JP6798687B2 - 香料含有消去性着色剤組成物 - Google Patents

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Description

本発明は香料含有消去性着色剤組成物に関する。
衣服等に着色剤組成物が付着しても、洗濯によって消去することが可能な顔料含有組成物は、下記特許文献1〜3に記載されているように公知である。
そして、特許文献1の実施例として記載されている組成物は、着色顔料+分散樹脂と、アニオン性樹脂A及びBを含有し、その分散樹脂はJoncryl678であり、アニオン性樹脂Aはアンモニアで中和されたJoncryl690又はメチルアミンで中和されたハイロスX-1、アニオン性樹脂Bはトリエタノールアミンで中和されたJoncryl690又はポリビニルアルコールである。
そして、特許文献2の例えば実施例2として記載されている組成物は、黒色顔料分散体(水酸化ナトリウムで中和されたJoncryl678)と、エチルアミンで中和されたスチレンマレイン酸共重合体を含有している。
さらに、特許文献3の例えば実施例2として記載されている組成物は、黒色顔料分散体(水酸化ナトリウムで中和されたJoncryl683)と、水酸化ナトリウムで中和されたJoncryl690を含有している。
しかしながら、墨を硯で摺って使用する際には、墨の香りが発生して、筆記時において特有の香りによる雰囲気を生じることができるが、これらの水溶性組成物を使用する場合にはそのような香りを有しないので、墨汁水性組成物として、墨を摺ったような雰囲気を感じることができなかった。
特開2007−186581号公報 特開2007−217538号公報 特開2006−057084号公報
上記の特許文献1〜3に記載の顔料含有組成物によれば、洗濯消去性を有することはでき、かつ表装性や書き味にも優れるものの、例えば墨汁組成物としたときには、墨を摺って得るような墨汁とは香りの面において相違していた。そのため、墨を摺って得た墨汁を使用するかのような雰囲気とすることが好ましい。
また、その他の洗濯によって落ちる顔料含有組成物であっても、香りを付ける際に使用する香料が非水溶性有機溶媒に溶解した香料を使用すると、その非水溶性有機溶媒の存在によって、洗濯による消去性に劣ることになった。
そこで、本発明は、墨汁組成物等や、その他の顔料含有組成物において、所望の香りが付けられると共に、十分に洗濯消去性を有する消去性着色剤組成物を得る。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を行った結果、含有された香料によって、所望の香りを備える消去性着色剤組成物を得ることができた。
具体的には以下の通りである。
1.水、香料、水溶性有機溶媒、水溶性樹脂、顔料及び/又は染料を含有する香料含有消去性着色剤組成物。
2.水溶性樹脂がスチレンアクリル酸共重合体、スチレンマレイン酸共重合体、エチレンマレイン酸共重合体、ポリアクリル酸、ポリビニルアルコールのいずれか1種以上を含有する1に記載の香料含有消去性着色剤組成物。
3.スチレンアクリル酸共重合体が、重量平均分子量が12000〜20000である共重合体Aと、重量平均分子量が7000〜11000である共重合体Bの混合物であり、共重合体Aの含有量は共重合体Bの含有量より少ない1又は2に記載の香料含有消去性着色剤組成物。
4.スチレンアクリル酸共重合体が、重量平均分子量が12000〜20000である共重合体Cと、重量平均分子量が7000〜11000である共重合体Dの混合物であり、共重合体Dのアンモニアの塩の含有比率は42.0重量%以上である1又は2に記載の香料含有消去性着色剤組成物。
本発明によれば、香料による香気を有し、かつ洗濯消去性に優れるという効果を発揮する。
本発明の香料含有消去性着色剤組成物は、まず、衣類等に付着し乾燥した後であっても、通常の洗濯を行うことによって洗い落とすことができるという消去性に優れた性質を有し、同時に優れた香気を有する。
