JP6816678B2 - 放熱シート - Google Patents

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Description

本発明は、例えば発熱する電子部品からの発熱を外部に放熱するのに好適な放熱シートに関する。
CPUのような自ら発熱する電子部品は、過度に昇温すると適正に作動しなくなる恐れがある。それを回避するために、適宜の冷却デバイスが電子部品とともに用いられる。そのような冷却デバイスの一例として、特許文献1に記載される放熱シートや特許文献2に記載される熱輸送デバイス、さらには特許文献3に記載される放熱装置等が挙げられる。
特許文献1に記載の放熱シートは、マトリックス樹脂および熱伝導性フィラーからなる熱伝導性接着剤層とその熱伝導性接着剤層を担持する一方向に延伸したエキスパンドシートより構成されている。特許文献2に記載の熱輸送デバイスは、ハウジング内に封入された作動流体と、ハウジング内に設けられ作動流体の流路を形成するエキスパンドシートと、毛細管構造体とで構成されている。特許文献3に記載の放熱装置は、熱伝導性を有する可撓性の金属シート材で形成した支持枠と、同じシート材で形成した筒状の菱形フィンとを備え、支持枠の内部に、複数の菱形フィンを菱形フィンの稜を連結して1列に配置し、中央部の一つの菱形フィンの一つの稜を支持枠に結合するようにしている。
特開2001−291810号公報 特開2011−086753号公報 特開2006−253601号公報
特許文献1に記載される放熱シートにおいても、特許文献2に記載される熱輸送デバイスにおいても、エキスパンドシートは、姿勢保持等の構造部材としての機能と、伝熱性あるいは放熱性を確保する熱伝導パスとしての機能とを備えている。特許文献1および特許文献2にも記載されているように、従来、この種の放熱シート等で用いられるエキスパンドシート10は、図15(a)に示すように、薄板状の金属シート1に、幅Lの間隔で、千鳥状に多列に切り込み2・・を入れ、切り込み2の方向に直交する方向に金属シート1を延伸する(エキスパンドする)ことで形成される。図15(b)は、そのようにして形成された従来のエキスパンドシート10の一例であり、引き延ばすことで前記切り込み2・・の箇所が切り込み2の形成方向に直交する方向に次第に拡開され、その拡開によって前記切り込み2の箇所は菱形の開口部3・・に変形する。
この形態のエキスパンドシート10は、薄板状の金属シート1を延伸したものであり、図15(c)に図15(b)のA−A線での断面図を示すように、連結部4の領域では、隣接する切り込み2、2間の距離Lの2倍(2L)の幅を有しているが、連結部4と連結部4との間であるストランド部5では、隣接する切り込み間の距離Lの幅となっている。
図16(a)は、このエキスパンドシート10の開口部3にマトリックスとしての樹脂材料11を充填して形成した放熱シート20の平面図であり、図16(b)は、図16(a)のB−B線による断面図、図16(c)は、図16(a)のC−C線による断面図である。図示のように、エキスパンドシート10は全体が樹脂材料11中に埋入しており、エキスパンドシート10の開口部3には樹脂材料11が充填されている。この形態の放熱シート20において、図16(b)に示すように、放熱部材10における前記連結部4は、放熱シート20の厚みSを規制していて、放熱シート20の上面20aと下面20bとの間の全域に亘るようにして、連結部4が位置している。そして、連結部4の上端部4aは放熱シート20の上面20a側に露出してあるいはごく近接して位置しており、連結部4の下端部4bは放熱シート20の下面20b側に露出してあるいはごく近接して位置している。
一方、図16(c)に示すように、前記ストランド部5では、その幅Lが連結部4の幅2Lの1/2であることから、図で上位に位置するストランド部5Uの上端部5aは放熱シート20の上面20a側に露出してあるいはごく近接して位置しているが、その下端部5bは放熱シート20の厚み方向のほぼ中間部に位置していて、放熱シート20の下面20b側には達していない。また、図で下位に位置するストランド部5Dの下端部5bは放熱シート20の下面20b側に露出してあるいはごく近接して位置しているが、その上端部5aは放熱シート20の厚み方向のほぼ中間部に位置していて、放熱シート20の上面20a側には達していない。
