JP6802607B2 - 非接触給電装置 - Google Patents
非接触給電装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP6802607B2 JP6802607B2 JP2017222721A JP2017222721A JP6802607B2 JP 6802607 B2 JP6802607 B2 JP 6802607B2 JP 2017222721 A JP2017222721 A JP 2017222721A JP 2017222721 A JP2017222721 A JP 2017222721A JP 6802607 B2 JP6802607 B2 JP 6802607B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- capacitance
- stage
- capacitor
- capacitor group
- coefficient
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
- 239000003990 capacitor Substances 0.000 claims description 280
- 238000000034 method Methods 0.000 claims description 88
- 230000005540 biological transmission Effects 0.000 claims description 41
- 230000000295 complement effect Effects 0.000 claims description 18
- 230000008859 change Effects 0.000 claims description 14
- 230000005674 electromagnetic induction Effects 0.000 claims description 12
- 230000009471 action Effects 0.000 claims description 10
- 230000007423 decrease Effects 0.000 claims description 9
- 230000006698 induction Effects 0.000 claims description 8
- 238000010586 diagram Methods 0.000 description 14
- 238000006243 chemical reaction Methods 0.000 description 12
- 230000000694 effects Effects 0.000 description 9
- 230000005670 electromagnetic radiation Effects 0.000 description 9
- 230000004907 flux Effects 0.000 description 7
- 238000005516 engineering process Methods 0.000 description 6
- 238000009774 resonance method Methods 0.000 description 6
- 230000008878 coupling Effects 0.000 description 5
- 238000010168 coupling process Methods 0.000 description 5
- 238000005859 coupling reaction Methods 0.000 description 5
- 230000003247 decreasing effect Effects 0.000 description 5
- 230000002411 adverse Effects 0.000 description 4
- 229910002601 GaN Inorganic materials 0.000 description 3
- JMASRVWKEDWRBT-UHFFFAOYSA-N Gallium nitride Chemical compound [Ga]#N JMASRVWKEDWRBT-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 3
- HBMJWWWQQXIZIP-UHFFFAOYSA-N silicon carbide Chemical compound [Si+]#[C-] HBMJWWWQQXIZIP-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 3
- 229910010271 silicon carbide Inorganic materials 0.000 description 3
- 230000008901 benefit Effects 0.000 description 2
- 230000005855 radiation Effects 0.000 description 2
- 239000004065 semiconductor Substances 0.000 description 2
- 238000007796 conventional method Methods 0.000 description 1
- 230000002542 deteriorative effect Effects 0.000 description 1
- 238000009499 grossing Methods 0.000 description 1
- 238000004519 manufacturing process Methods 0.000 description 1
- 230000007246 mechanism Effects 0.000 description 1
- 230000002250 progressing effect Effects 0.000 description 1
Landscapes
- Charge And Discharge Circuits For Batteries Or The Like (AREA)
- Electric Propulsion And Braking For Vehicles (AREA)
Description
ケーブル等の機械的接触なしのワイヤレスで、電気自動車(EV)や電動移動台車(AGV)等に給電する非接触給電装置(WPT)が、需要に基づき開発され、広く使用されている。
そして非接触給電装置では、電磁誘導の相互誘導作用に基づき給電が行われるが、更なる給電効率の向上を図るべく、磁界共鳴方式も併用されている。このような磁界共振結合型の非接触給電装置が、多用されつつある。
図5の(1)図は、この種の非接触給電装置1の従来例,一般例の等価回路図である。同図にも示したように、この非接触給電装置1では、送電側回路2について、LCローパスフィルターのインダクタL3,直列コンデンサCaと、並列コンデンサCbと、送電コイルL1とにより、共振回路が形成されている。
