aとを有する。第1傾斜部143Aは、周縁側側壁の鉛直方向下端に接続されている。第1傾斜部143Aは、鉛直方向上側Z1から鉛直方向下側Z2へ進むにつれて中央側側壁に近づくように傾斜するが、中央側側壁に接触しない。このような筐体143は、鉛直方向下側Z2において開口する。
蓋体145は、折曲部を有し、折曲部を挟んで第2傾斜部145Aと水平部145Bとをさらに有する。第2傾斜部145Aは、第1傾斜部143Aの下面に当接する。水平部145Bは、折曲部から記録ヘッド41の下面42の周縁領域へ向かって水平方向に延び、記録ヘッド41の下面42の周縁領域に固定されている。そのため、水平部145Bが筐体143の開口を塞ぐ。
洗浄液供給部141は、洗浄液用ノズル147をさらに有する。洗浄液用ノズル147の内部空間は、筐体143の内部空間に連通しており、洗浄液用ノズル147は、洗浄液供給部141の下面142(より具体的には蓋体145の水平部145Bの下面)において開口する。洗浄液用ノズル147は、水性洗浄液を、洗浄液用ノズル147の開口148から鉛直方向下側Z2へ突出する液滴(図3に示す液滴52を参照。以下、「半球状の液滴」と記載する)の状態で、洗浄液供給部141の下面142に供給する。詳しくは、水性洗浄液は、記録ヘッド41のメンテナンス時には、半球状の液滴の状態で洗浄液供給部141の下面142に供給される(図3参照)。一方、水性洗浄液は、記録ヘッド41のメンテナンス時以外(例えば水性インクの吐出時)には、洗浄液用ノズル147の開口148から鉛直方向下側Z2へ突出しない状態で洗浄液用ノズル147の内部に保持されることが好ましい。これにより、水性洗浄液が記録媒体Sに付着することを防止できる。
洗浄液用ノズル147の内径が小さくなると、半球状の液滴(図3の液滴52を参照)の半径が小さくなる傾向にあるため、水性洗浄液を半球状の液滴の状態で保持し易い傾向にある。一方、洗浄液用ノズル147の内径が大きくなると、半球状の液滴の半径が大きくなる傾向にあるため、水性洗浄液の保持量(洗浄液用ノズル147の開口148の近傍に保持される水性洗浄液の量)が多くなる傾向にある。これらを考慮して、洗浄液用ノズル147の内径を決定することが好ましい。例えば、洗浄液用ノズル147の内径は、10μm以上200μm以下であることが好ましく、より好ましくは40μm以上150μm以下である。なお、洗浄液用ノズル147の内径が10μm未満であれば、洗浄液用ノズル147の加工が困難になることがある。
なお、少なくとも洗浄液供給部141の下面142は、樹脂で構成されていることが好ましい。洗浄液供給部141の下面142における洗浄液用ノズル147の開口148の個数、大きさ、外形、及び配置は、何れも、特に限定されない。以上、図2を用いてノズルヘッド4の構成を説明した。
図1に戻って、インクジェット記録装置1の構成の説明を続ける。用紙搬送部6は、図1に示すように、第1搬送ユニット61と、第2搬送ユニット62とを有する。排出部7は、排出トレイ71を有する。
クリーニング部材8は、ブレード81(図4参照)を有する。ブレード81は、各々、ノズルヘッド4の下面に対面する位置と第2搬送ユニット62に対面する位置(図1参照)との間を移動する。また、ブレード81は、図4に示すように、上昇方向D1と下降方向D2との各々の方向に沿って移動する。「上昇方向D1」とは、Z軸方向に沿って鉛直方向上側Z1へ向かう方向を意味する。「下降方向D2」とは、Z軸方向に沿って鉛直方向下側Z2へ向かう方向を意味する。
また、ブレード81は、ノズルヘッド4の下面に当接しながら、ワイピング方向D3に沿って移動する。より具体的には、ブレード81は、ノズルヘッド4の下面に当接しながら、ノズルヘッド4の下面に沿って洗浄液供給部141の下面142に当接する位置から記録ヘッド41の下面42に当接する位置へ移動する。つまり、ブレード81は、洗浄液供給部141の下面142と記録ヘッド41の下面42とに順に当接しながら、記録ヘッド41の長手方向に沿って移動する。ここで、「ワイピング方向D3」とは、ノズルヘッド4の下面に沿って洗浄液供給部141の下面142に当接する位置から記録ヘッド41の下面42に当接する位置へ向かう方向を意味する。
制御部9は、インクジェット記録装置1を制御して、画像形成を実行する。制御部9がROMに記憶させた所定の制御プログラムをCPUで実行することによって、インクジェット記録装置1は画像を形成できる。
