JP6807473B1 - 接合構造の構築方法および接合構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】プレキャスト部材と現場打ちコンクリートによる構造体との接合構造においてせん断力に対する補強を好適に行うことができ、且つプレキャスト部材の製作も容易な接合構造の構築方法、接合構造等を提供する。【解決手段】型枠5に形成されたスリット51に孔あき鋼板ジベル2を挿し込んだ状態で型枠5内にコンクリートを打設することにより、孔あき鋼板ジベル2の孔21を有する一部がコンクリートに埋設され、孔あき鋼板ジベル2の孔21を有する他の部分がコンクリートから突出した柱部材1を製作する。この柱部材1を施工現場まで運搬して所定箇所に設置し、現場打ちコンクリートを打設することで、孔あき鋼板ジベル2の他の部分が現場打ちコンクリートによる梁部材に埋設された、柱部材1と梁部材との接合構造を構築する。【選択図】図2

Description

本発明は、接合構造の構築方法および接合構造に関する。
コンクリート製のプレキャスト柱の側部に現場打ちコンクリートによる梁を接合する際、両部材の接合面にコッターやシャーキーと称される凹凸を設けて鉛直方向のせん断力を伝達することがある。特許文献1には鉛直方向のせん断力を伝達するコッターの一例が記載されている。
また、コンクリート製のプレキャスト梁の上部に現場打ちコンクリートによるスラブを接合する際は、プレキャスト梁の横補強筋をスラブに埋設させる、鉛直方向の挿し筋を両部材に埋設させる等の手段により地震時等の水平方向のせん断力に対し抵抗させ、両部材のずれ止めを行うこともある。
特許第5236152号公報
プレキャスト柱と現場打ちコンクリートによる梁の接合面にコッターを設けるためには、プレキャスト柱を製作する際の型枠にコッター形成用の凹凸加工を行う必要があり、手間とコストがかかる。また、コッターはせん断伝達能力が低く、せん断力が期待通りに伝達されない可能性がある。
また前記したプレキャスト梁の横補強筋は、本来は地震時等に発生する鉛直方向のせん断力に抵抗させるものであり、横補強筋が水平方向と鉛直方向のせん断力に対して同時に抵抗すると、横補強筋が本来発揮すべき鉛直方向のせん断抵抗力を十分に発揮できない恐れがある。一方、挿し筋は、プレキャスト梁の製作時に横補強筋等が林立するなかで設置する必要があり、手間とコストがかかる。
また横補強筋や挿し筋により水平方向のせん断力に対し抵抗する場合の共通の問題として、これらの鉄筋は水平方向の剛性が低いという点がある。そのため、水平方向のせん断が発生した初期段階では図5の矢印に示すように鉄筋Sが容易に曲げ変形し、その後、鉄筋Sの軸力(引張応力)によってせん断に抵抗することになる。結果、せん断が発生してプレキャスト梁とスラブの間にある程度のずれが生じた後にならないと鉄筋Sによるせん断抵抗力を期待できない。
本発明は上記の問題に鑑みてなされたものであり、プレキャスト部材と現場打ちコンクリートによる構造体との接合構造においてせん断力に対する補強を好適に行うことができ、且つプレキャスト部材の製作も容易な接合構造の構築方法、接合構造等を提供することを目的とする。
前述した課題を解決するための第1の発明は、型枠に形成されたスリットに孔あき鋼板ジベルを挿し込んだ状態で前記型枠内にコンクリートを打設することにより、前記孔あき鋼板ジベルの孔を有する一部がコンクリートに埋設され、前記孔あき鋼板ジベルの孔を有する他の部分が前記コンクリートから突出したプレキャスト部材を製作する工程と、前記プレキャスト部材を施工現場まで運搬して所定箇所に設置し、現場打ちコンクリートを打設することで、前記孔あき鋼板ジベルの他の部分が前記現場打ちコンクリートによる構造体に埋設された、前記プレキャスト部材と前記構造体との接合構造を構築する工程と、を有し、前記孔あき鋼板ジベルの孔を有する一部は、前記プレキャスト部材の主筋、及び、前記主筋を囲むように配置され環状を構成する補強筋と干渉しない位置において、前記プレキャスト部材のコンクリートに埋設され、前記プレキャスト部材は柱部材であり、前記構造体は梁部材であり、前記孔あき鋼板ジベルの孔を有する一部は、前記プレキャスト部材のコンクリートのかぶり部分内に収まるように埋設されることを特徴とする接合構造の構築方法である。