これと共に受電側回路3について、直列コンデンサCsと、並列コンデンサCpと、受電コイルL2とにより、共振回路が形成されている。
両共振回路の共振周波数と、送電側回路2の高周波電源V1の電源周波数とは、等しく揃えられている。そして、結合係数kで磁気結合している送電コイルL1と受電コイルL2間で、磁界共鳴方式を併用した電磁誘導方式により、電力が供給されている。
そして電池R1は、従来、スイッチング方式の電力変換回路と、その負荷である電池とから、構成されていた。
すなわち、電池R1の充電に際しては、充電電力を所望の値に増減,変更,維持する充電制御が必要となる。そして、このような充電制御機能を持った、充電電圧スイッチング方式の電力変換回路が、電池R1に配設されていた。
従来の非接触給電装置1では、このように、充電電圧の値を切り換え,増減,変更制御すべくスイッチングすることにより、充電電力の値を増減,変更制御する電力変換回路が、電池R1に設けられていた。
すなわち、電磁環境に悪影響を及ぼす、という問題が指摘されていた。電池R1の電力変換回路には、半導体パワーデバイスによるスイッチング技術が用いられており、電磁放射ノイズを伴うという指摘があった。
特に最近は、変換効率向上,スイッチング損失抑制をめざすデバイス開発が進んでおり、SiC(シリコンカーバイド)素子や、GaN(窒化ガリウム)素子等、より高速のスイッチング素子が採用されつつある。
しかしながらスイッチング素子の高速化は、電磁放射ノイズの広帯域化を伴い、電磁環境に悪影響を及ぼすことが懸念されている状況にある。
例えば電気自動車の分野では、自動運転技術の実用化が進展し、自動運転のための電子制御装置,レーダー,高周波センサー等、電磁環境に悪影響を受けやすい電子機器が多用されつつある。
もって、非接触給電装置1等の車載機器については、電磁放射ノイズの少ない特性が強く望まれている。スイッチングによる高調波ノイズの発生がなく、高周波磁界そして電磁波の外部放射が抑制され、周辺の電磁環境を悪化させない装置であることが、強く望まれている。
本発明の非接触給電装置は、このような実情に鑑み、上記従来技術の課題を解決すべくなされたものである。
そして本発明は、第1に、充電電力の変更制御が可能であると共に、第2に、電磁放射ノイズの発生が抑制される、非接触給電装置を提案することを目的とする。
このような課題を解決する本発明の技術的手段は、特許請求の範囲に記載したように、次のとおりである。
請求項1については、次のとおり。
請求項1の非接触給電装置は、電磁誘導の相互誘導作用に基づき、送電側の共振回路の送電コイルから、負荷電池に接続された受電側の共振回路の受電コイルに、エアギャップを存し非接触で近接対応位置して、電力を供給する。
該受電側の共振回路は、並列共振用の並列コンデンサと、直列共振用の直列コンデンサと、追加コンデンサとを、有している。
そして該追加コンデンサは、素子コンデンサ群各段よりなる。該素子コンデンサ群各段は、それぞれ、該並列コンデンサに並列接続ONか、該直列コンデンサに並列接続ONかに、スイッチング可能である。
該素子コンデンサ群各段の接続組み合わせにより、該追加コンデンサの容量がステップ切り換えされる。もって該共振回路は、合成容量そして共振周波数を一定に保ちつつ、該並列コンデンサと該直列コンデンサについて、その間の容量配分が切り換えられることにより、該負荷電池への充電電圧そして充電電力を所望の値に、ステップ切り換え可能,増減変更制御可能であること、を特徴とする。
請求項2の非接触給電装置では、請求項1において、該素子コンデンサ群各段への容量割り付けが、均等割り付け法により行われる。
すなわち該追加コンデンサは、該素子コンデンサ群各段に、均等に容量を割り振って組み合わせることにより、等差数列の容量列をステップ生成し、もって、充電電圧の値を変更制御可能となっていること、を特徴とする。
請求項3の非接触給電装置では、請求項1において、該素子コンデンサ群各段への容量割り付けが、不均等の等比数列割り付け法に基づき行われる。
すなわち該追加コンデンサは、該素子コンデンサ群各段に、等比数列を含み個別に割り付けられた容量係数に基づき容量を割り振って組み合わせることにより、等差数列の容量列をステップ生成する。もって、充電電圧の値を変更制御可能となっていること、を特徴とする。
請求項4については、次のとおり。
請求項4の非接触給電装置では、請求項3において、該素子コンデンサ群各段に割り付けられる容量係数は、分数で表される。そしてその分子が、等比数列2(n−1)で変化する係数列と、その補数となる係数列とのペアからなり、分母を、自然数mとし、もって、次の数式1を充足することを条件とすること、を特徴とする。
但し、該素子コンデンサ群各段の段数nを偶数とし、α=n/2とする。
請求項5の非接触給電装置では、請求項1において、該素子コンデンサ群各段への容量割り付けが、不均等の等差数列割り付け法に基づき行われる。
すなわち該追加コンデンサは、該素子コンデンサ群各段に、等差数列を含み個別に割り付けられた容量係数に基づき容量を割り振って組み合わせることにより、等差数列の容量列をステップ生成する。もって、充電電圧の値を変更制御可能となっていること、を特徴とする。
請求項6については、次のとおり。
請求項6の非接触給電装置では、請求項5において、該素子コンデンサ群各段に割り付けられる容量係数は、分数で表される。そしてその分子が、等差数列で変化する係数列と、その補数となる係数列とのペアからなり、分母を、自然数mとし、もって、次の数式2を充足することを条件とすること、を特徴とする。
但し、該素子コンデンサ群各段の段数nを偶数とし、α=n/2とする。
請求項7については、次のとおり。
請求項7の非接触給電装置では、請求項4又は6において、該追加コンデンサそして充電電圧の切り換え最大ステップ数Stと、容量係数の分母mと、該素子コンデンサ群各段の段数nとの間の関係は、次の数式3のとおりであること、を特徴とする。
請求項8非接触給電装置では、請求項1において、該素子コンデンサ群各段への容量割り付けが、不均等の等比数列割り付け法により行われる。
すなわち該追加コンデンサは、該素子コンデンサ群各段に、個別に割り付けられた容量係数に基づき、すなわち全段にわたり等比数列により当て嵌められた容量係数に基づき、容量を割り振って組み合わせることにより、等差数列の容量列をステップ生成する。もって、充電電圧の値を変更制御可能となっていること、を特徴とする。
本発明は、このような手段よりなるので、次のようになる。
(1)非接触給電装置では、電磁誘導の相互誘導作用に基づき、電力が供給される。
(2)そして、この電磁誘導方式に加え、磁界共鳴方式が併用されている。
(3)さて本発明では、受電側の共振回路について、並列コンデンサと直列コンデンサに加え、追加コンデンサが設けられている。追加コンデンサは、素子コンデンサ群各段の集合体よりなり、それぞれ、並列コンデンサ又は直列コンデンサに並列接続ONに、スイッチング可能となっている。
(4)そこで、素子コンデンサ群各段の接続組み合わせにより、追加コンデンサの容量を切り換え可能である。これにより、共振回路の合成容量そして共振周波数を一定に保ちつつ、並列コンデンサと直列コンデンサの間の容量配分が切り換えられる。
