JP6814672B2 - 加工方法 - Google Patents

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本発明は、板状物の裏面に膜が成膜されるとともに交差する複数の分断予定ラインが設定された被加工物の加工方法に関する。
金属膜や樹脂膜等、特に延性を有する膜を備える板状物を切削ブレードで切削すると、切削ブレードに膜による目詰まりが生じる。そこで、切削加工を施す前に、予め上記膜をレーザビームで除去する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2016−42526号公報
しかし、レーザビームで膜を除去するとデブリが発生する上、一般的に高価なレーザ加工装置を利用して加工することになるため製造コストも嵩むという問題がある。
よって、成膜された板状の被加工物を加工する場合には、切削ブレードに目詰まりを発生させることなく、かつ、レーザ加工装置を利用せずとも被加工物を加工できるようにするという課題がある。
上記課題を解決するための本発明は、板状物の裏面に膜が成膜されるとともに交差する複数の分断予定ラインが表面に設定された被加工物を該分断予定ラインに沿って分断して複数のチップを形成する加工方法であって、被加工物の表面から該分断予定ラインに沿って該膜に至らず該板状物を残し部として溝底に残した溝を形成する溝形成ステップと、該溝形成ステップを実施した後に被加工物の該表面にエキスパンドシートを貼着するエキスパンドシート貼着ステップと、該エキスパンドシート貼着ステップを実施した後、被加工物を0℃以下かつ該エキスパンドシートが破断しない温度に冷却して該エキスパンドシートを拡張することで該溝に沿って該膜を該残し部とともに分断するエキスパンドステップと、を備えた加工方法である。
前記エキスパンドシート貼着ステップの実施中または実施後で且つ前記エキスパンドステップを実施する前に、前記エキスパンドシートまたは被加工物の少なくとも一方を加熱して被加工物に該エキスパンドシートを密着させるシート密着ステップを備えるものとすると好ましい。
本発明に係る加工方法は、被加工物の表面から分断予定ラインに沿って膜に至らず板状物を残し部として溝底に残した溝を形成する溝形成ステップと、溝形成ステップを実施した後に被加工物の表面にエキスパンドシートを貼着するエキスパンドシート貼着ステップと、エキスパンドシート貼着ステップを実施した後、被加工物を0℃以下かつエキスパンドシートが破断しない温度に冷却してエキスパンドシートを拡張することで溝に沿って膜を残し部とともに分断するエキスパンドステップとを備えているため、レーザ加工装置を利用せず、また、切削ブレードに膜による目詰まりを発生させることもなく、膜をエキスパンドで残し部とともに確実に分断して、被加工物からチップを作製することができる。
また、エキスパンドシート貼着ステップの実施中または実施後で且つエキスパンドステップを実施する前に、エキスパンドシートまたは被加工物の少なくとも一方を加熱して被加工物にエキスパンドシートを密着させるシート密着ステップを更に備えるものとすることで、エキスパンドステップにおけるエキスパンドシートを介した被加工物に対する拡張力の付加をより確実なものとすることができる。
被加工物の一例を示す断面図である。 切削装置を用いて被加工物に溝を形成している状態を示す断面図である。 被加工物に形成された溝の一例を拡大して示す断面図である。 被加工物に溝を形成するためのプラズマエッチング装置の一例を示す断面図である。 エキスパンドシートが表面側に貼着された状態の被加工物の一部を示す断面図である。 エキスパンド装置に、エキスパンドシートを介してリングフレームで支持された被加工物をセットした状態を示す断面図である。 エキスパンド装置によってエキスパンドシートを拡張している状態を示す断面図である。
図1に示す被加工物Wは、例えば、シリコンからなる板状物W1を備える円形状の半導体ウエーハであり、板状物W1の表面、すなわち、被加工物Wの表面W1aには複数の分断予定ラインSがそれぞれ直交するように設定されている。そして、分断予定ラインSによって区画された格子状の領域には、デバイスDがそれぞれ形成されている。図1において−Z方向側に向いている板状物W1の裏面W1bには、銅及びニッケル等の金属からなり電極として働く一様な厚さ(例えば、0.5μm〜10μm)の膜W2が形成されている。膜W2の露出面は、被加工物Wの裏面W2bとなる。なお、被加工物Wの構成は、本実施形態に示す例に限定されるものではない。例えば、板状物W1はシリコン以外にサファイア、ガリウム又はシリコンカーバイド等で構成されていてもよく、また、膜W2は、金属膜ではなく、例えばDAF(Die Attach Film)やDBF(Die Backside Film)等の厚さ5μm〜30μm程度の樹脂膜であってもよい。