<画像形成方法>
次に、インクジェット記録装置1を用いた画像形成方法を説明する。インクジェット記録装置1を用いた画像形成方法は、制御部9がROMに記憶させた所定の制御プログラムをCPUで実行することによって、行われる。
詳しくは、まず、制御部9が、給紙ローラー22aを、給紙カセット21において最上に収納された記録媒体Sに接触させる。次に、制御部9が、記録媒体S(給紙ローラー22aに接触している記録媒体S)を、給紙カセット21から取り出して、第1搬送ユニット61へ送出する。記録媒体Sが記録ヘッド41の下面42に対面する位置に到達すると、制御部9が、水性インクを、第1タンク32から記録ヘッド41へ供給して、インク用ノズル47の開口48から鉛直方向下側Z2へ吐出させる(吐出工程)。吐出工程が終了したら、制御部9が、記録媒体S(画像が形成された記録媒体S)を、第2搬送ユニット62へ送出して、排出トレイ71から排出させる。その後、制御部9が記録ヘッド41のメンテナンスを行う。
(記録ヘッドのメンテナンス動作)
図3及び図4を用いて、記録ヘッド41のメンテナンス動作(洗浄方法)を説明する。
まず、制御部9が、水性インクを、第1タンク32から記録ヘッド41へ供給する。その後、制御部9が、水性インクを、インク用ノズル47の開口48から鉛直方向下側Z2へ排出させる(パージ工程)。これにより、図3に示すように、記録ヘッド41の下面42には、パージインク51が供給される。
次に、制御部9が、水性洗浄液を、第2タンク33から洗浄液供給部141へ供給する。その後、制御部9が、水性洗浄液を、半球状の液滴52の状態で洗浄液供給部141の下面142に供給する(供給工程)。水性洗浄液を供給する工程は、パージ工程よりも前に行われてもよいし、パージ工程と同時に行われてもよい。
続いて、制御部9が、ブレード81を、第2搬送ユニット62に対面する位置からノズルヘッド4の下面に対面する位置へ移動させた後、上昇方向D1に沿って移動させる。これにより、ブレード81は、第2傾斜部145Aよりも、記録ヘッド41の長手方向における端部寄りに、配置される(図4において破線で示されたブレード81を参照)。その後、制御部9が、ブレード81を、ノズルヘッド4の下面に当接させながらワイピング方向D3に沿って移動させる(ワイプ工程)。これにより、ブレード81は、上端が第2傾斜部145Aの下面と水平部145Bの下面と記録ヘッド41の下面42とに順に接触しながら、記録ヘッド41の長手方向に沿って移動する。
ブレード81の上端は、第2傾斜部145Aの下面に接触すると、湾曲する(図4において実線で示されたブレード81を参照)。これにより、ブレード81は、上端が湾曲した状態で水平部145Bの下面に接触しながら、ワイピング方向D3に沿って移動する。よって、ブレード81は、水性洗浄液(半球状の液滴52の状態で洗浄液供給部141の下面142に供給された水性洗浄液)を押しながら、ワイピング方向D3に沿って移動する。このようにして、水性洗浄液が記録ヘッド41の下面42に供給される。そして、ブレード81が記録ヘッド41の下面42に当接しながらワイピング方向D3に沿ってさらに移動することで、固着インクとパージインク51と水性洗浄液とを記録ヘッド41の下面42から除去できる。
ワイプ工程が終了したら、制御部9が、ブレード81を、下降方向D2に沿って移動させた後、第2搬送ユニット62に対面する位置へ移動させる。このようにして、記録ヘッド41のメンテナンスが終了する。
以上説明したように、インクジェット記録装置1では、本実施形態に係る水性洗浄液が第2タンク33に収容されている。前述の[水性洗浄液]で説明したように、本実施形態では、乾燥時の水性洗浄液の粘度(25℃)が9mPa・s以上13mPa・s以下である。そのため、水性洗浄液の粘度が高くなり過ぎることを防止できるとともに、水性洗浄液の粘度が低くなり過ぎることを防止できる。これにより、水性洗浄液を供給する工程において、水性洗浄液を半球状の液滴52の状態で洗浄液供給部141の下面142に供給できる。よって、続くワイプ工程では、所望量の水性洗浄液を記録ヘッド41の下面42に供給できる。また、水性洗浄液の粘度が低くなり過ぎることを防止できるため、ワイプ動作において、水性洗浄液がブレード81をつたって鉛直方向下側Z2に流れ落ちることを防止できる。これらのことから、水性洗浄液の浸入量を確保し易い。したがって、インクジェット記録装置1は、インクの吐出の再開を試みた場合であっても、インクの吐出性能の低下を防止できる。