(5)もって、負荷電池の充電電圧そして充電電力を、増減変更制御可能となる。
(6)このように制御は、負荷電池に充電電圧のスイッチング素子,電力変換回路を設けることなく、電磁放射ノイズ発生を抑制しつつ実現される。
(7)ところで追加コンデンサは、その素子コンデンサ群各段にそれぞれ容量が割り振られており、その組み合わせにより、等差数列の容量列がステップ生成される。その割り付け法については、以下のとおり。
(8)均等割り付け法では、均等に容量が割り振られる。
(9)等比数列割り付け法では、等比数列を含む容量係数に基づき、容量が割り振られる。
(10)等差数列割り付け法では、等差数列を含む容量係数に基づき、容量が割り振られる。
(11)純等比数列割り付け法では、等比数列の容量係数に基づき、全段の容量が割り振られる。
(12)そこで、本発明は次の効果を発揮する。
第1に、充電電力の変更制御が可能である。
本発明の非接触給電装置では、受電側の共振回路について、並列コンデンサや直列コンデンサと共に、追加コンデンサが採用されている。
→そして、追加コンデンサの素子コンデンサ各段を、それぞれ、並列コンデンサ又は直列コンデンサに対し、並列接続ONとした組み合わせにより、→追加コンデンサの容量をステップ切り換え可能となっている。
→これにより共振回路は、合成容量そして共振周波数を一定に保ちつつ、並列コンデンサと直列コンデンサの間の容量配分が切り換えられることにより、→電池の充電電圧そして充電電力を、変更制御可能となっている。
このように本発明では、共振回路が、充電制御機能,電力変換機能を発揮し、もって充電電圧の値そして充電電力の値を、所望の値に切り換え,増減,変更可能となっている。
第2に、電磁放射ノイズの発生が抑制される。
本発明の非接触給電装置では、共振回路が充電制御機能,電力変換機能を発揮するので、周辺の電磁環境を悪化させる虞はない。
前述したこの種従来技術のように、充電対象の電池に電力変換回路を配して、充電電圧をスイッチングする方式により、充電制御機能,電力変換機能を発揮させていた場合のように、スイッチングにより高周波ノイズ,電磁放射ノイズを発生させる虞はない。
半導体パワーデバイスのスイッチング技術としてSiC素子やGaN素子等のスイッチング素子を採用していた従来技術のように、高周波磁界そして電磁波の外部放射、電磁放射ノイズの広域化等を伴う虞はなく、電磁環境を悪化させることは防止される。
電気自動車等の分野では、自動運転技術の進展が著しく、電子制御装置,レーダー,高周波センサー等、電磁環境に悪影響を受けやすい電子機器が多用されつつある状況に鑑み、車載機器として本発明の発揮する効果は、特に顕著である。
このように、この種従来技術に存した課題がすべて解決される等、本発明の発揮する効果は、顕著にして大なるものがある。
《非接触給電装置1について》
まず、本発明の前提として、非接触給電装置(WPT)1について、図5の(1)図,図6を参照して、一般的に説明しておく。図5の(1)図は、非接触給電装置1の一般例,基本例,従来例の等価回路図、図6は、非接触給電装置1の説明図である。
非接触給電装置1は、電磁誘導の相互誘導作用に基づき、送電側回路2の送電コイルL1から、負荷電池R1に接続された受電側回路3の受電コイルL2に、エアギャップGを存し非接触で近接対応位置しつつ、電力を供給する。
これに対し、2次側の受電側回路3は、電気自動車(EV),電動移動台車(AGV),電車等の車輌6,その他の移動体側に搭載される。車載の受電側回路3は、図示のように、電池R1に接続されるのが代表的であるが、その他の負荷に直接接続される場合もある。
給電に際し、送電側回路2の送電コイルL1と受電側回路3の受電コイルL2とは、例えば100mm〜150mm程度の僅かなエアギャップGを存して、対応位置する。
そして図6に示したように、受電コイルL2が送電コイルL1に対し、上側等から対応位置して停止される停止給電方式が代表的である。停止給電方式の場合、受電コイルL2と送電コイルL1とは、上下等で対をなす対称構造よりなる。これに対し、受電コイルL2が送電コイルL1上を低速走行されつつ給電を行う、移動給電方式も可能である。
送電側回路2の送電コイルL1は、高周波電源V1に接続されており、高周波電源V1は、例えば数kHz〜数10kHz〜数100kHz程度の高周波交流を、送電コイルL1に向けて通電する。
受電側回路3の受電コイルL2からの出力は、電池R1に供給され、充電された電池R1にて、図示例では走行用モータ7が駆動される。図6中8は、交流を直流に変換するコンバータ(整流部や平滑部)、9は、直流を交流に変換するインバータである。
すなわち送電コイルL1に、高周波電源V1から給電交流,励磁電流を印加,通電することにより、自己誘導起電力が発生して磁界が送電コイルL1の周囲に生じ、磁束がコイル面に対して直角方向に形成される。そして形成された磁束が、受電コイルL2を貫き錯交することにより、誘起電力が生成され磁界が誘起される。
このように誘起生成された磁界を利用して、数kW以上〜数10kW〜数100kW程度の電力供給が可能となる。送電コイルL1側の磁束の磁気回路と、受電コイルL2側の磁束の磁気回路は、相互間にも磁束の磁気回路つまり磁路が形成されて、電磁結合される。非接触給電装置1では、このような電磁誘導の相互誘導作用に基づき、非接触給電が行われる。
すなわち送電側回路2について、送電コイルL1,インダクタL3,直列コンデンサCa,並列コンデンサCb等により、共振回路が形成されている。インダクタL3と直列コンデンサCaは、LCローパスフィルタを構成する。又、受電側回路3について、受電コイルL2,直列コンデンサCs,並列コンデンサCp等により、共振回路が形成されている。
そして、直列コンデンサCa,並列コンデンサCbや、直列コンデンサCs,並列コンデンサCp等により、両共振回路の共振周波数が等しく設定されると共に、送電側回路2の高周波電源V1の電源周波数も、この共振周波数と等しく揃えられている。もって、結合係数kで磁気結合している送電コイルL1と受電コイルL2間に生じる磁界共振(磁界共鳴)現象を利用して給電する、磁界共鳴方式が併用されている。
非接触給電装置1について、一般的説明は以上のとおり。
以下、本発明について、図1〜図4等を参照して説明する。まず、本発明の概要については、次のとおり。
本発明の非接触給電装置10は、図5の(1)を参照して前述した従来例の非接触給電装置1と同様に、電磁誘導の相互誘導作用に基づき、送電側回路2の共振回路の送電コイルL1から、負荷電池R2に接続された受電側回路3の共振回路の受電コイルL2に、エアギャップGを存し非接触で近接対応位置して、電力を供給する。但し負荷電池R2は、従来例の負荷電池R1とは異なり、電力変換回路は設けられていない。
そして、本発明の非接触給電装置10では、受電側回路3の共振回路が、並列共振用の並列コンデンサCpと、直列共振用の直列コンデンサCsと、追加コンデンサΔCpとを、有している。新たに追加コンデンサΔCpが、追加採用されている。
追加コンデンサΔCpは、素子コンデンサ群各段C1,・・・の集合体よりなり、素子コンデンサ群各段C1,・・・は、それぞれ、並列コンデンサCpに並列接続ONか、直列コンデンサCsに並列接続ONかに、スイッチング可能となっている。