以下に、本発明に係る加工方法を実施して図1に示す被加工物WからデバイスDを備えるチップを作製する場合の、加工方法の各ステップについて説明していく。
(1−1)切削装置を用いる溝形成ステップ
まず、図1に示す被加工物Wの表面W1aから分断予定ラインSに沿って溝を形成する溝形成ステップを実施する。本溝形成ステップにおいては、例えば、図2に示す切削装置1を用いて溝形成を行う。
溝が形成されるにあたり、図2に示すように、被加工物Wは、裏面W2bにダイシングテープT1が貼着され、ダイシングテープT1の粘着面の外周部は、環状フレームF1に貼着された状態になる。そして、表面W1aが上方に向かって露出した状態の被加工物Wは、環状フレームF1によるハンドリングが可能な状態となる。
図2に示す切削装置1は、例えば、被加工物Wを吸引保持するチャックテーブル10と、チャックテーブル10に保持された被加工物Wに対して回転する切削ブレード110で切削加工を施す切削手段11と、を少なくとも備えている。
チャックテーブル10は、例えば、その外形が円形状であり、ポーラス部材等からなる保持面10a上で被加工物Wを吸引保持する。チャックテーブル10は、鉛直方向(Z軸方向)の軸心周りに回転可能であるとともに、図示しない切削送り手段によりX軸方向に往復移動可能となっている。チャックテーブル10の外周部には、例えば4つ(図示の例においては、2つのみ図示している)の固定クランプ100が環状フレームF1を固定するために均等に配設されている。
切削手段11は、軸方向が被加工物Wの移動方向(X軸方向)に対し水平方向に直交する方向(Y軸方向)であるスピンドル111を備えており、スピンドル111の先端には円環状の切削ブレード110が固定されている。なお、最終的に被加工物Wから分割されたチップの外周縁から膜W2等がバリ状にはみ出す量を抑えるためにも、本ステップにおいて形成する溝の幅はなるべく小さくなる方が好ましい。そのため、切削ブレード110は、例えば、その刃厚が10μm以下の細厚のブレードであると好ましい。
まず、図2に示すように、環状フレームF1により支持されている被加工物Wが、表面W1aが上側を向いた状態でチャックテーブル10により吸引保持される。また、各固定クランプ100によって環状フレームF1が挟持固定される。次いで、図示しないアライメント手段により、切削ブレード110を切り込ませる分断予定ラインSのY軸方向の座標位置が検出される。そして、切削手段11がY軸方向に割り出し送りされ、切削すべき分断予定ラインSに対して切削ブレード110が位置付けられる。
スピンドル111が回転することに伴い、切削ブレード110が例えば−Y方向側から見て時計回り方向に高速回転する。さらに、切削手段11が−Z方向に向かって切り込み送りされ、切削ブレード110の最下端が板状物W1の裏面W1bよりも所定距離(例えば、10μm〜25μm)だけ上方となる高さ位置に、切削手段11が位置付けられる。
チャックテーブル10が所定の切削送り速度で−X方向側(紙面奥側)に送り出されることで、回転する切削ブレード110が分断予定ラインSに沿って被加工物Wの表面W1a側から板状物W1に切り込んでいき、図2、3に示す膜W2に至らない溝M1が形成されていく。図3に示すように、溝M1の溝底には、板状物W1が残し部W1dとして10μm〜25μmの厚さで残った状態になる。溝M1の幅は例えば約10μmとなる。
切削ブレード110が一本の分断予定ラインSを切削し終えるX軸方向の所定の位置まで被加工物Wが送られると、切削ブレード110が被加工物Wから離間し、次いで、被加工物Wが+X方向に移動し原点位置に戻る。そして、隣り合う分断予定ラインSの間隔ずつ切削ブレード110を+Y方向に割り出し送りしながらX軸方向の全ての分断予定ラインSについて順次同様の切削を行い、さらに、被加工物Wを90度回転させてから同様の切削加工を行うことで、全ての分断予定ラインSに沿って膜W2に至らず板状物W1を残し部W1dとして溝底に残した溝M1を被加工物Wに形成する。
