JP6814721B2 - 装飾品用潤滑処理剤、時計の製造方法および時計 - Google Patents

装飾品用潤滑処理剤、時計の製造方法および時計 Download PDF

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Description

本発明は、装飾品用潤滑処理剤、時計の製造方法および時計に関する。
腕時計の時計バンドには、6時側バンドと12時側バンドとを連結する部品である金属製の中留が用いられる。この中留は、手首に腕時計を装着するために係止部を有している。さらに、時計バンドの長さ調整機能を持たせるためにスライド部を有していることがある。
また、製造された中留に対して潤滑組成物を付着させる処理が行われている。潤滑組成物として、たとえば炭化水素および/またはエーテルと、中性リン酸エステルおよび/または中性亜リン酸エステルと、パラフィンとを含む潤滑組成物(特許文献1)が使用されている。
特開2010−1333号公報
しかしながら、製造された中留に上記潤滑組成物を付着させると、時間の経過によってしみが発生することがあった。また、中留以外に上記潤滑組成物を付着させる場合(具体的には時計やブレスレットなどの装飾品に含まれる摺動部に上記潤滑組成物を付着させる場合)も、時間の経過によってしみが発生することがあった。上記摺動部としては、歯車、軸受け、バンド駒の連結ピンおよび連結孔などが挙げられる。
したがって、本発明の目的は、装飾品(時計バンドの中留の他、時計やブレスレットなどの装飾品に含まれる摺動部)に用いる際に、しみの発生が抑えられる装飾品用潤滑処理剤を提供することにある。
本発明の装飾品用潤滑処理剤は、下記式(A)で表される化合物(A)と下記式(B)で表される化合物(B)とを含み、上記化合物(A)および上記化合物(B)を合計で1質量%以上の量で含む。
Figure 0006814721
(式(A)中、RA1、RA2およびRA3のうち少なくとも1つは、それぞれ独立に下記式(a)で表される基であり、RA1、RA2およびRA3のうち下記式(a)で表される基以外はOH基であり、R1、R2、R3およびR4は、それぞれ独立に炭素数が2以上4以下のアルキレン基であり、n1、n2、n3およびn4は、それぞれ独立に1以上の整数であり、かつn1、n2、n3およびn4の合計は6以上20以下の整数である。)
Figure 0006814721
(式(a)中、Raは、炭素数が12以上の飽和炭化水素基または炭素数が12以上の不飽和炭化水素基である。)
Figure 0006814721
(式(B)中、RB1、RB2およびRB3のうち2つはOH基であり、RB1、RB2およびRB3のうちOH基以外は下記式(b)で表される基であり、R1、R2、R3およびR4は、それぞれ独立に炭素数が2以上4以下のアルキレン基であり、n1、n2、n3およびn4は、それぞれ独立に1以上の整数であり、かつn1、n2、n3およびn4の合計は6以上20以下の整数である。)
Figure 0006814721
(式(b)中、Rbは、炭素数が11以下の飽和炭化水素基または炭素数が11以下の不飽和炭化水素基である。)
本発明の装飾品用潤滑処理剤は、装飾品(時計バンドの中留の他、時計やブレスレットなどの装飾品に含まれる摺動部)に用いる際に、しみの発生が抑えられる。
図1は、中留の斜視図である。 図2は、中留の分解状態の斜視図である。
本発明を実施するための形態(実施形態)につき、図面を参照しつつ詳細に説明する。以下の実施形態に記載した内容により本発明が限定されるものではない。また、以下に記載した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のものが含まれる。さらに、以下に記載した構成は適宜組み合わせることが可能である。また、本発明の要旨を逸脱しない範囲で構成の種々の省略、置換又は変更を行うことができる。
〔実施形態〕
<時計バンド用潤滑処理剤>
実施形態の時計バンド用潤滑処理剤は、化合物(A)と化合物(B)とを含む。
化合物(A)は下記式(A)で表される。化合物(A)は、1種単独で用いても、2種以上を混合して用いてもよい。化合物(A)は潤滑性に優れる。
Figure 0006814721
式(A)中、RA1、RA2およびRA3のうち少なくとも1つは、それぞれ独立に下記式(a)で表される基である。RA1、RA2およびRA3のうち下記式(a)で表される基以外はOH基(水酸基)である。いいかえると、化合物(A)は、後述する化合物(a1)のように、RA1、RA2およびRA3のすべてが、それぞれ独立に下記式(a)で表される基であってもよい。また、RA1、RA2およびRA3のうち2つが、それぞれ独立に下記式(a)で表される基であり、下記式(a)で表される基以外がOH基であってもよい。具体的には、RA1およびRA2=下記式(a)で表される基、RA3=OH基の場合;RA1およびRA3=下記式(a)で表される基、RA2=OH基の場合;RA2およびRA3=下記式(a)で表される基、RA1=OH基の場合が挙げられる。さらに、後述する化合物(a2)のように、RA1、RA2およびRA3のうち2つが、OH基であり、下記式(a)で表される基以外が下記式(a)で表される基であってもよい。具体的には、RA1およびRA2=OH基、RA3=下記式(a)で表される基の場合;RA1およびRA3=OH基、RA2=下記式(a)で表される基の場合;RA2およびRA3=OH基、RA1=下記式(a)で表される基の場合が挙げられる。これらのうちで、RA1、RA2およびRA3のすべてが、それぞれ独立に下記式(a)で表される基である場合は、時計バンド用潤滑処理剤の潤滑性をより向上できる。
Figure 0006814721
式(a)中、Raは、炭素数が12以上の飽和炭化水素基または炭素数が12以上の不飽和炭化水素基である。Raが不飽和炭化水素基であると、不飽和炭化水素基は金属と相互作用するため、潤滑性をより向上できる。Raは、炭素数が13以上19以下の飽和炭化水素基または炭素数が13以上19以下の不飽和炭化水素基であることが好ましく、13以上17以下の飽和炭化水素基または炭素数が13以上17以下の不飽和炭化水素基であることがより好ましく、炭素数が13以上17以下の脂肪族飽和炭化水素基または炭素数が13以上17以下の脂肪族不飽和炭化水素基であることがさらに好ましい。炭素数が上記範囲にあると、潤滑性をより向上できる。
具体的には、Raとしては、−(CH212CH3、−(CH214CH3、−(CH216CH3、−(CH214−CH(CH32、−(CH2)7CH=CH(CH25CH3、−(CH27CH=CHCH2CH=CH(CH24CH3、−(CH27CH=CH(CH27CH3が挙げられ、−(CH216CH3、−(CH27CH=CH(CH27CH3が特に好適に用いられる。
式(A)中、R1、R2、R3およびR4は、それぞれ独立に炭素数が2以上4以下のアルキレン基である。上記アルキレン基としては、エチレン基、n−プロピレン基、n−ブチレン基が挙げられる。R1、R2、R3およびR4は、エチレン基であることが好ましい。エチレン基を用いると、化合物(A)の水への溶解性を向上でき、また金属表面への吸着力が向上できる。
式(A)中、n1、n2、n3およびn4は、それぞれ独立に1以上の整数であり、かつn1、n2、n3およびn4の合計は6以上20以下の整数である。n1、n2、n3およびn4が上記範囲にあると、化合物(A)の水への溶解性を向上でき、また金属表面への吸着力が向上できる。