以下に本発明の香料含有消去性着色剤組成物の具体的組成について説明する。
<香料>
本発明における香料としては、天然香料及び合成香料のいずれを用いてもよく、これらを組み合わせて使用してもよい。
天然香料の具体例としては、樟脳、龍脳、リュウゼン香、安息香、海狸香、霊猫香、丁字油、ガルバナム、ジャスミンアブソリュート、ラブダナム、マテ茶、メリロット、ミモザ、ムスクトンキン、ミルラ、オークモスまたはモスドシェーヌ、乳香、ビャクシ香、オリス、パチュリ、ローズマリー油、白檀油、ベチバー油、バイオレットリーフアブソリュートなどが挙げられる。
合成香料の具体例としては、高級アルコール、アルデヒド、ベンズアルデヒド、安息香酸、ケイ皮酸、ケイ皮アルデヒド、ケイ皮アルコール、クマリン、エステル、インドール、ケトン、サリチル酸と関連化合物、テルペノイド、バニリンなどの各種の合成香料が挙げられる。
より詳細な例としては、
(i)群:シス−3−ヘキセノール、リナロール、ゲラニオール、ネロール、シトロネロール、ヒドロキシシトロネロール、テトラヒドロリナロール、ラバンジュロール、α−テルピネオール、l−メントール、ノポール、ネロリドール、ベンジルアルコール、β−フェニルエチルアルコール、γ−フェニルプロピルアルコール、β−フェニルエチルジメチルカルビノール、フェノキシエチルアルコール、フェニルグリコール、シンナミルアルコール、ボルネオールから選ばれるアルコール系香料
(ii)群:チモール、カルバクロール、オイゲノール、ジメチルハイドロキノン、バニリン、エチルバニリン、p−クレゾールメチルエーテル、ジフェニルオキサイド、アネトール、ジヒドロアネトール、シネオール、ローズオキサイド、6−メチルテトラヒドロキノリン、7−メチルキノリン、から選ばれるフェノール系香料、エーテル系香料、エポキシ系香料、又はキノリン系香料
(iii)群:メントン、メチル−n−アミルケトン、アセトフェノン、α−ヨノン、β−ヨノン、クマリン、アニシルアセトン、ショウノウ、マルトール、n−ヘプチルアルデヒド、n−オクチルアルデヒド、n−デシルアルデヒド、シトロネラール、ベンズアルデヒド、フェニルアセトアルデヒド、フェニルプロピルアルデヒド、アニスアルデヒド、ヘリオトロピン、サリチルアルデヒド、シトラール、ギ酸ベンジル、酢酸エチル、酢酸イソアミル、酢酸ゲラニル、酢酸リナリル、酢酸メンチル、酢酸ボルニル、酢酸フェニルエチル、酢酸シンナミル、酢酸アニシル、酢酸パラクレジル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸リナリル、イソ吉草酸n−プロピル、イソ吉草酸イソアミル、ピルビン酸エチル、アセト酢酸エチル、レブリン酸エチル、安息香酸メチル、フタル酸ジメチル、サリチル酸メチル、サリチル酸エチル、アンスラニル酸メチル、アンスラニル酸エチル、安息香酸、桂皮酸、フェニル酢酸、ヒドロ桂皮酸、から選ばれるケトン系香料、アルデヒド系香料、エステル系香料、又はカルボン酸系香料
である。
そして、これらの香料から1つ以上の香料を採用することができる。
本発明の組成物における香料の含有量としては、目的とする香気の強さ、香料の香気の質等を考慮して決定されるが組成物中0.05〜1.0重量%であればよい。
通常、香料はフタル酸ジエチルのような非水溶性有機溶媒に溶解されているが、本発明において香料を添加するに際しては特に、予め水や水溶性有機溶媒に香料を溶解させたものを、消去性着色剤組成物に配合することができる。このとき、なかでも好ましくは水への溶解度が0.5g/1L以上、さらに好ましくは1.0g/1L以上の香料を使用することが、組成物中に溶解した状態で、保存温度が変動する状態であっても、確実に安定して保存できる効果を期待できる。