(1−2)プラズマエッチング装置を用いる溝形成ステップ
溝形成ステップは、上記のように図2に示す切削装置1を用いて実施する代わりに、図4に示すプラズマエッチング装置9を用いて実施してもよい。
図4に示すプラズマエッチング装置9は、被加工物Wを保持する静電チャック90と、ガスを噴出するガス噴出ヘッド91と、静電チャック90及びガス噴出ヘッド91を内部に収容したチャンバ92とを備えている。
例えば、アルミナ等のセラミック又は酸化チタン等の誘電体で形成される静電チャック90は、支持部材900によって下方から支持されている。静電チャック90の内部には、電圧が印加されることにより電荷を発生する電極(金属板)901が静電チャック90の保持面90aと平行に配設されており、この電極901は、整合器94a及びバイアス高周波電源95aに接続されている。なお、例えば、静電チャック90は、本実施形態のような単極型の静電チャックに限定されるものではなく、いわゆる双極型の静電チャックであってもよい。
チャンバ92の上部に軸受け919を介して昇降自在に配設されたガス噴出ヘッド91の内部には、ガス拡散空間910が設けられており、ガス拡散空間910の上部にはガス導入口911が連通し、ガス拡散空間910の下部にはガス吐出口912が複数連通している。各ガス吐出口912の下端は、静電チャック90の保持面90aに向かって開口している。
ガス導入口911には、ガス供給部93が接続されている。ガス供給部93は、例えばSF、CF、C、C等のフッ素系ガスをエッチングガスとして蓄えている。
ガス噴出ヘッド91には、整合器94を介して高周波電源95が接続されている。高周波電源95から整合器94を介してガス噴出ヘッド91に高周波電力を供給することにより、ガス吐出口912から吐出されたエッチングガスをプラズマ化することができる。プラズマエッチング装置9は、図示しない制御部を備えており、制御部による制御の下で、ガスの吐出量や時間、高周波電力等の条件がコントロールされる。
チャンバ92の底には排気口96が形成されており、この排気口96には排気装置97が接続されている。この排気装置97を作動させることにより、チャンバ92の内部を所定の真空度まで減圧することができる。
チャンバ92の側部には、被加工物Wの搬入出を行うための搬入出口920と、この搬入出口920を開閉するゲートバルブ921とが設けられている。
被加工物Wはプラズマエッチングが施されて溝が形成されるにあたり、各デバイスD(図4においては不図示)がレジスト膜Rによって保護された状態になる。すなわち、例えば、ポジ型レジスト液が被加工物Wの表面W1aに塗布され一様な厚さのレジスト膜が表面W1a上に形成された後、分断予定ラインSにのみ紫外光が照射され、露光後の被加工物Wが現像されることで、分断予定ラインSが露出しかつデバイスDがレジスト膜Rにより保護された状態となる。なお、最終的に被加工物Wから分割されたチップの外周縁から膜W2等がバリ状にはみ出す量を抑えるためにも、形成する溝の幅はなるべく小さくなる方が好ましい。そのため、例えば、レジスト膜Rを分断予定ラインSが10μm以下の幅で露出するように形成すると好ましく、分断予定ラインSが5μm以下の幅で露出するように形成するとさらに好ましい。
また、被加工物Wの裏面W2bにはテープ又はハードプレートが保護部材T2として貼着され、裏面W2bは保護部材T2によって保護された状態になる。
溝の形成においては、まず、ゲートバルブ921を開け、搬入出口920から被加工物Wをチャンバ92内に搬入し、表面W1a側を上に向けて被加工物Wを静電チャック90の保持面90a上に載置する。ゲートバルブ921を閉じ、排気装置97によってチャンバ92内を排気し、チャンバ92内を所定の圧力の密閉空間とする。
ガス噴出ヘッド91を所定の高さ位置まで下降させ、その状態でガス供給部93から例えばSFを主体とするエッチングガスをガス拡散空間910に供給し、ガス吐出口912から下方に噴出させる。また、高周波電源95からガス噴出ヘッド91に高周波電力を印加して、ガス噴出ヘッド91と静電チャック90との間に高周波電界を生じさせ、エッチングガスをプラズマ化させる。これに並行して、電極901にバイアス高周波電源95aから電圧を印加することで、静電チャック90の保持面90aと被加工物Wとの間に誘電分極現象を発生させ、電荷の分極による静電吸着力によって被加工物Wを保持面90a上に吸着保持する。