もって、素子コンデンサ群各段C1,・・・の接続組み合わせにより、追加コンデンサΔCpの容量が、ステップ切り換え可能となっている。
そこで本発明では、共振回路は、合成容量Cそして共振周波数を一定に保ちつつ、並列コンデンサCpと直列コンデンサCsについて、その間の容量配分が切り換えられることにより、負荷電池R2への充電電圧Vbそして充電電力を所望の値に、ステップ切り換え可能,増減変更制御可能となっていること、を特徴とする。
本発明の概要については、以上のとおり。以下、このような本発明について、更に詳述する。
まず、本発明が前提とする共振周波数や充電電圧等について、前述した図5の(1)図を参照して、説明する。
本発明の非接触給電装置10のベースとなる、図5の(1)図の一般例,基本例,従来例の非接触給電装置1の共振回路については、次のとおり。
まず、その受電コイルL2の共振角周波数ωは、下記の数式4に数式5を代入した数式6にて、与えられる。共振角周波数ωは、並列コンデンサCpと直列コンデンサCsとの合成容量Cに基づき決定される。
この共振角周波数ωが、送電コイルL1の共振角周波数ωと一致することにより、磁界共振(磁界共鳴)による電力伝送が行われる。数式中、L2は、受電コイルL2のインダクタンスである。
そして、この一般例,基本例,従来例の非接触給電装置1、そしてその共振回路の特徴は、図5の(2)図の共振特性グラフに示したように、負荷抵抗が変動しても、負荷電圧Vbが、定電圧となる周波数領域が存在することにある。
つまり、共振周波数(数式6で求めた共振角周波数ωに対応)(図示例では85kHz)近傍では、負荷電池R1にかかる負荷抵抗値が各種変化しても(図示例では負荷抵抗値をパラメーターとする)、負荷電圧(充電電圧)Vbが一定値(図示例ではA点)に集束すること、を特徴とする。
本発明の前提については、以上のとおり。
次に、本発明の非接触給電装置10の原理について、図2,図3を参照して説明する。
本発明の非接触給電装置10の共振回路は、まず、一般例,基本例,従来例の非接触給電装置1の共振回路について上述した特徴を前提としつつ、更に、次の点を特徴とする。
まず、前記数式4,6により、合成容量Cの値が一定であれば共振角周波数ωは一定であるが、このように共振角周波数ωが変わらないように合成容量Cを一定に保ちつつ、更に、数式5における並列コンデンサCpと直列コンデンサCsの容量配分を変えることにより、負荷電圧(充電電圧)Vbの値を変化させることが可能となる点を、特徴とする。
すなわち、受電側回路3の共振回路について、並列コンデンサCpと直列コンデンサCs間の容量配分を変更せしめることが可能な、追加コンデンサΔCpを追加する。その旨の下記の数式7を、前記数式4に代入すると、下記の数式8が得られるが、その共振角周波数ωは変わらず一定である。
この共振回路では、並列共振電流Ipが並列コンデンサCpと追加コンデンサΔCpに分流して流れ、数式7による合成容量Cの配分は、元の数式5の場合と変更がない。並列コンデンサCpと直列コンデンサCs間の容量配分に、変更はない。
もって、共振特性も図5の(1)図と同じであり、共振周波数(図示例では85kHz)における負荷電圧(充電電圧)Vbの値も、元の一定値(図示例ではA点)のままである。図中Ibは負荷電流である。
これに対し図2の(2)図は、追加コンデンサΔCpを、直列コンデンサCsに並列に接続変更した場合の、等価回路図である。
この共振回路では、並列コンデンサCpと直列コンデンサCs間の容量配分が、追加コンデンサΔCpの容量により変化する。追加コンデンサΔCpの容量分だけ、並列コンデンサCpや直列コンデンサCsの容量配分が、減少する。
そして、共振周波数(図示例では85kHz)を維持したまま、図3の(1)図の共振特性グラフ中に示したように、負荷電圧(充電電圧)Vbが、上述した図2の(1)図の場合より降下する(図示例ではA点からB点に降下する)(図中のA点は、図5の(2)図のA点である)。
図2の(1)図から(2)図のように、追加コンデンサΔCpが、並列コンデンサCpに並列から直列コンデンサCsに並列に切り換えられたことにより、→並列共振電流Ipの流れる回路のインピーダンスが、増加する。
→もって並列共振ループ(図2の(2)図中、想像線表示)に流れる並列共振電流Ipが、減少し、→受電コイルL2に誘起される受電コイル電圧V2も、降下する。
すなわち、図4の(1)図の特性グラフに示したように、並列共振電流Ipが下がると(図示例ではA点からB点に下がる)、→図4の(2)図の特性グラフに示したように、受電コイル電圧V2も、降下する(図示例ではA点からB点に降下する)。
→受電コイル電圧V2が降下することにより(図示例ではA点からB点に降下)、図3の(2)図に示したように、負荷電池R2への負荷電圧(充電電圧)Vbも、比例して降下する(図示例ではA点からB点に降下)。
このようなメカニズムにより、この非接触給電装置10では、受電側回路3の共振回路について、共振用コンデンサつまり並列コンデンサCpと直列コンデンサCsとの間の容量配分を変えることによって、負荷電圧(充電電圧)Vbを変化させることが可能となる。この点が、本発明の特徴である。
すなわち、負荷電圧(充電電圧)Vbは、追加コンデンサΔCpを、図2の(1)図のように並列コンデンサCpに並列接続すると、上昇する(図3のA点を参照)。これに対し、図2の(2)図のように直列コンデンサCsに並列接続すると、降下する(図3のB点を参照)。
本発明の原理説明については、以上のとおり。
次に、上述した並列コンデンサCpと直列コンデンサCsの間の容量配分の切り換えについて、説明する。
原理説明で述べたように、非接触給電装置10の受電側回路3の共振回路において、共振用の並列コンデンサCpと直列コンデンサCsの容量配分を切り換えることによって、電池R2への負荷電圧(充電電圧)Vbを変更することが可能である。
そして、容量配分の切り換えは、共振回路に追加コンデンサΔCpを追加することによって、実現される。共振周波数が変わらないように、合成容量Cを一定に保ちつつ、追加コンデンサΔCpの容量を切り換えることによって、実現される(数式4〜8を参照)。
すなわち、追加コンデンサΔCpの容量切り換え、→並列コンデンサCpと直列コンデンサCsの間の容量配分の切り換え、→電池R2の負荷電圧(充電電圧)Vbの変更、となる次第である。
容量配分の切り換えについては、以上のとおり。
上述した追加コンデンサΔCpの容量切り換えは、次のように実現される。
まず、例えば図1に示したように、基板回路の追加コンデンサΔCpを、素子コンデンサ群各段C1,・・・の集合体として構成する。
そして、このように回路に用いられる素子コンデンサ群各段C1,・・・は、それぞれ個別に、容量が割り付けられると共に、それぞれ個別に、並列コンデンサCp又は直列コンデンサCsに対し、並列接続ONにスイッチング可能としてなっている。
もって、このような多段切り換え回路の素子コンデンサ群各段C1,・・・の接続組み合わせにより、追加コンデンサΔCpの容量切り換えが、実現される。