そのために、従来のこの形態の放熱シート20ではエキスパンドシート10における連結部4が位置する部位とストランド部5が位置する部位とでは、熱伝導パスとしての機能に差が出るのを避けられず、結果、放熱シート20全体としてみた場合、放熱部材10による熱伝導パスの形成が不十分とならざるを得ず、高熱伝導化するためには放熱部材10の放熱シート20に占める割合を高めることが必要とされている。このことは、樹脂材料の比率を下げることを意味しており、放熱シート20の柔軟性を犠牲にせざるをえなくなっている。
特許文献3に記載される放熱装置では、直方体状の支持枠内に複数個の筒状の菱形フィンを備えた構成となっており、該菱形フィンによって放熱面あるいは受熱面である天板と底板との間に多数の等しい長さの熱伝導パスが形成される利点があるが、直方体状の支持枠は柔軟性に欠け、特に奥行き方向において十分な柔軟性が得られない不都合がある。したがって、高熱伝導性と放熱シートに必要な柔軟性との両立は困難である。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、所要の柔軟性を保持することができながら、より高い熱伝導性を確保することができる放熱シートを開示することを課題とする。また、前記放熱シートの製造方法を開示することを課題とする。
本発明による放熱シートは、基本的に、樹脂材料と前記樹脂材料より熱伝導率の高い材料でできた面方向への広がりと所要厚みを備えた放熱部材とを含む放熱シートであって、前記放熱部材は、長尺状の平板を直角または鈍角で連続的に波状に折り曲げることで凸所と凹所が交互に連続的に形成されている長尺折り曲げ部材からなる、第1の長尺折り曲げ部材群と第2の長尺折り曲げ部材群とが、一方の凸所に他方の凹所が位置し一方の凹所に他方の凸所が位置するようにして縦横に組み込まれて、ほぼ平行な上面と下面とを持つ構成であり、前記放熱部材は、前記第1の長尺折り曲げ部材群と前記第2の長尺折り曲げ部材群の上面と下面を残して全体が前記樹脂材料中に埋入していることを特徴とする。
本発明によれば、高い柔軟性を備え、かつ、柔軟性を犠牲にすることなく、高い熱伝導性を備えた放熱シートが提供される。
放熱シートで用いる放熱部材を構成する長尺折り曲げ部材の斜視図。 長尺折り曲げ部材を製造するための原シートの一例を示す平面図。 原シートから作られた長尺状の平板を折り曲げ加工して長尺折り曲げ部材とする一例を示す図。 長尺折り曲げ部材を引っ張り加工するときの2つの図。 長尺折り曲げ部材を用いて放熱部材を組み付けるときの第1の図。 長尺折り曲げ部材を用いて放熱部材を組み付けるときの第2の図。 長尺折り曲げ部材を用いて放熱部材を組み付けるときの第3の図。 製造された放熱部材の一例を示す図。 放熱シートを製造する工程を説明する第1の図。 放熱シートを製造する工程を説明する第2の図。 製造後の放熱シートを示す側面図。 放熱シートの他の実施の形態を示す側面図。 放熱シートのさらに他の実施の形態を示す側面図。 放熱シートのさらに他の実施の形態を示す側面図。 従来の放熱シートで用いられている放熱部材であるエキスパンドシートを説明するための図。 従来の放熱シートを説明するための図。
図面を参照しながら、本発明による放熱シートの一実施の形態を説明する。
[放熱部材]
最初に、この実施の形態の放熱シートで用いる放熱部材100の一例をその製造工程とともに説明する。
放熱部材100は、基本的に、図1に一例を示す形態の長尺折り曲げ部材50の適数個を直交する方向に、すなわち縦横に、組み込むことで形成される。長尺折り曲げ部材50の素材としては、金属、セラミックス、グラファイト等を挙げることができる。金属としては、銅、アルミニウム、金、銀、ニッケル、亜鉛、等を例示できる。セラミックスとしては、アルミナ、シリカ、窒化ホウ素、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、等を例示できる。セラミックスを用いる場合は、焼成前のグリーンシートの状態で成形することは、成形が容易なことから好ましい。好ましくは、熱伝導率が10W/m・K以上であるそれらの単一または複合材料である。また、その厚みは、好ましくは10μm〜500μmである。