また、前述の[水性洗浄液]で説明したように、本実施形態では、アンドレード式におけるE/R値が3.15×103mPa・s×K以上3.45×103mPa・s×K以下である。そのため、インクジェット記録装置1の動作温度が変化した場合であっても、水性洗浄液の粘度が高くなり過ぎることを防止できるとともに水性洗浄液の粘度が低くなり過ぎることを防止できる。これにより、インクジェット記録装置1の動作温度が変化した場合であっても、水性洗浄液を供給する工程において、水性洗浄液を半球状の液滴52の状態で洗浄液供給部141の下面142に供給できる。よって、続くワイプ工程では、所望量の水性洗浄液を記録ヘッド41の下面42に供給できる。また、インクジェット記録装置1の動作温度が変化した場合であっても、水性洗浄液の粘度が低くなり過ぎることを防止できるため、ワイプ動作において、水性洗浄液がブレード81をつたって鉛直方向下側Z2に流れ落ちることを防止できる。これらのことから、インクジェット記録装置1の動作温度が変化した場合であっても、水性洗浄液の浸入量を確保し易い。したがって、インクジェット記録装置1は、動作温度が変化した場合であっても、インクの吐出性能の低下を防止できる。
また、ワイプ工程では、ブレード81は、まず、第2傾斜部145Aの下面に接触する。そのため、ワイプ工程においてブレード81に作用する負荷を小さくできる。これにより、ブレード81の経時劣化を軽減できる。よって、耐久時においても、ワイプ動作を行うことができる。したがって、インクジェット記録装置1は、耐久時においても、インクの吐出性能に優れる。
さらに、洗浄液供給部141の下面142は、記録ヘッド41の下面42よりも、鉛直方向下側Z2に位置する。これにより、ブレード81の上端が記録ヘッド41の下面42に接触しているときには、ブレード81の上端が洗浄液供給部141の下面142に接触しているときに比べ、ブレード81の上端の湾曲具合が緩和される。このことによっても、ワイプ工程においてブレード81に作用する負荷を小さくできるため、インクジェット記録装置1は、耐久時においても、インクの吐出性能に優れる。
なお、インクジェット記録装置1の構成は、図1及び図2に示す構成に限定されない。例えば、洗浄液用ノズル147は記録ヘッド41に設けられていてもよい。しかし、洗浄液用ノズル147が記録ヘッド41とは異なる部材に設けられていれば、洗浄液を供給する機構(例えば洗浄液流路と洗浄液用ノズル147)を記録ヘッド41に設ける必要がない。そのため、記録ヘッド41の構成が複雑化することを防止できる。記録ヘッド41の構成が複雑化することを防止できれば、記録ヘッド41の加工コストを抑えることができるため、インクジェット記録装置1を比較的低コストで提供できる。また、記録ヘッド41の構成が複雑化することを防止できれば、記録ヘッド41の大型化を防止できるため、インクジェット記録装置1の大型化を防止できる。これらのことから、ノズルヘッド4は、記録ヘッド41とは別に洗浄液供給部141を有することが好ましい。
また、水平部145Bは、折曲部から記録ヘッド41の下面42の周縁領域へ向かって水平方向に延びていなくてもよい。例えば、水平部145Bの端面は、中央側側壁よりも折曲部寄りに位置していてもよい。しかし、水平部145Bが折曲部から記録ヘッド41の下面42の周縁領域へ向かって水平方向に延びていれば、ワイプ工程において、水性洗浄液が記録ヘッド41の下面42と蓋体145との間に浸入することを防止できる。そのため、水性洗浄液の浸入に起因して記録ヘッド41の下面42が汚染されることを防止できる。これにより、ワイプ動作を繰り返し行っても、記録ヘッド41の下面42が水性洗浄液で汚染されることを防止できる。よって、インクの吐出性能が耐久時において低下することを防止できる。したがって、水平部145Bは、折曲部から記録ヘッド41の下面42の周縁領域へ向かって水平方向に延びていることが好ましい。
本発明の実施例を説明する。なお、複数の粒子を含む粉体に関する評価結果(形状又は物性などを示す値)は、何ら規定していなければ、相当数の粒子について測定した値の個数平均である。誤差が生じる評価においては、誤差が十分小さくなる相当数の測定値を得て、得られた測定値の算術平均を評価値とした。