容量割り付けは、次の[1],[2],[3],又は[4]の方法により行われる。すなわち、[1]「均等割り付け法」,[2]「等比数列割り付け法」,[3]「等差数列割り付け法」,[4]「純等比数列割り付け法」、により行われる。
以下、素子コンデンサ群各段C1,・・・への、このような各容量割り付け法について、詳述する。
まず、[1]「均等割り付け法」について、図1の(1)図の回路説明図を参照して、説明する。
「均等割り付け法」では、素子コンデンサ群各段C1,・・・に容量が、均等に割り付けられる。追加コンデンサΔCpは、素子コンデンサ群各段C1,・・・に均等に容量を割り振って組み合わせることにより、等差数列の容量列がステップ生成される。
すなわち、それぞれの切り換え組み合わせにより、追加コンデンサΔCpの容量が切り換えられ、もって、電池R2への負荷電圧(充電電圧)Vbの値を変更制御可能となっていること、を特徴とする。
そして、それぞれに切り換え双投スイッチS1〜S4を設けることにより、それぞれ個別に、並列コンデンサCpに対し並列接続か、又は直列接続(直列コンデンサCsに並列接続)かの接続切り換えが、可能となっている。
そこで例えば、図示のように全スイッチS1〜S4を直列コンデンサCsに並列接続すると、負荷電圧(充電電圧)Vbは、最低電圧となる(前述した図3のB点を参照)。これに対し、スイッチS1〜S4を、順次1つずつ並列コンデンサCpに並列に切り替えて行くと、等差数列的に負荷電圧(充電電圧)Vbが上がって行く(前述した図3のA点を参照)。
このようにして、負荷電圧(充電電圧)Vbのステップ切り換えが可能となり、図示例ではステップ数St=4でのステップ切り換えが可能となる。この場合、負荷電圧(充電電圧)Vb制御の分解能は1/Stとする定義が可能となり、図示例の分解能1/Stは1/4となる。
この「均等割り付け法」は、各割り付け法の中で最も簡単容易である。しかしながら、回路中の素子コンデンサ群各段C1,・・・の数が、増大するという難点がある。電圧制御の分解能1/Stをより高めるためには、その分解能1/Stに逆比例して、素子コンデンサ群各段C1,・・・による切り換え段数nを増やさなければならなくなる。
「均等割り付け法」については、以上のとおり。
次に、不均等割り付け法である、[2]「等比数列割り付け法」について、その実施例の概要を、図1の(2)図の回路説明図を参照して説明する。
「等比数列割り付け法」では、素子コンデンサ群各段C1,・・・への容量割り付けが、不均等の等比数列割り付け法に基づき行われる。
追加コンデンサΔCpは、素子コンデンサ群各段C1,・・・に、等比数列を含み個別に割り付けられた容量係数Fに基づき、容量を割り振って組み合わせることにより、等差数列の容量列をステップ生成可能となる。すなわち、それぞれの切り換え組み合わせにより、追加コンデンサΔCpとしての容量を切り換え、もって、充電電圧Vbの値を変更制御可能となっていること、を特徴とする。
まず、この「等比数列割り付け法」では、素子コンデンサ群各段C1,・・・について、所定のごとく不均等に容量を割り振ることにより、回路におけるその数の増大を防ぐことができる、という利点がある。
すなわち、上述した[1]「均等割り付け法」の難点を克服することができる。この点は、後述するその他の不均等割り付け法である、[3]「等差数列割り付け法」,[4]「純等比数列割り付け法」についても、同様である。
そして、この図1の(2)図の例では、追加コンデンサΔCpを段数n=4段に分割した、4段切り換え回路の各素子コンデンサ群各段C1〜C4について、容量係数Fが、順に1/6,2/6,4/6,5/6と割り付けられる。このような容量係数Fの等比数列を含んだ割り付け方については、後述する。
この各々に割り付けられた容量係数Fに、基準容量Bを掛けたものが、その素子コンデンサ群各段C1〜C4各々の実際の容量(ファラッド)となる。
そして、素子コンデンサ群各段C1〜C4のスイッチS1〜S4の接続組み合わせにより、最小容量1/m(図示例では1/6)(mについては後述)刻みの等差数列の容量列を、ステップ生成することができる。追加コンデンサΔCpについて、等差数列の容量列(もって負荷電圧Vbも等差数列的となる)を、ステップ生成することができる。
すなわち各ステップ毎に、並列コンデンサCpに対し並列接続される素子コンデンサ群各段C1〜C4の合計(含む単数)容量係数F(そして合計並列接続容量)が作り出される。この各ステップ毎の合計容量係数Fは等差数列よりなり、もって容量列も等差数列となる。
このように同じ段数n=4段の切り換え回路でも、前述した「均等割り付け法」では、ステップ数St=4であったものが、この「等比数列割り付け法」では、St=12となり、3倍に増加する。
次に、上述した「等比数列割り付け法」について、その詳細を数式9〜14を参照して、説明する。
まず、素子コンデンサ群各段C1,・・・に割り付けられる容量係数Fは、分数で表される。そしてその分子が、等比数列2(n−1)で変化する下位の係数列と、その補数となる上位の係数列とのペアからなり、分母を、自然数mとする。
前述した図1の(2)図の例では、分子は、「1,2」の下位の係数列と、「4,5」の上位の係数列とのペアからなる。基準数「6」に対し、下位の係数列の「1」と上位の係数列「5」が補数ペアとなり、下位の係数列「2」と「4」が補数ペアとなる。このような補数ペア作成のため、素子コンデンサ群各段C1,・・・の段数nは、偶数であることを前提とする(図示例ではn=4)。なお分母の自然数m=6である。
そして、「等比数列割り付け法」により、前述した等差数列の容量列をステップ生成できる条件は、下記の数式9を満たすことにある。
数式9を満たすことができない場合は、図1の(3)図に示したように、数列に抜けが生じてしまい、連続したステップ数Stの等差数列の容量列を生成することができなくなる。
数式9が満たされる場合は、次の関係が成り立つ。すなわち、等差数列の追加コンデンサΔCp(そして充電電圧Vb)の切り換え最大ステップ数Stと、容量係数Fの分母mと、素子コンデンサ群各段C1,・・・の段数nとの間の関係は、上記の数式10で表される。
図1の(2)図の例の場合については、次のとおり。素子コンデンサ群各段C1〜C4の段数n=4で、m=6であれば、数式9を満たすようになる。そして数式10によりステップ数St=12と算出される。制御分解能1/Stは1/12となる。
なお、各素子コンデンサ群各段C1,・・・の最小容量は、下記の数式12又は数式14で求められる。
すなわち、追加コンデンサΔCpの容量の1/Stが最少容量dCpであるとすると、dCpは下記の数式11で表わされる。そして、この数式11に数式10を代入すると、下記の数式12が得られる。一方、基準容量Bを下記の数式13のとおり定義すると、数式12は数式14のようにも表わされる。
図1の(2)図の例の場合、dCpは1/6であるが、段数n=4の4段切り換え回路なので、これ以上ステップ数Stを増やすには、mを増やさなければならないが、例えばm=7とすると、数式9を満たさなくなるので、実現できない。
次に、この「等比数列割り付け法」について、その実際例を、表2,表3,表5〜11等を参照して説明する。