図1に示す長尺折り曲げ部材50は、Y方向での幅aである長尺状の平板51を直角に山折りと谷折りを連続的に繰り返して全体を波状に折り曲げることで、凸所52と凹所53が交互に連続的した形状をなしている。凸所52と凹所53はZ方向の共通の立ち上がり壁54を有している。この例において、凸所52の頂面55および凹所53の頂面56のX方向の長さ(距離)はaであり、立ち上がり壁54のZ方向の距離はbである。
したがって、この長尺折り曲げ部材50では、凸所52の頂面55は正方形であり、複数個の凸所52の頂面55・・は1つの水平面(第1水平面H1)内に位置している。また、凹所53の頂面56も正方形であり、複数個の凹所53の頂面55・・は、前記した第1水平面H1からZ軸方向の距離bだけ離間した、第1水平面H1と平行な第2水平面H2内に位置している。なお、前記距離aと前記距離bは同じであってもよい。
図2は、上記した形状の長尺折り曲げ部材50を製造するのに用いられる原シート50aの一例を示す平面図である。原シート50aは薄板であり、その厚みは、好ましくは10μm〜500μm程度である。原シート50aには、X軸方向に延びる切り込み線57の適数本が距離aの間隔で平行に形成されている。さらに、原シート50aには、Y方向に延びる適数本の山折り線p(破線)と谷折り線q(一点鎖線)も示されている。山折り線pと谷折り線qはすべて互いに平行であり、近接する山折り線pと山折り線pとのX方向での距離はすべてa、近接する谷折り線qと谷折り線qとのX方向での距離もすべてa、そして、近接する山折り線pと谷折り線qとのX方向での距離はすべてbとされている。
この原シート50aを用いて長尺折り曲げ部材50を製造するに当たっては、最初に前記切り込み線57に沿って、原シート50aを切り込む。それにより、幅aである長尺状の平板51の多数本が形成される。各長尺状の平板51に対して、手作業により、あるいは適宜のプレス機械のように曲げ加工機を用いて、山折り線pおよび谷折り線qに沿って、折り曲げ加工を施すことにより、図1に示した長尺折り曲げ部材50が得られる。
図3は、そのような折り曲げ加工を、プレス加工機60を用いて行う場合の一例を示している。このプレス加工機60は、図3(a)に示すように、Z軸方向で対向して位置するプレス可動型61とプレス固定型62とからなるプレス装置63の対が、適数個(図示の例では3個)だけX次方向に並置されている。図示のように、3個のプレス装置63は、プレス可動型61とプレス固定型62の上下方向の位置が反転した姿勢で、並置されている。
各プレス可動型61は、Z軸に沿う断面が長方形であり、X軸方向の幅は、原シート50aでの前記した距離aと等しく、隣接するプレス装置63、63における一方のプレス固定型62の支持面と他方のプレス固定型62の支持面との間のZ軸方向の距離は前記した距離bに等しく、隣接するプレス装置63、63間のX軸方向の距離は、折り曲げ加工する原シート50aの厚みとほぼ等しくされている。さらに、プレス可動型61およびプレス固定型62の奥行長さ、すなわちY軸方向の長さは前記距離aよりも大きくされている。
折り曲げ加工の開始時に、X軸方向とY軸方向を一致させて、開いた状態にあるプレス加工機60でのプレス可動型61とプレス固定型62との間に、前記した長尺状の平板51を配置する。その状態が図3(a)に示される。次に、各プレス装置63において、プレス可動型61をプレス固定型62に向けて移動させる。それにより、長尺状の平板51は、凸所52と凹所53が交互に並列した形状に折り曲げ加工される。前記の曲げ加工後に、プレス型を開いて、図3(a)での送り方向(X軸方向)に長尺状の平板51を前進させ、次段の曲げ加工を行う。その状態が図3(b)に示される。
この加工を必要回数繰り返すことにより、山折り角度および谷折り角度αが共に90度である、図1に示した形状の長尺折り曲げ部材50が得られる。以下、必要となる本数の長尺折り曲げ部材50が得られるまで、折り曲げ加工を繰り返す。
