JP2007263409A - 木材の熱処理乾燥方法及び装置 - Google Patents

木材の熱処理乾燥方法及び装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2007263409A
JP2007263409A JP2006086393A JP2006086393A JP2007263409A JP 2007263409 A JP2007263409 A JP 2007263409A JP 2006086393 A JP2006086393 A JP 2006086393A JP 2006086393 A JP2006086393 A JP 2006086393A JP 2007263409 A JP2007263409 A JP 2007263409A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
heating chamber
wood
steam
temperature
heat treatment
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Ceased
Application number
JP2006086393A
Other languages
English (en)
Inventor
Senju Oishi
千壽 大石
Seiichiro Inoue
誠一郎 井上
Tsutomu Kuwata
勉 桑田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Individual
Original Assignee
Individual
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Individual filed Critical Individual
Priority to JP2006086393A priority Critical patent/JP2007263409A/ja
Publication of JP2007263409A publication Critical patent/JP2007263409A/ja
Ceased legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Chemical And Physical Treatments For Wood And The Like (AREA)
  • Drying Of Solid Materials (AREA)

Abstract

【課題】板の割れの発生率を大幅に低減させると共に、装置の製造コストの低減化を図ることを課題とする。
【解決手段】桟積みされた木材(8)を収容する加熱室(1)内の蒸気を過熱状態に保持すると共に、一定時間、加熱室(1)内の木材温度をリグニン軟化温度以上の一定温度に保持する熱処理ステップと;加熱室(1)内の蒸気の一部を室外に取り出し、余剰の蒸気を系外に排除すると共に、所定量の蒸気を加熱し、加熱室(1)内蒸気を過熱状態に保持すると共に、加熱室(1)内の木材温度をリグニン軟化温度より高い所定の乾燥温度に保持しつつ、木材(8)中の水分を蒸発させる乾燥ステップと;乾燥ステップを停止し、加熱室(1)内の冷却ダクトに冷気を通して、室内に対流を生じさせると共に、加熱室(1)内の圧力を(1−10×10−3)atm以上に保持しつつ、木材(8)の温度を低下させる冷却ステップと、を実行することを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、木材、特に角材又は厚板材を加熱室内で熱処理乾燥する方法及び装置に関し、特に、特許第3165817 号発明、同第3401462 号発明の改良に関するものである。
角材や板材等の木材を乾燥加熱室などで乾燥する際には、乾燥すべき木材の間に適宜の桟を挟んで積み上げる所謂桟積みが行われる。ここで桟積みとは、木材をその中心軸方向(X軸方向)と直行する方向(Y軸方向)に揃えて並べ、その上にY軸方向に平行に、複数の桟(ディスタンスバー)を適宜の間隔を介して配置し、その上に木材をY軸方向に並べ、ということを繰り返して木材を積み上げることを言う。
このように桟積みした木材を乾燥する場合、従来はこれを乾燥加熱室内へ装入し、加熱室内の空気を加熱装置で加熱したり、乾燥加熱室内へ熱風を送ったりして乾燥するようにしていた。
上記特許発明は、このように桟積みした木材を熱処理乾燥する場合に、曲がりや割れを生じることなく効率よく乾燥させることができ、また、伐採直後の生材を変形させることなく乾燥させ、小さな許容誤差範囲内で所望の形状、寸法の良質の乾燥材を得ることができる熱処理乾燥方法及び装置を提供することを目的とするものであった。
そのうち、特許文献2に記載の熱処理乾燥方法は、下記(a)ないし(g)のステップから成るものである。即ち、
(a) 桟積みされた木材を加熱室内に搬入する前又は後に木材に矯正負荷を掛け、搬入された木材に矯正負荷が掛けられた状態で、加熱室を閉鎖する装入ステップと、
(b) 加熱室内へ蒸気を導入し、加熱室内の空気を室外に排出し、蒸気と置換するエアパージステップと、
(c) エアパージステップの実行過程中又はその終了後に開始されるステップであって、加熱室内の蒸気の一部を抽出、加熱し、過熱蒸気として加熱室内に還流せしめ、加熱室内蒸気を過熱状態に保持すると共に、加熱室内の木材温度をそのリグニン軟化温度以上に上昇させる昇温ステップと、
(d) 昇温ステップに引き続き遂行されるステップであって、加熱室内の蒸気の一部を抽出、加熱し、過熱蒸気として加熱室内に還流せしめ、加熱室内蒸気を過熱状態に保持すると共に、一定時間、加熱室内の木材温度をリグニン軟化温度以上の一定温度に保持する熱処理ステップと、
(e) 熱処理ステップに引き続き遂行されるステップであって、加熱室内の蒸気の一部を室外に取り出し、余剰の蒸気を系外に排除すると共に、所定量の蒸気を加熱し、過熱蒸気として加熱室内に還流せしめ、加熱室内蒸気を過熱状態に保持すると共に、加熱室内の木材温度をリグニン軟化温度より高い所定の乾燥温度に保持しつつ、木材中の水分を蒸発させる乾燥ステップと、
(f) 乾燥ステップを停止し、加熱室内に外気を取り入れつつ、木材の温度を低下させる冷却ステップと、
(g) 加熱室を開扉し、乾燥された木材を取り出す搬出ステップと、
から成ることを特徴とするものである。
然しながら、この方法によっても尚、材、特に角材や厚板材の割れによる不良品の発生が不可避であった。そして、この割れが上記冷却ステップの過程で生じていることは予想されていたが、その原因は長らく不明であったため、その解決方法も見出すことができなかった。
更にまた、上記エアパージステップ以降に、加熱室内の蒸気の一部を抽出、加熱し、過熱蒸気として加熱室内に還流せしめる操作を行う昇温ステップ、熱処理ステップ及び乾燥ステップにおいて、過熱蒸気を加熱室内に均等に行き渡らせるため、従来は、加熱室の長手方向(加熱室の入口と、これと反対側の奥壁とを結ぶ方向。木材の出し入れ方向。以下同様。)に沿って適宜の間隔を置いて4 〜6 基の送風機を配置し、加熱室内でその長手方向中心軸の周囲に旋回する気流を生じさせるようにしていた。 然しながら、そのような従来方式では、送風機及びヒーターが複数台必要となり、そのための配管及び配線も必要となり、装置の製造コストが掛かりすぎるという問題もあった。
この問題を解決するため、加熱室の長手方向中心軸に沿って気流を生じさせることも試みられたが、そのようにすると、過熱室内温度及び材の乾燥度が著しく不均一となったり、割れが多発したりするなどの問題が生じていた。
又、従来の装置では、加熱室内の蒸気を加熱するためボイラからヒーターへ蒸気を供給する管と、加熱室内の蒸気を冷却する際の蒸気循環冷却管が共用されていたため、加熱の際も冷却の際も、熱効率が低くなるという問題もあった。
特許第3165817 号公報 特許第3401462 号公報
本発明は、上記問題点を解決するためなされたものであり、その目的とするところは、特許文献1及び2に記載の木材の乾燥方法及び装置に比べて、割れの発生率を更に大幅に低減させ得ると共に、より安価に提供できる木材の熱処理乾燥方法及び装置を提供することにある。
上記の目的は、下記(a)ないし(g)のステップ、即ち、
(a) 桟積みされた木材に矯正負荷を掛け、加熱室内に搬入し、加熱室を閉鎖する装入ステップ。