本発明によれば、プレキャスト部材と現場打ちコンクリートによる構造体との接合構造において、高い面内剛性と耐久性を有する孔あき鋼板ジベルを用いてせん断力に対する補強を好適に行うことができる。しかも、プレキャスト部材の製作時には、型枠に形成したスリットに孔あき鋼板ジベルを挿し込むだけで良く型枠の凹凸加工等が不要であり、また孔あき鋼板ジベルは薄く小型とできプレキャスト部材の補強筋等にも干渉しにくいため、従来に比べてプレキャスト部材の製作が容易である。
また、プレキャスト部材と上記の構造体を、それぞれ柱部材と梁部材、梁部材と梁部材にすることで、これらを組み合わせた架構においてせん断力に対する補強を好適に行うことができる。孔あき鋼板ジベルは孔の径やピッチ、鋼板の枚数等を調整することで任意の耐力を設定できるため、これらの架構について高い設計自由度を実現できる。
第2の発明は、プレキャスト部材と現場打ちコンクリートによる構造体との接合構造であって、前記プレキャスト部材は柱部材であり、前記構造体は梁部材であり、前記プレキャスト部材に、孔あき鋼板ジベルの孔を有する一部が埋設され、前記構造体に、前記プレキャスト部材から突出する前記孔あき鋼板ジベルの孔を有する他の部分が埋設され、前記孔あき鋼板ジベルの孔を有する一部が、前記プレキャスト部材の主筋、及び、前記主筋を囲むように配置され環状を構成する補強筋と干渉しない位置において、前記プレキャスト部材のコンクリートに埋設され、前記孔あき鋼板ジベルの孔を有する一部は、前記プレキャスト部材のコンクリートのかぶり部分内に収まるように埋設されたことを特徴とする接合構造である。
本発明により、プレキャスト部材と現場打ちコンクリートによる構造体との接合構造においてせん断力に対する補強を好適に行うことができ、且つプレキャスト部材の製作も容易な接合構造の構築方法、接合構造等を提供することができる。
接合構造10とその構築方法について示す図。 柱部材1の製作工程について示す図。 接合構造10aとその構築方法について示す図。 接合構造10bとその構築方法について示す図。 せん断発生時の鉄筋Sの挙動を示す図。
以下、図面に基づいて本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。
[第1の実施形態]
(1.接合構造10)
図1(a)は本発明の第1の実施形態に係る接合構造10を示す図である。接合構造10は、コンクリート製のプレキャスト部材である柱部材1と、現場打ちコンクリートによる構造体である梁部材3とを接合するものである。
柱部材1、梁部材3はそれぞれ鉛直方向、水平方向に設けられる部材である。接合構造10では、柱部材1の側面(柱部材1の部材軸方向に沿った面)と梁部材3の端面(梁部材3の部材軸方向と直交する面)とが接合され、その接合面Cに孔あき鋼板ジベル2が設置される。
孔あき鋼板ジベル2は、その板面が柱部材1から梁部材3に向かう方向に沿った鉛直面となるように配置され、孔21を有する一部が柱部材1のコンクリートに埋設され、孔21を有する他の部分が柱部材1のコンクリートから突出して梁部材3のコンクリートに埋設される。
柱部材1の内部には、柱主筋15、フープ筋17等が埋設される。
柱主筋15は鉛直方向に沿って配置される補強筋であり、柱部材1の平面の四隅等に配置される。フープ筋17は平面において柱主筋15を囲むように配置される環状の補強筋であり、鉛直方向に間隔を空けて複数段配置される。
