JP6806299B2 - ヒドロシリル化鉄触媒の調製方法 - Google Patents
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Description
このヒドロシリル化反応の触媒としては、Pt、Pd、Rh化合物が知られており、その中でも最も多く用いられているものはSpeier触媒、Karstedt触媒に代表されるPt化合物である。
また、オレフィンの種類により、α付加体とβ付加体の選択性が劣るという問題もある。
鉄錯体触媒によるヒドロシリル化反応について、例えば、鉄−カルボニル錯体(Fe(CO)5、Fe3(CO)12)による反応が知られているが(非特許文献1)、この反応では160℃といった高温下での反応条件、または光照射(非特許文献2)が必要である。
また、これらの鉄−カルボニル錯体では付加反応ではなく、脱水素シリル化生成物が得られるとの報告もある(非特許文献3、特許文献1)。
シクロペンタジエニル基を配位子として有する鉄−カルボニル錯体を使用した、メチルビニルジシロキサンとメチルハイドロジェンジシロキサンの反応例も報告されているが(非特許文献4、特許文献2)、この反応では脱水素シリル化反応も進行するため、付加反応の選択性が低い。
同じくターピリジン系配位子とビストリメチルシリルメチル基を有する鉄触媒の反応で、収率良く付加反応物が得られることが報告されている(非特許文献6)ものの、この手法は、先ず触媒前駆体となるターピリジン−鉄錯体を合成し、さらに低温下でのビストリメチルシリルメチル基の導入と、触媒合成に至るまでが工業的に容易ではない。
しかし、この錯体を用いた反応では、内部オレフィンに対する反応性が低いこと、錯体合成時には、禁水性のナトリウムと毒性の高い水銀からなり、取り扱いに注意を要するNaアマルガムを使用すること(もしくは禁水性のNaBEt3Hを使用すること)、錯体化合物自体の安定性が低く、取り扱いにはグローブボックス等の特殊な設備が必要となるほか、窒素等の不活性ガス雰囲気下、低温で保存する必要があるといった問題点がある。
トリアルキルシリル基を置換基として有するコバルト−カルボニル錯体によるオレフィンとトリアルキルシランの反応例も報告されているが(非特許文献15)、収率が低く、また選択性にも乏しい。
シクロペンタジエニル基を配位子として有するコバルト−ホスファイト錯体を使用することによるオレフィンとトリアルキルシランの反応(非特許文献16)、N−ヘテロ環状カルベンを配位子として有するコバルト錯体によるオレフィンとトリヒドロフェニルシランの反応(非特許文献17)が報告されているが、錯体化合物の安定性が低く、取り扱いにはグローブボックス等の特殊な設備が必要であり、保存には、不活性ガス雰囲気下、かつ、低温下が必要となる。
また、ビスイミノキノリン配位子を有する錯体触媒による反応で、触媒の活性化剤としてMg(ブタジエン)・2THF、NaEt3BHを使用する方法が開示されているが(特許文献7)、上記と同じ問題点がある他に、目的物の収率も満足すべきものではない。
ビニルシロキサンが配位した触媒(非特許文献19)は、脱水素シリル化生成物が主成分となり、付加反応の選択性は低い。
アリルホスフィンを配位子とする触媒(非特許文献20)は収率が低く、トリヒドロフェニルシランは工業的に価値の高い反応基質ではない。
ビスアミド基を有する触媒(非特許文献21)は、触媒の保存や取り扱いに注意が必要であり、またジヒドロジフェニルシランも工業的に価値の高い反応基質ではない。
N−ヘテロ環状カルベンを配位子として有する触媒(非特許文献22)は、反応の選択性が低く、トリヒドロフェニルシランは工業的な価値が高くない。
反応性を上げるためにイオン性液体存在下で反応させる方法も開示されているが(非特許文献25)、反応生成物からイオン性液体を分離する工程が必要となる。また触媒もCOD基とN−ヘテロカルベン基を配位子として有しており、上記と同じ問題点を有している。
また、脱水素シリル化反応が優先して進行する触媒例も報告されている(非特許文献26)。
さらに、前駆体となる触媒はCOD基を配位子とするものであり、保存や取り扱いに注意が必要である。
この方法は、触媒の保存および取り扱いが容易であることが利点であるものの、工業的観点からより実用性の高いシロキサンへの反応性について検討されていない。
しかも、ロジウムも高価な貴金属元素であることに変わりなく、白金に替わる触媒として実用化するには触媒機能をさらに高活性化することが要求される。
しかし、反応活性を具体的に例示しているのは高価な金属元素である白金、パラジウム、ロジウム、イリジウムのみであり、コスト的に有利な方法とはいえない。
また、特許文献13,14の実施例で効果が示されているのは公知となっている白金触媒のみであり、他の金属で触媒活性を示す構造については何も示唆していない。
特許文献16および特許文献17にはカルベンとビニルシロキサンを配位子として有する触媒が開示されているが、実施例として記載されているのは白金触媒のみである。
しかも、カルベンを配位子として有する金属触媒は、錯体化合物の保存安定性が低く、取り扱いにも注意を要する。
また、特許文献29には、Ni−カルベン錯体と金属前駆体との反応から得られる金属−カルベン錯体触媒が開示されている。しかし、別途Ni−カルベン錯体を合成する必要があるうえ、反応させる金属前駆体はホスフィン、CODなどの配位子を有する金属化合物であり、これらの配位子を有する金属前駆体は保存安定性が低い。
特許文献30,31にはオレフィン性の配位子を有するPd、Pt、Ni錯体をカルベンと反応させて得られる錯体触媒が開示されている。しかし、オレフィン性配位子を有する金属錯体は、公知のビニルシロキサンを配位子とするPt触媒を除き、保存安定性が低い。
特許文献32にはCo−カルベン錯体が開示されているが、ケトン類に対するヒドロシリル化反応に活性を有するものである。
特許文献33,34には金属−カルベン錯体によるオルガノポリシロキサンの硬化反応への応用が開示されているが、ここで示されている金属はPtのみであり、合成方法も公知のビニルシロキサンを配位子として有するPt錯体をカルベンと反応するものである。
例えば、特許文献21,22にはそれぞれCo、あるいはFeのハロゲン化物、またはトリメチルシリルアミド塩へ、カルベンに相当する化合物を添加した実施例がいくつか記載されているものの、反応活性有りと記載されているのはフェニルトリヒドロシランのみであり、ヘプタメチルトリシロキサンでは反応活性が無いとされている。
同じように特許文献25ではNi化合物とカルベン化合物の例が開示されており、ヘプタメチルトリシロキサンへの付加反応において活性が認められたのは1例のみで、他はフェニルトリヒドロシランのみに活性を示したか、あるいはヘプタメチルトリシロキサンにも活性を示さない例が多数示されている。
特許文献23,26にはIrまたはRu化合物とカルベン化合物の例が開示されているが、反応活性を示したのはオレフィン性の配位子としてCOD基、またはη6−アリール基を有する金属化合物のみである。
しかも、これら特許文献21〜26に示されている全ての実施例は、活性化剤としてイオン性の塩やヒドリド還元剤を使用しているが、それにも関わらず、ほとんどの実施例が触媒活性を示していない。
1. 式(1)
Fe(X)a (1)
(式中、Xは、互いに独立して、カルボニル基(CO基)およびシクロペンタジエニル基を除く、不飽和基を含んでいてもよい炭素数2〜30の配位子を表すが、Xの少なくとも1つは不飽和基を含んでおり、
aはFe原子1個あたり2〜4の整数を表す。)
で表され、前記FeがXに含まれる炭素原子との結合を有し、そのFe−炭素結合の総数が2〜10である鉄の単核錯体、または二核もしくは三核錯体と、
二電子配位子(L)とを反応させることを特徴とするヒドロシリル化鉄触媒の調製方法、
2. 前記Feが、Xに含まれる炭素原子のみと結合した1のヒドロシリル化鉄触媒の調製方法、
3. 前記Xが、不飽和基を含む炭素数2〜30の配位子のみからなる1または2のヒドロシリル化鉄触媒の調製方法、