化合物(A)として、化合物(a1)および化合物(a2)を含むことが好ましい。化合物(a1)および化合物(a2)を組み合わせた時計バンド用潤滑処理剤は、潤滑性により優れる。
化合物(a1)は、下記式(a1)で表される。
Figure 0006814721
式(a1)中、Ra11、Ra12およびRa13は、それぞれ独立に下記式(aa1)で表される基である。上述したように、この場合は、時計バンド用潤滑処理剤の潤滑性をより向上できる。
Figure 0006814721
式(aa1)中、Raa1は、炭素数が12以上の飽和炭化水素基または炭素数が12以上の不飽和炭化水素基である。Raa1については、式(A)中のRaについての説明と同様である。
式(a1)中、R1、R2、R3およびR4は、それぞれ独立に炭素数が2以上4以下のアルキレン基であり、n1、n2、n3およびn4は、それぞれ独立に1以上の整数であり、かつn1、n2、n3およびn4の合計は6以上20以下の整数である。R1、R2、R3およびR4ならびにn1、n2、n3およびn4については、式(A)中のR1、R2、R3およびR4ならびにn1、n2、n3およびn4についての説明と同様である。
化合物(a2)は、下記式(a2)で表される。
Figure 0006814721
式(a2)中、Ra21、Ra22およびRa23のうち2つはOH基であり、Ra21、Ra22およびRa23のうちOH基以外は下記式(aa2)で表される基である。上述したように、具体的には、Ra21およびRa22=OH基、Ra23=下記式(aa2)で表される基の場合;Ra21およびRa23=OH基、Ra22=下記式(aa2)で表される基の場合;Ra22およびRa23=OH基、Ra21=下記式(aa2)で表される基の場合が挙げられる。これらのうちで、Ra21およびRa22=OH基、Ra23=下記式(aa2)で表される基の場合は、化合物(a1)と組み合わせると、時計バンド用潤滑処理剤の潤滑性をより向上できる。
Figure 0006814721
式(aa2)中、Raa2は、炭素数が12以上の飽和炭化水素基または炭素数が12以上の不飽和炭化水素基である。Raa2については、式(A)中のRaについての説明と同様である。
式(a2)中、R1、R2、R3およびR4は、それぞれ独立に炭素数が2以上4以下のアルキレン基であり、n1、n2、n3およびn4は、それぞれ独立に1以上の整数であり、かつn1、n2、n3およびn4の合計は6以上20以下の整数である。R1、R2、R3およびR4ならびにn1、n2、n3およびn4については、式(A)中のR1、R2、R3およびR4ならびにn1、n2、n3およびn4についての説明と同様である。
化合物(B)は下記式(B)で表される。化合物(B)は、1種単独で用いても、2種以上を混合して用いてもよい。化合物(B)は潤滑性および水への溶解性に優れる。
Figure 0006814721
式(B)中、RB1、RB2およびRB3のうち2つはOH基であり、RB1、RB2およびRB3のうちOH基以外は下記式(b)で表される基である。具体的には、RB1およびRB2=OH基、RB3=下記式(b)で表される基の場合;RB1およびRB3=OH基、RB2=下記式(b)で表される基の場合;RB2およびRB3=OH基、RB1=下記式(b)で表される基の場合が挙げられる。これらのうちで、RB1およびRB2=OH基、RB3=下記式(b)で表される基の場合は、水への溶解性により優れる。
Figure 0006814721
式(b)中、Rbは、炭素数が11以下の飽和炭化水素基または炭素数が11以下の不飽和炭化水素基である。Rbが不飽和炭化水素基であると、不飽和炭化水素基は金属と相互作用するため、潤滑性をより向上できる。Rbは、炭素数が3以上11以下の飽和炭化水素基または炭素数が3以上11以下の不飽和炭化水素基であることが好ましく、炭素数が3以上11以下の脂肪族飽和炭化水素基または炭素数が3以上11以下の脂肪族不飽和炭化水素基であることがより好ましい。炭素数が上記範囲にあると、水への溶解性をより向上できる。
具体的には、Rbとしては、−(CH210CH3、−(CH28CH3、−(CH26CH3、−(CH22CH3が挙げられる。
式(B)中、R1、R2、R3およびR4は、それぞれ独立に炭素数が2以上4以下のアルキレン基であり、n1、n2、n3およびn4は、それぞれ独立に1以上の整数であり、かつn1、n2、n3およびn4の合計は6以上20以下の整数である。R1、R2、R3およびR4ならびにn1、n2、n3およびn4については、式(A)中のR1、R2、R3およびR4ならびにn1、n2、n3およびn4についての説明と同様である。
なお、実施形態の時計バンド用潤滑処理剤は、上記成分のみからなるか、または上記成分と水の他は含まないことが好ましい。この場合は、しみの発生をより抑えられると考えられる。また、実施形態の時計バンド用潤滑処理剤の効果を阻害しない範囲で他の成分を含んでいてもよい。なお、他の成分が含まれる場合は、たとえば化合物(A)および化合物(B)の合計100質量部に対して3質量部以下の量で含まれる。
腕時計の時計バンドに用いられる中留は、通常イオンプレーティング法、スパッタリング法などによって製造されるため、製造された中留の表面は非常に清浄である。このため、摩擦力が大きすぎて係止部の係止およびその解除ができないこと、またはスライド部がスライドしないことがある。この場合は、腕時計の装着および取り外しができなかったり、時計バンドの長さ調整ができなかったりする。
そこで、製造された中留に対して潤滑組成物を付着させる処理が行われている。潤滑油組成物として、たとえば炭化水素および/またはエーテルと、中性リン酸エステルおよび/または中性亜リン酸エステルと、パラフィンとを含む潤滑組成物が使用されている。この処理により、係止部およびスライド部が機能できるようになる。
しかしながら、この潤滑組成物は、中留本体内部のスライド部を潤滑処理するために、中留本体内部に注入するように付着させていた。その際、余分に注入した潤滑組成物はふき取れないため、中留本体内部に残存する。この余分に残存した潤滑組成物は十分乾燥しがたく、流れ出しやすい。また、中性リン酸エステルおよび/または中性亜リン酸エステルが分離して、流れ出すこともある。このため、注入から時間が経過すると、上記潤滑組成物は中留本体内部から徐々にしみ出し、中留の表に露出している部分(時計の装着時のみではなく取り外し時においても視認できる部分)にまで広がる。また、金属表面に付着した上記潤滑組成物は時間の経過によりしみ状に視認されやすくなる。このため、中留の表に露出している部分でしみが発生する場合があった。時計の製造工程においても、しみが発生すると、ふき取り作業が行われていた。
なお、係止部は、中留の表に露出している部分、すなわち時計の取り外し時において視認できる部分にある。係止部を潤滑処理するためには、ここに上記潤滑組成物を付着させ、余分な潤滑組成物をふき取り、しみの発生を食い止めようとしていた。しかし、時間の経過によってしみ状に見えることがあった。