実施例及び比較例に係る水性洗浄液A−1〜A−10を用いて、ノズル面における固着インクの拭き取り性能と、水性インクの着弾精度とを、評価した。水性洗浄液A−1〜A−10の製造方法、物性値の測定方法、評価方法及び評価結果を順に説明する。
[水性洗浄液の製造方法]
表1に、水性洗浄液A−1〜A−5の各構成を示す。表2に、水性洗浄液A−6〜A−10の各構成を示す。表1及び表2において、「EG」はエチレングリコールを意味し、「1,3−PG」は1,3−プロパンジオールを意味し、「BTG」はトリエチレングリコールモノブチルエーテルを意味する。界面活性剤は、ポリオキシアルキレンアルキルアミン(アミン型界面活性剤)(三洋化成工業株式会社製「ピュアミールEP−300S」)を意味する。「NaOH水溶液」は、濃度が0.1NであるNaOH水溶液を意味する。「乾燥時の粘度」には、乾燥時の水性洗浄液の粘度(25℃)を記す。「E/R」には、アンドレード式におけるE/R値を1×103で除した値を記す。
Figure 0006819468
Figure 0006819468
表1及び表2に記載の材料を、表1及び表2に記載の配合量でビーカーに入れた。攪拌機(新東科学株式会社製「スリーワンモーター(登録商標) BL−600」)を用いてビーカーの内容物を回転速度400rpmで攪拌して、ビーカーの内容物を均一に混合した。フィルター(孔径5μm)を用いて得られた混合液をろ過し、混合液に含有される異物及び粗大粒子を除去した。このようにして、水性洗浄液A−1〜A−10を得た。
[水性洗浄液の物性値の測定方法]
<乾燥時の水性洗浄液の粘度(25℃)の測定方法>
容器(容積:100mL、開口径:2.5cm、高さ:7.5cm)に、100gの水性洗浄液(より具体的には水性洗浄液A−1〜A−10の各々)を入れた。蓋を開けた状態で容器を恒温槽(設定温度:60℃)に入れ、1週間静置した。容器を恒温槽から取り出し、容器の温度が室温(25℃)に戻るまで容器を静置した。その後、「JIS Z 8803:2011(液体の粘度測定方法)」に記載の方法に準拠して、25℃における水性洗浄液の粘度を測定した。結果を表1及び表2に示す。
<アンドレード式におけるE/R値の算出方法>
「JIS Z 8803:2011(液体の粘度測定方法)」に記載の方法に準拠して、10℃、15℃、20℃、25℃、30℃、35℃及び40℃における水性洗浄液(より具体的には水性洗浄液A−1〜A−10の各々)の粘度を測定した。横軸に絶対温度の逆数値をとり、縦軸に水性洗浄液の粘度の自然対数値をとったグラフにおいて、得られたデータをプロットした。プロットされたデータを最小二乗法で直線に近似して、その直線の傾きを求めた。結果を表1及び表2に示す。
[水性洗浄液の評価方法]
<水性インクの製造方法>
評価に使用する水性インクを製造した。製造した水性インクは、シアン顔料を含有する水性インク(シアンインク)と、イエロー顔料を含有する水性インク(イエローインク)と、マゼンタ顔料を含有する水性インク(マゼンタインク)と、ブラック顔料を含有する水性インク(ブラックインク)とを、含んでいた。以下では、シアンインクの製造方法を主に説明する。なお、水性インクの色を表記する必要がない場合には、「水性インク」と記載する。
(樹脂Aの合成)
まず、樹脂Aを合成した。詳しくは、四つ口フラスコ(容量1000mL)に、スターラーと、窒素導入管と、コンデンサー(攪拌機)と、滴下ロートとをセットした。次に、フラスコに、100gのイソプロピルアルコールと300gのメチルエチルケトンとを入れた。フラスコ内容物に窒素をバブリングしながら、70℃で加熱還流を行った。
また、40.0gのスチレンと、10.0gのメタクリル酸と、40.0gのメタクリル酸メチルと、10.0gのアクリル酸n−ブチルと、0.400gのアゾビスイソブチロニトリル(AIBN、重合開始剤)とを混合して、モノマー溶液を得た。70℃で加熱還流させた状態で、約2時間かけて、モノマー溶液をフラスコに滴下した。滴下後、さらに6時間、70℃で加熱還流を行った。
0.200gのAIBNとメチルエチルケトンとを含有する溶液を、15分かけて、フラスコに滴下した。滴下後、さらに5時間、70℃で加熱還流を行った。このようにして、樹脂A(スチレン−アクリル酸系樹脂)を得た。得られた樹脂Aでは、質量平均分子量(Mw)が20000であり、酸価が100mgKOH/gであった。
ここで、樹脂Aの質量平均分子量Mwは、ゲルろ過クロマトグラフィー(東ソー株式会社製「HLC−8020GPC」)を用いて、下記条件で、測定された。
カラム:東ソー株式会社製「TSKgel SuperMultiporeHZ−H」(4.6mmI.D.×15cmのセミミクロカラム)
カラム本数:3本
溶離液:テトラヒドロフラン
流速:0.35mL/分
サンプル注入量:10μL
測定温度:40℃
検出器:IR検出器
なお、検量線は、東ソー株式会社製のTSKgel標準ポリスチレンから、F−40、F−20、F−4、F−1、A−5000、A−2500、及びA−1000の7種とn−プロピルベンゼンとを選択して作成された。
また、樹脂Aの酸価は、「JIS(日本工業規格)K0070−1992(化学製品の酸価、けん化価、エステル価、よう素価、水酸基価及び不けん化物の試験方法)」に記載の方法に準拠して、求められた。
(顔料分散液L1の調製)
次に、合成された樹脂Aを用いて、表3に示す構成を有する顔料分散液L1を調製した。詳しくは、メディア型分散機(ウィリー・エ・バッコーフェン社(WAB社)製「ダイノミル」)のベッセル(容量0.6L)に、6.0質量%の樹脂Aと、15.0質量%のフタロシアニンブルー15:3(シアン顔料、東洋インキ株式会社製「リオノール(登録商標)ブルーFG−7330」)と、0.5質量%の1,2−オクタンジオールと、イオン交換水(残量)とを入れた。
また、樹脂Aの中和に必要な量の水酸化ナトリウム水溶液をベッセルに加えた。ここで、ベッセル内容物のpHが8になるように、NaOH水溶液をベッセルに加えた。より具体的には、中和当量の1.1倍の質量のNaOH水溶液をベッセルに加えた。なお、顔料分散液L1を構成する材料の配合量を決定するさいには、ベッセルに加えるべきNaの質量を樹脂Aの質量に加えた。また、NaOH水溶液に含まれる水の質量と中和反応で生じた水の質量とをイオン交換水の質量に加えた。
充填量がベッセルの容量に対して70体積%となるように、メディア(径が0.5mmのジルコニアビーズ)をベッセルに充填した。温度が10℃であり且つ周速が8m/秒である条件でベッセルを水冷しながら、顔料粒子の体積中位径(D50)が70nm以上130nm以下の範囲に入るようにメディア型分散機を用いてベッセル内容物を混練した。このようにして、顔料分散液L1が得られた。
ここで、顔料粒子の体積中位径(D50)は、レーザー回折式粒度分布測定装置(マルバーン社製の「Zetasizer nano−ZS(ゼータサイザー ナノZS)」)を用いて測定した値である。
Figure 0006819468
表3において、「樹脂A−Na」とは、水酸化ナトリウム(NaOH)水溶液で中和された樹脂Aを意味する。また、「顔料」は、シアン顔料とイエロー顔料とマゼンタ顔料とブラック顔料とのうちの何れか1つを意味する。
(顔料分散液L1と他のインク成分との混合)
表4に記載の材料を、表4に記載の配合量でビーカーに入れた。攪拌機(新東科学株式会社製「スリーワンモーター BL−600」)を用いてビーカーの内容物を回転速度400rpmで攪拌して、ビーカーの内容物を均一に混合した。フィルター(孔径5μm)を用いて得られた混合液をろ過し、混合液に含有される異物及び粗大粒子を除去した。このようにして、シアンインクを得た。
顔料としてC.I.ピグメントイエロー74を用いて、イエローインクを得た。また、顔料としてキナクリドン・マゼンタ(PR122)を用いて、マゼンタインクを得た。また、顔料としてカーボンブラックを用いて、ブラックインクを得た。このようにして、水性インクを得た。
Figure 0006819468
表4において、「EDG」はエチルジグリコールを意味し、「1,3−PG」は1,3−プロパンジオールを意味し、「BTG」はトリエチレングリコールモノブチルエーテルを意味する。「界面活性剤」は、アセチレン型界面活性剤を意味し、より具体的には日信化学工業株式会社製「オルフィン(登録商標)E1010」を意味する。「NaOH水溶液」は、濃度が0.1NであるNaOH水溶液を意味する。
<評価機の準備方法>
評価に使用する評価機を準備した。詳しくは、図1に示す構成を有するインクジェット記録装置(京セラドキュメントソリューションズ株式会社製の試作機)を用いた。そのため、評価機は、水性インクを収容する第1タンクを4つ備え、水性洗浄液(より具体的には水性洗浄液A−1〜A−10の各々)を収容する第2タンクを1つ備えていた。また、評価機は、図2に示すノズルヘッドを4つ備えていた。ノズルヘッドは、各々、記録ヘッドと、洗浄液供給部とを有していた。
記録ヘッドには、各々、第1タンクが接続されていた。詳しくは、4つの第1タンクには、互いに色の異なる水性インクが充填されており、記録ヘッドには、互いに異なる第1タンクが接続されていた。記録ヘッドには、各々、複数のインク用ノズルが設けられていた。インク用ノズルは、各々、下面において開口し、水性インクの吐出時とパージインクの排出時とには水性インクをインク用ノズルの開口から鉛直方向下側へ吐出可能であった。
より具体的には、記録ヘッドは、各々、解像度360dpi(=180dpi×2列)、ノズル数512個(=256個×2列)、液滴量14pL、駆動周波数12.8kHzのピエゾ型ラインヘッド(コニカミノルタ株式会社製)であった。また、記録ヘッドは、その長手方向が紙の搬送方向に直交するように、間隔20mmで配列されていた。なお、記録ヘッドの下面(ノズル面)は、何れも、洗浄されており、水性インクで汚染されていなかった。
洗浄液供給部は、記録ヘッドの各々の長手方向の一端に、固定されていた。洗浄液供給部には、各々、第2タンクが接続されており、複数の洗浄液用ノズルが設けられていた。洗浄液用ノズルは、各々、洗浄液供給部の下面において開口し、記録ヘッドのメンテナンス時には水性洗浄液を半球状の液滴の状態で洗浄液供給部の下面に供給可能であった。
評価機は、ブレードをさらに備えていた。ブレードは、ノズルヘッドの下面に当接しながら、ノズルヘッドの下面に沿って洗浄液供給部の下面に当接する位置から記録ヘッドの下面に当接する位置へ移動した。また、評価機は、画像形成を実行する制御部をさらに備えていた。制御部がROMに記憶させた所定の制御プログラムをCPUで実行することによって、評価機は画像を形成することが可能であった。
<ノズル面における固着インクの拭き取り性能の評価>
評価機の動作温度を10℃、25℃及び40℃に変更して、ノズル面における固着インクの拭き取り性能を評価した。以下では、評価機の動作温度が25℃である場合の拭き取り性能の評価方法を主に説明する。
(評価機の動作温度が25℃である場合の拭き取り性能の評価)
まず、準備した評価機を用いて、耐刷試験を行った。耐刷試験は、温度25℃且つ湿度60%RHの環境下で、搬送速度350mm/秒の条件で、行われた。耐刷試験では、色が互いに異なるソリッド画像(サイズ10cm×10cm、印字率100%)を、記録シート(富士ゼロックス株式会社製「C2」、A4サイズの普通紙)上に重なるように形成し、記録シート5000枚に連続して印刷した。
耐刷試験の後、記録ヘッドのメンテナンスを行った。詳しくは、まず、評価機の制御部が、水性インクを、インク用ノズルの開口から鉛直方向下側へ排出させた。次に、制御部が、水性洗浄液を、洗浄液用ノズルの開口から鉛直方向下側へ排出させて、半球状の液滴の状態で洗浄液供給部の下面に供給した。続いて、制御部が、ブレードを、ノズルヘッドの下面に当接させながらワイピング方向に沿って移動させた。このようにして、記録ヘッドのメンテナンスを行った。
ワイプ動作の後、光学顕微鏡を用いてノズル面を観察した。そして、ノズル面におけるインク汚れの有無を確認した。ノズル面における固着インクの拭き取り性能の評価基準を以下に示す。また、評価結果を表5に示す。このようにして、評価機の動作温度が25℃である場合の拭き取り性能を評価した。
優良(◎):ノズル面においてインク汚れが全く確認されなかった。
不良(×):ノズル面においてインク汚れが明確に確認された。
(評価機の動作温度が10℃である場合の拭き取り性能の評価)
耐刷試験を温度10℃且つ湿度15%RHの環境下で行ったことを除いては前述の方法に従い、動作温度が10℃である場合の拭き取り性能を評価した。評価結果を表5に示す。
(評価機の動作温度が40℃である場合の拭き取り性能の評価)
耐刷試験を温度40℃且つ湿度15%RHの環境下で行ったことを除いては前述の方法に従い、動作温度が40℃である場合の拭き取り性能を評価した。評価結果を表5に示す。
<水性インクの着弾精度の評価>
まず、初期の着弾精度(3σ値)を求めた。
次に、前述の(評価機の動作温度が25℃である場合の拭き取り性能の評価)に記載の方法に従い、耐刷試験と記録ヘッドのメンテナンスとを行った。その後、1週間、評価機を放置した。その後、着弾精度(3σ値)を求めた。このようにして求められた着弾精度(3σ値)を放置後の着弾精度(3σ値)と記載する。
初期の着弾精度(3σ値)と放置後の着弾精度(3σ値)との差が3未満であれば、1週間放置後における水性インクの着弾精度は良好である(○)と評価した。一方、初期の着弾精度(3σ値)と放置後の着弾精度(3σ値)との差が3以上であれば、1週間放置後における水性インクの着弾精度は不良である(×)と評価した。評価結果を表5に示す。
着弾精度(3σ値)は、次に示す方法で、求められた。詳しくは、記録シートを搬送しない状態(スタンプ式)で、記録シートに対して4つの記録ヘッドの全ノズルから1ドット吐出を行った。次に、記録シート上の各ドットについて、汎用画像処理システム(王子計測機器株式会社製「DA−6000」)を用いて、着弾精度3σを測定した。得られた測定データ(各ドットの着弾精度3σ)の算術平均値を着弾精度(3σ値)とした。
着弾精度3σは、式「3σ=3√(σx 2+σy 2)」で表される着弾精度を意味する。式において、σxは、ノズル設計位置からのX方向の位置ずれ量の標準偏差を意味する。また、σyは、ノズル設計位置からのY方向の位置ずれ量の標準偏差を意味する。
[水性洗浄液の評価結果]
表5に、水性洗浄液A−1〜A−10の評価結果を示す。表5において、「乾燥時の粘度」には、乾燥時の水性洗浄液の粘度(25℃)を記す。「E/R」には、アンドレード式におけるE/R値を1×103で除した値を記す。「評価A」は、ノズル面における固着インクの拭き取り性能の評価を意味する。「評価A」の「10℃」、「25℃」及び「40℃」には、各々、評価機の動作温度が10℃、25℃及び40℃である場合の拭き取り性能の評価結果を記す。「評価B」には、1週間放置後における水性インクの着弾精度の評価結果を記す。
Figure 0006819468
[考察]
実施例1〜3に係る水性洗浄液(水性洗浄液A−1〜A−3)は、各々、非イオン性界面活性剤と、グリコール類と、グリコールエーテル類とを含有していた。非イオン性界面活性剤は、アミン型界面活性剤を含んでいた。乾燥時の水性洗浄液の粘度(25℃)が9mPa・s以上13mPa・s以下であった。アンドレード式におけるE/R値が3.15×103mPa・s×K以上3.45×103mPa・s×K以下であった。
実施例1〜3に係る水性洗浄液は、インクジェット記録装置の動作温度が10℃以上40℃以下の温度範囲で変化した場合であっても、ノズル面における固着インクの拭き取り性能に優れていた。また、実施例1〜3に係る水性洗浄液は、水性洗浄液が吐出面へ供給されてから1週間が経過しても、水性インクの着弾精度を高く維持できた。
本発明に係る水性洗浄液は、例えば、インクジェット装置の吐出面の洗浄に用いることができる。
1 インクジェット記録装置
4 ノズルヘッド
8 クリーニング部材
32 第1タンク
33 第2タンク
41 記録ヘッド
42 下面
47 インク用ノズル
48 開口
52 液滴
141 洗浄液供給部
142 下面
147 洗浄液用ノズル
148 開口
R1 第1領域
R2 第2領域
Z2 鉛直方向下側


Claims (7)

  1. インクジェット記録装置においてインクジェット記録用水性インクが吐出される面を洗浄するインクジェット記録装置用水性洗浄液であって、
    非イオン性界面活性剤と、グリコール類と、グリコールエーテル類とを含有し、
    前記非イオン性界面活性剤は、アミン型界面活性剤を含み、
    60℃で1週間乾燥後の前記インクジェット記録装置用水性洗浄液の25℃における粘度が、9mPa・s以上13mPa・s以下であり、
    横軸に絶対温度の逆数値をとり、縦軸に前記インクジェット記録装置用水性洗浄液の粘度の自然対数値をとったグラフにおいて、10℃以上40℃以下の温度範囲における前記インクジェット記録装置用水性洗浄液の粘度の温度特性が、最小二乗法で、3.15×103以上3.45×103以下の傾きを有する直線に近似され
    前記グリコール類は、エチレングリコールを含み、
    前記エチレングリコールの含有量が、10質量%超20質量%以下である、インクジェット記録装置用水性洗浄液。
  2. 前記グリコールエーテル類は、トリエチレングリコールモノブチルエーテルを含み、
    前記トリエチレングリコールモノブチルエーテルの含有量が、10質量%以下である、請求項1に記載のインクジェット記録装置用水性洗浄液。
  3. 前記グリコール類の含有量と前記グリコールエーテル類の含有量との合計が、45質量%以下である、請求項1又は2に記載のインクジェット記録装置用水性洗浄液。
  4. 前記アミン型界面活性剤は、下記式(1−1)で表される構造を有するポリオキシアルキレンアルキルアミンを含む、請求項1〜の何れか一項に記載のインクジェット記録装置用水性洗浄液。
    Figure 0006819468
    上記式(1−1)において、R1は炭素数が1以上24以下である炭化水素基を表す。A1O及びA2Oは、各々独立に、オキシエチレン基とオキシプロピレン基とのうちの少なくとも1つを表す。m1及びn1は、各々、0以上の整数を表し、1≦(m1+n1)≦100を満たす整数を表す。
  5. インクジェット記録装置においてインクジェット記録用水性インクが吐出される面を洗浄するインクジェット記録装置用水性洗浄液であって、
    非イオン性界面活性剤と、グリコール類と、グリコールエーテル類とを含有し、
    前記非イオン性界面活性剤は、アミン型界面活性剤を含み、
    60℃で1週間乾燥後の前記インクジェット記録装置用水性洗浄液の25℃における粘度が、9mPa・s以上13mPa・s以下であり、
    横軸に絶対温度の逆数値をとり、縦軸に前記インクジェット記録装置用水性洗浄液の粘度の自然対数値をとったグラフにおいて、10℃以上40℃以下の温度範囲における前記インクジェット記録装置用水性洗浄液の粘度の温度特性が、最小二乗法で、3.15×10 3 以上3.45×10 3 以下の傾きを有する直線に近似され、
    前記グリコール類は、1,3−プロパンジオールを含み、
    前記1,3−プロパンジオールの含有量が、10質量%超20質量%以下である、インクジェット記録装置用水性洗浄液。
  6. インクジェット記録用水性インクを用いて画像を形成するインクジェット記録装置であって、
    前記インクジェット記録用水性インクを収容する第1タンクと、
    請求項1〜の何れか一項に記載のインクジェット記録装置用水性洗浄液を収容する第2タンクと、
    下面の第1領域において開口するインク用ノズルを有するノズルヘッドと、
    前記ノズルヘッドの前記下面に当接しながら前記下面に沿って移動するクリーニング部材と、
    を備え、
    前記インク用ノズルは、前記インクジェット記録用水性インクを、前記インク用ノズルの開口から鉛直方向下側へ吐出し、
    前記ノズルヘッドは、さらに、前記下面のうち前記第1領域を除く第2領域において開口する洗浄液用ノズルを有し、
    前記洗浄液用ノズルは、前記インクジェット記録装置用水性洗浄液を、前記洗浄液用ノズルの開口から鉛直方向下側へ突出する液滴の状態で、前記第2領域に供給し、
    前記クリーニング部材は、前記第2領域に当接する位置から、前記第1領域に当接する位置へ、移動し、
    前記ノズルヘッドは、記録ヘッドと、洗浄液供給部とを有し、
    前記記録ヘッドには、前記インク用ノズルが設けられ、
    前記洗浄液供給部には、前記洗浄液用ノズルが設けられ、
    前記インク用ノズルは、前記記録ヘッドの下面において開口し、
    前記洗浄液用ノズルは、前記洗浄液供給部の下面において開口し、
    前記洗浄液供給部の前記下面は、前記記録ヘッドの前記下面よりも、鉛直方向下側に位置する、インクジェット記録装置。
  7. 請求項に記載のインクジェット記録装置において前記インクジェット記録用水性インクが吐出される面を洗浄する方法であって、
    前記インクジェット記録用水性インクを、前記インク用ノズルから排出させるパージ工程と、
    請求項1〜の何れか一項に記載のインクジェット記録装置用水性洗浄液を、前記洗浄液用ノズルの開口から鉛直方向下側へ突出する液滴の状態で、前記第2領域に供給する供給工程と、
    前記クリーニング部材を、前記ノズルヘッドの前記下面に当接させながら、前記第2領域に当接する位置から前記第1領域に当接する位置へ前記下面に沿って移動させるワイプ工程と、
    を含み、
    前記パージ工程と、前記供給工程とは、各々、前記ワイプ工程よりも前に行われる、洗浄方法。
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