プラズマ化したエッチングガスは、レジスト膜Rで被覆されている各デバイスDはエッチングせずに、分断予定ラインS上を−Z方向に向かって異方性エッチングしていく。そのため、図3に示す分断予定ラインSに沿った格子状の溝M1が板状物W1に形成されていく。
図3に示すように、溝M1の底が板状物W1の裏面W1bよりも所定距離(例えば、10μm〜25μm)だけ上方となる高さ位置までプラズマエッチングを進行させた後、プラズマエッチングを終了させる。すなわち、図4に示すチャンバ92内へのエッチングガス等の導入及びガス噴出ヘッド91への高周波電力の供給を停止し、また、チャンバ92内のエッチングガスを排気口96から排気装置97に排気し、チャンバ92内部にエッチングガスが存在しない状態とする。その結果、図3に示すように、全ての分断予定ラインSに沿って膜W2に至らず板状物W1を残し部W1dとして溝底に残した溝M1を被加工物Wに形成する。なお、形成された溝M1の幅は、10μm以下であると好ましく、5μm以下であるとさらに好ましい。
なお、溝形成ステップは、上記のようなSF6ガス単体によるプラズマエッチングで行われる形態に限定されず、SF6ガスによるプラズマエッチングとC4F8による溝側壁等に対する保護膜堆積(デポジション)とを交互に繰り返すボッシュ法により行われるものとしてもよい。
次いで、図4に示す被加工物Wの表面W1a上からレジスト膜Rを除去する。レジスト膜Rの除去は、例えば、所定薬剤を用いたウェット処理、又はプラズマエッチング装置9によるレジスト膜Rのアッシング(灰化)によって行う。
(2)エキスパンドシート貼着ステップ
上記のように(1−1)切削装置1を用いる溝形成ステップ、又は(1−2)プラズマエッチング装置9を用いる溝形成ステップのいずれかを実施した後、図5に示すように、被加工物Wの表面W1aにエキスパンドシートT3を貼着する。エキスパンドシートT3は、例えば、被加工物Wの外径よりも大きい外径を有する円盤状のシートであり、機械的外力に対する適度な伸縮性を備えている。例えば、図示しない貼り付けテーブル上に載置された被加工物Wの中心とリングフレームF2の円形の開口の中心とが略合致するように、被加工物Wに対してリングフレームF2が位置付けられる。そして、貼り付けテーブル上でプレスローラー等により被加工物Wの表面W1aにエキスパンドシートT3が押し付けられて貼着される。同時に、エキスパンドシートT3の粘着面T3aの外周部をリングフレームF2にも貼着することで、被加工物Wは、エキスパンドシートT3を介してリングフレームF2に支持された状態となり、リングフレームF2を介したハンドリングが可能な状態になる。なお、被加工物Wだけに先にエキスパンドシートT3をプレスローラー等で貼着した後、リングフレームF2に対して被加工物Wを適切に位置付けて、リングフレームF2にエキスパンドシートT3を貼着してもよい。また、被加工物Wの裏面W2bから図2に示すダイシングテープT1又は図4に示す保護部材T2が剥離される。
(3)シート密着ステップ
例えば、上記エキスパンドシート貼着ステップを実施した後、エキスパンドシートT3または被加工物Wの少なくとも一方を加熱して被加工物WにエキスパンドシートT3を密着させるシート密着ステップを実施する。エキスパンドシートT3又は被加工物Wの加熱は、例えば、図5に示す所定温度に加熱されたヒーターテーブル7上で行われる。ヒーターテーブル7の温度は、エキスパンドシートT3を構成する基材層及び粘着層の種類並びにシート厚み等によって適切な温度(例えば、70℃)に設定される。すなわち、ヒーターテーブル7の温度は、熱によるエキスパンドシートT3の溶融及びエキスパンドシートT3の熱収縮による外径の変化が生じない程度の温度に設定される。
図5に示す例においては、エキスパンドシートT3を下側に向けてヒーターテーブル7上に被加工物Wを載置してエキスパンドシートT3及び被加工物Wを加熱しているが、これに限定されず、被加工物Wを下側に向けてヒーターテーブル7上に被加工物Wを載置して加熱してもよい。
例えば、被加工物Wをヒーターテーブル7上に約1分間載置することで、エキスパンドシートT3及び被加工物Wの加熱を完了させる。エキスパンドシートT3は、加熱されたことでエキスパンドシートT3の粘着面T3aが軟化して被加工物Wの表面W1aにより密着した状態となっている。なお、被加工物Wの加熱はヒーターテーブル7を用いて接触式で行う形態に限定されず、例えば赤外線を放射可能な赤外線ランプや加熱オーブンなどで、非接触でエキスパンドシートT3又は被加工物Wの少なくとも一方を加熱するようにしてもよい。
シート密着ステップは、上記(2)エキスパンドシート貼着ステップを実施している最中に行ってもよい。この場合には、ヒーターテーブル7に被加工物Wの表面W1aを上側に向けた状態で保持し、被加工物Wを加熱しつつ、被加工物Wの表面W1aに対してリングフレームF2の開口内に露出しているエキスパンドシートT3の粘着面T3aを上方から押し付けることで、被加工物WにエキスパンドシートT3を貼着する。
(4)エキスパンドステップ
次いで、エキスパンドシートT3を介してリングフレームF2によって支持された状態の被加工物Wを、図6に示すエキスパンド装置5に搬送する。なお、上記シート密着ステップを実施せずに、(2)エキスパンドシート貼着ステップを実施した後、本エキスパンドステップを実施するものとしてもよい。エキスパンド装置5は、図6に示すように、内部の温度を所定の温度に設定することが可能な冷却チャンバ6内に収容されている。
エキスパンド装置5は、例えば、エキスパンドシートT3の外径よりも大きな外径を備える環状テーブル50を具備しており、環状テーブル50の開口50cの直径はエキスパンドシートT3の外径よりも小さく形成されている。環状テーブル50の外周側には、例えば4つ(図6においては、2つのみ図示している)の固定クランプ52が均等に配設されている。固定クランプ52は、バネ等によって回転軸52cを軸に回動可能となっており、環状テーブル50の保持面50aと固定クランプ52の下面との間にリングフレームF2及びエキスパンドシートT3を挟み込むことができる。環状テーブル50は、例えば、エアシリンダ等で構成される環状テーブル昇降手段55によって上下動可能となっている。
環状テーブル50の開口50c内には、円筒状の拡張ドラム53が配設されており、環状テーブル50の中心と拡張ドラム53の中心とは略合致している。この拡張ドラム53の外径は、エキスパンドシートT3の外径より小さく、かつ、被加工物Wの外径よりも大きく形成されている。拡張ドラム53は、例えば、エアシリンダ等で構成される拡張ドラム昇降手段56によって上下動可能となっている。
まず、リングフレームF2によって支持された被加工物Wが、冷却チャンバ6の図示しない搬入口から冷却チャンバ6内に搬入され、基準高さ位置に位置付けられた環状テーブル50の保持面50aに、エキスパンドシートT3を介してリングフレームF2が載置される。次いで、リングフレームF2及びエキスパンドシートT3が、固定クランプ52と環状テーブル50の保持面50aとの間に挟持固定される。この状態においては、環状テーブル50の保持面50aと拡張ドラム53の環状の上端面とは同一の高さ位置にあり、拡張ドラム53の上端面が、エキスパンドシートT3のリングフレームF2の内周縁と被加工物Wの外周縁との間の領域に、エキスパンドシートT3の基材面側(図6における下面側)から当接する。
冷却チャンバ6は、チャンバ内部の温度が例えば0℃以下かつエキスパンドシートT3が破断しない温度(例えば、約−15℃)を保つように設定されている。そのため、エキスパンド装置5に搬送された被加工物Wは、エキスパンドシートT3と共に冷却チャンバ6内で−15℃程度まで冷却される。
図7に示すように、環状テーブル昇降手段55が、固定クランプ52との間にリングフレームF2及びエキスパンドシートT3を挟み込んだ状態の環状テーブル50を下降させることで、環状テーブル50の保持面50aを拡張ドラム53の上端面より下方のシート拡張位置に位置付ける。その結果、拡張ドラム53は固定クランプ52に対して相対的に上昇し、エキスパンドシートT3は、拡張ドラム53の上端面で押し上げられて径方向外側に向かって拡張される。なお、環状テーブル50を下降させるのではなく、拡張ドラム昇降手段56が拡張ドラム53の上昇させることで、エキスパンドシートT3を拡張するものとしてもよい。