これに対して、実施形態の時計バンド用潤滑処理剤は、化合物(A)および化合物(B)を含んでいるため、これを用いると、係止部およびスライド部が機能できるようになる。また、実施形態の時計バンド用潤滑処理剤による処理によって中留本体内部に付着させた化合物(A)および化合物(B)は、その場所に留まり、しみ出しにくい。このため、中留の表に露出している部分におけるしみの発生が抑えられる。そもそも、金属製の中留表面に付着した化合物(A)および化合物(B)は、時間が経過してもしみ状に見えにくい。したがって、係止部などの中留の表に露出している部分に化合物(A)および化合物(B)を付着させても、しみの発生が抑えられる。
さらに、中留本体内部に付着させた化合物(A)および化合物(B)は、その場所にとどまるため、実施形態の時計バンド用潤滑処理剤によれば、長期に渡って係止部およびスライド部を機能させられる。
また、化合物(A)および化合物(B)の構造において、炭化水素基の部分は、潤滑性を有しているため、実施形態の時計バンド用潤滑処理剤を用いると、係止部およびスライド部が機能するようになると考えられる。一方、ソルビタン骨格、ポリオキシエチレン部分およびエステル結合部分(いいかえると炭化水素基以外の部分)、特にエステル結合部分は、親水性を有しており、金属表面に吸着するため、化合物(A)および化合物(B)は特定の場所に留まりやすいと考えられる。
実施形態の時計バンド用潤滑処理剤は、該処理剤(100質量%)中に、化合物(A)および化合物(B)を合計で1質量%以上の量で含む。実施形態の時計バンド用潤滑処理剤は、化合物(A)および化合物(B)のみを含んでいてもよい。また、実施形態の時計バンド用潤滑処理剤は水溶液であることが好ましく、水溶液(100質量%)中に、化合物(A)および化合物(B)を合計で3質量%以上30質量%以下の量で含むことがより好ましい。化合物(A)および化合物(B)の濃度が上記範囲にあると、中留の潤滑処理を好適に行える。
時計バンド用潤滑処理剤による処理の際に、加温する場合または超音波をかける場合は、化合物(A)および化合物(B)を多く含んでおり、比較的粘度が高い時計バンド用潤滑処理剤も好適に用いられる。また、時計バンド用潤滑処理剤による処理の際に、加温せず、超音波をかけない場合は、化合物(A)および化合物(B)をそれほど多く含んでおらず、比較的粘度が低い時計バンド用潤滑処理剤がより好適に用いられる。
実施形態の時計バンド用潤滑処理剤において、化合物(A)および化合物(B)の合計を100質量部として、化合物(A)を3質量部以上60質量部以下の量で、化合物(B)を40質量部以上97質量部以下の量で含むことが好ましい。化合物(A)および化合物(B)が上記の量で含まれていると、潤滑性を向上できる。また、化合物(A)として、化合物(a1)および化合物(a2)を用いる場合は、化合物(a1)および化合物(a2)の合計を100質量部として、化合物(a1)を40質量部以上60質量部以下の量で、化合物(a2)を60質量部以上40質量部以下の量で含むことが好ましい。化合物(a1)および化合物(a2)が上記の量で含まれていると、潤滑性をより向上できる。
実施形態の時計バンド用潤滑処理剤の調製方法としては、化合物(A)および化合物(B)を含む水溶液が得られる限り特に限定されない。しかしながら、たとえば以下の方法によって時計バンド用潤滑処理剤を調製できる。
まず、化合物(B)に化合物(A)を加え、均一になるよう混合する。次に、得られた混合物を水に溶解させて、水溶液を得る。このようにして、水溶液である時計バンド用潤滑処理剤を調製する。また、化合物(A)として、化合物(a1)および化合物(a2)を用いるときは、一部の化合物(B)に化合物(a1)を加え、均一になるよう混合する。次いで、得られた混合物を水に溶解させて、水溶液(1)を得る。また、残りの化合物(B)に化合物(a2)を加え、均一になるよう混合する。次いで、得られた混合物を水に溶解させて、水溶液(2)を得る。得られた水溶液(1)および水溶液(2)を混合して、水溶液である時計バンド用潤滑処理剤を調製する。また、化合物(A)および化合物(B)のみを含む時計バンド用潤滑処理剤の場合は、化合物(B)に化合物(A)を加え、均一になるよう混合して時計バンド用潤滑処理剤を調製できる。なお、時計バンド用潤滑処理剤の調製においては、水溶液中での化合物(A)および化合物(B)の濃度、化合物(A)および化合物(B)の量比、または化合物(a1)および化合物(a2)の量比は、上述したバンド用潤滑処理剤における好ましい範囲となるように調製することが望ましい。
<時計の製造方法>
実施形態の時計の製造方法は、時計バンド用潤滑処理剤によって金属製の中留を処理する処理工程と、上記処理工程で処理された上記中留を用いて時計を組み立てる組み立て工程とを含む。これにより、中留に、化合物(A)および化合物(B)が付着している時計が得られる。このような時計は、中留の潤滑性に優れ、中留でのしみの発生が抑えられる。
まず、実施形態の時計(腕時計)の製造方法に用いる中留の構造について、図を用いてより具体的に説明する。図1は、中留の斜視図である。図2は、中留の分解状態の斜視図である。
図1に示すように、中留6は、金属製であって、6時側バンド1と12時側バンド2とに連結されている。なお、6時側バンド1および12時側バンド2には、最終的には時計本体が連結され、腕時計となる。中留6は、中折れ部材5と、中留本体6aとから構成されている。中折れ部材5は、中板3とこの中板3の端部に回動可能に連結された枠状の外板4とから構成されている。中板3の表側には係合爪9が植設してある。この係合爪9は軸部9aの端部に傘部9bが形成されている。
図1、図2に示すように、中留本体6aは、中留枠16と、プッシュボタン保持部材17と、スライド板18と、プッシュボタン19、20とから構成されている。
また、スライド板18は、板本体35を備えており、この板本体35には開口部36が形成してある。この開口部36の両側縁部にはバンド長手方向に、係合歯部を構成する複数のラチェット歯37が形成してある。この場合、ラチェット歯37は、その係止側部37aを12時側バンド2側に向けて形成してある。プッシュボタン19、20は、ボタン本体38を有しており、このボタン本体38の先部の一側には切欠き部39が形成してある。この切欠き部39の先側に円弧形状の係合部40が形成してあり、切欠き部39の元側には係合突起41が形成してある。
プッシュボタン19、20は、プッシュボタン保持部材17に係止され、スライド板18は、中留枠16とプッシュボタン保持部材17との間に係止される。
係止部は、軸部9aおよび傘部9bを有する係合爪9と、係合部40とから構成され、スライド部は、係合突起41と、係止側部37aを有するラチェット歯37とから構成される。
次に、処理工程を経た中留6を有する時計の装着操作および取り外し操作(いいかえると係止部の係止操作およびその解除操作)について説明する。装着操作では、時計に手首を通した後に、中板3を外板4側に折り畳んで、中板3に設けた係合爪9を係合部40に係合する。具体的には、係合部40に軸部9aが係止する。このようにして、時計バンドを手首に装着する。一方、取り外し操作では、プッシュボタン19、20のボタン本体38を両側から押して、係合部40を押し広げて係合爪9の係合を解除し、中板3を外に開き、手首を抜く。
また、処理工程を経た中留6を有する時計の長さ調整操作(いいかえるとスライド部のスライド操作)について説明する。時計バンドを縮める方向に、すなわち6時側バンド1側に向けて外板4を移動させると、スライド板18は移動してラチェット歯37がプッシュボタン19、20の係合突起41上を滑り、スライド板18の移動を止めるとラチェット歯37に係合突起41が係合する。これは、スライド板18にラチェット歯37が、その係止側部37aを12時側バンド2側に向けて形成してあることによる。このようにして、時計バンドを縮める方向に長さ調整操作が行われる。
一方、時計バンドを伸ばす方向に長さ調整操作を行う場合には、プッシュボタン19、20を内側に押さなければならない。これは、ラチェット歯37の係止側部37aが、12時側バンド2側に向けて形成してあることによる。すなわち、6時側バンド1と離間する方向に12時側バンド2を引っ張っても、係止側部37aと係合突起41との係合は維持され、スライド板18が移動しない。プッシュボタン19、20を押すと、係合突起41がスライド板18のラチェット歯37から外れる。この状態を保持したままで、6時側バンド1と離間する方向に12時側バンド2を引っ張って、スライド板18を移動させる。所定の微調整後にプッシュボタン19、20の押えを解除して外方に移動させ、係合突起41をスライド板18のラチェット歯37に係合させる。このようにして、時計バンドを伸ばす方向に長さ調整操作が行われる。
(処理工程)
処理工程では、通常イオンプレーティング法、スパッタリング法などによって製造され、表面が非常に清浄な中留であって、上述した構造を有する中留6を用いる。この中留6は、摩擦力が大きすぎて係止部およびスライド部が機能していない状態にある。
処理工程では、上記中留6を上述した時計バンド用潤滑処理剤の水溶液に浸漬する。水溶液への浸漬は、常温で行ってもよい。あるいは、たとえば30℃以上60℃以下の温度に加温しながら行ってもよい。また、超音波をかけながら行ってもよい。次いで、中留6を水で洗い、乾燥する。この処理工程により、中留6の表面に化合物(A)および化合物(B)が付着する。時計バンド用潤滑処理剤は水溶液であり、中留6を該水溶液に浸漬して処理するため、中留本体6aの内部にも化合物(A)および化合物(B)を付着できる。
この処理工程によって、上述した時計の装着操作および取り外し操作、ならびに長さ調整操作(いいかえると係止部の係止操作およびその解除操作、ならびにスライド部のスライド操作)が可能になる。すなわち、係止部およびスライド部が機能を発揮できるようになる。また、この処理工程によれば、しみの発生が抑えられる。上述のように、中留の表に露出している部分に化合物(A)および化合物(B)が付着していても、しみ状には見えにくい。したがって、係止部およびスライド部を含む中留6全体を水溶液に浸漬して、中留6の表面全体に化合物(A)および化合物(B)を付着させる簡便な処理手順が採用できる。
(組み立て工程)
組み立て工程では、上記処理工程で処理された上記中留6を用いて時計を組み立てる。具体的には、公知の部品を用いて公知の方法で行うことができる。
実施形態の時計の製造方法に用いる中留は、係止部またはスライド部を有していればよく、上述した構造を有する中留6に限らない。さらに、係止部は、手首に腕時計を装着できればよく、上述した構造の係止部に限らない。スライド部は、時計バンドの長さ調整機能を有していればよく、上述した構造のスライド部に限らない。また、処理工程後、組み立て工程において、6時側バンド1および12時側バンド2と中留6とを組み立ててもよい。
<時計>
実施形態の時計は、金属製の中留を有する。中留の構造については、具体的には、時計の製造方法において説明したとおりである。上記中留(具体的には中留の表面)に、上記式(A)で表される化合物(A)と上記式(B)で表される化合物(B)とが付着している。化合物(A)および化合物(B)については、実施形態の時計バンド用潤滑処理剤において説明したとおりである。実施形態の時計は、中留の潤滑性に優れ、中留でのしみの発生が抑えられる。
ここで、化合物(A)および化合物(B)が付着していることは、液体クロマトグラフィー質量分析法(LC/MS)などによって確認できる。なお、実施形態の時計が有する中留は、係止部またはスライド部を有していればよく、上述した構造を有する中留6に限らない。さらに、係止部は、手首に腕時計を装着できればよく、上述した構造の係止部に限らない。スライド部は、時計バンドの長さ調整機能を有していればよく、上述した構造のスライド部に限らない。
また、実施形態の時計は、たとえば実施形態の時計の製造方法において説明した処理工程および組み立て工程により得られる。
<その他の実施形態>
上記実施形態では、装飾品用潤滑処理剤のうち、時計バンド用潤滑処理剤について説明した。その他の実施形態(その他の装飾品用潤滑処理剤)として、たとえば時計やブレスレットなどの装飾品に含まれる摺動部用潤滑処理剤が挙げられる。その他の実施形態において、摺動部としては、歯車、軸受け、バンド駒の連結ピンおよび連結孔などの摺動部品が挙げられる。その他の実施形態について、成分およびその割合、調製方法などの詳細は、上記時計バンド用潤滑処理剤と同様である。なお、この摺動部用潤滑処理剤は、上述した処理工程に準じて、適宜摺動部に適用できる。その他の実施形態について、発揮される効果も、上記時計バンド用潤滑処理剤と同様である。すなわち、しみの発生が抑えられ、また、長期に渡って優れた潤滑性を維持できる。
以上より、本発明は以下に関する。
[1]下記式(A)で表される化合物(A)と下記式(B)で表される化合物(B)とを含み、上記化合物(A)および上記化合物(B)を合計で1質量%以上の量で含むことを特徴とする装飾品用潤滑処理剤。
Figure 0006814721
(式(A)中、RA1、RA2およびRA3のうち少なくとも1つは、それぞれ独立に下記式(a)で表される基であり、RA1、RA2およびRA3のうち下記式(a)で表される基以外はOH基であり、R1、R2、R3およびR4は、それぞれ独立に炭素数が2以上4以下のアルキレン基であり、n1、n2、n3およびn4は、それぞれ独立に1以上の整数であり、かつn1、n2、n3およびn4の合計は6以上20以下の整数である。)
Figure 0006814721
(式(a)中、Raは、炭素数が12以上の飽和炭化水素基または炭素数が12以上の不飽和炭化水素基である。)
Figure 0006814721
(式(B)中、RB1、RB2およびRB3のうち2つはOH基であり、RB1、RB2およびRB3のうちOH基以外は下記式(b)で表される基であり、R1、R2、R3およびR4は、それぞれ独立に炭素数が2以上4以下のアルキレン基であり、n1、n2、n3およびn4は、それぞれ独立に1以上の整数であり、かつn1、n2、n3およびn4の合計は6以上20以下の整数である。)
Figure 0006814721
(式(b)中、Rbは、炭素数が11以下の飽和炭化水素基または炭素数が11以下の不飽和炭化水素基である。)
[2] 上記装飾品用潤滑処理剤が、上記化合物(A)および上記化合物(B)を合計で3質量%以上30質量%以下の量で含む水溶液であることを特徴とする[1]に記載の装飾品用潤滑処理剤。
上記装飾品用潤滑処理剤は、たとえば時計バンドの中留に用いる際に、しみの発生を抑えられる。
[3]上記化合物(A)として、下記式(a1)で表される化合物(a1)および下記式(a2)で表される化合物(a2)を含むことを特徴とする[1]または[2]に記載の装飾品用潤滑処理剤。
Figure 0006814721
(式(a1)中、Ra11、Ra12およびRa13は、それぞれ独立に下記式(aa1)で表される基であり、R1、R2、R3およびR4は、それぞれ独立に炭素数が2以上4以下のアルキレン基であり、n1、n2、n3およびn4は、それぞれ独立に1以上の整数であり、かつn1、n2、n3およびn4の合計は6以上20以下の整数である。)
Figure 0006814721
(式(aa1)中、Raa1は、炭素数が12以上の飽和炭化水素基または炭素数が12以上の不飽和炭化水素基である。)
Figure 0006814721
(式(a2)中、Ra21、Ra22およびRa23のうち2つはOH基であり、Ra21、Ra22およびRa23のうちOH基以外は下記式(aa2)で表される基であり、R1、R2、R3およびR4は、それぞれ独立に炭素数が2以上4以下のアルキレン基であり、n1、n2、n3およびn4は、それぞれ独立に1以上の整数であり、かつn1、n2、n3およびn4の合計は6以上20以下の整数である。)
Figure 0006814721
(式(aa2)中、Raa2は、炭素数が12以上の飽和炭化水素基または炭素数が12以上の不飽和炭化水素基である。)
上記装飾品用潤滑処理剤は、たとえば時計バンドの中留に用いる際に、しみの発生をより抑えられる。
[4]時計バンド用潤滑処理剤によって金属製の中留を処理する処理工程と、
上記処理工程で処理された上記中留を用いて時計を組み立てる組み立て工程とを含み、
上記時計バンド用潤滑処理剤が、下記式(A)で表される化合物(A)と下記式(B)で表される化合物(B)とを含み、上記化合物(A)および上記化合物(B)を合計で1質量%以上の量で含むことを特徴とする時計の製造方法。
Figure 0006814721
(式(A)中、RA1、RA2およびRA3のうち少なくとも1つは、それぞれ独立に下記式(a)で表される基であり、RA1、RA2およびRA3のうち下記式(a)で表される基以外はOH基であり、R1、R2、R3およびR4は、それぞれ独立に炭素数が2以上4以下のアルキレン基であり、n1、n2、n3およびn4は、それぞれ独立に1以上の整数であり、かつn1、n2、n3およびn4の合計は6以上20以下の整数である。)
Figure 0006814721
(式(a)中、Raは、炭素数が12以上の飽和炭化水素基または炭素数が12以上の不飽和炭化水素基である。)
Figure 0006814721
(式(B)中、RB1、RB2およびRB3のうち2つはOH基であり、RB1、RB2およびRB3のうちOH基以外は下記式(b)で表される基であり、R1、R2、R3およびR4は、それぞれ独立に炭素数が2以上4以下のアルキレン基であり、n1、n2、n3およびn4は、それぞれ独立に1以上の整数であり、かつn1、n2、n3およびn4の合計は6以上20以下の整数である。)
Figure 0006814721
(式(b)中、Rbは、炭素数が11以下の飽和炭化水素基または炭素数が11以下の不飽和炭化水素基である。)
[5]上記時計バンド用潤滑処理剤が、上記化合物(A)および上記化合物(B)を合計で3質量%以上30質量%以下の量で含む水溶液であることを特徴とする[4]に記載の時計の製造方法。
上記時計の製造方法によれば、時計バンドの中留において、しみの発生を抑えられる時計が得られる。
[6]金属製の中留を有する時計であって、上記中留に、下記式(A)で表される化合物(A)と下記式(B)で表される化合物(B)とが付着していることを特徴とする時計。
Figure 0006814721
(式(A)中、RA1、RA2およびRA3のうち少なくとも1つは、それぞれ独立に下記式(a)で表される基であり、RA1、RA2およびRA3のうち下記式(a)で表される基以外はOH基であり、R1、R2、R3およびR4は、それぞれ独立に炭素数が2以上4以下のアルキレン基であり、n1、n2、n3およびn4は、それぞれ独立に1以上の整数であり、かつn1、n2、n3およびn4の合計は6以上20以下の整数である。)
Figure 0006814721
(式(a)中、Raは、炭素数が12以上の飽和炭化水素基または炭素数が12以上の不飽和炭化水素基である。)
Figure 0006814721
(式(B)中、RB1、RB2およびRB3のうち2つはOH基であり、RB1、RB2およびRB3のうちOH基以外は下記式(b)で表される基であり、R1、R2、R3およびR4は、それぞれ独立に炭素数が2以上4以下のアルキレン基であり、n1、n2、n3およびn4は、それぞれ独立に1以上の整数であり、かつn1、n2、n3およびn4の合計は6以上20以下の整数である。)
Figure 0006814721
(式(b)中、Rbは、炭素数が11以下の飽和炭化水素基または炭素数が11以下の不飽和炭化水素基である。)
上記時計は、時計バンドの中留において、しみの発生を抑えられる。
[7] 時計バンド用であることを特徴とする[1]〜[3]のいずれか1つに記載の装飾品用潤滑処理剤。
上記装飾品用潤滑処理剤は、時計バンドの中留に用いる際に、しみの発生を抑えられる。
[実施例]
[実施例1−1]
化合物(A)としてポリオキシエチレンソルビタントリオレエート(化合物(a1);上記式(a1)中、Ra11、Ra12およびRa13が上記式(aa1)で表される基であり、R1、R2、R3およびR4がエチレン基であり、n1、n2、n3およびn4が、それぞれ独立に1以上の整数であり、かつn1、n2、n3およびn4の合計が6以上20以下の整数であって、上記式(aa1)中、Raa1が−(CH27CH=CH(CH27CH3である場合)20質量部およびポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート(化合物(a2);上記式(a2)中、Ra21およびRa22がOH基であり、Ra23が上記式(aa2)で表される基であり、R1、R2、R3およびR4がエチレン基であり、n1、n2、n3およびn4が、それぞれ独立に1以上の整数であり、かつn1、n2、n3およびn4の合計が6以上20以下の整数であって、上記式(aa2)中、Raa2が−(CH216CH3である場合)25質量部と、化合物(B)としてポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート(上記式(B)中、RB1およびRB2がOH基であり、RB3が上記式(b)で表される基であり、R1、R2、R3およびR4がエチレン基であり、n1、n2、n3およびn4が、それぞれ独立に1以上の整数であり、かつn1、n2、n3およびn4の合計が6以上20以下の整数であり、上記式(b)中、Rbが−(CH210CH3である場合)55質量部とを用いた。
まず、一部の化合物(B)(30質量部)に化合物(a1)を加え、均一になるよう混合した。次いで、得られた混合物を水に溶解させて、水溶液(1)を得た。また、残りの化合物(B)(25質量部)に化合物(a2)を加え、均一になるよう混合した。次いで、得られた混合物を水に溶解させて、水溶液(2)を得た。得られた水溶液(1)および水溶液(2)を混合して、水溶液である時計バンド用潤滑処理剤を調製した。ここで、時計バンド用潤滑処理剤は、化合物(A)および化合物(B)を合計で15質量%の量で含む水溶液となるように調製した。
[実施例1−2]
時計バンド用潤滑処理剤が化合物(A)および化合物(B)を合計で3質量%の量で含む水溶液となるように調製した以外は、実施例1−1と同様にして、時計バンド用潤滑処理剤を得た。
[実施例1−3]
時計バンド用潤滑処理剤が化合物(A)および化合物(B)を合計で10質量%の量で含む水溶液となるように調製した以外は、実施例1−1と同様にして、時計バンド用潤滑処理剤を得た。
[実施例1−4]
時計バンド用潤滑処理剤が化合物(A)および化合物(B)を合計で20質量%の量で含む水溶液となるように調製した以外は、実施例1−1と同様にして、時計バンド用潤滑処理剤を得た。
[実施例1−5]
時計バンド用潤滑処理剤が化合物(A)および化合物(B)を合計で30質量%の量で含む水溶液となるように調製した以外は、実施例1−1と同様にして、時計バンド用潤滑処理剤を得た。
[実施例1−6]
化合物(a1)を5質量部、化合物(a2)を5質量部および化合物(B)を90質量部の量で用いたこと、ならびに水溶液(1)の調製に化合物(B)を45質量部用い、水溶液(2)の調製に化合物(B)を45質量部用いたこと以外は、実施例1−1と同様にして、時計バンド用潤滑処理剤を得た。
[実施例1−7]
時計バンド用潤滑処理剤が化合物(A)および化合物(B)を合計で3質量%の量で含む水溶液となるように調製した以外は、実施例1−6と同様にして、時計バンド用潤滑処理剤を得た。
[実施例1−8]
時計バンド用潤滑処理剤が化合物(A)および化合物(B)を合計で30質量%の量で含む水溶液となるように調製した以外は、実施例1−6と同様にして、時計バンド用潤滑処理剤を得た。
[実施例1−9]
化合物(a1)を25質量部、化合物(a2)を20質量部および化合物(B)を55質量部の量で用いたこと、ならびに水溶液(1)の調製に化合物(B)を35質量部用い、水溶液(2)の調製に化合物(B)を20質量部用いたこと以外は、実施例1−1と同様にして、時計バンド用潤滑処理剤を得た。
[実施例1−10]
時計バンド用潤滑処理剤が化合物(A)および化合物(B)を合計で3質量%の量で含む水溶液となるように調製した以外は、実施例1−9と同様にして、時計バンド用潤滑処理剤を得た。
[実施例1−11]
時計バンド用潤滑処理剤が化合物(A)および化合物(B)を合計で30質量%の量で含む水溶液となるように調製した以外は、実施例1−9と同様にして、時計バンド用潤滑処理剤を得た。
[実施例1−12]
化合物(a1)として、上記式(a1)中、Ra11、Ra12およびRa13が上記式(aa1)で表される基であり、R1、R2、R3およびR4がエチレン基であり、n1、n2、n3およびn4が、それぞれ独立に1以上の整数であり、かつn1、n2、n3およびn4の合計が6以上20以下の整数であって、上記式(aa1)中、Raa1が−(CH212CH3である化合物を用いた以外は、実施例1−1と同様にして、時計バンド用潤滑処理剤を得た。
[実施例1−13]
化合物(a2)として、上記式(a2)中、Ra21およびRa22がOH基であり、Ra23が上記式(aa2)で表される基であり、R1、R2、R3およびR4がエチレン基であり、n1、n2、n3およびn4が、それぞれ独立に1以上の整数であり、かつn1、n2、n3およびn4の合計が6以上20以下の整数であって、上記式(aa2)中、Raa2が−(CH212CH3である化合物を用いた以外は、実施例1−1と同様にして、時計バンド用潤滑処理剤を得た。
[実施例1−14]
化合物(B)として、上記式(B)中、RB1およびRB2がOH基であり、RB3が上記式(b)で表される基であり、R1、R2、R3およびR4がエチレン基であり、n1、n2、n3およびn4が、それぞれ独立に1以上の整数であり、かつn1、n2、n3およびn4の合計が6以上20以下の整数であり、上記式(b)中、Rbが−(CH22CH3である化合物を用いた以外は、実施例1−1と同様にして、時計バンド用潤滑処理剤を得た。
[実施例2−1]
化合物(A)としてポリオキシエチレンソルビタントリオレエート(化合物(a1);上記式(a1)中、Ra11、Ra12およびRa13が上記式(aa1)で表される基であり、R1、R2、R3およびR4がエチレン基であり、n1、n2、n3およびn4が、それぞれ独立に1以上の整数であり、かつn1、n2、n3およびn4の合計が6以上20以下の整数であって、上記式(aa1)中、Raa1が−(CH27CH=CH(CH27CH3である場合)40質量部と、化合物(B)としてポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート(上記式(B)中、RB1およびRB2がOH基であり、RB3が上記式(b)で表される基であり、R1、R2、R3およびR4がエチレン基であり、n1、n2、n3およびn4が、それぞれ独立に1以上の整数であり、かつn1、n2、n3およびn4の合計が6以上20以下の整数であり、上記式(b)中、Rbが−(CH210CH3である場合)60質量部とを用いた。
まず、化合物(B)に化合物(A)を加え、均一になるよう混合した。次いで、得られた混合物を水に溶解させて、水溶液である時計バンド用潤滑処理剤を調製した。ここで、時計バンド用潤滑処理剤は、化合物(A)および化合物(B)を合計で15質量%の量で含む水溶液となるように調製した。
[実施例2−2]
時計バンド用潤滑処理剤が化合物(A)および化合物(B)を合計で3質量%の量で含む水溶液となるように調製した以外は、実施例2−1と同様にして、時計バンド用潤滑処理剤を得た。
[実施例2−3]
時計バンド用潤滑処理剤が化合物(A)および化合物(B)を合計で30質量%の量で含む水溶液となるように調製した以外は、実施例2−1と同様にして、時計バンド用潤滑処理剤を得た。
[実施例2−4]
化合物(A)を20質量部および化合物(B)を80質量部の量で用いた以外は、実施例2−1と同様にして、時計バンド用潤滑処理剤を得た。
[実施例2−5]
時計バンド用潤滑処理剤が化合物(A)および化合物(B)を合計で3質量%の量で含む水溶液となるように調製した以外は、実施例2−4と同様にして、時計バンド用潤滑処理剤を得た。
[実施例2−6]
時計バンド用潤滑処理剤が化合物(A)および化合物(B)を合計で30質量%の量で含む水溶液となるように調製した以外は、実施例2−4と同様にして、時計バンド用潤滑処理剤を得た。
[実施例2−7]
化合物(A)(化合物(a1))として、上記式(a1)中、Ra11、Ra12およびRa13が上記式(aa1)で表される基であり、R1、R2、R3およびR4がエチレン基であり、n1、n2、n3およびn4が、それぞれ独立に1以上の整数であり、かつn1、n2、n3およびn4の合計が6以上20以下の整数であって、上記式(aa1)中、Raa1が−(CH212CH3である化合物を用いた以外は、実施例2−1と同様にして、時計バンド用潤滑処理剤を得た。
[実施例2−8]
化合物(B)として、上記式(B)中、RB1およびRB2がOH基であり、RB3が上記式(b)で表される基であり、R1、R2、R3およびR4がエチレン基であり、n1、n2、n3およびn4が、それぞれ独立に1以上の整数であり、かつn1、n2、n3およびn4の合計が6以上20以下の整数であり、上記式(b)中、Rbが−(CH22CH3である化合物を用いた以外は、実施例2−1と同様にして、時計バンド用潤滑処理剤を得た。
[実施例3−1]