梁部材3の内部には、梁主筋35、スターラップ筋37等が埋設される。
梁主筋35は水平方向に沿って配置される補強筋であり、本実施形態では上下2段に配置される。各梁主筋35の柱部材1側の端部は梁部材3の接合面Cから突出し、柱部材1に埋設される。この端部には、梁主筋35の鉄筋径に対し拡幅した定着体351も設けられる。
スターラップ筋37は鉛直面において梁主筋35を囲むように配置される環状の補強筋であり、水平方向に間隔を空けて複数列配置される。
孔あき鋼板ジベル2は、鋼板の孔21内に充填されるコンクリートのせん断抵抗により柱部材1と梁部材3を一体化する補強材であり、これにより両部材の間で鉛直方向のせん断力の伝達を好適に行うことができる。また孔あき鋼板ジベル2は高い面内剛性を有するので鉛直方向のせん断力に対し変形することが無く、せん断の発生初期から効果を発揮する。
柱部材1側では、孔あき鋼板ジベル2が柱部材1のコンクリートのかぶり部分内に収まるように埋設される。これにより孔あき鋼板ジベル2と柱部材1の柱主筋15やフープ筋17等との干渉が起きず、柱部材1の配筋や孔あき鋼板ジベル2の設置箇所の自由度が向上する。
ただし、フープ筋17同士の間隔を広くとれる場合には、孔あき鋼板ジベル2をフープ筋17の間で柱部材1のコンクリートのかぶり部分より深い位置まで挿し込んで配置してもよい。こうして孔あき鋼板ジベル2の柱部材1への埋設面積を大きくすることで、孔21の径を大きくし、せん断力の伝達性能を高めることができる。
一方、梁部材3側においては、孔あき鋼板ジベル2がスターラップ筋37で囲まれた範囲(コア)内のコンクリートに埋設され、梁部材3の梁主筋35やスターラップ筋37等と干渉しない配置とされる。
なお、図示は省略したが、柱部材1の上段には別の柱部材を配置することができる。柱主筋15の上端は柱部材1の上面から突出しており、別の柱部材を配置する際に柱主筋15の上端を当該別の柱部材の下面に設けたカプラ(後述する図2の符号19参照)に挿入することで、上下段の柱部材が接続される。
(2.接合構造10の構築方法)
図1(a)に示す接合構造10を構築する際、本実施形態では、まず工場等において型枠内にコンクリートを打設することにより柱部材1をプレキャスト部材として製作する。
図2は柱部材1の製作工程について示す図である。図2(a)は上記の型枠5の鉛直方向の断面を示したものであり、図2(b)は型枠5を図2(a)の矢印aの方向から見た図である。また図2(c)はプレキャスト部材として製作された柱部材1を示す図である。
型枠5は例えば鋼製型枠であり、柱部材1の製作ヤードに角筒状に立てて配置される。ただし型枠5は鋼製型枠に限ることはない。また型枠5の配置も上記に限らず、寝かせて配置されることもある。
型枠5内には、柱主筋15、フープ筋17に加え、前記したカプラ19など柱部材1に必要なその他の埋設物も配置される。カプラ19は型枠5内の底部に配置され、柱主筋15の下端がカプラ19の上部に挿入される。なお、ここでは前記した梁主筋35の端部も型枠5内に配置される。梁主筋35は型枠5の孔52から外部に突出する。
また本実施形態では、型枠5の一側面にスリット51が形成されており、スリット51に孔あき鋼板ジベル2が挿し込まれる。孔あき鋼板ジベル2は、孔21を有する一部が型枠5の内部に配置され、孔21を有する他の部分が型枠5の外部に配置される。
孔あき鋼板ジベル2を上記のように配置した状態で型枠5内にコンクリートを打設することにより、図2(c)に示す柱部材1が製作される。孔あき鋼板ジベル2の孔21を有する一部は柱部材1のコンクリートに埋設され、孔21を有する他の部分が柱部材1の側面から突出する。
図2(c)に示すように、本実施形態では複数枚(図の例では3枚)の孔あき鋼板ジベル2を横に並べて配置しているが、その数や配置は、配筋状況や期待するせん断耐力に応じて任意に設定でき、特に限定されない。例えば1枚の孔あき鋼板ジベル2のみ用いたり、孔あき鋼板ジベル2を鉛直方向に複数段設置することも可能である。なお、上記した「横」とは、梁部材3の部材軸方向と平面において直交する方向をいうものとする。
こうして製作された柱部材1を施工現場まで運搬して図1(b)に示すように所定箇所に設置する。この後、スターラップ筋37や梁部材3の残りの梁主筋等を組み立てる。当該梁主筋は、柱部材1から突出する梁主筋35の先端部に、カプラ(不図示)等を用いて接続する。その後、型枠(不図示)を設置して図1(c)の鎖線で示すように梁部材3のコンクリートの打設を行う。これにより図1(a)に示す梁部材3が形成され、柱部材1と梁部材3の接合構造10が構築される。
以上説明した第1の実施形態では、柱部材1と梁部材3との接合構造10において、高い面内剛性と耐久性を有する孔あき鋼板ジベル2を用いてせん断力に対する補強を好適に行うことができる。孔あき鋼板ジベル2は、孔21の径やピッチ、鋼板の枚数等を調整することで任意の耐力を設定できるため、柱部材1と梁部材3からなる架構について高い設計自由度を実現できる。
しかも、柱部材1の製作時には、型枠5に形成したスリット51に孔あき鋼板ジベル2を挿し込むだけで良く型枠5の凹凸加工等が不要であり、また孔あき鋼板ジベル2は薄く小型とでき柱部材1の柱主筋15やフープ筋17等にも干渉しにくいため、従来に比べて柱部材1の製作が容易である。
また、仮に孔あき鋼板ジベル2に替えて柱部材1に従来のようにコッターを形成する場合、型枠加工の簡易性等の観点から型枠5の内側に凸部を付加することが多いが、この場合には柱部材1に凹状の断面欠損が生じることになる。前記のように接合構造を形成した後ではこの欠損部に梁部材3の現場打ちコンクリートが充填されるものの、柱に比べて梁のコンクリート強度は低強度となる場合があり、そのような場合に柱部材1の構造性能が要求強度より低くなる恐れがある。一方、本実施形態のように孔あき鋼板ジベル2を用いる場合、柱部材1の断面欠損が生じないので上記のような恐れが無いという利点もある。
なお、第1の実施形態では柱部材1の接合面Cに当たる高さの部分Aとそれ以外の部分とを一体に製作しているが、これらの部分を別体として製作し、現場においてこれらの部分を組み合わせてもよい。また柱部材1内に、スターラップ筋37と同様の環状の補強筋を孔あき鋼板ジベル2を囲むように設け、これにより孔あき鋼板ジベル2のせん断抵抗力を向上させることもできる。
以下、本発明の別の例を第2、第3の実施形態として説明する。第2、第3の実施形態は第1の実施形態と異なる点について説明し、同様の構成については図等で同じ符号を付すなどして説明を省略する。また、第1の実施形態も含め、各実施形態で説明する構成は必要に応じて組み合わせることができる。
[第2の実施形態]
(1.接合構造10a)
図3(a)は本発明の第2の実施形態に係る接合構造10aを示す図である。接合構造10aは、コンクリート製のプレキャスト部材である梁部材3aと、現場打ちコンクリートによる構造体である梁部材3bとを接合するものである。
図3(a)に示すように、本実施形態では、一対の梁部材3aが、その端面同士が対向するように間隔を空けて配置され、その間に現場打ちコンクリートによる梁部材3bが設けられる。接合構造10aでは梁部材3aの端面と梁部材3bの端面とが接合され、その接合面Cに孔あき鋼板ジベル2が設置される。
孔あき鋼板ジベル2は、その板面が梁部材3aから梁部材3bに向かう方向に沿った鉛直面となるように配置され、孔21を有する一部が梁部材3aのコンクリートに埋設され、孔21を有する他の部分が梁部材3aのコンクリートから突出して梁部材3bのコンクリートに埋設される。
梁部材3aの内部には、前記の梁部材3と同様に梁主筋35、スターラップ筋37等が埋設される。梁主筋35の端部は梁部材3aの接合面Cから突出し、梁部材3bに埋設される。
各梁部材3aから突出する梁主筋35の端部は、梁部材3b内に埋設されたカプラ39により連結される。梁部材3bでも、梁部材3aから突出した梁主筋35を鉛直面において囲むように環状のスターラップ筋37が埋設され、このスターラップ筋37は水平方向に間隔を空けて複数列配置される。
孔あき鋼板ジベル2は、鋼板の孔21内に充填されるコンクリートのせん断抵抗により梁部材3a、3bを一体化し、これにより両部材の間で鉛直方向のせん断力の伝達を好適に行うことができる。
孔あき鋼板ジベル2は、梁部材3a側と梁部材3b側の双方で、スターラップ筋37で囲まれた範囲(コア)内のコンクリートに埋設され、梁主筋35やスターラップ筋37等と干渉しない配置とされる。第1の実施形態と同様、孔あき鋼板ジベル2の数や配置は配筋状況や期待するせん断耐力に応じて任意に設定でき、特に限定されない。
(2.接合構造10aの構築方法)
接合構造10aを構築する際は、まず前記と同様、工場等において型枠内にコンクリートを打設することにより梁部材3aをプレキャスト部材として製作する。型枠には例えば鋼製型枠が用いられ、型枠において梁部材3aの端面に当たる部分には、前記と同様、孔あき鋼板ジベル2を挿し込むためのスリットが形成される。
型枠内で梁主筋35やスターラップ筋37等の必要な配筋を行い、上記スリットに孔あき鋼板ジベル2を挿し込んだ状態で型枠内にコンクリートを打設することにより、図3(b)に端部を示す梁部材3aが製作される。孔あき鋼板ジベル2の孔21を有する一部は梁部材3aのコンクリートに埋設され、孔21を有する他の部分が梁部材3aの端面から突出する。
こうして2つの梁部材3aを製作した後、これらの梁部材3aを施工現場まで運搬し、図3(c)に示すように端面同士を対向させて所定箇所に設置する。そして、各梁部材3aから突出する梁主筋35の端部同士を、両梁部材3aの間でカプラ39によって接続する。また両梁部材3aの間では、各梁部材3aから突出した梁主筋35を鉛直面において囲むようにスターラップ筋37が配置される。
この後、両梁部材3aの間に型枠(不図示)を設置して鎖線で示すように梁部材3bのコンクリートの打設を行うことで図3(a)に示す梁部材3bが形成され、梁部材3aと梁部材3bの接合構造10aが構築される。
第2の実施形態においても、プレキャスト部材である梁部材3aと現場打ちコンクリートによる構造体である梁部材3bとの接合構造10aを、孔あき鋼板ジベル2の孔21を有する一部を梁部材3aに埋設し、孔21を有する他の部分を梁部材3bに埋設して構築することで、第1の実施形態と同様の効果が得られる。
[第3の実施形態]
(1.接合構造10b)
図4(a)は本発明の第3の実施形態に係る接合構造10bを示す図である。接合構造10bは、コンクリート製のプレキャスト部材である梁部材3cと、現場打ちコンクリートによる構造体であるスラブ部材9とを接合するものである。
なお、図4(a)の左図は梁部材3cやスラブ部材9を横から見たものであり、右図は左図の孔あき鋼板ジベル2の位置における断面(部材軸方向と直交する断面)を示したものである。以上は後述する図4(b)、(c)においても同様である。
スラブ部材9は水平面に沿って設けられる板状部材であり、図4(a)に示すように梁部材3cの上に配置される。なお、梁部材3cと、スラブ部材9において梁部材3cの上部に当たる部分とを合わせた範囲Bを全体として梁と称することもあり、梁部材3cは、この梁の一部分を構成するプレキャスト部材であるという意味でハーフプレキャスト部材と呼ばれることもある。
接合構造10bでは、梁部材3cの上面(梁部材3cの部材軸方向に沿った面)とスラブ部材9の下面とが接合され、その接合面Cに孔あき鋼板ジベル2が設置される。
孔あき鋼板ジベル2は、その板面が梁部材3cの部材軸方向に沿った鉛直面となるように配置され、孔21を有する一部が梁部材3cのコンクリートに埋設され、孔21を有する他の部分が梁部材3cのコンクリートから突出してスラブ部材9のコンクリートに埋設される。
梁部材3cの内部には、前記の梁部材3と同様の梁主筋35、スターラップ筋37等が埋設される。ただし、梁主筋35やスターラップ筋37等は前記の範囲Bを梁とした場合の配置がなされ、図の例では上下段の梁主筋35のうち下段の梁主筋35が梁部材3cに埋設され、上段の梁主筋35はスラブ部材9のコンクリートに埋設される。またスターラップ筋37の上部は梁部材3cの上面から突出してスラブ部材9のコンクリートに埋設される。
孔あき鋼板ジベル2は、鋼板の孔21内に充填されるコンクリートのせん断抵抗により梁部材3cとスラブ部材9を一体化し、これにより水平方向のせん断力に対する両部材のずれ止めを好適に行うことができる。孔あき鋼板ジベル2はスターラップ筋37で囲まれた範囲(コア)内のコンクリートに埋設され、梁主筋35、スターラップ筋37等と干渉しない配置とされている。
本実施形態では、図4(a)の右図に示すように、接合面Cにおいて複数枚(図の例では3枚)の孔あき鋼板ジベル2が横に並べて配置される。ただし、孔あき鋼板ジベル2の数や配置は、配筋状況や期待するせん断耐力に応じて任意に設定でき、特に限定されない。また、最も外側に配置された孔あき鋼板ジベル2の側面から梁部材3cの側面までの距離Lも、孔あき鋼板ジベル2によるせん断抵抗力が好適に発揮できるよう、適切な値(例えば孔21の径の3〜4倍程度など)に定めることができる。
また本実施形態では、これら複数枚の孔あき鋼板ジベル2を一組として、複数組の孔あき鋼板ジベル2が図4(a)の左図に示すように梁部材3cの部材軸方向に間隔を空けて配置される。当該間隔は特に限定されない。また、梁部材3cの部材軸方向における孔あき鋼板ジベル2の位置は、梁部材3cとスラブ部材9の間のずれが生じ易いスパン中央部が理想的であるが、これに限ることはない。孔あき鋼板ジベル2の組をいくつ配置するかも、期待するせん断耐力等に応じて自由に定めることができる。
(2.接合構造10bの構築方法)
接合構造10bを構築する際は、まず前記と同様、工場等において型枠内にコンクリートを打設することにより梁部材3cをプレキャスト部材として製作する。型枠には例えば鋼製型枠が用いられ、梁部材3cの上面に当たる型枠上部は開放し、この部分には、孔あき鋼板ジベル2を所定位置に設置するための段取り筋(不図示)を設ける。この段取り筋を用いることで孔あき鋼板ジベル2を容易に設置できるが、段取り筋は孔あき鋼板ジベル2の設置機構の一例であり、これに限ることはない。
型枠内外で必要な配筋を行い、上記型枠内にコンクリートを打設することで、図4(b)に示す梁部材3cが製作される。孔あき鋼板ジベル2の孔21を有する一部は梁部材3cのコンクリートに埋設され、孔21を有する他の部分が梁部材3cから突出する。
こうして梁部材3cを製作した後、梁部材3cを施工現場まで運搬し、所定箇所に設置する。そして、スラブ部材9に必要な配筋を行い、型枠(不図示)を設置して図4(c)の鎖線で示すようにスラブ部材9のコンクリートを打設する。これにより図4(a)に示すスラブ部材9が形成され、梁部材3cとスラブ部材9の接合構造10bが構築される。
第3の実施形態においても、プレキャスト部材である梁部材3cと現場打ちコンクリートによる構造体であるスラブ部材9との接合構造10bを、孔あき鋼板ジベル2の孔21を有する一部を梁部材3cに埋設し、孔21を有する他の部分をスラブ部材9に埋設して構築することで、第1の実施形態と同様の効果が得られる。