この実際例では、まず、負荷電圧(充電電圧)Vb制御の分解能として、1/St=1/200を選択する。そしてステップ数St=200で、素子コンデンサ群各段C1,・・・の段数n=10とすると、数式9を満たすので、素子コンデンサ群各段C1,・・・に割り付けられる容量係数Fについて、等差数列を作ることができると判定される。
下記表2は、このような実際例について、容量係数Fの割り付け方の説明に供する。段数n=10なので、素子コンデンサ群各段C1〜C10を10個設け、それらの合計容量が追加コンデンサΔCpの容量となるようにする。
各素子コンデンサ群各段C1〜C10の容量係数Fは、2個で対をなす補数ペアとなる。例えば、素子コンデンサC1とC10の容量係数Fは対をなし、その和が基準数1となる。つまりC10の容量係数Fは、基準数1に対してC1の容量係数Fの補数となるように設定する。C2とC9、C3とC8、C4とC7、C5とC6についても同様に、補数ペアとなるように設定する。因みに、このような補数ペアの前提として、段数nは偶数である。
容量係数Fはこのように、等比数列で変化する下位の係数列と、その補数となる上位の係数列との補数ペアよりなる。この例では、素子コンデンサ群各段C1〜C5の容量係数Fには、下位の係数列が割り付けられ、素子コンデンサ群C6〜C10の容量係数Fには、基準数1に対して下位の係数列の補数となる上位の係数列が割り付けられる。下位の係数列の分子は、「1,2,4,8,16」つまり2(nー1)で変化し、上位の係数列の分子は、「24,32,36,38,39」となる。
そして、各素子コンデンサ群C1〜C10各々の実際の容量は、上述で得られたそれぞれの容量係数Fに、数式13の基準容量Bを掛けることにより求められる。
この実際例の回路は図示しないが、図1の(2)図の実施例の回路に準じると共に、素子コンデンサ群各段C1〜C10と、それぞれの切り換えスイッチS1〜S10が配設されたものとなる。
そして、上記の表3において、例えばステップ数Stが「1の桁」については、次のとおり。例えばステップ1では、素子コンデンサC1のみが並列コンデンサCp側に、スイッチS1にて並列接続ONされ、追加コンデンサΔCpの容量係数Fは例えば「1」である。
ステップ2では、素子コンデンサC2のみが並列コンデンサCp側に、スイッチS2にてONされ、追加コンデンサΔCpの容量係数Fは例えば「2」である。
ステップ3では、素子コンデンサC1とC2が並列コンデンサCp列に、スイッチS1とS2にて並列接続ONされ、容量係数Fは例えば「1+2」となる。
そして最終的にはステップ200に至り、10個の素子コンデンサ群各段C1〜C10が並列コンデンサCpに、スイッチS1〜S10により全て並列接続ONされる。
このようにして、各素子コンデンサ群各段C1〜C10の切り換え組み合わせにより、各段を組み合わせた合計容量係数Fが得られて、各段を組み合わせた合計容量に切り換えられ、もって追加コンデンサΔCpの容量が切り換えられる。
これにより、並列コンデンサCpと直列コンデンサCsについて、容量配分が切り換えられ、負荷電圧(充電電圧)Vbの変更制御が可能となる。
「等比数列割り付け法」については、以上のとおり。
次に、不均等割り付け法である、[3]「等差数列割り付け法」について説明する。
「等差数列割り付け法」では、素子コンデンサ群各段C1,・・・への容量割り付けが、不均等の「等差数列割り付け法」に基づき行われる。
追加コンデンサΔCpは、素子コンデンサ群各段C1,・・・に、等差数列を含み個別に割り付けられた容量係数Fに基づき、容量を割り振って組み合わせることにより、等差数列の容量列をステップ生成可能となる。すなわち、それぞれの切り換え組み合わせにより、追加コンデンサΔCpとしての容量を切り換え、もって、充電電圧Vbの値を変更制御可能となっていること、を特徴とする。
前述した「等比数列割り付け法」では、下位の係数列を、等比数列で変化させたが、この「等差数列割り付け法」では、下位の係数列を、等差数列で変化させる。
すなわち、素子コンデンサ群各段C1,・・・に割り付けられる容量係数Fについて、分母mの分数で表わした分子が、前述した「等比数列割り付け法」では、等比数列2(nー1)つまり2,4,8,16・・・で変化する下位の係数列と、その補数の上位の係数列とのペアからなっていた。
これに対し、この「等差数列割り付け法」では、等差数列1,2,3,4・・・で変化する係数列と、その補数の係数列とのペアからなる。
この「等差数列割り付け法」により、等差数列の容量列をステップ生成できる条件は、下記の数式15を満たすことになる。
そして、例えば段数n=10の場合は、分母mが21以下であれば、上記の数式15を満足する。但しm=21は、数式15を満足できる最大の値であるが、この場合はステップ数St=105となる。前述した「等比数列割り付け法」の場合のSt=200に比べ、電圧制御の分解能1/Stは大幅劣化する。
「等差数列割り付け法」について、その他の内容は、前述した「等比数列割り付け法」で前述した所に準じる。
「等差数列割り付け法」については、以上のとおり。
次に、不均等割り付け法である、「純等比数列割り付け法」について、説明する。
「純等比数列割り付け法」では、素子コンデンサ群各段C1,・・・への容量割り付けが、不均等の「純等比数列割り付け法」により行われる。
追加コンデンサΔCpは、素子コンデンサ群各段C1,・・・に、個別に割り付けられた容量係数Fに基づき、すなわち全段にわたり等比数列により当て嵌められた容量係数Fに基づき、容量を割り振って組み合わせることにより、等差数列の容量列をステップ生成可能となる。すなわち、それぞれの切り換え組み合わせにより、追加コンデンサΔCpとしての容量切り換え、もって、充電電圧Vpの値を変更制御可能となっていること、を特徴とする。
前述した「等比数列割り付け法」等では、容量係数Fを分数で表わし、その分子の下位の係数列を等比数列で変化させていた。そして得られた容量係数Fを、素子コンデンサ群各段C1,・・・に割り付けていた。
これに対し、この「純等比数列割り付け法」では、素子コンデンサ群各段C1,・・・の全段にわたり、等比数列で変化させた容量係数Fが当て嵌められる。
勿論、この「純等比数列割り付け法」では、前述した「等比数列割り付け法」等で述べた分数,分子,分母,補数等を用いられず、数式9〜15の適用もない。
下記表4は、このような「純等比数列割り付け法」による、容量係数Fの割り付け方の説明に供する。
上記表4によると、段数10番のところでは容量係数Fは512となり、対応する最大ステップ数St=1023となる。
前述した「等比数列割り付け法」では、実施例として最大ステップ数St=200を選んでいたので、この「純等比数列割り付け法」の表4の場合、それに近いステップ数Stを見ると、段数8番におけるSt=255が該当する。従って表4の場合、段数n=8となるが、最終段の段数8番の容量係数Fは128となる。前述した「等比数列割り付け法」の、段数10番の容量係数Fと比較,勘案した場合、どちらの方法にも一長一短があり、部品の入手性や製造コスト等を勘案して、選択されることになる。
「純等比数列割り付け法」については、以上のとおり。
本発明の非接触給電装置10は、以上説明したように構成されている。そこで以下のようになる。