化合物(A)としてポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート(化合物(a2);上記式(a2)中、Ra21およびRa22がOH基であり、Ra23が上記式(aa2)で表される基であり、R1、R2、R3およびR4がエチレン基であり、n1、n2、n3およびn4が、それぞれ独立に1以上の整数であり、かつn1、n2、n3およびn4の合計が6以上20以下の整数であって、上記式(aa2)中、Raa2が−(CH216CH3である場合)60質量部と、化合物(B)としてポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート(上記式(B)中、RB1およびRB2がOH基であり、RB3が上記式(b)で表される基であり、R1、R2、R3およびR4がエチレン基であり、n1、n2、n3およびn4が、それぞれ独立に1以上の整数であり、かつn1、n2、n3およびn4の合計が6以上20以下の整数であり、上記式(b)中、Rbが−(CH210CH3である場合)40質量部とを用いた。
まず、化合物(B)に化合物(A)を加え、均一になるよう混合した。次いで、得られた混合物を水に溶解させて、水溶液である時計バンド用潤滑処理剤を調製した。ここで、時計バンド用潤滑処理剤は、化合物(A)および化合物(B)を合計で15質量%の量で含む水溶液となるように調製した。
[実施例3−2]
時計バンド用潤滑処理剤が化合物(A)および化合物(B)を合計で3質量%の量で含む水溶液となるように調製した以外は、実施例3−1と同様にして、時計バンド用潤滑処理剤を得た。
[実施例3−3]
時計バンド用潤滑処理剤が化合物(A)および化合物(B)を合計で30質量%の量で含む水溶液となるように調製した以外は、実施例3−1と同様にして、時計バンド用潤滑処理剤を得た。
[実施例3−4]
化合物(A)を40質量部および化合物(B)を60質量部の量で用いた以外は、実施例3−1と同様にして、時計バンド用潤滑処理剤を得た。
[実施例3−5]
時計バンド用潤滑処理剤が化合物(A)および化合物(B)を合計で3質量%の量で含む水溶液となるように調製した以外は、実施例3−4と同様にして、時計バンド用潤滑処理剤を得た。
[実施例3−6]
時計バンド用潤滑処理剤が化合物(A)および化合物(B)を合計で30質量%の量で含む水溶液となるように調製した以外は、実施例3−4と同様にして、時計バンド用潤滑処理剤を得た。
[実施例3−7]
化合物(A)を20質量部および化合物(B)を80質量部の量で用いた以外は、実施例3−1と同様にして、時計バンド用潤滑処理剤を得た。
[実施例3−8]
時計バンド用潤滑処理剤が化合物(A)および化合物(B)を合計で3質量%の量で含む水溶液となるように調製した以外は、実施例3−7と同様にして、時計バンド用潤滑処理剤を得た。
[実施例3−9]
時計バンド用潤滑処理剤が化合物(A)および化合物(B)を合計で30質量%の量で含む水溶液となるように調製した以外は、実施例3−7と同様にして、時計バンド用潤滑処理剤を得た。
[実施例3−10]
化合物(A)(化合物(a2))として、上記式(a2)中、Ra21およびRa22がOH基であり、Ra23が上記式(aa2)で表される基であり、R1、R2、R3およびR4がエチレン基であり、n1、n2、n3およびn4が、それぞれ独立に1以上の整数であり、かつn1、n2、n3およびn4の合計が6以上20以下の整数であって、上記式(aa2)中、Raa2が−(CH212CH3である化合物を用いた以外は、実施例3−1と同様にして、時計バンド用潤滑処理剤を得た。
[実施例3−11]
化合物(B)として、上記式(B)中、RB1およびRB2がOH基であり、RB3が上記式(b)で表される基であり、R1、R2、R3およびR4がエチレン基であり、n1、n2、n3およびn4が、それぞれ独立に1以上の整数であり、かつn1、n2、n3およびn4の合計が6以上20以下の整数であり、上記式(b)中、Rbが−(CH22CH3である化合物を用いた以外は、実施例3−1と同様にして、時計バンド用潤滑処理剤を得た。
[比較例1]
化合物(B)としてポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート(上記式(B)中、RB1およびRB2がOH基であり、RB3が上記式(b)で表される基であり、R1、R2、R3およびR4がエチレン基であり、n1、n2、n3およびn4が、それぞれ独立に1以上の整数であり、かつn1、n2、n3およびn4の合計が6以上20以下の整数であり、上記式(b)中、Rbが−(CH210CH3である場合)を用いた。化合物(B)を水に溶解させて、化合物(B)を15質量%の量で含む水溶液を調製した。
<評価方法および評価結果>
調製した時計バンド用潤滑処理剤を用いて、図1および図2に示す中留6を処理した。具体的には、中留6を時計バンド用潤滑処理剤の水溶液に浸漬した。水溶液への浸漬は、常温で行った。次いで、中留6を水で洗い、乾燥させた。この処理により、中留6の表面(中留本体6aの内部表面)に化合物(A)および化合物(B)を付着させた。
処理直後の中留6について、スライド部が潤滑できるか、すなわち時計バンドを縮める方向にスライド操作が可能かを調べた。次に、処理後の中留6に対して、時計バンドを縮める方向へのスライド操作と、時計バンドを伸ばす方向へのスライド操作を10分間連続して行った。連続スライド操作後の中留6について、スライド部が潤滑できるか、すなわち時計バンドを縮める方向にスライド操作が可能かを調べた。また、処理後の中留6に対して、湿度80%RH、温度95℃で150時間エージング試験を行った。エージング試験後の中留6について、スライド部が潤滑できるか、すなわち時計バンドを縮める方向にスライド操作が可能かを調べた。ここで、スライド部が潤滑できるかについては、室温(20℃)で行った。結果を以下の評価基準で評価した。評価結果を表1〜表3に示す。なお、表1には、比較例2として、時計バンド用潤滑処理剤による処理を行わなかった中留6についての評価結果も示す。
AA:小さい押圧力で時計バンドを縮める方向にスライド操作ができる。
A:AAよりも大きい押圧力で時計バンドを縮める方向にスライド操作ができる。
B:AAよりもかなり大きい押圧力で時計バンドを縮める方向にスライド操作ができる。
C:押圧力を加えても時計バンドを縮める方向にスライド操作ができない。
また、処理直後の中留6について、しみが発生していないかを調べた。実施例で調製した時計バンド用潤滑処理剤のいずれを用いた場合も、しみは発生していなかった。さらに、連続スライド操作後の中留6およびエージング試験後の中留6について、しみが発生していないかを調べた。実施例で調製した時計バンド用潤滑処理剤のいずれを用いた場合も、しみは発生していなかった。このように、本実施形態の時計バンド用潤滑処理剤は、しみの発生を抑えられると共に、潤滑性も向上できる。
Figure 0006814721
Figure 0006814721
Figure 0006814721
上記実施例は、時計バンド用潤滑処理剤についての実施例である。これらの結果から、その他の装飾品用潤滑処理剤(たとえば時計やブレスレットなどの装飾品に含まれる摺動部用潤滑処理剤)も、上記時計バンド用潤滑処理剤と同様の効果を発揮できると考えられる。すなわち、しみの発生が抑えられ、また、長期に渡って優れた潤滑性を維持できると考えられる。
1 6時側バンド
2 12時側バンド
3 中板
4 外板
5 中折れ部材
6 中留
6a 中留本体
9 係合爪
9a 軸部
9b 傘部
16 中留枠