4. 前記Xが、アリール基であり、Fe−炭素結合の総数が2である1〜3のいずれかのヒドロシリル化鉄触媒の調製方法、
5. Fe−炭素結合の総数が6〜10の単核錯体である1〜3のいずれかのヒドロシリル化鉄触媒の調製方法、
6. Fe−炭素結合の総数が10である5のヒドロシリル化鉄触媒の調製方法、
7. 前記Xが、分子中に1〜5個の不飽和基を有する環状オレフィン、非環状オレフィン、環状オレフィニル基および非環状オレフィニル基から選ばれる少なくとも1種の配位子である5または6のヒドロシリル化鉄触媒の調製方法、
8. 前記Lが、カルボニル基、分子状水素、アミン、イミン、含窒素ヘテロ環、ホスフィン、アルシン、アルコール、チオール、エーテル、スルフィド、ニトリル、イソシアニド、アルデヒド、ケトンおよびカルベンから選ばれる少なくとも1種の二電子配位子である1〜7のいずれかのヒドロシリル化鉄触媒の調製方法、
9. 前記Lが、分子状水素、アミン、イミン、含窒素ヘテロ環、ホスフィン、アルシン、アルコール、チオール、エーテル、スルフィド、ニトリル、イソシアニド、アルデヒド、ケトンおよびカルベンから選ばれる少なくとも1種の二電子配位子である8のヒドロシリル化鉄触媒の調製方法、
10. 前記Lが、含窒素ヘテロ環、イソシアニドおよびカルベンから選ばれる少なくとも1種の二電子配位子である9のヒドロシリル化鉄触媒の調製方法、
11. 前記Lが、式(2)
Y−NC (2)
(式(2)中、Yは置換されていてもよく、かつ、酸素、窒素、硫黄およびリンから選ばれる原子が1個またはそれ以上介在していてもよい炭素数1〜30の1価有機基を表す。)で表されるイソシアニド化合物、および式(3)
R1およびR2は、互いに独立して、ハロゲン原子またはアルコキシ基で置換されていてもよい、炭素数1〜30のアルキル基、アリール基またはアラルキル基を表し、R1のいずれか1つと、R2のいずれか1つが結合して2価の有機基を構成して環状構造をとっていてもよく、環状構造をとるときは、窒素原子および/または不飽和結合を含んでいてもよい。)
で表される、1つまたは2つの窒素原子が隣接しているカルベン化合物から選ばれる少なくとも1種の二電子配位子である10のヒドロシリル化鉄触媒の調製方法、
12. 前記式(3)で表されるカルベン化合物が、式(4)で表される11のヒドロシリル化鉄触媒の調製方法、
13. 前記Lが、ビスイミノピリジン化合物またはテルピリジン化合物である10のヒドロシリル化鉄触媒の調製方法、
14.脂肪族不飽和結合を有する化合物と、Si−H基を有するヒドロシラン化合物またはオルガノヒドロポリシロキサン化合物とをヒドロシリル化反応させる系内で行う1〜13のいずれかのヒドロシリル化鉄触媒の調製方法
を提供する。
この鉄錯体化合物は、単独ではヒドロシリル化触媒活性を持たないが、所定の二電子配位子と組み合わせることにより、良好な触媒活性を発揮する。
また、不活性な鉄錯体を用いて反応活性種を発生させるためには、しばしば還元剤が必要となるが、本発明においては反応物であるヒドロシラン自体を還元剤として利用するため、その他の還元剤を加える必要がなく、加えなくても目的とするヒドロシリル化による付加反応が進行する。
前駆体となる鉄錯体と二電子配位子とから調製される本発明の触媒は、調製した触媒を単離してから使用してもよく、ヒドロシリル化反応させる系内で調製し、これを単離せずに使用してもよい。
前駆体となる鉄錯体と二電子配位子とから調製された本発明の触媒を用い、脂肪族不飽和基含有化合物とSi−H基を有するシラン、あるいはポリシロキサンとのヒドロシリル化反応を行うと、室温〜100℃以下の条件下で付加反応が可能になる。特に工業的に有用なポリシロキサン、およびトリアルコキシシラン、ジアルコキシシランとの付加反応も良好に進行する。
なお、公知文献では鉄錯体を用いた同反応において、不飽和基への付加反応と、脱水素シリル化反応による不飽和基含有化合物が生成する反応がたびたび同時に進行し、かつ脱水素シリル化反応が優先的に進行することが示されているが、本発明の触媒を用いると不飽和基への付加反応が優先的に進行し、シリコーン工業において極めて有用性が高いものである。
本発明に係るヒドロシリル化鉄触媒は、式(1)
Fe(X)a (1)
で表され、FeがXに含まれる炭素原子との結合を有し、そのFe−炭素結合の総数が2〜10である鉄の単核錯体、または二核もしくは三核錯体と、二電子配位子(L)とから調製されるものである。
式(1)において、Xは、互いに独立して、カルボニル基(CO基)およびシクロペンタジエニル基を除く、不飽和基を含んでいてもよい炭素数2〜30の配位子を表すが、本発明においては、式(1)で示される鉄錯体の配位子Xの少なくとも1つは不飽和基を含んでいる。
aはFe原子1個あたり2〜4の整数を表すが、好ましくは2である。
アラルキル基としては、好ましくは炭素数7〜30、より好ましくは炭素数7〜20のアラルキル基であり、その具体例としては、ベンジル、フェニルエチル、フェニルプロピル、ナフチルメチル、ナフチルエチル、ナフチルプロピル基等が挙げられる。
さらに、配位子X中の炭素原子の一部が、窒素、リン、ビスマス、ケイ素、ゲルマニウム元素のいずれかで置換されていてもよい。
特に、式(1)の鉄錯体としては、Feが配位子Xに含まれる炭素原子のみと結合し、その結合総数が2〜10のものが好ましく、さらに配位子Xが分子中に不飽和基を有する配位子のみからなる鉄錯体である。
中でも、配位子Xがアリール基であり、Feと配位子Xに含まれる炭素原子との結合の総数が2である二核錯体が好適である。
この場合、配位子Xが分子中に1〜5個の不飽和基を有する環状オレフィン、非環状オレフィン、環状オレフィニル基、非環状オレフィニル基から選ばれるものが好ましく、分子中に2個以上の不飽和基を有する環状ポリエン、非環状ポリエン、環状ポリエニル基、非環状ポリエニル基から選ばれるものがより好ましい。なお、分子中に存在する2個以上の不飽和基は、連続していても、連続していなくてもよい。
二電子配位子としては特に限定されるものではなく、金属錯体の二電子配位子として従来用いられている任意の配位子を用いることができるが、典型的には、一酸化炭素(カルボニル基);窒素、リン、酸素、イオウ等の非共有電子対(不対電子)を含む、アミン化合物、イミン化合物、含窒素ヘテロ環化合物、ホスフィン化合物、アルシン化合物、アルコール化合物、チオール化合物、エーテル化合物、スルフィド化合物、カルベン等の化合物;不対電子とπ電子双方を含む、アルデヒド化合物、ケトン化合物、ニトリル化合物、イソシアニド等の化合物などが挙げられるが、一酸化炭素以外のものが好ましく、含窒素ヘテロ環化合物、カルベン化合物、イソシアニド化合物がより好ましい。
ここで、Rは互いに独立して、ハロゲン原子、水酸基、アルコキシ基で置換されていてもよい、アルキル基、アリール基、アラルキル基であり、これらハロゲン原子、アルキル基、アリール基、アラルキル基の具体例としては、上記で例示したものと同様のものが挙げられる。
アルコキシ基としては、その炭素数は特に限定されるものではないが、好ましくは炭素数1〜10であり、その具体例としては、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、i−プロポキシ、n−ブトキシ、i−ブトキシ、s−ブトキシ、t−ブトキシ、n−ペントキシ、n−ヘキソキシ、n−ヘプチルオキシ、n−オクチルオキシ、n−ノニルオキシ、n−デシルオキシ基等が挙げられる。
ホスフィン化合物としては、例えば、R3P(Rは互いに独立して上記と同じ意味を表す。)で示されるものが挙げられる。
アルシン化合物としては、例えば、R3As(Rは互いに独立して上記と同じ意味を表す。)で示されるものが挙げられる。
チオール化合物としては、上記アルコールの酸素原子を硫黄原子で置換したものが挙げられる。
エーテル化合物としては、例えば、ROR(Rは互いに独立して上記と同じ意味を表す。)で示されるものが挙げられる。
スルフィド化合物としては、上記エーテルの酸素原子を硫黄原子で置換したものが挙げられる。
ニトリル化合物としては、例えば、RCN(Rは上記と同じ意味を表す。)で示されるものが挙げられる。
ここでYは置換されていてもよく、かつ、酸素、窒素、硫黄およびリンから選ばれる原子が1個またはそれ以上介在していてもよい炭素数1〜30の1価有機基を表す。
炭素数1〜30の1価の有機基としては、特に限定されるものではないが、炭素数1〜30の1価炭化水素基が好ましい。
1価炭化水素基としては、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、アラルキル基等が挙げられ、これらアルキル基、アリール基、アラルキル基の具体例としては、上記で例示した基と同様のものが挙げられる。
アルケニル基としては、炭素数2〜20のアルケニル基が好ましく、その具体例としては、エテニル、n−1−プロペニル、n−2−プロペニル、1−メチルエテニル、n−1−ブテニル、n−2−ブテニル、n−3−ブテニル、2−メチル−1−プロペニル、2−メチル−2−プロペニル、1−エチルエテニル、1−メチル−1−プロペニル、1−メチル−2−プロペニル、n−1−ペンテニル、n−1−デセニル、n−1−エイコセニル基等が挙げられる。
アルキニル基としては、炭素数2〜20のアルキニル基が好ましく、その具体例としては、エチニル、n−1−プロピニル、n−2−プロピニル、n−1−ブチニル、n−2−ブチニル、n−3−ブチニル、1−メチル−2−プロピニル、n−1−ペンチニル、n−2−ペンチニル、n−3−ペンチニル、n−4−ペンチニル、1−メチル−n−ブチニル、2−メチル−n−ブチニル、3−メチル−n−ブチニル、1,1−ジメチル−n−プロピニル、n−1−ヘキシニル、n−1−デシニル、n−1−ペンタデシニル、n−1−エイコシニル基等が挙げられる。
上記置換基の具体例としては、フッ素原子、塩素原子等の上述した各種ハロゲン原子、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基等のアルコキシ基、ジアルキルアミノ基等のアミノ基等が挙げられる。
R1およびR2は、互いに独立して、ハロゲン原子またはアルコキシ基で置換されていてもよい、炭素数1〜30のアルキル基、アリール基またはアラルキル基を表すが、R1のいずれか1つと、R2のいずれか1つが結合して2価の有機基を構成して環状構造をとっていてもよく、この場合、環状構造内に窒素原子および/または不飽和結合を含んでいてもよい。
ハロゲン原子、炭素数1〜30のアルキル基、アリール基、およびアラルキル基、ならびにアルコキシ基の具体例は上記で例示した基と同様のものが挙げられる。
好ましくは、式(4)で表される環状のカルベン化合物である。
環状カルベン化合物の具体例としては、以下の化合物を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
前駆体であるイミダゾリウム塩の具体例としては、以下の化合物を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
ビスイミノピリジン化合物の具体例としては、2,6−ビス[1−(2,6−ジメチルフェニルイミノ)エチル]ピリジン、2,6−ビス[1−(2,6−ジエチルフェニルイミノ)エチル]ピリジン、2,6−ビス[1−(2,6−ジイソプロピルフェニルイミノ)エチル]ピリジン等が挙げられる。
ターピリジン化合物の具体例としては、2,2’:6’,2”−テルピリジン等が挙げられる。
また、本発明のヒドロシリル化鉄触媒を用いてヒドロシリル化反応を行うにあたり、触媒の使用量は特に限定されるものではないが、室温〜100℃程度の温和な条件下で反応を進行させて収率よく目的物を得ることを考慮すると、基質である脂肪族不飽和基含有化合物1モルに対して、金属化合物として0.1モル%以上用いることが好ましく、0.5モル%以上用いることがより好ましい。
なお、金属化合物の使用量に特に上限はないが、経済的な観点から基質1モルに対して10モル%程度、好ましくは5モル%である。
この際、一旦、前駆体となる鉄錯体と二電子配位子から触媒を調製した後に、脂肪族不飽和結合を有する化合物と、Si−H基を有するヒドロシラン化合物またはオルガノヒドロポリシロキサン化合物を加えても、いくつかの成分ずつに分けて仕込んでも、全ての成分を一括して仕込んでもよい。
触媒調製時およびヒドロシリル化反応時に有機溶媒を用いることもできるが、本発明では無溶媒で行うことが好ましい。
有機溶媒を用いる場合、その種類としては反応に影響を及ぼさない限り任意であり、例えば、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素類;ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、シクロペンチルメチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン等のエーテル類;ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン等の芳香族炭化水素類などを用いることができる。
また、本発明のヒドロシリル化鉄触媒を用いるヒドロシリル化反応は、脂肪族不飽和結合を有するオレフィン化合物とSi−H結合を有するシラン化合物から得られるシランカップリング剤、脂肪族不飽和結合を有するオレフィン化合物とSi−H結合を有するオルガノポリシロキサンから得られる変性シリコーンオイル類等の他、脂肪族不飽和結合を有するオルガノポリシロキサン化合物とSi−H結合を有するオルガノポリシロキサンから得られるシリコーン硬化物など、従来の白金触媒を用いて工業的に行われていた全ての用途に使用できる。
金属錯体の合成は、シュレンクテクニックもしくはグローブボックスを用いてすべての操作を窒素またはアルゴン雰囲気下で行い、金属化合物の調製に用いた溶媒は、全て公知の方法で脱酸素、脱水を行った後に用いた。
アルケンのヒドロシリル化反応および溶媒精製は、全て不活性ガス雰囲気下で行い、各種反応に用いた溶媒等は、全て予め公知の方法で精製、乾燥、脱酸素を行ったものを用いた。
1H、13C−NMRの測定は日本電子(株)製JNM−ECA600,JNM−LA400を、IR測定は日本分光(株)製FT/IR−550を、元素分析はPerkin Elmer製2400II/CHNを、X線結晶構造解析は(株)リガク製VariMax、MoKα線0.71069オングストロームを用いてそれぞれ行った。
なお、以下に示す化学構造式においては慣用的な表現法に従って水素原子を省略している。また、NHCはN−ヘテロサイクリックカルベンを指す。
[合成例1][Fe(mesityl)(μ−mesityl)]2の合成
文献Organometallics,1993,12,2414.を参考にし、下記手法により合成した。
50mL二口ナスフラスコに、マグネシウムリボン1.08g(44.3mmol)、THF35mLを加え、そこにブロモメシチレン8.49g(42.6mmol)をゆっくり滴下しながら加えた。滴下後、発熱がおさまったことを確認し、60℃で3時間撹拌した。得られた溶液をガラスフィルターでろ過し、臭化メシチルマグネシウムグリニャール試薬のTHF溶液を調製した。
100mLシュレンクチューブにFeCl22.63g(20.7mmol)、THF30mL、1,4−ジオキサン10mLを加え、−78℃まで冷却した。そこに、上記で調製した臭化メシチルマグネシウムグリニャール試薬のTHF溶液をゆっくり加え、25℃で2時間撹拌した。この際、反応液は、茶色懸濁液から赤色懸濁液へと変化した。その後、析出した固体を遠心分離で除去し、減圧乾燥した。得られた赤色固体をジエチルエーテルに溶かし、再度遠心分離で固体を除去後、−30℃で再結晶させて結晶を得た(4.36g、収率72%)。得られた結晶は、C6D6中で1H−NMRを測定し、同定した。
1H−NMR(600MHz、C6D6)δ:23.68(s,2H),23.17(s,2H),21.44(s,3H),17.94(s,3H),10.19(s,6H),−6.66(s,6H).
ビスシクロオクタテトラエン鉄は、非特許文献(Inorganic syntheses,1974,15,2)を参考にし、下記手法により合成した。
100mLシュレンクチューブに、トリアセチルアセトナート鉄1.0g(2.9mmol)、ジエチルエーテル20mL、シクロオクタテトラエン2.0g(19.3mmol)を加えて、その混合溶液を−78℃まで冷却した。そこにトリエチルアルミニウムのヘキサン溶液(1.0M)10mLをゆっくりと滴下し、全量滴下後、−10℃で2時間撹拌した。その後、室温で30分撹拌した後、再度−78℃まで冷却し、3時間かけて結晶を析出させた。上澄みを除去し、得られた結晶を再度ジエチルエーテルに溶かし、−30℃で再結晶化させてビスシクロオクタテトラエン鉄(以下、Fe(COT)2と略記する)の黒色結晶を得た(0.47g,収率62%)。得られた結晶は、C6D6中で1H−NMRを測定し、同定した。
1H−NMR(600MHz、C6D6)δ:5.05(s,16H).
ビス(3−メチルペンタジエニル)鉄は、非特許文献(Organometallics,1983,2,1220−1228)を参考にし、下記手法により合成した。
50mL2口ナスフラスコに、t−ブトキシカリウム1.37g(12.2mmol)、ヘキサン20mL、1.67Mn−ブチルリチウムヘキサン溶液7.3mL(12.2mmol)を加え、撹拌した。そこに、3−メチルペンタジエン1.05g(12.8mmol)を加え、室温で1時間撹拌した。反応溶液は白色から赤色へと変化し、沈殿物を生じた。その後、上澄みを除き、ヘキサンで洗浄し、減圧乾燥した。これをTHF20mLに溶かして3−メチルペンタジエニルカリウムのTHF溶液を調製した。
50mLシュレンクチューブに、FeCl20.78g(6.2mmol)、THF5mL加え、−78℃まで冷却した。そこに上記で調製した3−メチルペンタジエニルカリウムのTHF溶液をゆっくり滴下し、滴下後、室温で16時間撹拌した。その後、減圧乾燥し、ペンタンに溶かし、セライトでろ過した後、−78℃で再結晶させた。さらに、得られた赤色固体を50℃減圧下で昇華精製し、ビス(3−メチルペンタジエニル)鉄(以下、(MPDE)2Feと略記する)の赤色固体を得た(0.10g,収率8%)。得られた固体はC6D6中で1H−NMRスペクトルにより同定した。
1H−NMR(600MHz、C6D6)δ:0.34(d,J=9.6Hz,4H),1.69(s,6H),2.87(d,J=8.2Hz,4H),3.80(t,J=9.6Hz,4H).
ビス(2,4−ジメチルペンタジエニル)鉄は、非特許文献(Organometallics,1983,2,1220−1228)を参考にし、下記手法により合成した。
50mL2口ナスフラスコに、t−ブトキシカリウム1.19g(10.6mmol)、ヘキサン5mL、1.67Mn−ブチルリチウムヘキサン溶液6.5mL(10.9mmol)を加え、撹拌した。そこに、2,4−ジメチルペンタジエン1.00g(10.4mmol)を加え、室温で1時間撹拌した。反応溶液は白色から赤色へと変化し、沈殿物が生じた。その後、上澄みを除き、ヘキサンで洗浄後、減圧乾燥した。これをTHF20mLに溶かし、2,4−ジメチルペンタジエニルカリウムのTHF溶液を調製した。
50mLシュレンクチューブにFeCl20.63g(5.0mmol)、THF5mLを加え、−78℃まで冷却した。そこに上記で調製した2,4−ジメチルペンタジエニルカリウムのTHF溶液をゆっくり滴下し、滴下後、室温で21時間撹拌した。その後、減圧乾燥し、ペンタンに溶かし、セライトでろ過した後、−78℃で再結晶させた。さらに、得られた赤色固体を50℃減圧下で昇華精製し、ビス(2,4−ジメチルペンタジエニル)鉄(以下、(DMPDE)2Feと略記する)の赤色固体を得た(0.30g,収率25%)。得られた固体はC6D6中で1H−NMRスペクトルにより同定した。
1H−NMR(600MHz、C6D6)δ:0.28(br,4H),1.82(br,12H),2.65(br,4H),4.35(br,2H).
20mLシュレンクチューブに、Fe(COT)217mg(0.07mmol)、ペンタン12mL、t−ブチルイソシアニド(以下、tBuNCと略記する)7mg(0.08mmol)を加えて、室温で8時間撹拌した。その後、溶液をろ過し、−30℃で再結晶させ、黒色結晶を得た(11mg,収率48%)。得られた結晶は、X線単結晶構造解析、元素分析、NMR測定により同定した。得られた鉄錯体Aの構造を図1に、1H−NMRの測定結果を図2に、13C−NMRの測定結果を図3にそれぞれ示す。
1H−NMR(600MHz、C6D6)δ:1.19(s,9H)、4.48(br,16H).
13C−NMR(151MHz、C6D6)δ:31.1,55.6,100.9(br),166.5.
20mLシュレンクチューブにFe(COT)250mg(0.19mmol)、トルエン2mL、1−イソシアノアダマンタン(以下、AdNCと略記する)33mg(0.21mmol)を加えて、室温で1時間撹拌した。その後、溶液をろ過し、ペンタンを加えて−30℃で再結晶させ、黒色結晶を得た(50mg,収率62%)。得られた結晶は、X線単結晶構造解析、元素分析、NMR測定により同定した。得られた鉄錯体Bの構造を図4に、1H−NMRの測定結果を図5に、13C−NMRの測定結果を図6にそれぞれ示す。
1H−NMR(600MHz、C6D6)δ:1.37(br,6H),1.79(s,3H),1.97(s,6H),4.52(br,16H).
13C−NMR(151MHz、C6D6)δ:29.3,35.8,44.4,55.7,101.0(br),166.6.
20mLシュレンクチューブにFe(COT)242mg(0.16mmol)、ペンタン4mL、tBuNC54mg(0.65mmol)を加えて、室温で8時間撹拌した。その後、溶液をろ過し、−30℃で再結晶させ、赤色結晶を得た(32mg,収率50%)。得られた結晶は、X線単結晶構造解析、元素分析、NMR測定により同定した。得られた鉄錯体Cの構造を図7に、1H−NMRの測定結果を図8に、13C−NMRの測定結果を図9にそれぞれ示す。
1H−NMR(600MHz、C6D6)δ:1.07(s,27H),5.37(br,8H).
13C−NMR(151MHz、C6D6)δ:31.5,55.9,97.0(br),183.6.
20mLシュレンクチューブに、Fe(COT)2100mg(0.38mmol)、トルエン4mL、AdNC185mg(1.15mmol)を加えて、室温で1時間撹拌した。その後、溶液をろ過し、ペンタンを加えて−30℃で再結晶させ、赤色結晶を得た(168mg,収率62%)。得られた結晶は、X線単結晶構造解析、元素分析、NMR測定により同定した。得られた鉄錯体Dの構造を図10に、1H−NMRの測定結果を図11に、13C−NMRの測定結果を図12にそれぞれ示す。
1H−NMR(600MHz、C6D6)δ:1.32(br,18H),1.72(s,9H),1.86(s,18H),5.46(br,8H).
13C−NMR(151MHz、C6D6)δ:29.5,35.8,45.1,56.4,97.1,183.8.
スクリューバイアルに、合成例1で合成した[Fe(mesityl)(μ−mesityl)]215mg(0.025mmol)、tBuNC11μL(0.10mmol)、1,1,3,3,3−ペンタメチルジシロキサン98μL(0.5mmol)、1−オクテン78μL(0.5mmol)を加え、密閉後80℃で16時間撹拌した。
冷却後、内部標準となるアニソールを反応溶液に1.0mmol加えて撹拌した後、極少量を重クロロホルムに溶解させ、アルミナカラムを通して触媒を除き、1H−NMRスペクトルを測定して生成物の構造と収率を決定した。以降に示す実施例は、同様にこの手順で測定用サンプルを調製し、1H−NMRスペクトルを測定した。その結果、原料となる1−オクテンのエチレン部位のシグナルが完全に消失したことを確認した。そして、目的生成物1,1,1,3,3−ペンタメチル−3−オクチルジシロキサンにおけるケイ素に隣接する炭素上のプロトンのシグナルである0.50ppm付近の多重線を確認し、その収率を求めた。結果を表1に示す。
1H−NMR(396MHz、CDCl3)δ:0.03(s,6H),0.06(s,9H),0.50(t,J=7.7Hz,2H),0.88(t,J=6.8Hz,3H),1.19−1.34(br,12H).
スクリューバイアルに、合成例1で合成した[Fe(mesityl)(μ−mesityl)]28mg(0.015mmol)、1,3−ジメシチルイミダゾール−2−イリデン18mg(0.06mmol)、1,1,3,3,3−ペンタメチルジシロキサン254μL(1.3mmol)、1−オクテン157μL(1.0mmol)を加え、密閉後80℃で24時間撹拌した。
冷却後、1H−NMRスペクトルを測定して生成物の構造と収率を決定した。その結果、原料のシグナルが完全に消失したことを確認した。そして、目的生成物のシグナルである0.50ppm付近の多重線を確認し、その収率を求めた。結果を表1に示す。
スクリューバイアルに、合成例2で合成したFe(COT)28mg(0.03mmol)、表2記載の各種イソシアニド0.06mmol、1,1,3,3,3−ペンタメチルジシロキサン254μL(1.3mmol)、スチレン115μL(1.0mmol)を加え、密閉後80℃で3時間撹拌した。冷却後、1H−NMRスペクトルを測定して生成物の構造と収率を決定した。その結果、原料のシグナルが完全に消失したことを確認した。そして、目的生成物1,1,1,3,3−ペンタメチル−3−フェネチルジシロキサンにおけるケイ素に隣接する炭素上のプロトンのシグナルである0.89ppm付近の多重線を確認し、その収率を求めた。結果を表2に示す。
1H−NMR(396MHz、CDCl3)δ:0.07(s,6H),0.09(s,9H),0.86−0.92(m,2H),2.61−2.68(m,2H),7.13−7.33(m,5H).
スクリューバイアルに、合成例2で合成したFe(COT)28mg(0.03mmol)、tBuNC7μL(0.06mmol)、1,1,3,3,3−ペンタメチルジシロキサン254μL(1.3mmol)、スチレン115μL(1.0mmol)を加え、密閉後50℃で23時間撹拌した。冷却後、1H−NMRスペクトルを測定し、生成物の構造と収率を決定した。その結果、原料のシグナルが完全に消失したことを確認した。そして、目的生成物のシグナルである0.89ppm付近の多重線を確認し、その収率を求めた。結果を表3に示す。
スチレンの代わりに4−メトキシスチレン134μL(1.0mmol)を用いた以外は、実施例11と同様の手順で反応を行った。その結果、原料となる4−メトキシスチレンのエチレン部位のシグナルが完全に消失したことを確認した。そして、目的生成物1−(4−メトキシフェニルエチル)−1,1,3,3,3−ペンタメチルジシロキサンにおけるケイ素に隣接する炭素上のプロトンのシグナルである0.89ppmの多重線を確認し、その収率を求めた。結果を表3に示す。
1H−NMR(396MHz、CDCl3)δ:0.06(s,6H),0.08(s,9H),0.83−0.89(m,2H),2.56−2.62(m,2H),3.79(s,3H),6.82(d,J=8.2Hz,2H),7.12(d,J=8.2,2H).
スチレンの代わりに4−t−ブチルスチレン180μL(1.0mmol)を用いた以外は、実施例11と同様の手順で反応を行った。その結果、原料となる4−t−ブチルスチレンのエチレン部位のシグナルが完全に消失したことを確認した。そして、目的生成物におけるケイ素に隣接する炭素上のプロトンのシグナルである0.89ppm付近の多重線を確認し、その収率を求めた。結果を表3に示す。
その後、反応溶液をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒ヘキサン:酢酸エチル=10:1(v/v))で精製し、1−(4−(t−ブチル)フェニルエチル)−1,1,3,3,3−ペンタメチルジシロキサンを得た(302mg,単離収率99%)。
1H−NMR(396MHz、CDCl3)δ:0.08(s,6H),0.08(s,9H),0.85−0.92(m,2H),2.58−2.65(m,2H),7.10−7.16(m,2H),7.21−7.29(m,2H).
13C−NMR(99MHz、CDCl3)δ:0.5,2.1,20.5,29.0,128.5,129.3,131.3,143.8.
スチレンの代わりに4−クロロスチレン127μL(1.0mmol)を用いた以外は、実施例11と同様の手順で反応を行った。その結果、原料となる4−クロロスチレンのエチレン部位のシグナルが完全に消失したことを確認した。そして、目的生成物におけるケイ素に隣接する炭素上のプロトンのシグナルである0.85ppmの多重線を確認し、その収率を求めた。結果を表3に示す。
その後、反応溶液をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒ヘキサン)で精製し、1−(4−クロロフェニルエチル)−1,1,3,3,3−ペンタメチルジシロキサンを得た(246mg,単離収率86%)。
1H−NMR(396MHz、CDCl3)δ:0.07(s,6H),0.08(s,9H),0.82−0.88(m,2H),1.31(s,9H),2.58−2.64(m,2H),7.12−7.16(m,2H),7.29−7.32(m,2H).
13C−NMR(99MHz、CDCl3)δ:0.4,2.2,20.4,28.9,31.6,34.5,125.3,127.6,142.3,148.4.
スチレンの代わりに4−フルオロスチレン119μL(1.0mmol)を用いた以外は、実施例11と同様の手順で反応を行った。その結果、原料となる4−フルオロスチレンのエチレン部位のシグナルが完全に消失したことを確認した。そして、目的生成物におけるケイ素に隣接する炭素上のプロトンのシグナルである0.86ppmの多重線を確認し、その収率を求めた。結果を表3に示す。
その後、反応溶液をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒ヘキサン:酢酸エチル=10:1(v/v))で精製し、1−(4−フルオロフェニルエチル)−1,1,3,3,3−ペンタメチルジシロキサンを得た(241mg,単離収率89%)。
1H−NMR(396MHz、CDCl3)δ:0.07(s,6H),0.08(s,9H),0.83−0.89(m,2H),2.59−2.65(m,2H),6.92−6.98(m,2H),7.12−7.17(m,2H).
13C−NMR(99MHz、CDCl3)δ:0.5,2.2,20.7,28.8,115.0,115.2,129.2,129.2,140.9,140.9,160.0,162.5.
スチレンの代わりに4−ビニル安息香酸エチル176mg(1.0mmol)を用いた以外は、実施例11と同様の手順で反応を行った。その結果、原料となる4−ビニル安息香酸エチルのエチレン部位のシグナルが完全に消失したことを確認した。そして、目的生成物におけるケイ素に隣接する炭素上のプロトンのシグナルである0.89ppmの多重線を確認し、その収率を求めた。結果を表3に示す。
その後、反応溶液をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒ヘキサン:酢酸エチル=30:1(v/v))で精製し、2−(1,1,1,3,3−ペンタメチルジシロキサニル)エチル−4−安息香酸エチルを得た(313mg,単離収率96%)。
1H−NMR(396MHz、CDCl3)δ:0.08(s,6H),0.08(s,9H),0.84−0.91(m,2H),1.39(t,J=7.2Hz,3H),2.66−2.72(m,2H),4.36(q,J=7.2Hz,2H),7.26(d,J=7.2Hz,2H),7.95(d,J=7.2Hz,2H).
13C−NMR(99MHz、CDCl3)δ:0.3,2.0,14.3,20.1,29.6,60.7,127.8,127.9,129.6,150.7,166.7.
スチレンの代わりに2−ビニルナフタレン154mg(1.0mmol)を用いた以外は、実施例11と同様の手順で反応を行った。その結果、原料となる2−ビニルナフタレンのエチレン部位のシグナルが完全に消失したことを確認した。そして、目的生成物におけるケイ素に隣接する炭素上のプロトンのシグナルである0.98ppmの多重線を確認し、その収率を求めた。結果を表3に示す。
その後、反応溶液をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒ヘキサン)で精製し、1,1,3,3,3−ペンタメチル−3−(2−(2−ナフタレニル)エチル)ジシロキサンを得た(175mg,単離収率58%)。
1H−NMR(396MHz、CDCl3)δ:0.10(s,9H),0.10(s,6H),0.95−1.02(m,2H),2.78−2.84(m,2H),7.33−7.47(m,3H),7.62(s,1H),7.74−7.82(m,3H).
13C−NMR(99MHz、CDCl3)δ:0.5,2.2,20.4,29.8,125.1,125.6,126.0,127.2,127.5,127.7,127.9,132.1,133.9,142.9.
スチレンの代わりに1−オクテン157μL(1.0mmol)を用いた以外は、実施例3と同様の手順で反応を行った。その結果、原料となる1−オクテンのエチレン部位のシグナルが完全に消失したことを確認した。そして、目的生成物におけるケイ素に隣接する炭素上のプロトンのシグナルである0.51ppmの多重線を確認し、その収率を求めた。結果を表4に示す。
スチレンの代わりに2−オクテン157μL(1.0mmol)を用いた以外は、実施例3と同様の手順で反応を行った。その結果、原料となる2−オクテンのエチレン部位のシグナルが減少したことを確認した。そして、目的生成物におけるケイ素に隣接する炭素上のプロトンのシグナルである0.51ppmの多重線を確認し、その収率を求めた。結果を表4に示す。
1H−NMR(396MHz、CDCl3)δ:0.03(s,6H),0.06(s,9H),0.50(t,J=7.7Hz,2H),0.88(t,J=6.8Hz,3H),1.19−1.34(m,12H).
スチレンの代わりに1,1,1,3,3−ペンタメチル−3−ビニルジシロキサン222μL(1.0mmol)を用いた以外は、実施例3と同様の手順で反応を行った。その結果、原料となる1,1,1,3,3−ペンタメチル−3−ビニルジシロキサンのエチレン部位のシグナルが完全に消失したことを確認した。そして、目的生成物におけるケイ素に隣接する炭素上のプロトンのシグナルである0.40ppmの1重線を確認し、その収率を求めた。結果を表4に示す。
1H−NMR(396MHz、CDCl3)δ:0.40(s,4H),0.06(s,18H),0.04(s,12H).
スチレンの代わりにアリルベンゼン133μL(1.0mmol)を用いた以外は、実施例3と同様の手順で反応を行った。その結果、原料となるアリルベンゼンのエチレン部位のシグナルが減少したことを確認した。そして、目的生成物におけるケイ素に隣接する炭素上のプロトンのシグナルである0.56ppmの多重線を確認し、その収率を求めた。結果を表4に示す。
1H−NMR(396MHz、CDCl3)δ:0.04(s,6H),0.05(s,9H),0.53−0.59(m,2H),1.58−1.69(m,2H),2.62(t,J=6.8,2H),7.13−7.21(m,3H),7.21−7.27(m,2H).
スチレンの代わりにα−メチルスチレン130μL(1.0mmol)を用いた以外は、実施例3と同様の手順で反応を行った。その結果、原料となるα−メチルスチレンのエチレン部位のシグナルが減少したことを確認した。そして、目的生成物におけるケイ素に隣接する炭素上のプロトンのシグナルである0.95ppmの多重線を確認し、その収率を求めた。結果を表4に示す。
1H−NMR(396MHz、CDCl3)δ:−0.05(s,3H),−0.04(s,3H),0.07(s,9H),1.02−0.91(m,2H),1.29(d,J=6.8Hz,3H),2.88−2.97(m,1H),7.14−7.19(m,1H),7.21−7.23(m,2H),7.26−7.30(m,2H).
窒素で満たしたグローブボックス内で撹拌子を入れたスクリューバイアルに、合成例2で合成したFe(COT)226mg(0.10mmol)、tBuNC23μL(0.20mmol)、1,1,3,3,3−ペンタメチルジシロキサン254μL(1.3mmol)、シクロペンテン88μL(1.0mmol)を加え、密閉後80℃で3時間撹拌した。冷却後、1H−NMRスペクトルを測定して生成物の構造と収率を決定した。その結果、原料となるシクロペンテンのエチレン部位のシグナルが減少したことを確認した。そして、目的生成物におけるケイ素に隣接する炭素上のプロトンのシグナルである0.86ppm付近の多重線を確認し、その収率を求めた。結果を表5に示す。
1H−NMR(396MHz、CDCl3)δ:0.02(s,6H),0.06(s,9H),1.20−1.36(m,2H),0.83−0.92(m,1H),1.50−1.57(m,4H),1.66−1.85(m,2H).
窒素で満たしたグローブボックス内で、撹拌子を入れたスクリューバイアルに合成例2で合成したFe(COT)23mg(0.01mmol)、tBuNC2μL(0.06mmol)、1,1,3,3,3−ペンタメチルジシロキサン1.94g(13.0mmol)、スチレン1.04g(10.0mmol)を加え、密閉後50℃で24時間撹拌した。冷却後、1H−NMRスペクトルを測定し、生成物の構造と収率を確認した。その結果、原料のシグナルが完全に消失したことを確認した。そして、目的生成物のシグナルである0.89ppm付近の多重線を確認し、その収率を求めた。結果を表6に示す。
その後、アルミナカラムを通して触媒を除き、減圧下(3Pa)、40℃で蒸留精製し、透明溶液を得た〔2.36g(9.35mmol),単離収率94%〕。
1H−NMR(396MHz、CDCl3)δ:0.08(s,6H),0.10(s,9H),0.87−0.93(m,2H),2.62−2.69(m,2H),7.14−7.23(m,3H),7.28(t,J=7.2Hz,2H).
13C−NMR(99MHz、CDCl3)δ:0.3,2.0,20.4,29.4,125.5,127.8,128.3,145.2.
1,1,3,3,3−ペンタメチルジシロキサンの代わりにジメチルフェニルシラン202μL(1.3mmol)を用いた以外は、実施例11と同様の手順で反応を行った。その結果、原料となるスチレンのエチレン部位のシグナルが完全に消失したことを確認した。そして、目的生成物であるジメチル(フェネチル)フェニルシランにおけるケイ素に隣接する炭素上のプロトンのシグナルである1.13ppmの多重線を確認し、その収率を求めた。結果を表7に示す。
1H−NMR(396MHz、CDCl3)δ:0.29(s,6H),1.10−1.16(m,2H),2.61−2.67(m,2H),7.13−7.39(m,8H),7.51−7.56(m,2H).
窒素で満たしたグローブボックス内で、撹拌子を入れたスクリューバイアルに、合成例2で合成したFe(COT)216mg(0.06mmol)、tBuNC14μL(0.12mmol)、ジメチルヒドロシリル両末端封鎖ポリジメチルシロキサン(n=27)2.77g(1.3mmol)、スチレン230μL(2.0mmol)を加え、密閉後50℃で23時間撹拌した。冷却後、1H−NMRスペクトルを測定し、生成物の構造と収率を決定した。その結果、原料となるスチレンのエチレン部位のシグナルが完全に消失したことを確認した。そして、目的生成物におけるケイ素に隣接する炭素上のプロトンのシグナルである0.91ppmの多重線を確認し、その収率を求めた。その結果は表7に記載した。
1H−NMR(396MHz、CDCl3)δ:0.07(br),0.88−0.95(m,4H),2.62−2.69(m,4H),7.13−7.33(m,10H).
窒素で満たしたグローブボックス内で、撹拌子を入れたスクリューバイアルに合成例2で合成したFe(COT)22mg(0.01mmol)、AdNC3mg(0.02mmol)、1,1,3,3,3−ペンタメチルジシロキサン254μL(1.3mmol)、スチレン115μL(1.0mmol)を加え、密閉後室温で23時間撹拌した。冷却後、1H−NMRスペクトルを測定し、生成物の構造と収率を決定した。その結果、原料のシグナルが完全に消失したことを確認した。そして、目的生成物のシグナルである0.89ppm付近の多重線を確認し、その収率を求めた。結果を表8に示す。
スチレンの代わりに表8記載の各種アルケンを1.0mmol用いるとともに、実施例28,33については表8記載の温度に変更した以外は、実施例27と同様の手順で反応を行った。結果を表8に示す。
tBuNCの代わりにAdNC10mg(0.06mmol)を用いた以外は、実施例25と同様の手順で反応を行った。その結果、原料のシグナルが完全に消失したことを確認した。そして、目的生成物のプロトンのシグナルである1.13ppmの多重線を確認し、その収率を求めた。結果を表9に示す。
tBuNCの代わりにAdNC20mg(0.12mmol)を用いた以外は、実施例26と同様の手順で反応を行った。その結果、原料のシグナルが完全に消失したことを確認した。そして、目的生成物のシグナルである0.91ppmの多重線を確認し、その収率を求めた。結果を表9に示す。
スクリューバイアルに、合成例2で合成したFe(COT)28mg(0.03mmol)と、表10に示される各配位子(0.03mmol)を加え、1,1,3,3,3−ペンタメチルジシロキサン254μL(1.3mmol)、スチレン115μL(1.0mmol)を加えて密閉後、表10に示される条件で反応を行った。冷却後、1H−NMRスペクトルを測定し、生成物の構造と収率を決定した。その結果、原料のシグナルが減少したことを確認した。そして、目的生成物のシグナルである0.89ppm付近の多重線を確認し、1H−NMRによる転化率および収率をそれぞれ求めた。結果を表10に示す。
スチレンの代わりに1−オクテン157μL(1.0mmol)を用いた以外は、実施例36と同様の手順で反応を行った。その結果、原料のシグナルが減少したことを確認した。そして、目的生成物のシグナルである0.51ppmの多重線を確認した。1H−NMRによる転化率および収率をそれぞれ求めた。結果を表11に示す。
スチレンの代わりに1−オクテン157μL(1.0mmol)を用いた以外は、実施例38と同様の手順で反応を行った。その結果、原料のシグナルが減少したことを確認した。そして、目的生成物のシグナルである0.51ppmの多重線を確認した。1H−NMRによる転化率および収率をそれぞれ求めた。結果を表11に示す。
スクリューバイアルに、合成例3で合成した(MPDE)2Fe7mg(0.03mmol)、tBuNC7μL(0.06mmol)、1,1,3,3,3−ペンタメチルジシロキサン254μL(1.3mmol)、スチレン115μL(1.0mmol)を加え、密閉後、80℃で3時間撹拌した。冷却後、1H−NMRスペクトルを測定し、生成物の構造と収率を決定した。その結果、原料のシグナルが完全に消失したことを確認した。そして、目的生成物のプロトンのシグナルである0.89ppm付近の多重線を確認し、その収率を求めた。結果を表12に示す。
(MPDE)2Feの代わりに合成例4で合成した(DMPDE)2Fe7mg(0.03mmol)を用いた以外は、実施例41と同様の手順で反応を行った。その結果、原料となるスチレンのエチレン部位のシグナルが完全に消失したことを確認した。そして、目的生成物1,1,1,3,3−ペンタメチル−3−フェネチルジシロキサンにおけるケイ素に隣接する炭素上のプロトンのシグナルである0.89ppm付近の多重線を確認し、その収率を求めた。結果を表12に示す。
スクリューバイアルに、実施例41と同様の反応試剤をそれぞれ同量仕込み、密閉後、50℃で23時間撹拌した。冷却後、1H−NMRスペクトルを測定し、生成物の構造と収率を決定した。その結果、原料となるスチレンのエチレン部位のシグナルが完全に消失したことを確認した。そして、目的生成物のシグナルである0.89ppm付近の多重線を確認し、その収率を求めた。結果を表12に示す。
スクリューバイアルに、合成例3で合成した(MPDE)2Fe2mg(0.01mmol)、1,3−ジメシチルイミダゾール−2−イリデン6mg(0.02mmol)、1,1,3,3,3−ペンタメチルジシロキサン254μL(1.3mmol)、1−オクテン157μL(1.0mmol)を加え、密閉後、80℃で24時間撹拌した。冷却後、1H−NMRスペクトルを測定し、生成物の構造と収率を決定した。その結果、原料のシグナルが完全に消失したことを確認した。そして、目的生成物のシグナルである0.89ppm付近の多重線を確認し、その収率を求めた。結果を表13に示す。
窒素で満たしたグローブボックス内で、撹拌子を入れたスクリューバイアルに、表14に示した鉄触媒(0.03mmol)を加え、1,1,3,3,3−ペンタメチルジシロキサン254μL(1.3mmol)、スチレン115μL(1.0mmol)を加えて密閉後、表14に示される条件で反応を行った。冷却後、1H−NMRスペクトルを測定し、生成物の構造と収率を決定した。その結果、原料のシグナルが完全に消失したことを確認した。そして、目的生成物のシグナルである0.89ppm付近の多重線を確認し、1H−NMRによる収率をそれぞれ求めた。結果を表14に示す。
[実施例49]
合成例2で合成したビスシクロオクタテトラエン鉄3mg(0.01mmol)、tBuNC3μL(0.02mmol)、1,1,3,3,3−ペンタメチルジシロキサン254μL(1.3mmol)、スチレン115μL(1.0mmol)を用い、実施例11と同様に50℃で3時間撹拌した。実施例3と同様に求めた目的物の収率は99%であった。
合成例2で合成したビスシクロオクタテトラエン鉄3mg(0.01mmol)、AdNC3mg(0.02mmol)、1,1,3,3,3−ペンタメチルジシロキサン254μL(1.3mmol)、スチレン115μL(1.0mmol)を用い、実施例11と同様に50℃で0.5時間撹拌した。実施例3と同様に求めた目的物の収率は99%であった。
合成例3で合成したビス(3−メチルペンタジエニル)鉄2mg(0.01mmol)、tBuNC3μL(0.02mmol)、1,1,3,3,3−ペンタメチルジシロキサン254μL(1.3mmol)、スチレン115μL(1.0mmol)を用い、実施例11と同様に50℃で6時間撹拌した。実施例3と同様に求めた目的物の収率は99%であった。
合成例3で合成したビス(3−メチルペンタジエニル)鉄2mg(0.01mmol)、AdNC3mg(0.02mmol)、1,1,3,3,3−ペンタメチルジシロキサン254μL(1.3mmol)、スチレン115μL(1.0mmol)を用い、実施例11と同様に50℃で6時間撹拌した。実施例3と同様に求めた目的物の収率は99%であった。
合成例3で合成したビス(3−メチルペンタジエニル)鉄2mg(0.01mmol)、AdNC3mg(0.02mmol)、1,1,3,3,3−ペンタメチルジシロキサン2.54mL(13.0mmol)、スチレン1.15mL(10.0mmol)を用い、実施例11と同様に50℃で23時間撹拌した。実施例3と同様に求めた目的物の収率は99%であった。
合成例3で合成したビス(3−メチルペンタジエニル)鉄2mg(0.01mmol)、MePDI4mg(0.01mmol)、1,1,3,3,3−ペンタメチルジシロキサン254μL(1.3mmol)、スチレン115μL(1.0mmol)を用い、実施例3と同様に80℃で3時間撹拌した。実施例3と同様に求めた目的物の収率は99%であった。
合成例3で合成したビス(3−メチルペンタジエニル)鉄2mg(0.01mmol)、EtPDI4mg(0.01mmol)、1,1,3,3,3−ペンタメチルジシロキサン254μL(1.3mmol)、スチレン115μL(1.0mmol)を用い、実施例3と同様に80℃で3時間撹拌した。実施例3と同様に求めた目的物の収率は99%であった。