(b) 加熱室内へ蒸気を導入しつつ、加熱室内の空気を室外に排出し、蒸気と置換するエアパージステップ。
(c) エアパージステップの実行過程中又はその終了後に開始されるステップであって、ヒーター、望ましくは加熱室内に設けたヒーターにより、加熱室内の蒸気の一部を加熱し、過熱蒸気として加熱室内を環流させ、加熱室内蒸気を過熱状態に保持すると共に、加熱室内の木材温度をそのリグニン軟化温度以上に上昇させる昇温ステップ。
(d) 昇温ステップに引き続き遂行されるステップであって、ヒーター、望ましくは加熱室内に設けたヒーターにより、加熱室内の蒸気の一部を加熱し、過熱蒸気として加熱室内に還流させ、加熱室内蒸気を過熱状態に保持すると共に、一定時間、加熱室内の木材温度をリグニン軟化温度以上の一定温度に保持する熱処理ステップ。
(e) 熱処理ステップに引き続き遂行されるステップであって、加熱室内の余剰の蒸気を系外に排除すると共に、ヒーター、望ましくは加熱室内に設けたヒーターにより、加熱室内の蒸気の一部を加熱し、過熱蒸気として加熱室内に還流させ、加熱室内蒸気を過熱状態に保持すると共に、加熱室内の木材温度をリグニン軟化温度より高い所定の乾燥温度に保持して、木材中の水分を蒸発させる乾燥ステップ。
(f) 乾燥ステップを停止し、加熱室内に設けた冷却ダクト内に冷媒を通じて加熱室内に自然対流を生じさせ、木材の温度及び蒸気圧を低下させる前期冷却ステップ。
(g) 前期冷却ステップに引き続き、前記冷却ダクト内に冷媒を通じて加熱室内に自然対流を生じさせつつ、加熱室内に外気を導入して加熱室内の圧力を(1−10×10−3)atm以上に保持しながら、木材の温度を低下させる後期冷却ステップ。
(h) 加熱室を開扉し、乾燥された木材を取り出す搬出ステップ。
から成ることを特徴とする、桟積みされた木材を加熱室内で熱処理乾燥する方法により達成される。
尚、上記冷却ステップにおいて、より望ましくは、加熱室内の圧力を1atm以上に保持することが推奨される。
又、冷媒としては、空気又は冷水を用いることが推奨される。
上記昇温ステップ、熱処理ステップ及び乾燥ステップにおいて、加熱室内の蒸気の一部を抽出、加熱し、過熱蒸気として加熱室内に還流せしめるに当たり、加熱室の入口近くの蒸気の一部を抽出し、これを当該入口とは反対側の奥壁近くに設けたヒーターにより加熱して過熱蒸気とし、当該奥壁近くから入口方向へ向けて加熱室内をその長手方向に沿って還流せしめると共に、当該還流される過熱蒸気が、桟積みされた木材の間の間隙を集中して通過し、木材と加熱室の内壁面との間の間隙を流れることがないよう、当該間隙の加熱室奥側から入口近くまでの少なくとも1箇所において、木材と加熱室の内壁面との間を塞ぐことが望ましい。
なお、本発明においては、桟積みは、台車又はパレットの上でアルミニウム製の角形管から成る桟を用いて行い、その上部に重錘を載せ、矯正負荷が木材の主平面に垂直に加わるようにする。 その場合、重錘の重量は、単位負荷面積当たりの重量が300kg以上、800kg以下となるようにすることが望ましい。
処理される木材が生材である場合、昇温ステップにおいて、室内温度が75℃ないし150℃の範囲内から選ばれる熱処理温度まで上昇せしめられ、熱処理ステップ及び乾燥ステップにおいて、室内温度が上記75℃ないし150℃の範囲内から選ばれる熱処理温度及び乾燥温度に保持されるよう構成することが推奨される。
而して、上記の如き本発明の熱処理乾燥方法を実施するには、下記の(a)ないし(i)の構成要素、即ち、
(a) 主体部が断熱壁で構成され、扉を具備し、桟積みした木材を受け入れ得る密閉可能な加熱室と、
(b) 加熱室内の気体を加熱室外に排出する排気装置と、
(c) 蒸気供給源と、
(d) 蒸気供給源が発生する蒸気を加熱室内に随時導入し得る蒸気導入ラインと、
(e) 循環ダクトにより加熱室入口近くの蒸気の一部を抽出し、これを当該入口とは反対側の奥壁近くに設けたヒーターにより加熱して過熱蒸気とし、当該奥壁近くから入口方向へ向けて加熱室内をその長手方向に沿って還流せしめることにより、加熱室内の蒸気を過熱状態に保持する蒸気加熱循環装置と、
(f) 上記蒸気加熱循環装置により加熱室内の長手方向に沿って還流される過熱蒸気が、桟積みされた木材の間の間隙部分を通過し、木材と加熱室の内壁面との間の間隙を流れることがないよう、当該間隙の加熱室奥側から入口近くまでの少なくとも1箇所において、木材と加熱室の内壁面との間を塞ぐ遮蔽板と、
(g) 加熱室内の温度を計測、制御する装置と、
(h) 加熱室内の圧力を計測、制御する装置と、
(i) 加熱室内に設けられ、冷媒を循環せしめ得る冷却用ダクト。
(j) 熱処理乾燥工程の進行を制御する中央制御装置。
を備えた木材熱処理乾燥装置が用いられる。
上記装置において、木材と加熱室の内壁面との間を塞ぐ上記遮蔽板は、加熱室の入口近くであって、上記循環ダクトが加熱室の蒸気の一部を抽出する抽出口より奥側に設けることが推奨される。 また、桟積みされ加熱室内に搬入された木材の加熱室入口側端部及び/又は奥側端部に近接する位置に、整流板を設けることが推奨される。整流板としては、孔明きプレートやルーバが好適に用いられる。
更にまた、少なくとも一部の木材の温度変化及び/又は重量変化を計測する装置を設けることが望ましい。 なお、加熱室に設けられる木材受入装置としては、台車や、チェーンコンベア、その他各種の搬送手段が利用できる。
上記排気装置には、蒸気の凝縮器と、その凝縮器から排出されるドレンの処理装置とを設けることが推奨される。 蒸気供給源から蒸気加熱循環装置の熱交換式ヒーターに通じる蒸気ラインには、蒸気制御弁を設けることが推奨される。上記冷却用ダクトは、加熱室を貫通するよう設けられ、冷却ステップにおいて、冷媒となる冷たい外気又は冷水を通し、加熱室内の水蒸気を冷却し、自然対流を生じさせ、強制通風によることなく、木材を自然に冷却するためのものである。
このようにすることより、冷却ステップで、材に割れを生じることが略完全に防止される。
上記の如き本発明方法にあっては、前記特許文献2に記載の木材の熱処理乾燥方法における最終段階の後期冷却ステップにおいて、上記の如く加熱室内の圧力を上記(1−10×10−3)atm以上に保持することによって、木材の割れの発生率を大幅に低減させることが可能となるものである。
加熱室内の圧力の上限は特に限定されないが、加熱室の耐圧強度の観点から(1+150×10−3)atm程度又はそれ以下とすることが望ましい。
また、本発明方法及び装置においては、加熱室の入口近くの所定位置に、木材と加熱室の内壁面との間を塞ぐ遮蔽板を設けることによって、蒸気加熱循環装置により加熱室内の長手方向に沿って還流される過熱蒸気が、木材と加熱室の内壁面との間を流れるのが防止され、桟積みされた木材部分を集中して通過するようになるので、乾燥ステップにおいても、過熱蒸気が乾燥すべき木材の表面に均等に且つ効率よく行き渡るようになる。又、加熱室の長手方向に過熱蒸気を循環させるための送風機やヒーターを、例えば、加熱室の奥壁の近くに1基だけ設ければ済むことになるので、従来の如くそれらを複数台設けるのに比べて、装置の製造コストを削減することが可能となるものである。
なお、ここで、本発明の上記の如き効果及びその根拠を明らかにするために、本発明が完成されるに至った経緯について説明する。(A)割れ防止について 本発明者は、前記特許文献2に係る方法によっても尚、木材、特に角材及び厚板材に割れの発生が見られたため、これらを防止するための実験を重ねてきた。 実験の過程で、この割れは、最終段階の冷却ステップで生じることが知られた。 従来は冷却ステップ中に加熱室内へ安全弁から空気を取り入れていたので、そのとき導入される酸素により割れが生じるのではないかと考えられた。 そのため、今回は、安全弁から空気ではなく、窒素のみを導入しつつ、乾燥ステップ終了後の木材を冷却する実験を行うこととした。
桟積みされた木材(角材)を加熱室内へ搬入する装入ステップから、過熱蒸気による熱処理ステップまでは順調に推移した。 次の乾燥ステップに入り、はじめは温度のばらつきが見られたが、時間が経過するごとに少しずつ緩和し、乾燥工程終了時にはほぼ満足できるような温度分布となったので、加熱を停止し、冷却ステップに移行した。
下記の[表1]に、加熱終了後、冷却ステップ期間中における、経過時間、酸素濃度、加熱室内圧、加熱室内温度、材温、含水率を示す。 なお、[表1]中の加熱室内圧の数値hは、加熱室内圧が(1+h×10−3)atm、即ち、水柱h mm、であることを示すものである。
以下、[表1]を併せて参照しつつ説明する。加熱室内圧については、[表1]中の数値で説明する。
Figure 2007263409
冷却ステップが始まり、15分位すると内圧が水柱24mmまで上昇した。
そして徐々に蒸気の凝縮が始まり、約40分後に内圧は0mmになった。
50分後に内圧が水柱−11mmになり、安全弁の作動が予想された頃、突然、酸素濃度計の計測値が、それまでの0.80%から10.10%に跳ね上がった。
どこからか外気が入り込んだものとも疑われたが、外気の侵入する箇所はどこにもなく、とりあえず急いで窒素を注入したが瞬く間に酸素濃度は上昇し続け、70分後には13.00%にまで達した。
その後は内圧が水柱−5mm前後になるように窒素注入を行い、酸素濃度は約7時間で2.11%から9.20%まで増加した。
材温が80℃になると冷却用の循環ファンが停止した。
一時的に材温が少し上昇し、内圧が−13まで下がった時点で、またもや酸素濃度が16.30%に跳ね上がった。急いで窒素の注入を行い、酸素濃度は9.70%で落ち着いた。
この時点で窒素注入装置を取り外し、翌日の木材搬出時の酸素濃度は13.00%であった。
以上の実験結果を検討した結果、酸素濃度の急上昇は木材が割れた際、木材内部の残留空気が解放されたことを示しているものと思われた。
そのような酸素濃度の急上昇は、加熱室の内圧が水柱−10mm以下に低下したとき、即ち、(1−10×10−3)atm以下になったときに生じていることから、加熱室の内圧が(1−10×10−3)atm以下になると、木材に割れが起こり易くなることが判明した。
即ち、冷却ステップでは、木材の温度が完全に下がるまでは木材の内部水蒸気圧力が未だに高い状態にあるので、その間に加熱室内圧力が負圧になると、木材が破裂を起こして割れを生じるものである。
換言すれば、加熱室内圧が(1−10×10−3)atm以下にならないように、望ましくは大気圧以下にならないようにすれば、このような割れを防止できるということが判明した。
この点につき、いま少し詳しく考察してみる。
乾燥ステップを終了し、冷却ステップが開始して間もなくすると蒸気の凝縮が起こり、加熱室内は負圧に転じてくる。
このとき木材の内部温度は未だ高いため、材内部の水蒸気圧が高い。乾燥ステップの最終段階における木材の温度が高ければ高いほどこの傾向は強くなる。
加熱室内の蒸気の凝縮がさらに進み、加熱室内圧が−10より下がると、木材内部の蒸気圧により割れが発生する。この結果が木材表面の大割れである。
冷却が進み、木材の表面温度が80℃以下になっても木材の内部温度は100℃以上あり、まだ水蒸気圧は温存されている。この状態で加熱室内圧が下がると、その結果、木材表面の小割れを生じる。
実験の結果、これらの割れを防止するには、加熱室内圧を(1−10×10−3)atm以上、望ましくは大気圧である1atm以上に維持し、材料内部の内圧が下がる温度までその状態を維持し続ければよいことが判明した。
このように、加熱室内圧をコントロールすることにより「割れ」を防止できれば、冷却時間の短縮が可能となるだけでなく、乾燥ステップの温度を従来よりも上げることによって乾燥時間を大幅に短縮することも可能になるため、上記発見は木材の乾燥技術の発展史上において極めて重要な発見であった。
そしてこれは、「割れ」防止の手段として、加熱室内圧のコントロールとは全く異なった観点から窒素の導入を試み、酸素濃度を測定しつつ実験を行っている過程で、全く偶然に発見されたものである。
割れの原因としては、例えば乾燥ステップでの温度や湿度管理の不適合や、冷却ステップでの温度、湿度、冷却速度等の管理の不適合等があると考えられる。
然しながら、従来は、割れが何時、いかなる原因で生じるかは全く窺い知ることはできなかった。従って、割れの要因が上記の如く多種多様に想定される中で、冷却ステップでの圧力管理が極めて重要な要素であることをつきとめることは決して容易なことではなかった。
また仮に圧力管理に着目し得たとしても、それをどのような値に保てばよいのかを決定することは一層困難である。高温の過熱蒸気で満たされた加熱室内部の木材の変化を外部から観察することはできず、仮に圧力測定を行いながら冷却ステップを実行したとしても、その圧力がどのような値になったときに「割れ」が生じたのかを知ることは困難だからである。
本発明者は、冷却ステップにおいて窒素を導入することにより「割れ」が防止できるか否かを検証するために酸素濃度を測定しつつ冷却操作を行った結果、その酸素濃度が窒素の導入量とは無関係に突発的に変化することに着目することによって、偶然にも「割れ」の発生時を知ることができたものである。そして、これにより、割れの発生原因は、空気や窒素の導入とは無関係で、加熱室内圧力の負圧への低下にあることを知り得たものである。
本発明は、このような経緯によって完成されたものであり、通常の如く温度や湿度等のみを測定しながらの実験では決して完成し得なかったものである。
なお、乾燥材の割れは一般には外部割れと内部割れの2種類とされているが、特に問題となる外部割れは、今回の実験結果を踏まえ、その発生原因から分類すると次の3種類に分けられることが判明した。
(i)乾燥途中で生じる激しい表面の過乾燥により、表面部分が収縮することによる細い筋状の割れ。
(ii)冷却工程で木材中の内圧が原因となり、加熱室内圧が低下したとき、木材内部蒸気圧により発生する割れ。 一般の乾燥機では加熱室体の気密性が低く、また、積極的に外気を導入して冷却することから加熱室内が大気圧以下になることはまれであるために発生しない。
然しながら、本発明のような過熱蒸気による熱処理乾燥方式では、加熱室体の気密性が高く、加熱室内の蒸気の凝縮により負圧が生じることにより、この割れを誘発することが多い。 特に乾燥ステップの末期に材温が高いほど、木材中の水蒸気圧が高くなるので割れが起こりやすい。 このような割れは、割れ口が白っぽいので、上記(i)の割れと区別できるが、一種の爆発による割れであるために大割れになる場合が多く、本発明のような過熱蒸気による熱処理乾燥方式では不良品発生の最大の要因となっていた。
今回の実験により、この割れのメカニズムが発見され、その対処方法が確立したことは、過熱蒸気による熱処理乾燥方法の大きな前進となるものである。
(iii)冷却ステップで材温が下がり、木材内部の水の動きが止まった状態で、表面部分に風を送り続けたとき、表面部分が過度に乾燥して発生する細い筋状の割れ。
なお、本発明においては、加熱室内に空冷式又は水冷式の冷却ダクト若しくは管(本明細書では、併せて、冷却ダクトと言うものとする。)を設けておき、冷却ステップにおいては、その冷却ダクトの内部に常温の外気若しくは冷水を通して加熱室内気体を冷却し、対流を生じさせ、加熱室内温度を自然に降下させるものである。
冷却の初期の加熱室内蒸気圧の高いときは、特に外気を導入する必要はなく、自然対流のみで、木材温度も略均一に緩やかに降下する。このときは、加熱室内蒸気圧力は、大気圧より高いから、強いて加熱室内に外気を入れようとすれば、送風機などが必要となる上、外気は冷たい空気であるから、加熱室内の温度が不均一になり乾燥の品位を落とす恐れがある。
冷却が進んで、加熱室内温度が100℃前後となると、加熱室内圧力が大気圧以下となる恐れが生じる。そのため、加熱室内に外気を取り入れ、加熱室内の圧力を(1−10×10−3)atm以上に保持するようにする。これは加熱室の耐圧強度の問題もあるが、材の割れを防ぐため、必要な要件である。このときの加熱室内圧力の上限は、特に限定されない。これは、加熱室内への外気の供給を吸気弁からの自然吸入に任せれば良いからであり、特に送風機などで外気を吹き込まない限り、大気圧を超えることはないからである。
尚、本発明における後期冷却ステップ期間中に、送風機を用いて加熱室内に強制的に外気を送り込み、乾燥室内を例えば2atm等としても乾燥木材に割れは発生せず、良質の乾燥材が得られることに変わりはないが、わざわざそのようにする必要はない。
そのように強制加圧するには、ブロアーなどを備えたり、加熱室の壁や扉の構造をそのような高圧に耐えられるように強化したり、等々、各種コストが増えるだけで、強制加圧しない場合よりも良材が得られるという訳でもなく、無意味だからである。
乾燥ステップから冷却ステップに移行すると、前期及び後期を通じて冷却ステップでは当然加熱は行われず、強制加圧も行われないとすれば、加熱室内の圧力は、乾燥ステップを終えたばかりの高温の木材から発生する蒸気により、乾燥ステップの最終時点における圧力よりも一時的に僅かに上昇するが、それ以降は次第に低下してゆき、その後、水蒸気の凝縮によって更に低下し続け、一時的には大気圧以下(負圧)となるが、外気の吸引が行われるので、最終的には大気圧となって終了するものである。
従って、冷却期間中に、室内圧が一定の上限値を超えないように人為的にコントロールする必要はなく、内圧の上昇については基本的には放置すればよいものである。そのようにしても、加圧室内圧力は概ね(1+50×10−3)atm程度を超えることはない。
(B)加熱室内での過熱蒸気の長手方向に沿った循環について 本発明方法での昇温ステップ、熱処理ステップ及び乾燥ステップにおいては、前記特許文献2に記載の方法の場合と同様に、加熱室内を過熱蒸気で満たすものであるが、従来は、過熱蒸気を加熱室内に均等に行き渡らせるために、加熱室の長手方向に沿って適宜の間隔を置いて4 〜6 基の送風機を配置し、加熱室内でその長手方向中心軸の周囲に旋回する気流を生じさせるようにしていた。
それは、従来公知の乾燥機においては、総てそのような構成が採用されていたので、それを踏襲したためである。
然しながら、そのような従来方式では、送風機及びヒーターが複数台必要となり、そのための配管や配線も必要となり、装置の製造コストが掛かりすぎるという問題があった。 そこで、加熱室の奥壁近くにヒーターを設置し、過熱蒸気を加熱室の奥側から入口側へ向けて長手方向に沿って循環させる実験を行った。そうすることにより、送風機やヒーターを複数台設ける必要がなくなるからである。
然しながら、そのように過熱蒸気を加熱室の長手方向に送る場合の最大の問題点は、加熱室内の温度に大きなばらつきが生じ、特に入口側と奥側での温度差が許容値を遥かに超えているということであった。 当初は多少のタイムラグはあっても入口側温度も追いついてくるだろうと予想していた。この予測は、「蒸気」は熱伝達が非常に良いというイメージから来るものであったが、然しながら、これは凝縮を伴う熱伝達系でのことであり、乾燥ステップでは成立しなかった。
このことは、実際の乾燥ステップでは、加熱室内で過熱蒸気の復水が行われることがなく、木材の乾燥のための熱エネルギは殆ど過熱蒸気の顕熱のみにより供給され、賄われるということを示すものである。
従って、このステップにおける伝熱は、旧来の高温湿り空気による場合と同様なものである。 然しながら、過熱蒸気による場合、加熱室内水蒸気圧と、材木内の水蒸気圧が略平衡状態にあり、材木表層から水蒸気が加熱室内過熱蒸気中にゆるやかに拡散することにより乾燥工程が進行するので、良質な乾燥材が得られるものと思われる。
一方、昇温ステップにおいては、材加熱の熱源は主として蒸気の凝縮潜熱である。即ち、材表面では蒸気の凝縮が生じ、その補充のため蒸気の移動が起こるので、特に通風を行わなくても木材表面は均一に加熱されることになる。
実際には、乾燥ステップにおける加熱室内の風の影響は予測を遥かに超えるものであった。これを適切にコントロールできなければ、風が流れる部分は過度に加熱され、過乾燥となり、そうでない部分はいつまでも低温状態で推移し、乾燥が進行しないということが過去3回のテスト乾燥で判明した。 特に、桟積みされた木材の周囲には、木材の出し入れに支障がないように、加熱室の内壁面との間に相当の隙間があり、加熱室の奥壁近くから入口側へ向けて長手方向に送り出される過熱蒸気は、この隙間を集中的に通過し、桟積みされた木材の間の間隙には殆ど流れないため、桟積みされた木材集積体の中央領域はいつまで経っても昇温せず、乾燥ステップにおいて問題が生じることが判明した。
然しながら、エアパージステップ、昇温ステップ、熱処理ステップではこのような問題はさほど顕著なものではない。
本発明では、過熱蒸気が、主として木材と加熱室の内壁面との間の間隙を流れるという上記問題点を解消するため、当該間隙の加熱室奥側から入口近くまでの少なくとも1箇所において、望ましくは、加熱室の入口近くであって、過熱蒸気循環のため蒸気の一部を取り入れる開口より奥側に、木材と加熱室の内壁面との間を塞ぐよう遮蔽板を設け、その部分を過熱蒸気が流れないようにする。 そうすることによって、加熱室内を長手方向に沿って流れる過熱蒸気が、桟積みされた木材の間の間隙を均等に通過するようになり、木材を均等且つ効率よく加熱、乾燥し得るようになった。
これにより、送風機やヒーターを加熱室の奥壁近くに1基だけ設け、加熱室の長手方向に過熱蒸気を循環させるようにしても、乾燥が支障なく行われるようになり、装置の製造コストが大幅に削減された。
なお、上記の如き本発明に特有の作用効果のみならず、特許文献1及び2に記載の発明と同様に、本発明においても、昇温ステップ、熱処理ステップが実行されるものである。
従って、特許文献1及び2に記載の発明と同様の作用効果が得られる。
即ち、加熱室内を蒸気で満たして室内の温度を木材のリグニン軟化温度より高い温度に保持する熱処理ステップを設けることにより、木材のセルロース組織間のリグニンが充分に軟化し、桟積みの上から加わる圧力によって反り等の変形が矯正され、その後の乾燥ステップにおいて変形不能に拘束された状態で乾燥が行われるため、曲がり等を生じることなく効率良く乾燥を行い得るという作用効果、また、これによって、小さい許容誤差で所望の形状の材が得られ、後の仕上げ工程で必要とする取り代が少なくて済むという作用効果が奏せられるものである。
以下、図面により本発明装置の一実施例について説明する。
図1は、本発明方法を実施するための本発明に係る木材熱処理乾燥装置の一実施例を示す長手方向に沿った断面を示す説明図、図2は、その加熱室の入口近くに設置される整流板取付けフレームと、これに取り付けられる整流板及び遮蔽板を示す側面図、図3は、図2に示したフレームと、整流板及び遮蔽板の正面図である。
図1中、1は加熱室、2は木材を桟積みしたパレットを加熱室内に搬送する台車、3は蒸気発生用のボイラー、4は加熱室内への蒸気導入ライン、5は蒸気加熱循環装置、6は加熱室内の空気及び/又は蒸気を室外に排出する排気装置、7は桟積みパレット、8は熱処理乾燥されるべき木材、9は桟積みに用いられる桟、10は木材8に矯正負荷を加える重錘である。 なお、図面が煩雑となるのを避けるため図では省略したが、この加熱室1の内部には、冷却用の外気又は冷水を通す冷却ダクトが設けられ、更に、必要に応じて、室内蒸気温度及び木材8の表面の温度を計測する温度検出器や、室内の圧力を計測する圧力検出器、木材8の重量変化を計測する重量検出器、木材の水分分析計、その他各種の計測装置が設けられ、又、外部には、供給及び/又は排出される蒸気の温度検出器などが設けられ、更に、これら各種の計測装置からの出力データに基づいて、各種の弁や送風ファン等の作動を制御することにより、加熱室内への蒸気の導入、停止、過熱蒸気や冷却用空気の循環、停止を行い、本発明の熱処理乾燥工程の進行を統括制御する中央制御装置が設けられている。
加熱室1は、断熱壁11a〜11eで囲まれた加熱室であり、開閉自在かつ密閉可能な扉12と、安全弁13と、蒸気導入ライン4と、蒸気加熱循環装置5と、排気装置6と、冷却ダクト14とを具備し、かつ、その内部には、桟積された材を搬送するための台車2とその走行レール等が設けられている。
蒸気導入ライン4は、ボイラー3の発生蒸気を加熱室1に導く管路であり、その管路内に圧力制御弁41と、電磁開閉弁42を備えている。 蒸気加熱循環装置5は、加熱室1内の入口近くから蒸気を取り込み、奥壁側に設けたヒーター51で再加熱し、過熱蒸気として加熱室1内に還流させる装置であり、熱交換式ヒーター51、循環ファン52、循環ダクト53、整流板54a及び54b、加熱用蒸気制御弁57、蒸気トラップ58などから成る。
上記循環ダクト53は、加熱室1の天井壁11aに取り付けられ、循環ファン52の作動によって、加熱室1内の入口近くの吸引口から取り込んだ加熱室内の蒸気を、加熱室1の奥側に2段に設けた熱交換式ヒーター51の裏側に還流させる。
ヒーター51内を通過して加熱された蒸気は、過熱蒸気となってヒーター51の前面近くに設けた整流板54aを通過して加熱室1内へ還流し、桟積みされた木材7の間を通過して、加熱室の入口側へ送られる。入口側の整流板54bを通過した過熱蒸気は、再び循環ダクト53に取り込まれ、以下同様にして再加熱、循環、流通せしめられる。
整流板54a及び54bは、いずれも、多数の通気孔が明けられた鉄板等から成り、奥側から入口側へ向けて送り出される蒸気が加熱室内をムラなく均等に流れるように整流する役割を果たす。
奥側の整流板54aは、ヒーター51より手前の適宜の位置に固定されているが、入口側の整流板54bは可動式のフレーム55に取り付けられ、桟積みされた木材8の台車2による加熱室内への出し入れの際には、当該整流板取付けフレーム55は加熱室外へ移動され、加熱室内での木材8の熱処理乾燥期間中は、加熱室内へ搬入され、桟積みされた木材8の入口側端部近くに設置されるようになっている。
図示した実施例において、上記整流板取付けフレーム55には、遮蔽板56a〜56bも取り付けられているが、その機能については後述する。
加熱室1内の空気及び/又は蒸気を室外に排出する排気装置6は、乾燥ステップにおいて、加熱室1内で木材8から蒸発した余剰蒸気を抽出、冷却、復水し、図示されていない廃水処理装置に送る装置であり、加熱室1内の空気等を加熱室の底部から取り出す管路61、排気弁62、凝縮器63、散水器64及び図では省略した排気ファンなどから構成される。
以下、この熱処理乾燥装置の具体的な構成と併せて、本発明に係る熱処理乾燥方法の各操作について説明する。
(a)木材の装入ステップ
木材8は、アルミの角管から成る桟9を用いて、桟積みパレット7の上に桟積みされており、桟積みパレット7は二段に積み重ねられ、その上に重錘10が載置された状態で台車2に搭載され、加熱室1内に敷設したレール上を走行して加熱室1内に搬入される。
但し、木材が、角材や厚板などの場合、通常はパレットを用いることなく、直接台車2の上で桟積みが行われる。
重錘10は、例えば方形板状の鉄塊に複数の吊手を一定の範囲で移動可能なように取り付けて成り、図示されていない自動クレーンによって積み降ろしが可能なようになっている。
(b)エアパージステップ
桟積みされた木材8が加熱室1内に搬入された後、加熱室1の扉12が閉じられ、エアパージステップが開始される。
このエアパージステップでは、蒸気導入ライン4の電磁開閉弁42が開かれ、ボイラー3の発生する蒸気が加熱室内に導入され、同時に安全弁13又は図示されていないエアー抜き弁が開かれ、加熱室1内の空気が蒸気によって大気中に押し出され、また、加熱室内で生じる復水に吸収され、復水と共に排出される。
このとき、過熱室内に導入される蒸気は大量のミストを含むので、空気より重くなる。従って、排気は加熱室の上部から排出するようにすることが望ましい。
外気温度や木材温度及び樹種により異なるが、約1時間で加熱室内温度は50℃程度となり、これにより、木材の表面温度は約40℃となる。
この間加熱室内圧力は大気圧に保たれる一方、50℃の飽和水蒸気圧力は、0.012335Mpa(0.12atm)なので、加熱室内には未だ空気が残留していることになるが、加熱室内には大量のミストが発生しているので、残留空気は少量である。
(c)昇温ステップ
上記エアパージステップが終了した後、次の昇温ステップが開始される。或いはまた、上記エアパージステップの進行中にその途中から昇温ステップを開始し、一時期、両ステップを同時に進行させるようにしても良い。
昇温ステップにおいては、加熱室1は密閉され、蒸気加熱循環装置5の作動が開始せしめられる。 即ち、蒸気加熱循環装置5の循環ファン52が起動されると共に、加熱用蒸気制御弁57が開かれ、加熱室1の奥壁近くに設けた2基の熱交換式ヒーター51に蒸気が送られて、加熱室内の蒸気が加熱され、過熱蒸気となって循環せしめられる。
即ち、循環ファン57により加熱室1内から抽出され循環ダクト53を通って熱交換式ヒーター51に供給された蒸気はやや低温となっているので、これを、ボイラー3から加熱用蒸気制御弁57を介して供給される高温、高圧の蒸気により加熱し、過熱蒸気として整流板54aにより加熱室1内に均等に分配、供給する。 これにより加熱室1内の温度は、処理される木材のリグニン軟化温度以上の高温度にまで高められる。 加熱室内では、加熱室壁面及び木材の表面で水蒸気の凝縮が起こり、木材は加熱室内温度の上昇と共に急速に加熱される。加熱に要する熱量は、主として蒸気の凝縮潜熱で賄われる。このため、加熱室内温度は均一であり、木材は一様に加熱される。
なお、ここで、上記昇温ステップ、並びに、それ以降の熱処理ステップ及び乾燥ステップにおいて加熱室の長手方向に通風を行う前記蒸気加熱循環装置5を稼働する場合の問題と、本発明におけるその解決手段について説明する。
前記の如く、加熱室1内の蒸気を加熱し、加熱室内に均等に行き渡らせるために、従来の装置では、加熱室の長手方向に適宜の間隔を置いて4 〜6 基の送風機を配置し、加熱室内で加熱室の長手方向中心軸の周囲に旋回する気流を生じさせていた。
然しながら、そのような従来方式では、送風機及びヒーターが複数台必要となり、そのための配管及び配線も必要となり、コストが掛かり過ぎるという問題があった。 これを解消するため、加熱室の長手方向に沿って通風を行おうとすると、桟積みの中心部では殆ど通風が行われず、材の均等な昇温、乾燥等が阻害されると言う問題があった。
また、加熱室の長手方向に沿って通風を行うと、風上側と風下側で、加熱室内の温度及び木材の表面温度の差が大きくなり、風上側では過乾燥となり、風下側で昇温、乾燥が不充分となるという問題もあった。
そこで本発明においては、加熱室内に長手方向の通風を行い、しかも良好な乾燥材が得られるように改善を図ったものである。
即ち、本発明においては、長手方向通風を行う際、桟積みされた木材集積体及び台車と、加熱室内壁の間の空間に少なくとも1箇所、遮蔽板を設け、加熱室内の蒸気が、桟積みされた木材の間の空隙以外の通路を流通するのを制限するように構成するものである。
具体的には、図示するように、例えば、加熱室1の入口近くであって上記蒸気の一部を抽出する循環ダクト53の抽出口より奥側において、桟積みされた木材集積体と加熱室の内壁面との間を塞ぐ遮蔽板56a〜56dを設けるものである。
このような遮蔽板を設けることにより、加熱室の奥側から入口側へ向けて長手方向に沿って流れる過熱蒸気が、桟積みされた木材集積体と加熱室の内壁面との間を流れるのが阻止され、桟積みされた木材集積体部分を集中して通過するようになる。
このような遮蔽版を1箇所に設けるだけで、このような効果が得られるのは、遮蔽版により桟積みされた木材集積体と加熱室の内壁面の間を流れる蒸気流が堰き止められ、加熱室内水蒸気圧がやや高まると共に、木材自体が蒸気流の案内となるためと思われる。
これによって、桟積みの中心部では充分な送風が行われないという問題や、風上側と風下側で、加熱室内温度及び木材表面温度の差が大きくなるという問題が解消されるものである。
図示した実施例においては、遮蔽板56a〜56dは、加熱室の入口近くに移動可能なように設けた前記整流板取付けフレーム55に固定して取り付けられている。
図3に示すように、遮蔽板56aは前記整流板54bの上辺の外側に設けられ、桟積みされた木材集積体と加熱室の天井壁11aとの間(図示した例では、天井壁11aに取り付けられた前記循環ダクト53との間)の間隙を塞ぐようになっており、同様に遮蔽板56bは、木材集積体(実際には台車2)と加熱室の床壁11bとの間の間隙を塞ぐようになっており、遮蔽板56c及び56dは、木材集積体と加熱室の左右の壁11c及び11dとの間の間隙を塞ぐようになっている。 この遮蔽板は、固定式でも良いが、桟積みされた木材集積体の量に合わせて調節できるように、スライド式ドアタイプ又はスイング式ウイングタイプなど、可動式のものとすることも推奨される。
なお、遮蔽板の設置箇所は、上記以外にも様々な位置が可能であり、加熱室の内壁面上や、台車自体に取り付けるようにすることも可能である。
(d)熱処理ステップ
而して、上記昇温ステップが完了すると、次の熱処理ステップが開始される。
この熱処理ステップでは、加熱室1内で発生する蒸気の一部が循環ダクト53を通じて循環ファン52により抽出され、ヒーター51により加熱され、過熱蒸気として加熱室内に還流せしめられ、これにより一定時間、加熱室内温度がリグニン軟化温度以上の一定温度に保持され、木材8の熱処理が行われる。
この熱処理ステップにおいては、電磁開閉弁42及び排気弁62は閉鎖され、加熱室1内の蒸気は飽和状態に保たれ、このため、木材からの蒸気発生は僅かである。この熱処理ステップの所要時間は樹種やサイズによって変わるが、通常6〜7時間前後である。
木材8は、この熱処理ステップ期間中、リグニン軟化温度以上の一定温度で重錘10の重量を受け、曲がりや反りが矯正され、歪のない真直な材となる。
即ち、この熱処理ステップにおいては、加熱室を密閉し、加熱室内蒸気をヒーターにより加熱することにより加熱室内蒸気を過熱状態に保つ。
加熱室内圧力が+120g/cm2 前後になった場合には安全弁が開き、加熱室内圧力の上昇を抑制する。
その後も加熱室内蒸気の再加熱により加熱室内蒸気を過熱状態に保つ。木材から発生する水蒸気のため、加熱室内圧力が上昇するので、加熱室内圧力を+120g/cm2 (1.116atm)前後に保つよう加熱室内温度を制御する。
供給する過熱蒸気温度を110 ℃程度に保って、木材温度をリグニン軟化温度以上に上昇させ、木材から発生する蒸気と共に、加熱室内残存空気を排出する。
木材の表面温度の上昇速度が落ちるため、加熱室内で単位時間当たりの水蒸気凝縮量が減少し、そのため加熱室内温度が急上昇し、木材温度は緩やかに追随して上昇する。
熱処理ステップ開始後30分程度で、加熱室内の残留空気は略完全に排除され、加熱室内気体は過熱蒸気となり、加熱室内温度106 ℃前後、木材表面温度102℃前後となる。
1.116atmにおける飽和温度は、103.4 ℃であるから、この蒸気の過熱度は約2.6Kとなる。
この状態を6〜7時間程度保ち、良く材を蒸らし、材の残留応力を解消する。このとき、重錘の作用で、材の形状も矯正され、整えられる。
(e)乾燥ステップ 熱処理ステップが終了した時点で、次の乾燥ステップに移行するため、排気弁62を開き、加熱室1内で発生した蒸気の排出を開始する。
加熱室1内で発生した余剰の蒸気は、排気弁62を経て排気ファン(図では省略)に吸引され、凝縮器63に送られ、散水器64から供給される冷却水により冷却されて復水せしめられ、図示されていない廃水処理装置に送られ処理される。
この乾燥ステップでは、前段の熱処理ステップに引き続き加熱室1内で発生する蒸気の一部を循環ファン52により抽出し、熱交換式ヒーター51により加熱し、過熱蒸気として加熱室内に還流せしめる。加熱室内圧力は大気圧まで下げ、更に加熱室内に再還流する過熱蒸気温度を125 ℃前後にまで高める。これにより、加熱室内温度は、急激に上昇し122 ℃前後になる。
このため、木材8からの水分の蒸発が盛んに行われるようになり、木材8の温度は、一時的に低下はするものの、間もなく上昇に転じる。
このプロセスで、木材から水分を蒸発させる熱は、過熱蒸気の顕熱によって供給されるものである。
換言すれば、このプロセスでは、木材表面で蒸気が凝縮することはなく、木材乾燥のための熱量が、蒸気の凝縮潜熱によって供給されることはない。
このため、桟積みされた材の隙間に過熱蒸気を流通させ、木材から発生する蒸気を排出すると共に、加熱室内温度を均一化するため、排気装置6を作動させる必要がある。
排気装置6による排気は、1箇所から行うと風を誘導しやすく、均一な通風を阻害するので、図1に示すように、加熱室1の下部に長手方向に延びる管路61を設け、当該管路61の複数箇所に設けた吸気口から加熱室内の蒸気を吸引し排出することが推奨される。
一般的にこの乾燥ステップの所要時間は30ないし90時間程度である。
乾燥ステップ中における木材8の温度変化は、その樹種、材質、寸法及び初期含水率などにより若干相違する。
また、木材の重量は、例えば、代表的な桟積みパレット7の一つをストレンゲージ等の重量変換器を介して押し上げ、支持することによって計測することができる。
木材の重量、温度、並びに、それらの変化率に基づいて、木材8の乾燥度が判定され、所期の乾燥度が得られた時点において加熱用蒸気制御弁57を閉じることによりボイラー3からヒーター51への蒸気供給を停止し、次の冷却ステップに移行する。
(f)冷却ステップ
冷却ステップにおいては、加熱室1の天井部分に設けた冷却ダクト14に外気を貫流させることにより加熱室1内部蒸気を冷却する。冷却ダクト14を用いて強制冷却することにより、自然対流が生じ、冷却時間が短縮される。
冷却ステップにおいて、重錘10による圧力下で、材の温度はそのリグニン軟化温度より充分に低い温度に冷却されるが、その冷却工程中においても、木材8には重錘10による矯正負荷が掛けられているので、極めて精度の高い高品質の乾燥した木材が得られる。
而して、従来の装置では、冷却プロセスにおいては、加熱室内の圧力は、加熱室自体の破損を避けるため設けられる安全弁13の作用による制御に委ねられており、そのため、加熱室内圧力は (1−15×10−3)atm〜 (1+120 ×10−3)atm程度の範囲[即ち、(大気圧−15g/cm2)〜(大気圧+120g/cm2) の範囲]で変動していた。
そして、従来はこの程度の圧力変動は、乾燥材の品質には影響がないと考えられてきた。
然しながら、前記の如く、乾燥材の割れ発生率がこの加熱室内圧力、特に冷却プロセスにおける加熱室内圧力により大幅に左右されることが判明した。
このことは、割れ面の色彩が熱風乾燥方式による割れ面の色彩と異なり白色であることや、冷却プロセスにおいて加熱室内圧力が負圧になったとき加熱室内の酸素濃度が瞬時に高まることなどから判明した。
本発明の特徴は、冷却プロセス中における加熱室内の圧力を、前記の如く、(1−10×10−3)atm以上[即ち、(大気圧−10g/cm2)以上]、望ましくは、大気圧以上に保持することである。
このようにすると、従来方式に比べ、乾燥材の割れ発生率が、割れが発生し易い樹種についても5分の1以下に激減する。 上記圧力管理は、加熱室1内に設けた圧力計による計測値が上記(1−10×10−3)atmになったときは、それ以下にならないように安全弁13又はエアー抜き弁を開く。 加熱室1内の木材温度が充分に低下した時点において加熱室1の扉12を開き、乾燥した材を取り出す。
なお、下記[表2]は、冷却ステップにおいて安全弁13を開き、加熱室内(加熱室内)の圧力を1atmに保って冷却操作を行った結果を示している。
処理対象は、スギ115角材であり、加熱時間は4270分、冷却ステップ中の外気温度は17.2℃であった。
表2に示されるように、表1の場合のような酸素濃度の急激な増加現象は見られず、酸素濃度は比例的に微増していることから、冷却中に前記木材内圧の爆発による割れが発生しなかったことが理解できる。
結果は、予想以上に良好であり、割れの発生は極めて少なく、乾燥材の含水率も充分満足できる値であった。
試験的に、スギ丸味付き角材と、ヒノキ角材も数本混ぜて、同時に処理したが、結果は同様であった。
この結果から、冷却期間中の加熱室内の圧力を、(1−10×10−3)atm以上、望ましくは、大気圧以上に保持することにより、割れの発生は大幅に低減できることが理解でき、従って、この圧力管理さえ適切に行えば、急冷により冷却時間を短縮したり、乾燥ステップにおける温度設定を上げて乾燥時間を短縮しても、割れの発生は防止でき、処理効率の大幅な向上の可能性が示された。
Figure 2007263409
なお、本発明の構成は、上記実施例に限定されるものでなく、例えば、処理すべき木材は角材や厚板材に限らず、平角材や丸太でも良く、又、加熱室の構造、熱源の種類、桟積みの方法、矯正負荷の負荷方法等は勿論のこと、材の搬出入装置や廃液処理装置等は、自由に設計変更し得るものであり、本発明はそれらの変更実施例の総てを包摂するものである。
本発明は以上の如く構成されるから、本発明によるときは、従来の木材の乾燥方法及び装置に比べて、板の割れ発生率を大幅に低減させ得ると共に、装置の製造コストの低減を図ることが可能な木材の熱処理乾燥方法及び装置を提供し得るものであるから、産業上多大の利用可能性を有するものである。
本発明方法を実施するための本発明に係る木材熱処理乾燥装置の一実施例を示す長手方向に沿った断面による説明図である。 その加熱室の入口近くに設置される整流板取付けフレームと、これに取り付けられる整流板及び遮蔽板を示す側面図である。 図2に示したフレームと、整流板及び遮蔽板の正面図である。
符号の説明
1・・・・ 加熱室
11a〜11e・断熱壁
12・・・・扉
13・・・・安全弁
14・・・・冷却ダクト
2・・・・ 台車
3・・・・ ボイラー
4・・・・ 蒸気導入ライン
41・・・・圧力制御弁
42・・・・電磁開閉弁
5・・・・ 蒸気加熱循環装置
51・・・・熱交換式ヒーター
52・・・・循環ファン
53・・・・循環ダクト
54a, 54b・整流板
55・・・・整流板取付けフレーム
56a〜56d・遮蔽板
57・・・・加熱用蒸気制御弁
58・・・・蒸気トラップ
6・・・・排気装置
61・・・・管路
62・・・・排気弁
63・・・・凝縮器
64・・・・散水器
7・・・・ 桟積みパレット
8・・・・ 木材
9・・・・ 桟
10・・・・重錘

Claims (10)

  1. 下記(a)ないし(h)のステップから成ることを特徴とする、桟積みされた木材を加熱室内で熱処理乾燥する方法。
    (a) 桟積みされた木材(8)に矯正負荷を掛け、加熱室(1)内に搬入し、加熱室(1)を閉鎖する装入ステップ。
    (b) 加熱室(1)内へ蒸気を導入しつつ、加熱室(1)内の空気を室外に排出し、蒸気と置換するエアパージステップ。
    (c) エアパージステップの実行過程中又はその終了後に開始されるステップであって、ヒーター(51)により、加熱室(1)内の蒸気の一部を加熱し、過熱蒸気として加熱室(1)内を環流させ、加熱室(1)内蒸気を過熱状態に保持すると共に、加熱室(1)内の木材温度をそのリグニン軟化温度以上に上昇させる昇温ステップ。
    (d) 昇温ステップに引き続き遂行されるステップであって、ヒーター(51)により、加熱室(1)内の蒸気の一部を加熱し、過熱蒸気として加熱室(1)内に還流させ、加熱室(1)内蒸気を過熱状態に保持すると共に、一定時間、加熱室(1)内の木材温度をリグニン軟化温度以上の一定温度に保持する熱処理ステップ。
    (e) 熱処理ステップに引き続き遂行されるステップであって、加熱室(1)内の余剰の蒸気を系外に排除すると共に、ヒーター(51)により、加熱室(1)内の蒸気の一部を加熱し、過熱蒸気として加熱室(1)内に還流させ、加熱室(1)内蒸気を過熱状態に保持すると共に、加熱室(1)内の木材温度をリグニン軟化温度より高い所定の乾燥温度に保持しつつ、木材(8)中の水分を蒸発させる乾燥ステップ。
    (f) 乾燥ステップを停止し、加熱室(1)内に設けた冷却ダクト(図示せず)内に冷媒を通じて加熱室内に自然対流を生じさせ、木材(8)の温度及び蒸気圧を低下させる前期冷却ステップ。
    (g) 前期冷却ステップに引き続き、前記冷却ダクト内に冷媒を通じて加熱室内に自然対流を生じさせつつ、加熱室内に外気を導入して加熱室(1)内の圧力を(1−10×10−3)atm以上に保持しながら、木材(8)の温度を低下させる後期冷却ステップ。
    (h) 加熱室(1)を開扉し、乾燥された木材(8)を取り出す搬出ステップ。
  2. ヒーターとして、加熱室内に設けたヒーター(51)を用いることを特徴とする請求項1に記載の木材熱処理乾燥方法。
  3. 上記後期冷却ステップにおいて、加熱室(1)内の圧力を1atm以上に保持する、請求項1又は2に記載の木材熱処理乾燥方法。
  4. 上記昇温ステップ、熱処理ステップ及び乾燥ステップにおいて、加熱室(1)内の蒸気の一部を加熱し、過熱蒸気として加熱室(1)内に還流せしめるに当たり、加熱室(1)の入口近くの蒸気の一部を当該入口とは反対側の奥壁近くに設けたヒーター(51)に導き、加熱して過熱蒸気とし、当該奥壁近くから入口方向へ向けて加熱室(1))内をその長手方向に沿って還流せしめると共に、当該還流される過熱蒸気が、桟積みされた木材(8)部分を集中して通過し、木材と加熱室の内壁面との間の間隙を流れることがないよう、当該間隙の加熱室奥側から入口近くまでの少なくとも1箇所において、木材と加熱室の内壁面との間を塞ぐ、請求項1内視の何れか一に記載の木材熱処理乾燥方法。
  5. 下記(a)ないし(i)の構成要素を備え、請求項1ないし4の何れか一に記載の方法により木材を熱処理乾燥する装置。
    (a) 主体部が断熱壁(11a〜11e)で構成され、扉(12)を具備し、桟積みされた木材が収容される密閉可能な加熱室(1)。
    (b) 加熱室内の気体を室外に排出する排気装置(6)。
    (c) 蒸気供給源(3)。
    (d) 蒸気供給源(3)が発生する蒸気を加熱室(1)内に随時導入し得る蒸気導入ライン(4)。
    (e) 循環ダクト(53)により加熱室(1)の入口近くの蒸気の一部を取り入れ、これを当該入口とは反対側の奥壁近くに設けたヒーター(51)により加熱して過熱蒸気とし、当該奥壁近くから入口方向へ向けて加熱室(1)内をその長手方向に沿って還流せしめることにより、加熱室(1)内の蒸気を過熱状態に保持する蒸気加熱循環装置(5)。
    (f) 上記蒸気加熱循環装置(5)により加熱室(1)内の長手方向に沿って還流される過熱蒸気が、桟積みされた木材(8)部分を集中して通過し、木材と加熱室の内壁面との間の間隙を流れることがないよう、当該間隙の加熱室奥側から入口近くまでの少なくとも1箇所において、木材と加熱室の内壁面との間を塞ぐ遮蔽板(56a、 56b、 56c、56d)
    (g) 加熱室(1)内気体を冷却するする装置。
    (h) 加熱室(1)内の温度を計測、制御する装置。
    (i) 加熱室(1)内の圧力を計測、制御する装置。
    (j) 熱処理乾燥工程の進行を制御する中央制御装置。
  6. 木材と加熱室の内壁面との間を塞ぐ上記遮蔽板(56a、 56b、 56c、56d)を、加熱室(1)の入口近くであって、上記循環ダクト(53)が加熱室の蒸気の一部を抽出する抽出口より奥側に設けた、請求項5に記載の木材熱処理乾燥装置。
  7. 冷却装置が、加熱室(1)内に設けられ、冷媒が貫流する冷却ダクト(14)である、請求項5又は6に記載の木材熱処理乾燥装置。
  8. 桟積みされ加熱室内に搬入された木材(8)の加熱室入口側端部及び/又は奥側端部に近接する位置に、整流板(54a, 54b)を設けた、請求項5乃至7の何れか一に記載の木材熱処理乾燥装置。
  9. 少なくとも一部の木材(8)の温度変化及び/又は重量変化を計測する装置を設けた、請求項5乃至8の何れか一に記載の木材熱処理乾燥装置。
  10. 加熱室(1)が、荷役用コンテナサイズである、請求項5乃至9の何れか一に記載の木材熱処理乾燥装置。
JP2006086393A 2006-03-27 2006-03-27 木材の熱処理乾燥方法及び装置 Ceased JP2007263409A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006086393A JP2007263409A (ja) 2006-03-27 2006-03-27 木材の熱処理乾燥方法及び装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006086393A JP2007263409A (ja) 2006-03-27 2006-03-27 木材の熱処理乾燥方法及び装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2007263409A true JP2007263409A (ja) 2007-10-11

Family

ID=38636569

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006086393A Ceased JP2007263409A (ja) 2006-03-27 2006-03-27 木材の熱処理乾燥方法及び装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2007263409A (ja)

Cited By (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011094836A (ja) * 2009-10-27 2011-05-12 Eno Sangyo Kk 木材乾燥方法および木材乾燥機
KR101174335B1 (ko) * 2011-11-17 2012-08-16 주식회사 위드우드 목재 건조 및 고열처리 장치
KR101195385B1 (ko) * 2011-11-17 2012-11-01 주식회사 케이원우드 목재 건조 및 고열처리 장치
JP2013108724A (ja) * 2011-11-24 2013-06-06 Sanshu Sangyo Co Ltd 木材乾燥機およびその乾燥制御方法
KR101338651B1 (ko) * 2011-11-17 2013-12-09 문중묵 목재 건조 및 고열처리 장치
KR101358062B1 (ko) 2012-01-13 2014-02-04 남궁동우 목재 건조장치
KR101434472B1 (ko) 2012-05-10 2014-08-27 문중묵 과열증기를 이용한 침엽수 목재 건조 방법 및 장치와 이에 의해 건조된 한옥용 목재
CN105302194A (zh) * 2015-10-16 2016-02-03 衢州联盛方略技术开发有限公司 烘房恒温控制装置
JP2017001320A (ja) * 2015-06-12 2017-01-05 パナソニックIpマネジメント株式会社 木材処理装置
JP2018103363A (ja) * 2016-12-22 2018-07-05 パナソニックIpマネジメント株式会社 木材処理装置及び木材処理方法
CN112856941A (zh) * 2021-01-19 2021-05-28 广东省林业科学研究院 一种真空式蒸汽热处理木材设备及其处理方法
CN114851334A (zh) * 2022-04-21 2022-08-05 浙江峰晖竹木制品有限公司 一种高强度木材改性热处理设备

Cited By (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011094836A (ja) * 2009-10-27 2011-05-12 Eno Sangyo Kk 木材乾燥方法および木材乾燥機
KR101174335B1 (ko) * 2011-11-17 2012-08-16 주식회사 위드우드 목재 건조 및 고열처리 장치
KR101195385B1 (ko) * 2011-11-17 2012-11-01 주식회사 케이원우드 목재 건조 및 고열처리 장치
KR101338651B1 (ko) * 2011-11-17 2013-12-09 문중묵 목재 건조 및 고열처리 장치
JP2013108724A (ja) * 2011-11-24 2013-06-06 Sanshu Sangyo Co Ltd 木材乾燥機およびその乾燥制御方法
KR101358062B1 (ko) 2012-01-13 2014-02-04 남궁동우 목재 건조장치
KR101434472B1 (ko) 2012-05-10 2014-08-27 문중묵 과열증기를 이용한 침엽수 목재 건조 방법 및 장치와 이에 의해 건조된 한옥용 목재
JP2017001320A (ja) * 2015-06-12 2017-01-05 パナソニックIpマネジメント株式会社 木材処理装置
CN105302194A (zh) * 2015-10-16 2016-02-03 衢州联盛方略技术开发有限公司 烘房恒温控制装置
JP2018103363A (ja) * 2016-12-22 2018-07-05 パナソニックIpマネジメント株式会社 木材処理装置及び木材処理方法
CN112856941A (zh) * 2021-01-19 2021-05-28 广东省林业科学研究院 一种真空式蒸汽热处理木材设备及其处理方法
CN114851334A (zh) * 2022-04-21 2022-08-05 浙江峰晖竹木制品有限公司 一种高强度木材改性热处理设备
CN114851334B (zh) * 2022-04-21 2023-12-19 浙江峰晖竹木制品有限公司 一种高强度木材改性热处理设备

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2007263409A (ja) 木材の熱処理乾燥方法及び装置
US8397400B2 (en) High temperature lumber treatment system
US5979074A (en) Method and device for drying sawn timber at reduced pressure
US6374513B1 (en) Process for the heat treatment of lignocellulosic material
US20040187341A1 (en) Timber drying kiln
CA2578020A1 (en) Depressurization type drying machine and method for drying lumber using the same
US20040148795A1 (en) Apparatus and method for the heat treatment of lignocellulosic material
CN109405441B (zh) 一种木材的干燥方法
JP2002086407A (ja) 木材の人工乾燥方法および木材乾燥装置
KR100481454B1 (ko) 건조장치
CA2804192A1 (en) Multiple stage even-drying wood kiln system and method
FI112696B (fi) Menetelmä ja laitteisto puutavaran kuivaamiseksi
US11940212B2 (en) Heat energy distribution in a continuous dry kiln
JP2011094836A (ja) 木材乾燥方法および木材乾燥機
JP2008106959A (ja) 木材乾燥装置及び木材乾燥方法
JP3165817B2 (ja) 木材の熱処理乾燥方法
EP0730130B1 (en) Process and equipment for drying wood
JPH085237A (ja) 木材の乾燥方法及びその乾燥装置
JP3401462B2 (ja) 木材の乾燥方法及び装置
JP5900793B2 (ja) 木材の乾燥方法、および木材用の乾燥装置
JP6631952B2 (ja) 木材処理方法
RU2255276C2 (ru) Способ сушки древесины
US10539368B2 (en) Heat treatment of firewood
KR20010035205A (ko) 히트펌프를 이용한 목재건조장치
JPH06257946A (ja) 木材の乾燥方法および装置

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20080117

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20080228

A045 Written measure of dismissal of application

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A045

Effective date: 20080619