17 プッシュボタン保持部材
18 スライド板
19、20 プッシュボタン
35 板本体
36 開口部
37 ラチェット歯
37a 係止側部
38 ボタン本体
39 切欠き部
40 係合部
41 係合突起

Claims (7)

  1. 下記式(A)で表される化合物(A)と下記式(B)で表される化合物(B)とを含み、前記化合物(A)および前記化合物(B)を合計で1質量%以上の量で含むことを特徴とする装飾品用潤滑処理剤。
    Figure 0006814721
    (式(A)中、RA1、RA2およびRA3のうち少なくとも1つは、それぞれ独立に下記式(a)で表される基であり、RA1、RA2およびRA3のうち下記式(a)で表される基以外はOH基であり、R1、R2、R3およびR4は、それぞれ独立に炭素数が2以上4以下のアルキレン基であり、n1、n2、n3およびn4は、それぞれ独立に1以上の整数であり、かつn1、n2、n3およびn4の合計は6以上20以下の整数である。)
    Figure 0006814721
    (式(a)中、Raは、炭素数が12以上の飽和炭化水素基または炭素数が12以上の不飽和炭化水素基である。)
    Figure 0006814721
    (式(B)中、RB1、RB2およびRB3のうち2つはOH基であり、RB1、RB2およびRB3のうちOH基以外は下記式(b)で表される基であり、R1、R2、R3およびR4は、それぞれ独立に炭素数が2以上4以下のアルキレン基であり、n1、n2、n3およびn4は、それぞれ独立に1以上の整数であり、かつn1、n2、n3およびn4の合計は6以上20以下の整数である。)
    Figure 0006814721
    (式(b)中、Rbは、炭素数が11以下の飽和炭化水素基または炭素数が11以下の不飽和炭化水素基である。)
  2. 前記装飾品用潤滑処理剤が、前記化合物(A)および前記化合物(B)を合計で3質量%以上30質量%以下の量で含む水溶液であることを特徴とする請求項1に記載の装飾品用潤滑処理剤。
  3. 前記化合物(A)として、下記式(a1)で表される化合物(a1)および下記式(a2)で表される化合物(a2)を含むことを特徴とする請求項1または2に記載の装飾品用潤滑処理剤。
    Figure 0006814721
    (式(a1)中、Ra11、Ra12およびRa13は、それぞれ独立に下記式(aa1)で表される基であり、R1、R2、R3およびR4は、それぞれ独立に炭素数が2以上4以下のアルキレン基であり、n1、n2、n3およびn4は、それぞれ独立に1以上の整数であり、かつn1、n2、n3およびn4の合計は6以上20以下の整数である。)
    Figure 0006814721
    (式(aa1)中、Raa1は、炭素数が12以上の飽和炭化水素基または炭素数が12以上の不飽和炭化水素基である。)
    Figure 0006814721
    (式(a2)中、Ra21、Ra22およびRa23のうち2つはOH基であり、Ra21、Ra22およびRa23のうちOH基以外は下記式(aa2)で表される基であり、R1、R2、R3およびR4は、それぞれ独立に炭素数が2以上4以下のアルキレン基であり、n1、n2、n3およびn4は、それぞれ独立に1以上の整数であり、かつn1、n2、n3およびn4の合計は6以上20以下の整数である。)
    Figure 0006814721
    (式(aa2)中、Raa2は、炭素数が12以上の飽和炭化水素基または炭素数が12以上の不飽和炭化水素基である。)
  4. 時計バンド用潤滑処理剤によって金属製の中留を処理する処理工程と、
    前記処理工程で処理された前記中留を用いて時計を組み立てる組み立て工程とを含み、
    前記時計バンド用潤滑処理剤が、下記式(A)で表される化合物(A)と下記式(B)で表される化合物(B)とを含み、前記化合物(A)および前記化合物(B)を合計で1質量%以上の量で含むことを特徴とする時計の製造方法。
    Figure 0006814721
    (式(A)中、RA1、RA2およびRA3のうち少なくとも1つは、それぞれ独立に下記式(a)で表される基であり、RA1、RA2およびRA3のうち下記式(a)で表される基以外はOH基であり、R1、R2、R3およびR4は、それぞれ独立に炭素数が2以上4以下のアルキレン基であり、n1、n2、n3およびn4は、それぞれ独立に1以上の整数であり、かつn1、n2、n3およびn4の合計は6以上20以下の整数である。)
    Figure 0006814721
    (式(a)中、Raは、炭素数が12以上の飽和炭化水素基または炭素数が12以上の不飽和炭化水素基である。)
    Figure 0006814721
    (式(B)中、RB1、RB2およびRB3のうち2つはOH基であり、RB1、RB2およびRB3のうちOH基以外は下記式(b)で表される基であり、R1、R2、R3およびR4は、それぞれ独立に炭素数が2以上4以下のアルキレン基であり、n1、n2、n3およびn4は、それぞれ独立に1以上の整数であり、かつn1、n2、n3およびn4の合計は6以上20以下の整数である。)
    Figure 0006814721
    (式(b)中、Rbは、炭素数が11以下の飽和炭化水素基または炭素数が11以下の不飽和炭化水素基である。)
  5. 前記時計バンド用潤滑処理剤が、前記化合物(A)および前記化合物(B)を合計で3質量%以上30質量%以下の量で含む水溶液であることを特徴とする請求項4に記載の時計の製造方法。
  6. 金属製の中留を有する時計であって、前記中留に、下記式(A)で表される化合物(A)と下記式(B)で表される化合物(B)とが付着していることを特徴とする時計。
    Figure 0006814721
    (式(A)中、RA1、RA2およびRA3のうち少なくとも1つは、それぞれ独立に下記式(a)で表される基であり、RA1、RA2およびRA3のうち下記式(a)で表される基以外はOH基であり、R1、R2、R3およびR4は、それぞれ独立に炭素数が2以上4以下のアルキレン基であり、n1、n2、n3およびn4は、それぞれ独立に1以上の整数であり、かつn1、n2、n3およびn4の合計は6以上20以下の整数である。)
    Figure 0006814721
    (式(a)中、Raは、炭素数が12以上の飽和炭化水素基または炭素数が12以上の不飽和炭化水素基である。)
    Figure 0006814721
    (式(B)中、RB1、RB2およびRB3のうち2つはOH基であり、RB1、RB2およびRB3のうちOH基以外は下記式(b)で表される基であり、R1、R2、R3およびR4は、それぞれ独立に炭素数が2以上4以下のアルキレン基であり、n1、n2、n3およびn4は、それぞれ独立に1以上の整数であり、かつn1、n2、n3およびn4の合計は6以上20以下の整数である。)
    Figure 0006814721
    (式(b)中、Rbは、炭素数が11以下の飽和炭化水素基または炭素数が11以下の不飽和炭化水素基である。)
  7. 時計バンド用であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の装飾品用潤滑処理剤。
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