(1)非接触給電装置10では、給電に際し、受電側回路3の受電コイルL2が、送電側回路2の送電コイルL1に、エアギャップGを存し近接対応位置する。そして送電コイルL1が通電され、送電コイルL1と受電コイルL2間に磁束の磁路が形成されて、電力が供給される(図6を参照)。
追加コンデンサΔCpは、素子コンデンサ群各段C1,・・・の集合体よりなる。追加コンデンサΔCpとして回路に用いられる素子コンデンサ群各段C1,・・・は、それぞれ、並列コンデンサCpに並列接続ONか、直列コンデンサCsに並列接続ONかに、切り換え可能,スイッチング接続可能となっている(図1を参照)。
そこで、追加コンデンサΔCpの容量をステップ切り換えすることにより、共振回路の合成容量Cそして共振周波数を一定に保ちつつ、並列コンデンサCpと直列コンデンサCsの間の容量配分が、切り換えられる(数式4〜8を参照)。
すなわち、素子コンデンサ群各段C1,・・・について、スイッチング接続により、並列コンデンサCp側に並列接続ONされる組み合わせが増えるほど、充電電圧(負荷電圧)Vbは増加する。直列コンデンサCsに並列接続ONされる組み合わせが増えるほど、充電電圧(負荷電圧)Vbは降下する(図1,図2や図3,図を参照)。
各素子コンデンサ群各段C1,・・・への容量の割り付け法については、次の[1],[2],[3],[4]のとおり。
本発明の作用等については、以上のとおり。
以下に、表5〜表11を添付する。この200ステップ切り換え表では、前述した「等比数列割り付け法」の例として、段数n=10でそれぞれに容量係数Fが割り付けられた素子コンデンサ群各段C1〜C10、つまりスイッチS1〜S10について、全ステップ数St=200の各々の接続状況を示した。
すなわち、どの素子コンデンサC1〜C10つまりスイッチS1〜S10を、並列コンデンサCpに対して並列接続ONするかを示した。そして、並列接続ONの組み合わせが増えるほど、充電電圧(負荷電圧)Vbの値が上昇するようになる。
C 合成容量
Ca 直列コンデンサ
Cb 並列コンデンサ
Cs 直列コンデンサ
Cp 並列コンデンサ
ΔCp 追加コンデンサ
C1,C2,C3,C4・・・
素子コンデンサ(群各段)
dCp 最小キャパシタンス
F 容量係数
G エアギャップ
Ip 並列共振電流
Ib 負荷電流
L1 送電コイル
L2 受電コイル
L3 インダクタ
S1,S2,S3,S4,・・・
スイッチ
St ステップ数
1/St 分解能
R1 電池
R2 電池
V1 高周波電源
V1 送電コイル電圧
V2 受電コイル電圧
Vb 負荷電圧(充電電圧)
k 結合係数
m 自然数
n 段数
ω 共振角周波数
1 非接触給電装置(従来例)
2 送電側回路
3 受電側回路
4 給電スタンド
5 地上
6 車輌
7 モータ
8 コンバータ
9 インバータ
10 非接触給電装置(本発明)
Claims (8)
- 電磁誘導の相互誘導作用に基づき、送電側の共振回路の送電コイルから、負荷電池に接続された受電側の共振回路の受電コイルに、エアギャップを存し非接触で近接対応位置して、電力を供給する非接触給電装置において、
該受電側の共振回路は、並列共振用の並列コンデンサと、直列共振用の直列コンデンサと、追加コンデンサとを、有しており、
該追加コンデンサは、素子コンデンサ群各段よりなり、該素子コンデンサ群各段は、それぞれ、該並列コンデンサに並列接続ONか該直列コンデンサに並列接続ONかに、スイッチング可能であり、
該素子コンデンサ群各段の接続組み合わせにより、該追加コンデンサの容量がステップ切り換えされ、
もって該共振回路は、合成容量そして共振周波数を一定に保ちつつ、該並列コンデンサと該直列コンデンサについて、その間の容量配分が切り換えられることにより、該負荷電池への充電電圧そして充電電力を所望の値に、ステップ切り換え可能,増減変更制御可能であること、を特徴とする非接触給電装置。 - 請求項1において、該素子コンデンサ群各段への容量割り付けが、均等割り付け法により行われ、
該追加コンデンサは、該素子コンデンサ群各段に、均等に容量を割り振って組み合わせることにより、等差数列の容量列をステップ生成し、もって、充電電圧の値を変更制御可能となっていること、を特徴とする非接触給電装置。 - 請求項1において、該素子コンデンサ群各段への容量割り付けが、不均等の等比数列割り付け法に基づき行われ、
該追加コンデンサは、該素子コンデンサ群各段に、等比数列を含み個別に割り付けられた容量係数に基づき容量を割り振って組み合わせることにより、等差数列の容量列をステップ生成し、もって、充電電圧の値を変更制御可能となっていること、を特徴とする非接触給電装置。 - 請求項3において、該素子コンデンサ群各段に割り付けられる容量係数は、分数で表され、その分子が、等比数列2(n−1)で変化する係数列と、その補数となる係数列とのペアからなり、分母を、自然数mとし、もって、次の式を充足することを条件とすること、を特徴とする非接触給電装置。
但し、該素子コンデンサ群各段の段数nを偶数とし、α=n/2とする。
- 請求項1において、該素子コンデンサ群各段への容量割り付けが、不均等の等差数列割り付け法に基づき行われ、
該追加コンデンサは、該素子コンデンサ群各段に、等差数列を含み個別に割り付けられた容量係数に基づき容量を割り振って組み合わせることにより、等差数列の容量列をステップ生成し、もって、充電電圧の値を変更制御可能となっていること、を特徴とする非接触給電装置。 - 請求項5において、該素子コンデンサ群各段に割り付けられる容量係数は、分数で表され、その分子が、等差数列で変化する係数列と、その補数となる係数列とのペアからなり、分母を、自然数mとし、もって、次の式を充足することを条件とすること、を特徴とする非接触給電装置。
但し、該素子コンデンサ群各段の段数nを偶数とし、α=n/2とする。
- 請求項4又は6において、該追加コンデンサそして充電電圧の切り換え最大ステップ数Stと、容量係数の分母mと、該素子コンデンサ群各段の段数nとの間の関係は、次式のとおりであること、を特徴とする非接触給電装置。
- 請求項1において、該素子コンデンサ群各段への容量割り付けが、不均等の等比数列割り付け法により行われ、
該追加コンデンサは、該素子コンデンサ群各段に、個別に割り付けられた容量係数に基づき、すなわち全段にわたり等比数列により当て嵌められた容量係数に基づき、容量を割り振って組み合わせることにより、等差数列の容量列をステップ生成し、もって、充電電圧の値を変更制御可能となっていること、を特徴とする非接触給電装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2017222721A JP6802607B2 (ja) | 2017-11-20 | 2017-11-20 | 非接触給電装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2017222721A JP6802607B2 (ja) | 2017-11-20 | 2017-11-20 | 非接触給電装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2019097253A JP2019097253A (ja) | 2019-06-20 |
