JP6811681B2 - 電動倍力装置 - Google Patents

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Description

本発明は、電動アクチュエータが発生する推力を倍力源として利用する電動倍力装置に関する。
電動倍力装置には、パワーピストン(推力伝達部材)の直動推力を、該パワーピストンに接続された出力ピストン(出力部材)を介してマスタシリンダのピストンへ伝達させるものがある。このような電動倍力装置では、出力ピストンを回り止めすることで、ストロークセンサ用マグネットのホールICに対する回転方向のずれ(入力ロッド軸線回りの相対移動)を抑制することが考えられる。例えば、特許文献1には、倍力部材としての中空のねじ軸を回り止めする構造が開示されているが、パワーピストンを備えた電動倍力装置では、当該パワーピストンの推進を阻害することなく、出力ピストンを回り止めすることが要求される。
特開2014−69678号公報
本発明は、推力伝達部材の推進を阻害することなく、出力部材を回り止めすることが可能な電動倍力装置を提供することを課題とする。
上記課題を解決するために、本発明の電動倍力装置は、ブレーキペダルの操作に伴い移動する入力部材と、前記入力部材の変位に応じて作動する電動機と、前記電動機の回転力を直動部材の推力に変換する回転直動変換機構と、前記直動部材に接続され、該直動部材から直動推力が伝達される推力伝達部材と、前記推力伝達部材に接続され、該推力伝達部材に伝達された直動推力を受けてマスタシリンダのピストンへ前記直動推力を伝達する出力部材と、前記入力部材の変位を検出する被検出部材と、を備え、前記推力伝達部材は、前記直動部材から直動推力を受けるように2か所の当接部位が設けられ、前記出力部材は、内部に前記入力部材が挿通される筒状をなし、前記2か所の当接部位を結ぶ直線と平行な面が外周に形成され、前記推力伝達部材に対して前記出力部材の軸線回りに回転不能で、かつ前記推力伝達部材が前記2か所の当接部位のうち少なくとも1か所の当接部位で前記直動部材から直動推力を受けたときの前記推力伝達部材の傾きを許容するように、前記推力伝達部材に支持されることを特徴とする。
本発明によれば、推力伝達部材の推進を阻害することなく、出力部材を回り止めすることができる。
本実施形態の電動倍力装置に連結されたマスタシリンダの断面図であって、図3におけるA−A断面を示す図である。 本実施形態の電動倍力装置に連結されたマスタシリンダの断面図であって、図3におけるB−B断面を示す図である。 本実施形態の電動倍力装置に連結されたマスタシリンダの前側面図である。 本実施形態の電動倍力装置の主要部の分解斜視部である。 図1における主要部の拡大図である。 図2における主要部の拡大図である。 パワーピストンとナット部材との当接構造を示す前側面図である。 パワーピストンとナット部材との当接構造を示す正面図である。
本発明の一実施形態を添付した図を参照して説明する。
図1、図2は、本実施形態に係る電動倍力装置1の軸平面による断面図である。以下においては、便宜的に、図1、図2における左方向および右方向を電動倍力装置1における前方向(前側)および後方向(後側)とし、図1における上方向および下方向を電動倍力装置1における上方向および下方向として説明する。
図1、図2を参照すると、電動倍力装置1は、タンデム型のマスタシリンダ2の後端部が連結される。マスタシリンダ2は、有底のシリンダボア4が形成されたシリンダ本体3を有する。シリンダボア4の開口側(後側)には、電動倍力装置1が発生する動力により推進されるプライマリピストン5(ピストン)のカップ状に形成された前端部が挿入される。プライマリピストン5の後端部は、マスタシリンダ2の開口から電動倍力装置1のハウジング41内へ延びる。シリンダボア4の底側(前側)には、前側が開口したカップ状のセカンダリピストン6が嵌装される。
シリンダ本体3は、シリンダボア4、プライマリピストン5、およびセカンダリピストン6により画定されるプライマリ室7と、シリンダボア4の底とセカンダリピストン6との間に形成されるセカンダリ室8とを有する。プライマリ室7およびセカンダリ室8は、シリンダ本体3に設けられたポート(図示省略)を介して、車両の各車輪のホイールシリンダへ作動流体圧(便宜的に「液圧」と称する)を供給する2系統の液圧回路に接続される。シリンダ本体3は、プライマリ室7をリザーバ9に接続させるポート10と、セカンダリ室8をリザーバ9に接続させるポート11とを有する。