なお、梁部材3cの端面に続けて現場打ちコンクリートによる梁部材が構築されることもある。この場合は、図4(d)に示すように、梁部材3cの端面に第2の実施形態と同様に孔あき鋼板ジベル2を設け、孔あき鋼板ジベル2の当該端面から突出する部分を現場打ちコンクリートによる梁部材に埋設することで、両梁部材のせん断力に対する補強を行うことが可能である。
以上、本発明の種々の実施形態について説明したが、本発明は以上の実施形態に限られることはない。例えば、各実施形態で説明した柱部材1、梁部材3、3a、3b、3c、スラブ部材9の形状、配筋状況等は前記したものに限ることはなく、様々に定めることができる。
また、各実施形態において、孔あき鋼板ジベル2の一部または全ての孔21に鉄筋を挿通してもよい。孔21に鉄筋を挿通することにより、より高いせん断抵抗力を発揮できる。
また、孔あき鋼板ジベル2の形状、大きさ、厚さ、孔21の数などの諸元も特に限定されず、例えば複合構造標準示方書(土木学会)に従って孔21の1つ当たりの強度や孔21の間隔などを決定し、これらに基づいて孔あき鋼板ジベル2の諸元を定めることができる。
以上、添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されない。当業者であれば、本願で開示した技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
1:柱部材
2:孔あき鋼板ジベル
3、3a、3b、3c:梁部材
5:型枠
9:スラブ部材
10、10a、10b:接合構造
15:柱主筋
35:梁主筋
17:フープ筋
19、39:カプラ
21、52:孔
37:スターラップ筋
51:スリット

Claims (2)

  1. 型枠に形成されたスリットに孔あき鋼板ジベルを挿し込んだ状態で前記型枠内にコンクリートを打設することにより、前記孔あき鋼板ジベルの孔を有する一部がコンクリートに埋設され、前記孔あき鋼板ジベルの孔を有する他の部分が前記コンクリートから突出したプレキャスト部材を製作する工程と、
    前記プレキャスト部材を施工現場まで運搬して所定箇所に設置し、現場打ちコンクリートを打設することで、前記孔あき鋼板ジベルの他の部分が前記現場打ちコンクリートによる構造体に埋設された、前記プレキャスト部材と前記構造体との接合構造を構築する工程と、
    を有し、
    前記孔あき鋼板ジベルの孔を有する一部は、前記プレキャスト部材の主筋、及び、前記主筋を囲むように配置され環状を構成する補強筋と干渉しない位置において、前記プレキャスト部材のコンクリートに埋設され
    前記プレキャスト部材は柱部材であり、前記構造体は梁部材であり、
    前記孔あき鋼板ジベルの孔を有する一部は、前記プレキャスト部材のコンクリートのかぶり部分内に収まるように埋設されることを特徴とする接合構造の構築方法。
  2. プレキャスト部材と現場打ちコンクリートによる構造体との接合構造であって、
    前記プレキャスト部材は柱部材であり、
    前記構造体は梁部材であり、
    前記プレキャスト部材に、孔あき鋼板ジベルの孔を有する一部が埋設され、
    前記構造体に、前記プレキャスト部材から突出する前記孔あき鋼板ジベルの孔を有する他の部分が埋設され、
    前記孔あき鋼板ジベルの孔を有する一部が、前記プレキャスト部材の主筋、及び、前記主筋を囲むように配置され環状を構成する補強筋と干渉しない位置において、前記プレキャスト部材のコンクリートに埋設され
    前記孔あき鋼板ジベルの孔を有する一部は、前記プレキャスト部材のコンクリートのかぶり部分内に収まるように埋設されたことを特徴とする接合構造。
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