板状物W1中の厚みが薄くなった箇所である残し部W1dは、エキスパンドシートT3を介して付与される拡張力によって破断しやすくなっている。また、エキスパンド装置5に搬送される前に図5に示すヒーターテーブル7により加温された状態の板状物W1(シート密着ステップを実施していない場合には、常温の状態の板状物W1)は、冷却チャンバ6内で−15℃程度まで冷却されることで、温度変化によって破断しやすくなっている。さらに、金属膜W2も、上記温度変化により拡張力が加えられた際に変形せずに破断しやすくなっている。したがって、エキスパンドシートT3を介した拡張力が直に加わる残し部W1dが溝M1に沿ってまず破断することで、残し部W1d上の金属膜W2にもその抗張力以上の拡張力が一気に加わり膜W2が破断する。即ち、各溝M1に沿って膜W2が残し部W1dとともに分断され、被加工物Wから図7に示す複数のチップCを形成することができる。
本発明に係る加工方法は、被加工物Wの表面W1aから分断予定ラインSに沿って膜W2に至らず板状物W1を残し部W1dとして溝底に残した溝M1を形成する溝形成ステップと、溝形成ステップを実施した後に被加工物Wの表面W1aにエキスパンドシートT3を貼着するエキスパンドシート貼着ステップと、エキスパンドシート貼着ステップを実施した後、被加工物Wを0℃以下かつエキスパンドシートT3が破断しない温度に冷却してエキスパンドシートT3を拡張することで溝M1に沿って膜W2を残し部W1dとともに分断するエキスパンドステップとを備えているため、レーザ加工装置を利用せず、また、切削ブレード110に膜W2による目詰まりを発生させることもなく、膜W2をエキスパンドで残し部W1dとともに確実に分断して、被加工物WからチップCを作製することができる。
また、エキスパンドシート貼着ステップの実施中または実施後で且つエキスパンドステップを実施する前に、エキスパンドシートT3または被加工物Wの少なくとも一方を加熱して被加工物WにエキスパンドシートT3を密着させるシート密着ステップを更に備えるものとすることで、エキスパンドステップにおけるエキスパンドシートT3を介した被加工物Wに対する拡張力の付加をより確実なものとすることができる。
W:被加工物 W1:板状物 W1a:被加工物の表面 S:分断予定ライン D:デバイス W1b:板状物の裏面 W2:膜 W2a:膜の表面 W2b:被加工物の裏面
T1:ダイシングテープ F1:環状フレーム M1:溝 W1d:残し部
1:切削装置 10:チャックテーブル 10a:保持面 100:固定クランプ
11:切削手段 110:切削ブレード 111:スピンドル
9:プラズマエッチング装置
90:静電チャック 90a:静電チャックの保持面 900:支持部材 901:電極
91:ガス噴出ヘッド 910:ガス拡散空間 911:ガス導入口
912:ガス吐出口
92:チャンバ 920:搬入出口 921:ゲートバルブ
93:ガス供給部 94,94a:整合器 95,95a:高周波電源,バイアス高周波電源 96:排気口 97:排気装置
R:レジスト膜 T2:保護部材
T3:エキスパンドシート F2:リングフレーム 7:ヒーターテーブル
5:エキスパンド装置 50:環状テーブル 50a:環状テーブルの保持面 50c:環状テーブルの開口 52:固定クランプ 53:拡張ドラム
55:環状テーブル昇降手段 56:拡張ドラム昇降手段

Claims (2)

  1. 板状物の裏面に膜が成膜されるとともに交差する複数の分断予定ラインが表面に設定された被加工物を該分断予定ラインに沿って分断して複数のチップを形成する加工方法であって、
    被加工物の表面から該分断予定ラインに沿って該膜に至らず該板状物を残し部として溝底に残した溝を形成する溝形成ステップと、
    該溝形成ステップを実施した後に被加工物の該表面にエキスパンドシートを貼着するエキスパンドシート貼着ステップと、
    該エキスパンドシート貼着ステップを実施した後、被加工物を0℃以下かつ該エキスパンドシートが破断しない温度に冷却して該エキスパンドシートを拡張することで該溝に沿って該膜を該残し部とともに分断するエキスパンドステップと、を備えた加工方法。
  2. 前記エキスパンドシート貼着ステップの実施中または実施後で且つ前記エキスパンドステップを実施する前に、前記エキスパンドシートまたは被加工物の少なくとも一方を加熱して被加工物に該エキスパンドシートを密着させるシート密着ステップを備えた請求項1に記載の加工方法。
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