シリンダボア4の内周面には、前後方向に一定の間隔をあけて設けられる環状のシール溝12,13が形成される。各シール溝12,13には、シリンダボア4とプライマリピストン5との間をシールするシールリング14,15が設けられる。シリンダボア4の内周面には、前後方向に一定の間隔をあけて設けられる環状のシール溝16,17が形成される。各シール溝16,17には、シリンダボア4とセカンダリピストン6との間をシールするシールリング18,19が設けられる。なお、非制動状態(図1、図2参照)において、ポート10はシールリング14,15間に開口し、ポート11はシールリング18,19間に開口する。
ここで、プライマリピストン5が非制動位置(図1、図2参照)に位置するとき、プライマリ室7は、プライマリピストン5の前側の側壁に設けられたポート20およびシリンダ本体3のポート10を経由してリザーバ9に連通される。プライマリピストン5が非制動位置から前進してポート20がシールリング15に達すると、プライマリ室7とポート10との連通、延いてはプライマリ室7とリザーバ9との連通が遮断される。これにより、プライマリ室7の液圧が上昇する。プライマリピストン5の非制動位置からプライマリ室7とポート10(リザーバ9)との連通が遮断されるまでの当該プライマリピストン5の移動量は、いわゆる、無効ストロークと呼ばれるものである。
セカンダリピストン6が非制動位置(図1、図2参照)に位置するとき、セカンダリ室8は、セカンダリピストン6の前側の側壁に設けられたポート21およびシリンダ本体3のポート11を経由してリザーバ9に連通される。セカンダリピストン6が非制動位置から前進してポート21がシールリング19に達すると、セカンダリ室8とポート11との連通、延いてはセカンダリ室8とリザーバ9との連通が遮断される。これにより、セカンダリ室8の液圧が上昇する。
プライマリピストン5とセカンダリピストン6との間には、非制動状態(図1、図2参照)における当該ピストン5,6間の距離(間隔)を定めるプライマリばねアセンブリ22が設けられる。プライマリばねアセンブリ22は、戻しばねとしての圧縮コイルばね23と、セカンダリピストン6の後端の凹部に設けられる係止部材24と、プライマリピストン5の前側の凹部に設けられる係止部材25と、一端が係止部材24に固定されて他端の係止部材25に対する前後方向への移動が規制された軸部材26とを有する。圧縮コイルばね23は、係止部材24,25間に介装され、プライマリばねアセンブリ22は、当該圧縮コイルばね23のばね力に抗して圧縮可能である。
セカンダリピストン6とシリンダ本体3との間には、非制動状態(図1、図2参照)における当該セカンダリピストン6とシリンダボア4の底との間の距離(間隔)を定めるセカンダリばねアセンブリ27が設けられる。セカンダリばねアセンブリ27は、戻しばねとしての圧縮コイルばね28と、シリンダボア4の底に設けられる係止部材29と、セカンダリピストン6の前側の凹部に設けられる係止部材30と、一端が係止部材30に固定されて他端の係止部材29に対する前後方向への移動が規制された軸部材31とを有する。圧縮コイルばね28は、係止部材29,30間に介装され、セカンダリばねアセンブリ27は、当該圧縮コイルばね28のばね力に抗して圧縮可能である。
電動倍力装置1は、後述する電動アクチュエータ61の機構部を収容するハウジング41を有する。ハウジング41は、フロントハウジング42とリアハウジング43とに分割して構成される。フロントハウジング42の中央には、マスタシリンダ2のシリンダボア4に対して同軸の孔44が設けられ、当該孔44には、後述するベース部材45の円筒部46の前端部分が嵌合される。
ベース部材45の円筒部46の前端部分の内側面には、マスタシリンダ2のシリンダ本体3の後端部3Aが嵌合(圧入)される。換言すると、フロントハウジング42は、ベース部材45の円筒部46を介してマスタシリンダ2のシリンダ本体3に連結される。フロントハウジング42には、当該フロントハウジング42に立設された2本のスタッドボルト47とナット48と(図3参照)を用いてマスタシリンダ2のシリンダ本体3が固定される。さらに、フロントハウジング42とベース部材45の円筒部46との間は、シール部材49によりシールされる。
リアハウジング43の中央には、マスタシリンダ2のシリンダボア4に対して同軸の円筒部50が形成される。円筒部50の内側のシリンダ51には、略円筒形(筒状)の出力ピストン62(出力部材)が摺動可能に嵌装される。出力ピストン62の内部には、当該出力ピストン62に対して同軸の入力ピストン64(入力部材)が挿通される。入力ピストン64の後端部には、入力ロッド33の球状の前端部が嵌合され、当該入力ロッド33の後端部は、クレビス34を介してブレーキペダル39に接続される。
出力ピストン62は、マスタシリンダ2側(前側)から順に小径部63A、中径部63B、および大径部63Cが形成された軸孔63を有する。出力ピストン62の後端面の軸孔63の開口、すなわち、大径部63Cの開口部には、ばね受部材36が装着される。入力ロッド33は、当該入力ロッド33に形成されたばね受部37とばね受部材36との間に介装された圧縮コイルばね35により、出力ピストン62に対して後方向へ付勢される。出力ピストン62の大径部63Cには、入力ピストン64のつば67(後端部)が摺動可能に嵌合され、出力ピストン62の中径部63Bには、入力ピストン64のプランジャ部66が挿通される。出力ピストン62の小径部63A、すなわち、軸孔63の前端部には、入力ピストン64のピストン部65が摺動可能に嵌合される。
図1、図2、図4を参照すると、入力ピストン64のプランジャ部66には、クリップ形状のストッパ68が装着される環状溝131が形成される。ストッパ68は、出力ピストン62を上下方向に貫通するストッパ溝69に挿通される。これにより、入力ピストン64は、ストッパ68とストッパ溝69との間の前後方向のクリアランス分だけ、出力ピストン62に対する前後方向への相対移動が許容される。さらに、入力ピストン64は、環状溝131に装着されたストッパ68がリアハウジング43の円筒部50の前側の開口周縁部50Aに当接されることにより、リアハウジング43に対する後方向への移動が規制される。
入力ロッド33の変位、延いては入力ピストン64の変位は、ストロークセンサによって検出される。該ストロークセンサは、ピン134を介して入力ピストン64に固定されるセンサマグネット132(被検出部材)と、リアハウジング43に取り付けられるホールIC(図示省略)とにより構成される。図2、図4を参照すると、ピン134は、一端がセンサマグネット132側の孔135に圧入され、他端が入力ピストン64側の孔136に圧入される。後述する出力ピストン62の平面141には、センサマグネット132の底面が摺動可能に接する摺動面133が形成された段差が設けられる。該摺動面133(出力ピストン62の)には、前後方向に延びてピン134が挿通される溝137が形成される。これにより、センサマグネット132は、リアハウジング43の円筒部50の側壁を介してホールICに対向するように配置される。
電動倍力装置1は、マスタシリンダ2のプライマリピストン5を押圧する(推進させる)出力ロッド70を有する。出力ロッド70は、前端がプライマリピストン5の後側の凹部の擂鉢状の底部32に当接される軸部71と、当該軸部71の後端部に連結される受圧部72とにより構成される。受圧部72は、後側が開口された有底円筒形の基部73と、当該基部73の中央から前方向(マスタシリンダ2側)へ延びて軸部71を支持する支柱74とを有する。基部73の内側には、出力ピストン62の前端部62Aが摺動可能に嵌合される。出力ロッド70の軸部71と支柱74(受圧部72)とは、ねじ75により連結される。換言すると、出力ロッド70の軸長(全長)は、当該ねじ75により調整される。
出力ピストン62と出力ロッド70との間には、弾性材料からなるリアクションディスク76が設けられる。リアクションディスク76は、出力ロッド70の受圧部72の基部73の内側に収容され、当該基部73と出力ピストン62の前端部62Aとにより密閉される。非制動状態(図1、図2参照)において、リアクションディスク76の後側の端面と、前端部が円錐形に形成された入力ピストン64の頂部との間には、いわゆる、ジャンプインクリアランスと呼ばれる隙間が設けられる。
出力ロッド70の受圧部72の基部73を被うようにばね受部材78が設けられ、該ばね受部材78とベース部材45の円筒部46の内周面に形成された環状のばね受部59との間には、圧縮コイルばね77が介装される。これにより、出力ピストン62は、後方向へ付勢され、後述するパワーピストン81に当接される。プレート79を挟んだマスタシリンダ2側(円筒部46の内側)の空間とリアハウジング43側(ハウジング41内側)の空間とは、環状のシール部材80によりシールされる。
図1を参照すると、電動倍力装置1は、電動アクチュエータ61が発生した推力を出力ピストン62へ伝達させるパワーピストン81(推力伝達部材)を有する。パワーピストン81は、後述する回転直動変換機構60を跨ぐように配置され、該回転直動変換機構60と出力ピストン62とに係合される。パワーピストン81は、推力伝達部82と、当該推力伝達部82から上方向および下方向へ延びるレバー83,84とを有する。パワーピストン81は、当該パワーピストン81の推力伝達部82の内側に形成されたばね受部86とベース部材45の後端面に装着された環状のプレート79との間に介装された圧縮コイルばね85により後方向へ付勢される。これにより、パワーピストン81は、非制動状態(図1、図2参照)において、推力伝達部82の後端面87(図5、図6参照)が、リアハウジング43の円筒部50の前側の開口周縁部50Aに当接される。
図5、図6を参照すると、パワーピストン81の推力伝達部82の内側には、出力ピストン62のフランジ部88を受けるフランジ受部89が設けられる。フランジ受部89は、推力伝達部82のばね受部86と後述する開口部138との間に設けられ、後方向へ向かって縮径される漏斗状の傾斜面により構成される。出力ピストン62のフランジ部88の後側の面90、すなわち、出力ピストン62におけるパワーピストン81のフランジ受部89との当接面90は、球面形状、換言すると、当該出力ピストン62の軸平面による断面が円弧形となる凸状の面90により構成される。すなわち、出力ピストン62は、球面形状の当接面90で、パワーピストン81のフランジ受部89に当接される。
図1、図2を参照すると、電動アクチュエータ61は、電動モータ91(電動機)と、該電動モータ91の動力(回転力)をパワーピストン81の推力に変換する回転直動変換機構60とを有する。回転直動変換機構60は、マスタシリンダ2の中心軸線と異なる位置に回転軸線を有する2つのねじ軸部材92,93と、各ねじ軸部材92,93に噛み合わされるナット部材94,95(直動部材)とを有する。なお、本実施形態におけるねじ軸部材92,93およびナット部材94,95に形成されるねじは、台形ねじである。
ねじ軸部材92は、マスタシリンダ2の中心軸線に対して上側に配置され、かつ当該マスタシリンダ2の中心軸線に対して平行に配置される。ねじ軸部材92の後端部97は、ラジアル軸受98およびスラスト軸受99を介してリアハウジング43により支持される。すなわち、ねじ軸部材92の後端部97は、ラジアル軸受98と当該ラジアル軸受98に対して同軸のスラスト軸受99との組み合わせにより、リアハウジング43に回転可能に支持される。
ねじ軸部材92の前端部100には、ハブ101が固定される。ハブ101、延いてはねじ軸部材92の前端部100は、ラジアル軸受102を介してベース部材45により回転可能に支持される。すなわち、ねじ軸部材92は、一対のラジアル軸受98,102および1つのスラスト軸受99により、当該ねじ軸部材92の回転軸線を中心に回転可能に支持される。ハブ101の前端部103には、従動プーリ104が相対回転不可能に取り付けられる。換言すると、ねじ軸部材92の前端部100には、ハブ101を介して従動プーリ104が取り付けられる。ラジアル軸受102は、ベース部材45に設けられた軸受収容部52に収容される。ラジアル軸受98およびスラスト軸受99は、リアハウジング43に設けられた軸受収容部56に収容される。ベース部材45の上端部53および下端部54は、ボルト55によりリアハウジング43に固定される。
図7、図8を参照すると、ナット部材94は、後端にフランジ部106が形成されたフランジ付六角ナットの形状をなす。フランジ部106の前側の側面107(便宜的に「押圧面107」と称する)は、ねじ軸部材92の回転軸線に一致する当該ナット部材94の軸線に対して直角をなす平面に対して平行をなす。ナット部材94の六角部108の二面幅を定める一対の面109,110は、パワーピストン81のレバー83の上端部に形成された一定幅の溝部111に摺動可能に嵌合される。溝部111は、上下方向へ延びて上端が開口されている。
パワーピストン81のレバー83の上端部の後側の面112、換言すると、パワーピストン81の、ナット部材94のフランジ部106の押圧面107との当接面112(当接部位)は、当該パワーピストン81の軸平面による断面が凸状の円弧形に形成される。すなわち、パワーピストン81は、軸平面による断面が凸状の円弧形に形成された当接面112で、ナット部材94の押圧面107と当接される。これにより、パワーピストン81の当接面112がナット部材94の押圧面107に当接された状態で、パワーピストン81のレバー83は、ナット部材94に対して摺動かつ揺動可能である。
なお、回転直動変換機構60は、上下対称に構成されている。よって、明細書の記載を簡潔にすることを目的に、ねじ軸部材93の支持構造、ナット部材95および該ナット部材95とパワーピストン81のレバー84との連結構造の説明を省略する。
図1、図2を参照すると、電動アクチュエータ61は、電動モータ91の回転軸115に取り付けられた駆動プーリ116、ねじ軸部材92に取り付けられた従動プーリ104、ねじ軸部材93に取り付けられた従動プーリ124、およびテンションプーリ125に巻き掛けられた無端ベルト126を有する。これにより、電動モータ91の動力は、無端ベルト126を介して各ねじ軸部材92,93に伝達される。各ナット部材94,95は、各ねじ軸部材92,93に対する相対回転が阻止されているため、各ねじ軸部材92,93の回転に伴い、各ねじ軸部材92,93に沿って前進あるいは後退する。換言すると、電動モータ91の動力(回転力)は、各ナット部材94,95の推力に変換される。
パワーピストン81(推力伝達部材)は、レバー83の上端部の当接面112とレバー84の下端部の当接面113との2か所の当接部位で、各ナット部材94,95(直動部材)から直動推力を受けるように構成される。すなわち、各ナット部材94,95の押圧面107により、パワーピストン81のレバー83,84の各当接面112,113が押圧される。これにより、圧縮コイルばね85のばね力に抗してパワーピストン81が推進(前進)される。換言すると、各ナット部材94,95の推力がパワーピストン81へ伝達される。そして、パワーピストン81のフランジ受部89により、出力ピストン62のフランジ部88の当接面90が押圧され、これにより、圧縮コイルばね77のばね力に抗して出力ピストン62が推進(前進)される。換言すると、パワーピストン81の推力が出力ピストン62へ伝達される。さらに、出力ピストン62の推力は、リアクションディスク76を介して出力ロッド70へ伝達される。
次に、主に図2、図4、図6を参照して、出力ピストン62(出力部材)を回り止めする構造を説明する。
出力ピストン62(出力部材)は、フランジ部88の後端から後方向へ延びる筒状の二面取り軸部139を有する。該二面取り軸部139の外周には、軸孔63およびストッパ溝69を挟むように配置された一対の平面140,141が形成される。該平面140,141は、パワーピストン81(推力伝達部材)のナット部材94,95との2か所の当接面112,113(当接部位)を結ぶ直線に対して平行に配置される。なお、出力ピストン62の軸線と平面140との距離と、出力ピストン62の軸線と平面141との距離は等しいが、当該距離は等しいことに限定されない。
一方、パワーピストン81の推力伝達部82の開口部138は、出力ピストン62の二面取り軸部139の平面140,141に摺動可能に当接する当接平面142,143を有する。換言すると、開口部138は、出力ピストン62の二面取り軸部139が摺動可能に挿通される二面取り孔である。開口部138の対向する当接平面142,143間には、出力ピストン62の外周面の一部分である外側面144,145に対応する内側面146,147が形成される。なお、開口部138の当接平面143には、センサマグネット132を挿通させるための切欠き150が形成される。
出力ピストン62の外側面144,145とパワーピストン81の内側面146,147との間には、隙間148,149(図5参照)が設けられる。該隙間148,149は、パワーピストン81が当接面112,113(2か所の当接部位)でナット部材94,95(直動部材)から直動推力を受けたときの当該パワーピストン81の前後方向の傾き、すなわち、電動アクチュエータ61の組み付け誤差等に起因するナット部材94,95間の移動差を許容することができるように設定される。