JP6802607B2 true JP6802607B2 (ja) | 2020-12-16 |
Family
ID=66972163
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2017222721A Active JP6802607B2 (ja) | 2017-11-20 | 2017-11-20 | 非接触給電装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP6802607B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP7039087B1 (ja) | 2021-09-03 | 2022-03-22 | 株式会社レーザーシステム | 結合共振型無線電力伝送システム、及び結合共振型無線電力伝送システムにおける伝送特性の調整方法 |
JP7154518B1 (ja) | 2022-03-11 | 2022-10-18 | 株式会社レーザーシステム | 結合共振型無線電力伝送システムの共振器、及び結合共振型無線電力伝送システム |
Family Cites Families (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP3488166B2 (ja) * | 2000-02-24 | 2004-01-19 | 日本電信電話株式会社 | 非接触icカードシステムとそのリーダライタおよび非接触icカード |
JP5470963B2 (ja) * | 2009-03-27 | 2014-04-16 | 日産自動車株式会社 | 給電装置 |
JP2011258807A (ja) * | 2010-06-10 | 2011-12-22 | Showa Aircraft Ind Co Ltd | 非接触給電装置 |
KR101305823B1 (ko) * | 2011-11-25 | 2013-09-06 | 한국전기연구원 | 무선전력 중계장치, 무선전력 전송 방법 및 공진주파수 조절 방법 |
JP5794203B2 (ja) * | 2012-05-22 | 2015-10-14 | トヨタ自動車株式会社 | 送電装置、受電装置、車両、および非接触給電システム |
JP2014023281A (ja) * | 2012-07-18 | 2014-02-03 | Panasonic Corp | 伝送コイル装置及び携帯無線端末 |
JP6338944B2 (ja) * | 2014-06-27 | 2018-06-06 | 大崎電気工業株式会社 | 電力配電機器の磁気コア保持具 |
-
2017
- 2017-11-20 JP JP2017222721A patent/JP6802607B2/ja active Active
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2019097253A (ja) | 2019-06-20 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
KR101230211B1 (ko) | 자계 공명 방식의 비접촉 급전장치 | |
JP6657533B2 (ja) | 無人搬送車システム | |
KR102655303B1 (ko) | 비접촉 전력전송 시스템 | |
JP6525874B2 (ja) | 効率の改善された非自己同調無線電力伝送システム | |
JP5224295B2 (ja) | 非接触給電装置及び非接触給電方法 | |
KR101478930B1 (ko) | 비접촉 급전 장치 | |
Matsumoto et al. | Trifoliate three-phase contactless power transformer in case of winding-alignment | |
JP6618006B2 (ja) | 無線電力伝送システムおよび送電装置 | |
JP6379889B2 (ja) | 非接触給電システム及び受電装置 | |
US20160028241A1 (en) | Electric power transmission device, and electric power reception device and vehicle including the same | |
JP6820047B2 (ja) | 非接触電力伝送システム | |
JP6802607B2 (ja) | 非接触給電装置 | |
CN108028549A (zh) | 非接触供电装置 | |
WO2019108071A1 (en) | A misalignment tolerant hybrid wireless power transfer system | |
EP3270487A1 (en) | Non-contact power supply apparatus, program, method for controlling non-contact power supply apparatus, and non-contact power transmission system | |
US20220255348A1 (en) | Roadway embeddable capacitive wireless charging systems | |
CN104426247A (zh) | 电力接收设备、电力发送设备和电力传输*** | |
WO2019189578A1 (ja) | 電極ユニット、送電装置、受電装置、および無線電力伝送システム | |
JP2019176621A (ja) | 電極ユニット、送電装置、受電装置、および無線電力伝送システム | |
JP7304530B2 (ja) | 送電モジュール、受電モジュール、送電装置、受電装置、および無線電力伝送システム | |
JP2017143699A (ja) | 非接触電力伝送システム、および、送電装置 | |
JP2016192856A (ja) | 非接触給電システム、および、送電装置 | |
JP7163869B2 (ja) | 非接触給電システムおよびその制御方法 | |
JP5589786B2 (ja) | 非接触給電装置 | |
EP4080529A1 (en) | Contactless power feeding device |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20200214 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20201118 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20201126 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20201126 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 6802607 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |