JP2019064950A - コバルト錯体、その製造方法およびヒドロシリル化反応用触媒 - Google Patents

コバルト錯体、その製造方法およびヒドロシリル化反応用触媒 Download PDF

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Abstract

【課題】 ヒドロシリル化反応おいて優れた触媒活性を発揮し、さらには取り扱い性やシリコーンに対する溶解性に優れたコバルト錯体を提供すること。【解決手段】 式(1)で表されるコバルト錯体。{R1〜R3は、互いに独立して、水素原子、またはハロゲン原子で置換されていてもよく、酸素、窒素およびケイ素から選ばれる原子が1個以上介在していてもよい、炭素原子数1〜30の1価有機基を表すが、これらR1〜R3の少なくとも1組が一緒になって、酸素、窒素およびケイ素から選ばれる原子が1個以上介在していてもよい炭素原子数1〜30の架橋置換基を形成していてもよく、Lは、互いに独立して式(2)CN−R4(2)(R4は、ハロゲン原子で置換されていてもよく、酸素、窒素、硫黄およびケイ素から選ばれる原子が1個以上介在していてもよい、炭素原子数1〜30の1価有機基を表す。)で表されるイソシアニド配位子を表し、nは4である。}【選択図】 なし

Description

本発明は、コバルト錯体、その製造方法およびヒドロシリル化反応用触媒に関し、さらに詳述すると、所定のイソシアニド配位子を有し、ケイ素との結合を有するコバルト錯体およびその製造方法、並びに当該コバルト錯体からなるヒドロシリル化反応用触媒に関する。
炭素−炭素二重結合や同三重結合を有する化合物に対してSi−H官能性化合物が付加するヒドロシリル化反応は、有機ケイ素化合物を合成する有用な手段であり、工業的にも重要な合成反応である。
このヒドロシリル化反応の触媒としては、Pt、Pd、Rh化合物が知られており、その中でも最も多く用いられているものはSpeier触媒、Karstedt触媒に代表されるPt化合物である。
Pt化合物を触媒とする反応の問題点としては、末端オレフィンにSi−H官能性化合物を付加する際、オレフィンが内部転位する副反応が生じることが挙げられる。この系では内部オレフィンに対しては付加反応性を示さず、未反応オレフィンが付加生成物中に残留してしまうことから、反応を完結させるためには、副反応で残留する分を見込んであらかじめ過剰のオレフィンを用いる必要がある。
また、オレフィンの種類によっては、α付加体とβ付加体の選択性が劣るという問題もある。
最も大きな問題点は、中心金属であるPt,Pd,Rhはいずれも極めて高価な貴金属元素であるということであり、より安価に使用できる金属化合物触媒が望まれていることから、数多くの研究が進められている。
例えば、コバルト−カルボニル錯体(Co2(CO)8など)による反応例も報告されているが(非特許文献1〜6)、反応収率、反応モル比の点で満足すべきものではなく、また錯体は毒性の高い一酸化炭素を有しており、取り扱いや保存には、不活性ガス雰囲気かつ低温下である必要がある。
トリアルキルシリル基を置換基として有するコバルト−カルボニル錯体によるオレフィンとトリアルキルシランの反応例も報告されているが(非特許文献7)、収率が低く、また選択性にも乏しい。さらに、触媒は空気中の酸素や水と容易に反応しやすいため、窒素やアルゴンなどの不活性ガス雰囲気下で取り扱う必要がある。
シクロペンタジエニル基を配位子として有するコバルト−ホスファイト錯体を使用することによるオレフィンとトリアルキルシランの反応(非特許文献8)、N−ヘテロ環状カルベンを配位子として有するコバルト錯体によるオレフィンとトリヒドロフェニルシランの反応(非特許文献9)も報告されているが、錯体化合物の安定性が低く、取り扱いや保存には、不活性ガス雰囲気下、かつ、低温下が必要となる。
β−ジケチミナート基を配位子として有するコバルト触媒による反応例も報告されているが(非特許文献10)、反応基質がトリヒドロフェニルシランでは工業的な利用価値は低い。なお、1−ヘキセンとトリエトキシシランとの反応例も示されているが、触媒量が2モル%必要であり、触媒活性は高くない。
触媒前駆体の取扱いが容易であるピリジンジイミン配位子を有するコバルト触媒による反応例も報告されており、高い触媒活性を有するが(非特許文献11)、この反応では脱水素シリル化反応も進行するため、微量の脱水素シリル化物が常に混在し、付加生成物の選択性が低い。
配位子をターピリジン、ビスイミノピリジン、ビスイミノキノリンとした、鉄、コバルト、ニッケル触媒の例も報告されているが(特許文献1〜4)、この錯体は、触媒前駆体の合成、あるいは同前駆体から錯体触媒の合成に至るまでが工業的に容易ではない。
また、ビスイミノキノリン配位子を有する鉄、コバルト、ニッケル錯体触媒による反応で、触媒の活性化剤としてMg(ブタジエン)・2THF、NaEt3BHを使用する方法が開示されているが(特許文献5)、目的物の収率も満足すべきものではない。
オルガノポリシロキサンへの応用を念頭に置いたものとして、ホスフィン配位子を有する触媒(特許文献6)が開示されている。しかし、反応活性を具体的に例示しているのは高価な金属元素である白金、パラジウム、ロジウム、イリジウムのみであり、コスト的に有利な方法とはいえない。
また、特許文献7,8の実施例で効果が示されているのは公知となっている白金触媒のみであり、他の金属で触媒活性を示す構造については何も示されていない。
カルベンを配位子として有する触媒も開示されている(特許文献9〜11)。
しかし、特許文献9ではヒドロシリル化反応への有効性についてはなんら検討されていない。
特許文献10,11には、カルベンとビニルシロキサンを配位子として有する触媒が開示されているが、実施例として記載されているのは白金触媒のみである。
しかも、カルベンを配位子として有する金属触媒は、錯体化合物の保存安定性が低く、取り扱いにも注意を要する。
金属錯体を触媒とするのではなく、金属塩と金属に対して配位性のある化合物を混合し、それを触媒として用いる方法も開示されている(特許文献12〜14)。しかし、これらの特許文献では、数例の組み合わせでヒドロシリル化が進行したとされているが、収率の記載等が無く、反応がどの程度効果的に進行しているのかは不明である。また、全ての実施例で活性化剤としてイオン性の塩、ヒドリド還元剤を使用しているが、それにもかかわらず殆どの実施例で触媒活性がない。
最近では、ジイミノピリジン配位子およびキレートしたアルケニル変性シリル配位子を含む、取り扱い性および操作に適した空気安定性を示すコバルト触媒も開示されているが(特許文献15)、実施例に記載されている空気暴露時間が5分または10分と短い。
一方で、嵩高いイソシアニド配位子を有するトリメチルシリル−コバルト錯体が報告されているが(非特許文献12)、配位子数がコバルトに対して3つであるため不安定である。また、錯体合成が複雑であるうえ、報告されたケイ素上の有機基についてはメチル基のみであり、さらにはヒドロシリル化反応に対しての触媒能については検討されていない。
また、ピバル酸鉄またはピバル酸コバルトとイソシアニド化合物を配位子として用いたヒドロシリル化反応触媒も報告されているが(非特許文献13)、どちらも触媒活性としてはPt触媒には及ばず、より高い触媒活性を有する触媒の開発が望まれている。
さらに、イソシアニド配位子を用いたヒドロシリル化反応用触媒も報告されており(特許文献16,17)、単離した錯体も使用可能との記載もあるが、実際にコバルト−イソシアニド錯体を単離しているわけではなく、またケイ素との結合をもつ錯体が生成しているかどうかも明確ではない。
しかも、非特許文献12を除き、イソシアニド配位子を有し、ケイ素との結合を有するコバルト錯体の報告例はなく、またアルケンのヒドロシリル化反応の触媒として利用した例もない。
特表2012−532885号公報 特表2012−532884号公報 特表2013−544824号公報 特表2014−502271号公報 特表2014−503507号公報 特開平6−136126号公報 特開2001−131231号公報 特許第4007467号公報 特許第3599669号公報 特許第3854151号公報 特許第4249702号公報 国際公開第2013/043846号 国際公開第2013/043783号 国際公開第2013/043912号 国際公開第2015/077302号 国際公開第2016/024607号 国際公開第2017/010366号
A. J. Chalk, et al., J. Am. Chem. Soc., 1965, 87, 1133 A. J. Chalk, et al., J. Am. Chem. Soc., 1967, 89, 1640 A. J. Chalk, J. Organomet. Chem., 1970, 21, 207 B. A. Izmailov, et al., J. Organomet. Chem., 1978, 149, 29 N. Sonoda, et al., J. Org. Chem., 1987, 52, 4864 S. Murai, et al., Chem. Lett., 2000, 14 M. S. Wrighton, et al., Inorg. Chem., 1980, 19, 3858 B. E. Grant, et al., J. Am. Chem. Soc., 1993, 115, 2151 L. Deng, et al., Angew. Chem. Int. Ed., 2013, 52, 10845 P. Hollad, et al., J. Am. Chem. Soc., 2015, 137, 13244 P. J. Chirik, et al., ACS Catal., 2016, 6, 2632 F. Figueroa, et al., Angew. Chem. Int. Ed., 2012, 51, 9412 H. Nagashima, et al., J. Am. Chem. Soc., 2016, 138, 2480
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、ヒドロシリル化反応において優れた触媒活性を発揮し、さらには取り扱い性やシリコーンに対する溶解性に優れたコバルト錯体、この錯体の簡便な製造方法、当該錯体を触媒として用いたヒドロシリル化反応、およびこのヒドロシリル化反応による付加化合物の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意検討を行った結果、所定のイソシアニド配位子を有し、ケイ素との結合を有するコバルト錯体が、脂肪族不飽和結合に対するヒドロシリル化反応において優れた触媒活性を発揮し得、さらにはポリシロキサンへの溶解性、空気中での安定性を示し、大気条件下での取り扱いを可能にすることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、
1. 下記式(1)で表されるコバルト錯体、
Figure 2019064950
{式中、R1〜R3は、互いに独立して、水素原子、または、ハロゲン原子で置換されていてもよく、酸素、窒素およびケイ素から選ばれる原子が1個以上介在していてもよい、炭素原子数1〜30の1価の有機基を表すが、これらR1〜R3の少なくとも1組が一緒になって、酸素、窒素およびケイ素から選ばれる原子が1個以上介在していてもよい炭素原子数1〜30の架橋置換基を形成していてもよく、
Lは、互いに独立して下記式(2)
CN−R4 (2)
(式中、R4は、ハロゲン原子で置換されていてもよく、酸素、窒素、硫黄およびケイ素から選ばれる原子が1個以上介在していてもよい、炭素原子数1〜30の1価の有機基を表す。)
で表されるイソシアニド配位子を表し、
nは4である。}
2. 前記R1〜R3が、水素原子、または炭素原子数1〜30の、1価炭化水素基、オルガノオキシ基、モノオルガノアミノ基、ジオルガノアミノ基、モノオルガノシロキシ基、ジオルガノシロキシ基、トリオルガノシロキシ基、もしくはポリオルガノシロキサン基である1のコバルト錯体、
3. 前記式(2)におけるR4が、炭素原子数1〜20のアルキル基、炭素原子数3〜20のシクロアルキル基、炭素原子数6〜30のアリール基、または炭素原子数7〜30のアルキルアリール基である1または2のコバルト錯体、
4. 1〜3のいずれかのコバルト錯体からなるヒドロシリル化反応に活性を有する触媒、
5. 4の触媒の存在下、脂肪族不飽和結合含有化合物とSi−H結合含有化合物とをヒドロシリル化反応させることを特徴とするヒドロシリル化反応物の製造方法、
6. 前記脂肪族不飽和結合含有化合物が、オレフィン化合物、Si原子と結合したアルケニル基を有するシラン化合物、またはオルガノポリシロキサンである5のヒドロシリル化反応物の製造方法、
7. コバルトを含む遷移金属塩と、前記式(2)で表されるイソシアニド化合物と、下記式(3)
H−SiR123 (3)
(式中、R1〜R3は、前記と同じ意味を表す。)
で表されるヒドロシラン化合物とを反応させることを特徴とする1〜3のいずれかのコバルト錯体の製造方法、
8. 前記コバルトを含む遷移金属塩が、コバルトカルボン酸塩である7のコバルト錯体の製造方法、
9. 下記式(4)
Co2(L)8 (4)
(式中、Lは、前記と同じ意味を表す。)
で表されるコバルト錯体と、
下記式(3)
H−SiR123 (3)
(式中、R1〜R3は、前記と同じ意味を表す。)
で表されるヒドロシラン化合物とを反応させることを特徴とする1〜3のいずれかのコバルト錯体の製造方法
を提供する。
本発明のコバルト錯体は、人体に毒性の高いカルボニル配位子を有しておらず、また、錯体の熱的安定性や空気中での安定性が高いために取扱いやすい。
また、本発明のコバルト錯体は取扱いの容易な化合物からの合成も可能であり、収率よく簡便に合成が可能である。
さらに、本発明のコバルト錯体を触媒として用い、脂肪族不飽和結合含有化合物とSi−H基を有するシランもしくは(ポリ)シロキサンとのヒドロシリル化反応を行うと、室温〜100℃以下の条件下で付加反応が可能になる。特に、工業的に有用な(ポリ)シロキサン、およびトリアルコキシシラン、ジアルコキシシランとの付加反応も良好に進行する。
また、本発明のコバルト錯体は、ポリシロキサンに対しての溶解性も良好なことから、これらを用いた反応においては触媒活性が高く、特にシリコーン硬化反応においては非特許文献13や特許文献16,17で用いられる触媒より、架橋度が高いポリマーが得られる。
なお、本発明のコバルト錯体は、ヒドロシリル化反応の触媒として用いた場合、光照射により反応が加速され、良好にヒドロシリル化反応が進行する。
また、公知文献では同反応において、不飽和結合への付加反応と、脱水素シリル化反応による不飽和結合含有化合物が生成する反応がたびたび同時に進行することが示されているが、本発明の触媒を用いると選択的に不飽和結合への付加反応が進行する。しかも、従来の触媒では困難であった内部オレフィンとの反応において、不飽和結合の末端への移動をともなった付加反応物を得ることが可能となるため、極めて有用性が高い。
実施例2で得られたコバルト錯体の構造を示すX線結晶構造解析図である。 実施例1で得られたコバルト錯体の1H−NMRスペクトル図である。 実施例1で得られたコバルト錯体の13C−NMRスペクトル図である。 実施例2で得られたコバルト錯体の1H−NMRスペクトル図である。 実施例2で得られたコバルト錯体の13C−NMRスペクトル図である。 実施例3で得られたコバルト錯体の1H−NMRスペクトル図である。 実施例3で得られたコバルト錯体の13C−NMRスペクトル図である。 実施例4で得られたコバルト錯体の1H−NMRスペクトル図である。 実施例4で得られたコバルト錯体の13C−NMRスペクトル図である。
以下、本発明についてさらに詳しく説明する。
本発明に係るコバルト錯体は、下記式(1)で表される。
Figure 2019064950
式(1)において、R1〜R3は、互いに独立して、水素原子、またはハロゲン原子で置換されていてもよく、酸素、窒素およびケイ素から選ばれる原子が1個以上介在していてもよい、炭素原子数1〜30の1価の有機基を表すが、これらR1〜R3の少なくとも1組が一緒になって、酸素、窒素およびケイ素から選ばれる原子が1個以上介在していてもよい炭素原子数1〜30の架橋置換基を形成していてもよく、Lは、互いに独立して下記式(2)
CN−R4 (2)
(式中、R4は、ハロゲン原子で置換されていてもよく、酸素、窒素、硫黄およびケイ素から選ばれる原子が1個以上介在していてもよい、炭素原子数1〜30の1価の有機基を表す。)
で表されるイソシアニド配位子を表し、nは4である。
上記R1〜R3のハロゲン原子で置換されていてもよく、酸素、窒素およびケイ素から選ばれる原子が1個以上介在していてもよい炭素原子数1〜30の1価の有機基は、特に限定されるものではないが、炭素原子数1〜30の、1価炭化水素基、オルガノオキシ基、モノオルガノアミノ基、ジオルガノアミノ基、モノオルガノシロキシ基、ジオルガノシロキシ基、トリオルガノシロキシ基、ポリオルガノシロキサン基が好ましい。
また、上記ハロゲン原子の具体例としては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素が挙げられる。
炭素原子数1〜30の1価炭化水素基の具体例としては、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、アルキルアリール基、アラルキル基等が挙げられる。
アルキル基としては、直鎖、分岐鎖、環状のいずれでもよく、好ましくは炭素原子数1〜20、より好ましくは炭素原子数1〜10のアルキル基であり、その具体例としては、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、s−ブチル、t−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシル、n−ヘプチル、n−オクチル、2−エチルヘキシル、n−ノニル、n−デシル、n−ウンデシル、n−ドデシル、n−トリデシル、n−テトラデシル、n−ペンタデシル、n−ヘキサデシル、n−ヘプタデシル、n−オクタデシル、n−ノナデシル、n−エイコサニル基等の直鎖または分岐鎖アルキル基;シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、シクロノニル、ノルボルニル、アダマンチル基等のシクロアルキル基などが挙げられる。
アルケニル基としては、炭素原子数2〜20のアルケニル基が好ましく、その具体例としては、エテニル、n−1−プロペニル、n−2−プロペニル、1−メチルエテニル、n−1−ブテニル、n−2−ブテニル、n−3−ブテニル、2−メチル−1−プロペニル、2−メチル−2−プロペニル、1−エチルエテニル、1−メチル−1−プロペニル、1−メチル−2−プロペニル、n−1−ペンテニル、n−1−デセニル、n−1−エイコセニル基等が挙げられる。
アルキニル基としては、炭素原子数2〜20のアルキニル基が好ましく、その具体例としては、エチニル、n−1−プロピニル、n−2−プロピニル、n−1−ブチニル、n−2−ブチニル、n−3−ブチニル、1−メチル−2−プロピニル、n−1−ペンチニル、n−2−ペンチニル、n−3−ペンチニル、n−4−ペンチニル、1−メチル−n−ブチニル、2−メチル−n−ブチニル、3−メチル−n−ブチニル、1,1−ジメチル−n−プロピニル、n−1−ヘキシニル、n−1−デシニル、n−1−ペンタデシニル、n−1−エイコシニル基等が挙げられる。
アリールまたはアルキルアリール基としては、好ましくは炭素原子数6〜20のアリールまたは炭素原子数7〜20のアルキルアリール基であり、その具体例としては、フェニル、1−ナフチル、2−ナフチル、アントリル、フェナントリル、o−ビフェニリル、m−ビフェニリル、p−ビフェニリル、トリル、2,6−ジメチルフェニル、2,6−ジイソプロピルフェニル、メシチル基等が挙げられる。
アラルキル基としては、好ましくは炭素原子数7〜30、より好ましくは炭素原子数7〜20のアラルキル基であり、その具体例としては、ベンジル、フェニルエチル、フェニルプロピル、ナフチルメチル、ナフチルエチル、ナフチルプロピル基等が挙げられる。
オルガノオキシ基としては、特に限定されるものではないが、RO(Rは、置換もしくは非置換の、炭素原子数1〜30のアルキル基、炭素原子数6〜30のアリール基または炭素原子数7〜30のアラルキル基を表す。)で示されるアルコキシ基、アリールオキシ基、アラルキルオキシ基等が挙げられる。
アルコキシ基としては、特に限定されるものではないが、炭素原子数1〜30、特に炭素原子数1〜10のアルコキシ基が好ましく、その具体例としては、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、i−プロポキシ、c−プロポキシ、n−ブトキシ、i−ブトキシ、s−ブトキシ、t−ブトキシ、n−ペントキシ、n−ヘキソキシ、n−ヘプチルオキシ、n−オクチルオキシ、n−ノニルオキシ、n−デシルオキシ基等が挙げられる。
アリールオキシ基としては、特に限定されるものではないが、炭素原子数6〜30、特に炭素原子数6〜20のアリールオキシ基が好ましく、その具体例としては、フェノキシ、1−ナフチルオキシ、2−ナフチルオキシ、アントリルオキシ、フェナントリルオキシ基等が挙げられる。
アラルキルオキシ基としては、特に限定されるものではないが、炭素原子数7〜30、特に炭素原子数7〜20のアラルキルオキシ基が好ましく、ベンジルオキシ基、フェニルエチルオキシ、フェニルプロピルオキシ、1または2−ナフチルメチルオキシ、1または2−ナフチルエチルオキシ、1または2−ナフチルプロピルオキシ基等が挙げられる。
モノオルガノアミノ基としては、特に限定されるものではないが、RNH2(Rは上記と同じ意味を表す。)で示されるものが好ましく、Rにおける好ましい炭素原子数は上記アルコキシ、アリールオキシ、アラルキルオキシ基と同様である。その具体例としては、メチルアミノ、エチルアミノ、n−プロピルアミノ、イソプロピルアミノ、n−ブチルアミノ、イソブチルアミノ、s−ブチルアミノ、t−ブチルアミノ、n−ペンチルアミノ、n−ヘキシルアミノ、n−ヘプチルアミノ、n−オクチルアミノ、n−ノニルアミノ、n−デシルアミノ、n−ウンデシルアミノ、n−ドデシルアミノ、n−トリデシルアミノ、n−テトラデシルアミノ、n−ペンタデシルアミノ、n−ヘキサデシルアミノ、n−ヘプタデシルアミノ、n−オクタデシルアミノ、n−ノナデシルアミノ、n−エイコサニルアミノ基等の直鎖または分岐鎖モノアルキルアミノ基;シクロプロピルアミノ、シクロブチルアミノ、シクロペンチルアミノ、シクロヘキシルアミノ、シクロヘプチルアミノ、シクロオクチルアミノ、シクロノニルアミノ基等のモノシクロアルキルアミノ基;アニリノ、1または2−ナフチルアミノ基等のモノアリールアミノ基;ベンジルアミノ、フェニルエチルアミノ、フェニルプロピルアミノ、1または2−ナフチルメチルアミノ基等のモノアラルキルアミノ基などが挙げられる。
ジオルガノアミノ基としては、特に限定されるものではないが、R2NH(Rは互いに独立して、上記と同じ意味を表す。)で示されるものが好ましく、Rにおける好ましい炭素原子数は上記アルコキシ、アリールオキシ、アラルキルオキシ基と同様である。その具体例としては、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ジ−n−プロピルアミノ、ジイソプロピルアミノ、ジ−n−ブチルアミノ、ジイソブチルアミノ、ジ−s−ブチルアミノ、ジ−t−ブチルアミノ、ジ−n−ペンチルアミノ、ジ−n−ヘキシルアミノ、ジ−n−ヘプチルアミノ、ジ−n−オクチルアミノ、ジ−n−ノニルアミノ、ジ−n−デシルアミノ、ジ−n−ウンデシルアミノ、ジ−n−ドデシルアミノ、ジ−n−トリデシルアミノ、ジ−n−テトラデシルアミノ、ジ−n−ペンタデシルアミノ、ジ−n−ヘキサデシルアミノ、ジ−n−ヘプタデシルアミノ、ジ−n−オクタデシルアミノ、ジ−n−ノナデシルアミノ、ジ−n−エイコサニルアミノ、N−エチルメチルアミノ、N−イソプロピルメチルアミノ、N−ブチルメチルアミノ基等の直鎖または分岐鎖ジアルキルアミノ基;ジシクロプロピルアミノ、ジシクロブチルアミノ、ジシクロペンチルアミノ、ジシクロヘキシルアミノ、ジシクロヘプチルアミノ、ジシクロオクチルアミノ、ジシクロノニルアミノ、シクロペンチルシクロヘキシルアミノ基等のジシクロアルキルアミノ基;N−メチルアニリノ、N−エチルアニリノ、N−n−プロピルアニリノ基等のアルキルアリールアミノ基;ジフェニルアミノ、4,4′−ビスナフチルアミノ、N−フェニル−1または2−ナフチルアミノ基等のジアリールアミノ基;ジベンジルアミノ、ビス(フェニルエチル)アミノ、ビス(フェニルプロピル)アミノ、ビス(1または2−ナフチルメチル)アミノ基等のジアラルキルアミノ基などが挙げられる。
モノオルガノシロキシ基としては、特に限定されるものではないが、RH2SiO(Rは上記と同じ意味を表す。)で示されるものが好ましく、Rにおける好ましい炭素原子数は上記アルコキシ、アリールオキシ、アラルキルオキシ基と同様である。その具体例としては、メチルシロキシ、エチルシロキシ、n−プロピルシロキシ、イソプロピルシロキシ、n−ブチルシロキシ、イソブチルシロキシ、s−ブチルシロキシ、t−ブチルシロキシ、n−ペンチルシロキシ、n−ヘキシルシロキシ、n−ヘプチルシロキシ、n−オクチルシロキシ、n−ノニルシロキシ、n−デシルシロキシ基等の直鎖または分岐鎖モノアルキルシロキシ基;シクロプロピルシロキシ、シクロブチルシロキシ、シクロペンチルシロキシ、シクロヘキシルシロキシ、シクロヘプチルシロキシ、シクロオクチルシロキシ、シクロノニルシロキシ基等のモノシクロアルキルシロキシ基;フェニルシロキシ、1または2−ナフチルシロキシ基等のモノアリールシロキシ基;ベンジルシロキシ、フェニルエチルシロキシ、フェニルプロピルシロキシ、1または2−ナフチルメチルシロキシ基等のモノアラルキルシロキシ基などが挙げられる。
ジオルガノシロキシ基としては、特に限定されるものではないが、R2HSiO(Rは互いに独立して上記と同じ意味を表す。)で示されるものが好ましく、Rにおける好ましい炭素原子数は上記アルコキシ、アリールオキシ、アラルキルオキシ基と同様である。その具体例としては、ジメチルシロキシ、ジエチルシロキシ、ジ−n−プロピルシロキシ、ジイソプロピルシロキシ、ジ−n−ブチルシロキシ、ジイソブチルシロキシ、ジ−s−ブチルシロキシ、ジ−t−ブチルシロキシ、ジ−n−ペンチルシロキシ、ジ−n−ヘキシルシロキシ、ジ−n−ヘプチルシロキシ、ジ−n−オクチルシロキシ、ジ−n−ノニルシロキシ、ジ−n−デシルシロキシ、エチルメチルシロキシ、イソプロピルメチルシロキシ、ブチルメチルシロキシ基等の直鎖または分岐鎖ジアルキルシロキシ基;ジシクロプロピルシロキシ、ジシクロブチルシロキシ、ジシクロペンチルシロキシ、ジシクロヘキシルシロキシ、ジシクロヘプチルシロキシ、ジシクロオクチルシロキシ、ジシクロノニルシロキシ、シクロペンチルシクロヘキシルシロキシ基等のジシクロアルキルシロキシ基;(メチル)フェニルシロキシ、(エチル)フェニルシロキシ、(n−プロピル)フェニルシロキシ基等のアルキルアリールシロキシ基;ジフェニルシロキシ、ビス(1または2−ナフチル)シロキシ、フェニル−1または2−ナフチルシロキシ基等のジアリールシロキシ基;ジベンジルシロキシ、ビス(フェニルエチル)シロキシ、ビス(フェニルプロピル)シロキシ、ビス(1または2−ナフチルメチル)シロキシ基等のジアラルキルシロキシ基などが挙げられる。
トリオルガノシロキシ基としては、特に限定されるものではないが、R3SiO(Rは互いに独立して上記と同じ意味を表す。)で示されるものが好ましく、Rにおける好ましい炭素原子数は上記アルコキシ、アリールオキシ、アラルキルオキシ基と同様である。その具体例としては、トリメチルシロキシ、トリエチルシロキシ、トリ−n−プロピルシロキシ、トリイソプロピルシロキシ、トリ−n−ブチルシロキシ、トリイソブチルシロキシ、トリ−s−ブチルシロキシ、トリ−t−ブチルシロキシ、トリ−n−ペンチルシロキシ、トリ−n−ヘキシルシロキシ、トリ−n−ヘプチルシロキシ、トリ−n−オクチルシロキシ、トリ−n−ノニルシロキシ、トリ−n−デシルシロキシ、エチルジメチルシロキシ、ジイソプロピルメチルシロキシ、ジブチルメチルシロキシ基等の直鎖または分岐鎖トリアルキルシロキシ基;トリシクロプロピルシロキシ、トリシクロブチルシロキシ、トリシクロペンチルシロキシ、トリシクロヘキシルシロキシ、トリシクロヘプチルシロキシ、トリシクロオクチルシロキシ、トリシクロノニルシロキシ基等のトリシクロアルキルシロキシ基;(メチル)ジフェニルシロキシ、(エチル)ジフェニルシロキシ、(n−プロピル)ジフェニルシロキシ基等のアルキルアリールシロキシ基;トリフェニルシロキシ、トリ(1または2−ナフチル)シロキシ、ジフェニル−1または2−ナフチルシロキシ基等のトリアリールシロキシ基;トリベンジルシロキシ、トリ(フェニルエチル)シロキシ、トリ(フェニルプロピル)シロキシ、トリ(1または2−ナフチルメチル)シロキシ基等のトリアラルキルシロキシ基などが挙げられる。
ポリオルガノシロキサン基の具体例としては、ジメチルシロキシ、フェニルメチルシロキシ、またはジフェニルシロキシ繰り返し単位を持つ直鎖または分岐状のポリオルガノシロキサン基等が挙げられる。
また、R1〜R3の少なくとも1組が一緒になって、酸素、窒素およびケイ素から選ばれる原子が1個以上介在していてもよい炭素原子数1〜30の架橋置換基を形成する場合、例えば、R1〜R3の1組が一緒になった、ケイ素と酸素が1つ以上置換または介在してもよい2価の炭化水素基(架橋基)と、式(1)中のSiとで環状構造が形成される。
環状構造を形成するR1〜R3の具体例としては、上記式(1)のSiを含んだ構造として、シラシクロペンタン,シラシクロヘキサン等の炭化水素基で形成する脂環式化合物、1,3−ジオキサ−2−シラシクロペンタン,1,3−ジオキサ−2−シラシクロヘキサン等のジオールから誘導される脂環式化合物、1,3,3,5,5,7,7−ヘプタメチルテトラシロキサン等の環状シロキサン化合物などの単環化合物;1−シラビシクロ[2.2.2]オクタン等の炭化水素基で形成され架橋を有する二環式化合物;2,6,8−トリオキサ−1−シラビシクロ[2.2.2]オクタン等のトリオールから誘導される二環式化合物;シラトラン等の窒素含有二環式化合物などが挙げられる。
これらの中でも、R1〜R3としては、炭素原子数1〜10のアルキル基、炭素数6〜10のアリール基、炭素原子数1〜10のアルコキシ基、炭素数1〜10のアルキル基を3つ有するトリアルキルシロキシ基が好ましく、メチル、エチル、フェニル、メトキシ、エトキシ、トリメチルシロキシ、トリエチルシロキシ基がより好ましい。
一方、式(2)中、R4の、ハロゲン原子で置換されていてもよく、酸素、窒素、硫黄およびケイ素から選ばれる原子が1個以上介在していてもよい、炭素原子数1〜30の1価の有機基における、ハロゲン原子、並びに酸素、窒素およびケイ素から選ばれる原子が1個以上介在していてもよい、炭素原子数1〜30の1価の有機基の具体例としては、上記R1〜R3で例示した基と同様のものが挙げられる。
また、硫黄原子が1個以上介在していてもよい炭素原子数1〜30の1価の有機基としては、特に限定されるものではないが、炭素原子数1〜30のオルガノチオ基が挙げられる。
このオルガノチオ基としては、上記オルガノオキシ基の酸素原子を硫黄原子で置換した基等が挙げられる。
これらの中でもR4としては、炭素原子数1〜20のアルキル基、炭素原子数3〜20のシクロアルキル基、炭素原子数6〜30のアリール基、炭素原子数7〜30のアルキルアリール基から選ばれる少なくとも1種の炭化水素基が好ましく、t−ブチル基、1−アダマンチル基、メシチル基、フェニル基、2,6−ジメチルフェニル基、2,6−ジイソプロピルフェニル基がより好ましい。
上記式(2)で表されるイソシアニド化合物は、市販品として入手、または公知の方法によって合成することが可能である。例えば、アミン化合物とギ酸からホルミル化物を得たのちに、有機アミンの存在下、塩化ホスホリルと反応させてイソシアニド化する方法(合成方法1:Organometallics,2004,23,3976−3981参照)が挙げられる。また、温和な条件下でホルミル化物を得る方法として、無水酢酸とギ酸から酢酸ギ酸無水物を形成し、これをアミン化合物と反応させてホルミル化物を得る方法が挙げられる(合成方法2:Org.Synth.,2013,90,358−366参照)。得られたホルミル化物は上記と同じ合成方法1に記載されている方法によってイソシアニド化することができる。
さらに、アミン化合物とジクロルカルベンを反応させてイソシアニド化することによる、ホルミル化を経由せずに合成する方法を用いることもできる(合成方法3:Tetrahedron Letters,1972,17,1637−1640参照)。
イソシアニド化合物の具体例としては、メチルイソシアニド、エチルイソシアニド、n−プロピルイソシアニド、シクロプロピルイソシアニド、n−ブチルイソシアニド、イソブチルイソシアニド、sec−ブチルイソシアニド、t−ブチルイソシアニド、n−ペンチルイソシアニド、イソペンチルイソシアニド、ネオペンチルイソシアニド、n−ヘキシルイソシアニド、シクロヘキシルイソシアニド、シクロヘプチルイソシアニド、1,1−ジメチルヘキシルイソシアニド、1−アダマンチルイソシアニド、2−アダマンチルイソシアニド等のアルキルイソシアニド;フェニルイソシアニド、2−メチルフェニルイソシアニド、4−メチルフェニルイソシアニド、2,4−ジメチルフェニルイソシアニド、2,5−ジメチルフェニルイソシアニド、2,6−ジメチルフェニルイソシアニド、2,4,6−トリメチルフェニルイソシアニド、2,4,6−トリt−ブチルフェニルイソシアニド、2,6−ジイソプロピルフェニルイソシアニド、1−ナフチルイソシアニド、2−ナフチルイソシアニド、2−メチル−1−ナフチルイソシアニド等のアリールイソシアニド;ベンジルイソシアニド、フェニルエチルイソシアニド等のアラルキルイソシアニドなどが挙げられる。
上記式(1)で表されるコバルト錯体は、例えば、イソシアニド化合物存在下で、コバルトを含む遷移金属塩と下記式(3)で表されるヒドロシラン化合物とを、アルゴンガス等の不活性ガス雰囲気下で、反応させて得ることができる。
H−SiR123 (3)
(式中、R1〜R3は、上記と同じ意味を表す。)
上記式(3)で表されるヒドロシラン化合物の具体例としては、トリメトキシシラン、トリエトキシシラン、トリイソプロポキシシラン、ジメトキシメチルシラン、ジエトキシメチルシラン、ジメトキシフェニルシラン、ジエトキシフェニルシラン、メトキシジメチルシラン、エトキシジメチルシラン、トリフェニルシラン、ジフェニルジシラン、フェニルトリシラン、ジフェニルメチルシラン、フェニルジメチルシラン、ジフェニルメトキシシラン、ジフェニルエトキシシラン等のシラン化合物;ペンタメチルジシロキサン、テトラメチルジシロキサン、ヘプタメチルトリシロキサン、オクタメチルテトラシロキサン、ジメチルハイドロジェンシロキシ基末端封鎖ジメチルポリシロキサン、ジメチルハイドロジェンシロキシ基末端封鎖メチルハイドロジェンポリシロキサン、トリメチルシロキシ基末端封鎖メチルハイドロジェンポリシロキサン、ジメチルハイドロジェンシロキシ基末端封鎖(ジメチルシロキサン・ジフェニルシロキサン)共重合体、トリメチルシロキシ基末端封鎖(ジメチルシロキサン・メチルヒドロシロキサン)共重合体、トリメチルシロキシ基末端封鎖(ジメチルシロキサン・ジフェニルシロキサン、メチルハイドロジェンシロキサン)共重合体、ジメチルハイドロジェンシロキシ基末端封鎖(ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン)共重合体、ジメチルハイドロジェンシロキシ基末端封鎖(ジメチルシロキサン、メチルハイドロジェンシロキサン、ジフェニルシロキサン)共重合体、末端ヒドロキシ基封鎖(ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン)共重合体、片末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基末端封鎖ジメチルポリシロキサン等のシロキサン化合物などが挙げられる。
一方、コバルトを含む遷移金属塩は、特に限定されるものではないが、好ましくはコバルトカルボン酸塩である。
その具体例としては、Co(pivalate)2、Co(acetate)2、Co(benzoate)2、Co(2−ethylhexanoate)2、Co(stearate)2等のコバルトカルボン酸塩などが挙げられる。
上記反応において、イソシアニド化合物の使用量は、コバルトを含む遷移金属塩に対して4〜10モル倍程度であり、ヒドロシラン化合物の使用量は、コバルトを含む遷移金属塩に対して4〜20倍程度が好ましい。
また、前記式(1)で表されるコバルト錯体は、下記式(4)で表されるコバルト錯体と上記式(3)で表されるヒドロシラン化合物とを反応させて得ることもできる。
Co2(L)8 (4)
(式中、Lは、上記と同じ意味を表す。)
上記式(4)で表されるコバルト錯体は、公知の方法によって合成することができ、例えば、イソシアニド化合物存在下で、ハロゲン化コバルトとナトリウム金属等の還元剤とを有機溶剤中で反応させる方法や、オクタカルボニルジコバルト錯体とイソシアニド化合物を有機溶剤中、高温下、光照射下または触媒存在下で反応させる方法で合成することができる。
また、1,5−シクロオクタジエン、ブタジエン等のオレフィン化合物;トリメチルホスフィン等のリン配位子などの置換可能な配位子を有するコバルト錯体とイソシアニド化合物を有機溶剤中で反応させて合成することもできる。
上記反応において、上記式(3)で表されるヒドロシラン化合物の使用量は、コバルトに対して2〜100モル倍程度が好ましい。
上記各反応を用いたコバルト錯体の合成は、無溶媒で行うこともできるが、必要に応じて有機溶媒を用いてもよい。
有機溶媒を用いる場合、その種類としては、例えば、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素類;ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、シクロペンチルメチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン等のエーテル類;ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン等の芳香族炭化水素類などが挙げられる。
反応温度は、有機溶媒の融点から沸点の範囲で適宜設定すればよいが、10〜100℃が好ましく、30〜80℃がより好ましい。
反応終了後は、溶媒を留去した後、再結晶法等の公知の精製法にて目的物を得ることができるが、調製したコバルト錯体を単離せずに目的とする反応の触媒として用いてもよい。
本発明のコバルト錯体を触媒として用いてヒドロシリル化反応を行うにあたり、触媒の使用量は特に限定されるものではないが、20〜100℃程度の温和な条件下で反応を進行させて目的物を収率よく得ることを考慮すると、基質である化合物1モルに対してコバルト錯体として0.001モル%以上用いることが好ましく、0.01モル%以上用いることがより好ましく、0.05モル%以上用いることがより一層好ましい。一方、コバルト錯体の使用量に特に上限はないが、経済的な観点から基質1モルに対して10モル%程度、好ましくは5モル%である。
なお、本発明のコバルト錯体を触媒として用いてヒドロシリル化反応では、その活性等を損なわない範囲で、公知の2電子供与性配位子を併用してもよい。
そのような2電子供与性配位子としては、特に限定されるものではないが、カルボニル基以外の配位子が好ましく、アンモニア分子、エーテル化合物、アミン化合物、ホスフィン化合物、ホスファイト化合物、スルフィド化合物等が挙げられる。
また、イソシアニド化合物をその活性等を損なわない範囲で、さらに添加してもよく、その場合の添加量は本発明の触媒に対して0.1〜5モル当量程度が好ましい。
本発明のコバルト錯体を触媒として用いるヒドロシリル化反応の条件は、特に限定されるものではなく、通常、反応温度は10〜100℃程度であるが、好ましくは20〜80℃であり、反応時間は1〜48時間程度である。
反応は無溶媒で行うこともできるが、必要に応じて有機溶媒を用いてもよい。
有機溶媒を用いる場合、その種類としては、上記コバルト錯体の合成で例示した溶媒と同様のものが挙げられる。
有機溶媒を用いる場合、触媒の濃度としては、触媒活性と経済性を考慮すると、モル濃度(M)として、0.01〜10Mが好ましく、0.1〜5Mがより好ましい。
本発明のコバルト錯体を触媒として用いるヒドロシリル化反応においては、全ての成分を一括して添加してもよく、いくつかの成分ずつに分けて添加してもよい。
本発明のコバルト錯体を触媒として用い、脂肪族不飽和結合含有化合物とSi−H結合含有化合物とをヒドロシリル化反応させてヒドロシリル化反応物の製造することができる。
このヒドロシリル化反応における、脂肪族不飽和結合含有化合物とSi−H結合含有化合物との使用比率は、特に限定されるものではないが、脂肪族不飽和結合/Si−H結合のモル比が好ましくは1/10〜10/1、より好ましくは1/5〜5/1、より一層好ましくは1/3〜3/1である。
本発明のコバルト錯体を触媒としたヒドロシリル化反応では、脂肪族不飽和結合を含有する、オレフィン化合物、シラン化合物またはオルガノポリシロキサン化合物等の脂肪族不飽和結合を有する化合物と、Si−H結合を有する、シラン化合物またはオルガノポリシロキサン化合物との組み合わせであれば、それら各化合物の構造はなんら制限なく使用できる。
脂肪族不飽和結合含有化合物の具体例としては、下記のものが挙げられる。
(1)炭素−炭素不飽和結合含有炭化水素化合物
エチレン、プロピレン、ブチレン、イソブチレン、ヘキセン、オクテン、デセン、ドデセン、n−ヘキサデセン、イソヘキサデセン、n−オクタデセン、イソオクタデセン、ノルボルネン、トリフロロプロペン等のアルケン類;エチン、プロピン、ブチン、ペンチン、ヘキシン、オクチン、デシン、ドデシン、ヘキサデシン、オクタデシン等のアルキン類;スチレン、2−メチルスチレン、4−クロロスチレン、4−メトキシスチレン、α−メチルスチレン、4−メチル−αメチルスチレン、アリルベンゼン等の芳香族基含有アルケン類
(2)アリルエーテル化合物
アリルグリシジルエーテル、アリルグリコール、アリルベンジルエーテル、ジエチレングリコールモノアリルエーテル、ジエチレングリコールアリルメチルエーテル、ポリオキシエチレンモノアリルエーテル、ポリオキシプロピレンモノアリルエーテル、ポリ(オキシエチレン・オキシプロピレン)モノアリルエーテル、ポリオキシエチレンジアリルエーテル、ポリオキシプロピレンジアリルエーテル、ポリ(オキシエチレン・オキシプロピレン)ジアリルエーテル等
(3)炭素−炭素不飽和結合含有シラン化合物
トリメチルビニルシラン、トリエチルビニルシラン、トリメトキシビニルシラン、トリエトキシビニルシラン、ジメトキシメチルビニルシラン、ジエトキシメチルビニルシラン、メトキシジメチルビニルシラン、エトキシジメチルビニルシラン、トリメトキシアリルシラン、トリエトキシアリルシラン、トリイソプロポキシビニルシラン、フェニルジメトキシビニルシラン、フェニルジエトキシビニルシラン、ジフェニルメトキシビニルシラン、ジフェニルエトキシビニルシラン、トリフェニルビニルシラン、トリフェニルビニルシラン等
(4)炭素−炭素不飽和結合含有シロキサン化合物
ペンタメチルビニルジシロキサン、テトラメチルジビニルジシロキサン、ヘプタメチルビニルトリシロキサン、ジメチルジフェニルジビニルジシロキサン、ジメチルビニルシロキシ基末端封鎖ジメチルポリシロキサン、ジメチルビニルシロキシ基末端封鎖(ジメチルシロキサン・ジフェニルシロキサン)共重合体、トリメチルシロキシ基末端封鎖(ジメチルシロキサン・メチルビニルシロキサン)共重合体、トリメチルシロキシ基末端封鎖(ジメチルシロキサン・ジフェニルシロキサン、メチルビニルシロキサン)共重合体、ジメチルビニルシロキシ基末端封鎖(ジメチルシロキサン・メチルビニルシロキサン)共重合体、ジメチルビニルシロキシ基末端封鎖(ジメチルシロキサン、メチルビニルシロキサン、ジフェニルシロキサン)共重合体、末端ヒドロキシ基封鎖(ジメチルシロキサン・メチルビニルシロキサン)共重合体、α−ビニルジメチルポリシロキサン等
上記脂肪族不飽和結合含有化合物において、不飽和結合は分子末端に存在しても、内部に存在してもよく、ヘキサジエン、オクタジエンのように分子内に複数の不飽和結合が存在していてもよい。
Si−H結合含有化合物の具体例としては、以下のシラン類、シロキサン類が挙げられる。
(1)シラン類
トリメトキシシラン、トリエトキシシラン、トリイソプロポキシシラン、ジメトキシメチルシラン、ジエトキシメチルシラン、ジメトキシフェニルシラン、ジエトキシフェニルシラン、メトキシジメチルシラン、エトキシジメチルシラン、トリフェニルシラン、ジフェニルジシラン、フェニルトリシラン、ジフェニルメチルシラン、フェニルジメチルシラン、ジフェニルメトキシシラン、ジフェニルエトキシシラン等
(2)シロキサン類
ペンタメチルジシロキサン、テトラメチルジシロキサン、ヘプタメチルトリシロキサン、オクタメチルテトラシロキサン、ジメチルハイドロジェンシロキシ基末端封鎖ジメチルポリシロキサン、ジメチルハイドロジェンシロキシ基末端封鎖メチルハイドロジェンポリシロキサン、トリメチルシロキシ基末端封鎖メチルハイドロジェンポリシロキサン、ジメチルハイドロジェンシロキシ基末端封鎖(ジメチルシロキサン・ジフェニルシロキサン)共重合体、トリメチルシロキシ基末端封鎖(ジメチルシロキサン・メチルヒドロシロキサン)共重合体、トリメチルシロキシ基末端封鎖(ジメチルシロキサン・ジフェニルシロキサン、メチルハイドロジェンシロキサン)共重合体、ジメチルハイドロジェンシロキシ基末端封鎖(ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン)共重合体、ジメチルハイドロジェンシロキシ基末端封鎖(ジメチルシロキサン、メチルハイドロジェンシロキサン、ジフェニルシロキサン)共重合体、末端ヒドロキシ基封鎖(ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン)共重合体、片末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基末端封鎖ジメチルポリシロキサン等
また、本発明のコバルト錯体を触媒としたヒドロシリル化反応は、脂肪族不飽和結合を有するオレフィン化合物とSi−H結合を有するシラン化合物から得られるシランカップリング剤、脂肪族不飽和結合を有するオレフィン化合物とSi−H結合を有するオルガノポリシロキサンから得られる変性シリコーンオイル類等の他、脂肪族不飽和結合を有するオルガノポリシロキサン化合物とSi−H結合を有するオルガノポリシロキサンから得られるシリコーン硬化物など、従来の白金触媒を用いて工業的に行われていた全ての用途に使用できる。
以下、実施例および比較例を挙げて、本発明をより具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。
錯体の調製に用いた溶媒は、全て公知の方法で脱酸素、脱水を行った後に用いた。
得られた錯体は、記載がない限り、25℃、窒素ガス雰囲気下で保存し、反応に用いた。
ヒドロシリル化反応および溶媒精製は、全て不活性ガス雰囲気下で行い、各種反応に用いた溶媒等は、記載がない限り、全て予め公知の方法で精製、乾燥、脱酸素を行ったものを用いた。
1H−、13C−、29Si−NMRの測定は日本電子(株)製JNM−ECA600,JNM−LA400、Bruker社製AvanceIIIを、IR測定は日本分光(株)製FT/IR−550を、元素分析はPerkin Elmer製2400II/CHNを、X線結晶構造解析は(株)リガク製FR−E+(Mo−Kα線0.71070オングストローム)を用いて行った。
なお、以下に示す化学構造式においては慣用的な表現法に従って水素原子を省略している。また、Meはメチル基、Etはエチル基、tBuはt−ブチル基、Phはフェニル基、Adはアダマンチル基、Mesはメシチル基、Pivはピバロイル基を示す。
[1]コバルト錯体の合成
[実施例1]コバルト錯体{(EtO)3Si}Co(CNtBu)4の合成
反応容器に、ピバル酸コバルト(26.2mg,0.1mmol)、ベンゼン(100μL)、t−ブチルイソシアニド(67.8μL,0.6mmol)、トリエトキシシラン(147μL,0.8mmol)の順に加え、25℃で12時間撹拌した。その後、反応溶液の溶媒および残存するトリエトキシシランを減圧留去した。得られた乾燥物をペンタン(約2mL)に溶解させた後、−35℃に冷却し、再結晶化することにより{(EtO)3Si}Co(CNtBu)4を得た(38.6mg,70%)。
Mp=150℃(dec.)
1H−NMR(400MHz,benzene−d6)δ:4.37(q,J=6.9,6H),1.57(t,J=6.9,9H),1.24(s,36H).
13C−NMR(100MHz,benzene−d6)δ:58.0,55.1,31.1,19.5.
29Si−NMR(119MHz,benzene−d6)δ:0.3.
IR(ATR):ν CN=2120,2030,2008,1982cm-1
Anal calcd for C265134CoSi;C56.29,H9.27,N10.10;found:C56.18,H9.47,N9.95.
実施例1で得られたコバルト錯体の1H−NMRスペクトルを図2に、13C−NMRスペクトルを図3に示す。
[実施例2]コバルト錯体{(EtO)3Si}Co(CNAd)4の合成(1)
反応容器に、ピバル酸コバルト(26.2mg,0.1mmol)、ベンゼン(100μL)、アダマンチルイソシアニド(96.8mg,0.6mmol)、トリエトキシシラン(147μL,0.8mmol)の順に加え、25℃で12時間撹拌した。その後、反応溶液の溶媒および残存するトリエトキシシランを減圧留去した。得られた乾燥物をジエチルエーテル(約2mL)に溶解させた後、−35℃に冷却し、再結晶化することにより{(EtO)3Si}Co(CNAd)4を得た(66.8mg,77%)。
Mp=200℃(dec.)
1H−NMR(400MHz,benzene−d6)δ:4.49(q,J=6.9,6H),2.10(br,24H),1.81(br,12H),1.67(t,J=6.9,9H),1.40(m,24H).
13C−NMR(100MHz,benzene−d6)δ:171.2,58.2,55.6,44.5,36.1,29.6,19.7.
29Si−NMR(119MHz,benzene−d6)δ:0.6.
IR(ATR):ν CN=2143,2109,1990,1955cm-1
Anal calcd for C507534CoSi;C69.25,H8.72,N6.47;found:C69.46,H9.14,N6.08.
実施例2で得られたコバルト錯体のX線結晶構造解析結果を図1に、1H−NMRスペクトルを図4に、13C−NMRスペクトルを図5に示す。
[実施例3]コバルト錯体{Me2(Me3SiO)Si}Co(CNtBu)4の合成
反応容器に、ピバル酸コバルト(26.2mg,0.1mmol)、ベンゼン(100μL)、t−ブチルイソシアニド(67.8μL,0.6mmol)、1,1,1,3,3−ペンタメチルジシロキサン(157μL,0.8mmol)の順に加え、25℃で12時間撹拌した。その後、反応溶液の溶媒および残存する1,1,1,3,3−ペンタメチルジシロキサンを減圧留去した。得られた乾燥物をペンタン(約2mL)に溶解させた後、−35℃に冷却し、再結晶化することにより{Me2(Me3SiO)Si}Co(CNtBu)4を得た(30.0mg,56%)。
Mp=120℃(dec.)
1H−NMR(400MHz,benzene−d6)δ:1.50(s,9H),1.27(s,6H),1.20(s,36H).
13C−NMR(100MHz,benzene−d6)δ:170.9,55.0,31.1,28.2,8.75.
29Si−NMR(119MHz,benzene−d6)δ:45.7,0.2.
IR(ATR):ν CN=2121,1990,1939cm-1
Anal calcd for C255134CoSi2;C55.73,H9.54,N10.40;found:C 55.93,H 9.67,N 10.10.
実施例3で得られたコバルト錯体の1H−NMRスペクトルを図6に、13C−NMRスペクトルを図7に示す。
[実施例4]コバルト錯体(PhMe2Si)Co(CNMes)4の合成
反応容器に、Co2(CNMes)8(100mg,0.078mmol)、ジメチルフェニルシラン(3mL,19.4mmol)の順に加え、25℃で12時間撹拌した。その後、反応溶液の残存するフェニルジメチルシランを減圧留去した。得られた乾燥物をペンタン(約3mL)に溶解させた後、−35℃に冷却し、再結晶化することにより(PhMe2Si)Co(CNMes)4を得た(50mg,32%)。
Mp=146−147℃
1H−NMR(400MHz,benzene−d6)δ:8.26(m,2H),7.18−7.26(m,3H),6.54(s,8H),2.35(s,24H),1.25(s,6H).
13C−NMR(100MHz,benzene−d6)δ:180.6,148.9,135.4,135.2,134.1,129.4,128.7,127.3,127.2,21.0,19.3,7.8.
29Si−NMR(119MHz,benzene−d6)δ:29.9.
IR(ATR):ν CN=2110,2039,1988,1950cm-1
Anal calcd for C48554CoSi;C74.39,H7.15,N7.23;found:C74.96,H6.88,N7.52.
実施例4で得られたコバルト錯体の1H−NMRスペクトルを図8に、13C−NMRスペクトルを図9に示す。
[実施例5]コバルト錯体{(EtO)3Si}Co(CNAd)4の合成(2)
反応容器に、Co2(CNAd)8(100mg,0.071mmol)、トリエトキシシラン(1mL,5.4mmol)の順に加え、25℃で12時間撹拌した。その後、反応溶液の残存するトリエトキシシランを減圧留去した。得られた乾燥物をジエチルエーテル(約2mL)に溶解させた後、−35℃に冷却し、再結晶化することにより{(EtO)3Si}Co(CNAd)4を得た(63.2mg,50%)。
[2]コバルト錯体を用いたヒドロシリル化反応
α−メチルスチレンの1,1,1,3,3−ペンタメチルジシロキサンによるヒドロシリル化反応
[実施例6]
反応容器に、実施例1で得られた{(EtO)3Si}Co(CNtBu)4(5.5mg,0.01mmol)、α−メチルスチレン(1.29mL,10mmol)、1,1,1,3,3−ペンタメチルジシロキサン(2.54mL,13mmol)を加え、80℃で24時間撹拌した。反応終了後、1H−NMRスペクトルを測定して生成物の構造と収率を決定した。目的生成物におけるケイ素に隣接する炭素上のプロトンのシグナルである0.94ppmの多重線を確認し、その収率を求めた。その結果を表1に示す。
1H−NMR(396MHz,CDCl3)δ:7.27(t,J=6.8,2H),7.21(d,J=6.8,2H),7.15(t,J=6.8,1H),2.91(sext,J=6.8,1H),1.28(d,J=6.8,3H),0.90−0.98(m,2H),0.05(s,9H),−0.05(s,3H),−0.07(s,3H).
[実施例7〜9]
{(EtO)3Si}Co(CNtBu)4の代わりに、触媒として表1に記載したコバルト錯体(0.01mmol)をそれぞれ用い、表1に記載されている反応温度、反応時間で行った以外は、実施例1と同様に反応を行った。その結果を以下の表1に示す。
[実施例10]空気暴露した錯体を用いたヒドロシリル化
反応容器に、実施例2で得られた{(EtO)3Si}Co(CNAd)4(8.7mg,0.01mmol)を加え、反応容器をグローブボックスの外へ出し、1時間空気に暴露した。その後、再度反応容器をグローブボックスに入れ、α−メチルスチレン(1.29mL,10mmol)、1,1,1,3,3−ペンタメチルジシロキサン(2.54mL,13mmol)を加え、50℃で24時間撹拌した。反応終了後、1H−NMRスペクトルを測定して生成物の構造と収率を決定した。目的生成物におけるケイ素に隣接する炭素上のプロトンのシグナルである0.94ppmの多重線を確認し、その収率を求めた。その結果を表1に示す。
[実施例11]空気暴露した錯体溶液を用いたヒドロシリル化
反応容器に、実施例2で得られた{(EtO)3Si}Co(CNAd)4(87mg,0.1mmol)を加え、トルエン(1mL)に溶解させ、0.1mol/Lの錯体溶液を調製した。その溶液を100μL(コバルト触媒量0.01mmol)採取し、別の反応容器へ移し、グローブボックスの外へ出し、5分間空気に暴露した。その後、再度反応容器をグローブボックスに入れ、α−メチルスチレン(1.29mL,10mmol)、1,1,1,3,3−ペンタメチルジシロキサン(2.54mL,13mmol)を加え、50℃で24時間撹拌した。反応終了後、1H−NMRスペクトルを測定して生成物の構造と収率を決定した。目的生成物におけるケイ素に隣接する炭素上のプロトンのシグナルである0.94ppmの多重線を確認し、その収率を求めた。その結果を表1に示す。
[実施例12]窒素下溶液中で長時間保存した錯体を用いたヒドロシリル化
反応容器に、実施例2で得られた{(EtO)3Si}Co(CNAd)4(87mg,0.1mmol)を加え、トルエン(1mL)に溶解させ、0.1mol/Lの錯体溶液を調製した。その溶液を100μL(コバルト触媒量0.01mmol)採取し、別の反応容器へ移し、窒素で置換されたグローブボックス中、室温で24時間放置した。その後、同じ反応容器に、α−メチルスチレン(1.29mL,10mmol)、1,1,1,3,3−ペンタメチルジシロキサン(2.54mL,13mmol)を加えた。グローブボックスから反応容器を取り出し、50℃で24時間撹拌した。反応終了後、1H−NMRスペクトルを測定して生成物の構造と収率を決定した。目的生成物におけるケイ素に隣接する炭素上のプロトンのシグナルである0.94ppmの多重線を確認し、その収率を求めた。その結果を表1に示す。
Figure 2019064950
[実施例13]光照射下でのヒドロシリル化反応
反応容器に、実施例1で得られた{(EtO)3Si}Co(CNtBu)4(5.5mg,0.01mmol)、α−メチルスチレン(1.29mL,10mmol)、1,1,1,3,3−ペンタメチルジシロキサン(2.54mL,13mmol)を加え、高圧水銀灯(ウシオ電機(株)製、UM−453B−A(450W))を用いて光照射しながら室温で24時間撹拌した。反応終了後、1H−NMRスペクトルを測定して生成物の構造と収率を決定した。目的生成物におけるケイ素に隣接する炭素上のプロトンのシグナルである0.94ppmの多重線を確認し、その収率を求めた。その結果を表2に示す。
[参考例1]遮光条件下でのヒドロシリル化反応
反応容器に、実施例1で得られた{(EtO)3Si}Co(CNtBu)4(5.5mg,0.01mmol)、α−メチルスチレン(1.29mL,10mmol)、1,1,1,3,3−ペンタメチルジシロキサン(2.54mL,13mmol)を加え、反応容器全体をアルミホイルに包み遮光しながら室温で24時間撹拌した。反応終了後、1H−NMRスペクトルを測定して生成物の構造と収率を決定した。目的生成物におけるケイ素に隣接する炭素上のプロトンのシグナルである0.94ppmの多重線を確認し、その収率を求めた。その結果を表2に示す。
Figure 2019064950
1,1,1,3,5,5,5−ヘプタメチルトリシロキサンによるα−メチルスチレンのヒドロシリル化
[実施例14]
反応容器に、実施例1で得られた{(EtO)3Si}Co(CNtBu)4(5.5mg,0.01mmol)、α−メチルスチレン(129μL,1.0mmol)、1,1,1,3,5,5,5−ヘプタメチルトリシロキサン(351μL,1.3mmol)を加え、80℃で24時間撹拌した。反応終了後、1H−NMRスペクトルを測定して生成物の構造と収率を決定した。目的生成物におけるケイ素に隣接する炭素上のプロトンのシグナルである0.88ppmの多重線を確認し、その収率を求めた。その結果を表3に示す。
1H−NMR(396MHz,CDCl3)δ:7.27(t,J=6.8,2H),7.21(d,J=6.8,2H),7.16(t,J=6.8,1H),2.92(sext,J=6.8,1H),1.28(d,J=6.8,3H),0.82−0.94(m,2H),0.09(s,9H),0.07(s,9H),−0.12(s,3H).
エトキシ(ジメチル)シランによるα−メチルスチレンのヒドロシリル化
[実施例15]
反応容器に、実施例1で得られた{(EtO)3Si}Co(CNtBu)4(5.5mg,0.01mmol)、α−メチルスチレン(129μL,1.0mmol)、エトキシ(ジメチル)シラン(179μL,1.3mmol)を加え、80℃で24時間撹拌した。反応終了後、1H−NMRスペクトルを測定して生成物の構造と収率を決定した。目的生成物におけるフェニル基に隣接する炭素上のプロトンのシグナルである2.91ppmの6重線を確認し、その収率を求めた。その結果を表3に示す。
1H−NMR(396MHz、CDCl3)δ:7.27(t,J=6.8,2H),7.21(d,J=6.8,2H),7.15(t,J=6.8,1H),3.59(q,J=6.8,2H),2.91(sext,J=6.8,1H),1.29(d,J=6.8,3H),1.15(t,J=6.8,3H),1.03(d,J=6.8,2H).
ジエトキシ(メチル)シランによるα−メチルスチレンのヒドロシリル化
[実施例16]
反応容器に、実施例1で得られた{(EtO)3Si}Co(CNtBu)4(5.5mg,0.01mmol)、α−メチルスチレン(179μL,1.0mmol)、ジエトキシ(メチル)シラン(175mg,1.3mmol)を加え、120℃で24時間撹拌した。反応終了後、1H−NMRスペクトルを測定して生成物の構造と収率を決定した。目的生成物におけるフェニル基に隣接する炭素上のプロトンのシグナルである2.96ppmの6重線を確認し、その収率を求めた。その結果を表3に示す。
1H−NMR(396MHz、CDCl3)δ:7.27(t,J=6.8,2H),7.21(d,J=6.8,2H),7.15(t,J=6.8,1H),3.63−3.70(m,4H),3.00(sext,J=6.8,1H),1.32(d,J=6.8,3H),1.21(t,J=6.8,3H),1.15(t,J=6.8,3H),1.03(d,J=6.8,2H),−0.08(s,3H).
トリエトキシシランによるα−メチルスチレンのヒドロシリル化
[実施例17]
反応容器に、実施例1で得られた{(EtO)3Si}Co(CNtBu)4(5.5mg,0.01mmol)、α−メチルスチレン(179μL,1.0mmol)、トリエトキシシラン(213mg,1.3mmol)を加え、120℃で24時間撹拌した。反応終了後、1H−NMRスペクトルを測定して生成物の構造と収率を決定した。目的生成物におけるフェニル基に隣接する炭素上のプロトンのシグナルである3.00ppmの6重線を確認し、その収率を求めた。その結果を表3に示す。
1H−NMR(396MHz,CDCl3)δ:7.27(t,J=6.8,2H),7.21(d,J=6.8,2H),7.15(t,J=6.8,1H),3.73(q,J=6.8,6H),2.96(sext,J=6.8,1H),1.31(d,J=6.8,3H),1.18(m,J=6.8,9H),1.03(d,J=6.8,2H).
ジメチルフェニルシランによるα−メチルスチレンのヒドロシリル化
[実施例18]
反応容器に、実施例1で得られた{(EtO)3Si}Co(CNtBu)4(5.5mg,0.01mmol)、α−メチルスチレン(179μL,1.0mmol)、ジメチルフェニルシラン(177mg,1.3mmol)を加え、80℃で24時間撹拌した。反応終了後、1H−NMRスペクトルを測定して生成物の構造と収率を決定した。目的生成物におけるフェニル基に隣接する炭素上のプロトンのシグナルである2.85ppmの6重線を確認し、その収率を求めた。その結果を表3に示す。
1H−NMR(400MHz,CDCl3):0.09(s,3H),0.15(s,3H),1.12−1.27(m,5H),2.85(sext,J=6.8Hz,1H),7.16−7.46(m,10H).
Figure 2019064950
1,1,1,3,3−ペンタメチルジシロキサンによる1−オクテンのヒドロシリル化
[実施例19]
反応容器に、実施例1で得られた{(EtO)3Si}Co(CNtBu)4(5.5mg,0.01mmol)、1−オクテン(157μL,1.0mmol)、1,1,1,3,3−ペンタメチルジシロキサン(254μL,1.3mmol)を加え、50℃で24時間撹拌した。反応終了後、1H−NMRスペクトルを測定して生成物の構造と収率を決定した。目的生成物におけるケイ素に隣接する炭素上のプロトンのシグナルである0.90ppmの多重線を確認し、その収率を求めた。その結果を表4に示す。
1H−NMR(396MHz,CDCl3)δ:7.24−7.29(m,2H),7.13−7.22(m,3H),2.61−2.68(m,2H),0.86−0.92(m,2H),0.08(s,9H),0.07(s,6H).
1,1,1,3,3−ペンタメチルジシロキサンによる2−オクテンのヒドロシリル化
[実施例20]
反応容器に、実施例1で得られた{(EtO)3Si}Co(CNtBu)4(5.5mg,0.01mmol)、2−オクテン(157μL,1.0mmol)、1,1,1,3,3−ペンタメチルジシロキサン(254μL,1.3mmol)を加え、50℃で24時間撹拌した。反応終了後、1H−NMRスペクトルを測定して生成物の構造と収率を決定した。目的生成物におけるケイ素に隣接する炭素上のプロトンのシグナルである0.90ppmの多重線を確認し、その収率を求めた。その結果を表4に示す。
1,1,1,3,3−ペンタメチルジシロキサンによるノルボルネンのヒドロシリル化
[実施例21]
反応容器に、実施例1で得られた{(EtO)3Si}Co(CNtBu)4(5.5mg,0.01mmol)、ノルボルネン(94.1mg,1.0mmol)、1,1,1,3,3−ペンタメチルジシロキサン(254μL,1.3mmol)を加え、80℃で24時間撹拌した。反応終了後、1H−NMRスペクトルを測定して生成物の構造と収率を決定した。目的生成物におけるケイ素に隣接する炭素上のプロトンのシグナルである0.49ppmの多重線を確認し、その収率を求めた。その結果を表4に示す。
1H−NMR(396MHz,CDCl3)δ:−0.01(s,3H),0.00(s,3H),0.04(s,0.38H),0.06(s,9H),0.47−0.51(m,1H),0.80−0.87(m,0.16H),1.06−1.10(m,1.26H),1.18−1.23(m,3.71H),1.32−1.36(m,1.25H),1.37−1.49(m,1.24H),1.51−1.54(m,2.39H),1.59−1.69(m,0.19H),2.19−2.32(m,2.29H).
1,1,1,3,3−ペンタメチルジシロキサンによるアリルグリシジルエーテルのヒドロシリル化
[実施例22]
反応容器に、実施例1で得られた{(EtO)3Si}Co(CNtBu)4(5.5mg,0.01mmol)、アリルグリシジルエーテル(118μL,1.0mmol)、1,1,1,3,3−ペンタメチルジシロキサン(254μL,1.3mmol)を加え、80℃で24時間撹拌した。反応終了後、1H−NMRスペクトルを測定して生成物の構造と収率を決定した。目的生成物におけるケイ素に隣接する炭素上のプロトンのシグナルである0.51ppmの多重線を確認し、その収率を求めた。その結果を表4に示す。
1H−NMR(396MHz,CDCl3)δ:3.71(dd,J=11.6,J=3.9,1H)3.37−3.51(m,3H),3.26(dt,J=2.9,J=6.3,1H),2.62(t,J=4.4,1H),2.62(q,J=2.9,1H),1.59−1.65(m,2H),0.49−0.53(m,2H),0.06(s,9H).
Figure 2019064950
α−メチルスチレンの両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖ポリジメチルシロキサンによるヒドロシリル化反応
[実施例23]
反応容器に、実施例1で得られた{(EtO)3Si}Co(CNtBu)4(5.5mg,0.01mmol)、α−メチルスチレン(1.53mg,13mmol)、両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖ポリジメチルシロキサン(重合度18)(7.4g,5.0mmol)を加え、80℃で24時間撹拌した。反応終了後、1H−NMRスペクトルを測定して生成物の構造と収率を決定した。目的生成物におけるケイ素に隣接する炭素上のプロトンのシグナルである0.98ppmの多重線を確認し、その収率を求めた。その結果を表5に示す。
1H−NMR(396MHz,CDCl3)δ:7.27(t,J=6.8,2H),7.21(d,J=6.8,2H),7.15(t,J=6.8,1H),2.92(sext,J=6.8,1H),1.28(d,J=6.8,3H),0.90−0.98(m,2H),0.05(s),−0.05(s),−0.07(s).
[実施例24,25]
{(EtO)3Si}Co(CNtBu)4の代わりに、触媒として表2に記載したコバルト錯体(0.01mmol)をそれぞれ用い、表5に記載されている反応温度で行った以外は、実施例23と同様に反応を行った。その結果を以下の表5に示す。
Figure 2019064950
シリルコバルト触媒を用いるシリコーン架橋反応による硬化反応
[実施例26]
Figure 2019064950
反応容器に、実施例1で得られた{(EtO)3Si}Co(CNtBu)4(5.5mg,0.01mmol)、CH2=CHSiMe2O(SiMe2O)nSiMe2CH=CH2(n=約47、ビニル基は約1.56mmol)(2.87g)、Me3SiO[SiH(OMe)]mSiMe3(m=約8)(0.13g、Si−H結合は約1.56mmol)を加え、120℃で3時間撹拌した。その際、反応溶液が硬化するまでの時間を求め、得られた固体のIRスペクトル測定(KBr法)を行い、Si−H結合に由来する2100〜2200cm-1付近のピークを確認し、Si−Hの転化率を求めた。その結果を表6に示す。
[実施例27]
反応容器に、実施例2で得られた{(EtO)3Si}Co(CNAd)4(8.7mg,0.01mmol)、CH2=CHSiMe2O(SiMe2O)nSiMe2CH=CH2(n=約47、ビニル基は約1.56mmol)(2.87g)、Me3SiO[SiH(OMe)]mSiMe3(m=約8)(0.13g、Si−H結合は約1.56mmol)を加え、120℃で3時間撹拌した。その際、反応溶液が硬化するまでの時間を求め、得られた固体のIRスペクトル測定(KBr法)を行い、Si−H結合に由来する2100〜2200cm-1付近のピークを確認し、Si−Hの転化率を求めた。その結果を表6に示す。
[比較例1]
反応容器に、Co2(CNAd)8(7.0mg,0.005mmol)、CH2=CHSiMe2O(SiMe2O)nSiMe2CH=CH2(n=約47、ビニル基は約1.56mmol)(2.87g)、Me3SiO[SiH(OMe)]mSiMe3(m=約8)(0.13g、Si−H結合は約1.56mmol)を加え、120℃で3時間撹拌した。その際、反応溶液が硬化するまでの時間を求め、得られた固体のIRスペクトル測定(KBr法)を行い、Si−H結合に由来する2100〜2200cm-1付近のピークを確認し、Si−Hの転化率を求めた。その結果を表6に示す。
[比較例2]
反応容器に、ピバル酸コバルト(II)(3mg,0.01mmol)、アダマンチルイソシアニド(3mg,0.01mmol)、CH2=CHSiMe2O(SiMe2O)nSiMe2CH=CH2(n=約47、ビニル基は約1.56mmol)(2.87g)、Me3SiO[SiH(OMe)]mSiMe3(m=約8)(0.13g、Si−H結合は約1.56mmol)を加え、120℃で3時間撹拌した。その際、反応溶液が硬化するまでの時間を求め、得られた固体のIRスペクトル測定(KBr法)を行い、Si−H結合に由来する2100〜2200cm-1付近のピークを確認し、Si−Hの転化率を求めた。その結果を表6に示す。
[比較例3]
反応容器に、ピバル酸コバルト(II)(3mg,0.01mmol)、アダマンチルイソシアニド(3mg,0.01mmol)、トリエトキシシラン(13mg,0.08mmol)、ジメトキシエタン(100μL)を加え、室温で1時間撹拌した。その後、同じ反応容器にCH2=CHSiMe2O(SiMe2O)nSiMe2CH=CH2(n=約47、ビニル基は約1.56mmol)(2.87g)、Me3SiO[SiH(OMe)]mSiMe3(m=約8)(0.13g、Si−H結合は約1.56mmol)を加え、120℃で3時間撹拌したが、ポリマーの硬化は確認できなかった。
Figure 2019064950
コバルト錯体の溶解性の検討
[実施例28]
実施例1で得られた{(EtO)3Si}Co(CNtBu)4(5.5mg,0.01mmol)に、CH2=CHSiMe2O(SiMe2O)nSiMe2CH=CH2(n=約47)を1gずつ加えていき、約25℃付近におけるコバルト錯体の溶解性を検討した。その結果、合計8gを加えたあたりで、完全に溶解した。
[比較例4]
Co2(CNtBu)8(3.9mg,0.005mmol)に、CH2=CHSiMe2O(SiMe2O)nSiMe2CH=CH2(n=約47)を1gずつ加えていき、約25℃付近におけるコバルト錯体の溶解性を検討した。合計10gまで加えたが、コバルト錯体が完全に溶解せず、錯体の沈殿物を確認した。

Claims (9)

  1. 下記式(1)で表されるコバルト錯体。
    Figure 2019064950
    {式中、R1〜R3は、互いに独立して、水素原子、またはハロゲン原子で置換されていてもよく、酸素、窒素およびケイ素から選ばれる原子が1個以上介在していてもよい、炭素原子数1〜30の1価の有機基を表すが、これらR1〜R3の少なくとも1組が一緒になって、酸素、窒素およびケイ素から選ばれる原子が1個以上介在していてもよい炭素原子数1〜30の架橋置換基を形成していてもよく、
    Lは、互いに独立して下記式(2)
    CN−R4 (2)
    (式中、R4は、ハロゲン原子で置換されていてもよく、酸素、窒素、硫黄およびケイ素から選ばれる原子が1個以上介在していてもよい、炭素原子数1〜30の1価の有機基を表す。)
    で表されるイソシアニド配位子を表し、
    nは4である。}
  2. 前記R1〜R3が、水素原子、または炭素原子数1〜30の、1価炭化水素基、オルガノオキシ基、モノオルガノアミノ基、ジオルガノアミノ基、モノオルガノシロキシ基、ジオルガノシロキシ基、トリオルガノシロキシ基、もしくはポリオルガノシロキサン基である請求項1記載のコバルト錯体。
  3. 前記式(2)におけるR4が、炭素原子数1〜20のアルキル基、炭素原子数3〜20のシクロアルキル基、炭素原子数6〜30のアリール基、または炭素原子数7〜30のアルキルアリール基である請求項1または2記載のコバルト錯体。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項記載のコバルト錯体からなるヒドロシリル化反応に活性を有する触媒。
  5. 請求項4記載の触媒の存在下、脂肪族不飽和結合含有化合物とSi−H結合含有化合物とをヒドロシリル化反応させることを特徴とするヒドロシリル化反応物の製造方法。
  6. 前記脂肪族不飽和結合含有化合物が、オレフィン化合物、Si原子と結合したアルケニル基を有するシラン化合物、またはオルガノポリシロキサンである請求項5記載のヒドロシリル化反応物の製造方法。
  7. コバルトを含む遷移金属塩と、前記式(2)で表されるイソシアニド化合物と、下記式(3)
    H−SiR123 (3)
    (式中、R1〜R3は、前記と同じ意味を表す。)
    で表されるヒドロシラン化合物とを反応させることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載のコバルト錯体の製造方法。
  8. 前記コバルトを含む遷移金属塩が、コバルトカルボン酸塩である請求項7記載のコバルト錯体の製造方法。
  9. 下記式(4)
    Co2(L)8 (4)
    (式中、Lは、前記と同じ意味を表す。)
    で表されるコバルト錯体と、
    下記式(3)
    H−SiR123 (3)
    (式中、R1〜R3は、前記と同じ意味を表す。)
    で表されるヒドロシラン化合物とを反応させることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載のコバルト錯体の製造方法。
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