合成例3で合成したビス(3−メチルペンタジエニル)鉄2mg(0.01mmol)、2,6−ビス[1−(2,6―ジイソプロピルフェニルイミノ)エチル]ピリジン(iPrPDI)5mg(0.01mmol)、1,1,3,3,3−ペンタメチルジシロキサン254μL(1.3mmol)、スチレン115μL(1.0mmol)を用い、実施例3と同様に80℃で3時間撹拌した。実施例3と同様に求めた転化率は40%、目的物の収率は34%であった。
合成例3で合成したビス(3−メチルペンタジエニル)鉄2mg(0.01mmol)、2,2’:6’,2”−テルピリジン2mg(0.01mmol)、1,1,3,3,3−ペンタメチルジシロキサン254μL(1.3mmol)、スチレン115μL(1.0mmol)を用い、実施例3と同様に80℃で3時間撹拌した。実施例3と同様に求めた転化率は24%、目的物の収率は18%であった。
合成例3で合成したビス(3−メチルペンタジエニル)鉄2mg(0.01mmol)、MePDI4mg(0.01mmol)、1,1,3,3,3−ペンタメチルジシロキサン254μL(1.3mmol)、1−オクテン157μL(1.0mmol)を用い、実施例1と同様に80℃で3時間撹拌した。実施例1と同様に求めた転化率は99%以上、目的物の収率は67%であった。
合成例3で合成したビス(3−メチルペンタジエニル)鉄2mg(0.01mmol)、EtPDI4mg(0.01mmol)、1,1,3,3,3−ペンタメチルジシロキサン254μL(1.3mmol)、1−オクテン157μL(1.0mmol)を用い、実施例1と同様に80℃で3時間撹拌した。実施例1と同様に求めた転化率は99%以上、目的物の収率は85%であった。
合成例3で合成したビス(3−メチルペンタジエニル)鉄2mg(0.01mmol)、iPrPDI5mg(0.01mmol)、1,1,3,3,3−ペンタメチルジシロキサン254μL(1.3mmol)、1−オクテン157μL(1.0mmol)を用い、実施例1と同様に80℃で3時間撹拌した。実施例1と同様に求めた転化率は99%以上、目的物の収率は76%であった。
合成例3で合成したビス(3−メチルペンタジエニル)鉄2mg(0.01mmol)、2,2’:6’,2”−テルピリジン2mg(0.01mmol)、1,1,3,3,3−ペンタメチルジシロキサン254μL(1.3mmol)、1−オクテン157μL(1.0mmol)を用い、実施例1と同様に80℃で3時間撹拌した。実施例1と同様に求めた転化率は75%、目的物の収率は34%であった。
合成例3で合成したビス(3−メチルペンタジエニル)鉄7mg(0.03mmol)、tBuNC7μL(0.06mmol)、1,1,3,3,3−ペンタメチルジシロキサン254μL(1.3mmol)、4−クロロスチレン127μL(1.0mmol)を用い、実施例30と同様に50℃で23時間撹拌した。実施例30と同様に求めた目的物の収率は99%であった。
合成例3で合成したビス(3−メチルペンタジエニル)鉄7mg(0.03mmol)、AdNC10mg(0.06mmol)、1,1,3,3,3−ペンタメチルジシロキサン254μL(1.3mmol)、4−クロロスチレン127μL(1.0mmol)を用い、実施例30と同様に50℃で23時間撹拌した。実施例30と同様に求めた目的物の収率は99%であった。
合成例3で合成したビス(3−メチルペンタジエニル)鉄7mg(0.03mmol)、tBuNC7μL(0.06mmol)、1,1,3,3,3−ペンタメチルジシロキサン254μL(1.3mmol)、4−メトキシスチレン134μL(1.0mmol)を用い、実施例28と同様に50℃で23時間撹拌した。実施例28と同様に求めた目的物の収率は89%であった。
合成例3で合成したビス(3−メチルペンタジエニル)鉄7mg(0.03mmol)、AdNC10mg(0.06mmol)、1,1,3,3,3−ペンタメチルジシロキサン254μL(1.3mmol)、4−メトキシスチレン134μL(1.0mmol)を用い、実施例28と同様に50℃で23時間撹拌した。実施例28と同様に求めた目的物の収率は99%であった。
Claims (14)
- 式(1)
Fe(X)a (1)
(式中、Xは、互いに独立して、カルボニル基(CO基)およびシクロペンタジエニル基を除く、不飽和基を含んでいてもよい炭素数2〜30の配位子を表すが、Xの少なくとも1つは不飽和基を含んでおり、
aはFe原子1個あたり2〜4の整数を表す。)
で表され、前記FeがXに含まれる炭素原子との結合を有し、そのFe−炭素結合の総数が2〜10であり、前記結合が、共有結合のみ、配位結合のみ、またはその両方である鉄の単核錯体、または二核もしくは三核錯体と、
二電子配位子(L)とを反応させることを特徴とするヒドロシリル化鉄触媒の調製方法。 - 前記Feが、Xに含まれる炭素原子のみと結合した請求項1記載のヒドロシリル化鉄触媒の調製方法。
- 前記Xが、不飽和基を含む炭素数2〜30の配位子のみからなる請求項1または2記載のヒドロシリル化鉄触媒の調製方法。
- 前記Xが、アリール基であり、Fe−炭素結合の総数が2である請求項1〜3のいずれか1項記載のヒドロシリル化鉄触媒の調製方法。
- Fe−炭素結合の総数が6〜10の単核錯体である請求項1〜3のいずれか1項記載のヒドロシリル化鉄触媒の調製方法。
- Fe−炭素結合の総数が10である請求項5記載のヒドロシリル化鉄触媒の調製方法。
- 前記Xが、分子中に1〜5個の不飽和基を有する環状オレフィン、非環状オレフィン、環状オレフィニル基および非環状オレフィニル基から選ばれる少なくとも1種の配位子である請求項5または6記載のヒドロシリル化鉄触媒の調製方法。
- 前記Lが、カルボニル基、分子状水素、アミン、イミン、含窒素ヘテロ環、ホスフィン、アルシン、アルコール、チオール、エーテル、スルフィド、ニトリル、イソシアニド、アルデヒド、ケトンおよびカルベンから選ばれる少なくとも1種の二電子配位子である請求項1〜7のいずれか1項記載のヒドロシリル化鉄触媒の調製方法。
- 前記Lが、分子状水素、アミン、イミン、含窒素ヘテロ環、ホスフィン、アルシン、アルコール、チオール、エーテル、スルフィド、ニトリル、イソシアニド、アルデヒド、ケトンおよびカルベンから選ばれる少なくとも1種の二電子配位子である請求項8記載のヒドロシリル化鉄触媒の調製方法。
- 前記Lが、含窒素ヘテロ環、イソシアニドおよびカルベンから選ばれる少なくとも1種の二電子配位子である請求項9記載のヒドロシリル化鉄触媒の調製方法。
- 前記Lが、式(2)
Y−NC (2)
(式(2)中、Yは置換されていてもよく、かつ、酸素、窒素、硫黄およびリンから選ばれる原子が1個またはそれ以上介在していてもよい炭素数1〜30の1価有機基を表す。)で表されるイソシアニド化合物、および式(3)
R1およびR2は、互いに独立して、ハロゲン原子またはアルコキシ基で置換されていてもよい、炭素数1〜30のアルキル基、アリール基またはアラルキル基を表し、R1のいずれか1つと、R2のいずれか1つが結合して2価の有機基を構成して環状構造をとっていてもよく、環状構造をとるときは、窒素原子および/または不飽和結合を含んでいてもよい。)
で表される、1つまたは2つの窒素原子が隣接しているカルベン化合物から選ばれる少なくとも1種の二電子配位子である請求項10記載のヒドロシリル化鉄触媒の調製方法。 - 前記Lが、ビスイミノピリジン化合物またはテルピリジン化合物である請求項10記載のヒドロシリル化鉄触媒の調製方法。
- 脂肪族不飽和結合を有する化合物と、Si−H基を有するヒドロシラン化合物またはオルガノヒドロポリシロキサン化合物とをヒドロシリル化反応させる系内で行う請求項1〜13のいずれか1項記載のヒドロシリル化鉄触媒の調製方法。
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