形成した長尺折り曲げ部材50をそのまま用い、それらを縦横に組み込んで、放熱部材100を構成することもできる。好ましくは、長尺折り曲げ部材50に対して、X軸方向(長手方向)の引っ張り力を付与して、X軸方向に伸長させる作業を行う。この作業を行うことにより、前記した山折り角度および谷折り角度αは、90度より大きい角度、すなわち鈍角となる。
その伸長作業を行った後の2種類の長尺折り曲げ部材50a、50bが、図4に示される。図4(a)に示す第1の長尺折り曲げ部材50aの伸長距離は、図4(b)示す第2長尺折り曲げ部材50bの伸長距離よりも短く、したがって第1の長尺折り曲げ部材50aでの山折り角度および谷折り角度α1は、第2の長尺折り曲げ部材50bでの山折り角度および谷折り角度α2よりも小さい。長尺折り曲げ部材50の高さb、すなわち双方のZ軸方向の距離は、前記角度αに依存し、角度αが大きいほど前記高さbは小さくなる。よってここでは、第2の長尺折り曲げ部材50bの高さb2は、第1の長尺折り曲げ部材50aの高さb1よりも小さい。
次に、前記した第1の長尺折り曲げ部材50aと第2の長尺折り曲げ部材50bを用いて、放熱部材100を組み付けるときの一態様を説明する。最初に、図5に示すように、適数個の第1の長尺折り曲げ部材50a、すなわち第1の長尺折り曲げ部材50aの群50AをY軸方向に並置する。その際に、Y軸方向で互いに隣接する第1の長尺折り曲げ部材50a同士では、その凸所52と凹所53とが重複することなく、Y軸方向で交互に位置するように、X軸方向に所要に位置ずれさせて、並置する。なお、単に図示の分かり易さのために、各第1の長尺折り曲げ部材50aは、折り曲げ角度αを90度として示している。
そのように第1の長尺折り曲げ部材50aを群50Aとしてセットした状態で、第2の長尺折り曲げ部材50bを第1の長尺折り曲げ部材50aの群50Aに直交する姿勢で配置する。そして、群50Aが形成するY軸方向に連続する凸所52と凹所53とで形成される連通路内を通過するようにして、第2の長尺折り曲げ部材50bを第1の長尺折り曲げ部材50aの群50A内に挿入する。図6は、前記第2の長尺折り曲げ部材50bが挿入される方向を点線で示す矢印で示している。
そのようにして、適数本の第2の長尺折り曲げ部材50bを前記群50Aに挿入する。挿入後のY軸に沿う方向での断面図が図7に示される。前記したように、第2の長尺折り曲げ部材50bの高さb2は、第1の長尺折り曲げ部材50aの高さb1よりも低くなっており、この挿入は容易である。また、挿入に際して、後記する圧縮後に、第1の長尺折り曲げ部材50aの凸所52の位置には、第2の長尺折り曲げ部材50bの凹所53が位置し、第1の長尺折り曲げ部材50aの凹所53の位置には、第2の長尺折り曲げ部材50bの凸所52が位置できるように、第2の長尺折り曲げ部材50bの挿入位置を設定する。
挿入後に、第2の長尺折り曲げ部材50bの群50Bの全体を、Y軸方向に圧縮する。圧縮する距離は、第2の長尺折り曲げ部材50bの高さb2が、第1の長尺折り曲げ部材50aの高さb1とほぼ同じ高さとなるまでである。換言すれば、第2の長尺折り曲げ部材50bの折り曲げ角度α2が、第1の長尺折り曲げ部材50aの折り曲げ角度α1とほぼ同じとなるまでである。それにより、第2の長尺折り曲げ部材50bの高さb2は、第1の長尺折り曲げ部材50aの高さb1と、実質的に等しくなる。
上記のように組み付けることにより、長尺状の平板51を直角で連続的に波状に折り曲げることで凸所52と凹所53が交互に連続的に形成されている長尺折り曲げ部材50からなる、前記第1の長尺折り曲げ部材50aの群50Aと前記第2の長尺折り曲げ部材50bの群50Bとが、一方の凸所52に他方の凹所53が位置し一方の凹所53に他方の凸所52が位置するようにして縦横に組み込まれた構成の放熱部材100が形成される。
組み付け後の放熱部材100の平面図が、図8(a)に、また、図8(a)でのk−k線での断面図が、図8(b)に示される。図8(a)で黒く塗りつぶした箇所は第1の長尺折り曲げ部材50aの群50Aでの凸所の頂面55であり、梨地の部分は第2長尺折り曲げ部材50bの群50Bでの凸所の頂面55であり、ともに正方形である。図8(b)に示すように、この両群50A、50Bの凸所の頂面55・・・により放熱部材100の上面101が形成され、この上面101は、実質的に一つの平坦面(第1水平面H1)内に位置している。また、放熱部材100の裏面側には、共に正方形である第1の長尺折り曲げ部材50aの群50Aでの凹所の頂面56と、第2長尺折り曲げ部材50bの群50Bでの凹所の頂面56とが位置しており、この両群50A、50Bの凹所の頂面56・・・により放熱部材100の下面102が形成されている。この下面102も実質的に一つの平坦面(第2水平面H2)内に位置しており、上面101と下面102とは互いに平行である。また、上面101と下面102の距離は、前記した第1の長尺折り曲げ部材50aの高さb1に等しい。
さらに、図8に示されるように、放熱部材100の上面101と下面102には、第1の長尺折り曲げ部材50aを前記したように引き延ばすことで、折り曲げ角度αが90度より大きくなったことに起因する隙間cが、頂面55および頂面56の周囲に、すなわちX軸方向およびY軸方向に、互いに平行に形成される。この隙間が存在することで、放熱部材100は、X軸方向およびY軸方向での曲げに対する自由度が大きくなっており、高い柔軟性を備えている。
なお、上記した例では、製造の利便性の観点から、第1の長尺折り曲げ部材50aおよび第2の長尺折り曲げ部材50bの幅aをすべて等しくしたが、第1の長尺折り曲げ部材50aと第2の長尺折り曲げ部材50bとで、幅は異なっていてもよい。また、当初での山折り角度および谷折り角度αは、90度であってもよいが、90度より大きい鈍角であってもよい。さらに、放熱部材100として、2つの群50A、50Bを組み込んだ後に、さらに、2軸方向に、すなわち、X軸方向およびY軸方向に圧縮たまは延伸することで、前記山折り角度および谷折り角度αを変えることができる。直角すなわち90度とすることもできる。しかし、90度の態様は、前記した隙間cがないか極めて小さいものとなり、放熱部材100の柔軟性が不十分となるので、柔軟性がそれほど必要とされない場合に採用可能である。
[樹脂材料300]
前記した放熱部材100を樹脂材料300内に埋入することで、放熱シート200が得られる。樹脂材料300は、樹脂単体でもよく、機能向上のためにフィラーを充填した樹脂であってもよい。樹脂としては、湿気硬化型、常温硬化型(1液タイプ、2液混合タイプのいずれも可)のシリコーン樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、等の熱硬化型樹脂、あるいは、ポリアミド樹脂、ポリフェニレンサルファイト樹脂、ポリイミド樹脂、等の熱可塑性樹脂を例示できる。フィラーとしては、銅、アルミ、銀、ニッケル、亜鉛、等の金属充填材、アルミナ、シリカ、窒化ホウ素、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、グラファイト、等の無機充填材、を例示できる。さらに、前記した放熱部材100の製造に用いる材料を粒子化して前記樹脂材料300に混合した混合材料も用いることができる。
[放熱シート200の製造]
放熱部材100を前記の樹脂材料300中に埋入するには任意の方法で行うことができる。図9および図10はその一例を示しており、図9に示すように、形成した放熱部材100を金型400に入れ、位置決めをする。そして、その上から、前記した樹脂材料300を流し込む。樹脂は、前記隙間cを通って、放熱部材100の内部空間に入り込む。次に、図10に示すように、金型400に蓋401をして高さを整えた後、恒温槽に投入し、樹脂材料300を加熱硬化させる。冷却後に型から取り外すことで、図11に側面図を示す放熱シート200が得られる。
[放熱シート200の利点]
この実施の形態の放熱シート200では、放熱部材100は、広い面方向での面積を持つ。さらに、厚み方向へも連続して長尺折り曲げ部材50の一部(Z方向である立ち上がり壁54)が配向しており、そのために、厚み方向で途中で途切れることのない熱伝導パスが形成される。
換言すれば、放熱シート200の上面には、放熱部材100の上面101に位置している第1の長尺折り曲げ部材50aの群50Aでの凸所の頂面55と、第2長尺折り曲げ部材50bの群50Bでの凸所の頂面55とが広い面積で位置しており、下面には、放熱部材100の下面102に位置している第1の長尺折り曲げ部材50aの群50Aでの凹所の頂面56と、第2長尺折り曲げ部材50bの群50Bでの凹所の頂面56とが広い面積で位置している。そのために、被着体(発熱体等)との界面での熱伝達を効率的に行うことができ、実用時の熱抵抗を小さくできる。さらに、X軸方向およびY軸方向に延びる前記隙間cを備えており、面方向で柔軟に変形することができる。
また、放熱部材100は、3軸方向に連続的に繋がった空間領域が形成されており、そのために、樹脂材料300中に埋設するときでの樹脂材料300の充填性に優れている。そのために、充填後の放熱シート200から樹脂材料300の脱落等も無く、耐久性も向上する。
なお、前記した樹脂材料300の充填性をさらにすぐれたものとするために、長尺折り曲げ部材50を形成する長尺状の平板51の全体にあるいは適宜の部位に、被着体(発熱体等)との接触面積を有意に阻害しない程度に、例えば全体の1vol%以下程度に、直径0.05mm程度の小孔を形成することもできる。
前記のように、放熱部材100は、構造的にも強くかつ曲げの自由度が高いことから、CPUのような自ら発熱する電子部品に対する取り付け方の自由度が大きくなる利点もある。また、平面だけでなく、凹凸面、R面等のワーク形状にも追従可能であり、使用場所も広がってくる。
[放熱シートの他の構成]
放熱シート200の全容積に対する放熱部材100の占める体積分率に特に制限はないが、5%以上、80%以下であることが望ましい。5%未満では、熱伝導率を高めることができず放熱材として有用でない。また放熱に寄与しない領域が広くなり、放熱シート内での伝熱ムラが大きくなるため製品内で想定外の高温部ができる可能性がある。80%を超えると、高い熱伝導率の放熱シートとなるが、硬くなりすぎて製品との界面熱抵抗が大きくなり、所望の放熱性能が得られないことが起こりうる。
長尺折り曲げ部材50を構成する長尺状の平板51の厚みと放熱シート200の厚みの比は、1:3以上、1:10以下が好ましい。1:3未満であると、圧縮応力に対する放熱部材の厚み方向の柔軟性が低くなり、放熱シートとしての柔軟性が損なわれるため、製品との界面熱抵抗が大きくなり、所望の放熱性能が得られない恐れがある。1:10を超えると、放熱部材の体積分率を上げることができず、高熱伝導化できない。
[他の実施の形態−1]
図12は、放熱シートの他の実施の形態を示している。この放熱シート200aは、放熱シート200の表裏面に絶縁層103を設けた点で、上記した絶縁シート200と相違する。他の構成は、放熱シート200と同じである。絶縁層103の素材には、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、等の熱硬化型樹脂、あるいは、ポリアミド樹脂、ポリフェニレンサルファイト樹脂、ポリイミド樹脂のような樹脂材料、あるいはアルミナ、シリカ、窒化ホウ素などのセラミックス材料、のような材料を用いることができる。絶縁層103を設けることで、高熱伝導率と絶縁性の双方を確保した放熱シート200aが得られる。
[他の実施の形態−2]
図13は、放熱シートのさらに他の実施の形態を示している。この放熱シート200bは、長尺折り曲げ部材50を構成する長尺状の平板51として、表裏面に絶縁皮膜104を備えた材料を用いて放熱部材100を形成している。絶縁皮膜104の素材としては、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、等の熱硬化型樹脂、あるいは、ポリアミド樹脂、ポリフェニレンサルファイト樹脂、ポリイミド樹脂のような樹脂材料、あるいはアルミナ、シリカ、窒化ホウ素などのセラミックス材料、のような材料を用いることができる。この絶縁シート200bでも、放熱部材100自体が絶縁性能を有することで、高熱伝導率と絶縁性の双方を確保することができる。
[他の実施の形態−3]
図14は、放熱シートのさらに他の実施の形態を示している。この放熱シート200cは、放熱部材100Cとして、放熱シート200cの厚み方向に延びている部材、すなわち、前記立ち上がり壁54に多段の折曲部105を形成したものを用いている。この構成では、厚み方向での圧縮特性が向上した放熱シート200cが得られる。
以下、実施例と比較例により、本発明による放熱シート200の優位性を説明する。
[実施例品]
図1に示した形状の長尺折り曲げ部材50を用いて、図8に示す形態の放熱部材100を作製した。長尺折り曲げ部材50の基材としての長尺状の平板51には0.2mm厚の純Cu箔を用いた。図3〜図7に基づき説明したようにして曲げ加工および組み込みを行って、放熱部材100を複数種類作製した。具体的な寸法は、表1の実施例1〜4に示した。なお、長尺折り曲げ部材50の高さb(すなわち、頂部55と頂部56とのZ軸方向での距離)は、放熱シート100の仕上がり厚みが2mmとなるように、調整した。作製した放熱部材100を、図9および図10に示したようにして、樹脂材料300としての液状シリコーン樹脂中に埋入させた後、恒温槽にて加熱硬化させて、放熱シート200とした。
表1に示すように、実施例1〜4では、放熱部材100の寸法や折り曲げ角度αを異ならせることで、放熱シート200における放熱部材(Cu)の体積分率をそれぞれ異ならせた。なお、用いたシリコーン樹脂は、信越化学製KE−1870(付加反応型)であり、硬化条件は150℃×30分、粘度400mPa・s、硬化後硬さ15(デュロメータA)である。
[比較例品]
同じ素材を用い、先に図15、図16に基づき説明した従来法により、放熱部材10を作製した。放熱部材10の作製時に、引き延ばし量を変え、表1に示す、放熱部材(Cu)の体積分率が異なる比較例1〜3の放熱シートを作製した。なお、比較例1〜3の傾斜角度は、図16(b)に示す傾斜角度A°である。
[特性試験]
実施例品1〜4、比較例品1〜3について、定常法により、熱伝導率および熱抵抗を測定した。その結果を表1に示した。
Figure 0006816678
[評価]
実施例品と比較例品では、仕上がり厚みがいずれも2mmと等しく、さらに、放熱部材と樹脂との体積分率もほぼ等しいにもかかわらず、実施例品は比較例品と比較して、熱伝導率が大きく向上している。また、熱抵抗は、実施例品は、比較例品とそれぞれ比較して、小さくなっている。これは、本実施例で用いている放熱部材が、基本的に図8に示した形状であり、それにより、熱伝導パスが、比較例品と比較して、実質上、多くなった結果である。
50…長尺折り曲げ部材、
50a…第1の長尺折り曲げ部材、
50b…第2の長尺折り曲げ部材、
50A…第1の長尺折り曲げ部材の群、
50B…第2の長尺折り曲げ部材の群、
51…長尺状の平板、
52…凸所、
53…凹所、
54…Z方向の共通の立ち上がり壁、
55…凸所の頂面、
56…凹所の頂面、
50a…原シート、
60…プレス加工機、
61…プレス可動型、
62…プレス固定型、
63…プレス装置、
100…放熱部材、
101…放熱部材の上面、
102…放熱部材の下面、
200…放熱シート、
300…樹脂材料、
400…金型。

Claims (1)

  1. 樹脂材料と前記樹脂材料より熱伝導率の高い材料でできた面方向への広がりと所要厚みを備えた放熱部材とを含む放熱シートであって、
    前記放熱部材は、長尺状の平板を直角または鈍角で連続的に波状に折り曲げることで凸所と凹所が交互に連続的に形成されている長尺折り曲げ部材からなる、第1の長尺折り曲げ部材群と第2の長尺折り曲げ部材群とが、一方の凸所に他方の凹所が位置し一方の凹所に他方の凸所が位置するようにして縦横に組み込まれて、ほぼ平行な上面と下面とを持つ構成であり、
    前記放熱部材は、前記第1の長尺折り曲げ部材群と前記第2の長尺折り曲げ部材群の上面と下面を残して全体が前記樹脂材料中に埋入していることを特徴とする放熱シート。
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