本発明の消去性着色剤組成物において香料は溶解されていることが必要であるので、その香料としては、水や水溶性有機溶媒にある程度溶解できる香料であること、あるいは、水溶性有機溶媒に溶解された香料を使用することが必要である。そうでないと、本発明の消去性着色剤組成物は十分な洗濯消去性を発揮できない。
仮に消去性着色剤組成物中に溶解できない量の香料や、本来、水に溶解しても十分な香気を得られない程度にしか水に対する溶解度を有しない香料を含有させると、結果として十分な香気を得ることができない。
あるいは、消去性着色剤組成物に溶解させて十分な香気を得るために、香料に非水溶性有機溶媒を添加する必要性を生じてしまい、その結果、十分な洗濯消去性を発揮できない可能性がある。
香料がある程度の水、又は水性有機溶媒への溶解度を有することによって、香料を溶解するために非水溶性有機溶媒を必要とせず、消去性着色剤組成物とした後でも洗濯消去性を阻害する程度の量の油溶性成分や非水溶性有機溶媒を含有しない。
<水溶性有機溶媒>
特に、水に3%以上溶けるものが好ましく、例えばアルコール類ではメチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール等が挙げられ、グリコール類では、エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール等が挙げられ、グリコールエーテル類およびエーテル類では、プロピレングリコールメチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテル、トリプロピレングリコールメチルエーテル、プロピレングリコールn−ブチルエーテル、ジプロピレングリコールn−ブチルエーテル、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールジアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、ポリエチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、トリプロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールジエチルエーテル、ジプロピレングリコールジブチルエーテル、ジプロピレングリコールイソプロピルメチルエーテル等が挙げられる。
<顔料>
本発明において使用できる顔料としては、カーボンブラック、銅フタロシアニン系顔料、スレン系顔料、アゾ系顔料、キナクリドン系顔料、アンスラキノン系顔料、ジオキサン系顔料、インジゴ系顔料、チオインジゴ系顔料、ペリノン系顔料、ペリレン系顔料、インドリノン系顔料、アゾメチン系顔料などの公知の有機顔料を使用することができる。
本発明の消去性着色剤組成物を墨汁組成物として使用する場合には、これらの顔料の中からカーボンブラックを選択して使用することができる。カーボンブラックを使用する場合は、pHが6以上であることが望ましい。
pHが6未満であると消去性着色剤組成物の分散安定性が悪くなる。
本発明中の消去性着色剤組成物100重量部中の着色顔料の含有量としては、2.0〜8.0重量部が好ましい。2.0重量部未満であると、着色効果が弱く、8.0重量部を超えると、粘度が高くなりすぎたり、着色顔料が沈殿して消去性着色剤組成物の保存安定性に劣ったりする可能性がある。
<染料>
本発明において使用できる染料としては、水性媒体に溶解もしくは分散可能であれば特に制限されるものではない。例えば、酸性染料、塩基性染料、反応性染料、直接染料、分散染料および食用色素など各種染料が挙げられ、これらは単独で、または2種以上組み合わせて用いることができる。染料の添加量は、消去性着色剤組成物の総重量に対して、0.1〜10重量%であることが好ましく、0.1〜5重量%であることがより好ましい。
具体的には、酸性染料としては、C.I.アシッドレッド18、C.I.アシッドレッド51、C.I.アシッドレッド52、C.I.アシッドレッド87、C.I.アシッドレッド92、C.I.アシッドレッド289、C.I.アシッドオレンジ10、C.I.アシッドイエロー3、C.I.アシッドイエロー7、C.I.アシッドイエロー23、C.I.アシッドイエロー42、C.I.アシッドグリーン3、C.I.アシッドグリーン16、C.I.アシッドブルー1、C.I.アシッドブルー9、C.I.アシッドブルー22、C.I.アシッドブルー90、C.I.アシッドブルー239、C.I.アシッドブルー248、C.I.アシッドバオレット15、C.I.アシッドバイオレット49、C.I.アシッドブラック1、C.I.アシッドブラック2、塩基性染料としては、C.I.ベーシックオレンジ2、C.I.ベーシックオレンジ14、C.I.ベーシックグリーン4、C.I.ベーシックブルー9、C.I.ベーシックブルー26、C.I.ベーシックバイオレット1、C.I.ベーシックバイオレット3、C.I.ベーシックバイオレット10、直接染料としては、C.I.ダイレクトレッド28、C.I.ダイレクトイエロー44、C.I.ダイレクトブルー86、C.I.ダイレクトブルー87、C.I.ダイレクトバイオレット51、C.I.ダイレクトブラック19、食用色素としては、C.I.フードイエロー3、C.I.フードブラック2などが挙げられる。
<水溶性樹脂>
本発明の消去性着色剤組成物には、被膜形成成分として水溶性樹脂を配合することが好ましい。
配合できる樹脂としては、スチレンアクリル酸共重合体、スチレンマレイン酸共重合体、エチレンマレイン酸共重合体、ポリアクリル酸、ポリビニルアルコールが好ましい。なかでも、水溶性となるようにアンモニウム塩や水酸化カリウムを含有するものが好ましい。
このようなスチレンアクリル酸共重合体を配合させることによって、筆記部分に十分に膜を形成できるので、安定した筆跡を得ることができる。
好ましいスチレンアクリル酸共重合体としては、その重量平均分子量が3000〜20000であって、スチレンアクリル酸共重合体の酸価が150〜300であることが好ましい。
その中でも、場合1として、重量平均分子量が12000〜20000である共重合体A(スチレンアクリル酸共重合体A)と、重量平均分子量が7000〜11000である共重合体B(スチレンアクリル酸共重合体B)を併用でき、さらに、共重合体Aの含有量は共重合体Bの含有量より少なく、衣類等に付着し乾燥した後であっても、通常の洗濯を行うことによって洗い落とすことができるという消去性に優れた性質を有する。
加えて、半紙等の紙に対して筆記した場合であっても、滲まず、乾燥後において表装性に優れるので、清書用の筆記用組成物として使用することができる。また、筆記後に乾燥するまでの状態であっても、紙同士が付着したりすることがない。
さらに、好ましくは共重合体Aの含有量は共重合体Bの含有量の50%以下であり、さらに好ましくはスチレンアクリル酸共重合体Aのアンモニアとの塩、及びスチレンアクリル酸共重合体Bのアルカリ金属との塩である。
また、場合2として、重量平均分子量が12000〜20000である共重合体C(スチレンアクリル酸共重合体C)と、重量平均分子量が7000〜11000である、共重合体D(スチレンアクリル酸共重合体D)を併用でき、これらのスチレンアクリル酸共重合体はアルカリ金属との塩及び/又はアンモニアとの塩である。このときには、分散安定性に優れると共に滲みなどの問題がなく、洗濯消去性に優れ、半紙等に筆記し、乾燥するまでの間において筆記面に新聞紙や他の半紙を重ねて経時後においても、紙同士が付着したりすることがないという効果、乾燥後において表装性、耐水滴滴下にも優れるという効果を発揮できる。さらに、樹脂固形分中の共重合体Dのアンモニアの塩の含有比率は42.0重量%以上であり、好ましくは共重合体Cの含有量は共重合体Dの含有量の含有量よりも少なく、またスチレンアクリル酸共重合体Cはアルカリ金属の塩である。
またこれらのスチレンアクリル酸共重合体CとDを採用する場合において、着色顔料の含有量/(共重合体Cの含有量と共重合体Dの含有量の和)が1/1〜1/30となるようにすることが望ましい。
<共重合体A及びC>
上記共重合体A及びCとしては、酸価が150〜300が好ましい。
酸価が150未満又は300を超えると、着色顔料の分散安定及び滲み防止の効果を両立できない可能性がある。
また重量平均分子量は上記のように12000〜20000であり、好ましくは14000〜18000、さらに好ましくは、15000〜17000である。
重量平均分子量が12000未満であると、滲み防止効果を損なう可能性があり、20000を超えると、筆記性に劣る可能性がある。
本発明中の消去性着色剤組成物100重量部中の共重合体A及びCの含有量としては、共重合体B及びDの含有量よりも少なく、さらに共重合体B及びDの40.0重量%以下、好ましくは30.0重量%以下、より好ましくは20.0重量%以下、さらに好ましくは10.0重量%以下であることがよい。なお、本発明は共重合体A及びCの含有量が0重量%である場合を含む。
50重量%を超えると、新聞付着性及び表装性に劣ることになる。
<共重合体B及びD>
上記共重合体B及びDとしては、酸価が150〜300が好ましい。このような共重合体B及びDを使用することによって、筆記後乾燥するまでに筆記面に新聞紙や他の半紙を重ねて置いた場合であっても、紙同士が付着することもない。
酸価が150未満又は300を超えると、着色顔料の分散安定性及び滲み防止の効果を両立できない可能性がある。また重量平均分子量は上記のように7000〜11000であり、好ましくは8000〜10000、さらに好ましくは、8200〜9000である。
また重量平均分子量が7000未満であると、滲み防止効果を損ない、11000を超えると、筆記性に劣ることになる。
本発明中の消去性着色剤組成物中の共重合体B及びDのアンモニアの塩の含有量は、全重合体Bの含有量の50.0重量%以下であり、さらに9.0重量%以上が好ましく、より好ましくは20.0重量%以上、さらに好ましくは30重量%以上である。9.0重量%以上であると、分散安定性、非新聞付着、及び表装性の各性質をさらにバランス良く備えることができる。
<共重合体A〜Dのアルカリ金属の塩、及びアンモニアの塩>
共重合体A〜Dのアルカリ金属の塩としては、カリウム及び/又はナトリウムを使用することができ、共重合体A及びBに対して、アルカリ金属の水酸化物として使用される。
また共重合体A〜Dのアンモニアの塩としては、共重合体A〜Dに対してアンモニウム塩として形成されるものである。
本発明中の消去性着色剤組成物中の共重合体A〜Dのアンモニアの塩の含有量は、好ましくは共重合体の塩の全体の30.0〜60.0重量%、より好ましくは35.0〜55.0重量%であり、この範囲であると分散安定性、非新聞付着、及び表装性の各性質をバランス良く備えることができる可能性がある。
<その他の塩>
共重合体A〜Dを中和するその他の塩としては、トリエタノールアミン、モノエチルアミン、イソプロピルアミンジメチルアミン、ジエチルアミン、モノエタノールアミン、モノイソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミン、エチレンジアミン、プロピレンジアミン等の塩を用いることができる。
共重合体B及びDのその他の塩を採用する際には、アンモニアの塩よりも少量になるようにする。
<溶媒>
本発明の香料含有消去性着色剤組成物は選択消去性を発揮させるために、水性溶媒を有することが必要であり、そのために水と、必要に応じてエタノール、プロパノール、ブタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール等の公知の水溶性有機溶媒を併用することができる。
また、本発明による洗濯消去性を毀損しない範囲、つまり、洗濯消去性を発揮できる範囲において、少量の油性の溶媒を併用することを排除するものではないが、水性溶媒として、上記の水のみ、又は水と水性溶媒のみを使用することが望ましい。
<添加剤>
その他必要に応じて、グリセリン、プロピレングリコール、エチレングリコール等の多価アルコールや、防錆剤(例えば、ベンゾトリアゾール、トリルトリアゾール、ジシクロヘキシルアンモニウムナイトレートなど)、防腐防黴剤(例えば、ベンゾイソチアゾリン系防腐防黴剤、ペンタクロロフェノール系防腐防黴剤、クレゾール系防腐防黴剤など)、界面活性剤、湿潤剤、消泡剤、レベリング剤、凝集防止剤、pH調整剤、擬塑性付与剤等の慣用の添加剤を添加することができる。但し、界面活性剤及び湿潤剤等を添加する場合には、香料含有消去性着色剤組成物により筆記等したときの筆記性や筆跡等を不適切にしないことが望ましい。
<製造方法>
本発明の香料含有消去性着色剤組成物の製造方法の一例としては、まず顔料及び/又は染料を水に分散又は溶解して水溶液を得て、次いで少量の水溶性有機溶媒に溶解されてなる香料の溶液を水溶液に添加・溶解し、さらに各種の添加剤を添加し、均一になるまで撹拌することにより得ることができる。
なお、顔料を水に分散させる際には、公知の分散機や撹拌機を用いることができる。具体的にはビーズミル、ボールミル、サンドミル、ロールミル、ニーダー等の分散機、またターボミキサーなどの撹拌機などが挙げられる。
下記表1に示す配合となるように、各成分を混合して消去性着色剤組成物を得た。
(消去性試験)
・試験サンプルの作製
綿ブロード(晒)の試験布に水を含まない画筆(平筆4号)を用いて、作製した消去性着色剤組成物を塗布し、室温で指触乾燥するまで放置した。
・洗濯
乾燥後の試験サンプルを弱アルカリ性合成洗剤を使用して(0.4重量%量)2時間漬け置きし、3分間手でもみ洗いした。
その後、洗濯機で弱アルカリ性合成洗剤を使用して(0.1重量%量)20℃で15分間洗濯し、15分間水洗した。
乾燥後の試験サンプルと、試験サンプルと同様に洗濯を行った綿ブロード(晒)の色差ΔEを測定し、以下の基準により評価した。
・消去性評価基準
○:ΔE 10.0未満
△:ΔE 10.0以上
Figure 0006798687
PG:ポリエチレングリコール
J678(KOH):ジョンクリル678の水酸化カリウム処理物(重量平均分子量8500)
J678(NH3):ジョンクリル678のアンモニア処理物(重量平均分子量8500)
J690(KOH):ジョンクリル690の水酸化カリウム処理物(重量平均分子量16500)
また表中の(%)は、溶液として使用される重合体や香料の濃度である。
本発明に沿った例であり、水溶性有機溶媒に溶解した香料を添加した実施例1〜6によれば、十分な消去性を発揮することができた。
これに対し、比較例4に示すように、本来十分な消去性を有する消去性着色剤組成物であっても、それに非水溶性有機溶媒に溶解した香料を添加した比較例1〜3によれば十分な消去性を発揮することができなかった。

Claims (2)

  1. 水、
    香料の水又は水溶性有機溶媒の溶液
    水溶性有機溶媒、
    スチレンアクリル酸共重合体の1種以上を含有する水溶性樹脂、及び、
    顔料及び/又は染料
    を含有し、
    スチレンアクリル酸共重合体が、重量平均分子量が12000〜20000である共重合体Aと、重量平均分子量が7000〜11000である共重合体Bの混合物であり、共重合体Aの含有量は共重合体Bの含有量より少ない、又は、
    スチレンアクリル酸共重合体が、重量平均分子量が12000〜20000である共重合体Cと、重量平均分子量が7000〜11000である共重合体Dの混合物であり、共重合体Dのアンモニアの塩の含有比率は42.0重量%以上である、
    香料含有消去性着色剤組成物。
  2. 香料の水への溶解度が、0.5g/1L以上である、請求項1に記載の香料含有消去性着色剤組成物。
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