JP6817900B2 - 車両用動力伝達装置 - Google Patents

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Description

本発明は、クランク式の車両用動力伝達装置に関し、そのうち特に駆動力を伝達するコネクティングロッドを往復運動させる偏心ディスクの構造に関する。
クランク式の車両用動力伝達装置の偏心体構成部材(偏心ディスク)を二つの半円状の偏心体構成部材半部に分割し、それら二つの偏心体構成部材半部を2本のボルトで一体に締結して組み立てるものが、下記特許文献1により公知である。
特表2011−518290号公報
ところで、上記特許文献1に記載されたものは、二分割された偏心体構成部材の外周面にボールベアリングを介してコネクティングロッドの大端部が支持されるが、偏心体構成部材の外周面にはボルトの頭部を挿入するための凹部が切り欠かれているため、偏心体構成部材の外周面に圧入されたボールベアリングのインナーレースが凹部に落ち込んで真円度が低下してしまい、ボールベアリングの性能や耐久性に悪影響が及ぶ可能性がある。
本発明は前述の事情に鑑みてなされたもので、クランク式の動力伝達装置の偏心ディスクの外周面に支持されるベアリングの真円度を確保することを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1に記載された発明によれば、駆動源に接続された入力軸の外周に偏心状態で固設された偏心カムと、前記偏心カムの外周に偏心状態で相対回転可能に支持された偏心ディスクと、前記入力軸の内部に同軸に嵌合する変速軸と、前記変速軸に固設されたピニオンと、前記偏心ディスクに形成されて前記ピニオンに歯合するリングギヤと、出力軸の外周に設けられたワンウェイクラッチと、前記偏心ディスクおよび前記ワンウェイクラッチに両端を接続されて往復運動するコネクティングロッドとを備え、前記入力軸の回転を前記コネクティングロッドおよび前記ワンウェイクラッチを介して前記出力軸に間欠的に伝達するとともに、前記変速軸により前記偏心カムまわりに前記偏心ディスクを回転させて前記入力軸の軸線に対する前記偏心ディスクの偏心量を変化させて変速比を変更する車両用動力伝達装置であって、前記偏心ディスクは、偏心側に位置する第1部分と反偏心側に位置する第2側部分とを、前記第1部分に形成された切欠きおよび軸孔と、前記第2側部分に形成された雌ねじ孔とからなるボルト孔に挿入されるボルトで一体に締結して構成され、前記ボルトの軸線は、前記コネクティングロッドの大端部を支持するベアリングのインナーレースが嵌合する前記偏心ディスクの外周のベアリング支持面の中心から前記入力軸の軸線方向に一方にオフセットしており、前記切欠きは前記ベアリング支持面を周方向に分断しないように開口することを特徴とする車両用動力伝達装置が提案される。
また請求項2に記載された発明によれば、請求項1の構成に加えて、前記第1部分および前記第2側部分は、前記ベアリング支持面の中心から前記入力軸の軸線方向の一方および他方にオフセットする前記ボルトで一体に締結されることを特徴とする車両用動力伝達装置が提案される。
また請求項3に記載された発明によれば、請求項2の構成に加えて、前記入力軸の軸線方向に隣接する2個の前記偏心ディスクを備え、相互に対向する一方の前記偏心ディスクの前記ボルトと他方の前記偏心ディスクの前記ボルトとは、前記入力軸の軸線方向に見て交差するように配置されることを特徴とする車両用動力伝達装置が提案される。
なお、実施の形態のボールベアリング22は本発明のベアリングに対応し、実施の形態のエンジンEは本発明の駆動源に対応する。
請求項1の構成によれば、偏心ディスクが入力軸と一体に偏心回転すると、偏心ディスクに一端を接続されたコネクティングロッドが往復運動し、コネクティングロッドが一方向に運動するとワンウェイクラッチが係合し、コネクティングロッドが他方向に運動するとワンウェイクラッチが係合解除することで、入力軸の回転が変速されて出力軸に伝達される。変速軸によりピニオンおよびリングギヤを介して偏心ディスクの偏心量を変化させると、コネクティングロッドの往復ストロークが変化して動力伝達装置の変速比が変更される。
偏心ディスクは、偏心側に位置する第1部分と反偏心側に位置する第2側部分とを、第1部分に形成された切欠きおよび軸孔と、第2側部分に形成された雌ねじ孔とからなるボルト孔に挿入されるボルトで一体に締結して構成され、ボルトの軸線は、コネクティングロッドの大端部を支持するベアリングのインナーレースが嵌合する偏心ディスクの外周のベアリング支持面の中心から入力軸の軸線方向に一方にオフセットしており、切欠きはベアリング支持面を周方向に分断しないように開口するので、ベアリングのインナーレースの一部がボルト孔の切欠きに落ち込んで径方向内向きに変形するのを防止し、ベアリングの性能および耐久性の低下を最小限に抑えることができる。
また請求項2の構成によれば、第1部分および第2側部分は、ベアリング支持面の中心から入力軸の軸線方向の一方および他方にオフセットするボルトで一体に締結されるので、2本のボルトの締結力を偏心ディスクの両側面側にバランス良く分散し、第1部分および第2部分を強固に締結することができる。
また請求項3の構成によれば、入力軸の軸線方向に隣接する2個の偏心ディスクを備え、相互に対向する一方の偏心ディスクのボルトと他方の偏心ディスクのボルトとは、入力軸の軸線方向に見て交差するように配置されるので、一方の偏心ディスクのボルトが配置される部分と、他方の偏心ディスクのボルトが配置される部分とが干渉するのを回避し、入力軸の軸線方向の寸法の拡大を防止することができる。
無段変速機の縦断面図である。 図1の2−2線断面図である。 偏心ディスクの単品図である。 図3に対応する断面図である。 偏心ディスクを備える入力軸の側面図である。 偏心ディスクの偏心量と変速比との関係を示す図である。
以下、図1〜図6に基づいて本発明の実施の形態を説明する。
図1および図2に示すように、自動車用のクランク式の無段変速機Tの支持フレーム11に入力軸12および出力軸13が相互に平行に支持されており、エンジンEに接続された入力軸12の回転が8個の伝達ユニット14…、出力軸13および図示せぬディファレンシャルギヤを介して図示せぬ駆動輪に伝達される。
8個の伝達ユニット14…の構造は実質的に同一構造であるため、以下、一つの伝達ユニット14を代表として構造を説明する。
中空に形成された入力軸12の内部に軸線Lを共有する変速軸15が配置されており、この変速軸15の外周に10個のニードルベアリング16…を介して軸線L方向に9分割された偏心カム17…が回転自在に支持される。8個の伝達ユニット14…の合計9個の偏心カム17…は図示せぬ複数本のボルトで一体に結合されており、それら9個の偏心カム17…の内周部分が実質的に入力軸12を構成する。
隣接する一対の偏心カム17,17は、入力軸12の軸線Lに対して距離dだけ偏心した中心O1を有する一対の円形のカム部17a,17aと、カム部17a,17aの径方向内側に形成された断面三日月状のガイド部17bとを備える。入力軸12と軸線Lを共有する変速軸15の外周には8個のピニオン18…が一体に形成されており、各ピニオン18は偏心カム17,17の断面三日月状のガイド部17bの切欠き部17cに収納される。各伝達ユニット14の偏心カム17,17のカム部17a,17aの位相は相互に45゜ずつずれている。
図2〜図4に示すように、偏心カム17,17のカム部17a,17aの外周面には、円板状の偏心ディスク19の軸線L方向両端面に形成された一対の偏心凹部19a,19aが、一対のニードルベアリング20,20を介して回転自在に支持される。偏心ディスク19の中心O2に対して偏心凹部19a,19aの中心O1(つまり偏心カム17,17のカム部17a,17aの中心O1)は距離dだけずれている。すなわち、入力軸12の軸線Lおよび偏心カム17,17のカム部17a,17aの中心O1間の距離dと、偏心カム17,17のカム部17a,17aの中心O1および偏心ディスク19の中心O2間の距離dとは同一である。
偏心ディスク19の一対の偏心凹部19a,19aの底部間を連通させるように形成されたリングギヤ19bの歯先が、偏心カム17,17のガイド部17bの外周面に摺動可能に当接する。そして入力軸12の開口12a(図2参照)から露出する変速軸15のピニオン18が、偏心ディスク19のリングギヤ19bに噛合する。そして偏心ディスク19の外周にはコネクティングロッド21の大端部21aがボールベアリング22を介して支持される。
図1および図2に示すように、出力軸13の外周に設けられたワンウェイクラッチ23は、コネクティングロッド21の小端部21bにピン24を介して連結されたリング状の揺動リンク25と、揺動リンク25の内周に固定されたリング状のアウター部材26と、アウター部材26の内部に配置されて出力軸13に固定されたリング状のインナー部材27と、アウター部材26の内周面とインナー部材27の外周面との間に形成された楔状の空間に配置されて複数個のスプリング28…で付勢された複数個のローラ29…とを備える。
そして入力軸12のエンジンEと反対側の軸端には、入力軸12に対して変速軸15を相対回転させることで、偏心ディスク19の偏心量εを増減して無段変速機Tの変速比を変更する変速アクチュエータ30が設けられる。
図1に示すように、8個の伝達ユニット14…を支持する支持フレーム11は、軸線L方向中央に位置する中央フレーム31と、軸線L方向両側に位置する一対の側方フレーム32,33とからなり、中央フレーム31とエンジンE側に位置する一方の側方フレーム32との間に4個の伝達ユニット14…が配置され、中央フレーム31と反エンジンE側に位置する他方の側方フレーム33との間に4個の伝達ユニット14…が配置される。
中央フレーム31は鉄製の板状部材であり、その長手方向両側の入力軸12側および出力軸13側に形成された2個のベアリング支持孔31a,31bを備える。
エンジンE側に位置する側方フレーム32は基本的にアルミニウム合金で籠状に形成された鋳造部材であり、中央部に鉄製の板状部材であるベアリングホルダ38が鋳込みにより埋設される。ベアリングホルダ38の入力軸12側および出力軸13側には、それぞれベアリング支持孔38a,38bが形成される。
反エンジンE側に位置する側方フレーム33も基本的にアルミニウム合金で籠状に形成された鋳造部材であり、その中央に鉄製の板状部材であるベアリングホルダ39が鋳込みにより埋設される。反エンジンE側に位置する側方フレーム33およびベアリングホルダ39の構造は、上述したエンジンE側に位置する側方フレーム32側およびベアリングホルダ38に対して面対称な構造であるため、その重複する説明は省略する。
入力軸12の軸線L方向中央部に固定された偏心カム17は、中央フレーム31のベアリング支持孔31aに中央部支持ベアリング34を介して支持されるとともに、入力軸12の軸線L方向両端部は、一対の側方フレーム32,33のベアリングホルダ38,39のベアリング支持孔38a,39aにそれぞれ軸端部支持ベアリング36,36を介して支持される。同様に、出力軸13の軸線L方向中央部は、中央フレーム31のベアリング支持孔31bに中央部支持ベアリング35を介して支持されるとともに、出力軸13の軸線L方向両端部は、一対の側方フレーム32,33のベアリングホルダ38,39のベアリング支持孔38b,39bにそれぞれ軸端部支持ベアリング37,37を介して支持される。
そして中央フレーム31および一対の側方フレーム32,33をボルト40…で一体に締結してサブアセンブリが組み立てられ、このサブアセンブリが中央フレーム31を貫通するボルト41…でミッションケース42の内部に締結される。
次に、無段変速機Tの一つの伝達ユニット14の作用を説明する。
図2および図6(A)〜図6(D)から明らかなように、入力軸12の軸線Lに対して偏心ディスク19の中心O2が偏心しているとき、エンジンEによって入力軸12が回転するとコネクティングロッド21の大端部21aが軸線Lまわりに偏心回転することで、コネクティングロッド21が往復運動する。
その結果、コネクティングロッド21が往復運動する過程で図中左側に引かれると、揺動リンク25と共にアウター部材26が図2において反時計方向に揺動し、スプリング28…に付勢されたローラ29…がアウター部材26およびインナー部材27間の楔状の空間に噛み込み、アウター部材26およびインナー部材27がローラ29…を介して結合されることで、ワンウェイクラッチ23が係合してコネクティングロッド21の動きが出力軸13に伝達される。逆にコネクティングロッド21が往復運動する過程で図中右側に押されると、揺動リンク25と共にアウター部材26が図2において時計方向に揺動し、ローラ29…がスプリング28…を圧縮しながらアウター部材26およびインナー部材27間の楔状の空間から押し出され、アウター部材26およびインナー部材27が相互にスリップすることで、ワンウェイクラッチ23が係合解除してコネクティングロッド21の動きが出力軸13に伝達されなくなる。
このようにして、入力軸12が1回転する間に、入力軸12の回転が所定時間だけ出力軸13に伝達されるため、入力軸12が連続回転すると出力軸13は間欠回転する。8個の伝達ユニット14…の偏心ディスク19…の偏心量εは全て同一であるが、偏心方向の位相が相互に45°ずつずれているため、8個の伝達ユニット14…が入力軸12の回転を交互に出力軸13に伝達することで、出力軸13は連続的に回転する。
このとき、偏心ディスク19の偏心量εが大きいほど、コネクティングロッド21の往復ストロークが大きくなって出力軸13の1回の回転角が増加し、無段変速機Tの変速比が小さくなる。逆に、偏心ディスク19の偏心量εが小さいほど、コネクティングロッド21の往復ストロークが小さくなって出力軸13の1回の回転角が減少し、無段変速機Tの変速比が大きくなる。そして偏心ディスク19の偏心量εがゼロになると、入力軸12が回転してもコネクティングロッド21が移動を停止するために出力軸13は回転せず、無段変速機Tの変速比が最大(無限大)になる。
入力軸12に対して変速軸15が相対回転しないとき、つまり入力軸12および変速軸15が同一速度で回転するとき、無段変速機Tの変速比は一定に維持される。変速アクチュエータ30により入力軸12に対して変速軸15を相対回転させると、各伝達ユニット14のピニオン18にリングギヤ19bを噛合させた偏心ディスク19の偏心凹部19a,19aが、入力軸12と一体の偏心カム17,17のカム17a,17aに案内されて回転し、入力軸12の軸線Lに対する偏心ディスク19の中心O2の偏心量εが変化する。
図6(A)は変速比が最小の状態(変速比:TD)を示すもので、このとき入力軸12の軸線Lに対する偏心ディスク19の中心O2の偏心量εは、入力軸12の軸線Lから偏心カム17,17の中心O1までの距離dと、偏心カム17,17の中心O1から偏心ディスク19の中心O2までの距離dとの和である2dに等しい最大値になる。入力軸12に対して変速軸15が相対回転すると、入力軸12と一体の偏心カム17,17に対して偏心ディスク19が相対回転することで、図6(B)および図6(C)に示すように、入力軸12の軸線Lに対する偏心ディスク19の中心O2の偏心量εは最大値の2dから次第に減少して変速比が増加する。入力軸12に対して変速軸15が更に相対回転すると、入力軸12と一体の偏心カム17,17に対して偏心ディスク19が更に相対回転することで、図6(D)に示すように、ついには入力軸12の軸線Lに偏心ディスク19の中心O2が重なり合って偏心量εがゼロになり、変速比が最大(無限大)の状態(変速比:UD)になって出力軸13に対する動力伝達が遮断される。
次に、図3および図4に基づいて偏心ディスク19の構造を詳細に説明する。
偏心ディスク19は、リングギヤ19bの中心O1(つまり偏心カム17の中心O1)を通り、かつリングギヤ19bの中心O1および偏心ディスク19の中心O2を結ぶ直線L2に対して直交する直線L3において2分割されている。2分割された偏心ディスク19の偏心側、つまり中心O2側の部分は比較的に大型の第1部分51を構成し、2分割された偏心ディスク19の反偏心側、つまり中心O2とは反対側の部分は比較的に小型の第2部分52を構成する。第1部分51は、比較的に低比重・低強度のアルミニウム系材料製であり、第2部分52は、比較的に高比重・高強度の鉄系材料製である。またリングギヤ19bを構成するリングギヤの一部53も、第2部分52と同じ高比重・高強度の鉄系材料製である。すなわち、偏心ディスク19のリングギヤ19bは、その反偏心側の半周部分が第2部分52に形成され、その偏心側の半周部分がリングギヤの一部53により構成される。第1部分51には、2個の円形の肉抜き孔51d,51dが形成される。
第1部分51および第2部分52は、2本のノックピン43,43で位置決めされた状態で、相互に平行に配置された2本のボルト54,54で一体に締結される。2本のボルト54,54は、偏心ディスク19の厚さ方向(入力軸12の軸線L方向)の中心面に対して両側にオフセットされている。
偏心ディスク19の第1部分51および第2部分52の一側面には、直線状に整列する半円形断面の第1膨出部51aおよび第2膨出部52aが突設されるとともに、第1部分51の一側面には第1膨出部51aおよび第2膨出部52aに対して直線状に整列する半円形断面の切欠き51bが凹設され、第1部分51の切欠き51bの底部には座面51eが形成される(図3(A)参照)。同様にして、偏心ディスク19の第1部分51および第2部分52の他側面にも、第1膨出部51a、第2膨出部52a、切欠き51bおよび座面51eが形成される。
ボルト54は頭部54a、軸部54bおよび雄ねじ部54cを備えており、第1部分51の切欠き51bから挿入されたボルト54の軸部54bが第1部分51の軸孔51cに嵌合し、雄ねじ部54cが第2部分52の雌ねじ孔52bに螺合し、頭部54aが第1部分51の座面51eに着座することで、第1部分51および第2部分52が一体に締結される。
偏心ディスク19にコネクティングロッド21を支持するボールベアリング22は、インナーレース22a、アウターレース22bおよび複数のボール22c…を備える(図2参照)。アウターレース22bは、コネクティングロッド21の大端部21aの内周面により構成される。偏心ディスク19の外周面は、ボールベアリング22のインナーレース22aの内周面が圧入される環状のベアリング支持面19cを構成しており、ボルト54が挿入される切欠き51bの開口部は、ベアリング支持面19cの一部だけを切り欠くように開口する。
本実施の形態の偏心ディスク19は、低比重のアルミニウム系材料よりなる偏心側の第1部分51と、高比重の鉄系材料よりなる反偏心側の第2部分52を結合して構成されるので、入力軸12に複数の偏心カム17…が一体化されている場合であっても、偏心ディスク19…を偏心カム17…の外周に支障なく組み付けることができ、しかも偏心側から特別のバランスウエイトを突出させて寸法を大型化することなく、またバランスウエイトにより偏心ディスク19の重量を増加させることなく、偏心ディスク19の重心位置Gを偏心ディスク19の中心O2側から第2部分52側に移動させ、リングギヤ19bの中心(偏心カム17の中心)O1に一致させることができる。
図6(A)は、入力軸12の軸線Lに対する偏心ディスク19の中心O2の偏心量εが最大値2dになった最小変速比の状態(変速比:TD)を示すもので、入力軸12の軸線Lに対する偏心カム17の中心O1の偏心方向(図中上向き)と、偏心カム17の中心O1に対する偏心ディスク19の中心O2の偏心方向(図中上向き)とが同一方向になっている。このとき、偏心ディスク19の重心位置Gは、偏心カム17の中心O1に一致している。
図6(D)は、入力軸12の軸線Lに対する偏心ディスク19の中心O2の偏心量εが最小値ゼロになった最大変速比の状態(変速比:UD)を示すもので、入力軸12の軸線Lに対する偏心カム17の中心O1の偏心方向(図中右向き)と、偏心カム17の中心O1に対する偏心ディスク19の中心O2の偏心方向(図中左向き)とが逆方向になっている。このとき、偏心ディスク19の重心位置Gは、偏心カム17の中心O1に一致している。
つまり、本実施の形態によれば、偏心ディスク19の重心位置Gは偏心カム17の中心O1に一致しているため、変速比の変更に伴って偏心カム17の中心O1まわりに偏心ディスク19が偏心回転しても、その偏心ディスク19の重心位置Gは常に偏心カム17の中心O1上に存在し、入力軸12の軸線Lと偏心ディスク19の重心位置Gとの距離は一定値dから変化することはない。
もしも変速比の変更に伴って入力軸12の軸線Lから偏心ディスク19の重心位置Gまでの距離が変化すると仮定すると、入力軸12まわりの偏心ディスク19の慣性二次モーメントが前記距離の増加に応じて増加し、前記距離の減少に応じて減少するため、変速比の変更に伴って入力軸12の回転負荷が変動して振動が発生する可能性がある。しかしながら本実施の形態によれば、変速比を変更しても入力軸12まわりの偏心ディスク19の慣性二次モーメントが変化しないため、入力軸12の振動を最小限に抑えることができる。
また偏心ディスク19は偏心カム17に相対回転自在に支持されているため、仮に偏心ディスク19の重心位置Gが偏心カム17の中心O1に一致していないとすると、入力軸12の回転数が増加あるいは減少したときに、偏心ディスク19は慣性力で偏心カム17まわりに相対回転しようとし、そのモーメントが偏心ディスク19のリングギヤ19bからピニオン18を介して変速アクチュエータ30に伝達されるため、変速アクチュエータ30に不要なトルクが作用して変速制御の精度を低下させる可能性がある。
しかしながら、本実施の形態によれば、偏心ディスク19の重心位置Gが偏心カム17の中心O1に一致しているため、入力軸12の回転数が増加あるいは減少しても、偏心ディスク19が慣性力で偏心カム17まわりに相対回転しようとするモーメントは発生せず、これにより変速アクチュエータ30に不要なトルクが作用するのを防止して変速制御の精度を確保することができる。
また比較的に低強度のアルミニウム系材料製の第1部分51に直接リングギヤ19bを形成すると、リングギヤ19bが強度不足で耐久性が不足する問題があるが、リングギヤの一部53を鉄系材料で構成したことにより、リングギヤ19b全体を鉄系材料製として耐久性を確保することができる。このとき、第1部分51に形の肉抜き孔51d,51dを形成したので、肉抜き孔51d,51dの大きさや数を変更するだけで重心位置Gを容易に調整することができる。
また第1部分51および第2側部分52を締結する2本のボルト54,54は偏心ディスク19のベアリング支持面19cの中心から入力軸12の軸線L方向の一方および他方にオフセットするので、ベアリング支持面19cは切欠き51b,51bにより周方向に分断されず、単に一部が切り欠かれて入力軸12の軸線L方向の幅が局部的に減少するだけで、インナーレース22aを全周に亘って支持することができる。よって、ボールベアリング22のインナーレース22aの一部が切欠き51b,51bの開口部に落ち込んで径方向内側に変形するのを防止し、ボールベアリング22の性能および耐久性が低下するのを最小限に抑えることができる。
また図3〜図5から明らかなように、2本のボルト54,54を相互に逆方向にオフセット配置したので、2本のボルト54,54の締結力を偏心ディスク19の両側面側にバランス良く分散し、第1部分51および第2部分52を強固に締結することができる。しかも8個の偏心ディスク19…の位相は全て異なるため、入力軸12の軸線L方向に見たときに、相互に対向する一方の偏心ディスク19の第1、第2膨出部51a,52aと、他方の偏心ディスク19の第1、第2膨出部51a,52aとは交差するように配置される。よって、一方の偏心ディスク19の第1、第2膨出部51a,52aと、他方の偏心ディスク19の第1、第2膨出部51a,52aとが干渉するのを回避し、入力軸12の軸線L方向の寸法の拡大を防止することができる。
以上、本発明の実施の形態を説明したが、本発明はその要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更を行うことが可能である。
例えば、実施の形態では偏心ディスク19の第1部分51および第2部分52の材質を異ならせているが、それらを一致させても良い、
また本発明のベアリングは実施の形態のボールベアリング22に限定されず、ローラベアリングやニードルベアリング等の他種のベアリングであっても良い。
また本発明の駆動源は実施の形態のエンジンEに限定されず、電動モータ等の他の駆動源であっても良い。
12 入力軸
13 出力軸
15 変速軸
17 偏心カム
18 ピニオン
19 偏心ディスク
19b リングギヤ
19c ベアリング支持面
21 コネクティングロッド
22 ボールベアリング(ベアリング)
22a インナーレース
23 ワンウェイクラッチ
51 第1部分
51b 切欠き
51c 軸孔
52 第2部分
52b 雌ねじ孔
54 ボルト
E エンジン(駆動源)
L 入力軸の軸線
ε 偏心部材の偏心量

Claims (3)

  1. 駆動源(E)に接続された入力軸(12)の外周に偏心状態で固設された偏心カム(17)と、
    前記偏心カム(17)の外周に偏心状態で相対回転可能に支持された偏心ディスク(19)と、
    前記入力軸(12)の内部に同軸に嵌合する変速軸(15)と、
    前記変速軸(15)に固設されたピニオン(18)と、
    前記偏心ディスク(19)に形成されて前記ピニオン(18)に歯合するリングギヤ(19b)と、
    出力軸(13)の外周に設けられたワンウェイクラッチ(23)と、
    前記偏心ディスク(19)および前記ワンウェイクラッチ(23)に両端を接続されて往復運動するコネクティングロッド(21)とを備え、
    前記入力軸(12)の回転を前記コネクティングロッド(21)および前記ワンウェイクラッチ(23)を介して前記出力軸(13)に間欠的に伝達するとともに、前記変速軸(15)により前記偏心カム(17)まわりに前記偏心ディスク(19)を回転させて前記入力軸(12)の軸線(L)に対する前記偏心ディスク(19)の偏心量(ε)を変化させて変速比を変更する車両用動力伝達装置であって、
    前記偏心ディスク(19)は、偏心側に位置する第1部分(51)と反偏心側に位置する第2側部分(52)とを、前記第1部分(51)に形成された切欠き(51b)および軸孔(51c)と、前記第2側部分(52)に形成された雌ねじ孔(52b)とからなるボルト孔に挿入されるボルト(54)で一体に締結して構成され、前記ボルト(54)の軸線は、前記コネクティングロッド(21)の大端部(21a)を支持するベアリング(22)のインナーレース(22a)が嵌合する前記偏心ディスク(19)の外周のベアリング支持面(19c)の中心から前記入力軸(12)の軸線(L)方向に一方にオフセットしており、前記切欠き(51b)は前記ベアリング支持面(19c)を周方向に分断しないように開口することを特徴とする車両用動力伝達装置。
  2. 前記第1部分(51)および前記第2側部分(52)は、前記ベアリング支持面(19c)の中心から前記入力軸(12)の軸線(L)方向の一方および他方にオフセットする前記ボルト(54)で一体に締結されることを特徴とする、請求項1に記載の車両用動力伝達装置。
  3. 前記入力軸(12)の軸線(L)方向に隣接する2個の前記偏心ディスク(19)を備え、相互に対向する一方の前記偏心ディスク(19)の前記ボルト(54)と他方の前記偏心ディスク(19)の前記ボルト(54)とは、前記入力軸(12)の軸線(L)方向に見て交差するように配置されることを特徴とする、請求項2に記載の車両用動力伝達装置。
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