第1実施形態の電動倍力装置1においては、ブレーキペダル39を操作すると、圧縮コイルばね35の付勢力に抗して入力ロッド33が前進する。このときのブレーキペダル39の操作量、すなわち、入力ロッド33の変位は、入力ピストン64(入力部材)にピン134を介して装着されたセンサマグネット132(被検出部材)の変位を、リアハウジング43に取り付けられたホールIC(図示省略)によって検出することで計測される。電子制御ユニット114(ECU)は、当該入力ロッド33の変位に基づき電動アクチュエータ61の電動モータ91(電動機)を制御し、各ナット部材94,95、延いてはパワーピストン81を推進(前進)させる。パワーピストン81の推力は、出力ピストン62(出力部材)、リアクションディスク76、および出力ロッド70を介してプライマリピストン5に伝達される。
プライマリピストン5が前進すると、電子制御ユニット114は、プライマリピストン5の移動量が入力ロッド33の変位、すなわち、ブレーキペダル39の操作量に追従するように電動モータ91を制御する。プライマリピストン5の前進により、プライマリ室7の液圧が上昇し、当該液圧がセカンダリピストン6を介してセカンダリ室8に伝達される。そして、マスタシリンダ2で発生した液圧が、2系統の液圧回路を介して車両の各車輪のホイールシリンダへ供給されることにより、摩擦制動による制動力が発生する。制動時に発生するマスタシリンダ2の液圧による反力は、プライマリピストン5、出力ロッド70、およびリアクションディスク76を介して、入力ピストン64(入力部材)および出力ピストン62に伝達される。
そして、出力ピストン62の前端面の受圧面積と、入力ピストン64のピストン部65の受圧面積との比が倍力比(ブレーキペダル39の操作入力に対する液圧出力の比)となって、所望の制動力を発生させることができる。ブレーキペダル39の操作を解除すると、電子制御ユニット114は、入力ロッド33の変位に基づき電動モータ91を制御することで、各ナット部材94,95、延いてはパワーピストン81を後退させる。これに伴い、出力ピストン62、リアクションディスク76、および出力ロッド70を介して、プライマリピストン5およびセカンダリピストン6が後退し、マスタシリンダ2の液圧が減少して制動力が解除される。
ここで、入力ピストン64(入力部材)の変位がストロークセンサによって検出される電動倍力装置1では、出力ピストン62(出力部材)に対して摺動可能なセンサマグネット132(被検出部材)の、ハウジング41(リアハウジング43)に対する回転方向(軸線回り)のずれを抑制するため、出力ピストン62をハウジング41に対して回り止めする必要がある。本実施形態の電動倍力装置1のように、パワーピストン81が当接面112,113(2か所の当接部位)でナット部材94,95(直動部材)から直動推力を受ける構造では、当該パワーピストン81の推進を阻害することなく、出力ピストン62を回り止めする、すなわち、電動アクチュエータ61の組み付け誤差等に起因するナット部材94,95間の移動差を許容するように、延いてはパワーピストン81の前後方向の傾きを許容するように、出力ピストン62を回り止めすることが要求される。
これに対して、本実施形態では、出力ピストン62の二面取り軸部139の二面幅を定める平面140,141を、パワーピストン81の推力伝達部82の開口部138に形成された当接平面142,143に摺動可能に当接させることにより、出力ピストン62が回り止めされるので、パワーピストン81の推進(傾き)を阻害することなく、出力ピストン62を回り止めすることができる。
以上、本実施形態の詳細について説明したが、本実施形態の作用効果を以下に示す。
本実施形態によれば、ブレーキペダルの操作に伴い移動する入力部材と、入力部材の変位に応じて作動する電動機と、電動機の回転力を直動部材の推力に変換する回転直動変換機構と、直動部材に接続され、該直動部材から直動推力が伝達される推力伝達部材と、推力伝達部材に接続され、該推力伝達部材に伝達された直動推力を受けてマスタシリンダのピストンへ直動推力を伝達する出力部材と、入力部材の変位を検出する被検出部材と、を備え、推力伝達部材は、直動部材から直動推力を受けるように構成され、出力部材は、推力伝達部材に対して回転不能で、かつ推力伝達部材が少なくとも1か所の当接部位で直動部材から直動推力を受けたときの推力伝達部材の傾きを許容するように、推力伝達部材に支持される。
よって、本実施形態では、推力伝達部材の推進を阻害することなく、出力部材を回り止めすることが可能であり、電動倍力装置の信頼性を向上させることができる。また、出力部材の回転、延いては該出力部材に対して摺動可能に当接する被検出部材の軸線回りの回転が抑止されるので、入力部材の変位の検出精度を高める、延いては電動機の制御を正確に行うことが可能であり、ペダルフィーリングを向上させることができる。さらに、回転直動変換機構の回転部材に台形ねじを適用することができるので、当該回転部材にボールねじを適用した電動倍力装置に対して、製造コストが削減されるとともにレイアウトの自由度が増すことから小型化することが可能である。
また、推力伝達部材には、直動部材から直動推力を受けるように2か所の当接部位が設けられ、出力部材は、内部に入力部材が挿通される筒状をなし、2か所の当接部位を結ぶ直線と平行な面が外周に形成されているので、該外周に形成された面の少なくとも一方の面の軸線回りの回転を抑止することにより、出力部材を回り止めすることができる。
また、推力伝達部材は、出力部材の外周に形成された面に当接する当接平面を有しているので、該当接面を出力部材の外周に形成された面に当接させることにより、推力伝達部材に対する出力部材の回転を阻止することができる。
推力伝達部材と出力部材との間には、2か所の当接部位を結ぶ直線方向の隙間が形成されているので、出力部材の推力伝達部材に対する回転を阻止しつつ、推力伝達部材が少なくとも1か所の当接部位で直動部材から直動推力を受けたときの当該推力伝達部材の傾きを許容することができる。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、例えば、次のように構成することができる。
本実施形態では、推力伝達部材は、マスタシリンダの軸線を対称軸として上下対称に配置された2か所の当接部位で直動部材から直動推力を受けるように構成したが、当接部位は、1か所とすることができる。すなわち、推力伝達部材は、単一の直動部材から直動推力が伝達される。この場合、電動倍力装置をより小型化することが可能である。
1 電動倍力装置、2 マスタシリンダ、5 プライマリピストン(ピストン)、60 回転直動変換機構、62 出力ピストン(出力部材)、64 入力ピストン(入力部材)、81 パワーピストン(推力伝達部材)、91 電動モータ(電動機)、94,95 ナット部材(直動部材)、112,113 当接面(当接部位)、132 センサマグネット(被検出部材)

Claims (3)

  1. ブレーキペダルの操作に伴い移動する入力部材と、
    前記入力部材の変位に応じて作動する電動機と、
    前記電動機の回転力を直動部材の推力に変換する回転直動変換機構と、
    前記直動部材に接続され、該直動部材から直動推力が伝達される推力伝達部材と、
    前記推力伝達部材に接続され、該推力伝達部材に伝達された直動推力を受けてマスタシリンダのピストンへ前記直動推力を伝達する出力部材と、
    前記入力部材の変位を検出する被検出部材と、を備え、
    前記推力伝達部材は、前記直動部材から直動推力を受けるように2か所の当接部位が設けられ
    前記出力部材は、内部に前記入力部材が挿通される筒状をなし、前記2か所の当接部位を結ぶ直線と平行な面が外周に形成され、前記推力伝達部材に対して前記出力部材の軸線回りに回転不能で、かつ前記推力伝達部材が前記2か所の当接部位のうち少なくとも1か所の当接部位で前記直動部材から直動推力を受けたときの前記推力伝達部材の傾きを許容するように、前記推力伝達部材に支持されることを特徴とする電動倍力装置。
  2. 前記推力伝達部材は、前記出力部材の外周に形成された面に当接する当接平面を有していることを特徴とする請求項に記載の電動倍力装置。
  3. 前記推力伝達部材と前記出力部材との間には、前記2か所の当接部位を結ぶ直線方向の隙間が形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の電動倍力装置。
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